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ベルトルト「ある雪の日の君」

1 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 17:50:10 ID:0T2NpHTE0
進撃の巨人のSS ベルアニです

41 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:04:40 ID:0T2NpHTE0
ミーナ「(それにしてもこの二人見てるとなんかこう・・・温かくなるなぁ)」

ミーナ『ねぇマルコ』ヒソヒソ

マルコ『何?』ヒソヒソ

ミーナ『もう私たちが何かするのやめよっか?何か見てるだけの方がいい気がしてきた』

マルコ『!!うんそうしようよ。僕が最初に言ったように観察するだけでいいんだって』

ミーナ『だから、私がマルコの秘密を忘れる件も白紙ね』ニコ

マルコ『えぇ、それとこれは話が違うでしょ。今日ここにいる時点で契約成立だよっ』

ミーナ『うふふ、冗談だよ。でも、観察報告はしてよね』ニコニコ

マルコ『君が言うと冗談に聞こえないんだよ・・・でも、まぁ僕も乗りかかった船だし最後まで見届けるよ』ニコニコ

ベルトルト「(人を指摘する前に自分たちを見たほうがいいよ。この前から二人してコソコソと・・・)」ジィー

店員「お待たせしました。こちらピッツァマルゲリータとオルトラーナです。・・・Mangiare!!」ニコ

ミーナ「・・・ねぇねぇアニ、さっきの人なんて言ったの?」

アニ「えっ、あぁ、おいしく食べてねぐらいの意味だよ」

マルコ「これがピザか、すごく美味しそうだね。でもどうやってみんなで食べるの?」

ベルトルト「これで切るんだよ。はい、アニ」スッ

アニ「うん」キリキリ

ミーナ「こうやって切るんだぁ」

ベルトルト「えっと、本当はこんなふうに切らなくてもいいんだけどこれが一番等分に切れるからって、アニの仕事なんだ」ハハハ

アニ「ほら、切れたから食べなよ」

ベルトルト「あぁ、今回もきれいに等分されてるね。いただきます」スッ

マルコ「じゃあ僕もいただきます」スッ

ミーナ「ふーん、私はこっちを食べようかな。いただきます」スッ

マルコ「!!これは・・・こんなに薄い生地なのにもちもちで端の方は程よく焦げて香ばしい、それに角切りのトマトに微妙に火が入っていて・・・絶品だ」

ミーナ「こっちのはいろんな野菜が乗っててとても美味しい」

ベルトルト「(たしかにピザが売りの店だけあって美味しいな)」モグモグ

アニ「・・・・」ムシャムシャ ニコニコ

ベルトルト「(すっごい笑顔で食べてる・・・そして自分が切ったからか何処か得意げだ)」

ミーナ「ピザって美味しんだね」

マルコ「うん。アニが好きなのも納得できるよ」

アニ「・・・でしょ」フフン

42 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:05:53 ID:0T2NpHTE0
店員「はい。こちらカルツォーネとパスタのボンゴレです」コト

ミーナ「わぁ、なにこれ。生地が膨らんでるよ」

アニ「それはカルツォーネっていうピザでピザ生地の中に具が包み焼きになってるんだよ。確か今日の中身は森のきのことチーズだったはず・・・ほら」ペラペラ キリキリ

ベルトルト「(アニも口がよく回るなぁ。それにもう切る道具持っていたんだね)」

マルコ「うわぁ、膨らんでるところを切ったら湯気と一緒にきのことチーズの芳醇な香りがっ!!」

アニ「まったく、あんたはどこの評論家だよ」

マルコ「えっ」

ミーナ「あはは、マルコってたまに言うことがおかしいよね」

マルコ「えっ、えっ」

ベルトルト「たしかにね、言うことが大人び過ぎてておじさんみたいだよ」クスクス

マルコ「そんなぁ、ショックだ」ガーン

ベルトルト「まぁまぁ、そう落ち込まずにこのパスタでもたべて」スッ

マルコ「う、うん。・・・これはアサリの出汁と塩が効いて・・・」クルクル モグモグ

ミーナ「えっ?」ニヤニヤ

マルコ「!・・・もう何も言わない・・・」

アニ「ふふふ」

43 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:06:56 ID:0T2NpHTE0
約20分後

ベルトルト「(ふぅ、大体食べ終わったみたいだな、パスタの皿は空だし、マルゲリータは僕の皿に取ってあるやつが最後で他の二つも大皿に一欠片ずつ残ってるだけか・・・久しぶりに楽しい食事だったなぁ)」

ミーナ「ねぇマルコ、どれが一番美味しかった?」

マルコ「うーん、どれも美味しかったけど一番はこの包み焼きのやつかな」スッ モグモグ

アニ「!・・・」ジィー チラッ

ミーナ「へぇ、私はやっぱり最初に食べたいろんな野菜のこれかなぁ」ヒョイ パク

アニ「!!・・・・・」シュン

ベルトルト『・・・ねぇアニ、僕のこれ食べる?』ボソ

アニ『!!いいのかい?・・・でもあんたが食べる分が・・・』ボソボソ

ベルトルト『でもさっきから食べたかったんでしょ?』

アニ『じゃ、じゃあ二人で半分っこしよ』ニコニコ キリキリ

ベルトルト『う、うん!!(ぐはぁ、なんだよその笑顔・・・あぁ、今日ここに連れてきて良かったぁ、僕・・・今死んでも幸せかも)』ニヤニヤ ニコニコ ニヤニヤ

ミーナ「(わぁ、すごい顔が緩んでる。よっぽど嬉しかったのね・・・)」

マルコ「(鏡を持ってきて自分の顔を見せてあげたいぐらいだよ)」

店員「そろそろこちらのお皿お下げしてもよろしいでしょうか?」

ベルトルト「あぁ、えぇどうぞ」

店員「それとデザートの方はこの後すぐにお持ちしてもよろしいでしょうか?」

ベルトルト「はい、それでお願いします」

店員「分かりました。・・・Va Bene!!」ニコ スタスタ

ベルトルト「へぇ、このお店料理だけじゃなくて接客もいいんだね」ニコニコ

アニ「!!へ、へぇ・・・あんたああいういう人が好みなんだ、黒髪で背が高くて・・・」

ベルトルト「?・・・うん?全然そういうわけじゃないんだけど(どうしたんだ急に?)」キョトン

アニ「・・・あっそ」ツーン

ミーナ「(あぁ、もうっ!なんでそう余計なこと言うのっ)」ワナワナ

マルコ「(君はいろんな事に気が回りそうなのになんで気づかないのかな・・・どっかのイェーガーとは違うんだからっ、今度からエレントルトって呼ぼうかな)」ワナワナ

44 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:09:17 ID:0T2NpHTE0
店員「失礼します。こちら季節のフルーツタルト、苺のクリームムース、チーズスフレ、一番人気のチーズケーキです。それと泡立ちコーヒーも一緒にどうぞ」スッ コト

ベルトルト「あぁ、どうも」

店員「本日の注文はこれで全部となりますがよろしかったでしょうか?」

ベルトルト「えっ、あの・・・」チラッ

アニ「・・・・・・」ツーン

ベルトルト「えと・・・多分大丈夫だと思います」

店員「?では最後までお寛ぎ下さい」ニコ スタスタ

アニ「・・・・・・」イライラ

ベルトルト「??」

ミーナ「わ、わぁどれも綺麗なケーキだね。どれ食べる?」アセアセ

マルコ「あっ、僕甘いもの苦手だからあんまり甘くないやつで・・・」

ミーナ「へぇーじゃあこれじゃない?チーズスフレ、甘さ控えめ」コト

マルコ「うん。ありがとう」

ミーナ「ベルトルトは?やっぱり甘いもの苦手?」

ベルトルト「いや、僕は大丈夫だよ。だから余り物でいいかな」

ミーナ「そっか、じゃああたしが選ぼっかなー。季節のフルーツタルトが一番豪華そう・・・でも時期的に苺にするか、うぅ一番人気も捨てがたいし・・・」ブツブツ

アニ「・・・・・・もう遅い、わたし苺にするね」スッ

ミーナ「あぁっ、じゃあどっちに・・・・・・よし、フルーツタルトにしよっ」スッ

ベルトルト「じゃあ僕はチーズケーキだね」スッ

ミーナ「よーし、食べよ」

ミーナ「うん、それぞれ違ったフルーツですごい得した気分!!これ選んで正解」

マルコ「よし、これなら僕も食べられるかな」

アニ「・・・おいしい」

ベルトルト「・・・一番人気なだけあるやこれ」

ミーナ「ねぇ、マルコのそれって褒め言葉なの?」

マルコ「まぁ一応・・・」

ベルトルト「(ん!あれは・・・)」

ベルトルト「あ、アニ?」

アニ「・・・なんだい?」

ベルトルト「クリーム付いてるよ」

アニ「ん、ここかい?」ゴシゴシ

ベルトルト「あぁ違う違う、こっち」スッ

アニ「へっ?・・・」

ベルトルト「ここだよここ。・・・はら取れた」ピト

アニ「〜〜〜っつ・・・あ、ありがとっ」カアァ

ミーナ「(あぁ、ここでさっきの分の埋め合わせするのね)」

マルコ「(それでこそベルトルトだよ・・・いや無意識であぁいうことやっちゃうからエレントルトなのか?うーむ、どっちだかわかんない)」

マルコ「(・・・なんか思考回路がコニーみたいだな、止めよう)」

45 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:11:32 ID:0T2NpHTE0
ミーナ「あっそういえばベルトルトは、なんでアニが雪嫌いなのか知ってる?」

アニ「なんでそんなこと聞くのさ」

ミーナ「だって、アニに聞いても教えてくれないし。で、どうなの?」

ベルトルト「あぁ、勿論知ってるよ。僕が半分原因みたいなものだからね・・・」

アニ「ちょっと、またあんたは余計なことを」

ベルトルト「まぁまぁ、これはさっきの話よりも、もっと子供の頃の話なんだけどね・・・」

46 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:12:49 ID:0T2NpHTE0
故郷 子供時代

アニ「わぁ、真っ白だねベル君?」

ベルトルト「うん!!大人の人が言ってたんだけどねこーんなに降るのなんて何年かに一度なんだって」

アニ「ふーん・・・えいっ」

ベルトルト「わっ、ぷっ・・・何するんだよいきなり」ペッペ

アニ「ふふ、雪かけただけだよーだ」アッカンベー

ベルトルト「やったなーこの」ヒョイッ ヒョイッ

アニ「当ててごらーん」タッタタ

ライナー「おーい、ソリ持って来たぞぉ・・・えっ?」

ベルトルト「あっ、危ないっ。避けて」

バシィ バシィ

アニ「あっははは、ライナーの顔に命中」ケラケラ

ベルトルト「ご、ごめん。わざとじゃないんだ・・・」アセアセ

ライナー「・・・別にいいさ。慣れてるから・・・」

ライナー「それよりほら、これ見ろよ。ソリ持ってきたぞ」

アニ「なにこれー、何に使うのー?」

ライナー「おう、この上にのって雪の上を滑るんだ。ほらあそこの丘から」

アニ「へぇー楽しそう。私もあそぶー」

ライナー「おう!!じゃああの丘まで競争だっ」ダッ

アニ「うん!!」ダッ

ベルトルト「あっ、待ってよー」タッタタ
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一時間後ぐらい 

アニ「きゃぁああ、たのしー」ズルズルズル ズザァ

アニ「もう一回やるー」スタスタ

ライナー「アニもすっかり慣れたみたいだな」

ベルトルト「そうだね、すごく楽しそうだ」

ライナー「・・・なぁ、そろそろあれをやらないか?」

ベルトルト「えっ?アニもいるのにあれやるの?」

ライナー『・・・アニにいいところ見せられるぞ』ボソ

ベルトルト「!!・・・やる、絶対やる」

ライナー「だろぉ、おーいアニ。ちょっときてくれー」

47 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:14:18 ID:0T2NpHTE0
アニ「何?今楽しいんだけど・・・」スタスタ

ライナー「おう、お前に俺たちのとっておきを見せてやる」スタスタ

アニ「?そっちは崖だよ、あぶないよっ」

ライナー「まぁ見てろって」スッ ズザアア バンッ

アニ「わぁ、飛んだ!!」

ベルトルト「うん!雪が積もってるから崖もなんとか滑れるし、その後ちょっと盛り上がってるから上手く体重移動すれば飛び上がれるんだ。その向こうは新雪だから落ちても大丈夫だよ」

ライナー「どうだ、凄かっただろ」ドヤア

アニ「うん、すごいねー」

ライナー「ふふん。次はお前の番だろ、ベルトルト」

ベルトルト「うん!」スタスタ

アニ「!?えっ?ベル君もできるの?」

ライナー「おう、というかあいつが初めにやったんだ。俺よりも上手くやるからよく見てな」

アニ「う、うん」ドキドキ

ベルトルト「じゃあいくよー」

ライナー「がんばれよー」

ズザアアア バンッ!!

アニ「わあぁ!!さっきよりずっとたかーい」

ベルトルト「どうだった?」

アニ「うん!!こーんなに高かったよー。びっくりしたー、ベル君凄いんだね」ピョンピョン

ベルトルト「えへへ」テレテレ

ライナー「(良かったなベルトルト)それで、アニもやってみるか?」

ベルトルト「!!待ってよライナーアニにはまだ無理だって。危ないよ」

アニ「・・・チビのわたしには無理だって言いたいわけ?」

ベルトルト「そんなこと言ってないよ!!本当に危険なんだ」

アニ「・・・ベルに出来るなら私にもできるもん。貸して」スッ スタスタ

ベルトルト「ちょっと、どうしてくれるんだよライナー」

ライナー「別にいいじゃないか。アニだけ仲間はずれは可哀想だろ」

アニ「じゃ、じゃあいくねー」ドキドキ

ライナー「おう、がんばれー」
ズッ ザアアアアアアア

ベルトルト「あっ、ダメだっそっちの方向は」ガタッ

バンッ!!! バリン! バシャバシャ

ベルトルト「あぁ、凍った池に落ちちゃったじゃないかっ!!行くぞライナー!!」ダッ

ライナー「お、おう」ダッ

ベルトルト「アニ、アニ、大丈夫か?」ガシィ

アニ「うぅ、さむぃ・・・」ギュッ

ベルトルト「ライナー!君の上着を貸してくれ、アニを暖めるっ。僕がこのまま村まで連れて帰るから、君は先に行って大人たちに知らせておいて!!」

ライナー「わ、分かった!!」ダッ

ベルトルト「アニ、すぐに暖かくなるからね」ギュウ

アニ「ぅ、うん・・・・」ブルブル

48 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:15:12 ID:0T2NpHTE0
-------------
ベルトルト「ていう感じでアニが酷い熱を出してしまってね。それ以来トラウマになっちゃったみたいなんだ」

マルコ「へぇ、アニでもそういう失敗するんだね」

アニ「ふん。おかげでこっちは五日間ベットから出れず、まともにご飯も食べられなかったんだから」

ミーナ「それで大丈夫だったの?」

ベルトルト「う、うん。一応その後解熱作用のある薬草を誰かが持ってきたみたいでそれで治ったらしいんだけど・・・その頃に僕の方が熱出しちゃってあまりよく覚えてないんだ。僕のは普通の風邪だったからすぐに治ったけど」

マルコ「・・・そういえばアニのお父さんはどうしたの?」

ベルトルト「あぁ、僕とライナーが村について説明をした後に思いっきり殴られたよ・・・あれは僕が今までで食らった中でも一番痛かったよ」

アニ「ふん。当たり前だよ。私だって熱が下がった後に『危ない遊びをするなっ』って殴られたんだから」

マルコ「あはは、優しいお父さんじゃないか、ちゃんと叱ってくれるなんて」

アニ「・・・なんかマルコってお母さんみたいな言い方・・・」

ミーナ「わかる、マルコって将来結婚してもお父さんじゃなくて、口うるさいお母さんのポジションになりそう」アハハ

マルコ「さ、さっきはおじさんとか言っておいてっ・・・」プルプル

ベルトルト「きっとさ、息子にジャンみたいな子供がいるんだろうね」クスクス

ミーナ「ずっとマルコの言うことに反抗し続けるんだよね」ニヤニヤ

ベルトルト「でもたまに素直になってくれてマルコ母さんは泣いちゃうんだ」

ミーナ「号泣だね」

マルコ「い、いい加減にっ」

ベルトルト「だってさ、今日も自慢の息子を話す口調でジャンのことを話してたじゃないか」

マルコ「そ、それは友人として・・・」

アニ「・・・マルコ」ポン

マルコ「あ、アニ!君ならわかって・・」

アニ「・・・今度お宅の息子さん紹介してくださいね?」

マルコ「」

ミーナ「ぶっ、はっはははは。な、何言ってるのよアニ。マルコお母さんから奪うつもりなの?」ゲラゲラ

ベルトルト「あはははは、ダメだよきっと嫌な姑になって嫁いびりされちゃうよ」クスクス

マルコ「・・・もう、なんでもいいや」シクシク

ベルトルト「ごめん、ごめん笑い過ぎたって。悪かったよ」フフフ

49 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:16:31 ID:0T2NpHTE0
マルコ「はぁー良いよ。僕も今日の食事は楽しかったし、でもそろそろ戻らないとまずいかな?いくら明日も休暇日で今日の門限が遅くまで大丈夫なようになっているって言ってもさ」

ベルトルト「そうだね。じゃあみんな、そろそろ出ようか?」ガタッ

アニ・ミーナ「わかった」ガタッ

ミーナ「ねぇベルトルト?今日奢りだって言ってたけど私払おうか?結構高いでしょここ」

マルコ「うん。僕も途中から思ってたんだ、払うよ」

ベルトルト「!!い、いやいいって。今日は僕も楽しかったし、僕が払わないと意味がないからね。ほら財布しまって二人共」

ミーナ「・・・うん。そこまで言うならわかったけど」

マルコ「・・・あぁ、何か事情があるようだしね」

ベルトルト「じゃ、払ってくるから外に出て待ってて」タタッ

マルコ「僕らは外に行ってようか」ガチャ

ミーナ「うわー寒い。最近急に寒くなってきたね」

アニ「日が短くなったんだから仕方ないよ」

ミーナ「あれっ?なんか街の様子がいつもと違うね・・・いろんなところに飾り付けがあるしなんでだろ?」

マルコ「あぁ、あれは三週間後にある生誕祭に向けた準備なんだ。広場にはもうツリーも準備されてるみたいだよ」

ミーナ「そっか、生誕祭が近かったんだね。全然忘れてた」

アニ「・・・まぁ、訓練兵団とは関係ない話だし」

マルコ「・・・キース教官がツリーの飾り付けをしてる所想像してみなよ」

ミーナ「うわーやだぁ」

アニ「・・・あんたも中々エグい事考えるね」

50 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:17:35 ID:0T2NpHTE0
ベルトルト「ふぅ・・・あっ、そこにいたのか。何の話してたの?」タタッ

アニ「・・・キース教官のミニスカサンタ姿」ボソッ

ベルトルト「ぶっ・・・変出者として憲兵団に捕まりそうだね」

マルコ「さっ、じゃあベルトルトも来たことだし行こうか」スタスタ

ミーナ「それにしても今日の料理美味しかったね」ニコニコ

アニ「・・・たしかに」

マルコ「それに、アニの意外な一面も見れたしねー」ニヤニヤ

アニ「・・・蹴っ飛ばされたいの?」

ベルトルト「まぁまぁ、マルコだって今日は色々言われたんだからあいこだよ」

アニ「私のはあんたが原因だしマルコのだって火に油注いだのもあんたでしょ」

マルコ「そうだよっ」

ベルトルト「待ってくれ!アニの方はわかるけどマルコの事言い出したのはアニだろ!!」

ミーナ「あはは、なんだか今日一日でみんな仲良くなったね。またいつか四人で食事に行けたらいいなぁ」ニコニコ

ベルトルト「そうだね、でも次は割り勘ね。毎回これじゃ僕が死んじゃう」

アニ「まったく情けないね。男のくせに」

マルコ「あっ、じゃあさ訓練兵団を卒団した後でもみんなで集まる約束しようよ。いつかこの世界から巨人がいなくなっても僕らは仲良くしようよ」

アニ・ベルトルト「!!」

アニ「・・・そうだね」

ミーナ「あっ、ここにいるの私以外みんな成績優秀者じゃない!!憲兵団に入っても私のこと忘れないでよ〜」グス

マルコ「ええっ、ちょっと・・・まだ一年しか訓練兵やってないんだから、まだ誰がどうなるのかわからないよ」

ミーナ「!!・・・うん、そうだね」

マルコ「ん?ベルトルトどうしたの?」

ベルトルト「!い、いや何でもないよ。・・・・・・・ちょっと寄り道思い出したから先に三人で帰ってて」ダッ

マルコ「う、うん。どうしたのかな?」

アニ「・・・・・・はぁ、私も用事ができたから先帰っててね」スタスタ

マルコ「??どうしたんだろ二人共・・・」

ミーナ「いいのいいの、マルコは気にしなくて。ほらこっち行こ」グイッ

マルコ「ええっ、う、うん」スタスタ

51 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:20:28 ID:0T2NpHTE0
トロスト区 街陰
ベルトルト「はぁはぁ(だいぶ走ってきちゃったな・・・)」

ベルトルト「(わかっていたんだ、僕らと彼らはいずれ敵同士になるなんてことは・・・それなのになんでっ)」

ベルトルト「(なんで僕はあんな約束しようとしてたんだろ・・・本当、何やってんだろ)」

ベルトルト「(おまけにあの場に居たくなくなって飛び出してきちゃうし・・・)」

ベルトルト「・・・馬鹿だなぁ僕・・・・」

アニ「あぁ、そうだね。馬鹿だよあんたは」

ベルトルト「!!あ、アニ・・・なんでここに?」

アニ「なんでって・・・あんたを追いかけてきたからに決まってるじゃないか」

ベルトルト「そういうことじゃなくてっ!!・・・二人していなくなったら変に思われるでしょ!!」

アニ「・・・大きな声出さないで」

ベルトルト「ご、ごめん」

アニ「はぁ・・・大丈夫だよミーナに言ってからここに来たから不思議には思われてないよ」
-------------------
トロスト区 市場

マルコ「アニがベルトルトに伝えたいことがあるって?」

ミーナ「そう。だからさっき追いかけて行ったのー」

ミーナ「だから心配しなくて大丈夫だよ」

マルコ「ふーん」

ミーナ「あっ、この髪かざり可愛いねー」
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ベルトルト「そっか。でもそんなこと言ってきて大丈夫だったの?もし勘違いされたままに・・・」

アニ「私のことはいいからあんたのことだよ」

ベルトルト「う、うん・・・」

52 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:22:04 ID:0T2NpHTE0
アニ「どうしたんだい?急にあんな行動を取るなんて、あんたらしくない・・・」

ベルトルト「ごめん、ほんとにごめん。でももう大丈夫だかr

アニ「いい!!本当のこと言いな。ただでさえ一人で抱え込むんだから、こんな時ぐらい仲間を頼ったらどうだい?」

ベルトルト「!・・・うん、わかった・・・でも僕自身もよくわかってないんだ、だから・・・」

アニ「さっさと言いな。それでもいいから早くしな」

ベルトルト「・・・じゃあ、まず最初に言っておきたいんだけど戦士としての覚悟がなくなったわけじゃない。それは安心して欲しい、必要に迫られれば今すぐにも壁を壊す事ができる」

アニ「良かった。それが聞けてとりあえず安心したよ。あんたは特に強い覚悟を持ってたから・・・」

ベルトルト「僕はそんなんじゃないよ・・・今は揺らぐ事はないんだけど問題なのはこれからのことなんだ。これから・・・例えばさっきみたいな出来事が積み重なって、なんというか・・・うん、戦士としての覚悟が無くなってしまうような気がしたんだ。だから、さっきは思わず逃げ出しちゃった・・・のかな?」

アニ「思ってたよりわかってるみたいじゃないか。で、これからはどうするんだい?」

ベルトルト「うん、やっぱり人との関わりをなるべく少なくすることを心がけようかな・・・そうすれば覚悟が鈍ること自体が少なくなるし・・・」

アニ「甘いね、第一あんたいままでやってきたのと変わらないんじゃないの?あいつらはそんなあんたに関係なく今日みたいな事になってるんでしょ」

ベルトルト「うっ、でもそれぐらいしか方法がないっていうか・・・!そうだ、そういうアニはどうなの?」

アニ「私かい?私は・・・多分、どんなことがあっても故郷に帰るっていう意思が無くなることはないと思う・・・約束したから・・・」

ベルトルト「はは、アニは意思が強いんだね・・・僕は多分弱い人間なんだ、だから初めっから壁を作っとかないとダメになっちゃうと思う」

53 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:24:53 ID:0T2NpHTE0
アニ「・・・違うよ・・・私だって約束が無かったら・・!そうだ、あんた私と約束しようよ」

ベルトルト「約束?」

アニ「そう、私が言われたのとおんなじ事、言ってあげる。一回しか言わないからよく聞きな」

ベルトルト「う、うん」

アニ「この世のすべてを敵にまわしたっていい、この世のすべてからあんたが恨まれることになっても・・・わたしだけはあんたの味方だ・・・だから約束するんだよ、一緒に帰るって・・・」

ベルトルト「・・・・・・」ジワァ

アニ「えっ、ちょっと・・・なんで急に泣き出すのさ?」アセアセ

ベルトルト「ぐっ・・・ごめん、なんかわかんないけど、止まらなくて・・・」ボロボロ

アニ「・・・取り合えずこれ、ハンカチ」スッ

ベルトルト「あ、ありがとう・・・」グス

アニ「(はぁ・・・まったくこいつは・・・)」
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5分後
アニ「なぁ、落ち着いたかい?」

ベルトルト「う、うん・・・なんとか」

アニ「急に泣き出すなんて、どっかおかしいんじゃないのあんた」

ベルトルト「いや、急に安心したっていうか・・・うん、でもいくらか楽になった気がするよ」

アニ「そう・・・なら良かったけど」

ベルトルト「うん。これからのことはまだ分かんないし、それで心配するのはもう無しにしようと思うんだ」

アニ「どうせあんたのことだから100%考えないてのは無理だろうけどね」

ベルトルト「まぁね。でもいざという時に寄りかかれる約束があると随分助かるよ」

アニ「そう・・・じゃあそろそろ戻るよ。こんな所に長居しても仕方ないからね・・・」スタスタ

ベルトルト「うん」スタスタ

54 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:26:24 ID:0T2NpHTE0
ベルトルト「あれっ?また雪が降ってきたね」

アニ「本当だ・・・また積もるかな?」

ベルトルト「うーん、どうだろ。ちょっと積もるぐらいでこの前みたいに、訓練中止にはならないんじゃないかな?」

アニ「そっか・・・なら良かった」

ベルトルト「はは、アニは座学好きじゃないもんね?」

アニ「いいでしょ、体動かしてる時はそれだけに集中できるんだから」

ベルトルト「まぁ、そうだね・・・」

アニ「あっ、そういえばもう一つ言っときたいんだけど。あんたは自分を出してる時の方が自然だよ。さっきマルコと冗談言い合ってる時の様子見て思ったけど」

ベルトルト「へぇー、そうだったんだ」

ベルトルト「あっ広場に出たね、わぁ大きな木が立ってるよ」

アニ「あぁ、生誕祭で使うツリーだね・・・無駄にでかいね、誰かみたい・・・」ボソ

ベルトルト「・・・すごいね、生誕祭まで三週間もあるのにこんなに人が集まって準備してる・・・」

55 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:28:19 ID:0T2NpHTE0
ベルトルト「(ざっと見て30人ぐらいの人がツリーや広場の飾り付けをしてる。ある人は脚立を使って高いところの飾りつけを、また地面にペンキを使ってなんだか絵を書いてる人もいる。そんな風に作業するもんだから篝火が焚かれ周囲よりもずっと明るくなっている)」

アニ「あぁ、みんな熱心なもんだよまったく・・・」

ベルトルト「うん(でも、すごく楽しそうで真剣で、雪が降って寒いはずの広場から何かむしろ熱気のようなものを感じるんだ・・・)」
カランカランカラン!!

突然響いた鈴の音に驚いて、二人して振り返ると、おそらく腕いっぱいに抱えていたんだろう、飾り付け用のベルが道に広がっていた。それに気づいた周囲の人々が口々に運んでいた少年に軽口を飛ばしながら集まってくる。先ほど、脚立の上にいたおじさんが少年の頭を小突くと一斉に笑いが広がった。何故だか怒られてる少年も笑っていた。

ベルトルト「・・・なんだかいいよね、わずか一日の生誕祭のためにみんな一生懸命になれて・・・・・・もしかしたら生誕祭その日よりも今この瞬間の景色の方がずっと綺麗なのかもしれない・・・」

アニ「ベル?・・・」

ベルトルト「・・・でも僕らはこんな景色をいくつも潰さなければならない・・・いや、もういくつも潰してきた・・・」

アニ「ベル!!」

ベルトルト「!!あぁ、ごめん。さっきの今で覚悟が鈍ったわけじゃない、ただそう思っただけなんだ」

アニ「はぁ・・・ちょっと手貸しな」

ベルトルト「?」スッ

ギュウ

アニ「大丈夫だよ、あんたがおかしくなったら私が蹴飛ばしてでも戻してあげる。だからちょっとは肩の力抜きな。いちいち、何でもかんでも使命と結び付けなくていいんだよ」

ベルトルト「!!うん。・・・・・・もし、僕がおかしくなったら蹴ってくれ」

アニ「あぁ、とびきり痛いのを覚悟しとくんだよ」

ベルトルト「えぇー、あんまり痛いのはちょっと・・・僕、痛くなくても戻れるようにするから」

アニ「何言ってるんだい、痛くないと意味ないだろ・・・・・ぷっ」

ベルトルト「あははは、たしかにね、何言ってるんだろ僕、ははは」

アニ「ふふふ、だいたいね・・・蹴られないようにするのが先でしょ」

ベルトルト「あっ、ほんとだ。うん、努力するよ」

アニ「まぁ、がんばりな」

56 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:29:19 ID:0T2NpHTE0
???「すみませーん。そこのカップルさん。キャンペーンに協力していただけませんか?」

アニ・ベルトルト「!!」ギョッ

ベルトルト「あの、もしかして僕達の事ですか?」カアァ

係りの人「えぇ、だって・・・その、手繋いでますよね?」

アニ「はっ!!」パッ

ベルトルト「(あぁ、離しちゃうんだ・・・)で、何のキャンペーンなんですか?」

係りの人「はい、実は街を行くカップルにツリーの飾り付けをやってもらってるんです。やっていただけます?ちなみに飾り付けをするときに願い事をすると叶うとか・・・」

アニ「はぁ・・・し、しかしくだらないね。だ、第一、カップルじゃないし・・・」カアア

ベルトルト「分かりましたいいですよ」

アニ『!!ちょっと、どういうつもり?』ヒソヒソ

ベルトルト『いや、丁度願い事あるし、いいかなと思って』ヒソヒソ

アニ『だって、私たち違うだろ・・・その・・・カップルとか』

ベルトルト『ははっ、くだらないって言いつつそういう所は気にするんだね』ニヤニヤ

係りの人「はい、ではこれを気に入ったところに付けて下さい」スッ

ベルトルト「どうも・・・はい、アニの分。・・・まぁ細かいことは気にしなくて良いよ、どうせちゃんとしたことじゃないんだから」

アニ「はぁ、意外と適当だよね・・・そういうところ」

ベルトルト「えーと、よし、ここに付けよう。」ガサガサ

アニ「(ここにしよっ)」ガサガサ

ベルトルト「・・・そういえばさ昔こうやって飾り付けやるときアニは必ずてっぺんの星をつけたがってたよね」

アニ「・・・よく覚えてるね」

ベルトルト「うん、しかも一回ライナーが勝手に付けて泣いちゃったでしょ」

アニ「・・・覚えてないね。大体今なんでそんな話をするの」

ベルトルト「あぁ、いや・・・この木だとさすがにてっぺんは無理だろうなぁ〜って」

アニ「・・・・・・もん」ボソッ

ベルトルト「えっ?」

アニ「巨人になれば届くもん」キリッ

ベルトルト「わーダメダメ!!何考えてるんだ!」ガタッ

アニ「!?冗談に決まってるでしょ。何焦ってるの?」

ベルトルト「冗談に聞こえないんだってば!口調がお父さんから一本取った時と同じだよ」

アニ「そうなの?覚えてないからわからないね。それより、付けるの終わったんなら早く帰ろうよ」

ベルトルト「そうだね、じゃあ帰ろっか」

57 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:32:41 ID:0T2NpHTE0
アニ「・・・・・」スタスタ

ベルトルト「・・・・・」テクテク

ベルトルト「ねぇアニ?」

アニ「何?」

ベルトルト「あのさ・・・また・・手繋いで貰ってもいいかな?」カアァ

アニ「はぁ!?な、何言ってるんだい、あ、あんたは」カァア

ベルトルト「い、いやさ・・・さっき自分をもっと出した方が良いって言われたから・・・その、やってみたんだけど・・・駄目かな?」

アニ「!!〜〜〜っ、くっ・・・良いよ、ほら」スッ

ベルトルト「!ありがと」ギュウ

58 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:34:02 ID:0T2NpHTE0
夜 訓練所出口

ベルトルト「着いたね」

アニ「・・・うん」

ベルトルト「(はぁ・・・勇気を出して手を繋いだはいいけど、殆ど何も喋れなかった)そういえばさ雪、止んだね」

アニ「あぁ、これで明後日からは訓練できるよ」

ベルトルト「じゃあ、もう遅いから・・・そろそろ」

アニ「・・・・・・そうだね」パッ

ベルトルト「(これで、終わりかぁ・・・)」

アニ「あ、あのっ・・・今日は楽しかったよ・・・だから・・・誘ってくれてありがと」

ベルトルト「!い、いや。僕も楽しかったし・・・それに元々僕の用事に付き合って貰っただけだから・・・・・・あっ、ちょっと待って」ゴソゴソ

アニ「?」

ベルトルト「あっ、あった。・・・はい、これ」スッ

アニ「こ、これって」

ベルトルト「うん。昼間見てた指輪。気に入ったみたいだったから買っておいたんだ、これであってた?」

アニ「うん・・・」

ベルトルト「良かった。じゃあ手出して・・・」カチャ

ベルトルト「うん!良く似合ってるよ。アニは趣味が良いんだね」

アニ「ま、またあんたは・・・何も考えずにこんなもん渡してっ」カアァ プルプル

ベルトルト「?だけど、それは僕の為でもあるんだ」

アニ「えっ?」

ベルトルト「うん。君がそれを持っていると僕は約束を思い出せると思う。だから、いつの日かその指輪を持って一緒に帰ろうね」ニコ

アニ「・・・・ぅん」マッカカー

ベルトルト「じゃあ、僕そろそろ戻るから。おやすみ、アニ」タッタタ

アニ「・・・おやすみ・・・・・・・馬鹿」ボソ スタスタ

59 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:35:55 ID:0T2NpHTE0
その後ベルトルトは疲れ果てて風呂に入った後、すぐに寝てしまった。一方アニの方はというと・・・
------------------
就寝直前 アニ・クリスタ・サシャ・ユミルの部屋

ユミル「あー、やっぱりクリスタは可愛いなぁー」ダキシメ

クリスタ「もうっ、やめてよ〜。それから夜中にベットに入ってくるのはやめてよね」ジタバタ

ユミル「いいではないか、いいではないか」ギュウゥ

サシャ「うぅ、お腹空きました。何か持っていませんかね」

ユミル「あぁ?持っててもテメェにやる訳ないだろ」

サシャ「ええっ、ひどいですー。クリスタは何か持ってませんか?」

クリスタ「私も持ってないよー、もう寝る時間だから我慢しようね」

ユミル「おいっ芋女。私のクリスタから食べ物奪うな。引きこもりのアニの所でも行ってろ!!」

クリスタ「帰ってきたと思ったら、すぐにお風呂に行って。それからずっとベットにカーテン閉めているもんね。何かあったのかな?」

サシャ「!!、何か買ってきて食べてるのかもしれません!!ブラウス訓練兵、索敵してまいりますっ」バッ

アニ「(はぁー気軽に指輪なんか渡すかね、普通。・・・それにあんな事は言うし・・・)」カアァ

サシャ「アニ!!何か食べ物ありませんか?」ピシャッ

アニ「!?」バッ

サシャ「!!・・・今何か隠しましたね。独り占めはよくありません!!私にも渡すのです」バッ トビカカリ

アニ「ちょっ、違うって・・・」ジタッンバッタン

ユミル「おぉ、いいぞ。やれやれー」ダハハ

クリスタ「ちょっと、笑ってないで止めてよ。この時間騒いでると教官がくるよ」

ユミル「チッ、それはまずいな・・・よし、おい芋女、今日は教官たちが焼肉パーティーをやってるらしい。おこぼれ貰ってこい」

サシャ「!!なんですと!許せません。私に隠れてそんなことっ」バッ バタン ダダダダ

クリスタ「あぁ、扉蹴破って行っちゃったじゃない。どうするのよ」

ユミル「だはは、まぁいいじゃねぇか。これでうるせぇ奴もいなくなったし、さっさと寝るぞ」フゥ ランプケシ

アニ「(はぁ・・・さっきは危なかった、こんなもの見せたら何言われるかわかったもんじゃない・・・疲れたしもう寝よ)」

60 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:37:31 ID:0T2NpHTE0
アニの夢 熱出した時

アニ「うぅ、あつい・・・」ハァハァ

ガチャ スタスタ

アニ「(!誰か入ってきた)」

ベルトルト「・・・アニちゃん、大丈夫?」

アニ「ベル君?・・・その顔は?」

ベルトルト「う、うん・・・ちょっと怒られた」

アニ「そ、そんな。ベル君は悪くないのにっ」ゴホゴホ

ベルトルト「!僕の事はいいからっ・・・アニちゃんは?」

アニ「・・・あつい・・・なんだか体がフワフワしてるぅ・・・このまましんじゃうのかな」グスン

ベルトルト「!!ダメ、絶対駄目だからね。あ、アニちゃんは僕のお嫁さんになるんだからっ!!・・・そうだ、おばあちゃんが言ってた薬草僕が取ってくるからっ。だからそれまでがんばってて」ダッ

アニ「・・・・・・ベル君」

その後、ベルトルトは雪山なのにも関わらず薬草を見つけて来てくれたらしい。ただ、勝手に山に入ったことで何人かの大人にまた怒られたらしい。その薬草は私のために使われ、熱は上手く下がった。だけど、今度はベルトルトが熱を出してしまい二人が会えたのは最後にあってから一週間以上経った時だった。

ベルトルト「あっ、もう大丈夫なんだね」ニコニコ

アニ「ベル君!!・・・」カアァ

ベルトルト「?」

アニ「そっそっちはもう大丈夫?」

ベルトルト「うん。薬が効いたみたい・・・」

アニ「そ、そう・・・良かった。・・・あ、あのね、この前の話なんだけど・・・い、いいよっ。わたし・・・」マッカカー

ベルトルト「?何の話?」

アニ「だっ、だからこの前、私の部屋に来たとき・・・」プルプル

ベルトルト「?僕が部屋に行った?・・・いつのこと?」

アニ「えっ・・・もしかしてこの前言った事全然おぼえてないの?」

ベルトルト「??そもそもいつの話かわかんないよ」キョトン

アニ「ええーーーーーーーーー」

61 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:38:43 ID:0T2NpHTE0
真夜中 アニのベット

アニ「!!」ガバッ

アニ「はぁ、はぁ・・・くそ・・・」

62 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:41:16 ID:0T2NpHTE0
あの時の夢を見ていた。あいつのこと意識するようになったきっかけの出来事だ・・・

あの後聞き出してみると、私と話したことはおろか自分が薬草を取りに行ったことすら知らないらしい

その場は何とかして、あとで大人にどういう事か聞きに行った。どうやら、熱を出して記憶が無くなってしまうのは子供にはよくあるらしい・・・

記憶を無くされて困った私はしきりに大人たちになんとか戻す方法はないのかと聞いた。やけに必死な私を疑問に思ったのか大人たちは理由を聞いてきた

あの時答えてしまったのは一生の不覚だ。どうせ言っても方法は無かったのだから。でも幼い私にはその事がわからなかった

理由を言った後、大人たちは少しの間顔を見合わせ、すぐに大笑いした。そして、効果があるのかどうだか分からない方法を教えてくれたが全部駄目だった

私は全部試したのに!!しかもあの大人たちはこの話をいろんな所でして、最終的に村のほとんどの大人が知る話となった

ただしお父さんには知られないように気を配ったらしい。あいつの命が危ないからと言っていた

まぁ結局、ほとんどの大人が知っている状況には変わらず、あいつと一緒にいるといつもニヤニヤとされた、まったく・・・

63 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:42:44 ID:0T2NpHTE0
アニ「(まったく馬鹿な話だよ・・・あれから私ばっかりが意識してる)」

アニ「(あいつも何も覚えてないのにこういうものは渡すし・・・)」カチャ

アニ「(今日のツリーにした願い事は二つあった。一つは故郷に帰ること、でも、もう一つはあいつがこの話を思い出すようにって・・・)」

アニ「(もういいや、寝よ)」ゴロン

アニ「・・・・ベル」ボソッ

そう呟いた後、今度こそ朝まで眠った

64 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:43:31 ID:0T2NpHTE0
翌朝 食堂

ベルトルト「うーん(昨日はよく寝たなぁ〜寝相もベットから上半身が出るぐらいで済んだし・・・)」ノビー スタスタ

ベルトルト「(さて、どこに座ろうかな・・・!あれはマルコが一人で座ってる。昨日の事もあるしあそこにするか・・・)」キョロキョロ

ベルトルト「やぁ、マr!?(何処かみてる?・・・!・・・ミーナか、見慣れない髪かざりしてるし、多分そうなんだろうなぁ)」

マルコ「あっ、ベルトルト!おはよう」

ベルトルト「おはよう。ここに座ってもいい?」

マルコ「うん。どうぞ」

ベルトルト「ありがと。昨日は悪かったね」ガタッ

マルコ「あぁ、大丈夫だったの?ミーナは変なこと言ってたけど・・・」

ベルトルト「大丈夫だったけど、ミーナの思ってた展開じゃなかったと思うよ」

マルコ「ははは、そっか」

ベルトルト「そういえば、ジャンは一緒じゃないの?」

マルコ「あぁ、ジャンはエレンたちと食べてるよ。仲直りに協力したみたいなんだ」

ベルトルト「!!じゃあ上手くいったんだ、良かった・・・それにしても、あのジャン・・・」

マルコ「あぁ、さっきからミカサに話しかけようとして、ことごとく失敗してるね。もっといろんな方法でアプローチすれば少しは注意を引けると思うんだけど・・・」ブツブツ

ベルトルト「(!!昨日僕がからかわれたし、今日は僕がからかってみるか)」

ベルトルト「例えば・・・髪かざりを買ってあげるとか?」ボソ

マルコ「えっ!?」

ベルトルト「よかったね、ミーナ気に入ったみたいだよ。でも・・・あんまり見てると変に思われちゃうよ」ニヤニヤ

マルコ「〜〜〜っつ、わかった・・・」カアァ

ベルトルト「そうそう・・・・」ニヤニヤ

マルコ「・・・もしかして昨日の仕返し?」

ベルトルト「気付いたんだ。うん、そういうこと」

マルコ「はぁ、言われる側の気持ちがよくわかったよ」ガクッ

ベルトルト「それはそれは」

65 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:45:38 ID:0T2NpHTE0
そう言って僕もアニの方を見てみる、その瞬間、偶然にもアニもこっちを見てきた。俄かに見つめ合う

焦った僕はとりあえず笑ってみせる、アニはそれを見て一瞬視線を外した後笑いかけてきた。可愛い可愛い

僕はその顔を見て安心することができるからアニの事が好きなんだと思う

うん

あの雪と光のなかで生誕祭の準備をする人々のように、今を、この瞬間を生きよう

大丈夫、もし危なくなったら、僕には君との約束があるんだから



66 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:58:00 ID:0T2NpHTE0
これでこの話は終わりです。

なんというか、ベルトルトは揺らぐことがない人という話がたくさんあったのでこの話では揺らぎそうになるベルトルトを書いてみました。いかがだったでしょうか?

果たして読んでくれた人はいたのでしょうか?・・・すみません、初投稿で気にしすぎてます。

読んでくれた人がいることを祈って、お礼を言って終わりにしたいと思います。

こんな話を読んでくださり本当にありがとうございました!!

67名無しに代わり進撃の巨人ちゃんねるがお送りします:2013/11/28(木) 02:01:31 ID:RmAkYJgM0
ほっこりした!乙!

68名無しに代わり進撃の巨人ちゃんねるがお送りします:2013/11/30(土) 18:51:47 ID:XMlVnnaE0
ピザ好きなアニ可愛い乙


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