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国際関係・安全保障論

5065とはずがたり:2018/12/18(火) 11:17:25
>>5064

海外では実績アリ、浸水被害に出動したAAV7

 海外では、AAV7で救援活動を行った実績がすでにあります。最近では、2015年8月に米国南部を襲ったハリケーン「カトリーナ」により水没した、ルイジアナ州ニューオーリンズで、第4海兵師団のAAV7が救難捜索と物資輸送で冠水地域を動き回りました。またその後、2017年8月から9月にかけてハリケーンによる洪水被害を受けたテキサス州ガルベストンなどでも、同師団のAAV7が救援に従事しています。

 アジアに目を転じてみると、2010(平成22)年9月、台風「Fanapi(台湾名『凡那比』)」によって冠水した台湾南部の高雄市において、台湾海兵隊のAAV7が住民救出のために出動しています。

 AAV7なら水深に関係なく活動でき、さらに泥水などで障害物が多かったり、瓦礫が漂っていたりするなどして水底が不明、もしくは危険な状況であったとしても、ある程度安全に進むことが可能です。


 ただし、日本の場合、洪水に対してすぐさまAAV7の出動が可能となるわけではなく、そもそも自治体から防衛省・自衛隊に災害派遣要請が出ているのか、もしくは自主派遣の判断に足り得る大規模災害なのか、冠水していたとしても私有財産を壊した際に免責となるのかなどのハードルがあるのです。

活用するには運用上のハードルも

 また現状では、AAV7は大分県玖珠(くす)町の玖珠駐屯地や長崎県佐世保市の相浦駐屯地にしか配備されていません(ほか、茨城県土浦市の陸上自衛隊武器学校に教育用の1両が配備されている)。さらに、出動するにはそれを運ぶための運搬車や輸送艦が必要となります。

 緊急時、高速道路や国道で繋がっている場所へ救援部隊を派遣するには、あえてAAV7である必要がなく、それならば即応性に優れるヘリコプターなど、ほかの装備が優先されるのはいうまでもありません。またボートならば全国各地の駐屯地、部隊に配備されているため、そうなるとヘリコプターやボートでの派遣が、今後もメインになると推察されます。そのため現状では、AAV7は部隊派遣の難しい離島や、東日本大震災クラスの超大型災害に限定されそうです。

 それでも所有する装備を災害派遣にも対応できるよう、日頃から訓練しておく必要はあるため、「みちのくALERT2018」のような実動演習は必要でしょう。

 AAV7の使い道を、離島防衛のみに限定するのは宝の持ち腐れです。AAV7導入の賛否はともかく、せっかく導入した装備ならばそれを最大限有効活用すべきなのはいうまでもありません。

 離島の災害救援や水没地域の救難活動に使えるよう、AAV7の運用方法を防衛省・自衛隊には確立してもらいたいものです。

月刊PANZER編集部


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