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国際政治・世界事情

1とはずがたり:2005/05/23(月) 02:47:11
世界情勢・世界史ネタなど
軍事問題は安全保障論http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1043205301/l10を国際経済問題は国際経済学http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1060165061/l10を参照の事

3348チバQ:2011/11/07(月) 20:04:25
http://mainichi.jp/select/world/news/20111103ddm007030101000c.html
迷走革命:/上 イエメン大統領、家族に権限 「王朝」部族離反招く
 ◇盤石の統率力に衰え
 「大統領はイエメンを最もよく知る政治家だ。野党には人材がない」。サレハ大統領(69)の側近はそう主張する。普段から全国の有力部族を回り、問題があっても電話一本で話ができるという。

 アラブで最も色濃く部族社会の残るイエメンで、各部族を熟知していることがサレハ氏の強みだった。内部告発サイト「ウィキリークス」が暴露した米公電によると、今では大統領辞任を要求する米国も昨年2月の時点では、「サレハ氏の代わりはいない」と、統率力を評価していた。

 サレハ氏は、イエメンが南北に分裂していた78年に北イエメンの大統領に就任。90年には統一を実現し、33年にわたり権力を維持し続けた。しかし、1月に退陣要求デモが本格化し、6月には暗殺未遂で重傷を負って治療のためサウジアラビアに出国。一時は「事実上の亡命」との観測もあった。3カ月後の9月に帰国したが、後ろ盾だったサウジアラビアや米国などからの辞任圧力は強まるばかりだ。

 首都サヌアで10月21日に開かれた大統領派の集会。サレハ氏を支持する数万人が集まった。支持者の一人、ハーリド・アブドルハニさん(36)は「イエメンの統一を維持してきた功績がある。野党は過激すぎる。後継者は選挙で選ぶべきだ」と話す。

 サレハ大統領の権力基盤は、自身が所属する部族連合のハシド族だ。イエメンの3大部族連合の一つで、「イエメンの支配者にはハシド族出身であることが条件」ともいわれる。07年に亡くなった部族長のアブドラ・アフマル氏は大統領の有力支持者。イエメン政治に詳しいサヌア大のアデル・ショガー教授は「サレハ氏は権力と金の分配で、部族、宗教関係者、実業家を取り込んだ」と解説する。

 反大統領派のアナリスト、アブドルガニ・エリヤニ氏によると、サレハ氏は95年ごろから省庁幹部を実務家からハシド族などの部族幹部に置き換えた。自身の権力基盤強化に、有力部族の取り込みが重要と考えたようだ。米欧や周辺国にはテロ対応の必要性などを説き、財政支援や支持を引き出すなど巧みな外交も展開した。

 しかし、サレハ氏の治世が長引く中、ハシド族の中にもサレハ氏への不満が生まれた。サレハ氏に04年ごろから、部族の権限を自らの家族や親族に移す傾向が出たためだ。特に自身の後継とされる長男のアフマド氏を共和国防衛隊に据えたことは、家族による「サレハ王朝」確立の兆しと受け止められた。

 結局、ハシド族や実務家がサレハ氏から距離を置くようになり、長年の支持者だった国軍のモフセン将軍やアフマル氏の息子で有力実業家のハミド氏が離反。「アラブの春」を契機に「体制内部の権力闘争」(エリヤニ氏)が始まったのだ。

 部族社会を知り尽くし、部族社会を権力維持に利用したサレハ氏。家族による「王朝」確立を画策したことが、権力基盤を動揺させつつある。

    ◇

 中東の民主化運動「アラブの春」の影響で、サレハ・イエメン大統領の退陣を求める若者たちの活動が始まって約9カ月。迷走する「革命」の今を報告する。【サヌアで和田浩明】

毎日新聞 2011年11月3日 東京朝刊

3349チバQ:2011/11/07(月) 20:04:51
http://mainichi.jp/select/world/news/20111105ddm007030169000c.html
迷走革命:/中 宿敵2人は元同志 反サレハ世論と直結せず
 「どうせ体制内の権力闘争で、腹立たしい」。多数の市民が死傷するイエメンの混乱について民主化デモの参加者で農業のナジフ・ムンタサルさん(33)は批判する。外資系企業勤務のサブリ・キャパンさん(37)も、「商売が成り立たない」と長引く騒乱にうんざりしている。

 混乱は表面的には大統領派と反大統領派の衝突だが、サレハ大統領の最大の「敵」2人は、かつては大統領の支持者だった。第1機甲師団司令官だったモフセン将軍と、大統領の権力基盤だった最有力部族連合ハシド族の幹部、ハミド氏だ。

 モフセン氏は60代半ばとみられ、大統領と同じ首都南方のサンハン村出身。複数の現地専門家によると、サレハ氏の権力掌握にモフセン氏が果たした役割は大きく、オーストラリアのイエメン研究者、サラ・フィリップス氏は、サンハン村有力者の間で「サレハ氏の後継はモフセン氏」との秘密の取り決めが結ばれていた、と米誌に書いている。

 サレハ、モフセン両氏の間に亀裂が入ったきっかけの一つは、北部の反乱だ。イスラム教ザイド派(シーア派の一派)の民兵組織「フシ」が04年、政府に反旗を翻したのに対し、北西方面軍管区の責任者だったモフセン氏が鎮圧に当たった。

 内部告発サイト「ウィキリークス」が暴露した米公電には、「大統領は達成困難な任務を与えてモフセン氏をつぶしにかかった」とのハミド氏の見方が紹介されている。大統領が長男アフマド氏に権力を継承するため、モフセン氏弱体化を画策した可能性がある。結局、モフセン氏は今年3月、デモ参加者の保護を名目に政府軍からの離反を宣言し、大統領の「敵」となった。

 一方、40代後半とされるハミド氏は、父アブドラ氏(07年死亡)が長年の大統領支持者だった。ハミド氏の石油利権をサレハ氏が取り上げようとしたことなどから、06年大統領選ごろからサレハ氏に敵対的姿勢をとる。ハミド氏自身の権力欲も絡み、09年8月には大統領追い落としに出る。「アラブの春」に触発された若者たちが民主化運動を始めると、携帯電話や石油関連事業で豊富な資金力を持つハミド氏が資金的な支援をしたとされる。

 こうして「反サレハ」の急先鋒(せんぽう)となった両氏だが、弱みは、国民の「反サレハ」感情が自分たちへの支持に直結しないことだ。モフセン氏のかつての配下部隊は、いまだに国防省から給与を受けている。ハミド氏は大統領選出馬の意向を持っているとされるが、自身の人気がどの程度か確信が持てない状況だ。

 こうした大統領派、反大統領派のこう着状況をイエメン人ジャーナリストのアリ・ハサン氏は「弱者の均衡」と表現する。今年1月以降の市民の犠牲者は1500人以上。かつての「同志」による仲間割れ的権力闘争の裏で、市民の犠牲だけは確実に増えている。【サヌアで和田浩明】

毎日新聞 2011年11月5日 東京朝刊

3350チバQ:2011/11/07(月) 20:05:09
http://mainichi.jp/select/world/news/20111106ddm007030101000c.html
迷走革命:/下 ノーベル賞でも帰れず カルマン氏、割れる評価
 10月に発表されたイエメンの女性民主活動家、タワックル・カルマン氏(32)のノーベル平和賞受賞。サレハ大統領退陣を求めるデモで、カルマン氏が大きな役割を果たしていただけに、反大統領派の喜びは大きかった。サヌア中心部の「変革広場」で泊まり込む男子大学生、アフマド・ムナウスさん(26)は「イエメンの誇り」と笑顔を見せる。

 だが、大統領派からは、「扇動者」「はねっかえり」といった厳しい声が多い。女性からも冷たい反応があり、ベルギス・アンシさん(70)は「国の恥」とまで言い切る。国営テレビは「イエメン人でなくイラン系だ」などと根拠不明な人格攻撃も展開し、ジャナディ副情報相は取材に「ノーベル委員会は、(欧米で反発を受ける)イスラム主義者にも、良い人物がいるという事例を作りたかったのだろう」とうがった見方を示す。カルマン氏は受賞後、ニューヨークでの講演で「サレハ氏が国際刑事裁判所に起訴されるまで帰国しない」と発言しており、身の危険を感じているとの見方もあるほどだ。

 カルマン氏は反大統領派中心勢力のイスラム保守主義政党「イエメン改革党」のメンバー。この党の幹部の中には国際テロ組織アルカイダとの関連が疑われる人物もいる。ただ、カルマン氏については、「何年も前から女性の権利や民主化活動を続けていた。アルカイダとの関係はない」(アナリストのアブドルガニ・エリヤニ氏)との見方が強い。

 カルマン氏をよく知る女性活動家、ベルギス・ラハビさん(39)は、「彼女の受賞で、社会参加が制限されている女性の力が示せた」と評価しながらも、「人権活動家というより政治志向が強い」と話す。09年の南部タイズの貧困者支援デモで、参加者の若者が裸足だったのをラハビさんが気の毒に思い、「何かしてあげたら」と話すと、カルマン氏からは、「気が付かなかった」という反応が返ってきたという。「困った人を助けることに、あまり関心がないのかも」とラハビさんは手厳しい。

 サレハ大統領は即時退陣を拒否。サウジアラビアが主導する湾岸協力会議(GCC)や欧米、国連まで関与する権力移譲の調停は難航し、イエメンの迷走が終わる気配はない。「革命の顔」となったカルマン氏の帰国のめどさえ立たない現状こそ、この国の混迷ぶりを示している。【サヌアで和田浩明】

毎日新聞 2011年11月6日 東京朝刊


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