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俺は小説家を目指している。

1某経大生:2004/06/12(土) 05:10 ID:Vrdb/e4Y
俺は小説家を目指している。
主人公は高崎経済大学の学生だ。
それだけは譲れない。
冴えないダメ男が恋愛や挫折、色々な事件によって
成長していく話だ。

317某経大生:2007/03/11(日) 06:10:26 ID:qiPhOTPM
【予告】
まもなく、わたしの小説に茨城大助教授時代の某先生が(仮名ですが・・・)登場します。
意外な(でもないか?もう)真実が次々と語られるでしょう。ご期待下さい。

318某経大生:2007/03/12(月) 04:48:05 ID:qiPhOTPM
┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬

『ごめんなさい。こちらを向いてくださいますか。』
メグミにそう言われて、小林正雄は体ごと向きを変えた。
『ファスナーがまだ開いているわ。』
そう言って閉めてくれたのだが・・・
『まだ、遊び足りないんじゃないの?』
ファスナーを下ろして、ズボンの中に手を入れてきた。
下着ごしではあるが、女の手の柔らかさが伝わってきた。
まだ硬直していた肉茎がグッと強くそそり立ち、ズボンの窓からせり出すように首をもたげた。
女は正雄に目線を合わせるとかすかに微笑んだ。

319某経大生:2007/03/12(月) 04:49:39 ID:qiPhOTPM
『わたしもほんとはまだ欲しいの。とても硬かった。まだ、お股に違和感が残ってるわ。』
女は、そこから手を離して立ち上がると正雄にやわらかく身をよせて抱かかってきた。
『今度はいつ会える?』
『・・・』
『お願い。また来てね。あなたのこと待ってます。』
と言いながら首筋にキスしてくれた。心臓がドキドキしてくるのが自分でわかった。
(これも芝居なんだ。)
と思いながらも、正雄は何だか悪い気がしなかった。
しかし、自分にとって、また来ようにも今日のように大枚はたいていたら身が滅びてしまう。
そうそう来れるような所ではない。
『ありがとう。楽しかったよ。』
そういい残して女と別れた。
メグミは、部屋の出口までいっしょにきて見送った。
『ありがとうございました。』
と、もう一度頭を下げた。ベールを身にまとったような薄むらさきの衣装から
チラッとのぞいた胸元がたまらなくセクシーだった。

320某経大生:2007/03/12(月) 04:52:31 ID:qiPhOTPM
チラッとのぞいた胸元がたまらなくセクシーだった。

その店を出た正雄は、繁華街のネオンがギラギラしている街並みをしばらく歩いた。
そして、人通りの多い歩道をゆっくりと歩きながら、あのメグミとの甘いひとときの余韻にひたっていた。
(最高のソープ嬢として、この世界では評判というが・・・
あの快楽の世界を知ってしまった男は他の女と遊ぶ気になどならないだろう。)
素行調査の仕事のために、女性上司の丸橋京子に命じられて来たことなど、忘れて夢中になってしまうほどのひとときだった。

321某経大生:2007/03/12(月) 04:54:17 ID:qiPhOTPM
ただ、ひとついだいた素朴な疑問は・・・なんで、こんな茨城あたりで働いているのかということだ。
吉原の超高級店にでも勤めればもっと身入りがいいだろうと思った。
けれど、夢のような経験は出来たし、京子から指示されたことは確認できた。
明朝、出社して報告が済めば、この仕事ももう終わるのだろうと思った。

翌朝8時半に出社した正雄は、京子がかなりいらだって機嫌が悪いのに気づいた。
正雄が、命じられた調査報告をしようと思っていると
『小林、すぐ応接室に来て。』
と、京子から声をかけられた。いっしょに部屋に入るなり京子は話し出した。
『依頼主に中間報告をしたんだけどね・・・。そんなことは、こっちもあらかたわかっている。
女の過去の遍歴をすべて知りたいんだ。と、こういうわけなのよ。』

322某経大生:2007/03/12(月) 04:55:32 ID:qiPhOTPM
『わたしたちのこれまでの調査は無駄だったという・・・』
『まるっきり無駄でもないでしょうけど、あの女性の子ども時代からの過去を調べなければならないよ。
現在のことを調査するのは簡単さ。でも、これはおおごとになったわよ。』
京子はしばらく黙ってしまった。ふたりの間にきまずい空気が流れた。
正雄は、そんな重苦しい雰囲気を断ち切るようなつもりで
『あの、昨日の報告ですが・・・』と、言いかけた。

323某経大生:2007/03/12(月) 04:56:33 ID:qiPhOTPM
『風俗の女の話なんて、何が信じられますか。
あの店で確かにソープ嬢やってるっていう、裏がとれれば十分よ。
それより・・・おまえ、楽しめたか?』
『は、はい、まぁ・・・』
『この仕事、何日かわたしひとりでやってみるから、その間あなたは降りてちょうだい。
また、必要な時には声をかけるから、ともかくそういうことだからよろしく。』
京子は一方的にいうとサッサと立ち上がり出て行ってしまった。

324某経大生:2007/03/14(水) 03:13:52 ID:GVazNYKg
************************
正雄が京子から再び呼び出されたのは、それから数日後だった。
彼女の言いつけどおりに地方の町役場に行き住民票の閲覧を申請した。
申請書の閲覧目的には、京子に言われたとおりに「縁談」と書いた。
窓口で書類を受け取った職員が向こうのデスクにいる上司らしい職員の所から戻ってきた。
『ご存知でしょうが、昨今、プライバシーにかかわる情報の取り扱いについては、
とりわけ慎重を期しておりますので一応お伺いしておきますが、ご家族以外の方ですね。』
『はい。』
『差し支えなかったら、閲覧目的について
もう少し詳細に訊かせていただいてよろしいですか。』

325某経大生:2007/03/14(水) 03:15:39 ID:GVazNYKg
『私、実は興信所の調査員の小林といいます。
依頼主様のご子息の縁談にあたって、家族構成や勤務先等を調査しておるわけでして、
ご家庭内やお勤め先などでトラブルをかかえていないかをしらべる程度です。
ご懸念のようなことはないように十分認識いたしておりますので、
よろしくおねがいします。』
正雄は、京子に教えられたとおりの受け答えをした。

用事がすむと、調査結果を電話で京子に伝えた。

326某経大生:2007/03/14(水) 03:16:31 ID:GVazNYKg
『あらそう、じゃあご苦労だけど、今度は川崎市の緑区役所に入ってもらわなくちゃだね。
除籍簿というのを閲覧しなくてはならない。この手続きは、他人じゃだめだから
本人に成りすませるような女の子をそっちにやるわ。
こしらえた保険証を持たせれば疑われないでしょう。
いい、近くについたらまた電話して。詳しく指示するから。』

正雄は、それからしばらく忙しい毎日が続いた。京子はもっと忙しそうだった。
でも彼は、京子のことをさすがだと思った。自分は彼女の指示通りに動いているだけだが、
次々に驚くべき真実が手元にたぐりよせられてくるのだ。

327某経大生:2007/03/14(水) 03:17:22 ID:GVazNYKg
都心のお屋敷で、世間と交わることなくひとりぐらしをしているお嬢様。
婚期を逸するのではと案じられる年齢に近づいている彼女は、
何と!ある場所で風俗嬢として働いている。これだけでもすごい秘密なのだが・・・。
右翼の大物の片腕と目されていた実父が急死する前は、スイスで暮らしていた。
それは・・・留学だと、世間は疑いもしなかったのだが、
その裏には・・・誰もが仰天するような真実が隠されていたのだ。

凄腕女性調査員と自他共に認める丸橋京子でさえも、さすがに驚いている様子で、
『費用も相当かかるし、これ以上は身の危険さえある。社長に相談してみましょう。』
と言った。

328某経大生:2007/03/14(水) 03:18:41 ID:GVazNYKg
一方、小林正雄は
(いったい今回の調査の依頼主は、いったいどんな人で何が目的なのだろう?)
と、思った。

正雄ばかりか京子までもが、唖然とした事実はたくさんあるのだが・・・
それらが、出てくるきっかけはこうだった。
メグミは少女時代にある写真集のモデルになっていた。それも、幼女ポルノである。

329某経大生:2007/03/14(水) 03:19:21 ID:GVazNYKg
オランダ在住の写真家が撮影したものだが、発禁処分となり回収されたものだ。
しかし、回収しきらなかったものもかなりあったようだ。
ある非合法組織の資金源として日本にも持ち込まれて、密かに高値で売買されていたらしい。
正雄がある人物の家を密かに調査した折、隠しもっていたDVDや裏本といっしょに
偶然見つけたのだ。花束をかかえた全裸の少女の写真が表紙になっていたのを見て、
(これはメグミだ!)と正雄は直感した。書名や版元を見ると横文字だった。
正雄は小型カメラで丹念に撮影した。

330某経大生:2007/03/17(土) 04:05:15 ID:UjHdp98M
υφυχυφυχ♭υψ? υχυφυχυφυχ♭υψ? υχυφυ

その名刺の名前には、やや大きめのルビがふってあった。
逆槙除夫(さかまき のりお)
珍名と言っても過言でないだろう。
そこに書かれた肩書きからわかる立場を考えると・・・仮名だとは思えない。
青いプラスチック製のケースに入っている名刺は、まだケースに半分以上残されている。

正雄は、興信所の社長らに命じられるままに、きわどい仕事を続けていた。
今日は、調査対象者が自宅とは別に借りている部屋の中を調べている。

331某経大生:2007/03/17(土) 04:06:04 ID:UjHdp98M
めぼしいものを見つけても、小型カメラで撮影するだけだ。
そこにある物を持ち出したりするようなことはしない。
もし、その一線を越えれば、住居不法侵入の上に立派な窃盗罪が成立してしまう。
(給料はそれほどは貰えないが・・・スパイ映画に登場する人物のようじゃないか。)
正雄は、今の自分に酔っていた。
その部屋の中は、まさに足の踏み場もないくらいたくさんのものがあった。
(この人は、スポーツおたくかも知れないな。しかし、それ以外の関係のものも多い。
ずいぶんと多種多様なモノを集めているんだな。
いろんなことに対して、好奇心が旺盛な人なんだろな。)
などと、感心してしまうほどだった。

332某経大生:2007/03/17(土) 04:07:05 ID:UjHdp98M
しかし、期待した収穫はなかった。
本棚にも雑然とたくさんの書物が置かれているが、調査を指示されたものと無関係のようだ。
(いったん、退散しようか?)
と思った時、本棚に置かれている本のうち一部分に、やけに前面に出すぎているところが
あるのに気づいた。
(手前と、その奥と、本が2列に置かれているんじゃないかな。)
そう思って、調べてみると…、手前の本で隠すように置かれた本が数十冊ある。
そのうちの数冊を見て (これだ!)と、思った。
明らかに外国製の児童ポルノだった。

333某経大生:2007/03/17(土) 04:08:07 ID:UjHdp98M
一連の作業が済むと、正雄は用心しながらその部屋を出て、
鍵束を取り出してマスターキーのような鍵を使ってドアに施錠した。

************************
その日の調査報告を終えて数日後、正雄は社長に呼ばれた。
『やばい仕事ばかりでご苦労だったが、今回、小林君の取ってきてくれた結果はどえらいものだよ。』
『ありがとうございます。』
『ただ、こういったものの取り扱いを間違えると、命がいくつあっても足らんようなことになる。』
『…はい。』

334某経大生:2007/03/17(土) 04:09:07 ID:UjHdp98M
『ボルデュックっていう絵かきの名前を聞いたことあるかい?』
『いえ、わたしは・・・。』
『そうだろう、わたしも知りはしなかった。丸橋は知っていたそうだ。』
『さすが・・・京子先輩ですね。』
『しかもだ、あのこはこんなものまで見つけてきてくれた。』
社長はワインのビンを2本持ってきて、応接室のテーブルの上に置いた。
片方は空き瓶だが、もう一方はまだ栓が抜かれていない。
『ラベルをよく見てごらん。』
正雄は、まず中身が入っている方を手にとってラベルを見た。別に何もわからなかった。
横文字がよく読めないことは言うまでもないが、クリーム色のラベルが貼られている。
(おそらく)高級ワインなんだろうが・・・こんなものなんだろうとしか思えない。

335某経大生:2007/03/17(土) 04:10:22 ID:UjHdp98M
けれども、もう一方の空き瓶を手に取ると、正雄は思わず声をあげてしまった。
『あっ!これは…』
こちらもまったく同じ色で同じ文字が書かれたラベルだが、
クリーム色のラベルの中央部分の空白に、幼い少女のヌードが描かれている。
しかも、どう見ても日本人だ。
欧米人の目からは、日本人も中国人もフィリピン人も区別がつかないというが、
日本人が見れば、誰でも、
この全裸で横たわり少し恥ずかしそうに目線をそらす少女は日本人とわかる。
『これは、メグミですね。』

336某経大生:2007/03/18(日) 16:41:49 ID:UjHdp98M
『わたしもそう思った。』

そう言うと、社長はわたしに詳しく説明をしてくれた。
1983年に、フランスのあるワイナリーが新酒のラベルに使う絵を
ボルデュックという絵かきに依頼したのだそうだ。
前年の新酒を口にしたボルデュックは
『少女の裸体のような味だ。』
と言って、その絵を描いたというんだ。

337某経大生:2007/03/18(日) 16:42:36 ID:UjHdp98M
股間のくぼみまでリアルに描かれたクロッキー画は、
フランスではさして問題もなかったそうだが…
アメリカに輸出したら、人権団体から強い反発を受けてしまい、
急きょ絵のないラベルを作成して出荷したんだそうだ。
まあ、このボルデュックだけじゃなく、絵かきなどというのは変人が多いんだが、
この人の経歴というか遍歴は、とても変っていておもしろいんだねえ。
ルーツは東欧の貴族で祖父の代にフランスに亡命してきた。財産はかなりあるようだ。

338某経大生:2007/03/18(日) 16:45:11 ID:UjHdp98M
ボルデュックという名前は、絵かきとしての通称で、
戸籍名は、ボルダザール・スルツカイック・ド・レーヌ伯爵という。
3つ年上の実兄ピエールという人も、作家・思想家として知られた人なんだが、
本業よりも、例のサド侯爵の研究家として、その方面では名高かったようだ。
二人とも、もう死んでいる。兄弟して同じ2001年に死んだようだ。
風変わりな絵を描くボルデュックがパリの画壇で注目されだした28歳の頃、
ある若い人妻に惚れてしまった。叶わぬ恋に苦しみ抜いた彼は、
自殺を試みたんだが、ちょうど訪ねて来た友人に助けられて一命をとりとめた。

339某経大生:2007/03/18(日) 16:46:14 ID:UjHdp98M
その人妻だった女性も、深く悩み続けたようなんだが、
結局、夫のもとを去って、ボルデュックと結ばれた。
ボルデュックはスイスの山荘を手に入れて、二人はそこで暮らした。
妻は、間もなく男の子を産んだ。この人は芸術にはあまり関心がなかったのか、
現在はパナマの海運会社で仕事をしている。
これほど激しい恋を成就させたボルデュックだったのだが、1970年に離婚している。
理由は、いろいろ語られてはいるようだが、不明だ。
問題はその後なんだ。
離婚した年に来日している。

340某経大生:2007/03/18(日) 16:47:15 ID:UjHdp98M
自分の絵画展開催の準備や観光が目的だったようなのだが、
その折に、ある若い日本人女性と出会った。
遠山サチ子さん、当時20歳の大学生でフランス文学を学んでいた。
この人はある実業家のお嬢様だったんだが、絵画や芸術にも関心があり、
ニューヨークの美術館で、『入浴後の少女』というボルデュックの絵を見たことがあったんだ。
ふたりは意気投合して、ボルデュックは彼女をスイスに招待してくれたりもしたんだ。
国も立場も大違い、年の差もある、など・・・周囲は猛反対したそうだが、
初めてであってから5年後、この遠山サチ子さんは、ボルデュックの二人目の妻となった。

341某経大生:2007/05/15(火) 02:50:37 ID:dDC5vGPI
スイスのバーゼル近郊の素晴らしい山荘で二人の新生活は始まった。
ボルデュックも東洋の神秘の国から迎えたあどけない新妻を心から愛した。
ある時、親しい友人が山荘を訪れると、サチ子さんは優美な和服姿で迎えてくれたという。
ボルデュックは、以前から日本の着物に愛着を持っていたようで、その日は彼もゆかたを着こんで出てきたそうだ。
その友人というのは、若い頃に自殺未遂事件を起こしたボルデュックを助けた人だったのだが、
長年付き合ったもの直感で彼の心の変化をよみとっていた。彼はそのときに感じたことを後に語っている。
(デュックは、今までの自分の世界に飽き足らずに、遠い異国で見つけた宝を欲しくなったのかもしれない。
だが、果たして、それは・・・この可憐に咲き誇るような美しい新妻だけなのだろうか?)
サチ子さんはやがて身ごもり、女の子を産んだ。現在はジュエリーデザイナーとして活躍しているハルミさんという人だ。
幼いハルミさんという新たな宝も得て、幸福な日々を謳歌していたボルデュックであったが、
その幸福の中から、今まで彼自身の心の闇に埋もれていた危険極まりない性癖が突如首をもたげてしまった。

342某経大生:2007/05/15(火) 03:21:24 ID:dDC5vGPI
以前にも少女をモデルに絵を描くこともあったボルデュックだが・・・
この頃から、女の子のモデルを見つけては丹念にスケッチするようになる。
少女というより、女性としての体に成熟していない幼女ばかりだった。
もちろん、はじめはヌードなど描くことはなく、こどもが遊ぶ姿の絵が多かった。
それに、どういうわけだか、サチ子さんやハルミさんを描くことはしなかった。
サチ子さんも夫の影響で油彩画を描くようになる。
風景や草花などを好んで描いていたが、なかなかの腕前であったようだ。
バーゼルはフランス・ドイツ・スイスの三国の国境付近にあるが、ハルミさんを
小学校に入れるために家族はフランス東部のストラスブールという町に引っ越した。
ここはドイツ国境沿いの古い町だが、街の中心部の高級アパートで暮らした。
夏休みになると、家族3人は、またバーゼルの山荘に戻ってすごした。

343某経大生:2007/05/15(火) 03:42:16 ID:dDC5vGPI
時おり、ボルデュックは絵を描いてくると言って、ひとりでストラスブールのアパートにでかけた。
実はその頃に、オランダ人の写真家からある少女の絵を描かないかと持ちかけられたのだが、
ボルデュックは、そのモデルに夢中になってしまっていた。

社長は、ここで話を切った。灰皿を引き寄せてタバコを取り出した。
ここまでの話に、引き込まれるように聞き入っていたが・・・
(まさか?そのモデルというのは・・・?)と、正雄は思わずにはいられなくなった。
しかし、その後の話は・・・正雄の想像をはるかに超えるものだった。

社長は、また話を始めた。
その少女のモデルが、メグミだったわけなのだがね。
彼女の父が大物右翼のブレーンだというのも、スイスに留学しているというのもみんなウソだった。
たしかにメグミはベルギーの小学校に通っていた。放課後の補習授業を受けたりして
フランス語の日常会話も上達して、家庭事情で日本から来た女の子ということで過ごしていた。
でも、彼女はおとなの欲望を満たすために、赤ん坊の頃に買われた少女だったんだ。
もちろん、合法的にできることじゃない。しかし、世の中というのは蛇の道はヘビというやつでな。

344某経大生:2007/05/16(水) 05:00:53 ID:qrpye5c2
でも、彼女はおとなの欲望を満たすために、赤ん坊の頃に買われた少女だったんだ。
もちろん、合法的にできることじゃない。しかし、世の中というのは蛇の道はヘビというやつでな。

日本人の乳幼児の変死や行方不明事件をしらみつぶしに調査したところ、可能性として浮かんだものがある。
わたしの憶測だけで確証は得られないのだが・・・こんな事件の記録が見つかった。年齢などつじつまが合う点も多い。
女の子の赤ちゃんが、まだ若かった実の母親と香港のホテルに滞在中に行方不明になっている。
ホテルで火災発生を知らせる警報器が鳴り響き、あわてて子どもを抱きかかえ軽装のまま避難しようとした母親は、
非常階段を降りる途中で作業服を着た現地の係員に誘導された。
赤ちゃん連れで苦労している様子を見かねたのか、『赤ちゃんをだっこしましょう。』と、日本語で話しかけ、
いっしょに逃げてくれた。近くの小さな公園に着くとおおぜいの人でごったがえしていた。
その場所までは確かに一緒だった赤ちゃんがあの男とともに見えなくなってしまった。
ホテルに戻って事情を話したが結局わからずじまい。たまたま、買い物に出ていた夫とともに
現地の警察に届けたり、英国領事館に援助を求めたが、何の情報もなかったらしい。

345某経大生:2007/05/16(水) 05:03:16 ID:qrpye5c2
その夫婦は、その後に国内で交通事故にあって死亡している。
この事件などは、かんぐれば、怪しいことだらけだ。火災の原因さえ不明だったようだ。

身寄りのない乳幼児の里親を募る団体の紹介で、あるオランダ人の夫婦が
孤児となってしまっていた日本人の女の赤ちゃんを育てることになった。
赤ちゃんの実父母や孤児となったいきさつなどは一切知らせない取り決めになっていたようだ。
その夫婦はかなりの年齢になるまで実子がなく、ドイツ人とトルコ人の混血の男の子を養子として育てていた。
メグミはこの子の新しい妹になったわけだ。
この兄妹は善意の両親のもとで大切に育てられた。
ところが、ある事情で養父母がメグミを手放さねばならないことになってしまった。
7つ年上のお兄さんから性的な虐待を受けたらしい。両親がその事実を知らないうちに、外部に通報されてしまった。
メグミは施設に保護された。新たな里親として名乗り出たのが・・・どうも、うさん臭い輩だったようだ。
しばらくして、メグミは別の人と正式に養子縁組をしている。この養父が、例の写真家のようだ。

346某経大生:2007/05/16(水) 05:05:44 ID:qrpye5c2
最初から、ある目的がひそんでいたようだ。男の異常な欲望をみたすために、さまざまなことを次々と教えこんでいった。
まだ、7・8歳のほんの子どもだったろうが・・・おそらく、何も知らずに、男が求めるまま、教えるままに、
欲望をみたしてやらねば・・・今の自分は、誰からも愛されることもなく、生きていくこともできないと、悲しくさとっていったのだろう。

こんなことは何も知らなかったボルデュックは、アパートの一室で少女と会うと、おじさんの絵のモデルをしてくださいといった。
バスルームから脱衣かごと大きなタオルを持って少女に渡した。ためらうことなく彼女は何もかもすぐに脱ぎすてた。
タオルも持たずに彼の前にちょこちょこと歩いてきた。その肉体は女として開花するどころか、まだつぼみもつけ始めてもいない少女ではあるが、
ボルデュックは、おとなの男をそそる奥深い妖艶さをもっていると感じた。
そして、大きな黒い瞳で自分をみる姿に、たまらなくなってしまった。彼女は恥らうことさえ知らぬような無邪気さで、
全裸のまま彼に向かって微笑むのである。彼はおもわずモデルの少女を抱き寄せた。
少女はいつともなく覚えこんでしまったやりかたで、男の欲望をそそるようなしぐさでこたえてくる。
ボルデュックは、何もかも忘れて、禁断の果実をむさぼりつくしてしまった

347某経大生:2007/08/07(火) 06:15:46 ID:7LGcAKeU
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           O 。
                 , ─ヽ
________    /,/\ヾ\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|__|__|__|_   __((´∀`\ )< というお話だったのサ
|_|__|__|__ /ノへゝ/'''  )ヽ  \_________
||__|        | | \´-`) / 丿/
|_|_| 从.从从  | \__ ̄ ̄⊂|丿/
|__|| 从人人从. | /\__/::::::|||
|_|_|///ヽヾ\  /   ::::::::::::ゝ/||
────────(~〜ヽ::::::::::::|/        = 完 =

348某経大生:2007/08/09(木) 20:55:40 ID:GPiQNe.6
乙。

349某経大生:2007/08/13(月) 14:10:32 ID:/BMyAKZU
                  ,..-──- 、
                /. : : : : : : : : : \
           冒  /.: : : : : : : : : : : : : : ヽ
            l l ,!::: : : :,-…-…-ミ: : : : :',
          ./〜ヽ{:: : : : :i '⌒'  '⌒' i: : : : :}     ________
           |__| {:: : : : | ェェ  ェェ |: : : : :}   /
.           .||ボル.|| { : : : :|   ,.、  |:: : : :;! <  ボルビックを飲めばすべてリセットさ!
         /|.l  ||_.ヾ: :: :i r‐-ニ-┐| : : :ノ   \
         |  ̄ -!、 ゞイ! ヽ 二゙ノ イゞ‐′      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         |    −!   \` ー一'´丿 \
         ノ    ,二!\   \___/   /`丶、
        /\  /    \   /~ト、   /    l \
       / 、 `ソ!      \/l::::|ハ/     l-7 _ヽ
      /\  ,へi    ⊂ニ''ー-ゝ_`ヽ、    |_厂 _゙:、
      ∧   ̄ ,ト|    >‐- ̄`    \.  | .r'´  ヽ

350某経大生:2007/11/18(日) 18:37:43 ID:QhMUAfTg
次は?

351某経大生:2007/11/18(日) 19:37:30 ID:H0Ie6iT6
ユネスコ物語

352某経大生:2008/03/02(日) 11:01:15 ID:b86cdmrg
ユネスコに見も心も捧げなさい。

353某経大生:2008/04/06(日) 16:57:02 ID:imBkbXAo
まだこのスレあったんだ

354某経大生:2008/05/18(日) 12:48:50 ID:QEVvqpUU
残った!

355某経大生:2008/06/01(日) 06:58:02 ID:2qUCWCi.
中路を意識した(?)内容もストーリーに含まれてるな。

356某経大生:2008/10/24(金) 20:23:11 ID:W7Ggx2eg
ナカジを見かけた人っている?


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