新システムの改良点は2つある。まず、変換回数を減らしたこと、次に、各サーバが個別に電源を備えるのはなく、電源を1本化したことだ(図3)。変換回数が3回から1回に減ったことや、サーバ電源の集中化を進めたことで、電力効率を改善できた。「サーバ電源を集中させたDC SERVER RACK SYSTEMでの変換効率は95%である」(NTTデータ)。
CO2を回収・貯留する「CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)」は将来の石炭火力発電に欠かせない重要な取り組みである。日本とオーストラリアの官民共同事業として2008年に始まった「カライド(Callide)酸素燃焼プロジェクト」が成果を挙げて2015年2月末に完了した。
結論から申し上げると、日本の電気料金は諸外国と比較しておおよそ真ん中あたりです。電力中央研究所がIEA Energy Prices and Taxesをもとに、日本を含めた10か国(カナダ・デンマーク・フランス・ドイツ・イタリア・韓国・スペイン・英国・米国)の電気料金を比較しています。2013年の為替レート(1ドル=97.6円)で換算した結果、日本は高い方から5番目で、1kWhあたり約24円。1kWhあたり40円近い電気料金のドイツやデンマーク、1kWhあたり10円程度と安い韓国やカナダの中間に位置しています。実は、日本の電気料金は1990年代は世界と比較するとかなり割高な水準にありました。その後、燃料コストが上昇していく中でも、電力会社の経費削減や新たな設備投資の抑制で燃料コストを吸収し、電気料金単価は2010年までは徐々に値下がりしています。その後は値上がり傾向にありますが、諸外国と比べて割高といわれた電気料金は落ち着きをみせています。
諸外国の中で、ヨーロッパ各国の電気料金は2000年に入って右肩上がりに上昇傾向にあります。中でもドイツや英国は2000年から2013年にかけて電気料金は2倍になっていますし、イタリアやスペインも50%以上の値上がりとなっています。一方で同じヨーロッパでも、フランスはそれほど値上がりしてませんし、米国、カナダ、韓国の電気料金は非常に緩やかな上昇にとどまっています。
3社が建設する石炭火力発電所は出力200万kW(キロワット)を予定している。石炭火力の発電方式の中でも効率が高い「超々臨界圧(USC:Ultra Super Critical)」を採用する。5月1日に3社が共同でSPC(特別目的会社)を設立して、建設工事に向けた環境影響評価(アセスメント)のプロセスに入る(図2)。運転開始は2020年代の半ばを予定している。