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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4

1名無しは星を見ていたい:2020/05/23(土) 19:46:51
短編、単発のミッションなどにお使いください。
長編やシリーズものの予定でしたら、自分のスレで行うことをお勧めします。

767『伝播のG』:2020/11/26(木) 18:46:27
>>766(空織)

橋田のスマホの最後の操作は『パスワードロック』。
『十三時』というのは大体の時間帯で、
より正確に言えば『十三時半頃』。
空織自身も、そのように認識出来ている。

768空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/11/26(木) 19:05:23
>>767 (GM・質問)

 ということは他の時刻情報も、
 『三十分程度』の誤差がある『大体の時間帯』ということだろうか?
 情報としてあまりに信頼性が低いと感じてしまうが、
 最初から正確な時間を知ることはできない?

769『伝播のG』:2020/11/26(木) 19:16:53
>>768

判定が煩雑になる事を避けるため、
重要な部分以外は凡その時間を表記している。
そのように受け取って頂ければ幸いに思う。

770猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/11/26(木) 19:36:22
>>764

「考えが間違った方向に進んでいることを危惧している、と言うよりかは
 あたしたちのことを疑っているように聞こえたのだけれど?」

「そこに並んでいる名前に、『林檎』『空織』も書いておいた方がいいかしら?」
「なんて、冗談ですけれど」

にこり、とびっきりの笑顔を浮かべる。
ボクがある前提で話している道具に、それはおかしいんじゃないかと聞いてくるのは
こちらを疑ってなきゃ出てこないよね。今更別に驚かないけど。
だって実際にこれウソだもんね。どんどんボクたちを疑ってくれてオッケー。
重要なのは、そこじゃないから。

「あたしの考えだけじゃあ意味ないの。重要な立場にいる人のお話も聞きたいからお呼びしたんだもの」
「だからあたしが何かを記す度に、『鍋島』さんの視点から見た意見を書いてくれるかしら?」
「客観的な視点なんて、誰でも持てるもの。ありがとう」

礼を言ってマーカーを受け取り、『露木』さんについて記しておこう。

・最近、夜遅くまで局に残っている。
・『一週間前』に入館証をなくしている。今回侵入者が使用したのはその入館証だと思われる。
・外の『喫煙所』で、何かを所持していたとは橋田の談。

時間稼ぎだと思われないように、適度に情報を出していく。
さて、これで鍋島さんも、当たり障りのないこと以外も言ってくれるかな。

771空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/11/26(木) 20:18:49
>>769 (GM・回答レス)

 『推理ミッション』において、『アリバイ』や『証言』の真偽を精査するために
 『時刻の正確性』は必然的に求められる要素である、
 というのが自分の認識だった。(>>747のように)
 そのための度重なる質問だったことをご容赦いただきたい。

 回答感謝。


>>765 (GM)

 『プラン9』の『機械翻訳』を聞きながら、
 顎に手を当てて唸る。

「……美作さん、ふと思ったんだが」

 「やっぱり橋田君が
  『バードウォッチャー』なんじゃないのか?」


 「―――ああ、いや、つまりだな……
  わたしが言いたいのは『脅迫犯』の方じゃなくって、
  『君の番組のリスナー』の方だ」


 メールの断片から読みとれる『単語』、
 彼が無許可で侵入する『動機』、
 林檎君の聴取に対する不明瞭な『回答』、
 美作氏の想像する『リスナー像』。
 それらがわたしの中で曖昧な焦点を描きつつある。


「……悪いんだが、
 美作さんから彼に直接訊ねてみてくれないか?」

 「わたしや林檎君に対しては頑迷だった彼も、
  君の言葉なら素直に心を開いてくれるかもしれん」

 そう言って、美作氏に対する『橋田』氏の反応を
 しっかりと注視してみよう。

 確証が得られなければ、彼のスマホから
 『Electric Canary Garden』のアドレス宛に送付された
 メッセージの有無や内容を『プラン9』に確認してもらおう。

772『伝播のG』:2020/11/26(木) 20:47:57
>>770(林檎)

「私が『助手役』って訳ですね。お安い御用ですよ」

「それじゃあ『検証』を始めましょうか」

林檎の笑顔に対し、鍋島も笑みを浮かべてみせた。
これまで得た『手掛かり』をホワイトボードに書き込んでいく。
隣に立つ鍋島が、その様子を横から見ている。

「『一つ目』については特に言う事はないですかね。
 怪しいと言えば怪しいですが、
 これだけじゃあ根拠にはなりません」

「『入館証』の件は気になる所です。
 タイミングから見ると、
 今回使われたのは露木が紛失した物だとは思いますね。
 なくしたものが利用されたのか、あるいは盗まれたか」

「『何か』――――ですか」

「ちょっと分かりませんね」

三つ目の部分で、鍋島が僅かに言い淀んだ。
露木が手にしていた『何か』に関しては、
まだ確認が取れていない。
『Electric Canary Garden』の放送は終わっている。
おそらく、彼も今は手が空いているだろう。
確かめるのに時間は掛からない筈だ。

>>771(空織)

(GM側の配慮が欠けていた点に関しましては、
 大変申し訳ございません。
 ただ、当ミッションが『難易度D』なのは、
 先に述べた理由を含めての調整である事をご理解下さい)



「え……?それってどういう……」

「…………分かりました」

最初は戸惑った様子のくるみだったが、
次第に納得したようだった。
空織の推理は、客観的に見て筋が通ったものだ。
事実、その考えなら説明がつく。

「橋田さん――――」

      スッ

「は、はい……」

「『バードウォッチャー』という『ラジオネーム』に、
 お心当たりはありませんか?」

歩み寄ったくるみの問い掛けに対し、橋田は押し黙った。
しばらく沈黙が続く。
一分は経っただろうかと思えた頃、
ようやく橋田が重い口を開いた。

「ご……ごめんなさい……」

「そ、その……『バードウォッチャー』は……」

「――――『僕』なんです…………」

空織の読みは『当たった』。
目の前にいる橋田こそが『本物のバードウォッチャー』だ。
今まで聞けなかった事も、今なら彼は答えるだろう。

773猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/11/26(木) 21:18:05
>>772

「ありがとう。三人よればモンジュの知恵と言うらしいもの。もっとも、清次さんはまだいらっしゃらないけれど」

鍋島さんの協力してくれる言葉に頷く。
本当に、万が一、鍋島さんが犯人じゃなかったとしても、それはそれでこの人の考えは役に立つ。
でも、その意見は参考にしても、その言葉はあまり鵜呑みにしちゃいけないだろうけど。
慎重に考えていくぞ、ボク。

「ええ、その通りね。本人も、『新しい企画の構想』と仰っていたもの。
 ただ、露木さんは色々な場所で目撃されていたの。考えるだけなら、そんなに移動する必要があるのかしら?」

同じディレクターとして、どうなのかな。その辺りは詳しいと思うけど。聞いてみる。

「露木さんが橋田さんにこっそり渡すというのは、流石に杜撰よね。自分に当然疑いがかかるのを
 予想していたはず。もし露木さんがやるなら、他の誰かの入館証を盗んでやっていたと思うの」
「入館証なんて、本来は盗まれなさそうなもの。誰も奪われるなんて警戒はしていないでしょうし」
「とはいえ、それを逆手に取っている可能性もなくはないでしょうけど」

─────。少し、反応があった。お客さんも、答えにくい話題が出た時はこんな空気を出す。
そういう時は、軽く返事をして、そのまま自然に話題を変える。
自分が気付いたということは、相手に気付かれない方がいいから。

「まぁそうよね。その場にいたわけでもなければ、分からないわよね」
「ねぇ、鍋島さん。清次さんもまだ時間がかかるようだし、露木さんも呼んでも構わないかしら?」
「もっとも、お時間が取れなければ電話でお伺いするだけになるけれど」

三人目のモンジュとしてね。使い方合ってるのか知らないけど。
まぁ来ることができなくても、あの時何を持っていたのかは聞けるかな。
鍋島さんがオーケーなら、電話をしてみよう。

774空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/11/27(金) 01:13:42
>>772 (GM)

 『入館証』の来歴も『橋田』氏の目的も、
 最初の予想が的中していたが……
 答え合わせまでずいぶん遠回りしちまったな。

 とはいえここまで強く確信を持つことができたのは、
 『入館証は偶然拾った』って彼の証言のウソを
 『プラン9』が暴いてくれたからって部分が大きい。

 おかげで『バードウォッチャーって何? 鳥?』 (>>129)
 とか言ってた橋田氏の素朴な反応についても、
 堂に入った演技と疑うべきだと気づけたわけだ。


 「―――『入館証』の落とし場所を
  君にリークした相手について、
  分かっている情報をすべて教えてくれないか?」

 『もうそこまで調べはついている』って堂々とした態度で、
 美作氏の後方から橋田氏に声をかける。


 「ソイツが送った『脅迫メール』に
  今も美作さんは苦しめられているんだ。
  なんとしてもその『犯人』を見つけ出したい」

 腕を組みながら橋田氏の目を見る。


 「君はその『脅迫メール』の送り主が
  なんと名乗っているか、知ってるか?」

 「……『バードウォッチャー』だよ。
  君は最初から、ソイツに『スケープゴート』として
  利用されたんだ」

 さて――橋田氏の心に『義憤』の火は灯るだろうか?
 彼の反応を見よう。

775『伝播のG』:2020/11/27(金) 19:48:55
>>773(林檎)

「まぁ、分からないではないですよ。
 ずっと座って考えていると行き詰まりがちですから。
 歩き回ってる内に閃くって事もありますからね」

「露木自身が入館証を渡した可能性は、
 『ゼロ』じゃあないでしょう。
 ただ、林檎さんの言われるように、
 犯行としては迂闊過ぎる気はしますかねえ。
 なくした事にしたとしても、
 疑いが掛かってしまう事は変えられない」

「それを考えると、
 『可能性はゼロじゃないが低い』――――ですか」

            「露木ですか?もちろん構いませんよ」

         「どうぞ」

     p i

鍋島の同意を得て、林檎は露木に電話を掛ける。
露木からは、『すぐに来る』という答えが返ってきた。
その言葉通り、まもなく小会議室に露木の姿が見えた。

「――――――御苦労様です。
 早速ですが、
 『お聞きになりたい事』というのは何でしょうか?」

露木が林檎の正面に立つ。
鍋島は林檎の後ろに下がった。
彼はホワイトボードを見つめている。

>>774(空織)

「わ、分かりました。僕で出来る事なら…………」

「――――何でも答えます」

しがらみを振り切るかのように、橋田は決然と言い切った。
彼が『Electric Canary Garden』の熱心なリスナーである事は事実。
真剣な表情からは、自分の身を案じる以上に、
美作のために何かをしようという意思が垣間見えた。

「その相手に会った事はないし、喋った事もありません。
 六日前にメールが届いたんです。
 『Electric Canary Garden』の関係者だと書いてありました」

「大きな声では言えないけど、
 最近美作さんの人気が落ちている。
 それで、熱心なリスナーである僕に、
 『美作くるみ』に会えるチャンスをくれると。
 その代わり、今以上に番組を盛り上げる役を、
 僕に頼みたいと言ってきたんです。
 自分で言うのも何ですけど、
 僕はリスナーの中でも投稿数が多い方ですから」

「上の人間に知られたくないから、
 秘密で『入館証』を用意する。
 それを使えば、堂々と中に入れるという話でした。
 準備は昼頃になると言われてたんですが、
 細かい時間の指定はなかったので、
 念のために早めに来て、外で待ってたんです」

「僕も頭から信じ込んでいた訳じゃありません。
 怪しさは感じました。
 それに、美作さんの人気が落ちてるとは、
 思ってなかったですから」

「でも…………つい話に乗ってしまって…………」

776猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/11/27(金) 23:10:57
>>775

「いらっしゃいませ、露木さん」
「今はね、鍋島さんと一緒に最後の推理を固めているところなの」
「露木さんも、あたしの二人目の『助手』として、手伝ってくれると嬉しいわ」
「できれば『主観』を交えてね。今日ここに来たばかりのあたしには分からない所もあるもの」

スカート部を広げて、ぺこりと一礼。

「ところで露木さんは、『喫煙者』だったかしら?」

777空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/11/28(土) 01:06:33
>>775 (GM)

「……………………」

「勇気を出して証言してくれた君には悪いが、
 こりゃまたムチャクチャ胡散臭い話に乗っちまったもんだな。

 しかし『脅迫犯』扱いされた挙げ句『五時間』拘束されてまで
 黙っとくことでもあるまいに」


「で、ソイツが君によこした連絡は『メール二通』だけか?
 他に言いそびれた情報はもうないか?」


 それから美作氏の方を向き、
 小声で訊ねる。

「彼が『バードウォッチャー』であることを知ったうえで
 アプローチできるのは、
 『君の番組のリスナーのアドレスを閲覧できる人物』に
 限られることになるが……
 それが可能な人間はどれぐらいいるんだ?」

「たとえば『Bスタジオのスタッフ』とかが黙って
 君の番組のリスナーの情報にアクセスすることはできるのか?
 つまりリスナーのデータをどういう風に管理してるのかってことだが」

778『伝播のG』:2020/11/28(土) 01:36:54
>>776(林檎)

「いえ、煙草は吸いません。
 考えを纏めるために外を歩く事はありますが」

「お前が『外で何か持っていた』という話を聞いて、
 それを確認したいんだそうだ」

「分かった。林檎さん、それは『これ』です」

          スッ

鍋島に答えた露木が、胸ポケットから何かを取り出した。
小さく折り畳まれた紙だ。
それが林檎に差し出される。

「作業のリストですよ。仕事の流れを書き出したものです。
 特に重要な文書ではありませんが、ご参考までに」

パッと見、妙な所はなかった。
広げてみれば何か分かるかもしれない。

>>777(空織)

「…………その犯人が、
 『バードウォッチャー』を名乗ってる事は知ってました。
 ここにいる時、警備員の人が話してましたから」

「言ったら、本当に犯人にされるかもって……。
 おかしい考えかもしれないですけど、
 そうとしか思えなくなって……」

「――他にはありません」

橋田は最後に、そう言い添えた。

「把握してるのは基本的に私達――
 つまり番組の関係者だけです。
 リスナーに関係するデータは、
 制作室にある露木さんのパソコンに入ってます」

「大抵は誰かがいる場所なので、
 知られずに見るのは難しいと思いますけど……」

『スタンド』を使えば、横から覗き見る事は出来る。
それは『エラッタ・スティグマ』にも可能だ。
射程距離が長いスタンドなら、より『やりやすい』。

「……空織さん、次はどうしましょう。
 『橋田さんのスマホ』は解除しますか?」

779空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/11/28(土) 19:15:00
>>778 (GM)

「能力の解除はいつでもできるんだろ?
 なら急いで解除することもあるまい」


 だが彼と脅迫犯との通信記録ですら、
 犯人に至る『ヒント』に繋がらないとなると……
 正直、手詰まり感は否めないな。

 パズルのピースが一つ埋まりはしたものの、
 犯人を絞りこめるような『証拠』にまで至らない。
 『バイク事故』の真実を掴んだ時と同じ――灰色の徒労感だ。

 果たしてこれは『前進』なのか『空転』なのか?
 彼から犯人へと繋がる『糸口』は本当にないのか?


「君が局に何時ごろ侵入して、
 局内で何をしていたか教えてくれるか?
 それと入ってきたのは『エントランス』からか?
 その際に何か気になった人や気づいたことはなかったか?」

780猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/11/28(土) 22:03:43
>>778

「うふふ、ありがとう」「そういえば、『鍋島』さんと『露木』さんは同期なのかしら?」

二人の敬語でないやり取りを見て、聞いてみる。
年齢が近いのか、それとも入った時期が近いのか、それとも両方かな。
どっちにしろ、近い存在ならライバル心とか抱いてもおかしくないよね。

「あら、そうなのね。それを外で確認していたの?」
「少し、広げて見せてもらってもいいかしら?」

露木さんに聞いてみる。許可をもらったら、机の上に広げてみよう。
両手で広げられそうなサイズなら、持ったまま広げてみるけど。

781『伝播のG』:2020/11/28(土) 22:40:22
>>779(空織)

「それは……そうなんですけど……。
 別の場所を当たってみた方がいいのかなと……」

「いえ…………すみません」

くるみの表情からは焦りの色が窺えた。
彼女も、空織と同じような思いを感じているのだろう。

「時間は一時は過ぎてました。
 それ以上は覚えてません。
 入ってきたのはエントランスからです」

「他に気付くような事は…………」

橋田は考えているようだが、次の言葉が出てこない。
何か思い出すとしても、かなり時間が掛かりそうだ。
その時、くるみが空織の肩に触れた。

「…………空織さん、ちょっといいですか?」

「放送前に空織さんが言われていた事を、
 もう一度考えてみたんです。
 『本体とスタンドの同時行動』について」

「『本体とは別の意思を持つタイプ』。
 そういうスタンドがある事を思い出したんです。
 私も詳しくはないんですけど……」

「ただ、『同時に動ける理由』にはなると思います」

>>780(林檎)

「ええ、私と鍋島は同期入社です」

露木が答え、鍋島も頷いた。
年齢も同じくらいだ。
敢えて敬語を使わないのは、それも理由なのかもしれない。

           パラッ

受け取った紙を両手で広げる。
さして大きなサイズではない。
ざっと目を通してみたが、
仕事の内容が書かれているだけだ。
所々にチェックが入れてあるのは、
既に片付いている分だろう。
特に目に付く部分はない。

     ――――…………

折り畳まれている時には分からなかったが、
広げてみて気付いた。
隅の方に汚れている部分がある。
土か何かで汚れたのを手で払ったような跡だ。

782猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/11/28(土) 23:16:25
>>781

「そうなの。互いに切磋琢磨し合える『ライバル』って素敵よね」「少年漫画みたいで。うふふ」

ボクの職場のとある先輩なら、違う方向で盛り上がりそうだけど。
でもその場合は、少年漫画の範囲には入らなくなっちゃう。
よい子にはお見せできない感じのやつ。
何はともあれ、微笑んでみせた後、紙を広げて見てみた。

「ふむふむ、なるほど、といった感じかしら」

納得してる様子で頷く。いや、実際全然参考になる情報はなかったけど。
というか、一応仕事で使うものっぽいのに端っこに土がついてるじゃん。
植え込みの中とかにでも置かない限り、そうそう土とか付かないと思うけどね。

「ねぇ、『露木』さん。こちらの紙、少しお借りしていいかしら?」
「端っこに土が付いているくらいだし、仰る通り重要な書類ではないのでしょう?」

書類で口元を隠しながら、首を傾げて訊ねる。

783空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/11/29(日) 16:28:59
>>781 (GM)

「――――ふむ。それって要するに、
 『本体の命令は聞く』が
 『感覚は共有しない』タイプのスタンドってことか?」

  まさに『その理由』で『犯人候補』から
  真っ先に外れた人物なら確かにいる。
  しかし…………


「それが『本体と視覚を共有しない』ってことだとしたら、
 やはり犯人は
 『橋田のアドレスを直接視認できた人物』
 ってことにならないか?」

  髪をガシガシ掻きながら、
  疑問を素直に口に出す。


「…………
 これ以上橋田氏から得られる情報もなさそうだし、
 いちど林檎君と合流するか」


「橋田君、悪いが君のスマホを『脅迫犯』の証拠として
 しばらく美作さんに預けてもらっていいか?」

 『美作さん』の名前を借りてOKをもぎ取ろう。
 許可がもらえたらスマホを受け取り、
 そのまま会議室へ向かう。

784『伝播のG』:2020/11/29(日) 20:13:43
>>782(林檎)

屋内であれば土は付かない。
つまり、一時的にせよ外にあったという事だ。
しかし、植え込みの中に置く必要があるとも思えなかった。

「『少年漫画』ですか。
 そんな風に言われたのは初めてですよ」

鍋島が笑いながら答える。
当然、『林檎の先輩』の事など知る由もない。
ライバルかどうかはともかく、一見した所、
互いに対立しているような雰囲気は感じられなかった。

「どうぞ、構いません」

       ガチャ

特に問題なく許可は得られた。
その時、空織とくるみが小会議室に入ってきた。
くるみの肩には『プラン9・チャンネル7』が発現している。

「どうも、空織さん。
 今、林檎さんと考えを整理していた所です

鍋島が空織に呼び掛けた。
くるみは林檎に軽く頷いてみせる。
鍋島はくるみを一瞥し、ホワイトボードに視線を向けた。

>>783(空織)

「聞けばいいんじゃないでしょうか?」

「もし『意思の疎通』が出来るなら、何を見たか聞けば……」

肩の上に留まる小鳥に視線を向け、くるみが答える。
そして、彼女は橋田からスマホを預かった。
二人は警備室を出て、小会議室へ向かう。

        ガチャ

中に入ると、林檎と鍋島に加えて露木がいた。
おそらくは林檎が呼んだようだ。
三人はホワイトボードの前に立ち、
林檎は顔の前で紙を広げている。

「どうも、空織さん。
 今、林檎さんと考えを整理していた所です」

鍋島が空織に声を掛けた。
最後に見た時との違いは、上着を脱いでいる事くらいだ。
ホワイトボードには、
『露木』・『美作』・『鍋島』・『園部』・『雛形』・『曽我』・『橋田』と書かれている。
露木の下に、
・最近、夜遅くまで局に残っている。
・『一週間前』に入館証をなくしている。今回侵入者が使用したのはその入館証だと思われる。
・外の『喫煙所』で、何かを所持していたとは橋田の談。
と筆跡の違う文字で書かれていた。

785猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/11/29(日) 21:56:48
>>784

「うふふ。ありがとう」

土が付いてる、とわざわざ口にしたのに気にした様子もなかった。
つまりそれは、露木さんも当然知ってるんだと思うけど。
この資料が、一時的にでも外の土の上にあったってこと。

と、そこで清次さん登場。ナイスタイミング。

「あら、ようやく二人とも来てくれたのね」
「3人よればモンジュの知恵なら、5人よったらどこまで賢くなれるのかしら?」「あはっ」

そう言って、清次さんに手にした資料をそっと渡す。
土の付着している部分が、目に止まるように。

786空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/11/30(月) 15:14:25
>>784-785 (GM・林檎)

 小会議室へ向かう道中、
 スマホに文面を打ち込んでおこう。
 そして扉の前で居住まいを直す。

「失礼、遅くなりました」

 ペコリと頭を下げ、小会議室へ入室する。
 ホワイトボードの内容を理解すると同時に、
 林檎君から紙を手渡される。

 手元のメモ書きとホワイトボードの文字に
 数回視線を行き来させたあと、
 (林檎君の『手渡し方』に意図を感じて迷ったものの)
 わたしは素直に疑問を口に出すことにした。


「えーっと…………
 ひょっとしてこの『紙』が喫煙所で
 露木さんが持っていた『何か』ってことですか?」

「でもこの紙、植え込みにでも落としたんですか?
 端っこに泥が付いていますが」

 紙の端を指差しながら露木氏を見る。

787『伝播のG』:2020/11/30(月) 21:06:42
>>785(林檎)

「いえ、喫煙所ではなく外です。
 訂正しなかったのですが、外に喫煙所はありません。
 外で吸っている者もいますが」

「外で開いている時に風で飛ばされたのです。
 それが地面に落ちて、たまたま鍋島が踏んだもので」

「…………あぁ、裏の方で名刺をなくしましてね。
 それを探してる時に靴の裏に付いたんでしょう」

露木の説明に続いて、鍋島が答える。
彼は外に出ていたようだ。
露木が外にいた時間と同じ頃に。
不意に、くるみが四人から離れ、
自分のスマホを操作し始めた。
やがて、彼女からのメールが届く。

  〔裏口にもカメラはあります。確認してきましょうか?〕


>>786(空織)

「いえ、喫煙所ではなく外です。
 訂正しなかったのですが、外に喫煙所はありません。
 外で吸っている者もいますが」

「外で開いている時に風で飛ばされたのです。
 それが地面に落ちて、たまたま鍋島が踏んだもので」

「…………あぁ、裏の方で名刺をなくしましてね。
 それを探してる時に靴の裏に付いたんでしょう」

鍋島は外に出ていたらしい。
露木が言わなかったのは、伝えそびれていたのか、
それとも聞かれなかったからか。
少なくとも、その点について他意はない筈だ。
その時、くるみが四人から離れて、
自分のスマホを操作し始めた。
まもなく、彼女からメールが届く。

  〔裏口にもカメラはあります。確認してきましょうか?〕

788猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/11/30(月) 22:19:11
>>787

紙を清次さんに渡した状態から、更に近付いて耳元に顔を寄せる。

「(その紙の話をした時に、ほんのわずかに『鍋島』さんの反応があったわ)」
「(くるみさんについては、あたしはお願いしていいと思ったけれど。判断は委ねるわね)」

流石に三人も、いきなりスマホを使い出したら怪しまれるかもだし。
ボクは口頭で清次さんに伝えておこっと。
振り返り、また鍋島さんと露木さんの方へと歩いていく。

「あら、そうなの。それは災難だったわね」
「でも、不幸中の幸いだったわ。靴で踏んでしまったのに、靴の跡までは付かなかったんだもの」

そのまま、ホワイトボードへと向かう。

「それじゃあ、次はくるみさんの事についてお話しましょうか?」

789空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/01(火) 16:22:39
>>787-788 (GM・林檎)

 耳打ちする林檎君にうなずき、
 【頼む。解除するなら橋田の方を】、とメールを送り返す。


「なるほど………
 露木さんは『エントランス』から出て『裏口』まで歩いていったと。
 で、鍋島さんもその時ちょうど『裏口』にいたんですね。
 ちなみにそれって『十二時頃』のことで間違いないですか?」

 いちおう『プラン9』の円滑な能力行使に
 関わりそうな情報は訊き出しておこう。


「えーっと……議題を美作さんに移す前に、
 ひとつだけいいですか?」

 美作氏にはできれば『プラン9』との応答に
 専念してもらいたい。
 その間は議論の注目先を引き受けることにしよう。

「『橋田』が『脅迫犯』とのメールのやり取りを自供しました。
 やはり彼は犯人ではなく、『入館証』を餌に
 犯人に誘導されたファンの一人でした。
 証拠のメールが本人のスマホに全部残ってました」

 そう言って、二人のディレクターの反応を見る。

790『伝播のG』:2020/12/01(火) 21:23:18
>>788(林檎)

         「すみません、ちょっと失礼しますね」

               チラッ

     「後はよろしくお願いします」

  ――――パタン

林檎と空織に目配せし、くるみは部屋から出て行った。
警備室に戻ったのだろう。
さほど時間は掛からずに連絡が来る筈だ。

「ええ、さほど大事な文書でもありませんでしたから」

ホワイトボードに向かう。
順番通りにやるなら、次は『美作くるみ』という事になる。
この事件において、彼女の立場は『依頼人』だ。
『スタンド使い』でもあり、
彼女のスタンドは『グレムリン』ではない。
林檎達は、彼女が犯人ではない事を知っている。

「さて、じゃあ次は美作さんですかね」

鍋島が、マーカーを持っている林檎に視線を向けた。

>>789(空織)

         「すみません、ちょっと失礼しますね」

               チラッ

     「後はよろしくお願いします」

  ――――パタン

二人に目配せした後、くるみは小会議室を出た。
そう時間は掛からず、報告が届くだろう。

「そうでしたか…………」

「まぁ、警察がどう判断するかにもよりますか。
 彼が自分で自分のスマホに送る事も出来ますし。
 何処かのパソコンから送信したとか。
 あらかじめ指定した時間に届くようにしておく事も、
 やろうと思えば出来ますからね」

露木は短く呟き、鍋島は饒舌に語った。
対照的な反応だ。

「さて、じゃあ次は美作さんですかね」

鍋島が、マーカーを持つ林檎に視線を向ける。

791猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/01(火) 21:50:32
>>790

よし。自分のことを話されると気まずいだろうから、部屋を出た。
そんな感じで、くるみさんには自然に部屋を出てもらうことができた。
後は、適当に話を合わせるだけ。

「さて、実際に名前は書いてあるけれど…本当に犯人なら、あたしたちをわざわざお呼びになるかしら?」
「そうなら、あの『橋田』さんが捕まった時点で、あたしたちを返してしまってもいいと思うのだけれど」

あまり無関心でも怪しまれるから、一応意見を聞いておこうかな。

「もちろんライバル番組の妨害という事だけなら、得をしないわけではないかもしれないわね」
「露木さん、鍋島さんたちから見てどうかしら?何か疑わしい点はあるかしら」

792空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/02(水) 16:38:06
>>790-791 (GM・林檎)

 なるほど、と内心で舌を巻く。
 林檎君の意図はそういうことか。
 確かにこれなら美作氏が退室しても不自然じゃあない。
 むしろメールで離席を指示したとさえ思ってくれそうだ。

 そうなるとわたしは、
 美作氏の前では訊きにくいような類の疑問を
 二人に尋ねるとしよう。


「わたしもお二人に訊きたいですね。
 特に彼女と『雛形』さんとの関係性について知りたいです。

 お二人と話していて、互いにどこか距離があるような、
 なにか『含み』があるような感じがしたんですが……」

「お二人の関係は、ずっと以前からそんな感じだったんですか?
 それともここ『数ヶ月』で、何か態度が変わるようなことが
 あったんでしょうか?」

 ちなみに『澤井』氏が赴任してきたのが『二ヶ月前』だ。

793『伝播のG』:2020/12/03(木) 00:17:59
>>791(林檎)

露木と鍋島は、スマホのやり取りを知らない。
彼らから見れば、
気まずさから退出したように見えても不思議はない。
その点で、林檎の配慮は的確だった。

「いや、ごもっともです。
 彼女が犯人なら、わざわざ探偵を雇う理由がない。
 橋田と引き合わせるためとも考えられますが、
 それだったら林檎さんが言うように、
 その時点でお二人を帰してしまう事も出来る。
 まぁ、もし脅迫の内容が実現したとしたら、
 得をするのは彼女の番組にはなりますがねえ」

「…………全員を容疑者として見た場合、
 くるみだけを例外にする事は出来ません。
 確かに脅迫メールの要求は、
 『Electric Canary Garden』の放送枠拡大です。
 しかし、くるみを犯人だと考えると、
 筋が通らない部分が多いように感じられます」

まず鍋島が放し始め、続いて露木が考えを述べる。
その時、くるみからのメールが届いた。
以下のような内容だ。

〔警備室で裏口のカメラを調べたら、
 録画が一ヶ所だけ『砂嵐』になっている事が分かりました。
 映像が消えていた時間は一分くらいです。
 直接カメラに『聴いてくる』ので、少し待っていて下さい〕

>>792(空織)

「あぁ、それですか。
 確かに前々から『ライバル』のような雰囲気はありました。
 と言っても、別に衝突があったとかじゃあないですが。
 何となく心の何処かで意識しているような感じですかね」

「今みたいな感じになったのは二ヶ月くらい前からです。
 ご存知でしょうが、
 『I Love Me』のリスナーが減ってる事が原因でしょうね。
 大体そのくらいの時期でしたから。
 弥生も差が広がる事を気にしてるんでしょう」

特に言いにくい様子もなく、鍋島は見解を語った。
『Electric Canary Garden』と『I Love Me』。
二つの番組の人気に差が出てきた事が、
現状に至った理由だと考えて間違いないだろう。

「…………くるみも多少は意識していたと思います。
 少なくとも、全く考えていなかった訳ではないでしょう。
 同性かつ同年代で、番組の時間帯も近いですから、
 そういった感情を抱くのは、不自然ではないと考えます」

「私も、今のようになったのは二ヶ月程前だと思います。
 それまでは、
 二人が会話をする所を度々見かけていましたが、
 特に壁があるようには見えませんでした。
 ただ、最近は話をする機会が徐々に減っていたようです。
 くるみは避けてはいないようですが…………」

露木からの回答は、そのようなものだった。
現在の状態からは想像しにくいが、
以前は今ほど壁がある関係ではなかったらしい。
その時、スマホがくるみからのメールを受信した。

〔警備室で裏口のカメラを調べたら、
 録画が一ヶ所だけ『砂嵐』になっている事が分かりました。
 映像が消えていた時間は一分くらいです。
 直接カメラに『聴いてくる』ので、少し待っていて下さい〕

794空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/03(木) 14:29:36
>>793 (GM)

 入り口のドアに背を預けながら、
 メールに返事を打つ。

【分かった。
 だが『一分』もの間、警備員の誰も
 監視カメラの『砂嵐』に気づかなかったのか?
 それって何時頃の話だ?】

 場合によっちゃ、
 後で警備員に確認を取らなくちゃならん。


「ふうむ……。
 美作さんや彼女の番組について、
 『雛形』さんから具体的な言及の言葉を聞いたりしたことは
 お二方ともないわけですね?」

 スマホで発言のメモを取るポーズをしながら、
 美作氏からの返信を待とう。

795猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/03(木) 22:20:51
>>793

「もし仲違いが原因でくるみさんが弥生さんの『番組』を妨害するだけなら、あんな『脅迫状』はいらないわね」
「そもそも一瞬だけでなく、もっと長時間『機材』を使えなくさせた方がいいもの」

メールを確認して、お二人の言葉に頷く。

「でも、さっきの『鍋島』さんの言葉からすると、やっぱり不思議なのよね」
「あからさまに片方に入れ込んでいる脅迫。犯人はこっち側の人だと伝えているようなもの」
「『バードウォッチャー』さんは何がしたかったのかしらね?」

796『伝播のG』:2020/12/03(木) 23:52:55
>>794(空織)

「それはないですね。
 ま、無理に聞く事でもないですから。
 番組の進行に支障を来たすようなら別ですが。
 いや、むしろ聞いた方が支障を来たすかもしれない。
 何しろ、彼女は気分屋なもんで」

「ええ、私も聞いた事はありません。
 私の知る限り、彼女は自分の考えを、
 みだりに明かす事を好まない性格の人物です」

話し合いの最中にメモを取る事は至って自然だ。
鍋島からも露木からも不審に思われている様子はない。
程なくして、くるみからの返信が届いた。

〔誰も気付きませんでした。
 というより、モニターで見ていた限り、
 『異常はなかった』みたいです。
 録画された映像を見て、初めて気付いたという事で。
 時間は十二時頃です〕

備品倉庫前のカメラが停止した時も『砂嵐』が起こった。
あれが『陽動』だった可能性は高い。
逆に言えば、陽動でなければ目立つ必要はない。

〔裏口のカメラに『聴きました』。
 『砂嵐』が入っていたのと同じ時間帯に、
 鍋島さんを見たそうです〕

それから少しして、くるみからの報告が届いた。

>>795(林檎)

「さぁてね、それは分かりませんよ。
 『Electric Canary Garden』のファンか、
 『I Love Me』のアンチか。
 『バードウォッチャー』を名乗っている所を見ると、
 ファンを装ったアンチも考えられますか。
 私が文面から読み取れる意図は、その辺りですかねえ」

「…………あるいは、
 『バードウォッチャー』に罪を着せる事自体が、
 この一件の目的という可能性もあるでしょう。
 脅迫を通させるために『偽の犯人』を用意するというのは、
 少々腑に落ちないように感じられます」

鍋島の答えは、
最初の時点で林檎も考えていたものだった。
ただ、露木が言うように、
『スケープゴート』が必要かどうかは疑問が残る。
しかし、実際に橋田は利用されているのだ。

〔裏口のカメラに『聴きました』。
 『砂嵐』が入っていたのと同じ時間帯に、
 鍋島さんを見たそうです〕 

まもなく、くるみからの追加報告が入った。

797猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/04(金) 01:25:51
>>796

「鍋島さんの仰っているように、最初はファンを装った『アンチ』を考えていたのよ」
「でも、この事件が広まるのはせいぜい『ラジオ局』の中だけじゃない?」
「逆にいえば、その程度の嫌がらせで終わらせたかった可能性もあるけれど。
 ただ、お二人ともご存知なように、くるみさんもお仕事に対して誠実そのもの」
「この程度で印象が悪くなるとは思えないし、むしろ厄介なアンチに付き纏われている可哀想な人、よね」

話すのはこのくらいかな。ひっかけには二人ともかからなかったし。
そして、砂嵐のタイミングで移動した鍋島さん。ますます怪しくなってきたけれど。

「…そろそろくるみさんも戻ってくるかもしれないし、次の人の話題に移りましょうか?」

798猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/04(金) 01:26:06
>>796

「鍋島さんの仰っているように、最初はファンを装った『アンチ』を考えていたのよ」
「でも、この事件が広まるのはせいぜい『ラジオ局』の中だけじゃない?」
「逆にいえば、その程度の嫌がらせで終わらせたかった可能性もあるけれど。
 ただ、お二人ともご存知なように、くるみさんもお仕事に対して誠実そのもの」
「この程度で印象が悪くなるとは思えないし、むしろ厄介なアンチに付き纏われている可哀想な人、よね」

話すのはこのくらいかな。ひっかけには二人ともかからなかったし。
そして、砂嵐のタイミングで移動した鍋島さん。ますます怪しくなってきたけれど。

「…そろそろくるみさんも戻ってくるかもしれないし、次の人の話題に移りましょうか?」

799空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/04(金) 21:35:33
>>796 (GM)

「雛形氏の本心は誰にもわからない、と……
 なるほど」 


 『砂嵐』のタイミングに疑わしさはあるが、
 結局これも『可能性』止まりで『確証』じゃあない。

 そんな『灰色の証拠』をいくら積み上げたところで、
 言い逃れのうまい鍋島氏を詰めきれない。

 それに備品倉庫の『砂嵐』が『陽動』だとすれば、
 鍋島氏が通りかかったタイミングでの『砂嵐』だって、
 疑いを彼に向けさせるための二重の『陽動』……
 そんな可能性だってありうる。

 事態を動かすには、
 どっかで『矛盾』か『確証』が出てほしいが……
 一体どうすりゃいいんだろうな。


【『砂嵐』前後での鍋島さんの行動は分かるか?
 周辺のカメラにも訊ねてみてくれ】

 メモを取るフリをしながらメールに返信。
 そして議論の推移を見守る。

800『伝播のG』:2020/12/05(土) 00:49:20
>>798(林檎)

「さて、と――――いよいよ『私』ですか。
 いざ自分の番となると、何だか緊張してしまいますよ。
 もちろん私も立派な『容疑者』です。
 ただ、『私が犯人です』とは言いませんがね」

「仮に私が『犯人』だとしたら、
 放送の妨害自体は簡単でしょうね。
 事前の細工は幾らでも出来るし、
 放送中は現場にいる訳ですから」
 
「では、『動機』は何でしょう?
 犯人は『Electric Canary Garden』の拡大と、
 『I Love Me』の縮小を要求してきた。
 それによって、私に何か得がありますか?
 もし『I Love Me』が縮小されたら、私も困りますよ。
 何しろディレクターですからね」

鍋島は肩を竦め、露木は考え込む表情を見せる。
大抵の犯行には動機があり、この一件も例外ではない。
事件を起こす事で、犯人は何をしたかったのか。
鍋島が犯人だとしたら、
彼が事件を起こす理由は何処にあるのだろうか?
園部から話を聞いていた林檎は、
何か『引っ掛かるもの』を感じた。

〔『砂嵐』が起こる前は裏口近くで園部さんと、
 その後は同じ場所で雛形さんと会話していたようです。
 どちらも鍋島さんの方から呼び止めたみたいですね〕

平行して、くるみからの報告も届く――――。

>>799(空織)

『バイク事故』。
結局、あれは何だったのだろうか。
決して無関係ではない。
『グレムリン』が澤井のバイクを狂わせ、
弥生に怪我を負わせた。
何のために?

まず『ミキシングコンソールの故障』が起きた。
これは放送に何ら悪影響を及ぼしていない。
次に『バイク事故』が起きた。
これによって弥生は負傷し、入院する事を余儀なくされた。
そして『脅迫事件』。

これらは『機械の故障』という共通点によって繋がれ、
確実に『関連性』がある。
そして、それ以前には起こっていない。
何故、起きていないのだろうか?
使う必要がなかったからかもしれない。
あるいは、『別の理由』があるのか。

〔『砂嵐』が起こる前は裏口近くで園部さんと、
 その後は同じ場所で雛形さんと会話していたようです。
 どちらも鍋島さんの方から呼び止めたみたいですね〕

まもなく、くるみからの報告が届いた――――。

801空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/05(土) 18:47:29
>>800 (GM)

 すこし黙して、既知の情報の交通整理をする。
 それにより新たに見えてくる道があるかもしれない。


 『バイク事故』の目的はいぜん不明のままだ。
 わたしは当初、『無意識の暴発』であることを願っていたが……

 仮に独自の意思を持つグレムリンが本体の命令を受け、
 誰かに取り憑いて『故障』の機会を伺っていたのだとしても、
 その狙いが『澤井氏』にあったのか『雛形氏』にあったのか、
 はたまた『それ以外』かすら判別がつかん。

 ただ一つだけ確かなことがあるとすりゃ、
 『あの日あの場所を澤井氏が通ったのは完璧に偶然』、
 つまりあの日二人が巻き込まれたのも『偶然』ってことだ。
 それが事故の意図を一層読みづらくしている。


 『事故以前』の犯人の動きについても、
 解釈の余地が多すぎる。

 単純に『スタンドを利用した犯行を思いついたのが三週間前』
 とかでも一定の説明はつく。

 『ミキシングコンソール』の故障は林檎君や美作氏が言うように、
 『暴発』あるいは『能力のテスト』と考えるのが自然だ。


 ――結局、『推論』から先に進めるような『論拠』が
 いまだに出てきてないのが現状ってことになる。
 それは一体どこにある?


 スマホを耳に当てながら会議室を離席し、園部氏に電話する。
 裏口での鍋島氏との会話の内容を尋ねる。
 彼の近くに雛形氏がいるなら一緒に質問しよう。
 その際に『名刺を探していた様子』があったかも訊く。

802猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/05(土) 22:29:07
>>800

「うふふ。鍋島さんたらお上手ね、少しも緊張しているようには見えないわよ」

口元に手を当てて、くすくすと笑う。
実際、この人の考えていることは全く分からないけれど。本当に緊張していたらちょっと面白いね。
それはさておき。

「そうね、鍋島さんなら仕込むのは簡単ね。犯行自体は『Bスタジオ』の他のスタッフと同じ、
 誰かが見ていない隙に、色々とできることは多いもの」
「でも、仰る通り動機が見当たらないわね。メリットがないもの」

「けれど、さすがは鍋島さんよね。あたし、知ってるのよ。この状況を、逆に利用しようと考えてること」
「この一件を使って『リスナー』を増やす秘策が、鍋島さんの頭の中にはあるのでしょう?」

にこにこ笑って、鍋島さんに問いかける。

803『伝播のG』:2020/12/05(土) 23:39:33
>>801(空織)

バイク事故が起きたのは『偶然』。
それは間違いのない事実だ。
仮に『目的』があったとすれば、
澤井か弥生を狙った犯行に、
片方が巻き込まれたと考えるのが妥当だろう。
また、独自の意思を持つスタンドは、
必ずしも本体の制御下にいるとは限らない。
それとは『無関係』に動く場合もある。

ミキシングコンソールの故障が『暴発』か『テスト』なら、
能力に目覚めたのは『その辺り』という事になる。
空織は、『音仙』を名乗る女と出会った事で、
精神の深奥から『エラッタ・スティグマ』を引き出された。
おそらくは『グレムリン』の本体にも、
そういった『目覚めるきっかけ』があったのだろう。
『スタンド』は『本体の精神』に深く根ざしたもの。
精神に影響を与える『何か』があったのか――――。

「あ、空織さんですか?
 さっきは名前思い出せなくてすみませんでした〜。
 え?え〜〜と、その時は……」

「あぁ、空織さんと林檎ちゃんの事を聞かれたんですよ。
 『調査はどんな感じで進んでるか』って。
 それと『探偵さん達から何か質問されたら教えてくれ』とも。
 自分に思い当たる事があるかもしれないからって、
 そう言われましたかねェ」

「名刺ですか?そういや、そんな話も聞きましたね。
 外で落としたとかで……」

『名刺を探していた』というのは事実のようだ。
また、鍋島は空織達の動きを把握しようとしていたらしい。
園部以外の人間に対しても、
同じように言っていた可能性は十分にある。

>>802(林檎)

「いや、まぁ何というか――――」

「『それぐらいの気持ちでいよう』という意味ですよ。
 他意はありません」

鍋島の答えは簡潔で、
先程までの饒舌さは鳴りを潜めている。
『何かがある』――――林檎には、そう感じられた。
この話がきっかけで、鍋島と弥生は言い争いになった。
園部が言うには、
『鍋島は冗談のつもりで言ったのだろう』という事だった。
それが本当だとしても、
弥生は冗談だとは思わなかったのかもしれない。

        ガチャ

               パタン

話し合いの最中、不意に空織が小会議室を出た。
スマホを耳に当てていた所を見ると、
誰かと通話するためだろう。
それを横目で眺めていた鍋島が、
林檎の方に視線を戻した。

「空織さんはお忙しいご様子ですねえ」
 
「その間に、我々は『次の容疑者』に移りますか?」

804空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/06(日) 17:07:30
>>803 (GM)

 『バイク事故』の真実を澤井氏から聞いた時、
 最初にわたしが考えたのは
 『スタンドは暴発』で『脅迫者は別』ってパターンだ。

 『Bスタジオ前』で見たグレムリン同士の『連携』、
 美作氏に狙いを切り替えた『即応力』から、
 『暴発』って可能性はほとんどわたしの中から
 消えつつあったが……

 『目覚めるきっかけ』を探ってみるか。


「そうか。
 なら今から『三週間前』あたりで、
 なにか変わったことはなかったか?
 『ミキシングコンソール』の故障以外でだ」

「近くに曽我さんや雛形さんがいるなら、
 彼らにも話を聞いてみてくれるか」


 同様の質問を美作氏にもメールする。

805猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/06(日) 22:12:27
>>803

「あら、そういうことだったの。そうね、でも弥生さんを元気つけたくて仕方なかったのね」
「結果として、弥生さんは怒ってしまったのだけれど。難しいわよね、彼女も繊細な人だもの」

目尻を下げ、悲しそうな表情で俯いた。
もっとも、内心は手応えを感じてるから全然悲しんでないけど。
そこに鍋島さんの狙いがあるんだね。その詳細な内容は、清次さんに聞いてもらおう。

「あら、清次さん?お電話かしら」「一応、次の人の話に移っていくことを伝えておくわ」

そういってスマホを操作して、清次さんにメッセージを送る。
『鍋島さんが弥生さんに言った、この状況を利用してリスナーを獲得する手段、それに彼の狙いがある』。
そしてスマホを閉じて、話題を続けよう。

「次は『園部』さんね。音響に関わる人だから、仕掛け自体は一番しやすそうだけれど」
「何か、彼に関わる怨恨などのお話を聞いたことはあるかしら?」

806『伝播のG』:2020/12/06(日) 22:57:49
>>804(空織)

「あー、ちょっと待って下さいねェ〜〜。
 『三週間』って何かありましたっけ?」

「『三週間前』……?特に何も思いつかないけど……」

「気分が悪そうにしていなかったか?
 平気かどうか聞いただろう」

「あぁ…………それね…………」

電話口から三人の声が聞こえてきた。
少し遠いが、聞き取る分には問題ない。

「何でしたっけ?確か『飲み過ぎた』とか?」

「そ……『二日酔い』……」

「空織さん?
 弥生さんが『二日酔い』でした。
 他、何かないッスか?ナンもないですよねェ?」

「――あ、他は特にないみたいッスね」

〔私には思い当たりません。
 ひとまず警備室に戻っています。
 『必要』があったら言って下さい。
 その間、私の方でも調べられる事は調べておきますから〕

くるみからの返信も届いた。
連絡を入れさえすれば、スムーズに『手』を借りられる。
同じタイミングで、林檎からも状況報告が送られてきた。

  『鍋島さんが弥生さんに言った、
   この状況を利用してリスナーを獲得する手段、
   それに彼の狙いがある』

>>805(林檎)

「園部は、どちらかというと、
 恨みを買うタイプかもしれませんね。
 腕はいいんですが、調子に乗る所がありますから。
 でも、『怨恨』っていう程かというと、
 微妙ではありますかねえ」

「おっしゃる通り、細工をするなら一番やりやすい立場です。
 ただ、動機の面は、ちょっと思い付きません。
 もし『I Love Me』の放送枠が縮小されてしまったら、
 私と同じように困る訳ですからね。
 ま、私よりは困らないかもしれませんが」

答えたのは鍋島だ。
露木は黙ったまま頷いた。
園部に関しては、これといって不審な点は見当たらない。

「あぁ、そういえば『ミキシングコンソール』の故障。
 あれを最初に見つけたのは園部でしたね。
 だからどうだっていう訳じゃあないんですが」

「――――『次』に行きますか?」

807猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/06(日) 23:37:27
>>806

「あたしも何度かお話しさせてもらったの。少し軽薄なところもあるけれど、
 親しみやすいお人柄だったわ。『I Love Me』のスタッフでは貴重なムードメーカーのようだったわね」
「一緒にお空に行ってしまうつもりでもなければ、鍋島さんを巻き込んで
 『自爆テロ』みたいなことはしないわよね。別にお二人は仲が悪そうには見えなかったもの」

「『ミキシングコンソール』…あれ以降は全くおかしなところはないのよね」
「今日不調が起きたのは、まさにそれだったのだけれど。そういえば、露木さんも
 先程業者さんにお願いしてチェックしてもらったようですけど、大丈夫だったのかしら?」

「次は、『弥生』さんね。この人は、あるいは鍋島さん以上に番組が縮小されると困ってしまうのではないかしら?」

808空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/07(月) 22:43:48
>>805-806 (GM・林檎)

「『二日酔い』ねえ……
 雛形さん、『バイク事故』の直前にも
 飲みに行ってたってことか?
 それって誰かと一緒だったか?

 詳しい話を聞きたいんだが、
 よかったら雛形さんに替わってくれるか」

 その間に、通話中に届いた
 二人からのメールを一瞥する。

「……そういや、君とBスタジオで最初に会ったとき、
 『鍋島』さんとなにやら言い争いをしていたな。
 具体的にどんな話をしていたのか教えてくれるか?」

「『この一件を利用すればリスナーが増えるかも』とか
 言われたらしいが……
 彼は具体的にどう利用するつもりだったんだろう?」

809『伝播のG』:2020/12/07(月) 23:21:59
>>807(林檎)

「それは私も聞きましたよ。
 今回やられたのは『ミキシングコンソール』だと。
 その前は『マイク』でしたから、
 精密機器全般に影響を及ぼせるのかもしれませんね。
 例の『妨害装置』は」

「そうでもなければ、本当に『超常現象』って事に…………。
 いや、別に頭から信じ込んでる訳じゃあないですが」

「ええ、『Aスタジオ』は問題ありませんでした。
 『Bスタジオ』の方も見てもらったのですが、
 異常はなかった筈です。
 機械の内部に、
 何か仕込まれていた訳ではなかったようですね」

「弥生は――――そうですね。
 最低でも私と同じくらいには困る立場でしょう。
 いや、おそらく私より困るでしょうねえ。
 何といっても自分の番組ですから。
 『自分の番組を持つのが夢だった』と、
 私に言った事もありましたよ」

「まぁ、犯行を行う『機会』はあったでしょうが、
 『動機』は分かりませんね」

>>808(空織)

「…………その日は鍋島さんと飲んでた。
 別に珍しい事じゃない。
 仕事の事とか、それ以外の事とか、色々と話すの」

園部に代わり、電話口に弥生が出た。
後ろの方で園部と曽我が話しているのが聞こえる。
声が遠いせいで、内容までは聞き取れない。

「次の質問は、
 『それ以外の事って何だ?具体的に教えてくれ』?
 『プライベート』な話。それ聞きたい?嫌。教えない」

「さぁ?冗談のつもりだったんでしょ?
 具体的な『やり方』までは聞いてないけど…………」

「私に思い浮かぶのは『話題作り』くらい。
 『日本一放送事故が起きやすいラジオ番組』…………
 なんてね…………。
 それ以外には思い付かない」

「…………今、何やってる所なの?」

810空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/08(火) 20:01:48
>>809 (GM)

「今は会議室で仲良くおはなし中……
 これまでの証言や証拠をまとめてるところだ。
 鍋島さんと露木さんも一緒だよ」

「二人が同期だってのは初めて知ったよ。
 性格はけっこう真逆に見えたけど、仲いいんだな」

 そこでいちど息継ぎの間を作り、
 雛形氏の応答を聞く。


「で――君がそういうなら詳細は訊かん。
 ただわたしの言うことが間違っていたら、
 違うと言ってくれ」

 「君が鍋島さんと飲みに行ったのは
  事故の『前日』に『同じ店』で合ってるか?」

 「その時の会話に、
  『澤井』さんが関係するような話はあったか?」


 ちと答えづらい質問かもしれんが、
 せめて『バイク事故の狙いはどっちにあったか』ぐらいは
 探り当てたい。


「あと、君と鍋島さんは『I Love Me』以外に
 なにか担当している番組はあるのか?」

811猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/08(火) 20:04:04
>>809

「『電子機器妨害装置』だもの。詳しい理論はあたしも知らないけれど」
「そういった電気を使う複雑な機械なら、使えるのではないかしら?」
「『超常現象』を想定してしまうと、本当にどこの誰が犯人でもおかしくなくなってしまうもの。ひとまず、その可能性は除外して考えましょう」

「ここまで『Bスタジオ』の中には犯行が可能な人がいても、やはり動機が薄いわね…」
「ねぇ、プライベートで何か困っている人はいないのかしら?」
「直接この番組に対して恨みがなかったとしても、そちらを理由に脅されたり、
 利益をちらつかされたりして、犯行に及ぶ可能性だってあるじゃない?」

812『伝播のG』:2020/12/08(火) 22:49:44
>>810(空織)

「…………ふぅん」

弥生は気だるい調子で相槌を打つ。
とはいえ、彼女も調査の様子が気になってはいる筈だ。
そうでなければ聞いてはこない。

「…………それで合ってる。『前日』に『同じ店』」

「その時に、澤井さんの話は一つもなかった。
 さっき言ったように、
 仕事の話とかプライベートの話とかだけ…………」

あの事故は、やはり澤井を狙ったものとは思えない。
彼が狙われたのではないとすると、
やはり弥生が狙われた事になる。
バイク事故を引き起こした者に、
何らかの『明確な意図』があったとすれば。
意図がなかったとすれば、
空織の考えたように『暴発』の可能性が高い。
いずれにせよ、それによって弥生は負傷し、入院している。
そして、その間『I Love Me』の放送は休止状態になった。
そうする事で得をする人間も、
今までの所いるようには見えない。

「いいえ。担当してるのは『I Love Me』だけ。
 私も鍋島さんも…………」

>>811(林檎)

「私生活で問題を抱えているような人間は、
 我々の中にはいないと思いますよ。
 少なくとも、私の知る限りは。
 私だって何から何まで把握してる訳じゃないですが、
 そんな話は聞いた事ありませんね」

「弥生も園部も曽我さんも…………。
 それと『私も』ですか。
 回り回って、
 例の橋田さんの所に戻ってきてしまいましたね。
 我々に目立つ動機がない以上、
 やはり彼に疑いが向くのは、
 止むを得ない部分ではありますかねえ」

言い終えた鍋島が、
ホワイトボードに書かれた橋田の名前に目を向ける。
『I Love Me』のスタッフには犯行の『機会』はあるが、
『動機』に乏しいように見える。
その時、それまで考え込んでいた露木が口を開いた。

「一つ良いでしょうか?
 この事件が広まるのは、
 『せいぜいラジオ局の中だけ』だと、
 林檎さんがおっしゃいました。
 私も、その通りだと思います。
 しかし、『広める』事は可能かと」

「現代では、それを行うための手段には事欠きません。
 仮に『ラジオ局の外』にも広まれば、
 もっと話は大きくなるでしょう」

813空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/09(水) 19:43:33
>>812 (GM)

 『雛形氏狙い』なら鍋島氏がいぜん第一候補のまま。
 『暴発』なら彼女がリストに挙がってくる……
 そんな印象だな。

 『暴発』のほうが『傷つく人間が少なくて済む』。
 そのささやかな願望の残り火がまだわたしの内にある。


「そうか。うーむ……」

 状況的に『犯行につながるきっかけ』が――
 つまり『目覚めるきっかけ』が
 この辺りにあるかと思ったんだが……

  「……わかった。
   事態が進展したらまた連絡するよ。
   園田君にありがとうと伝えてくれ」


 特に断られなければ、そのまま通話を切る。

 そして『澤井』氏と『美作』氏に連絡を入れる。
 『三週間より少し前に、なにか変わったことはなかったか?
  局員同士のいざこざとかなんでもいい』
 と同様の質問をする。


 返答を待つ間に、脳裡で泡立つ生煮えの思考を調える。
 決定的な『証拠』や『矛盾』が出てこない現状、
 どうすればここから先に進めるか――

814猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/09(水) 20:38:48
>>812

「そうなると、やはり『犯人』は自分の意思で犯行に及んだと考えるのが妥当かしら」
「外部犯の可能性はほとんどなさそうね…この『橋田』さんを除いては、だけれど」
「でも、『橋田』さんこそどうしてこんな事をしたのかしらね。こういうお仕事に興味がある、と仰っていたのに」

顎に指を当て、首を傾げる。
まぁこの人は本当の犯人じゃないのは知ってるけれど、本当の犯人は、この人に濡れ衣を着せたいみたいだから。
反応を伺う意味でも、考えておいて損はない。

「ええ、露木さんの仰る通り。『SNS』などを利用すれば、やり方次第では簡単に拡散されるわ」
「でも、その『メリット』はあるのかしら?あくまでこの番組は『被害者』だけれど、
 何かこういう事件が起きた事に対して、マイナスイメージを持つ方もいらっしゃるかも」
「いいえ、それよりも知名度が広がる方が結果的には特になるのかしら…?」

815『伝播のG』:2020/12/10(木) 06:25:54
>>813(空織)

「そう――――じゃあね」

短い返事が返され、弥生との通話を切った。
無線機を取り出し、次に澤井と連絡を取る。

「『三週間前』ですか…………。
 いえ、以前お話した事くらいです。
 ただ、雛形さんが苛立ってる所を見た覚えはあります」

「通路に立っている後姿を見たんですが、
 不意に片手を壁に叩き付けて。
 何というか、近寄りがたい雰囲気でした」

弥生はリスナーが減っている事を気に掛けていた。
心の中では、表に出している以上に、
ストレスを溜め込んでいたのかもしれない。
澤井が目撃したのは、その一場面なのだろう。

「空織さん、ちょうど連絡しようと思ってました。
 さっき鍋島さんの事があったので、
 他にも誰か見ていないか、
 裏口のカメラに聴いてみたんです」

「そうしたら、鍋島さんの出入りと同じタイミングで、
 雛形さんを見かけたそうです」

鍋島と同じ時間帯に、弥生も外に出ていた。
『プラン9』の能力であるため、これは確実に『事実』だ。

>>814(林檎)

「『興味があったから』じゃあないですか?
 行き過ぎたファンというのは、
 どこの世界にもいますからね。
 彼がそうであったとしても、私は驚きませんよ」

「彼が犯人である可能性はゼロではないでしょう。
 しかし、私はそうは思えません。
 林檎さん達の言われるように、
 やはり利用されたように感じます」

橋田が『スケープゴート』である事は、
鍋島や露木も聞いている。
それに対し、露木は肯定的、
鍋島は否定的な言葉を返した。
『真犯人』は、橋田に疑いが向くように立ち回っている。
橋田が犯人であるという言葉には、
同意を示す可能性が高い。
一方で、自分が真犯人である事を隠すために、
遭えて否定する可能性も存在する。

「この事件が外部に漏れた場合、
 世間からの認知は高まるでしょう。
 実際に事故が二度に渡って起きている事が、
 その裏付けになります。
 仮に一種の宣伝だと考えるなら、
 それによって興味を引く事も出来るかもしれません」

露木が挙げたのは『ネガティブキャンペーン』の可能性だ。
普通は、ライバルの評判を落とすために行われるが、
それを自分自身に対して行う場合もある。
やり方によっては世間の注目を集め、
宣伝と同様の効果を得る事が可能になる。

「――――なるほど、そんな手があったか」

「気付かなかったな」

露木の言葉に対し、鍋島が呟くように返す。
冗談交じりの口調だったが、
声色からは軽さは感じられない。
その時、くるみからの新たなメールが届いた。

〔鍋島さんの件があったから、
 他にも誰か見ていないか、裏口のカメラに聴いてみたの。
 そしたら、鍋島さんの出入りと同じタイミングで、
 雛形さんを見かけたらしいわ〕

816空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/10(木) 20:26:41
>>815 (GM)

 美作氏に応答する。

「そうか。
 彼女がそこで何をしていたか分かるか?
 他のカメラにも詳しく『訊いて』みてくれ」

 「たとえば彼女が『出た』ときと『戻った』ときで
  なにか違いはあったりするか?」

 『プラン9』が運んだ確かな『事実』だが、
 これだけじゃ別に事件に関わった『証拠』にならない。
 重要なのはこの情報が何に繋がるかだ。


 わたしが『確証』や『矛盾』に拘泥するのは、
 容疑者の中にもそれぞれ『立場』があるからだ。

 たとえば―――曖昧な論拠で
 『被害者』を追求することは『不可能』だ。
 わたしはすでに『一度目』をそれでしくじっているしな。


「それと美作さん、
 適当な空き室の使用許可を抑えてくれないか?」

817猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/10(木) 20:46:29
>>815

「…そうね、確かに。慧眼ね、流石だわ露木さん」

笑顔を浮かべて小さく拍手する。
なるほど、確かにあり得るかも。
動画配信者なんかが『炎上』目的で何かをやるの、既存の配信者から見放されるデメリットの方が多そうだったけど。
この場合は『ラジオ局』は被害者だから、何かを失うデメリットは少ない。
それでも『脅迫事件』なんて物騒だし、マイナスイメージついちゃうかな、と思ったけれど。
でも、他に手がなければ選択肢としてはあり得るよね。注目を集める手段としては。

「ねぇ露木さん。先ほどの資料、風に飛ばされた時以外は、ずっと肌身離さずお持ちになられていたの?」

メールを確認しながら、訊ねてみる。

818『伝播のG』:2020/12/11(金) 02:58:30
>>816(空織)

「いえ、『外で何をしていたか』までは…………。
 出た時と戻った時で違いはありませんでした」

『情報』は、持っているだけでは意味を持たない。
重要なのは『使い方』だ。
活かすも殺すも、それによって大きく変わってくる。

「でも、鍋島さんと雛形さんは、
 特に話したりはしていなかったようです。
 お互いに、そこにいた事は知っている筈ですけど」

「――分かりました。ちょっとだけ待って頂けますか?」

一旦、通話が切れた。
それから少しして、再びくるみから掛かってくる。

「ええと……今どこも塞がってるみたいで……。
 『多目的ホール』が使えるみたいですけど、
 それでも大丈夫ですか?」

空織も林檎も足を踏み入れた事はないが、
話には聞いていた。
ミニコンサートや公開収録などが行われる場所だ。
今は使われていないのだろうが。

>>817(林檎)

「ええ、持ち歩いていましたから。
 手放したのは、その時だけです」

通常、『炎上』は反感を買う行動や失言によって起こる。
確かに話題にはなるかもしれない。
ただ、林檎の考える通り、
それまでの支持者を失うデメリットの方が大きい。
しかし、今回の件においては、あくまでも『被害者』。
『リスナー離れ』のデメリットは最小限で済むだろう。

「まぁ……有り得ると言えば有り得る。でも、まさかね」

鍋島の言葉には否定的な響きがあった。
だが、他に動機らしいものが見えてこない以上、
『有力な可能性』だ。
『機会』と『動機』は揃った。
残るは『証拠』だ。
どうやって、それを掴むべきか。
くるみも待機している。
『彼女の手を借りる』事は十分に可能だ。

819空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/11(金) 17:21:53
>>818 (GM)

「えーと、『裏口』周りの時系列をいったん整理していいか?


・裏口付近で『鍋島』さんが『園部』さんを呼び止めて会話をしていた。
 内容は『落とした名刺』や我々の『調査内容』について。

・その後、『鍋島』さんが裏口から外に出るタイミングで、
 裏口のカメラに一分間の『砂嵐』が起きた。

・そのとき実は『雛形』さんも裏口から外に出ていったが、
 二人は特に会話などはしていなかった。
 (出た時と戻った時の様子にも違いはなかった)

・砂嵐が終わった後で、外から戻ってきた鍋島さんが
 裏口付近で雛形さんを呼び止めて話をしていた。


   ……ってことでいいのか?」

「だとして、明確に追求できるような不自然さは
 ないように思えるが……」


 『気分転換の散歩』とか『名刺探し』と説明をされると、
 それ以上追求できる部分はなさそうに思える。

 いちおう雛形氏に確認はとってみるか。
 彼女に電話をかけて、今日の十二時頃何をしていたか訊こう。


 あと『多目的ホール』については
 ひとまず『仮押さえ』をお願いしておこう。
 だが二人きりで話をするにはちと大きすぎるな。

820猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/11(金) 22:45:25
>>818

「そうよね。万が一、部外者の方に見られてしまっては大変だものね」
「それこそ、今騒がせている『バードウォッチャー』さんの手に渡ってしまったらいけないもの」

そうなると、植え込みに仕掛けておくのは難しいかな。
まぁ『グレムリン』が視界を共有しているなら、こっそり盗み見て
手動でコピーすれば作れるんだけど。そうなると、露木さんの持っていた資料に土がついていたのが謎だよね。

「露木さん、その資料は確かに露木さんがご自身の手で作られたものよね?」

すり替えられた可能性はあるかな?でも、流石に露木さんなら内容が少しでも違えば分かるか。
スマホを取り出して、くるみさんに訊ねてみよう。

(くるみさん。このラジオ局には、スタッフ個人が仕事で使うPCはあるのかしら?)

821『伝播のG』:2020/12/12(土) 07:57:50
>>819(空織)

「時系列は、それで間違いありません。
 これだけだと不自然な感じはしないですけど、
 『砂嵐』が起きたタイミングと、
 一致している事が気になったので」

「とりあえず『多目的ホール』は空いてます。
 もし他の場所が使えそうなら、また後で連絡しますから」

くるみとの通話を終え、再び弥生に掛ける。
何度目かの呼び出し音の後に、本人が出た。
さっきまでとは違い、後ろで声は聞こえてこない。

「…………その時間は『制作室』にいたけど。
 自分のデスクで食事してた」
 
「『メニュー』も言った方がいい?」

弥生の口からは『外に出ていた事』に関する言及はない。
鍋島も、それについては一言も言わなかった。
しかし、彼女は昼頃に外に出ている。

>>820(林檎)

「ええ、その通りです」

この予定表は、確かに露木が作成したものであり、
ずっと持ち歩いてたものだ。
すり替えの可能性はないと思っていいだろう。
植え込みに仕込んであったのは、
あくまで『入館証』だけという事らしい。

〔パソコンはあるわよ。
 それと、空織さんに部屋を用意して欲しいと頼まれたの。
 今のところ空いている場所がなかったから、
 『多目的ホール』を使ってもらうように言っておいたわ〕

「――――さて、どうしますかね。
 ずっとここでお話するって訳にもいかないでしょう。
 他に聞く事がないなら、
 そろそろ私は失礼させてもらいたいんですが…………」

くるみからの返信を確認した後に、鍋島が言った。
話を始めてから、それなりに時間も経っている。
『タイムリミット』を考えると、他を調べるべきかもしれない。

822空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/12(土) 17:14:43
>>821 (GM)

 雛形氏の返答を聴いてピクリと眉が動く。
 なんとも『らしくない』言い訳だな。
 そりゃ簡単に検証できちまうぞ。


「ほう……
 それは『プライベートだから嫌』とは言わんのか?
 ならゼヒ教えてほしいね」


 スマホを耳に当てながら、
 『小会議室』前をすぐに離れる。
 声色は軽薄を装うが、その目は笑っていない。


「で……確認するが、
 『十二時』ごろにはずっと自分のデスクにいて、
 誰とも会ってないのか?
 で、いま君の近くに誰もいない?」


 『念押し』の確認。
 特に発言を翻されなければ、
 真剣な声調でこうつづける。


「――『バイク事故』のことで重要な事実が分かった。
 会って話をしたいんだが、今どこにいる?」

823猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/12(土) 23:00:52
>>821

『橋田』さんもその表に関しては何も言ってなかったから、やっぱりそれを渡したわけじゃないみたい。
そしてくるみさんからのメールを見るに、重要な証拠はスマホの中だけとは限らないのかな。
でも、置きっぱなしのデスクトップPCでメールを送信したりするかなぁ。
後ろから誰かに見られるかも?うーん、ちょっとわけわからなくなってきた。

「そのようね。お二人ともお時間をとって頂いてありがとう」

ショートしそうな頭の中を、外見には一切出さずに涼しい顔で礼を述べる。
ホワイトボードに記された内容を全て消しながら、くるりと振り向いた。

「とても参考になったわ。容疑者はほとんど絞ることができたもの」「後は『証拠』だけ」
「うふふ。お疲れさま」

そう言って、二人を見送る。二人とも出てったなら、清次さんに今の場所をメールで聞いてみよう。
場所を借りたなら、何か狙いがあるのかな。ボクが思った事と合わせて、お話ししてみよう。

824『伝播のG』:2020/12/13(日) 07:59:39
>>822(空織)

「私の方から話すのは別。
 『お弁当』よ。自分で作ったやつ……」

「…………思い出した。
 ずっとじゃない。
 食事する前に少しだけ外に出てた」

「――――鍋島さんから聞いたの?」

一瞬の沈黙の後で、弥生が付け加える。
彼女が外に出た事について鍋島は何も言っていなかった。
それは空織も知っている事だ。

「今は『化粧室』……まさか、この中まで来る気?
 話をするのはいいけど、一つ『条件』がある。
 それを飲んでくれなきゃ話はしない」

「『林檎さん』――彼女を連れて来る事。
 どうせ、後で何を話したか教えるんでしょ。
 だったら、その場で聞いた方が手っ取り早いから。
 後から追加で聞かれるより、
 纏めて質問してもらった方が、私も助かるし」

弥生は『林檎の同席』を要求してきた。
非現実的な条件ではないが、彼女が一緒に来た場合、
『空織の裏で動く』事は難しくなるだろう。
丁度その時、林檎からのメールが届く。

>>823(林檎)

ラジオ局内のパソコンから、脅迫メールを送信した可能性。
灯台下暗しとも言えるが、危険性は『かなり高い』筈だ。
それを考えると、『可能性は低い』と思えた。

パソコンもスマホも『個人情報の塊』だ。
ただ、より生活に密着しているという面では、
持ち歩きが容易なスマホの方が上に来る。
『真犯人の情報』を探るなら、やはり優先して調べるべきは、
『パソコンよりもスマホ』という事になるだろう。

「いえいえ、こちらこそ。
 お手伝いが出来たんなら何よりですよ」

「――――では、これで失礼します」

                 パタン

鍋島と露木が、順番に小会議室を出て行った。
残された林檎は、空織にメールを送信する。
彼が部屋を用意してもらったのは、
ここと同じように『誰かと話をするため』かもしれない。

825空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/13(日) 15:20:55
>>823-824 (GM・林檎)

「――ん?
 どうしてそこで鍋島さんが出てくる?」

 と素知らぬ顔で尋ねる。

「で……外に出た目的は『散歩』か?
 どこにどのぐらいの時間出ていたかも教えてくれ」


 だがやっぱり発言が翻ったか……
 こうなると『プラン9』次第になりかねんからメンドーだ。

 だがいいかげん先に進むしかないな。
 正直、わたしの中では依然として『確率半々』ぐらいなんだが。


「む……林檎君の前で『バイク事故』の犯人について
 突っ込んだ話をしてもいいのか?
 まあ、君がいいならわたしは構わんが……」


 そこでメールの通知音を聞く。
 通話状態のまま林檎君のメッセージを確認し、
 返信の文面を打ち込む。

 【今から小会議室に戻る。
  雛形氏を呼んでもいいか?】 と送信。

826猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/13(日) 21:52:02
>>824

うん、やっぱりPCはないよね。改めて思考を整理して、可能性を捨てる。
残り時間は少ない、あれもこれも調べている時間はない。優先順位を決めておかないとね。

「あら?清次さんから連絡が来たわね」

なんだか移動しなくても良さそう。
弥生さんを呼んでるんだ、まだ何かボクたちが知らない事実でもあったのかな?

【ええ、もちろん大丈夫よ。ディレクターのお二人は部屋を出ていかれたから、ちょうどいいわ】って送信。
部屋の使った部分を適当に片付けながら、のんびり待ってよう。

827『伝播のG』:2020/12/14(月) 18:43:02
>>825(空織)

「…………外で鍋島さんを見かけたからよ」

「さぁ…………覚えてない。
 適当に歩いてたの。
 短い時間だったと思うけど、
 色々あったせいで忘れちゃった」

空織の予想通り、弥生は主張を変えてきた。
確認のために念を押した直後だ。
空織の声色には『確証』が篭っていた。
だから『警戒』した。
そのように感じ取れる反応だった。

       クス……

「トボけないで。
 もう彼女には全部喋ってるんでしょ。
 今更いいも悪いもないじゃない」

「で――――『条件』は?
 それでいいんなら付き合うけど」

林檎からは了承の意が返ってきた。
林檎が同席していても、くるみはフリーだ。
手は空いているし、彼女も『協力』する事を望んでいる。

>>826(林檎)

調べるべきは、やはり『スマホ』だ。
状況から見て、
『グレムリン』の本体がスタンドに目覚めたのは、
比較的最近の事だろう。
送受信履歴に不審な点が出なかったとしても、
『それ以外の部分』から分かる事もある。
『プラン9』は、それを可能にする。
『何の何処を調べるのか』を決めるのは林檎の意思だ。

 〔警備室にいるから、必要な時は何時でも呼んで〕

空織に送信した直後、くるみからのメールが届いた。
今、彼女はフリーだ。
何か頼みたい事があれば、くるみは助力を惜しまない。

828猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/14(月) 22:12:00
>>827

まだ二人が来るまで時間がありそう。なら、試してないことでも試そうかな。
くるみさんにメールを送って、調べてもらおう。
内容は、【鍋島さんのスマホはどんなSNSを入れているのか】。
それと【入れているなら、そのアカウント名を全て教えてほしい】って送ろう。

829空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/15(火) 16:21:33
>>826-827 (GM・林檎)

 通話をつなげたまま、来た道を引き返す。

 わたしが犯人なら、探偵側と『1対2』になる構図を
 わざわざ自分から作ったりはしない。
 そういうのはむしろ『囮』のやることだ。
 でなけりゃ相当覚悟が決まってるかだ。


「なんだ、そういうことか。
 ちなみに外のどこで鍋島さんを見かけたんだ?
 その時になにか話をしたか?」

 林檎君からの返信を一瞥すると、
 スマホを耳元に戻す。

「わかった。
 では『十分後』に『小会議室』に来てくれ」


 小会議室に着いたら、未共有の情報を
 林檎君にすべて伝える。
 わたしは雛形氏を追求する気だとも。

 そのうえで林檎君の考えを聞こう。
 雛形氏が来るまでの間に、
 この後どう動くかを決めておかなくてはな。

830『伝播のG』:2020/12/15(火) 23:24:21
>>828(林檎)

      p i

〔分かったわ。少しだけ待っていて〕

      p i

〔――――――これで全部よ〕

くるみにメールを送ると、すぐに返事が届いた。
それによると、鍋島のスマホには、
複数のSNSアカウントが入っているようだ。
登録名からアカウントを閲覧する事は容易だった。
ざっと見た所、投稿数は多くはない。
どちらかといえば、情報を得るために使っているらしい。

鍋島は『事件を利用した話題作り』に反応した。
関係者の中に『真犯人』がいるならば、
その可能性は高いだろう。
しかし、鍋島のSNSからは、
それらしい雰囲気は全く見えてこない。
だが、彼が反応を示したのは『事実』だ。
ここに『矛盾』がある。

           ガチャ

やがて――――空織が小会議室に姿を現した。
『十分後』には弥生が来る事になったらしい。
そして、林檎と空織は全ての情報を交換し終える。
空織は弥生を追及するつもりのようだ。
それらの状況は、警備室のくるみにも伝わっている。

>>829(空織)

弥生が犯人であるにせよ違うにせよ、
自分に疑惑が向けられている事は察している筈だ。
その上で、彼女は『林檎の同席』を要求した。
何の意図もない行動とは思えない。
『手間を省くため』という理由は付けている。
それが建前であったなら、
『本当の理由』は別にあるのだろう。

「入口の辺り…………だったかな。特に話さなかったけど」

「じゃ、『十分後』に――――」

        p i

通話は切れ、空織は小会議室に向かう。
まもなく二人は全ての情報を交換し、
空織は『雛形弥生』を追及する意思を林檎に明かす。
林檎から伝えられたのは、
鍋島のSNSアカウントについての情報だ。
投稿数は少なく、
専ら情報を得るために使っているらしかった。
約束通りなら、『十分後』には弥生が来る。
『一度目』がエントランス、『二度目』が会議室、
そして、今が『三度目』だ。
ここまでの状況は、警備室のくるみにも伝わっている。

831猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/16(水) 21:00:42
>>830

「うーん、おかしいなぁ」
「情報を流すなら、ある程度フォロワー数のあるアカウントで
 第三者を装って流すのが一番だと思うけど、鍋島さんのスマホにはないみたい」
「協力してくれる『共犯者』がいるのかな?」

一人呟いていたら、清次さんが来た。にっこりと笑顔を浮かべる。
そして互いに情報を交換する。後は『証拠』だけって感じなんだけど、それをどうやって見つけるか。
具体的に、どこを探すべきなのか。

「…弥生さんも隠し事をしているの。そう。あの人は疑いたくなかったけれど、仕方ないわね」
「理由のないウソなんてあり得ないものね」

必要によっては、弥生さんのスマホもくるみさんに調べてもらうことになるかも。

832空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/17(木) 01:24:40
>>830-831 (GM) (林檎・会話)

「彼女の証言に『曖昧さ』はあるが、
 それがハッキリ『隠し事』かどうかはまだ分からん」

「ただ『十二時頃』に局外に出た人物の
 外での挙動は精査してもいいかもしれないな。
 たとえば『植え込み』に近づいたかどうかの『GPS履歴』とかだ」

「わたしはてっきり『入館証』関連の小細工は
 足がつかないよう『グレムリン』にやらせてると思いこんでいたから、
 その辺はまだ未調査のままだ」

 ポリポリと大儀そうに髪を掻くと、
 窓の外へ向けていた視線を目の前の少女へ移す。


「で……君にひとつ提案なんだが、
 さっきと『逆』をやってみるか?」

「つまり君が『警備室』で美作さんと連携し、
 わたしは『小会議室』で雛形さんと対峙する。

 そうすりゃさっきやったのと同じ手法で、
 雛形さんのスマホから情報を引き出せる。
 君は後から合流すると言えばいい。

 ……どうだ?」

833『伝播のG』:2020/12/18(金) 08:11:16
>>831(林檎)

鍋島のスマホには、『それらしい痕跡』はない。
これまでの彼の態度は、事件と無関係とは思えなかった。
しかし、鍋島から『埃』が出てこないのも事実だ。
他に『協力者』がいるのだろうか。
それとも、『犯人ではない』のか。

『バイク事故』の件で空織が問い詰めた時、彼女は、
『轢いた人間を知っていたから言わなかった』と話した。
それが『故障』によって引き起こされたと聞いた際には、
非常に驚いていたらしい。
空織から聞いた限りでは、
彼女の動揺は演技らしくないものだった。
事故前に起きた『ミキシングコンソールの故障』に対しても、
弥生は似たような反応を示していた。
これについては林檎が尋ねていたが、
やはり本当に知らなかったようだと思える。

空織は、『弥生が何かを隠している』と見ている。
昼頃、弥生は外に出ていた。
それを一言も話さなかった事が疑惑の裏付けとなっている。
理由のない嘘はない。
『嘘に彩られた世界』に生き、
自らも生きるために『嘘』を身に纏う林檎には、
それがよく分かっている。

一方で、『バイク事故』や、
『ミキシングコンソール』に関する弥生のリアクションは、
嘘とは思えない素直なものだった。
そこに『小さな食い違い』がある。
また、外で弥生を見ていた筈の鍋島は、
彼女の事は少しも触れていなかった。
その点にも、何らかの意図があったと見るのが自然だ。
あるいは、弥生のスマホを調べれば、
『埃』が出てくるのかもしれない。

>>832(空織)

『グレムリン』に『入館証』を仕込ませれば、
本体が外に出る必要はなくなる。
その反面、『入館証だけが動く』という、
奇妙な光景を晒す事になる。
それを見せて人目を引いてしまうよりは、
本体自身で仕込んだ方が安全だと考えたのかもしれない。

弥生の証言には不透明な部分がある。
彼女は『外に出ていた事』を言わなかった。
そして、弥生を見ていた鍋島も、
それについては一言も触れなかった。
『彼』あるいは『彼女』が犯人だとして、
自ら腹を明かす可能性は『ゼロ』に等しい。
それを知るためには、
口を通さずに直接『腹の中』を調べる必要がある。

空織の提案は、至極妥当なものだった。
二人ともが同じ場所にいては出来ない事だ。
それをさせないために、
弥生は『林檎の同席』を要求したとも取れる。
『くるみの能力でスマホを調べる事』までは分かる筈もない。
ただ、見えない場所で何かされる事を警戒した可能性はある。

>>(両者)

会話は続く。
『約束の時間』まで長くはないが、そう短くもない。
方針を纏めるには、時間は十分だ。

834猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/18(金) 21:11:22
>>832-833

「…弥生さんは『共犯者』なのか、それとも利用されているのかしら?」
「彼女のリアクションを見る限りでは、後者の可能性の方が高そうだけれど」

今出てきている情報をまとめると、そんな感じなのかな。
後は、弥生さんと鍋島さんとの繋がりを調べる必要があるかな。
あーあ、弥生さんのことを信じたかったのになぁ。─────ま、でもそんなもんだよね。大人って。

「わかったわ、今度はあたしが向こうに移動するわね。弥生さんには、お手洗いに行っているとでも」

清次さんの提案に頷く。何もなければ、すぐにでも移動しよう。
刻一刻と、時間は迫っているから。

835空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/19(土) 22:29:38
>>833-834 (GM・林檎)

「それを明らかにできるのは『プラン9』しかないだろうな。
 彼女の証言はもはや後出しでいくらでも翻りうる」

「重要なのは、
 『誰がグレムリンをコントロールしているのか?』
 『誰が脅迫メールを送ったのか?』……だ」

 嘆息とともにテーブルに手をつき、
 苦々しい顔で林檎君を見やる。


「では『警備室』は君に任せる。
 ひょっとしたらあとで電話を繋ぐことになるかもしれん」

 そして、できるかぎり美作さんと一緒にいてくれ。
 席を立つ林檎君の背中にそう付け足して、
 小会議室から彼女を見送る。

836『伝播のG』:2020/12/20(日) 10:53:05
>>834(林檎)

林檎が生きる『夜の世界』では、『嘘』や『偽り』は付き物だ。
そして、それらは『昼の世界』にも存在する。
時として、『夜の世界』よりも分かりにくい形として。
弥生の対応は親切だったが、
それも演技だったのかもしれない。
彼女のスマホを調べれば、
まだ知らない何かが分かる筈だ。

       スタスタスタ
               ――――ガチャ

小会議室に空織を残し、林檎は警備室の扉を開ける。
中に入ると、くるみが目配せしてきた。
モニターには通路を歩く弥生が映っており、
その手には『スマホ』を握っている。

        ソッ

「……『準備』は済ませておいたわ。もう『聴ける』わよ」

くるみが林檎の耳元で囁く。
『弥生のスマホ』は、既に『プラン9』の能力下にある。
後は『何を尋ねるか』だ。

>>835(空織)

              ――――パタン

林檎を送り出し、空織は小会議室で弥生を待つ。
彼女の態度には、確かに腑に落ちない部分がある。
それを追及するために、空織は待った。

          ガチャ…………

しばらくしてドアが開き、弥生が姿を現した。
手の中にはスマホを持っている。
弥生は室内を見渡し、それから空織に視線を戻した。

「――――林檎さんは?」

その時、空織には見えた。
弥生の後方に『グレムリン』が立っている。
開いたドアから中を窺っているような様子で、
弥生の5m程後ろにいる。

837猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/20(日) 21:56:23
>>836

「すごいわね、くるみさん。凄腕の女スパイみたい」

もう既に対象の在り処を突き止めて、能力を使ってるなんて。
思わず、胸の前で小さく手を叩いた。本当に、くるみさんが善良な人でよかったなぁ。
本気になれば、色々な人の情報を引き出せるだろうから。

「そうね…それじゃあ」
「『一ヶ月以内』で、鍋島さんとのやり取りを参照できるかしら?」「LINEでも、メールでも」
「それと、同じく『一ヶ月以内』でアドレス帳に登録されていないメールのやりとりはあるかしら?」

どちらにしろ、鍋島さんはキーポイントのはず。調べるならその辺りから、だ。

838空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/24(木) 01:41:20
>>836 (GM)

 わたしは着席していないので、
 ドアの前で彼女を迎え入れることになる。

「ついさっきまでここにいたんだがな……
 すれ違いになっちまったか。
 まあすぐ戻ってくるだろう。『化粧室』だ」

 「とにかく中へどうぞ。
  あまり人に聞かせたい話でもないしな」

 紳士が淑女にするようにドアを片手で支え、
 もう一方の手で雛形氏を室内に導く。
 5m先のグレムリンは見えてないフリだ。

 雛形氏が入室したら、
 グレムリンが『踏み込み』に入る前に
 さっさとドアを閉めるつもりだが……

 グレムリンが大人しい様子で
 雛形氏に追従してくるようなら、
 彼もこの室内に招いてやるかな。
 どっちにしても入室したら即、ドアを閉める。

839『伝播のG』:2020/12/24(木) 20:12:36
>>837(林檎)

「――分かったわ。始めましょう」

「ここ一ヶ月以内で、
 アドレスに登録されてないメールのやり取りはある?」

《『ノー』デス!!ソレラシイモノ、見ツカリマセン!!》

「じゃあ、次ね……。
 同じく一ヶ月以内の鍋島さんとのやり取りを教えて」

《イエッサー!!》

《ナァ、チョット趣向ヲ変エテミナイカ?
 別ニ何モカモ変エロト言ッテル訳ジャアナインダ。
 ホンノ少シデイイ》

《ダメ。今ノリスナーヲ切リ捨テル事ニナルジャナイ。
 私ヲ支持シテクレルリスナーハ裏切レナイ》

『プラン9』が、弥生と鍋島が交わしたやり取りを語り出す。
最も目立つ話題は、
やはり『I Love Me』の人気低下に関する事だ。
鍋島が『路線変更』を持ち掛けているが、
弥生は頑なに拒否している。

《アノ話ナンダガ、考エテミテクレナイカ?
 コノママ人気ガ落チルト、番組ノ存続ニモ関ワッテクルゾ》

《モウ少シダケ時間ガ欲シイ。オ願イ》

その後も、何度か同じ話題が繰り返された。
しかし、弥生は首を縦に振らない。
鍋島も手を焼いていたようだ。

《曽我サンニハ、既ニ話ヲ通シテアル。
 アトハ、オ前ガ同意シテクレタラ、話ガ先ニ進ムンダガ》

これに対しては、弥生の返信がなかった。
今から『三週間前』だ。
『人気回復』と『路線変更』の板挟みになっていた彼女が、
かなり追い詰められていた事が分かる。

>>838(空織)

  「『すぐ』ね――――」

            バタン

              「――――ありがとう」

弥生の入室後、速やかにドアを閉める。
『グレムリン』は入ってこなかった。
姿が見えなくなったため、
まだ部屋の前に残っているかどうかは分からない。

   スタスタスタ

       「今、どんな感じなの?」

                     ガラガラガラ

弥生が窓際に歩いていく。
彼女は、片手で窓を大きく開け放った。
ほど良く冷えた夜の空気が室内に流れ込む。

840猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/24(木) 22:25:11
>>839

「ありがとう、くるみさん」
「ねぇ、今からでも『鍋島』さんのスマホを再度『ファン化』することはできるかしら?」
「もしそれができるなら、『鍋島』さんのスマホと『曽我』さんとのやり取りを教えてほしいの」

警備室のカメラを見ながら、訊いてみる。
それがもし無理なら、弥生さんと曽我さんとのやり取りを洗ってみよう。
もしそれがなければ、弥生さんと鍋島さんとのやり取りを一ヶ月前から二ヶ月前、の間に変更して内容を聞いてみたい、

そして、今手に入れた情報は清次さんに送っておくよ。
鍋島さんは曽我さんに話を通していて、弥生さんに何かをお願いしようとして何度も断られていること。

841空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2020/12/29(火) 06:12:33
>>839 (GM)

 ドアを背にして雛形氏に向き直る。

「『今どんな感じ』ーーか。
 また君らしくない、ずいぶん『漠然とした質問』だな」

「『聞き手のことを考えないと二度とゲストを呼べなくなる』って、
 ついさっき誰かさんが説教されてなかったか?」

 対話の枕として馴染みの皮肉を投げ込む。
 その反応からいまの雛形氏の警戒感を測ろう。

「この事件は、犯人の『改心』によってしか
 解決しえない問題かもしれない。
 だからわたしは犯人が『良心の呵責』に悩む人間で
 あってほしいとずっと願ってきた」

 微笑のような苦笑のような曖昧な表情で、
 雛形氏に問いかける。
 それはわたしが今日何度も見てきた『自嘲的』な笑みだ。

「よければ君の考える『バードウォッチャー』の
 『犯人像』を聞かせてもらえるか?」

「この事件の犯人を、
 君はいったいどんな奴だと思っている?」

842『伝播のG』:2020/12/29(火) 15:33:03
>>840(林檎)

「ええ、大丈夫。
 鍋島さんのスマホはまだ『解除』してないから、
 すぐに出来るわ」

「『鍋島さんと曽我さんのやり取り』について教えてくれる?」

        《オッケーデス!!》

『プラン9』が語り始める。
それによると、
鍋島が『番組の方向性を調整する事』を提案し、
曽我は了承したようだ。
ただし、『弥生が同意した上で』という条件は付いていた。
いずれにせよ、鍋島の話は裏付けられた事になる。
鍋島は、『I Love Me』の人気回復のために、
番組の方向性を変えようとしていた。
この件については、放送作家である曽我も納得していた。
だが、パーソナリティーである弥生は、
頑として『路線変更』を認めたがらず、今に至っている。

「ねえ、林檎さん……。
 『ミキシングコンソールの故障』が『三週間前』よね?
 『バイク事故』が起きたのも『三週間前』。
 やっぱり、そこが気になるんだけど……」

くるみが考えながら、林檎に問い掛ける。
『目に見える異変』が起こり始めたのは、
くるみの言う時期だ。
『故障』も『事故』も、
『グレムリン』の仕業である事は間違いない。
しかし、どちらも目的が不明瞭だった。
『ミキシングコンソールの故障』は、
放送に何ら影響を及ぼしていないし、
『バイク事故』も狙ってやるのは難しく、
『偶然の産物』としか思えない。

「……どうして『その前』はなかったのかしら?」

そして、『三週間より前』には起きていない。
『必要がなかった』からか。
それとも――――。

>>841(空織)

    ゴソ――――

皮肉に答える代わりに、弥生はポケットに手を突っ込んだ。
引き抜いた手には『タバコ』が握られていた。
スマホをしまうと、
入れ替わりに取り出したライターで着火する。

               ボッ

      スゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ………………

しばらくの間、彼女は深く煙を吸い込み、
やがて空織に背を向けた。
窓枠にもたれながら、外に向かって白い煙を吐き出す。
白煙は夜の闇を漂い、その中に溶けるようにして、
静かに消えていった。

「あなたの言うように、
 犯人が『良心の呵責』を持ってるのかどうかは、
 私には分からないけど…………」

「この事件は衝動的なものじゃない。
 明らかに『計画性』があるんだから、
 それは言うまでもない事」

「普通、頭の中がハッキリしてなきゃ計画は立てられない。
 だから、犯人は落ち着いてると考えるべきね」

「『迷い』があったら、実行を思い留まったかもしれない。
 でも、犯人は実行した。
 最初から『迷い』がなかったか、もしくは『吹っ切れた』か」

「――――そんな所ね」

843猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/12/31(木) 19:49:52
>>842

「どうやら曽我さんには、具体的な作戦はお話ししていないようね」
「もっとも、一般の方に『スタンド』のことをお話ししても、大体は拗れてしまうもの」
「妥当な判断と言えるかしら」

この内容も、清次さんに送っておく。
どう取り扱うかは清次さんにお任せ、あの人ならきっと良いタイミングで使ってくれるから。

>「ねえ、林檎さん……。
> 『ミキシングコンソールの故障』が『三週間前』よね?
> 『バイク事故』が起きたのも『三週間前』。
> やっぱり、そこが気になるんだけど……」

「あたしもそこは気になっているのだけれど、スタンドのテストでないとしたら…」
「制御不可能な『暴走』かしら。目覚めたての時は時々あるらしいから、そういうもの?」
「ひょっとして、元から制御できない『スタンド』で今もそう、な可能性もあるかもしれないわね」

844空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2021/01/04(月) 23:08:06
>>842 (GM)

 (※猫柳PCからのメールは届いている?)

「…………そうか。
 『三週間前』の時点ならまだ『迷い』はあったかもな。

 ……なあ、わたしも一本もらっていいか?」

 透明なタバコを吹かすジェスチャーをして、
 窓際の雛形氏に歩み寄る。
 そして夜の面紗をまとう彼女の横顔に問いかける。

「――君の言う『計画性』の中に、
 わたしや林檎君を攻撃することも含まれていたと
 思うか?」

 手刀で自分の目の前の空間に
 水平の切り取り線を描きながら、

「実を言うとだな……わたしも足を切られたんだ。
 犯人の罠にかかってね」

「だがわたしの傷のことなんてのは
 この際どうでもいい。重要なのは――」

「いいか、重要なのは、
 ひょっとしたらその傷を負ったのは林檎君だったかもしれんということだ。
 あんな年端もいかない子どもが、わたしの代わりに――

 その意味が君には分かるか?」

 雛形氏の顔を見つめて問いかける。
 一度は突っ返された『良心の呵責』のチップだが、
 そいつをもう一度レイズしてみよう。
 今度はわたしと林檎君の分を乗せてだ。

 雛形氏の立場が何であれ、彼女が真実を秘匿してるのは確かだ。
 だが『バイク事故』の真相を知り、心から動揺していたのもまた事実。


 重要なのは、『犯人』の意図と『グレムリン』の挙動には
 完全には一致してない気配があるということだ。

 その『認識のズレ』が引き起こす予期せぬ隙間が、
 雛形氏の心にもあるかもしれん。
 『犯人』、『協力者』、『利用者』……
 そのいずれかに当てはまるならあるいは。


 いずれにせよ、後出しで翻る彼女の証言に
 もはや幾許の信頼性もない。
 『プラン9』抜きでわたしが彼女の真実に迫ろうとするなら、
 論理の『正誤』よりも倫理の『善悪』を
 彼女の心に問う方がまだ分がありそうだ。

 雛形氏の反応を伺おう。

845『伝播のG』:2021/01/05(火) 17:55:18
>>843(林檎)

「最初に林檎さんに聞かれた時、
 私も『テスト』だって思ったけど……。
 今から考えてみると、『ここ』でやる必要はないわよね……。
 機械に『トラブル』を起こさせるなら、
 いくらでも場所は見つかるでしょうし……」

「『バイク事故』にしてもそう。
 真夜中だったとはいえ、そんな事をしたら、
 どうしても目立つわよね……。
 だからこそ、林檎さん達が、
 『グレムリンとの関係』に気付いた訳だし……」

「『暴走』――可能性は高いかもしれないわね……」

くるみも林檎の意見に同意を示す。
実際、『能力のテスト』なら他の場所でも出来る。
わざわざ知られる可能性のある形で行うのは、
自分から存在をアピールするようなものだ。
『愉快犯』であれば有り得るが、
この事件の犯人は『明確な動機』を持っていると考えられる。
それらを考え合わせると、
『テスト』の線よりは『暴走』の可能性が高そうだ。

「……でも、今は『安定』しているような気がするわ。
 元々完全に制御出来ないスタンドだったとしても、
 この件の中では、
 『本体がスタンドの動きを把握してる』ような……」

「『だからこそ脅迫メールが送られてきた』って
 思えるんだけど……」

これは計画的な犯行であり、
『スタンドの動き』が計画に組み入れられている。
仮に本体が『グレムリン』を直接操作出来ないとしても、
その動きを掴んでいなければ計画は立てられない。
『三週間前のトラブル』が『暴走』だとすると、
『その時よりは安定している』と思って良さそうだ。

「始まりは『三週間前』……。
 その時に『不安定』で、今は『安定』していたとして……。
 『その間にあった事は』……」

「林檎さん――よければ『今の考え』を聞かせてくれない?
 この事件について、どう思ってるのか知りたいの。
 犯人や動機や、その他の事について。
 それを教えてもらえば、私の方でも、
 『プラン9』への質問を思い付くかもしれないから」

>>844(空織)

(※林檎からのメールは届いている)

「『喫煙者』には見えなかったけど――――」

        スッ

「……次の言葉は『君も』?」

弥生がタバコを一本渡してきた。
もう片方の手ではライターを差し出してくる。
火も点けてくれるようだ。

「『調査する人間』が来る事を事前に知っていたなら、
 あらかじめ計算に入れるはず……。
 でも、知っていたとは思えない。
 それは『犯人』にとって『イレギュラー』だった……」

「だから――その『罠』は、
 あくまで二人の存在を知ってから用意したもの……。
 『計画の内じゃあなかった』……」

「――――私は『そう思う』けど」

薄っすらと漂う白煙に包まれながら、弥生は静かに語る。
その表情に『迷い』はない。
だが、『林檎』の名前を出された時、
瞳の奥の光が僅かに揺らいだ気配があった。

「…………『彼女』が」

「『林檎さん』が傷付かなかった事は『良かった』」

「私は…………『そう思う』」

今や、弥生の証言は信憑性に乏しい。
しかし、『良心の呵責のチップ』に対する反応は、
確かに『本物』だと感じられた。
弥生は、林檎が傷を負わなかった事を、
『良かった』と考えている。

846猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2021/01/06(水) 21:20:48
>>845

「その間にあったこと…?弥生さんが退院されたこと、かしら?」

その場合は、弥生さんが本体になるのかな。
でも、そうだとしたらさっきメールで見た鍋島さんとのやり取りが、説明できない気がする。
『グレムリン』の動きは、完全に番組を妨害する感じだったし、
鍋島さんじゃなかったとしても、意見を同じくしてる人の仕業だよね。

「犯人は、鍋島さん。またはその一味ね。あのメールはもちろん、
 さっきお話しした反応からしてもそれは間違いないと思うわ」
「動機は、『宣伝目的』。明確な悪意、そして不可解な現象、エンタメに飽きた一般人が食いつくネタとしては、悪くないわね」
「ただ、宣伝するためのアカウントを鍋島さんは持っていなかったようだから、その点も気がかりだわ」

ひとまず、自分の意見を整理する意味も込めて、これまでの推理を口にする。
何か見落としがあるか、他の人に聞いてもらうことで見つかるかもしれない。

847空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2021/01/13(水) 22:36:01
>>845 (GM)

「タバコは妻の妊娠を期に辞めた。
 だが……今日ぐらいは妻も娘も大目に見てくれるだろう。
 今日はわたしも疲れた。本当に疲れたよ。
 きっと君だってそうだろう」

 雛形氏に礼を言い、厚意の火をいただく。
 数年ぶりに味わう退廃の風味を
 たっぷり肺に浸してから、
 この空のどこかにある月に向かって
 細く長い紫煙を吐きだす。

 窓枠に手を置き、
 ふたたび雛形氏と束の間の沈黙を共有する。

 煙の尾が解けたころ、思い出したようにつぶやく。
 今日のラジオで誰かが紡いだ一節を。

「『素直に自分の気持ちを伝えた方がいいよ。
 『軽々しく言わないで』って。
 それで距離を置かれるようなら、
 その程度の繋がりだったって事』――」

 彼女のことを考え、最後までその先を口にするか迷った。

 だが事態を先に進めるには、
 結局いつかはこの線を踏み越えるしかない。

 彼女は誰かを『庇って』いるのか、
 それとも誰かに『庇われて』いるのか。

「『バードウォッチャー』は、君か?」

848『伝播のG』:2021/01/14(木) 19:58:03
>>846(林檎)

「そうよね……。
 何かあったとすれば、
 やっぱり『雛形さんの入退院』くらい……」

「お見舞いに行った時に、
 『彼女が上の空だった』って話したでしょ?
 『バイク事故の犯人を知ってるから』だと思ってたけど、
 もしかすると何か『別の理由』があったのかも……」

以前にも確認した通り、
まず三週間前に『機材の不調』と『バイク事故』が起こった。
『弥生の退院』は二週間前だ。
そして、ここ一週間以内の間に『脅迫メール』が届き、
『放送事故』が起こっている。
『トラブルの間にある大きな出来事』は、
やはり『雛形弥生の退院』しかない。
そして、『脅迫メールが送られてきた頃』には、
『グレムリンの暴走』は収まっている。

「鍋島さん――まだ確実とは言えないけど、
 確かに有力だと思うわ。
 『動機』については、それで間違いないでしょうね」

「でも、『スタンドの暴走』についてはどうなのかしら?
 そうなるためには、『何かのきっかけ』が必要だと思うの。
 鍋島さんは雛形さんを説得しようとしていたみたいだし、
 苦労はしていたでしょうけど……」

鍋島は雛形に手を焼いていた。
『プラン9』で聴き出した内容から、それが読み取れる。
しかし、文面から感じ取れる鍋島の内面は冷静だった。
もちろん、心の中で何を思っていたかまでは分からない。
だが、『無意識にスタンドを暴れさせる程のストレス』を、
彼が抱え込んでいたようには見えなかった。

「林檎さん、『二週間前』を調べてみない?
 その辺りを探ってみれば『答え』が見つかるかもしれないわ」

>>847(空織)

「そう――――」

       ボッ

弥生がライターを差し出し、空織のタバコに着火する。
宵闇の帳に二筋の紫煙が漂う。
そして、空織は弥生に言葉を投げる。
明確な『追及の言葉』だ。
弥生が口を開こうとした時、彼女のスマホが鳴った。

            スッ

                「…………はい」

  「…………分かった」

                ジュッ

「呼ばれたから戻る。『制作室』にいるから。
 林檎さんに伝えておいて」

携帯灰皿で火を消し、弥生が歩き去る。
彼女がドアを開けると、そこには鍋島がいた。
弥生の入室時に見かけた『グレムリン』の姿はない。
鍋島と弥生は、無言で挨拶を交し合う。
弥生が立ち去ると、鍋島が小会議室に入ってきた。

「――――調査の進み具合が気になりましてね。
 『犯人』の目星はつきましたか?」

「林檎さんは『電子機器妨害装置』だとお考えのようですが、
 空織さんはどう思います?」

849猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2021/01/15(金) 21:59:40
>>848

「なるほど。確かに、弥生さんをただ陰謀に巻き込まれただけの人と仮定するのは、早計だったかもしれないわ」
「…むしろ、弥生さんが『本体』の可能性もある。くるみさんは、そう考えているのね?」

盲点だったかも。ここまで具体性を持って行動しているからには、
全て鍋島さんの思い通りに動かせる前提だと考えてたけど。
あそこまで弥生さんに声をかけていたのは、弥生さんの心情を重視してじゃなくて、
そもそも弥生さん自身に協力の意思がなければ、できない事だからなのかな?

「お願いするわ。弥生さんのスマホの、『二週間前後』の通信履歴を」
「メールやSNS、着信や発信履歴でもいいわ。何かしら、手掛かりはあるかしら…?」

850空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2021/01/23(土) 18:54:17
>>848 (GM)

「――――はあ」

 わたしなりの『覚悟』を持って踏み込んだつもりだったが……
 その返答が『これ』とはな。
 『黙って立ち去る』。

 ずいぶんな肩透かしだ。
 追求しようにも引き止めるヒマもない。

 ため息で希釈した最後の紫煙を吐きだし、
 入れ替わりであらわれた鍋島氏に向き直る。

 曖昧な目礼を交わしながら、わたしの背後に
 『エラッタ・スティグマ』を発現する。


「ああ……『犯人』の目星ですか?
 ついてますよ。
 使用されたのがその手の妨害機器の類じゃないことも」

 そう言うと、指先でタバコを自分の背後へピンと弾く。
 吸い殻は弧を描いて窓外の闇へ消える……ことはなく、
 『エラッタ・スティグマ』が右手を伸ばして?みとる。
 そして『分解』する。
 この世界から存在を解いて消し去る。

 まあ、ちょっとした手品だな。


 わたしはなんてことない顔で鍋島さんを見ている。
 それで、その先は? と視線で彼につづきを促す。
 彼にはなにか話したいことがあるんじゃないかと思ってね。

851『伝播のG』:2021/01/24(日) 18:57:26
>>849(林檎)

「ええ、そうしましょう」

「『プラン9』――――」

林檎の言葉を受けて、
くるみは再び自身のスタンドに問い掛ける。
まず、『電話』と『メール』に関する質問だ。
何回かに分けて尋ねた結果、
特に不審な点は発見されなかった。
退院直後というだけあって、
鍋島も路線変更の話は持ち出さず、
弥生の体調を気遣うような発言をしている。
園部や曽我とのやり取りもあったが、
概ね彼らも同じような内容だ。

「次は『SNS』ね……。彼女のアカウントを教えてくれる?」

       《イエス!!イエス!!》

そして、プラン9は弥生の『アカウント名』を告げた。
これについては、
『林檎のスマホ』で直接閲覧した方が早いだろう。
くるみも自分のスマホで弥生のアカウントをチェックしている。
メインのアカウントの他に、サブアカウントがあるようだ。
サブの方は、いわゆる『裏垢』らしく、
より赤裸々な内容が書かれている。
普段はメインアカウントを更新し、ストレスが溜まった時に、
サブの方で吐き出して発散しているらしい。
最後にサブが更新されたのは『三週間前』だ。

【何も思い付かない】

【何やってもダメ】

【どうせ私なんか誰も気にしてくれない】

【つらい】

【消えてしまいたい】

文面から判断すると、
弥生は相当なストレスを抱えていたようだ。
そして彼女は件のバイク事故に遭い、入院する事になる。
退院後は、メインアカウントに更新があった。

【お久しぶり。ちょっと具合が悪くてお休みしてました。
 心配してくれた人がいたら、ありがとう&ごめんなさい。
 また放送再開するので、みんな聴いてね】

「林檎さん…………どう思う?」

>>850(空織)

空織が『踏み込んだ』時、
弥生からは『躊躇っている』ような印象を受けた。
言おうとして言えなかった。
立ち去った彼女の背中からは、
そのような雰囲気が感じられた。

    シュルルルルルルルル…………

                    ――――フッ

「……つまり、こういう事ですか?」

「今やったのと『同じやり方』だと」

「この業界で、私もそれなりに見聞きしてますからね。
 半端なトリックなら直感で分かりますが、今のは違う。
 よほど高級なトリックか、そうでなければ『超常現象』か」

「私は『オカルト否定派』って訳でもないですから、
 『犯人』にそんな力があったとしたら、
 今回の放送妨害も簡単に出来ただろうとは思えますね」

『分解』を経て『消滅』する吸い殻。
常識では考えられない現象だが、
『エラッタ・スティグマ』ならば容易い芸当だ。
披露された『手品』を目の当たりにしても、
鍋島は動揺を見せない。
静かに落ち着きを保っている。
その姿は、先程の弥生とは対照的だった。

「――――それで、『本体』は誰でした?」

852猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2021/01/24(日) 22:35:44
>>851

「─────そうね」
「ここまで追い込まれていたなら、何をしてもおかしくないわ。
 むしろ、すぐに『鍋島』さんの誘いに乗らなかったのがすごいくらいよ」
「『動機』は分かったわ。でも、そうすると鍋島さんと言い合っていたのは何故かしらね?」

まぁそれも周囲に対して、何か疑われないようにしたかったからかもしれないけど。
実際は、ある程度もうお話が進んでいたのかもしれない。

「そうなると、『バイク事故』は鍋島さんにとってとても都合の良いできごとということね」
「でも、それならあの『事故』は狙って起こされた事でないと、おかしいかしら」

番組の存亡をかけているのに、たまたま起きた事故がきっかけで話が進んでいくってそんな杜撰な計画は立てないよね、鍋島さんなら。
でも、『グレムリン』の本体が弥生さんなら、どうやってあのタイミングでバイクを故障させたんだろう。

853空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2021/01/27(水) 19:44:32
>>851 (GM)

 指先でタバコを飲み込んだあと、『エラッタ・スティグマ』は
 糸クズを払い落とすように両掌をパンパンと叩き合わせ、
 フッと右手に息を吹きかけるポーズをする。


「はあ……?
 『本体』とはどういう意味です?」

 一方わたしは窓の外にタバコをポイ捨てしただけで、
 わたしの背後で起こった超常現象なんて
 な〜〜〜んにも見ちゃいない。
 だからすっとぼけたツラで答える。


「『実行犯』って意味なら、それは鍋島さんが
 想像しているとおりの人物だと思いますよ。
 動機もきっと、あなたが想像しているとおり」

 「そしてあなたはその人を庇うためにここに来た。
  ……違いますか?」


 もし鍋島さんが『庇う側』なら、『スタンド』のことを
 いっさい理解していない可能性もあると思っていた。
 だから彼の口から『本体』ってワードが出てきたのは
 少々意外だった。

 わたしの推理は間違っていたのだろうか?
 真実を確かめるべく、鍋島氏と向かい合う。

854『伝播のG』:2021/01/28(木) 13:46:28
>>852(林檎)

「林檎さん、一つ気になる事があるんだけど……」

「例の『バイク事故』は、
 やっぱり『偶然の出来事』なんじゃないかしら……。
 雛形さんは怪我をして休んでいたし、
 その間は代わりの番組を立てなきゃいけなくなったわ。
 ディレクターの鍋島さんにとっても、
 それは良くない事だっていう気がするの」

「鍋島さんは番組の方向性について、
 雛形さんと揉めていたみたいだけど、
 『番組そのもの』が潰れてしまったら、
 意味がないと思うから……。
 それに、事故の事を『宣伝』に利用するつもりなら、
 公にしていたでしょうし……」

林檎の意見を受けて、くるみは自身が思う疑問を口にする。
被害者である弥生も、加害者となった澤井も、
事故の晩に現場を通ったのは『偶然』でしかない。
それを考えると、『狙ってやる』のは極めて困難だ。
逆に『狙っていなかった』なら、そういう『事故』も起こり得る。
そして、『偶然を当てにした計画』というのは、
そもそも成り立たない可能性が非常に高い。

「『ミキシングコンソールの故障』も『バイク事故』も、
 起きたのは同じタイミングよね……。
 でも、『機材の故障』は意図が分からないし……。
 いえ……『意図』があったのかしら……?
 さっき林檎さんも教えてくれたけど、
 『本体の制御』を離れて動く場合もあるから……」

「『事故』の方も『偶然』のように見えるし……。
 こっちも特に『意図はなかった』としたら……。
 『目覚めたばかり』の時は、
 スタンドが独りでに動いてしまう場合もあるのよね?」

くるみが林檎に問い掛ける。
彼女は、三週間前の『故障』や『事故』が、
『偶発的なもの』であると考えているようだ。
しかし、『今のグレムリン』は、
確実に『本体の制御下』にいる動きだった。
実際に戦った林檎には、それが分かる。
その時、澤井が林檎の方に近寄ってきた。

「あの……話の最中にすみません。
 些細な事なんですが、
 雛形さんについて思い出した事があって……」

>>853(空織)

「『超能力の大元』という意味です。
 林檎さんがこう言われていたんですよ。
 『妨害装置でもなければ超常現象だ』と」

「先程も言いましたが、私は『オカルト否定派』じゃあない。
 何もかも肯定してるって訳でもないですけど」

       フッ

「私はね、空織さん。
 『そういうもの』に出会った事があるんです。
 ここで働く前の話ですが」

「それが存在を知った『きっかけ』ですね」

鍋島は薄く笑い、
『エラッタ・スティグマ』が立つ方向を一瞥した。
そして、彼は空織に向き直る。
空織の推理を聞き、鍋島の顔から笑みが消えた。

「…………そういう事にしておきましょう」

鍋島は、空織の言葉を否定も肯定もしなかった。
だが、真剣な表情だった。
おそらくは、これまで見た中で最も。

「もしそうだとしたら――――どうします?
 その『実行犯』を叩きのめして口を割らせますか?」
 
「――あなたの『スタンド』で」

855猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2021/01/29(金) 01:46:44
>>854

「なるほど、ね。『鍋島』さんに運が味方していたと考えるなら、ひとまずは仮説が成り立つわ」

バイク事故で、しかもそれを同僚が運転していたなんてそうそう
起きるものじゃないから、誰かの意図が関係してると思ってたけど。
くるみさんの仮定通り、もしもその始まりが偶然起きた事だとするなら、一つの筋が通るよね。

「『グレムリン』に目覚めるも、スタンドを扱えていなかった弥生さん。
 その暴走が原因なのか、『ミキシングコンソール』を不調にさせたり、
 たまたま通りがかった『澤井』さんのバイクを故障させて、弥生さんがひかれてしまうの」
「それにショックを受けた弥生さん。退院する時には既に覚悟を決めていて、
 『スタンド』も扱えるようになっていて。精神的にやられてしまった弥生さんは、鍋島さんの意見に従うことにしたのよ」

そうなると、やっぱりボクと清次さんが来た時に、弥生さんたちが揉めていたのは演技ってことかな。
それとも、やることは決まったけど詳しい内容でぶつかってたのかな?
そんな事を考えていたら、澤井さんがちょうど来たみたい。

「あら、どうしたのかしら?澤井さん」

856空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2021/01/30(土) 00:52:45
>>854 (GM)

 彼の口から『スタンド』という単語が出たとき、
 ピクリと眉が動く。
 が、特に言及はしない。

 試されている――そう感じた。

 居住まいを正し、
 正面から真摯に鍋島氏と向き合う。

 いつになく真剣な表情の彼を見て、
 わたしも微笑や軽薄さの類をすべて捨てる。


「……犯人に『良心の呵責』があるのなら、
 最後には『改心』してくれるかもしれない。

 そんな『個人的な願望』をずっと信じてきましたし、
 そのために今まで動いてきました。
 その気持ちは今なお一つも揺らいでいません」


「どんな人間にも『贖罪』と『再起』の機会があるべきだ。
 それがわたしの信念です。個人的な信仰と言ってもいい。

 だから……わたしにできることは、
 その『良心』を信じて最後まで『説得』することだけです」


 そう言い切ると、微笑を頬に取り戻す。


 「さて……鍋島さん、次はあなたの番です。
  わたしの答えを聞いたうえで、
  あなたはこれから『どうします?』」

 「わたしを『説得』しますか?
  それとも――

  わたしと一緒に犯人のもとへ、
  『説得』に向かってくれますか?」


 鍋島氏の立ち位置はまだ判然としていない。
 わたしは『犯人を察した身内』のように感じていたが、
 実際には『共謀者』かもしれない。『黒幕』かもしれない。

 だからこの質問はちょっとした『賭け』だ。
 だがベットしてみる価値はあると信じる。


 さて、鍋島氏の返答を聞こう。

857『伝播のG』:2021/01/30(土) 19:37:36
>>855(林檎)

「そうね……。確かに、そういう事だったなら……」

「事故の時、雛形さんは『お酒』が入ってたでしょう?
 ハッキリとは言えないけど、
 もしかしたらそれもあったのかも……」

「林檎さんの言う通りだった可能性は十分あると思うわ」

くるみも林檎の推理に同意を示した。
事故の加害者が同じ職場の人間だったというのは、
確かに偶然としては出来過ぎている。
しかし、たまたま現場に居合わせた二人を利用して、
故意に事故を引き起こすのは、もっと難しいだろう。
事故自体は『偶然の産物』だった。
そう考えるのが、最も自然な解釈だ。

「ええと……『退院した直後』くらいに、
 雛形さんが『雑誌』を読んでいるのを見かけたんです。
 その、本当に『それだけ』なんですが……」

「ただ、それが『心霊』とか『超常現象』とか、
 そういうジャンルのものだったので。
 私は遠くからチラッと見ただけだったんですが、
 確か雛形さんは、そういった類の話を信じないとか……」

澤井によると、雛形は『オカルト雑誌』を読んでいたようだ。
彼女が『オカルトを信じない』という話は、
ミキサーの園部も言っていた。
『事故の直後』というタイミングを考えると、その辺りから、
『スタンドの存在』を意識していたのかもしれない。

>>856(空織)

『贖罪』と『再起』。
その二つは、『空織自身の過去』に起因するものでもあった。
だからこそ、『心からの言葉』として、
『説得力』があったのだろう。

「そうですか――――」

無言で耳を傾けた後に、鍋島は深く頷いた。
彼の表情からは、ある種の『納得』のようなものが感じられた。
それから、鍋島は小さく肩を竦める。

「どちらも選びませんよ。
 あなたを説得もしませんし、
 あなたと一緒に説得に向かう事もしません」

「ただ、一つだけ『忠告』しておきます。
 『良心を信じる』という信念は、
 非常に尊いものであると私も思います。
 ただ、もし私が空織さんの立場だったとしたら、
 『良心』だけで『犯人が落ちる』とは考えません。
 私なら、何らかの『証拠』を持って行く」

「お分かりとは思いますが、『残り時間』は多くはないですよ。
 放送が終わった後、私が上に掛け合って、
 『出来るだけ早く警察を呼んだ方がいい』と進言しましたから。
 今すぐ説得に向かった所で、目に見える『根拠』がなければ、
 時間の浪費で終わるでしょうね。
 もしかすると、『それ以後のチャンス』はなくなるかもしれない」

「『解決』を望まれるなら、
 林檎さんと十分に話し合っておく事を勧めますよ。
 実際にどうするかは空織さんの自由ですが」

そう言って、鍋島は小会議室の扉に視線を向けた。
『次の一回』が『最後の一回』になる可能性もある。
鍋島の言うように、
『良心』に訴えかけるだけで『解決』出来るとは限らない。
それだけで折れるような『犯人』であれば、
『事件』を起こしてはいないだろう。
『十分な用意』をした上で行く必要がある。

858猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2021/01/31(日) 01:13:55
>>857

「そうなのね。貴重な情報をくださってありがとう、澤井さん」

ようやくだけど、少しずつ事件の全容が見えてきた。気がする。
清次さんにメールをしなきゃ。ここからどうやって詰めるか、二人で考えよう。

『清次さん、あたしはどうやら勘違いしていたみたいだわ』
『弥生さん達のバイク事故が、鍋島さんの意図でもなく、もちろん弥生さんの意図でもなく、
 ただの偶然によって起きたものだとしたら。そしてそれにより、グレムリンを操るきっかけを得て
 鍋島さんの意見に賛同するようになったとしたら、ひとまず辻褄が合うと思うの』

859空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2021/01/31(日) 22:10:55
>>857 (GM)

 林檎君からのメールが届いていれば、
 今のうちに確認しておこう。

 同時に、わたしも肩をすくめて苦笑する。

「すくなくとも今日のある時点まで、
 あなたは明確に『犯人側』に立っていましたよね。
 『警察』の件もその一つでしょう?」

  それから顔を上げ、
  鍋島氏の瞳を正面から見据える。


「だけど鍋島さん―――
 わたしが今の話をあなたにしたのは、
 ひょっとしたらその『証拠』を持っているのは、
 他ならぬあなたかもしれないと思ったからです」

  「例えば今日の『十二時』ごろ、
   あなたは局外で雛形さんとお話されていましたよね」

 「その時に、あなたには『何か』気づいたことが
  あったのではないですか?」


 会話した事実を二人が黙した理由を、
 わたしはそんな風に推察した。
 『庇って』いるのか、『庇われて』いるのか。


 もちろんいまだ彼は『犯人側』かもしれない。
 だとしたら真実を話してくれる保証はない。

 ただ、わたしは『良心』に賭けただけだ。
 それは『犯人』に対してだけじゃあない――

 果たして、
 わたしの『ベット』に『リターン』はあるだろうか?

860『伝播のG』:2021/02/01(月) 00:01:15
>>858(林檎)

空織にメールを送信する。
モニターを見ると、彼は鍋島と話し合っているようだ。
真剣な雰囲気が画面越しにも伝わってくる。

「あとは……やっぱり『証拠』が必要になるかしら。
 雛形さんが『本体』だとして、
 それを指摘するだけで解決出来るとは考えにくいし……。
 何か目に見える『証拠』がないと、
 否定されて終わる事にもなりかねないわ」

澤井が離れた後で、くるみが囁いた。
『スタンド使い』である事を追及したとして、
それを相手に認めさせなければならない。
そのためには、何らかの『証拠』を見つける必要がある。

「林檎さん、まだ『プラン9』で出来る事があると思うの。
 もう一度『雛形さんのスマホ』を探ってみましょう。
 きっと何か見つかるわ」

弥生が『スタンド使い』になったとすれば、
ごく『最近の事』だろう。
そして、『スタンドに目覚める』というのは、
当人にとって『大きな変化』である筈だ。
そうした変化が、『生活』にも影響を与えているかもしれない。
スマホは『個人情報の塊』であり、
『プラン9』はスマホにアクセス出来る。
『まだ調べていない領域』に、
『証拠』が残されている可能性は十分にある。

>>859(空織)

スマホを確認すると、林檎からのメールが届いていた。
そこには、『彼女の推理』が綴られている。
理屈の辻褄は合っており、『信憑性』も高いように思われた。

「『犯人側』ですか。まぁ、そう思って下さっても構いません」

「その上で言っておきますが、
 私が何かしら『証拠』を握っていたとして、
 それを素直に出すと思いますか?
 もっとも、私は『証拠』なんて持っちゃいませんよ」

「確かに私は、弥生が外にいたのを見ていました。
 今更隠し立てしても仕方ありませんから言いますが、
 それを黙っていた事も確かです。
 『なぜ隠したか』お知りになりたいでしょう?」

「『何となく』ですかね。
 それなりに付き合いが長いので、都合が悪い時には、
 口に出さずとも雰囲気で分かるんですよ。
 だから言わなかった。それだけです」

「それに、会話したといっても、本当に挨拶程度でしたしね。
 信じてもらえるかどうかは分かりませんが」

「繰り返しになりますが、
 私から『証拠』を引き出そうとするのは、
 得策じゃありませんよ。
 何せ、『持ってない』んですから。
 誓って言いますが、この点について嘘はありません」

それだけ言って、鍋島は口を閉ざした。
『証拠が必要になる』と告げた事自体が、
彼なりの『良心』だったのだろう。
真意の全てまでは分からない。
だが、『証拠を持っていない』という言葉は、おそらく本当だ。
鍋島と相対する空織には、それが感じ取れた。

861空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2021/02/01(月) 19:30:58
>>858 >>860 (GM・林檎)

 鍋島氏の応答を聴き終えると、
 片眉を下げて苦笑する。

「『都合が悪いと思ったから事実を隠していた』……って、
 それがまさに『犯人側』の言い分だってこと分かってます?」


 とはいえ、ここでは『証拠を持っていない』ことと、
 彼の現在のスタンスが分かっただけで十分だ。

 彼女の心情を考えたとき、できれば
 『プラン9』以外の『出口』が欲しかったところではあるが……
 こればっかりはどうしようもないな。


「では……
 わたしはそろそろ『説得』の準備に向かうことにします。
 残り時間も少ないらしいですからね。
 話をしてくださってどうもありがとう」


 鍋島氏に目礼を送って出入り口へ向かう。
 林檎君に合流のメッセージを送ろうとしたところで、
 ふと思い出したように彼に向き直る。


「そういえば――
 『I Love Me』の『路線変更』の件。
 あれ、今でもそうした方がいいと思ってます?」

862猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2021/02/02(火) 01:46:50
>>860

「弥生さんの心の中はどうだか知らないけれど、少なくともあちらを選んだ『覚悟』は決めているはずだものね」
「確かな証拠を叩き付けて、逃げ道をなくさなければいけないわ」

心に訴えるのは、少しは効果があるかもしれないけど、期待はできないかな。
できればそれで落ちてくれればボクも楽だし、弥生さんのことを嫌いにならなくて済むけど。
でも、結局鍋島さんの案に乗っかる形を選んだんだもんね。だったら敵ってことだよね。

「『動画』、あるいは『メモ帳』で『三週間』前後の内容を調べてみましょう」
「あたしはとある人に『スタンド』を目覚めさせていただいたから、
 疑問は全てその人に解決してもらったのだけれど。もし弥生さんが自然に目覚めたのなら、
 色々と能力について試したくなることがあるはずよ。何かにそのデータを残してあるかもしれないわ」

能力を発動した時の様子とか、射程距離とか色々と残してあるかも。
もうプライバシーとかどうのこうの言ってられないからね。

863『伝播のG』:2021/02/02(火) 19:21:28
>>861(空織)

「ええ、勿論。どう思って頂いても結構です。
 そうでなきゃあ、自分からこんな事を言いませんよ」

「――――『ご健闘』をお祈りします」

           スッ

目礼を返しながら、鍋島が道を開ける。
彼から『証拠』は引き出せない。
ゆえに、空織は『パートナー』との合流に向かう。

「…………さてね。
 その件については、私もまだ考えている途中なんです。
 何しろ色々ありましたからね」

「申し訳ないですが、この場では答えられません」

苦笑いを浮かべ、鍋島は空織を見送る。
明確な回答は得られなかったが、
彼の表情からは迷っている様子が見て取れた。
『考えている途中だ』という言葉に偽りはないのだろう。

>>862(林檎)

「確かに……。
 私も『ある人』に出会って『プラン9』が目覚めたんだけど、
 そうでないなら自分で調べなきゃいけないものね。
 『パソコン』に『データ』を移したりしてるかもしれないけど、
 スマホの方にも『調べた結果』を残してあるかも……」

「『動画』と『メモ帳』ね。
 まずは『動画』から当たってみるわ。
 内容は『口頭』で伝える事になるから、
 少し分かりにくくなっちゃうけど」

「『動画ファイル』について教えてくれる?
 期間は『三週間』前後」

       《ハイッ!!今スグニッ!!》

《『ドウガ』ハ 『二件』アリマス。内容ヲ 読ミ上ゲマス》

《『一件目』デス。『ソト』ガ映ッテイマス。
 カメラガ 動イテイマス。奥ノ方ニ 『猫』ガ見エマス。
 カメラハ 『猫』ヲ追ッテイマセン》

《『二件目』デス。『部屋ノ中』ガ映ッテイマス。
 流レテイタ音楽ガ 急ニ途切レマシタ。
 カメラハ 『スピーカー』ニ向イテイマス》

「――分かったわ。今度は『メモ帳』の方をお願い」

     《イエスッ!!少々オ待チ下サイッ!!》

《『メモ』ハ 『一件』アリマス。内容ヲ 読ミ上ゲマス》

《他ノ人ニハ見エナイ。『イタズラ好キ』。
 『ハチミツノド飴』ヲ食ベタ》

《全部デ『六体』。人間ヨリ『速イ』ケド人間ヨリ『非力』。『50m』》
 
《『機械』ヲ止メル。『故障』スル?『グレムリン効果』》

「……彼女が『本体』なのは間違いないようね。
 林檎さん、まだ何処か『調べたい所』はあるかしら?」

『林檎の推理』に従って、
『プラン9』がスマホから『情報』を引き出した。
『I Love Me』のパーソナリティーを務める『雛形弥生』。
彼女が『グレムリン』の『本体』である事は、
ほぼ『確定的』だろう。
これを以って『証拠』とするか、
念には念を入れて『別の場所』にも探りを入れるか。
この場における判断は、林檎の考えに委ねられる。

864空織 清次『エラッタ・スティグマ』:2021/02/03(水) 11:01:18
>>863 (GM・林檎)

「この事件が終わったら、
 もう一度雛形さんやスタッフの皆さんと
 しっかり話しあう機会を設けたほうがいい」


「今日の放送であなたが自ら選んだメールと、
 それに対する雛形さんの返答 (>>623)。

 そのメッセージに込められた意図を、
 あなたはもう理解しているんでしょう?」


 そう口にしたところで、
 歯噛みするように片目を閉じる。
 失言だった、と悔いるように舌打ちする。


「―――すみません、余計なお世話でしたかね。
 では、わたしはこれで失礼します。
 ……また後で」


 鍋島氏に別れを告げ、
 特に引き止められなければ会議室を出る。


 『今から合流する』というメッセージを
 会議室でのやり取りの要約とともに林檎君に送信し、
 『警備室』へ向かう。

865猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2021/02/03(水) 22:08:17
>>863-864

清次さんからのメールに返信しておく。ここに来た時に、すぐに話が進められるように。
時間はどんどんなくなっていく、ここは清次さんの知恵をお借りしたいところ。

『分かったわ。こちらが調べているところ、弥生さんが本体で間違いなさそうよ。
 ただ、今のところ目に見える証拠と言えるのは断片的な「メモ帳」だけ。
 何か清次さんもくるみさんに調べてほしいことがあったら、今の内に考えておいて』

「清次さんもお話が終わったようね。これからこちらにいらっしゃるみたい」

「くるみさん。『グレムリン』というキーワードで、メモ帳やメールを検索することはできるかしら?」

弥生さん自身もその言葉を使ってるなら、何かの手掛かりが他にも見つかるかも。
ボクも弥生さんのアカウントで、何かそういったワードが出てきてないか、自分のスマホで調べてみよう。

866『伝播のG』:2021/02/04(木) 19:37:28
>>864(空織)

        フッ

「あなたなら、多分そう言うだろうと思いましたよ」

鍋島の口元には、『微笑』が浮かんでいた。
引き止められる事もなく、空織は『小会議室』を後にする。
室内に残る鍋島は、ポケットからスマホを取り出し、
何かの操作をしていた。

          ――――ガチャッ

やがて、空織は『警備室』に戻った。
空織の姿を見たくるみが目礼する。
林檎から送られてきた『報告』の内容は、既に把握済みだ。

>>865(林檎)

「『グレムリン』という言葉が入っている『メール』か、
 『メモのファイル』はある?」

       《『該当ナシ』。見当タリマセン》

「ダメね……。ええと……他には何か……」

目ぼしい手掛かりは得られなかった。
片手を顎に添え、くるみが考え込む。
その間、林檎は弥生のアカウントを閲覧する。
ざっと見た所、『グレムリン』という単語は出て来ていない。
不意に、くるみが何かに気付いたように、
林檎の顔を正面から見つめた。

「…………ちょっと待って。今、『検索』って言わなかった?」

「もしかしたら、『ネット』で『検索』してるかも!
 林檎さんが言ったように、
 自然に目覚めたなら自分で調べなきゃならないし……」

「雛形さんの『検索履歴』を見れば、
 新しい『証拠』が出てくるかもしれないわ。
 試してみる価値はあると思うけど……」

          ――――ガチャッ

くるみが林檎に意見を求める。
その時、警備室の扉が開き、空織が入ってきた。
これで『話し合い』の準備は整った。


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