そのうえで今回の論文は、伝聞メールで依頼した匿名オンライン自己報告に基づいた研究という、まあ言ってみれば「ヤフー知恵袋で聞いてみました」というレベルの研究でワクチンと自閉症を結びつけようとした「研究者」の話です。
この2つの論文はいずれもJournal of Translational Scienceという雑誌に掲載れていますが、これは全く無名で(雑誌名も無意味です)オンライン雑誌に掲載されています。新しい雑誌であまり掲載された論文の数がありませんが、そのリストをみてもやはり何の雑誌なのかよくわからない雑誌です。つまり、このJournal of Translational Scienceという雑誌は現在山のようにはびこっている中身のないオンライン雑誌の一つと思われます。
この論文の調査は、著者は米国のホームスクーリング(子供を学校に通わせないで家で教育する)団体であるNational Home Education Research Institute (NHERI)に調査を依頼し、団体本部がフロリダ・ルイジアナ・ミシシッピ・オレゴンの地域リーダーたちにメールで調査を依頼、このリーダーたちが地域の団体メンバーに匿名オンライン質問表に答えるよう依頼するメールを転送して調査したとのことです。