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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4
803
:
『伝播のG』
:2020/12/05(土) 23:39:33
>>801
(空織)
バイク事故が起きたのは『偶然』。
それは間違いのない事実だ。
仮に『目的』があったとすれば、
澤井か弥生を狙った犯行に、
片方が巻き込まれたと考えるのが妥当だろう。
また、独自の意思を持つスタンドは、
必ずしも本体の制御下にいるとは限らない。
それとは『無関係』に動く場合もある。
ミキシングコンソールの故障が『暴発』か『テスト』なら、
能力に目覚めたのは『その辺り』という事になる。
空織は、『音仙』を名乗る女と出会った事で、
精神の深奥から『エラッタ・スティグマ』を引き出された。
おそらくは『グレムリン』の本体にも、
そういった『目覚めるきっかけ』があったのだろう。
『スタンド』は『本体の精神』に深く根ざしたもの。
精神に影響を与える『何か』があったのか――――。
「あ、空織さんですか?
さっきは名前思い出せなくてすみませんでした〜。
え?え〜〜と、その時は……」
「あぁ、空織さんと林檎ちゃんの事を聞かれたんですよ。
『調査はどんな感じで進んでるか』って。
それと『探偵さん達から何か質問されたら教えてくれ』とも。
自分に思い当たる事があるかもしれないからって、
そう言われましたかねェ」
「名刺ですか?そういや、そんな話も聞きましたね。
外で落としたとかで……」
『名刺を探していた』というのは事実のようだ。
また、鍋島は空織達の動きを把握しようとしていたらしい。
園部以外の人間に対しても、
同じように言っていた可能性は十分にある。
>>802
(林檎)
「いや、まぁ何というか――――」
「『それぐらいの気持ちでいよう』という意味ですよ。
他意はありません」
鍋島の答えは簡潔で、
先程までの饒舌さは鳴りを潜めている。
『何かがある』――――林檎には、そう感じられた。
この話がきっかけで、鍋島と弥生は言い争いになった。
園部が言うには、
『鍋島は冗談のつもりで言ったのだろう』という事だった。
それが本当だとしても、
弥生は冗談だとは思わなかったのかもしれない。
ガチャ
パタン
話し合いの最中、不意に空織が小会議室を出た。
スマホを耳に当てていた所を見ると、
誰かと通話するためだろう。
それを横目で眺めていた鍋島が、
林檎の方に視線を戻した。
「空織さんはお忙しいご様子ですねえ」
「その間に、我々は『次の容疑者』に移りますか?」
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