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おもらし千夜一夜4

1名無しさんのおもらし:2014/03/10(月) 00:57:23
前スレ
おもらし千夜一夜3
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/2469/1297693920/

65追憶3「霜澤 鞠亜」と公園戦争。@鞠亜⑥:2014/06/04(水) 23:36:37
――
 ――

「――亜……鞠…! 鞠亜!」

――ん……綾?

肩を両手で持ってボクを揺さぶる綾が目に映る。
でも直ぐにボクの身体は綾の方に引き寄せられて、空が見えた。

「よかった! ……大丈夫?」

「え? あ、……うん?」

――えっと? なんでボク綾に抱きしめられてるんだっけ?

しばらくすると綾が抱きしめるのをやめて、両手を地面に付きながら心底安心したように口を開いた。

「はぁ〜…急に気を失うから吃驚した……」

気を失った?

……。

――っ!

ボクは視線を自身のスカートに向ける。
濡れてる……のは当たり前だけど、この匂いは……。

顔に血が上っていくのが判る……ボクはおもらし……しちゃったんだ……。
綾の前で、気を失いながら……。

目の前が歪む。
それは涙のせいなのだと直ぐにわかった。

「ぐす……」

――綾は……こんなボクを抱きしめてくれたんだ……。

複雑な涙。
凄く恥ずかしい失敗をしてしまって悔しかった。でも綾の優しさが嬉しかった。

「鞠亜、立って、もうちょっとこっち来て」

綾がボクの手を引く。
ボクは力なく立ち上がり、よく判らないまま少しだけ動く。

「そんじゃいくよ! “るなてぃっく凄い奴!”」<バシャバシャー>

冷たい。
蛇口を上に向けてボクたち二人に水が掛かる。
恥ずかしい失敗も、涙も流してくれる。
虹が見える中、綾は笑いながら言った。


「……今度めーちゃんに会ったとき、謝ろうよ! そのときは私も一緒に付き添うからさ」


おわり

66名無しさんのおもらし:2014/06/06(金) 00:49:50
おお、もう次の話が更新していたか。 次回の話も楽しみに待ちます。

67名無しさんのおもらし:2014/06/08(日) 18:26:39
@鞠亜とな
他の人のもなんかあるのかな

68事例の人:2014/06/08(日) 20:31:17
>>67
主人公(綾菜)以外の視点ってだけです
事例EXの話を除き、一つの話で一貫して視点が違う時は今後もこういう書き方します

69名無しさんのおもらし:2014/06/24(火) 20:43:44
早朝の国道沿い まだ車も疎らであるこの時間帯に全力疾走する二つの姿があった
「待ちなさーーーーい!!!!」
ひとつは所轄署の刑事課のホープとまで言われている小谷麗子巡査部長である
彼女は昨晩まで他の署の捜査本部に応援に行っていた
そのせいで家路につくころには既に夜があけかかっていた。
その日の捜査はそれこそトイレに行く暇もないくらいだったので帰り道尿意を感じた
家まで我慢できそうにないのでしかたなくコンビニでトイレを借りようとした
ところが…
入ったコンビニのレジの前にあからさまに怪しい覆面をした男がいた
覆面の男が「金を出せ!」って叫んだものだから思わず「警察だ!」と叫んでしまった麗子
その言葉を聞いて入り口の麗子を突き飛ばし逃げ出す覆面の男
尻餅をつく麗子、衝撃で括約筋が緩んでシュシュッと吹き出たもののなんとか前を押さえて耐える
なんとか耐えたはいいものの強盗犯を無視してトイレに行くわけにもいかず張り詰めた膀胱を抱えたまま麗子の追跡劇が始まった

70名無しさんのおもらし:2014/06/24(火) 20:44:19
(いったいいつまで逃げるのよぉ〜〜〜!)
既に麗子は十数分は犯人を追いかけている
学生時代は陸上部であり、諦めてトイレを優先しようという誘惑もも持ち前の正義感でねじ伏せている
とは言ってもおしっこを我慢しているようなコンディションでは距離など詰まるはずもない
一回強盗犯がコケるという絶好のチャンスがあったにもかかわらず急激に襲ってきた尿意の波に負け前押さえを優先してしまった
(ああおしっこしたいトイレトイレトイレトイレおしっこおしっこもれちゃうもれちゃう!)
強盗犯もだいぶバテては来ているものの麗子の尿意も比例して切羽詰ってきている
もはや麗子には強盗犯との距離はそのままトイレへの距離に思えた
(あと5mでおしっこおしっこおしっこすあと4mもれちゃうもれちゃうがまんがまんがまんあと3mもうすぐといれといれといれ!)
しかし麗子は気がついていない犯人を確保できたとしてもすぐにトイレに行けるわけではない
少なくとも犯人を近隣の警察に受け渡すまで麗子の我慢は続くのである

71名無しさんのおもらし:2014/06/26(木) 19:12:26
続かない? 続いてもいいのよ? 続いてください

72名無しさんのおもらし:2014/06/27(金) 00:54:37
続かない 続きます 続く 続くとき 続けば

73事例2.1「篠坂 弥生」と七夕。@弥生①:2014/07/07(月) 23:30:52
七月七日、七夕。
私は短冊に願いを書く。

“お手洗いの失敗なんて事、もう絶対にしませんように。弥生”

――だめだ。名前はダメだよ…。

私は名前の部分をマジックで塗りつぶす。

此処は多くの人が短冊を吊るしにくるところ。
もし学校の人が弥生なんて名前見たら……そう思うと名前なんて書けるわけがない。

自分で書いた短冊を顔を赤くしながら間違いがないか確認して再度吊るす。

手を伸ばした時、横の短冊が揺れて内容が目に入る。

“あーちゃんとまた仲良くなれますように。くーちゃん”

……なんだろ、子供っぽい内容なのに子供の割には凄く字が綺麗。

それを見ていると直ぐ隣にある短冊も目に付いた。

“← くーちゃんが素直になって、過去に振り回されませんように! めーちゃん”

これも字が綺麗の割に……。

――いやいや! 他人の見るとかよくないよね! わ、私のも見られたくないしっ!

……なんだか私の願い事が余りに酷い気がしてきた。
私は短冊を破いて書き直す。

“雛さんとついでに真弓ちゃんとも、ずっと仲良しで居られますように。弥生”

今度は堂々と名前を書いて吊るす。

やっぱりこういうことを書くべきだ。
私は笑顔で駅前にある笹飾りを後にし、帰りの電車が来るホームへ向かう。

74事例2.1「篠坂 弥生」と七夕。@弥生②:2014/07/07(月) 23:32:17
――
 ――

電車に揺られ自宅へ向かう中、ふと尿意を感じる。
学校出る前に済ませてきたが、短冊を吊るすために1本電車を遅らせたのがいけなかったのかも知れない。

――はぁ〜、こんなことなら駅のお手洗いを使えばよかった……。

後悔しても後の祭り。
目的の駅まで後ひと駅だ。付いたら駅のお手洗いを利用すればいいだけ。

「〜申し訳ございません。車両点検を行うため10分ほど停車いたします〜」

――なによこんな時に……。

マーフィーの法則……そんな言葉が思い浮かぶ。
いやな予感を感じながらも大丈夫だと自分に言い聞かせる。
まだ尿意を感じてそこまで時間がたっているわけじゃない。
10分なんて直ぐ終わる。

5分が経ちまもなく10分が経つ頃。

「〜大変ご迷惑をおかけ致しました。車両点検が只今終了致しました。まもなく電車が発車します〜」

――ほ、ほら余裕だ! これなら余裕を持ってお手洗いにいける。多少込んでても大丈夫!

カバンの中に丸めて入れられた破れた短冊。
破った罰でも当たったのかと思ったけど、本当に助かった。

しばらくすると電車が駅のホームへ入り、扉が開く。
ホームに下り、改札に行く前に、お手洗いへと足を進めた。

だけど――

“清掃中”

……最悪。
いつまで掛かるのか判らないし、ここで待つのも我慢してるって言ってるようなものだし、なんだか恥ずかしい。

私は思い切って改札から出る。
家までの道のりは15分。……多分間に合う。
それに、公園もちょっと遠回りすればあるし、そこにはお手洗いがある。

真っ直ぐ帰るか、5分ほどで付く公園に向かうか。
家まで我慢できないことはない……でも、不安は拭えない。
私は公園へ向かうことにした。

75事例2.1「篠坂 弥生」と七夕。@弥生③:2014/07/07(月) 23:34:12
電車の中で座ってるときはそうでもなかった尿意が、歩いていると少し辛くなった気がする。
きっと立ち止まると足をもじもじと動かしてしまうほどに尿意が高まってきた。

だけど、もう公園は見えてきた。あと2分と掛からずこの辛さから開放される。

そして、公園に足を踏み入れる。

「あら? 弥生ちゃんじゃない!」

――っ!

人見知りな私に声を掛けてきたのは近隣住民の調子のいいおばさん。

――や、やな人に捕まっちゃったな……。

長話。そうなる気がした。
我慢。電車の中からここまで抱えてきた液体を足を閉じて我慢する。
顔見知りだけど、この人は苦手だ。ましてや近所の話のネタにされるわけにもいかない。
だから我慢しているのがバレるのは困る……じっとなんでもないように愛想笑いをして何とか切りがいいところまで我慢するしかない。

――
 ――

2分…5分…そして10分経っても話は終わらない。
ずっとマシンガントークで……私のようなとろとろした子には到底入り込む余地がない。
でも、尿意は強くなって次第に足をじっと止めることができなくなってきていた。

――こんなことなら、真っ直ぐ家に帰ればよかった……。

私は、なんとか話を切り上げるタイミングを計っていると、おばさんの後ろの公園のお手洗いに一人のおじさんが近づいていくのが目に付く。
その手には南京錠らしきものと鎖が……。
額に汗が浮かぶ。恐らくあの人は公園の管理者。
まだ夕方もそこそこだというのに、防犯のためなのかお手洗いに鎖を巻くらしい……。
今すぐにでもお手洗いに行きたいのに、目の前には喋り続けるおばさんと、公園の管理者。
おばさんの話をなんとか切り上げることと、公園の管理者のおじさんには尿意の告白をしなければ入ることは出来ない。

――む、無理だよ……。

タイミングを測っている間に、おじさんは鎖を巻いてどこかへ行ってしまった。

76事例2.1「篠坂 弥生」と七夕。@弥生④:2014/07/07(月) 23:35:19
「あら、もうこんな時間! タイムセールがあるから失礼するわね」

話し始めてから15分。結局あっちから切り上げられるまで何も出来なかった。
そして、もう目的の場所は硬く閉ざされてしまった。

私はスカートの裾を握り締める。
尿意はもう一刻の猶予もないところまできている。
家までは……12〜3分。間に合う気がしない。
でも、一番近い私の欲求を満たせるところがそこ以外思いつかない。

こめかみから流れる汗が頬を伝う。
私はようやく気が付いた。
さっきのタイミングを逃した時、私に残された道が二つになってしまったことに。

一つは……意地でも家を目指すこと。
おもらしになるか、おチビリで済むのかわからないけど、どう考えてみても無事でつけるとは思えない。

もう一つは……や、野外で……つまりは野ション……。
現実的にはこっちだと思う。だけど、まだ外はそれなりに明るくて……。

視界がぼやけてくる。
なんだか悔しくて涙が出てくる。
最悪の2択。迷ってる暇なんてない。それでも決断できない。
私はカバンで隠しながらスカートの前を抑えた。

――だめ、我慢できない……は、早くぅ、お手洗い……。

私の心はお手洗いを求めた。私は目の前にある鎖の掛かったお手洗いに足を踏み出す。
もしかしたら、南京錠を掛け忘れているかもしれない。
もしかしたら、簡単に開けれるかもしれない。
もしかしたら――

そんな思いで近づいて私は鎖を手にして肩を落とす。

――ダメだ……開かない。

開いてしまいそうな部分を抑えながら、絶対に開かないお手洗いの鎖を手にする。
なんて皮肉。

77事例2.1「篠坂 弥生」と七夕。@弥生⑤:2014/07/07(月) 23:36:13
もう……野ションしかない。

私はスカートの前を抑えながら、お手洗いの裏手に回る。
木があるし背の低い草も茂っていて多少は周囲から見難いところ。

足がガクガクと揺れる。
こんな所で……そう思っていても限界の近い膀胱は許してくれない。

――でる…でちゃう……もう、ここで、しちゃうしか……。

そう思って私はカバンを直ぐ脇に置き、心臓が痛いくらいになるのに耐えながらスカートの中に手を入れた。

――しちゃう、しちゃんだ私……こんなところで、野外でなんて……もう何年ぶりだろう……

下唇をかみながら下着に手を掛ける。
だけど――

「――――?」「――――」

目の前の木の向こう側。見難いが道路がある方向。
二人組みの声が聞こえてきた。

私は茂みに身体を隠すために咄嗟にそのまましゃがむ。
下着はまだ降ろしていない。
なのに……。

<ジュ……>

――ダメ! でないで……まだ、なの……もう少しだから……お願い……。

私は咄嗟に下着の上から手で力いっぱい抑える。
手に感じるのは湿った暖かいぬくもり。そして、押し返す力。伝わる震え。

<ブシュ…>

抑え込んでいるはずなのに、手の隙間から雫が滴る。
本当は下着をずらせば済ませられるかもしれない。
だけど、音が道路まで聞こえてしまうような気がして……。

<ジュウゥ……>

溢れ出す雫が乾いた土に染みを増やし、やがて小さな水溜りを作る。
そして声が遠くへ行ったのに気が付き、抑えていた手を離し直ぐに下着をずらした。

<ジュィーーー>

「はぁ、はぁ……」

土を抉るような音と、夏なのに湯気さえ出そうな熱い息を何度も吐く。

額から零れる汗が地面に出来た水溜りに落ちて消えていく。
それを眺めながら、安堵、それ以上に情けない気持ちが心に湧き上がってくるのを感じて……。
私は目からも熱い液体を零した。

おわり

78名無しさんのおもらし:2014/07/08(火) 04:06:19
おつ
イベントにキッチリそろえてきたということは
この先それらしい日までは待つことになるのかな

ナンバリングはキャラ別?
複数競演の場合はどうなるのかな

79名無しさんのおもらし:2014/07/10(木) 03:34:58
某スレはあんなに人がつめかけてるのに寂しいな
せっかく良作が更新されてるんだからあげとこう(といっても現在上から2番目だけど)

80名無しさんのおもらし:2014/07/10(木) 19:28:34
>>78
読んでくれてありがとー
七夕だし七夕主題に何か書こうって急遽思っただけなので…余り七夕が関係ない内容になってしまったけど
今後の投下は今まで通り、不定期気侭で行きますよ

ナンバリングは基本的に時系列順
事例は入学〜。 それ以前は追憶でこっちのナンバリングは書いた順。小数点はその間にあった出来事の掘り下げや付け足し話。
「」内はその話のメインヒロイン(のつもり)

>>79
わざわざageありがとう。寂しく適度に頑張る。ROM専がそこそこ居てくれてることを信じて……
他の方も書いて欲しいよ!>>69-70の続きも見たいわ

81名無しさんのおもらし:2014/07/10(木) 21:25:37
いつの間にか更新していたか。 相変わらずの素晴らしい出来にGJと言ってしまう。もはやこの事例シリーズは今の小説で一番の楽しみだ。

82名無しさんのおもらし:2014/07/15(火) 20:22:23
事例2.1ってことは弥生ちゃんおもらししないようにお祈りした後にも夏祭りでやっちゃったのか
かわいい

83事例の人:2014/07/21(月) 00:42:24
>>81-82
感想とかありがとう。励みになるよ!

84事例7「睦谷 姫香」と図書室。①:2014/07/21(月) 00:43:40
「……はぁ、はぁ、はぁ…」

私は息を切らせながら自転車を漕ぐ。
今日は9月2日。始業式の日。
額に汗が浮かびながらも、私が懸命に自転車を漕ぎ続けるのには理由がある。
朝起きた時間が自宅を出る時間であり……つまりは寝坊だった。
新学期早々に遅刻とかありえない。
こんなことじゃまた朝見さんに何を言われるか――いや、あの時の言葉通りなら
私には関わらないはず……。
酷いことを言われないのは良い事のはずだけど……皐先輩の話を聞いてからはそんな簡単に考えられなくなった。

でも、それよりも今は、夏祭りの時以降話せていない人が居る事の方が問題だ。
……。

――いや、だったら遅刻した方が話のネタになって上手く行く可能性も?

……。

――いやいや、冷静に考えよう。そんな小さな話のネタでどうにかなるのなら、ネタがなくてもどうにか出来るでしょ?

……。

どっちでもいい気がしてきた。
でも折角ここまで急いできたわけだし、それを無駄にするのは勿体無い気もする。
結局のところ結果次第。遅刻してしまったら話のネタになるから結果オーライ……とでも、思っておくことにする。
そして、やっとの事で学校目前の踏切に差し掛かる。

<カーンカーンカーンカーン>

だが、目の前で遮断機がおり、行く手を阻まれる。
私は必死で自転車を漕いできた足を地面に付ける。
この時間帯の踏切は長い場合が多く――――通過タイミングが日によって数秒違うので直ぐに開く時もある――――
それに出くわすと確実に間に合わなくなる。

『あぁ、最悪……トイレ…行く時間絶対なくなったよ、コレ……』

『声』が聞こえてくる。
相手は……後ろから数秒遅れで来た生徒。私と同様、自転車に乗り、この踏切で足止めを受けることになった、Aクラスの睦谷 姫香(むつたに ひめか)さん。
ファッションなのか、左右違う柄の派手な靴下を履いている。しかもこの人いつも長袖の制服を着てる変わった人。
実のところこの人を此処で見かけることは多々あるのだけど、話したことは全くない。
そういえば見学会の日もこの人の良いシーンを見させてもらった。

そして、我慢の『声』が聞こえた事で、今更ながら私自身も尿意を感じていることに気が付く。
急いで自宅を出てきたため、朝トイレを済ませていなかった。
だから別にどうと言うことはないけど、このまま行くとトイレを済ませず始業式。
それは、すこしだけ心配ではあるけど、むしろ期待のが大きい。
一学期の入学式では収穫はあったけど、終業式では本当に大したことが起きなかっただけに、今回は何かあって欲しい。
というか、睦谷さんがその“何かある”人になる可能性が高いと思う。

――だけど……別にそれほど大きい『声』ではなんだけどね……。

多分私と同じくらいか、ちょっと多いかも知れない程度。
見学会の日に見た、長い排尿時間から察するに、結構膀胱は大き目なんじゃないかと考えられるので
始業式をトイレを済ませずに行ったとしても、それほど苦労せずに済んでしまうんじゃないかと思う。
それでも、式の間、退屈せずに過ごせるのは良い事だけど。

『ん、開いた……遅刻はしないけどやっぱトイレは無理だなー……』

その『声』に私もペダルに足を引っ掛けて、睦谷さんの前を走った。

85事例7「睦谷 姫香」と図書室。②:2014/07/21(月) 00:44:36
――
 ――

「あ! あやりんギリギリじゃーん!」

教室に入ると直ぐにまゆが私を見つけてそう叫ぶ。目立つからやめて……。

多くの人の注目を浴びながら私は表情を変えずに視線を周囲に向ける。
それは無意識のうちに行った行動で、自分でも驚いた。
一番気にしていた筈の弥生ちゃんは、まゆの近くにいたのでそんなことをする必要がなかったのだから。

――やっぱり……。

“関わらない”という言葉の重みを今更ながら理解した。
コレほどまでに目立っているにも関わらず、ただ一人、朝見さんだけは窓の外に視線を向けていた。
……。

「ひ、雛…さん? どうしたの?」

心配そうに声を掛けて来てくれたのは、私から声を掛けるべきだった相手の弥生ちゃんだった。

「……あ、うん…なんでもない」

予想していなかった事態に私は少し不自然に否定した。

「あやりん、なんか元気ないね?」

周りのクラスメイトが日常に戻っていく中、まゆが私に近づき話しかける。
こんなことで心配かけるわけには行かない。
私はまゆの言葉に首を振ってから口を開く。

「……おはよう、二人とも…」

まゆは少し腑に落ちないような態度をとりながらも小さく息を吐いてから挨拶を返す。
弥生ちゃんはなんだか視線を逸らしながら少し赤い顔で小さく返してくれた。
私の前で二度も失敗したことを恥ずかしく思っているのかもしれない。
でも、なんだかその態度がまだ確り打ち解けていないころの弥生ちゃんを彷彿とさせ、なんだか懐かしく思えた。
最悪、会話すら出来ないかもしれないと思っていただけに、安心した。

「ん〜? 今度はなんだか嬉しそうだねー」

まゆが私の顔を覗き込むようにしてそう言う。
表情変えたつもりなんてないのに……相変わらず鋭い。

<キーンコーンカーンコーン>

チャイムが鳴ると先生が入ってきて、扉付近に居る私達の背中を押すようにして席へ付くように促した。
そして、出席を点呼で取り、始業式のため、教室を出る。

ガヤガヤとして騒がしい廊下でAクラスから出てきた睦谷さんが目に止まる。
同時にさっきまであまり意識していなかった『声』が聞こえてきた。

『はぁ、我慢我慢……見学会の帰りの時と比べればどうってことないし……』

一瞬見えた横顔には焦りも不安も表情から読み取ることは出来なかった。

86事例7「睦谷 姫香」と図書室。③:2014/07/21(月) 00:45:42
――
 ――

「――生徒の皆さんが楽しんだ夏休みだとは思いますが、この先、文化祭、体育祭と、多くの行事も控えています。
学校生活を夏休みよりもより有意義に、楽しく、健康的に過ごせるのではないかと考えています。
そして、皆さんならそれが出来るということを信じています。
私も微力ながら各行事が成功するように生徒会長として可能な限りの努力をしてまいりたいと思います。
少し長くなりましたね。以上をもちまして、私の御挨拶に代えさせていただきます。
生徒代表、生徒会会長、宝月 皐子」

「キャー会長様ー」<パチパチ>

皐先輩の挨拶が終わり拍手が体育館に響く。
……誰だ会長様って叫んだ生徒。

『う〜、やっと終わる? 結構辛くなってきた……』

睦谷さんの『声』が聞こえてくる。
時間にして1時間もなかった始業式だが、『声』は大きく、尿意は思いのほか上がっている様だった。

――朝から沢山水分を取ったとか、コーヒーを飲んだとかかな?

斯く言う私も、昨夜眠気を覚ますためにアイスコーヒー2〜3杯飲んでいた。
朝済ますことが出来なかったので、睦谷さんほどではないにしても結構我慢してる。

『ふー、Aクラスから出れるのは、我慢してる私には救いだな〜』

始業式が終われば、教室に置いてある連絡事項の紙を持って自由に帰って良いらしい。
実に面倒が嫌いな人には優しい仕様だ。

だけど、睦谷さんの『声』が届かなくなり、知らない間に済ませてしまうって言うのは残念。

教室に戻った頃には、案の定睦谷さんの姿は隣のクラスにはなかった。

「あやりんー帰ろ!」「……」

まゆと弥生ちゃんが声を掛ける。正確には弥生ちゃんは口を開いただけで声にはなっていなかったけど。
誘ってもらえるのは凄く嬉しい。だけど、私は今日ちょっと用事がある。

「……ごめん、私ちょっと図書室に用があるから……先に帰ってていいよ」

「ぇ……」

何故だが弥生ちゃんがショックを受ける。

「あやりーん、それどれくらい掛かる? この後3人でお茶していこうかな〜って思ってたんだけど?」

……なるほど。
恐らくまゆなりに私と弥生ちゃんの事考えてくれてるのかな?

「……15分くらいは掛かると思うけど……大丈夫?」

「おーけー! それくらいなら教室で時間潰してるよ〜」

そう言って、教室の中で弥生ちゃんの机に座るまゆ。
私はそんなまゆと弥生ちゃんに「……後で」とだけ言い残し、背を向けて教室を出た。

87事例7「睦谷 姫香」と図書室。④:2014/07/21(月) 00:46:59
図書室に向かっていると自身の尿意が辛くなってきたのに気が付き、通り道にあるトイレに入る。
この先まゆと弥生ちゃんとお茶しに行く用事はあるものの、まだ少し先の話だ。
今行っておかないとタイミング悪く私が限界なんてこともあるし。
そうして、個室に入り用を済ませ、再び図書室へ歩みを進める。
入学して間もない時に、一度興味本位で入っただけで、まともに利用したことがないのだけど……。

図書室の扉前に着き、私は扉に手を掛ける。

<ガチャッ>

引き戸の扉を開くために力を入れた手に、予想外の重い手応えを受ける。

――鍵が開いてない?

私は扉に書かれたカレンダーを見るが、事前の調べ通り、今日も昼までは開放されているはず……なんだけど。
これからどうするべきか……私はカレンダーを見ながら考えていると――

「あ、あの……すみません」

私は後ろから声を掛けられ振り向く。

「い、今開けますね……」

申し訳なさそうにしながら、でも人付き合いが苦手なのか
――――私も人の事を言える程でもないが――――目を全く合わせようとせずに、私の脇へ移動して鍵を差し込む。

<カチャン>

学校にありがちな安っぽい鍵の開く音。
彼女――睦谷さんは鍵をカバンに入れて扉を開けた。

――そういえば、この子って図書委員だったんだっけ?

流石に1年生の名前と顔をすべて把握してる私でも、所属委員とか部活とかの詳細情報までは知らない。
でも、まぁ、折角わかった情報だし確り覚えておこう。

「あの……」

扉を開けて直ぐに睦谷さんは私に話しかける。
開いた扉から先に入った私は、振り向いて相手の言葉を待つと小さく口を開けて声を出した。

「えっと、本……借りて行きますか?」

――えっと?

「……え、ええ…まぁ、何冊か借りようかと……」

「で、ですよね……あはは、すみません変なこと聞いてしまって……」

そう言うと何かを誤魔化すように小走りにカウンターへ向かう。
私はそんな睦谷さんに疑問を抱きながらも目的の本を探しに本棚へ向かう。

88事例7「睦谷 姫香」と図書室。⑤:2014/07/21(月) 00:48:27
――えっと……とりあえず歴史と化学のよさそうな参考書は……。

本棚に目を走らせ、それらしいものを手に取りは戻してを何度か繰り返す。
思った以上に役に立たなさそうな本が多くて、面倒な作業。
……でも、納得いかないところを適当に済ませてしまうと、朝見さんに勝てる気がしない。
というか、本当に私なんかが勝てるのか……。皐先輩は絶対私を買い被ってる……。
私が毎日のように寝坊しそうなくらい勉強したとしても、中間テストでその結果が出せるか。

――ダメだったら絶対皐先輩に八つ当たりしよう。うん、そうしよう。

そんなことを考えながら一冊、また一冊と選び取る。
ある程度取ると、持ち帰る手間を考えて嘆息し仕方がなく何冊か返して、3冊ほどで妥協した。

私は両手に少し大きめの参考書を抱きながらカウンターへ向かう。

……?

カウンターに居る睦谷さんを遠目から見ると、下を向いて左右に揺れている。
本を借りるため近づいて行くと、前髪の隙間から辛そうな顔と、少し荒い息遣いが聞こえてくる。

――あれ? えっと、もしかして……我慢…してるの?

あと5メートルってくらいまで近づいたが、辛そうな顔、粗い息遣い、ソワソワと落ち着きのない身体、少し前屈みな体勢。
どれをとっても尿意に耐えている姿そのもの。――と言うかこの距離で私に気が付かないのか。

私はトイレに寄ってしまったことを後悔しつつ、もう数歩足を進める。
そして、カウンターに本を置くコンマ数秒前に、睦谷さんが私に気が付く。

「……ぇ? あ――」

今までしていた仕草を見られていたと察して、視線を外して耳まで顔を赤く染める。……可愛い。
ただ、落ち着きなくソワソワしている仕草は止まったものの、身体はまだ少し前屈みで膀胱を庇っていて、
当然息遣いも直ぐに整うはずもなく、なるべく小さくしている呼吸音が聞こえる。

――これって……結構危ないんじゃ……。

『声』が聞こえない以上判断基準は仕草だけだが
ほぼ初対面の私相手に此処までしか仕草を隠せないとなると限界寸前なのではないかと感じ取れる。

「えっと、こちらの3冊を1週間でよかったっ……でしょう、か?」

睦谷さんは最初こそ確りした口調で対応するが、最後まで平静を装えず、途中息を詰まらせる。

「……そうです……1週間でお願いします」

「わかり、ました……」

そう言って本を受け取り最後のページの裏についているカードを本から抜き取る。
あとはそれに私の名前を書いて終わりだろうし、流石に間に合うだろう。

89事例7「睦谷 姫香」と図書室。⑥:2014/07/21(月) 00:50:12
「あ、えっと、借出し申請証を出していただけますか?」

……え?

全く聞き覚えのない単語。
生徒手帳を出せばいい物だとばかり思っていたが、どうも妙なものが要るらしい。

「……えっと、ごめんなさい、私初めて利用するんだけど、その、申請証? って言うのは……」

「あ、えっとですね……こ、こちらで準備しますので少々、おまち…ください!」

睦谷さんは後ろを向いて、引き出しの中を漁り始める。
もじもじと足を摺り合わせ、少し腰を突き出すようにして……艶可愛い。
思わぬ収穫だけど、あっちは最悪の延長戦と言った所だと思う。
何か止む終えない事情でトイレに寄れずに此処まで来るのも、きっと睦谷さんにとって延長戦だったはずで……。
私のためにトイレに行かずにカウンターで必死に我慢してたと思うと、流石に悪い気がしてくる。

「うぅ……」

――わ、私が見てるのに腰を振って我慢……あれ? これって本当に不味いのでは?

私は口を開きかけて直ぐに閉じる。
もし直ぐに終わるような作業ならなにも言わずに帰った方が睦谷さんの為。
……一瞬そう考えたが、今までそうやって迷ってきて恥ずかしい失敗をさせてきた人も多い……。
幸い私以外人は居ないからそれでもいい気もするけど、私だけだからと言っても恥ずかしいものは恥ずかしいだろう。
そりゃ私はそんなところを見るのは好きだけど、助けれるものなら助けたいってのもある。

「……えっと、いいですよ先に行ってきても」

「え? あ……ち、違うんです私、我慢なんて……」

振り返りスカートの前を抑えている手が見えているにも関わらず、睦谷さんは強がる。

――というか、別に我慢がどうのって言ってないんだけど……。

「……いいから、そういうの!」

「うぅ……でも……あっ! んっ……ご、ごめんなさい!」
【挿絵:http://motenai.orz.hm/up/orz39225.jpg

真っ赤な顔をして迷っていたようだけど、急に身体を軽く跳ねさせて、険しい顔をしながらカウンターを飛び出す。
だけど、扉まで行くと扉に手を掛け体重を掛けるようにして、姿勢を屈めていく。

――え……うそ?

90事例7「睦谷 姫香」と図書室。⑦:2014/07/21(月) 00:52:05
「……ちょっと大丈夫?」

私は慌てて駆け寄る。

「あぁ…やぁ、おね、がい……見ないでっ…んっ――あぁ!」

<ジュゥ……>

くぐもった独特の音が、睦谷さんのスカートの中で小さく響くのが聞こえた。
でも、直ぐにその音は止む。
閉じあわされた足が小刻みにガクガクと揺れ動く。

チビッた――と言うには明らかに多すぎたであろう音。
もしかしたら、既にカウンターを飛び出す直前に恥ずかしい先走りをしていたのかもしれない。

それでも、私は睦谷さんをトイレに行かせるため、扉に手を掛ける。
でも、小さな声で「ダメ」とつぶやく声が聞こえ睦谷さんへ視線を向ける。

真っ赤な顔で、目に涙を貯めて震える声を零す。

「もう…間に、合わない……からっ……んっ」

……我慢できないと悟って人目を避ける…わからない話じゃない。
だけど、きっと睦谷さんは気が付いてない。
トイレに行くことを諦めているのに、どうして我慢しているのか。
混乱。羞恥。意地。沢山の理由があると思う。
どこかに希望がある――そんな風に心の片隅で信じているのかもしれない。
現実を受け止めることが出来ないだけかもしれない。
でも……。

「やぁん……だめ、あぁ…っ〜〜〜」

<ジュッ…ジュゥー……>

さっきよりも大きな音が2回に分けて聞こえる。
扉の方に回り込んだ私には抑え込まれたスカートが濃く染まっていくのが見えた。
歯を食いしばってこれ以上でないように……そんな表情も見て取れる。

<ピチャ…ピチャ……>

そして、足を伝って出来た小さな水溜りに限界まで溜め込まれた恥ずかしい雫を零し音を立てる。
それは、抑え込まれた大切な部分から今も尚、止めきれず少しずつ溢れ出している証拠で……。

<ピチャ…ピチャピチャピチャ>

次第にその雫の落ちる音の間隔は狭くなって……睦谷さんはしゃがみこんでしまう。

「はぁ……はぁ……っ、んはぁ……」<ジュゥーーー>

息を荒げて、上気した表情でただ呆然と広がる水溜りに視線を落とす。……か、可愛い…。
私は無意識に手を伸ばす。

「あ、…え?」

なぜか頭を撫でてて居た。
……。

――ど、どうしよう!?? なにしてんの私!?
【挿絵:
http://motenai.orz.hm/up/orz39226.jpg


つい可愛くて触ってしまった。とてつもなく私混乱してるけど、きっと睦谷さんも混乱してる。
なにか声を掛けないと……。

91事例7「睦谷 姫香」と図書室。⑧:2014/07/21(月) 00:53:43
「……えっと、よく頑張ったね?」

「う……うん」

……よかったんだろうか?
今も尚、手を離すタイミングを失って撫でてるけど、顔は真っ赤にしてるけど、特に嫌がってないみたいだし……。

――でも気不味い。なんだろうこのどうしようもない感じ!

しばらくすると、睦谷さんのスカートの中で聞こえていたくぐもった恥ずかしい音が聞こえなくなる。

「あ、も、もう、大丈夫…です……ごめんなさい」

真っ赤な顔で、涙目の上目使いで、少し汗ばんで髪の毛が額に張り付いて、上気した表情で……可愛い要素が多すぎて困る。
なんだか見てるのがこっちが恥ずかしくなってきた。顔に血が上るのが判る。

「……別に謝らなくても……」

「で、でも…ぐす」

泣き出しそうな声で表情を崩していく。

「……あー、大丈夫だから、ね? わ、私掃除道具入れからバケツと雑巾持ってくるから!」

私は慌ててなにか行動する。
ちょっと慌しくなれば睦谷さんだって泣く隙を与えずに済むかもしれない。

「……ほらちょっとあっちで休んでて、掃除しておくから」

「え、ま、待って! それ汚…わ、私のおしっ……こ……」

途中まで言いかけて、顔をこれ以上にないくらい真っ赤にしてる……可愛い。
そこまで言われると、掃除するのも可哀想。……。

「……じゃあ、とりあえずこれは置いておいて、着替える?」

「え……ほ、保健室…ですか?」

凄く不安そうな顔で答える。
……確かにこの格好で廊下を歩いて保健室までって言うのは酷か。
仕方がない。

「……あー、ちょっとまって――」

私はカバンに常備しているタオルとスカートと新品の下着を取り出す。

「どっ、どうしてそんなものがカバンの中にっ!?」

「……い、いや…き、気にしないで……」

「まさか、貴方おもらしの常習――」「ち、違います! いいから着替えて! それとも着替えさせて欲しいの!?」

「え、あ、お願いし――あっ、ごめんなさい自分で着替えます……」

雫が落ちないようにタオルで足を拭いた後、カウンターの影の方へパタパタと駆けていく。

――今、「お願いします」って言いかけなかった?

……。

「はぁ……」

私は一息吐く。
これはこれで良かったけど、やり直せるものなら、トイレを済ませずにやり直したい。
だからと言ってあのまま我慢したままって言うのも今度は私自身が心配だったし仕方がなかったんだけど。

……本を借りれるのはまだ少し先になりそう。

「……はぁ、まゆに電話しよ……」

私は遅くなる連絡を入れることにした。

おわり

92「睦谷 姫香」:2014/07/21(月) 00:58:29
★睦谷 姫香(むつたに ひめか)
1年A組の生徒
常に長袖で靴下をよく履き間違える天然っ娘。
図書委員に所属している。

友達が少なく、若干人見知りの文学少女。

本が好きと言う理由だけで図書委員になる。
当番の日はカウンター内で本を読んで有意義な時間を送っている。

膀胱容量は比較的大きく最大で1000ml程。
ただ、体質の問題で尿の生産量が人より多く、水分をある程度取りすぎると
最大容量の割にはトイレの近い子になってしまう。
膀胱が大きいのも体質の問題で我慢する機会が多いためである。
本人はその体質に気が付いていない。

成績並、運動音痴。
文系の科目はそこそこ得意だが、理系は平均点を遥かに下回る。
運動に関しては非常に酷いが、走る事に関しては並程度。
絵などの芸術も微妙。
性格は無口で綾菜ほどではないにしろポーカーフェイス。
無自覚ではあるが、心のどこかで頼れる人に甘えたいと思っている。

綾菜の評価では、膀胱容量の大きい人。
靴下の履き間違いをファッションだと誤認している。

93名無しさんのおもらし:2014/07/21(月) 01:43:16
挿絵がレベルアップしてる?

94名無しさんのおもらし:2014/07/22(火) 10:31:36
新作乙です!
某イラスト投稿サイトの活動も拝見しています。
可愛い挿絵も書けて文才もあって、多彩な才能をお持ちで羨ましいです。

95名無しさんのおもらし:2014/07/22(火) 22:27:41
毎日覗いたらすごい良作キテタ
睦谷さんの行動謎な部分が多いし後につながりそう

96名無しさんのおもらし:2014/07/22(火) 23:06:45
新作GODです。挿し絵の女の子も可愛くて文句なしの出来です。

97名無しさんのおもらし:2014/07/23(水) 00:46:43
>95
いつもの人かな>定型文

98事例の人:2014/07/23(水) 21:28:08
>>93-96
感想とかありがとう
絵もちょっとはマシになってきてるみたいで良かったです

99名無しさんのおもらし:2014/07/28(月) 01:42:52
「はい…それでは…お願いします…はい」
犯人を追跡し始めて数十分ついに麗子は犯人を確保した
麗子にタックルされた強盗犯は気絶し、今は金網フェンスに後ろ手に括り付けられているから逃亡の可能性はまずない
(あっあっあっ…!だめっ!もれちゃう!)
そんなことよりも麗子はそのタックルで刺激された尿意と戦うことに必死だった
犯人を追いかけているうちに気づけば国道沿いからはなれた資材置き場のようなところに着いてしまった麗子
周りにはコンビ二のような開いている店も公衆トイレもまったくない
今呼んだ警察がたどり着くまで離れることのできない麗子はただひたすら応援が来るまで耐えるしか方法がないのである
(うっ…くぅ…我慢しなきゃでも…ああッ!)
周りに人の目がないことをいいことに幼子のように前を押さえおしっこ我慢のステップを踏む麗子
最後にトイレに行ってから12時間以上既に限界はとうに通り過ぎている
このままでは麗子がトイレまでおしっこを我慢できる確率は限りなく低いだろう
「どこか…どこかにおしっこできるところはないの!?」
この際トイレじゃなくても茂みで用を足そうと考えるもあいにく資材置き場は視界を遮る様なところはそれこそ資材の影ぐらいしか見当らない
さすがに人の敷地内でするわけには行かず震える足でもう少し奥まで進むと…
「ああ!あったトイレ!」
手を洗う水道の脇に打ち付けてあった板に小さく トイレ⇒ と書いてありその先にはトイレが建っていた
「やっと…!やっとおしっこができる…!」
実に半日ぶりの開放を求めて麗子はトイレへの道を急ぐ

100名無しさんのおもらし:2014/07/28(月) 01:43:26
しかし麗子に待ち受けていた運命は残酷であった
「えっ………?」
ドアを開けた先には朝顔、ようするには男性用の小便器がそこにはあった
そもそも資材置き場である以上そこまで利用する人がいるわけでもなく小便器で十分役目は果たせているのだろう
「そんな…うそ…こんなことって…」
だが女性である麗子にとってそれはトイレとしての役目を果たすことはできない代物である
どうしようか迷う麗子、そこに
「くぅんっ!?」
開放を待ち望み、この瞬間に開放される予定であったおしっこが麗子の腫れきった膀胱のなかで暴れ始めた!
「ああああああ…あああああああああああああ!もうむりぃっ!げんかいよぉっ!」
半ば脱ぎ捨てるようにスラックスとショーツを下ろす麗子
水を流すスイッチのついた管をつかんで朝顔の前に腰を押し付けるように立った
「いやあああああああぁぁぁぁぁぁぁ………」

シュシュシュ…ジュゴオオオオオオオォォォォォッ!
すさまじい水圧を持って黄金のアークが叩き付けられる。
12時間もの間膀胱に閉じ込められていた大量のおしっこがごぼごぼと唸りをあげて朝顔のなかに吸い込まれていく
パトカーのサイレンの音が周囲に聞こえているのも気づかずに排泄の快感から力の入らない足を突っ張らせ麗子のおしっこは尚も続く

101名無しさんのおもらし:2014/07/28(月) 19:32:42
続き来てた!
着衣おもらしではないけど
正しい所で出来てない、間に合わないってシチュいいな

102名無しさんのおもらし:2014/07/30(水) 18:30:10
声が聞きたい!シリーズ面白いですね!
朝見さんの我慢やおもらしがあるのか気になります!

103名無しさんのおもらし:2014/07/31(木) 19:23:44
女剣士、女魔道士、女格闘家のパーティがエルフの森に入ってから1日が経過した
エルフの森には尿意を増幅させる成分をふんだんに含んだ花粉をばら撒く植物が大繁殖していた
お陰でこの森に住むエルフたちは朝から晩まで一日中尿意に攻められ続けている
おまけに飲み水にまで花粉が混ざりさらに利尿作用を高めている始末
この冒険は原因を突き止めるためのクエストであり予め準備をしてきたつもりだったのだが予想が甘かったようだ
森の中心地に進むにつれ花粉の量が増し、それに比例してトイレの頻度も激増している
最初のうちは1時間おきくらいだったのが今では10分おきにトイレ休憩を取らねばならない状態にある
トイレ中の斥候も2人だったのが我慢できず1人になり、今は3人ともいっしょに用を足している
無防備な姿をさらすとモンスターに襲われる可能性が高いのだが3人とも他の人のおしっこの音を聴きながら我慢できる状態ではない
そんなこんなでなんとか最深部までたどり着いたものの明らかに元凶っぽいモンスターがいる
これを倒すのはかなり時間がかかりそうだ…しかし、戦闘中におしっこをするわけにはいかない
意を決して我慢しぬくことを決意する冒険者たち

数十分後、花粉植物モンスターを倒した直後に3人そろって失禁するという未来を思いもせずに

104名無しさんのおもらし:2014/07/31(木) 23:34:45
         __        /: : : : : : : : : : : (
          〈〈〈〈 ヽ     /: : : : ::;:;: ;: ;:;: ; : : : ::ゝ
          〈⊃  }     {:: : : :ノ --‐' 、_\: : ::}
   ∩___∩  |   |      {:: : :ノ ,_;:;:;ノ、 ェェ ヾ: :::}
   | ノ\    /  ヽ !   !   、  l: :ノ /二―-、 |: ::ノ
  /  ●   ● |  /   ,,・_  | //   ̄7/ /::ノ
  |    ( _●_)  ミ/ , ’,∴ ・ ¨  〉(_二─-┘{/ 
 彡、   |∪|  /  、・∵ ’  /、//|  ̄ ̄ヽ
/ __  ヽノ /         /   // |//\ 〉
(___)   /         /    //   /\ /
   パンチラ                  
パンチラの書き込み超最高!! マジで復活希望!!

105名無しさんのおもらし:2014/08/01(金) 00:42:47
>>103
コピペ?
見たことある内容だな

106名無しさんのおもらし:2014/08/01(金) 19:15:09
前スレより落ちてるのでageちゃうよ

107名無しさんのおもらし:2014/08/02(土) 10:17:04
初期作リスペクトかな

108名無しさんのおもらし:2014/08/03(日) 23:29:33
初期作パクリストかな

109名無しさんのおもらし:2014/08/19(火) 00:12:39
かなり落ちてるのでageとく

110名無しさんのおもらし:2014/09/01(月) 20:39:04
保守age

111名無しさんのおもらし:2014/09/03(水) 23:25:06
その紙片をよし子が見つけたのはほんの偶然だった。
昼食の弁当ガラで溢れたゴミ箱に入りきらずこぼれたのであろう丸められた紙片が
キラキラと金色に輝いているのが五時間目の退屈と戦っているよし子の目をひいた。
普段ならそのまま忘れ去ってしまうささいなことのはずだったが
たまたまよし子が教室の掃除当番にあたっていたため、紙片を再度意識することとなった。
お菓子かなにかの包装でもなさそうだが、なぜが妙に気をひかれたよし子は
ふとした出来心で、その紙片をこっそりポケットにしまいこんだ。

放課後部活に向かう前に、よし子は気になる紙片をあらためるためにトイレに入った。
誰かがゴミ箱にすてた紙片を眺めているところを、捨てた持ち主に見つかっては
トラブルの元だ。
個室の鍵をかけ、フタを下ろしたままの洋式便器に腰掛けてポケットの紙片を取り出す。
ねじり丸められた紙片を広げると、ミニサイズの便箋かレポート用紙のようで、罫もあり
何か文字が書かれていた。
レターペーパーというにはちょっと改まった堅苦しさのあるデザインで、周囲が金でふちどりされている。
たかが便箋だが、よし子がいままで過ごして来たクラスの雰囲気とはそぐわない違和感があり、
「なんだ、いらなくなったメモか」と安心してしまえない品のようなものがある。
書かれた文字はほとんどが数字の羅列だ。意味もなんとなく分かる。
17:10とか22:40などの数字はまず時刻だろうし、その横に並ぶ880とか410とかの数字は
何のことかはわからないがその時刻にあった何かの数字を記しているのだろう。
いくつかの時刻が書いてある上に添えられた2桁の数字はそうなると日付と推測できる。
今が10月になったばかりだから、21とか22というのはメモの新しさからすると先月9月のことかもしれない。

内容はなんとなく分かったがあまり興味はわかなかった。だがよし子にはメモを捨てる気になれなかった。
ひとつは用紙がやけに印象的だったせい。もう一つはメモの筆跡が見入ってしまうほど美しかったせいだ。

112名無しさんのおもらし:2014/09/03(水) 23:25:43
部活が終わって、帰りに友人たちと駅前のコーヒーショップで過ごす。
一学期とくらべるとよし子は付き合いが良くなった。
一学期のよし子は、人見知りする方ではなく、親が帰宅時間にうるさいわけでもないのだが
断って一人帰ってしまうことが多かった。
大急ぎで家に帰ると、よし子は真っ先にトイレに駆け込んだ。
今日はきつかった。部活もあって、その後でさらにコーヒーショップにしばらく居たのだから。
そろそろ気温も低くなってきている。お昼前からよし子の膀胱は危険信号をあげはじめていた。
以来こらえつづけること数時間、よし子は朝に済ませて以来半日ぶりのおしっこをやっと放出することができた。

よし子は赤の他人が大勢居るようなトイレでは用が足せなかった。
どうしても我慢できなければやむをえず使うが、
よし子にとってはそんなトイレで用を足すのは、みんながいる教室の隅にバケツでも置いて
仕切りもない状態で用を足すくらいの落ち着かず恥ずかしい思いがするのだ。
単なる慣れの問題で、自宅や親戚、親しい友人宅のトイレなら、ドア一枚隔てたむこうで人が待っていても
気にならないのだが。

113名無しさんのおもらし:2014/09/03(水) 23:54:53
小さい頃は小さい頃なりに、状況がかわるごとに不安なトイレを使えないことを
どうにか対策してきたよし子だったが、中学の半ば頃からは「トイレを使えないなら我慢する」という
一番ひねりのない力技でも押し通せるようになってきた。

知恵がついてきて、水分をとりすぎるとあとで辛い目にあうというような計算や
どこのトイレだったら安心して使えそうだという算段がはたらくようになったこともあるだろう。
体の成長が落ち着いて、おしっこを出したり我慢したりするあたりの神経や筋肉が大人に近づいたせいもあるだろう。
何より、日々おしっこを我慢し続ける生活に、よし子の体も心も適応してきたのである。

高校生になったよし子は、学校のトイレで用を足すという選択肢は最初から考えに入れていなかった。
よほどのピンチになれば使うこともあるだろうが、たいていは我慢してしまえるようになっている。
とはいっても高校1年の女子の体はよし子自身の考えどおりに動くほど安定してはいない。
自宅に帰りついたあとや、帰宅路の人目につかない駐車場に逃げ込んで限界を迎えることが何度かあった。
昔より我慢できるようになり、あと少し我慢できさえすればという過信や理想が計算を狂わせるのだろう
高校の半年で、よし子は中学三年間での失敗の回数を超えてしまっている。
冷房の強さだとか、不意に告げられた居残り補習だとかで危険水域まで追い込まれても
なんとか我慢する方向でしのごうとしたせいだろう。
9月に入ってからは、帰宅して待ちに待ったトイレタイムにありつくのを遅らせる寄り道も
なるべく断らないようにしたよし子だったが、
その1回目にはさっそく帰り道で限界を迎えてしまっている。

114名無しさんのおもらし:2014/09/04(木) 01:13:48
夜、よし子は例の紙片を取り出して眺めてみた。
内容には興味はなかったが、持ち主は誰だろう。
まだクラスメイト全員と言葉を交わしたこともなく、顔と名前がようやく一致する程度の子も多い。
よし子の知る範囲では、あんなに綺麗な字を書く子はいなかったように思う。

14

21         22         23         24         25
6:10  560   6:00  610   1:20  410    6:10 650    6:00  590
10:20 230 ×17:30  840   8:30  530    16:40 720   17:10 810
13:50 310   17:50  190  13:10  350    17:10 170   17:20 130
19:40 350   21:00  360  13:30  110    22:50 420   17:50 160
22:30 420   23:10  220  20:50  770              22:40 410
                    22:50  200


数字の羅列に目をむけてみる。
同じような塊が3段ほどにわたっている。その一番下に目を向けるとこのような数字だ。
これが先月の日付と時刻だとすると、何があった時刻だろう。
9月のカレンダーはもう破りすてていたので、よし子は手帳の日付を見てみた。
9月21日は日曜だ。先週の日曜にあたる。
日曜はなにかあったかな?と思い出すが特にかわったことはなかったように思う。
23日も祝日で休みだ。友達と映画を見に行ったが、映画の前にファミレスのドリンクバーで
飲みすぎてあとでずいぶん困ったものだった。朝から夕方までトイレに行けない普段のことを思うと
油断して飲みすぎたのだ。23日の20:50といえばもう家には帰っていたはずだ。
おしっこがかなりやばかったので帰りの時間の時計をチラチラ見ていて、
8時半にやっとお開きになったのをおぼえている。
他は平日で学校があった日だ。これといって時間の記憶が残っている出来事もない。
なにか思い当たる時間はあるだろうか。
よし子は一箇所に×がついていることに気づいた、9月22日の17:30。月曜だ。
先週の月曜は何をしていたかというと、コーヒーショップに寄ってたはずだ。
休み前ってことで数学の課題が出てて、教えあったりした日だ。
そう、あの日は学校出たときにはもう相当やばかったのに、数学の分からないところを教えあうということで
断りにくかった日だ。それさえなければ断って大急ぎで家に帰っていたはずだ。
高校の数学というやつはやたらと時間がかかる。ただでさえおしっこしたくて気が気じゃないのに
頭に入るわけがない。2,3度トイレに駆け込みはしたが、必死で我慢さえすれば
もちこたえられそうだったのでよし子はおしっこをしないままトイレを出て、
お開きまで耐え抜いたかなり大変だった日だ。
実はかろうじて家のトイレまでは辿りついたものの、そこで限界を迎えてしまった。
下着や靴下だけでなく、スカートにもいくらかかかってしまい、翌日が休日でよかったと思いながら
洗濯したのをおぼえている。

115名無しさんのおもらし:2014/09/04(木) 01:14:33
まさか、とよし子は思った。
数字を追いなおす。
そういう目で見ていくと他の数字も辻褄が合いそうだ。
これは信じられないことだが、よし子のおしっこの記録ではないのか!?

平日のよし子は学校ではおしっこをしない。朝起きておしっこをすませたあとは
放課後、友達との寄り道の間もずっと我慢をつづけて、帰宅してやっとおしっこをするのが日常だ。
振り返ってみればメモの数字は帰宅時間と一致してそうだ。
そして、学校帰りのよし子はいつもおもらし寸前のきわどい我慢をしている。
数字を見ると、学校帰りのところだけは数字が大きい。よし子は人の膀胱の大きさが
どのくらいなのかは知らなかった、ペットボトルの大きさをおなかのなかに入れることを考えると
500ミリリットルたらずなのだろうと想像した。700、800といえばペットボトル一本分よりも多い。
それがあれだけギリギリの思いで我慢していたおしっこの量なのだろう。
他には祝日のときの、ドリンクバーで飲みすぎたときのおしっこも多い。見れば見るほど
この数字の列はよし子のおしっこのことだとしか思えなくなっていく。
そういえば祝日の前夜は夜更かしして、その分朝はおそかった。これも記憶のとおりだ。
×というのは、トイレに間に合わなかったということではないのか。

9月に入って、少し大胆になったこともあり放課後の寄り道付き合いがふえたよし子は
その分トイレに間に合わない失敗が激増した。といっても見つかったものはないが
月に4回というのはよし子のいままでの人生ではペースが上がりすぎだ。
さかのぼれば他にも×の日があるはずと、よし子は上の方の数字を見た。
ところが、そこにある日付は21から25までであった。
よし子のデータが5日分出揃っているとすると、他のデータは何だろう。
よくみると日付と思われる数字の前に、さらに数字がある。
上段は3、中段は12、そしてよし子のものと思われる下段は14。

14といえば真っ先に思い当たるのはよし子の出席番号だ。女子14番。
これがもしよし子のクラスの出席番号だとするならば、
3番は小治田さん、12は堀田さん。どちらもよし子にとってはかろうじて顔と名前が一致する程度の
付き合いのない生徒だ。小治田さんは一目で育ちのよさのわかる優等生なお嬢様、
堀田さんはちょっと不良っぽいとっつきにくい一匹狼タイプだ。
小治田さんならこんな綺麗な字を書くのかもしれないな、とよし子は思った。

116名無しさんのおもらし:2014/09/04(木) 10:34:46
続いてください

117名無しさんのおもらし:2014/09/05(金) 11:22:18
これは期待

118名無しさんのおもらし:2014/09/07(日) 15:46:50
25日の810が凄く気になる
コーヒーショップによって限界まで我慢したあと括約筋が疲労してて
トイレが近くなってるのも……妄想が捗るな
朝がちょっと多すぎないかなって思うけど、体質の問題かな

なんにせよ期待するしかないな

119名無しさんのおもらし:2014/09/07(日) 19:42:48
よし子が拾った気になる紙片。
メモされた数字の持つ予想外の意味に驚いたよし子は、いくつか調べたいことができた。
しかし。
紙片が、まず最初にそんなよし子の行動に及ぼした影響は
具体的な調査活動についてではなかった。
紙片を拾った翌日は土曜日、学校は休みだった。
午後から友人の家で一緒に勉強をする約束をしていたよし子だったが、
急に予定ができたのでできれば約束を午前中に変えられないかと電話した。
午後に何か急用が入ったわけではないのだが、ある意味うそをついたわけでもなかった。
藤花という小学校からの友人は、少し渋ったが了承してくれた。
高校に入ってからはよし子と藤花はクラスも部活も違い、普段はつるんでいない。
今でもこうやって時々は家に呼び合う親しさだが、互いに新しい人間関係もできている今
少し図々しかったかもしれない。が、よし子にはやむをえない事情があったのだ。
それも、かなり切実な事情であった。

よし子はおしっこが我慢できそうになかったのである。

120名無しさんのおもらし:2014/09/07(日) 19:43:53
紙片を手に入れた夜、よし子はその数字を眺めて、自分のおしっこをした時刻と
その量のメモであることに気づいた。保証はないが、思い返してみると
明らかに違うものは一つもなく、よし子自身は自分がいつどれほどのおしっこをしたかなんてことは
いちいち記憶に残っていないが、学校にいる間はトイレを使ってないこと、
長時間我慢したあと大量のおしっこをしたことなど一致しそうなものばかり。
中でもきわめつけは、よし子がトイレの中で間に合わず下着やスカートを濡らしてしまったと思われる回には
×印までついていることだ。ほぼ間違いなく、このメモの主はよし子のおしっこの状況を
正確に把握していると思われる。
最初は正確さへの驚きだけで深く考えなかったが、その夜よし子は寝る前におしっこを済ませようとして
トイレに立ったとき、これからするおしっこもまた誰かに把握されメモされるのかと思うと
おしっこをすることが煩わしく思えた。日中は半日近くもおしっこを我慢するのに慣れているよし子は
少し尿意を感じたままベッドに入るのはすこし不快だったが、それほど気になることもなく
そのまま寝てしまった。

朝、強い尿意で早く目が覚めた。長年鍛えられた膀胱の持ち主で、寝る前にはおしっこをすませる習慣のある
よし子にとってはめったにないことだった。ねぼけているうちはいいが目がさめてくると一気にじっとして
いられなくなった。学校で、少しずつ重みや辛さが増していくおしっこ我慢にじっと耐え続ける心構えや体の準備は
できているよし子だ。たとえお昼前に尿意がやばいところまで差し掛かっても、
中学半ば以降のよし子は、どう自分の心と折り合いをつけてトイレに行くかを考えるより
安心して使えるトイレにありつけるまでの数時間もの長さを耐え抜くよう、心身ともに覚悟を決める方をとる。
ところが眠りをさますほどの朝の尿意は勝手が違う。体も心も思うように覚悟を決めてくれない感触だ。
必然的に、よし子はトイレに駆け込むことになった。
運悪く、あるいは運良くといおうか
家のトイレには先客がいた。姉である。姉の朝のトイレは例外なく長い。
平日は活動時間帯に少しのズレがあるおかげで、お互い困ることはないのだが
今日は休日な上に、よし子が夜におしっこをしないまま寝てしまって、尿意でずいぶん早くに目覚めてしまったので
かち合ってしまったのだ。

121名無しさんのおもらし:2014/09/07(日) 19:44:54
もしここで寝起きで頭が回らないうちにトイレに行けていたなら、よし子は素直におしっこできていただろう。
しかし、なかなかトイレから出てこないとわかっている姉が先客としていたことで、
よし子は一度おしっこに傾いた気持ちを引き止めなければならなくなった。
部屋に戻り、股にマクラをはさんだりしながら、おしっこを先延ばしにするよし子。
心も体も出すつもりになっているおしっこは、いくら鍛えられたよし子といえどなだめるのは簡単なことではない。
むしろ、経験上そう思い知っているからこそ、学校でのよし子はかなりのピンチでも
自分はトイレに行けない状況にいるのだと覚悟を決める、つまりは心身ともにおしっこを出すつもりの方に
傾かないよう厳しく自制しているのだ。
姉がトイレを流す音が響いてからも、もうしばらくベッドの上でモゾモゾとおしっこと格闘をつづけるよし子。
姉が長い占拠を謝る言葉とともによし子の部屋をノックしてくれたのに対し返事をしながらも
ベッドを安全に立つ態勢はととのっていなかったためだ。
どうにか朝の不慣れな尿意を歩けるほどまでになだめて、よし子はやっとトイレへと向かった。
ここまでの間におもらしを避ける努力に集中したせいで、寝ぼけ気味なよし子の頭はやっと回り始めた。
朝だというのにこれでは学校からの帰宅時の中でもかなりやばい時に近いな、と思うともなく感じたときに
×のついた22日のトイレのことを思い浮かべてしまった。
そして、自分のおしっこ状況がことこまかにメモを取られていることを改めて思い出した。
思い出したからといって、よし子の尿意の方はきわめて急を要する状況だったのだが、
これから自分がトイレでするはずのおしっこが、またも誰かにデータとして把握されてしまうのだと思うと
一瞬、尿意も一気に消し飛ぶほどぞっとした。
どういう方法なのかは知らないが、とんでもなく変態的なのぞき・ストーカー行為の対象になっているということではないか。

122名無しさんのおもらし:2014/09/07(日) 19:45:30
元々、不特定多数の人が近寄る可能性があるというだけでトイレを使うのが恥ずかしさで気が進まないよし子にとって
もっと確実におしっこのデータを把握される場でおしっこができるだろうか?
よし子にとって、今までどんなときでも確実に文字通り「ホーム」といえた自宅のトイレが
一気に「アウェー」に反転するのを感じた。
友人宅のトイレや宿泊先のトイレなどは「アウェー」だったものを、いろんな理由付けや慣れで
必要に応じて「ホーム」と思いこむことで使ってきたが、正真正銘の「ホーム」が一転
最も使いがたい最大級の「アウェー」になってしまうなんて。
冷静に考えれば、あのメモの、他のクラスメート2名のデータも見たよし子は
自宅のトイレだけではなく、クラスメート達が使った学校のトイレやそれぞれの家のトイレでもまた
同様のデータを取られていることに思い当たったはずだが、このときのよし子はただ
自宅のトイレに関してだけ絶対に使えないと思っただけだった。
おしっこの我慢は即放出されてしまいそうな態勢からは立て直したものの、
前夜もトイレに行っていないのでかなり辛い状況だ。
トイレを乞い求めるよし子の気持ちが真っ先に探りあてたのは、自宅の次に安心して使えるトイレである、
親戚や、気の許した友人宅のトイレだった。
親戚は近所にはいない。急に今日訪ねていけるところでもないが、
友人ならちょうど今日会う約束がある。高校でふだんつるんでいる友人だと訪ねていってトイレを借りるほどの
親密さはまだないが、さいわいにも今日会う友人は小学校以来の付き合いで、トイレを借りたことも何度もある。

こういったわけでよし子は
「急に予定ができたのでできれば約束を午前中に変えられないかと電話した」のであった
午後の約束の時間が予定が入ってつぶれたわけではなく、
午前に友人宅のトイレを是が非でも借りるという深刻で切迫した予定ができたという点で
よし子はうそをついたわけではなかったのである。

123名無しさんのおもらし:2014/09/07(日) 19:54:17
続いてください

124名無しさんのおもらし:2014/09/07(日) 23:56:23
よし子が藤花に電話したのが朝の8時過ぎ。あまりに早すぎては迷惑だろうと何度も遠慮した結果だ。

自宅のトイレでのおしっこがどういう方法でかわからないが何者かに知られてしまうと思うと
それがどんなに非現実的だと思っても実際にメモで残っている以上、意識してしまう。
それまでに何度かよし子は知られてしまうという思いを振り捨ててトイレに向かった。
よし子にとって、出先ではトイレは我慢するものだが、自宅ではトイレは安心して気兼ねなく使えるものだ。
家のトイレだけは特別であり、最後の砦だ。そんな意識で十年以上も過ごして来た。
おしっこがしたくて辛いときに真っ先に思い浮かぶのは見慣れた自宅のトイレ。
一生懸命おしっこを我慢して帰ってきた足が向かうのはトイレのあるこの廊下。
意識はしなくても、トイレへの廊下の何歩目でどこの床がきしむかまで体がおぼえている。
昨日今日に自宅のトイレへの禁忌意識が急にわいたからといって、心も体も自宅のトイレを求めてしまう。
よし子にとって、最後の砦のこのトイレが使えなくなるのは文字通り死活問題だ。

125名無しさんのおもらし:2014/09/07(日) 23:56:55
一時間ほど部屋とトイレの前の無意味な往復を繰り返したのち、よし子は思い切ってトイレに入った。
盗聴器か盗撮カメラでも仕掛けてあるのなら、それさえとってしまえばおしっこのことを知られずにすむ。
よし子は条件反射的に体がおしっこのストッパーをゆるめようとするのにあらゆる努力で抵抗しながら
トイレのあちこちを探った。
小学校の頃からよし子は、おしっこがもれそうで我慢できるかどうかわからないほどなのに
平気を装って使いたいトイレを掃除する状況は何度もあった。慣れているはずだった。
それでも自宅の使い慣れた最後の砦を前にして、ぎりぎりの我慢をしながら別のことをするのは
全然違う辛さがあった。
なんで私はおしっこを我慢しなきゃならないんだろう。ここは思う存分におしっこしていいところなのに。
すぐ体も心もそんな方に向かってしまい、メモのことを思い出して思いとどまる時に
立て直しがききにくい。

結局、30分近くもかけて必死に探した結果、変な機械をしかけた痕跡はなさそうだとわかった。
かなりのおしっこを我慢しながら、尿意を知らん顔で押し込めて学生生活を送るのに慣れているよし子にとって
このトイレでは尿意のほうに意識を引き寄せられてしまって集中がきれやすく、今までと違う逆境だった。
そのため探す正確さは落ちたかもしれないけれど、いろんな隙間や壁なども何かを仕掛けた様子はなさそうだった。
しかし、見つかればたとえそれがダミーでも安心できたかもしれない。
まったく見つからないということは、安心するきっかけもないということだ。
心や体がよし子の意思に反しておしっこをする方に傾くたびに、よし子はもし自宅のトイレが使えないことになった場合
どうすればいいかという現実に直面せざるをえなかった。
行動圏内の、記憶にあるトイレを次々に思い浮かべる。
よし子は自宅のトイレではデータをとられてしまうと思い込んでいるが、他のトイレはそうだとは思っていない。
思い浮かべるごとに、さまざまなトイレの優先度はことごとく低い。優先順位圧倒的1位の自宅のトイレに
間に合いさえすれば、使いたくはないものだからだ。
今ではよし子は学校生活の間もトイレを使わずにすますほどだから、思い浮かぶトイレのほとんどは
現実に使うことを考えもしなかったものだ。
最近だと、コーヒーショップのトイレは我慢できなくなって入ることはわりとあるが、
実際に用足しにまで至るのは半分以下だった。友人の前ではおおっぴらに押さえたり
ちびったのが大丈夫かどうかチェックするのにプライバシーのある場所を必要とするだけで、
そこからおしっこを自分に許すところまでいくことは少なかった。
学校のトイレは行かないわけではないが、小学校の頃、まだ学校生活の間一度もトイレに行かずに
もつはずがなかった頃のよし子の解決策は、自分が用を足している間、その個室のあく番を
ドアの前で待っているのが自分の心許せる友人のときなら安心しておしっこすることができた。
小中学校の頃は友達同士で固まってなるべくその形に誘導することで、よし子は学校でおしっこをすることができていた。
高校ではおしっこの無防備さをゆだねるほどに心を許した友人は同じクラスにはまだいないが、
学校生活の間は我慢が続くようになったので当面なんとかなっているというところだ。
実際に使った自宅以外のトイレを思い浮かべると、高校になってからは本当に限界で緊急避難的に使った、
さびれた児童公園の仮設トイレのような、できれば使いたくない優先度のかなり低いものがいくつかと、
あとはもっとさかのぼって昔は使っていたなじみのあるトイレだ。その中でも安心できるのが
親戚や友人の家のトイレということになる。

126名無しさんのおもらし:2014/09/07(日) 23:57:25
藤花との約束を午前に変えてもらったが、時間は9時半だ。
電話からさらに一時間半も先になる。
今やよし子にとって、おしっこをすることのできる安心できるトイレで、
現時点で行ける可能性があるのは藤花の家のトイレしかない。
小学校中学校の頃に何度も使わせてもらったことのある懐かしいトイレをが
よし子の脳裏をぐるぐると巡る。
よし子はすでに姉がトイレに入っている間に尿意を押さえ込もうとしていた頃から
断続的というわけではなく、二時間近くの間にたった2,3回ではあったが
おしっこに尿道突破を許してしまっていた。早い話がちびっていた。
量はごくわずかのもので、パンティのクロッチに1cmたらずのしみができるくらいだったが
おしっこがついていることにはかわりない。

よし子は藤花の家に行く前にシャワーを浴びておこうかと思ったが、水音を想像してやめることにした。
今あんな盛大な流水音を聞いた日には、絶対におしっこが押さえきれなくなってしまう。
シャワーにまぎれておしっこをしてしまえばわざわざ友人宅のトイレをあてにするまでもなく
辛い状況があっさり解決してしまうのだが、よし子の発想の中にはお風呂でおしっこをすませるなんてことは
思いもよらないことだった。中学校ではそうでもなかったが、小学校の修学旅行でよし子は
かなりおしっこを我慢した状態で入浴することになり、水音の誘惑や支えてくれる下着もない不安さの中で
おもらしの危険と戦ったが、洗いながら、あるいは浴槽の中でこっそりとすませてしまうという発想は
思いつきもしなかった。水泳の授業も漏れそうな状態で迎えることは何度もあったが、
プールの中ですませようという考えがよぎったこともなかったのは、他の子とくらべて
よし子がおしっこへの意識が過剰だからなのかもしれない。

もし目撃されればトイレでのおしっこを知られるよりも恥ずかしいかもしれないことだったが
よし子はそこまで気にせず、自分の部屋の椅子に腰掛けてパンティを下ろすと、
匂い消しの意味でおしっこの出口付近を、デオドラントの制汗スプレーをしみこませた
ウェットティッシュで何度か拭いて、新しいパンティにはきかえた。
おしっこがわずかながら出てしまった尿道口あたりを清めるなんて
トイレでやるべきことだったが、使い慣れた自宅のトイレにみだりに近づくと
押さえ込んでいる尿意が暴れだすと困るからだ。

127名無しさんのおもらし:2014/09/07(日) 23:57:57
まだ早すぎる、まだ早すぎると何度か部屋を出ようとしてはまたやめ、時計とにらめっこするよし子。
藤花と一緒に勉強するのは久しぶりで楽しみだったが、本当のところは
一刻も早く藤花の家のトイレでおしっこをさせてもらいたいという切実な思いで占められていた。
トイレに対しこんなおかしなこだわりのあるよし子にとっては、本来トイレを済ませて新たな気持ちで
次のことを迎えるべきところを、おしっこを我慢しつづけたまま迎えることがよくあった。
身近な日常の中で言えば、学校の休憩明けの授業だ。特に五時間目、六時間目、七時間目となると
無事に我慢がつづくとはいえよし子にとってそろそろかなりきつい時間になっている。
おしっこしたい、おしっこしたいとつねに焦りながら、そのためのトイレ休憩を
一人割り切って見送り、時限のはじまりをおしっこ我慢の継続中の状態で迎えるのである。
学校のトイレ休憩をやりすごすのはもう当たり前に成っているが、もっと大きな仕切りなおしの機会でも
おしっこを我慢しつづける。放課後、半日分のおしっこをどうにか今日も我慢した、あとは間に合うよう
大急ぎで帰るだけ、と焦る心を押し殺し、コーヒーショップに行く友人たちに付き合うとき。
学校を出る前にトイレを済ませておく子もいる。コーヒーショップで気兼ねなくトイレを使う子もいる。
よし子だけは、コーヒーショップまでの移動すらあやういかもしれないと思いながらも
それでもこれが自分の生き方だと割り切って、人知れない我慢を選ぶ。
これから家を出発しようというのに、おしっこがもれそうなのにトイレを済ませずに出発する。
今日のよし子もいつもと同じことなのかもしれない。しかし感覚は全然違う。
自宅を出るときのよし子は、次におしっこをすることができるのは何時間先になるかわからない
またここに帰ってきたとき、だから出がけにおしっこの不安があれば必ず解消してから出て行くのが普通だ。
おしっこしたいなという体感のままトイレをすませず自宅を出るのは、
ましてそれがもういつもれるかわからないほどに切羽詰っているのに行かずに出発するのは
よし子にとって画期的なことだ。

小学校の学区が同じ藤花の家はめちゃくちゃ遠くもないが、自転車で5分から10分はかかる。
高校は主に自転車通学のよし子にとって、おしっこを我慢した状態で自転車に乗るのももう慣れた。
歩きと比べると、尿意をごまかすために足踏みしたり交差させたりといった
ピンチのときのしのぎ方がかなり減ってしまう。他にもデメリットは多い。
よし子の学校帰りの頃くらいおしっこがたまっていると、膀胱はパンパンになっている。
さわらなくても膀胱がきつくはりつめて、どこにあるのかが自分でわかるほどだ。
ちょっと前かがみな姿勢になったり、体をひねったりするだけで膀胱がぎゅっと押されて
押さえ込んでいる尿意を掻き立てられてしまう。自転車に乗ると停車時に足を伸ばしているのも、
一歩一歩こぐのも、膀胱がいっぱいの状態にとってはかなりきびしい。
ペダルをこぐ足の動きは、歩きとくらべてかなり足が上まであがるので、下腹部が意外と圧迫されるのである。
おしっこの出口の問題もある。サドルの形状は股間を押し付けるにはちょうどいいと思う人がいるかもしれないが
たしかに先の細った部分は股の間におさまるが、思うような押さえ効果などあるわけではない。
仮に机の角などに股間をおしつけるような効果を狙おうとすると、上半身を大きく動かしつづけることになり
それでもジャストフィットの効果はない。それだけ体を動かせば膀胱への負担のほうがずっと大きい。
そんな中でも自転車には数少ないメリットがある。それはスピードだ。
もしよし子が歩いて藤花のところまで行こうとすれば、30分くらいはかかるかもしれない。
それよりは、ちょっとの間不利でも5分ちょっとでつくほうが今のよし子にはありがたかった。

128名無しさんのおもらし:2014/09/07(日) 23:59:14
藤花の家に向かいながら、よし子は藤花の家のトイレのことと、自分の尿意のことばかり考えていた。
それともうひとつ、あまりなじみのない、同じクラスの堀田さんのことが頭をよぎった。
あの紙片のメモの件である。あのメモは今のよし子をこんな状態に追い込んだ元凶でもあるのだが
激しい尿意と、あとわずかでそれから解放される期待とで冷静でないよし子には
とりとめもない考えが浮かんでくるばかりだ。
あのメモに書かれていた数字が出席番号だとすると、よし子のほかに2名の生徒のデータが
記されていたことになる。ひとりは小治田さん、もうひとりは堀田さん。
21日から25日までのデータしかなく、データがとれてない日もあるようだったが、
よし子と違って×はついていなかった。
育ちのよさそうなお嬢様といった感じの小治田さんは、よし子以上にトイレに無縁そうな印象があったが
メモによればトイレの回数はむしろ多かった。学校にいる間だけでも3回4回とおしっこをしている。
おしっことは無縁と思えるような品のよさそのままに、おしっこの量は少なかった。
別の見方をすると、おしっこをたくさん貯めておけないからその分おしっこの回数は多くなっているのかもしれない。
一方堀田さんの方は回数はよし子とあまり変わらないということはすくな目なのだろう。
ただ、学校でトイレに行かないわけではなく、時刻の間隔もおしっこの量も偏りはなさそうだった。
よし子は昨夜数字、特に時刻を眺めながら、顔がどうにかうかぶ程度のクラスメートの
当時の行動を想像しようとしてみた。人間関係も部活も知らないのにたいしたイメージができる
わけがなかったが、2人ともたいていよし子と同じで、早朝のおそらく起きてすぐの頃と
夜中のおそらく寝る前にあたる時間にはおしっこをしていることがわかった。
それはごくありふれたことだとは思ったが、だからこそそうでないところが気になった。

22
8:20 650
11:20 300
14:00 290
18:50 350
23:50 470

堀田さんはこの日だけ早朝におしっこをしていない。
8時20分といえば朝のホームルームが終わって一時間目が始まる前だ。
堀田さんはひょっとすると寝坊して、朝トイレに行ってくる時間がなくて、
遅刻にならないよう、通学中や学校についてからもトイレを後回しにして、
ホームルームが済んだあとでやっと朝のトイレを済ませることができたのではないだろうか。
よし子は22日の堀田さんのことを思い出そうとしてみた。出席番号2番違いで
席は近く、よし子のほうが後ろの席なので視界には入っていたはずだが
特に意識していなかったので何も思い出せなかった。多分席が空いてはいかなかった
だろうけど、本当にそうかと聞かれれば自信がない。
堀田さんのおしっこの量を眺めると480、510などほとんど500前後だ。
よし子は自分のトイレの回数まで意識したことはなかったが、学校ではトイレに行かない分
同級生と比べるとかなり回数は少ないほうだろうという実感はある。
そのよし子と同じく一日4〜5回しかおしっこをしない堀田さんはおしっこを我慢するほうではないだろうか。
だいたい500くらいが堀田さんがトイレに行くラインなのだろう。
そこから考えると、22日の朝の堀田さんは通常と比べてずいぶんおしっこを我慢していたことになる
おそらく、朝起きて支度をしているときも、通学中も、朝のホームルームの間も
早くトイレに行きたいと思い続けていたにちがいない。
こんな想像をくりひろげるのはそれこそよし子が自宅のトイレを使う気になれなかった原因でもある
ストーカー的な発想なのだが、よし子はそこまで深くは考えなかった。
ただ、ほとんど会話したこともない堀田さんに、朝一番のおしっこのチャンスを逃したピンチの姿が
強く印象づけられることになった。
まさか翌日、自分が朝からおしっこを我慢しつづけるハメになるとは思ってもみなかったよし子は
今あとすこしでトイレにありつける逸る気持ちの中で、堀田さんのことが思い浮かぶのだった。

129名無しさんのおもらし:2014/09/08(月) 00:21:29
わくわく

130名無しさんのおもらし:2014/09/08(月) 13:49:01
羞恥心強い子の我慢は最高だな

131名無しさんのおもらし:2014/09/09(火) 19:45:07
わっふるわっふる

貴殿が書いた作品他にもあったら是非読みたい!

132名無しさんのおもらし:2014/09/15(月) 19:07:22
超期待してるんだけど、そろそろ書いて欲しかったり
途中で止めるのは過疎だからってよくないと思うのです

133名無しさんのおもらし:2014/09/21(日) 13:09:47
藤花の家についた。時間は9時15分。約束は30分だからこれは少し早すぎた。
目が覚めてから4時間近くもの間、トイレに行きたくて気が気ではないよし子にしてみれば
これでも何度も自分を抑え、電話をかけてもいい時間までじりじりと待ち、出かける頃合いの時間まで
自分に言い聞かせて我慢し、百歩どころか万歩譲ってトイレへの出発を遅らせてきたのだ。
今からもう15分もどうやって待てというのか。
しかし本来は午後に会う約束を、トイレを借りたいという口が裂けてもいえない個人的理由のせいで
乗り気でない藤花に無理に予定を朝に変えてもらった負い目はよし子にある。せめて10時ならという藤花に
それでは試験範囲を押さえるには時間が足りないからとさらに無理を言って早めてもらった結果が9時半。
ここでその約束の時間を15分も勝手に早めて押しかけるなんて許されないだろう。
でもよし子のおしっこ我慢はもう最終局面まできてしまっている。
何度かちびってパンティをかなり湿らせてしまい、新しいのにはきかえているほどだ。

134名無しさんのおもらし:2014/09/21(日) 13:13:54
おしっこで汚してしまったパンティをはきかえるというのは、行くところまで行ってしまった状態である。
よし子は、小学校の間に何度か保健室のお世話になった以外では、
周囲にばれるおもらしとはいかないまでも、ちびりの範囲を越えて致命的に濡らしてしまったパンティを
駆け込んだトイレに捨てて帰ったり、帰り道に裏道に隠れて目撃は防げたが完全におもらししてしまったり、
自宅のトイレには辿りついたものの、トイレの中で間に合わなかったりと、
人目につかずに済んだだけでパンティをおしっこで汚したことは何度もある。
ただしそんなときには我慢しきれなかったおしっこが全部出てしまっているか、駆け込んだトイレで不特定の他人の気配を
気にする心理的余裕もなく、濡らしたパンティの始末がてらおしっこを済ませてしまったりで、
安心できる自宅で新しいパンティにはきかえる時には、よし子が我慢できなかったほどの激しい尿意は解消されているのが普通だった。
いつおもらししてしまうか分からないほどの尿意がまったく解消していないまま、おしっこで濡らしたパンティを
新しいのにはきかえるのはよし子にとってはかつてないことだった。
しいて言えば、クラス別に順番が決められたことと、途中渋滞がありスケジュールがタイトになったせいで、
トイレ休憩ないまま移動を続けたバスがホテルに着くと、トイレに行く間もなく入浴することになった小学校の修学旅行のときに
よし子は少し似たような状況に置かれたことはある。ぐずぐずせずにただちに入浴しなければならなかった一組女子が
先を争って大浴場の脱衣場の1つしかないトイレに詰めかけるのにももちろんよし子は加わらず、かといって
バスでもトイレ休憩がなかったのに、ホテルに到着し長ったらしい諸注意から解放されやっとトイレに行けるかと思えば
自分達だけトイレに行く暇はおろか部屋に荷物を運ぶ時間も認めず強制的に入浴に急きたてられた酷い扱いに腹を立て、
我慢できなかったこともあって開き直って貸切り大浴場で示し合わせておしっこ競争をくりひろげた十数名の中にも参加しなかった。
一人おしっこを我慢しながら入浴したよし子は、さすがにもじもじ落ち着かないのは隠せなかったけれど
小学校でもたいてい朝から給食がおわる昼休みくらいまではトイレなしで過ごすことの多かったよし子には
我慢できないほどではなかった。
体を洗い清め、新しいパンティをはきながらよし子は大きな違和感があった。普段パンティを下ろすのはトイレで用を足すとき、
つまりパンティを上げるのは用を足し終えたあとのすっきりしたとき。それに比べておしっこをずいぶん我慢した状態でパンティを
上げる感覚は、おしっこをしていいのにおしっこをしないままおしっこをしたことにして自分やみんなをあざむいているような不思議な感覚だった。

135名無しさんのおもらし:2014/09/21(日) 13:16:38
元々他人の気配が気になっておしっこをすることができないこともあるよし子は、学校でトイレに行くときは
仲良しの友達の前の順番、つまり自分の番のときによく知った子がドアの前で待っている状態ならなんとか安心できた。
裏を返せば、ちょっとした巡り会わせでその並びにならなかった時には、個室には入ってもおしっこをしないまま出ることになる。
そんなときよし子はまわりをあざむいているようなつもりはないし、自分はこういう生き方だから仕方ないと思っている。
それと比べてかなりおしっこを我慢したままで新しいパンティをはいた修学旅行のときの感覚は、自分をごまかしているような
変な気分になった。プールの中でおしっこをしてしまうという考えもないよし子は水泳の授業のあとにもおしっこを我慢しながら
脱いでいたパンティをはくことは何度もあったが、そのときにはそこまで変な気はしなかった。

その違和感の正体が今のよし子にははっきりわかっている。
小学校、中学校とおしっこ我慢で辛い思いをしたことは数え切れない。限界を超えてしまったことも何度かある。
でも心身ともに成長した高1の今のよし子の我慢は、限界を超えておもらしにいたるほどの小さいころの我慢と比べて
何段階か上回っているのは確かだ。小さい頃も膀胱がジンジンうずいておしっこの形が目をつむれば分かるほど
おしっこがしたくてたまらないということはあった。そんな時と比べても今よし子が我慢してるおしっこの方がはるかに辛い。
一時間ほど前、よし子がウェットティッシュで拭き、パンティを替えたとき、前夜からのおしっこがたっぷり溜まった
よし子の膀胱は本当にパンパンで、下腹部が見慣れない膨らみ方をしていた。ひょっとすると高校の帰りにコーヒーショップで
ひたすらおしっこを我慢している頃にはいつもそのくらい膨れ上がっているのかもしれなかったが、
そこまでおしっこを我慢したまま自分の裸体を見る機会はいままでなかった。ちびったおしっこの痕跡をふき取ろうと
かがみ込むと、その動きで膀胱が圧迫されるのがずっしりと分かる。こんないつおしっこがもれるか分からない
今までの人生でも有数のおしっこ我慢をしながら、おしっこを解放することなしに新しいパンティに下腹部をおさめる。
これまた、いつもパンティを身に着けるのとは大きく違う手ごたえ。下腹部のボリュームアップでパンティがきつく伸びきっている。
こんなにまで体も心もおしっこをしたいと切実に訴えているのに、おしっこをすませたあとの、おもらしなんてするおそれは何一つない
すっきりした「つもり」を、新しいはきかえたばかりのパンティはよし子に強要するのだ。
すっきりさっぱりと尿意に悩まされることなどまるでないかのような、白鳥のような優雅な気分。
その裏には一瞬でも気を緩めれば確実に盛大なおもらしが始まってしまいそうな、一瞬たりとも気を抜けない
水面下で水をかくような必死の努力。
このギャップが違和感の源だ。
だが、見方を変えれば、新しいパンティに替えたことがよし子をすっきりした気分にさせ、リフレッシュ感を与えたおかげで
よし子は起床後、いや起床前から続く激しい尿意の責め苦に今もこらえつづけることができているともいえる。

136名無しさんのおもらし:2014/09/21(日) 13:17:47
あと十数メートルでトイレ!
よし子にとって唯一最大の砦であった自宅のトイレに気を許せなくなってしまった今、
昔何度も使ったなじみのある藤花の家のトイレが最後の希望だ。
姉が出てくるまで、ストーキングの危惧に対し態度を決めるまで、藤花に電話をかけるまで、
そして家を出るまで、どれほど最大の欲求を先延ばし先延ばしにしてこらえてきただろう。
それなのにあと15分は目の前の家を訪ねるわけにいかない。
家の前でじっと佇んでいるなんて不審者だ。それにじ15分もじっとしているなんて想像するだけで気が遠くなる。
なにか気のまぎれることは。15分もあればよし子の家までもう1往復だってできそうだ。
なにか取りに帰ろうか、と自宅を思い浮かべたとたん、尿意の責め苦に疲弊した心身は
条件反射的に自宅のトイレを思い浮かべた。毎日ギリギリの我慢しながらそこだけをめざして帰っていく聖地だ。
よし子の膀胱がきゅんきゅんと疼く。
じっとしていてはもれてしまいそうで、よし子は考えずに自転車を漕ぎ出した。

あてがあるわけでもなく、パンパンの膀胱をかばいながらもじっとしていられずこぎ続ける。
信号にさしかかると、じっと止まっていることを想像するだけでももれそうで、つい青信号のほうに渡ってしまう。
そういえばこっちの道はなんだっけ、と尿意に占有されて回転の鈍った頭脳が注意を促すが、答えは間に合わない。
目の前に開ける景色を見ながらやっと結論に至る。ここは私道だからこっちにいくと行き止まりだったはず。
もう奥まで入ってしまった。Uターンできるほどの道幅もなく、よし子は自転車を降りて向きをかえなければならなかった。
サドルをまたいで大きく脚を上げると膀胱が圧迫される。数時間休みなく戦い続ける括約筋がおしっこの突破をまた許してしまい、
あわてて左手が押さえにまわる。次の瞬間よし子はわれに返って手をおおあわてではなし、きょろきょろとあたりを見回す。
多分見られてはいないはず。よし子は向きをかえた自転車に勢いをつけて飛び乗り、激しくなった尿意にあわせるかのように
やけくそ気味の乱暴なこぎ方で自転車を加速させた。

137名無しさんのおもらし:2014/09/21(日) 13:18:39
途中、小学校を通った。よし子が数年前に使ったトイレが今もあるはずだ。
学校は休みだが校庭は子供達が遊べるよう開放されている。体育館横のトイレなら校庭からでも行ける。
よし子は小学校のトイレを使いたい誘惑にかられた。校庭で遊んでいるのはほとんどが男の子たちだ。
女子トイレには人がくることは少なそうだ、とよし子は計算をめぐらせる。
だが、高校生のよし子が一人で小学校の校庭に行くのもなんだか変だ。職員室に挨拶にいく?
それに体育館横のトイレに行くとなると校庭の男の子たちの視界を思いっきり横切ることになる。
遊具やベンチや水のみ場はちょっと方向がちがうし、他には倉庫やせまい通路があるだけだ。
部外者のおねえさんがトイレだけ借りて帰っていったというのが子供達全員に一目瞭然になってしまう。
それだけではない。小学校のこっちの門には自転車はとめてはいけないことになっている。狭い門なので
一時的にとめるだけでも目立ってしまうし、子供達も日頃からしつこく言いきかされているはずだ。
ここにとめれば子供達にとがめられ面倒なことになるにちがいない。学校の周りを走りながら、よし子は
校庭につづく西門を通り過ぎた。裏門の駐輪場にとめればいいが、そっちだと職員室がすぐで、どう見ても小学生に
見えないよし子なら声をかけられるだろう。一言や二言のあいさつですめばいいが、話が長引けばその間
じっとおしっこを我慢できるかどうか自信がない。そう考えながら角をまがり、裏門も通り過ぎる。
正門も自転車をとめてはいけない。しかも正門からだと校庭からトイレまで長い距離を横切らなくてはならないし
職員室からも見通しがいい。よし子はやっぱり西門に無断駐輪してトイレだけは借りてしまおうか、それとも
みんなに見られるのんだからやめようかと迷い2周目にさしかかった。だが気持ちの天秤はトイレ目当てなのが
みんなに知られることや無断駐輪のトラブルのマイナスの方が、おしっこから解放されるというプラスを上回った。
よし子は小学校を2周すると藤花の家の方にこぎだした。

138名無しさんのおもらし:2014/09/21(日) 13:19:31
9時25分。5分前だがこれなら許容範囲だろうと考え、よし子は藤花の家の前で自転車を降りた。
玄関のドアの前まで来て、きょろきょろとあたりを見回し、視線がないことを確認すると
よし子は両手を重ねて股をぐいっとまさぐり、股に手をはさんだまま腰をもじもじゆすった。
何時間も何時間も孤立無援で戦ってきたおしっこの出口にひとときのリフレッシュを与えるためである。
藤花と会ってからしばらくの間、おしっこを我慢しているそぶりも見せるわけにはいかない。
もじもじそわそわと落ち着かなかったり、変な姿勢になったりしていると、トイレが目当てで藤花の家に来たこと、
さらにはトイレを少しでも早く済ませたいので約束の時間を早めたことまで気づかれてしまうかもしれない。
よし子は手をはなしかけてからやっぱりもう一度その部分を揉むように動かし、それからインターフォンを押した。

139名無しさんのおもらし:2014/09/21(日) 13:49:58
更新来てた!
葛藤良い、最後の1行良い! GJ
次の更新が早いことを期待してます

140名無しさんのおもらし:2014/09/24(水) 03:16:46
下腹部膨らんでるという描写がいいね

141割り込みすみません:2014/10/05(日) 23:32:55
目の前の大きな扉に、勇者が手をかける。
重い音を立てながら開いたその隙間から瘴気があふれてくるのを、巫女の少女はすぐさま感じ取った。
勇者、魔法使い、戦士、そして巫女の少女はそれぞれに警戒の姿勢をとる。勇者の掛け声にあわせて、全員が突撃した。

部屋の中は予想通り、瘴気に満ちていた。
人間の体に瘴気が当たり続ければ、それは体内に蓄積しやがて悪影響を及ぼす。勇者たちも例外ではなく、三人の体にたまる瘴気を浄化するのが巫女の役目だ。
魔物に勇者が斬りかかり、その間に戦士が後ろに下がって巫女の少女の浄化を受ける。それが終わると、今度は魔法使いが下がって浄化を受ける。そのローテーションで戦闘が成り立つ。
魔物が予想以上の強敵だったことに一行が苦戦する中、巫女の少女は一人、別の敵とも戦っていた。
浄化とは、瘴気そのものを消し去るわけではない。一度巫女自身の体に吸い上げてから、分解を経て外界に排出される。
主に、尿として。

つまり、必然として巫女の少女は魔物との戦いの中、尿意と戦うことを余儀なくされるのだ。

巫女は戦士の心臓の位置に左のてのひらをあてながら、時折つっかえつつ呪文を唱える。
長い睫に縁どられた瞼はは集中するため、というよりは堪えるようにきつく閉じられている。右手が直接的に抑えないのは服の構造が半分と、巫女としてのプライドが半分。
呪術的な意味の施された服はひとつでも外せばその効果を失い、ただの重い服と成り果てる。そのため、この少女は前の街を出てから数時間の間、用を足すことすらままならなかった。
戦士の浄化が終わり、魔法使いが下がる準備をし始めるのが見えた。
少女の生まれ持った浄化の才能が、早くも戦士から吸い上げた瘴気を分解して、あるべき場所に送り込む。ひときわ強くなった尿意に、裾の広がった巫女服の中で、細い少女の両足がひっきりなしに擦りあわされていた。

142名無しさんのおもらし:2014/10/07(火) 18:55:18
やっぱ割り込んでいいのか悩むよね……
それで、>>141は続くんですか? 続け!

143名無しさんのおもらし:2014/10/08(水) 03:33:25
こりゃ当分割り込まないでおいたほうがよさそうかな

144名無しさんのおもらし:2014/10/08(水) 21:40:44
マジで煽りでもなんでも無いんだけど、途中で投稿止める人って
その後で続き書いてるんだろうか?
一気に書き上げないと逆に難しいと思うんだけど、人によるんかな?

145名無しさんのおもらし:2014/10/09(木) 00:15:21
>>144
人と作品一本の長さによると思う
細かいプロットまで組まず成り行きで造ると途中の展開に行き詰ることが多々ある
そう言うとき時間置いたり、別の話書いてる時にふと良い展開を思いついたりする
でも、思いつかずにそのままになる可能性も少なからずあるわけで……
あと、逆にプロットは確り決まってても、文字として起こすのにどうしても時間が掛かるわけで
リアルの都合で書ききれないんじゃないかな?

どちらにせよ>>138>>141には何とか仕上げてもらいたいね
折角良作っぽいのに、このままじゃただのスレチになりかねないっ言うのは悲しい

146名無しさんのおもらし:2014/10/09(木) 03:12:14
一層割り込みにくい空気に

147名無しさんのおもらし:2014/10/09(木) 17:20:53
そういうことなら、割り込みにくい空気を打破すべく近いうちに割り込んでみる

148141:2014/10/09(木) 20:36:42
戦士が巫女に短く礼を言って、再び魔物の前に躍り出る。
魔物は随分と弱ってきていて、この分なら倒れるまでそう時間はかからないだろう。
そう巫女の頭の冷静な部分が分析するが、同時にそれまで持つだろうか、という懸念もよぎる。
魔法使いが目の前に来て、巫女は思考を切り替えようと準備に取り掛かる。目を閉じて、左手を魔法使いの心臓へ。
しかし、そこから先へ進めない。呪文を唱えようとする唇は固く閉じられ、震えるばかり。空いている右手は、巫女服の布地を力いっぱい握りしめている。
どうした、と魔法使いが声をかけるのとほぼ同時、不意に巫女の左手から力が抜けた。ふらりと芯が抜けたようにその場に座り込んだ巫女は、下を向いたまま動かない。
魔法使いが肩を抱いて巫女を立たせようとするが、少女は顔を真っ赤にして首を左右に振るのみ。

決壊が、訪れた。

勇者や戦士の剣戟の音が激しかったのは幸いなのか、広がってゆく水の音は魔法使いにも、巫女にも聞こえることはなかった。
ただただ静かな水たまりの広がりが止まると、今度はその水面に巫女の涙が波紋を生んだ。

魔物の断末魔が、巫女の耳に遠くの事のように届いた。

149141:2014/10/09(木) 20:38:51
まさか続きコールがあるとは思ってませんでした
というか正直こんなのでスミマセン感がある

150名無しさんのおもらし:2014/10/09(木) 21:24:58
わーい、続き来たGJ!

151名無しさんのおもらし:2014/10/10(金) 02:05:42
>>103の続きなのかな

催促してみるもんだなw>>145

152名無しさんのおもらし:2014/10/11(土) 01:24:26
>>147は?

153141:2014/10/13(月) 12:06:29
>>103さんとは関係ないですすみませんw

154名無しさんのおもらし:2014/10/16(木) 13:29:56
>>147は?

155名無しさんのおもらし:2014/10/16(木) 14:11:53
age
事例の人まだかなー

156事例8「雛倉 綾菜」と病気の日。①:2014/10/18(土) 23:43:22

――ん……えっと。

朝起きて視線を壁掛けの時計に向けるとそろそろ授業が始まる時間だった。

……。

……。

――って! 遅刻!

明らかに間に合わない。そうは思うが私は慌ててベッドから上体を起こ――せない?
一瞬金縛りにでも合ったのかと思ったが、身体に上手く力が入っていないらしい。
そしてその直後、力の入らない身体を無理に動かそうとしたからなのか
もしくは何か考えたのが原因なのか、視界が歪み、寝ているにもかかわらず頭が揺れているような感覚に襲われる。

「はぁ……はぁ……」

――これって……。

自身の荒い息遣いを聞きながら、状況を理解し始める。

――えっと……、風邪?

動かすのも辛い手を、何とか額の上に乗せると……熱いのかなこれ?
自分の手も額も熱いみたいでよく判らない。

でも恐らく風邪。最近夜中までずっと机に向かってるし……。
此処まで勉強したのって高校入試以来だ。あの時も入試終わって直ぐに熱出した。
でも、テストまではまだ期間がある。あと2週間……。
と言うか、この風邪のせいで学校の授業内容がわからないのは痛手でだった。
重要なことを板書か口頭でしか言わない教師も少なからず居る。

まゆは寝ているだろうし、弥生ちゃんは……ちょっと言い難いがなんだか聞き逃してたり、書き損ねてそうでもある。
なので逆に私のノートを見に来ることも多い。

私は荒い息遣いの中、心の中で嘆息した。

とりあえず、無断で休むわけには行かない。
お母さんは……だめだ。普段ならこの時間寝てるはずだけど、たしか今日は泊りがけの仕事があるとか何とか……。

連絡するには自分からどうにかしないといけない。
無理やりどうにか身体を起こす。関節痛に筋肉痛……とてつもなくだるい。
喉も痛く声もまともに出せそうにない。

――あー、油断したなぁ……こんなになるまで勉強して、結果学校休んでたら本末転倒じゃない……。

声が出せない以上仕方がないので、携帯を手に取り、まゆへメールで体調不良を伝える。

メールが終わると、私はとりあえずベッドからゆっくり降りる。
重い身体を覚束無い足取りで引きずるように部屋を出て、廊下を歩き台所を目指す。
食欲はないが喉の渇きが凄まじいのと、喉の気持ち悪さを何とかしたかった。

台所に着くとコップを手に取り水道水を入れて飲む。

「んっ、ゴホッゴホッ」

喉の痛みに咳き込む。
だけど飲まないわけには行かないし、飲んでるときが辛くても、飲み終われば今より楽になる。
私は一杯飲み、そして二杯目を少しずく喉を意識しながら飲む。
それでも、喉の違和感が気になりもう一杯だけ飲む。

「はぁ…はぁ……」

台所でシンクの縁に手を突きながら荒い息をつく。
喉の痛み余り変わりないが、説明し難い気持ち悪さは多少なり解消された。

あとは市販の薬でも飲もう……そう思い、リビングダイニングへ移動してからそれが無理なことに気が付く。

――だめだ、とてもじゃないけどあの高さのものは取れない……。

救急箱なんて普段使わないから家具の上の高いところに……椅子などを使わないと絶対に取れないところ。
椅子を使えば取れるかもしれないが、今の状態だと怪我する可能性のが遥かに高く感じる。
この状態で怪我、下手をして頭をぶつけるとかすると本当に不味い気がする。

私は潔く諦めて、自室に戻る。
戻ると直ぐにベッドに入り寝てしまうことにした。

157事例8「雛倉 綾菜」と病気の日。②:2014/10/18(土) 23:44:15
――
 ――

<……ピンポーン>

――ん?

<ピンポーン>

――えっと来客?

怠いし、面倒くさい。無視してしまおう。
時間だってお昼前だし……。

「おーい、雛倉? 先生だぞー」<ピンポーン>

……。意味がわからない。
なぜに先生が……学校はどうしたのか。

仕方がないので、重い身体を引きずりながら玄関へ向かう。
声も出せないのでとりあえず玄関を開けた。

「あぁーなんか物凄くだらしない格好だなぁ」

――そっか、ジャージでしかも髪も酷いし。

そういわれても仕方がない。

「びっくりしただろ? なんたって私も早退してわざわざ見舞いしにきたんだから」

得意げに笑ってみせる先生。
うん、吃驚だ。何故に早退までしてまで家に来るのか。
ちゃんと仕事して欲しい。

「いやー、見学会のとき、なにか奢るって言って忘れてたから、スポーツ飲料水と風邪薬を奢ってやろうと思ってね」

そういえば、そんなこと言ってた……。

……。

私は熱い顔がさらに熱くなるのを感じる。
もしかして、先生は知ってるかも知れない。私の失敗を。
バス会社から座席のクリーニングの話があったとしたら、先生が私に疑惑を向けるのはパーキングエリアでの会話から至極当然なこと。

「とりあえず、お邪魔するよ」

「…っ!」

玄関先から靴を脱いで勝手に家に上がる先生。それを止めようと声を出そうとするが、喉が痛くて出せない。
先生は開いてる扉を見つけ、中を覗き、そこが私の部屋らしきことを確認すると私の方へ視線を向ける。

「あ、ごめん、歩くのも辛い? 声も出せなさそうだし、結構酷いのか」

廊下の壁に手を付きながら歩く私にそう言う。
そして、私に近づき肩に手を回して支えてくれる。

――本当、良い先生なんだけど……。

先生の名前は文城 雅(ふみしろ みやび)。
今年でこの学校にきて3年目で、去年は雪姉のいクラス担任だった人。
私と雪姉の入試点数勝負についても進路指導の関係で知っているらしく
そのせいで私の入試トップの印象が強くクラス委員長に……流石に負けられない勝負だっただけに後悔はしてないけど。

158事例8「雛倉 綾菜」と病気の日。③:2014/10/18(土) 23:45:06
「はいはい、病人は寝て寝てーっ」

乱暴に……でも最低限の配慮をして私をベッドに寝かせる。
家に人が来てるのに寝てるわけには行かないんだけど、身体がそれを許さず、起きる気力を奪う。

「ちょっと台所でコップ借りてくるわー、どれでもいいでしょ?」

私はとりあえず小さく頷いたが、先生は質問しておいてこっちを見ず部屋を出て行った。
……だったら聞かなきゃいいのに。
本当に適当。前にノリで教師になったとか言ってたし。
でも……正直嫌いではない。時折面倒くさいこともHRで企画してきたりするけど
クラスメイトの殆どがどちらかと言うと好感を持っていると思う。

しばらくして、先生が戻ってくる。

「お待たせ、風邪には水分補給は欠かせないからさー」

そういい、寝ている私の背中に手を入れて起き上がらせて、枕を縦に立て掛け、そこに凭れさせる。

――あー、結構汗かいて蒸れてるのに……凄い迷惑かけてる……。

わざわざここまでしてくれるのも、あの事を知っているから……そう思ってしまう私は少し自己嫌悪する。
私は心の中で首を振り、あの事の事を今は考えないようにする。

「はい、飲んで」

「っ!」<ゴクゴクゴク>

――いやいや、自分で飲むから! 傾けるの早いし! 咳き込んだらどうするのっ!

「っ……はぁ、はぁ……」

何とか飲み切り、呼吸を整える。スポーツ飲料の独特の甘味とほのかな塩見が心地よい。

「あ、まだ欲しい?」

確かに美味しく、心地よかったが、正直別に欲しくなかった。
手か何かで遠慮するジェスチャーをしようと思ったが、もう既にコップに注ぎ始めていた。
断るのも悪い気がして、仕方なくいただくことにする。

<ゴクゴクゴク>

今度は程よい傾け方。先生もさっきのはやりすぎだったと思ったらしい。
飲み終わり、小さく咳き込みながら呼吸を整える。

「まぁ、こんなとこ――あ、薬……水持ってくるわ」

まだ飲ませる気らしい……ちょっとトイレに行きたいし、これ以上飲みたくないのが正直な感想だけど。
でも薬は飲みたい。明日も休むってわけにも行かないし……仕方がない。
それに、折角先生が珍しく優しくしてくれてるんだし、断れない。

159事例8「雛倉 綾菜」と病気の日。④:2014/10/18(土) 23:45:45
「おまたせー」

そう言って先生がコップに8割ほど水を入れて戻ってくる。
ちょっと入れすぎな気もするけど、薬が食道で引っ掛かるとそれはそれで大変なのだから仕方がない。
自分で飲むために手を出すが「じっとしてなさい」と有無を言わせず飲ませてくる。
看病ではなく介護と勘違いしてるんじゃないだろうか……この人。
結局最後まで傾けてくるので、コップの水に溺れないために、全て飲み干す。……お腹がたぽたぽして気持ちが悪い。
これじゃ、本当にトイレが近くなる……考えてみれば、朝起きた時にも3杯ほど水を飲んだ。1杯200mlだとして1200mlも飲んでしまった計算。
そして、前日の夜、勉強するのに眠気を覚ますためコーヒーも2〜3杯飲んだし、
最後にトイレに行ったのも深夜2時頃で――そのときコーヒーはまだ1杯目を飲んでる途中だった気がする。

……。

そう考えると、急に尿意が強くなった気がした。
寝ている間は尿の生成は抑制されるはずだし、風邪で随分汗も掻いた……。
布団の中で膀胱辺りを軽く押してみる……張ってはいない、けど押している時は鈍い尿意を感じる。
まだ、当分我慢できる。先生がそこまで居座るとは思えないし。
それにどうしても我慢できなければ、恥を忍んで済ませに行けば良いだけだ。

「さてさて、薬も飲んだし寝る寝る! あ、それとも昼に……って薬飲んでから食べさせて良かったっけ?」

私の身体を横に倒しながら言う。多分薬の大半は食後だと思う。
案の定先生は薬の箱を見ながら“失敗した”顔をしていた。

「あ、そういえば今日クラスの係りとか1限目に決めてね」

――クラスの係り……そういえばそんなこと言ってたっけ……。

うちの学校は、1年に2回、つまり前期と後期で係りが変わる。
実際に係りの仕事を行うのは2学期の中間テストが終わってからになる。

「で、結論から言って雛倉はいいんちょさん継続になったぞ」

……まぁ、予想はしてたけど。

「クラスで目を塞いで採決って奴で、賛成8人、反対1人、残りどっちでも良いって感じ」

そうなるだろう。賛成を選べば面倒な仕事を私に押し付けられ、自分がする可能性が減る。
どっちでも良いは、本当にどうでもいいのだと思う。

「そうそう、雛倉の友達の黒蜜と篠坂は賛成だったよ」

……裏切り者――とは言わないけど。まゆはなんだかんだ言っても手伝ってくれるし、弥生ちゃんは元より私に向いてる様なこと言っていた。
少し気になるのは反対の一人だけど……目を塞がせて採決を採るくらいなんだから普通教えてくれないだろう。
というか、賛成の二人を言うのも友達とはいえどうなのかとは思う。

――そんなことより、トイレ……本当に大丈夫かな?

クラス委員長を継続と言う非常に残念なニュースよりも、先生の話が長くなるんじゃないかって心配のが強くなってきた。
できれば先生が帰るまではトイレに立ちたくない。

「――にしても、なにこれ勉強してたの?」

いつの間にか私から少しはなれて、私の机の上に散らばっている教科書を見ていた。

「教科書だけじゃなく図書室の参考書も? なになに〜? 2学期からは優等生の本領発揮ってわけかな?」

私は視線を逸らす。
なんとなく頑張ってるってバレるのが恥ずかしい。

「打倒朝見――ってところ?」

私は朝見さんの名前を聞いてほんの少し身体を強張らせる。
図星を付かれた――だけでなく、そんなリアクションを取ってしまったのは、最近頭から離れない人の名前だったから。

「……そう、頑張んなさいよ。雛倉をいいんちょにしたのは私みたいなもんだし、私のためにも朝見に負けないようにね」

……先生のためには頑張りません。
本気で言ってるわけじゃないのはわかってるけど。

――けど……本当、不味いな……。

尿意の急激な高まり。
座っていても膀胱に感じる重みが一秒一秒増して行くのがわかる。

そして、また別の事を話し出した。
早く話を止めて帰ってもらうために、布団を被って聞いてないアピールをするが効果がないみたいだった。

160事例8「雛倉 綾菜」と病気の日。⑤:2014/10/18(土) 23:46:37
――
 ――
  ――

「雛倉さん」

「……な、なに?」

私は朝見さんの呼びかけに恐る恐る答える。

「下着見えてますけど?」

その言葉に私はスカートがあるべき下半身に視線を向ける。

――っ!

「……え、あっ! なんで!?」

だけどそこにあるべきスカートがなく、下着丸出しで――下着が見えてるなんて生易しい表現ではなかった。
私は、座り込み上の制服の可能な限り下へ引っ張る。そうすることで何とか隠そうとした。

「大丈夫、それなら見えてませんから。……でも――」

朝見さんは特に動じもせずに話していたが、途中で言い詰まる。
私は真っ赤な顔をしながら彼女の言葉を待つ。

「それじゃ困りますね。下手に動くと下着が見えるので、トイレには行けないわけですから」

――トイレ……あぁ、そういえば私、トイレに行きたかったんだ。

意識したとたんに急激に尿意が膨れ上がる。
もう既に本当に漏れそう。そんな段階まで来てる。
私は引っ張る服の下に片手だけ入れて下着の上から必死に抑え込む。

――や、やだ、本当にでちゃう、もれちゃ――ど、どうしよ…こんな格好じゃ皆に……。

周りから視線を感じて、顔を上げる。
そこにはまゆ、弥生ちゃん、山寺さん、睦谷さんまで……皆私を違った表情で見ている。
その直ぐ前には指で四角を作り楽しそうに私を見る皐先輩も。

【挿絵:http://motenai.orz.hm/up/orz44665.jpg

「ちょ、皐先輩! み、見ないでください!」

私は真っ赤になりそう叫ぶが、見るのを止めてくれない。

「狼さん、ちょっとお手を拝借でーす」

突然横から霜澤さんが出てきたと思ったら、下着を抑える手をつかまれ上に上げられる。

「え、ちょっ――」

焦る私は服を引っ張っていた手を慌てて出口を塞ぐ応援に回す。だけど――

「そんなはしたないこと……やめた方がいいわ」

朝見さんはその手を掴み、霜澤さんと同じように上に上げる。

「あ、ちょ……だ、ダメ離し…んっ……だめ…でちゃう、から、お願い……もれちゃう……あぁやぁ――」

下着の中で大切な部分が抉じ開けられるそんな前兆を感じた。

161事例8「雛倉 綾菜」と病気の日。?:2014/10/18(土) 23:47:31
――
 ――
  ――

――んっ……あ、あれ?

息苦しさに目を開けると見慣れた天井があった。
自宅。そう理解する。だけどその直後に鋭い尿意を感じて、布団の中でうずくまる様にして両手で局部を抑えこむ。
夢の内容がぼやけつつあるなか、そこが濡れていなかったことに安堵した。でも、まるで夢の中で感じたような鋭い尿意が私を攻める。
抑えこむ手の直ぐ上、手首付近に膀胱がパンパンに張っているのがわかる。

「あぁ……んっ、だめ――……我慢…我慢しなきゃ」

我慢で混乱しているはずなのに、頭の片隅で、声が出せる程度に喉の痛みが治まっていることに気が付く。
同時に、失念していた先生の存在も思い出し、布団から顔だけ出して周囲を見渡す。

――い、いない? 帰ったの…かな? あぁ、ダメ……。

先生はいない。だったら今すぐトイレに行ける。
そう思ったつもりは無かったが、身体が反応して、尿意は引くばかりか強くなる。
普段生成量が少なくなる睡眠中に、これだけ沢山の恥ずかしい熱水が溜まってしまうのは
過剰すぎる水分摂取が原因なのは言うまでもなく、昨夜から一度も排出することが許されていない膀胱はもう限界だった。
両手で抑え、それでも足らず押しつぶすように何度も力を入れる。だけど――

<ジヮ……>

「(あ…っ! や……くぅ…んっ…、待って、こ、ここじゃ……)」

布団の中でしてしまうのはおねしょの直らない子だけ。
私は高校生で、しかも今は寝てすらいない。してしまうわけにはいかない……。

<シュ……>

――んっ!

また抑え切ることが出来ずに下着に熱い感覚を生み出してしまう。
トイレに行かなければ……だけど、今は動けない。動いたら決壊する。
なんとかもう少し落ち着くまで耐えてそれから――

<ジュ…シュワ……>

「あっ……あぁ……」

今度は2回に分けて少し多めに溢れ、ジャージの上にまで染み出し手にそのぬくもりを感じる。
それでも、尿意は一向に引かず、なおも膀胱を震わす。

162事例8「雛倉 綾菜」と病気の日。⑦:2014/10/18(土) 23:48:17
――だ、だめだ……我慢できないっ!

<バサッ>

私は布団を押し上げて、ベッドから飛び出す。

「あっ、うぅ……」<ジュー……>

だけど、そのままトイレまでは走り出すことが出来ず、噴出す感覚を受けて自室の床に膝を付く。
また今までよりもずっと多い量。ジャージから滴る一歩手前……それほどまでに濡らしてしまった。

こんなになるまで寝ていたなんて……恐らく風邪薬の副作用に睡眠作用があったのだと思う。
寝ている間にせずに済んだのは、私が高校生で、もうそんなことをするはずの無い身体だから。
だけど、おもらしだってしちゃいけないはずなのに、我慢しなきゃいけないのに、直ぐにいけるはずのトイレが部屋を出れば直ぐあるのに。
そこまでの距離が今の私には凄く遠い。

「や――」<ジューーッ……シュワァ……><ピチャ、ピチャ……>

もうおチビリとはいえないほどに溢れ出る。
ジャージの内腿に走る線が広がり面になっていき、服の中では膝まで伝う感覚を感じる。
抑える手からも一滴二滴ではない量がフローリングに叩きつけるように落ち、10cm程度の水溜りまで作る。
手だけでは抑えきれず、踵でぐりぐりと押さえるが、その踵が湿っていく感覚が気力を奪う。

――……だ、だめ、これ以上は……直ぐ横には絨毯だってあるのに、しちゃうわけには――

<ジュッ…ジューッ>

また断続的にあふれ出し、踵を濡らしそのままフローリング流れる。
それでも、グリグリと何度も身体を揺すり、時には息を止めて必死に耐えると、少し尿意が引いていくのがわかった。

「はぁー、はぁ…っ、はぁ」

なんども肩で呼吸して、小康状態の中、自身の状態を理解し、情けなくなる。
だけど、ここでこうしてるわけにも行かない。
全体の1割程度の量を失敗してしまったかもしれないが、未だ膀胱はパンパンに張っていて直ぐに次の尿意が来る。
そうなれば、きっとまた沢山溢れさせてしまう。

私は抑えた状態で前屈みに立ち上がり、覚束無い足取りで部屋を出る。
部屋を出て、玄関側に少し歩けば直ぐに目的の場所。
心の隅で気にしていた、「先生は本当にいないのか」と言う心配は、このとき靴が無いのを見て解消された。
玄関の鍵も閉まっている所を見るに、鍵は扉に付いた郵便受けの中ではないかと思う。

「ぁ……」

そんな余計なことを考えていたためなのか、不意にまた大波が押し寄せ、恥ずかしい出口を攻め立てる。
足を震わせ座り込みたくなる気持ちを殺しながら、必死に息を止め耐える。

<ジュウゥー…シュ――>

それでもトイレの手前と言うこともあり、私の悪い癖が働き、我慢が追いつかず溢れ出す。
必死に抑えても、勢いが弱くなるだけで止まらず、私は完全に止めることはもう無理だと悟り、
そのままの状態でトイレへの扉ではなく、お風呂への扉を開く。
もちろんそこに便器などない。あるのは脱衣所と浴室。
私は雪崩込むように浴室に入るとそのまま倒れこむようにへたり込んだ。

「ぁはっ! んっ――」<シィュゥゥ――>

そして、ジャージを脱ぐ余裕もなく局部が熱くなり、服の中で渦巻くのを感じる。

――あぁ、やっちゃった……おもらしだ……これ。

浴室を選んだのは多分正解だった。極度に湿った服はきっと直ぐには脱げず、個室を酷く汚してしまったに違いない。
浴室なら後始末は簡単……だけど、その選択をしてしまった私が凄く惨めで悔しい。
このあとしっかり片付けをすれば誰にもばれることは無い。
それでも、いくらばれなくてもやはりおもらしであり……。
ワザと我慢したわけでもない……純粋なおもらし。

ベッドを汚さなかっただけ良かったと、風邪で体調が悪かったからだと、心の中で言い訳を繰り返して、
無理やり自分を納得させようと無駄な努力をする。

「はぁ……はぁ……」

熱の籠もった荒い息を何度も吐いて、膀胱に溜まった恥ずかしい熱水を途中止まりながらもすべて服を着たまましてしまった。
気持ち良い……こういうのが好きな人の感覚、わからないでもない。
だけど、やっぱり私は後に残る、なんだか落ち着かない喪失感と惨めな気持ちが好きになれない。
しばらく尾を引いてしまうであろうこの憂鬱な気持ちも。

そんなボロボロの心と熱と我慢でフラフラの身体は直ぐには動かせない。
浴室だけでなく、部屋と廊下にも残る情けない自身の失敗の片付けは、まだしばらく後になりそう……。

おわり

163事例の人:2014/10/18(土) 23:50:29
……様子見していたのもあるけど随分遅くなった。すまない。
待っててくれた方に感謝。ありがとう。

164名無しさんのおもらし:2014/10/18(土) 23:57:58
たまたま開いたら更新が来てた
待ってましたお久しぶりです、挿絵も良いですね


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