したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

国際政治・世界事情

3348チバQ:2011/11/07(月) 20:04:25
http://mainichi.jp/select/world/news/20111103ddm007030101000c.html
迷走革命:/上 イエメン大統領、家族に権限 「王朝」部族離反招く
 ◇盤石の統率力に衰え
 「大統領はイエメンを最もよく知る政治家だ。野党には人材がない」。サレハ大統領(69)の側近はそう主張する。普段から全国の有力部族を回り、問題があっても電話一本で話ができるという。

 アラブで最も色濃く部族社会の残るイエメンで、各部族を熟知していることがサレハ氏の強みだった。内部告発サイト「ウィキリークス」が暴露した米公電によると、今では大統領辞任を要求する米国も昨年2月の時点では、「サレハ氏の代わりはいない」と、統率力を評価していた。

 サレハ氏は、イエメンが南北に分裂していた78年に北イエメンの大統領に就任。90年には統一を実現し、33年にわたり権力を維持し続けた。しかし、1月に退陣要求デモが本格化し、6月には暗殺未遂で重傷を負って治療のためサウジアラビアに出国。一時は「事実上の亡命」との観測もあった。3カ月後の9月に帰国したが、後ろ盾だったサウジアラビアや米国などからの辞任圧力は強まるばかりだ。

 首都サヌアで10月21日に開かれた大統領派の集会。サレハ氏を支持する数万人が集まった。支持者の一人、ハーリド・アブドルハニさん(36)は「イエメンの統一を維持してきた功績がある。野党は過激すぎる。後継者は選挙で選ぶべきだ」と話す。

 サレハ大統領の権力基盤は、自身が所属する部族連合のハシド族だ。イエメンの3大部族連合の一つで、「イエメンの支配者にはハシド族出身であることが条件」ともいわれる。07年に亡くなった部族長のアブドラ・アフマル氏は大統領の有力支持者。イエメン政治に詳しいサヌア大のアデル・ショガー教授は「サレハ氏は権力と金の分配で、部族、宗教関係者、実業家を取り込んだ」と解説する。

 反大統領派のアナリスト、アブドルガニ・エリヤニ氏によると、サレハ氏は95年ごろから省庁幹部を実務家からハシド族などの部族幹部に置き換えた。自身の権力基盤強化に、有力部族の取り込みが重要と考えたようだ。米欧や周辺国にはテロ対応の必要性などを説き、財政支援や支持を引き出すなど巧みな外交も展開した。

 しかし、サレハ氏の治世が長引く中、ハシド族の中にもサレハ氏への不満が生まれた。サレハ氏に04年ごろから、部族の権限を自らの家族や親族に移す傾向が出たためだ。特に自身の後継とされる長男のアフマド氏を共和国防衛隊に据えたことは、家族による「サレハ王朝」確立の兆しと受け止められた。

 結局、ハシド族や実務家がサレハ氏から距離を置くようになり、長年の支持者だった国軍のモフセン将軍やアフマル氏の息子で有力実業家のハミド氏が離反。「アラブの春」を契機に「体制内部の権力闘争」(エリヤニ氏)が始まったのだ。

 部族社会を知り尽くし、部族社会を権力維持に利用したサレハ氏。家族による「王朝」確立を画策したことが、権力基盤を動揺させつつある。

    ◇

 中東の民主化運動「アラブの春」の影響で、サレハ・イエメン大統領の退陣を求める若者たちの活動が始まって約9カ月。迷走する「革命」の今を報告する。【サヌアで和田浩明】

毎日新聞 2011年11月3日 東京朝刊


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板