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ベルトルト「ある雪の日の君」

55 ◆k65ZL1Fpss:2013/11/26(火) 22:28:19 ID:0T2NpHTE0
ベルトルト「(ざっと見て30人ぐらいの人がツリーや広場の飾り付けをしてる。ある人は脚立を使って高いところの飾りつけを、また地面にペンキを使ってなんだか絵を書いてる人もいる。そんな風に作業するもんだから篝火が焚かれ周囲よりもずっと明るくなっている)」

アニ「あぁ、みんな熱心なもんだよまったく・・・」

ベルトルト「うん(でも、すごく楽しそうで真剣で、雪が降って寒いはずの広場から何かむしろ熱気のようなものを感じるんだ・・・)」
カランカランカラン!!

突然響いた鈴の音に驚いて、二人して振り返ると、おそらく腕いっぱいに抱えていたんだろう、飾り付け用のベルが道に広がっていた。それに気づいた周囲の人々が口々に運んでいた少年に軽口を飛ばしながら集まってくる。先ほど、脚立の上にいたおじさんが少年の頭を小突くと一斉に笑いが広がった。何故だか怒られてる少年も笑っていた。

ベルトルト「・・・なんだかいいよね、わずか一日の生誕祭のためにみんな一生懸命になれて・・・・・・もしかしたら生誕祭その日よりも今この瞬間の景色の方がずっと綺麗なのかもしれない・・・」

アニ「ベル?・・・」

ベルトルト「・・・でも僕らはこんな景色をいくつも潰さなければならない・・・いや、もういくつも潰してきた・・・」

アニ「ベル!!」

ベルトルト「!!あぁ、ごめん。さっきの今で覚悟が鈍ったわけじゃない、ただそう思っただけなんだ」

アニ「はぁ・・・ちょっと手貸しな」

ベルトルト「?」スッ

ギュウ

アニ「大丈夫だよ、あんたがおかしくなったら私が蹴飛ばしてでも戻してあげる。だからちょっとは肩の力抜きな。いちいち、何でもかんでも使命と結び付けなくていいんだよ」

ベルトルト「!!うん。・・・・・・もし、僕がおかしくなったら蹴ってくれ」

アニ「あぁ、とびきり痛いのを覚悟しとくんだよ」

ベルトルト「えぇー、あんまり痛いのはちょっと・・・僕、痛くなくても戻れるようにするから」

アニ「何言ってるんだい、痛くないと意味ないだろ・・・・・ぷっ」

ベルトルト「あははは、たしかにね、何言ってるんだろ僕、ははは」

アニ「ふふふ、だいたいね・・・蹴られないようにするのが先でしょ」

ベルトルト「あっ、ほんとだ。うん、努力するよ」

アニ「まぁ、がんばりな」


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