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国際関係・安全保障論

4006とはずがたり:2016/08/05(金) 23:18:37
>>4005-4006
北朝鮮がそうした兵器を使う直接的な野望を持っているとは限らない。外部アナリストの大半は、そのような兵器を望む真の本当は、外国がイラクのような体制変革を考えるのを思いとどまらせることだと見ている。それでも秘密の多い国について科学的にしっかりとした予測を立てるのは、ほとんど不可能であり、近隣諸国が警戒したくなるのも無理はない。

こうした背景からすれば、米国が自国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備を決めたのは、全くもって納得がいく。しかし、そのようなシステムは防衛を目的にしているにもかかわらず、それ自体が緊張を高めてしまう。

そういった意味で現在は、北朝鮮の当局や機関に新たな制裁を課すにはベストな時期ではないのかもしれない。制裁を受け北朝鮮は、国連を通じて唯一残っていた米政府との外交ルートを断絶させると表明した。短期的に考えれば、現在北朝鮮に拘束されている2人の米国人をめぐる状況は悪化するだろう。長期的に見ても、あらゆる危機への対処は困難になるだろう。これが良いことであるはずはない。

北朝鮮を扱う鍵は、同国唯一の支援者である中国だ。中国が北朝鮮をコントロールする能力は常に限定的で不完全ではあるが、経済などの面では影響力を有している。

問題は中国が、近隣諸国や米国との関係を急速に悪化させていることだ。中国との全面的な紛争が起こる可能性は、北朝鮮をめぐる限定的な戦争が勃発するよりも低いが、破壊的なものにはなるだろう。

世界有数の貿易・輸出大国である中国は、北朝鮮のような国際的孤立を望んではいないだろう。しかし、同国には大いなる野望や増大しつつある軍事力、そして国内での正当性を保つため、かつてないほどの地政学的な力を求める政府が存在しているのだ。

南シナ海めぐる裁判所判決は間が悪い

その点で、南シナ海の管轄権をめぐってハーグの国際仲裁裁判所が今週下した決定は、良くない意味でターニングポイントのようなものになるかもしれない。中国は決定には妥当性がほとんどないと主張し、仲裁手続きを受け入れない姿勢を示した。

だが、大半の諸国はこの問題を真剣に捉えている。そして裁判所は容赦なく、南シナ海に関する中国の主張をほとんど退けた。

中国が、論議の対象となっている島や浅瀬に配備している部隊を近いうちに撤収させる公算はほとんどない。しかし、仲裁裁判所の決定を受けフィリピンなどの国々が自信を強めてアグレッシブになれば、結果として、情勢はひどく不安定になるかもしれない。

悪いことばかりとも限らない。仲裁裁判所は中国がフィリピンの領有権を侵害したと結論づけたものの、スカボロー礁のように論議を呼んだ地域のいくつかに関しては、漁業権などを共有する余地もあることを示唆した。これは協力に向けた道を提供したかもしれないし、逆に対立を起こりやすくしたのかもしれない。

専門家は「欧州の方が危ない」と見ているが

主要な国家安全保障専門家を対象に昨年実施された調査によると、米中間で戦争が起きるリスクは、北大西洋条約機構(NATO)とロシアとの間に比べれば低いとされた。おそらく現在でもそうだろう。

だが、フィリピンや日本、ベトナムといった米国の同盟国は、自国が戦争に巻き込まれるリスクは(欧州よりも)かなり高いと見ているだろう。

平和が合意に基づくものであるのならば、今年アジアに旅行するのは、まったく得策ではないようだ。

著者のピーター・アップス氏はロイターのグローバル問題のコラムニスト。シンクタンク「Project for Study of the 21st Century(PS21)」の創設者でもある。このコラムは同氏個人の見解に基づいている。


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