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( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです
11
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/20(金) 16:34:53 ID:fakEb56I0
【+ 】ゞ゚)「お茶のおかわりは?」
( ´_ゝ`)「いえ、別にいいです。……凄いですね」
【+ 】ゞ゚)「ま、今は彼の言う通り事情は後で」
【+ 】ゞ゚)「今モララーが見ているのは幻覚の様なものです」
【+ 】ゞ゚)「そして、今から起きる事は私とモララーの能力によるものです」
【+ 】ゞ゚)「ま、ここに居れば安全ですので、ごゆっくり」
俺はいつの間にか教会に居た。
何を言ってるのか分からねぇとは思うが、『超能力』や『奇跡』の類である事は分かった。
今はこの戦いを三人称的に分析する他無いだろう。
ちなみにさっき、教会の一席で神に祈りを捧げるミサワを見つけた。
( ゚д゚)「いやぁ、マジで神様頼みますよ。もう二度とバイト中に寝ませんから……」
( ´_ゝ`)「……」
無視しよう。
棺桶男の名前はオサム。対するはモララー。
この戦い、チャチなもんじゃあねぇんだろうな……。
そして何より母者よ。アンタは一体、どんな世界に身を投じていたんだ?
12
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/20(金) 16:36:21 ID:fakEb56I0
【+ 】ゞ゚)「モララー。あなたは誤解している」
(#・∀・)「お前が母者を殺したんだろうが!! 今更……ッ!」
(# ∀ )「今更謝罪が通ると思うなよォォォ!!!」
モララーは地面につけた両手両足の指を地面にめり込ませ、尚も地面の亀裂を深くしていく。
(#・∀・)「ビーグル! スペック2だ!!」
(#・∀・)「おおおおお!!!」
▲ ▲
( ・∀・) ニョキッ!
( ´_ゝ`)「?」
あれ犬の耳じゃね?
(#・∀・)「死ねぇぇぇぇぇ!!!」
おk、気のせいだ。
ジェット機が眼前を通過した様な衝撃の後、モララーはまたしても俺の視界から消える。
【+ 】ゞ゚)「む、上か! 受けろソフィ!!」
オサムの言う通り、俺が上空に目を向けると本当に空にモララーが居た。
高速で落ちてくるモララーは瞬く間も無くオサムの元へ落ち、モララーを見上げるオサムの額一寸の所を『何か』に阻まれ静止した。
(#・∀・)「肉弾戦は俺の支配下だ!! 耐えきれるかぁぁぁ!!!」
13
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/20(金) 16:38:03 ID:fakEb56I0
モララーは逆立ちの状態で『何か』に向かって拳を連打した。
鋼で鋼を打つような音が絶え間無く俺の耳を劈く。
その間、オサムは無表情でモララーを見上げていた。
【‐ 】ゞ゚)「モララー、それは本当に……」
,';,';,', 】ゞ゚)「私なのでしょうか……」
(;・∀・)「!」
オサムの異変に気付き、モララーは大きく後ろへ飛んだ。
オサムは体を黒い霧包まれたかと思うと、黒い霧が四散すると同時にその場から消え去った。霧はモララーを追い、彼の周囲を取り囲むように漂い始める。
(#・∀・)「それで俺を捕まえたつもりか! 甘いんだよォ!!」
(#・∀・)「ビーグル! 辺り全部オサムごと燃や」
( ∀ )「せっ……」
【+ 】ゞ)「いい加減、少しは成長を見せたらどうだ。モララー」
モララーを科囲む黒い霧から伸びる手刀でモララーは首を一撃され、膝から地面に崩れ落ちた。
黒い霧はやがて渦を巻き、その中からぬっとオサムが現れる。
14
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/20(金) 16:39:47 ID:fakEb56I0
【+ 】ゞ゚)「よっこらせ」
オサムは気絶したモララーを肩に担ぎ、俺の居る教会へと戻ってきた。
無駄に大きい教会の扉を閉め、オサムはモララーを席に寝かせた。
( ´_ゝ`)「……家の人間を攻撃したんだ。事情は話してもらいますよ」
( ´_ゝ`)「あなたが『母者を殺した』と言われた理由も」
【+ 】ゞ゚)「……この場所は時間とは無縁です」
「まずはお茶でも飲みましょう」
――――――――――
「ンッンー! この家だな、『流石家』とやらは」
「流石兄者は……っと。なんだ、妹だけか」
「まぁいい。流石の力は一滴だろうと欲しいからな」
爪゚ー゚)「流石妹者。確かに頂いて行くぞ!!」
――――――――――
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
第一話「家族の為に動き出すようです」 おわり
15
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/20(金) 16:49:03 ID:fakEb56I0
こんな感じです。超展開って扱い辛いですね。
「ジョジョ+ハンター×2+シャーマンキング+王道」
……という無茶で無謀な組み合わせの展開を予定しています。
拙い文章で書ける内容かは分かりませんが、完結まで無理矢理にでも持っていきます。
基本sageで投下します。トップとか人目怖すぎて死にたくなる……。
16
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/20(金) 17:27:12 ID:I.axO382O
無駄な卑屈はいらない反感を買うぞ、もっと自信持て
17
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/20(金) 17:45:14 ID:fakEb56I0
>>16
把握した。忠告ありがとう。
18
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/20(金) 18:51:42 ID:GMQTGvtkO
乙
頑張ってくれ
19
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/20(金) 19:08:11 ID:e7W4AQ2.0
乙乙。
ジョジョもハンタもマンキンも好きだから期待しとる。
20
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/20(金) 19:54:26 ID:yxQM8xdgO
これは期待
21
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/20(金) 20:31:59 ID:CycHMAioO
ンッンー!乙!
続き待ってる
22
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/20(金) 21:17:48 ID:mWHWYqW.O
なぜラオウな母者からあんなに愛らしい妹者が生まれるのか。
どこで何を間違えたのか気にn
23
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/20(金) 21:29:26 ID:fSR9wvQU0
続き期待!
24
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/20(金) 22:17:48 ID:fakEb56I0
壁|A`)< 二話目大体書けました。
壁|A`)< 多分明日投下出来るので読んで下さい。
壁|ミ
壁|<支援レスありがとう。胸熱です。
25
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/21(土) 00:02:46 ID:PET.74wg0
ジョジョネタ好きだなw一話に二回もポルナレフ出るとはおもわなんだ
続きが気になる。乙!
26
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/21(土) 13:48:29 ID:6mbNNSHk0
教会には初めて来たが、ここまで教会っぽい教会も中々無いだろう。
横長の木製の椅子が聖母を模したステンドグラスに向かっていくつも並んでいる。俺はその最前列に座り、オサ
ムが現れるのを待った。
ええい、茶菓子の用意に時間をかけすぎだ。
( ゚д゚)「あのさ」
ミサワが後ろの席から俺の肩をつつき、話しかけてきた。
( ゚д゚)「頬っぺたギューってやってくれない?」
( ´_ゝ`)「ほらよ」
ミサワはまだ現実を把握出来ていないらしい。俺はミサワの頬を思い切り引っ張ってやった。
(;゚д゚)「痛い……夢じゃない……」
(;゚д゚)「コンビニの駐車場はほぼ全壊。店のガラスだって粉々だ」
( ゚д゚)「みんな俺のせいになるのか……」
( ゚д゚)ポカーン
【+ 】ゞ゚)「お待たせしました。久々の客人で、どうにも勝手が分からず……」
オサムは盆に湯呑みと煎餅を乗っけて現れた。教会なんだしもうちょっと洒落た物でも良かっただろうに。
27
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/21(土) 13:49:08 ID:6mbNNSHk0
( ゚д゚)「……あの」
【+ 】ゞ゚)「はい、なんでしょう」
( ゚д゚)「良いバイト先を知らないでしょうか」
【+ 】ゞ゚)「え?」
(;´_ゝ`)「え? じゃないだろ。アンタらのせいでコンビニが滅茶苦茶だろうが……」
(;´_ゝ`)「さっきの事で、こいつは一番の被害者なんだ」
【+ 】ゞ゚)「ああ……」
( ;д;)「憐れむなよチクショー!」
【+ 】ゞ゚)「……少々危ないですが、良い仕事を知っています」
【+ 】ゞ^)「これを持って、この住所へ」
( ゚д゚)ポカーン
(゚д゚)
(゚д゚ )
(゚∀゚*)「仕事だー!」
ミサワはそう言って教会をスキップしながら出て行った。なんか、あいつにはまた会う気がする……。
【+ 】ゞ゚)「……さて、露払いも終わりましたし、本題へ」
( ´_ゝ`)「ああ。まずは母者の行方だ」
28
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/21(土) 13:49:50 ID:6mbNNSHk0
【+ 】ゞ゚)「先ほども言ったように、母者さんは『生きようとしている』」
( ´_ゝ`)「どこかの病院にいるのか?」
【+ 】ゞ゚)「いえ、私たちの仲間に医者が居まして。そこで治療を続けています」
( ´_ゝ`)「……お前は何だ」
【+ 】ゞ゚)「国家反逆者です」
(;´_ゝ`)「そ、そうか……」
(;´_ゝ`)「……なら次だ。お前が母者を殺した……様には思えない」
(;´_ゝ`)「俺の元へ何をしに来た」
【+ 】ゞ゚)「……母者さん同様、話が早くて助かります」
【+ 】ゞ゚)「今の貴方に私達の身分を説明しても納得出来ないでしょうから」
オサムは一拍置いて言う。
【+ 】ゞ゚)「流石兄者、並びに流石妹者の確保が私の仕事です」
( ´_ゝ`)「……お前は何と戦っているんだ」
【+ 】ゞ゚)「タイムリミット」
(;´_ゝ`)「タイムリミット……?」
「ンッンー! オサム! 悪いが針は頂いたぞ!」
29
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/21(土) 13:51:07 ID:6mbNNSHk0
どこからか聞こえる声に注意する間も無く、教会内を激震が襲う。
シャンデリアは次々と落下し、揺れで態勢を崩した俺は椅子から転げ落ちる。
一方オサムは激震に動じる事無く、ただ一点を見据えていた。
【− 】ゞ゚)「……人の家の屋根を吹き飛ばさないで下さいよ、G」
屋根? 俺はすっと頭を上げて天井を見上げた。
だが、見上げた先に天井は無く、絵具を滅茶苦茶に混ぜた様な空が広がっていた。
だが、そんなものを遥かに超えるプレッシャーを与える生物が空中に浮いていた。
その生物は片手に教会の屋根を持ち、片手で妹者を肩に担いでいる。
次いで俺の心拍数が爆発的に上昇する。今まで隠してきた驚きが、今になって俺の足を震わせた。
爪゚ー゚)「ンー? そこに居るのは流石兄者ではないか」
爪゚ー゚)「ハッ、良い眼をしている」
爪#゚ー゚)「持って帰りたい程だなァ!」
【+ 】#ゞ゚)「「させるかァァァ!!!」」(・∀・#)
30
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/21(土) 13:52:18 ID:6mbNNSHk0
(;´_ゝ`)「なんだ!? なんでアイツが妹者を……」
俺がそう呟いている間に、復帰したモララーとオサムは空中の生物と戦いを始めていた。
モララーは教会の屋根をブチ破ってその生物の頭部に飛び蹴りを決め、オサムは短剣で背中から生物の腹部を貫
いた。
爪゚ー゚)「ナンセンスな攻撃だぜ、二人とも」
爪゚ー゚)「な、そう思うだろ? 流石の長男よ」
急に背筋が固まった。あの生物と目が会ってしまったのだ。
俺がその場から動けずに居ると、ぽん、と背中を何かに押された。
振り向こうとするも、ビル解体用の鉄球で体をブッ飛ばされた様な衝撃で、体中の感覚が一瞬にして無くなった
。
視界が捩じ切れていく間に俺が見たのは……
爪 ー )「フハハハハ! 弱い、弱い弱い、実に弱いぞォ!」
爪#゚ー゚)「流石の長男! お前がまだ生きているのなら、いずれ俺は狩りに来る。それまでに……」
爪#゚ー゚)「せいぜい、お前のお漏らしシーツを洗濯しておくんだなァァァ!!!」
屈辱的で圧倒的な、敗北の景色だった。
31
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/21(土) 13:53:28 ID:6mbNNSHk0
――――――――――
かくして三途の川の到着した。
(´<_` )「……兄者よ、三途の川なんて無いと言ってたじゃないか」
( ´_ゝ`)「おいおい弟者、お前はまだ生きてるはずだろ?」
( ´_ゝ`)「三途の川を渡るのは俺だけで十分だ」
(´<_` )「兄者」
( ´_ゝ`)「なんだ弟者。俺は三途の川オリンピックに向けて練習をせねばいかんのだ」
(´<_` )「兄者」
( ´_ゝ`)「……何だ」
(´<_` )「家族の為に戦うぞ」
( ´_ゝ`)「流石だな弟者。今俺も同じ事を考えていた所だ」
(´<_` )「俺は生きている。だから信じろ」
……把握した。
――――――――――
32
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/21(土) 13:54:38 ID:6mbNNSHk0
( _ゝ )
【+ 】ゞ )
(#メ∀・)「……クソが……!」
爪゚ー゚)「ンッンー? オサムはもう死んだか」
爪゚ー゚)「で、残ったのはお前か、モララーよ」
オサムの頭をぐりぐりと床に押しつけながら、その生物は喜々として言った。
その生物はモララーを一瞥すると、邪悪な笑みを消し、虫を殺すかのようにモララーに止めを刺した。
モララーの腹は、その生物の足で貫かれた。
爪゚‐゚)「……大人しく死んでおけ」
( ∀ )「がっ……!」
教会は既に跡形も無くなっていた。壁に屋根が突き刺さり、その壁さえ四面のほとんどが破壊されている。
転がる屍は三つ。モララー、オサム、そして流石兄者。
爪゚−゚)「ンー。つまらなかった。実につまらなかった」
爪゚‐゚)「俺の敵対勢力のエース二人がこのザマか」
その生物はそう言ってモララーの死体をオサムの上に蹴り飛ばした。
33
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/21(土) 13:55:50 ID:6mbNNSHk0
爪゚ー゚)「フフッ。しかし、流石母者の力は素晴らしい」
爪゚ー゚)「この力を持ってすれば針は全て『破壊』できる」
その生物は妹者を持ち、再び空中を飛んだ。
爪゚ー゚)「流石兄者、生きているのだろう?」
爪゚ー゚)「俺の名はG。世界最強の『人工生物』だ」
爪゚ー゚)「俺を倒す気概があるなら、いつでも相手になろう!」
そう言ってGは教会跡から飛び去った。
……少しして、俺達はそっと顔を上げた。
(´<_`;)「……あいつ、気づいてたな」
(;´_ゝ`)「ああ。なんかDIOっぽいから心臓止めてれば気を抜くと思ったんだが」
【+ 】ゞ)「ゴファ! ガハッ! あ゛ー」
【+ 】ゞ゚)「……まだ血反吐が出ますよ。ぺっ」
【+ 】ゞ゚)「モララー、早くどきなさい」
(;メ∀ )「……え? 死んだ振りしてたの俺だけじゃないの?」
34
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/21(土) 13:58:01 ID:6mbNNSHk0
(´<_` )「あ、生きてる」
(#メ∀・)「それより! 今すぐ妹者ちゃんを助けに行くぞ!」
【+ 】ゞ)「黙れ雑魚。あなたが一番の怪我人でしょう」
【+ 】ゞ゚)「……一旦アジトへ戻りましょう」
【+ 】ゞ゚)「兄者さんにも、弟者さんの事を説明しないといけませんしね」
(;メ∀・)「え? いや俺組織抜けた身なんですけど」
( ´_ゝ`)「旅は道連れ」
(´<_` )「世は情けだ」
(;・∀・)「アジトは嫌だぁぁぁ!」
俺と弟者はモララーの両腕をがっちりとホールドしてオサムの後について行った。
(´<_` )「兄者よ、こんな時になんだが」
( ´_ゝ`)「ん? なんだ。感動の再会でもやるのか?」
( <_ )「いいや、もっと簡単な事だ……」
(゚<_゚#)「テメェ俺のPCから画像全部消しやがったなァァァ!!!」
(;メ∀・)「……ごめん、それやったの俺……」
ドカッ、バキッ。モララーは死んだ。
にしても、腹に穴の開いたモララーに、片腕が吹き飛んでいるオサム。
言っちゃあ悪いが、こいつら人間じゃねぇ……。
35
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/21(土) 14:00:22 ID:6mbNNSHk0
――――――――――
暗い一室を照らすのはPCの画面だけだった。足元はケーブルでごちゃごちゃになっており、足の踏み場さえ無い。
誰かがキーボードを叩く音がする。カチャカチャカチャ、ッターン!
(-_-)「また針が持って行かれたか……」
猫背の男はキーボードを叩き続けながら呟いた。
(-_-)「……だが、まだ手札は残っている」
男はピタリと手を止める。
(-_-)「流石、『兄者』……」
――――――――――
( ´_ゝ`)兄者が誰かの為に戦うようです。
第二話「家族の為に戦うようです」 おわり
――――――――――
36
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/21(土) 14:08:07 ID:6mbNNSHk0
若干短めの8kbでした。一日一回の投下となると、この量なのかな……。
書き溜めやってる余裕が無い程に俺の作業効率は悪いので、投下ペースは不規則極まりないと思います。
作中で比喩を多用しているのですが、どうでしょうか。くどい?
戦闘の描写を一人称でやるのは慣れていないので比喩で簡単にしているのですが、「もっと地の文増やせ!」っていう方が居たら三人称に切り替えてみようと思います。
今のうちに矯正したいので感想宜しくお願いします。
37
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/21(土) 15:18:36 ID:juepd/nEO
乙。更新早いな
比喩は気にならないから、地の文の空白行を詰めて状況描写を増やすんだ!
38
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/21(土) 15:22:44 ID:6mbNNSHk0
>>37
,イ ━┓¨
/ | ━┛
,r‐、λノ ゙i、_,、ノゝ ━┓¨
゙l ゙、_ ━┛
.j´ ヽ('A`)ノ<頑張る(. ━┓¨
{ ( ) / ━┛
) /ω\ ,l~
39
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/21(土) 16:57:51 ID:6mbNNSHk0
●
(゚∀゚)) 三話目書けた!
(ヽ )へ
く ●
●
((゚∀゚) 三話目書けた!
へ( /)
● >
● ●
((゚∀゚)ノ デローン!!
( )
く ω >
__|警|
( ) ('A`)<調子に乗りました。
( )V( )
ノ | ノ |
また時間出来たら投下します。
40
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/21(土) 17:09:41 ID:xOiZWpqEO
乙
wktkが止まらん
地の文が増える分にはうぇるかむ
41
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/21(土) 17:43:26 ID:6mbNNSHk0
三話の投下は今日の夜か明日中です。
バトル物は地の文で場面が固まると聞いたので少なくしていましたが、今後は地の文を少し増やすように気をつけましょうか。
私は語彙が壊滅的なので言い回しがパターン化するかも知れません。「見飽きた表現だなァ!」っていう箇所があればいつか教えて下さい。
くっ……超展開症候群なので気を抜かないと五話で終わってしまいそうだ……。
42
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/22(日) 01:47:42 ID:GKicoAbw0
壁|A`)< 作者が連レスするスレってどうなんだよ……。
壁|A`)< 執筆経過報告も逐一やってるけど、「ブログでやれ」って言われそう……。
壁|A`)< ってな訳で四話目完成。現在五話目を執筆中です。
壁|A`)< そしてゴメンよ。今日は投下出来なくなっちまったぜ……へへ。
壁|A`)< 現在投下時刻は未定です。投下前には上げて予告します。それでは……
壁|ミ
43
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:21:00 ID:x6jalv8s0
もうちょっとしたら三話投下します。
44
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:25:30 ID:x6jalv8s0
【+ 】ゞ゚)「携帯電話を貸してもらえますか?」
(;´_ゝ`)「ああ……って、画面割れてる」
【+ 】ゞ゚)「大丈夫です。今からやるのはテレパシーみたいな事なので」
【+ 】ゞ゚)「……む、ヒッキー私だ。Gに遭遇して痛手を負った」
【+ 】ゞ゚)「アジトに転送してくれ。私達三人だ」
( ´_ゝ`)「おい、四人だ」
俺はすかさず訂正して言った。
(´<_` )「兄者、オサムさんは間違っていない」
(´<_` )「それに、その数え方をしたら五人と一匹だしな」
( ´_ゝ`)「分らん。後で三行な」
(´<_` )「把握した」
( メ∀・)「ボクモララー! イイコニスルカラユルシテネ!」
【+ 】ゞ゚)「……はい。では、みなさん眼を閉じて下さい。アジトまで一気に飛びます」
俺達は黙って眼を閉じた。
……落ち着け。まだ慌ててはいけない。足の震えを抑えるんだ。汗を止めろ……。
俺は未だに、あの生物のプレッシャーに押しつぶされていた。
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
45
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:29:02 ID:x6jalv8s0
【+ 】ゞ゚)「着きました。もう目を開けていいですよ」
(´<_` )「兄者大丈夫か。股間が少し濡れているぞ」
( ´_ゝ`)「ああ、これは武者震いだ」
(´<_` )「チ〇コが震えるのか。知らなかった」
(;メ∀・)「やだなぁ……。アジトやだなぁ……」
転送された先は洞窟の中のようで、俺達の目の前には重厚な扉があった。オサムは扉の横に設置してあるパネルを操作し扉を開けた。
【+ 】ゞ゚)「さ、早く怪我の治療しましょう」
ξ゚⊿゚)ξ「……その言葉に二言は無いわね?」
扉の先には女神と拮抗する美しさを持つ女性が腕を組んで仁王立ちしていた。
ξ ⊿ )ξ「リミッター解除!」
『ヒステリック・ドクター!!』
ツンと呼ばれた女性はズンズンと闊歩しオサムの前に立ちはだかると、そのままオサムの首を握り上げ、洞窟の壁に叩きつけた。
すぐさまツンは岩にめり込んだオサムの体に跳びかかり、オサムの鳩尾に拳を三発打ち込む。
格ゲー的な動きをしながらツンはオサムをサンドバッグにし、78連打目(確認できただけでは)で攻撃をやめた。
ξ゚⊿゚)ξ「……ま、こんなもんね」
46
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:31:59 ID:x6jalv8s0
ツンは岩にめり込んだオサムを引っ張っり出し、空中に投げ捨てる。
そしてツンは腕にぐぐぐ、と力を込め、最後の一撃に出た。
ξ# ⊿゚)ξ「ブロォォォォォ!!!!」
助走をつけたツンはオサムの顔面を勢いよく殴りつけ、オサムを錐揉み回転させてアジトの中まで吹っ飛ばした。オサムはアジト内のテーブルと椅子を巻き込み、砂埃を立てて地に伏せた。
( ´_ゝ`)「俺帰る」
(´<_` )「同意だ」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、アナタ達は母者の息子でしょ?」
ξ゚⊿゚)ξ「その程度じゃ絶対死なないから入っていいわよ」
( ´_ゝ`)(これでも骨折れてるんだけどなぁ)
自分が母者の息子である事を感謝した。
ξ゚ー゚)ξ「それより……モララーを……助けてあげないとねぇ……?」
( メ∀・)「ボクモララー! ミンナトモダチダヨ!」
刹那に俺と弟者の間を飛びぬけ、ツンはモララーに飛びかかった。背後から断末魔が幾度となく聞こえたが、俺達に振り返って見る勇気は無かった。
(;´_ゝ`)「アジトに入ろう。オサムが心配だ」
(´<_` )「もう死んでるだろ」
47
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:35:16 ID:x6jalv8s0
アジトの中は酒場の様な雰囲気だったが、誰も居らず静まり返っていた。天井は高く、三階までは確認できた。
( ´_ゝ`)「オサムさん。死んでますよね」
【+ 】ゞ゚)「死人に確認を取るんですか貴方は」
オサムは何事も無かったかのように机と椅子の中から這い出て立ち上がり、黒いコートを二三度掃った。
(;´_ゝ`)「あの、大丈夫なんですか?」
【+ 】ゞ゚)「あれは彼女の能力です。怪我を回復に、回復を怪我に変換する能力」
(´<_` )「クレイジー……」
( ´_ゝ`)「弟者、そこまでだ」
【+ 】ゞ゚)「この通り、千切れた腕も元通りです」
オサムは治った腕をグルグル回して見せた。
ξ゚⊿゚)ξ「さってと。アナタ達、こっぴどくやられたんだって?」
事を終えたツンは、モララーをズルズルと引きずって会話に参加した。
俺はモララーの様子に一応同情したが、内心では大笑いしてやった。
【+ 】ゞ゚)「アジトを案内してあげて下さい。私よりツンさんの方が上手いでしょう」
ξ゚⊿゚)ξ「んー……。まぁいいわ」
ξ゚⊿゚)ξ「ついてきな」
ツンはモララーを捨て、綺麗な金髪ツインドリルを翻して歩き始めた。
【+ 】ゞ゚)「私はこれから会議に出なくてはいけないので」
( ´_ゝ`)「また後で会えますよね?」
【+ 】ゞ゚)「ええ。またここで」
俺達はオサムと別れ、ツンの後を追って走り始めた。
48
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:37:48 ID:x6jalv8s0
しばらくツンの後ろに付いて歩き、俺は久々に弟者との会話を楽しんだ。
(´<_` )「ん……?」
( ´_ゝ`)「どうした弟者。縞パンでも見たか」
(´<_` )「いや、それもあるが……」
よく見ると弟者の体は透け――いや、消え始めていた。既に弟者の腰まで消えかかっている。
(;´_ゝ`)「おい! 大丈夫なのか!?」
(´<_` )「うーん。痛くは無いから大丈夫だ」
それに。弟者は続けて言う。
(´<_` )「俺、スタンドみたいな物だから」
弟者がそう言いきると、間髪入れずに弟者の体は完全に消え去った。
(;´_ゝ`)「おい! おい! 弟者は生き返ったんじゃないのか!?」
ξ゚⊿゚)ξ「……アンタ、オサムから何にも聞いてないの?」
(;´_ゝ`)「当たり前だ! 突然目の前で戦いが始まって、突然……」
(; _ゝ )「……突然……」
あの生物に妹者を連れ去られ、俺は負けた。
ξ゚⊿゚)ξ「……傷を抉れば治りは遅れる」
ξ゚⊿゚)ξ「アナタの疑問は直に解決される。だから今は無理矢理落ち着いてなさい」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫よ、アンタの弟は生きている」
49
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:39:48 ID:x6jalv8s0
立ち止った俺のケツを叩く様にしてツンは言った。だが、フラッシュバックする今までの光景はことごとく俺の常識を越えていく。今でさえ巻き込まれている最中で、俺は訳の分からない奴らのアジトに居る。Gと呼ばれた生物が何なのか。……弟者は、母者は! 妹者は!!
逃避し続けていた現実を改めて認識して俺は狼狽し、暴れまわる恐怖感をぐっと心中に押さえつけた。
ξ゚⊿゚)ξ「……まるでパセリね」
ポンとツンは俺の頭を軽く叩いた。すると次第に心中の恐怖は和らぎ、暴れる事は無くなった。
ξ゚⊿゚)ξ「私の能力はこういう使い方もあるの」
ξ゚⊿゚)ξ「さ、行きましょう」
涙で濡れた地面を飛び越え、俺はツンの後を追った。
50
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:41:28 ID:x6jalv8s0
ξ゚⊿゚)ξ「さて、まずはトレーニングルームからね」
扉には、ひらがなで「とわーにんぐるーむ」と書かれている。この可愛い誤字は、きっと可愛い女性がいる居る事を示唆しているに違いない。
ξ゚⊿゚)ξ「行きましょ」
この部屋の扉は自動らしい。扉は滑らかな動きで開き、俺はツンに続いて中へと入った。
中の様子は存外普通だった。実際には行った事が無いので分からないが、テレビで見るスポーツジムと何ら変わり無かった。
ξ゚⊿゚)ξ「あそこでダンベル持ってるのがモナー。私より弱いわ」
( ´∀`)「余計なお世話モナ……」
その男は椅子に座り、片手に40キロのダンベルを持ってジャンプを読んでいた。白のタンクトップに赤の半ズボンを着た、よく居る筋骨隆々の体育系教師のようだった。
柔らかな目元だけが彼の優しさを象徴している。
( ´_ゝ`)「どうも、流石兄者です」
( ´∀`)「流石? 母者の所の奴モナ?」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ、見た目はパセリだけどね」
さっきも言ってたが、パセリって最弱じゃねぇか。
( ´∀`)「ふーん……」
モナーはダンベルとジャンプを置き、俺の目の前に立った。2メートルを超えているであろうモナーの体格から繰り出される眼光は、俺にとって耐えきれるものではなかった。俺は目を逸らし、モナーの無言の圧力に惨敗した。
51
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:42:45 ID:x6jalv8s0
( ´∀`)「……確かにパセリだ。だが、母者の息子だな」
( ´∀`)「面白い力を持っている。将来性抜群だ」
(;´_ゝ`)「何の話でしょうか?」
ξ゚⊿゚)ξ「アナタ、モナーに『視られた』のよ」
( ´∀`)「俺の名はモナー。能力は人間の性質を見極める『ドット・ハッカー』だ」
( ´∀`)「怪しい奴なら殺していたが、お前は良い奴だ」
( ´∀`)「ようこそ。『タイマーズ』のアジトへ」
モナーはそう言うとベンチに座り、ダンベルを持って再びジャンプを読み始めた。
ξ゚⊿゚)ξ「こいつは必要な事しか喋らないわ。行きましょう」
ツンに従い、俺はトレーニングルームを出た。
( ´∀`)「あ、そうモナ。兄者、ジャンプ作品で今一番好きな作品は?」
扉が閉まる直前、俺は決め顔で言った。
( ´_ゝ`)「めだかボックスだ」
次の部屋は食堂だった。扉にはまたしてもひらがなで「らんちろーむ」と誤字ありで可愛く書かれている。
中はまたしても普通。学校の食堂と何ら変わり無かった。っていうか学ランの子供が一杯いた。
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、言ってなかったけど、アジトの部屋のほとんどは普通の場所に繋がってるから」
52
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:43:58 ID:x6jalv8s0
ξ゚⊿゚)ξ「ヒッキーって奴の能力でね、あの扉で色んな空間をつないでるの」
( ´_ゝ`)「ハウルの動く城みたいな?」
ξ゚⊿゚)ξ「そんな感じ。あそこに居るのも仲間よ。まだ子供だけどね」
ツンが指さす方にはリア充が居た。大勢の男女に囲まれ、爽やかなスマイルを振りまいている。
ツンが手を振るとリア充がこっちに寄ってきやがった。
ξ゚⊿゚)ξ「彼はブーム君。ちなみに私と同じ位強いわ」
|^o^|「これはこれは、ツンさんではありませんか」
|^o^|「おや? そっちの野郎は誰だ? アァン?」
( ´_ゝ`)「流石兄者です」
|^o^|「流石……。そうですか」
|^o^|「これはこまりました」
ξ゚⊿゚)ξ「こいつは母者に無理矢理仲間にさせられたのよ」
ξ゚⊿゚)ξ「拳で語り合って……ね」
(;´_ゝ`)「そりゃあ……まぁ……」
恐ろしい生物だ。こいつはツンと同じ位強くて、ブームは母者と渡り合える程に強いんだろ?
<ブームくーん♪ 早くおいでよー♪
黄色い声がブームを呼び戻そうとしていた。俺は思わず壁を殴ろうとしたが、壁と拳の間を何者かに阻まれた。
|^o^|「では僕は戻りますね」
ブームは席に戻った。そして俺は、俺の壁殴を阻止した人間にじっと見つめられていた。
(*´・ω・`)「……アナタ、壁殴り代行やってみる気は無い?」
53
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:46:11 ID:x6jalv8s0
(;´_ゝ`)「え……?」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、ショボン居たのね」
(*´・ω・`)「ウフフ、可愛い顔ね……」
(;´_ゝ`)「あの、俺、そっち系じゃないんですけど……」
しょぼくれ眉毛の男は俺を舐めまわすかの様な口調で話している。
オカマだろうか。俺のケツはもう駄目なのか。
( ´・ω・`)「冗談だよ。マジレス乙」
( ´_ゝ`)「なんだ冗談か」
ξ゚⊿゚)ξ「こいつはショボン。戦闘タイプじゃないけど、私の上司よ」
( ´・ω・`)「僕はショボン。能力は補助系の『マスター・スウェルマン』」
ξ゚⊿゚)ξ「昔は母者と組んでたのよ。二人揃って『断頭台』って呼ばれてたわ」
(;´_ゝ`)(みんな化物……もうやだ……)
( ´・ω・`)「今はもう牙を抜かれた獣さ。それに、僕は元々裏方が性に合ってる」
( ´・ω・`)「そうだ。アイツには会って来たのかい?」
ξ゚⊿゚)ξ「いえ、まだよ」
( ´・ω・`)「なら早めに行った方がいい。今日は機嫌が良いみたいだからね」
ξ゚⊿゚)ξ「そう。じゃ、行きましょ」
( ´_ゝ`)「……あの、好きなジャンプの漫画ってありますかね?」
( ´・ω・`)「めだかボックスだ」
俺達は食堂を出た。
54
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:46:59 ID:x6jalv8s0
次の部屋の扉は三重になっていた。まるで牢屋だ。
ツンはそれを開けていき、三つ目の扉の所で立ち止まった。
ξ゚⊿゚)ξ「中に入ったら息をしない事。死ぬわよ」
( ´_ゝ`)(把握した)
俺は息を止め、ツンの開けた扉の中に入った。
( ´_ゝ`)(なんだここ?)
またしても普通だった。いや、さっきまでの牢屋のイメージとは真逆である分には異常だと言えるか。
そこは幼稚園の遊戯室みたいな所で、色々な玩具が散らかっていた。窓は無く、壁には広々とした高原の絵が描かれていた。
ξ゚⊿゚)ξ「ワタちゃん。新しい友達よ」
从'ー'从「なぁに?」
床にぺたりと座り、お絵かき帳にクレヨンで絵を描いている少女がこちらを向いた。可愛らしい。
ξ゚⊿゚)ξ「流石兄者よ。仲良くしてね」
从'ー'从「あーっ! 流石って、母者の?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうよ」
从'ー'从「殺していーい?」
ξ゚⊿゚)ξ「駄目よ」
从'ー'从「うーん……。ワタちゃん残念」
(;´_ゝ`)(こういう事か……)
俺は大体の事を把握した。
55
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/23(月) 22:47:29 ID:rx0EIAYk0
これは現行のスタンド使いとか壁殴り代行のパロも含んでるのかな
56
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:47:56 ID:x6jalv8s0
从'ー'从「兄者君……えいっ!」
(*´_ゝ`)「あっ! 縞パンじゃねーかヒャッホー!」
ξ;゚⊿゚)ξ「あ! 息するな馬鹿!」
渡辺が突然ワンピースをめくり上げ縞パンを俺に見せつけた。滅茶苦茶嬉しい。しかし縞パンの代償は大きいらしく、俺は首元に当てられた冷たい感触に背筋を
凍らせた。つぅ、とその感触は俺の首をなぞる。
从'ー'从「……うーん。やっぱり素直な人は切れないなぁ」
渡辺はいつの間にか乗った俺の背中からぴょんと降りた。手には草刈鎌を持っている。
俺はそっと首に手を当て、なぞられた所を再三なぞる。
(;´_ゝ`)(血ィ出とるがな……)
渡辺は俺を見て、にっこりと笑みを浮かべて草刈鎌に付いた血を舐め取った。
从'ー'从「お兄ちゃん、喋っていいよ。許可する」
(;´_ゝ`)「あ、ありがとう……」
从^ー^从「これからも素直で居てね!」
从 − 从「でないと殺すからな」
(;´_ゝ`)「任せておけ。縞パン少女との約束は絶対に守る男だ」
ξ゚⊿゚)ξ「……兄者、行くわよ」
从'ー'从「ばいばい」
( ´_ゝ`)「ああ、またな」
57
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:49:10 ID:x6jalv8s0
俺達は部屋を出た。次の部屋へ行く途中、ツンは振り返り、俺を見て呆れた声で言った。
ξ;゚⊿゚)ξ「アンタねぇ……」
ξ゚⊿゚)ξ「……まぁいいわ。ちなみに彼女」
「母者さんの師匠だから」
ξ゚⊿゚)ξ「殺されなくて良かったわね」
(;´_ゝ`)「……まったくだ」
しばらく歩いていくと、特別大きな扉の前に来た。ツンは俺の目を見て何かを伝えようとしている。
恐らく、ここが一番危険な部屋なのだろう。
ツンは団長室と書かれた扉をノックし、少し開けて中の様子を窺った。
58
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:50:35 ID:x6jalv8s0
――――――――――
l从・∀・ノ!リ「お城なのじゃー!」
おかしい……。
l从・∀・ノ!リ「海なのじゃー!」
爪゚ー゚)「流石妹者、それは湖だ」
l从・∀・ノ!リ「でも水たまりなのじゃー!」
この俺、世界最強の人口生物「G」が……。
l从・∀・ノ!リ「早く歩くのじゃ!」
爪;゚−゚)「くっ……!」
何故、小娘のお馬さんごっこに付き合っているのだァ!
爪゚ー゚)「ええい! 降りろ!」
l从・∀・ノ!リ「じゃあ御礼に昼飯を作るのじゃー!」
昼飯だと? フン、この俺を唸らせる一品が貴様に作れると言うのか?
59
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:51:31 ID:x6jalv8s0
l从・∀・ノ!リ「オムライスなのじゃー!」
爪 ー )「……ッ!」
この料理……美味いッ!
(;^ω^)「Gの威厳なんてあったもんじゃねぇお……」
l从・∀・ノ!リ「あ! お腹ボヨンの人なのじゃ!」
l从−∀−ノ!リ「気持ち良いのじゃ〜」
(*^ω^)「おっ! もうちょっと下を頬ずりしてほしいお!」
l从・∀・ノ!リ「ハッ! その手には乗らないのじゃ!」
( 'A`)「賑やかになったもんだなぁ……」
爪゚ー゚)「流石妹者、貴様を料理長に任命する」
l从・∀・ノ!リ「やったのじゃー! でも料理長って何なのじゃー!」
(*^ω^)(超可愛い……)('A`*)
――――――――――
( ´_ゝ`)兄者が誰かの為に戦うようです。
第三話「明日の為に知るようです」 おわり
60
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 22:58:53 ID:x6jalv8s0
最後の二レスはどうしようか迷った。敵を敵らしく書くべきか非常に迷った。
それでも後の伏線になるならまぁいいか。と、三話にしてGの威厳を壊してみた。
次の投下も未定です。次回で色々な説明をするので、ちゃんと戦えるのは少し先になります。
読んでくれた方、ありがとうございました。批評お願いします。
61
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/23(月) 23:01:08 ID:KH.numkE0
乙
なんかまだちょっとわからない所が多いが期待してる
で、気になったのは「人口生物」じゃなくて^「人工生物」だと思うんだ
62
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/23(月) 23:10:17 ID:x6jalv8s0
>>55
今回は小ネタとして使わせていただきました。
ただ今作は「スタンドっぽい物」が出るので、スタンド使いさんとは一線を画すように心がけています。
>>61
次回、作中での世界観説明が長くなるかもしれませんが、三行にまとめるので御安心を!
訂正通り『人工生物』です。ありがとうございました。
63
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/23(月) 23:18:03 ID:DYhPGrosO
乙
ブーンとドクオが敵側か、珍しい
64
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 00:30:19 ID:eVJ39Jf20
あ……ありのままに今起こった事を話すぜ!
『俺はパソコンの前でキャラの能力を考えて保存していたと思ったら全滅していた』
何を言ってるのか分からねーと思うが、俺も何が起きたのか分からなかった……。
頭がどうにかなりそうだった……。
切り取り→上書き保存だとか、そんなチャチなもんだった。
最も恐ろしいものを味わったぜ……。
……誰か能力のアイデアくれるとマジ助かるんだけどなー(チラッ
65
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/24(火) 00:34:44 ID:khxHhr5A0
___,,,,,..... -一ァ
/ ̄;;;´;;、;;;ヾ;;;, -──--、,!
. /'´|;;;;,、;;;;;;;;;;/ ,!
. /:.:.:.レ´:.ヾ;;;;;;i 断 だ ,!
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ;i る が ,!
. /:.;.イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..ヽ ,!
. /レ' ;|:.:.:.:.:.:.:,:ィ:.:.:.:〉 __,.,!
/-、ヽ,:|:.:.:,/ /:.:.://.:,:ィ:.:.:.,!
/'ヽ、ヾi ゙´.: /__;:;:-'"´ ,;|:.:.:.,!
. /ゝ-`';:/ .:〈ニ=-=ニ二 ̄ヽレ',!
/::::;;;;;/ ' ,, ニ`ー-,、__\〉ィ,!
. /;:::::/ ::. ::.,,\_ゞ;'> 〈;,!
/i!:::::iヾ-'、::.. '';~ ,;:'/,!
. /;;;i!fi´l_、,.` .: ,;:' ,!
/;;;;;i' ('ー、ヽ ..: ,;:'' ,!
ヽ、jゝ、`ヾ:、゙、 ,..:'.:'" .: ,!
``ヽ.、_ ¨` ,:' (_r:,!
``ヽ.、.. ノr;ソ~,!
``ヾ、 / 7,!
``ヽ,!
66
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 01:08:21 ID:eVJ39Jf20
>>65
このアイデアは30分前までの能力
今、吸い取ったのは、その元ネタ作品のAA……。
そしてわざわざここまで俺のアイデアを昇華させたのは
>>65
……お前自身だ……。
大型AAというのは、我がスレに転がる犬のクソのようにジャマなもんだと思ったが……。
最後の最後はこの
>>1
に利用されるのが
>>65
の宿命だったようだ……フハハハハハ!!
壁|A`)< フハハハハ! ありがとう!
67
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 15:57:59 ID:eVJ39Jf20
( 'A`)「……これってさぁ……」
( 'A`)「俺のオナニー小説なんじゃね?」
(*'A`)「……だがそれがいい!」
四話投下しマスカラ。やっぱり短いけれど……。
68
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 16:02:01 ID:eVJ39Jf20
ξ゚−゚)ξ「だんちょー……。居ますかー……」
ξ゚⊿゚)ξ「……うん、大丈夫ね」
( ´_ゝ`)(何がだ?)
ξ゚⊿゚)ξ「さ、入りなさい。私はもう戻るから」
(;´_ゝ`)「そんな不安そうな顔して言われると、俺まで不安になっちまうよ……」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫よ死にはしないわ。じゃ、宴会場に行ってるから」
ツンはそう言い残し、来た道をスタコラ戻って行った。
宴会場っていうのは最初の所だろう。オサムと待ち合わせもしているし丁度いいか。
俺はやたら大きい扉を押し開け、中に入った。
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
69
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 16:04:12 ID:eVJ39Jf20
中は植物園だった。もう驚かんぞ。
俺を囲う様にして生える草木はほとんどの光を遮り、一定間隔で灯るランプを頼りに俺は前に進んでいった。
しばらく歩くと光が入る様になり、地面が土から白のタイルに変わった。更にその先には噴水があり、俺はその噴水まで歩き、一旦噴水の縁に腰を下ろした。
俺は上を見上げた。全面ガラス張りの天井からは星が見えた。アレガ、デネブ、ベガ、アルタイル。真夏の大三角。
そして見える、青い地球――地球?
ざわ……ざわ……。草木を風が揺らす。
( ´_ゝ`)「ここの奴等は宇宙進出までしてんのかよ」
( ∵)「そう、ここは月面さ」
俺の横には木霊が座っていた。もののけ姫に出てくるあれだ。
( ´_ゝ`)「アンタがリーダー……団長か」
( ∵)「まぁそうだね」
( ∵)「僕は世界の化身。木霊とか呼ばれるけど、ここではビコーズ、あるいは団長と呼ばれている」
( ∵)「よろしく」
ビコーズは30センチ程しかない体で立ち上がり、俺に手を差し出した。その手を取ると、案外ツルッとしている。
70
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 16:05:55 ID:eVJ39Jf20
( ∵)「まず、質問があれば答えようか」
ビコーズは縁から飛び降り、少し走ったかと思うとスゥと消えた。消えたかと思うと、今度は俺の膝の上で寝転んでいる。
( ´_ゝ`)「お前らがどういう目的で集い、どういう目的で俺と妹者を保護しにやってきたのか」
( ∵)「若いね」
ビコーズは薄緑に灯る体をくるりと一回転させ、ちょこまかと踊り始める。
( ∵)「モナーから聞いたね。僕達はの組織名は『タイマーズ』」
( ∵)「僕達はある物を探す為に居る」
( ´_ゝ`)「それが、Gの言う『針』なんだな」
ビコーズは両手足を広げてピョンと飛び跳ねる。表情に変化が無いため、楽しいのかどうか俺には分からない。
( ∵)「そうだ。その『針』には特別な力がある」
( ∵)「針の本数は時計の時刻を表す『秒針』『短針』『長針』の分あり、合計すると針は132本ある。
その針は……まぁ昔の大戦で悪用されてね、世界各地に飛んで行ったんだ」
( ∵)「で、その針を体に受けた者は『死ぬ』」
( ∵)「君の弟、弟者。そして流石妹者の二人は『針』を体に受けている。
『針』が体に溶け切るまでには時間差があるけど、流石妹者もいずれ死ぬだろう」
( ´_ゝ`)「……さっきまで弟者が生きていた。あれはどういう事だ」
( ∵)「『幻体』と、僕らは呼んでいる。肉体無き本体……とでも説明しようか」
( ∵)「君は既に素質を開花させつつある。オサムとモララーの戦いで、幻体を垣間見た筈だ」
▲ ▲
( ・∀・)ニョキッ
これか。
71
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 16:07:28 ID:eVJ39Jf20
( ∵)「……君はまだ何も知らない。何と戦えばいいのか、何故戦う必要があるのかも分かっていない」
( ∵)「流石兄者。君は僕と契約して、『タイマーズ』の一員になるかい?」
( ´_ゝ`)「願いは叶わんだろうが、俺の家族を助けられるのなら仲間になろう」
( ∵)「……みんなこう言うと『QB死ね!』って僕を攻撃するんだけどね。特にワタちゃん」
( ∵)「まぁいいさ。歓迎するよ、流石兄者」
( ´_ゝ`)「うむ」
( ∵)「さて話を続けようか」
( ∵)「針を体に受けた者は一度死に、幻体となる。幻体は宙を彷徨い、あるきっかけを待つ」
( ∵)「幻体となった弟者が君の目の前に姿を現したのにはきっかけがあるだろう。思い出してごらん」
( ´_ゝ`)「……ああ、確かにあった。俺は三途の川で弟者に会った」
( ∵)「幻体は死後、自分を必要とし、また自分にも必要な相手と同化する。
つまり、友情、愛情、家族愛。互いに通じ合っている人間に限り同化するのさ」
( ∵)「幻体には多種多様な能力が備わっている。それがオサムの『愚者の哲学』、モララーの『キング・オブ・アンガー』」
( ∵)「兄者、君自身の能力についてはモララーに聞くといい。彼は優秀なコーチだからね」
( ∵)「……で、今君が一番気にしているのは『G』と『針』の関係だね」
( ´_ゝ`)「ああ。奴は『針を頂く』と言っていた。そして妹者は連れて行かれた」
( ∵)「……G。奴の目的は長針十二本を全て破壊し、人類を抹殺する事だ」
( ∵)「既に長針の内、7本が奴に破壊された。今までは母者が居て、戦力は拮抗していたんだけどね……」
( ´_ゝ`)「三行」
( ∵)「・超能力も身内の死も全部針のせい
・Gヤバい。長針全部壊されるとマジヤバい。みんなで止めよう
・残りの5本の内、君らを合わせて三本は確保してある」
72
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 16:08:40 ID:eVJ39Jf20
( ´_ゝ`)「……妹者が幻体になるまでの残り時間は……」
( ∵)「およそ三カ月だ」
ざわ……ざわ……。草木の揺れは、動き始めた俺の運命を物語るかのようだった。
( ∵)「……おっと。そろそろ朝飯の時間じゃないか」
( ´_ゝ`)「あ、そういえばまだ朝じゃん」
(;´_ゝ`)(つーか、コンビニにジャンプ忘れてしまった……)
後でモナーに借りよう。俺はビコーズに続き、月面の植物園を出た。
( ∵)「さあ! 今日は君の歓迎会だ! 思う存分食べるがいいさ!」
宴会場は三階まで人で埋まり、まるで爆発音のような騒がしさだった。
俺がその光景に唖然としていると、突然その中へ引っ張り込まれ、気がついた時には全身真っ裸だった。
何を言ってるのかわからねーとは思うが、酒の恐ろしさと、大学でやる子供の飲み会のショボさが良く分かった朝だったぜ……。
(*´_ゝ`)「渡辺ぇ……そこは駄目だよぅ……」
从'ー'从「えー、じゃあ右腕ならいいかなー」
ξ゚⊿゚)ξ「治すの面倒だからチ〇コにしておきなさい」
だが、宴会はまだ始まったばかりのようである。
73
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 16:09:34 ID:eVJ39Jf20
――――――――――
湖の見える城のテラス。Gはそこに立ち、水面に浮かぶ満月を見つめていた。
爪゚ー゚)「……どうした。眠れぬのか」
まくらを抱え、目を擦りながら妹者はテラスに出てきた。Gはしゃがみ、妹者の頭を撫でる。
l从−∀−ノ!リ「Gはまだ寝ないのか?」
爪゚ー゚)「ああ。お前はもう寝ろ」
Gはそう言い、妹者を肩に担いでベッドに投げ捨てる。
l从−∀−ノ!リ「G……。ゴキブリの略なのじゃー……。むにゃむにゃ」
Gは再びテラスへ出て、もう一度水面の月を眺め始めた。
爪゚−゚)「俺は……」
( ^ω^)「G、大丈夫かお」
( 'A`)「今後の事を話し合うって言ったのに、こんな所で……」
74
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 16:10:39 ID:eVJ39Jf20
Gは月を見下しながら、落ち着いた口調で話し始める。
爪゚−゚)「……俺は人間によって造られた肉体を持つ幻体だ」
爪゚−゚)「俺は人間に造られた……だが人間ではない」
爪#゚−゚)「造られた幻体の俺は、幻体ですらない!!」
爪# − )「……ならば、俺は一体何なのだッ!」
( ^ω^)「お前はお前だお。そしてオイラ達は仲間だお」
ブーンはGの肩をぽんと叩く。
爪゚ー゚)「……少し取り乱したな。すまない」
Gは宙にある本物の月に手を伸ばし、ぎゅっと握りつぶした。
爪゚ー゚)「俺は、俺を生んだ全てを恨む……」
爪 − )「だからこれは、攻撃でも、宣戦布告でもなく……!」
「俺を生み出した人類への、復讐だ……」
75
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 16:12:00 ID:eVJ39Jf20
( 'A`)「……俺が行こう」
(;^ω^)「ドクオ、オイラ達は確かに強いお。……でも、一人でタイマーズのアジトに行くのは危険だお」
( 'A`)「いいんだ。俺は、お前達の恨む人間と同族だ。せめてお前らの為に働かせてくれ」
爪゚−゚)「……人を恨むべきは人だ。お前こそが、本当に正しいのかもしれないな。ドクオ」
ドクオは片手をポケットに突っ込み、片手をヒラヒラとさせながらテラスを後にした。
( ^ω^)「……オイラも人の事は言えないから、ドクオは止められないお」
( ^ω^)「G、でもな。お前を止めるのはオイラとドクオだお。それを忘れるなお」
続いてブーンもテラスから姿を消した。
爪゚ー゚)「……フン。今日は良い月が出ている……」
Gはもう一度水面の月をみつめ、そっとほほ笑んだ。
――――――――――
( ´_ゝ`)兄者が誰かの為に戦うようです。
第四話「己の為に戦う彼等のようです」 おわり
76
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 16:19:20 ID:eVJ39Jf20
8レス分だけど気にしない。
逆に五話目が伸びてしまって困っているのだから。
Gのセリフが分かる人は友達になろう。
今の所ジョジョネタ使いまくってるけど、もうちょい進んだら……。
それはそうと、ちょいと更新ペースを落とすので次回は先になります。
指摘、批評お願いします。あと、
>>65
みたいなのでも中二能力化するのでお願いしますね。
( 'A`)「中二……能力……」
('A`)「生徒指導さんと被っている……だと……?」
(;'A`)(ヤバい……。不思議な力で死ぬ事になるのか俺……!)
77
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/24(火) 16:34:17 ID:hPiFoFFw0
乙!展開が楽しみだ
78
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/24(火) 18:00:23 ID:xcI8dsZw0
ポケモンでGみたいな奴がいt(ry
ナンデモナイヨ!ミンナトモダチダヨ!
79
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/24(火) 18:22:35 ID:5SJRZMIcO
乙!
80
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 20:52:27 ID:eVJ39Jf20
('A`)「五話目が何と46kbでした」
('A`)「流石に長いだろ常考って事で短くしていったら……」
('A`)「最終的に9kbになってしまった」
('A`)「今更だけど、前後編にすれば良かったと『後悔』しました」
( 'A`)「端折りすぎて意味不明。場面変更が若干無理やり」
( 'A`)「読者さん。あなたの理解力を私に貸して下さいね」
ってな訳で五話目を投下します。また短いけど気にしない。
81
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 20:55:33 ID:eVJ39Jf20
ξ*゚⊿゚)ξ「久しぶりに酒飲んだわ〜」
|^o^|「げろげろげー」
(*´・ω・`)「新メンバーも久しぶりだったしね」
(*´∀`)「俺はまだまだいけるモナ!」
(;´_ゝ`)「あのですね、そろそろ宴会止めませんかね」
俺たち五人は一つのテーブルを囲んで酒を飲み続けていた。俺は酒が飲めないので、ブームと一緒になってカシスオレンジをずっと飲んでいた。
|^o^|「兄者、お前とは良いカシスオレンジが飲めそうだ」
( ´_ゝ`)「だな。お互い、苦労人のようだし」
宴会が完全に終わり、皆が酔い潰れたのは今日の夕方だった。
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
82
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 20:57:24 ID:eVJ39Jf20
( ´∀`)「さてと」
宴会の翌日、俺はモナーに呼び出されトレーニングルームへ行った。
俺の能力を開花させる為の修行をするそうだ。トレーニングルームの更に奥、俺は真っ白な部屋に案内された。
( ´∀`)「ここには何も無いモナ」
( ´_ゝ`)「まぁそうだな」
( ´∀`)「そして、ここでやる修行は『幻体』の発動モナ」
( ´∀`)「お前の能力を開花させるには、お前が弟者を最低一時間は発動させなくてはいけないモナ」
( ´_ゝ`)「残月のオッサンに会う感じか」
( ´∀`)「そうモナ。ま、弟者と昔話でもしてるといいモナ」
それじゃあ。モナーはそれだけ言って部屋を出て行った。
( ´_ゝ`)「うーむ……。とりあえず座禅でも組んでみるか」
(´<_` )「なんでそうなる」
( ´_ゝ`)「……計算通りだ」
弟者が出てくるのに、そう時間はかからなかった。
( ´_ゝ`)「ま、一時間はお前と喋れるんだ。ゆっくりしようや」
(´<_` )「もう消えかけてるけどな」
パッ、と弟者は姿を消した。
83
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 20:59:22 ID:eVJ39Jf20
(;´_ゝ`)「む、幻体の維持ってのは難しいみたいだな……」
( ´_ゝ`)「サンバの衣装だけ買っても、踊らなくては意味がないという訳か」
(´<_` )「分かりにくい例えを出すな」
それから俺は考えうる全てのボケを捻り出したが、弟者は突っ込むだけですぐに消えてしまった。
( ´_ゝ`)「お前は自動突っ込み装置か」
弟者は反応しなかった。
真っ白な部屋の中で、ボケと突っ込みだけが虚しく応酬していた。
――――――――――
彼の目の前には重厚な扉があった。彼はコンコンと扉を叩くが、向こう側からの返事は無い。
( 'A`)「あー、爆弾でも持ってくれば良かったかな」
ドクオはゴソゴソとポケットを探り、赤い筒状の物とライターを取り出した。
筒から伸びる糸に火を点け、ドクオはそれを扉に投げつけた。
( 'A`)「ま、持ってるんだけどね」
重厚な扉は爆発によって粉砕し、煙を上げて崩れ落ちた。
( 'A`)「タイマーズ攻略戦か……」
( 'A`)「後悔が多そうだぜ」
ドクオは黒煙へ向かって歩き、アジトの中へ入って行った。
84
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 21:01:11 ID:eVJ39Jf20
( ・∀・) ξ゚⊿゚)ξ |^o^|
【+ 】ゞ゚) ( ´・ω・`)
アジトの中では五人がその黒煙を見つめ、警戒していた。
( ´・ω・`)「いいかい、敵だったらすぐに殺す事」
誰も答えはしなかったが、全員がそれを心の中で頷いた。
( ・∀・)「来たぜ」
ブワッ、と黒煙は風に揉み消され、それに隠れていたドクオは姿を現にした。
( 'A`)「……あっちゃー。多勢に無勢かよ」
( 'A`)「他の通路探せば良かった」
ドクオがそう呟く間にも、彼の眼前には五つの死が迫っていた。
ξ ⊿ )ξ「リミッター完全解除!」
【+ 】ゞ)『憑依発現』
(#・∀・)「リリース!!」
( ´ ω `)「システム起動」
| o |「幽閉解禁……」
( 'A`)(ワオ。恐ろしいねぇ……)
( 'A`)(じゃ、頼んだぜ。クー)
( A )(……発動……)
「後悔の公開【ルック・バック・ディメンション】……」
ドクオに迫る五つの死は、間も無くドクオの五体をズタズタにした。
85
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 21:03:23 ID:eVJ39Jf20
――――――――――
彼の目の前には重厚な扉があった。彼はコンコンと扉を叩こうとするが、ビクッと体を震わせ思いとどまった。
( 'A`)「……なるほどね……」
( 'A`)「そりゃ、他の道を探した方が賢明だろう」
( 'A`)「サンキュー、未来の俺」
ドクオは扉から入る事を止め、どんどんそこから離れて行った。
しばらく歩いた所でドクオは洞窟の壁に耳を当て、コンコンと叩いた。
( 'A`)「……ここだな」
ドクオはゴソゴソとポケットを探り、赤い筒状の物とライターを取り出した。
筒から伸びる糸に火を点け、ドクオはそれを壁に投げつけた。
数秒してそれは爆発し、壁を粉々に粉砕した。
( 'A`)「ビンゴだ」
崩れ落ちた壁の向こうには通路があった。ドクオはその通路へ入り、すぐに天井のダクトへ身を隠した。
気配を消し、ドクオはダクトを進んでいく。時折聞こえる慌ただしい足音はきっと自分が原因なのだろう。ドクオはほくそ笑んだ。
( 'A`)「アイツが言う歌でも歌いたい気分っていうのは、こういう感じなんだろうな」
( 'A`)「だが、童貞戦士ドクオはそんなヘマはしない。堅実に前に進むだけよ」
86
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 21:05:08 ID:eVJ39Jf20
ダクト内を当ても無く進み続け、足音が消えた所でドクオはダクトから顔を出した。
( 'A`)(トレーニングルームか?)
ドクオは誰も居ない事を確認するとダクトから降り、部屋の入り口を少し開け通路の様子を窺った。
( ´∀`)「どうかしたモナ?」
( 'A`)(……あちゃー。ばれたか)
背後から話しかけられ、ドクオは内心諦めた。
( ´∀`)「新しいメンバーかモナ? ようこそ、ナンバーズへ」
( 'A`)(ばれていない? いや、警戒しておこう)
ドクオは扉をパタンと閉め、モナーの目を見た。
( 'A`)(試してみるか……)
( 'A`)「あの、今みんなで鬼ごっこやってて、誰にも気づかれずに団長室に行きたいんですけど……」
(*´∀`)「モナッ!? 鬼ごっこなら任せるモナ! こっちだモナ!」
( 'A`)(ミッション・クリア……かな)
――――――――――
彼は重厚な扉の前に居た。が、何もせずにクルリと振り返り帰って行った。
( 'A`)(団長室はあそこか……)
( 'A`)「グッバイ。マヌケなタイマーズ諸君」
ドクオは扉に背を向け、片手をポケットに入れ片手をヒラヒラさせて数歩あるくと、ドクオはゴソゴソとポケットを探り、赤い筒状の物とライターを取り出した。
筒から伸びる糸に火を点け、ドクオはそれを口にくわえた。
87
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 21:06:05 ID:eVJ39Jf20
――――――――――
(;^ω^)「ドクオ、オイラ達は確かに強いお。……でも、一人でタイマーズのアジトに行くのは危険だお」
( 'A`)「だが断る。残念だがもう行ってきた」
湖の見える城のテラス。そこにはドクオと、それを心配するブーンと、月を見上げるGが居た。
(;^ω^)「クソ……。お前の能力じゃあ止めようがないお!」
( 'A`)「団長室の場所と、アジト内部の設計図を手に入れた」
爪゚ー゚)「よくやった、ドクオ」
( ^ω^)「……後悔の無い人生って、どういう気分だお」
ドクオはニヤリと笑い、ブーンと顔を見合わせて言った。
('∀`)「最高に『ハイ!』って奴だね」
爪゚ー゚)「まぁいい。ドクオが入手したアジトの設計図を元に最後の作戦を練ろう」
( ^ω^)「……それはそうと、ドクオ。お前の能力のデメリットは、大丈夫なのかお?」
( 'A`)「俺が影響を与えた人間にも記憶、経験が残るってやつだな。それは大丈夫だ」
( 'A`)「運良く馬鹿な奴が居てな。そいつに道案内してもらったのさ」
爪゚ー゚)「好都合な話だ。その馬鹿な奴ってのが、強化系能力者である事を願うばかりだ」
Gはもう一度水面の月をみつめ、そっとほほ笑んだ。
( 'A`)「俺に案がある。タイマーズのアジト襲撃は……」
88
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 21:07:02 ID:eVJ39Jf20
――――――――――
( ´∀`)「さてと」
宴会の翌日、モナーは兄者をトレーニングルームへ呼んだ。
兄者の能力を開花させる為の修行をするつもりらしく、モナーは兄者をトレーニングルームの更に奥にある真っ白な部屋に案内した。
( ´∀`)「ここには何も無いモナ」
( ´_ゝ`)「まぁそうだな」
( ´∀`)「そして、ここでやる修行は『幻体』の発動……って」
モナーは言葉と止め、兄者の目をじっと見つめた。
( ´∀`)「……いつの間に発動の練習をしたモナ?」
( ´_ゝ`)「えっ? 俺、そんな事やった覚えないけどな……」
( ´∀`)「……もう少し深く視させてもらうモナ……」
モナーは兄者の目を更に見つめる。
( ´∀`)「……なるほど。どうやらアジトは攻撃を受けたらしいモナ」
( ´_ゝ`)「ん? どういう事だ」
( ´∀`)「俺は一回部屋を出る、お前は弟者と一緒に必殺技でも考えてろ」
じゃあなと言い残し、モナーは乱暴に扉を閉め出て行った。
(´<_` )「……兄者」
( ´_ゝ`)「なんだ。必殺技でも思いついたか」
(´<_` )「ああ。聞いて驚けよ……」
89
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 21:07:46 ID:eVJ39Jf20
部屋を出たモナーは団長室の噴水へ向かい、ビコーズに事の詳細を伝えていた。
( ´∀`)「Gの仲間に厄介な奴が居る。恐らくアジトの場所も、この月面の位置も把握されただろう」
( ∵)「なるほど。して、そう思った理由は?」
( ´∀`)「……俺の能力は相手の性質を見極める『ドット・ハッカー』
一度視た奴のデータは頭に必ず入っている」
( ´∀`)「そしてさっき、俺に見覚えの無い奴のデータを思い出した。
そいつの能力の詳細は分からないが……」
( ´∀`)「そいつは、明らかな敵意を持っていた」
( ∵)「……なるほど。その類の能力は知っています」
( ∵)「主要メンバーを会議室へ! 僕も人形ではなく、本体で向かう!」
,';,∵)サラサラサラ…
ビコーズは光になって宙に消えると、モナーは団長室を後にした。
モナーは通路に出ると歩きながら携帯電話を使い、メンバーの招集を急いだ。
( ´∀`)(急がないと……俺の記憶が確かなら、襲撃は……)
――――――――――
( 'A`)「一週間後だ」
――――――――――
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
第五話。おわり
90
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/24(火) 21:13:48 ID:eVJ39Jf20
貧弱貧弱ゥ! と言われそうなレベルで短かい。
次は! 次こそはッ! 容赦無くいくッ!
100レス消化しようが、次回は俺のやりたいようにやるッ!
つまり、次回は戦いがあるって事なんだよォォォ!!
( 'A`)←短くなった原因
それでは。今度は本当にしばらく投下無いからな(チラッ
91
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/25(水) 01:42:57 ID:C7gu8XYIO
はじめて読んだけど面白いな
期待期待
92
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 02:36:41 ID:ycS3k1Yo0
駄目駄目!! 駄目だ我慢出来ないィィィ!! 溢れ出る創作意欲が俺の頭を支配して離さないッ!
必要なのはリアリティ!! だが俺には関係無いねッ! 俺は書く! 原稿用紙が真っ黒になるまでッ!!
ジーハ村に悪名轟くグレン団! 俺の魂が怒り狂ってる! エウレカァァァ! 渚ァァァ!! 奏ェェェ!! ガンダァァァム!!
ポケモンゲットだぜ! かく言う私も童貞でね。飛ばねー豚はただの豚だ。バオウ・ザケルガァァァ!!! 速さが足りない!!
壁|A`) < ……以上、制作経過でした。
壁|A`)< 今の所30kbです。俺の本気はまだまだよ……。
壁|A`) < 俺、まだまだ無名だから頑張るんだ……。
93
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/25(水) 03:16:20 ID:6Rzd5v1UO
乙
ボケと突っ込みのシーン想像したらシュールでわろた
94
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 16:31:21 ID:ycS3k1Yo0
| \
| ('A`) ガチガチバトルって飽食気味
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄ /
|
| (゚д゚)
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄
六話が書き終わりました。前中後編に分けて投下します。
>>90
なんて無かった。後で投下しに来ます。
95
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/25(水) 16:34:23 ID:oVnygZK20
お、投下あんの?期待
96
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 16:39:18 ID:ycS3k1Yo0
( ゚д゚)「いらっしゃいませー」
( ´_ゝ`)「あ、ミサワじゃん。久しぶり」
( ゚д゚)「……何名様でしょうか」
( ´_ゝ`)「十人。まだ増えるらしい」
ξ゚⊿゚)ξ( ・∀・)( ´∀`)( ^^ω)¥・∀・¥
【+ 】ゞ゚)( ´・ω・`)|^o^|〈::゚−゚〉
俺達はこれから、このマックで会議を始めるらしい。
(゚д゚;)「店長ォォォ!!」
新しいバイト先はマックか。ミサワよ。
/ ,' 3「おおー。今日は新顔が居るのう」
(;゚д゚)「そうじゃないッスよ! 入りきらないですって!」
/ ,' 3「客全員追い出せ。こいつらはVIP待遇だ」
( ゚д゚)ポカーン
97
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 16:40:06 ID:ycS3k1Yo0
苦労人はどこへ行っても苦労するものだ。諦めろミサワ。
俺達は半ば強引に奪い取ったマックの席に座った。
(;゚д゚)「あの……、ご注文は……」
ξ゚⊿゚)ξ( ・∀・)( ´∀`)( ^^ω)¥・∀・¥
「「「「「マック・シェイクを頼むッ!!」」」」」
【+ 】ゞ゚)( ´・ω・`)|^o^|〈::゚−゚〉( ´_ゝ`)
( ゚д゚)「……はい」
ゴキュゴキュゴキュ!!
レロレロレロレロレロレロ
ズズズズズ!! ズビズバー!!
ξ゚⊿゚)ξ( ・∀・)( ´∀`)( ^^ω)¥・∀・¥
「「「「「次のマック・シェイクを頼むッ!!」」」」」
【+ 】ゞ゚)( ´・ω・`)|^o^|〈::゚−゚〉( ´_ゝ`)
( ;д;)「もうやだァァァァ!!!!」
( ´_ゝ`)兄者が誰かの為に戦うようです。
98
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 16:41:31 ID:ycS3k1Yo0
〈::゚−゚〉「君ね。新しい子っていうのは」
( ´_ゝ`)「ええ。宜しくお願いします」
〈::゚−゚〉「もう、止めてよ。タメでいいわ」
この人はぃし。表情は固いのだが、それ以外はとても柔らかそうだ。なによりホットパンツがイイ。
¥;・∀・¥「なぁなぁ、これって経費で落ちるよな? 割り勘とかじゃないよな?」
不安そうに服の裾を握り問いかけてくるのはマニー。渡辺を上回るローリングっぷりだ。ちなみにローリングにロリ的な意味合いは無い。
だが、この場に体操服で来るのはどうかと思うぞ。ブルマかどうかは読者諸君の想像に任せよう。
( ´_ゝ`)「大丈夫だろ。たかがマック・シェイクだし、俺が奢ってもいいくらいだ」
\*・∀・\「本当!? やった! 兄者大好き!」
だが男だ。
冗談である。間違いなく女性である。
( ^^ω)「僕は長谷川だホム。よろしくホム」
( ´_ゝ`)「あ、どうも」
最後は野郎か。俺は適当に受け流して挨拶を終えた。
(*^^ω)「兄者は『魔法少女まどか☆マギカ』って知ってるホム? 僕はそれに出てくるほむほむが好きなんだホム!」
こいつの語尾はそれが原因か。
俺はズビズバー! とマック・シェイクを啜り、会議が始まるのを黙々と待った。
( ゚д゚)「…イラッシャイマセ。タダイマカシキリトナッテオリマフ」
99
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/25(水) 16:42:00 ID:oVnygZK20
おぉ、もうか。支援
100
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 16:42:48 ID:ycS3k1Yo0
<_フー フ 「いや、僕は彼らの仲間だよ」
( ゚д゚)「…ドウゾオクヘ」
<_プー゚)フ 「ありがとう」
<_プー゚)フ 「……やぁ。早速会議を始めよう」
また新しい奴か? 俺はシェイクの蓋の裏に付いたシェイクをレロレロと舐め取りながら、後から入ってきた奴を見た。
<_プー゚)フ 「ヒッキー。頼んだよ」
(−_−)「ああ。……『転送』」
ξ゚⊿゚)ξ( ・∀・)( ´∀`)( ^^ω)¥・∀・¥
「「「「「マック・シェイクをありがとう!!」」」」」
【+ 】ゞ゚)( ´・ω・`)|^o^|〈::゚−゚〉( ´_ゝ`)
( ゚д゚)「…マタオコシクダサイ」
――――――――――
<_プー゚)フ 「はい。きりーつ、れー、ちゃくせーき」
マックの次は体育館かよ。だが、体育館の中は一杯で、聞く話によるとこれは全員タイマーズのメンバーだそうだ。
これだけの人数になると流石に心細くなった。俺は弟者を呼び出し、体育館の端によくある梯子っぽい奴に上った。
さっきの奴はエクストと言うらしい。ビコーズの本体だが、限りなく幻体に近い体になっている。薄緑に光り浮遊するその姿は幽霊そのものだった。
その横に立っている伏し目がちな少年はヒッキー。なんと副団長だという。壇上のヒッキーはマイクを持って一歩前に出ると、明らかに緊張した様子で話し始めた。
101
:
俺は早漏なのさ
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 16:44:12 ID:ycS3k1Yo0
(;-_-)「あのですね、……みなさん。えっと……」
<_プー゚)フ 「……Gとの戦いがあります」
(;-_-)「そう! 一週間後にGとの最終決戦があります!!」
ナ、ナンダッテー!! 体育館にその一言が響き渡る。
(;-_-)「しょれにそなえて、G一味と戦う意思のある者を募りましゅ!!」
(;-_-)「やりたい人、手を挙げて!!!!」
やった事がある奴は分かる。誰も手を挙げない学級委員。渋々やって頑張っても、クラスから返ってくる反応は冷徹の極み。
それが今、俺の目の前で起きていた。
(-_-)「……はい。休み時間にするので、誰がやるか皆で決めて下さいね……」
ヒッキーは壇上を降り、体育館の片隅でいじけ始めた。
<_プー゚)フ 「今日中ですからねー! でないと、先生が勝手に決めちゃいますからねー!」
――――――――――
(´<_` )「何故すぐに手を挙げなかった」
( ´_ゝ`)「……怖かったんだ。すまん」
(´<_` )「……まぁ無理にとは言わない。じっくり考えよう」
102
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/25(水) 16:44:29 ID:oVnygZK20
シリアスシリアス
103
:
俺は早漏なのさ
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 16:46:48 ID:ycS3k1Yo0
俺達は梯子っぽい奴の上にずっと居た。体育館から出ていく者や、各所で固まりUNOを始める者。それらを見つめながら、俺達はGについて話し合った。
やはり怖い。あの時の恐怖、プレッシャーは、思い出すだけでも気持ちが悪くなってくる。
オサムとモララーもあの時は生きていた(俺にはやせ我慢に見えた)が、どう考えてもその実力差が一週間で埋まる訳が無い。
Gが本気を出せば、すぐにでもタイマーズは壊滅してしまうだろう。
(;^ω^)「おーん。もう会議は終わってしまったのかお?」
俺達と同じように梯子っぽい奴に上る物好きが居た。太った体でよくぞここまで登ってきたものだ! 俺は心の中で大魔王になっていた。
( ´_ゝ`)「今は休み時間です」
(;^ω^)「え? そうなのかお?」
( ^ω^)「……まぁいいお」
( ^ω^)「君、流石兄者君だおね。話には聞いているお」
( ´_ゝ`)「おお。俺はそんなに有名なのか」
( ^ω^)「まぁね。オイラの友達とライバル関係だった母者の息子ってだけでも凄いお」
( ´_ゝ`)「アンタの名前は?」
( ^ω^)「内藤ホライゾン。ブーンと呼べお」
( ^ω^)「『おそれることはないんだよ 兄者くん ともだちになろう』」
( ´_ゝ`)「お、ジョジョだな。俺は花京院か……」
104
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 16:48:19 ID:ycS3k1Yo0
( ^ω^)「ネタが分かるのかお! お前気に入ったお! オイラの能力を使ってあげるお!」
(;´_ゝ`)「おいおい、会って早々バトルは嫌だぜ?」
( ^ω^)「兄者! お前をもっと強くしてやるお!」
そう……。ブーンは溜めて言った。
( ω゚)「……Gを超える所まで……!」
(´<_`;)「……いかん! 兄者避けろ!」
( ´_ゝ`)「え?」
俺はブーンに頭をガッチリと握られると、全身から一気に力が抜けた。
俺が梯子っぽい奴から落ちていく途中、ブーンは確かにこう言った。
( ω゚)「お前に眠る流石の血を目覚めさせた……」
( ω゚)「お前の潜在能力が、お前の体で耐えきれるかな……?」
俺は意識を失った。
――――――――――
(´<_` )「……兄者」
( ´_ゝ`)「なんだ。必殺技でも思いついたか」
(´<_` )「ああ。聞いて驚けよ……」
(´<_` )「名付けて、『田代砲』だ」
105
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 16:49:46 ID:ycS3k1Yo0
( ´_ゝ`)「パクリもいいとこだな」
(´<_` )「まぁそう言うな。俺も何で出来るのか分からないが、ちょっと見ててくれ」
弟者はそう言うと全身を光に包まれた。
(´<_` )「兄者、右腕を」
( ´_ゝ`)「おう」
俺は弟者の出した右手をギュっと掴んだ。
すると弟者は光となって細分化され、俺の右腕に取り付いた。
次第に形を整えていく光は、空気砲の様な、サイコガンの様な形になっていく。
( ´_ゝ`)「俺、サイコガンがいい」
「把握した」
弟者の声が頭の中に響く。右腕の銃は最終的にサイコガンになった。
サイコガンは心で撃つもんだぜ。コブラはそう言っていた。
俺は右腕に左手を添え、サイコガンに集まるエネルギーを体で感じ取った。
強い! これなら誰にも負けそうにない!
俺はサイコガンをぶっ放した。
真っ白な部屋をどこまでもかけていくサイコガンの光線は、遥か遠くで爆発を起こした。
( ´_ゝ`)「俺の名は兄者。右腕に銃を持つ不死身の男さ」
「……決まったな」
( ´_ゝ`)「「 流石だな 」」(´<_` )
106
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 16:50:51 ID:ycS3k1Yo0
――――――――――
( ^ω^)「ばいぶー」
(´<_`;)「クソッ! 待ちやがれ! 兄者に何をした!」
体育館の床に伏せる兄者は微動だにしなかった。
騒ぎを聞きつけた野次馬達が兄者に群がる。
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょ! なによこれ! どうしったって言うの!?」
(´<_`;)「分らん! ツン、早くヒステリック・ドクターを……」
( <_ ;)「兄者……に……ッ!!」
弟者の体は光となり、兄者の右腕に取り付いた。
ξ;゚⊿゚)ξ「よく分かんないけど……」
ξ゚⊿゚)ξ「リミッター解除!」
「ヒステリック・ドク……」
ξ ⊿ )ξ「タァ……」
ツンは能力を発動する寸前に腹、胸、左腿を光線によって打ち抜かれた。ツンはそのまま崩れ落ち、口から血を吐き出した。
流石兄者はふらりと立ち上がった。右腕にはサイコガンが付いており、煙を上げている。
107
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 16:52:25 ID:ycS3k1Yo0
( _ゝ゚)「……」
周囲の野次馬達は瞬く間に兄者の光線を体に受けた。乱射されるサイコガンは、タイマーズメンバーの四肢を容赦無く打ち抜き続けた。
死体だけが流石兄者の足元を転がる。頭部を無くした者、下半身を無くして這いずる者。
辺り一帯が阿鼻叫喚の渦に巻き込まれ、流石兄者はそこへサイコガンを打ち続ける。
能力を使い対抗する者も居たが、難なく兄者に殺されていく。
( ´・ω・`)「ステータスが変だ」
流石兄者のサイコガンをヒラリヒラリと避けながら、ショボンは状況を分析していた。
( ´・ω・`)「流石兄者の潜在能力が無理やり解放されている」
( ´・ω・`)「……90レベルで覚える技を14レベルで使っている様なもんだね」
( ´・ω・`)「止めてくるといい。僕も力を貸そう」
【+ 】ゞ゚)「頼んだ」(・∀・ )
( ・∀・)「……おい、あれは俺が世話してるんだぞ」
【+ 】ゞ゚)「こっちだって、母者さんから頼まれているのでね」
( −∀−)「そーかい。……じゃ、行こうぜ」
【+ 】ゞ)『憑依発現』
(#・∀・)「リリース!」
『愚者の哲学』 「キング・オブ・アンガー!!」
跳びかかる二人に、流石兄者は三手遅れた。
――――――――――
108
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/25(水) 16:53:57 ID:oVnygZK20
【+ 】ゞ゚)「頼んだ」(・∀・ )
って二人とも他力本願かよって一瞬思った
109
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 16:53:58 ID:ycS3k1Yo0
( ^ω^)「おっおー♪ 歌でも歌いたい気分だお」
ブーン「達」は体育館の外、森に生える一段大きな木の上から体育館の様子を見ていた。
( 'A`)「やる事が大胆。そして卑劣だね……」
爪゚ー゚)「まぁいい。これで奴らの戦力はガタ落ちだろう」
l从・∀・ノ!リ「用事は終わったのかの?」
l从・∀・ノ!リ「ならば早くピクニックなのじゃー!!」
爪゚ー゚)「ドウドウ。アルプスは逃げないから黙るのだ」
l从・∀・ノ!リ「れっつら・ごーなのじゃ!」
(*^ω^)(俺の妹になってくれ……!)('A`*)
Gとドクオは瞬間移動で消え、ブーンも体育館を一瞥してから消えた。
(^ω^ )「……流石兄者。お前はオイラのヒーローになれるのかお?」
誰に言うでもなく、ブーンはそう呟いた。
110
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 16:55:36 ID:ycS3k1Yo0
――――――――――
(−_−)「負傷者を全員連れてこい!! 僕のラボに連れて行って治療する!!」
(;´∀`)「これで全員モナ! 頼んだぞ!」
(−_−)「任せておけ!」
転送! ヒッキーはそう叫ぶと、山積みの肉塊となったナンバーズのメンバーを連れてどこかへ消えた。
体育館の片隅で、生き残ったメンバーはエクストの造り出したバリアの中に居た。
そこから見えるのは、豹変した兄者と交戦する二人の姿だった。
<_プー゚)フ 「みんな、下手に手を出すと死ぬからね」
<_プー゚)フ 「あそこに居るのは、流石母者より強い生命体だ」
誰もが唾を飲み、負傷した者は兄者の姿に怯えながら、その戦いを見つめていた。
|^o^|「俺が行っていいなら、話は早いんだが?」
( ´・ω・`)「駄目だ。お前の能力じゃ、兄者が死ぬ」
|^o^|「殺した方が良いんじゃないのか?」
( ´・ω・`)「……お前よりも、アレは強いぞ」
|^o^|「……行ってくる」
――――――――――
【+ 】;ゞ゚)(ありえない! 愚者の哲学の効かない人間など居ないのに!!)
【+ 】;ゞ゚)(流石兄者! 一体どうしたと言うのですか!)
(#・∀・)「オサム! ぼさっとすんな!!!」
兄者に突撃しているモララーの怒号によってオサムはハッとし、再び体を動かし始めた。
距離を取らなければサイコガンとて無意味。モララーはただひたすら兄者に詰め寄り、渾身の一撃が決まる一瞬を狙っていた。
111
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 16:56:33 ID:ycS3k1Yo0
( _ゝ゚)「……」
(;・∀・)(気持ち悪い!! こいつ! 本当に兄者なのか!?)
モララーの思考が雑念で一瞬停止した瞬間を兄者は見逃さなかった。
サイコガンをぐっとモララーの顎に押し当て、発射した。
モララーは寸で後ろへ飛び退き、サイコガンを避けた。
(;・∀・)(しまった!)
そこは、まさに格好の餌食。サイコガンに取って最高の間合いだった。
着地の瞬間、兄者はサイコガンを発射した。
| o |「幽閉解禁……」
「終わりの殻【マトリョーシカ】!」
サイコガンの光線に立ちふさがったのは、小さな小さなマトリョーシカ。
|^o^|「硬度20! 300枚!!」
スカカカカカ!! と、その小さなマトリョーシカよりも少しだけ大きなマトリョーシカが何重にも包む。
モララーの身の丈を超える大きさになったマトリョーシカはサイコガンの光線を防ぎ、役目を終えると同時に砕け散った。
|;^o^|「……こんだけやっても越えてくるか。流石兄者……!」
モララーと、参戦したブームに目を奪われている隙に、流石兄者は背後を取られた。
112
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 16:58:22 ID:ycS3k1Yo0
【+ 】ゞ゚)「少し寝ていてもらいますよ……」
後ろを取ったオサムは、背の棺桶の中に流石兄者を閉じ込めた。
バタンと扉を閉め、オサムはそれを地面に倒す。
(::::ゞ゚)「……」
(;・∀・)(あの棺桶は、オサムが許可しない限り絶対に開かない!)
(;・∀・)「だが……ッ!」
突如棺桶の蓋をブチ破り、現れたのは巨大な槍。
槍はオサムの頭に風穴を開け、ゆっくりと棺桶の中に戻っていく。
(//‰ゞ )
ギギギ、と棺桶を開け、流石兄者は這い出てくる。
既に死んでいるであろうオサムの体に、何度も何度も巨大な槍を突き立てる。
( _ゝ゚)「……」
|^o^|「モララー、オサムを連れてバリアの中に戻れ」
|^o^|「あれは母者最強の武器だ。そして、もう母者を超えている……」
|^o^|「お前じゃ足手まといだ。消えろ」
(;・∀・)「くそッ! ビーグル!!」
▼・ェ・▼「ワン!!」
モララーはぐっと力を込めると音速を超えてオサムの元へ行き、また音速でブームの元へと戻る。
(;・∀・)「死ぬなよクソガキ!」
モララーはそう吐き捨て、バリアの所へ瞬間移動した。
113
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 17:00:09 ID:ycS3k1Yo0
|^o^|「クソガキはどっちだよ……」
|^o^|「おい兄者。テメェとは、良いカシスオレンジが飲めると思ったがァ……」
| o |「大人しくなるまで殺させてもらう」
|#^o^|「硬度100!! 両手足1000枚!!!」
|#^o^|「ショボン!! 俺の体を強化しろ!!」
( ´・ω・`)(バリアの中から出来るかな……)
( ´ ω `)(システム起動)
(マスター・スウェルマン!!!)
ショボンの能力『マスター・スウェルマン』は人間のパラメーターを操作する能力。
どんなモヤシでも世界最強に出来るし、クーガーを超える速さも簡単に手に入る。
だが、パラメーターの差し引きはゼロでなくてはいけない。何かを『強化する』という事は、何かを『弱体化させる』という事だ。
そして、ブームが予め言っておいた力の代償は『知性』。ブームは今、辛うじて言葉を喋り、目的を持って動けるレベルになっている。
だが『知性』が無くなる事はデメリットばかりではない。『知性』が無ければ『制限』も無いのだ。
よってブームは現在、全力全開の本気モードである。
114
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 17:01:08 ID:ycS3k1Yo0
|^o^|「あなたをたおします」
|^o^|「どぅーゆーあんだすたん? わかったかしら」
/^o^\「わかりませんよーだ」
|^o^|「これはこまりました。では、きるゆーです」
/^o^\「ふぁっくみー」
幻体共々馬鹿になり、ブームは最強になる。
ブームは両手足を覆う鋼鉄のマトリョーシカを物ともせず、流石兄者に飛びかかっていった。
ブームの腹部に、冷たい物が当たった。
|^o^|「あ、これはこまりました」
/^o^\「フッジサーン」
流石兄者は左腕のサイコガンをブームの腹に連射した。
――――――――――
115
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 17:03:33 ID:ycS3k1Yo0
(::::ゞ゚)「……兄者は……」
( ´・ω・`)「ブームを倒した後、仲間をさんざんぶち殺した。
そしたら天井ぶち破ってどっか行ったよ」
(#・∀・)「クソがッ!! なんなんだよ一体!!」
死傷者200人超。重症患者約150人。
これだけの人間が流石兄者によって潰された。ナンバーズのアジトは何者かによって崩壊。ヒッキーの能力によって辛うじて普通の生活を送っていた。
ここはヒッキーラボの保健室。彼の能力で拡張されたこの部屋は、負傷者全員を収容していた。
惨敗。惨殺。崩壊。壊滅。
ありとあらゆる負の言葉が保険室内を所狭しと飛び交っていた。
(;−_−)(……取りに行くか?)
そしてヒッキーは薄暗い部屋でパソコンに向かっていた。
(;−_−)(……腹括るか……)
( −_−)「発動!」
「能力争奪戦【バトルマニア】!!」
ヒッキーはパソコンの画面に手を伸ばし、そのまま画面の中へと入っていった。
その画面に打ち込まれているのは
『対戦相手【球磨川 禊】』
『報酬【大嘘憑き】』
『負けた場合、【ヒッキーの全能力】を徴収させていただきます』
謎の対戦カードだった。
――――――――――
( ´_ゝ`)兄者が誰かの為に戦うようです。
第六話。前編。おわり。
116
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 17:11:33 ID:ycS3k1Yo0
('A`)< ID:oVnygZK20、ありがとう。
( 'A`)<
>>108
に関しては、私の力量の低さが原因です。
( 'A`)< にしても、体育館にあるハシゴっぽいやつって何なんだろう?
( 'A`)< ……俺にとって投下予告は無意味らしい。
ぶっちゃけ守れない。予告時間まで我慢できない。
( 'A`)< だからバンバン投下してちゃっちゃと一部を終わらせます。
(*'A`)(これで二部への伏線は出来た……)
指摘、批評、感想お願いします。それでは。
117
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/25(水) 17:29:16 ID:oVnygZK20
いろいろ謎が多いけど面白い。乙
118
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/25(水) 17:35:44 ID:oVnygZK20
一部・・・だと・・・?
それと気になったんだけどさ
>>71
でさ、長針と短針間違えてね?俺の勘違い?
119
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/25(水) 17:46:12 ID:TtfJzCQkO
乙
なんという急展開
全体的に説明不足感はあるけど能力は面白いな
あと肋木でググると幸せになれるかもしれない
120
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/25(水) 18:43:35 ID:qE/mdnqU0
ヒッキーAAの安定感なさすぎwww
121
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/25(水) 20:27:28 ID:ycS3k1Yo0
>>118
ええ。間違えていますね。首吊ってきます。
秒針60本。短針60本。長針12本の計算だと時空がヤバい。
『短針が12本で、それを壊されるとヤバい』
>>119
やっぱり足を止めてちゃんと説明すべきだろうか。
読み返してみると、雰囲気と勢いだけで進めている感じがしますね。
急展開自重します。
>>120
逆に考えるんだ。不安定でもいいさと考えるんだ。
そしてこう考えるんだ。『AAなんて二の次だ』と。
『謎が多い』との声が多いので、答えられる範囲で質問があれば答えさせていただきます。
ついでにジョジョネタを振ってくれれば最大限反応します
122
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/27(金) 12:14:04 ID:mSC1EMToO
おさむの能力って結局なに?
123
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/27(金) 13:47:56 ID:QjKKLKZY0
>>122
【+ 】ゞ゚)『愚者の哲学』
オサムの能力『愚者の哲学』は、相手の不安、疑念などを自分の力として使える能力。「これは本当にオサムなのか」と相手が思えば、オサムは幻影となったり黒煙となる事が可能になります。また、他の使用例として自分に対して使う事で哲学の中へ消える事も出来ますが、脱出するにはその哲学的問いに答えを出す必要があります。
愚者の哲学が効かない相手はまずいません。それが兄者には効かなかったためにオサムは動揺したのです。
彼のオサレアイテム棺桶は相手を閉じ込める力を持っていますが、正確には「自分の中に」閉じ込める。つまり、「俺の短縮包茎チ○ポは治らないんだ……」な感じの空間にぶち込むというサイキョー能力です。
着想は「リボーン」より、何か凄い死神っぽい奴から。
(おまけ)
(#・∀・)「キング・オブ・アンガー」
簡単に言うと尾獣化。怒りを動力源にして身体能力を上げる能力です。スペックが上がる度にモララーはケモノになるのですが、一切描写してなかったせいで変な子に。
ポケモンで例えるならガーディ。ぶっちゃけ一番簡単に思いついた。それでも花を持たせる為に、現在はスペックを7段階まで考えています。今後に期待。
最初の二人が戦った時は兄者の一人称で、能力発動時の容姿変更が描写出来なかった。
これから出てくる能力者については、端的にでも能力の説明を挟みます。
今日は中編投下出来るように頑張る( 'A`)φ
124
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/27(金) 20:11:41 ID:mSC1EMToO
詳細な説明おつ。やっぱサイコガンだよな
125
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/27(金) 20:51:39 ID:QjKKLKZY0
うひぃ。やっと中編としてまとまった。
誤字とか無いかチェックしたら投下します。
今回は地の文多めです。ぎこちない文章ですが、よろしくおねがいします。
126
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/27(金) 21:11:30 ID:QjKKLKZY0
<_プー゚)フ 「……」
( ´∀`)「ここだったかエクスト」
<_プー゚)フ 「やあ。少し思い悩む節があってね」
( ´∀`)「……能力者50人の内、半数以上が死ぬか重症を負っている。
一週間後、Gの襲撃には到底戦力が足りない」
<_プー゚)フ 「きっと、相手もそれを狙っての事だろう。ただ……」
( ´∀`)「……兄者か」
それからずっと、彼らは月面の団長室から地球を眺めていた。
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
127
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/27(金) 21:13:15 ID:QjKKLKZY0
(::::ゞ゚)「……」
オサムは慌ただしい保健室のベッドで天井を見つめていた。ベッドの横でいがみ合うモララーとショボンをよそに、オサムは思いを巡らせていた。
(::::ゞ゚)(もうあれは流石兄者では無かった)
ピンポンパンポーン。天井のスピーカーから聞こえてくるその音は緊急時にしか鳴らさないものだ。
( )「動ける人間は、速やかに団長室へ集合して下さい。繰り返します……」
( ´・ω・`)「……Gの襲撃まで残り五日。加えてタイマーズはほぼ全壊」
( ´・ω・`)「きっと、全員を月面基地に移動させるつもりなんだろうね」
( ・∀・)「……兄者の処遇はどうなる」
( ´・ω・`)「殺す事になるだろう」
(#・∀・)「……!」
(::::ゞ゚)「やめろモララー。……今、兄者はどこに?」
( ´・ω・`)「さあね。でも、さっき討伐隊が追って行ったよ。街へ行って人を殺したら大騒ぎだ」
( ´・ω・`)「じゃ、団長室に行ってくる。……モララー、君はもうタイマーズを抜けたんだ。来なくていいからね」
128
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/27(金) 21:15:39 ID:QjKKLKZY0
――――――――――
都市東京のスクランブル交差点。その中心に流石兄者は立っていた。
_
(;・ゞ・)「オイオイ! 君危ないじゃないか!」
( _ゝ゚)「……」
駆け寄る警察官は兄者の背中を押し、すぐに歩道へ戻そうと奮起するが兄者は微動だにしない。
_
(;・ゞ・)「頼むって! 事故とか面倒なんだってば!!」
兄者は右腕のサイコガンを振り上げ警察官の頬をブッ叩く。警察官の体は宙を舞い、ドサリと落ちた所で泡を吹いて気絶した。
信号が青になり、車が勢い良く兄者の体めがけて走り出す。ケータイを弄りながら運転していた男は兄者を一瞥するとすぐにクラクションを鳴らしたが、兄者は避けず、右腕一本でその車を制止させた。制止した車は後ろから何十台もの車に追突されるが、流石兄者は動かない。
兄者は連なった車にサイコガンを向ける。キュインキュインとエネルギーが充填されていき、極太の光線が発射される。兄者はそれで初めて仰け反ったが、表情に変化も無く銃口の煙とフッと一息しただけだった。車は遊爆していき、その道は火の海と化した。
その光景を見た一般市民達は、ただ呆然と立っていた。そして誰かがふと叫びを上げると、それも連鎖し、スクランブル交差点は蛻の殻となった。
兄者はフラリフラリと歩き、辺りの建物を容赦なく破壊していく。地面は抉れ、半壊するビル。爆発音は絶えず、このままにすれば交差点が焼け野原になるのは明白だった。
その様子を見ている一人の男が居た。ビルの二階のカフェで流石兄者の様子をじっと見つめている。自身に火の手が迫っているのもお構いなしで、彼は手元のコーヒーを啜ってペンを持つ。
彼は兄者の様子をメモ帳に凄まじい勢いで書き記していた。少しすると彼はトントントンとペンでテーブルをつつく。頬杖をつき、暇そうな表情でペンをクルッと一回転させた。
「やっぱり正式に取材させてもらおう。それがマナーだ。盗み見なんて僕のやり方じゃあないね」
男は立ち上がり、メモ帳を鞄に仕舞ってカフェを出た。階段を下り、少し離れた所から流石兄者を見つめる。
「彼との接触は良いアイデアが浮かびそうだ!」
( _ゝ ゚)「……」
兄者はその声を聞き取り、男の方を見た。今にもスキップを始めそうな顔つきで、男は兄者へ近づいていく。
「やぁ! 僕はしがない小説家さ! 君の姿を見てビビッと来た! 是非取材させてくれッ!」
男は無理やり弟者の手を取りブンブンと振って握手した。しかし例外なく兄者は銃口を男に向ける。
「いいね! 僕はそれを食べてみたかったんだッ! 話が早くて助かる!」
129
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/27(金) 21:17:28 ID:QjKKLKZY0
男は発射されるサイコガンの銃口をぐいと口に寄せ、口に咥えた。ドゥゥン!! という音が男の体内に響くが、男は更に喜々とした表情になって自分の腹を擦った。
「イイ〜味だ! さぁ! 次は僕の目に焼き付けてくれッ! その次は耳に聞かせてくれッ!! その次は鼻で嗅がせてくれッ!」
兄者は飛び退き、男に再び銃口を向けた。今度は先ほどよりも更に長いチャージをしている。
「さぁ! 僕の五感にッ! 君の全てを刻みつけてくれッ!」
発射された光線は、男の背後にあるビルに大きな風穴を開けた。地面を削り、ビルを一階から三階まで消失させた光線を身に受けた男は、全身を焼かれ、プスプスと音を鳴らしながらそこに立ち尽くしていた。
「す……」男は焼け焦げた体を震わせ、続けて言った。「素晴らしい! 君みたいなのを探していたんだ僕は!!」
ぜひ僕と一緒に来てほしい! 共に文学界を震撼させてやろう! 男はそう叫ぶと、再び兄者へ近づいて行った。
その間、兄者は何度も男の体にサイコガンを撃ったが、全て男の口に吸い込まれ食われてしまう。
「何度食べても飽き足らない! 何度受けても感動するねッ! 君は逸材! そう! 逸材だッ!」
从'ー'从「……お前何言ってんだ気持ち悪い」
〈::゚−゚〉「変態って居るもんだねぇ……」
(#^^ω)「オイ! ぃし! ほむほむの悪口は許さないホム!」
¥;・∀・¥「この交差点の修理費が、もしウチに請求されたら……!」
¥ ∀ ¥「あああああぁぁぁぁ!!!!!」
「ん? 悪いが君達ッ! 彼は僕の友人だッ! その物騒な物を仕舞ってくれるかなッ!」
男は突如として現れた四人に向けてそう言い放つと、流石兄者を庇うようにしてギュウと抱きしめた。
「でなければ、君達を殺さなくてはならなくなるのでね」
130
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/27(金) 21:19:07 ID:QjKKLKZY0
〈::゚−゚〉「……言ってくれるじゃん」
渡辺は一歩前へ出たぃしの体を抑えた。
从'ー'从「いや、コイツはそれが出来る程強いよ」
从'ー'从「最後の『短針』だね。アンタは」
「……お前たち、あのGとか言うゴキブリ野郎の仲間か?」
从'ー'从「敵だ。どうだ? 敵の敵は仲間って事で……」
「悪いが、敵の敵は別の敵かもしれないのでな。お前らの仲間になる気は毛頭無いッ!」
(;^^ω)「ッ! みんな上を見るホム!」
( _ゝ゚)「……」
兄者は男の腕の中から脱出し、宙に浮いていた。右腕のサイコガンは無くなり、替わりに先代母者の愛用武器である巨大な槍『ルビ:スローター』を構えていた。
宙に浮く流石兄者は槍をぐっと構えると、空気を蹴飛ばし渡辺の元へ突進した。渡辺、ぃし、長谷川、マニーの四人はそれを避けるべく後方へ跳ぶ。それから間髪入れず兄者の槍は地面に突き刺さり、兄者はそれを抜き次の一撃の為に再び槍を構えた。
131
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/27(金) 21:22:55 ID:QjKKLKZY0
最初に動き出したのはぃしだった。ぃしは服の袖からドスを取り出し、自身の能力『違心伝違心』を発動して兄者の元へ駆けていく。
地を蹴り、ぃしは兄者の側頭部に切りかかった。が、兄者はそれを一寸の所で避け、左腕にサイコガンを発動させると同時にぃしの腹部に思い切り叩きつけた。
息を吐き出し痛みに悶えるぃしは地面に落ちかけたが、足を踏ん張り再び兄者にドスを向けた。そのぃしの上を飛び長谷川は兄者の懐へ飛び込んだ。兄者の眼前で長谷川は、にぃと笑い、兄者の顎にアッパーカットを決める。
長谷川はそのまま軽快なリズムで兄者の各所を殴り、グラリと兄者の体制が崩れた所で顔面を殴りつける。二三歩後ずさる兄者を追撃したのは、ぃしの幻体、『違心伝違心』の能力によって肉体を得た「しい」だった。
しいはぃしと同じく服の袖からドスを抜き出し、槍を持つ右腕を切り落としにかかった。しかし兄者はそれをサイコガンで受け即座に発射する。しいは顔の横を通る光線をもろともせずに、兄者の足を引っ掛け体制を崩させた。兄者はその場へ尻もちをつき、更に追撃を仕掛けるマニーの攻撃をまともに食らった。
マニーは兄者の体に馬乗りになると、ポケットから取り出した小銭を兄者の体へありったけ埋め込んでいく。マニーは事を終えるとすぐさま飛び退き、追撃をかけようとする長谷川とぃしの後ろへ下がった。
立ち上がった兄者は三人の包囲網を抜ける為に宙へ飛び、空中でサイコガンのエネルギーチャージを始める。兄者は、地面に立つ三人に照準を合わせた。
その兄者の背後を取ったのは渡辺だった。渡辺は地上から30メートルはあるであろう高さまで飛び、両手に構えた草刈鎌を兄者の両肩に突き刺し兄者の背中に飛びついた。兄者は渡辺を振りほどこうと暴れるが、渡辺は兄者の肩に突き刺した草刈鎌を更に深く抉り込ませた。
¥ ∀ ¥「金融崩壊【マニー・ボム】!!」
先程マニーに埋め込まれた小銭が兄者の体内で爆発を起こし、6回の爆発が兄者の体内をメチャクチャに爆破していった。兄者は爆発でフラッと体を揺らすと、体から煙を上げて地面へ落下していく。
落ちていく途中で渡辺は能力を発動し、最後の追撃に入る。
从 − 从「『森羅万障』。フェーズ1」
渡辺は能力を発動させると、兄者の落下ルートを遮るようにワイヤーの網を張り巡らせた。網は兄者を捕獲し、ギチギチと音が鳴るほど締め上げる。兄者の体に食い込むワイヤーは、兄者の体を細切れにしてしまうほどだった。
網に捕獲された兄者は地面に落下し、その衝撃で血を吐いた。
从'ー'从「……終わったかな?」
ワイヤーの網に捕まり身動きが取れない兄者は、膝を曲げて兄者を見つめる渡辺の顔を睨みつけた。
〈::゚−゚〉「……ッ! リーダー避けて!」
从'ー'从「え?」
132
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/27(金) 21:29:17 ID:QjKKLKZY0
从 − 从
ぃしの呼びかけは遅かった。渡辺は背後から槍で一突きされ意識を失った。それを行ったのは紛れもなく、『流石弟者』だった。
突如として現れた弟者は槍を振り、突き刺さった渡辺を大きく投げ飛ばした。その後ワイヤーを引きちぎり兄者を助けると、二人揃ってゆっくりと三人の方へ歩き始めた。
(;^^ω)「なっ、なんで弟者が生きているんだホム!」
¥#・∀・¥「くっ! 金融崩壊【マニー・ボム】!! 単位上昇!!」
¥#・∀・¥「株価大暴落【マニー・メテオ】!!」
マニーが札束を宙に投げるとその札束は塵となった。その塵は上空へ飛んで巨大な隕石となり、流石兄弟に直撃した。その場所には巨大クレーターが出来上がり、流石兄弟は隕石の下敷きとなっている。
¥;・∀・¥「……化け物……!」
彼らは体にダメージを負うどころか、逆に体中の傷が無くなっていた。
〈::゚−゚〉「「死ねッ!」」(゚ー゚#)
隕石の下から這い出てきた兄者と弟者。その両脇から飛び出してきたぃしとしいは、構えていた二本のドスを兄者の指に挟まれ、空しくバキンとへし折られた。
〈::゚−゚〉「なっ……!」
呆気に取られた二人は一瞬の内に弟者に首を掴まれた。弟者は両手に二人を持ち、そのままクルクルと回って放り投げ、二人をビルの壁にぶち込んだ。ぃしとしいはビルの壁を何枚も貫通して飛んでいき、やっと止まった壁にもたれて、ぃしは意識を失った。それと同時に能力が強制解除され、しいは姿を消す。
¥;・∀・¥「……長谷川! 君だけでも逃げろ!」
マニーの体をサイコガンが打ち抜く。
133
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/27(金) 21:33:03 ID:QjKKLKZY0
(;^^ω)(不味いホマ! そろそろ僕の能力も、ショボンの肉体強化も時間だホマ!)
(;^^ω)(さっき、奴は傷が全快した! あの能力、間違いなくツンの『ヒステリック・ドクター』だった!!
クソッ! 通りであんだけスピードが出る訳だ! 通りで体が鉄みたいに硬い訳だ!
通りで突然弟者が戦いに加わった訳だ!)
(;^^ω)(モララーの『キング・オブ・アンガー』! ブームの『マトリョーシカ』!
ぃしの『違心伝違心』!)
(;^^ω)(そして母者の『ルビ:スローター』までもッ!!)
(;^^ω)(奴が本当に他人の能力をコピー出来るのなら俺に勝機は無いッ!)
(;^^ω)(兄者の能力は未だ未知数! それを分かった上での戦いだったけど!
ここまで圧倒的なのか……ッ!)
(; ω)(戦う? 無理だ! 逃げて応援を……ッ!)
長谷川がそう考えている間に弟者は槍を投げた。その槍は長谷川にズドンと突き刺さり、腹に穴を開ける。
(; ω)(死)
ジュワ、という音が長谷川の最期を確かなものにした。
兄者の撃ったサイコガンの跡に残ったのは、母者の『ルビ:スローター』だけだった。
――――――――――
134
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/27(金) 21:33:21 ID:E2T9B0qw0
兄者チートすぎわろた
支援!
135
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/27(金) 21:34:42 ID:QjKKLKZY0
「……さて、君の名前は……流石兄者と言うのだね。そして……その弟、流石弟者か」
( _ゝ゚)「……」(゚<_ )
カチャリ。流石兄弟は無言でサイコガンを男に向けた。しかし次の瞬間流石兄者はグラリと地面に崩れ落ち、それと同時に流石弟者は姿を消した。
「サイコガンは心で撃つもの。心が尽きれば倒れるのは当然」
「それじゃ、僕の家に行って話を聞かせてもらうよ」
男は兄者の肩を担ぎ大きくジャンプすると、高いビルの屋上に着地した。
男はそのまま家へ向かおうと足を進めたが、ああ、と呟いて振り返り、交差点へ向けて指をパチンと鳴らした。
( ‘∀‘)「ここはお気に入りの場所だからね。後片付けぐらいは買って出るよ」
再び男は前を向き、流石兄者の肩を担いで大きくジャンプし姿を消した。
_
(;・ゞ・)「ん? 俺は一体……イテテ。体打ったかなぁ……」
〈:: − 〉 \ ∀ \
从 − 从 ( ω)
_
(;・ゞ・)「おい! あんた達大丈夫か! 待ってろ、救急車呼んでくるからな!」
交差点のど真ん中に四人を残し、東京のスクランブル交差点はいつもの平和へと帰って行った。
――――――――――
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
第六話。中編。おわり。
136
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/27(金) 21:41:36 ID:QjKKLKZY0
そいや! 短いけど気にすんな!
中編の投下を終わりますよ。後編の投下は明日明後日中にある! とだけ言っておこう!
支援ありがとうございます。こうして支援してもらえるまでに、どんだけ頑張った事か……。
淡々と描写する癖が未だに直らない。もっと緩急のある情景描写を身につけよう。
感想批評誤字語弊の指摘など、宜しくお願いします。
137
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/27(金) 22:03:18 ID:E2T9B0qw0
乙ー面白くなってきたね
バトル描写のところ一行一行が長くて読みにくいからガンガン改行入れるといいと思うよ
138
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/28(土) 00:35:18 ID:UEVeJk/.0
以下オナニー
ここは腐りきったスラム街。名を『木霧町』。その路地裏で四散した男の肉体を踏みつけ、木霧町の殺人鬼は歌う。
その影を追い続け齢十八。砂原義公は母の敵を討つべく木霧町を闊歩する。
拳を交え友となる者、同じ目的を果たす為に手を取る者。義公は強き仲間を引き連れて、殺人鬼『木霧沼彦』へ立ち向かう!
『ギコの奇怪な冒険 〜砂原義公は迷わない〜 』
兄者シリーズを原点とする第一部、第二部に続く新たな冒険ッ!
本当はこれがやりたかったッ! 以上ッ!
>>137
ありがとうございます。
これからは読みやすさにも気を配らなくては……。
139
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/29(日) 00:56:44 ID:e4guFt2w0
後編のまとめ終わりました。
ですが今日は投下出来なくなってしまいました。ごめんなさい。
確実に投下出来る時間帯が今の所分からないので、例によって投下前に上げて告知します。
壁|A`)< バリゾーゴンで構いません。禁句だとは思いますが、アナタの感想を下さい。
140
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/29(日) 02:43:02 ID:GDGMWPJkO
結構気に入ってる
頑張って
141
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:29:44 ID:fla80f3M0
( 'A`) ども、空気です
( 'A`) 今の心境を率直に表現するとですね……。
( 'A`) 『相手がダービーだと思ったらDIOになった』
(;'A`) 何を言ってるのかは察して下さい。
六話後編投下します。上げるなよ! 絶対に上げるなよ! いやマジでッ!
142
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:31:46 ID:fla80f3M0
タイマーズは本部アジトを日本とし、世界各国に支部を置いている。
そして今回の事で本部は壊滅。月面基地への移動に際して、世界各国のタイマーズメンバーはヒッキーのラボへと赴いていた。
迫るG一味からの襲撃。残る日数は五日。少数精鋭ながらも、タイマーズはGの迎撃を決意した。
<_プー゚)フ 「残ったのはこれだけか……」
( ´∀`)「みんなよく集まってくれた! これより、このメンバーをG迎撃部隊とする!」
ここは月面の団長室。植物園と見間違えるようなこの場所の天窓からは宇宙が見え、地球が見える。
モナーの掛け声を耳にした者たちは黙って目を見合わせた。
<_プー゚)フ 『大自然【ジ・アース】』
( ´∀`)『ドット・ハッカー』
|^o^|『終わりの殻【マトリョーシカ】』
( ´・ω・`)『マスター・スウェルマン』
lw´‐ _‐ノv『魔法使いの風船【マジシャンズ・バルーン】』
( `ー´)『完全阻止【インターセプター】』
从 ゚∀从『アドベンチャーC.C』
/ ,' 3『ファイブ・スター』
( ФωФ)『ブラック・ロックンロール』
143
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:32:31 ID:fla80f3M0
そして同時刻。Gの城ではタイマーズ襲撃に向け、ささやかな食事会を開いていた。
爪゚ー゚)「さぁ、今日は御馳走だ。遠くから来てくれたんだ、存分に味わってくれ」
爪゚ー゚)『?????』
( ^ω^)『?????』
('A`)『後悔の公開【ルック・バック】』
(*゚∀゚)『粘着キリギリス』
(,,゚Д゚)『陰気な帽子屋【パンドラ・ハッター】』
全面戦争まで残り五日。
唐突に始まりを予告した戦いは、もう目の前まで迫ってきていた。
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
144
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:34:11 ID:fla80f3M0
――――――――――
( _ゝ )(ここはどこだ……?)
( _ゝ )(俺は誰だ……?)
( ´_ゝ`)(いや、普通に考えて俺だろ)
( `∀`) 「ん、目を覚ましたかい? コーヒーは?」
( ´_ゝ`)「あ、飲みます」
兄者は柔らかい椅子の上で目を覚ました。男は小さなテーブルにメモ帳を広げて何かを書き殴っている。
男は立ち上がるとコーヒーを淹れ、椅子に座る兄者に渡した。
( `∀`) 「すまないね。まともに人が休める場所がここしか無かったんだ」
( ´_ゝ`)「ここって……ガレージですか?」
( `∀`) 「僕の屋敷の、ね。ま、車は好きじゃないから今じゃ物置だけど」
(;´_ゝ`)(俺の家より大きいガレージってどうよ……)
( `∀`) 「僕の名前はガナー。兄者君、早速取材を……」
( ´_ゝ`)「……え? 俺拉致られたの?」
( `∀`) 「……覚えてない? あんだけやったのに?」
( ´_ゝ`)「体育館で気絶してからは何にも」
(´<_` )「兄者」
145
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:35:20 ID:fla80f3M0
( `∀`) 「おっ! 弟もお出ましか! それは一体どういう原理なのかッ!
是非聞かせておくれよ!」
( ´_ゝ`)「弟者、一体何があったんだ。俺が気を失っている間に」
(´<_`;)「……何も無かった。俺達はこの人の所で休暇だ」
( `∀`) 「む、嘘は感心しないね。流石弟者、君は覚えているのだろう?」
ガナーはペンを弟者に向け弟者に言い放った。
弟者は言葉を詰まらせ、視線を宙に舞わせた。
( `∀`) 「……ならば、僕から教えよう」
ガナーはコーヒーを一口啜ると、メモ帳を数ページ捲って兄者に手渡した。
( `∀`) 「そこに手を当てるんだ」
兄者はメモ帳にそろりと手を伸ばし、そっと触れた。
(;´_ゝ`)(何だ! 映像が頭に流れ込んで……!)
『( _ゝ゚)』
(; _ゝ )(……これは俺か?)
『//‰ゞ ) | o | 从 ー 从』
(;´_ゝ`)「もういいッ! なんだこれは!」
兄者はメモ帳から手を離し、ガナーに向かって叫んだ。
146
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:36:34 ID:fla80f3M0
( `∀`) 「確か……、そう、能力と言っていたかな。これは僕の能力」
( `∀`) 「このメモ帳に触れた人間はそのページの記憶を得る能力。
もちろん、嘘を書いたりして相手の記憶を改ざんする事も可能だよ」
( `∀`) (ま、片鱗さえ味わってはいないけどね)
( _ゝ )(……弟者、思い出したぞ)
(´<_`;)「兄者、思い悩む必要は無い。全てあのブーンとかっていう男のせいだ」
( ´_ゝ`)「……少し外を歩きたい。いいか?」
( `∀`) 「ああ、この山は僕の土地だから好きにしてくれ」
兄者はガレージのシャッターを開け、曲がった背中で外へ出て行った。
( `∀`) (それにしても驚いた……)
( `∀`) (伝説に近い、あの流石家の男だったとは……)
( `∀`) 「……後で色々聞かないとな」
ガナーは再びペンを取った。
――――――――――
(;´_ゝ`)「……」
(´<_`;)「……」
二人は森に迷った。
147
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:37:36 ID:fla80f3M0
(;´_ゝ`)「やべーよ、『この山は僕の土地』とかスネオっぽい事言いやがるから……」
(´<_`;)「どうやって帰るつもりだ」
日は落ち、辺りは茂った木々ばかり。既に道を照らす物は無い。
兄者は適当な木に背中を預け、ふぅと息を吐いた。
( ´_ゝ`)「……なぁ、今までの事って全部夢だったんじゃないか?
今家に帰れば父者も母者も妹者も居てさ、みんなで晩飯食うんだ」
( ´_ゝ`)「針とかGとか能力だとか。そんなの全部夢オチでいいだろ」
(´<_` )「確かにそうだ。一週間しない内に変な戦いに巻き込まれて、いつの間にか暴れまわって……」
(´<_` )「……もう帰るか、俺達の家に。今ならまだ逃げられるかもしれん」
( ´_ゝ`)「弟者、お前は夢オチだと思うか?」
(´<_` )「……俺は思わない。だが、生きているのは兄者の方だ。
兄者の選択に文句をつける気は無い」
(´<_` )「だが一つだけ聞こう。次に俺が出で来るのは、それの答えを聞く時にしよう」
「お前は何の為に戦う?」
148
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:38:28 ID:fla80f3M0
弟者はそれだけ言うと姿を消した。兄者は立ち上がり、光の無い道を掻き分けて歩いた。
その後兄者はしばらく歩いたが、結局ガナーの家に辿り着く事が出来ず、諦めて大きな木の下で一夜を越した。
次の日の朝。兄者は近くの川で顔を洗い、水面に映る自分の顔を見た。
( ´_ゝ`)(父者は死に、母者の所在もよく分からない。
弟者は幻体として復活したが、替わりに妹者がGに連れて行かれた)
( ´_ゝ`)(Gの襲撃まで……後四日か。みんな、どうしてるんだろう……)
( ´_ゝ`)(……みんなを殺したのは俺か)
俺は誰の為に戦うのか。家族か、仲間か、自分か、世界か。
結局の所、俺はアニメやマンガみたいな展開にワクワクしていただけだった。
大事な所が全て抜けている。安っぽく「家族の為」とか言っていたが、結局自己満足だった訳だ。
149
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/31(火) 12:39:15 ID:wU80IIrA0
あげ
150
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:39:40 ID:fla80f3M0
( `∀`) 「探したぞ兄者君ッ! 帰ろうッ! 朝食は用意出来ている!」
河原で俯く兄者の元にガナーが現れた。彼はいわゆるジョジョ立ちをしていた。
兄者はガナーを一瞥すると川の水を一口飲んで立ち上がり、やつれた顔をガナーに向けた。
( ´_ゝ`)「……」
( `∀`) 「……少しの間に随分フヌケな顔になったな、流石兄者」
( ´_ゝ`)「放っておいてくれ……フヌケは生まれつきだ」
( `∀`) 「いいや違うねッ! 僕は君の戦いの一部始終を目に焼き付けている!
サイコガンは心で撃つ物だ! 心の無い人間に、あれだけの威力は出せないッ!
だからこそ、僕は君の『心』が気に入ったんだッ!」
( ´_ゝ`)「サイコガンじゃない。田代砲だ」
( `∀`) 「どっちでもいい!」
( ´_ゝ`)「……すまんな。今の俺は思春期丸出し中二病なんだ。
覚悟も無ければ意地も無い。空っぽなんだよ、俺は」
( `∀`) 「……NO! NO! NO!
そんな君じゃあ僕のペンは進まないッ! 意地でも元に戻ってもらうからな!」
(#`∀`)「狂人の五感【バーサーカーズ・フィーリング】!!
最終章! 狂人の第六感【バーサーカーズ・ワールド】!!」
(;´_ゝ`)「なっ……!」
兄者はガナーの足元から広がる空間に飲み込まれた。
151
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:40:39 ID:fla80f3M0
――――――――――
その場所は全てが薄紫がかっていて、全てが停止した空間だった。
( ´_ゝ`)「ここは……」
( `∀`) 「そう! ここは君が破壊したスクランブル交差点!
僕の能力で再現させ、今回のバトルステージとさせてもらった!」
( `∀`) 「ここは第六感が支配する世界ッ!
真実と本当の意思を描写した者にのみ自由が与えられる世界ッ!」
( ´_ゝ`)(……通りで体が動かない訳だ)
( `∀`) 「いくぞッ!」
ガナーが叫ぶと、彼の頭上に分厚いノートとペンが現れる。
( `∀`) 「ガナーは拳を固めて瞬間移動し、兄者をビルの壁面までぶっ飛ばす!」
空中のペンはガナーの言葉を一言一句残さずノートへ書き写す。
それが終わるとノートはバタンと閉じ、小さく声を発した。
『成立しました』
( ´_ゝ`)(……ガナーが消えた……)
152
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:41:54 ID:fla80f3M0
(#`∀`) 「オラァッ!!」
瞬間移動したガナーは兄者の頬に拳をメキメキと捻じ込ませ、拳を振り切って兄者を殴り飛ばした。
兄者は地面にバウンドして砂埃を巻き上げながら飛んでいき、骨が折れる鈍い音と共にビルの壁面に叩きつけられた。
壁は衝撃で亀裂が入り、兄者はドサリとコンクリートに落ちた。
(#`∀`)「今のが僕の意思ッ! 君をぶっ飛ばすという本当の意思、確固たる執念だッ!」
(#`∀`)「さっきは口に出してやったが、もう手加減はしない!」
ガナーの頭上に再びノートが現れる。ペンは忙しく動き、ガナーの思考を書き写していく。
ノートは閉じ、声を発する。
『成立しました』
(#`∀`)(ガナーは兄者へ急接近し更に追撃する! そして彼は兄者の右腕を掴み、振り上げた斧で切り落とした!
泣き叫ぶ兄者を無視し、ガナーは斧を兄者の左腕めがけて振り下ろす!
続けて右足に振り下ろす! 左足に振り下ろす!
四散した兄者の肉体を火炎放射機で焼き尽くすと、ガナーはダルマとなった兄者を思い切り蹴り飛ばした!
体から血を噴き出す兄者の意識は朦朧となり、兄者は自分の死を覚悟した!
ガナーは駄目押しにチェーンソーを持って駆け寄り、何度も何度も兄者の体を切り裂いた!
兄者はまるで芋虫のようだ! ガナーは兄者の腸を抉り出し手に持つと! 芋虫と化した兄者をグルグルと振り回した!
遠心力で回転はどんどん速くなり、ガナーが兄者の腸を手放すと! 兄者は建物をいくつも貫通して飛んで行った!
連なる建物はその衝撃で崩れ落ち、兄者の体に降り注ぐ!
既に人として原型を留めていない兄者はただの肉塊となり! 自らの苦悩の沼へと体を沈めていった!)
153
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:42:20 ID:fla80f3M0
『……エラーです。流石兄者の意思を確認しました』
『ラストセンテンス、不成立』
154
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:44:32 ID:fla80f3M0
流石兄者は生きていた。四肢を失い、内臓を抉られ、コンクリートに埋まり、視界は霞み、流れ出る血液。
(´<_` )「……」
(; _ゝ )「おいおい……、俺はまだ、答えなんて思いついてないぜ……」
(´<_` )「……悔しくないのか。生きたいとは思わないのか」
(; _ゝ )「死……を目前にした、俺が、今更……」
(´<_`;)「あのなぁ。俺の能力使えば直ぐにでも全快するんだよ」
ぜぇぜぇと、凄絶な痛みを堪えて呼吸する兄者を見て、弟者はやれやれと息を吐いた。
(´<_` )「戦ってる時点で誰かの為なんかじゃないんだよバカ野郎。
戦いは必然、避けられない戦いだけを全力でこなせばいいんだ」
(; _ゝ )「……弟者、ちょっと、いいか……?」
(´<_` )「なんだ。辞世の句なら聞かんぞ」
( ´_ゝ`)「後でちょっと殴らせろ」
(´<_,` )「……後で、な」
155
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:46:39 ID:fla80f3M0
――――――――――
(;`∀`)「この状況でまだ意識があり、意思があると言うのか!」
(;`∀`)(流石兄者! 君は何を願ったんだッ!
何が君の命をつなぎ止めたんだッ!?)
(;`∀`)(僕は今、『恐怖』している! 君の意志を象徴するあのノート!
あそこまで巨大な物を、僕は見た事が無いッ!!!)
倒壊したビルの上空にノートが出現。同時にペンが進み始め、書き終わると同時にノートはバタンと閉じた。
そのノートはガナーの足元に影を落とす。本人の意思の強さに比例し大きさを変化させるそのノートは『あまりにも巨大過ぎた』。
( `∀`)「だがッ! 奴の四肢は僕が焼き払ったッ!
今更足掻こうが無駄だッ!!」
「ヒステリック・ドクター」
倒壊した建物の下を二つの影が這い出てくる。二つの影は互いに手を取り、ガナーを見据えた。
(;`∀`)「……ありえないッ! 体が元に戻っているだと!
ありえないぞ流石兄者……! 否、流石兄弟ッ!」
ガナーはその二つの影を見て狼狽し後ずさった。二つ影が近づく毎にガナーも後ろへ下がる。
(;`∀`)(いや! 落ち着けガナー! 素数を数えろ!
この世界は圧倒的に僕の有利な世界ッ! 曳きこんだ時点で僕の勝利は確定しているッ!!)
(;`∀`)「恐るるに足らず! 流石兄弟ッ!!」
(#´_ゝ`)「『愚者の哲学』!!」
156
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:47:38 ID:fla80f3M0
兄者が発動したのはオサムの能力『愚者の哲学』。相手の不安を具現化し、自分の力として使う能力。
現在、ガナーの不安は『強大過ぎる兄者』に尽きる。それを具現化した兄者は、雲を突き抜け天を衝く程に巨大化した。
兄者は足元のガナーを睨み、声を上げた。
(# _ゝ )「ルビ:スロータァァァァァ!!!!!」
(;`∀`)(……死ぬッ! これが……ッ! これが兄者の真の実力だと言うのかッ!)
兄者は、雲をも超える身長を『更に超える』槍を出現させ、後ろへ大きく振りかぶった。
(;`∀`)「……いいやッ! 僕にも戦士の意地がある!
悪いが僕も、負けたくはないんだ!!」
(;`∀`)(生きたいッ! 僕は生きて次のチャンスを待ち、兄者に止めの一撃を入れる!)
ガナーの頭上にノートが現れ、ペンがガナーの思考を書き写していく。
ノートはパタンと閉じ、声を発した。
( `∀`) (勝ったッ! これで僕は勝利する!)
157
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:48:48 ID:fla80f3M0
『エラーです。意思の強さにおいて、流石兄者の意思がガナーを上回った為……』
『発動は、取り消されました』
(;`∀`)「馬鹿なッ! 兄者は本当に僕を殺す気か!」
(;`∀`)「こ、こんなの……神を相手にするに等しいじゃないか……ッ!」
ガクガクと震える膝で立っていたガナーは逃げようと体に鞭打つが、流石兄者の放つ眼光に囚われ一歩も動けない。
(# _ゝ )「発動! マトリョーシカ!!」
(# _ゝ )「硬度最大! ルビ:スローターに一万段追加!!!」
槍をマトリョーシカの要領で鋼鉄が一万段重なり、大きさと重みを増した。
(;`∀`)(兄者を倒す! 倒す倒す倒すッ!!!)
『エラーです』
(# _ゝ )「キング・オブ・アンガー!! スペック2!!
ルビ:スローター炎で包め!!」
炎が螺旋を描いて槍に纏わり付く。
(; ∀ )(にっ、逃げるゥゥゥゥゥ!!!)
『……成立しました』
(;`∀`)「あんなの相手にしてられないねッ! 僕は逃げるッ!」
ガナーは振り向きすぐさま駈け出した。道路を全力疾走し、兄者からドンドン離れていく。
(;`∀`)「だが、兄者の能力にも制限がある筈だ……。
それさえ分かれば、突破口はある……」
158
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:50:44 ID:fla80f3M0
(;`∀`)「んッ!? 何か光って……。
これは……あの少女の能力かッ!」
ガナーの逃走経路を断つようにして、透明のワイヤーが幾重にもなって張り巡らされていた。
間一髪それに気づいたガナーは立ち止り路地裏へ逃げ込もうとする。
が、既に半径20メートルの空間を、鳥一匹さえ逃さないワイヤーの結界が出来上がっていた。
(´<_` )「発動。森羅万障、フェーズ1」
弟者は透明のワイヤーの上に腕を組んで立ち、ガナーを見下した。
(´<_` )「悪いなガナー。ちょっと此処に居てくれ。どうだ? ワイヤー結界の居心地は」
(;`∀`)「弟者! 君なら兄者を止められるだろ!?
頼むッ! 僕が悪かったッ! 降参だッ!」
(´<_` )「なら、今すぐこの空間を解除しろ」
ガナーは押し黙った。
(´<_` )「出来ないんだな」
(;`∀`)「……一方の戦闘不能、もしくは……」
(; ∀ )「死亡……! それでのみ解除される……ッ!」
(´<_` )「……把握した」
(´<_`#)「兄者ァ! ブン投げろォ!!」
(;`∀`)「なッ! 止めてくれ! 本当に死んでしまう!
あんなの、僕の語彙でも表現しきれないッ!」
空気が振動し、雲がかき消される。兄者は足を上げ、超巨大な、炎を纏った槍を大きく振りかぶった。
159
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:52:54 ID:fla80f3M0
(;`∀`)「すまなかった! 僕が驕っていた!! 取材だって取り消す!」
(;`∀`)「逆に問おう! 僕が一体何をした!?」
(;`∀`)「……一体! 一体何を言えば助かるんだよォォォォォ!!!!」
(# _ゝ )「いいか! これは俺からの、宣戦布告だァァァァ!!!!」
ダン! と兄者は振り上げた足を地面に叩きつけ、振りかぶった槍を思い切り投げ飛ばした。
槍は地上を塵と化し、消し飛ばしながら飛び続け、瞬く間に『ガナーの頭上を飛び去った』。
槍はそのまま真っ直ぐ飛び、空中のある地点でピタリと止まった。
(;`∀`)「……まさか! この空間を無理矢理壊そうって魂胆かッ!!」
槍の先端部分の空にヒビが入る。そこに押し入る様に槍は進み、そのヒビを大きくしていく。
だが、ヒビが入るだけで空間は破壊される気配が無い。
(# _ゝ )「煩わしい! とっとと飛んでけルビ:スローター!!」
兄者は右腕を槍の柄に向けた。その右腕には超巨大なサイコガン――田代砲が発動されていた。
(# _ゝ゚)「メガ粒子田代砲ォォォ!!!!」
発射された光線は寸分狂わず槍の柄に直撃。槍の威力を倍増させた。
やがて槍は空のヒビを抉じ開け、完全に貫通しこの空間から消えた。
(;`∀`)「……フフフ……やっぱり、僕の目に狂いは無かった」
(; ∀ )「後で取材、させてもらうからね……」
荒野となった交差点でガナーは意識を失った。
同時に空のヒビは一面に広がり、強い光を発しながら砕け散った。
160
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:54:00 ID:fla80f3M0
――――――――――
(; _ゝ )「はぁ……はぁ。んぐっ! はぁ……」
河原に戻った兄者は砂利に片膝を付き、荒い息を押し殺した。
(;´_ゝ`)「……届いたかな?」
(´<_` )「大丈夫だろ。あんだけ強化したんだし、俺の感覚が間違って無ければ……」
兄者は槍が飛んで行った空を見上げると、その場に大の字になって倒れた。
( ´_ゝ`)「疲れた。もう寝る」
(´<_` )「その前に、ガナーを介抱してやらないとな」
( ´_ゝ`)「へいへい。で、屋敷はどこだ?」
(´<_`;)「……」
(;´_ゝ`)「……」
二人はガナーは目覚めるまで、森の中を彷徨った。
――――――――――
ここは、とある学園のとある教室。
血まみれで地に伏せる学ランを見下げ、ヒッキーは肩で息をしていた。
『やれやれだぜ。まさか、こんな形でスター・プラチナを見られるなんて思わなかったよ』
『持っていくといい。僕の過負荷、『大嘘憑き』をね。これは僕を倒した君への礼儀だ』
(-_-)「ああ、確かに頂いて行くよ。それじゃあ」
ヒッキーは次元の裂け目に吸い込まれ姿を消した。
――――――――――
161
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:54:58 ID:fla80f3M0
(-_-;)「……どへぇ! 死ぬかと思った!」
ヒッキーはパソコンの中から飛び出してくると、一息ついて額の汗を拭った。
(-_-)「でも、最高ランクの能力は手に入れた。
って、やっぱり回数制限付きかぁ……」
(-_-)(三回。上手く使わないとな……)
ヒッキーは薄暗い部屋を出てエクストの居る団長室へと向かった。
中ではG迎撃の作戦会議が一息ついた所で、ヒッキーもその輪に加わった。
(-_-)「……で、どんぐらい決まった?」
<_プー゚)フ 「ああ、戦いの場所は君に用意してもらう事になる。
これがG迎撃用に創ってもらいたい空間の図だ」
(-_-)「こんな簡単なのでいいの? 部屋を四つ作るのはいいけど、その前の分かれ道で敵がどう行動するか……」
( ´∀`)「各部屋に現れた敵の戦力を俺が見極めた上で、その部屋の迎撃メンバーを決める。
俺が知る限り敵は三人だ。分散できれば勝機はある」
(-_-)「随分と行き当たりばったりにしたんだね、エクスト」
<_プー゚)フ 「Gは意外と正々堂々とした奴だ。その性格上、きっと真正面から来るだろう」
<_プー゚)フ 「しかも、こっちにはヒッキーの『螺旋力』がある。
気合いがあれば何だって出来るんだし、問題無いさ」
( `ー´)「いざとなれば俺の完全阻止【インターセプター】もあるんだし大丈夫じゃネーノ。
まだまだ手札は尽きてねぇんじゃネーノ」
162
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:56:00 ID:fla80f3M0
lw´- _-ノv「インターセプター(笑)」
从 ゚∀从「マジシャンズ・バルーン(爆)」
lw´- _-ノv「ド貧乳(哀)」
从 ∀从
( ´・ω・`)「えっと……、あ、ここは7だ」
|^o^|「ショボンはナンプレかよ。俺はウォーリーだけどな」
/ ,' 3「ホッホッホ、まだまだワシのX打ちには勝てんか」
(;ФωФ)「くっ! もう一度なのである! 今度こそ盤面を白に染めてやるのである!」
<_プー゚)フ 「ま、緊張感なんてあったもんじゃないけどね。やる時はやる人ばかりさ」
<_プー゚)フ 「一度会議を終わるよ。用があったらまた呼ぶから、当日まで鋭気を溜め込んでおいてね」
へーい、と覇気の無い返事をして迎撃メンバーは散って行った。
lw´- _-ノv「あ、みんなー。ガムあげるよガム」
団長室に残ったヒッキーはエクストの傍に寄り、何かを耳打ちした。
(-_-)「……じゃ、僕はこのマップ通りに空間を作ってくる」
<_プー゚)フ「ああ、頼んだよ」
――――――――――
163
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:57:40 ID:fla80f3M0
爪゚ー゚)(やはりこのオムライス、至高の一品だ)
(;'A`)(やべぇ、そろそろ飽きてきた……)
(;^ω^)「ハムッ! ハフハフ! ンジュルダパァ!! ペロペロドンガバァ!」
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(きめぇ)
l从・∀・ノ!リ「まだまだオムライスはあるのじゃ」
爪゚ー゚)「ええい! 早く次を用意しろッ!」
l从・∀・ノ!リ「了解なのじゃ!」
G一派はシャンデリアの目立つ食堂で食事会をしている最中だった。
席に座り延々とオムライズを貪るだけの会が食事会なのか、それは謎である。
(*゚∀゚)「……何か来る」
つーはガタッ! と席を立ち、食堂のテラスへ駆け出た。
(*゚∀゚)「G! 何か知らないけどヤバいのが来てるよ!」
爪゚ー゚)「俺の食事を邪魔するか……」
(*゚∀゚)「さっさと城一面に『ZIPPER』を張れ! 繋ぐ先は湖!」
爪゚ー゚)「指図するな!」
Gはつーの指図を聞き、テラスから城の屋根へ軽快に飛び移った。
すぐさま屋根の上で体に力を込め、両手を前に突き出し大声で叫んだ。
爪#゚ー゚)「『ZIPPER』!!!」
164
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:58:29 ID:fla80f3M0
Gが右手をスライドさせると、城の一面に添って巨大なジッパーが出現し口を開けた。
次に左手をスライドさせると、同じように湖の上空に巨大なジッパーが出現し口を開ける。
爪#゚ー゚)「これでいいのか!?」
(*゚∀゚)「ああ!! 残り五秒だ!!」
Gは腕時計を見て五秒を計り始めた。
爪゚ー゚)(1、2、3、4……)
165
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 12:59:53 ID:fla80f3M0
爪;゚−゚)(5ッ!?)
Gは心中そう思った瞬間、城の全面にある山が一瞬にして円形に消え去り、湖の水がありったけ空中へ飛んだ。
爪;゚−゚)「俺の『ZIPPER』を、一体何が通ったと言うのだ?」
空中に飛んだ水がGの視界を遮っていた。
爪#゚−゚)「目障りだッ! 蒸発しろッ!」
Gは両手で筒を作りそこへ息を勢い良く吹きかけた。
それは空中の水を包み込む火炎となり、全てを蒸発させた。
水蒸気の先に見える物に目を凝らし、Gは驚愕した。
爪;゚−゚)「こ、これは母者のルビ:スローター!? 奴は俺が始末した筈……」
爪;゚−゚)「いや、この巨大さ……何よりこのプレッシャー! まさかッ!」
爪;゚−゚)「……流石の長男ッ!」
湖の底に深く突き刺さる槍を見て、Gはすぐさまテラスへ戻った。
(*゚∀゚)「ウヒャー。やってくれるね」
(*゚∀゚)「私が粘着キリギリスで警戒してなかったら死んでんじゃね?」
('A`)「そうなりゃ俺の能力が発動してるから、結局後悔は無いがな」
爪゚ー゚)「食事会は終わりだ! 計画も変更するッ!」
(;^ω^)「えぇー! もっと食べたいお!」
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(あんなツマヨウジ、ニャーが全部処理出来たのにニャー……)
l从*・∀・ノ!リ「ちょっと待つのじゃ!」
早足で食堂を出ようとするGの前に妹者が立ち塞がった。
妹者はワクワクした表情でGの顔を見つめ、それが堪え切れくなった所で感情を爆発させた。
166
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 13:00:59 ID:fla80f3M0
l从*・∀・ノ!リ「アレ全部Gがやったのか!?」
爪゚ー゚)「ああ」
l从*・∀・ノ!リ「湖ザッパーンも! モワワーンの霧も! 突然完成したスカイツリーもか!?」
爪゚ー゚)「フン! 当然だ!」
( ^ω^)(あ、コイツ見栄張った)
l从*・∀・ノ!リ「Gは凄いのじゃ! 何でも出来ちゃう凄い子なのじゃ!
まるでポケモンのミュウなのじゃ!」
爪゚−゚)「……ミュウ? なんだそれは」
l从・∀・ノ!リ「……はっ! これだから最近のポケモンプレイヤーは!
いいか、ミュウは全ての技を使える最強ポケモンなのじゃ!」
爪゚ー゚)「フン、面白い生き物がいるじゃないか。
そういえば俺は人間には『G』と呼ばれていたが、幻体としての名前は無かったな……」
爪゚ー゚)「その名前、頂くぞ……!」
爪゚ー゚)「妹者、お前は部屋に戻って遊んでいろ。俺たちは大事な用があるのでな」
l从・∀・ノ!リ「うむ、行ってくるのじゃ」
Gに続いて四人は食堂をゾロゾロと出て行き、玄関までの廊下を歩いた。
( 'A`)「どっか行くのか?」
( ^ω^)「買い出しならネコで十分だお」
早足で廊下を歩くGの背中を見て二人は言うが、Gは何も言わない。
167
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 13:02:11 ID:fla80f3M0
(*゚∀゚)「……あ! 分かった! これからタイマーズ潰しに行くんだろ!」
爪゚−゚)「……お前達は先にアジトへ行き、手筈通りやれ」
(;'A`)「襲撃の準備自体は済んでいる……が、肝心な月面への突入方法が……」
爪゚−゚)「俺に考えがある。後で遅れていくから心配するな」
( ^ω^)「随分急な話だお。さっきの槍がそんなに脅威だったのかお?」
爪゚−゚)「ああ。出来れば早めに潰しておきたい」
(;^ω^)「……もしかして、さっきの兄者から?」
爪゚−゚)「……」
(;^ω^)(YABEEEE!! 兄者まだ生きてたのかよ!
オイラのせいじゃん! どう考えても!)
( 'A`)「まぁいいさ。少し予定が早くなっただけだ。行こうぜ」
外へ出ると、ドクオを先頭に三人と一匹はGと別れた。
(*゚∀゚)「粘着キリギリス!」
( ^ω^)「安定の気持ち悪さでず。本当にありがとうございました」
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(獲物ktkr!!)
つーの呼びかけに答えるようにして、どこからともなくキリギリスが大量に表れる。
三人と一匹はその上に乗り、空へ舞い上がった。
168
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 13:03:11 ID:fla80f3M0
( 'A`)「G! くれぐれも無茶はするなよ!」
爪゚−゚)「分かっている。ドクオ、そっちはお前に任せたからな」
('∀`)「……おう」
盛大に羽音を鳴らしながらキリギリスの大群は飛んで行く。
城の前に一人残されたGは空を見上げ、そっと微笑んだ。
爪゚ー゚)「待っていろ、タイマーズのボンクラ共……!」
――――――――――
爪゚ー゚)『無知全能【ミュウ】』
――――――――――
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
第六話。後編。おわり。
169
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 13:09:18 ID:fla80f3M0
とっとと……三部のノリになりたいです……。
サクサク書いて一部終わらせよう。二部が終わったらオナニーだ!
風呂敷を広げすぎた。回収が追いつかない。
よってプロジェクト『プッチ』を発動する! 困った時のプッチ神父。
超展開はまだまだ続く。ああ、早く二部書きたい。
では、感想批評誤字脱字と語弊の指摘等、よろしくお願いします。
170
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 13:12:47 ID:fla80f3M0
( 'A`)「
>>149
! 貴様見ているな!」
(;^ω^)「危ない! PCから離れるんだ
>>149
さんッ」
171
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/31(火) 17:12:03 ID:PLnsrzJs0
おつおつ
172
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/05/31(火) 17:57:35 ID:/ZgLs2vs0
乙!
ドクオの顔が変になるのは仕様?
173
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 21:07:26 ID:fla80f3M0
>>172
('A`)「ちょっとジョースターの体が馴染んでなかった」
('A`)「AAに関しては結構雑なので、言ってくれると助かります」
('A`)「一度変に登録したので、その影響です」
半角全角の違いを確認するのが面倒なのでAAが雑。一度全部直すか……。
174
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 21:12:48 ID:fla80f3M0
うひぃ。
と言う訳で第七話の前編だけ投下しますよ。
後編も大体書けているのだけれど、肝心な所がながら投下になるので次にします。
能力物のブーン系が淘汰されやすい事に今更気付いた。
175
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 21:14:35 ID:fla80f3M0
('A`)「今日はここで一泊だ」
(*^ω^)「バイキングタイムktkr!!」
( 'A`)「バイキングは無しだ。金が足りん」
(#^ω^)「支配人! 決闘を申し込む!」
(*゚∀゚)「やっぱGと別行動だから移動に時間がかかるな」
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(やべぇ。都会のネコは体つきがエロい……)
ドクオ達は市街に着くと、つーの粘着キリギリスを降りた。
予め予約しておいたホテルに入り、今は各々気楽に過ごしている。
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
176
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 21:16:56 ID:fla80f3M0
('A`)「さて……と」
ドクオはホテルの窓から街を見下した。
('A`)「おいネコ。買い出し頼む」
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(トッポ二箱で行ってやる)
('A`)「はいよ、メモと財布だ。トッポも好きなだけ買ってこい」
(,,゚Д゚)「ゴロニャーン」
(,,゚Д゚)(行ってくる)
ネコは首から財布をぶら下げ部屋を出た。
(;^ω^)「腹減った……。この街って二郎あったかお……」
(*゚∀゚)「諦めてネコが帰ってくるの待ちな」
ネコはホテルの階段を下り外へ出ると、青色で点滅している信号を駆け抜け近くのコンビニに入って行った。
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(おい、このリストに載っている物を出せ)
ハハ ロ -ロ)ハ 「Oh! 買い物をするネコなんて初めて見ました!」
ハハ ロ -ロ)ハ 「メモまで持ってるなんて凄いです! 任せて下さい!」
ネコが差し出したメモを店員が受け取り、メモに書かれた商品をカゴに放り込む。
ネコはレジに飛び乗り、首からぶら下げていた財布を店員に渡した。
ハハ ロ -ロ)ハ 「このトッポはサービスです!」
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(恩に着るぜ)
177
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 21:17:55 ID:fla80f3M0
ネコはコンビニを出て信号を駆け抜け、再びホテルへ入って行った。
その姿を近くの喫茶店から見ている男がいた。怪しいサングラス、大きな帽子、茶色のコート。
男はカフェオレを啜り、ネコが入って行ったホテルを見上げた。
178
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 21:19:08 ID:fla80f3M0
( ■_ゝ■)「もしもし俺だ! ついに組織の尻尾を掴んだ!
ああ、大丈夫だ。問題無い。――エル、プサイ、コングルゥ」
(;`∀`)「君は何をしてるんだ。電源の点いてない携帯に向かって……」
(;■_ゝ■)「くっ! 組織のエージェントだ! 後でかけなおす!」
怪しい男はサングラスを外し、帽子を脱ぐ。
( ´_ゝ`)「……ユーモア溢れる中二病をやってただけだよ」
(;`∀`)「……そうかい」
( `∀`) 「で、ヤツらの居場所は分かったのか?」
ガナーは兄者の反対の席に座り、鞄を置いて話し始めた。
( `∀`)「君が敵に先制攻撃を仕掛けると言った時は驚いたよ」
( `∀`)「弟者の言うとおりに来てみれば、本当に居るとは……」
( ´_ゝ`)「こんだけ近づいていれば俺にも分かる。部屋も人数もな」
( `∀`)「……やるのかい?」
( ´_ゝ`)「当然だ。ガナー、後はお前の好きにしろ」
( `∀`)「フフッ、僕も今、最高に燃えているんだ。誰が言おうと、僕は君についていくよ」
二人は皿に盛られたサンドウィッチを頬張り、ホテルから対象が出てくるのを待った。
179
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 21:20:15 ID:fla80f3M0
( ´_ゝ`)「暇だな……」
( `∀`)「んー、僕も今連載している分の長編小説書ききってしまって暇なんだ」
( ´_ゝ`)「いや、今だよ今。トランプとか無いの?」
(*`∀`)「……閃いたッ! 今、僕の元に創作の神が降臨したッ!」
(*`∀`)「兄者ッ! 事が終ったら僕の取材を改めて受けてくれッ!
そして次回作の主人公に君を使おうッ!」
( ´_ゝ`)「読者が増えるよ」
「やったねニイチャン」(´<_` )
(´<_` )「……来たぞ」
ホテルから出てきたのは三人と一匹。喫茶店とは反対の歩道を歩いている。
( ´_ゝ`)「出よう。後をつけるんだ」
それを見て三人も喫茶店を出た。
対象と歩くスピードを合わせ、遠目に間隔を取って尾行を始めた。
(´<_` )(いいか、今は反対側の歩道に居る分、尾行は気付かれにくい。
だが俺達の顔は割れている。十分気をつけろ)
( ´_ゝ`)(把握した)
対象はどこかへ向かって歩き続けていた。
途中、人混みに紛れて見失いそうになるも、ガナーの協力もあってか尾行はスムーズにいった。
( `∀`) (ヤツら、一体どこへ……。確かこの先は)
駅。それにガナーが気付いた時にはもう遅く、対象は地下鉄のホームへ降りて行った。
180
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 21:20:59 ID:fla80f3M0
(´<_`;)「兄者急げ! 離されるぞ!」
(;´_ゝ`)「だがッ! 俺がヤツらと同じ電車に乗ればバレてしまう!」
( `∀`)「僕が行く! 後でメールするから追って来てくれ!」
(;´_ゝ`)「頼んだぞガナー!」
ガナーはヤツらを追い、地下鉄のホームへ降りて行った。
『間もなく出発します』
(;`∀`)「ハイハイ! 乗りまーす!!」
ガナーは華麗なスライディングを決め車両へ飛び乗った。
(;`∀`)(……よし、この車両には居ないな。早く見つけなければ……)
ガナーは周囲に警戒しながら電車の中を捜しまわった。
そして、ヤツらの仲間が席に座っているのを見つけた。
( `∀`)(よし……。このまま監視を続けよう)
『ドアが閉まります。ご注意下さい』
181
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 21:21:52 ID:fla80f3M0
ガタン。そして電車は動き出す。
( `∀`)(……一人しか居ないな。他のヤツらはどこだ?)
段々と速度を増す電車。
( `∀`)(? アイツ手を振ってる……)
( `∀`)(……)
(;`∀`)(まさかッ!)
ガナーは飛びつく様に窓に顔を押しあてた。
そして視界を過ぎさる、二人と一匹。
(;`∀`)(クソッ! 僕達は『まんまと嵌められた』!!)
(;`∀`)(兄者君が危ないッ! すぐにメールしなければ!)
――――――――――
(*゚∀゚)「なぁドクオ、わざわざ移動手段を別々にする必要ってあるのか?」
( 'A`)「さぁな。ただ、こうした方が後悔は少ない気がしたんだ」
(*゚∀゚)「ヒャー。お前が私を口説こうなんて百年早い!」
(;'A`)「ど、どど、ドブロクちゃうわ!」
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(やべぇ、さっきの売店のネコ可愛かった)
――――――――――
182
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 21:22:44 ID:fla80f3M0
( ´_ゝ`)「さてと、俺達はどうするかね」
(´<_` )「すぐ追いかけられる様にタクシーでも拾っとくか」
携帯が兄者のポケットで震えた。
( ´_ゝ`)「ん? 何々……。まだ敵がそっちに居る?」
(´<_`;)「……YO! ブラザー! ルックアット前なんだぜベイベー!!」
( ´_ゝ`)「なに言ってんだお前」
(´<_`;)「FOOOOOL!!!」
兄者が携帯を仕舞い、前を向くと、そこには幸薄そうな男が猫背で立っていた。
( 'A`)「……」
(*゚∀゚)「……」
(,,゚Д゚)「ニャーン」
183
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/05/31(火) 22:24:29 ID:fla80f3M0
スマホ。電波死んでるのでまた今度にします。
それまでには後編書き上げておきますので、どうか許してください。
184
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:12:29 ID:gq8hqZwA0
(;´_ゝ`)「HEY!! こりゃあ良いSONGが生まれそうだぜ!!」
(´<_`;)「YO! YO! YO! 早速帰って作詞だぜトゥナイト!!」
兄者はその場から逃げようと振り返ったが、男に肩を掴まれてしまった。
(;´_ゝ`)「な、何なんだぜ?」
同様丸出しで兄者は聞いた。
('A`)「……あの、えっと……道を……」
( ´_ゝ`)(……こいつ、コミュ障か)
兄者は敵ながら親近感を覚えた。
(´<_` )「HEY! YO! ブラザー! 幸薄ボーイに道をティーチンナウ!! ポウ!」
(*゚∀゚)「面白いな! お前らラッパーか?」
('A`)「こ、空港までの道……なんですけど……」
( ´_ゝ`)「オーノー! 生憎知らないぜ! だけどタクシーのオッチャンなら知ってる筈だぜベイベー!」
('A`)「そ、そうですか……。ありがとうございます……」
男はそう言うとキョロキョロと辺りを見渡し、自販機を見つけるとそこへ行き、ジュースを買って戻ってきた。
('A`)「あの、これ……お礼です」
( ´_ゝ`)「ノンノン! そんなの受け取れないぜ!!」
('A`)「貰って下さい。お願いします。僕の気が治まらないんです」
('A`)「二人には、これを貰ってもらわないと後悔してしまう気がして……」
(;´_ゝ`)「オゥフ……」
185
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:12:53 ID:gq8hqZwA0
(´<_`;)(……まずい)
二人は顔を見合わせた。
幻体は飲食が出来ない。今の弟者はぃしの能力を応用して実体を得ているだけで、実際、中身は空である。
弟者が幻体である事が分かってしまえば、この場は瞬く間に戦いのステージになるだろう。
(;´_ゝ`)「WOWOW!! そんなに言うなら貰うぜブラザー!!」
(´<_`;)(あっ、馬鹿!)
兄者は男の差し出すジュースを取り、蓋を開けて勢い良く飲みほした。
( ´_ゝ`)「っぷはー! ……あ! UFO!!」
('A`*)「mjd!!」
(゚∀゚*)「遂に来たか!!」
(,,−Д−)「ニャー……」
(;´_ゝ`)(今だッ!)
男たちの視線が逸れた瞬間を狙い、兄者は弟者と立ち位置を変わり、弟者に空のジュース缶を持たせた。
(;´_ゝ`)「俺も頂くぜ!」
('A`)「あ、弟さんもどうぞ」
兄者は弟者の振りをしジュースを飲み干した。
(´<_`;)「ホラホラ! タクシーのお出迎えだぜ!!」
('A`)「あっ、じゃあ、ありがとうございました」
男達はタクシーの乗り込み、兄者達の前から消えた。
激しい鼓動と息をしながら、兄者はこれからどうするかを考えた。
186
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:13:27 ID:gq8hqZwA0
――――――――――
タクシーは空港へ向かっていた。
('A`)「……つー。兄者に粘着キリギリスは付けといたか?」
(*゚∀゚)「ああ、バッチリだ!」
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(馬鹿な奴らだぜ……)
('A`)「まさかもう追ってくるとは。正直驚いたぜ……」
――――――――――
( `∀`)(兄者達は大丈夫だろうか……。
いや、今はアイツの監視に専念するんだ)
ガナーは隣の車両から覗き込む様にして、一人で電車に乗った対象を監視していた。
対象は菓子を貪り食っている。汚い。
( `∀`)(……だがラチがあかない。もう僕がアイツの所に行って情報吸い出してやろうか)
( `∀`)(ああ、そうしよう。取材だよ取材)
ガナーは開き直り、対象の席まで行った。
(;^ω^)「ポリポリポリポリポリポリポリポリ
ポリポリポリポリポリポリポリポリ」
( `∀`)「失礼、相席しても?」
(;^ω^)「別にいいお! モサモサモサ、グリグリ、オンドゥルドゥ!!」
ガナーは男の目の前に座り、どうやって情報を引き出そうか模索した。
187
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:14:18 ID:gq8hqZwA0
( `∀`)(まぁ安牌は第三章だろう)
( `∀`)(発動、第三章。狂人の咀嚼【バーサーカーズ・テイスティング】)
( `∀`)「失礼、何か食べ物のパンフレットは持っているかな。
君を見ていたら、随分と腹が減ってしまった」
(;^ω^)「ゴプフォ! これどうぞだお!」
男はガナーの質問をすんなり答え、取り出したパンフレットをガナーに手渡した。
( `∀`)(よし、後はコイツの手がコレを介して僕の手に繋がれば終わりだ……)
( `∀`) 「あ、これなんて美味しそうじゃありません?」
(;^ω^)「オンドゥルウラギッタンディスカー!! 確かにそうだお!!」
( `∀`)「ほらほら、これなんて……」
( `∀`) (触れッ! 触れば最後、君の記憶は僕の物だッ!)
( ^ω^)「……おー。本当にウマそうだお……。これもいいお……」
男はスッとパンフレットに手を伸ばした。
( `∀`)(来いッ!)
男の手が、パンフレットに触れた。
( `∀`) (来たッ! 喰らえッ! 全ての記憶をッ!!)
――――――――――
( ^ω^)「おっおー。とっても楽しかったお」
( ^ω^)「旅っていうのも中々良いもんだお。また会えることを祈るお!」
男は電車を降りた。
188
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:14:45 ID:gq8hqZwA0
(;`∀`) (……アイツ、化け物だ。兄者とは違う、別のタイプのッ!)
(;`∀`) (僕のこの能力は『相手の人生、記憶そのものを文章にしてコピーする』能力ッ!
なのにッ! アイツはッ!)
・・・・・・・・・・・・・・
(;`∀`)(自分の人生を持っていなかった!)
(;`∀`)(このパンフレットに書き記されるはずのアイツの人生……ッ!
なんで、なんで『文字化けみたいになっている』んだッ!!)
(;`∀`)(兄者の敵っていうのは、こんな奴ばかりなのか……ッ!!)
ガナーは一人残された電車の中で、頭を抱えて足を震わせていた。
『ドアが閉まります。ご注意下さい』
コンコン。ガナーの席の窓が叩かれる。
( ^ω^)ノシ
(;`∀`)「……ッ」
ガナーも手を振り、無理やり笑って見せた。しばらくすると男は手を振るのを止めた。
少しして電車が動き出す。やっとコイツから離れられる……とガナーは安堵し、散らかった菓子のゴミを片付け始めた。
( `∀`)「……これも要らないな」
ガナーは菓子のゴミと一緒に、文字化けしたような文章が書かれたパンフレットも捨てた。
( `∀`) 「……」
(`∀`;)「今のはッ!」
189
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:15:15 ID:gq8hqZwA0
今さっきゴミを捨てたゴミ箱からパンフレットを漁って取り出し、ガナーは文字化けした文章を目を凝らして見た。
( `∀`) 「……はは、完敗だよ……」
ガナーはパンフレットをビリビリに引き裂き、もう一度ゴミ箱へ叩きつけた。
そして気力が尽きたのか、ガナーは席に座ると同時に眠ってしまった。
『もうちょっと本音隠して尾行しような。あと、小細工丸見え』
引き裂かれたパンフレットには、確かにそう書かれていた。
――――――――――
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
第七話。前編。おわり
190
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:16:22 ID:gq8hqZwA0
続けて後編落とします
191
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:17:02 ID:gq8hqZwA0
( ´_ゝ`)「このタクシーか……」
兄者達は対象の乗ったタクシーを探していた。
途中ガナーと合流し、ガナーは電車での出来事をありのままに話した。
(;`∀`)「何を言っているのか分からないとは思うが、嘘とか出任せなんて、そんなチャチなもんじゃ決してない!」
( ´_ゝ`)「……その話からすると、俺達もバレてたんだな」
(´<_` )「ま、生きているんだから良いだろう」
( `∀`) 「……で、このタクシーの記憶を手繰ればいいのかい?」
( ´_ゝ`)「ああ、頼んだぞ」
( `∀`) 「第三章、狂人の咀嚼【バーサーカーズ・テイスティング】」
ガナーはノートを開いてタクシーに押し当て、タクシーの人生――記憶を文章にした。
少ししてそれが終わると、対象が向かった空港を知る事が出来た。
( ´_ゝ`)「こうして物の記憶を辿っていけば、後手とはいえ攻撃を仕掛けられるな」
(´<_` )「アイツらの名前は……、ドクオ、つー、ネコか」
( `∀`) 「次は空港へ行ってアイツらを追うつもりか?
最終便はさっき飛んで行った。行き先は……」
( ´_ゝ`)「『木霧町』。そうだろ?」
( `∀`) 「……分かっているなら話が早い。僕が船をチャーターしてこよう」
(´<_` )「金持ち作家は融通がきくね」
兄者達はタクシーに乗り、近くの船着き場を目指した。
ガナーはタクシーの中で電話をかけ、一言二言で難なく船をチャーターした。
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです
192
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:17:32 ID:gq8hqZwA0
( ´_ゝ`)「すげー。デケー」
(´<_` )「強いぞー、カッコいいぞー」
( `∀`) 「さぁ! 早く乗るんだッ! 上手くいけば先回りできるからなッ!」
船は急いで出発し、夜の海を突き進んでいった。
( ´_ゝ`)(タイマーズのアジト……。俺、どんな顔をすればいいんだろうか……)
(´<_` )(融通のきかない奴だな。みんな分かってくれてるさ)
俺達は夜風に吹かれながら海を眺めた。
――――――――――
(-_-;)「もう動けない! インドア派に気合なんて期待すんなよ!」
ヒッキーは団長室で愚痴をこぼした。
<_プー゚)フ 「終わったのかい?」
(-_-)「……ああ、螺旋力を使っての空間形成も慣れてきたからね……」
(-_-)(果てしなく疲れるけど)
<_プー゚)フ 「もう休んでていいよ。お疲れさん」
(-_-)「……いや、もうちょっと働いてから休むよ」
lw´- _-ノv「ガム要る? ガム美味しいよ。米には劣るけどな」
<_プー゚)フ 「あ! ヒッキー助けて! シュールってば僕を何度も撃ち殺そうとするんだ!
ただ、『僕と契約して魔法風船少女になってよ』言っただけなのに!!」
(-_-)「それはお前が悪い。じゃ、僕は戻るよ。
シュール、ガムありがとうね」
lw´- _-ノv「良い夜を」
193
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:18:13 ID:gq8hqZwA0
ヒッキーは団長室をでると、怪我人の集う保健室へ足を進めた。
中へ入ると、やはり今でも陰気な雰囲気が漂っている。
ξ゚⊿゚)ξ「ヒッキーじゃない。久しぶり」
(-_-)「ツンさん、久しぶり。怪我の具合は?」
ξ゚⊿゚)ξ「もう大丈夫。あの時は気絶しただけだし、起きれば能力で全快よ」
(-_-)「他の人たちにも『ヒステリック・ドクター』を使ってあげてほしいね……」
ヒッキーが勿体ぶってそう言うと、ツンは表情を曇らせた。
ξ‐⊿‐)ξ「……誰もね、受けようとしないの」
ξ゚⊿゚)ξ「『治ったら戦わなくちゃいけなくなる』って言って……」
(-_-)「まぁ、……みんながみんな、ブームやツンみたいに強くはないしね」
ヒッキーはそう言って、保健室の中をグルッと見渡した。
ξ゚⊿゚)ξ「私、無力よね……」
( ・∀・)「なら俺と一緒に特訓するか?」
(-_-)「お、モララーは全快なんだね」
( ・∀・)「たりめーよ! あんな屈辱受けて黙っていられるか!」
( ・∀・)「近々Gとの決戦だしな! アイツの首は俺が取る!」
( ´・ω・`)「よく言うよ。母者さんの事、まだオサムと揉めてるんだって?」
ショボンが会話に混ざる。
194
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:18:41 ID:gq8hqZwA0
( ・∀・)「……いや、母者さんの事はもう分かった。アイツが殺した訳じゃあねぇ。
俺が今ムカついてるのは、アイツの態度だ……!」
(#・∀・)「負けたら折れる心なんて、最初から持ってんじゃねーよドカスが!」
(::::ゞ゚)「そんな物は持っていません。私だって男ですよ」
モララーの背後をぬっと出てきたオサムは松葉杖をつき、頭に包帯を巻いている。
オサムは数歩前に出て、鋭い眼光をツンに向けた。
ξ゚⊿゚)ξ「受ける気になった?」
(::::ゞ゚)「ええ、お願いします」
ξ゚⊿゚)ξ「……いいわ。広い所でやりましょう」
(::::ゞ゚)「モララー、これが終わったら、後で私も特訓に混ぜて下さいね」
(#・∀・)「……好きにしろ」
ツンに続いてオサムは保健室を後にした。それと反対方向へモララーは出て行き、残されたヒッキーとショボンは沈黙した。
( ´・ω・`)「ヒッキー」
ショボンが沈黙を破る。
( ´・ω・`)「バトルマニアで「めだかボックス」「功殻機動隊」の世界の能力を手に入れたんだってね」
(-_-)「正確には『大嘘憑き』と『功殻機動隊の世界での技術』だ」
( ´・ω・`)「……出来るのか」
ショボンの問いかけに、ヒッキーはにんまり笑って答えた。
195
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:19:01 ID:gq8hqZwA0
(-_-)「俺を誰だと思ったいやがる……!」
( ´・ω・`)「……好きだよね、アニメ」
(-_-)「まぁね。じゃ」
ヒッキーはそう言い残し、保健室を出て行った。
――――――――――
ここは木霧空港近くのレストラン。
( 'A`)「くぁ〜、今何時だ?」
ドクオは欠伸混じりにつーに聞いた。
(*゚∀゚)「AM9時。ここで朝飯食って、襲撃の手順考えて、昼には開始って感じかな」
196
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:19:35 ID:gq8hqZwA0
( 'A`)「……念の為、ここでセーブするわ」
( A )「」
ドクオはそれを最後にプツリと意識を失い、レストランの椅子にもたれかかった。
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(おい、お前が居ないと飯が食えなくなるだろ)
(*゚∀゚)「ネコ、セーブ中は抜き差ししないで下さい、って知らないのか?」
(*゚∀゚)「その点、トッポって凄いよな。最後までチョコたっぷりだもん」
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(それもそうだな)
所変わって海の上。AM9時を回った所で、海上で止まっていた船がようやく動き出した。
(;´_ゝ`)「クソッ! こんな時にエンジントラブルかよ!」
(;`∀`)「すまないッ! だがもう直った、すぐに出発しよう!
一時間で木霧町に着く!」
197
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:20:04 ID:gq8hqZwA0
(;´_ゝ`)(しばらく海の上を流された……、もう本当に時間が無い。
アジト襲撃がある事を今すぐ伝えないといけないのに……!)
(´<_` )(兄者、逆に考えるんだ。伝えなくてもいいさと考えるんだ。
タイマーズは強い。そうだろ?)
( ´_ゝ`)(……やれやれだぜ)
「ギギッ! ギギッ!」
船の後部、小さく鳴いたキリギリスの存在に、まだ誰も気付かずにいた。
(;`∀`)「ッ!? またエンジンが動かなくなった!?」
( `∀`)「……落ち着けガナー。ガーナチョコを食べるんだ……。
よし、寒くなった」
( `∀`)「二人とも! この船にまた異常が起きている! 変な物が無いか見てくれないか!」
( ´_ゝ`)「敵か?」
( `∀`)「いや、敵なら既に船は破壊されている! 恐らく、ヤツらの能力で足止めをされているんだ!」
兄者と弟者は船上をくまなく探しまわった。だが、それらしき物は一切見当たらない。
(´<_` )「見当たらんな……」
( ´_ゝ`)「あぁ、こうなりゃ桃白白先生のやり方で行くか?」
(´<_` )「船を投げて、それの上に乗る。最高だな」
(;`∀`)「止めてくれ! この船結構高いんだッ!」
(´<_` )「うーん……エンジン自体はちゃんと動いている……。
スクリューも、ゆっくりだけど動いてるし……」
弟者は船上から身を乗り出し、船のスクリューを確認した。
その横からヒョイと兄者も顔を出した。
198
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:20:35 ID:gq8hqZwA0
( ´_ゝ`)「海藻でも絡まってるんじゃね」
(´<_` )「兄者、ちょっとダイブしてこい」
( ´_ゝ`)「えっ」
弟者は兄者のケツを蹴り上げ海に落とした。
(#´_ゝ`)「……」
兄者は明らかに不機嫌そうな顔で水面に顔を出す。
(´<_` )「じゃ、適当に潜って適当に確認したら適当に上がってこい」
海に不満をぶつけるようにして、兄者は勢いよく水中に潜っていった。
(#´_ゝ`)(アイツ、後でイカスミスパゲッティ頭に乗っけてやる……!)
水中で目を開け、兄者は船のスクリューまで泳いで近づいた。
一見異常は無く、スクリューは弱々しく回っている。兄者はそれを更によく見て確認した。
( ´_ゝ`)(……ん? なんだこれ)
兄者はスクリューに取り付いていた緑色の何かを発見する。
( ´_ゝ`)(藻か?)
手を伸ばし、兄者はそれを取ろうとする。
しかし、グイグイ引っ張っても動かず、微動だにしない。
199
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:21:16 ID:gq8hqZwA0
(;´_ゝ`)(そろそろ息が……)
「ギギギッ!」
(;´_ゝ`)(……これは、キリギリス!?)
(;´_ゝ`)(敵の能力か? ……まずい、一旦船に……ッ!)
スクリューに取り付いたいた物は形を変え、キリギリスとなった。
キリギリスは水中であるにも関わらず、兄者の方にピョンと飛び移る。
(;´_ゝ`)(とにかく上がろう!)
(;´_ゝ`)(……動けない? 動けないだと!?)
「ギギッ!」
キリギリスは兄者の肩の上でドロリと溶けると、一部は兄者の首元に取り付き、残りは海底へと一気に落ちて行く。
(;´_ゝ`)(何だ? 俺に何をしたッ!?)
兄者は自分の首を慌てて確認した。そこには、スクリューと同じく、緑色の何かが首輪のように取り付いていた。
(;´_ゝ`)(スクリューの物と同じだ……。これが付いてるから、船は動けなかったんだ……)
(;´_ゝ`)(何故動けないんだ? コイツの能力は何だ?)
(;´_ゝ`)(そういえば、さっき残りの方は海底に沈んでいった。
そして、残って俺の首に付いた奴と沈んでいった奴はまだ繋がっている……)
(;´_ゝ`)(いや違う! 能力はどうでもいい! アレがスクリューから離れたって事は!
……船が動き出すって事だッ!)
兄者の予想通り、スクリューは次第に回転を速めていく。
そして、水中の兄者を置いて段々と離れていく。
200
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:21:44 ID:gq8hqZwA0
( `∀`)「おっ、やっと動き出したか」
(´<_` )「兄者ー! さっさと上がってこーい!」
船上から弟者が呼びかけるも、兄者が上がってくる気配は無い。
(;´_ゝ`)(クソッ! 動けないッ! まるで海底と足が接着剤で固定されてるみたいにッ!!)
(;´_ゝ`)(この緑色のも取れやしない! さっきまでドロドロだったのに、今じゃ鉄同然だ!)
(;´_ゝ`)(誰の能力を使えば助かる? ツンか? モララーか? マニーのは金持ってないから無理だ!
渡辺やオサムのは対象が居なければ無意味! マトリョーシカなんて自殺行為だッ!)
――――――――――
(´<_` )(兄者、逆に考えるんだ。伝えなくてもいいさと考えるんだ)
――――――――――
( ´_ゝ`)(……逆に……)
( ´_ゝ`)(OK弟者、やってみるぜ)
( ´_ゝ`)(発動、終わりの殻【マトリョーシカ】……)
( ´_ゝ`)(硬度20。全身に十段追加だ)
兄者の体をマトリョーシカが覆う。
だが、それで緑色の何かが取れる訳でも無く、兄者は自身の重みによって海底へと沈んでいった。
( ´_ゝ`)(息は苦しい……が、今は我慢だ……)
201
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:22:18 ID:gq8hqZwA0
しばらくして海底へ着く。兄者は海底に足を付き、首に取り付いた物の残りを探した。
(;´_ゝ`)(……あれかッ!)
海底の大岩に取り付く緑色の物を発見した。
兄者はそれに寄り大岩から引き剥がそうと奮闘するが、やはりビクともしない。
兄者の息が限界が訪れる。兄者は最後に大きく息を吹き出し、フワッと水中に浮いた。
(; _ゝ )(コイツッ! 恐らくは『二つの対象を絶対に離れない様に接着する』能力!
この大岩と俺の首! この二つの対照を、こいつが接着剤となってくっつけていたんだッ!)
(; _ゝ )(……後は頼んだ! 『違心伝違心』、解除!)
――――――――――
(;`∀`)「兄者君はまだ上がって来ないのかッ!」
(´<_`;)「その気配すら無いッ!」
船上では二人が兄者を心配していた。水面をみつめ、兄者が上がってくるのを待つ。
(;`∀`)「やはり敵だったのかッ! 僕が飛び込んで様子を」
(´<_`;)「待てッ! 今、兄者の『違心伝違心』が解除された……。
……俺は自立して能力を使える。水中なら幻体の方が何かと動きやすいだろう」
(´<_`;)「面倒な能力みたいだ……。小銭は持ってるか!?」
(;`∀`)「ああ、木霧町て使う分だが……」
(´<_`;)「持ってくぞ!」
弟者はガナーから小銭を奪い取り水中へと潜っていった。
幻体故に水飛沫は無く、弟者は吸い込まれるように海底へ落ちて行った。
202
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:22:54 ID:gq8hqZwA0
(´<_`;)「兄者ッ!」
兄者は海底で首と大岩を繋がれ意識を失って浮いていた。
(; _ゝ )
(´<_`;)「クソッ! 今助ける!」
(´<_`;)「『違心伝違心』発動」
(´<_`;)「続けて発動! 金融崩壊【マニー・ボム】!!」
弟者はガナーから奪い取った小銭を大岩にばら撒いた。
(´<_`;)「爆ぜろ!!」
弟者の声に反応し、小銭は幾度となく爆発を繰り返す。
その衝撃で大岩は粉々になり、対象を失ったキリギリスは兄者の首元を離れた。
「ギギッ!!」
再三兄者の体と違う岩をくっ付けようと、キリギリスは兄者の体に飛びつく。
即座にキリギリスはドロリと溶け、再び兄者の体と岩をくっ付けた。
(´<_`;)「終わりの殻【マトリョーシカ】、部分解除!」
ガコン、と気絶した兄者の体とマトリョーシカが分離する。
(´<_`;)「お前が次の対象にしたのは兄者の体じゃあ無い!
兄者を覆うマトリョーシカだッ! あばよ!」
弟者は兄者を抱え、急いで水面へと浮上した。
――――――――――
(´<_`;)「ガナー! 兄者を引き上げてくれ!」
(;`∀`)「大丈夫だったか!?」
203
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:23:29 ID:gq8hqZwA0
(´<_`;)「兄者の肺に水が入っている! 叩き出してくれ!」
(;`∀`)「問題無い! 僕の能力で吸い出すッ!」
(;`∀`)「第一章! 狂人の胃袋【バーサーカーズ・ストマック】!!」
ガナーは手元にノートを出現させ兄者の体に押し当てた。
(´<_`;)「何してるんだ!?」
(;`∀`)「僕の能力だッ! 怪我や病気、痛みの様子をノートに描写して、コイツに見せてOKならそれを吸収してくれる!」
ガナーの背後に現れたのは彼の幻体。無言でガナーの背を見据えている。
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「……」
(´<_`;)(どこが何なんだ……)
(;`∀`)「一分だ! 一分で最高の描写を書き上げてやるッ!」
ズアッ! とペンを振り上げ、ガナーはノートに兄者の様子を鮮明に描写し始めた。
きっかり一分、ガナーは再びペンを振り上げ、ノートを自分の幻体に見せつけた。
(;`∀`)「これでどうだッ! 素晴らしい出来だろうッ!?」
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「ええ、貴方の慌てっぷりが文章に出ていて面白いです」
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「所々腑に落ちない言葉がありますが、妥協しましょう」
『成立しました』
ガナーの幻体は兄者の体に手を伸ばし、ズズズと体内へ手を押し込んでいった。
モゾモゾと兄者の体内を漁り、少しして手を抜き出すと、その手には球体となった水があった。
204
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:23:50 ID:gq8hqZwA0
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「では、次のを楽しみにしていますよ」
(;`∀`)「あぁ、また頼むよ……」
ガナーの幻体は姿を消した。
( ´_ゝ`)「……ん? ここは……。
さっきまで三途の川オリンピックの会場だったのに……」
(´<_`;)「ふぅ……、やっと一段落か……」
( `∀`)「……行こう、また更に時間を食われてしまった」
船は再び動き出し、アジトのある木霧町へと進み始めた。
――――――――――
205
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:24:40 ID:gq8hqZwA0
ああ、またこの映像か。セーブの度に見せるのは、俺への恨みなのか?
('A`)「じゃあな、クー」
川 ゚ -゚)「ああ、大戦ももう終わるんだ。また遊びに来るよ」
そう言ってクーはバスに乗り込む。俺は笑顔で見送って、これから先の幸せに浮かれていた。
そういえば、あのバス停からは海が見えた。潮の匂いがして、心地よかった。
('A`)
川 ゚ -゚)
バスに乗ったクーと目が合う。バスが発車しても、俺とクーは見つめあっていた。
ああ! まただ! またアレを見なくちゃいけないのか!
俺の頭上を滑空する爆撃機! バスに落下する爆弾!
一瞬にして燃え上がるバス! それに駆け寄る俺!
(;'A`)「クー! どこだー!」
叫んでも叫んでも答えは無い! 慌てる俺にに追い打ちをかけるように!
川 - )
クーの……!
――――――――――
206
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:25:08 ID:gq8hqZwA0
(*゚∀゚)「……ん、起きたか」
('A`)「……ああ。ブーンはまだ来てないのか?」
(*゚∀゚)「アッチ」
つーの指さす方へ視線を向ける。
ブーンは一人でバイキングを堪能していた。
(*゚∀゚)「またあの夢か?」
('A`)「まぁな」
(*゚∀゚)「お前も女々しい奴だな。死んだっつー女、今のお前の傍に居るじゃんか」
川 - )
クーは幻体となってまで、俺の近くに居てくれる。
だが、何をしても反応が無い。まるで植物の様になってしまっている。
あの時俺がクーを引き留めていれば、こんな事にはならなかっただろう。
俺の人生において、クーの死は俺にとって最大の後悔だ。
('A`)「……」
(*゚∀゚)「私らは世間から迫害された身だ。お前がどうしようが私には関係無いが……。
あんまり過去を引きずるなよ。私らは今を生きなくちゃいけないからな」
('A`)「粘着質のお前が言うか」
(*゚∀゚)「ヒャー! 痛い所を突くね!」
(*^ω^)「フゥ! もうお腹一杯だお!」
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(そろそろ行こうぜ。『戦いの場所』へな)
('A`)「……そろそろ行くか。戦いの場所へ」
207
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:25:27 ID:gq8hqZwA0
(*゚∀゚)「ヒャー! ついに決戦だぜ!」
( ^ω^)「ついに……だお」
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(俺のセリフを……ッ!)
俺達はレストランを出て、タイマーズのアジトへ歩き始めた。
('A`)(もうちょっとだ。あと少しで、俺の後悔は無くなるんだ……)
――――――――――
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
第七話。後編。おわり
208
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/01(水) 16:28:19 ID:gq8hqZwA0
あばばばば。ジョジョネタ自重しないとなぁ……。
後編、若干急いで書いて投下したので誤字脱字があると思います。
感想批評誤字脱字と語弊の指摘お願いします。では。
209
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/01(水) 19:03:58 ID:FBi2YRZc0
いよいよ決戦か・・・?
乙!
210
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/02(木) 14:19:20 ID:cYP5g.cA0
乙ー
ちょっと気になった事を言わせてもらうと、ネタとして小マメに出すのはまだしも
キャラの口調を全体的にジョジョ調にしてしまうと一人一人のキャラが薄っぺらくなってしまう気がす。
特に緊迫シーンでのガナー、兄者、弟者のセリフがみんな同じ調子なんで読みにくかったかなと。
あくまで俺個人の意見なんで聞き流してくれてもかまわんです
続き期待してる
211
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/02(木) 21:57:13 ID:HHdxdTdU0
>>210
あばばば!! マジサンクス!!
「ッ!」ってやればそれっぽくなるから、多用しちゃうんです。
キャラ分けって大切だけど、如何せん上手くいかないのさ……。
流石兄弟は……まぁ双子だから口調が似るのは半ば仕方ないとは思っていますが、行動心理や物の考え方でキャラ分け頑張ります。
で、やっぱりジョジョ調に見えてしまうか……。
既にジョジョを原作とした「スタンド使い」があるから二番煎じ臭するよね。俺もそうだもん。
しかも安っぽくジョジョの仕様真似した分、オリジナリティに欠けるし……。
前述含め、もうちょっと各キャラクターを作り込んできます。
ありがとうございました。他に気になった所があったら絶対に教えて下さい。
212
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 21:50:35 ID:38xoXF8E0
今日投下出来たらしマスカラ
そして今回もsageで投下します。上げるなよ! 絶対に上げるなよ!!
213
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:03:38 ID:38xoXF8E0
午前四時。モララー、オサム、ツンの三人はヒッキーの能力で作った空間で特訓を続けていた。
白亜紀をイメージしたこの空間では当然のように恐竜が闊歩している。
……いた筈なのだが、モララーとツンの特訓相手にされ残らずボコボコである。
図らずとも白亜紀最強の生物になった二人は、湖の近くで休憩を始めた。
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです
214
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:04:08 ID:38xoXF8E0
( ・∀・)「やべー。やべーよ。俺、超強くなっちゃった」
ξ゚⊿゚)ξ「こういう時にスカウターがあると便利なのにね」
( ・∀・)「もう俺がタイマーズ最強なんじゃね? ツンを恐れる必要も無くなった訳だ!」
ξ゚⊿゚)ξ「ちなみに私も強くなっている。何か言ったか犬っころ」
( ;∀;)「ナニモイッテナイデス」
ξ゚⊿゚)ξ「……恐竜達も相手にならなくなってきたわね」
( ;∀;)「ソウデスネ。ハイ、ソノトオリデゴザイマス」
ξ゚⊿゚)ξ「私の能力で回復→ボコボコを繰り返したせいか、一匹も寄ってこなくなったし」
( ・∀・)「オサムは……」
ξ゚⊿゚)ξ「まだやってるわ。アイツの能力は相手に依存する分、地の戦闘力が低い。
今はそれを克服中なんだって」
『……おはよう、まだやってたんだ』
空からヒッキーの声が響いた。
215
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:04:32 ID:38xoXF8E0
( ・∀・)「なぁなぁ、もうちょっと強い相手、用意出来ないか?」
ξ゚⊿゚)ξ「私達、恐竜相手じゃ満足できねぇぜ……、っていうレベルになっちゃって」
『よく言うよ……。それじゃ、とっておきの場所に転送してあげる』
『くれぐれも油断しないように。次の相手は本物のドラゴンだ』
( ・∀・)「次のステージは何のアニメが元なんだ?」
『そのステージ同様、ドラゴン・ドライブっていうアニメだ』
『次はドラゴン使いも居るから、舐めてかかると死ぬよー』
『その湖をワープゲートに設定した。後は飛び込めばいい』
ξ゚⊿゚)ξ「ありがと。じゃ、行くわよモララー!」
( ・∀・)「アイヨ姉さん!」
ツンとモララーはそう言うと、湖の中へと飛び込んでいった。
――――――――――
【+ 】;ゞ゚)(クソッ! モララー達に遅れを取ってしまった!
早く強くならなければッ!)
オサムは未だ恐竜達に苦戦していた。
モララーとツンにやられら腹癒せなのか、恐竜達は一段と凶暴さを増してオサムに襲いかかっている。
216
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:05:10 ID:38xoXF8E0
【+ 】;ゞ゚)(しまっ……!)
オサムの油断を敏感に察知した恐竜たちは、一斉にオサムを狩りに迫る。
『……苦戦してるね、オサム』
ヒッキーの声が空に響く。同時に、襲いかかってきていた恐竜達が姿を消した。
217
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:05:51 ID:38xoXF8E0
【+ 】ゞ゚)「……副団長か。なんで恐竜たちを消したのですか」
(−_−)「いやいや、恐竜じゃあ君の手に余り過ぎるからね」
(−_−)「僕が直接戦い方を教えようかと思って」
【+ 】ゞ゚)「私だって確実に強くなっています。Gにだって……」
(−_−)「……ま、互いに、お手並み拝見と行こうじゃないか……」
姿を現したヒッキーは挑戦的にオサムを煽った。
ザッと構え、ヒッキーはオサムの攻撃を受ける体制になる。
【+ 】ゞ゚)(私にだって能力はある。対人の方が私には有利……)
【+ 】ゞ゚)「副団長、行きますよ!」
【+ 】ゞ)「『愚者の哲学』!」
オサムは能力を発動すると腰に携えたサーベルを抜き取り構えた。
(−_−)「……そうだった。君はどっちかっていうと幻術系の能力なんだよね。
今見ている君は、果たして本当の君なのかな?」
ヒッキーの言葉通り、それは本当のオサムではなかった。
オサムの体がフッと風に掻き消される。
刹那、ジャングルに身を潜めていたオサムがヒッキーの背後へ急接近しサーベルを振り下ろした。
【+ 】ゞ゚)(もらった!)
218
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:06:38 ID:38xoXF8E0
(−_−)「もらってない。……へぇ、新しい武器はサーベルか。格好良いね」
オサムのサーベルををヒラリと避け、ヒッキーはオサムの眼前に顔を寄せた。
(−_−)「だが単調である事に変わり無い。発想力が無いね」
【+ 】;ゞ゚)「ッ!」
オサムは連続してヒッキーにサーベルを降る。だが、ヒッキーはそれを難なく避け続ける。
【+ 】ゞ゚)(ならば!)
【+ 】ゞ゚)「くらえッ! 私の新しい技をッ!」
オサムはサーベルを振り上げ、思い切りヒッキーの体へ振り下ろした。
(−_−)「そんなものは『無い』。本当、周知に相手に君は無力だよね。
そう言う事で相手の不安を誘い、その不安を自身の能力で具現化。そのまま攻撃……」
(−_−)「……そして、武器を持っても所詮は素人。折るのは容易い」
ピキッ。不意にサーベルに深い亀裂が入る。
【+ 】;ゞ゚)「なっ!」
(−_−)「そうやってリアクションとってる暇があったら、次の一手を考えなよ」
ヒッキーの足が空気を切り裂きオサムの体へ直撃した。
オサムの腕はメキメキと鈍い音を上げながら砕け散り、蹴りの衝撃で大きく横へ吹っ飛ばされた。
ヒッキーは地に伏せるオサムに歩み寄り、首を掴み宙に浮かせ、静かに囁いた。
219
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:07:15 ID:38xoXF8E0
(−_−)「……僕は強い。ありとあらゆるアニメ、ゲーム、マンガの能力を持っている。
各キャラクターとの戦いに勝利して得た能力は強力無比……」
(−_−)「グレンラガンのカミナとシモン。ジョジョの承太郎とスター・プラチナ。
ドラゴンドライブのドラゴン達。めだかボックスの球磨川禊。
刀語の鑢七花。ガッシュベルのガッシュと清麿。功殻機動隊の草薙素子。
弟子ケンの白浜ケンイチ。ワンピースのボン・クレーとエネル。Gガンのドモン・カッシュ
イナズマイレブンの円堂守、デザームさん。DBのヤムチャさんなどなど……」
(−_−)「僕は死を覚悟し、自らの能力を賭け、相手の力を得てきた。……が、オサム。君はどうだ?
お前は何を覚悟して戦ってきた。何を賭け、何を勝ち取ってきた」
オサムは返事をしなかった。
(−_−)「ま、分かる筈もないさ。戦ってる間に気付いてくれ」
(−_−)「能力争奪戦【バトルマニア】。能力使用。
鑢七花、白浜ケンイチの能力を使用」
ヒッキーはその言葉を吐き終わると、二度深呼吸をした。
そしてオサムを空高くに放り投げると、流れる様な曲線を描き、スッと手を構えた。
(−_−)「……『無拍子』、プラス、『七花八裂』」
空中を落下してくるオサムを見据え、ヒッキーは小さく呟く。
(−_−)「……『七花無裂』」
220
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:07:56 ID:38xoXF8E0
『無拍子』の長所は、多種に及ぶ武術の基本形の全身運動の要訣から放つ、フルパワーかつノーモーションの一撃。
対し『七花八裂』の長所は連続で繰り出される虚刀流奥義の連携技。
この二つを合体させて編み出されたのが『七花無裂』である。
一瞬の内に、流れる様に、ヒッキーは虚刀流の七つの構えを要訣し、実行した。
単体で一国一城を滅ぼす剣術、『虚刀流』。それの最終奥義『七花八裂』。
それを、『無拍子』の要領で一撃に凝縮――
221
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:08:28 ID:38xoXF8E0
――トンッ。ヒッキーは、頭から落ちるオサムの体を軽く拳で叩いた。
222
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:09:27 ID:38xoXF8E0
一度だけ放たれた、あまりに微弱なその拳は音さえも置き去りにし、当たった瞬間、この場の全ての生命が動きを止めた。
間も無くオサムはフワリと体を浮かせ、遅れてやってきた『音』の衝撃波を身に受けた。
七回に分けて、その衝撃波はオサムの体に到達した。
一撃目。トラックでブッ飛ばされた様に、オサムは錐揉みして空高くへ投げ出される。
二撃目。中を舞うオサムの体がグググと捻じれ、鉄砲で頭を撃ち抜かれた様に大きく仰け反る。
三撃、四撃目。炸裂する様な音と共に、肩と足が衝撃波で弾ける。
五撃目。ズドン! と、オサムの背中に衝撃波がめり込む。重力に従い、オサムは地面に落下していった。
六撃目。地面一寸の所でオサムは腹への衝撃で横へ飛ぶ。
七撃目。飛んだ先にはヒッキーがいた。オサムはヒッキーの目の前で、衝撃波により無理矢理起立させられる。
( _ )「……小さく、前にならえ」
やっと到達した、本当の一撃目。
ヒッキーは小さく尖らせた両手を脇に構え、オサムの腹にピトッと付けた。
――そしてタイミングを合わせ、ヒッキーは拳を高速で突き出した。
223
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:10:23 ID:38xoXF8E0
拳は空を引き裂きジャングルの木々を仰け反らせ、莫大な衝撃波となってオサムの体中を駆け巡った。
――その真っ只中、オサムは心中、思いを廻らせた。
強きに挫かれ弱者を挫く、なぜ私はそんな能力なのだろうか。
もっと強く、もっと強く。二度とあの場所には戻らない。そう決めたはずだ。
今でも私はあの日見つけた光を信じている。たった一つの約束があるから、私は今まで……。
オサムは消えゆく意識の中、あの日の事を想起した――。
――――――――――
@@@
@#_、_@
( ノ`)「アンタ、一緒に来るかい?」
地面に手を付き、燃え上がる教会を呆然と見つめるオサムに対して、流石母者はそう言った。
【+ 】ゞ)「……」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「すまない、私がもっと早く来ていれば……」
私は。オサムは小さな声で囁いた。
【+ 】ゞ)「私は……、これからどうすればいいのでしょうか」
224
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:10:55 ID:38xoXF8E0
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ウチに来な。アンタには、奴らに対抗するだけの力が眠ってる」
【+ 】ゞ)「怒りを持って動いてはいけない。悲しみを背負って生きてはいけない。
嬉々として歩き出してはいけない。楽して死のうと考えてはならない……」
それが、オサムの中のルールだった。
複雑な家庭環境に生まれ、一歩踏み間違えれば死が迫る。そんな彼の心の休まる所はもう無い。
その最後の一つである、教会が焼け落ちてしまったのだから。
@@@
@#_、_@
( ノ`)「アンタには、幻の声が聞こえる筈だよ。耳を澄ましてみな」
【+ 】ゞ)「幻聴ですか……。あんまり聞きたくないですね」
オサムは嘲笑した。
そして、最後の希望に縋るように耳を澄ました。
聞こえてくるのは少女の声、オサムの妹、ソフィの声だった。
『不器用なんだから、無理して我慢する事無いよ……』
『もう、立ち止まらずに歩いていこうよ……』
オサムの耳に入ってきたその言葉は、一杯一杯になっていた感情のコップを粉々に打ち砕いた。
それから、オサムは焼け落ちる教会の前でずっと泣き続けた。
――――――――――
(−_−)「……なんで、立っていられるのかな」
225
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:11:27 ID:38xoXF8E0
(−_−)「もしかして、満身創痍なのを隠して幻覚見せてるの?」
【+ 】ゞ゚)「……」
体の至る所に、体内から破裂したような傷跡が垣間見える。
ヒッキーの言う事はまさに図星である。今立っているオサムは幻影。
本体はヒッキーの隙を狙う為、湖の方へと這い蹲って進んでいた。
『勝つ』
オサムは決意した。理由は、想起した記憶の断片から聞こえてきた妹の声。
それは、今も自分の傍で共に戦ってくれる家族の存在をオサムに再確認させた。
だが満身創痍に変わりは無い。まるでスーパーボールのように上下左右に飛ばされ、終いには五臓六腑までも破壊されかけたオサムは意地と覚悟だけで意思を保っている。
湖が見えた。軋む全身に鞭打ち立ち上がると、ズルズルと足を引きずって歩き始めた。
岩場に着くとオサムはそこに腰かけ、長考を始めた。
この能力で副団長をどう倒すのか。さっき聞いた分には、98%私は負けるだろう。
1%は奇跡を待とう。残る1%、それを私は掴み取る。
ヒッキーにも幻覚を見せる事は可能だ。だが、決定的に足りないのは攻撃力。
恐らく、いや、ヒッキーには怖い物、不安になる要素は一切ないのだろう。
故に私の能力を使っても攻撃力の底上げは出来ない。自棄になって持ったサーベルさえヒビが入り使えない……。
『もう、立ち止まらずに歩いて行こうよ……』
オサムは妹の言葉を思い出し自分を奮わせた。
ズドォォォン!
遠方で土煙が上がり、ジャングルの木々がなぎ倒された。
ヒッキーがオサムを探しているのだろう。
【+ 】ゞ)(やれやれ、どうしたものか)
オサムは自分の非力さを恨んだ。
226
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:12:29 ID:38xoXF8E0
ズドォォォン!
なおもヒッキーは更に近づいてくる。オサムは決起し、膝に手を当てフラッと立ち上がった。
【+ 】ゞ)(私一人で、一体どこまでやれるのか……)
湖を取り囲む木々が土煙を上げて弾け飛んだ。オサムの目に見えるのは、『雷』。
(-_-)「エネルってさ、もうちょっと頑張れば最強だったよね」
(-_-)「ま、ポケモン的に言ったらクロコダイルに負けるけど」
ヒッキーはバチバチとその身に纏った雷を鳴らせた。
腕を引き、思い切り押し出す。
(-_-)「一千万ボルト、放電≪ヴァーリー≫」
ヒッキーの掌から放たれた雷撃は縦横無尽に天を駆け、オサムに迫った。
瞬く間に雷撃はオサムの体を『素通りし』、後ろの木々に当たった。
(-_-)「……逃げられたか」
【+ 】ゞ)(『愚者の哲学』、【百問一答】)
その技は、自らインペルダウンの最下層に潜り込むに等しい行為だった。
幻影と化した自分の体を置き去りにし、オサムは自身の哲学の中へと飛び込んで行った。
そして、替わりに現れたのは
(#・∀・)「テメェ……!」
ξ‐⊿−)ξ「……ごめんなさい」
二人の狂人であった。
227
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:13:27 ID:38xoXF8E0
――――――――――
(#・∀・)「キング・オブ・アンガー!!」
ξ゚⊿゚)ξ「一応ノリで。『ヒステリック・ドクター』!!」
(-_-)「……僕さぁ、ポケモンでも何でも、電気系能力って好きなんだよね」
能力を発動した二人を前にして、ヒッキーは悠々と話し始めた。
(-_-)「電気って基本最強じゃん。速いし、強いし、言うこと無し」
(#・∀・)「黙れ! オサムに何故攻撃した!」
(-_-)「ただ、'弱い‘か……」
ξ゚⊿゚)ξ「気を抜きすぎよ。後ろがら空き」
一瞬でヒッキーの後ろへ回り込み、ツンは拳を固めてヒッキーの後頭部を殴りつけた。
グワンとヒッキーの体が揺らいだ。
そして
(-_-)「……無駄だよ。我は≪神≫なり」
ヒッキーの体が超電圧の電気の塊と化した。
決して触れてはならない物、それに触れた人間がどうなるか、遠目で見ていたモララーでさえ一目瞭然だった。
ξ ⊿ )ξ
ツンの体を雷が駆け巡る。帯電したツンの体は焼け焦げ、黒い煙を上げた。
気絶し白目となって、ツンは地面に崩れ落ちた。
228
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:15:52 ID:38xoXF8E0
(#・∀・)「ビーグル……スペック3だ……!」
モララーは獣の様な姿勢になる。すると彼の体を真っ赤な炎が包み込んだ。
彼の滾る心を象徴するかのように、モララーの体を取り巻く炎は激しく燃え上がった。
(-_-)「おっ、まるでエース対エネルだ」
続けてヒッキーは低い声で言った。
(-_-)「死ねよ」
先手を打ったのはヒッキー。まさに疾風迅雷、ヒッキーは稲妻となった体でモララーに襲いかかった。
(-_-)「一億ボルト、放電≪ヴァーリー≫」
(#・∀・)「火炎七百億! 放射≪ラディエイト≫!!」
(;-_-)(なっ、七百億ッ!?)
飛び出した自分の体を無理矢理抑え込み、ヒッキーは光速で距離を取った。
( ・∀・)「……プッ」
モララー小さく息を吹き出した。
(*・∀・)「バッカじゃねぇぇぇえのぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
(*・∀・)「七百億とか無理っすよ先輩ィィィィィ!!!」
(-_-)「……鎌を、かけたんだ……」
(*・∀・)「うん、そうですぅぅぅぅぅ!! 副団長(笑)さぁぁぁぁん!!」
なら。ヒッキーは短く呟く。
(-_-)「分かった上でやるだけだ」
ヒッキーは帯電し、再びモララーに急接近する。
229
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:17:06 ID:38xoXF8E0
( ・∀・)「ま、五百億の一点放射ならできるけどな」
モララーは雷を目で捉えた。
(#・∀・)「火炎五百億、一点放射≪キュー≫!!」
(;-_-)(五百億だって!? よっ、避けられない!!)
――――――――――
―――――
―――
(*・∀・)「ハッタリ効き過ぎですぅぅぅ!」
(-_-)「……」
あれからしばらく、ヒッキーはモララーの口車という名のジェットコースターに乗せられ続けた。
一周回ってヒッキーは冷静になり、冷たい目でモララーを見据えた。
230
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:17:54 ID:38xoXF8E0
(-_-)「おかしいね。モララーって、能力発動してる時は怒りで無我夢中の筈だけど」
(*・∀・)「僕アルバイトォォォォォ!!!」
(-_-)「ま、能力を使いこなせるようになった点は褒めようか」
( ・∀・)「褒めようか(キリッ」
(*・∀・)「ブフゥゥゥゥ!!! ドヤ顔パないっす先輩ィィィ!」
(*・∀・)「はぁ……はぁ、あー笑った。
まさか副団長が、こんなビビりだったなんて……!」
( ・∀・)「……副団長、アンタ、その能力を完全に使える訳じゃないみたいだな」
ヒッキーは無言で受け流した。
( ・∀・)「エネルの能力なら遠距離攻撃が可能な筈だ。
なのに、何故か近距離で攻撃しようとしている」
( ・∀・)「おまけに、体も完全には雷に出来ないんだろ?
ツンの拳がお前の頭に当たったのを見る限り、雷になれるのはせいぜい50%だ」
(-_-)「御明答……と、言うべきかな。そして……」
(-_-)「浅はかだ」
彼は冷たく言い切った。
(-_-)「消えろ。ブッ飛ばされん内にな」
( ・∀・)「ハッ! 倒されるのはお前だヒッキー!」
231
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:19:02 ID:38xoXF8E0
(#・∀・)「火炎戦車【フレイム・チャリオッツ】!!」
爆発的にモララーを取り巻く火炎が燃え盛った。
モララーはその炎を操り、炎の巨人を作り上げる。
すると炎の巨人は自立して動き出し、モララーの横に佇んだ。
(#・∀・)「これがスペック3の真の能力!
ビーグルの操る火炎戦車! 俺の放つ最強の火炎!」
(#・∀・)「まずはテメェで試し焼きだ、ヒッキー!!」
(-_-)(……今だッ!)
モララーの視界を外れた所を黄色い球体が浮遊していた。
これはDBのヤムチャさんの技、『操気弾』である。遠隔操作可能なこの技は、ヒッキーの弱点を補う最高の技だ。
ヒッキーは気弾を操作しモララーに向かわせた。
が、モララーを取り巻く火炎によってことごとく焼きつくされた。
(-_-)(やっぱ駄目かぁ……)
合掌。ヒッキーは心の中でヤムチャさんを憐れんだ。
(#・∀・)「火炎戦車【フレイム・チャリオッツ】!!」
炎の巨人は両手に炎の玉を作りヒッキーへ思い切り投げつけた。
それを横に跳んで回避するヒッキー。モララーはそれを追いかけ、炎の爪を振りかぶった。
(;-_-)「うおっ!」
危険を察知しヒッキーは身を強張らせた。功を奏し、ヒッキーは掠り傷程度で済んだ。
ヒッキーは状況を打開する為、一旦ジャングルの中へ逃げ込む。
232
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:20:08 ID:38xoXF8E0
(;-_-)(中々やるねぇ……。さっきの炎の爪の傷、『発火している』。
出力はどうであれ、エンヤ婆よろしく一ミリの傷でもヤバいよ……)
(;-_-)「……ん?」
ヒッキーは思わず声に出した。
(;-_-)(炎が消えた……。でも、何で『焼け跡も切り傷も消えた』んだ?)
(;-_-)(モララーの能力は強力だ。だが、その代償に相手の自然治癒力を高めてしまうのか?)
(;-_-)(幻覚の線もあるが、オサムが戦線離脱した以上、それは有り得ない)
(;-_-)(……まぁいい。僕の傷が癒えたのはラッキーだ)
(#・∀・)「フレイム・チャリオッツ! ジャングルごと燃やし尽くすぞ!!」
モララーの叫び声がヒッキーにまで届いた。
次の瞬間、木々の隙間を縫うように炎が走り、一瞬にしてジャングルは焼け野原となった。
間一髪それを逃れたヒッキーは、モララーへの対抗策を講じ始めていた。
(;-_-)(疲れるけど、『螺旋力』を使うか?)
(;-_-)(ぶっちゃけモララー程度なら簡単に倒せるだろうし……)
(;-_-)(……まぁ、グレンラガンまでなら死なないでしょ)
よし。ヒッキーは振り返り、モララーを待ち構えた。
233
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:21:05 ID:38xoXF8E0
( ・∀・)
(-_-)
二人は対峙した。そして、束の間の沈黙。
(#-_-)「天元突破、グレンラガン!!」
(#・∀・)「スペック4! 火炎皇帝【フレイム・エンペラー】!!」
ヒッキーの元に突如現れたのは赤いフォルムのロボット――ガンメン。イカツイ顔を二つ持つその機体は、『グレンラガン』。
アンチスパイラルの攻撃から地球を守った『アークグレンラガン』、銀河を創造する力を持つ『超銀河グレンラガン』、そして銀河を救った『天元突破グレンラガン』。
それら機体の原点。それが『グレンラガン』。
対し、モララーは火炎戦車と融合。瞬間、天を衝く巨大な火柱が上がり、そこから現れたのは火炎戦車を遥かに超越する程巨躯な、炎の巨人。
グレンラガンの数倍――いや、数十倍の大きさはあるであろう火炎皇帝は、グレンラガンを見下した。
(#-_-)「そんなショボイ炎なんざに俺のドリルが、俺の魂が! 焼き尽せるかァァァ!!!」
(#・∀・)「そんなドリルなんざに俺の炎が、俺の怒りが! 突き抜けられるかァァァ!!!」
(#・∀・)「「オラァァァァァ!!!」」(-_-#)
炎の刃と気合のドリルが切先を合わせるまで、二人は雄叫びを上げ続けた。
――――――――――
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
第八話。前編。おわり
234
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/03(金) 22:27:15 ID:38xoXF8E0
今回ほどのオナニー回は無いだろう。
ヒッキーの能力って要は「ぼくのつかいたいさいきょうのうりょく」だからね
八話が終わり、九話が終われば決戦が始まると思います。
二十話には一部終わってんじゃね。っていう適当な予定だけが立っています。
それでは、感想批評誤字脱字語弊の指摘などなど、バリゾーゴンで構いませんので宜しくお願いします。
余談。バリゾーゴンって怪獣の名前かよ。
235
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/04(土) 16:59:49 ID:rJ5kyxd.0
後編投下します。
前編の落ちを付ける意味合いが強いので短いです。
今回もsage。だって、賢者モードで第八話見たら凄くあれなんだもの。
236
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/04(土) 17:00:49 ID:rJ5kyxd.0
飛び交う火炎。
それを突き抜ける巨大なドリル。
熱気溢れるこの戦いは、間もなく
ξ ⊿ )ξ「……」
ξ‐⊿゚)ξ「そろそろね」
えげつない彼女の能力で幕を下ろそうとしていた。
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
237
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/04(土) 17:01:46 ID:rJ5kyxd.0
――――――――――
(;・∀・)「チッ! なんで傷が全部全快するんだよ!」
(#-_-)「グレンラガンに炎なんざァ効かねぇなァァァ!!」
(;-_-)(僕にも意味が分からないよ! 何故か傷が急速に回復するんだけど!)
勝負自体はモララーが一歩抜きん出ていた。
が、ヒッキー操るグレンラガンを何度炎で焼き尽くそうとも即座に回復されてしまっていた。
長引く男と男の戦い。ドリルと炎は何度も何度も衝突を繰り返した。
(#・∀・)「クソがァッ! こうなりゃスペック5だ!!」
(;-_-)(まだあんのかよォォォ!)
(#・∀・)「四神解放!」
グランラガンを取り囲むように、四方を四つの火柱が遮った。
次に火柱から出現したのは青龍、白虎、朱雀、玄武を形どった炎の化身。
(#・∀・)「ドラゴン! タイガー! フェニックス! ……あと亀!」
(#・∀・)「これで五対一! テメェが如何に回復しようと、俺の火力を超える事は出来ねぇ!」
(#・∀・)「燃えろォォォォォ!!!」
238
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/04(土) 17:02:17 ID:rJ5kyxd.0
ξ゚⊿゚)ξ「はい、そこまで」
239
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/04(土) 17:03:13 ID:rJ5kyxd.0
突然現れたツンの一言でモララーの炎は一斉に全て鎮火した。
(-_-)(えっ)
内心グレンラガンを扱えて喜んでいたヒッキーは呆気に取られる。
ツンは炎も収まり元の姿に戻ったモララーの元へ駆け寄り、フッとヒッキーを鼻で笑った。
(#-_-)「……女が男の戦いに手ェ出すんじゃねェ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「モララー、時間稼ぎありがとね」
(#・∀・)「……ッ!」
( ・∀・)「……」
(*・∀・)「……副団長さぁぁぁぁん!!!」
(*・∀・)「自動回復に何の疑いも無いのォォォ?」
(*・∀・)「ブワァァァァカ!!!」
(#-_-)「……グレンラガンッ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「無駄よ。ヒッキー、アナタはもう『動けない』」
ヒッキーはグレンラガンを動かそうと躍起になるが、『何故か体が動かなかった』。
(;-_-)(何だ!? まさか、ツンの!?)
ヒッキーの焦りが螺旋力を減少させ、それを動力に存在していたグレンラガンは塵となって消えた。
(;-_-)「……なら!」
240
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/04(土) 17:03:54 ID:rJ5kyxd.0
グレンラガンを降ろされたヒッキーは二人を見据え、両腕を腰に構えた。
赤く灯るヒッキーの拳。ダンッと地面を蹴り、ヒッキーは二人の元に飛び出した。
(;-_-)「ゴォォォォッド!! フィンガァァァァ!!!」
ヒッキーの灼熱の掌がツンに迫る。
当たれば最後、ヒートエンドで死を迎える。
――が、
ξ゚⊿゚)ξ「おすわり!」
ツンの放った何でもない一言が、高速で迫るヒッキーの体を地面に叩きつけた。
ξ゚⊿゚)ξ「おすわり! おすわり! おすわりッ!!」
ズドン! ズドン! ズドン! 屈辱的に地に伏せるヒッキーはなす術無くツンの足元でおすわりを繰り返した。
ξ*゚⊿゚)ξ「ン〜! 気持ち良い! もういっちょ、おすわり!」
( ・∀・)(俺、これやられたら自害しよ)
(;-_-)(体の自由が一切無い!? 主導権をツンに握られてるみたいに……)
そこでヒッキーはツンの能力について、一つの推論を完成させた。
241
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/04(土) 17:05:07 ID:rJ5kyxd.0
(;-_-)「これ、ダメージを回復させる代わりに、その分相手を意のままに操る能力だね?」
ξ*゚⊿゚)ξ「ノン! おすわり!」
ズドン!
(;-_-)「じゃ、じゃあ……」
ξ*゚⊿゚)ξ「ノン! 時間切れ!」
ズドン!
(;-_-)「も、もしかして、おすわりーですか?」
ξ*゚⊿゚)ξ「YES!」
ズドン!
(-_-)(……なんにせよ体の自由が利かない。多分、どんな能力使っても攻略不可能だ。
完全に先手を打たれてた、って訳か……)
(-_-)「……分かったよ、降参だ」
(*・∀・)「……ヒャッハァァァ!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ざまぁぁぁぁぁ!!!」
かくして屈辱的な負け方をしたヒッキーは、しばらくツンのオモチャにされた。
――――――――――
―――――
―――
(;-_-)「あぁー! こんなに荒らしちゃってたのかよ!」
242
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/04(土) 17:06:17 ID:rJ5kyxd.0
焼け野原となり地面デコボコのジャングル跡地を見てヒッキーは驚愕した。
(;-_-)(はぁ、直すのメンドくせ……)
( ・∀・)「まぁまぁ、元副団長さん」
ξ゚⊿゚)ξ「こうして仲直りも出来たのですから」
ξ*゚⊿゚)ξ「元副団長さん、お茶飲みましょうよぉぉぉ」(・∀・*)
(;-_-)(うぜぇ)
辛うじて残存した湖の畔で三人は休憩を始めた。
ヒッキーを倒した二人は上機嫌で、これ見よがしに『元』副団長と言い続けている。
(;-_-)「あのね! 僕だってまだ本気じゃないんだよ?
アークグレンラガン出してギガドリルスマッシャーと合体させたり!
ゴッド・フィンガーとゴッド・ハンドで合わせ技したり!
まだまだ、実力の半分も出してないんだからな!」
( ・∀・)「ちなみに私は後二回変身を残しています。
その意味が分かりますか?」
ξ゚⊿゚)ξ「ちなみに私は元副団長に土下座されちゃいました」
必死に笑いを堪える二人を見て、ヒッキーは内なる殺意を表に出そうか思案した。
(-_-)(そうだ、僕は副団長。部下のワガママくらい多めに見てあげよう……)
(-_-)「で、ツンのあの能力って結局何なの?」
ξ゚⊿゚)ξ「……あぁ」
ツンは思い出したかのように話し始めた。
243
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/04(土) 17:07:06 ID:rJ5kyxd.0
ξ゚⊿゚)ξ「一定時間内に与えたダメージに比例して能力は変化するわ。
今回は『相手の体を操作できる能力』だっただけよ。
ま、その間ダメージは全部回復。時間稼ぎが居ないとまともに成功しないけどね」
ξ゚⊿゚)ξ「始まりの合図は相手に触れる事。終わりは一定時間の経過」
ξ゚⊿゚)ξ「……名付けて、『ファンシー・ダイス』」
(-_-)「……末恐ろしいね……」
ヒッキーはお茶を一口啜った。
(-_-)「……じゃ、そろそろ帰ろうか」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね」
( ・∀・)「ああ! 充実した特訓だったぜ!!」
三人は足元から細分化され、滅茶苦茶になったジャングルから現実世界へと戻っていった。
――――――――――
【+ 】ゞ゚)「……」
置いて行かれた。
オサムは一人、空気と化した自分を慰めた。
244
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/04(土) 17:08:00 ID:rJ5kyxd.0
――――――――――
('A`)「この先だ。間違いない」
(*゚∀゚)「わっかりやすいな! 洞窟って言うからもっと歩くと思ったんだけど!」
ドクオ一行はタイマーズのアジトへ向かって歩いていた。
三人と一匹を避ける様に森が広がっている。さしあたって障害も無く、三人と一匹はノロノロと森林浴を楽しみながら歩き続けた。
すたこら歩き、ようやくアジトの洞窟入り口に辿り着いた一行は、崩れ落ちた洞窟をみて絶句した。
(;^ω^)「……すんごい荒れてる件」
(;'A`)「え? 俺らどうすればいいの?」
(*゚∀゚)「自爆したんじゃね? 勝ったッ! 第一部完!」
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(山の猫は健康的でエロいなぁ……)
(;'A`)「うーん。これは流石に予想外。俺、死んどこうか?」
(;^ω^)「いやいや、まだ道が無い訳じゃ無いお。取りあえず辺りを探して……」
(*゚∀゚)「……。ッ! 誰だ!」
洞窟前で立ち往生する一行を背後から見つめる何かが居た。
それにいち早く気づいたつーは、その方向へ粘着キリギリスを差し向けた。
「ちょっと待っておくれよ。僕は君らを案内しに来たんだ」
ガサガサと草が揺れ、そこから妙に優しい口調で声が聞こえた。
245
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/04(土) 17:09:01 ID:rJ5kyxd.0
('A`)「出てこい」
( ∵)「言われなくとも」
(*^ω^)「アーッ! コダマだお! ここはシシ神の森だったのかお!」
ヒョコっと現れたのはエクストの分身、ビコーズだった。
ビコーズはちょこまかとドクオの足元まで行くと、顔を見上げて話し始めた。
( ∵)「前の基地は壊れちゃってね。そこの人のせいで暴走した、兄者によって……。
で、君たちを迎撃するにはちょっと時間が足りなくて。急遽だけどバトルステージを作ったよ」
(*゚∀゚)「……おいおいおい! 全部筒抜けじゃねェかドクオ!」
('A`)「それで、お前は俺たちに何の用だ?」
( ∵)「それにしても、タイミング的に来るのが少し早くないかい?
よっぽど事を急がせる原因があったんだろうが、ま、そこは詮索しないさ。
少し待っていておくれよ。準備が整ったらまた呼ぶからさ」
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(早くしな。無差別に攻撃を始める前にな)
('A`)「早くしてくれよ。でないと、無差別に攻撃を始める事になる」
( ∵)「ははっ、それは無い。なんたってGの仲間なんだ。正々堂々と僕達を殺しにくる筈さ」
( ∵)「じゃ、準備が出来たらワープゲートを作るから」
ビコーズは光となって消えた。
246
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/04(土) 17:09:20 ID:rJ5kyxd.0
('A`)「……さぁーってと」
長く伸ばした一言と共に、ドクオは木の根元に腰を下ろした。
(*゚∀゚)「ヒャー! 燃えるね! まるでポケモンの四天王に挑む気分だぜ!」
つーは待ちきれないのか、せっせと柔軟体操を始めた。
(*^ω^)「燃料補給っ♪ 燃料補給っ♪」
ブーンは取り出した菓子を頬張る。
(,,゚Д゚)「ニャーン!」
(,,゚Д゚)(ヘイ彼女! お茶しない?)
ネコはナンパを開始した。
('A`)「もう少しだ。もう少しで……」
森のざわめきに一人耳を傾け、ドクオはスッと目を閉じた。
――――――――――
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
第八話。後編。おわり
247
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/04(土) 17:11:42 ID:rJ5kyxd.0
ヒュオオオオオ!!!
絶賛オナニー中の
>>1
です。
もう語る事も無くなってきた。
では、感想批評誤字脱字語弊の指摘などなど、宜しくお願いします。
248
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/06(月) 21:41:00 ID:M.nZbpa.0
一部完結まで書いたら帰ってくる
それまで探さないで下さい><(チラッ
249
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/07(火) 01:22:18 ID:Nj6e.rAEO
とりあえず乙
今読み終わったんだが、続きが気になっている
完結までいかなくても続きが書き上がっているなら投下してほしい
250
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/08(水) 01:48:26 ID:BtIdxm6U0
>>249
完結しない作品を書く自分? っていうのはちょっ……と
想像できないかなぁ……?
続きはあるけど、適当にまいた伏線の回収にしどろもどろ。
まぁ半ニートだし暇だから一週間で一部完結まで書いてくる。
今後もダラダラと投下し続けるので、ぜひ完結まで付き合ってくだしあ
251
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/09(木) 11:30:22 ID:KYSsTqIo0
ここが死んでいる世界だと気付いたのは、俺が友達の玩具を壊してしまったあの時だ。
俺は必死に、何度も謝った。それでも相手は許してくれない。そこで、俺はポケットからある物を取り出した。
――金だ。
_
【( ゚∀゚)金に溺れた世界を壊すようです】
僕は美術館で絵を見上げた。自慢じゃないが、自慢の作品だ。
色んな人がこの絵を見て感動してくれている。それだけで僕は満足だ。
ξ゚⊿゚)ξ「この絵きたなっ。赤塗ってやろっと」
えっ。
【ξ゚⊿゚)ξスケッチブックと真赤な青色のようです】
252
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/09(木) 11:31:14 ID:KYSsTqIo0
彼は砂浜に刺さったパラソルの下から、海を眺めていた。
何を待つ訳でも無く、ただ好きだから海を眺めている。
彼は今日も海を眺め、波に合わせて体を揺らす。
( ><)「……」
【( ><)細波に揺られて……のようです】
( ´ー`)「お前、死刑な」
( ^ω^)「なにそれこわい」
【(;^ω^)スプーンで壁を掘る毎日のようです】
253
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/09(木) 11:33:48 ID:KYSsTqIo0
川 ゚ -゚)「第一問。ここはどこでしょう?」
(;'A`)「……マック」
( ^ω^)「第二問。今日の予定は?」
(;'A`)「みんなで映画見て……ゲーセンとか?」
ξ゚⊿゚)ξ「第三問。今日はドクオの罰ゲームDAY。マルかバツか?」
(;'A`)「……マル」
川 ゚ -゚)「という訳で」
( ^ω^)「店員さんのスマイルを」
ξ゚⊿゚)ξ「テイクアウトしてもらいます」
(;'A`)「ウェェェェェェイ!?」
【('A`)若気の至りで世界がヤバいようです】
(#゚;;-゚)「……」
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「……」
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ(コイツ何なんだろう……)
(#゚;;-゚)「私のセリフだ」
【(#゚;;-゚)気が合ってしまったようです】
254
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/09(木) 11:35:13 ID:KYSsTqIo0
疎らに人が乗った、古臭い電車に並んで座る男女。
彼らは混雑時に隣同士になっただけで、別に知り合いでも何でもない。
この気まずさ、お分かり頂けるだろうか。
('、`*川(えっ? みんなそこで降りんの?)
( ・∀・)(駅まだかなぁ……)
('、`*川(えぇ〜。私、もしかして隣の人と目的地一緒?)
( ・∀・)「カリフラワー(裏声)」
('、`*川(退けない……気遣い始めて25年のこの私! 今退くわけにはいかんのだよ!)
相手に気を遣ってしまって席を動けない現象。それが今まさに起きているのだ。
譲り合いの精神が中途半端に浸透した結果、こういった気まずい空気が生まれてしまった。
彼女もまた、気遣いに弄ばれた犠牲者に過ぎないのだ……。
('、`*川「……あの、ちょっといいですか?」
( ・∀・)「はい。なんでしょう」
('、`*川「私が退くとアナタが傷つくので、アナタが退いて下さい」
( ・∀・)「それだとアナタが傷つくので、アナタが退いて下さい」
('、`*川「……」
( ・∀・)「超カリフラワー(低音)」
【( ・∀・) 超絶カリフラワーの旅 ('、`*川】
255
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/09(木) 11:36:26 ID:KYSsTqIo0
以上、間を繋ぐ為だけの短編予告でした
来週の水曜までに本気出す
256
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 03:28:29 ID:40RwE7aU0
今日早起きしたら投下しマスカラ。投下予告したせいで我慢汁が限界。
完結まで書き切れた訳じゃないけど、二話分あるんでそれ投下しますん
「投下予告はあって無いようなもの」が当スレの信条です
何故かって?
>>1
が早漏な上に空気だからさ! HAHAHA!
257
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 20:46:23 ID:40RwE7aU0
( '∀') 「見えたぞ! あれが木霧町だッ!」
全速力で海を突き抜ける船の上。そこには――
(;´_ゝ`)「急げ! もう戦いが始まっているかもしれない!」
不安と焦りに言葉を荒げる兄と。
(´<_` )(……何か、どうにも釈然としないな……)
この戦いへの違和感を敏感に感じ取る弟が乗っていた。
船は間もなく港に到着した。
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
258
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 20:47:19 ID:40RwE7aU0
( '∀')「……あぁ、ありがとう。それじゃ」
電話を終え、ガナーはすぐさま車を出発させた。
日本のT市、木霧町にタイマーズのアジトはあった。
近代化を続ける都市部とは違い、海と山に挟まれた木霧町には多くの自然が残されている。
背の高い建物も無く、開放的な町並みが広がっていた。
( '∀')「……戦いの前になんだが、兄者。君の能力は一体何なんだ?」
運転中、ふと頭に浮かんだ疑問を兄者に投げかけた。
少し唸り、兄者は渋々答える。
( ´_ゝ`)「……ブーンって奴に暴走させられた時から他人の能力が使える様になった。
最初は田代砲だけだったし、ましてや人の能力なんて使えなかった」
( ´_ゝ`)「ぶっちゃけ、自分でもよく分からない」
( '∀')「ふぅん……。ま、条件は未だ不明だが、『他人の能力を得る』みたいな能力かな。
……実に強力な能力だ。兄者、君の言うGって奴の能力も奪えるんじゃないのか?」
( ´_ゝ`)「どうだろうな……。そういえば、ガナーの能力も少しは使える……んだよな?」
(´<_` )「一応な。だが、ガナーの能力は『言葉』が重要だ。
俺はともかく、兄者に高尚な文章が書けるかどうか」
( '∀')「へぇ、弟者は読書家なのか?」
(´<_` )「ラノベは任せろ」
(;'∀')(ああ、居るんだよなぁ……こういうタイプ……)
( '∀')「……そうだ。兄者、そして弟者。
その能力、『力の集約【パワーコレクター】』なんて名前はどうだろうか?」
259
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 20:48:38 ID:40RwE7aU0
( ´_ゝ`)「パワーコレクター……。スマン意味が分らん」
(´<_` )「ここは黙って頷け。バーサーカーとか言っちゃう人だぞ。
どう考えても中二病だろう」
( `∀`)「いいや、中二でなければ創作なんてやってられないねッ!」
(´<_`;)「いや、開き直られても……」
( ´_ゝ`)「……見ろ。あそこから入って、その先だ」
森の入口を指さし、三人は息を呑んだ。
三者三様に思いを巡らせ、最初に口を開いたのはガナーだった。
( `∀`)「いよいよ……だね」
( ´_ゝ`)「悪いな、巻き込んでしまって」
( `∀`)「僕が好きでやってるんだ。誰にも止められやしないさ」
――――――――――
(*゚∀゚)「ドクオー。起きろー」
ペシペシと頬を叩き、つーは眠っていたドクオを起こした。
('A`)「……準備、出来たのか?」
260
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 20:49:36 ID:40RwE7aU0
つーは洞窟の入り口に向けて顎を振った。
そこには薄緑に発光する、螺旋状に渦を巻いたワープゲートが出現していた。
(*゚∀゚)「アレに入れば敵さんの懐だとよ」
('A`)「……Gはまだ来てないっぽいな」
( ^ω^)「アイツは後から来るって言ってたお。今は信じて、先に行くべきだお」
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(その通りだ。Gを信じて、先に進もう)
('A`)「その通りだな。Gを信じて、先に進むとしよう」
(,,#゚Д゚)(……いい加減、俺のセリフ取るの止めていただけませんかねェ……)
==⊂(*^ω^)つ「ヒャッハー! オイラが一番乗りだお!」
==╲(*゚∀゚)ノ「バッキャロウ! 一番は私だ!」
('A`)「よっこらセック……よっこらせ」
('A`)「ネコ、ここは頼むぜ」
(,,゚Д゚)「ニャーン」
(,,゚Д゚)(オウ。後は俺に任せな)
(,,゚Д゚)(……さぁーてと。兄者一行が来るまで、グッスリ眠らせてもらおうかね)
(,,‐Д゚)(なんたって……俺は……猫なんだから……な……)
(,,‐Д‐) ……zZZ
261
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 20:55:38 ID:40RwE7aU0
――――――――――
―――――
―――
( ^ω^)「やぁ、ようこそバーボン(ry」
('A`)「お前、それがやりたかっただけだろ」
(*゚∀゚)「……で、これからどうすんの?」
ドクオは周囲を見渡した。
円柱の中みたいで、扉の様な物は一切無い。完全に密室だ。
面倒だったから敵の誘導に従ったが、もうちょっと考えるべきだったか……。
面倒くせぇ。そう言わんばかりの表情で彼は息を吐いた。
('A`)(後悔、まず一つだな)
(*゚∀゚)「いっそブチ破るか!」
( ^ω^)「こんな密室でキリギリスとかマジ勘弁」
262
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 20:57:05 ID:40RwE7aU0
その様子を天井から監視する者たちが居た。
場所は変わってタイマーズ月面基地、団長室。
映し出された映像からドクオ一行の実力を判断すべく、モナーはそれに目を凝らしていた。
少ししてモナーが振り向き、全員に向けて口を開く。
(;´∀`)「あの肥満野郎、内藤ホライゾンの相手をしたい奴は居るモナ?」
从 ゚∀从「ん? 何でそいつだけ別に聞くんだ?」
(;´∀`)「……ハッキリ言うぞ。コイツの相手をしたら、死ぬ」
唐突な言葉に、周囲は呆気にとられ沈黙した。
音を立てて唾を飲み、モナーは続けて言う。
(;´∀`)「できれば誰にも会わせたくないモナ……。エクストやヒッキー、荒巻でさえ危ないと思うモナ」
从;゚∀从「お前をそう言わせる程の男……能力は?」
(;´∀`)「俺の能力は相手の能力や素質を視る事が出来る。
未だかつて『視えなかった人間』なんて居なかったモナ……」
(;´∀`)「だけど、この男は本当に『何も視えない』んだモナ! そこで唯一見えるのは『闇』!
闇以外、コイツの中には何も無い!」
(;´∀`)「自分の本質を隠すなんて芸当、人間には出来ないモナ……。
正直言って、俺はコイツが恐ろしい……ッ!」
空気がずしり重くなり、全員を押し潰そうとしていた。
予定より早い襲撃。最強に近いエクスト達をも凌駕する男の存在。
アジトの壊滅。人員不足。
様々な不安要素が脳裏を通り過ぎ、更に空気を重くする。
263
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:07:46 ID:40RwE7aU0
(;´∀`)「ヒッキーの作った空間の仕組みは分かってるモナ?
全ての空間でタイマーズのメンバーが死亡ないし戦闘不能になった場合のみ、奴らはここにやってくる」
(;´∀`)「最後の砦、月面基地。ここで倒せなければ本当に終わりだモナ……」
( ФωФ)「何を言うか。負けた時の心配なぞ杞憂。……吾輩が内藤に相手をしてこよう」
( ФωФ)「ショボン、ついて来てくれるか?」
(´・ω・`)「僕かい? 別に構わないけど……プライドの高い君が助けを乞うのかい?」
( ФωФ)「負けるよりはマシである」
(´・ω・`)(やっぱり、負ける可能性が高いって判断か)
<_プー゚)フ 「……じゃ、決まりだね」
<_プー゚)フ 「各自を迎撃相手の部屋へ転送する。その後は各個撃破してくれ。
くれぐれも無茶はしない事。ヤバくなったら逃げてほしい」
<_プー゚)フ「ヒッキー、扉を」
『了解』
――――――――――――――――
264
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:08:36 ID:40RwE7aU0
('A`)「おっ、やっと扉が出たか」
(*゚∀゚)「ひぃふぅみぃ……四部屋だな」
(*^ω^)「ここは王道! 別々の部屋に別れる仲間達!
後に会う事を約束し、各々強敵へ挑んでいくッ!」
三人は目を見合わせ口を噤んだ。
それは信用の証か、はたまた仲間への心配か。
ドクオは、か細い声で言った。
('A`)「……死ぬなよ」
(*゚∀゚)「ヒャー! お前が言うなよ、一番簡単に死ぬ癖にさ!」
( ^ω^)「オイラ達は簡単には死なないお! まだまだ死ぬには早すぎるお!」
('A`)「……へっ」
振り返り、片手をヒラヒラさせながらドクオは扉の中へ入って行った。
(*゚∀゚)「ブーンも、じゃあな!」
( ^ω^)「そっちも達者でやれお!」
つーが二番目の扉を開け中に入る。
( ^ω^)「……」
そして、残ったブーンは不意に天井を見上げた。
( ^ω^)「久しぶりだお、エクスト」
265
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:09:08 ID:40RwE7aU0
( ^ω^)「……じゃ、失礼しますおー」
<_プー゚)フ(……僕の事を知っている?)
過去を思い返すエクストを残し、タイマーズは迎撃に乗り出した。
もう間もなく戦いは始まる。
――――――――――
(,,‐Д゚)「ウニャア?」
ネコはゆっくりと近づく足音で目を覚ました。
三人。音から判断して、それは兄者一行であると確信したネコはのそりと起き上がった。
(´<_` )「……ネコか」
( `∀`)「そのようだね。奥のは……なんだろう、ゲームで言うとワープポイントっぽいけど」
( ´_ゝ`)「早く行こう。あの先に違いない」
266
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:10:05 ID:40RwE7aU0
(,,゚Д゚)「ニャーン」
ネコは二人の足に擦り寄った。
( ´_ゝ`)「おうおう、悪いね。俺ら今忙しいんだ」
(,,゚Д゚)(……悪いね。アンタらにゃ、ちょっとばかし用があるんだよ……)
ピリピリと二人の肌を突き刺す空気。
刹那、凄絶な威圧感が二人を飲み込んだ。
(;`∀`)「……まさかッ!」
その異変に気づいた時にはもう手遅れだった。
(,, Д )『陰気な帽子屋【パンドラハッター】』
『スコール・オブ・ヘイト』
二人と一匹は、突然現れた黒い帽子に飲み込まれ、姿を消した。
――――――――――
( ∀ )「……」
(;'∀')「はっ!」
ガナーは飛び起き、 周囲を見回して自分の状況を把握した。
錆びたコンテナが彼の四方を塞いでいた。霧は深く、見上げても空は見えない。
全体的に灰色がかった視界の中で、ガナーは冷静に考えた。
267
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:10:58 ID:40RwE7aU0
(;'∀')(……やれやれ。あのネコは敵だったのか……。
油断したよ。しかも僕と同じく、異空間に敵ごと引き摺りこむタイプだったとはね……)
( '∀')(すぐに敵が襲ってこないのを見ると、どうやら物理攻撃の類では無いか。
となると、精神攻撃が主になりそうだね……)
(,,゚Д゚)「初めまして」
(;'∀')「うぉっ!?」
突然ガナーの背後に現れたのはネコ。とても紳士的な雰囲気と風貌の、二足歩行をするネコだ。
ネコは帽子を外して深く頭を下げ、ガナーに向かって話し始める。
(,,゚Д゚)「ここは主の作りだした空間。名を『スコール・オブ・ヘイト』と言います。
名は体を表すと言いますし、能力については大方理解しておりますね?」
ネコは丁寧に、饒舌に話を続けた。
(,,゚Д゚)「そう。この能力は精神攻撃が主体なのです。
詳しく言えば『憎しみ』が『濃硫酸の雨』となって貴方様へと降り注ぐ、ごく簡単な仕組みでございます。
もっとも、精神攻撃と言うよりは、貴方様の精神の歪みを糧に攻撃する……」
「自業自得な世界なのです」
(,,゚Д゚)「くれぐれも憎しみを思い出さぬよう、頑張って下さいね。
下手に動かなければ解放する事を約束します。それでは」
ネコは再び頭を深く下げ、グニャリと体の輪郭を歪ませて消えた。
268
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:11:41 ID:40RwE7aU0
( '∀')「……」
( '∀')「兄者! 兄者! 起きてくれ!」
( ´_ゝ`)「むみゅう……なんだよ、せっかく良い夢見てたのに……」
(;'∀')「むみゅうって……とにかく起きてくれ」
( '∀')「ここは敵の能力で作られた世界だ。
いいかい、エッチな事は絶対に考えちゃいけないからね」
(*´_ゝ`)「……そうか……」
( '∀')(よし、これでこの馬鹿は大人しくなった)
( '∀')「……で、弟者はどこに居るんだい?」
( ´_ゝ`)「む、そう言えば居ないな。おーい!」
――――――――――
( <_ ;)「うーん……チロルが……チロルチョコが反撃に……」
(,,゚Д゚)「起きて下さい。あとトッポが攻守共に最強です」
269
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:12:41 ID:40RwE7aU0
(´<_` )「……パイの実派の俺に死角は無かった」
弟者は薄暗い部屋のソファで目を覚ました。
(´<_` )「悪いが電気付けてくれないか?」
(,,゚Д゚)「ではカーテンを開けましょう」
部屋のカーテンが両脇に除けられる。
日差しは強く、弟者は目を細めた。
(´<_` )「兄者達はどこで、俺はなぜここに居る?」
(,,゚Д゚)「兄者様とゲストの方は別の空間に御送りしました。
一番冷静に話が出来ると判断した為、弟者様をここへ連れてきた次第です」
(´<_` )「話……?」
(,,゚Д゚)「ええ。もっとも、話があるのは私ではありません。
少し御待ち下さい。呼んできます」
ネコはそう言い、部屋を後にした。
カーテンが開いた事でここが書斎である事が分かった。
窓の手前には木製に大きな机があり、多くの本が積み重ねられている。
部屋の壁はほとんど本棚になっており、所々本が飛び出ているのを見る限り、頻繁に本を入れ替えている事が窺えた。
弟者の座るソファの前には、低いガラスのテーブル。その向こうには同じソファが置かれている。
事態に動じる事も無く、弟者はソファにもたれかかった。
(´<_` )(……外は湖。執事っぽいネコ。立派な書斎。ここはどっかの城かよ)
270
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:13:17 ID:40RwE7aU0
コンコンコン。
丁寧に三回、ドアがノックされる。
(´<_` )「どぞー」
ドアが少しだけ開かれ、そこからネコが顔を出す。
弟者の顔を見るとにんまり笑い、口に手を当てて囁いた。
(,,゚Д゚)「どうぞごゆっくり」
口早にそう言うとネコは顔を引っ込めた。
一拍おいて扉が大きく開き、彼は部屋に入ってきた。
爪゚ー゚)「……久しぶりだな。流石弟者」
(´<_` )「……ああ、そうだな」
扉を閉め、Gは弟者の反対側にあるソファに腰かけた。
足を組み、いかにも偉そうな姿勢で。
271
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:14:05 ID:40RwE7aU0
爪゚ー゚)「さて、俺がお前を呼んだのは他でもない、建設的な話をする為だ」
(´<_` )「建設的……ねぇ……」
爪゚ー゚)「お前でなければ、今頃部屋は滅茶苦茶になっているだろうしな」
(´<_` )「……まるで、俺なら大丈夫みたいな口ぶりだな」
爪゚ー゚)「お前は幻体だ。大して脅威にはなりえんよ」
(´<_` )「……俺は冷静さだけが取り柄で、冷静さだけが最大の欠点だ。
感情は二の次だし、まず物事の分析から始めるタチでな」
(´<_` )「だが、あまり下手に喋らない方がいい」
(´<_` )「俺は今にでもお前を殺したいんだ」
爪゚ー゚)「……フン、まぁいい。さっさと話を進めようじゃないか」
爪゚ー゚)「まず……お前は俺達の目的を知っているか?」
(´<_` )「短針十二本の破壊」
弟者は淡々と言う。
(´<_` )「その後の、人類抹殺」
爪゚−゚)「……その素振りでは、エクストの奴に何も聞かされていないようだな」
(´<_` )「……俺と兄者、そしてガナー。俺達三人は『何故お前を倒す必要があるのか』分からない。
エクストの言ったように、人類の抹殺だけなら今のお前でも可能だ」
(´<_` )「それに、何故『針』という存在があるのか。過去の大戦とは、国家反逆者とは、一体何の話なのか。
そしてこの『幻体』というシステム。『能力』という非現実的概念……」
272
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:15:23 ID:40RwE7aU0
Gの口ぶりに、弟者は自身の疑問を全て曝け出した。
今まで感じていた違和感の正体、それをこいつは知っている。
ありったけの情報を絞り出してやる、と内心覚悟し、弟者はGを睨みつけた。
爪゚−゚)「……無知とは恐ろしいものだ。世界の真実さえ知らず、必死になって破滅の助長をしているのだからな」
(´<_` )「……ならば話してもらおうか、この世界の真実を……」
爪゚ー゚)「元よりそのつもりだ。貴様も、この世界の重荷を背負うがいい」
時は遡り。
/ ,' 3 『A』 荒巻スカルチノフ
( ^ω^)『B』 ブーン
川 ゚ -゚)『C』 クール
(#゚;;-゚)『D』 でぃ
<_プー゚)フ『E』 エクスト
爪'ー`)y-『F』 フォックス
六人の少年少女を映し出した。
273
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:16:29 ID:40RwE7aU0
* * * * *
( )「タイマーズプロジェクトも佳境だな」
( )「ああ! これで戦争も終わり、我々は世界を救う事が出来る!」
とある研究所。
カプセル内に充満した液体に浮かぶ六人の少年少女を見て、研究員達は喜びに満ちていた。
( )「さぁ子供達よ! 戦いの連鎖を止めてきておくれ!」
* * * * *
爪゚ー゚)「過去の大戦……貴様は、最後の一週間を知っているか?」
(´<_` )「学校では、平和的話し合いの結果、大戦は静かに幕を下ろしたと聞いたが」
爪゚ー゚)「フン、まぁ表向きはそうなっているのだろう。
しかし、真に大戦を終わらせたのは六人の少年少女なのだ」
爪゚ー゚)「AからFと名付けられた六人の少年少女。彼らは『針』を体内に取り込み、能力を駆使し大戦に参加した。
力の差は歴然、すぐに大戦は終わった」
(´<_`;)「待ってくれ、『針』ってのは取り込んだ時点で死んで幻体になるんじゃないのか?」
爪゚ー゚)「彼らは特別だった。奇跡的に『針』と同化していったのだ。
貴様の知るエクスト、今はもうほとんど幻体と化していただろう?」
爪゚−゚)「……問題は大戦が終わった直後だ。能力を得た少年少女をどうするべきか、研究所で議論が行われた。
――殺処分は出来なかった。我が子同然の彼らを、そう簡単に殺す事は出来なかったのだ」
爪゚−゚)「そして、事件は起きた」
274
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:17:28 ID:40RwE7aU0
* * * * *
( )「ん? フォックスじゃないか。どうしたんだ、こんな夜中に」
爪'ー`)「……」
『F』の少年、フォックスが暴走を始めた。誰彼構わず人間を分解、吸収していった。
奴の能力は【アドバンテージ・アブソーバー】。他者を分解し、その者の『長所』を吸収する能力だ。
連日して複数の研究員が音信不通になった事で研究所は不安を覚え始めた。
そしてある日、フォックスが疑われた。まぁ当然の帰結だ。
研究員は他の少年少女五人にフォックスの『捕獲』を命令した。最後の最後まで、奴らは情を捨てられなかったのだ。
――それが全ての始まりだ。
* * * * *
爪゚ー゚)「奴は他の少年少女を『吸収』しようとしたのだ。
結果、『D』の少女、でぃが奴に吸収された。『A』の少年荒巻もそれを受け、体細胞が一瞬にして老化した」
爪゚ー゚)「力を吸収した奴はもう止められなかった。拮抗していた少年少女の能力にも、ついに偏りが出たのだ。
残る『A』『B』『C』『E』の子供達は逃げた。息を殺し、世界中に散り散りになってな」
(´<_` )「……そして、お前がフォックスを止めた」
爪゚−゚)「いや、まだ戦いは終わっていないのだ。俺は奴のレプリカ……二番煎じに過ぎん。
改良を加えられた、ただの木偶だ」
275
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:18:32 ID:40RwE7aU0
――――――――――
爪'ー`)「おいおい! 俺のレプリカならもっと頑張ってくれよ!」
生まれてすぐ、俺は奴と戦った。
――勝率はゼロに等しかった。だからこそ、俺は力を溜め、ある一瞬に賭けた。
爪#゚ー゚)「『ZIPPER』!!」
俺の能力『ZIPPER』は二点を繋ぐジッパーを出現させる能力だ。
そして、俺は奴を『遥か彼方の宇宙空間に送り出した』。
奴はまんまと策にハマってな、あの時は腹の底から笑ったよ。
――――――――――
(´<_` )「……で、そのフォックスってのは宇宙の藻屑となりました……ってか?」
爪゚−゚)「だが奴は帰ってくる。俺の感覚が……そう告げているのだ」
(´<_` )「むぅ、話を聞く限り、お前は正しい事をしたように思うのだが……。
なぜエクスト達はお前を敵対視する?」
爪゚ー゚)「大方、フォックスを倒した俺が怖いんだろう。……そして俺は今、力を集めている」
爪゚ー゚)「俺の能力は……まぁ、最近まで名前は無かったのだが……。
【ミュウ】。基本的に何でも出来るから、そう名付けた」
爪゚ー゚)「元は『針』を破壊する事で相手の力を取り込む事が出来る能力だ。
それに加え、奪った相手の能力を更に進化させる事ができる」
276
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:19:30 ID:40RwE7aU0
(´<_` )「……それでお前はフォックスを倒す為に、強力な能力を持つ『短針』を破壊し、力を付けていると?」
爪゚ー゚)「グッド! 察しがいいな、それでこそ母者の息子だ」
Gはソファを立ち、窓辺に寄り添って湖を見つめた。
物哀しい後ろ姿に弟者は違和感を覚えたが、Gの話を聞き、誰が正しいのか分からなくなっていた。
いっそ、こいつの仲間になってしまった方が人の為なのではないだろうか?
爪゚−゚)「……お前は俺をどう思う」
分からない。弟者は頭の中で即答したが、それを言葉にする事は出来なかった。
辛いだろう。寂しいだろう。咄嗟に同情の念が込み上げてきたがそれを抑え込み、弟者は躊躇いながらも口を開いた。
(´<_` )「……それが真実だとして、妹者やエクスト達を殺す理由にはならないと思うね。
お前の目的は正しい。だが、手段が間違っている」
爪゚ー゚)「フン、言ってくれるな。では、世界の為に戦う俺が間違っていると?」
(´<_` )「戦っている時点で誰かの為じゃない」
爪゚−゚)「ならば俺が生まれた意味を言ってみろ」
爪゚−゚)「フォックスを破壊する事を目的とされた俺の、生まれてきた意味をな」
(´<_`;)「……」
爪゚−゚)「では、逆に問おう。貴様は『何の為に戦っている』?」
Gは誰かの為に戦っていた。
『誰かの為に戦う』という事を根本から否定していた弟者にとって、Gの言葉はあまりに衝撃的だった。
ふと、弟者は自分を顧みた。
277
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:20:11 ID:40RwE7aU0
(´<_` )「……すまなかった。俺には、それを答えられる程の器量が無い」
爪゚ー゚)「ならば俺の仲間になれ」
(´<_`;)「……なっ……!」
爪゚ー゚)「これが本題だ。貴様から信用を得る為、こちらから情報を先に提供した。
仲間になるのならば、貴様等にもそれなりの待遇を用意しよう」
爪゚ー゚)「すぐに返事をしろとは言わん。ただ、貴様が居れば妹者を破壊する理由も無くなる。
これからタイマーズを潰す必要も無くなる事だけは伝えておこう」
爪゚ー゚)「俺は既に月面基地へ移動を始めている。月面基地、そこで返事を聞こうではないか。
……ネコ、彼らを解放してやってくれ」
「かしこまりました」
ドアの向こうでネコが返事をした。
爪゚ー゚)「まぁ、兄者にはお前から話してやってくれ。俺が話しても聞いてくれんだろうからな」
頭痛がする……。
弟者は激しい頭痛と眩暈で意識を失い、元の場所へと帰って行った。
278
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:20:32 ID:40RwE7aU0
――――――――――
―――――
――
( '∀')「……元の場所に戻ったか」
( ´_ゝ`)「そうみたいだな。さっさと行こうぜ」
( <_ ;)「……」
( ´_ゝ`)「どうした? 顔色悪いぞ」
(´<_`;)「いや、何でもない。先に行くぞ!」
顔を見合せる兄者とガナー。少し沈黙して、兄者が溜息混じりに言った。
( ´_ゝ`)「……全部聞いてたっつーの」
弟者に続き、三人はワープゲートの中に足を踏み入れた。
(,,゚Д゚)「ニャーン……」
(,,゚Д゚)(俺も、そろそろ行こうかね……)
――――――――――
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです
第九話。おわり
279
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:21:55 ID:40RwE7aU0
続けて10話落とします
280
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:22:46 ID:40RwE7aU0
('A`)「ちぃーっす」
( ´∀`)「……久しぶりモナ。あの時はよくも出し抜いてくれたモナね」
('A`)「ああ、お前か。襲撃予測したのは」
('A`)「……で、その仕返しに三対一の戦いを仕掛けよう……ってか」
( `ー´)「テメーは俺が倒すんじゃネーノ!」
lw´- _-ノv「君を倒して世界を救うのさ!」
ヒッキーによって作られた第一の空間。『市街地』
高層ビルや連なるマンション、高速道路に入り組んだ路線などなど。
隠れる場所が多い半面、ここではシュールの能力が大いに活躍する。
対ドクオ用に作った空間と言っても過言では無いほど、この場所はモナー達にとって有利だ。
モナー、ネーノ、シュールの三人は駆け出し、能力を発動してドクオに迫っていった。
281
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:23:41 ID:40RwE7aU0
( ´∀`)「ドット・ハッカー!」
( `ー´)「完全阻止【インターセプター】!」
lw´- _-ノv「インターセプター(笑)」
(;`ー´)「俺に一体何の恨みが!」
(;'A`)「クッソ!」
迫る三人に背を向け、ドクオはすぐに路地へと駆け込んだ。
右往左往し入り組んだ路地を抜け、住宅が立ち並ぶ道を全力で駆け抜ける。
(;'A`)(あー……鬱だ。死のうかな)
(;'A`)(いやいや! 「死ぬなよ(キリッ」って言った癖に率先して死のうとするな俺!)
(;'A`)(念のため持ってきた拳銃の装填数は6! 自決用に一発残すとして、五発であいつら倒せるか?)
(;'A`)(とにかく! ここら辺にある物使って倒すしか無い!)
ドクオは走る途中で適当な民家に駆け込み武器になりそうな物を探した。
包丁、カッターナイフ、金属バット、
――エアガン。
(;'A`)「よっしゃ! これ昔のエアガンだ! 人殺せるレベルの奴だよ!」
(;'A`)(運が良い事に、見境なく暴れまわる奴らじゃないみたいだな……。
……ちくしょう、これじゃまるでサバゲーだっての!)
282
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:24:09 ID:40RwE7aU0
――――――――――
('A`)(さて……と)
ドクオは民家から移動し、高層ビルの屋上に来ていた。
('∀`)(来たらエアガンと拳銃でハチの巣だぜ!
やばくなったら投身自殺だ!)
('A`)(……なんつーネガティブシンキング……)
屋上の片隅、ドクオは膝を抱えて敵を待ち伏せた。
――――――――――
283
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:27:16 ID:40RwE7aU0
(;´∀`)「見つけたか?」
(;`ー´)「どっかの建物に逃げ込んだんじゃネーノ!?」
モヤシの様に貧弱な体つきに油断したせいか、彼らはドクオを見失った。
しかしモナーによってドクオの能力が完全に判明した。
( ´∀`)「後悔の後悔【ルック・バック】。死をトリガーとした時間逆行。
自殺される前に捕まえないと……」
(;`ー´)「おいシュール、お前なら空から探せるんじゃネーノ?」
焦る二人をよそに、シュールは表情一つ変えずに言い放った。
lw´‐ _‐ノv「……私、前みんなにガムあげたよね」
lw´‐ _‐ノv「あれを噛むと敵の位置が把握できるようになるんだよ」
(;`ー´)「えっ? そういう事は早めに言えよバカ!」
(;´∀`)「すんげぇ今更……」
lw´‐ _‐ノv「むしろ褒め称えろ」
二人は文句を垂れながらもポケットからガムを取り出した。
ガムの包み紙を取り、それを口に放り投げる。
284
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:27:54 ID:40RwE7aU0
( `ー´) クチャクチャクチャ
( ´ー`) クチャクチャクチャ
lw´‐ _‐ノv「クチャラーかよきめぇ死ね」
( `ー´)「ほっとけ!」クチャクチャ
――ザリ。
二人の口内で砂を噛む様な音が聞こえた。
そして、ガムはドロリと溶け。
「ギギッ!」
(; ー )「ッ!?」
(; ∀ )「……!!」
二人の気道を完全に塞いだ。
285
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:28:51 ID:40RwE7aU0
lw´‐ _‐ノv「……」
lw´‐ _‐ノv「……裏切ってみましたテヘペロー」
(;´∀`)(い、息が出来ないモナ……!)
lw´‐ _‐ノv「粘着キリギリスで気道を塞ぎ、シューちゃんが止めを刺す。
なんともまぁ、いいとこ取りのできる仕事を貰ったよ」
lw´‐ _‐ノv「ごめんね。でも元々こうなる予定だったんだ。
随分と短い間で唐突に終わりを迎えるけど、ドクオを助ける為だからね」
lw´‐ _‐ノv「マジシャンズ・バルーン、解除」
(;´∀`)(クソッ! 全部が裏目に出た! この環境じゃ『シュールが一番強い』!)
lw´‐ _‐ノv「まぁ知ってるとは思うけど、シューちゃんの能力は『魔法使いの風船【マジシャンズ・バルーン】』」
―――物を風船に変える力なんだぜ?
二人の足元に影が落ちる。
それを確認する間もなく、二人はタンクローリーの下敷きとなった。
286
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:29:35 ID:40RwE7aU0
――――――――――
第二の空間、『高原』
青い空。どこまでも続く芝。時折吹き抜ける心地いい風。
それだけが存在する空間で戦いは繰り広げられていた。
(;*゚∀゚)「ぐぬぬ……」
| ^o^ |「ぼくたちの あっとうてき ゆうせいです」
从 ゚∀从「そうそう諦めて降参しな!」
(;*゚∀゚)「うっせー! 行け、粘着キリギリス!」
地面から滲み出るようにして粘着キリギリスが出現、瞬間二人を取り囲んだ。
だが、繰り返されるワンパターンな攻撃に動じる事もなく、ブームとハインは能力を発動した。
(*゚∀゚)「全方位360度! これならテメェらのアイアンメイデンでも処理しきれる訳がねぇ!」
| ^o^ |「それは フラグです」
| ^o^ |「全方位360度展開、マトリョーシカ!」
从 ゚∀从「アーンド! 『アドベンチャーC,C』!!」
287
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:31:41 ID:40RwE7aU0
ドーナツ状のマトリョーシカがキリギリスを全て捕獲、内部で暴れまわるキリギリスは全て『串刺し』となった。
从 ゚∀从「アタシの能力『アドベンチャーC,C』は閉鎖した空間に棘を出現させる……
言わば擬似アイアンメイデンを作る能力!」
从 ゚∀从「そして! アタシに必要不可欠な『閉鎖空間』を無尽蔵に作れる、ブームのマトリョーシカ!」
从 ゚∀从「まさに最強! お前の負けは確実だ!」
| ^o^ |「あなたは しょうぎやチェスでいう つみ なのです」
(;*゚∀゚)「ぐぬぬ……まさかここまでアタシと相性悪いとは!」
無数には無数。二人のコンビネーションにより、粘着キリギリス特有の優位性は無効化されていた。
どこからともなく現れるキリギリスをアイアンメイデンで一掃。それを繰り返し、お互い、体力の消耗を待ち続けた。
(*゚∀゚)(……だ! け! ど! 攻めは私だ! こっちも粘着キリギリスに上限は無い!
相手が常に後手に回る以上、私の勝利は時間の問題! ヒャー!)
(*゚∀゚)「粘着キリギリス!!」
| ^o^ |「マトリョーシカ!」
从 ゚∀从「アドベンチャーC,C!!」
キリギリスが飛び、それをアイアンメイデンが一掃する。
(;*゚∀゚)「ヒャー! ラチがあかねぇ!」
从 ゚∀从「たりめーよ! むしろテメー、なんでまだ立ってんだよ!」
(*゚∀゚)「あん? お前らが攻撃して来ないからだよ!」
| ^o^ |「おっと それは フラグです」
288
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:32:11 ID:40RwE7aU0
(;*゚∀゚)「……ヒャッ?」
つーが両脇から迫るトリョーシカに閉じ込められるのは、咄嗟の出来事だった。
从 ∀从「グッバイ」
そして、マトリョーシカの内部を――
――――――――――
289
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:32:53 ID:40RwE7aU0
( ^ω^)「やぁ」
( ФωФ)「……」
( ^ω^)「やぁ」
(´・ω・`)「……」
(;^ω^)「……えっと……」
(;^ω^)(チョー気まずいんですけどォォォォォ!!!!)
第三ステージ『大闘技場』
モンスターハンター2ndGで御馴染の大闘技場だ。
切り立った岩が周囲を取り囲み、逃げ場は無い。
( ФωФ)「……」
(´・ω・`)「……」
( ^ω^)(やべぇ、すんごい睨んでくる。マジ怖い漏れる)
290
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:33:52 ID:40RwE7aU0
( ФωФ)「……吾輩の能力は『ブラック・ロックンロール』。
目標が何かしらの『役』を演じている場合、それを『封印する』能力」
( ФωФ)「吾輩の前で『役』を演じ、『嘘をつく』事は不可能である。
内藤ホライゾン。貴様の化けの皮、全て剥がしてくれようぞ……!」
( ^ω^)「……ふぅん。そう。それは良かったね。でも、オイラには効かないお。
何故ならオイラは正直者だから♪ 沢山の世界で活躍した『ヒーロー』だから♪」
( ω )「……一人ぼっちのヒーローだから……」
(#ФωФ)「おおおおお!!!」
間髪入れずロマネスクが飛び出した。
――が。
291
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:34:18 ID:40RwE7aU0
( ω )「……一人ぼっちのヒーローだから……」
(;ФωФ)(……!? 何が起きた?)
(´・ω・`)「ロマネスク、どうした?」
(;ФωФ)「い……いや、何でも無い」
(#ФωФ)「……うおおおおお!!!」
再びロマネスクが飛び出す。
――しかし。
292
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:35:04 ID:40RwE7aU0
( ^ω^)「……」
(;ФωФ)(……またッ!? 何だ! 何が起きた!
吾輩は何故『元の位置に戻っている』!!)
(;ФωФ)(この感じは知っているのである……。
何が起きているのか分からない! なぜか場所が移動している!)
(;ФωФ)「……まさか……。内藤ホライゾン、お前の能力は『時を止める能力』だな?」
( ^ω^)「YES!!!」
―――――――――――――――
――――――――――
―――――
( ^ω^)「一人ぼっちのヒーローだから」
(; ω )(一体……何が……)
(´・ω・`)「ロマネスク、どうし」
(; ω )「黙れッ! もうその台詞は聞き飽きたのであるッ!」
(; ω )(時を止める能力……本当であるか? なら、なんでショボンは『同じ台詞を繰り返す』!!
まるで……まるで、時が遡っているかのように……ッ!)
293
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:35:35 ID:40RwE7aU0
―――――――――――――――
( ^ω^)「ヒトゥリボッチノ、ヒーローダカラー!」
(; ω )「内藤ホライゾン……。これは……お前の能力か……?」
( ^ω^)「おっ! やっと一歩進んだお。その問いには『NO』と答えるお」
(;ФωФ)「う、嘘だッ!」
―――――――――――――――
( ^ω^)「いい加減飽きてきた件」
(; ω )「……もう……止めてくれ……頼む……」
( ^ω^)「別にいいお。君次第だけど」
294
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:36:15 ID:40RwE7aU0
―――――――――――――――
( ^ω^)「ねぇ今どんな気持?」
(; ω )「……もう……止め」
―――――――――――――――
( ^ω^)「ね ぇ 今 ど ん な 気 持 ? 」
(; ω )「頼む殺してくれ!
一体何度繰り返すのであるか! こんな――」
―――――――――――――――
( ФωФ)「……」
(´・ω・`)「……? ロマネスク?」
沈黙して立ち尽くすロマネスクを見て、ショボンは軽く声をかけた。
だが返事は無い。ショボンは立ち寄り、ロマネスクの肩を軽く叩いた。
(´・ω・`)「ロマ……」
(;´・ω・`)「……ロマネスク!?」
295
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:36:58 ID:40RwE7aU0
軽く叩いたロマネスクの体が崩れ落ち、驚愕したショボンは声を荒げてロマネスクの名前を叫んだ。
咄嗟に地面に伏せたロマネスクの頭を抱え上げ、口から溢れ出る血液を見て、彼は背筋を凍らせた。
( ω )「ショボン、逃げ……」
(;´・ω・`)「な、なんで舌を噛み切ったんだよ! おい、ロマネスク!」
もうショボンの声は届かなかった。口から血が大量に流れ落ち、地面には血の池が出来上がってしまっている。
必死に体を揺らして反応を確認するが、二度とロマネスクの体が動く事は無かった。
( ^ω^)「あー。なんか死んじゃったね。オイラ何にもしてないのに」
(;´・ω・`)(何でだ? 何でいきなりロマネスクが……自殺した!?)
( ^ω^)「……でさぁ、ショボン君。君はオイラと――」
≪戦うの?≫
296
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:37:41 ID:40RwE7aU0
( ^ω^)「いや、ほら。別にショボン君が通してくれるのなら、オイラは何もしないお」
(;´・ω・`)「……じゃあ、ロマネスクには何かをしたんだね?」
( ^ω^)「ショボン君も見てたはずだお。
ロマネスク君が、勝手に、舌を噛み切った。それだけの事だお」
(;´・ω・`)(いや……こいつの能力で間違い無い。だが、まだ会って数分!
こんな短時間でロマネスクを自殺に追い込める程、コイツのステータスは高くない!)
(;´・ω・`)(ましてや、プライドの高いロマネスクを自殺させた相手だぞ!?
僕が相手して……勝てる訳が無い!)
( ^ω^)「戦うの? 戦わないの? さぁ、どっち!」
(;´・ω・`)(……ああ! 今すぐお前を殺してやりたいさ! でも、僕じゃ倒せない!
モナーの言う通りだった……何を仕出かすか……いや、『何を仕出かしたのか』すら分からない!)
ショボンは握りしめた拳を解き、力無く答える。
(;´ ω `)「……僕は……僕は……! ……戦わない……ッ」
(*^ω^)「まぁ! 優しいお兄さんね! それじゃ遠慮無く――」
身を震わせるショボンの横をスキップで通り抜け、ブーンは次の部屋への扉を開けた。
297
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:38:26 ID:40RwE7aU0
――――――――――
( ^ω^)「やぁ!」
(-_-)「……」
(;^ω^)「えっと……」
(;^ω^)(二回目かよォォォォ!!!!)
最後の空間。第四ステージ『砂漠』
日が燦々と照る灼熱地帯。岩場が疎らにあるだけで、日陰になる所は少ない。
先程のロマネスクの異変を映像で確認していたヒッキーだが、相手の能力が一切不明な為、大きく距離を取ってブーンを見据えている。
(-_-)(さっきの様子を見る限り、コイツは何もしていない。
突然ロマネスクが舌を噛み切ったようにしか見えなかったが……)
298
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:39:03 ID:40RwE7aU0
(-_-)「ねぇ」
( ;ω;)「……なんだお。さっき無視したくせに」
(-_-)「僕の能力教えるから、君の能力教えてくれないかな?」
( ^ω^)「オイラの能力は時を止める能力だお」
(-_-)「嘘だ」
( ^ω^)「じゃあゴムゴムの実の能力者だお」
(-_-)「それも嘘だ」
( ^ω^)「ならば時を巻き戻す能力だお」
(-_-)「……そう」
( ^ω^)「残念、嘘だお」
言葉の小競り合いがしばらく続き、お互いに飽き始めた所でヒッキーが呟く。
(-_-)「……あんまり、気持ちの良い戦いは出来なさそうだ」
(-_-)「『……あ、君の肩にハエが止まってるよ。今取ってあげる』」
( ^ω^)「サンキュー」
299
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:39:34 ID:40RwE7aU0
(; ω )「……おっ?」
ブーンの体に突き刺さったのは、無数の螺子。
重箱の隅をほじくるが如く、螺子は絶えずブーンの体を貫いた。
(; ω )「ぐあああああああああ!!!!!!」
螺子の勢いに押されてブーンは後ずさる。
(-_-)「『ごめんね、手が凄いブレちゃって。
大丈夫、君が死んでもハエは死なないから』」
――だが。
300
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:40:16 ID:40RwE7aU0
( ^ω^)「サンキュー」
ヒッキーの景色は一変。ブーンは全快し、先程と同じ台詞を繰り返した。
(-_-)「『……今、何をしたのかな』」
( ^ω^)「え? 何、聞こえなーい」
(-_-)「『面白いアブノーマル……いや、これはマイナスかな?』」
( ^ω^)「括弧つけるの疲れない? 脳髄グシャー」
(-_-)「『まるで……時間が巻き戻ったみたいだ。ロマネスクも、こうやって心を折ったのかい?』」
( ^ω^)「NO! アイツは小枝派の暗部に消された」
(-_-)「『え? 僕はマーブルチョコ派なんだけど……君は?』」
( ^ω^)「どう考えても、たけのこ以外に選択肢が無い」
(-_-)「『……うん。悪いけど戦争勃発だね。
たけのこ派の奴は八つ裂きにするって、婆ちゃんと約束したから――』」
301
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:41:02 ID:40RwE7aU0
( _ )「――『大嘘憑き【オールフィクション】』」
ヒッキーは両手に特大の螺子を持ちブーンに跳びかかる。
瞬く間にブーンの体を螺子が埋め尽くし、彼は滝の様に流れ出る自身の血液を見て――
( ^ω^)「やべー。死んじゃう、死んじゃうわー」
何の感慨も無く死を迎えた。
――――――――――
―――――
――
( ^ω^)「いやぁ、さっきのはグロかった! まぁオイラの人生では100位圏外だけど!」
(-_-)「『うん。今、ポルナレフが居たら最高に楽しいだろうね』」
(-_-)「『何が起きてるのか、僕にはさっぱり理解できないよ』」
302
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:41:40 ID:40RwE7aU0
でも。
ヒッキーはそう呟き『大嘘憑き』を解除した。
(-_-)「君、大して強くないね。自分から攻撃するタイプじゃなさそうだ」
( ^ω^)「え? 別に攻撃出来るけど?」
(-_-)「それも嘘だ」
( ^ω^)「やだなぁ。オイラが本気を出すと人類がヤバいからしないだけだお」
(-_-)「ま、別に何度時間が巻き戻ろうと関係無いね。
僕はここで君を足止めできればそれで……」
ヒッキーは言葉を止めた。――いや、言葉が出なくなってしまった。
彼は突然辺りをキョロキョロ見回し、自分の両手を物珍しそうに見つめ、ふと、挙動不審に言った。
(;-_-)「……ええと、ここは……いや、これは、どういう事……?」
( ^ω^)「どういう事って……自分が一番よく分かるはず……。
おっと、分からないおね。スンマセンスンマセン」
303
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:41:57 ID:40RwE7aU0
( ^ω^)「簡単に言うと、『君の思考を停止させた』」
304
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:42:59 ID:40RwE7aU0
(;-_-)「えっと……」
(; _ )(思考? 思考って何だ? いや、そもそも何って何なんだ?
食べ物? 乗り物? あれ? 何にも分からない――)
( ^ω^)「ねぇねぇ」
(;-_-)「……」
ブーンは膝を曲げ、荒野の地面に簡単な算数の問題を書いた。
( ^ω^)「これが解けたら、オイラの負けでいいお」
1+1=。
それだけの、簡単な、ものの1秒で解ける問題だ。
だが。
(; _ )「……ッ! なんなんだよ! こんなの、ただの棒の絵じゃないか!
大体、解くって何の事だよ! 僕は一体何を溶けばいいのさ!」
ヒッキーは錯乱し、まるで子供の様に癇癪を起した。
それを微笑みながら見つめるブーンはヒッキーの傍に寄り、優しい口調で声をかけた。
( ^ω^)「じゃ、オイラの真似をするんだお。それが出来たら、オイラの負け……。
……って、もう勝ち負けとかどうでもよさそうだお」
(; _ )「クソ……言葉が……言葉? 言葉って何だったっけ……」
( ^ω^)「はいはい、オイラの真似をしましょうねー。オイラの口をよく見てー」
ブーンは舌を伸ばし、それを歯で軽く噛んで見せた。
不気味な笑みでヒッキーを見つめるブーンは、そっと言葉を付け足した。
305
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:45:58 ID:40RwE7aU0
( ^ω^)「お前、もう死んだ方がいいよ」
(; _ )「うあ……あ……うわっ……!」
ブチン。ヒッキーの口内から鮮血が溢れ出る。
がくがくと膝を揺らしながら崩れ落ちるその姿は、ブーンから見れば滑稽そのものだった。
ものの数秒でヒッキーは動かなくなり、血の気のない表情となった。
( ^ω^)「ヨーソロー! オイラの勝ちだお」
能力の片鱗も見せぬまま、ブーンは更に次の部屋へと進んだ。
306
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:46:49 ID:40RwE7aU0
从 ゚∀从「お、次の敵かい」
| ^o^ |「つぎも われわれが たおすのです うひひ」
( ^ω^)「やぁ」
ブーンは高原に現れた。
全ての部屋でタイマーズを倒さなければ先にすすめない。扉の仕組みから、ブーンはそう推測した。
( ^ω^)「……そこにある、穴だらけの女の子なんだけどさ……」
(* ∀ )
从 ゚∀从「あぁ、悪いな。殺しちまった」
( ^ω^)「あっそ。じゃあお前ら死ね」
从 ∀从 「えっ」 | o |
間髪入れず、二人は心臓を握りしめられる様な感覚に襲われた。
胸を押さえて数秒悶え、泡を吹き、白目を剥き出しにして地面に倒れる。
( ^ω^)「……」
遭遇から僅か十秒。
二人の心臓は完全に鼓動を止めた。
( ^ω^)「ヨーソロー! 二連勝! つー、お前の敵は打ち取ったお!」
ブーンは更に足を進めた。
307
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:47:24 ID:40RwE7aU0
――――――――――
時は少し遡り、タンクローリーがモナーとネーノを押し潰す寸前から。
(; ー )「……ハッ……フゥ……」
(#`ー´)「――完全阻止【インターセプター】!」
完全阻止【インターセプター】。その名の通り、発動すればネーノに『至る』物は無い。
弾丸だろうが電撃だろうがミサイルだろうが、ネーノが『害』と判断した物は全て等しく排除される。
全方位への完全防御バリア。それが完全阻止、インターセプター。
インターセプターは二か所までなら複数展開が可能。
時間制限はあるが、展開さえすれば『滅多な事が無い限り』解除される事は無い。
ネーノは咄嗟にモナーの周囲にバリアを展開。タンクローリーの落下に備えた――
――――――――――
308
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:48:22 ID:40RwE7aU0
lw´‐ _‐ノv「……ありゃりゃ。生きてるとは何事か」
(#`ー´)「俺の能力を甘く見るんじゃネーノ! 誰が相手だろうと、俺に触れる事は不可能!
テメーは詰めを甘くし過ぎた! 悪いが倒させてもらうんじゃネーノ!」
(;´∀`)「ネーノありがとう……助かった……」
( `ー´)「こいつの相手は俺がやるんじゃネーノ。お前はドクオの方をを頼んだ」
( ´∀`)「あぁ、そっちは頼んだぞ!」
背を向け、モナーはその場から走り去る。
それを見送ったネーノは視線を戻し、両頬を叩いて気合いを入れた。
シュールの能力は市街地において、ネーノを圧倒する力を持っている。
ネーノはそれを覚悟し、ギュッと拳を握りしめる。
lw´‐ _‐ノv(ふむ……、粘着キリギリスが解除されたって事は……)
lw´‐ _‐ノv「つーの奴は死んだか……。シューちゃん残念」
( `ー´)「……裏切りとは、随分と洒落た事をしてくれるんじゃネーノ?」
lw´‐ _‐ノv「ネーノも中々だけどね。『ここは俺に任せて、お前は行け!』
……マンガだったら最高の見せ場じゃない?」
( `ー´)「なら、見せ場を作らせてもらおうじゃネーノ!」
ネーノは駆け出し、シュールとの距離を詰めに入った。
( `ー´)(俺のインターセプターの範囲内でテメーは『害』!
さっさと排除させてもらうんじゃネーノ!)
lw´‐ _‐ノv「……あ、そこ風船だから気をつけ――」
309
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:49:17 ID:40RwE7aU0
ぐにゃり。勢い良く踏みつけた道路が、ネーノの足を飲み込んだ。
そして、『道路は破裂した』
瞬間、地雷を踏んだかの様な音が鳴り響き、二人の立っていた道路は空中に四散した。
足場を失った二人は下水道へと落下し、各々の能力で難なく着地。
ネーノは下水に足を浸しながらも、更にシュールへと詰め寄っていった。
(;`ー´)「ッ! 道路を風船したのは正直驚いたが、これで終わりなんじゃネーノ!」
lw´‐ _‐ノv「……ごめんね」
(#`ー´)「うおおおおおお!」
空中に四散した道路の破片は能力を解除され、元に戻る。
それは重力に従い、どこに落ちるのか……答えは明白だった。
迫る、何十トンものコンクリートの塊。それに気づく間もなく――
( `ー´)(これで俺の勝ち――)
ネーノとシュールは瓦礫に埋もれ、肉塊となって絶命した。
310
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:50:06 ID:40RwE7aU0
――――――――――
( ^ω^)「やぁ」
崩壊した道路から下水道に顔を出し、ブーンは二人に声をかけた。
もちろん、返事は無い。
瓦礫から飛び出たシュールの腕を一瞥し、ブーンはその場を立ち去った。
( ^ω^)「ま、使い捨てにしては良くやった方だお」
( ^ω^)「……お? 銃声……ドクオだお」
遠方から銃声が響いた。
それがドクオの物である事を分かっていたブーンは、音の発信源であるビルの屋上目指して走り始めた。
――――――――――
311
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:51:35 ID:40RwE7aU0
('A`)「やぁ、ようこそ(ry」
( ^ω^)「お前もか」
屋上に居たのは無傷のドクオと血塗れのモナー。
モナーは銃弾を急所に食らい、既に息をするのも辛い状態にある。
フェンスにもたれかかる彼は眩む視線を上げ、無邪気にじゃれる二人を睨みつけた。
(; ∀ )(……? コイツ、内藤ホライゾンか……!
と言う事は、ロマネスク達は……)
(; ∀ )(モナ……。どうやら、これは負け戦だったみたいモナ……)
('A`)「……でよう、つーはどうした?」
( ^ω^)「……殺されてたお。穴だらけになって……」
('A`)「そう……か……」
ドクオは残弾を確認した。残り一発。
拳銃を躊躇なく自分の頭に当て、ドクオは深く息を吸った。
( ^ω^)「お? 死ぬのかお?」
('A`)「当たり前だ。仲間が死ぬ戦いに意味は無い。
今度は三人一緒に、ネコも連れて一つの部屋に行こう」
('A`)「頼むぞクー。……発動」
( A )「後悔の後悔【ルック・バック】……」
312
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 21:52:12 ID:40RwE7aU0
ドクオは拳銃を頭に当て、引き金を――
(; ∀ )(確かにこれは負け戦……。得る物なんて一切ない! だが……)
(; ∀`)「ただで負ける訳にはいかねぇモナ……!」
「ドット・ハッカー……『Vol,2』……!」
――――――――――
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
第十話。終わり
313
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/11(土) 22:04:38 ID:40RwE7aU0
――――― ←これ多用しすぎ
場面変えるのを記号に頼ってちゃ駄目だな。
もうちょっと工夫して頑張ろう。
投下してから誤字に気づくとは何事か。自分の目が節穴過ぎて困る。
少し書き方を変えてみたけれど、「――」←今度はこれに頼るようになってしまった。
記号と雰囲気頼りになりつつかるから、次回は減らして描写の方に力を入れよう。
ポンポン人が死んでて酷い。
そりゃ、キャラを増やし過ぎたっていう初心者にありがちな失敗をした自分が悪いんだけど……。
以上、自己反省会。
次の投下は三日以内に出来ると思います。
それでは、感想批評誤字脱字語弊の指摘などなど、宜しくお願いします。
314
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 03:29:59 ID:L9eeYgDsO
おい三日以内じゃなかったのか
315
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/15(水) 14:52:58 ID:2EhGWvvM0
>>314
| .. ..
| : (ノ'A`)>: <ごめんなさい……
/ ̄: ( ヘヘ:: ̄
初めて行き詰ったが大丈夫。今週中に必ず書きあげてやろうではないか
無理だったら短編書いてお茶を濁します^p^
316
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 17:58:18 ID:2EhGWvvM0
「ドット・ハッカー……『Vol,2』……!」
( ^ω^)(んお、何か気持ち悪い感じが……)
ブーンはそれを強く感じる方向に顔を向けた。
その視線の先には、死を目前にしてもなお、不敵に笑うモナーが居た。
まさか。
その言葉がブーンの不安を掻き立て、最悪の結果を予想させる。
振り返りドクオを制止しようと手を伸ばすが、引き金は既に動き始めていた。
(;^ω^)「……ドクオ、ちょっと待てお……!」
(;^ω^)「今のお前! まさかッ!」
(#'A`)「いっけぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
(;^ω^)「時をかける事が出来な……!」
聞く耳持たず、ドクオは引き金をぐっと引く。
同時に破裂音が市街地を駆け抜け、ドクオの頭は弾け飛んだ。
(;^ω^)「やっぱり! 『能力が無効化』されてるじゃねぇか!」
(;^ω^)「ああああ!!! クッソ、人の話聞けお! ったく!」
崩れ落ちようとするドクオへと駆け寄り、ブーンは咄嗟に自身の能力を発動した。
317
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 17:59:02 ID:2EhGWvvM0
(;^ω^)「【本音素子≪ソリッド・ステイト・インテンション≫】!」
――――――――――
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです
――――――――――
318
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 18:00:08 ID:2EhGWvvM0
( _ )「……」
(-_-)「あぶなっ」
むくりと起き上がり、ヒッキーは呑気に呟いた。
噛み切った舌が地面に転がっているのを一瞥して立ち上がり、彼は内藤ホライゾンの顔を想起した。
背筋を悪寒がなぞる。
(-_-)(『大嘘憑き』の自動発動……。
自分の死を『無かった事にした』のはいいけど、残りは一回だけになっちゃったか……)
(-_-)(モナーの言う通りだった。大嘘憑きが無かったら本当に死んでたよ……)
(-_-)(戻ろう。他の迎撃メンバーもほとんどやられて――いや、死んでるだろうし)
ヒッキーは団長室へ続くゲートを出現させ、それに片足を突っ込んだ。
「おい」
声をかけられ、ヒッキーは身を翻した。
自分の目に映る人物を見て沈黙。ようやく口を開け、彼はその人に声をかけた。
(-_-)「……こうして話すのは初めてだね、兄者」
(-_-)「今からエクストの所に戻るけど、一緒に来る?」
( ´_ゝ`)「……ああ、少し話があるからな」
319
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 18:00:53 ID:2EhGWvvM0
(-_-)(……不確定要素の登場……。
どうやら、この戦いは不確定要素をより上手く扱えた方の勝ちみたいだね)
(-_-)「いや、やっぱり僕は内藤を追うよ。君だけが行ってくれ」
( ´_ゝ`)「……なら俺の仲間を手伝ってやってくれ。ありがとな」
兄者を見送ったヒッキーは内藤の後を追うべく、市街地へと続く扉に手をかけた。
(-_-)(残る二つの不確定要素……。それをプロデュースするのは僕だ)
(;-_-)(……ああ、やっぱアニメの見過ぎかな。思考回路が完全にカズンドさんだ……)
( '∀')「ん? 君は誰かな?」
押し開けた扉の先で、二人は目を合わせた。
320
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 18:01:47 ID:2EhGWvvM0
――――――――――
( ´_ゝ`)「……」
植物園の様な雰囲気は相変わらずだった。
しかし噴水の周りに居る二人は上の空で、どこか気の抜けた様子だ。
<_プー゚)フ 「……あぁ、兄者。てっきり死んだかと思ったよ」
( ´_ゝ`)「戦況は? って言いたくなるが、劣勢極まりないだろうな」
/ ,' 3「ヒッキーとショボン以外全滅じゃよ。内藤ホライゾン相手にな」
( ´_ゝ`)「……エクスト、お前は内藤ホライゾンを知ってるだろ?
『B』の少年、ブーンと言う名で」
唐突に兄者が言い放った。
<_プー゚)フ (……ブーン……?)
じんわり、とエクストの心にその名前が沁みた。
エクストは頭の中で反芻し、記憶の中をまさぐる。
分からない。
彼は疑問符を浮かべて兄者に聞いた。
<_プー゚)フ 「……一体誰の事だい?」
321
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 18:02:36 ID:2EhGWvvM0
( ´_ゝ`)「知らない振りか。じゃあ聞くぞ、『E』の少年エクスト」
( ´_ゝ`)「これは、何の為の戦いだ? ……事情は全て聞いた。タイマーズプロジェクトとかって言うのもな。
フォックスが本当の敵じゃないのか? Gとは戦う必要無いんじゃないのか?」
<_プー゚)フ 「えっと……、わけがわからないよ。兄者、少し落ち着いたらどうだい?」
(#´_ゝ`)「お前……!」
早足でエクストに近づき胸倉を掴み上げ、兄者は続けた。
(#´_ゝ`)「テメェのビビり癖を理由に戦ってる訳無いよなァ!
Gが怖くて仲間を集めてフルボッコ作戦か! たかが知れるぞクソッたれ!」
<_プー゚)フ 「落ち着けって言っているだろう? それに、僕には君の言っている事が何一つ分からない」
<_フー )フ 「……離してくれないかな。一応気が立っているんだ」
/ ,' 3「エクストは何も覚えてはおらんよ」
殺気立つ二人の間に荒巻が立ち入った。
拍子に兄者はエクストの胸倉を手を離し、ばつが悪そうに荒巻を睨みつける。
322
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 18:02:59 ID:2EhGWvvM0
( ´_ゝ`)「アンタ……確かマックの店長だったか。何でここに?」
/ ,' 3「なぁに、『A』の少年として当然じゃよ。もっとも、見た目はジジイじゃがの……」
/ ,' 3「エクストを離してやってくれ。質問にはワシが答える――」
/ ,' 3「もっとも、ワシも多くの事は覚えとらんがの」
荒巻は低く笑い、手招きをして兄者を噴水の前に立たせた。
噴水に映っているのはブーンとドクオの二人。
ビルの屋上の様子をヘリで撮影しているような映像だ。
/ ,' 3「エクスト、少し休め。お前も気疲れしてるじゃろう」
<_プー゚)フ 「でも……」
/ ,' 3「団員の様子を見るのも、団長の仕事じゃよ」
不機嫌そうに荒巻を一瞥し、エクストは団長室から出て行った。
それを見送り、荒巻は映像を見ながら話し始めた。
/ ,' 3「さて、どこから話そうかのう……」
――――――――――――――――――――
323
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 18:04:04 ID:2EhGWvvM0
('A`)「……んお? 生きてる……?」
(;^ω^)「あっぶねぇ……。ドクオ、もうちょっと人の話聞けお!
あの男がドクオに何か仕込んでたの、気付かなかったのかお!?」
ブーンは言い切り、フェンスにもたれるモナーを指差した。
既にモナーに息は無いが、薄らと笑みを浮かべている。
( ^ω^)「……ほら、クーを見てみろお」
('A`)「……クーの体が消え始めている……?」
( ^ω^)「これもアイツの能力だと思うお。多分、『能力を無効化する』感じの。
――いや、もしかしたら『幻体を破壊する』能力かもしれないお」
('A`)「……まさかな。すまん、お前が居なかったら普通に自殺してたわ」
(;^ω^)「消え始めてるって事は、最後には完全に消滅するってことだお。
……早めに対抗策を考えないと取り返しがつかなくなるお」
('A`)「……いや、後回しでいい。とにかくビルを出ようぜ。ここじゃ敵が来たら狙い撃ちされる」
ビルを後にし、二人は適当に歩きながら情報をまとめた。
市街地とはいえ人工。無人の街は、いささか不気味だ。
('A`)「まず一つ。俺の能力によるリセットは不可能になった」
( ^ω^)「後でGに頼めばドクオの能力も復活すると思うお。
ドクオなら死んでも復活させられるし問題無い。存分に死ね」
('A`)「俺のアイデンティティが自殺である時点で疑問視するべきだった」
324
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 18:05:22 ID:2EhGWvvM0
('A`)「……次に俺達の戦力。使える奴はブーンだけだ。
Gは行方不明、つーは死亡、俺は無能、ネコは未だ帰らず……」
( ^ω^)「あ、ネコは大丈夫だお。野暮用で残っただけだから」
('A`)(……あ、死にたい。俺ぼっち全開だった死にたい)
( ^ω^)「で、面倒なのはこの空間の仕組みだお」
( ^ω^)「相手を全滅させないと先に進めないらしいお」
('A`)「って事は、残る一部屋に誰か居るのか」
( ^ω^)「いや、その部屋の奴はオイラが制圧したお。
多分どっかの部屋に新しく入ってきた奴が居る筈……」
流石兄者。その名前が二人の脳裏をよぎった。
( ^ω^)「ま、余裕だろ」
('A`)「おう、頼んだぜ」
('A`)「……ん?」
足元にふと、影が現れた。
('A`)「なんぞ?」
そう言い、ドクオが見上げると。
325
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 18:10:23 ID:2EhGWvvM0
(#'∀')「ウラァァァァァ!!!」
ガナーが鬼の形相で落下し迫ってきていた。
(;'A`)「な、なんだァ!?」
(;^ω^)「あいつ! もう追いついたのかお!」
(#'∀')「狂人の第六感【バーサーカーズ・ワールド】!!」
(;^ω^)「なんッ……! ドクオすまん!」
ヤバい。
そう直感したブーンはドクオを思い切り突き飛ばした。
(#'∀')「内藤、お前だけは逃がさないッ!」
次の瞬間、落下するガナーの背後から広がる異空間がブーンを飲み込み消滅。
突き飛ばされたドクオはすぐに飛び起き、姿を消したブーンを探して辺りを見回した。
狼狽していたドクオはガナーの足音で我に返り、達成感を滲ませた笑顔のガナーと目を合わせる。
(;'A`)「ちくしょう……おいテメェ! ブーンをどこにやりやがった!」
( '∀')「ブーンは……粉微塵になって消えた……」
(;'A`)「なんだと!?」
326
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 18:10:53 ID:2EhGWvvM0
( '∀')「ってのは冗談さ。内藤は僕の能力で異空間に飛ばしたよ」
(;'A`)(どうする? ブーンが居なければ俺はカス以下だ……。
醸し出す雰囲気で分かる……コイツは、最後の『短針』だ。勝てん普通に死ぬ)
('A`)「……よし」
('A`;)「逃げるッ!」
(;'∀')「あっ! 待てッ!」
思考時間およそ十秒。
仲間を捨て保身に走ったドクオは、再び路地に身を潜めた。
('A`)(チキンでしょうか? いいえ、誰でも)
――――――――――
327
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 18:11:48 ID:2EhGWvvM0
(; ω )「う、うーん……」
(;゚ω゚)「はっ!」
( ^ω^)「……」
(;^ω^)(……うわぁ……嫌な感じの場所に連れて来られたお……)
廃墟。
今にも崩落しそうなその場所でブーンは目覚めた。
(;^ω^)(なんだお……学校? 古い旧校舎って感じだお……)
(;^ω^)(外は真っ暗だし、窓も開かない。
っていうか、まるで外っていう概念が無いみたいだお……)
所々床の抜けた教室を出て廊下に出る。
ブーンは廊下の窓から改めて外を覗くが、暗黒色が全てを飲み込んでいた。
薄暗い廊下。点滅する電灯の下を歩き、ブーンは脱出の糸口を探そうと周囲に気を張り巡らせた。
( ^ω^)(あー。なんか、こんな感じのゲームあった希ガス)
カタッ。
通り過ぎようとした教室の中から、物音が聞こえた。
ブーンは振り返り、教室の扉をじっと見つめた。
カタッ。
(;^ω^)(うわぁ。これ絶対フラグじゃん……。
中に入って幽霊出現、伏線喋って消滅。目を凝らして見ると奥にキーアイテムっていう、よくあるパターンの……)
328
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 18:13:22 ID:2EhGWvvM0
――いや、ちょっと待て。
自分の思考にツッコミを入れ、もう一度考え直した。
( ^ω^)(もし、これがゲームの世界だったら……。オイラはこれをクリアしないと脱出出来ないんじゃないかお?)
( ^ω^)(可能性は否定出来ないお。とりあえず地雷は踏む、それがオイラのルールだお)
彼は扉の取っ手を掴み、意気揚々とそれを横にスライドさせた。
( ^ω^)「おなしゃーす! 転校生の自縛霊でぇ〜っす!」
(<●><●>)
( ^ω^)(うわぁ配役超ベタ……シナリオライター誰だよ)
教室に一歩踏み入り、宙に浮く少年に近付くとブーンの体は硬直し、動かなくなった。
すると扉が閉められ、教室は完全な密室と化した。
(;^ω^)「なっ、なんだお!? 体が動かないお!」
( ^ω^)(早くイベント終われよ。今更こんなシチュにビビる様なプレイヤー居ねぇって。
ま、ビビらないと面白くないから芝居はしてやるけどな)
(<●><●>)「キミ……ウ…エ……カエン……シタ……バケモノ……」
(<●><●>)「……モウ……」
(<◎><◎>)「 ニ ゲ ラ レ ナ イ 」
(;^ω^)「な、何を言ってるんだお!」
329
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 18:13:55 ID:2EhGWvvM0
( ^ω^)(あるある。適当に言葉区切って間を開ければ怖いと思ってる奴。
もう無理なんだよね、そういうの。時代錯誤もいい加減にしろって感じだお)
(<●><●>)
( ^ω^)(いやいや、話終わったなら消えろよ。
あ? 次のテキストの読み込み中か? なうろーでぃんぐか?)
(<●><●>)
( ^ω^)(うわやべぇ気持ち悪い。赤さん見てる気分だ)
(<●><●>)
( ^ω^)(……あ、もしかして……)
(;^ω^)(……行き止まり?)
330
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 18:15:13 ID:2EhGWvvM0
絶対に踏んではいけない地雷が一つある。
それを踏めばマップに閉じ込められ、前回のセーブポイントからやり直さない限り復帰出来なくなる。
地雷を踏んだプレイヤーは舌打ちしながらゲーム機をリセットする破目になる。
――しかし、ブーンはリセットボタンなど持ち合わせていない。
( ^ω^)(やべぇどうしよう。我が生涯において最大の難関だぞ。
ゲーム相手に能力とか使えないし……あれ、俺詰んでる?)
間もなく宙に浮く少年は霧の様に四散し、同時にブーンの体も自由になった。
ブーンは若干の焦りと共に扉へ近づき、開けようとするが。
(;^ω^)(……あ、はい。案の定ですね)
開かなかった。
それは後ろの扉も一緒の事で、窓も先ほど確認した通り、開かない。
廃れた教室で一人、ブーンはふと呟いた。
( ^ω^)「……ぬるぽ」
331
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 18:15:29 ID:2EhGWvvM0
ガッ。
不意に床から伸びた腕が、ブーンの足首を握り締めた。
――――――――――
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
第十一話。前編おわり
332
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 18:23:55 ID:2EhGWvvM0
なんだろう。これが倦怠期、賢者モードというやつか。
創作意欲が削られていく。やばい。二部とか言ってる場合じゃないぞこりゃ。
後編は完全に違う作品になりそう。
コープスパーティーの体験版で挫けた俺に何が書けるんだよ……。
333
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 20:55:20 ID:TZ.NopD.0
頑張れ、続き楽しみにしてるから。
334
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/15(水) 21:11:49 ID:L9eeYgDsO
>>315
首を長くして待ってたぞ乙!
賢者モードでも倦怠期でも構わないんだが、続きを待ってるファンがいる事を忘れないでくれ
335
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/15(水) 22:47:19 ID:2EhGWvvM0
. . ∞
(ノ'A`)ノ
( )
, , , , / >
336
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/16(木) 01:21:18 ID:GRLmop3g0
AAだけで何やってんだ
>>333
sage投下なのに読者が居て嬉しいお
文才は頑張って養うので、どうか見守って下さい
>>334
長い首って良いですよね。四列同時に消せそうで。
俺、迷走はするけど逃走はしないぜ(キリッ
337
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/16(木) 05:23:12 ID:nN7qd3tUO
>>336
テトリスか?
それはよかった
安心して待てるし、寝られるわ
338
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/17(金) 23:27:18 ID:or1kcxUc0
『流石の麻雀 〜麻雀兄弟覚醒編〜』みたいなのを書いてるから遅れるんだよな
しかし、弟者のドラ爆返しは書いてて楽しかった。
後編書けました。明日早起き出来たら投下します
339
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/18(土) 22:29:06 ID:xwXEAggs0
( ^ω^)「……なんか、足首が痛いお」
ブーンは座り込んでズボンを捲り、足首の様子を確認した。
( ^ω^)「……」
掌の跡が足首を一周。痛々しく腫れ上がっていた。
こめかみを伝い、汗が顎から滴り落ちる。
(;^ω^)(……柄でもねぇお……)
ブーンは汗を拭い取り、再び扉の前まで歩み寄った。
(;^ω^)(……詰みルートならイベントは起きないお。
なのに、オイラの体に異常があったって事は……)
二度と開かないと思われた扉に手を掛け、ぐっと力を入れた。
―――――――――――――――
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです。
―――――――――――――――
340
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/18(土) 22:29:41 ID:xwXEAggs0
(;^ω^)「……ふぅ」
扉は難なく開き、ブーンは安堵して廊下に出た。
左右に続く廊下を一瞥。どちらへ行こうか悩み、腕を組んで唸った。
(;^ω^)(右の方は電灯が切れてて何も見えないお。
懐中電灯があるとは思わないけど、灯りが無いと不安だお)
(;^ω^)(かと言って左も左だお……。瓦礫で塞がれてて、あんまり先には進めないお)
( ^ω^)「……お?」
階段を見つけた。
下へ行けば外へ出られるかもしれない。
( ^ω^)(灯りを見つけたら戻ってくるお。
こういう暗闇ってのは、その先に必須アイテム落ちてるのが相場だお)
ブーンは軋む階段を慎重に降りていき、下の階の廊下に顔を出した。
左右を見比べてみるが、別段変な所は無い。
――廊下の先に掲示板を見つけた。
ブーンは掲示板に近づき、掲示されていたプリント――校内の地図に目を凝らす。
木造の三階建て、本館と別館がある大きな学校。
地図に書かれた年月は随分と昔のものだった。
現在地点は本館の二階。
341
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/18(土) 22:30:12 ID:xwXEAggs0
( ^ω^)(……今後、使えるかもしれないお)
ブーンは掲示板から地図を取り、小さく畳んでポケットに仕舞った。
階段に戻り、再び慎重に降りはじめる。
(;^ω^)(……この臭い……)
階段の踊り場に降り立った瞬間、鼻を突き刺す様な臭いが漂ってきた。
凡庸な表現をするなら、『鉄の臭い』。
(;^ω^)(ま、まぁ。ホラーゲームならグロ展開の一つや二つ、あるに決まってるお。
こういう場合、仲間とかが惨殺されて……)
『 ('A`) 』
(;^ω^)「……まさか、だお。オイラが突き飛ばして逃がした筈だお……」
342
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/18(土) 22:34:02 ID:xwXEAggs0
不安を胸に、ブーンは踊り場を進んだ。
そして、視界の片隅に一階の様子が入り込む。
『点滅する電灯』。
『照らし出された異物』。
(;゚ω゚)「あ……あぁ……お……?」
不安は的中した。
階段を降り切った場所に、意図的に置かれた様にして血肉が積み上げられていた。
『誰かの血肉』。
砂場で山を作る様に、それは積まれている。
形を成しておらず、まるでミキサーに掛けた肉塊――
(;゚ω゚)「――ドクオ、かお……?」
343
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/18(土) 22:34:38 ID:xwXEAggs0
(;゚ω゚)「……い、今生き返らせてやるお!」
階段を駆け下り、彼は躊躇無く血肉の山に手を突っ込んだ。
(;゚ω゚)「【本音素子≪ソリッド・ステイト・インテンション≫】!!」
能力を発動し、更に手を押し込んでいく。
押し込み、押し込み、押し込み。
(;゚ω゚)「お……お……!」
二の腕まで押し込んだ所で、ブーンはへたり込んだ。
『両手に滴る血液、掌の肉片』。
(;゚ω゚)「おおおおおぉぉぉおお! 誰だお! ドクオを殺したのは誰だお!
オイラの能力が到達しない域で、どんな惨い殺し方をしたんだお!」
荒い呼吸で肩を上下させるブーンは目を閉じ、落ち着こうと大きく息を吐いた。
『再び鼻に突き刺さった鉄の臭い』。冷静さを失いそうになるが、唇を噛み締め平静を保つ。
344
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/18(土) 22:35:16 ID:xwXEAggs0
一拍置き、青ざめた顔で血肉を一瞥した。
(;^ω^)「……ドクオ……」
(;^ω^)「待ってろお! Gが居れば直ぐにでも復活できるお!
オイラが悪役ブッ飛ばしてくるから、そこで待っててほしいお!」
(;^ω^)(まずは脱出だお! この先に昇降口がある筈……)
意を決したブーンは地図を片手に廊下を走り、昇降口へと駆け出した。
黒煙となって消散した血肉に目も呉れず。
【+ )「……」
――自分の背後に現れた存在さえ、気付かずに。
―――――――――――――――
345
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/18(土) 22:36:20 ID:xwXEAggs0
(;^ω^)「クソ! 駄目なのかお!」
着いた矢先、その光景がブーンの出端を挫いた。
昇降口は机や椅子が大量に置かれ、鎖や南京錠まで用いて厳重に封鎖されていた。
ブッ壊してみるか。
――と考えたが、わざわざ敵が封鎖した場所なのだから開くはずがない。
幸先悪く脱出の芽を摘まれたブーンは、溜息をついて思案した。
(;^ω^)(やっぱり、特定のイベント起こさないと先に進めないのかお?
それなら探索しないと話にならないお……)
(;^ω^)(何より、危険そうなイベントは起こさないようにしないと……)
( ^ω^)(ここは一階の昇降口だから……とりあえず保健室行くかお)
昇降口からの脱出を諦め、近くにある保健室へと足を進める。
また変なイベントが起きないよう祈り、ブーンはそっと扉を開けた。
(;^ω^)「……誰か居ますかおー」
中にはベッドが二つあり、片方はカーテンで囲まれていた。
老朽化した机の上には得体の知れない薬品。隣の棚には、それと似た物が大量に陳列されていた。
(;^ω^)(オイラの感覚が告げている……。あのカーテンを開けるとイベント発生だお……)
(;^ω^)(……先に薬でも集めとくかお)
棚の前に立ち、ラベルの取れかかった薬品を見ていく。
結局、使えそうな物は包帯と奥にあったオロナインだけだった。
346
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/18(土) 22:37:08 ID:xwXEAggs0
( ^ω^)「やっぱオロナイン最強だお」
不意に、棚のガラスに映るベットを仕切るカーテンが。
『揺れた』。
( ^ ^) ω
(;^ω^)(超怖いけど……)
(;^ω^)(……行くしかねぇお!)
身を翻してベッドに接近し、ブーンはカーテンを掴んだ。
上昇する心拍数。心の中でカウントダウンし、彼は一気にカーテンを開いた。
347
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/18(土) 22:39:04 ID:xwXEAggs0
ξ;゚⊿゚)ξ「ツ、ツンデレターン!!」
(;゚ω゚)「お!?」
ブーンの視界に一瞬だけ入った少女は軽い身のこなしでブーンの背後に回った。
同時に彼の腹回りを両腕でガッチリと固定。ぐっと持ち上げ、少女は背中を大きく仰け反らせた。
ξ;゚⊿゚)ξ「ジャーマンスープレックス!!」
(; ω )「あべし!」
少女は体勢を変え、逆様になっているブーンの体を全身で固定。
一気に飛びあがり、空中でブーンの両脇に足を掛けて落下した。
ξ;゚⊿゚)ξ「ジャンピングパワーボム!!」
筋肉トライバーを彷彿とさせる体制から、少女は更に畳みかける。
うつ伏せになったブーンの背中に乗り、彼の両足を脇に挟み、思い切り捩じ曲げた。
ξ;゚⊿゚)ξ「スコーピオンデスロックゥゥゥ!!」
(;゚ω゚)「うぎゃぁぁぁぁ!! ギブギブ! ロープゥゥゥゥ!!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「え……あ、ロープなら仕方ないわね」
少女はブーンを開放して一歩下がり、挑発的にステップを踏んだ。
ξ゚⊿゚)ξ「……さ、第二ラウンドよ」
(;゚ω゚)「お前は誰と戦ってるんだお! オイラは人間だお!」
ξ;゚⊿゚)ξ「……えっ?」
後に語られる必殺技、『ツンデレスペシャル』が生まれた瞬間であった。
348
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/18(土) 22:40:04 ID:xwXEAggs0
―――――――――――――――
誤解の原因は血まみれの両腕だった。
それを見て、ツンはブーンに襲いかかって来たらしい。
ブーンは保健室のアルコールと布で両腕の血を拭い取り、一息ついて話し始めた。
( ^ω^)「……で、気づいたら保健室のベッドで寝ていたと……」
ξ゚⊿゚)ξ「その通り。言ってないのに何で分かったの?」
( ^ω^)(ツンは所謂NPC、サポートキャラだお。見慣れた展開だけどやっぱ安心するお……)
ξ゚⊿゚)ξ「私の事はツンと呼んでいいわ。仲良くしましょうね」
(*^ω^)「可愛いおにゃのこktkr! 君と一緒にベッドインだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「……起きたばっかりで状況が分からないの。教えてくれる?」
(;^ω^)(……このツンはスルースキルが強すぎるお)
いつものボケをスルーされたブーンは事の次第を明確にツンに伝えた。
自分の方針や校内の地図もツンに提供し、脱出まで一緒に居てほしい旨を告げる。
ξ;゚⊿゚)ξ「……あんまり好ましくない状況なのは分かったわ。
窓とか開かないの? 昇降口とかは」
ブーンは首を横に振る。
349
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/18(土) 22:40:49 ID:xwXEAggs0
ξ;゚⊿゚)ξ「そう……。じゃあ、何か灯りになる物は?」
(;^ω^)「オイラが探索を始めたのはさっきだお。地図以外に役に立ちそうな物は何も……」
ξ゚⊿゚)ξ「そうねぇ……」
ξ゚⊿゚)ξ「……理科室なら……」
ツンが地図上の理科室を指差した。
ξ゚⊿゚)ξ「理科室なら火ぐらい起こせるわ。
ロウソクとかあれば上出来、武器になる物もあるかもしれないし」
ξ゚⊿゚)ξ「その包帯とオロナインは私が持つわ。行きましょう」
(*^ω^)「お゛お゛ん゛! ま゛って゛ほ゛し゛い゛に゛ゃあ゛!」
―――――――――――――――
理科室は二階の一番奥にある。
さっきのとは別の階段を使って二階へ上がり、少し歩いて理科室に到着。
ツンが理科室へ入り電灯のスイッチを押すと、意外にも全ての電灯が点いた。
眩しい位の明るさの元、二人は手分けして使えそうな物を集めた。
350
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/18(土) 22:41:55 ID:xwXEAggs0
( ^ω^)(電灯が点くって事は電気が通っている証拠だお。
切れかけてるのもあるけど、理科室のは全部点いた……)
ξ゚⊿゚)ξ「……この学校、誰か居るわね」
(;^ω^)「おぶふぅ! いきなり背後に立つな! 決闘申し込むぞ!」
ξ゚⊿゚)ξ「はいこれ。ランタンとロウソクよ」
( ^ω^)「……お。マッチもあったお」
ランタンを一つ貰い、ブーンはその中にロウソクをセットした。
ξ゚⊿゚)ξ「……残るは……」
ツンはそう言い、黒板の隣にある扉に視線を向けた。
理科準備室。
( ^ω^)(あ、これはイベント発生の臭いだお)
ξ;゚⊿゚)ξ「……アンタ行く?」
(;^ω^)「いやいや! ツンが先に見つけたんだから遠慮するお!」
ξ;゚⊿゚)ξ「男なら女を庇って先に行くべきよ! ほら、さっさと行くの!」
ブーンはツンに背中を押され、仕方無しに扉の前で立ち竦んだ。
この扉の先が理化準備室だと思うと、一気に血の気が引いていく。
351
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/18(土) 22:42:46 ID:xwXEAggs0
(;^ω^)「……開けるお」
音を立てて唾を飲み込み、ブーンは扉をそっと開けた。
――真っ暗で何も見えない。
ξ;゚⊿゚)ξ「ほら、スイッチ探して。電気点けなきゃ何も見えないわ」
ブーンは近くの壁を探り、スイッチを探す。
(;^ω^)(あぁ、すんごい嫌な予感……)
(;^ω^)(こういう展開って、壁に血で字が書かれてたりするんだお……。
人体模型が本物の人間で作られてたり……)
スイッチを見つけ、ブーンはそれをぐっと押した。
電灯が点滅しながら点き、理科準備室の様子が鮮明になっていく。
352
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/18(土) 22:45:51 ID:xwXEAggs0
( ω )「……」
ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン?」
ブーンの様子が変だ。
部屋に中はどうなっているのだろうか?
ツンは背伸びし、ブーンの肩越しに部屋を覗いた。
ξ゚⊿゚)ξ「……え……」
ツンは絶句した。
思わず後ずさり、胃から込み上げる物を必死に抑え込む。
(; ω )「あ……あ……!」
(;゚ω゚)「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁ!!」
ξ; ⊿ )ξ「え? 何なの……何なのあれ……!」
『壁一面に赤で書かれた文章』。
それの近くに置かれた、人体模型――
――人体模型と化した『ドクオ』。
―――――――――――――――
( ´_ゝ`)兄者は誰かの為に戦うようです
第十一話。後編おわり
353
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/18(土) 22:57:13 ID:xwXEAggs0
結局早起き出来なかった。いつも通りですね。
十二話の展開に凄く悩んでいる。どうしてこうなった。
処女作っていう言い訳をするなら、多様な展開は今後の作品に流用出来るから問題無い。
ちょいと次回は間を置いて投下します。
ノルマは十二話+短編二つ。頑張るお
354
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/22(水) 00:07:26 ID:YV0JnxaM0
以下チラ裏
イエーイみんな見てる?
きっと「ブーン系のミサワ」並には見てくれてる筈だ。
短編書いてたら「あれ? こっちの方が面白くね?」っていう錯覚に陥った
現行をつまらなくしたのは俺なのに鬱だ死のう
十二話っ……絶望的迷走っ……!
迫るっ……! 打ち切り……逃走……放置っ……!
……必ず完結してみせる……!
355
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/22(水) 14:27:35 ID:sElR4u4YO
完結はかクオリティの高い打ち切りをたのむ
356
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/22(水) 14:27:44 ID:sElR4u4YO
完結かクオリティの高い打ち切りをたのむ
357
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/22(水) 21:58:21 ID:YV0JnxaM0
よっしゃ打ち切り任せろ
>>1
の次回作にご期待下さい^p^
358
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/06/25(土) 23:56:03 ID:B/gmgnis0
敷居を見抜けなかったのは見抜けなかった人間の敗北なのです
わたしはね、創作とは人間関係と同じ……取捨選択の関係だと考えています
書けない作者の敗北なのですよ
しかしわたしは読者のために書きに来たのではないッ!
生まれついての妄想好きだから書きに来たのだッ!
さぁ! 書ける(コール)か! 書けない(ドロップ)のか!
ハッキリ言葉に出して言ってもらおうッ!
……ハッキリ言えば『書けない(ドロップ)』だ……
正直言ってブーン系を嘗めてたぜ……普通の短編を書くより数段難しいって事を今悟った……
だがゲームはまだ終わっちゃあいねぇ
残る5ゲーム……その内の四回……俺はドロップするぜ……
5ゲーム目だ……テメーのその『蟻の巣を棒でつつく様な表情』を改めさせるのはよ……
つまり、最長五ヶ月休むけど毎月ドロップ宣言しに来ますって話
一応打ち切り話書けたけれど、酷い。逃亡した方がマシなレベル
なので書き直してくる。最低でも一部は書ききって帰ってきます
359
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/06/28(火) 08:14:43 ID:IBgSMXSAO
きたい
360
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:13:36 ID:dqj1vxNU0
はい、今月分のドロップ宣言しに来ました
いや、『一部を全て書ききっていない』という意味でして、執筆自体は問題なく進んでますお
リメイク()するんだから次は完結させねばだ
これだけでは「早く投下しろ」って言われそうだけど、流石に下げ過ぎて言う人も居ないだろう。
……代わりと言っちゃあ何だけど、今からボツネタ投下します
次回作までの余興と言えば聞こえはいいが、実際は読者への懺悔である。
お口直し程度になれば幸いですね
361
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:14:15 ID:dqj1vxNU0
VIP高校、食堂。
円卓を対に座り、二人は揃ってラーメンを頬張っていた。
一方の男が常人を超えたスピードでラーメンを食べ終わったかと思うと、もう一方の男も次いで食べ終わる。
傍から見れば早食い競争に見えなくもないが、二人にとってこれは普通のスピードであった。
先に食べ終えた男は汁まで飲み干している。それが原因であろう肥満体形の彼は汗を拭い、息を吐いた。
(;^ω^)「……フゥ」
('A`)「さてと」
食休みも無く、肥満体形とは真逆の、虚弱そうな体型の男が調子良く声を出す。
('A`)「今度はどんなゲームやるか決めたか?」
(;^ω^)「……スマン、あんまり良い感じのゲームは見つけられなかったお……」
('A`)「そうか……」
362
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:14:54 ID:dqj1vxNU0
彼らは所謂『リア充』とは縁の無い存在だ。
カテゴリに分ければ『非リア充』という、死刑宣告にも等しい呼称をされる事だろう。
そんな彼らのやる事と言えばゲーム、アニメ、漫画。時々ラノベ。
中でもゲームは彼らにとって最高の暇潰しツールだった。
成績不振、スポーツ無能。容姿はゴブリン、中身は泥沼。
以上の事から、ゲームに執着する理由は察してほしい。
しかし、ここ最近面白いゲームをプレイ出来ていないのが現状だ。
――既にゲーム感覚が玄人の域に到達しているのが原因だが――
退屈だ。
それが彼らにある共通の意見だった。
( ´ω`)「はぁ……退屈だお……」
('A`)「だな……」
重ねて溜息。負のオーラを醸し出した。
('A`)「ま、いざとなればネトゲだな」
( ´ω`)「……最終手段だし、あんまり気は進まないけど……」
( ´ω`)「……お?」
ピクリと眉を動かし、肥満体形の男は視線を上げた。
視線の先には、金髪ドリルヘアーを翻す少女の姿が見えた。
少女は腕を組んで二人を見下ろし、呆れた表情で口を開く。
ξ‐⊿゚)ξ「アンタらねぇ……もっと高校生らしくしたらどうなの?」
363
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:15:20 ID:dqj1vxNU0
ぐぬぬ……、と言わんばかりの顔で少女を睨む二人の男。
その正論に、屁理屈でも反論出来ないのが何よりの敗因であった。
ξ゚⊿゚)ξ「ま、今に始まった事じゃ無いからいいんだけどね」
呆れた表情から一変、少女は柔らかな笑みを浮かべた。
彼女は空いた椅子に腰かけ、笑みを浮かべながら二人の様子を窺う。
頭上に疑問符を浮かべ、何してんだお前、と言ったのは虚弱な体系の男――ドクオだった。
ξ゚ー゚)ξ「べぇつにぃ〜」
うぜぇ。肥満体形の男――ブーンが呟いた。
ξ゚⊿゚)ξ「……そういう事言うんだ」
含みのある口ぶりを察したのか、ドクオはブーンに視線を送り、意思の疎通を図る。
しかし、ブーンは周知の鈍感野郎である。それをドクオはすっかり忘れていた。
('A`)(いいか、情報を引き出すんだ。俺に合わせろ……!)
( ^ω^)(……ドクオってホモの気あったかお?)
ブーン、以外にもこれをスルー。あらぬ疑いをドクオに吹っ掛ける。
そうとも知らず、ドクオが切っ先鋭くツンに質問した。
('A`)「……で、何か話でもあるのか?」
ξ゚ー゚)ξ「まぁね」
364
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:15:43 ID:dqj1vxNU0
ξ゚ー゚)ξ「アンタ達が遂に積みゲー消化し切ったって聞いたの。
いい機会だから、私がとっておきのゲームを教えてあげようと思って」
(;'A`)「ゲームの催促? お前が? 俺に?」
( ^ω^)「妹の人生相談じゃないから黙ってろ。で、ツンお勧めのゲームって何だお?」
ξ゚ー゚)ξ「放課後楽しみにしてなさい。今日から早速行くからね!」
ここで、図ったかのように予鈴が鳴った。
金髪ツインドリルの少女――ツンは、呼び止める二人を余所に教室へと駆けて行った。
残された二人の男は目を合わせて沈黙。
( ^ω^)「……あ、教室移動しないといけねぇお」
('A`)「マジか。加速だ加速」
さっきまでの会話を丸ごと忘却の彼方へと投げ捨て、彼らもまた、教室へと戻って行った。
* * * * *
.
365
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:16:10 ID:dqj1vxNU0
残る二時限を鬱々と過ごし、瞬く間に放課後となる。
そして瞬く間に掃除当番を押し付けられるブーンであった。
( ^ω^)(掃除も出来ずにリア充とな)
こんな事態にも冷静に脳内でレスするブーンは流石だと言えよう。
教室内をざっと一瞥。リア充どもの排出した汚れを見て、ようやく怒りが込み上げてくる。
(#^ω^)(……帰ったらバンディクーやって発散するお)
('A`)「ブーン、帰ろうぜ」
( ^ω^)「定番の掃除当番。定番の一人ぼっちだお」
('A`)「あー……手伝おうか?」
( ^ω^)「別にいいお。先に行っててくれお」
('A`)「じゃ、校門で待ってる」
( ^ω^)「……」
あばよー。
そう言い残し、ドクオは教室から姿を消した。
ブーンは例の如く一人ぼっちで教室の掃除を開始。箒を持ち、床を掃き始めた。
ふと、ドクオの言葉が脳裏を過ぎる。
『 ('A`)「校門で待ってる」 』
(;^ω^)(……さっきのセリフが「肛門待ってる」に聞こえたんだけど……)
366
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:16:50 ID:dqj1vxNU0
(;^ω^)(……え? もしかしてオイラ掘られるの?)
(;゚ω゚)(……やべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!)
(;><)「ど、どうかしたんですか!?」
(;゚ω゚)「肛門……校門で肛門を……」
(;><)「誰が上手い事を言えと言ったんですか! とにかく落ち着いてほしいんです!」
不毛な不安に頭を抱えるブーンを心配したのか、ショタ顔――小学生の様な顔つきの少年が現れ、ブーンに声をかけた。
しかし、どう声をかけても「肛門肛門肛門」の一点張り。見かねた少年は後ずさり、ポケットを漁り始めた。
(;><)「仕方ない! 秘密兵器なんです!」
秘密兵器――飴玉。
すぐさま少年は飴玉の包装を取り、ブーンの口に放り投げた。
( ^ω^)「飴ちゃんウマウマ」
( ><)「よかったんです」
二言で事態は収束した。
( ^ω^)「……」
平静に戻ったブーンは少年を見て、どこか違和感を覚える。
367
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:17:10 ID:dqj1vxNU0
やけに白い肌。時折どもる小さな声。死んだ魚の様な目。
VIP高校は大きな高校ではない。こうも同族の雰囲気を醸し出す少年を、ブーンが見逃す訳が無かった。
ブーンの脳内で出された結論は一つ。それを口に出す前に、ブーンは改まって少年に質問した。
( ^ω^)「――所で君は誰だお? 見た事無いけど、ここの生徒なのかお?」
( ><)「……僕は不登校なんです。今日は溜まったプリント受け取りに来たついでに、教室に寄ったんです」
やはり。
( ^ω^)「そうなのかお。通りで肌が白い訳だお」
( ><)「……みんな僕が引きこもりだと知った途端に、まるで腫れ物に触る様な対応になるんです……」
少年はそう言うが、ブーンは引きこもりに対する偏見を持っていない。
何故ならば、自分もそうなる可能性が十二分にあったからだ。
世間が嫌。人が怖い。毎日が退屈。やる気が出ない。
そう思いつつも学校に通えているのは、ブーン自身、ドクオとツンのお陰だと思っている。
彼にも友達が出来れば、あるいは――。
368
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:17:30 ID:dqj1vxNU0
( ^ω^)「――世の中、対応出来ない奴は弾き出されるだけだお。
左から右に文を読めない奴は、それこそ日本じゃ迫害されて孤独になるお」
( ^ω^)「かくいうオイラは右から左に文を読むお。でも、今こうして孤独じゃないのには理由があるお」
( ^ω^)「左からの読み方を教えてくれる友達が居たんだお。そして――」
――君にも、その友達は出来る筈だお。
ブーンは手を差し出した。
呆気に取られた表情で、少年はブーンの手と顔を交互に見つめる。
( ^ω^)「オイラの名前は内藤ホライゾン。ブーンって呼んでくれお」
(;><)「……ビ、ビロードなんです……」
* * * * *
.
369
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:17:50 ID:dqj1vxNU0
ξ‐⊿‐)ξ「……」
ξ‐⊿゚)ξ「……あ、やっと来た」
('A`)「遅いぞブーン。危うくお前を迎えに行く所だったぜ」
( ^ω^)「すまんこ」
( ^ω^)「所でドクオ……お前、ホモじゃないよな?」
(;'A`)「は!?」
( ^ω^)「紹介するお! 引きこもりのビロード君だお!」
(;><)「ちょ、あんまり大きな声で言わな……」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ行きましょうか! ヒッキー・オブ・ビロードと一緒に!」
(;><)「何かカッコいいけど意味的には変化が無いんです!」
(;'A`)「え!? ブーンは俺にどんな誤解をしてるんだ!
ホモじゃない! 俺はホモじゃないからな!」
ブーン達はツンの後について歩き、彼女の言う「とっておきのゲーム」の在り処へと歩き始めた。
商店街を抜け、住宅地を右往左往。少し歩いて公園に出ると、今度は路地に入って右往左往。
途中、「迷ったんじゃね?」という雰囲気が漂ったが、それをツンに話しても反応は無い。
370
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:18:15 ID:dqj1vxNU0
ξ゚⊿゚)ξ「……着いたわ」
路地を抜け、到着したのはボロイ駄菓子屋。
非リア三人は当然運動不足だ。ここまでの道中、よく持ったものだと賞賛の声を惜しみなく浴びせるべきであろう。
しかしツンは容赦無い。息を荒げる三人を置いて、そそくさと駄菓子屋の中に消えていった。
(; A )「ブーン……俺置いて先に行け……ビロードを守れよ……」
(;^ω^)「ドクオ! しっかりするお! ドクオーッ!」
(;><)「死んじゃ駄目なんですーッ!」
ξ゚⊿゚)ξ「猿芝居しても休憩なんて無いわよ。早く来なさい」
('A`) ( ^ω^) 「はーい」 ( ><)
ξ゚⊿゚)ξ「あ、靴は脱がなくていいから」
ξ゚⊿゚)ξ「ビコーズさん、新規プレイヤー三人連れて来たわ。『あれ』の事、お願いね」
( ∵)「はいよー」
去り際に一言、ツンが店番の男に告げた。
ツンを筆頭に店番の横を通り抜け、彼らは奥の座敷へと足を踏み入れる。
変哲もない掛け軸の前で立ち止まり、ツンはそこで得意げな表情で言った。
371
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:18:42 ID:dqj1vxNU0
ξ゚ー゚)ξ「この奥よ」
('A`)「ねーよ」
ツンの台詞に間髪入れず、ドクオがツッコミを入れた。
ドクオから出たセリフは最早必然であった。
目の前にあるのは普通の掛け軸。この奥と言っても、奥は当然壁である。
しかし、ツンは依然として得意げな表情を崩さない。
むしろ「見てなさい」と言わんばかりの表情になりつつあった。
ドクオは嘲笑気味に鼻で笑うと、在りえもしない予想を述べ始める。
('A`)「まさか掛け軸の向こうにはエレベーターがあって、それに乗ると地下のゲームセンターに行ける訳じゃないんだろ?
ツン、病院なら一緒に行ってやるから――」
* * * * *
('A`)「――……三分前の俺を殴ってやりたい」
372
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:19:00 ID:dqj1vxNU0
(*^ω^)「SUGEEEEE!!!! なんだここ!! 天国なのかお!」
(*><)「YABEEEEEE!!!! あんなゲーム見た事ないんです!!!!」
エレベーターの乗って地下へ降り、彼らが降り立った場所はまさに『天国』。
一般のゲームセンターを遥かに上回る室内の広さ。
一見で度肝を抜かれる程、充実したゲーム機器と室内設備。
だが、何より彼らを圧倒したのは「人の熱気」だった。
彼らから遠く離れた所に大きな人だかりが出来ていた。
その人だかりの中央にある巨大なモニターが何かを映し出している。
それが何なのかブーン達はまだ知らないが、初見の三人は同じ思いで脳内を埋め尽くしていた。
面白れぇ。
近未来的内装のゲームセンター。炸裂する人の声。その人々を熱狂させる「何か」。
彼らが未知のゲームにこれほど惹かれたのは初めての事だった。
373
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:19:33 ID:dqj1vxNU0
(*^ω^)「オイラが一番だお!」
(*'A`)「……神ゲーの予感っ……!」
(*><)「悪いが僕が一番なんです! ブーン君には速さが足りないんです!」
ξ#゚⊿゚)ξ「ストーップ!」
ツンの言葉に体をビクつかせて立ち止まると、彼らは揃って小型犬の様な顔でツンを見つめた。
目の前にゲームがあり、足があり手がある。それ以外に何が必要だと言うんだ?
玩具を与えられた子供達は溢れんばかりの期待を胸に、今か今かと体を疼かせる。
ξ゚⊿゚)ξ「あれはただのモニターよ。それに、プレイするには事前の予約が必要なの」
ξ゚ー゚)ξ「……ここに二つ、その予約のチケットがある。これがあればゲームに参加出来るんだけど……」
ξ゚⊿゚)ξ「……千円」
(#'A`)「買った!」
(#><)「千五百円で買うんです!」
( ω゚)「……言い値で買おう……」
(;'A`)(……馬鹿な……言い値だと……?)
(;><)(抜かったんです……持ち合わせじゃ勝てないんです……)
374
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:19:55 ID:dqj1vxNU0
ξ゚⊿゚)ξ「じゃ、私とブーンはステージの方に行くわ」
(*^ω^)「プギャー! お前ら負け犬はモニターでオイラの雄姿を目に焼き付けるがいいお!」
('A`)「死ね」
( ><)「流石に死ね」
(*^ω^)「あばよダチ公! フゥッフゥー!」
* * * * *
暗い通路を暖温色のランプが照らしていた。
辛うじて足元が見える程度で、一寸先は闇ばかりであった。
その通路をツンの後ろに付いて歩き、ブーンはステージに続く通路を進んでいく。
375
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:20:19 ID:dqj1vxNU0
ξ゚⊿゚)ξ「……じゃ、しばらくここで待機よ」
両脇に松明が設置された門。
それが二人の目の前に立ちはだかった。
ツンはそこで立ち止り、ブーンにそう告げると壁に寄り掛かって目を閉じる。
( ^ω^)「……」
ブーンの中の何かが直感した。
ゲーマーには一種の『雰囲気』というものがある。
しかし、それは二流までの話。
一流ともなれば他者の視界に入った時点で、相手に負けを直感させるのだ。
現在、門の前に集まっている人間は四人。
自分達を除き二人居るプレイヤー、その片方は明らかに『達人』。
前述したように、ブーンの中の何かが直感した。
その者に自分が負けるビジョン。圧倒的技量の差を。
376
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:20:43 ID:dqj1vxNU0
( ^ω^)「ツン」
ならば、今自分がすべき事は何か――
( ^ω^)「――このゲームの説明を頼むお」
ξ‐⊿‐)ξ「……」
ξ‐⊿゚)ξ「……流石はゲーマー。打つ手が早いわね」
待っていましたと言わんばかりに、饒舌に話し始めるツンであった。
駆け足に伝えられるゲームの概要、そしてテクニック。
戦術、ゲームのシステム、その他諸々。
全てを伝え切るまでに掛った時間、およそ五分。
ツンも流石に質問があるかと高を括ったが、それはツン自信の驕りであった。
( ^ω^)「分かったお」
内藤ホライゾンがゲームにおいて発揮する集中力はまさに『異常』。
常人のそれを遥かに超越したゲームに対する熱意――圧倒的センス。
ブーンは有ろう事か、この勝負に勝つ気で居た。
その気概が何処からくるのか、それは傍から見るツンでも一見して理解出来た。
ξ゚⊿゚)ξ(己の持つセンスへの自信、ゲーマーとしてのプライド……)
ξ゚⊿゚)ξ(……でも、それだけじゃあ勝てないわ)
377
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:21:09 ID:dqj1vxNU0
ツンもブーンの持つセンスには一目置いている。
しかし、このゲームでそれは単なるスキルの一種。
誰もが持つ凡庸な要素の一つに過ぎない。
もちろんブーンの持つセンスも、丹念に研がれた一撃必殺の武器になりえる事は当然だが――
ξ゚⊿゚)ξ(――ブーン、上には上が居るのよ)
( ^ω^)「それで、一試合で対戦する人数は『五人』って聞いたけど……」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、そうね。まだ五人目が来てないみた――」
噂をすれば、不意に靴音が響き渡った。
ブーン、未だ視界に入らぬ靴音の主に対して『直感』する。
ブーンを『異常』と呼ぶのならば――
( <●><●>)
――その男もまた、『異常』であった。
.
378
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:21:32 ID:dqj1vxNU0
(;^ω^)「ツ、ツン……」
ξ ⊿ )ξ「ブーン。この勝負降りるわ」
ブーンの直感とは別の形でツンは感じていた。
恥など考えている暇はない。この男を相手にしては駄目なのだ。
ξ ⊿ )ξ「……死ぬほど、痛い目に遭うわよ……」
遭った事があるからこその台詞、言葉の重み。
だが、ブーンはそれを承知の上で言った。
(;^ω^)「……ツン、僕は勝つ気で居るお」
ξ ⊿ )ξ「無理よ……」
( ^ω^)「ツンが無理ならドクオと代わってくれお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ッ!」
ツン絶句。
こいつは何を聞いていたのか。
379
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:22:09 ID:dqj1vxNU0
この男、『わかってます』は――
( <●><●>)「チャンピオン相手に啖呵を切るとは……
私に挑戦する意味、理解してますか?」
――チャンピオンであり――
ミ,,゚Д゚彡「……少年らしい無鉄砲さで微笑ましいではないか。
それに、私達が求めるのは純粋に戦場だ。そして、戦う者のみが到達する極み」
――ブーンが『達人』と称した男もまた――
ミ,,゚Д゚彡「初めまして、少年。私の名はフサギコ。
不名誉なことに、セカンドチャンピオンの称号を与えられた半人前だ」
――準じて、チャンピオンに変わりないのだ。
.
380
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:23:02 ID:dqj1vxNU0
門が不気味な音を立てながら、ゆっくりと開き始めた。
隙間から洩れる歓声が彼らの耳を劈く。
ツンは既に戦闘不能だった。戦う意思が、勝負に勝とうとする意志が打ち砕かれていた。
ミ,,゚Д゚彡「……早く代役を呼んで来い。その女、既に戦士の心を折られている」
ξ ⊿ )ξ「……ごめんなさい」
ツンは通路を逆走し姿を消した。
ツンの後ろ姿を見送るブーン。遂に門は完全に開き、彼らは揃ってステージへと歩き出した。
ミ,,゚Д゚彡「楽しみにしているぞ、少年」
( ^ω^)「……ブーンだお」
彼らがステージに躍り出ると、再び歓声が湧きあがった。
ほとんどがチャンピオンの登場に驚く声だったが、何より、そこに初心者がブチ込まれている事に客席は驚いた。
(*゚ー゚)『さぁ! 本日のダブル・ビジョン・ドライブも佳境です!
有ろう事か、参加者には二人のチャンピオンが揃っているではないですか!』
マイクを片手に客を煽り立てる女性は、大げさに身振り手振りを交えながら話を続ける。
381
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:23:34 ID:dqj1vxNU0
(*゚ー゚)『おっと? どうやら参加者が一人足りないようですが……』
( )「逃げ出したんじゃね?」
( )「まぁ仕方無いだろ。面子があれじゃあ……」
(*゚ー゚)『乱入したい人居るかなー?』
( )「……」
( )「……」
( )「乱入とか全然余裕だわー。でも頭痛が痛いから帰る」
( )「……」
客席、一斉に黙った――
「居るさ! ここに一人な!」
.
382
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:24:10 ID:dqj1vxNU0
――その時、無言の空間を打ち砕く、威勢のいい声が客席に響き渡る。
すぐさまスポットライトが当てられ、声の主が照らし出された。
('A`)「この勝負、俺が受け持とう!」
( )「何だ!? コブラなのか!?」
( )「おい! あれサイコガンじゃないか?」
( )「あ、チップスターの空き箱じゃん」
(*゚ー゚)『……よし、参加を認めるよ!』
(*゚ー゚)『これで五人! 波乱万丈間違いなしのこのバトル、早速始めようじゃないか!』
('A`)「ブーン、話は聞いたぜ。ルールも大体な」
ステージに降り立ったドクオはブーンの傍に寄り、呟いた。
('A`)「相手はチャンピオンなんだろ? 勝てるのか?」
( ^ω^)「……何の為にドクオを呼んだと思うんだお?」
('A`)「勝つ為」
( ^ω^)「よろしい」
383
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:24:42 ID:dqj1vxNU0
ステージには五つの席があり、それぞれ席の傍らにヘッドホン付きのHMDが用意されていた。
( ^ω^)(聞いた通り、『バーチャルリアリティ』のゲーム……)
参加者達は席に座り、手元にある七つのスイッチの内一つを押してHMDを装着。
(*゚ー゚)『それじゃあ準備も出来たようだし! 行くよー!』
『ドライブ・オン!』
掛け声と同時にブーンの体を圧迫する感覚が襲い、強烈な頭痛が走る。
それが止むと、体が浮く感覚に包まれ――
(; ω )(ッ! 視界が……)
――吸い込まれる様にしてブーンの視界、意識は途切れた。
* * * * *
.
384
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:25:10 ID:dqj1vxNU0
ダブル・ビジョン・ドライブ。
電脳空間『D-ゾーン』にて、各人が選んだ武器を手に戦うバーチャルリアリティゲーム。
勝利条件は『最後まで生き残る事』。プレイヤーが戦闘不能になった時点で、現実世界へと引き戻される。
戦い、勝つ。それだけがルール。
( ^ω^)「さて」
D-ゾーンにて意識を取り戻したブーンはざっと辺りを一瞥した。
ツンに説明された通り、一見普通の市街地のようだった。
背の高いビルが立ち並んでいる。道路はあるが、車が来る気配は無い。
運の良い事に、辺りに人は居ないようだ。
ブーンは腰に据えた二つの短剣に手をかけた。
彼が差し当たって武器に求めたもの、それは手数。
その点において、彼の選んだ『双剣』はまさに適任だった。
385
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:25:40 ID:dqj1vxNU0
( ^ω^)「おぉ……」
目を輝かせ、双剣を両方とも鞘から抜き取る。
(*^ω^)「……おぉ……!」
現実と変わらぬ重厚感。一振りすれば体感する、空気を切り裂く感覚。
そのどちらもがブーンには新鮮であった。
――そしてもう一つ、彼の好奇心を煽るものが姿を現した。
(-@∀@)「……ふぅん……初心者の癖に双剣を選んだのか……」
敵。
今まで幾千もの敵をゲームで攻略してきたブーンは、見知らぬキャラクタの登場に心躍らせた。
相手は人間。リアルならば負けは必至だが――
386
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:26:08 ID:dqj1vxNU0
( ω゚)「……ブッ殺す……!」
――ゲームにリアルは関係無い。
箍が外れ、ブーンの中に眠る感情が暴走を始めた。
怒り殺意恨み妬み悲しみ。一括すれば、『負の感情』。
随分前に述べたが、ブーンにとってゲームは暇潰しの道具。
同時に、ストレス発散の為の道具でもあるのだ。
ここでブーン、完全に闇に堕ちる。
.
387
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:27:11 ID:dqj1vxNU0
(;-@∀@)(……何だコイツ……)
敵プレイヤー――アサピーは、自分の視界に映る物を全て否定した。
相手は初心者、彼にとっては都合の良い踏み台。
しかし、アサピーの目には見えていた。
ブーンを飲み込もうと忍び寄る、絶対的『闇』、吐き気を催す『負の感情』。
それが何を意味するのか。これから自分がどうなるのか――
暴走するブーンと対峙した瞬間、アサピーはチャンピオンと対峙した時の自分を思い浮かべた。
チャンピオンにも同じ様な霧が取り巻いていた。しかし、それを見てアサピーが感じたのは単なる『力』。
洗練された技、経験、度量、武器の扱い。それら全てを神の領域まで高めた男。
それがチャンピオン、わかってますと言う男であった。
対し、ブーンの取り巻く霧のを見て感じたのは『狂気』。
(;-@∀@)(……あーあ。僕、噛ませ犬で終わりか……)
――アサピーの胸部に短剣が突き刺さった。
.
388
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:27:42 ID:dqj1vxNU0
( ^ω^)「真ん中に当てたからボーナスチャレンジだお」
更に繰り出される駄目押しの一投。二人の距離、数字にして十メートル。
その状況下でさえ、ブーンは一切のブレ無くアサピーの体を射抜いた。
――二投目もそれは変わらない――
短剣、今度はアサピーの下腹部を貫いた。
(;-@∀@)(……いや、勝てる!)
優勢に立ったかと思われたブーンだが、実は違う。
先程ブーンのやった事は明らかなる愚行。
双剣は今、両方ともアサピーの体に突き刺さっている。
それが何を意味するのか。それを自覚される前に、アサピーはブーンの元へと駆け出した。
389
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:28:40 ID:dqj1vxNU0
( ^ω^)(……あぁ、双剣を投げたから丸腰だと思ってるのかお)
アサピーの所持する武器は『魔法杖』。狙うは『一撃必殺の高等呪文』の直撃。
このままいけばアサピーの勝利は確定する。
しかし。それすら許さぬブーンの策略、アサピーの希望を打ち砕いた。
狂気的な笑み――無邪気な笑みを浮かべ、ブーンは悠々とアサピーに告げる。
( ^ω^)「 毒 は 回っ て き た か お ?」
(-@∀@)「へっ?」
感知する間もなく、ブーンに告げられるまでアサピーは気付かなかった。
体に刺さった短剣から、自身の体に毒が流れている事を。
もっとも、気付いた所でどうにもならなかったのだが。
ブーンの施したものは毒ではない。それを超越した代物、言わばブーンの持つ禁断のスキル。
390
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:29:27 ID:dqj1vxNU0
瞬く間に腐食していくアサピーの体。崩れ落ちる肉体は、光となって中を舞う。
(;-@∀@)「あ……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
( ^ω^)「大丈夫大丈夫、これゲームだお。そんなマジにならなくても……」
( ^ω^)「……ま、いっか」
悲痛な金切り声を上げるアサピーを背に、ブーンは呑気に歩き出した。
「何だよこれ! これじゃあ、まるでゾン……」
首が腐食し、アサピーの言葉はそこで止まった。
戦闘不能。残った肉体は細分化され、現実世界へと再転送された。
( ^ω^)「ドクオはどこかなっと……」
ブーン、呆気無く覚醒の一戦を終えた。
これは後に語られる、一人目の【憑神≪アバター≫】の覚醒、その一場面にすぎない。
そして、真にブーンの底に眠る『狂気』は、未だその片鱗さえ露わにしなかった――
* * * * *
.
391
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:29:53 ID:dqj1vxNU0
.
ヤバいのはむしろ、ドクオの方であった。
ブーンが戦ったのはチャンピオンクラスのプレイヤーではない。
よって、残るプレイヤーはドクオ、フサギコ、わかってますの三人。
必然的に、ドクオはチャンピオン二人を相手取る事になってしまっていた。
出来る事なら少しでも弱いフサギコを相手にしたい所だ。
しかし、ここでドクオの不運が重なる。
(;'A`)「……星座占いでは一位だったんだけどな」
( <●><●>)「奇遇ですね。私も一位でした」
(;'A`)「へっ……なら今度、一緒に誕生日でも祝うか」
( <●><●>)「それもいいですね。私は、貴方の素質を高く評価しています」
( <●><●>)「だから、今度一緒に……ね」
(;'A`)(……すまん……先に降りるぜ……)
(; A )(……まだ俺達じゃ勝てねぇわ……)
ドクオはその思考を最後に、膝から崩れ落ち、地面に横たわった。
ドクオ、戦闘不能。
392
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 22:30:24 ID:dqj1vxNU0
( <●><●>)「……」
フサの方は首尾よくやっているのだろうか。
ふと空を見上げ、わかってますは思案した。
間も無くドクオの体は足元から細分化され、D-ゾーンから消滅した。
( <●><●>)「……行きますか」
次の相手を求め、わかってますは動き出した。
* * * * *
( ^ω^)は自分に全てを賭けるようです。みかん
393
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/08(金) 22:13:42 ID:B/2DNnyw0
::::::::::::::::::::::::::/:::://::::: \::::::::::::\\l このスレも同様・・・・・・・・・・・
:::::::::::::::::::/\:::// ::: \「\__ゝ このスレもsageて終わるクチ・・・・・・・・・
/)/:::::::::::::\ \::: / 気が付きゃあ・・・・避難所の端っこ・・・駄目作者の一員・・・
|レ::::::::_____.」lllll / 荒らされたわけじゃねえ……だが気が付きゃあ・・・・・・・・
|:::::::::: \ ̄ ̄ ̄「 三/ 端(そこ)が指定席・・・・!
|::::::::::::: \__ ::::=\ まるで解けない呪いさ、ずーっとそうなんだからな・・・
|:::::::::::::::::::: :::::::::=\ 継続して書けずに読者に見切られsageられ・・・
|:::::::U v :::::::::::::::=\ 結局はそれに甘んじてsage・・・sageに次ぐsage・・・・
|:::::::::::::::::: :::::::::::::::::::::::\ 避難所でもVIPでも・・・・・!
|::::::::::::::: :::::::::::::(::::_:::: ) 落ちつづけてゆく落下スレ・・・・・!
:::\:::::v:::::: ________ゝ
|::::\::::::::: (
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書けてきた。それは、その気になれば七月中でも八月中でも投下可能という事……
なるべく七月中を目指すけど期待しないでくだしあ
394
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以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/09(土) 14:06:59 ID:O2wFDnGw0
(雅´ωメ)
395
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以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/09(土) 14:14:35 ID:ei.HbcMs0
つまんねー
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以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:13:27 ID:mvdyaXL60
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「スレ落ちないってどういう事だお」
('A`)「それは俺が説明しよう」
( ^ω^)「いいだろう。言ってみろ」
('A`)「過去ログ送りを決定した時、このスレはゴミ箱と化した。
故に何をやっても問題無いと言う事だ」
( ^ω^)「ほう……それはつまり『ボツネタ』を投下しまくってもいいと?」
('A`)「無論だ」
( ^ω^)「フン、いいだろう。俺が今まで書いてきた、打ち切りネタとか短編とか……
その全てを投下しきってやろうじゃないか」
('A`)「読者も二人だ。やってやれ、ブーン」
( ^ω^)「ちなみに諸事情で公開できないのが多々ある。
諸事情って言葉は本当に便利ですよね」
じゃあ投下します。次スレ立てる前の公開処刑って事で
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以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:16:54 ID:mvdyaXL60
( ^ω^)「……」
ここはどこだ。
その地に降り立った少年はまず、そう呟いた。
――白のタイルが映える空中庭園。雲と同じ高さに存在する、唯一の自然――
少年は噴水の横を抜け、庭園の縁に歩み寄る。
ふと空を見上げ、どこかから響く声に耳を傾けた。
( ^ω^)「……」
『……我、汝に問う……』
『我は何だ』
( ^ω^)「……知らない。だが代わりに、私の名をくれてやろう」
『……我、汝に問う』
『名は、何という』
( ^ω^)「……『NOAH』」
『ノア――いや、名も無き少年よ。ありがとう……』
* * * * *
プロットだけが大々的に爪痕を残した作品。その一片です
名無しのブーンが敵を倒して強くなる、いわばRPG的なのを目指した残骸。
設定崩壊。残った設定も他作に流用したのでボツ
399
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以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:17:28 ID:mvdyaXL60
九月一日。
残り数時間で二学期が始まるというその日、溜めに溜めた課題の山を蹴散らし、僕はコンビニへ行こうと自転車に跨った。
その途中、線路沿いを走っていた時の事だ。
僕は吸血鬼と対峙した。
(#゚;;-゚)「……」
白のキャミソールとペチコート。点在する赤色の染み。
点滅する街灯の下、それだけが僕の脳裏に焼きついた。
それから先の記憶は一切無く、気が付いた時、僕は病院のベッドで横になっていた。
('A`)真腹物語のようです
数日もすれば退院する事が出来た。
しかし、不遇に不遇を重ねた僕の二学期の始まりは泥沼の在り様であった。
――友達の居ない僕には関係の無い話だが。
友達いう存在の事を辞書ないしテレビでしか知らなかった僕は、所謂省かれ者だった。
僕の根暗な雰囲気を敏感に感じ取る周囲の人間達。そうして残ったのは痛々しい奇行の数々。
なぜ腕に包帯を巻き、眼帯を装着して下駄を鳴らしていたのか、今の自分でも理解不能である。
.
400
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:17:47 ID:mvdyaXL60
('、`*川「鬱木ドクオ君……だよね」
いかにも僕は鬱木ドクオだ。
夕日の差し込む教室。僕を残して全員が帰宅したであろう状況で、とある女子生徒が声を掛けてきた。
高い壺でも買わせるつもりなのだろうか。しかし彼女は堊人には見えない。おおよそ僕を憐れんでの事だろう。
なにせ彼女は家のクラス委員だ。分け隔てなく僕に接しようとする心意気は、素直に嬉しい。
('A`)「ぅん。そうだけど」
口先の初動が遅いのは仕方が無い。ここ最近、夏休みも含め僕は一言も喋らなかったからだ。
本来ならば饒舌に物を語るのも吝かではないが、いかんせん他人への警戒心が邪魔をする。
('、`*川「二学期の初め、クラスでの役割分担があったのだけど……知ってた?」
知る術が無い。
('、`*川「……ごめんね、意地悪な質問だったかな?」
('A`)「自覚がある分、一層意地悪に見えるよ」
('、`*川「でね、鬱木君の仕事なんだけど、私が副クラス委員に推薦しちゃった」
('A`)「……死人に口無しか」
('、`*川「塞翁が馬、じゃない?」
('A`)「禍転じて泣きっ面に蜂」
('、`*川「止まない雨に七転八起だね」
(;'A`)(ただの水浴びじゃねーか……)
('、`*川「で、一ヶ月後には文化祭だし、今日からその準備を始めようと思うのだけど……どうかな」
('A`)「……まぁ、別にいいけど……」
401
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以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:20:59 ID:mvdyaXL60
化物語を見た後に突発的に書いた。
オチとか言葉遊びとか考えたけど、途中で無理だと理解して断念
>>高い壺でも買わせるつもりなのだろうか。しかし彼女は堊人には見えない。
壺っていう文字を逆にすると堊になるよね。ちなみに読み方「あく」。
せめてもの悪あがきがこれでした。
402
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:23:03 ID:mvdyaXL60
私の住むVIP町は水路と道路が滅茶苦茶に交錯し、良くいえば水の都、悪く言えば汚染物質垂れ流しの水路が否応なしに張り巡らされた町と言えるだろう。
もちろん後者が真実である。
VIP町の東南に位置する唯一にして最後の人畜無害な川、通称「人畜川」を下流に下ると一見洒落た店がある。
私もここに越して来た時は期待して入店したものだった。
その店の名前は「喫茶ババロア」。お洒落なのか甚だ疑問だが当時の私はそれを疑う事もなく喫茶ババロア店内の一席に座ってしまう。
( `ー´)「ここは何の店なのかね」
私が喜々とした表情で尋ねると店員はばつの悪い顔をした。
何故そのような顔で接客にあたるのか当時の私でも流石に疑問視したが、店員の差し出したメニューを一瞥する事で疑問は刹那に消え去った。
(;`ー´)「……ホットドッグ以外には……」
何も無かった。メニューの一覧は全てホットドッグに制圧され、他の物が入り込む余地は一片たりとも無かった。
洒落た外装、サーティワンの様な内装で何故ホットドッグなのか。
涙目で私を見る店員。私は気を使い、無言で頷いた。
その後、涙を零してホットドッグを私の眼前に持ってきた店員が不憫でならなかった。
きっと彼も店内の雰囲気に騙された犠牲者なのだろう。全てが矛盾した店で働くなど、その絶望は計り知れない。
VIP町に引っ越す際、私はアパートの選択に人生を左右されていた。最終的に残った二つの物件。
一つは汚染物質を垂れ流す水路に挟まれながらも家賃の安い物件、もう片方はその真逆の条件の物件。
それは汚染物質で死ぬか餓死して死ぬかの違いだけだった。しかし当時の私は持ち金も少なく、仕方無しに前者を選ぼうとしていた。
不動産屋の男が差し出した書類に目を通し、私が後に死に場所となるであろう物件にハンコを押そうとした時、私は背後に現れた異形の者に勘付いた。
( ^^ω)「貴君、待ちたまえ」
私の手を止めたのは地球外生命体だった。
もっと詳しく言えば、異様に大きな鼻とハムスターの様な口、人を馬鹿にした様に笑う両目に、時代錯誤の和服を着た男だった。
403
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:24:52 ID:mvdyaXL60
( ^^ω)「ドブ川の傍でドブに住むつもりか。私が代わりに良い物件を紹介してやろう。付いて来たまえ」
そう言って男は気前よく袖を振り、身を翻して歩き始めた。
醸し出される不思議な雰囲気に中てられたのか、私はフラフラと男の後を追って歩いた。
着いた先は喫茶ババロアだった。悲しみを背負い、哀愁漂う店員に席を案内されてホットドッグを注文し、私は恐る恐る男に質問した。
( `ー´)「あれより良い物件がVIP町界隈に存在するなど私には想像出来ない。
どんな悪徳商法を用意しているのか知らないが、どの程度の物件なのか教えてもらいたい」
( ^^ω)「これを見たまえ。私の管理するマンションの写真だ」
男は袖から写真を一枚取り出して私に見せた。
驚く事に外見は美麗の極みであった。
森を背にそびえ立つ高層マンション――いや、最早これは高級ホテルにも匹敵するのではないだろうか。
しかし私は我に返り、現実的な問題に希望を打ち砕かれた。無論、家賃の事である。
前述したように私には金が無い。最大でも三万、死期を早めて月五万が限界だ。
( `ー´)「……家賃は」
( ^^ω)「月二万」
私は男の手を取って強く握りしめた。
* * * * *
VIP町の東南に位置する人類最後の希望である所の川、通称「人畜川」を下流に下り、下りに下ると大きな山が見えてくる。
その山は毎年何十人もの登山者が挑戦するが、その一切が頂上へ辿り着く事は出来なかった。
その理由は簡単である。この山は泥で出来ているからだ。故に「泥山」と呼ばれている。
404
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:25:53 ID:mvdyaXL60
なぜ泥が山としての形状を保っていられるのか、それはVIP町に伝わる七不思議の一つであった。
残る六つは私の知る所ではない。
私はその山の中腹にあるというマンション「マングローブ」へと赴く為、万全を期して登山に臨んだ。
しかし三歩目で転び装備は泥の中に消えた。その後も試行錯誤し登山してみるが、日が落ちる頃には登山という言葉にゲシュタルトが崩壊していた。崩壊するべきは泥山の方であろうに。世の常とは無情である。
私は崩壊したゲシュタルトを再構築し、今一度「マングローブ」に辿り着く方法を模索した。
日も落ちた今、全身を泥に覆われた私は妖怪以外のなんなのであろう。
帰るに帰れない状態に、私は最後の手に打って出る事にした。
* * * * *
( ^^ω)「おお、よく来た。この山を自力で中腹まで登れるとは、やはり私の見込み通りの男であったか」
全身を泥に覆われた私はマンション「マングローブ」の玄関先で男に迎えられた。そのまま風呂場に案内され体を洗い、客用の浴衣を身に纏って一息ついた。
私は某奇妙な冒険に登場する人物の教えを思い出し、そこから機転を利かせてこの場所まで辿り着いたのだ。
逆に考え、登らなくてもいいさと考えたのだ。
泥山を泳いで登山した私は人としての一線を越えてしまったのだろう。死にたいとは思わないが、私の登山方法を知っている奴が居たら殺してやりたい。
( ^^ω)「して貴君、今日はどのような要件かね」
( `ー´)「契約した私の部屋を見に来ました。構いませんか?」
( ^^ω)「早漏なのは見た目通りか。待っていたまえ、鍵を取ってくる」
見た目で早漏かどうか判断される筋合いは無い。
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:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:26:20 ID:mvdyaXL60
私は男に言われた通り、マングローブのロビーで男を待った。このマンション、形式はやはりホテルに近いらしい。
間もなくして男が戻ってくる。部屋の鍵をチラつかせ、付いて来いと言わんばかりの表情で私を見た。
人を馬鹿にしたような両目に拳を握りかけたが、彼への恩恵を思い出し我に返る。私は男の後に付いて歩き、小奇麗な廊下を歩き始めた。
( ^^ω)「先に言っておこう。もう契約が覆る事は無い。この部屋は完全に貴君の物であると同時に、君にとっての牢屋なのだ」
扉には「072」の数字。それを前にして男は私にそう告げた。
( ^^ω)「お、この部屋番号はオナニーとも読めるな。よかったな」
こいつは私を何だと思っているのであろうか。
私は怒りを込めてドアノブに手を掛け、勢い良くオナニー部屋の扉を開けた。
先に言おう。
今私の住んでいるマンション「マングローブ」は最悪に最悪を重ねた様な場所であった。
この狭く苦しい一畳の部屋で一体何をしろと言うのだ。これは責任者に問いただす必要がある。責任者はどこか。
( `ー´)「……部屋の広さは」
( ^^ω)「一畳間」
( `ー´)「……高さは」
( ^^ω)「上空200Mまでが君の部屋だ。まぁ好きに改造したまえ」
( `ー´)「……」
とりあえずロッククライミングを始めた私は、相当の馬鹿である。
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以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:27:52 ID:mvdyaXL60
当時ピカピカの大学1回生だった私は両手一杯にサークル勧誘のチラシを抱え、これから始まるであろうバラ色のキャンパスライフに胸躍らせていた。
そんな私が選び取ったサークル。それは――
( `ー´)茶道サークル『しゃばだば』のようです
ここまで考えた。何書いてるのか分からなくなったから止めた。
この書き方では避難所は生き残れんな、と悟ったのも理由の一つ。
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以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:28:51 ID:mvdyaXL60
夢。
それが夢だと気付いたのは、いつだっただろうか。
何処か、遠い場所の砂浜で、誰かを待つ少女。
その横顔を、俺は今でも思い出せない。
【( ´_ゝ`)遠い、どこかのお話のようです】
( )「おかえり……」
( ´_ゝ`)「……」
夢の中でそう言われ、俺は目を覚ました。
心地良い電車の揺れが止まる。どうやら目的地に着いたらしい。
俺は小さなリュックを肩に掛けて座席を立ち、疎らな人の流れに乗って電車を降りた。
降りると同時に、冷たい風が体をなぞる。
( ´_ゝ`)「さむっ」
駅のホームを出て駅前の広場へ行く。
そこのベンチに積もった雪を退かし、腰かけた。
408
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:30:16 ID:mvdyaXL60
降りしきる雪を見て、俺は子供心に火を点けた。
高校生であるにも関わらず、俺は小さな雪だるまを作り、自分の横に座らせた。
( ´_ゝ`)「寒いな、ダルマン一号」
( ´_ゝ`)「そうだね、兄者君」
俺は裏声を駆使し、一人芝居に精を出す。
全くもって不毛な行為だとは自覚しているが、人を待ち続けるのは本当に暇だ。
ダルマン一号にも手を与えてやろう。
そう思ってベンチを立つと、視界の隅にシュールの姿を見つけた。
lw´‐ _‐ノv「何やってるの?」
( ´_ゝ`)「いや、ちょっとスノーマンとコンタクトを……」
lw´‐ _‐ノv「そう。私にもやらせてよ」
lw´‐ _‐ノv「スノーマンさん、私に米を一杯下さい」
( ´_ゝ`)「米俵になろう!」
lw´‐ _‐ノv「その手があったか! ありがとう、スノーマンさん!」
( ´_ゝ`)「……」
lw´- _-ノv「……」
409
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:30:42 ID:mvdyaXL60
lw´- _-ノv「久しぶりだね」
( ´_ゝ`)「そうだな。お前も相変わらず変な奴だ」
lw´- _-ノv「ま、とりあえず家に帰ろう。母さんも待ってるよ」
俺はシュールに付いて歩き、ここでの生活の拠点――素直家へと足を進めた。
転校先の高校が素直家からの方が近い為、今から高校卒業まで俺はこの町で暮らす事になる。
素直家は母者の妹の家、そしてシュールは俺のいとこに当たる人だ。
商店街を抜け、来週から世話になる高校の前を通り、噴水のある公園を抜け、住宅地へと辿り着く。
流石家とは大違いだ。俺の家は常に世紀末覇者がマントを翻している様な場所だが、素直家はその真逆と言ってもいい。
川を前にして建っている二階建ての一軒家。上品な雰囲気を醸し出す、真っ白な壁面……。
( ´_ゝ`)「やっぱ良いよなぁ……」
lw´‐ _‐ノv「ただいまー。兄者連れてきたよー」
玄関でシュールが声を上げた。
パタパタとスリッパがフローリングを叩く音が近づいてくる。
素直クールさんだ。
川 ゚ -゚)「久しぶりだな。兄者」
( ´_ゝ`)「はい、これからお世話になります」
川 ゚ -゚)「シュー、部屋に案内してあげなさい。晩御飯が出来たら呼ぶから、それまで駄弁ってていいぞ」
lw´- _-ノv「ほいほい。兄者、こっちだよ」
( ´_ゝ`)「じゃ、お邪魔しますっと……」
410
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:30:59 ID:mvdyaXL60
俺はシュールに続いて二階へ駆け上がり、自分の部屋に足を踏み入れた。
パソコンが無い。ゴミ箱が綺麗。
それだけで異常な清潔感を感じるのは何故だろう。
( ´_ゝ`)「一人部屋ってのは良いものだな」
lw´‐ _‐ノv「……ああ、兄者と弟者は同じ部屋だったもんね。
三年間、ゆっくりしていくといいよ」
( ´_ゝ`)「おう」
じゃ。シュールはそう言って部屋を出た。
俺はリュックを下ろし、ベッドに倒れこんだ。
* * * * *
夢。
夢の中に居る。
これを夢だと気づくのは、いつだろう。
夕陽を背に、背の高い麦畑に佇む少女。
顔が見えないのは逆光のせいだろうか。
大きな麦わら帽子のせいだろうか。
――俺が忘れているからだろうか。
* * * * *
411
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:32:39 ID:mvdyaXL60
Kanon見た後に突発的に書いた。
某少女企画に送りつけてやろうかと一考したが、流石に思い止まった。
ぶっちゃけ、賢者モードの今では読むのが辛い一作
412
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:33:27 ID:mvdyaXL60
いつか私は大スターになれるだろう。
なれなかった。
いつか私はノーベル賞を取るだろう。
取れなかった。
誰か、私の代わりに追いかけてくれ――
【ξ゚⊿゚)ξ最後の歌のようです】
夢も、進路も、いつだって否定されてきた。
だから私は腐った家庭で一人、ギターを抱えて眠る。
「また他の女なの!?」
「うっせーな! 黙ってろ!」
――私は一人イヤホンを付け、音楽の世界に身を預けた。
* * * * *
(;´∀`)「本気モナ?」
ξ゚⊿゚)ξ「はい」
413
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:33:47 ID:mvdyaXL60
(;´∀`)「うーん……。君の成績なら良い大学にも行けるんだけどモナ……」
ξ゚⊿゚)ξ「いえ、自分の事は自分で決めます。大学には行きません」
(;´∀`)「……」
常識外れの馬鹿だな。もっと楽な道もあるんだぞ?
そう言いたそうな顔で、教師は沈黙する。
ξ‐⊿‐)ξ「……失礼します」
私は、歌を歌いたい。大学に進学しない理由はそれに尽きる。
多くの人は、馬鹿な奴だと言うだろう。道を外れたな、と思うだろう。
やりたい事をやる為に頑張って、一体何が悪いのだろう。
大人は言った。子供の頃の夢は捨てた……と。
まるで、そうする事で自分が大人である事を肯定しているように。
私はいいんだ。歌う為の毎日、それだけで最高だ。
ζ(゚ー゚*ζ「えー? ツンちゃん大学行かないの? 一緒に行こうよー」
ξ゚⊿゚)ξ「駄目よ。私はやりたい事をやるの」
高校の帰り、私はデレと並んで歩いていた。
デレは普通の女の子。ドラマやアイドルに夢見る少女だ。
ζ(゚ー゚*ζ「イケメンの友達出来たら紹介してよー?」
ξ゚⊿゚)ξ「アンタ、もうちょっと男を見る目を養った方がいいわよ」
414
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:34:07 ID:mvdyaXL60
ζ(゚ー゚*ζ「はいはい、じゃーねー!」
ξ゚⊿゚)ξ「ん、バイバイ」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
私は振り返り、電柱の陰に隠れる誰かに目を向けた。
視線に気づいたのか、その誰かはビクついて電柱に身を隠した。
ξ゚⊿゚)ξ「……ストーカー?」
電柱|;^ω^)「ち、違いますお!」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、デレのストーカー?」
電柱|;^ω^)「ストーカーの枠組みから出して下さいお!」
ξ゚⊿゚)ξ「……私に何か用?」
(;^ω^)「そ、そうですお!」
意を決した顔をして、男は電柱の陰を飛び出て私の前に来た。
(;^ω^)「あの……」
(* ω )「オ、オイラと……」
ああ、この類か。
私は察し、男が言い終わる前にきっぱりと言い放った。
ξ゚⊿゚)ξ「無理」
.
415
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:34:38 ID:mvdyaXL60
* * * * *
(*^ω^)「ツーン!!」
ξ゚⊿゚)ξ「大声で呼ばないで。警察呼ぶわよ?」
彼は内藤ホライゾン。ブーンと呼ぶ事にした。
ちなみに、先日のセリフを補完すると――
(*^ω^)「オイラと、友達になってほしいお」
だそうだ。それを言う前に私が断ったものだから、ブーンはその場で水溜りが出来る程に泣き始めてしまった。
後で話を聞き、何とも言えない罪悪感に見舞われた私は彼に謝り、改めて友達となった次第だ。
そして今に至る。今、私はブーンと都市部へ遊びに来ている。
今にもスキップを始めそうなブーンと並んで歩きながら、ふと私は聞いた。
ξ゚⊿゚)ξ「何で私と友達になりたかったの? 新手のナンパだった?」
(*^ω^)「それは違うお! ツンはオイラと似ているから、友達になりたかったんだお!」
とりあえず腹に一撃入れておく。するとその場に蹲り、涙目で私を見つめた。
何故殴られたのか分からないらしい。
ξ゚⊿゚)ξ「私がアナタと同じ肥満体系に見える? 今のセリフ、結構失礼よ」
(;^ω^)「いや……あの、内面的な意味で言ったのですが……」
416
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:35:02 ID:mvdyaXL60
ξ゚⊿゚)ξ「内面? ……私と、アナタが?」
( ^ω^)「……」
ブーンは立ち上がり、いくお、と言って足を進めた。
ξ゚⊿゚)ξ「ねぇ」
( ^ω^)「あそこで話すお」
スターバックス。定番所だ。
* * * * *
( ^ω^)「ツンは、大学に行かないんだおね?」
ξ゚⊿゚)ξ「えぇ、歌が歌いたいから」
( ^ω^)「良い事だお」
こんな反応は初めてだ。私は改めてブーンの顔を見つめた。
……確かに、少し似ているかもしれない。表情が、ほんの少し私のと被って見える。
( ^ω^)「オイラは海外の大学に留学するつもりだお」
ξ゚⊿゚)ξ「なんで?」
( ^ω^)「ノーベル賞を取る為だお」
ξ゚ー゚)ξ「……へぇ」
私は思わず微笑んだ。
彼の言う通りだ。私達は……似ている。
417
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:35:26 ID:mvdyaXL60
( ^ω^)「この話を笑わずに聞いてくれたのはツンが初めてだお」
ξ゚ー゚)ξ「……私もよ。友達になって、正解だったかもね」
(*^ω^)「正解に決まってるお!」
それから、私達は夢中になって話を続けた。
初めての、笑わずに話を聞いてくれる友達に向かって。
ずっと、ずっと――
――――――――――
――あれから十年も経ってしまった。
自立した私は両親と別居し、ひたすらバイトをして金を稼いでいた。
その合間に作曲し、作詞し、商店街で演奏する。
勧誘はあったがバンドに入る気はさらさら無かった。一人で弾いて一人で歌う方が気持良かったからだ。
418
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:35:52 ID:mvdyaXL60
今の私を、人は不自由だと言うだろう。もう止めて、ちゃんと働けと思うだろう。
違う。私は闘っているんだ。否定的な奴ばかりが幅を利かせる、この世界と。
常識ぶってる奴が笑っている。次々に嘘を言い、灰色の空に目も向けず。
こんな世界で泣いてる人がいる。私は、それが正しい事だと伝えたい。
――だけど、私はそれが出来なさそうだ。
何度も何度もレコード会社の奴等に演奏を聞かせてきたが、CD云々の話は一切耳に入らない。
凡才なのは分かっていた。それでも私は頑張りたかったんだ。頑張れば、きっと光が見えると思って……。
ξ‐⊿‐)ξ(そろそろ、潮時かな……)
作曲の途中、そう思った。
誰が私の歌を必要としているのだろう。きっと、誰も居ないのだろう。
いっそ、消えてしまいたい……と。
内藤は――ブーンはどうしているんだろう。
ノーベル賞は取れたのだろうか?
部屋にテレビが無いので分からないが、既に受賞して、彼は満足しているのだろうか。
私は携帯電話を開き、ブーンに短いメールを送った。
――――――――――
.
419
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:36:12 ID:mvdyaXL60
誰もが瞬く間に僕の周りを離れて行ってしまうのは、僕が彗星だからだと思う。
近づきすぎれば燃えてしまう僕の体はとても速く飛んでいて、とても大きい。
自慢の体ではあるけど、自慢する相手が居ない。
僕はそういう存在だから仕方ないのだけど、やっぱり僕にも友達が欲しい。
僕の横で一緒に居てくれる、そんな友達が。
僕の人生はまるで彗星のように過ぎていき、気づけば二十歳を超えていた。
ぐんぐんと才能を開花させた僕を、誰もが天才だと謳った。
そして僕から離れて行った。同じ人間なのに、まるで別世界の人間の様に扱われた。それが僕は嫌だった。
僕はある時交通事故に遭い意識不明の重体となった。凄絶を極めた手術の結果僕は意識を取り戻し、それから数カ月もすれば大学に復帰できた。
その時聞こえてきた声は「死ねばよかった」だった。僕はその日、初めて大学をサボった。
その後僕は大学を辞め、家を追い出され、努力する事を止め、開花した自分の才能を毟り取った。
人は彗星を見上げ、美しいと言った。だが、彗星は止まる事を許されない。止まった時にはもう彗星ではないからだ。
僕の人生はまるで彗星のように過ぎていき、ある時、彗星である事を止めた。
( ^ω^)「……」
あの彗星は、今どうしているんだろう。
そう思った時、携帯電話が久しぶりの着信を知らせた。
――ツンだ。
420
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:36:31 ID:mvdyaXL60
『ノーベル賞は取れましたか』
『大学は辞めてしまいました』
『……何かあった? 文面の違和感が凄いわよ』
『まぁ、ね。ツンの方はどうだお? 歌は歌えてるかお?』
『まぁ、ね。……路上ばっかりよ』
『もう日本に帰る予定だから、今度会えるかお』
『スタバがあった所、潰れて閉まっちゃったのよ。
今そこで演奏してるんだけど、日本に来たら聞きに来てよ』
『ありがとうだお。それじゃ』
( ^ω^)「……」
地を這う彗星は最後の光を求め、日本へと飛び立った。
421
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:38:40 ID:mvdyaXL60
元は「( ^ω^)地を這う彗星のようです」がメインだった
鬱々とした感じで書き上げたけど、投下するには躊躇した。
スタバってどんな所なんだろう。
シャレオツだからスタバ出してみたけど、やっぱりグンマーと肩を並べるレベルだろうなぁ……
422
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:39:48 ID:mvdyaXL60
<ヽ`∀´>「おらおら、早く働くニダ」
<ヽ`∀´>「お前達はウリが育てた。だからウリの為に死ぬ気で働くニダ!」
ああ、全部クソッたれで――
(=゚д゚)「……はい」
――嫌になる。
【(=゚д゚)トラギコの魂はここにあるようです】
俺は気が付いたらここに居て、クソ野郎に扱き使われていた。
ここはクソ野郎が取り仕切るクソ孤児院。クソまみれだ。
<ヽ`∀´>「ノルマ達成しないと飯も風呂も全部禁止ニダ!
スリでも強盗でもやってくるニダ!!」
でも、こんなクソの下に居ないと生きていけない俺は、もっとクソだ。
今日も俺は街に出て、必死に小銭をかき集める。
423
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:42:54 ID:mvdyaXL60
ぶっちゃけ「誰かの為」の三部で使う予定だったもの。ぶっちゃけ四部もある。
こういう計画性の無い書き方してるから俺は駄目なんだろうな
次回作に設定を流用したので完全にボツ。あばよダチ公
424
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:44:01 ID:mvdyaXL60
いつかは変化が訪れるのだろうか。この平凡な街にも、俺の人生を明るいものに変えてくれる何かが。
その何かを言葉にするのは難しいが、あえて言うとすれば――
――奇跡だ。
毎日友達と駄弁り、授業を寝て過ごし、大して好きでもない家に帰る。
その繰り返しで一体何が変わるというのだろうか。
俺は前に進めているのだろうか。
たまに、自分がどこに向かっているのか分からなくなる。
どこへ行けばいいのか……の方が正しいか。
だが、俺は今日も学校に行かなくてはならない。
俺は鞄を脇に挟み、学校に続く坂道を歩き始めた。
目の前を桜が散っていく。
今は春。俺はそれを思い出した。
高校に入って、三回目の春だ。
('A`)「……今年で終わりか」
425
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:44:21 ID:mvdyaXL60
学校を卒業しても、俺は大学には行けないだろう。
不良の末路はそういうものだ。
低賃金の仕事で身を削り、実の無い人生が終わるのを待つ。
希望を無くした俺は、来るとも知れない奇跡を待ち続けるしか道は無い――
川 ゚ -゚)「見つければいいだろう。お前の言う、奇跡も希望も」
('A`)「……」
川 ゚ -゚)「……行こう。学校に遅れてしまう」
――はずだった。
('A`)「……あ、ちょっと、待ってくれよ」
例えそうだとしても、俺達は歩いている。
桜舞い散る、長い、長い坂道を――
【 ('A`)は歩き続けるようです 】
* * * * *
426
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:44:46 ID:mvdyaXL60
( ^ω^)「うーっす。一緒に食堂行くお」
('A`)「昼から来て一番に飯かよ……。お前、それ以上太るとヤバいんじゃないか?」
( ω )「体重が100㌔を超えた時、オイラは体重を量る事を止めた」
(*^ω^)「だから飯だお! ヘイヘイ!」
昼休みになり、ブーンはやっと教室に現れた。
窓際の一番後ろが俺の席、その右隣がブーンの席だ。
(*^ω^)「ラーメン! チャーハン! オムライス! フウッフゥ!」
アホがアホみたいな舞を繰り出している間、俺はボケっと外を眺めていた。
ふと視線を落とし、視界に中庭が入り込む。
川 ゚ -゚)
('A`)(…………)
('A`)「すまん、今日はお前一人でエサ食ってろ。俺は行く所があるからよ」
( ^ω^)「仕方な……テメェ今エサって」
俺は走って一階まで駆け下り、中庭に出た。
('A`)(……間違いない)
今朝、俺の独り言にマジレスした生徒だ。
427
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:45:06 ID:mvdyaXL60
木を囲むように設置されたベンチに座り、昼飯を頬張っている。
俺はおもむろに彼女の隣に腰かけ、声を掛けた。
('A`)「よう。どうした、一人飯か」
川 ゚ ‐゚)モグモグ
('A`)「……おーい」
川 ゚ ‐゚)モグモグ ゴックン
川 ゚ -゚)「悪いが食事中だ」
('A`)「……」
* * * * *
川 ゚ -゚)「で、何の用だ」
('A`)「あ、いや。別に用って程でも……」
('A`)「……変だと思ったか?」
俺は今朝の話を持ち掛けた。
変人だと思われていたのなら、早急に誤解を解かなくては。
428
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:45:25 ID:mvdyaXL60
川 ゚ -゚)「……」
彼女は微動だにしない表情を空に向け、俺の不安を掻き立てた。
(;'A`)「俺は別に変人じゃ」
川 ゚ -゚)「嬉しかった」
へ?
彼女は俺の言葉を遮り、予想外の答えを口に出した。
思わず思考が停止し、俺は彼女の台詞に疑問符を添えて投げ返す。
川 ゚ -゚)「そのままの意味だ。同じ事を考えている奴も居るのだなと思って、少し嬉しかったんだ」
川 ゚ -゚)「別に変だとは思わないさ」
川 ゚ -゚)「……お前はどうだ? いきなり話しかけた私を変だと思ったか?」
俺は首を横に振り、何故か彼女に「ありがとう」と言ってしまった。
言った瞬間、顔が爆発する程恥ずかしくなった。
実際に爆発出来たらどれだけ楽だろう。
川 ゚ -゚)「……そうか。お互い、変な奴だな」
お互い、な。
俺が彼女の台詞を反復した時、図ったかの様に予鈴のチャイムが鳴り響く。
429
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:45:47 ID:mvdyaXL60
川 ゚ -゚)「おっと」
それを聞き、彼女は急いで校舎へ戻っていった。
立ち去る彼女を見てホッとしたのか、俺はベンチに手を掛け空を見上げる。
木々の隙間から見える青空。
時折差し込む日差しに目を覆い、ふと、彼女を想起した。
不思議な奴だった。
('A`)「……何だったんだ、アイツ……」
('A`)「……」
次の授業はサボるか。
そう思い、俺は睡魔に身を委ねた。
* * * * *
鼻が痒い。
('A`)「……お前何してんの?」
(;^ω^)「いやー! 鼻の穴でも掃除して差し上げようかと!」
('A`)「タンポポの綿毛を使ってか?」
(*^ω^)「そうです!」
430
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:46:09 ID:mvdyaXL60
鳩尾に一撃。
ブーンは地に伏せ、低い唸り声を上げて悶絶した。
――空が赤い。
(;'A`)「あー……。結構寝てたみたいだな」
(; ω゚)「そ、そうッスよ先輩……。もう、下校時間ッス……」
('A`)「よし、鞄取ってこいブーン」
(; ω゚)「イエッサー!」
三分後。
( ^ω^)「持ってきたッス! あと、こんな物も机の上にありました!」
('A`)「サンキュー」
鞄と一緒にブーンに渡された物は名刺と一枚のプリントだった。
俺は一番にそのプリントを広げ、その内容に目を向けた。
('A`)「……招待状?」
( ^ω^)「お? 何て書いてあるんだお?」
('A`)「ほれ、何か招待状って……」
431
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:46:37 ID:mvdyaXL60
プリントをブーンに渡し、俺が名刺に目を遣ろうとした瞬間――
(;゚ω゚)「その時、ブーンに電流走るっ……!」
――ブーンに電流が走ったらしい。
俺は「どうした?」と声を掛け、もう一度プリントに目を向けた。
(;゚ω゚)「これ! これを見るお!」
ブーンの指さす所を見つめ、そこに書かれた文章を読み上げる。
『ホームパーティ招待状』
(;゚ω゚)「ちげぇよ馬鹿! 決闘申し込むぞ! ここだお!」
再三プリントの文章を読み上げる。
『開催場所……素直家』
この時、俺は頼りない脳味噌をフル稼働させ『素直』という名前を検索した。
鈍足な検索の結果、一件だけヒットする。
432
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:47:06 ID:mvdyaXL60
('A`)「素直って言ったら、あの財閥の」
( ^ω^)「そうそう。ヤベェくらい金持ちの」
('A`)「ほえー。すげーな」
( ^ω^)「で、行くの?」
('A`)「うーん……」
――いやいや、何で行かなきゃいけないんだよ。
第一、俺に素直家との繋がりは微塵もない。
同じ人類なのか不安になる程かけ離れた存在が、何で接触しないといけないの?
どう足掻こうと、貴族と市民が交差しても物語は始まらん。
それこそ、今すぐブチ壊すべき幻想に過ぎないだろう。
('A`)「……ま、誰かのイタズラだろ」
( ^ω^)「話のオチ的には弱いけど、それが妥当だおね」
俺は名刺とプリントをポケットに仕舞い、鞄を携えてブーンと並んで歩いた。
学校を出て商店街に出る頃には日が完全に沈み、周囲の電飾が灯り始めた。
今日はどこへ行こうか。ゲーセン? カラオケ? ファミマ?
('A`)「お前、どこがいい?」
(;^ω^)「……すまん! 今日はもう帰るお! 妹が飯作ってくれてるんだお!」
433
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:47:59 ID:mvdyaXL60
('A`)「ん? お前に妹なんて居たっけ」
(;^ω^)「もう時間がヤバいんだお! それじゃ、また明日だお!」
ブーンはそう言い残し商店街の人混みに消えて行った。
晩飯時の商店街は人で溢れ返っている。
俺は人の波に乗り、当ても無く商店街を進んだ。
もう春だと言うのに電飾はクリスマスの時のままだった。
サンタクロースや雪ダルマを尻目に、俺は商店街を抜けて公園に逃げ込む。
やっぱり人が多い所は苦手だ。
俺は自販機で買ったコーヒーを片手にアスレチックを登り、ホッと一息。
('A`)「暇じゃのう」
俺は夜空に向かって吐き捨てコーヒーを飲み干した。
('A`)「……」
――いや、さっき言った事は訂正しよう。
どうやら暇潰しで頭を悩ませる必要は無さそうだ。
五人の男がアスレチックを囲みこんで俺を見上げていた。
しかも相手は全員黒尽くめ。バーローならば絶体絶命の極みに違い無い。
(´・ω・`)「御迎えに上がりました」
中でも筋骨隆々な男が一歩前に出て頭を下げた。
拉致とかの類では……ないみたいだ。
('A`)「俺に何の用だ。借金をした覚えは無いぞ」
434
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:48:29 ID:mvdyaXL60
(´・ω・`)「間も無くホームパーティの時間です。車に乗って下さい」
('A`)「……あぁ、あれって強制参加なの?」
(´・ω・`)「ええ。御嬢から直々に呼ばれたのでしょう?」
(´・ω・`)「否応無しに来て貰いますよ。でないと僕の給料が御嬢のヤケ食いに消えるのでね」
筋骨マンは指を鳴らした。
それを合図に、残る四人がアスレチック攻略に乗り出す。
('A`)(どーしよ。下手に暴れて訴えられたら末代まで迫害されそうだしなぁ……)
('A`)(意味不明だけど、晩飯代が浮くならいいか)
('A`)「割れ物注意だぞ」
間も無く俺は黒尽くめに捕獲され、黒いリムジンに投げ込まれた。
再び筋骨マンが指を鳴らすと、ゆっくりとリムジンが始動する。
(´・ω・`)「ま、楽にしていて下さい」
* * * * *
.
435
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:49:03 ID:mvdyaXL60
なんやかんやで数時間が経ち、なんやかんやで到着したらしい。
(´・ω・`)「着きました」
('A`)「えっ」
えっ。
我に返った時には手遅れだった。
馬鹿デカい門を超えて両脇に草木の茂る道を走り抜け、見えてきたのは大豪邸。
リムジンは停車し、俺を外に弾き出すと即発車した。
噴水の周りには煌びやかな紳士淑女が有象無象の有様で談笑していた。
通常屋内でやるべきビリヤードの台が外に運び出されており、これまた紳士淑女がセクシャルな姿勢を披露しつつプレイしている。
白のテーブルクロスで清楚にメイクアップされた円卓にはパッと見で分かる極上の料理の数々。
颯爽と現れた俺。
('A`)「えっ」
えっ。
何度でも言おう。
えっ。
場違いな人間の登場に静まり返るホームパーティ。
最早グングニルをも超越したであろう紳士淑女のメンチビームは、俺の五体を八つ裂きにせんと襲いかかってくる。
436
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:49:26 ID:mvdyaXL60
ああ、穴があったら死んで墓標にしたい。
ざわ… ヒソヒソ…
ヒソヒソ… メメタァ…
ズビズバー… ざわ…
川 ゚ -゚)「おお、やっと来たか」
突然沈黙を突き破って現れた少女に俺は目を奪われた。
黒髪ロングに白ドレスを身に纏い、あたかもシンデレラを想起させる身形は美しさを具現化した様だった。
彼女はホワイトハウス風の豪邸を背に、ゆっくりと階段を下りて俺に接近してくる。
紳士淑女の波は彼女の通る道を開け、唖然としてこの光景を眺めていた。
異様だ。(=゚ω゚)ノ過ぎる。
彼女は俺の前で立ち止まると、秀麗な黒髪を翻して紳士淑女の方を向いた。
川 ゚ -゚)「みんなー。聞いてくれー」
川 ゚ -゚)「この男が私の友達第一号だからなー。変に目を付けるんじゃないぞー」
437
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:49:47 ID:mvdyaXL60
誰だっ……俺をこんな場所に連れてきたのはっ……!
誰がっ……! 誰が来たいと言ったんだっ……!
あ、俺だった。
川 ゚ -゚)「私の名前は素直クール。君の名は?」
(;'A`)「……ドクオ。片仮名みっつでドクオ君」
この時、俺は覚悟した。
貴族と市民が交差して物語が動き出した以上、俺にもきっと飛び火するであろう事を。
―――――――――――――――
('A`)は歩き続けるようです。
第一話。終わり
438
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:51:55 ID:mvdyaXL60
CLANNAD見た後に突発的に書いた
ぶっちゃけ「異様だ。(=゚ω゚)ノ過ぎる」の不意打ちでしか笑えないと思った。
某少女企画に叩きつけてやろうかと一考したが、そんな度胸は無いので止めた
打ち切り。賢者モード時には死にたくなる一作
439
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:52:37 ID:mvdyaXL60
とある監獄の一室。一切の光を遮断する暗闇。
闇に溶けた一人の少年、今日も今日とて一人で呟く。
(:::::::::::)「言葉は翼を持つが、思うところには飛ばない」
(:::::::::::)「あるのは目標だけだ。道はない。我々が道と呼んでいるものは、ためらいに他ならない」
(:::::::::::)「明日何をすべきか知らない人は不幸である」
「一つの嘘を通す為には、他の二十の嘘も工夫せねばならない」
( ω )『The Hound Man』のようです
440
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:52:54 ID:mvdyaXL60
一直線に伸びる純白の通路。
等間隔に設置されたロックキーは、ここで収監している囚人を閉じ込める為のものだ。
彼等の眼中にそれは無く、立ち並ぶ二人は凛として歩き続けた。
( ´ー`)「……オヤジからの連絡は?」
lw´‐ _‐ノv「さっき所長の説得に成功したらしい。後は私達の仕事だ」
( ´ー`)「……にしてもよォ、何でガキなんかを牢から引きずり出すんだ?
そいつが使える使えないを抜きにしても、あんまり気の乗る話じゃねーぞ。
オヤジも何考えてるんだか……」
lw´‐ _‐ノv「いや、課長にこの件を進言したのは私だ。彼――流石兄者は私達に必要な人材なの」
( ´ー`)「そりゃあ経歴は華々しい限りだが……」
lw´‐ _‐ノv「単独での企業テロ。インテリジェンスな犯罪者かと思えば、今度は国務大臣の会合を狙った大量殺人。
さっきネーヨが言った通り、まるで子供の駄々……。だけど、彼には彼の理想があるみたい」
( ´ー`)「理想? 大人になりたくないってか?」
lw´‐ _‐ノv「後は彼自身に聞いてみるといい」
通路の突き当り、とびきり重厚な扉が二人の道を阻む。
シュールは傍らに設置された暗号式のロックキーを一瞥し、その暗証番号を脳内で想起させた。
( ´ー`)「……」
ネーヨも扉の仕組みは知っていた。この扉は十二桁の数字に加え、アルファベット三文字を入力する事で開閉する。
しかし、今シュールが入力している暗証番号はネーヨの知る所とは全く違う。アルファベットさえ、一字も合っていなかった。
441
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:53:21 ID:mvdyaXL60
lw´‐ _‐ノv「彼は子供だ。それも、世の中に絶望した子供。だからこそ彼は耳と目を閉じ、口を噤んだ人間になってしまった……
……ネーヨ、貴方は子供の頃の事覚えてる? 外で嫌な事があると、自分の部屋に逃げ込んだりしなかった?」
( ´ー`)「……知らねーな」
シュールが入力を終えると扉に異変が起きた。
重厚な扉がカレンダーの様に捲れ上がり、その奥に下へと続く階段が現れる。
いくわよ、と短くネーヨに告げ、シュールは暗闇の階段を下りて行った。
いまいち事態を把握出来ていなかったネーヨだが、上司であるシュールの行動を卑下には出来ない。
ネーヨは頭を掻き、苦い顔をして彼女の跡を追っていった。
階段を下り終え、そこにあったのは公衆電話だった。
点滅する電球に照らされるそれは前時代の遺物。現代では博物館でしか見られぬ骨董品である。
腰の高さもある台に乗せられた公衆電話。その傍らに十円玉が一枚、転がっていた。
ネーヨはそれを拾い上げ、物珍しそうに一瞥してからシュールに手渡す。
442
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:53:51 ID:mvdyaXL60
シュールは十円玉を投入し、受話器を取って耳に当てる。
――相手をコールする音はすぐ途切れた。
lw´‐ _‐ノv「お前が流石兄者だな。単刀直入に言う、そこから出てこい」
『……いかにも、俺が流石兄者です。けど、ここからは出ない』
lw´‐ _‐ノv「悪いがそうも行かなくてな。所長からも既に許可は下りている。
お前が自主的に出ないのなら、無理矢理にでも連れ出すぞ」
『自由であるとは、自由であるべく呪われている事である』
lw´‐ _‐ノv「サルトルの『存在と無』だったかな」
『イエス。……俺は一度世の中に見切りをつけた人間です。
まぁ事情によっては外に出るのも構いませんが、俺をクソったれな場所へ連れ出すに値する事情ですか?』
lw´‐ _‐ノv「幻影は落ちて行った。一つまた一つと、果実の皮がむけ落ちる様に――」
『――そして残った物は経験というものだ。
……でも、俺に残ったのは懐疑心と厭世感だけです。経験なんて、これっぽっちもありゃしない』
lw´‐ _‐ノv「世にある物には、人によって付加された価値が必ず存在する。
それは金と時間、感情と結果、期待。そして、根拠無き可能性……」
『言い得て妙な口ぶりですね。……俺に何の用ですか?』
lw´‐ _‐ノv「ある事件の調査にお前を起用したい。世間じゃ“首狩り犬事件”とか呼ばれている一件だ」
『……ああ、あのクソ野郎……』
443
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:54:07 ID:mvdyaXL60
lw´‐ _‐ノv「もう一度言うぞ。流石兄者、そこから出てこい」
『……それを答える前に質問があります。
俺は沢山の人に迷惑をかけ、殺してきた。そんな俺をアンタはどう思ってる』
lw´‐ _‐ノv「“俺は人間を殺したんじゃない、主義を殺したんだ”と言ってたじゃないか。
なのに今更、他人の反応を気にするのか?」
唐突に通信が途絶え、心電計が停止した様な音が受話器から聞こえた。
( ´ー`)「どうだった。若者との意見交流は」
lw´‐ _‐ノv「可もなく不可もなく……と言った所だ。中々隙の無い人間だったな」
( ´ー`)「そーかい。じゃ、とっとと帰っちまおうぜ」
ネーヨはのそりと身を翻し、階段を上って闇に消える。
追ってシュールも上に戻ろうかと階段に足を掛けるが、同時に、背後に人の気配を感じた。
444
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:56:45 ID:mvdyaXL60
攻殻機動隊見た後に突発的に書いた
割と書いてて楽しかったから、たぶん続きも書くと思う。
首狩り犬は気に入ってるキャラの一人
445
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:58:38 ID:mvdyaXL60
終点に近づくにつれ、電車の中から人影は消えていった。
カタンコトン。
典型的な擬音に耳を傾け、彼女は外に目を遣った。
海、その手前に砂浜が見えた。
カタンコトン。
('、`*川「はぁ……」
物哀しげに溜息をつき、彼女は視線を戻す。
( ・∀・)「アリーヴェデルチが決め台詞として成り立つなら
カリフラワーもいけると思いません?」
( ・∀・)「カリカリカリカリカリ」
( ・∀・)「カリカリカリカリカリカリ」
* * * * *
迷走作品の一つ。もう何書いてるのか自分でもわからなかった
446
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 15:59:39 ID:mvdyaXL60
ξ゚⊿゚)ξ「ヒステリック・ドクター」
クレイジー・ダイアモンドと言ったら最後、自分の罪を数える事になる。
作中で説明した通り、ダメージを回復に、回復をダメージに変える能力。彼女の言うリミッターはモララーの言うスペックと似たようなもの。完全解放時にはちょっとヤバい。
着想は「めだかボックス」よりスカーデッド。
( ´∀`)「ドット・ハッカー」
グリードアイランド編のあの人をイメージ。旅団を撤退させたあの人です。
ドット・ハッカーは相手の性質を見極める能力です。何も使わずともモナーには善悪がハッキリ分かっていますが、能力を使うとアラ不思議。相手の本音もトラウマも何もかもお見通し。
ドクオ接触時の彼は能力を発動していました。ドクオの能力を把握した上での行動でしたが、記憶の受け継ぎ【リーディング・シュタイナー】は無かった模様。
なめてかかると一番ヤバい。トラウマを武器に戦ういやらしい殿方。
着想は「.hack」より、そのままゲーム名を。
( ´・ω・`)「マスター・スウェルマン」
ステータスを弄るのが彼の能力。昔は母者と組み、その能力を存分に発揮して母者をサポートしていた。
弄れるステータスはほぼ全て。しかし、相手の同意がなければ発動出来ない為、タイマンでは分が悪い能力。
また、自分のステータスを弄る事も可能だが、当然デメリットがある。
着想は「エウレカセブン」作中より、「セブン・スウェル」のスウェル(増音装置的な意味で)を頂きました。
|^o^|「終わりの殻【マトリョーシカ】」
自分の体をマトリョーシカで覆い強化する事が可能。各部位ごとでも出来る。対兄者の時はガッツマンみたいだった。
反面、上手く硬度や枚数を設定しないと自分が動きにくくなる。「応用技多数」。ところでマトリョーシカの数え方って枚数でいいのだろうか。ググってきます。
母者と対等に戦える数少ない人間。リア充師ね。なんでAAをコイツにしたのが未だに分からない。
着想は、現在絶賛放送中のアニメ「C」より、OP「マトリョーシカ」をそのまま。
('A`)「後悔の公開【ルック・バック・ディメンション】」
一番中二っぽい能力だと自負している。そして強い。
死を発動のトリガーとして、その経験を過去の自分へ送る能力。ただし、セーブデータは二つまで。一つは奥の手として隠しています。
セーブデータからやり直せるのは三回まで。データを上書きすればその回数もリセットされる。
一番書きづらい能力。この文章でも何を書いてるのかわからねーと思うが、今後に期待してください。
着想は「デッド・コースター」より、死を予感する能力です。
447
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 16:01:15 ID:mvdyaXL60
随分前に書いた能力の細かい設定。いわば中二病ノートの断片
もう使わねーだろうから晒したけれど、次回作に流用した奴は未公開にしておく
448
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/13(水) 16:07:39 ID:mvdyaXL60
( ^ω^)あふぅぅぅん!
オイラのチャーミングおちんぽこが竜巻旋風脚だお!!
若干のヌメリはあるけど玉子焼きには最適だおぉぉぉ!
ここで勘弁して下さい。おーんプテラノドーン
449
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/14(木) 18:06:00 ID:LiGJc3ek0
(℃°)「テス」
450
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/17(日) 02:22:16 ID:ODIaNLhgO
何か書いてあったから読んだ
短編集面白かった、
ブーンとツンのやつの導入部なんとなく既視感がしたが勘違いかな。
全てを賭けるようですの続きも頭の隅に置いてくれてると嬉しい
2人の読者のうちの一人より
(けっして読者は2人だけではないと思うけど)
※某スレに晒されるかもなので抵抗の意でこの文章記す
451
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/17(日) 03:32:14 ID:aayqP8PI0
>>450
某スレは丁度良いレッテル貼ってくれたよね!
名前出ただけでも嬉しかった
既視感がある奴は元ネタありですね
「Last song」って歌の歌詞から話を作りました
全賭も書けない事は無いけれど、書き直しの方を優先したいのです
まぁせっかくですし、いつか続き書きますお
次回作の第一部が後少しで書き上がる
マジで七月投下あるかもしれん。オナ禁して頑張る
452
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/20(水) 12:57:49 ID:b7xFH1Yw0
ちゃんとした続きみたいな・・・
453
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/20(水) 17:35:43 ID:Qx03gQ/U0
>>452
全賭ですか。もういっそ、新作と全賭で同時連載してやろうかと云々
数少ない読者の声ですし、月一程度に投下出来るよう書き溜めて行きます
終わったスレなのにレスしてくれてサンクス
454
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/20(水) 22:56:17 ID:Qx03gQ/U0
流石兄者は一人であった。弟と父は死去、母と妹は行方不明。
だが、彼は今日も学校に通わなければいけない。
それは金銭面を補助しているモララーの頼みでもあった。
玄関を出て鍵をかけ、ふと表札を一瞥。
( ´_ゝ`)「……」
――表札を見て何も思わなくなったのは、つい最近の事だ。
―――――――――――――
彼らは時の階段を上るようです
第一話「迷子犬と雨のビート」
―――――――――――――
455
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/21(木) 17:22:19 ID:aU8r9Y2Y0
俺も本編の続き期待してる
せめて大まかな流れだけでも教えてくれると嬉しい
456
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/21(木) 17:58:23 ID:8AhypvJM0
>>455
本……編……? 「誰かの為」の続きでしょうか?
云々あって兄者とGが激突
↓
突如宇宙から飛来した隕石。その陰にはFの少年、フォックスの姿が
↓
フォックス無双。ここで大体の奴が死ぬ
↓
兄者とGで何とか場を持ち直すが、じり貧となり兄者死す
↓
ブーンを守ってG死亡。ブーンはドクオを探しに走る
↓
ブーン、ヒッキーに懇願しドクオの能力を元に戻してもらう
↓
ドクオを守ってブーン死ぬ
↓
ドクオが過去に戻っちゃう
↓
バッドエンド
457
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/07/21(木) 18:20:49 ID:8AhypvJM0
一応本人の証明
458
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/22(金) 18:18:16 ID:lCVO0q2c0
ますます見たくなるなあ
459
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/24(日) 03:03:03 ID:aQBAaQes0
>>458
すまぬ……すまぬ……!
以下、割とどうでもいい報告
既にスレ立てて投下(現在は予告だけの投下)をしてますので、再三目を白くして読んでくれると嬉しいです
書き溜は長々とありますが、次も低速sage投下でいこうと思っています
二人しか居ない読者がもっと増えるよう血反吐を吐いて執筆にあたるので、どうか一読してくだしあ
ついでに、ネタ含みで書き込むのはこれを最後にします
さすがに皆飽きてきただろ常考
460
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/08/11(木) 22:52:37 ID:gXzXdFeM0
今こそ更新の時だろう
461
:
◆yeyP4e7tEQ
:2011/08/28(日) 15:31:13 ID:594vRk0E0
下げ投下は甘え
462
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/08/28(日) 20:10:02 ID:IxOhsI.sO
なら書くべし書くべし
気にくわないのなら創作板に移って、最初から書き直してもいいんじゃない?
463
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/09/18(日) 01:53:32 ID:cWihoiOk0
泣けた。こんな泥沼最下層に誰かが来るとかマジ美談
また誰が来るとも知らんが、新作「時の階段」の裏設定でも晒しておこう
464
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/09/18(日) 02:04:10 ID:cWihoiOk0
第零話の首狩り犬。あれは拳王。殺処分されてく犬は空気作者。ビーグルはその代表
内藤と西川を分けた理由は、今と昔のブーン系が違う事を比喩したかったから。
ビロードの設定に戦闘狂、家庭崩壊を盛り込んだのは、いろんな作者に振り回されてるってのを比喩したいが為。
死んだキャラクタをそのまま使うのは嫌だった、というのも大きい
465
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/09/18(日) 02:17:26 ID:cWihoiOk0
舞台の「VIP町」「新都市」はそれぞれ「避難所」「創作板」を指してる。
特に新都市についての描写は、読み方次第で創作板の住民を敵に回すレベル
タイトルにAAを使わなかったのは、この作品に主人公は居ないからだったりする。
だから兄者もいずれ死ぬ。誰彼構わず殺していくのが売りである
達磨崩し編は比喩がかなり多い。情景描写と取れる一文も、実はかなり黒い事が隠してあったりする
466
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/09/18(日) 02:24:55 ID:cWihoiOk0
他にも色々ある。だが二部以降の話なので、それはまた今度
投下頑張る。次から上げてく
467
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2012/06/26(火) 20:04:19 ID:9QqiCnKA0
消えろ
468
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2013/10/14(月) 18:54:39 ID:ldhkN9HQ0
滅びよ
469
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2016/10/03(月) 14:30:53 ID:iy2YXH1c0
これが激鉄。マジヤバい
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