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文部スレ

1とはずがたり:2005/05/22(日) 12:54:46
教育一般。

文部科学省
http://www.mext.go.jp/

1907とはずがたり:2012/03/14(水) 15:13:18

15歳の春・異変:高校受験の現場から/上 首都圏「脱ゆとり」鮮明
http://mainichi.jp/life/today/news/20120215ddm002100030000c.html

 「気を抜くな!」。講師が生徒にハッパをかける。埼玉県の公立高入試まで1カ月に迫った1月下旬。大手進学塾「市進学院」の教室(さいたま市)では、トップ校を狙う受験生が夜遅くまで練習問題に取り組む。貪欲に点を取るための指導。緊張感が漂う。

 埼玉県は2年前から全員に学力検査を課し、今春から前後期2回あった試験を3月初旬の1回だけに減らす。「生徒はストレスを抱えている」と講師。男子生徒(15)は「後がなくなるのは怖い」と不安げな表情だ。

 3年前までは4割の生徒が、調査書や面接による前期入試で合格を決めていた。学力検査は後期のみ。高校側の不満が募った。「学力検査を経ない生徒は中学の学習が身についていない」。中学側は「受験が長引くと授業に集中できない」と訴えた。県教委が出した答えが「学力検査一発勝負」だった。

 首都圏で「学力重視」の流れが止まらない。

 神奈川県も来春から、調査書や面接の前期試験を廃止。原則全員に学力検査と面接を課す一発勝負にする。「ゆとり教育」からの脱却を目指す新学習指導要領(中学12年度完全実施)に沿う変更だ。今は半数が学力検査のない前期試験で合格している。

 千葉県でも昨春から、調査書と面接中心の「特色化選抜」をやめ、原則全員に学力検査を課した。共通するのは高校側の「学力低下の懸念」だ。

 「学力検査なしで入った生徒の中には授業に身が入らず、ついて来られない子が目につく。中退してしまう生徒もいた」。埼玉県の公立高教諭の実感だ。

 東京都は学力検査なしの推薦入試を維持し、定員の4分の1を採っているが「今後の方針は検討する」と含みを持たせる。

 「市進学院」を展開する「市進」の勝見正彦企画部長は「学力重視で分かりやすい実力勝負を求めるのが世論の流れ。テストで決める方が歓迎されるのだろう」という。

 知識偏重でなく生徒の個性や特長も見る「入試の多様化」が始まって四半世紀。この間、中学の内申書は「5」や「4」の生徒の割合を決めない「絶対評価」に切り替わり、部活動の活躍や生徒会活動も点数化され入試合否の判定材料になった。文部科学省は、学習内容を厳選した指導要領を導入した。

 だが「ゆとり教育」は「学力低下を招く」と批判され、文科省は「学力重視」の指導要領にかじを切った。そして「ペーパーテスト」への回帰。入試改革の振り子は逆に振れ始めた。

    ◇

 学力試験の再評価、人気校への極端な志望の偏りなど「15歳の春」の現場で起きている「異変」を報告する。

毎日新聞 2012年2月15日 東京朝刊

1908とはずがたり:2012/03/14(水) 15:13:43

15歳の春・異変:高校受験の現場から/中 大阪府立高改革 「顧客」重視で二極化
http://mainichi.jp/life/edu/exam/news/20120216ddn002100046000c.html

 2月10日午前8時。いてつく寒さの中、私立興国高校(大阪市天王寺区)の正門に続く歩道は受験生で埋めつくされた。定員350人に1572人が志願。今春、大阪府内の私立男子校で4・49倍と一番人気だ。中学生を引き付けるのは公務員試験に備える普通科キャリアトライコースやITビジネス科。「確かな就職」が売りなのだ。

 キャリアトライコースに合格した益戸優(ますとすぐる)さん(15)は「府立高も考えたが、警察官になるため、公務員専門のコースがあるこの高校を選んだ」。中学の成績も優秀、特待生に認められる予定で「母子家庭なので助かる」と喜んだ。

 進学コースもある同校の草島葉子副校長は「就職を考えると高卒後に専門学校に行くより経済的。明確な目標設定が人気につながった」と分析する。

 府は昨春から、政府の公立高校授業料無償化と連動し、私立高でも年収610万円未満の世帯を無償化の対象にした。私立高は人気が高まり、生徒を取られた府立高は、普通科の試験がある後期日程で107校中41校が定員割れとなる非常事態に。「就職に有利」「難関大進学」と分かりやすい私立のPRに府立が負けたのだ。

      ◇ 

 「エンドユーザーである受検者(受験生)の動向を踏まえて(入試制度を)改善する」

 1月、大阪府教委が公表した公立高入試改革の資料に衝撃的な文言が登場した。府内のある市教委幹部は「『エンドユーザー(末端顧客)』って……。それで教育の質は保てるのか」とうなった。

 府教委は「早く進路を決めたい受検者ニーズ」を敗因に挙げ、試験日が早い私立高よりさらに早く入試を設定する対抗案も一時検討。「顧客」のニーズに合わせる作戦だが、府立高の中身でなく日程の前倒し。「それでは3学期が成り立たない。日程変更では何も解決しない」とある市教委の担当者は頭を抱える。

 府立高「負け組」の共通点は、明確なPRポイントの欠如だ。橋下徹大阪市長が率いる「大阪維新の会」の教育基本条例案の修正案では、3年連続で定員割れした高校が再編・整備の対象になる。10年度1・01倍から11年度0・51倍に急落したある府立高では、6学級募集した1年生が4学級となり、硬式野球部が単独でチームを組めなくなった。1・06倍から0・76倍になった府立渋谷(しぶたに)高(大阪府池田市)は、部活と進学の両立が魅力だが、嶽(だけ)幸三校長は「やっぱり『インパクト』なのかな、と思う」と決め手不足を認める。府立の中でも超難関大を目指す進学指導特色校10校の文理学科は3倍を超える人気を博し、生き残る道を示唆する。

 維新圧勝の町で進む「消費者」重視の教育改革は、混乱の中、高校の二極化をもたらしつつある。

毎日新聞 2012年2月16日 大阪朝日

1909とはずがたり:2012/03/14(水) 15:15:25
>>1907-1909

15歳の春・異変:高校受験の現場から/下 学び直しに「狭き門」
http://mainichi.jp/life/edu/news/20120217ddm002100067000c.html

 東京・江戸川の区民施設に毎週火曜日、明かりがともる。貧困や複雑な家庭環境を抱えた中学3年生らが「高校に行きたい」と勉強に来るのだ。

 「江戸川中3勉強会」は25年前、区役所で生活保護を担当するケースワーカーが始めた。今では教員志望のボランティアも加わり、毎回2時間、10人ほどの生徒にマンツーマンで指導する。

 厳しい家庭事情の中で、親の目は届きにくく子供の生活は不規則になり、勉強からの逃避や不登校になる。

 勉強会の生徒も、勉強の基礎がまったくない▽通知表はオール1▽朝起きられない−−とさまざま。ピアス、マニキュア、金髪など派手な風貌の子もいるが、問題が解けるとかわいい笑顔を見せる。

 彼らが目指すのは、不登校経験者らに対応するチャレンジスクールや昼夜間定時制の都立高だ。イメージは「広き門」。だが、今年の志願倍率は2・3〜2・7倍。ここ数年、ほぼ全校が2倍以上を記録。年によっては4倍を超える「難関」だ。「中レベルの高校を狙える子供たちが安全志向で志望を下げているようだ。厳しい戦いです」。勉強会のスタッフで江戸川区職員の若井田崇さん(39)の表情は険しい。

 朝起きられないという女子生徒は「中卒だと仕事に就けるか不安。定時制で料理を勉強し、将来につなげたい」と屈託がない。出遅れていても、高倍率でも、高校に入って未来を開きたいのだ。

    ◇

 貧困世帯の中には、母子家庭や親が重い病を得ているケースも少なくない。中学生は進学に現状脱却を夢見るが、生活保護受給世帯の進学率からは多くの生徒が「学び直し」のスタートラインにも立てない実態が浮かぶ。

 05年4月の生活保護基準改定で高校就学費が生業扶助の一つに位置付けられ、子供を高校に進学させやすくなった。だが、保護世帯の高校等進学率(10年度)を見ると全国平均は87・5%、東京都が89・9%。全体の平均(全国、東京都とも98%)を下回る。

 江戸川の勉強会にかつて参画していた「こども教育宝仙大学」(東京都中野区)の宮武正明准教授(児童福祉論)は「中卒では仕事に就けても職場の定着率は低い。結果的に貧困の再生産をもたらす」と言う。彼らこそ高校進学が人生に重い意味を持つのに、立ちはだかるのは入試の壁だ。

 東京都教委の永井利昌・都立高校改革推進担当課長は「チャレンジスクールや昼夜間定時制の高倍率は問題意識を強く持っているが、具体的な絵は描けていない」と釈明する。

 都教委は2月9日の定例会で「これらの学校の適正な規模と配置について、組織を設置して検討する」とした。「学び直し」の道の確保は、待ったなしだ。(この連載は遠藤拓、福田隆、田中博子が担当しました)

毎日新聞 2012年2月17日 東京朝刊


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