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国際関係・安全保障論

1646とはずがたり:2008/08/10(日) 13:55:02
>>1645-1646
 ◇欧米、事態収拾急ぐ 原油供給の停止を懸念

 欧米はグルジアに合同使節団を派遣、事態収拾を急いでいる。背景には、同国の戦略的な重要性と、エネルギー安全保障を巡るロシアとの確執がある。グルジアは、ロシアを迂回(うかい)してカスピ海の原油を地中海に運ぶ「BTCパイプライン」の経由地で、情勢が悪化すれば欧州へのエネルギー供給がストップしかねない。グルジアの経済発展相は9日、「ロシア軍機がパイプラインを狙って攻撃したが、外れた」と述べた。

 ブッシュ米政権は、親米路線を取るグルジアのサーカシビリ政権に、対テロ訓練を目的として、軍・文民の顧問団約130人を派遣、軍事的な関係を緊密化させている。ロシアの影響力低下につながるBTCパイプラインの実現にも尽力した。米国は、南オセチア紛争がサーカシビリ政権の弱体化につながることを憂慮し、グルジアの「領土の一体性」を外交的に支援する姿勢を鮮明にしている。

 北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)が旧東欧・旧ソ連諸国を吸収する形で東方に拡大した結果、グルジアは欧米とロシアの勢力圏争いの最前線となった。南オセチアの軍事衝突も、NATO、EU加盟を目指すグルジア政府を欧米が後押しし、南オセチアの分離独立派をロシアが支援する形で「代理戦争」の様相を呈している。

 今のところ国連安全保障理事会でも、欧米とロシアは互いの主張をぶつけ合う状態だ。双方の覇権争いが絡むだけに、紛争解決の道は容易ではない。【ワシントン小松健一、ブリュッセル福島良典】
 ◇福田首相「憂慮」

 福田康夫首相は9日、長崎市内で会見し、「現在の事態をたいへん憂慮している。事態がこれ以上悪化することのないよう、すべての当事者が自制し、和平協議のテーブルに着くことが必要だ」と語った。【木下訓明】
 ◇全面戦争発展は両国とも望まず−−廣瀬陽子・静岡県立大准教授(国際政治・カフカス地域研究)の話

 グルジアのサーカシビリ大統領はシェワルナゼ前大統領時代に分離独立運動を抑えられなかった地域を奪還する目標があった。五輪に合わせ南オセチア進攻を開始したのは、国際的な注目を集める中ではロシアも大規模な反撃に出にくいとの読みがあったはずだ。

 ただ、戦闘は比較的早い段階での沈静化も考えられる。ソチ五輪成功を最優先するロシアはネガティブな印象を国際社会に与えたくない。グルジアも本気でロシアと戦争すれば苦境に陥ると認識している。ロシアが南オセチアへの後方支援を続け、泥沼化する可能性もあるが、双方とも全面戦争への発展を避けたいのは確かだろう。

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 ◆南オセチアを巡る主な動き◆
1990年末   南オセチア自治州が独立とロシア領への編入を主張し、軍事衝突に発展
  91年 4月 グルジアがソ連から独立宣言
     12月 ソ連崩壊
  92年 6月 露、グルジアが停戦合意
2004年 1月 グルジア大統領に親欧米のサーカシビリ氏就任
  06年11月 南オセチアの住民投票で99%が独立を支持
  08年 2月 コソボ自治州がセルビアから独立宣言
      3月 南オセチア自治州議会が国連に独立承認を求める書簡送付
      7月 露空軍機が南オセチア上空を飛行し威嚇

毎日新聞 2008年8月10日 東京朝刊


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