したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

国際関係・安全保障論

2432とはずがたり:2010/05/27(木) 11:14:55
>>2431-2432
◇「長寿と子宝の島」を歩いた

 ■支配アレルギー/■要は金/■分断つらい

 当初普天間飛行場の移設候補地に挙げられた鹿児島県・徳之島。政府は沖縄県内での移設を表明したが、訓練移転の受け入れを求める圧力が消えたわけではない。島の人々の声が聞きたくて、「長寿と子宝の島」を歩いた。

 奄美諸島で2番目に大きい徳之島は、鹿児島空港からプロペラ機で約1時間。人口約2万6000人。車で1周約2時間半の小さな島で、3町で構成されている。

 徳之島空港を抱える天城町中心部。「商売に差し支えるから答えたくない。帰ってほしい」と女性店主に取材を嫌がられた。続いて訪ねた店も「ここは空港が近いからみんな神経質になっている。小さな町だから『あの店は賛成派(反対派)』といううわさが広がり、不買につながる」という。想像以上にピリピリした空気だ。50代の別の女性店主は「移転には絶対反対。島民の所得は低いが、もっと大切な人同士のつながりや自然がある。賛成派の店はやっていけなくなるのでは」と不快そうに話す。

 島の中心市街地がある徳之島町、南部の伊仙町。至る所に移設反対の看板が掲げられる。女の子を持つ親や若い女性は「治安が心配。沖縄で問題になっているような、米兵による暴行事件が怖い」と口をそろえた。2人の娘を持つ男性(27)は「もうどちらでもいい。もし海兵隊が来れば鹿児島に引っ越す」とあきらめたような口調だ。

 徳之島は戦後、1953年の本土復帰までアメリカ軍政下に置かれた。女性(75)は「終戦のころ学校の近くを米軍機が飛んで怖かった。基地などがあれば攻撃を受ける」と話す。商店で働く女性(34)は「島には薩摩やアメリカに支配された歴史があり、上からの圧力にアレルギーがある」と語気を強めた。

 一方、受け入れ賛成の声も少なからずあった。中古車販売業の男性(64)は「島の経済はもうどうにもならない。観光と自然だけで飯は食えない」と、沖縄並みの振興策を期待する。畜産業の男性(61)は「要は金。商売人の多くは本当は賛成ではないか」。

 滑走路拡大などで恩恵を受けるとされる建設業界。50代の男性は「奄美群島振興開発事業(奄振)が民主党政権になってから3割(約80億円)もカットされた。今後も公共工事が減れば生活できない。本当は賛成だが、この雰囲気では『中立』としか言えない」と打ち明けた。

 最後に訪ねた建設会社。50代の男性は「賛成に回る同業者の気持ちも分かるが、それでも自分は島を守ることを優先したい。でもこれ以上仕事が減れば気持ちが揺らぐかも。平和な地域が分断されるのが一番つらい」と唇をかんだ。

 徳之島3町の借金(公債)約250億円の棒引きなどのアメをちらつかせ、奄振削減で膨らむ不安につけこむような政府のやり方は、住民同士のつながりも、個人の心も引き裂きつつある。鳩山首相は27日、全国知事会で訓練移転の受け入れを求める方針だ。徳之島の苦しみは、いつ誰の身に降りかかってもおかしくない。

==============
 ◇「特集ワイド」へご意見、ご感想を

t.yukan@mainichi.co.jp

ファクス03・3212・0279

毎日新聞 2010年5月26日 東京夕刊


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板