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高速道路・地域高規格道路・自動車専用国道
3348
:
荷主研究者
:2014/12/29(月) 15:28:53
http://www.yomiuri.co.jp/national/20141222-OYT1T50062.html
2014年12月22日 16時58分 読売新聞
国道急カーブ、名は「Ω」…なぜこんなルートに
急カーブを注意する看板が設置されたΩカーブ区間(名阪国道で)
名阪国道を車で走っていると、いつも奈良県天理市の福住―天理東インターチェンジ(IC)間で連続している急カーブに緊張させられる。
一般に、その形状から「Ωオメガカーブ」と呼ばれているという。なぜこんなルートになったのだろうか。
「この先下り坂 急カーブ連続」。こんな注意喚起の看板が何度も目に留まる。下り坂に入ると車のスピードが制限速度の時速60キロを超えそうになり、ブレーキを踏んだ。急な左カーブを前にすると自然とハンドルを握る手に力が入った。
三重県亀山市から天理市を結ぶ自動車専用道路・名阪国道(73キロ)は、東西交通の大動脈でトラックなどの交通量が多い。Ωカーブ区間は7キロで坂道の最大の勾配は6%。数字が小さいほど急カーブの目安とされている曲線半径150〜300メートルのカーブが続く。
道路を管理する近畿地方整備局奈良国道事務所(奈良市)を訪ねると、道路の縦断図が示された。Ωカーブ区間は大和高原にあたるため、急傾斜地で東西の高低差が270メートルあった。
「直線道路で設計すれば、10%以上の急勾配になってしまう。勾配を緩やかにする距離を稼ぐために、Ω形のルートになっているのです」と藤本昭彦副所長が教えてくれた。日本道路協会などが定めた1963年の構造基準で、安全面から名阪国道の勾配は6%以下に抑える必要があった。
説明を聞いて納得はした。しかし、「トンネルにすれば良かったのでは」と新たな疑問が生まれた。
同国道は63年4月に着工し、65年12月に完成。「千日道路」と呼ばれた突貫工事だった。高度経済成長期で、急増する車に対して道路整備が遅れている背景があり、早期完成が求められた。藤本副所長は「当時のトンネル技術では、開通に膨大な時間と費用を要したため、現実的ではなかったのではないか」と推測する。
一方、Ωカーブ区間は交通事故多発地帯としても知られる。同事務所が管轄する同国道の31キロ区間で、昨年度に起こった交通事故は146件。このうち、Ωカーブ区間の件数は63件。1キロあたりの事故発生率では他の区間の3倍も多かった。
営業車でよく通るという奈良市の会社員男性(36)は「下り坂ではアクセルを踏んでいないのに速度が上がる。遠心力で危うくカーブを曲がり損ないそうになることもあった。猛スピードの大型車も多く、通行するときは緊張する」と話す。
県警によると、Ωカーブ区間でけが人が出た事故は2009年〜14年9月末で71件。追突が42件と最も多く、単独も16件あった。県警交通企画課は「車間距離が短いことが事故の主な原因になっている。急カーブで視界が狭くなるので速度を落とし、前方に注意してほしい」と呼びかける。
冷え込みが厳しくなってきた。大和高原を通過する同国道には標高500メートルの高地を走らなくてはならない区間もある。平野部では雪が降っていなくても、高い場所では積雪や凍結している可能性があり、冬用タイヤやタイヤチェーンの装着が必要になる。
ドライバーの皆さんには、十分な準備と安全運転を心掛けてもらいたい。(岡田英也)
2014年12月22日 16時58分 Copyright c The Yomiuri Shimbun
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