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小説家になろう!
28
:
傷羽
:2012/03/17(土) 11:57:31 HOST:ntehme084254.ehme.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
はい。がんばりますww
29
:
ピーチ
:2012/03/17(土) 12:00:01 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
傷羽さん>>
お〜!宣言した!!
ってゆーか、作家志望??
30
:
傷羽
:2012/03/17(土) 12:27:19 HOST:ntehme084254.ehme.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
06
還ってきた。
この報告書を読んだ感想は、その一言に尽きる。
彼は手に持っていた湯飲みをテーブルの上に置いた。
報告書の束をじっと据わった目で凝視した。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
隣の台所から食器を洗うカチャカチャという音が異様に響く。
ちら、と視線をわずかに上げる。
彼の相棒の後ろ姿が映り、ラフな大学生、という格好と所帯じみた姿に思わず苦笑する。
そしていつもと同じ光景にわずかな安らぎを感じる。
もう一度、報告書に視線を戻す。
「・・・・・・・。」
還って・・来た。
アイツが。
彼は額を手で押さえた。
・・・・・・・・・・・勝てる、のか?
いや。勝つ。
勝たなければいけない。
自分たちの敗北は陰陽師の敗北。
それは“この世”が蹂躙される、ということ。
しかしはっきり言って、今回の戦いはかつてないほどの苦境になるだろうと彼は確信していた。
前回での戦いはすさまじいものだった。
幾つかの陰陽師一族が壊滅し、自分たちの中でも数多くの犠牲者を出した。
かろうじて、アイツを追い払ったに過ぎない。
勝利ではない。一時的な休戦は勝利ではない。
そしてアイツは・・・・・・・、また、目覚めた。
還ってきた。
勝たなければならない。
それは理屈の上でよくわかっているのだ。
しかし、彼の頭に浮かぶのは否定的な、もしくは弱気な言葉ばかりだ。
理由は分かりきっていた。
どうすればいい?
自分たちも、決して戦えない人数ではない。
だが・・・・・。
予想していなかったのだ。
陰陽師がここまで弱体化していたなど。
「お茶、入れましょうか?」
物思いにふけっている彼を気遣ったのか、一人の少女が急須を片手に聞いてきた。
彼は視線を上げた。
日だまりのように笑っている、彼の仲間が映る。
「ああ・・。頼む。」
苦い物思いにやや精神が疲労したのか気の抜けた返事になってしまった。
少女はそのことを気にもとめていない――、というより気づいていても指摘しない気遣いでただ微笑んでお茶を入れた。
彼が何を気にしているのか、気づいているのだろう。
長いつきあいだ。
気付かないほうがおかしい。
この不吉に過ぎる報告書は彼女も目を通している。
いや、それよりも気にすべきはあの少年のことか。
さきほど部屋をのぞいたときには視線だけで人を殺しそうなほどすさまじい殺気を放ていた。
今すぐ飛び出そうとしている、というほどでもないが、討伐の命が下ればすぐにでも行きそうだ。
・・・・・・・・勝つ。
頭が痛くなるようなことばかりの中で、彼はせめて気持ちだけでも強くもつ。
勝つ・・・。
それでも、ため息は多くなるばかりだった。
31
:
傷羽
:2012/03/17(土) 12:28:58 HOST:ntehme084254.ehme.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
あ、ピーチさんこんにちは。
いやー、なんとなく?てきなww
題名入れ忘れてしまいました(-_-;)
えーと、
06 なやむかれ
です!!(>_<)
32
:
ピーチ
:2012/03/17(土) 20:25:32 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
傷羽さん>>
おー!!「なやむかれ」か・・・
題名だけが平仮名??
・・・なんとなく!?じゃあ作家志望なの?違うの!?
33
:
傷羽
:2012/03/18(日) 16:15:38 HOST:ntehme084254.ehme.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
こんにちは。ピーチさん。
うーん・・・?
どうだろ?
ピーチさんは?
34
:
ピーチ
:2012/03/18(日) 16:29:01 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
傷羽さん>>
うーん・・・あたしもどうだろうなぁ・・・
まぁ、声優か作家が今の夢だね←文才無いのにかww
35
:
傷羽
:2012/03/18(日) 16:54:57 HOST:ntehme084254.ehme.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
07 はんこう
篁家。
その一室。
かこん。
日本庭園のししおどしが鳴らす、風情のある音が耳に入ってくる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
八重は私室にいた。
少女らしい可愛らしい、しかし和室の雰囲気が壊れない程度に落ち着いた趣味の調度品が置かれてる。
和風な柄のふかふかのまるいクッションがいくつか転がっている。
足の低く、黒い丸テーブルに、写真立てのように立てかけるタイプのカレンダー。
やや背の高い棚には和綴じの書物や雑誌、小さな観葉植物やちょこんと乗ったぬいぐるみ。
漆塗りの鏡台は落ち着いた雰囲気を与えている。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
八重は和柄の趣味の良いまるクッションに、顔を埋めていた。
さらりと流れる黒髪を鬱陶しそうにはねのける仕草は荒々しく、彼女の苛立ちが見て取れた。
八重は・・・・苛立っていた。
というより、不満だった。
父が、自分に討伐の命を下さなかった。
あの口ぶりは・・・・・、他の者にその命を下しているようだった。
その者のことさえ、父は教えてくれなかった。
不満だった。
よもや・・・・、よもや、この自分が、ないがしろにされているのでは・・・・・・?
ありえない。
そう。
それは八重にとってありえないことだ。
というより、それはもはや八重にとって禁忌に等しい。
陰陽師最強とうたわれる篁家。
その当主の一人娘として生を受け、当然のことながら一族ではお姫様扱いをされて育った。
そして分家、宗家から姫君として扱われるにふさわしい才能を、八重は持っていた。
その才能を幼い頃から開花していた。
10歳で初陣に出陣し、分家立ち会いの下、妖を一刀で滅した。
幼い八重にとって初陣はそれなりに緊張したものだが、確かな自信もあり、その自信が自意識過剰でないと証明されたときだった。
そして17歳になった今、彼女をしのぐ実力者は、もはや宗主以外いなかった。
それはすなわち、陰陽師の中でも最も強い部類になったということ。
齢、17という若さで。
八重は己の陰陽師としての強さを疑っていなかった。
疑う意味が無かった。
破魔刀で妖を容易く蹴散らし、陰陽術を持って滅する。
その様たるや、ひれ伏さぬ陰陽師など存在しないほど。
それなのに・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
落ち込みが深くなるにつれて、だんだんと腹が立ってきた。
自分は、次期宗主なのだ。
成り行きを見守れ、と?
・・・・・・信じられない。
ふつふつとわき上がっている沸騰した水のような感情。
それは、反抗心だった。
敬愛する父に、八重は生まれて初めて反抗心を抱いていた。
警視総監の惨殺、あきらかな挑発。
しかし自分に命は下らない。
反抗心を抱かせるには、八重にとっては十分すぎる理由だった。
「・・・・・・・いいわ。」
ゆらり、と八重は体を起こす。
クッションが妙な形になっており、しかしそれを気にせずに八重は立ち上がる。
ふ、とあげた顔の、大きな双眸にあるのは、
戦意に燃える陰陽師・・・、ではなく。
使命を遂行する武人・・・、でもなく。
親に反抗する、子供っぽい憤怒だった。
「私は私で動いて妖を討伐してみせるわよ!!」
そう高らかに宣言する八重は一転して可愛らしい笑顔になり・・・・、
「ふふん。」
ケイタイを手にとって、いたずらを企む子供そのもので登録番号の中からある人物を探す。
36
:
ピーチ
:2012/03/18(日) 19:11:36 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
傷羽さん>>
わぁお!!!
八重ちゃん何企んでる??
めっちゃ気になる〜!!
37
:
傷羽
:2012/03/20(火) 15:07:26 HOST:ntehme084254.ehme.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
08 おんみょうじのごう
「・・・・・そりゃねーだろ。」
下された命を聞いて、彼は開口一番そう言った。
あまり広くはないが、焚きしめられ仄かに香るお香がある種の威厳と静けさを醸し出しているような和室だった。
彼は目の前の人物の表情を伺う。
「しかたあるまい。」
香るお香のようにしっとりとした老婆の声が答えた。
有無を言わさぬ声色ではあったが、決して強いわけではない。
それはまるで木々を揺らす風のような・・・、そう、まさに逆らいがたい悠然さに満ち満ちていた。
その神秘的な雰囲気を兼ね備えたのは、老尼。
色白の面は老いのみすぼらしさなど欠片もない。
ただ永い年月を経た威厳がそのまま顕れたかのようにしわが刻まれている。
彼を見つめる双眸は慈愛に濡れたようである。
そこには年齢に関係ない美しさが宿っていた。
そしてどこか茶目っ気を含んだ微笑みが、下手をすれば神格さえも感じる老尼に、身近な空気を与える。
その猫のような微笑みを受けて、しかし彼は不満を漏らす。
「だがな・・、ここまでする必要があるか?そこまで信用ないかね、オレたち。」
「そういう問題ではない・・とわかっておろうに。」
「しかし、」
「おまえがおもしろくない、と思うのは儂もわかっておる。
だがわかっておろう?
おまえたちがまた“この世”に喚ばれるのが、まさかこうも時がたつとは・・。」
「・・・・・・わかっている。その間あんたひとりで切り盛りしてくれていたのには感謝してる。」
彼は肺を空にするような深いため息をついた。
「・・・・・・・・・・・300年、か。」
彼のこぼれるようなつぶやきに、老尼も静かに、深くうなずく。
「そう・・・、これだけの時を、あの者は待った。」
「待った・・じゃねえな。蓄えていたんだろう、・・・・力を。」
それきり、二人の間に沈黙が落ちた。
しん・・・。
新雪が降る草原のごとく、ただ静かに二人は黙る。
「・・・・・・・・・・・これも、所詮は我らの業。」
降り積もる沈黙の中、老尼は震えるようにそう言った。
「ああ。」
老尼の溶ける雪のような静かな声と正反対の、木々を轟、と燃やす篝火のような声が応える。
そう。
これは自分たちが生んだ業。
そして・・・・、陰陽師の、“この世”の業。
前まではそれを承知の上で誰も彼もが戦っていた。
しかし今はどうだ?
陰陽師は人々を守るという大義の本当の意味も、自分たちの業も忘れ去った。
ただ“あの世”からこぼれおちる雑魚を滅し、なまじ能力のある一族故に、己らこそ最強、絶対の正義と勘違いしている。
そうだ。
勘違いだ。
彼らは何もかも忘れた。
自分たちが・・・・・・・・・・・・・・何をしたのか。
「殺すさ。」
「・・・・・・ああ。」
殺さなければならない。
陰陽師の業は決して赦してはいけない。
それでも、されるがままに“この世”を蹂躙させるわけにはいかないのだ。
自分たちは、ただそのためだけに“この世”に生まれてくるのだから。
38
:
傷羽
:2012/03/24(土) 12:49:35 HOST:ntehme071168.ehme.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
インフルでダウン・・・・(−_−);;
また後日来ます・・・・・・・・・・・・。
39
:
ピーチ
:2012/03/24(土) 13:56:35 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
傷羽さん>>
・・・マジっすか・・・
早く治るといいね・・・元気になってからまた来てね〜^0^
40
:
傷羽
:2012/04/04(水) 12:08:44 HOST:ntehme071168.ehme.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
おひさです〜。
インフルなおってからおばあちゃんち行ってたりして遅くなりました。
また来ます。。
41
:
ピーチ
:2012/04/04(水) 12:38:55 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
傷羽さん>>
おひさ〜!え?いんフル治ってたの??
まぁ、良かった〜!心配してたけど、また更新待ってるね〜!
42
:
傷羽
:2012/04/04(水) 21:19:04 HOST:ntehme071168.ehme.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
09 しんれいげんしょうそうさはん
「どういうことよっ!!」
ばんっ!
先ほどの怒鳴り声に匹敵する、堅いものを打ち付ける音が響き渡った。
安っぽいテーブルに手のひらを乗せたまま、篁八重はギンッと相手を睨みつける。
武人の威嚇のようなガンとばしに相手は恐れる様子も、それどころか動揺さえ欠片も見せない。
それどころか、
「まぁまぁ落ち着きたまえ。お茶でもいかがかね?」
とまで言ってくる。
「・・・・・・・・・・・。」
ぎろり、と八重はさらに強く睨みつけるが、相手―――、玖堂室長はその気迫も柳に風と相手にもしない。
八重は今、警視庁の地下、その裏寂れた小さな部屋にいた。
面にはなんの看板も掲げず、一般の捜査員には存在さえ知られていない。
つまり、一般でない捜査員はそれの存在を知っていた。
「心霊現象捜査班」
それがこの部署が掲げた名称だ。
つまり、ここは日本唯一の公営退魔組織なのだ。
しかし、八重と玖堂室長がいるこぢんまりとした部屋は相応の仰々しさはない。
というか、スペースから不足しており、すべての壁を覆い隠した天井にまで届く本棚からはみ出したファイルやら和綴じの書物やらが床にどしどしと積まれ、いつ雪崩が起きるかわからないような有様だ。
空気も埃っぽく、掃除もろくにされていないらしい。
デスクの上にちょこんと置かれたインスタントコーヒーのビンとソーサーが妙に所帯じみている。
八重はそれらの惨状を見回して――、フン、と挑発的に鼻で笑ってみせる。
無論、玖堂室長はそのこどもっぽい挑発も無視する。
その、自分を歯牙にもかけない様子に八重はむっとする。
そして玖堂室長をつま先から頭のてっぺんまで睨め付ける。
ひょろりと長い体によれよれのスーツを着せ、やや白髪の混じった黒髪をオールバックにしている。
そして―――――――、なぜか翁の面を、その顔につけていた。
故にその容貌を、八重は一度も見たことがなく、年齢もつかみづらい。
にっこりと笑う、翁のカオ。
しかしその目尻は泣いているように垂れており、つやりと光を反射する作り物の肌と相まって得体の知れない雰囲気を醸し出している。
八重はこの室長が嫌いだった。
というか、この部署の存在意義も、実のところよくわからない。
妖の討伐なら、自分たちがするのに。
なぜこんな得体の知れない連中を公営で雇わなければいけないのだ。
それでも八重がここにいるのには理由があった。
この部署は主に陰陽師の雑用、結界の修正や封印の補強、そして何より、民間からの情報提供を請け負っていた。
さらに今回の事件の被害者は警視総監だ。
ここでなら情報も容易く収集出来る。
そして自分は得た情報を分析し、妖を討伐してこの事件を自分の手で解決してみせるのだ。
(そうよ。お父様にしっかりわかってもらうのよ・・。この篁八重は、もう一人前なんだってことを・・・。)
それなのに。
「私に情報を提供できないってどういうこと!!」
「だからさっきも言ったように、この件に関しての情報は一切他言無用だと君のお父上にきつく言われているんだよ。」
しれっと言ってみせる玖堂室長。
ひょろりとした足を組み、インスタントコーヒーのはいったカップをゆらゆらとゆらしている。
黒い水面が、ちゃぷりと波たつ。
「わたしは篁八重!!この私にも教えられないって言うの!?」
「もちろんだ。この件に関しての情報は君の父上を通じてしか提供できないのだよ。」
「なっ・・・!」
信じられない。
この篁八重が・・・まさか、そのへんの陰陽師と同程度と見下されている・・・・・・・?!
ぎりっ
奥歯がしらず音を立てる。
43
:
燐
:2012/04/04(水) 21:20:39 HOST:zaq7a66ffb2.zaq.ne.jp
SFっぽい小説ですね^^
正直、Fっぽい小説はあまり好きじゃないのですが…^^;
一応読んで見ようと思います。
更新頑張ってくださいねノシ
44
:
ピーチ
:2012/04/05(木) 09:14:08 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
傷羽さん>>
ありゃりゃ・・・八重ちゃんのキレ度MAXに近い?
あたしもあんまり更新しないなぁ・・・
でもさー、八重ちゃんのお父さんも一言言えばいいのにねー
45
:
傷羽
:2012/04/13(金) 17:40:27 HOST:ntehme061023.ehme.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
10 はん“よう”
「・・・どうしても教えないわけ?」
「もちろんだ。」
狼がうなる牙のすきまからもらすような恫喝に、玖堂室長はぬけぬけと返す。
「・・・・そう。」
八重はフゥゥ・・・・・と、深く深く息を吐いた。
どうやらここにいても埒があきそうな様子はない。
ならば、いっそのことあきらめる方が利口というものだ。
ここにこれ以上いると、さらに自分の醜態をさらしてしまいそうだし――――――。
「何にも教えないわけね?」
「ああ。」
「妖の情報も、これを誰が担当するのかも――――――、」
「いやぁ、担当ぐらいは教えられるよ。」
「そう―――、て、えっ!?」
八重は驚きのあまり安っぽいソファから腰を上げた。
もう一度確認するため、そして未練を断ちきるつもりで、こまごまと言葉を並べていたのだが・・・・・。
「おおおおおお教えない、て、言ったじゃない!!!」
「妖の情報とかはね。まあ担当ぐらいなら教えられるよ。
なんと言っても、あの篁のご令嬢なのだし。」
「・・・・・・・・・・・・。」
玖堂室長の言い分に、八重は少なからず釈然としないものを感じたが、それはそれとして。
「・・・・・だれ。」
そこだけは聞いておく必要がある。
八重をおいて、この事件を父から任された者・・・・。
(誰よ!!!)
声は低く冷たく静かに。
しかし心は業火を躍り狂わせながら、熱く。
玖堂室長は少女の内心を正しく察しながら、ソファから腰を上げて、積み上げられている書物の中から一冊のファイルを取り出す。
「これを見るといい。」
「・・・・・・・。」
やけにもったいつけるその態度に眉をひそめながら、八重はそのファイルを手に取る。
漆黒の、百円ショップで売っていそうな、なんの変哲もないファイル。
しかし白けた蛍光灯に照らされるそれは、なぜか不気味に見えた。
「・・・・・・・・・・・・。」
八重は小さく頭を振ってその馬鹿馬鹿しい妄想を追い出す。
表紙をめくる。
「・・・・・・・?!」
そして八重は、息をのんだ。
“篁家に所属する半妖”
半・・・・・“妖”・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?
46
:
傷羽
:2012/04/13(金) 17:41:45 HOST:ntehme061023.ehme.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
みじかいけど久々に更新〜。
高校忙しいからまた遅くなるかも〜。
47
:
ピーチ
:2012/04/13(金) 18:57:06 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
傷羽さん>>
やったー!!待ってました!久々の更新!!
あたしの方も結構進んだよ〜♪
48
:
傷羽
:2012/04/17(火) 19:50:01 HOST:ntehme061023.ehme.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
11 やえというおんみょうじ
「半・・・・・、妖?!」
八重は愕然として手の中にあるファイルに、握りつぶすように力を込めた。
半“妖”。
妖――――、この世の敵。
人々を脅かす、汚らわしき異形の怪物。
篁家をはじめとする陰陽師達が伐つべく使命をかせられたものたち。
「・・・・・・・・・・なによ!?コレ?!」
ぶるぶると手が震える。
ほとんど生理的悪寒すら伴う、身の毛のよだつ感情が背筋を撫でる。
妖!?
なんで!?
どうして!?
聞いたこともない!!
しかも篁に所属する!?
―――――――――――――――――――冗談じゃ、ない・・・・・!!
「なによ!なんなのよこれ!!」
八重はきっ、と顔を上げて、問う。
しかしその声は拒絶という感情が具現化したかのように嫌悪に満ちていた。
目の前にいる男・・・、玖堂室長は、感情どころか生気の無い翁の面をつるり、と輝かせて、
「なに、と、言われてもねえ・・・・・・・・・・・。」
困ったように頭をかく。
八重はそんなのんきすぎる挙措に激怒の表情を浮かべた。
「なんなのよ!!妖ですって!?
ありえないわ!!―――――――――こんなの!!!!」
ばんっっ!!
すべてをたたきつぶすような勢いでファイルを硝子のテーブルに投げつける。
妖だと!?
意味がわからない!
八重という少女は篁家宗主の一人娘として英才教育を受けてきた。
周りからは常に期待され、八重は常にいい意味でその期待を裏切るかのごとく、周りが驚嘆するほどの成長ぶり示してきた。
そのため、八重は純粋かつ、素直に育った。
純粋で素直で、人々を守り、妖を嫌悪しただただ滅する―――――そんな陰陽師に。
だからこそ八重にはこのファイルに並ぶ文字、それが意味することが許せなかった。
妖が篁家・・・なによりも誇らしい絶対的、清らかな正義を掲げし一族に、犬畜生に劣る妖が所属している、だと!?
(・・・・・・・・・・・汚らわしい!!)
八重はその思いを払拭すべく、父に真意を問うべく、足早にそこを去った。
49
:
傷羽
:2012/04/17(火) 19:55:49 HOST:ntehme061023.ehme.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
さあいよいよ登場するぞ。
また間隔あくかも。。
50
:
白鳥夕
:2012/04/23(月) 20:55:40 HOST:248.237.accsnet.ne.jp
はじめましてこんにちは白鳥夕です。傷羽さんの小説読みました。てか読ませてもらいました。とってもドキドキする〜次回作も気になります。頑張ってくださいなー。えっと…私もね小説家になりたいの〜でも私の書いている小説て,暗いし…。傷羽さんとは比べ物にならないな お互い頑張ろー ではまたね♡
51
:
白陽レシラム
:2012/04/23(月) 21:07:06 HOST:ntfkok190145.fkok.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
御礼状が居ない
52
:
傷羽
:2012/05/03(木) 12:35:12 HOST:ntehme100124.ehme.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
こんにちはー。
ああああああありがとうございます!!!?
最近これなくてごめんなさい!!
中間テストあるし忙しいけど頑張ります(゜Д゜)
53
:
名無しさん
:2013/04/09(火) 17:33:14 HOST:ntehme077005.ehme.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
54
:
ピーチ
:2013/04/11(木) 06:05:28 HOST:EM49-252-215-55.pool.e-mobile.ne.jp
傷羽さん>>
久しぶりー! 覚えてくれてる?←
最近更新されてないからこなくなったのかと思ったけど、まだ続いてくれてたからよかった!
続き待ってるね!
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