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現代世界を客観的に把握するために有用な英文

321:2022/10/28(金) 13:20:46
>>19に関する[内容についての感想、感慨、意見その他]

>欧米の支配に対抗しなかったと言って貧しい国々を非難するのは容易である。
>実際のところ、彼らはそれを試みたが、その帰結は経済制裁であり、レジーム・
>チェインジ(体制変革、政権転覆)であり、戦争であった。

レジーム・チェンジと言えば、最近でもアメリカはボリビアのクーデターに関与
したらしい。これはアメリカの知識人の間ではほとんど常識になっている模様。

しかし、日本の主要なニュースの見出しには一向に登場しない。
ロシアや中国の場合は、何か不穏な事件があると、根拠が曖昧であっても、すぐに
「 〜 にロシアが関与か」、「 〜 に中国が関与か」という見出しで主要なニュース
として報じられる。

ところが、日本の大手マスコミはアメリカ政府の御用機関であるから、アメリカに
都合の悪い事実はまったく報道されないか、ごく控え目に報道されるだけである。
「ボリビアのクーデターに米国が関与か」などという見出しにお目にかかることは
まずない。

世の中はおめでたい人間ばっかりだから、こういう事実や事情は全然ご存じない。

そんな調子だから、これまで何度も政府にだまされてきたし、これからも何度も
だまされ続けるのであろう。

331:2022/10/28(金) 13:23:11
今回の英文に関する

1.英文解釈・翻訳上の質問
2.解釈や訳の間違いの指摘
2.内容についての感想、意見

などなど、ご自由にお書込みください。

341:2022/10/29(土) 17:45:08
さて、上の英文に引き続いて、一部共通のテーマを扱ったものをまた読んでみよう。
自分としては、この2つで一組という感じである。

ウクライナ侵攻におけるロシアの意図の経済的な側面がもう少し具体的に触れられて
いる一文である。

出典は CounterPunch。

----------------------------------------------------------

MAY 2, 2022

On Ukraine, the World Majority Sides With Russia Over U.S.

BY JOHN V. WALSH

2014 saw two pivotal events that led to the current conflict in Ukraine.

The first, familiar to all, was the coup in Ukraine in which a democratically
elected government was overthrown at the direction of the United States and
with the assistance of neo-Nazi elements which Ukraine has long harbored.

(続く)

351:2022/10/29(土) 17:47:54
(続き)

Shortly thereafter the first shots in the present war were fired on the Russian-
sympathetic Donbass region by the newly installed Ukrainian government.
The shelling of the Donbass which claimed 14,000 lives has continued for 8
years, despite attempts at a cease-fire under the Minsk accords which Russia,
France and Germany agreed upon but Ukraine backed by the US refused to
implement. On February 24, 2022, Russia finally responded to the slaughter
in Donbass and the threat of NATO on its doorstep.

(続く)

361:2022/10/29(土) 17:50:42
>>34>>35で、[注意すべき単語・熟語、難単語・熟語など]

・side with 〔議論などで〕〜の側に付く、〜に味方する

・pivotal
形容詞として「中枢の、極めて重要な」。
pivotal event 《a 〜》〔歴史を左右する〕重要な出来事[事件]
pivotal figure 中心人物
pivotal moment in history 《a 〜》歴史上の転機、新たな時代の幕開けとなる瞬間
(以上は英辞郎より)

・element は原義の「要素」から派生して「 〜 分子」、「 〜 勢力」の意で時事問題
では頻出である。なぜか英辞郎にはこの意味が載っていない。珍しい遺漏である。
anti-social element 反社会勢力、反社会的分子

・harbor (英辞郎より)
名詞として
1. 港湾、港、入り江
2.〔船・人のための〕避難所
3.〔犯罪者の〕隠れ場所
他動詞として
1.〔悪意・考え・邪念・計画などを〕心に抱く
I cannot help but harbor such doubts. そんな疑問を感じざるを得ない。
2.〔〜に〕隠れ場所を提供する、〔〜を〕かくまう

・ここでの claim は原義の「要求する」から派生した「(事故などが)(命を)奪う」
の意。
The earthquake claimed so many lives.
その地震はかなり多くの人々の命を奪いました。(英辞郎の例文)

・Minsk accords は「ミンスク合意」。

371:2022/10/30(日) 20:46:54
>>34の訳例

2022年5月2日

ウクライナに関して、世界の過半数は米国よりロシアの味方

ジョン・ウォルシュ

2014年には、現在のウクライナ紛争に至る2つの極めて重要な出来事が起こった。

一つは、ご存じの通り、ウクライナのクーデターである。民主的な選挙によって成立
した政府が、アメリカの指示とネオナチ分子(国内に長い間潜んでいた)の助勢を得て、
打ち倒されたのである。

381:2022/10/30(日) 20:48:04
>>35の訳例

それからほどなくして、現在の戦争における最初の銃弾が親露派の多いドンバス地方で
放たれた。政権の座を授けられた新ウクライナ政府の仕業である。
1万4000人の死者を出したといわれるドンバス地方での砲撃は8年続いた――ミンスク
合意の下で停戦の協議があったにもかかわらず。ロシア、フランス、ドイツは合意した
が、アメリカの支援するウクライナはその遂行を拒んだ。ロシアは2022年の2月24日、
ドンバス地方の虐殺及びNATOによる東方拡大の脅威に対してついに腰を上げたのである。

391:2022/10/30(日) 20:50:03
>>35の続きの英文

Russia Turns to the East – China Provides an Alternative Economic Powerhouse.

The second pivotal event of 2014 was less noticed and in fact rarely mentioned
in the Western mainstream media. In November of that year according to the
IMF, China’s GDP surpassed that of the U.S. in purchasing power parity terms
(PPP GDP). (This measure of GDP is calculated and published by the IMF, World
Bank and even the CIA. Students of international relations like economics Nobel
Laureate, Joseph Stiglitz, Graham Allison and many others consider this metric
the best measure of a nation’s comparative economic power.) One person who
took note and who often mentions China’s standing in the PPP-GDP ranking is
none other than Russia’s President Vladimir Putin.

401:2022/10/30(日) 20:55:23
>>39で、[注意すべき単語・熟語、難単語・熟語など]

・turn to は「 〜 の方を向く・見る」。また、この原義から派生して「 〜 に頼る」
の意味でも使われる。

・powerhouse は通常
1. 発電所
2.〈話〉〔創造性にあふれる〕エネルギッシュな人[チーム・組織]
3.〈話〉大手企業
(以上は英辞郎から)
などが主な用法であるが、本文の文脈では「原動力・動力源」などの訳語がふさわしい。

・pivotal は>>36で既出。

・purchasing power parity は「購買力平価」。
in purchasing power parity terms で「購買力平価ベースで」。
ちなみに、in terms of で「 〜 という観点から」。

・PPP GDPは、上記の略称で、普通「購買力平価GDP」と訳されている。

・ここでの students は「研究家・研究者」の意。

・economics Nobel Laureate は「ノーベル経済学賞受賞者」。
Nobel Laureate で「ノーベル賞受賞者」である。

・metric は「メートル(法)の、メートル法」の意味もあるが、ここでは「測定基準
・物差し」。measure の言い換え表現である。

・none other than 〜 は「 〜 に他ならない、他ならぬ〜」。

411:2022/10/31(月) 17:12:39
>>39の訳例

ロシアは東方に顔を向ける――中国が別の経済動力源を提供

2014年のもう一つの重要な出来事はあまり知られていないし、それどころか、西側の
主流派メディアではほとんど取り上げられていない。その年の11月、IMFによれば、
中国のGDPが購買力平価ベースで(購買力平価GDP)、アメリカのそれを上回った
のである。(この指標はIMFや世界銀行、さらにはCIAさえもが推計し、公表しており、
国際関係について研究する人間――ノーベル経済学賞受賞者であるジョセフ・
スティグリッツ、グレアム・アリソン、その他多くの研究者達――の間では、国家の
相対的な経済力を計る最良の物差しと見なされている)
これに着目し、しばしばこれを引き合いに出す人物は、誰あろうプーチン大統領その人
である。

421:2022/10/31(月) 17:14:32
>>39の続きの英文

From one point of view, the Russian action in Ukraine represents a decisive turn
away from the hostile West to the more dynamic East and the Global South.
This follows decades of importuning the West for a peaceful relationship since
the Cold War’s end. As Russia makes its Pivot to the East, it is doing its best to
ensure that its Western border with Ukraine is secured.

Following the Russian action in Ukraine, the inevitable U.S. sanctions poured onto
Russia. China refused to join them and refused to condemn Russia. This was
no surprise; after all Putin’s Russia and Xi’s China had been drawing ever closer
for years, most notably with trade denominated in ruble-renminbi exchange,
thus moving toward independence from the West’s dollar dominated trade regime.

431:2022/10/31(月) 17:19:52
>>42で、「注意すべき単語・熟語、難単語・熟語など」

・Global South は>>14で既出。

・importune (英辞郎より)
他動詞
〔人に〕しつこく[うるさく]ねだる[せがむ・懇願する・要求する]
〈古〉〔〜を〕しつこく[うるさく]求める
〔人を〕悩ませる、〔人を〕うるさがらせる
自動詞
しつこく[うるさく]せがむ[懇願する]

pivot は英辞郎で、
1.《機械》旋回軸、ピボット
2.〔旋回軸のように〕中心となる物[人]
3. 旋回運動
4.〈比喩〉方向転換、戦略の変更
とある中で、ここでは4の用法。
形容詞形の pivotal は>>36を参照。

(続く)

441:2022/10/31(月) 17:21:12
(続き)

・draw close は「近づく」。

・trade denominated in ruble-renminbi exchange については、経済関係に詳しく
ないので、適切な訳し方がわからない。
trade denominated は以下の用例がある。
dollar-denominated trade surplus ドル表示の貿易黒字
trade adjustment process in yen-denominated terms 円表示の貿易統計で見た
貿易の調整
yen-denominated trade 円建て貿易、円建て取引
これらを基にして取りあえず「ルーブル・人民元の交換表示による貿易」としておく。

451:2022/11/01(火) 17:45:33
>>42の訳例

ある観点からすれば、ウクライナでのロシアの行動は、敵対的な西側諸国からより
ダイナミックな東方及びグローバル・サウスへの決定的な転換を表している。ロシアは、
これまでは、冷戦の終了以来、西側諸国に対して何十年もずっと平和的な関係の構築を
せがんできた。しかし、東方への急転回を示してからは、ウクライナと接する西の国境
の安全確保を図ってあらゆる手をつくしている。

ウクライナ侵攻の結果、ロシアには、必然的にアメリカによる制裁措置が次から次へと
課された。しかし、中国はそれに加わることはなかったし、ロシアを非難することも
なかった。これは驚きでも何でもない。プーチンが率いるロシアと習近平が指揮する
中国はもう何年にも渡って関係を深めてきた。とりわけそれが顕著なのは、ルーブル・
人民元の交換表示による貿易においてである。かくして、西側諸国のドル支配の貿易
体制から独立する方向に動いている。

461:2022/11/01(火) 17:47:25
>>42の続きの英文

The World Majority Refuses to Back U.S. Sanctions

But then a big surprise. India joined China in refusing to honor the US sanctions
regime. And India kept to its resolve despite enormous pressure including calls
from Biden to Modi and a train of high level US, UK and EU officials trekking off
to India to bully, threaten and otherwise attempting to intimidate India. India
would face “consequences,” the tired US threat went up. India did not budge.

471:2022/11/01(火) 17:50:43
>>46で「注意すべき単語・熟語、難単語・熟語など]

・honor
honor は、原義の「栄誉を授ける」から派生して様々な使い方があるが、ここでの
意味は「(尊重して)遵守する・履行する」の意。

英辞郎では、honor の意味が以下のように載っていて、今述べたようにここでは 6 の
意味に当たる。
-------------------------------------------------------------------
他動詞
1.〔〜に〕尊敬の念を持つ、〔〜を〕高く評価する
2.〔報償や称号などで人に〕栄誉を授ける
3.〔公の場で人を〕称賛する、褒めたたえる
4.〔人の出席などが〜に〕栄誉となる、光栄と感じさせる
5.〔手形などを有効と見なして〕受け取る、引き受ける
Mr. Yamada's promissory note wasn't honored.
山田さんからの約束手形が不渡りになった。
Rush orders are honored at requestor's expense.
特にお急ぎの注文は購入者様側の費用負担にて承ります。
6.〔合意や約束を〕守る、履行する
7.〔ダンスで相手に〕おじぎ[礼]をする
-------------------------------------------------------------------

・a train of 一連の 〜

・tired は、ここでは「古くさい・陳腐な・使い古された」の意。

・go up は、ここでは「破裂する・爆発する」の意。

・budge は「ちょっと動く・身動きする」の意。大抵は否定文で使われる。

481:2022/11/08(火) 12:54:26
>>46の訳例

世界の過半数はアメリカの制裁措置に不同意

ところが、ここに大きな驚きが。インドが中国にならってアメリカの制裁措置に賛同
しなかったのだ。そして、インドはその方針を曲げなかった――バイデン大統領に
よるモディ首相への電話を介しての要請、あるいは、米、英、EUの高官達が続々と
訪印しての脅し、すかし等々を含む強大な圧力にもかかわらず。インドは「恐ろしい
結果」に直面するであろう――ついにアメリカのお決まりの脅し文句が炸裂した。
しかし、インドはみじんも怯まなかった。

491:2022/11/08(火) 12:57:05
>>46の続きの英文

India’s close military and diplomatic ties with Russia were forged during the
anti-colonial struggles of the Soviet era. India’s economic interests in Russian
exports could not be countermanded by U.S. threats. Now India and Russia are now
working on trade via ruble-rupee exchange. In fact, Russia has turned out to
be a factor that put India and China on the same side, pursuing their own
interests and independence in the face of U.S. diktat. Moreover with trade in
ruble-renminbi exchange already a reality and with ruble-rupee exchange in the
offing, are we about to witness a Renminbi-Ruble-Rupee world of trade – a “3R”
alternative to the Dollar-Euro monopoly? Is the world’s second most important
political relationship, that between India and China, about to take a more
peaceful direction? What’s the world’s first most important relationship?

501:2022/11/08(火) 13:00:11
>>49で[注意すべき単語・熟語、難単語・熟語など]
(英辞郎から抜粋)

・countermand
他動詞で、
1.〔命令などを〕撤回する、取り消す
2.〔反対の命令を出して前の命令を〕無効にする
3.〔命令で派遣した人を〕呼び戻す

・via
1. 〜を通って、〜を経由して ◆【語源】ラテン語via(=way=道)
From New York, I'm flying to Osaka via Tokyo.
ニューヨークから、東京経由で大阪に飛ぶことになっています。
2. 〜によって、〜を用いて
Did you sell your car by yourself or via an agent?
あなたは、車を自分で売りましたか、それとも仲介者を通してですか?
You can apply over the phone or via e-mail.
電話、またはメールでお申し込みいただけます。

・in the face of
1. 〜の面前で、〜に直面して、〜を前にして
2.〔悪い状況・出来事など〕にもかかわらず
3.〔批判・圧力など〕にさらされて

・diktat 絶対的命令
[US] diktɑ́t | [UK] díktɑːt、[US]ディクタト、[UK]ディクタート、

・in the offing
1.〔船が〕沖合に来て、もうすぐ港に入って来そうで
2. やがてやってきそうで、そろそろ現れそうで
3. もうすぐ[やがて・近い将来に]起こりそうで
The new plan will be in the offing in July.新しい計画は近々、7月に実施される。

511:2022/11/09(水) 20:41:46
>>49の訳例

インドがロシアと密接な軍事及び外交上の関係を築いたのは、ソビエト連邦時代の
反植民地闘争の昔にさかのぼる。また、対露輸出におけるインドの経済的利益は、
アメリカの脅しで反故にするわけにはいくまい。今やインドとロシアはルーブル・
ルピー決済による貿易を推し進めている。それどころか、ロシアはインドと中国を
同じ側に組ませる仲介役とさえなり、アメリカの指図をものともせず、自身の利益と
自立性を追求している。ルーブル・人民元の交換決済による貿易がすでに現実のもの
であり、ルーブル・ルピーの交換決済がほどなく実現ということであれば、我々は
近いうちに貿易において人民元(Renminbi)・ルーブル(Ruble)・ルピー(Rupee)
の3つのRが支配する世界――ドルとユーロの独占的支配に取って代わる世界――の
出現を目撃することになるのだろうか。世界で2番目に重要な政治的関係、つまり、
インドと中国の関係がより平和的な方向に進もうとしているのであろうか。世界で
一番重要な関係はどうなるのであろうか。

521:2022/11/09(水) 20:46:10
>>51の訳に関する問題点

ここの最後の文章 What’s the world’s first most important relationship? の
意味とニュアンスの解釈についてはちょっと自信がありません。

一応、 the world’s first most important relationship とは、前の文章からの
流れでアメリカとEUの関係を指すと判断しました。
で、what's は反語的なニュアンスで使われているものとの解釈です。

531:2022/11/09(水) 20:49:44
>>49の続きの英文

India is but one example of the shift in power. Out of 195 countries, only
30 have honored the US sanctions on Russia. That means about 165 countries
in the world have refused to join the sanctions. Those countries represent
by far the majority of the world’s population. Most of Africa, Latin America
(including Mexico and Brazil), East Asia (excepting Japan, South Korea, both
occupied by U.S. troops and hence not sovereign, Singapore and the renegade
Chinese Province of Taiwan) have refused. (India and China alone represent
35% of humanity.)

541:2022/11/09(水) 20:56:25
>>53で[注意すべき単語・熟語、難単語・熟語など]
(主に英辞郎から引用)

・ここの but は副詞で、「ただの 〜・単に 〜 」の意味。only と同義である。

・ここでの honor について。
honor は、原義の「栄誉を授ける」から派生して様々な使い方があるが、
ここでの意味は「(尊重して)遵守する・履行する」の意。

英辞郎では、honor の意味が以下のように載っていて、今述べたようにここでは
6 の意味に当たる。
-------------------------------------------------------------------
他動詞
1.〔〜に〕尊敬の念を持つ、〔〜を〕高く評価する
2.〔報償や称号などで人に〕栄誉を授ける
3.〔公の場で人を〕称賛する、褒めたたえる
4.〔人の出席などが〜に〕栄誉となる、光栄と感じさせる
5.〔手形などを有効と見なして〕受け取る、引き受ける
Mr. Yamada's promissory note wasn't honored. 山田さんからの約束手形が不渡りになった。
Rush orders are honored at requestor's expense.
特にお急ぎの注文は購入者様側の費用負担にて承ります。
6.〔合意や約束を〕守る、履行する
7.〔ダンスで相手に〕おじぎ[礼]をする
-------------------------------------------------------------------

・by far は熟語で、「〔最上級を強めて〕はるかに、断然、非常に、群を抜いて、
圧倒的に、間違いなく」。

・hence は「〈文〉この理由で・これ故に・このような訳で 〜 」。

・sovereign は「主権を有する・独立した 〜 」。

・renegade は一般に「背教の 〜 ・裏切りの 〜 ・〔慣習に従わず〕反抗的な 〜 」
などの意味であるが、ここでは訳が難しい。
Chinese Province of Taiwan は「台湾という中国(本土政府)の一管轄地域」ぐらい
の意味で、ここの of はいわゆる「同格の of」である(「台湾」という 〜 )。
renegade がついているのは、中国本土政府の「意思に反しての・意向に背いての 〜 」
程度の意味であろう。

551:2022/11/11(金) 16:48:10
>>53の訳例

インドの例は力の転変を象徴するほんの一例にすぎない。世界195ヶ国のうち、
ロシアに対するアメリカの制裁措置を支持したのは30国だけである。言い換えれば、
165ヶ国が制裁措置に賛同することを拒んだ。そして、これらの国々は世界の人口の
大多数を擁している。アフリカの国々の大半、南米諸国(代表的な国はメキシコ、
ブラジル)、東アジア(ただし、日本と韓国は除く。この両国は米軍が駐留しており、
従って主権国家ではない。シンガポール、また、中国と袂をわかった存在である台湾
も除外する)が拒絶したのである。(インドと中国だけで世界人口の約35パーセント
を占める。)

561:2022/11/11(金) 16:51:58
>>53の続きの英文

Add to that fact that 40 different countries are now the targets of US
sanctions and there is a powerful constituency to oppose the thuggish
economic tactics of the U.S.

Finally, at the recent G-20 Summit a walkout led by the US when the Russia
delegate spoke was joined by the representatives of only 3 other G-20
countries, with 80% of these leading financial nations refusing to join!
Similarly, a US attempt to bar a Russian delegate from a G-20 meeting later
in the year in Bali was rebuffed by Indonesia which currently holds the
G-20 Presidency.

571:2022/11/11(金) 16:54:32
>>56で[注意すべき単語・熟語、難単語・熟語など]

・constituency は通常以下のような意味で使われる。(英辞郎より)

1.〔一人の議員を出す〕選挙区
2.〔選挙区の〕有権者、選挙民
3. 支持者、後援者
4. 顧客層、購買層

しかし、ここでは、文脈からいっておそらく「国々」を意味する。
世界を一つの村、共同体とイメージした場合に、一人ひとりの「有権者・選挙民」とは
一つの「国」を意味するからである。そういう国が複数あって、一つのグループを形成
しているのを constituency と表現しているものと考えられる。

・ G-20 Summit は「G20サミット」または「主要20カ国・地域首脳会議」。

・walkout は「〔抗議・不満などの意思表示としての〕退場、欠席、脱退、ストライキ」。

・bar A from B は「AをBから締め出す[追い出す]、AがBするのを禁じる[禁止する]」。

・G-20 Presidency は「G-20 Summit の「議長国」」。

581:2022/11/19(土) 14:14:31
>>56の訳例

上の事実にさらに以下の事実も考慮してみよう。アメリカが今や40の国々を制裁対象
としていること、そしてまた、アメリカの強引な経済戦略に反対している主要国が複数
あることを。

極めつきは、最近開かれたG20サミットにおいて、ロシア代表の番になってアメリカが
抗議の退出をした際に、それに同調したのはたった3ヶ国だけだったことである。
つまり、これら経済的な有力国のおよそ8割が従わなかった。同様に、アメリカは今年
後半のインドネシア、バリ島におけるG20サミットにロシア代表を招かないよう働き
かけたが、目下のG20の議長国であるインドネシアはそれを拒絶した。

591:2022/11/19(土) 14:19:45
>>56の続きの英文

Nations Taking Russia’s side are no longer poor as in Cold War 1.0.

These dissenting countries of the Global South are no longer as poor as they were
during the Cold War. Of the top 10 countries in PPP-GDP, 5 do not support the
sanctions. And these include China (number one) and India (number 3). So the
first and third most powerful economies stand against the US on this matter.
(Russia is number 6 on that list about equal to Germany, number 5, the two
being close to equal, belying the idea that Russia’s economy is negligible.)

601:2022/11/19(土) 14:22:03
>>59で[注意すべき単語・熟語、難単語・熟語など]

・Cold War 1.0 について。

少し前に Web 2.0 という言い方が流行った。

Web 2.0 とは、ネットから引用すると、
----------------------------------------------------------------
Web 2.0とは、普及初期のWebにはない新しい技術や仕組み、発想に基づいたWeb
サイトやWebサービスなどの総称。 2005年に提唱された語で、1990年代半ば頃から
普及・発展してきた従来型Webサイトの延長ではない新しいタイプのWebをソフト
ウェアのバージョンアップになぞらえて「2.0」と表現した。
----------------------------------------------------------------
である。

これにならって、現在の状況を「新たな冷戦」と捉え、その意味で Cold War 2.0
と呼ぶとすれば、昔の冷戦は Cold War 1.0 ということになるわけである。

611:2022/11/19(土) 14:26:43
>>60の続き

・Global South は>>14で既出。

・PPP-GDP は>>40で既出。

・belie は英辞郎で以下のように出ている。
1.〔〜を〕偽って[事実を曲げて]伝える
2.〔〜が〕誤り[うそ]であることを示す
3.〔予想などを〕裏切る、矛盾する

621:2022/11/20(日) 12:37:12
>>59の訳例

ロシアの側についた国々はもはやかつての冷戦時代の貧困国ではない

アメリカの意向に従わなかったこれらグローバル・サウスの国々は、かつての冷戦時代
にそうであったような貧しい国々ではもはやない。上記の購買力平価GDPにおける上位
10ヶ国のうち、5ヶ国がアメリカの制裁措置に賛同しなかった。これには中国(1位)
とインド(3位)が含まれている。つまり、経済的に世界で1番目と3番目に強大な国が
この件に関してアメリカに反対しているのである。(ちなみに、ロシアは6番目で、
5番目のドイツとほぼ肩を並べている。であるから、この両国は同格といってよいので、
ロシア経済は取りに足りないと見なすのはおかしな話である)

631:2022/11/20(日) 12:40:06
>>59の the two being close 〜 における構文の補足説明

> 〜 , the two being close to equal, belying the idea that Russia’s economy
>is negligible

being も belying もどちらも分詞構文である。この2つの分詞構文をつなぐ接続詞が
ないので、これは文法的破格と言い得る。

the two (countries)are close to equal.
及び
it (the fact)belies the idea that Russia's economy is negligible.
という2つの文章が、付帯状況を表す分詞構文となって、前の文章につながっていると
読み解くことができる。

(ちなみに、〜 the idea that 〜 の that は「同格」の that である)

641:2022/11/20(日) 12:42:36
>>59の続きの英文

These stands are vastly more significant than any UN vote. Such votes can be
coerced by a great power and little attention is paid to them in the world.
But the economic interests of a nation and its view of the main danger in the
world are important determinants of how it reacts economically – for example
to sanctions. A “no” to US sanctions is putting one’s money where one’s
mouth is.

651:2022/11/20(日) 12:44:22
>>64で[注意すべき単語・熟語、難単語・熟語など]

・ここの stand は名詞で、「立つ場所・位置」の意。

・put one's money where one's mouth is は慣用表現で、普通は「口先だけでなく
実行する」の意である。
しかし、ここでは文脈から言って、もっと表面的に mouth(くち=タテマエ、外交
辞令など)よりも「money を重視する」という意味合いで使われていると見てよい。
この慣用表現を使ったのは一種の洒落である。

661:2022/11/21(月) 12:59:52
>>64の訳例

これらの立ち位置は国連におけるいかなる採決よりもはるかに重要である。国連の票は
大国が無理強いできるものであり、従って、国際舞台においては、ほとんど気に
かけられない。一方、ある国家の経済的な利害、また、世界の何が主要な危険因子
であるかについてのその認識は、当該国家が経済的な側面においていかに反応するか
――例えば、制裁措置などに関して――を決定する重要な要素である。アメリカの制裁
措置に「否」を突き付けたことは、「タテマエでなく経済的な利害を優先したこと」に
他ならない。

671:2022/11/21(月) 13:02:46
>>64の続きの英文

We in the West hear that Russia is “isolated in the world” as a result of
the crisis in Ukraine. If one is speaking about the Eurovassal states and the
Anglosphere, that is true. But considering humanity as a whole and among the
rising economie of the world, it is the US that stands isolated. And even in
Europe, cracks are emerging. Hungary and Serbia have not joined the sanctions
regime and of course most European countries will not and indeed cannot turn
away from Russian energy imports crucial to their economies. It appears that
the grand scheme of U.S. global hegemony to be brought about by the US move
to WWII Redux, both Cold and Hot, has hit a mighty snag.

681:2022/11/21(月) 13:05:07
>>67で[注意すべき単語・熟語、難単語・熟語など]

・Eurovassal は造語で、Euro(ユーロ)+ vassal(臣下・奴隷・隷属者)の組み合わせ。
「ユーロの臣下である 〜 ・ユーロに支配されている 〜 」程度の意であろう。

・Anglosphere は「アングロスフィア」または「英語圏」、「英語圏諸国」。
「公用語または主要言語が英語である国・地域の総称」(goo辞書より)である。

・redux は形容詞で、「戻ってきた 〜 」。「名詞の直後に置かれる」と英辞郎には注が
ある。発音は ríːdʌks リーダクス。
近年、記事のタイトルなどでよく使われるようになった。訳語としては「 〜 の回帰・
復活・再来・ 〜 再び」等々、いろいろ考えられる。

・both Cold and Hot はもちろん 「cold war であろうと hot war であろうと」の意。

・snag は多義語であるが、ここの場合は hit a snag で熟語。
英辞郎から引用すると、
hit a snag 切り株にぶつかる、思わぬ困難な問題にぶつかる
We hit a snag in our plans when Barbie crashed our car into Ken's.
バービーが私たちの車をケンの車にぶつけ、私たちの計画は暗礁に乗り上げた。
come upon a snag 思わぬ障害にぶつかる
hit a big snag 大きな問題にぶち当たる
など。

691:2022/11/22(火) 16:59:50
>>67の訳例

西側の我々は、ウクライナ危機の結果、ロシアが「世界で孤立している」と聞かされて
いる。もし人がユーロの支配下にある国々もしくは英語圏諸国について話をしている
のであれば、確かにそれは事実である。しかし、世界の人々すべてを視野に収めた場合、
また、経済的新興国の間では、孤立しているのはアメリカの方である。おまけに、欧州
においてさえ分断が生じつつある。ハンガリーとセルビアは制裁措置に賛同しなかった。
そして、言うまでもなく、欧州の国々の大半は、自国の経済にとって決定的に重要な
ロシアからのエネルギー輸入を取りやめたりはしないであろう。いや、そんなことは
そもそもできない話である。冷戦であろうとなかろうと、いわば「第二次世界大戦の
再現」を図って世界の覇権を確立しようとするアメリカの壮大な目論見は大きな暗礁に
乗り上げたらしく思われる。

701:2022/11/22(火) 17:01:33
>>67の続きの英文

For those who look forward to a multipolar world, this is a welcome turn of
events emerging out of the cruel tragedy of the U.S. proxy war in Ukraine.
The possibility of a saner, more prosperous multipolar world lies ahead – if
we can get there.

以上

711:2022/11/22(火) 17:03:52
>>70で[注意すべき単語・熟語、難単語・熟語など]

・turn of event は頻出表現である。
英辞郎から一部引用すると、
unfortunate turn of event《an 〜》事態の残念な展開
turn of events 事態[情勢]の変化、出来事の節目
bizarre turn of events《a 〜》事態の奇妙な展開
など。

・lie ahead も頻出表現。やはり英辞郎から引用すると、
lie ahead 目の前に〜がある、前途に横たわる、行く手に控えている
Even if they changed their CEO, so many other tasks lie ahead of them.
CEOを変えたとしても、他にも多くの課題が彼らの目の前に残っている。
I already know what lies ahead. その先は言わなくても分かるよ。

721:2022/11/23(水) 12:45:51
>>70の訳例

これは、多極的な世界の到来を期待する人々にとっては、歓迎すべき展開である――この
ウクライナにおけるアメリカの代理戦争がむごたらしい事態を引き起こしているとはいえ。
よりまともで、より豊かな多極的世界が生まれる可能性がこの先に開けている――人類が
それまでなお生存していればの話であるが。

以上

731:2022/11/23(水) 12:55:28
>>34から始まる英文の内容に関する補足説明・感想・意見など。

>>37
>一つは、ご存じの通り、ウクライナのクーデターである。民主的な選挙によって
>成立した政府が、アメリカの指示とネオナチ分子(国内に長い間潜んでいた)の
>>助勢を得て、打ち倒されたのである。

これはもちろん当時のウクライナ大統領ヤヌコヴィチの追い落としを意味している。
ウクライナ侵攻のずっと前から、アメリカがウクライナ国内の反政府勢力に資金提供
していたのは多少世界情勢に関心のある人間の間では常識であった。
>>32でも触れた、アメリカお得意のレジーム・チェンジである。

その国の人々が選挙で成立させた政権を打倒する、それはその国の民主主義を破壊
することに他ならない。

アメリカはとりわけ中南米においてこうしたレジーム・チェンジをたびたび行ってきた。
(有名なのはチリのアジェンデ政権の転覆)
(めんどくさいから自分ではやらないが、誰かその一覧表を作ってくれるとありがたい)

にもかかわらず、世間には「アメリカは民主主義の擁護者である」と思っているおめでたい
人間が大勢いるのである。

そんな調子だから、これまで何度も政府にだまされてきたし、今後も何度でもだまされ
続けるのであろう。

741:2022/11/23(水) 13:03:29
>>86の続き

>>38
>1万4000人の死者を出したといわれるドンバス地方での砲撃は8年続いた――
>ミンスク合意の下で停戦の協議があったにもかかわらず。ロシア、フランス、ドイツ
>は合意したが、アメリカの支援するウクライナはその遂行を拒んだ。

ここには重大なことが書かれている。

停戦のための合意事項をウクライナ政府は実行しようとしなかったし、その後ろ盾である
アメリカ政府はウクライナ政府にそうするよう十分な圧力をかけなかった。
つまり、停戦――和平を拒んだのはウクライナ政府であり、アメリカ政府なのである。

普通であれば「停戦を拒んだ」、「和平への道を拒んだ」としてウクライナとアメリカを
非難するようなタイトルが主要ニュースの見出しに登場していいところである。
また、この点を非難する論説が書かれておかしくない。
もしこれがロシアや中国であったら、まず間違いなくそういうタイトルで報じられ、そういう
論説が大手マスコミをにぎわすに違いない。実際、その手のニュース見出しや論説を多くの
人が過去何度も目にしたはずである。

しかし、アメリカもしくはアメリカが支持する国の場合はそうはならない。「和平への道を
拒んだ」としてニュースや論説で非難されるのは常にアメリカの仮想敵国であるロシアや中国
その他なのである。

米英の大手マスコミ及びアメリカ政府の御用機関たる日本の大手マスコミは日々こういう形の
情報操作、印象操作を行っている。

世の中はおめでたい人間ばっかりだから、こういう事情はとんとご存じあるまい。

そんな調子だから、これまで何度も政府にだまされてきたし、これからも何度もだまされ続ける
のであろう。

751:2022/11/23(水) 13:07:13
今回の英文に関する

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