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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4
772
:
『伝播のG』
:2020/11/26(木) 20:47:57
>>770
(林檎)
「私が『助手役』って訳ですね。お安い御用ですよ」
「それじゃあ『検証』を始めましょうか」
林檎の笑顔に対し、鍋島も笑みを浮かべてみせた。
これまで得た『手掛かり』をホワイトボードに書き込んでいく。
隣に立つ鍋島が、その様子を横から見ている。
「『一つ目』については特に言う事はないですかね。
怪しいと言えば怪しいですが、
これだけじゃあ根拠にはなりません」
「『入館証』の件は気になる所です。
タイミングから見ると、
今回使われたのは露木が紛失した物だとは思いますね。
なくしたものが利用されたのか、あるいは盗まれたか」
「『何か』――――ですか」
「ちょっと分かりませんね」
三つ目の部分で、鍋島が僅かに言い淀んだ。
露木が手にしていた『何か』に関しては、
まだ確認が取れていない。
『Electric Canary Garden』の放送は終わっている。
おそらく、彼も今は手が空いているだろう。
確かめるのに時間は掛からない筈だ。
>>771
(空織)
(GM側の配慮が欠けていた点に関しましては、
大変申し訳ございません。
ただ、当ミッションが『難易度D』なのは、
先に述べた理由を含めての調整である事をご理解下さい)
「え……?それってどういう……」
「…………分かりました」
最初は戸惑った様子のくるみだったが、
次第に納得したようだった。
空織の推理は、客観的に見て筋が通ったものだ。
事実、その考えなら説明がつく。
「橋田さん――――」
スッ
「は、はい……」
「『バードウォッチャー』という『ラジオネーム』に、
お心当たりはありませんか?」
歩み寄ったくるみの問い掛けに対し、橋田は押し黙った。
しばらく沈黙が続く。
一分は経っただろうかと思えた頃、
ようやく橋田が重い口を開いた。
「ご……ごめんなさい……」
「そ、その……『バードウォッチャー』は……」
「――――『僕』なんです…………」
空織の読みは『当たった』。
目の前にいる橋田こそが『本物のバードウォッチャー』だ。
今まで聞けなかった事も、今なら彼は答えるだろう。
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