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6
:
夕
:2017/02/05(日) 22:01:46
「山田カリバーくん・・・その・・・防具のことだが・・・どうにならないのかね・・・」
少し困ったような声色で逆光先生が僕に問いかける。
「どうにかってどういうことですか?」
「そのだね・・・防具が外せないことはわかっているんだが」
さらに逆光先生は困ったように顔をあちらこちらに動かしながら言葉を選ぶように言う
「結構派手な防具だろう?それに豪華な装飾もついている。だがなあ・・・」
逆光先生が珍しく溜め息をつく。
どんな困難があっても、生徒が本当に非行に走ったとしても直接生徒とぶつかって一緒に解決してきたいつもの逆光先生とは様子が違った。
逆光先生には入学以来この全身防具の自分に優しく接してくれている。
その逆光先生が言いかねている事があるようなのでこちらから話をうかがうことにした。
「ど、どうかしたんですか?」
僕がもどかしく思っていたのを察したのか逆光先生はある悩み事を打ち明けてくれた。
「それが、憧れてデストロイ優美子くんがそういう防具を売っている店を見つけたらしく着てくるんだよ……」
「え、えぇ……」
困惑だ。
確かに呪われているだけあって邪悪な様相をした防具だが敬遠されることはあっても、羨ましがられるとは。
しかも似たような防具を見つけてくるなんて、呪われてなければこの防具自体を押し付けたいと言うのに!
それに逆光先生はそれを僕に言ってどうしようと言うのだ。
「あの先生、改めて言いますがこの防具は呪われていて脱げないんですよ」
「ああ、その問題はわかっている難題だったが解決法を考えてみたんだ」
「その解決法とは」
夕日が眩しく逆光先生の表情がわからないが多分笑みを浮かべているんだろう、やや声色が嬉しそうだ。
「北風と太陽だよ山田くん」
「き、北風と太陽ですか?」
逆光先生は頷きながら答える。
「脱げないんならその上からまともな服を着ればいい!それが格好良く見えればデストロイくんもそっちを真似するだろう!」
逆光先生はごそごそとカバンから何かを出しながらさらに言う。
それは日の丸模様のTシャツとデニムのズボンだった。
「さあ、これを着るんだ山田くん!」
なんと言うことだ、脱がせられそうになることはあっても、無理やり着せられる事は今までなかった!
しかも、ああ、なんてことだ、ともすればこの防具よりも『ダサい』!
こんな服デストロイさんが憧れるとは思えない!
「えぇとその服は……」
「いいから着るんだ山田くん!」
そう言いながら服を着せようとしてくる逆光先生。
「わ、わかりましたから無理矢理その服を着せるのは…」
その数分後
「き、着てみましたけど」
刺々しい呪われた防具の上に着たため、あちらこちらがビリビリに破け、伸びてしまっている。
「うーむ思っていたのとは違うがこれで数日着てみてくれ」
逆光先生の表情は夕日の逆光で見ることができない。
このまま数日か……
暗澹とした気分で過ごした数日後、逆光先生からまた頼み事があった。
「山田くん!申し訳ないがその服を脱いでくれ!」
「なにかあったのですか」
「デストロイ由美子くんがやり過ぎ気味なダメージ服に目覚めてしまって風紀委員に怒られてしまったんだ!」
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