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おもらし千夜一夜4

111名無しさんのおもらし:2014/09/03(水) 23:25:06
その紙片をよし子が見つけたのはほんの偶然だった。
昼食の弁当ガラで溢れたゴミ箱に入りきらずこぼれたのであろう丸められた紙片が
キラキラと金色に輝いているのが五時間目の退屈と戦っているよし子の目をひいた。
普段ならそのまま忘れ去ってしまうささいなことのはずだったが
たまたまよし子が教室の掃除当番にあたっていたため、紙片を再度意識することとなった。
お菓子かなにかの包装でもなさそうだが、なぜが妙に気をひかれたよし子は
ふとした出来心で、その紙片をこっそりポケットにしまいこんだ。

放課後部活に向かう前に、よし子は気になる紙片をあらためるためにトイレに入った。
誰かがゴミ箱にすてた紙片を眺めているところを、捨てた持ち主に見つかっては
トラブルの元だ。
個室の鍵をかけ、フタを下ろしたままの洋式便器に腰掛けてポケットの紙片を取り出す。
ねじり丸められた紙片を広げると、ミニサイズの便箋かレポート用紙のようで、罫もあり
何か文字が書かれていた。
レターペーパーというにはちょっと改まった堅苦しさのあるデザインで、周囲が金でふちどりされている。
たかが便箋だが、よし子がいままで過ごして来たクラスの雰囲気とはそぐわない違和感があり、
「なんだ、いらなくなったメモか」と安心してしまえない品のようなものがある。
書かれた文字はほとんどが数字の羅列だ。意味もなんとなく分かる。
17:10とか22:40などの数字はまず時刻だろうし、その横に並ぶ880とか410とかの数字は
何のことかはわからないがその時刻にあった何かの数字を記しているのだろう。
いくつかの時刻が書いてある上に添えられた2桁の数字はそうなると日付と推測できる。
今が10月になったばかりだから、21とか22というのはメモの新しさからすると先月9月のことかもしれない。

内容はなんとなく分かったがあまり興味はわかなかった。だがよし子にはメモを捨てる気になれなかった。
ひとつは用紙がやけに印象的だったせい。もう一つはメモの筆跡が見入ってしまうほど美しかったせいだ。


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