したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

国際関係・安全保障論

3693とはずがたり:2016/03/11(金) 00:39:07
>>3690-3693
(3)韓国では「高句麗時代(BC37年?〜AD668年)に中国東北部は我が国の領土だったが、中国に奪われた」との“愛国的”歴史教育が行われているから、もし国境地帯での小競り合いや、朝鮮族の騒乱が起これば、統一で意気上がる韓国人の中に「失地回復」を後押しする世論が盛り上がりかねない。

(4)北朝鮮軍の総兵力は米、韓国軍の推定で119万人。その大半は徴兵だから統一後には帰郷させるとしても、職業軍人である士官、下士官を一斉に解雇しては、日韓併合で失業した元韓国軍人が反日「義兵」となりゲリラ化したような危険の元だから、彼らは韓国軍に吸収する必要がある。そうなれば韓国軍は今日の49万人から60万人程度に増大しそうだ。東北3省の中国軍約20万人に対して人数で3倍になり、装備、訓練も中国軍にまさっている。航空優勢も韓国空軍が確保しそうだから、国境地帯で紛争になれば中国軍は少なくとも短期的には苦しい。

(5)統一時に北朝鮮の核施設などは破壊するとしても、核やミサイルの技術者は残るから、韓国はそれを吸収し潜在的な核兵器、長距離ミサイル開発能力を高めることにもなりそうだ。

 などが考えられる。

北朝鮮が崩壊すると韓国経済も共倒れとなる
 他方、韓国にとっても統一は民族の悲願であっても現実には災厄となる公算が大だ。東西ドイツの統一と比較しても状況は格段に悪い。

(1)1990年のドイツ統一の際には、西独の人口が6036万人、東独が1666万人。3.6対1の比率で、約4人が1人を助ける形だったが、今日の韓国は4911万人、北朝鮮は2498万人でほぼ2:1の比率だ。

(2)統一前の東独の1人当たりGDPは約6000ドルと推定されていて、ソ連圏の東欧では最も豊かな国だったが、北朝鮮のそれは国連の推計で2014年に696ドル、世界213ヵ国中197位の最貧国だ。

(3)西独は当時対外純債権3584億ドルを持つ世界最大の債権国だったが、統一の負担で、それをほぼ使いはたした。韓国は長く純債務国で、2014年末にはじめて対外債権が対外債務を上回る純債権国になったばかりで西独のような余裕はない。

(4)韓国の全国経済人連合会が国内の経済研究所や証券会社の専門家20人にアンケートした結果を2010年9月に発表したが、それによれば統一の費用は少なくとも3500兆ウォン(約350兆円)で韓国の2015年のGDP1561兆ウォンの2.2倍に当たる。

 これらの要素を見れば北朝鮮の崩壊は韓国経済の共倒れを招く公算はきわめて高い。日本にとっても韓国への投資、融資が不良債権化し、復興への巨額の援助を求められかねない事態となる。

 北が崩壊しても韓国は統一をせず、穏健な新政府が生まれてくれれば、それに援助だけを行うことも理論上は考えうるが、南北の境界線を警備している北朝鮮軍が機能停止の状態になれば、難民が大挙越境して南に雪崩れ込む事態が起こりそうだ。韓国軍がそれに対し発砲して流入を防ぐことはできないし、現在の体制が崩れれば北朝鮮内の混乱も多分不可避だから結局は嫌でも統一するしかないのでは、と思われる。その場合、北朝鮮の住民は韓国籍になるが、日本は韓国人のビザなし渡航を認めているから難民の流入も起こりうる。

 韓国の呉俊(オ・ジュン)国連大使は制裁決議の採択後「今回の決議は北朝鮮市民の生活を圧迫するものではなく、核開発を断念させるためのものだ」と語ったが、これも「北朝鮮の核開発はやめさせたいが、崩壊はさせたくない」という現実を示しているようだ。

 実は周辺諸国が「北朝鮮に潰れられては皆が迷惑」と思っていることこそが北朝鮮にとって最大の「抑止力」であり、核兵器や弾道ミサイルは体制維持に不要、有害であることを納得させるのが安全保障の良策ではないか、と考えざるをえない。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板