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国際関係・安全保障論

1■とはずがたり:2003/01/22(水) 12:15
経済畑出身の私の鬼門,外交・安全保障を考える。
適宜,憲法談義・世界経済等もこちらで。

1645とはずがたり:2008/08/10(日) 13:54:35
クローズアップ2008:南オセチア、戦闘激化 グルジア「戦時」宣言
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20080810ddm003030132000c.html
 ◇背後で米露さや当て

 グルジアからの分離独立を求める南オセチア自治州でのロシア軍とグルジア軍の交戦は、拡大の様相を見せている。人口わずか7万人の南オセチアだが、グルジアの地理的な戦略上の重要性やカスピ海の原油供給などエネルギー安全保障問題も絡み、ロシアと欧米がさや当てを演じてきた舞台でもある。それだけに今回の戦闘も、互いに譲れないものとなりかねず、早くも長期化が懸念されている。
 ◇「五輪休戦」できず

 9日付のロシア大衆紙モスコフスキー・コムソモーレツは、1面で「五輪の火(アゴーン)」の見出しの下、ロケット砲を発射する南オセチアの戦闘風景と、北京五輪開会式の写真を並べた。「アゴーン」がロシア語で「聖火」「砲火」の両方を意味することに引っかけたものだ。

 8日の五輪開会式当日の「開戦」は、世界に衝撃を与えた。国連総会で昨年採択された、北京五輪期間中のあらゆる戦闘の停止を呼びかける決議は、初日から踏みにじられた。

 北京を訪れたロシアのプーチン首相は、各国首脳らとの会談で「グルジア側の攻撃で、(南オセチアで活動する)ロシア平和維持部隊の兵舎が被弾した」とロシアが被害者であることを強調した。直後に行われたロシアの軍事介入を、あくまで反撃目的と主張するための布石とみられる。

 分離独立をめぐって90年末から紛争に発展した南オセチアは、オセット人が7割を占める。92年にロシアとグルジアの間で停戦成立後、独立派の政府がロシア平和維持部隊の保護下で実効支配しており、グルジア政府の統治が及ばない地域だ。住民の大半がロシア国籍を取得し、ロシアの下院選や大統領選にも投票できる。国境を挟んで北には同じオセット人が多数を占めるロシア・北オセチア共和国があり、住民はロシアへの帰属意識が強い。こうした実効支配や住民意識を背景に、ロシアは今回、軍事介入の理由として「自国民保護」を挙げた。

 ただ、国際的には独立が認められていない未承認国家。今年2月、コソボのセルビアからの独立宣言を欧米諸国が承認したことで、「なぜ我々の独立は認められないのか」と国際社会へのアピールを活発化させていた。

 グルジアにはもう一つ、独立を求める地域がある。西部のアブハジア自治共和国だ。今回もアブハジアは南オセチアに義勇軍を派遣しており、対グルジアで両者の結束は固い。

 グルジア政権にとって、ソ連崩壊後の内戦を経て事実上の独立状態となっていた両地域の再統合は、長年の課題だった。「バラ革命」と呼ばれる03年の民主化運動を機に誕生したサーカシビリ現政権は、国家統一に取り組む一方、ロシアの影響下を脱するため北大西洋条約機構(NATO)加盟を目指した。これにロシアが強く反発し、二つの未承認国家への支援を強めた。両軍の交戦は、こうした状況下で起きた。

 ロシアには、別の懸念もある。南オセチアから350キロ、アブハジアからは数十キロしか離れていないソチで予定されている14年冬季五輪への影響だ。戦闘長期化は、五輪開催を危ぶむ声を国際社会に起こしかねない。ソチ五輪は、昨年7月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で、大統領だったプーチン氏自ら英語で招致演説をして勝ち取った。80年モスクワ五輪で西側諸国のボイコットにあったロシアにとって、自国での「完全五輪」成功は悲願だ。今回の戦闘で、ロシアは自らを難しい立場に追い込むことにもなりかねない。【モスクワ大木俊治、北京・杉尾直哉】

1646とはずがたり:2008/08/10(日) 13:55:02
>>1645-1646
 ◇欧米、事態収拾急ぐ 原油供給の停止を懸念

 欧米はグルジアに合同使節団を派遣、事態収拾を急いでいる。背景には、同国の戦略的な重要性と、エネルギー安全保障を巡るロシアとの確執がある。グルジアは、ロシアを迂回(うかい)してカスピ海の原油を地中海に運ぶ「BTCパイプライン」の経由地で、情勢が悪化すれば欧州へのエネルギー供給がストップしかねない。グルジアの経済発展相は9日、「ロシア軍機がパイプラインを狙って攻撃したが、外れた」と述べた。

 ブッシュ米政権は、親米路線を取るグルジアのサーカシビリ政権に、対テロ訓練を目的として、軍・文民の顧問団約130人を派遣、軍事的な関係を緊密化させている。ロシアの影響力低下につながるBTCパイプラインの実現にも尽力した。米国は、南オセチア紛争がサーカシビリ政権の弱体化につながることを憂慮し、グルジアの「領土の一体性」を外交的に支援する姿勢を鮮明にしている。

 北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)が旧東欧・旧ソ連諸国を吸収する形で東方に拡大した結果、グルジアは欧米とロシアの勢力圏争いの最前線となった。南オセチアの軍事衝突も、NATO、EU加盟を目指すグルジア政府を欧米が後押しし、南オセチアの分離独立派をロシアが支援する形で「代理戦争」の様相を呈している。

 今のところ国連安全保障理事会でも、欧米とロシアは互いの主張をぶつけ合う状態だ。双方の覇権争いが絡むだけに、紛争解決の道は容易ではない。【ワシントン小松健一、ブリュッセル福島良典】
 ◇福田首相「憂慮」

 福田康夫首相は9日、長崎市内で会見し、「現在の事態をたいへん憂慮している。事態がこれ以上悪化することのないよう、すべての当事者が自制し、和平協議のテーブルに着くことが必要だ」と語った。【木下訓明】
 ◇全面戦争発展は両国とも望まず−−廣瀬陽子・静岡県立大准教授(国際政治・カフカス地域研究)の話

 グルジアのサーカシビリ大統領はシェワルナゼ前大統領時代に分離独立運動を抑えられなかった地域を奪還する目標があった。五輪に合わせ南オセチア進攻を開始したのは、国際的な注目を集める中ではロシアも大規模な反撃に出にくいとの読みがあったはずだ。

 ただ、戦闘は比較的早い段階での沈静化も考えられる。ソチ五輪成功を最優先するロシアはネガティブな印象を国際社会に与えたくない。グルジアも本気でロシアと戦争すれば苦境に陥ると認識している。ロシアが南オセチアへの後方支援を続け、泥沼化する可能性もあるが、双方とも全面戦争への発展を避けたいのは確かだろう。

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 ◆南オセチアを巡る主な動き◆
1990年末   南オセチア自治州が独立とロシア領への編入を主張し、軍事衝突に発展
  91年 4月 グルジアがソ連から独立宣言
     12月 ソ連崩壊
  92年 6月 露、グルジアが停戦合意
2004年 1月 グルジア大統領に親欧米のサーカシビリ氏就任
  06年11月 南オセチアの住民投票で99%が独立を支持
  08年 2月 コソボ自治州がセルビアから独立宣言
      3月 南オセチア自治州議会が国連に独立承認を求める書簡送付
      7月 露空軍機が南オセチア上空を飛行し威嚇

毎日新聞 2008年8月10日 東京朝刊


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