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文部スレ
1909
:
とはずがたり
:2012/03/14(水) 15:15:25
>>1907-1909
15歳の春・異変:高校受験の現場から/下 学び直しに「狭き門」
http://mainichi.jp/life/edu/news/20120217ddm002100067000c.html
東京・江戸川の区民施設に毎週火曜日、明かりがともる。貧困や複雑な家庭環境を抱えた中学3年生らが「高校に行きたい」と勉強に来るのだ。
「江戸川中3勉強会」は25年前、区役所で生活保護を担当するケースワーカーが始めた。今では教員志望のボランティアも加わり、毎回2時間、10人ほどの生徒にマンツーマンで指導する。
厳しい家庭事情の中で、親の目は届きにくく子供の生活は不規則になり、勉強からの逃避や不登校になる。
勉強会の生徒も、勉強の基礎がまったくない▽通知表はオール1▽朝起きられない−−とさまざま。ピアス、マニキュア、金髪など派手な風貌の子もいるが、問題が解けるとかわいい笑顔を見せる。
彼らが目指すのは、不登校経験者らに対応するチャレンジスクールや昼夜間定時制の都立高だ。イメージは「広き門」。だが、今年の志願倍率は2・3〜2・7倍。ここ数年、ほぼ全校が2倍以上を記録。年によっては4倍を超える「難関」だ。「中レベルの高校を狙える子供たちが安全志向で志望を下げているようだ。厳しい戦いです」。勉強会のスタッフで江戸川区職員の若井田崇さん(39)の表情は険しい。
朝起きられないという女子生徒は「中卒だと仕事に就けるか不安。定時制で料理を勉強し、将来につなげたい」と屈託がない。出遅れていても、高倍率でも、高校に入って未来を開きたいのだ。
◇
貧困世帯の中には、母子家庭や親が重い病を得ているケースも少なくない。中学生は進学に現状脱却を夢見るが、生活保護受給世帯の進学率からは多くの生徒が「学び直し」のスタートラインにも立てない実態が浮かぶ。
05年4月の生活保護基準改定で高校就学費が生業扶助の一つに位置付けられ、子供を高校に進学させやすくなった。だが、保護世帯の高校等進学率(10年度)を見ると全国平均は87・5%、東京都が89・9%。全体の平均(全国、東京都とも98%)を下回る。
江戸川の勉強会にかつて参画していた「こども教育宝仙大学」(東京都中野区)の宮武正明准教授(児童福祉論)は「中卒では仕事に就けても職場の定着率は低い。結果的に貧困の再生産をもたらす」と言う。彼らこそ高校進学が人生に重い意味を持つのに、立ちはだかるのは入試の壁だ。
東京都教委の永井利昌・都立高校改革推進担当課長は「チャレンジスクールや昼夜間定時制の高倍率は問題意識を強く持っているが、具体的な絵は描けていない」と釈明する。
都教委は2月9日の定例会で「これらの学校の適正な規模と配置について、組織を設置して検討する」とした。「学び直し」の道の確保は、待ったなしだ。(この連載は遠藤拓、福田隆、田中博子が担当しました)
毎日新聞 2012年2月17日 東京朝刊
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