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光という名の暗い世界。
6
:
ニコ
◆H81ulOUr/g
:2011/11/07(月) 19:19:15 HOST:i180-63-6-226.s41.a021.ap.plala.or.jp
はぁっ、と微かに古乃がため息を付くと苦い笑みを浮かべ「親……殺されてたんだってな」と微かに呟く。ビクッと俺の肩が微かに揺れて「別に……。親なんてそんな好きじゃないですし」と低い声で言えばキュッと目を瞑る。微かに怒りの籠もった声で「……それで、用があるんでしょう?」と古乃に背中を向けて話す。
「や、これと言った事は無いが担当授業も無いから様子を見に来ただけだ」
「そうすか……。や、もう良いんで……」
はっきり言って早く帰って欲しかった。ギュッと唇を結びうつろな瞳が古乃に向かい「俺は…何が出来たんでしょうかね……?」と弱気な口調で言った。ぐっと拳を握りしめた瞬間「ゆーいー!!」と叫ぶ声と共にドアが勢い良く開けば俺と古乃を見てピッと止まると「………腐?」と青ざめた表情で言った。俺には全く意味が分からんが、古乃はアホかと言う顔をすると「ったく、お前は相変わらずだな。あ、次授業だわ、あと宜しく」とそそくさと去って行った。
まあ、俺はまず小鳥の言った“腐”の意味が分からんが。
特には気にせず「結君、大丈夫?」と上目遣いで尋ねてくる小鳥は心配そうな言葉とは裏腹に、どこか笑みを浮かべているようにも見えだが、……俺の気のせいであるだろう。
「俺も、もう教室帰るから小鳥も行くぞ」
「えー? まだ遊びたーい」
「馬鹿言うな。行くぞ」
スタスタとすねる小鳥を置いて保健室を出ると小鳥も慌てて保健室を出て来て俺の腕を掴む。小鳥がニコニコしていて、俺は「お前、音楽科だろ? そっち」と音楽科の方を指差す。ムーッと小鳥が頬を膨らませるがバイバーイと言いながら走って行った。
ああ、次、国語か。古乃か。面倒臭いな。
窓が開いているせいで冷たい風がブワッと入ってきて、廊下に葉っぱが落ちていたりする。小さくため息を付き「めんどくせー」と言うと「国語が、か」と言われ驚き振り返ると国語の教科書を持った古乃がいた。
今日は良く遭う、とか思いつつ「あー、ども。先生行かねぇの?」とポツリと言うと「アホ。お前も行け」と逆に怒られてしまった。
7
:
ニコ
◆H81ulOUr/g
:2011/11/19(土) 23:11:47 HOST:i180-63-6-226.s41.a021.ap.plala.or.jp
逆に怒られてしまった俺だが、適当に「へーへー」と言い古乃の隣を歩いている。古乃は小さくため息を付き「さっきとは大違いだな」と呟いたようにも見えたが特には気にせず、窓の外をジッと見つめる。パラパラと落ちる木の葉は無性に悲しくなったりもする。“光”つっーのは明るい共言うけど案外暗い物だよな。木の葉を見て何故かそう思っていると2-Dと書かれたプレートの教室が見えて、ドアを開けるとザワッッとクラスメイトの声が飛び交う。クラスメイトほぼ全員がワッと俺の周りに集まって「大丈夫?」とか「どったん?」とか色々聴いてくるが古乃の「席につけー、成績下げっぞ」と言う理不尽な言葉を聴いて慌ててみんな席に座って行った。……休み時間、大変そうだな……。
かるーく授業を受け流す俺だが、これでも音羽学園高等学院生徒会長と言う長ったらしい名前の役職をしている。三年生の候補者を無視して選挙に参戦。遊びのつもりが案外俺に票が集まってしまったらしい。まあ、古乃が生徒会担当だから話易いから有り難い、うん。
あーあ、それにしても、もう四時限目か。俺、三時間も寝てたってことは寝不足か?しかも、もう九月二十六日。二学期始まって約一ヵ月立ってんのか……。
……ん?んん? 二十六…日?文化祭って……十月三十日つっーことは……ヤベッ!!生徒会集会やんねぇと!!あーヤバいぞ!!
一人で授業中にパニクっている俺を見て、古乃は何となく分かったようでやっと思い出したか的な表情をしていた。
取り合えず国語のノートに黒板を移す前にこれからの案件について猛スピードで書き始める。えーっと、出し物とか決めさせて、クラスそれぞれ準備して……。はぁ……。
とかまぁ、文化祭について考えてたらいつの間にか授業が終わっていて、古乃に呼び出されたかと思うと大爆笑されて……。散々な午前中でした。取り合えず生徒会役員召集もしたし一応OK!!あとは昼休みに話を適当に進めれば良し。そんなことをニヤリと笑いながら考えていると、ツンツンと後ろから肩を突っつかれた。んーと、後ろはルチだけ、と思い振り返ると予想通りルチであった。ルチは心配そうに此方を見ていて「ユイハ、大丈夫なの? その……忘れてないよな?親、の……コト」とポツリポツリと言った。俺はああ、そう言えばという表情をしたのだろう。ルチは呆れたため息を付く。俺はあせあせと「ま、大丈夫。俺の事は気にすんな。お前はお前で俺は俺なんだしよ」と笑いながら言った。
8
:
ニコ
◆H81ulOUr/g
:2011/11/24(木) 20:24:38 HOST:i180-63-6-226.s41.a021.ap.plala.or.jp
さてと、購買にでも行きましょうか。そう思いながら階段を降りて行く。途中数名の生徒会役員に会い色々質問されたが苦笑いで突き通した。
購買につくも、何を食べるかなんて決めてねぇし。ほぼパンとかねぇし。あー、もうメロンパンで良っか。
100円をパッと払い食べながら歩く訳なんだが、俺の教室に戻るまでには職員室を通らなければならない訳で。食べ歩きしてたらいけない訳で。しかも俺、生徒会会長なんで一般生徒の二倍は怒られる訳なんですよ。
まあ一気に食い終われば……助かるがな? あと半分は残ってるワケで……。しかもあと数分で会議始まる訳で。慌てて生徒会室に駆け込めば案の定全員揃っていた。
銀髪の髪を太股まで伸ばして、右目薄水色、左目紫色のオッドアイの瞳を持ち、白いYシャツ、肌色のリボンに黒いラインの入った白いブレザーを来て、ひだの入った黒のミニスカートをはいた少女、音羽学院高等部生徒会副会長の立華 奏(タチバナ カナデ)は静かな無表情で読んでいた本から俺に目を写した。その隣には奏の双子の弟、しかも一卵生で容姿全てそっくりな立華 奏羽(タチバナ カナウ)は遅い、と言うように俺に視線を向けてくる。うーん、姉は無関心で弟はせっかちか……親の顔を見てみたいよ。
さてさて、まあその双子の前にはおっとりとした笑みを浮かべる俺の婚約者、右宮 葵(ウミヤ アオイ)は黒い腰までのストレートの髪に薄い赤色の瞳、白いYシャツに黒いネクタイ、白いブレザー、黒いミニスカートに身を包んだ葵さんは俺より一つ年上の高校三年生で書記をしてもらっている。
葵さんは、右宮家の令嬢で、俺ん家は何か社長とかやってて、知らん間に婚約者になっていたのだ。
9
:
ジャック
◆Rcaz7RUzJM
:2011/11/24(木) 22:54:09 HOST:KHP059138212218.ppp-bb.dion.ne.jp
ニコさん、頑張ってください!
10
:
ニコ
◆H81ulOUr/g
:2011/11/27(日) 06:39:35 HOST:i180-63-6-226.s41.a021.ap.plala.or.jp
と、まぁ、副会長二人と書記一人か。
ん? 古乃と会計いないし!!会計って誰だっけ?とまぁ、そんなことを考え混んでいると「わりわり、遅れたー」と呑気に言う古乃と「あわわわ、すいません!!遅れましたっ!!」と頭を下げる会計係、赤色の髪を肩までのショートカットにしていて、頭に黒いリボンの付いたカチューシャをしていてウルウルと涙目になっている黄緑色の瞳にセーラー服ver.の制服を着ている少女、風ノ宮 星羅(カザノミヤ セイラ)。俺は星羅に微笑み掛けると「会議始めます」とだけ短く言った。
「えーと、まず文化祭の予算案。会計、星羅」
星羅は名前を呼ばれると、ゆっくりと立ち上がり「クラスごとに現金は生徒会予算から出します。部活動には、それぞれの部活動予算にお任せすることにしました」と若干首を傾げつつ言う。俺は座るように促してから「では、次。体育館貸切の吹奏楽やその他の出演予定のことについて、副会長」と告げた。副会長である奏と奏羽は目を合わせてからスッと奏が立ち「……吹奏楽部、音楽科2〜3チーム、一般応募25チーム。それぞれ2曲か3曲になってる……」と静かに言った。古乃を見ればオッケーというような軽い表情をしていて「では、各クラス出し物を決めさせるために、部活動の部長、クラスごとに学級委員を集める」と言い終わると、葵さんが「三年生のクラスには私が言ってくるわ。部長は二年生ばかりだから結が言ってね。一年生には星羅と奏ちゃん達ね」と仕切ってくれた。
生徒会が終わると星羅は古乃と喋っていた。星羅は古乃に笑いながら「有紀ちゃん先生面白過ぎです」と笑っていた。
星羅が笑うのなんて……初めて見たような気がする……
11
:
ニコ
◆H81ulOUr/g
:2011/12/08(木) 21:27:27 HOST:i180-63-6-226.s41.a021.ap.plala.or.jp
やー、星羅って頼りなさそうだけど男受け良いんだよなぁ……。まあ、俺的には葵さんの方が好きなんだけど。
まあ、下らない事を考えていると葵さんが「結、行くよ?」と優しい笑みを浮かべてくる。んー、葵さんを見ていると春の情景が思い浮かぶな。つか俺等一緒にいくらしいですよ、ええ。星羅達もいつの間にかいないみたいだし……いくか。
「葵さんも忙しいのに悪いな。俺、忘れてたよ」
「ううん、いいの。 結と二人だけで会話するのも久し振りだよね?」
「あー……そう言えばそうだなぁ。何時も古乃に邪魔されたりして……」
会話を続けながらふと窓の外を見ると、まだ緑色の葉っぱがザァッ、ザァッと大きな揺れを起こしながら葉っぱが落ちて行く。
葵さんは、何やら嬉しそうに微笑んでいる。葵さんってすこし前まではこんな大人びてなかったのに……いきなり朝ちゃんみたいに大人びて……。って、妄想に浸るんじゃなくて!!
そう、話題だ!!
俺はいそいそと「朝ちゃんは最近元気? 会ってないけど」と穏やかに言う。すると葵さんの後ろから「私にようかしら、結葉?」と静かに微笑む朝ちゃんがいた。
朝ちゃんと言うのは葵さんと同じ学年でリーダー的存在な、斎藤 朝加(サイトウ アサカ)のことで、艶やかな黒髪を太股まで伸ばしひだの入った黒いスカートを揺らしながら白いYシャツに黒いネクタイをしめた優等生のような格好をしている子だ。
今まさに、その朝ちゃんが葵さんの後ろにいて俺達の話を聞いていたらしい。………しかも、朝ちゃんの後ろに古乃がいるんですけど。
「何してんすか、センセーと朝ちゃん。珍しい組み合わせですけど」
俺はさり気なく聞いただけだったのに、古乃はニヤリと笑みを浮かべ「何だい?嫉妬かい? 青春だねー?」とちゃかすように言ってきたので「俺は葵さんが……ゴメン、なんでも……ない、ですっ!!」と挙動不審な行動をしてから葵さん達のところから逃げ出し、ハァッハァッと息を切らせながら玄関近くについた。
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