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人口問題・少子化・家族の経済学
2278
:
OS5
:2025/08/25(月) 11:30:03
https://www.minpo.jp/news/moredetail/20250615124978
少子化を生きる ふくしまの未来 第8部「困難の先に」(1) 官民連携(上) 流出招く男女格差
2025/06/15 10:46
女性従業員と意見を交わす中田社長(右)。職場環境の改善が業績向上につながっている
女性従業員と意見を交わす中田社長(右)。職場環境の改善が業績向上につながっている
厚生労働省が公表した2024(令和6)年の人口動態統計(概数)では、国内で同年に生まれた子どもの数(出生数)は68万6061人だった。70万人割れは国立社会保障・人口問題研究所(社人研)による推計より15年早い。福島県の出生数は8216人と9年連続で減り、合計特殊出生率も最低の1・15と都道府県別で下位に低迷。全国では回復した婚姻数も下げ止まっていない。少子化の速度や影響をいかに緩め、地域を将来にわたり持続させていくか。県内外の特色ある取り組みから打開の道を探る。
■意識改革は経営者から
県は今年度、少子化・人口減少対策として企業や団体、金融機関などの若手による「官民連携・共創チーム」を組織し、全県や地域ごとの課題を把握する。少子化の要因となる女性ら若者の流出を抑制するには、民間との危機意識の共有が必要とみるからだ。
兵庫県豊岡市も同様の課題意識を持ち、8年前から官民連携を進めてきた。女性流出につながるとされる「ジェンダーギャップ(男女格差)」の解消を目指す取り組みを続けており、全国から注目を集めている。
但馬地方の中心都市だが、人口は1市5町が合併した2005(平成17)年の9万人弱から1万人以上減った。男女格差を憂慮した発端は、独自指標「若者回復率」だ。進学などで市を離れた10代の転出超過数に対し、就職などで市に戻った20代の転入超過数の割合を示す。2010〜2015年の推移では男性の52・2%に対し、女性は26・7%にとどまった。
男女の「戻り幅」の差には、男性中心の社会の在り方が影響しているのではないか―。2018年、中貝宗治市長(当時)の下で動き出した。
最初に手がけたのは就労環境の見直しだ。「ワークイノベーション推進会議」を設立。「性別を問わず働きやすく、働きがいある職場」を志す企業を募り、16事業所で始めた。
「人口減を企業のせいにされても困る」。推進会議の会長に就いた豊岡商工会議所の岡本慎二会頭(67)は当時の困惑を振り返る。精密ばねを製造する東豊精工を営むが、社内の男女差には注目してこなかった。推進会議の講演や会合に通い、認識が変わった。従業員約120人の役割を見返すと、機械で製品を作るのは男性で、計量、検査などの業務は主に女性が担う。役割や待遇に「固定観念」が横たわっていた。
初の男性育休取得者を出した。女性による「お茶出し」をやめ、キャリア形成などを学ぶ市の講座に派遣した。2022年に人事評価を見直し、公正・公平性を高めた。2年前に女性4人が国家資格「金属ばね製造技能士」の検定に初めて合格し、その後も合格者が続く。
木製ハンガーを製造・販売する中田工芸の中田修平社長(46)は「自分の思いと一致した」と推進会議に創設から名を連ねた理由を語る。第2子誕生を機に2019年に育休を1カ月取得し、「ペアレント休暇」を設けた。人事評価を見直し、ハラスメントを防ぐ姿勢を掲げた。商品の高付加価値化と環境改善を両輪で進め、豊岡に縁のない女性が入社するようになった。
従業員65人のうち、女性の割合は約1割から4割弱まで増え、語学力を生かして海外営業などで活躍している。「性別によらず、能力や意欲に応じて活躍の機会を提供する」と話す。
推進会議の構成メンバーは124まで増えた。製造や建設、小売など業種も幅広く、多くは中小企業だ。「地方には女性が経験や知識を生かせる仕事は少ない」という〝定説〟を覆そうとする輪は着実に広がっている。
2279
:
OS5
:2025/08/25(月) 11:30:36
https://www.minpo.jp/news/detail/20250616125010
少子化を生きる ふくしまの未来 第8部「困難の先に」(2) 官民連携(下) 性別役割を見直す
2025/06/16 10:40
行政区長らが男女格差などを巡り、意見を交わした区長連合会の会合。慣習や仕組みを見直すための模索が続いている
行政区長らが男女格差などを巡り、意見を交わした区長連合会の会合。慣習や仕組みを見直すための模索が続いている
兵庫県豊岡市は少子化を招く女性の流出を抑えるため、ジェンダーギャップ(男女格差)の解消に向けて企業と連携してきた。2021(令和3)年3月には「ジェンダーギャップ解消戦略」を策定。性別役割分担に基づく仕組みや慣習を見直す必要があるとの考えから自治組織や学校、家庭に働きかけを広げ、まち全体の意識を高めようとしている。
■意識付け、地域や学校で
戦略の狙いは、地域活動や家庭内の家事などを巡る「アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み・偏見)」への気付きや、「固定的な性別役割分担意識」の解消だ。有識者を交えた啓発に力を入れている。
行政区(自治会)や地域コミュニティ組織向けには区長、役員らを対象とした研修やワークショップを開催。教育面では保育士や幼稚園教諭、小中学校の管理職や教職員、中学校の生徒会への研修の機会を設けている。幼少期からジェンダーや多様性を学ぶ教材として、コウノトリを用いたオリジナル絵本を各校・園などに配布している。
変化は少しずつだが、出始めている。区長連合会の会合では、ある行政区から、男女の役割分担に関するやりとりが紹介された。
秋祭りの「だんじり」で休憩所の接待役を担ってきた女性たちからみこしの担ぎ手となる男性側に対し、運営の簡素化を願う声があった。
区長は「ここで育つ子どもたちが『将来も暮らしたい』と思える地域にしたい」と在り方を見直す考えを報告した。また、市の呼びかけを機に防災体制を再検討。女性は炊き出しなど「補助的役割」に位置付けられてきたが、自主防災委員会の委員5人のうち、2人を女性枠に割り当てた。
少子化・人口減対策として、男女格差を改めようとする試みは、富山県南砺市や宮城県気仙沼市など各地に広がっている。「東京一極集中」の是正を目指す政府も13日に閣議決定した2025年版男女共同参画白書で、地方に根強い「固定的な性別役割分担意識」を解消する必要性に言及した。
ただ、豊岡市も足元の少子化や人口減に歯止めをかけるには至っていない。男女が共に支え合い、出産や子育てがしやすい社会をつくるのには時間がかかる。市多様性推進・ジェンダーギャップ対策課の原田紀代美課長は「行政として『気付き』と『対話』の機会を提供していく」と活動を続ける意義を強調する。
ワークイノベーション推進会議で共同代表を務める豊岡商工会議所の岡本慎二会頭(67)は「人が住んでこそ事業が成り立つ」との思いで多くの役職を引き受け、地域と関わっている。豊岡も、商用でたびたび訪ねる福島県も含めて地方は厳しい状況とした上で「少子化は何かをすれば、すぐに成果が出るものではない。経済界を含め、幅広い人々が関わらなければ変わらない」と指摘。一人一人が自分事として向き合うべき問題だと訴えた。
2280
:
OS5
:2025/08/25(月) 11:31:58
https://www.minpo.jp/news/moredetail/20250313123027
少子化を生きる ふくしまの未来 第3部「若者の流出」(6) 都会で働く(上) 多忙それでも充実
2025/03/13 10:49
スマートフォンを手に、職場に向かう加藤さん。多忙な日々でも充実感を胸に過ごしている。
スマートフォンを手に、職場に向かう加藤さん。多忙な日々でも充実感を胸に過ごしている。
福島県会津若松市出身の加藤優斗さん(23)は東京都内に本社を置き、カフェなどの飲食店を全国展開している大手企業に昨年春から勤めている。社会人1年目が終わりに近づき、仕事にも慣れてきた。「やりがいを感じるし、充実した毎日を過ごせている」と生き生きとした口ぶりで語る。
溝の口駅(川崎市)近くの店舗で昨年7月から働いている。約40人いるスタッフのうち、正社員は店長と自分の2人だけだ。若い住民が多く暮らす地域とあって営業中は忙しく、配属からしばらくは運営するのに苦労した。最近では学生アルバイトの指導や管理を任されるようになった。
若松六中時代は野球部。特設陸上部で短距離の素質を見いだされ、学法石川高で本格的に競技に取り組んだ。大学駅伝界で近年、実績を上げている東京国際大にスポーツ推薦で進学。埼玉県内の寮に入り、全国から集まった仲間と切瑳琢磨(せっさたくま)した。
4年生になると、面倒見の良さを買われて副主将を任された。箱根駅伝などの「ひのき舞台」には立てず、選手生活に区切りを付けた。卒業後を見据えた時に「そっち(東京)で勤めたほうがいい」という母親の勧めもあり、都内で就職先を探した。
集団生活で培ったコミュニケーション能力を生かせるのは「人と向き合える仕事」と考え、就職活動では営業職を念頭に置いた。合同企業説明会などに足を運んで業界や企業について調べるうち、飲食業に関心が向いた。店内の明るい雰囲気に親しみを感じ、現在の会社を受けた。
月々の収入は手取りで約16万円。家賃や光熱費、食費などを除くと、手元には8万円程度が残る。地方に比べて首都圏の物価は高く、貯蓄に充てる余裕はそれほどないが、「ある程度は趣味やレジャーにも使えている」。生活を無理に切り詰めている感覚はない。
■古里は癒やし求める場
当面は現場で経験を積んで、店長からエリアマネジャーへとステップアップを目指している。鉄道・バスなど発達した交通網や、商業施設の多さなど環境面にも魅力を感じている。
地元への愛着が薄れたわけではない。ただ、「日々に疲れた時、癒やしをもらいに帰る場所」というのが今の自分にとっての古里の位置付けだ。
地方出身の若者が都会で働き、暮らす道を選ぶ理由は仕事上のやりがいや物理的な利便性だけではない。私生活の充実感や、他者との距離感の心地よさを求める人もいる。
2281
:
OS5
:2025/08/25(月) 11:32:32
https://www.minpo.jp/news/detail/20250314123051
少子化を生きる ふくしまの未来 第3部「若者の流出」(7) 都会で働く(下) 私生活の充実優先
2025/03/14 11:08
休日にカフェで読書する柳沼さん。私生活を充実させるため、東京で働く道を選んだ
休日にカフェで読書する柳沼さん。私生活を充実させるため、東京で働く道を選んだ
不動産会社で営業職として働く柳沼空穏(くおん)さん(23)=福島市出身=にとって、春は年間で一番の繁忙期だ。東京都内の店舗には連日、進学や就職のため、上京を控えた地方の若者が住まい探しにやって来る。慌ただしい日々の中で、休日には美術館や映画館を巡り、心身のバランスを取る。「プライベートを満喫できる場所が多いから、仕事が大変でも頑張れる」と笑顔を浮かべる。
勤め先の会社は港区の六本木に本社、都内に8店舗を構えている。人とのコミュニケーションが得意なので、成果に応じて報酬が増える給与体系や休暇など待遇面に不満はない。宅地建物取引士の資格を取るため、勉強に励んでいる。
仕事のスキルを高めることに無関心ではないが、公私のうち、重きを置いているのはどちらかと言えば「私生活」だ。知的好奇心を満たしてくれる展示会や上映会が身近な場所で頻繁に催され、気軽に足を運べる環境が気に入っている。
小さな頃から読書や芸術が好きだった。文学を学ぼうと、橘高から国学院大栃木短大(栃木県栃木市)に進んだ。短大では教員養成課程を履修し、中学の国語の教員免許を取った。母校の岳陽中で教育実習も経験した。地元に戻って教員を目指す道もあったが、より学びを深めたいと県外に残ることにした。編入試験を経て、都内にキャンパスを構える国学院大文学部に移り、昨年春に卒業した。
就職活動では、当初から「都内で働ける職場」を条件に志望企業を絞り、不動産業や人材派遣業など20社を受け、複数の会社から内定を得た。古里に戻る気にならなかった理由は、華やかな都会暮らしへの憧れだけではない。
■詮索されぬ環境も魅力
高校時代、同級生や周囲の大人と話していて「公務員は安定、公務員以外は不安定」といった考え方を時折、耳にした。「『理想の人生は何か』という答えは人それぞれ違うのに」―。言葉の端々に漂う固定観念めいたものに、かすかな違和感を抱いてきた。
一方、短大や大学で会った友人は幅広い職業観、人生観に基づいて社会に出て人生を歩んでいる。職場の同僚も、他人の暮らしに必要以上には立ち入ってこない。「詮索されない」環境に心地よさを感じている。
両親や友人のいる地元は好きだ。ただ、家族を築いて子どもを育てる将来を見据えても、多様な生き方がしやすく、教育の選択肢の多い東京のほうが自分には合っていると考えている。
2282
:
OS5
:2025/08/25(月) 11:33:04
https://www.minpo.jp/news/moredetail/20250407123540
少子化を生きる ふくしまの未来 第4部「出会い・結婚」(1) 変わる出会い 「アプリ」今や定番
2025/04/06 09:33
マッチングアプリで婚約者と巡り会った男性。「気安さが魅力だった」とやりとりを振り返る
マッチングアプリで婚約者と巡り会った男性。「気安さが魅力だった」とやりとりを振り返る
厚生労働省が2月末に発表した人口動態統計(速報値)では、2024(令和6)年の福島県内の婚姻数は5502組と前年の速報値より130組減った。コロナ禍などもあって9年連続で減り続けており、出生数の減少につながっている。一方で「結婚したい」と願う単身者は多数派を占めている。どんな事情が異性との交際や結婚を難しくしているのか。未婚化・晩婚化が進む社会で「お相手」を求める若者の声や、背中を押す人々の姿から結婚事情に迫る。
■相手探しも気軽さ重視
女性との出会いが少ない―。伊達市の会社員男性(29)は2019年春に新潟県内の大学を卒業後、Uターン就職してからそんな悩みを感じていた。福島市の勤務先に異性はいるものの、ごくわずかだ。ほどなく新型コロナウイルスが社会にまん延し、人と接する機会はなおさら限られてしまった。
あれから6年。男性はある女性と巡り会い、婚約している。2人を結び付けたのは「マッチングアプリ」だった。
男性がアプリに登録したのは働き始めて間もないころだ。数種類を試した上で登録者数が2千万人を超え、居住地や趣味といった「条件検索」機能が特に充実している一つに絞った。
成果はすぐに出た。3カ月後、1人の女性と出会った。現在の婚約相手だ。自己紹介欄から、アニメやゲームなどの趣味が似ていると感じた。住んでいる場所の近さにも引かれ「いいね」を押した。文字でのやりとりを経て、翌月に初めて対面。映画やドライブなど何度かデートを重ねた末に交際を申し込んだ。現在は結婚後を見据え、新生活に向けた貯蓄や一緒に暮らすための住まい探しを2人で進めている。
男性は「アプリなら、交際がうまくいかなくても気にせずに済む」と利点を打ち明ける。学校や職場など生活環境が重なる相手と交際すれば、仲たがいしてしまうと周囲にも気まずい思いをさせかねない。男性にも心当たりがないわけではない。
その点、アプリを起点とする交際ならば「お互いゼロ」から知り合い、「当事者だけ」の間で話が進んでいく。発展する見込みがなければ関係性を断ち切り、次の相手を探すこともできる。気軽さが魅力だと感じている。
こども家庭庁が全国の15〜39歳の男女を対象に昨年、行ったインターネット調査によると、直近5年間に結婚した人の4人に1人がマッチングアプリを交際の入り口としていた。職場や友人・知人の紹介などと並び、すでに男女の出会いの新たな「定番」となっている現状がうかがえる。
男性がアプリで知り合った相手と婚約したことを友人らに伝えると、驚くような反応はなく「おめでとう」と素直な祝福の言葉が返ってきた。出会いの一つの形として市民権を得ているのだと実感した。
「結婚が人生の全てではないし、一人一人の意思を尊重したい」と周囲に積極的にアプリの利用を勧めるつもりはない。それでも、異性との出会いを求める人にとっては有効な選択肢の一つだと考えている。
「ただ、アプリを使って結婚できる人はごく一部だ」。男女の出会いに携わっている専門家は、そう指摘する。
2283
:
OS5
:2025/08/25(月) 11:33:51
https://www.minpo.jp/news/moredetail/20250306122891
少子化を生きる ふくしまの未来 第3部「若者の流出」(3) 就活生の思い(上) Uターン頭になく
2025/03/06 11:13
就職情報会社や応募先からのメールに目を配る斎藤さん。都内に本社を置くデベロッパーへの就職を目指している。
就職情報会社や応募先からのメールに目を配る斎藤さん。都内に本社を置くデベロッパーへの就職を目指している。
2026(令和8)年卒の大学生・大学院生を採用する企業の説明会が1日に解禁された。少子化や働き手不足を背景とする学生優位の「売り手市場」が続く中、大学3年生たちの就職活動は加速していく。
一橋大商学部3年の斎藤綾太さん(22)=福島市出身=も「就活」の真っ最中だ。東京都内に本社を置く不動産デベロッパーへの入社を目指している。大学が春休みの3月も予定は切れ目なく詰まっている。就職情報会社や応募先の企業から届くメールに目を配る。
日差しが春めいた2月下旬。最寄りの国立駅前のカフェに入り、一息ついた。「人々が集まり、にぎわう街をつくりたい」と入社後の姿を思い浮かべ、自身を奮い立たせる。
■福島県内職場「公務員しか」
岳陽中から福島高を経て一橋大に進んだ。上京した理由には母方の祖父母が都内在住という縁もあった。国立市のアパートから大学に通い、経営戦略や開発政策などを学んだ。学業の傍らバスケットボールのサークルに入り、充実した日々を過ごしている。
就活を意識し始めたのは昨年5月だ。収入や福利厚生などの待遇面より「やりがいを感じられる」ことに重きを置いた。業界や勤務先を調べる中で、就職情報サイトも利用したが、県内企業の情報に触れることはなかった。「県内にどんな業種や企業があるのか分からず、公務員しかイメージできなかった」
大学で生い立ちや価値観の異なる人と出会い、刺激を受けてきた。「社会に出ても幅広い人と関わり、経験を積みたい」と都内に残ろうと決めた。「新卒でUターン」という選択肢は早い段階で消えた。
業界選びには古里での経験も影響している。高校3年生だった2020(令和2)年に文化祭の実行委員長を務めた。新型コロナ禍で行事の延期や中止が相次いでいた。従来の方式を変え、クラスごとに動画を撮って流す企画を催した。
感染対策のため換気を徹底するはずが、空調の不調で途中で切り上げた。「半分成功、半分失敗」という反省、前例のない試みに大勢で挑む達成感が仕事を探す原点になったと振り返る。
大学の仲間にも、自分と似た考えの人は多い。例えばサークルの同期生8人のうち、斎藤さんら4人は地方出身だが、全員が都内での就職を目指している。
結婚や子育てなど、ライフステージの変化を見据えると「両親のいる福島に戻った方がいいのでは」との思いもある。地元で暮らすのも一つの道だが、それは今ではない。
不動産業界に応募先を絞り、10社程度の選考が進んでいる。「東京は多くのことに挑戦できる。自分の可能性を広げたい」と前を向いている。
2284
:
OS5
:2025/08/25(月) 11:34:17
https://www.minpo.jp/news/detail/20250307122916
少子化を生きる ふくしまの未来 第3部「若者の流出」(4) 就活生の思い(中) 福大強い地元志向
2025/03/07 10:41
福島労働局に就職する伊藤さん。「古里で働く人を支えたい」と思いを語る
福島労働局に就職する伊藤さん。「古里で働く人を支えたい」と思いを語る
福島県内で唯一の国立大である福島大には、旧行政社会学部や旧教育学部を中心に、多くの行政職員や教職員を地域に送り出してきた歴史がある。再編に伴い学類制に移行し、若者が就職を機に県外に出ていく中でも、地元での就職を選ぶ学生は少なくない。
■最多の就職先は公務員
2024(令和6)年春に福島大を卒業して就職した学生は770人。県内出身者の324人のうち、県内就職者は233人と7割に上る。770人の進路のうち最も多いのは「地方公務員」の180人で、「教員」の110人や「国家公務員」の42人を上回る。転居を伴う異動の少ない市町村職員が好まれる傾向にある。
就職活動を支援するキャリアセンターは企業から届く求人情報を掲示板などを通じ、就活生に提供している。製品が高いシェアを持つ地元企業などの求人もあるものの、学生の目は大手に向かいがちという。担当者は「コロナ禍に学生生活を送り、社会の波を見てきた年代だからか、安定を求める傾向が強いのではないか」と学生の気質を推し量る。
行政政策学類4年の伊藤磨美さん(22)=福島市=は4月に福島労働局に就職する。ハローワーク福島で仕事を探す人と働き手を求める事業者を取り持つ仕事に就く。「働くという行為は生活に欠かせず、生きがいにも通じる。一人一人の仕事選びを手伝える存在になりたい」と理想を語る。
UFOによるまちおこしで知られる福島市飯野町に生まれ、共働きの両親の下で育った。1歳違いの妹と高校生の弟との3人きょうだい。両親からは大学は「できれば国公立大に」と頼まれたが、どんな仕事に就くかは一任された。
公務員を進路として意識したのは高校に入ってからだ。福島西高の3年生のころ、まちづくりの仕事に関心があり、市役所に職場見学を申し込んだ。窓口業務や地域の活性化、森林保護など幅広い業務に触れ、行政職を目指すことにした。
行政政策学類の同級生の多くは公務員志望で、試験勉強の合間には励まし合えた。公共的な仕事を調べる中で、人々の暮らしに深く関わる労働局にひかれた。
高校時代の友人には短期大学や専門学校を経て、社会に出ている人も多い。地元に残る仲間とは頻繁に集まり、さまざまな職業の話を聞く。多くの若者に地域に根付いてもらうにはショッピングモールなどにぎわいを生む施設に加え、「働きやすい職場」の存在も重要だと感じている。労働行政に関する知識や経験を積み、働き方改革や女性活躍推進に携わるつもりだ。
伊藤さんの場合は「元からの地元志向」と「望む職業」が古里で結び付いた。ただ、全ての学生が理想の「就職の受け皿」と県内で巡り合えるわけではない。
2285
:
OS5
:2025/08/25(月) 11:34:49
https://www.minpo.jp/news/detail/20250308122938
少子化を生きる ふくしまの未来 第3部「若者の流出」(5) 就活生の思い(下) 外の世界で力磨く
2025/03/08 11:17
空洞化が進む福島市中心部。本名さんは生活環境の変化も県外へ就職する理由に挙げた
空洞化が進む福島市中心部。本名さんは生活環境の変化も県外へ就職する理由に挙げた
福島学院大福祉学部4年の本名ひかりさん(22)=福島県昭和村出身=は4月から東京都の医療法人社団に相談員として就職する。「患者や利用者に頼ってもらえる心理の専門家になりたい」と将来を見据える。
福祉心理学科で学んだ知識や取得した心理関係の資格を生かせる医療・福祉分野の職場は県内にもあると思う。ただ、より成長が見込める就労環境や生活面の利便性を求め、都会に出て行くことを決めた。
■成長できる環境求めて
昭和村の小学校時代、発達障害の後輩がいた。周囲となじめない様子に気付いていたのに「何の手助けもしてあげられなかった」。幼い頃に感じた小さな悔いが頭から離れず、福祉の世界を目指すきっかけとなった。川口高を経て実家を離れ、福島市にある福島学院大に進学。JR福島駅前にあるキャンパスで学び、講義や実習に励んで社会福祉士と精神保健福祉士の資格を取得した。
患者や施設利用者、家族らとの面談や対話を通して経済面や精神面の悩みに寄り添う「医療ソーシャルワーカー」を目指している。多職種連携が進む医療・福祉の現場で貢献するため、経験と技術を磨ける就職先を求めた。
県内の病院や施設が集まる説明会に参加したが、求人内容や勤務条件に引かれる事業者には巡り合えなかった。県外に視野を広げて就職情報サイトなどで情報を調べ、急性期、回復期など機能の異なる複数の病院と福祉施設、地域包括支援センターなどを運営している福寿会(東京都足立区)に行き着いた。昨年夏に面接や小論文などによる試験を受け、内定を得た。
上京を決めた理由の一つには、再開発が進まない福島市中心部の生活環境への落胆もある。入学後の4年間で身近にあった商業施設が次々と閉まった。昭和村から移り住んだ頃は「都会に感じていた」県都は、自動車を持たない身には「住みにくいまち」に変わってしまった。
3月下旬には勤務先に近い従業員寮に入る予定だ。上京してしまうと「しばらく帰れなくなるから」とカスミソウ栽培を営む昭和村の実家で数日を過ごした。「一番おいしい」という母親の手料理を味わい、新生活に向けて英気を養った。
村を含む奥会津地方は県内でも高齢化が著しい。お年寄りの多い地域で働く道もあると思う。ただ、若いうちは勤務先や接する対象者が幅広い「外の世界」に身を置き、スキルを身に付けたいと考えている。
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