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( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです

1 ◆yeyP4e7tEQ:2011/05/20(金) 16:14:25 ID:fakEb56I0
超能力とかメッチャ出ます

2 ◆yeyP4e7tEQ:2011/05/20(金) 16:19:34 ID:fakEb56I0
 2011年の五月半ば、俺の弟は突然死んだ。死因は分からず終いだ。

 葬儀が終わって一週間。残された俺たち『三人』は、すくめた肩を寄せ合い食卓を囲んでいた。

( ´_ゝ`)「母者、醤油取って」

 @@@
@#_、_@   
 (  ノ`)「はいよ」

l从・∀・ノ!リ「醤油よりマヨネーズなのじゃ」

( ´_ゝ`)「妹者よ、冷や奴くらい醤油で食いなさい」

l从・∀・ノ!リ「ダメなのじゃ! マヨは弟者の大好物なのじゃ!」

( ´_ゝ`)「弟者は死んだ、もう居ない!」

l从・∀・ノ!リ「でも心の中に生きているのじゃ!」

 @@@
@#_、_@   
 (  ノ`)「……アンタ達、今日は早く寝るんだよ」
 @@@
@#_、_@   
 (  ノ`)「アタシが夜勤だからって夜更かししない事。いいね?」

( ´_ゝ`)「だが断る」

l从・∀・ノ!リ「のじゃ〜!」

 @@@
@#_、_@   
 (  ノ`)「兄者、今月のお小遣いは無いと思いな」

(;´_ゝ`)「すみませんでしたァ!」

3 ◆yeyP4e7tEQ:2011/05/20(金) 16:21:20 ID:fakEb56I0
 気丈な母。死を受け入れられる強い妹者。ピエロ俺。

 父者に続き弟者を亡くした俺達にとって、いつも通りの誰かが傍に居てくれる事は救いだった。

 これが流石家だ。本当に、流石な家族だ……。

 そう。これは二年前の流石家だ。今は……

( ´_ゝ`)「それじゃあ妹者、バイト行ってくるな」

l从・∀・ノ!リ「いってらっしゃいなのじゃ」

 俺と妹者の二人きりになってしまった。

 あの日、母者は夜勤から帰る事は無かった。俺と妹者を残し、どこかへ消えてしまった。

 妹と二人きりの生活。傍から見れば「何これエロゲ?」と言う状況だが、俺にしてみれば「崖っぷち」なんだ。

 父、弟、母を失った俺の心は荒んでいる。最後の砦である妹者まで失ったら、俺は……。

( ´_ゝ`)「もう可愛い妹とエロゲだけが救いだよ」

( ・∀・)「なにそれ怖い。っていうか働け」

( ´_ゝ`)「いや、客来ないじゃん」

( ・∀・)「お前の仕事は俺の遊び相手だよ」

 俺のバイト先は知り合いの玩具屋だ。よるある田舎の玩具屋の様な雰囲気を醸し出しているにも関わらず、店先には大人の玩具を陳列している。

 ちなみに店長のモララーは母者の旧友だ。母者が居なくなってからは、何かとこの人が我が家に関わっている。

 こいつが妹者にθヴィィィンを渡そうとした事は許さない。絶対にだ。

 ……まぁ客は来ないので、ほとんどの時間は店長と遊んで終わりだ。

 今日もビームサーベルを片手に持ち、ジェダイごっこを始める俺達であった。

4 ◆yeyP4e7tEQ:2011/05/20(金) 16:23:53 ID:fakEb56I0
 かくして夕方になる。俺は帰り支度を済ませ、店を後にした。

( ・∀・)「あ、今日俺も行くから」

( ´_ゝ`)「変な物持ってきたら晩飯カビキラーだからな」

( ・∀・)「だが断る。」

 帰路を駆け抜け愛おしき我が家へ着くと、愛おしき我が妹が出迎えてくれた。

l从・∀・ノ!リ「晩飯なのじゃー!」

(*´_ゝ`)「オムライスだぜヒャッハー!!」

 これが今の流石家の最小単位だ。二人。

 父者、次いで弟者が死に、あの屈強な戦士である母者までもが流石家から消えた。

 俺にはそれが納得出来ない。二人の死を認める訳が無いし、今でも母者は生きていると信じている。特に弟者だ。俺はあいつの葬儀に出て、あいつの死体を見た。

 一見弟者だ。だが、『あれは弟者では無かった』と俺は確信を持って言う。

 生前弟者の右腕には大きな傷痕があった。それが『綺麗さっぱり無くなっていた』のだ。

 普通消えるか? 消えないだろ。だから、弟者は生きている。弟者が生きていれば、みんな生きている。

 何を言ってるのか分からねぇとは思うが……。

5 ◆yeyP4e7tEQ:2011/05/20(金) 16:25:09 ID:fakEb56I0
( ・∀・)「妹者ちゃーん! お兄ちゃんですよー!」

l从・∀・ノ!リ「モラじぃなのじゃ。いってよし、なのじゃ」

( ;∀;)「くっ……兄者ァ! テメェ、妹者ちゃんに何て言葉教えるんだよ!」

( ´_ゝ`)「お前相手なら当然の反応だろう」

(*・∀・)「これはこれで、イイ……」

( ´_ゝ`)「カモーン、カビキラー!」

l从・∀・ノ!リ「はいなのじゃ」

(;・∀・)「NOOOOOOOOOOOO!!!」


 今も俺は楽しい。しかし、俺はどうしてもこの現実に納得が出来ない。

 俺は、もう一度みんな揃って飯が食える事を心から信じている。

 それがいつになるのかは分からない。その時が来るまで、せいぜい金を貯めておこう。

 早くみんなで妹者の誕生日を祝おうじゃないか。だから帰ってこい。父者、母者、弟者。

 全部俺が奢るからさ。

6 ◆yeyP4e7tEQ:2011/05/20(金) 16:26:06 ID:fakEb56I0
 それから俺達はテレビゲームにのめり込み、結局リビングで雑魚寝してしまった。

 それが原因で翌朝の寝起きは最悪だった。

 俺と妹者を間違えて抱きついたモララーが俺の股間を……。

( ´_ゝ`)「……」

 軽くイキかけました。

 現在の時刻は午前五時。太陽はじわじわと昇りつつある。

 後でモララーには濃硫酸を飲んでもらうとして、今日はジャンプの発売日だ。まだ午前五時。コンビニには新品のジャンプが並んでいるに違いない。

 俺は寝ている二人を残し(果てしなく不安だが)、財布とケータイをポケットに詰めてコンビニへ向かった。

(;´_ゝ`)「さむっ、何か羽織ってくりゃ良かった……」

 ジーンズに白シャツ一枚の格好では寒いのは当然か。コンビニではカフェオレの暖かい方を買おう。

 十字路に出た俺は横断歩道を渡り、閑散としたコンビニに入った。

 油断して欠伸をしていた店員は俺を見ると、ミサワ的な事を呟きながら誤魔化した。

 まぁいいさ。眠くて当然だ。彼の為にもすぐに帰るとしよう。

 俺はカフェオレとジャンプを持ってレジへ。店員はまだミサワ的な事を言っている。

 早くレジやれや。ほら、次の人来ちゃったじゃんか。

7 ◆yeyP4e7tEQ:2011/05/20(金) 16:29:29 ID:fakEb56I0
( ゚д゚)「あー、俺全然眠くないわー。でも何か、ほら……」

(゚д゚ )「あ、いらっしゃいませー」
(゚д゚ )「……」

(゚д゚)「……」

【+  】ゞ゚)「失礼、ちょっと尋ねたい事が」

 いや店員、俺を見るなよ。ほら、接客しな。まぁ明らかに怪しいけどな。

( д )「……zZZ」

【+  】ゞ゚)「ん、なんだ寝ているのか……。君、ちょっと道を聞きたいのだが」

 真っ黒コートに大きなシルクハット。顔の半分はウェーブのかかった髪の毛で見えず、終いには背中に棺桶ですかそうですか。

 お前リボーンの中に居ただろ。ジャンプに帰れよ。聞きたい事がジャンプへの帰り方なら俺は知らん。

( ´_ゝ`)「なんでしょうか」

( ´_ゝ`)(おい、警察に電話する準備しとけ)

( д )「……あー、なんか無意識に寝床を欲しているわー。だからちょっと席外す」

 ミサワ良くやった。

【+  】ゞ゚)「この近くに『流石』という苗字の家はあるかね?」

(;´_ゝ`)「あああありません。一番近い駅を教えるので、そこに行ってみては?」

【+  】ゞ゚)「ふむ……ちょっと電話を借りたい。いいだろうか?」

(;´_ゝ`)「ケータイ持ってるんでどうぞ……」

【+  】ゞ゚)「すまないね。……ああ、私だ。本当にここら辺にあるのか?」

 仲間と通話中ですか。俺死亡フラグですね。あ、めだかボックス順位上がってるじゃん。

8 ◆yeyP4e7tEQ:2011/05/20(金) 16:30:47 ID:fakEb56I0
【+  】ゞ゚)「……君は、流石兄者君だね」

 ばれた。

 みなさんお気づきだろうか。逃げるにはこの男を振り切って行かなければならない。

 必殺技で服の袖から鎖を出してきそうな男を、だ。

 ミサワよ、本当に警察沙汰かもしれないな……。

( ´_ゝ`)「違います」

 表情をリセットし、俺は男に言い放った。

【+  】ゞ゚)「警戒しないでほしい。私は君の母の友人だ」

【+  】ゞ゚)「……君に、謝罪しに来たのだ」

( ´_ゝ`)「……外で。ここじゃ話しにくいでしょう」

【+  】ゞ゚)「分かった。君に従おう」

 こいつは何かを知っている。どっからどう見ても不審者の男だって、母者が認めた男ならば信用出来る。

 ミサワ、やっぱり警察はもう少し後だ。

 俺はこの棺桶男に探りを入れるべくコンビニを出た。

9 ◆yeyP4e7tEQ:2011/05/20(金) 16:32:03 ID:fakEb56I0
【+  】ゞ゚)「……まずは、『君の母が何故居なくなったのか』だね」

( ´_ゝ`)「って言う事は生きているんですね」

【+  】ゞ゚)「『生きようとしている』と言った方が正しいね。大丈夫だ。母者さんは帰ってくる」

 病院にでも居るのだろうか? なんにせよ、母者の行方を知る貴重な人間である事は確定した。

【+  】ゞ゚)「……所で聞きたいのだが、この辺にモララーと言う男は居るかね?」

( ´_ゝ`)「ええ、家に居ます。今はあの人が家の大黒柱です」

 嘘である。

【+  】ゞ゚)「では、彼を止めてくれるかな」

 男は目の前を指差した。俺がその先に見たのは……

(# ∀ )「……兄者、ちょっと下がってろ」

(#・∀・)「俺ァこいつを殺さなきゃいけねぇんだ!!」

 今にも怒りで髪を逆立てようとするモララーだった。

(#・∀・)「事情は後だ! 兄者ァ、俺を止めんじゃねぇぞ!」

(#・∀・)『解放(リリース)!!』


   「「「キング・オブ・アンガー!!!」」」

10 ◆yeyP4e7tEQ:2011/05/20(金) 16:33:46 ID:fakEb56I0
 モララーが突然中二病っぽい事を叫んだかと思うと、サウナの扉を開けた時の様な熱風が俺の体に直撃した。

【+  】ゞ゚)「おいモララー、ここは一般人の居る場所だぞ」

(#・∀・)「知るか! 今は誰も居ねぇだろうが!!」

 俺が居るのだが。

【+  】ゞ゚)「……やれやれだぜ」

【+  】ゞ )『 憑依発現 』


   『愚者の哲学』


(#・∀・)「オサム! テメェは今すぐぶっ殺す!」

(#・∀・)「オラァァァァァ!!!」

 モララーがぐっと構えると、あいつの足場のコンクリートにヒビが入っていく。

 次の瞬間、俺の視界からモララーは消え、数秒後に凄まじい風が付近一帯を飲み込んだ。

【-  】ゞ )「……ほら、私の横に関係の無い人間が居るんだ」

【-  】ゞ゚)「手加減を知らんのか?」

 モララーの拳が男の掌でがっちりと握られている。二人が力む程に地面はへこみ、深い亀裂が入っていく。

(#・∀・)「糞がッ!!」

 モララーは華麗な三段跳躍を決めて後ろへ下がると、次の一撃の為だろうか、両手を地面につけ獣の様な態勢になる。

 このカットの効果音はドドドドド!! で決まりだろう。

 ……かく言う俺は、その様子を安全圏から見ていた。

11 ◆yeyP4e7tEQ:2011/05/20(金) 16:34:53 ID:fakEb56I0
【+  】ゞ゚)「お茶のおかわりは?」

( ´_ゝ`)「いえ、別にいいです。……凄いですね」

【+  】ゞ゚)「ま、今は彼の言う通り事情は後で」

【+  】ゞ゚)「今モララーが見ているのは幻覚の様なものです」

【+  】ゞ゚)「そして、今から起きる事は私とモララーの能力によるものです」

【+  】ゞ゚)「ま、ここに居れば安全ですので、ごゆっくり」

 俺はいつの間にか教会に居た。

 何を言ってるのか分からねぇとは思うが、『超能力』や『奇跡』の類である事は分かった。

 今はこの戦いを三人称的に分析する他無いだろう。

 ちなみにさっき、教会の一席で神に祈りを捧げるミサワを見つけた。

( ゚д゚)「いやぁ、マジで神様頼みますよ。もう二度とバイト中に寝ませんから……」

( ´_ゝ`)「……」

 無視しよう。

 棺桶男の名前はオサム。対するはモララー。

 この戦い、チャチなもんじゃあねぇんだろうな……。

 そして何より母者よ。アンタは一体、どんな世界に身を投じていたんだ?


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