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国際関係・安全保障論

3542とはずがたり:2015/11/30(月) 14:57:35
>>3541-3542
 当時はレーダーの性能も低く、迎撃戦闘機のレーダーでは自機より低い位置の物体を捉えられない(地面と区別がつかない)といったこともあり低空侵入による核攻撃は脅威だった。しかし21世紀のNATOや米軍の最新レーダーにかかっては、空対空ミサイルの「大きなマト」でしかない。そもそもソ連崩壊までに完成した機体はわずか約35機で、そのあとは工場の生産ラインも閉鎖。そんな旧式機を再生産することに欧米からは信憑性を疑う声も出ている。

 戦車に至っては性能上、西欧側に及ばないことは明白。90年代の湾岸戦争でイラクが使用したT-72などのソ連製戦車が、米国のM-1戦車などにあっけなく撃破された当時から現在まで、爆発反応装甲を外付けするなどの改良はあったが、空からの攻撃に脆弱な点については改善がない。

 しかも“敵”のウクライナ領内には、旧ソ連時代からの有数の戦車生産地にして重工業都市の「ハリコフ」があり、戦車の量や質で圧倒するのは無理がある。

西側も心許ない装備

 こうして見るとロシア軍装備の旧式ぶりが目立つが、実は西側も問題を抱えている。最大のネックは主力戦闘機「ユーロファイター・タイフーン」の製造不良だ。

 ユーロファイターは英独伊西の欧州4カ国が共同開発した「欧州標準戦闘機」ともいえる最新鋭戦闘機で、現在も性能向上型の生産が続けられている。ところが昨年秋、見逃せない欠陥が明らかになった。

 ユーロファイターを運用している英空軍やドイツ国防省によると、製造時に胴体後部に開けたリベット用の穴の位置がずれていたうえ研磨も不十分で、強度不足から事故につながりかねない欠陥があると判明。ドイツ空軍では同型機の年間飛行時間を現行の3000時間から1500時間に減らすと決めた。今年2月には、ドイツ空軍のユーロファイター106機のうち、修理などで使えない機体が続出。任務に使えるのは半数以下の42機という状態に陥った。

 かつて七つの海を支配すると言われた英国も、軍事面では心許ない。82年のフォークランド紛争で通常空母の重要性を再認識した英国は、ようやく99年に新型空母「クイーンエリザベス級」の建造計画に着手。基準排水量4万トンという英海軍史上最大の軍艦が誕生する予定だった。

 ところが予算の都合と搭載機F-35の製造遅延から計画は延期と変更を繰り返し、結局完成するのは来年以降となる。

 そしてフランス唯一にしてNATOでまともに運用できる唯一の空母「シャルル・ド・ゴール」は、過激組織「イスラム国」を制圧するため、ウクライナから遠く離れたペルシャ湾に展開中だ。このため大西洋をはさんだアメリカが動き、8月24日には米国空軍が近く欧州にステルス戦闘機F-22ラプターを派遣すると発表した。

「ない袖は振れない」東西

 冷戦期、核兵器による放射能で汚染された地上でなお戦い続けることが可能な恐ろしい兵器を擁していた東西両陣営の姿は今はなく、互いに「ない袖は振れない」状態にある。

 そして、この隔靴掻痒な状態を覆した方法も、実に「大国」らしかった。

 フランスAFP通信によると、プーチン大統領は6月「核戦力として40発の新型大陸間弾道弾を配備する」と明言。ウクライナという局地的な問題ではなく、西欧を標的にした核兵器でプレッシャーをかけた。米国も対抗する形で9月下旬、ドイツ南西部ラインラント・プファルツ州のドイツ空軍基地に、戦闘爆撃機に搭載できる核爆弾B61の配備計画を発表した。

 最後は「核による均衡」で平和を保つあたり、結局は冷戦時代から何も変わっていないのかもしれない。


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