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企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議
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雑談、キャラクターの情報交換、
今後の展開などについての総合検討を主目的とします。
今後、物語の筋に関係のない質問等はこちらでお願いします。
規約はこちら
>>2
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>284氏のをうpだけで良ければ暫定的でしましょうか?
どうぞ、何らかの役に立てるなら作業の甲斐があったものです。
ご自由にご利用下さい。
ついでに最新版をUPさせていただきます。
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org0782.zip.html
PASSは negi です。
2、3日で消えるのでロードはお早めに。
物語の進行と共に、素材をこれからも上げていくつもりです。
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>>291
ありがとうございます。
ttp://d1s.skr.jp/ergr/
早速上げさせていただきました。
一部web対応にするためにファイル名とリンク等弄ってある場所があります。
オリジナルのままでなく申し訳ない。
ミスがあれば報告お願いします。
web対応の方の圧縮は、著作元は私ではないので284氏のご要望がありましたら上げておきます。
ここから先、次のレスは日曜投下予定の話の流れです。
かなり本筋を佳境に向かわせる為に動向に変化を加える予定なので、
話の枠組だけ先に上げておこうと思います。
ネタバレを好みたくない方はこの名前をNG指定にして下さい。
そのための被らないような適当な名前ですw
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登場キャラ:智機、プランナー、ケイブリス。番外で透子
プランナー接見
智機、プランナーに要求を蹴られ、己が駒であることを自覚し、機械であるはずなのに少々情緒不安定になりだす。
代わりに透子の能力の使用禁止(プランナーが協力している部分で)
ゲームの成功のために協力しないのだから、透子にも協力するな。と無謀にも突きつける。
プランナー、受け入れる理由も利益も自分にはないが、智機のもがく姿に何かを見て気まぐれに受け入れる。
以後、透子の『読み替え』の能力でプランナーに許可を求める程大きく変化させるものは行使不可に。
ここまでが前編。
後編ではケイブリスとの会話とスタンスの変化していく有様と説明。
「運営としてゲームを終わらせる」から「運営の立場を利用して願いを叶える」という形にスタンスへと変える予定です。
今までは『駒』として「運営を行なう」だったものからの変化で、今後は運営に課せられた最低限のルールさえ守れば願いかなえるためには何でも有り
(といっても既に何でも有り的なスタンスでしたが、最後の壁を取っ払った感じでしょうか?)
内容は。
「というわけでもう遠慮せずザドゥ殺っちまえ」「殺るにしてもどう殺すか」「内輪で処理では戦力の減少になるし、隙をつかれる可能性が」
「あの手この手で対主催チームを・にぶつければあっちの戦力もダウン、ザドゥが勝ってもそのバンバンザイ」
「透子? 邪魔するならザドゥと同じようにする」「残ったヤツラで無理矢理にでも殺し合いさせればいい」
という会話と彼女の考えで閉める予定です。
前編は日曜予定。
後編は完成しなければ放送後でも可なので来週末、
時間が取れないと再来週とかに伸びるかもしれませんが……頑張りますorz
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>>292
まとめサイト設立ありがとうございます。
オリジナルのままでもOKです。
形になっただけでも嬉しい限りです。
最新話分も含めて、今度の日曜日の昼頃に新素材をアップさせていただきます。
それと>>293の展開は私は構わないと思います。
>いずれ迎える日の為に
細かい仮想戦闘描写見事でした。恭也の実力を再確認。
神速抜きでも尋常ではない強さが伝わってきました。
恭也と紗霧のやりとりも緊張感があって面白かったです。
紗霧の黒さも再確認でしたw
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本スレでの支援感謝です。
>>a154siyedさん
内容の件了解です。
これを受けて、次回投下予定の定時(から5分遅れ)放送話は
>>293前編の裏イベントとして(メール欄①)をやろうと思っております。
それと、後編は放送後でお願いしたいのですがよろしいでしょうか?
よろしければ放送話を来週半ばに投下したいと思います。
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新作乙です。感想はまた後日。
今度の月曜日までを期限に一本SSをここに仮投下したいと思います。
問題が無ければ本スレに投下します。
登場キャラはユリーシャ、まひる、ランス、ほか1名。
今回の話の前の時間の出来事ですが、放送直前に黒幕サイドの誰かのモノローグを入れる予定です。
間に合わなかった場合は没SSとして投下します。
放送話の件、了解しました。
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大変遅れてすいません。ようやく完成しました。
予定の内容より大幅に削る羽目になり、まひるとユリーシャの会話の繋ぎのみになってしまいました。
このレスの後に仮投下し、明日の夜に少しばかりの加筆をした後に本投下します。
先に感想と更新分の素材をアップします。
> 亡きエーリヒ殿に問う
魔窟堂って、ランス達の会話聞いてたのね。
タイトルからしてしんみりとした回想話を期待してたのに、見事に予想を裏切られました。
そして期待以上に面白く笑える内容でした。 じじい……余計な事に気づきやがってw
用心?のためにユリーシャの所持品を隠匿した紗霧の方にもとばっちりが行きそうで、先が楽しみな展開でした。
智機といい、キャラ独自の描写上手いです。
今回は主に本編SSの目次と最新話関連を更新しました。
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4660.zip.html
パスは rowa です
以前上げた、同名のファイルに上書きしていただければ更新できます。
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本スレ >>280
(二日目 PM5:45 西の小屋内)
仮眠を取っているランスとユリーシャを尻目にまひるは窓に手をかける。
窓を開けると涼やかな風が屋内に流れ込んで来た。
木々の隙間からは夕日の暁光が流れ込む。
紗霧は恭也に呼ばれ小屋の外に出たままだ。
まひるは側に置いている地図を手に取ると、それを再び覗き込みこう小さく呟いた。
「ここって地図に載っている小屋じゃないよね」
今、一行が滞在している小屋は参加者に支給された地図に描かれていない。
現状、地図に描かれている小屋は、生存している参加者中しおりを除いて確認していない。
まひるは地図の載っていない建造物の存在を疑問に思った。
だが主催者の基地の位置が記載されてない事を思い出し、ひとまずその疑問を心の隅に追いやる。
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「行って見ようかな?」
魔窟堂が戻って来たら、地図に載ってある小屋の探索を提案しようかなと思った。
不意の襲撃等に備え森内の様子を少し把握したかったし、自身の好奇心もあった。
もっとも多かれ少なかれ危険な場所なのはわかっているので、反対されればおとなくしく引き下がるつもりだ。
まひるは思考を一旦打ち切ると、何気に天井を見上げた。
新しくもないがそれほど古くも見えない白い壁。それを照らす夕日。
日照りの色彩を見てまひるの気持ちは少し沈んだ。
もうすぐ放送だろうか?
「…………」
昼の放送時における参加者の生死も心配だが
死んだ参加者の遺族のその後も、まひるにとっては心配だった。
この島が作られた島でなければ、遺族の何人かには行方を伝える事ができたかも知れないのにと思う。
タカさんには姉がいたけど……と思った時、気配を感じ、まひるはゆっくりと振り向いた。
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「て……まひるさん?」
寝起きのユリーシャだった。
「どうしたの?」
「いえ……何をなさってるのかと」
ユリーシャは遠慮がちに尋ねた。
「んー……この地図の事」
地図を片手でばたつかせながら、間延びして応える。
「気になる事があったのですか?」
「そうそう。 この小屋って地図に載ってないよね」
ユリーシャはその返答に眉を潜めたが、彼女にも思い当たる節があったようでこくりと頷いた。
「
主催もこの小屋の事を知らないのでしょうか?」
「それだったら、ちょっとラッキーかもね」
その言葉を皮切りに2人は地図にある施設についての議論を始めた。
記載されてる小屋の探索も彼女に提案したが、6人が出揃ってからって事で結論が出た。
「姫さんはどこの国に住んでるの? あたしはねー……」
議論がが他愛のない世間話に移行した。
まひるは学校での出来事を主に、ユリーシャは祖国にいる侍女や収穫祭の事を話題に出した。
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「あの、まひるさん……話題を変えて悪いのですが、お聞きになっても構いませんか?」
「? どうしたの」
互いに少し緊張しつつ彼女は尋ねた。
「ランスさまと恭也さんは何をお話になっていたのでしょうか?」
「……」
返答に困った。
先に思い浮かんだのはあの時、彼女がランスに尋ねた時に「お前には関係のない事だ」とにべも無く返したところ。
ランスと恭也の会話の一部始終は、魔窟堂らと同じくまひるもすべて聞き取れていた。
秋穂と言う人物名を交えたランスと恭也の会話は短くも重く、悲しい空気が流れていたのも感じ取れていた。
「……どう答えていいのかわからない」
「え?」
「あの時、ランスは姫さんと……多分、恭也さんも気遣ってたみたいだから言いにくいや」
「私と……あの人をですか?」
思わぬ返答にユリーシャは戸惑い、それを遮るようにまひるは言葉を続けた。
「それに、これまで2人の間に何があったかわからないから」
「……それは」
ユリーシャは何とか問いただそうとするが、何かに気づいたのか顔少し俯かせた。
「……私は恭也さんの事、訊かされてませんでした」
「何で教えてくれなかったんだろね」
まひるは両目を閉じ、困ったように呟き、ユリーシャも曖昧に笑いながら返す。
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「知らない方が良いのでしょうか……」
「ランスから先に話してくれるのが良いと思うんだけどね」
「……………………」
ユリーシャはしばし考え込んだ。 そして、まひるに目を向け言った。
「……それでも、少しだけでもお教えいただけませんか?」
「いいの? ランスは……」
「…………」
不安げにユリーシャの手が硬く握られる。
手に汗がにじみ出るのを自覚しながら、ユリーシャは言った。
「ランス様からの口から……いつかお聴きします」
「そっか」
まひるはそう言い微笑んだ。
ユリーシャはそれに会釈で返すと、脱力したように息を吐いた。
そして開いた窓を見る。陽の赤みが濃くなったように思えた。
まひるは歩み寄り、ユリーシャの背をぽんと叩いた。
「?」
「彼氏を起こしに行きなよ」
ユリーシャは戸惑ったが、その言葉の意味に気づき「ええ」と微笑みながら
仮眠を取ってるランスの方に行った。
ほぼ同時に紗霧が戻って来るのを気配で感じた。
まひるは窓から身を乗り出し、風景を眺めながら考える。
ランスとも話をしてみようかな、と。
↓
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【グループ:紗霧・ランス・まひる・恭也・ユリーシャ・野武彦】
【現在位置:西の小屋】
【スタンス:主催者打倒、アイテム・仲間集め、包囲作戦】
【備考:全員、首輪解除済み】
【ユリ―シャ(元№01)】
【スタンス:ランスを中心にグループに協力】
【所持品:ボウガン、スコップ(小)、メス1本、指輪型爆弾×2、小麦粉、
解除装置、白チョーク1箱…は紗霧に隠されてます】
【能力:勘が鋭い】
【備考:疲労(小)、紗霧に対して苦手意識】
【広場まひる(元№38)】
【スタンス:智機以外の相手との戦闘はなるべく避ける。
グループが危険に晒されるなら、応戦する
島からの脱出方法を探る、機会があれば西の森を更に探索してみる】
【所持品:せんべい袋、服3着、干し肉、斧、救急セット、竹篭、スコップ(大)
携帯用バズーカ(残1)、タイガージョーの支給バッグ(中身は不明)】
【能力:身体能力↑、????、怪力、爪、超嗅覚・感覚、片翼、衝撃波(練習中)使用】
【備考:疲労(小)】
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仮投下終了です。
時系列的には前話より前なので、次の更新では話数を入れ変えた方が良いかもと考えてます。
問題なければですが。
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何かNGワードでここに上手く書き込めない……。
>>304
乙です。
小屋は既存のmapにある小屋跡とは別に西の森にあるもので地図に載ってないということでおkでしょうか?
読み返してると小屋いっぱいあってワケワカランになってしまってw
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はい、OKです。
東の森と西の森にはそれぞれ一件ずつ、地図には載ってない小屋がありました。
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『頭が痛い』
もし生身の肉体を持つものならば発せられたであろう言葉の示すものに智機は襲われていた。
(違う。所詮、これは行き場のない答えの出ない複雑な演算処理によるもの!!)
椅子を掴む手に力が込められ、ギリギリと機械が軋むような音が聞こえる。
(No.16朽木双葉、No27しおりの確保はこれで不可能!! ザドゥに至ってももはや今からでは此方からは間に合わん!!
素敵医師もカモミール芹沢もどうすればいいというのだ!!)
己の目論見が完全に潰され、智機はやり場のない怒りに襲われていた。
(おのれ、おのれ、おのれ、おのれ、おのれ、おのれ、おのれ!!)
口惜しい。
今、彼女を支配している『感情』は紛れもなく『怒り』であった。
(透子のやつめ!!)
忌々しく、思考の中で智機は先の会話をリピートした。
『主催者の命は、ゲームの進行を妨げてまでして
守るものではないのですね?』
『最初からそういってる』
―――ゲームの進行を妨げてまでして主催者の命を助ける理由がない。
確かに、彼女の言わんとする理は適っていた。
ゲームの進行とは別のところで運営陣同士の派閥争いが起きようが、
その結果殺害が起きようが、ゲームの進行さえ遂行されれば良いというのだ。
ザドゥが素敵医師を制裁しようとしても透子が止めようとしないのはそういうことだ。
参加者が参加者を殺すために広範囲にわたる攻撃を行なった際、近くにいた運営者が死ぬことになっても助けてはいけない。
それは近寄った運営者が悪いのであり、運営者を助けようとし、そのためにゲームの妨害をしてはならない。
つまり、その場にいる運営者の自業自得なのである。
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(そんなことは解りきってる!! だが!)
尤も、それは先刻までの話だ。
既に運営者も舞台に引き上げられてる以上、降りかかる火の粉を払わねばどうすると言うのだ。
この後に及んで、素敵意思、ザドゥ、カモミール芹沢ら運営陣の巻き込みも狙いに含まれていたとしても。
双葉がアインを殺そうとしている意思がある以上、そちらが優先されるべき。
と言うのである。
双葉の行為は、確実に巻き込みを狙っている。
森の中にいる彼女が彼ら運営陣を気づかぬはずはないのだ。
しかし、その意図が明らかに見えていたとしても、それは智機のサイドからすれば確定の弁が取れているわけではないのだ。
即ち、透子はそれをもってして過剰な介入と警告を発した。
あくまで彼女は、
「仲たがいを起こし、このような結末を引き起こした運営が無能であったのであり、それは『上』の命令規定から外れたものではない。
よって、『上』の意思の元である」
と宣言しているのだ。
チェスの駒は決まった動きしかしてはいけないというのである。
それ以外が許されるはずがない。
しかし、智機はプランナーへの連絡権を与えられている。
プランナーとしても出来る限りゲームは成功させたいという意思があると彼女は思っている。
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では、
―――主催者がゲームの進行を手助けするのは是非か。
先の智機の真の意図は此方だ。
素敵医師の介入が実力行使で止められなかったのは『ゲーム内を引っ掻き回すこと』ではあっても『ゲームの進行を妨げる』に抵触しなかったからだろう。
彼は、徹底的に参加者同士が争う為の混沌とした場を提供する道化師を演じつづけた。
参加者同士の殺し合いを煽るという結果の方が副産物と言えど、素敵医師の行動はその結果を生み出している。
つまり、ゲームの遂行を妨害しない行為は、先の運営陣同士の仲違いも、進行を加速させる行為も、許されるのだ。
度重なる警告に従わない首輪を外した反乱者を殺すのも、参加者の確保も、許されるのである。
―――はずなのである。
透子が智機の真の意図に気づいていないとは考えにくい。
仮に気づいてないのだとしても、それは言葉の警告で事足りた筈だ。
分機の破壊まで行なうのは、過剰な行為ではないだろうか。
つまり、気づいてないのだとしたら、運営者同士の仲違いだ。
己の力を誇示し、智機の力を削ごうとしているのであり、お互いに牽制しあっていた状態を崩すと明言しているに他ならない。
ならば、智機サイドによるルールに乗っ取っての透子への攻撃も許すと彼女は誘っているのかもしれない。
気づいているのだとしたら……。
反乱者への処遇を行なう間、参加者達を保護するのは一時的とはいえ、参加者同士のゲーム進行を妨げることであり、妨害に抵触するというのか。
だが、それが阻害になるのなら、かつて素敵医師も散々似たようなことをしている。
しかし、今は違う。
反乱者達が運営者を倒してしまい、反乱者達と参加者達が残りどちらが勝とうと『上』が新たに提示した達成条件はクリアされる。
参加者が自滅し、反乱者が残り運営者達と戦おうとも許可されるのだ。
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つまりそれは……
―――ゲームの終了が運営者による反乱者の始末の場合は、運営陣に課せられた条約は達成されていない。
ギリッ!!
智機の椅子を掴む力が一段と強くなった。
これでは、ザドゥが何と言おうと最初から素敵医師のように積極的に介入すれば良かったのだろうか。
いや、過ぎたことを思考しても仕方がなかった。
では、もはや運営者達は運に身を任せるしかないということを透子は言っているのか。
だとしたら、これでは何のための契約だったか解らない。
透子の願いとは運次第で「適えばいいや」という気軽なものなのか。
彼女は諦めた気持ちでいるというのか。
(もはや猶予はない……)
透子の意図は測れない。
彼女に問い掛けたとしても返ってくることはないだろう。
(やるしかないか……)
ケイブリスとの会話で浮かんだ案、それがあってもギリギリまで粘ってきた。
無能者という烙印を押されたくないが故に。
しかし、問い掛けることが無謀だとしても己の願いに関わる譲れない一線である。
答えが解っていようとも賭けるしかない。
『上』が契約をどう捉えているのかを確かめるためにも。
『上』のゲームを成功させたいという意思は何であるのかを。
このゲームの真の形を確信させるためにも。
―――プランナーへの接見を。
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【主催者:椎名智機】
【現在位置:本拠地・管制室】
【所持品:レプリカ智機(学校付近に10体待機、本拠地に40体待機 、6体は島中を徘徊)
(本体と同じく内蔵型スタン・ナックルと軽・重火器多数所持)】
【スタンス:ゲームに関わる認識の再構築】
【能力:内蔵型スタンナックル、軽重火器装備、他】
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久しぶりに本腰入れて筆取るとこれだけの量に一日費やしても足りないとかどんだけ腕落ちてるとorz
前編後編の予定でしたが、予想以上に智機の思考フェイズが長くなったので
これを前編として、接見が中編、ケイブリスとの会話と智機がどう変わりどう動くかを書く話は後編の三部作になってしまいました。
申し訳ない。
問題なければ明日にはスレに正式投下します。
>>295
後編の件、了承しました。
三部作になってしまいましたが、特に支障はないですので、気にせずそのまま予定通り放送行なってくださいな。
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あ、やば。
ネタバレが含まれてるからNGID対策の名前と余白をつければよかったorz
何やってるんだ自分は……
ネタバレを見てしまった方には重ね重ね申し訳ないorz
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これから、昨日仮投下したSSをタイトル「あの頃の感覚」に変えて本投下します。
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投下終了しました。
いつになったら規制は解けるんでしょうか?と思いつつ投下。
本来は島民の行方を示唆する内容でしたが、推理できそうなのが知佳だけなので没にしました。
メール欄で考えちゃいるんですけどね
>>307-311
新作乙です。内容に問題ないと思います。
感想は本投下の時に
次の素材は地図を作る予定です。
参加者配布用と更新中の地図を。
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>>315
投下乙です。
見ていなかったときで支援できず申し訳ない。
島民の行方があるってことは、この島は海の小さい大陸(ルドラサウム大陸の小さい海だけ版?)だけ作って既存のどっかの島をその上に持ってきたってことになりますね。
メル欄に関しては、メル欄で否定的で申し訳ない。
素材つくりもいつもありがとうございます。
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いえいえ、どういたしまして。
島民についてはメール欄のつもりだったのでその内、参加者の誰かに質問させれば問題ないかと。
あとあの島は、21話と96話によるとグレンコリンズの世界から持って来たみたいです。
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次回投下予定の「第七回放送 PM6:05」ですが、
>>284さんの 黒幕サイドの誰かのモノローグ と
>>a154siyedさんの 中編 の投下終了後に上げようと思います。
>>284、a154siyed 両氏
ちとご相談です。
当方、ごく初期にこのロワに参加していただけなので、
最近のここや他ロワの流儀がイマイチ判っていません。
1.前日までに投下宣言
2.宣言日に本スレに投下
の2ステップでOKという当時の感覚でいるのですが、
もし必要なら足並みを揃えて
1.投下宣言
2.仮投下
3.問題なければ本スレ投下
の手順を踏もうかとも思っています。
お手数ですがご意見のレスをお願いします。
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>>318
私も最近の他ロワはもうここと全く流儀が違うようなのでそっちはチンプンカンなのですが、
総合検討の前スレだかに終盤ということで被らんようにするためと足並み揃えるために
執筆予定の作品に登場するキャラ、またはどんな感じの話かはメル欄なりで先に言っておこうかみたいな流れにはなってたので
それに従ってる感じです。
仮投下は別に義務ではないと思いますが、自分は足並み揃えで行なってるだけなので気にせずに。
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それでいいと思います。
そうしていただけると、本編に組み込みやすいので助かります
合作形式はごく一部の他ロワでもあったと思いますし問題ないかと。
こちらの想定してる黒幕サイドが登場するSSはメール欄です。
時系列は放送前後で考えてたものですが、アイン達は絡みません。
多分、明日の夜8時までに仮投下できると思いますが、遅れた場合は構わず先に進んでOKです。
結構、内容の修正は利くと思うので大丈夫だと思います。
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投下終わりました。
>>318
中編は日曜投下予定になりますが、よろしいでしょうか?
此方の都合で予定が遅れてしまうことになるので、まずければ気にせず投下して下さい。
中編に関して、相談したいネタがあるので、ネタバレを恐れる方は例の名前を再びNGワードにして下さい。
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>>319-320
レス感謝です。
私も仮投下を行うことにします。
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回避用空白
異界ゲートは特異点へのゲート。特異点=各世界へ繋げる為の中継地の空間=ルドラサウムやプランナーもそこのどこかにいる。
智機の管制室の下に異界ゲートが一つあり、管制室から物理的に行くことが可能。
その異界ゲートはプランナーのところへと繋がってる。
というものです。
一応、192話の
>「鏡」は彼が異世界を観賞し、時には干渉し、時にはその世界の
>生きる者、又は物品をこの世界に召喚する為の「門」。
からきてるものです。
別にルドラサウムが覗けるのが四つしかないではなく、島から向こうへの通行路の「門」は四つしかないという感じです。
まだ先ですが、ルドラサウムのいる空間から自分達の世界を映してる門をくぐれば帰ることは可能というネタも考えてはいます。
まずければ、普通にプランナーらのいる空間に繋がってるゲートが管制室の下にあるだけで済ませるので、不都合があればお気軽にご批判下さい。
いや、異界ゲートをくぐればくぐった人の世界に帰れる便利ドアではツマラナイカナトオモッタノデ(ガッ
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とりあえず書き終わったので試験投下します。
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〜カオス〜
(二日目 PM5:58 東の森・楡の木広場)
切っ先を地面に突き立てられた状態の黒い魔剣カオスは、現在の己の境遇を嘆いた。
現所持者であるアインに置いていかれたのが原因ではない。
原因は自らに起こった変化によるものだった。
<ぐっ……心のちんちんが出んのう……>
我が身こそ剣の形になってるものの、いつもなら心のちんちん――オーラーの触手のようなものを
発現させることができ、ある程度の自律行動を行えるはずだった。
だがここに来てからはまったく発現できそうになかった。
これまで森と廃村とこの場で3度自律行動の試みをしたが、ここまで力が出せないとなると一旦諦めた方が良いとカオスは苦渋の判断をし、
意識をこの場の戦闘の分析に切り替える。
背後から流れる黒煙をものともせず、茂みの向こうに聳え立つ巨木に目を向け考える。
巨木からは生命エネルギーによる威圧が、茂みの向こうからは強者達によって放たれる緊張が、背後からは熱が、
地面からはかすかな違和感がそれぞれ感じられる。
アイン達はいつ動く? カオスはそう思いつつも巨木に再度目を向けた。
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(…………動かないのではなく、動けないのか?)
発火元はあの幼女だろうが、巨木から感じられる威圧感からしておそらく女術者は健在。
だが火と煙をこのまま放置すれば、半ば枯れた木々を中心に燃え広がり、
自分や発火元の人外の幼女はともかく、強くても人間であるアイン達は命の危険に曝される。
この威圧感が何らかの術の発動によるものだったら、足止めが目的か?
<しかし……>
確かに女術者の目的はアイン殺害だった。
だが、時折幼女をかばいながらの戦い方を見る限り、まったく手段を選ばないタイプとは思えなかったし、
それに加え自身は隠れて戦っていた事から、己の命も捨てる気がないのではなかったようにも思えた。
さっきまでと様子が違う。
火災を放置した上で、これだけ広範囲に力を振るえば、維持に何らかの代償を払うはず。
森林火災が広がりきれば、術の媒体元であろう巨木は燃え落ち、離脱は困難。
自他ともに巻き添えを食らわせる事前提で行動してるとするなら、カオスが出す結論は一つだった。
<……壊れたか>
幼女と術者を仲違いさせ、戦闘から離脱した前後の三者の様子を思い出す。
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術者は泣いてるように叫んでいた、幼女は狂って笑っていた、アインは――あの時はらしくもないと思ったが
何か落ち込んでいた。
もしあの時――2人を死に追いやる行為ではなく、心を壊してしまう行為を行ってしまった事をアインは嘆いていたとしたら。
<……こりゃあ、共倒れになるかも知れんな>
幾人もの狂人、惨劇を長年見続けていて、なお自らも武器としてそれに深く関与してきたカオスには、アインの冷徹な行動を非難する主義や思考はない。
術者――双葉にも同情・共感する部分はあれど、使い手がアインである以上、直に対面するまでは武器として扱われるのみ。
ただし、カオスは実は双葉にも興味があった。
もし対面した際に双方に話しかける余裕があったら、アインと双葉と交渉(9割方決裂覚悟だが)するつもりだった。
だが、アインも双葉も目的達成の為なら、己の命や主義さえも厭わなくなっている。
互いの自棄が無自覚ならともかく、自覚しつつやってるなら、尚更厄介だ。
そしてカオスが魔剣化してから、これまで見てきたこの手の復讐劇の結末は大抵双方破滅。
<もったいない>
カオスはため息をつくかのように目を閉じ、地面からの発せられる違和感を感じつつ向こうを注視し続けた。
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〜ルドラサウム〜
《キャハッ、キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ……》
ここは無数の『門』が散らばる異空間。
どこか歪な子供のような笑い声が木霊している。
球状のモニターの一つに写っているのは、先ほど透子によって爆破された真紅の機械人形の残骸。
白鯨の姿をした声の主ルドラサウムは紅い双眸をソレに向けて笑い続けていた。
ひぃひぃ……と笑いを噛み殺しながら、ようやく言葉を発する。
《駄目じゃないかぁ、智機くん。ザドゥくんや双葉ちゃんのお邪魔をしちゃ。
途中までいい線突いてたけど、終わってからにしておくべきだったよねっ。 きゃはははははは!》
創造神があの場の智機に対して期待してたのは、乱入した他の参加者との対応や、
ザドゥらの戦闘後における生存者への対応であって、戦闘の介入ではない。
もし透子がフォロー?しなければ、この事についてプランナーと会話するつもりだった。
彼は笑いを止め、楡の木広場の方に更に注目する。 其処から流れていく思念に更に充実感を覚える。
《このままだと凶のしおりちゃん除いて全滅かな? それもいいけど、ちょっともったいないかな?》
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そんな彼の言葉とは裏腹に不満はまったくない。 あくまで面白おかしく成り行きを見るまで。
向こうで苦しみあえぐザドゥとアインを見て口元を歪ませながら、彼は式神星川の事を考えた。
《もうすぐ消えそうだけど、『彼』はここに来るのかな?
それとも、まだ消えないかな?》
双葉によって道具にされる前、苦しみながら身体の中から木の枝を数本出して、地面に埋めていたのを思い出す。
今となっては何がしたかったのか解らないが、どちらにせよその内それも火に焼かれ消えるだろう。
とりあえず、気にしないことにした。
《そういえば、ボクの世界でもここには来ない固体が幾らかあったね。 やっぱり、来ないかな》
彼は次に火災の中心部であるしおりに注目する。
先程と違い、純粋な悲しみの感情しか流れて来ないがこれも悪くない。
それを味わいながら、彼はアズライトら既に死亡した参加者の事を思い、考えた。
そしてある事を再確認し、彼の目線がやや上を向いた。
《……まだ、来てないね》
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彼の白い巨体がわずかに身じろぎした。
必要と思い、次に舞台の生存者の大まかな動向と性格を分析する。
ゲーム終了後の事も想定に入れて楽しむ為に考える。
《そのままでもいいけど、後でしちゃうと締まりがないかな?》
終了後における後始末は何もプランナーだけが行うことではない。
創造神である彼も多かれ少なかれ作業に携わらなければいけない。
彼の『世界』でもそう珍しくない現象がこの舞台にも発生した以上は特に。
それは最初に選択肢として入れていた『終了後に参加者ごと島を破壊する』行動を取るにしてもやらなければならない作業だ。
《ゲームの勝者には、望み通りの褒美をやらなくちゃね》
愉しげな色を滲ませた彼の右目は、ある『門』の一つに向けられたが、また視線を楡の木に戻す。
すべては広場での戦闘が終わってからだ。
《恭也くんは残るかな? 多分駄目だろうけどしおりちゃんも残るかな?》
歌うように楽しげに歪な考えを口に出す。
広場での戦いは膠着してるようだが、いつ動き出すか解らない。
その間に彼は方法を考える。時刻はまもなく午後六時。
六時になったとほぼ同時に案がひらめき、口に出した。
《そうだ》
↓
-
ここで必要か不明だけれども支援
-
仮投下終了です。
>>331さんありがとうございます。
問題があればその点を削り、明日か明後日に加筆したのを本投下する予定です。
問題点かも知れないカオスの違和感の正体はメール欄①と考えました。
式神星川のはメール欄②のつもりだったのかなと思い描写しました。
採用されても②は今後放置しても問題ないと思います。
ご意見待ってます。
>>323
>歪な盤上の歪な駒
新作乙です。投下に気づかず支援できずに申し訳ない。
智機の殺スリストの一位には透子が入りましたかw
前半の反動からか身内に振り回されぱなしでちょっと不憫に感じさせる描写は中々良かったです。
この分だと鬼作の時も相当焦ってたに違いないと思い、彼女への見方が更に変わりましたw
スタンス変更への理由付けも自然でした。
明日か明後日に地図更新とは別に、素材全部をアップする予定です。
可能ならば放送まで入れる予定です。
-
ご存知でしょうが、今回のルドラサウムの目的遂行内容はメール欄のつもりで書きました。
-
>>332
消えてたorz
-
>>332
お疲れ様です。
ルドラサウムはゲームを気にする方でしたか。
ゲーム気にしてるのはプランナーの方で、一部参加者を誘ったり土台作ったりとかしてるようですが、
基本的にプランナーの用意してくれた箱庭を見て楽しんでるだけで、楽しければ結果オーライ主義だと思っていました。
それを前提にして>>293の内容での行使不可等を考えていたのですが、
このままだとプランナーが行使不可をしたこと等に関して、ルドラサウムがプランナーに「何してるんだ?」と説明を求めると思うので
中編後か後編終了後にルドラサウムとプランナーとの会話で、プランナーとルドラサウムの会話(主に納得させるための)シーンを入れようと思いますが
ルドラサウムのスタンスを変化させてしまっても考えている展開等の都合は大丈夫でしょうか?
必要なのでしたら、今考えてる中編のプロットの方を考え直してみようと思います。
-
補足で。
スタンスというより、そのことや智機がこれから起す行動に関して「まぁ、楽しませてくれるならいいよ」と言ったくらいの感じになると思います、多分。
-
レスどうもです。
今回のルドラサウムはゲームの運営を気にしてるて言うよりも
>>333のメール欄も含めて「そうした方が面白そうだから」て思考のつもりで描写しました。
よって>>293の行使不可の理由付けにも影響がないと思ってました。
手間をおかけしたようで申し訳ない。
なのでスタンス変更等については、まったく異論はありません。
無論このまま進めてもOKです。
それと、こちらのSSを放送より先に投下してもいいでしょうか?
もしよければ連絡確認後、早くて夜7時くらいには本投下を始めます。
-
>284さん
>>337の投下の件了解です。お待たせしてすみませんでした。
放送話は智機接見編の投下の後、仮投下したいと思います。
-
推敲と修正が終わりました。
タイトルを一部変更して、これから本投下します。
-
本投下終了です。
新素材のUPはは明日の夜か土曜日の夜になりそうです。
-
先ほど本スレににて昨日投下した作品の場所表記の修正を行いました。
あと最新話までのSS(修正済み)とリンク関連を微修正した素材をまとめてアップします。
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org8887.zip.html
パスワードは negi です。
次回の素材更新は、前のが残っている時にするかもしれません。
>>332
亀レスながらこれらに問題はないと思います。
まだ先の話ですが、帰還しない方が幸せかも知れないキャラがいますが
これも異界クロスオーバーもののお約束ですかね。
-
間違えました。パスは同じです。
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org8895.zip.html
-
だめだ……丁度いいマップ作成ソフトが見つからない。
そう言う訳ですみませんが、地図は後回しにして別の素材を先に作りますorz
-
何だかんだで、どうにかMAPの素体が完成しました。
寄せ集めですが、何とか形になったと思います。
興味ある方は下のアドレスからどうぞ。
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org0834.zip.html
パスワードは rowa です。
灯台のチップだけは見つかりませんでした。
これに参加者の位置や建物の名称を追記していく予定です。
今週中には他の素材数点と共に次の更新ができると思います。
-
結婚式に参列したせいで日に書き終わりませんでした。
まだ時間を置いての推敲が終わってないので明日の夜に此方に試験投下します。
二日遅れとなってしまい申し訳ない。
-
ドンマイ
-
地図が完成しました。
これまで作った素材を含めてアップします。
地図はフォルダ内の二日目・18時をクリックすれば見れます。
おおまかなキャラの現在地、死体の場所が記載されてます。
アドレスは
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2461.zip.html
パスワードは nrowa です。
>>345
明日の晩に知佳単体でSSを投下しようと思ってるんですが、宜しいでしょうか?
内容はメール欄です。
もし明日の晩までに間に合わなければ破棄します。
レス待ってます。
-
すいません、下手したら推敲が日曜になってしまうかもしれないくらいまとまった時間が取れてないんです。
放送投下は気にせずにして下さい……。
>>284
此方の方は知佳のメール欄に関して予定はないので気にせずにやって下さいな。
-
すみませんが間に合いそうにないので、知佳の話は没にします。
気にせず続きを投下してください。
まあ一応放送後でも使えそうなネタではあるんで、機会があれば改変して仮投下します。
ひとまず素材作りに専念します。
-
とりあえず放送話「第七回放送 PM6:05」改め
「第七回放送 PM6:07」仮投下させていただきます。
-
>414
(二日目 PM6:06 東の森・楡の木広場西部)
枯死しつつあった森に、火の手は早い。
朽木双葉が人を捨て修羅へと堕ちたその場所―――
広場西部付近のごく浅い場所は、既に炎の禍が過ぎ去った後であった。
炭の黒と灰の白しか存在せぬモノトーンの世界。
草木の全てが崩れ落ち、均されているそこにただ一つ、
力強く屹立する姿があった。
煙を燻らせるその影は、朽木双葉が身勝手に使い捨てた仮初の命。
かつて星川と呼ばれた式神の残骸。
あるいは成れの果て。
芯の芯まで燃やし尽くされた彼が崩れることなく形を残すのは
地を確かに踏みしめる両の足で、埋めた何かを守る為か。
胸の前で固く組まれた両の手で、遠くの何かへ祈る為か。
それとも燃え尽きた今もなお、
星川としての双葉への想いをそこに留めている為か。
隅々まで炭化し、細かいひび割れを無数に走らせる彼の顔からは
もうその理由を読み取ることはできない。
=-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-=
-
(PM6:07 本拠地・管制室)
コールが乱れ飛んでいる。
哨戒機Pシリーズのうち東の森近辺にいた2機からは
火災状況の報告とその対応の相談が、
残りのPシリーズ4機からは放送の遅れへの問い合わせが、
オリジナルが目覚めさせたものの命令を与えぬまま放置している
学校待機のNシリーズ4機からは行動指示の請求が、
間断なく管制室の通信制御端末に電波を浴びせかけている。
しかし、それら全てに回線を繋ぐことなく、椎名智機は
情報管理端末から第7ピリオドの概略情報を吸い上げていた。
(よくもまぁ、これほどの問題を残したまま謁見などに行けたものだ。
しかも状況情報の一切を持たない私を代行者とするなど……
自己保存欲求とはかくも非論理的な思考ルーチンを生んでしまうものなのか、
それとも情動発生器の制御装置に変調をきたしているのか……)
なぜなら、この智機は目覚めたばかりの機体ゆえ。
どのコールに対応するにも、状況の把握が必須ゆえ。
彼女はスリープモードにあった40機のNシリーズの1機、N−22。
プランナーへの謁見を決意したオリジナル智機が、
その間の管制管理の代行を任せる為に急遽起動させた機体。
(Yes。とりあえず今ピリオドの死者情報は把握できた。
タスクは山積しているがまずは放送だ。7分も遅れているのだから……)
N−22が全島放送用のマイクミキサーを上げた。
-
「これより、第七回放送を行う。死者は無い。以上」
-
(御陵透子に放送させれば定時に放送されたのだと「読み替え」られたろうに、
その透子をも謁見に同席させるとはオリジナルは何を考えている?
この放送の遅れは主催側にアクシデントが発生したのだと、
参加者どもに宣言してやったようなものではないか)
オリジナル智機に毒づき情動振幅をいくぶん抑制させたN−22が、
バックグラウンドでの情報吸い上げを終えた。
N−22は直ちにデータの解析を開始する。
精査すべきは東の森での戦闘及び火災の状況。
しおりの紅涙。双葉の幻術。智機の判断。レプリカの爆散。透子の警告。
重要度の高い情報を抽出し、それらをキーに再走査。
―――N−22の情動波形が大いに乱れる。
目覚めて3分、放送して1分。
N−22は楡の木広場を中心とした事態の深刻さをようやく認識した。
(ザドゥらの安否も気遣わしいところだが、
火災の進行具合によっては全島焼失の危惧すら視野に入る。
これではゲームの進行どころではない)
そして、N−22のこの危惧は高い現実性を帯びていた。
朽木双葉の強引かつ大量の能力行使による東の森の木々の枯死が、
結果として延焼速度を大きく早めてしまっているが為に。
『椎名! 何が起きた!? 辺り一面が火の海だ。
状況の報告……ではない! 救助だ! 至急救助を寄越せ!』
N−22の動揺を断ち切るかの如くザドゥからのコールが飛び込んだ。
彼らしくない切羽詰った声が、幻術から醒めたことを伝えていた。
-
=-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-=
(PM6:08 東の森・楡の木広場西部)
広場の草地を舐めるように這いずる炎は
すでに東の森の主、楡の巨木を蹂躙していた。
双葉のゆりかごだったその巨木は既に殆どの水分を失っていた。
故に瞬く間に炎を纏い、
故に瞬く間に倒壊した。
その振動で、式神の亡骸は散った。
散って、舞った。
一瞬で全てが解けて風に溶けた。
儚くも美しい漆黒の花火が如く。
―――第七ピリオドに死者は無い。
↓
-
【レプリカ智機・N−22】
【現在位置:本拠地・管制室】
【スタンス:管制管理の代行】
【所持品:内蔵型スタン・ナックル】
※式神星川が埋めた「何か」は燃えずに済んだようです。
※楡の木広場西部付近の「足跡」の場所に埋まっています。
-
>>334のメール欄②については、
今回はこういう扱いにさせて頂きました。
また、透子が智機と共に謁見に向かったと書かれていますが、
謁見話が智機単独によるものなら該当部分を変更しますので
その旨レス下さい。
次回投下は「大きな楡の火の下で」。
楡の木広場のメンツを動かします。
-
>>284さん、仮サイトの作成者さん
それと……
自分の書いた話の誤字脱字重複etc.を修正した.htmlファイルを
以下にアップしました。
もしよろしければ次回更新時にでも該当ファイルの差し替えを
お願い致します。
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4635.zip.html
パス無しです。
-
仮投下&修正乙です。
放送7分遅れですか、楡の木以外にいる参加者はどう動くやら。
細かい感想は後ほど。
修正稿ロードさせていただきましたので、次回更新の際に上げさせていただきます。
-
帰宅。
明日は休みなので推敲できます……。
>>357
智機単独です。
此方の投下を待っていたのはこういう理由だったのですね。
申し訳ない。
-
地図へのリンクと追跡表とリンク関連の修正をしたまとめが完成したので上げます。
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1649.zip.html
パスワードは rowa です。
>>358の修正稿ありがたく使わせてせていただきました。
次回からはSSと一緒に徐々にコンテンツを追加していく予定です。
-
もうすぐ睡眠なので感想と報告を
>第七回放送 PM6:07
星川だけでなく、長老も逝ってしまわれたか……良く頑張ったよ。
焼失の様子が情緒深く書かれていて余韻に浸れました。
伏線使ってくれてありがとうございます。
新智機のキャラもオリジナルとやや違う感じで新鮮でした。
他にも別タイプの機体があったのかー。今回もGJでした。
地図のチェックをしていたら色々と見落としがあったので、再度アップします。
SSも7回放送とアナザーを一つずつ追加しました。
小屋の数が多いいいいいいいいいい。
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2108.zip.html
パスは rowa です。
それと、いくつかアイデアが浮かんだのでキャラ予約します。
6人組か、知佳単体で。予約が被ればそっちの方を取り下げます。
それでなくても明日の月曜日にはどちらか決めます。
内容は6人の方はメール欄①で、知佳の方はメール欄②にする予定です。
今度の日曜日の午後までには本投下できると思います。
それを過ぎたら破棄します。
-
以下9レス、「大きな楡の火の下で 〜windward〜」の
仮投下とさせていただきます。
-
>>414
(二日目 PM6:08 東の森・楡の木広場方部)
最初にそれに気づいたのは素敵医師だった。
「あひーあひーひあああああああ!!」
激しい頭痛に体が慣れ始めたザドゥが彼の狼狽ぶりを見て訝しむ。
(なぜ長谷川は俺やアインではなく、頭上を見て怯えているのだ?)
解答は一挙動で得られた。
素敵医師に倣い上空を見上げたザドゥの眼前に、
真っ赤で巨大な質量が迫っていた。
「芹沢、こっちだ!」
ザドゥはぺしぺしと自分の額を叩いている芹沢の腰を抱き、横っ飛び。
直後、彼らが先ほどまでいた位置に楡の巨木が倒れてきた。
ずぅぅぅん!!
内臓まで響く地響き。接地時の風圧はさながら台風の如し。
誰もが堪らず目を閉じる。
突風が去った。
目を開けた。
彼らを取り巻く世界が劇的に変化していた。
-
嗅覚を支配するのは煙と煤の刺激臭。
触覚を支配するのは肌を焦げ付かせるかの如き熱気。
聴覚を支配するのは木々と炎とが奏でる破裂音。
味覚を支配するのは込み上げる吐き気の酸味。
視覚を支配するのは眼前に立ち昇る炎の赤。
倒壊した楡の巨木からは、
あちらとこちらを隔てる結界の如き炎の壁が立ち昇っていた。
「あはははは! ざ・きゃんぷふぁいやー♪」
はしゃぐ芹沢を片手で抱え込み、ザドゥは周囲を見回す。
少し離れた地点でアインがえずいている。素敵医師の存在は確認できない。
白煙に遮られて視界は不明瞭であるが、
どうやら楡の木広場をぐるりと炎が囲っているように見受けられる。
(いつの間に……?)
ザドゥは管制室にコールをかける。
その手が震えているのは一酸化炭素中毒によるものか、
あるいは流石の彼にとってもこの状況が恐怖に値するためか。
「椎名! 何が起きた!? 辺り一面が火の海だ。
状況の報告……ではない! 救助だ! 至急救助を寄越せ!」
『確約しかねます』
対する無線の向こうからの返答は簡潔にして非情。
ザドゥは思わず頭を振る。
流麗なサンディブロンドの髪に付着していた煤が辺りに散った。
-
『ザドゥ様、勘違いしないで頂きたい。
朽木双葉の幻術は解けたようだし、わたしとしても救助を出したい。
しかし、わたしは管制管理の代行権しか持たないレプリカです。
他のわたしたちを起動したり指示を与えたりすることが出来るのは
アドミニストレーター権限を有するオリジナル智機ただ一機。
透子とケイブリスに救助依頼をかけてはみようと思いますが、
果たして彼女らが素直に応じてくれるかどうか……』
「お前では話にならん。本体を出せ」
『No。オリジナルはプランナーと謁見中ですので、わたしには手出しできません』
プランナーを理由にされてはザドゥであっても口を噤む他にない。
皮膚が悲鳴をあげるほどの熱気に包まれているにも関わらず、
ザドゥの背が寒気に震えた。
ザドゥは改めて周囲を見渡す。
広場の西から火の手が迫っていた。
彼が思考のために費やせる時間が、刻一刻と削られてゆく。
(自力脱出しかないのか……)
脱出は可能だ。ザドゥはそう判断している。
特に根拠も計算も無いが、彼の尊大な自負心は揺ぎ無い。
ただし、腕の中できゃらきゃらと笑っている芹沢のことを考えなければ。
故に、ザドゥは救助要請を諦めぬ。
(椎名と俺の立場…… 代行…… オリジナルの不在……
指揮命令系統…… アドミニストレーター権限……
俺の権限!!)
辛抱強く思考を転がすザドゥに、ひらめきが宿った。
-
既に猶予はない。
おそらく通信に時間をかけられるのはこれが最後だろう。
焦りも苛立ちも恐怖も飲み込んで、ザドゥは代行レプリカに問う。
「アドミニストレーター権限、と言ったな。
首魁である俺がそれを与えることは可能だな?」
『そのようなルールはありません。が、それを否定するルールもまた然り。
緊急避難の概念から考察するに、
本来のアドミニストレーター・オリジナル智機が不在の今、
代行者として権限の一時委譲を受けることは可能であると解釈します』
「わかった。権限など幾らでもくれてやる。救助を寄越せ。至急だ」
『Yes。権限の一時委譲を確認。至急救助プロセスを構築、実行します』
答えたレプリカの声が、喜びに震えているように感じられた。
ザドゥは己の見通しに誤まりが無かったことに胸を撫で下ろす。
『今、学校待機の4機の私をそちらに救助に向かわせました。
また、救助物資を持たせた1機をカタパルトより射出すべく準備を進めます』
「どのくらいかかる?」
『カタパルト射出については10分以内にて。
この10分だけ、なんとか自助努力にて命を繋いで頂きたい。
その通信機はビーコン機能もついています。
それが壊れない限り、こちらがそちらをロストする心配はありません』
「わかった。―――頼んだぞ、智機」
『……最善を尽くしましょう』
通信は切れた。条件は明確になった。あとは行動だ。
ザドゥの胸に気力が満ちる。
-
胃液を吐けるだけ吐き、ようやく落ち着きを取り戻したアインへ
ザドゥが厚い掌を差し伸べた。
同じ素敵医師を追った者として相通じるものを感じたからだろうか。
彼の表情にらしくない気遣いが見て取れる。
「ファントム、立てるか?」
しかしアインは手を取ることなく、嗚咽に枯れた声でこう告げた。
「忠告するわ。むしろ立たないほうがいい。煙は高いところに昇るものだから」
ザドゥはアインの忠告に従い腰を落とす。
煙の量が少ないのか視界が広がり、呼吸も幾分楽になった。
「10分で救助が来るが、ここでは10分と保つまい。
風上になんとか活路を見出して、火の手を掻い潜りながら待つことになる。
ついて来い。脱出までの間は保護してやる」
「あなたはもう、長谷川を追わないのね?」
「長谷川が楡の木の下敷きになった今、追うも追わぬもなかろうよ」
「下敷きに? 憶測で物を言ってはいけないわ。
わたしは見たの。
楡の木が接地する瞬間、あの男が向こう側へ転がったのを」
「そうだとしても、だ。
長谷川とてこの炎の中、風下に身を置いていては助からんだろう。
懲罰の必要はくなった」
そう。風は強く吹いていた。
北東から南西へ。
炎の壁のこちらから、あちらへ。
-
ザドゥの見通しは正しい。
アインが見た光景が願望からくる幻影ではなく事実だったとしても、
気力破壊暴発の後遺症に身の自由を奪われている素敵医師が、
今後数分のうちに焼死することは明白だ。
だというのに。それがわかっていてもなお、アインはこう告げた。
「それは間違いないでしょう。でも―――
私が追いつくまで生きていてくれれば、それでいい」
呼吸が止まった。視線が交錯した。
アインの体がしなやかに後方へと跳ね、ザドゥの伸ばした腕が空を切った。
あくまでも素敵医師を追うのだと、アインの行動は語っていた。
おまえを助けたいのだと、ザドゥの行動は語っていた。
追跡のその先に待つは身の破滅なのだと、2人は悟っていた。
「―――お前に願いはないのか?
涼宮遙を、よみがえらせなくても?」
その問いは単にアインの思いを問うているだけではない。
復讐に頑なになっているアインに別の目的意識を与えたいだけではない。
愛妾チャームを蘇らせるという彼自身の渇望―――
アインの態度が、その自らの根本を否定しているかの如く感じられた。
だから、彼は問うた。
短い言葉に、ゲームに賭けた己の全ての思いを乗せて。
「……高みから見下ろす者の何を信じるの?
アリが人に何を求めるの?」
返答は冷めていた。ザドゥは否定された。
-
アインはさらに追い討ちをかけるかの如く言葉を紡ぐ。
「……あなたは信じているのね。
対等でもなく利害関係の一致もない契約を。
破棄することが相手の不利益とならない約束を。
そういう生き方も幸せだとは思うわ」
小娘に己を否定されるは愚か、哀れみすらかけられた。
傲慢とも思えるプライドの高さを誇るザドゥが黙っていられるはずがない。
はずがないが、しかし。
彼が取った行動は、眉間に深いしわを寄せ、沈黙を保つことに留まった。
それほど激しくザドゥの芯は激しく揺さぶられていた。
問いを発した本人が、問われていた。
(恃むは己のみ――― それは本来俺が言うべき台詞ではないか?)
自問の渦中にあるザドゥへ、アインの回答は結ばれてゆく。
「それでも、そうね―――
もし、何かを願わなくてはならないのだとしたら。
願いは、こう」
一呼吸。そして射抜くような視線をザドゥに向けて。
「―――わたしの邪魔をするな」
声量は少量。声質は穏やか。
しかしその声には、百戦錬磨のザドゥを震え上がらせるだけの迫力―――
あるいは覚悟が備わっていた。
-
もう交わす言葉は無い。
低い姿勢のまま、アインが駆ける。広場中央へと向けて。
足元に低く燃え盛る草々を気にもとめず。
炎の壁を迂回して、あくまで素敵医師を仕留めるべく。
「ふぁいやー♪ ふぁいやー♪」
ザドゥは童女の如くはしゃいでいるカモミールの手を引く。
アインに背を向け、北東方向へと。
素敵医師の懲罰を諦め、己の命を守るべく。
胸に去来するはアインへの圧倒的な敗北感。
(ファントム――― おまえはこの森で命を落とすだろう。
しかし、必ずその思いを遂げるだろう)
↓
-
【グループ:ザドゥ・芹沢】
【現在位置:東の森・楡の木広場東部 → 北東方向】
【スタンス:炎から逃げつつ救助を待つ】
【主催者:ザドゥ】
【所持品:ボロボロのマント、通信機】
【能力:我流の格闘術と気を操る、右手に中度の火傷あり、疲労(大)、ダメージ(小)】
【備考:軽度の一酸化炭素中毒】
【カモミール・芹沢】
【所持品:虎徹刀身(魔力発動で威力増大、ただし発動中は重量増大、使用者の体力を大きく消耗させる)
鉄扇、トカレフ】
【能力:左腕異形化(武器にもなる)、徐々に異形化進行中(能力上昇はない)、死光掌4HIT】
【備考:アッパートリップ。禁断症状沈静化。中度の脱水症状だが、一応戦闘可能。
疲労(大)、薬物の影響により腹部損傷】
※ カタパルトによる救助は10分後、学校からの救助は到着時間未定
【アイン(元№23)】
【スタンス:素敵医師殺害】
【所持品:小型包丁2本】
【備考:軽度の一酸化炭素中毒、左眼失明、首輪解除済み、
肉体にダメージ(中)、肉体・精神疲労(中)】
※ 魔剣カオスは楡の木広場北東部外れに放置
※ アインの他の放置アイテムは焼失
【素敵医師:生死不明】
-
以上です。
長くなりすぎたのでパートを二つに分けました。
次回予定は明晩、「大きな楡の火の下で 〜leeward〜」。
素敵医師と朽木双葉です。
-
>284氏
素早いご対応ありがとうございます。
今後どんなコンテンツが追加されていくのか非常に楽しみです。
それと、6人組の件なのですが、
当方が準備している次々回投下予定「バンカラ夜叉姫・雌伏編」の
投下後にお願いできませんでしょうか?
内容的には紗霧が>>373のメール欄①〜③について思考したり、
放送が死者ゼロだったことに他のメンツが沸いたり、
???だったタイガージョーの配布武器が>>374のメール欄④で、
魔窟堂にメール欄⑤は可能かと聞いたりするものなので
やりようによっては283さんのアイデアと共存できると思います。
かぶっている部分、それはやめてという部分がありましたら修正します。
共存できそうにないようでしたら当方の分を破棄します。
お手数ですがレスの程を。
-
カツンと音が幾重にも響いた。
管制室から遥か下。
一つの影が光を灯して動き出した。
音の主は、智機……の分体の一つ。
しかし、その智機は他とは少し違う。
メインと何ら変わりない瞳。
分体特有の機械的な器質とは違った少々人間臭い光りが目に宿っている。
何故なら……メインたる智機の思考は今この時この機体にあるからだ。
(この奥にいる……)
彼女の前に門がある。
ルドラサウム達が待ち受けている空間へと繋がる入り口。
ゲームのために、島のためにある四つの門の内の一つ。
この先に彼らが存在する空間ある。
その空間を介して智機らはこの島に連れて来られた。
しかし、今智機が潜ろうとしている門は、それとは違う。
この四つの門の内の一つであるこれは、プランナーしか所在を知らない。
元々『見る』という視聴者のフェイズに移行したルドラサウムの預かり知らぬ所で用意された門。
プランナーの管理において智機のみの知り得るゲートだった。
-
(ここをくぐれば後には退けない……!!)
管制室には智機のメイン意識が抜けた本体が今も尚作業を行なっているだろう。
彼女はメインを門の手前に用意した謁見用の分体へと一時的に移したのだ。
何故か。
ルドラサウムは舞台を見る時に配役の思考までは読まない癖がある。
よほど意識し、意図して覗く時以外は、ぷちぷちを見て楽しんでるだけなのだ。
それは彼の大陸の時からの癖であるとプランナーから伝え聞いていた。
故にルドラサウムからすれば、覗いたとしても智機は怒りと共に作業を行なっているとしか見えていなかった。
現にルドラサウムはこのことにまだ気づいていない。
プランナーから言われなければ気づかぬだろう。
完全に智機とプランナーのみに許された時が始まるのだ。
そして意を決して門の奥に足を踏み込んだ。
「くっ!?」
眩い光がセンサーを覆い尽くす。
強烈な光は映し出す映像を白い世界へと導いた。
-
<<良く来た……>>
ずっしりとした声が智機のセンサーに、空間に響き渡る。
<<歓迎しよう……>>
光が少しずつ弱まっていく。
不思議なクリスタルのようなものに囲まれた空間。
光が明けると智機の目の前に黄色く輝く巨体が浮かび上がる。
<<さて……何のようだ?>>
彼こそが三超神が一人にして、このゲームのメインクリエイター。
―――プランナーである。
-
「……お聞きしたいことがあって参りました」
傅く。
本心ではバカバカしいと判断しながらも、相手もそのくらい見破っているだろうと判定しながらも
雇用主であるプランナーへと智機は雇用者としての構えを取りつつ音声を出した。
<<……何をだ?>>
ばかばかしい、と智機は思った。
プランナーはルドラサウムと違って今この目の前の自分が何を演算しているかくらい読む性格だ。
そうでなくても当たりをつけているはずだった。
「まず確認したいことが一点……」
<<ほう……?>>
「つい先程、私の分体が二体“破壊されました”。
あれは、プランナー様かルドラサウム様、どちらかの手によるものなのでしょうか?」
-
ピクリ。
プランナーの顔が一瞬動いた。
ここに来るまでの間に智機はアレはどちらかの二神が行なったに違いないと予見していた。
智機といえど透子の能力を全て把握してるわけではない。
しかし、それでもあの爆発は歪なものに見えた。
まず、超能力……ひとえに言っても念動力、発火能力、電磁波、様々なものがあるがどれも該当する形跡がなかった。
超能力者が対象や空間を爆発させる時は、大きな力……不自然な磁場等が計測できる。
機体に何か大きな力がかかった節はなし、発火後である熱源もなし、電磁気の狂いもなし。
では、逆操作による自爆ないし暴走だろうか。
それもありえなかった。
もし逆操作を起こされたなら記録が残るはずである。
飛び散ったチップからはそのような記録は一切残っていなかった。
その他にも考え得る能力を幾つもシミュレートした。
しかし、どれもが当てはまらなかった。
記録を何度も計測しても何の痕跡もない。
機体でも空間でもない、歪な爆発。
まるで存在の否定。
こんなことができるのは、二神を置いて他にあろうか。
-
<<……そうだ>>
プランナーは認めた。
ここで嘘を言う必要性も透子への義理も彼にはない。
「……やり過ぎではないでしょうか?」
智機の言わんとしてることは、これにより運営側の貴重な戦力を欠けたということ。
他にやりようがあったのではないか、ということ。
そしてもう一つは……自分のスタンスと行動はそれだけに値するものなのかということ。
<<解った……説明しよう>>
智機の思惑を理解したプランナーは透子の能力に関して説明を始めた。
彼女の『読み替え』について。
そしてプランナー自身は、智機のことについて特段思ったわけでもなく、彼女の能力に対して『許可』を与えたに過ぎない、と。
-
「私は……『願い』という代価の元に契約を結び、代償として持てる労力を全身でつぎ込んでいるつもりです」
プランナーの説明を聞き終えた智機がぽつぽつと切り出し始めた。
「……貴方様方の盤上を進行する駒であることも重々に承知しています」
所詮、己も盤上の駒の一つでしかない。
精々クィーンでしかないのだ。
今までの思い上がっていた智機からすれば、とても想像できない認識。
「ですが、今回、定められた動きを果たしても『願い』が叶うという可能性が見えなくなりました」
―――ゲームの終了が運営者による反乱者の始末の場合は、運営陣に課せられた条約は達成されていない。
「だからこそ問います……私は……いや、私達は何をすれば良いのですか!?」
<<………>>
智機の叫びをじっと見つめるプランナー。
「駒! そう、私は駒の一つでしかない! しかし、それでも私は意思を持っている! 叶えたい願いがある!
そのための契約であったはずです! それがもはや既に叶わないと言うのであるならば、私は何のために存在しているのでしょうか!?
ボーンであった参加者達は昇格し、もはや自由に動ける! しかしキングである我々は逆に枷が増えた!
それでもゲームを成功させるためならば、私は全力を持って尽くす!
何故なら、これにすがる以外に願いは叶わないのだから!
しかし、あなたは今言った! 何事を思ったわけでもなく、ただルール通り透子の要請を許諾しただけだと!
願いがもはや叶う段階でないなら、運営をする意味はないはずだ!
今一度、教えていただきたい! このゲームの有り方を! 我々の役目を!」
-
無謀なことだった。
この暴言で智機は消されてもおかしくない。
しかし、願いの叶わない以上は、彼女は存在価値を見出せなかった。
怒り。
透子の時とは比べ物にならない程の感情が智機を支配していた。
プランナーの何気ない一言に智機は臨界点を超えた。
何のために尽くしてきたのだ。
既に願いが叶わないなら、運営をする意味がない。
対して参加者は何を目的にしてもいい、枷が外された存在である。
希望を携えた参加者と崖っぷちに立たされた自分。
戦力と言う差はある。
しかし、目的と言う道は参加者達に広く与えられている。
溜まった感情をぶつけ終えた智機をプランナーは見つづけた。
じろりとした彼の黄色い巨体が智機を上から見下ろす。
<<主を楽しませることだ……>>
少しの沈黙の後、プランナーは口開いた。
<<主を楽しませること、それ以外に何の目的も理由もない……。
お前も、ザドゥも、素敵医師も、透子も、参加者も……そして私も>>
-
「ならば!」
プランナーの答えに智機が続けようとする。
しかし、
<<好きにするといい>>
遮って放たれたプランナーの言葉は智機にしては意外なものだった。
<<お前のやりたいように、望むように、『ゲームを成功させればいい』。
それが契約を果たすことだ>>
「それは……」
<<今後は、『許可』は行なわない。お前がどのような行動に移ろうと役目を果たしているのならば好きにするがいい。
私は『お前達』に今後『干渉』しない……>>
「では……!?」
プランナーに問い返そうとする智機のセンサーが再び眩い光に包まれた。
「くっ……!? お待ち下さい!?」
<<覚えておけ、お前達の役目はルドラサウムを楽しませることだ。精一杯もがけ。
それが何よりのルドラサウムの楽しみになるだろう>>
そう言い残し、プランナーの姿は消えた。
-
「…………」
光が過ぎ去った時、智機は門の向こう側にいた。
扉は閉じられている。
「はは……はははははははっはははは!!!!!!!!」
誰もいない。『誰も』見てない。
智機は声を上げて笑った。
「やってやろうではないか! 役目を守れというのなら守ってやる!」
彼女は気づかない。
段々と人になりつつあるのを。
「私の持てる力全てを以ってして! このゲームを成功させよう!」
-
お待たせしました。
中編以上です。
当初プランナー視点もいれるのを考えていたのですが、
前にも言った通り、中編か後編後にメール欄を入れる考えが出来たのでそちらでカバーした方が良くなりそうなので省きました。
次は、後編前にそのままメール欄の予定です。
後編の方はザドゥ達がどうなったか森の騒乱がどうなったか決着ついてから書いた方が良いと思うので
その後に入るつもりです。
以上、遅れて申し訳ありませんでした。
問題がなければ明日の夜に本投下します。
-
>>366
>『No。オリジナルはプランナーと謁見中ですので、わたしには手出しできません』
233話に
>そう。ルドラサウムとは別にプランナーは彼女にひっそりと接触していたのだ。
中略
>だが、彼女は唯一プランナーと連絡できる手段を持つ者だった。
てっきりザドゥとかその他はこのことを知らないものかと思ってました。
智機が「私はプランナーに連絡が取れる」とザドゥ達に伝えてあるケースのようなので
該当の下りを修正しようと思います。
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修正のために色々と読み返してたら
218話で
>『私はゲームの管理者だ。他の主催者には知らされていないルールも把握している」
233話で
>>386のものと
>智機がケイブリスに言った台詞は、ハッタリだけではなかった。
とあったのでザドゥ達が知ってる方が逆におかしかったorz
接見を伝えたら、逆にザドゥは最低でも「今また何かあったのか?」と酷く驚くと思いますが
それさえ除けば、ルドラサウムに接見することがばれてるだけで済みそうなので、その方向性で良ければ修正します。
(接見自体はルドラサウムは覗かなかったことにする流れの感じです)
-
>>362
>ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2108.zip.html
>ERROR
> [!] ファイルがありません
>2108.----./uploda/2108._/2108. ファイルが存在しません。
あぎゃー、パス入力画面は出るのに入れてもダメでしたorz
何か小屋が凄い多いようですね、お疲れ様です。
今週末にそろそろ新作分の更新をしようとと思うので、次のアップデートの時に一括をお願いできないでしょうか?
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執筆&仮投下お疲れ様です。
細かい感想は本投下の時に
>>274
「>バンカラ夜叉姫・雌伏編」の投下後にお願いできませんでしょうか?
OKこちらは一向に構いません。心置きなくご執筆を。
次回作と次々回作の放送の6人の反応が楽しみです。
ひとまず知佳の方を考えて見ます。
>>388
どうやら流れてしまったようですorz
長持ちするアップローダーを探さねばならないですかね。
流れてしまったのと同じ内容のまとめをアップします。
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org0301.zip.html
パスは rowa
念のために今夜もう一度アップすると思います。
カオスや小屋関連で地図を修正するので最新版を手に入れたい方は
今夜のファイルをロードした方が無難だと思います。
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>>386でのご提案については、
自分の方を訂正したほうがよいと思いますので、
「大きな楡の火の下で 〜windward〜」にて、
以下の修正を行おうと思います。
=-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-=
>>366の9行目から
『No。現在オリジナルは誰にも連絡が取れない状況となっています』
「どういうことだ?」
『お察し下さい…… としか申し上げられません』
プランナーと智機が裏でつながっていることは当人たち以外誰も知らぬ。
故に、智機の歯切れの悪い返答からザドゥが思い浮かべたのは哄笑する巨大な鯨。
それは勘違いだが、これ以上の追求が不可能な相手である点では勘違いとも言い切れぬ。
どのみちザドゥが選べる対応は沈黙しかないのだから。
=-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-=
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