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おもらし千夜一夜4
85
:
事例7「睦谷 姫香」と図書室。②
:2014/07/21(月) 00:44:36
――
――
「あ! あやりんギリギリじゃーん!」
教室に入ると直ぐにまゆが私を見つけてそう叫ぶ。目立つからやめて……。
多くの人の注目を浴びながら私は表情を変えずに視線を周囲に向ける。
それは無意識のうちに行った行動で、自分でも驚いた。
一番気にしていた筈の弥生ちゃんは、まゆの近くにいたのでそんなことをする必要がなかったのだから。
――やっぱり……。
“関わらない”という言葉の重みを今更ながら理解した。
コレほどまでに目立っているにも関わらず、ただ一人、朝見さんだけは窓の外に視線を向けていた。
……。
「ひ、雛…さん? どうしたの?」
心配そうに声を掛けて来てくれたのは、私から声を掛けるべきだった相手の弥生ちゃんだった。
「……あ、うん…なんでもない」
予想していなかった事態に私は少し不自然に否定した。
「あやりん、なんか元気ないね?」
周りのクラスメイトが日常に戻っていく中、まゆが私に近づき話しかける。
こんなことで心配かけるわけには行かない。
私はまゆの言葉に首を振ってから口を開く。
「……おはよう、二人とも…」
まゆは少し腑に落ちないような態度をとりながらも小さく息を吐いてから挨拶を返す。
弥生ちゃんはなんだか視線を逸らしながら少し赤い顔で小さく返してくれた。
私の前で二度も失敗したことを恥ずかしく思っているのかもしれない。
でも、なんだかその態度がまだ確り打ち解けていないころの弥生ちゃんを彷彿とさせ、なんだか懐かしく思えた。
最悪、会話すら出来ないかもしれないと思っていただけに、安心した。
「ん〜? 今度はなんだか嬉しそうだねー」
まゆが私の顔を覗き込むようにしてそう言う。
表情変えたつもりなんてないのに……相変わらず鋭い。
<キーンコーンカーンコーン>
チャイムが鳴ると先生が入ってきて、扉付近に居る私達の背中を押すようにして席へ付くように促した。
そして、出席を点呼で取り、始業式のため、教室を出る。
ガヤガヤとして騒がしい廊下でAクラスから出てきた睦谷さんが目に止まる。
同時にさっきまであまり意識していなかった『声』が聞こえてきた。
『はぁ、我慢我慢……見学会の帰りの時と比べればどうってことないし……』
一瞬見えた横顔には焦りも不安も表情から読み取ることは出来なかった。
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