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夢ノ花園

10未來 ◆qkwf/01qbM:2011/03/19(土) 20:45:57 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp
初めまして、未來です(´∀`)ノ

読ませて頂きましたが、神と言っていいほど面白いb*
これから愛読←させて頂きますぜい(`・ω・´)

11出雲 葵 ◆gGTOhi3OZY:2011/03/20(日) 14:24:06 HOST:zaq7d04461f.zaq.ne.jp
*+*+*未來様*+*+*

わぁぁぁ!!!
初めまして!

まさかコメントを頂けるとは……。
そして面白いと言ってくださるとは……。
有難う御座います!
もう何と言ってよいやら。
今、驚きと嬉しさでいっぱいの葵です←

本当に有難う御座います<(_ _)>

12出雲 葵 ◆gGTOhi3OZY:2011/03/20(日) 14:40:21 HOST:zaq7d04461f.zaq.ne.jp
 <<行動>>
   real

「メンドクサイ……」

 これが本日(毎日)、彼女の第一声である。何が面倒かというと、学校に行くことだ。ほとんどの人がこの思いがあるだろう。だからと言って、毎朝毎朝こんなセリフを吐かれてはさすがにうっとうしい人もいるだろうが、毎朝言っているのが現実だ。今は朝。6:30頃。そして、ここは美浪の部屋だ。いつもシンとしているこの部屋。いや、部屋だけではない。家もだ。両親は共働きで父親は海外に単身赴任中、母親は北海道に働きに出て、もう2,3ヶ月は帰ってきていないだろう。朝はパンが基本の美浪。

 食べ終えるとさっさと学校へ行き、1人教室の自分の席でなんとなく窓の外を眺める(この時まだ7:20頃)。心は全く関係ないことを考えているのだが。やはり昨日の男がまだ気になるらしい。彼が頭から離れずに、今日は学校を休もうか迷ったらしいのだが、それはやめたようだ。正直、藤城家の母親がとんでもない人らしく、もし美浪が学校を無断欠席などした日には鬼のような顔で飛んできて何時間もお説教……。昔に何度かあったらしいのだが、その半分以上が、次の日を寝ないで迎えたという。もうそれは嫌なのだろう。だからかいつも早めに来るのだが、早く来すぎてかいつもは暇だ。今日は違うようだが。

13出雲 葵 ◆gGTOhi3OZY:2011/03/20(日) 14:40:53 HOST:zaq7d04461f.zaq.ne.jp
 もともと美浪は周りに興味が無い。今は(学校では)花音がいてくれさえすれば後はどうでもいいのだという。過去、何度か花音本人の前で言っていた。……少々誤解を招きそうな発言だが、likeという意味で花音が好きだとその直後にいつも言うのでそれに関しては大丈夫なようだ。まぁ、その花音以外への興味のなさが今回彼女を悩ませているのだろう。花音はかなりの噂(&イケメン)好きで、学校内で有名な人(主に顔立ちの良さや成績の良さでの有名)の事から、全体の7割近くいるであろう平凡な人、さらには浮きまくっている人まで色々な人の情報を持っていて、それを良く美浪に聞かせているのだが、美浪は大抵の場合聞いている振りをして内心全く別の事を考えていたり、酷い時にはその体制のまま寝ていた。なので、他の人間の事など知らないのだ。もしかしたらクラスの人間かもしれないけど、それすら分からないという始末。今日花音が来たらすぐに外見の特徴を言って誰かわからないか聞いてみようと思っていた。

 ―――が、無理な事にしばらく経ってから気づいたようだ。美浪は昨日花音から来たメールの内容を思い出した。不幸なことに、今日花音は表向き風邪で学校を休む。表向き、というのは、昨日来たメールの内容からわかる。

 件名:明日の事で♪
 差出人:如月 花音
 日付:Tuesday,March ××,20×× 10:47 PM
 内容
  ごめんねー?
  明日休む☆
  今日カフェに来たイケメンのお兄さんたちと遊んでくるね☆
  風邪って事で学校には明日連絡入れとくから、よろー♪

 ……状況理解に3分ほどかかっていた。「カフェ」とは花音のバイト先だ。どうせギャル男辺りにナンパでもされたのだろう、そう思い呆れながらも「了解」の2文字だけを書いて送信したのを美浪は思い出した。普通の人間なら止めるか自分も行く、とでも言うだろうが彼女は本当に興味が無いのだろうな。花音が他の男に取られたら…、等のレ○的な嫉妬もなければ、勝手に行って来い、というほったらかし状態でもないのだろう。他の人間から見たら「了解」という2文字は「了解」としか撮れないだろう。だが、美浪の「了解」には色々な意味が含まれている。「気をつけて」、「危ないと思ったらすぐ逃げて」、「楽しんできて」、「学校に行くのも大切だよ」、「明日ノート見せてあげる」等だろう。普通に話していても無口な美浪だが、メールでもそれは変わらない。……というより、文字を打つのが面倒なだけだろうが。リーデンではアキラと良く話すのに、この違いは何なのだろうな。

 ま、それを思い出した美浪は昨日聞いておけばよかったと後悔。すぐに、過ぎたことは仕方ない、と冷静に思い後悔という言葉を頭の中から消し去ったが。しかし、ほっておこうと思っても、心の中がモヤモヤするみたいだ。結局、今日の昼休みにでも屋上に行こうと思うのだった。普通だったら大体を他人任せにするか、忘れる。そんな主義と言っていいほどの美浪なのだが……。彼は何故か頭からはなれないのだろう。何か突っかかるものがあるみたいだが、それは本人ですら分からない。とにかく、行くことは決めたみたいだ。

 昼休み。美浪は屋上のドアの前まで来ると息をのみ、ノブに手をかける。

  《《ガチャ……――     》》

14出雲 葵 ◆gGTOhi3OZY:2011/03/24(木) 12:31:50 HOST:zaq7d0440b2.zaq.ne.jp
 <<情報>>
  real

 ドアを開けるとそこはやはり花だらけの楽園、花の天国。屋上と言うだけあって風邪が強く、少し冷たく感じられる。ドアを開けた瞬間吹いてきた風に乱された髪を直し、前へ進む。昨日彼が乗っていた倉庫。あそこからならこの屋上全てが見られると思い、登る所がどこかに無いかと倉庫の周りを歩いた瞬間。聞いたことのある声が上からかかってきた。

「あれ。今日は1人?」

 彼女がここに来たのは昼休みが始まってすぐ。来るのを待っていようと早めに来たのだが、もうすでに彼は来ていたようだ。まるで四六時中ここにいるみたい、そんなことを思ってから彼女はやっとその声のする方を見上げる。そこにいたのはやはり美浪が探していた、気になっていた彼。にっこりと笑ってこちらを見ている。その表情からは何を考えているか読み取れなかった。

「アンタに用があって来た」

 用件だけをまとめて返す。「1人なのが当たり前」という意味も含んでいるのだろう。

「俺に?そりゃあ光栄だ。こんな美人さんに自ら出向いてもらえるとはね」

 全然真面目じゃない、そう思われる態度、言い方で彼は言葉を返す。そんな態度の彼を美浪は「話しにくいから降りてきて」という意味も含んだ目で睨む。今度は完全に「見上げる」ではなく「睨む」のようだ。そして、それが伝わったのか彼はまたぴょん、と飛び降りてきた。それと同時に美浪は目線を合わせ、彼に問う。

「アンタは、誰」

 昨日も言ったこの台詞。また無視されるのではないかと思いながらも美浪は聞いた。すると彼はニコッと笑いかけ、美浪の顔を覗き込むようにして見る。美浪は一瞬だが後ろに仰け反った体制を、すぐに元に戻す。

「そんなに俺の事知りたいの?」

 そう美浪に問う彼の顔は、何か企んでいるようにも見える。……、が、見えるだけで本当にたくらんでいるのかはわからない。美浪はそれには答えず、じっと相手の顔……、いや、眼を見ていた。ただ、答えを求めて。

「……そっか。じゃあ教えてあげる。」

 美浪は聞き洩らしが無いように意識を耳に集中させる。

「サトウ ハルキ。漢字は教えない。
俺の漢字、クラス。そして、シュミ。
全てを知って、答えられるようになったらまた話しにおいでよ。
いつでもココにいるから。その時はキミが知りたいこと全てを教えてあげる」

 “いつでもココにいる”……授業をサボっているのか、そう言いたげな彼女だが、そこら辺はどうでもいいらしい。それより、この「サトウ ハルキ」という人間の事を花音に聞くとして、漢字、クラスはわかるだろうが趣味までわかるかな、そういうことを考えていたようだ。こういう時、花音がいてよかったとかなり思っているらしい。が、それを思ったのもつかの間、彼はこんな事を言い出した。

「ただし、この学校内には俺の協力者が8割以上、下手したら9割居ると考えていて。
その人たちに俺の情報はキミに一切流さないようにメールを送る。
一斉送信で今から送るから、まあまず難しいだろうね。
その条件下で、の話だよ。
あ、送り終わるまでキミはココにいてね」

 いきなり訳のわからないことを言い出し、いきなり左手で腕を掴んできた彼に、美浪は混乱を隠せなかった。そんな美浪を見向きもしないで、いつの間にか何処からか取りだした携帯を持ち、かなりのスピードでメールを打ち続ける彼。しばらく経つと、落ち着いてきた美浪は冷静に考える。すると、この学校のほとんどの人間が協力してくれないということが分かってくる。いや、まぁ美浪の事だ。花音以外頼らないのだろうが、花音は「情報屋」として少しばかり有名な為、花音は絶対に教えてくれないだろうと思う。しかし、ほとんどの人間が協力者ということは、彼はこの学校ではかなりの有名人ということになる。周りに全く興味が無かったことに、改めて後悔せずにはいられない美浪だった。……またすぐに振り払ったが。

「逃げないから掴まないで」

 やっと彼女から出た言葉は、こんなものだった。こうなった以上彼の事を知るには受け入れるしかないとわかっているからだ。別に知らなくてもいい事なのに、今、彼女の脳内には「調べる」という言葉しかない。何事にもほとんど無関心だった彼女をやる気にさせるのは、何故なのだろうか。美浪は何かが突っかかっているままで、それを取り払いたいのだろうが、これはそう容易いものではない。彼女も十分わかっているはずなのにどうしても知りたいようだ。が、とりあえずはどうすることもできず彼がメールを打ち終えてから屋上を去り、午後の授業を受け、そして考えたまま帰宅する美浪だった。

15出雲 葵 ◆gGTOhi3OZY:2011/03/26(土) 22:18:57 HOST:zaq771933e1.zaq.ne.jp
 <<攻、攻、攻>>
  readen

「はぁぁぁぁ!!!!!!」

 今日、リーデンでこの声が響くのはこれで3ヶ所目くらいだろうか。これはレジェンド・ナイト……、ミナが、怒りやストレスを晴らすために思いっきり剣に力を入れて振っているのだとでも思おう。実際リーデンが現実だとそういう風になるのだから。何故3ヶ所目かというと、今日3回国外を攻めているからである。戦争で晴らそうとしているのだろう。「サトウ ハルキ」とかいう男が言ったことを冷静に考えるにつれだんだん腹が立ってきて、何処へもやる事が出来ない気持ちを。それ以外にもあるか。確定したわけではないが花音に聞けないことと、自分では何もできないことにも少しムカついているか?ま、「八つ当たり」って所か。レジェンド・ナイトと言われ始めて初めてのことだろうか、ミナとアキラが1日に何か所も攻める事は。ミナが「今日は気が済むまで沢山(戦争を)する」と言った時はアキラは驚いた(アバターの動作、表情を驚いた感じにした)が普通に付き合ってくれているみたいだ。……ただ、今、アキラはほとんどオマケ達と変わりない動きをしている。自分に向かってくるものだけを次々に倒していくが、向かっていくのはミナしかやっていない。まるでミナが何が理由で何度も攻めているのか分かっているように。……言わなくても通じるのがレジェンド・ナイトなのか……?ま、そんな行動のアキラに感謝しているミナ。おかげで倒す倒す倒す……。当たり前だが相手の犠牲のほとんどがミナによるものだった。そして本人は無傷。普通あり得ない事なのだが、それはこの話自体がフィクションなのでお許し願おう。

 さて、今日、ミナとアキラは何ヶ所攻めるか……――


「どうしたの?そんなに攻めて、疲れない?」

 次はどこを攻めるかとミナがアキラに話しかけようとしたら、向こうから話しかけてきた。当たり前か、いつの間にか2,3時間。1回につき5分前後だと考えればかなりの量になる。明日、再入会者多くなりすぎないだろうか?ま、だいじょうぶだろう。リーデンは、たとえ1秒に何万人とアクセスしてもアクセスする者のパソコンの調子が悪くない限りバグッたりしない。管理人の腕によるものだな。一体何者なのかと思われるがどうやっても知ることはできないので知ろうとする者は少ない。居たとしてもすぐにあきらめるが。しかし……、こういう時、戦争とは無関係の者は退会を免れて楽だろう。負けた方の国(又は町)の者は大体が退会(戦いによるもの)、その他は大金を払うことで退会を免れる。……決して楽な訳ではないか。金をもらうためにミナは攻めているわけではない。ただのストレス発散だ。金を渡してきた者に関してはいつも以上の大金を奪い取ってから次の場所へ攻めに行っている。そういうのもあるので、色々と疲れはするはずだ。しかし、ミナは「大丈夫」とだけ答えて次は何処かを決める為アキラに話を持ちかける。アキラは呆れながらも(アバターで)OKしてくれ、またすぐに攻めに行く。

 ミナのストレスが結構発散された頃。アキラがもう1度聞いてきた。

「ミナ、今日は何故こんなに攻めたの?
何かムカつくことでもあった?」

 何かあったのはわかっているくせに、わざとミナにそんな話題を持ちかける。ミナはアキラが分かっていることには気づかずにそれに返す(以外に天然?)。

「あったよ」

 ミナはアキラに言ってもどうしようもないと思いつつ、今日昼休みにあったことを話す。

「そっか……。
…………」

 何故か黙り込んでしまったアキラ。ミナが「どうしたの?」と声をかけようとした瞬間。

「じゃあ、俺が情報集めしてやる」

 突然の意味不明な言葉にミナは戸惑った。どういうことか聞くと、その「サトウ ハルキ」という男の漢字、クラス、趣味をアキラが調べるのだという。学校自体分からない筈なのに、どういうことなのだろうか。そんな疑問を抱きつつ、「任せろよ」と胸を張るアキラにミナは任せてみることにした。

 今更ながらミナは思った。アキラとはコンビを組んで結構経つ。なのに、自分はアキラの事を何も知らないと。アキラはミナの年齢、血液型、誕生日、など、少しばかり細かい情報を知っている。「本名禁止」とルールに書いている割には、「リアルで会ってもいいがその時に何が起こっても一切の責任を負いません」とあるリーデン。なので名前に使うのは禁じられているが本名をコールやチャットを使って発表は全然OKなのだ。管理人が責任を負わないだけで。あのルールの意味の無さは誰でも気づくのに変えない管理人。意味は無いだろうが何故なのだろう。ま、そんなことはどうでもいい。ミナはアキラに個人情報を一切教えてもらえてないのだ。少し悲しくなりながらも「サトウ ハルキ」の事をアキラに任せてパソコンを閉じるミナだった。

16 ◆hknTfXNPIY:2011/03/28(月) 16:59:36 HOST:p159.net112139136.tokai.or.jp
初めまして!! 凄く面白い小説ですねbbb
憧れます←
あの質問なんですけど「美狼」の読み方はなんでしょうか??
すみません;;くだらない質問ならスルーで結構です...

17出雲 葵 ◆gGTOhi3OZY:2011/03/31(木) 12:01:22 HOST:zaq7d0445c2.zaq.ne.jp
*+*+*◆hknTfXNPIY様*+*+*

コメ有難う御座います!!!
私の小説に憧れとは……。
嬉しいんですけど、もっといい小説がそこらじゅうに有るような……。
えっと、とにかく嬉しいんです!
有難う御座います!!!!!!
お礼もちゃんと言えなくてごめんなさい。

「美浪」は、「ミナミ」と読みます(だから「ミナ」なんですよね……)
読みにくくてすみません(汗)

本当に、こんなくだらない小説を読んでいただいて有難う御座います!
もしよかったらですが、また読んでくださると幸いです。

18出雲 葵 ◆gGTOhi3OZY:2011/04/06(水) 10:03:15 HOST:zaq7d044017.zaq.ne.jp
 <<サトウ ハルキ>>
  real・MINAMIside

 いつも通りの時間に学校に着く。かと言ってやることが無い。私の一日はいつも同じ日を繰り返しているようにしか見えない。……見えなかった、のに。あの男が話しかけてきてからなんか変な感じ。ずっとモヤモヤしてる。最悪。仕方ないのか。一応アキラにあの男の事を任せたものの、何にも知らないのに大丈夫かと思っている。せめて学校くらい教えておいた方がよかった気がする。今、リーデンにアキラいるかな?居たら伝えよう。居なくてもアキラの家に行って手紙でも置いてこようか。

 私は携帯を手に取りそこからリーデンにアクセスする。PCと同じように何でも出来る訳じゃないけど、ある程度の事は出来る。ただ、戦争はやっぱりPCの方がやりやすい。って、それはどうでもよかった。早くアキラに伝えよう。少しでも早くサトウハルキとかいう男の事を知りたい。……何故ここまで私はあの男の事が気になるのか。分からないけど気になるなら調べるまで。そう思っているうちにアキラの家の前まで来た。まずはインターホンを押す。すると、すぐに扉が開いて中からアキラが出てきた。動きがいつもとは少し違うところからして彼も携帯からやっているのだろうか。

「何?珍しいね、こんな時間に」

「アキラ、せめて私の学校くらい伝えようと思って」

「大丈夫、それくらい知ってる」

 状況理解に約30秒。アキラって何者?何故わかったか聞こうとしたらアキラがこんな事を言ってきた。

「その為にわざわざ来たの?ご苦労さん。
あ、彼の漢字はすぐわかったよ。
サトウは『佐藤』。
ハルキは『悠輝』。」

 『佐藤 悠輝』……。この漢字、ユウキとも読めそうな……。ま、ハルと読むくらいなら私でもわかる。とにかく、漢字がわかったんだ。それだけでも結構うれしい。しかし、どうやって調べたのだろうか。私、学校名だけじゃなく学校の特徴も言ったことが無いはず。制服なども一切どんなものかとかも言ってないのになぜわかるのだろうか。……ま、でも、アキラが謎だらけなのはもうずっとの事だし、いいか。

「アキラ、ありがとう」

 そう言ってすぐにログアウトし携帯を閉じた。アキラの返事など待たずに。そろそろ誰かが来る時間だ。他人には興味が無いけど、ずっとシンとした部屋に居れば音くらい聞こえる。これだけ静かだと遠くで階段を上ってくる音も聞こえるのだ。ごくたまにだが、靴箱を開ける音も聞こえてくることがある。私がリーデンにずっと居るものだとは知られたくない。もしこの学校にリーデンをやっている者がいて、私がやっているとばれたらいつ「PCオタク」と噂されるかわからない。ずっとリーデンでレジェンドナイトとして存在し続けていたんだ。毎日PCを触っていることくらい分かるはず。そんなことばれる訳にはいかない。どう思われようと別にいいといえばいいのだが、どうせなら知られたくないことはそのままにしてほしいから。

 ずっとそんな感じで考え事をしていると、いつの間にか時刻は8時15分。周りがざわざわし始めてきた。考え事をしていると時間が経つのは早い。

「みっなみー!!!!!
おはよぉ!!!!!!!!」

 来た。いつも朝っぱらからテンションMAXで大声を張り上げながら私の所に真っ先に来る人。私の親友(と思われる人)、花音。ったく、花音にはいつも不意打ちで驚かされる。何故こう来る時間がバラバラなのか。もう少しそろえてほしいものだ。8時ちょうどに来たと思えば次の日は9時5分前頃に来て遅刻だったりする。今日は遅すぎず早すぎずってところか。

「風邪はもう大丈夫なの?
そんなに元気ならぶり返すよ」

 分かっていながらそんな事を言う。そうすると見る見るうちに花音の眼がうるんでいくように見えた。しまった。気に障る事を言ってしまったのだろうか。大方ナンパ相手に告って振られたとかだろう。向こうは遊び目的だったって訳か。てか出会ってすぐに告白する花音って……?

「真守君がねー、告白してくれたのー!!!!」

19出雲 葵 ◆gGTOhi3OZY:2011/04/06(水) 10:03:38 HOST:zaq7d044017.zaq.ne.jp
 ………………………………………………………………………………………………………………………………………………。そういうことか。嬉し涙ってやつか。相手の名は『真守』?2文字で『マモル』か。『守』だけでもマモルと読めるのに。って、それはいいか。何故か読みに執着してしまった。……あいつのせいか。

「よかったね」

 嬉しさのあまり抱きついてきた花音に向かってそう言った。そして抱きしめ返した。ハタから見ればレ○かもしれないが、ただの友情として取っておこう。私達は友達以上恋人未満の関係なのだ。……ということにしておこう。花音がどう思っているかは知らないが。とにかく今は、花音が喜んでいることで私も嬉しい。余計なことは考えないでおこう。

 しばらく経つとチャイムが鳴りSHRの後授業開始。そう言えば花音にあの佐藤悠輝という人間の事教えてもらえるのか聞いてない。……まあいいか。アキラに任せよう。でも何故初めて聞いた名前なのに分かったんだ?しかも私が探していた人を。「佐藤」なんて名字日本にどれだけあると思っているんだろう。約47万世帯(それ以上)。それで「ハルキ」という読みが1つとは思えない。考えれば考えるほど分からなくなってくる。結局どう考えても謎のアキラの事は分からないか。

「はぁ……」

 そうぼそっと溜息を吐いたとたん、落ち込んでいるのか殺気なのか、こちらに向かってくるのが分かった。小声だったはずなのに。

「ほう……。
わしの授業は溜息を吐くほどためにならんか?
いくら天才美女と言われようとわしゃ手加減せんぞ?
あの問題解いてみぃ」

 殺気のおじさん(一応先生かと思われる人)の指の先をみると黒板。そこに現在習っているものなのか問題が書かれていた。もう2年で習う所を少しやってるみたい。……でも『天才少女』とか言われているのは初耳。また誰か変な噂でも起こしたか。それより今は目の前のあの問題からかな。文章から……

「“Of course. After your break,……―――……to the front of the line.」

 ボソボソっと呟いてから要点に、そして訳。あぁ、簡単だ。私そこまで馬鹿じゃない。授業聞いてなくてもこれくらいできる。……。そう言えば訳からどうすればいいんだろう。(この間0.5秒)

「訳できたら何すればいいんですか」

 それを言うと驚いた顔をされた。

「それでいいんじゃけど……。
もうできたのかい?」

 そんなに言われるほど早かったか?まあいいや。訳を言ってとっとと座らせてもらおう。

「―――――」

 はい、終わり。さっさと自分の時間に戻らせて下さいね。貴方の授業聞いてても分かってる事ばかりで意味無いんですよ。為にならない……かもね。


 さて、こんな事があったけど私の頭はアキラと悠輝という男の事ばかり。今日の授業の内容あの当てられたところしか覚えてない。簡単で聞く意味もなかったことくらいなら覚えてるけどね。さっさと家に帰ってリーデンしようか。アキラと居ると何故か楽しい。嫌な気分が吹っ切れる。誰にも言ったことが無いし、私の心の中だけにしまっていることだけどね。……そう言えば、あの男からも少し似たような雰囲気を感じられた。……気がする。気のせいだろうけどね。ただ男女の違いを分からせない外見からそう感じるだけだろう。似てると言えばそこだけだろうな。

 朝からこの時間までにアキラが何らかの情報を集めてるとは思えない。学生の場合学校、それじゃなかったら仕事でもしてる筈だ。アキラにあいつの事まかせっきりだけど別にいいか。私は何もできない。本当に……、何もできないよな……、私って……。

20出雲 葵 ◆gGTOhi3OZY:2011/06/03(金) 23:38:59 HOST:zaq77193332.zaq.ne.jp
お久しぶりです―。
自分でももう更新しないかと思ってた←
そしてこれからもしないだろうと思うのに、一応続きを書いてみる。
今はそういう人間(に化けた生物)になっていますね。
では、物語の方行きますか。


 <<それから>>
  readen

「ミナ」

 ミナがリーデンにログインするなりいきなりアキラが話しかける。ホント神出鬼没、と思いながら「何?」と答えるミナ。その中には「もしかして」という気持ちも現れていた。そしてミナの予想通りの事だった。

「悠輝の事だよ。
学年1、クラス2。
趣味は2つあるとの情報。
1つは『人間観察』らしいけどもう1つはまだ分からない」

 まずはクラスが隣だったことに驚くミナ。そして趣味が2つと聞いて少しムカつくみたいだ。確かに1つだけとは聞いていないが2つもあるとも聞いてないと思っているらしい。悠輝は謎で居たいのだろうか。大半はそう思うだろう。何故ならその通りなのだから。ミナに対してだけだが。人をからかって遊ぶようなことだがそれが楽しいのだろう。特にミナの、美浪の反応が楽しいんだろう。自分の人に知られたくない所を隠すあたりが楽しくて可愛kt(((ry ……すみません。自分の妄想が暴走しました← S系の人間にとっては美浪は反応を楽しめる人間だということを考えて置いてください。というか私からしたらかとも思いますが。 ……本編に戻りましょうか。 まぁとにかく。そんな美浪を楽しんでいるから、こんな謎だらけにしているのだろう。

 アキラが悠輝の事を何故ここまで知っているのかはもう謎でしかない。ミナからしてみれば、アキラも悠輝もよく似ている謎の人間なのだ。アキラはともかく悠輝の事は分かってきたミナ。とにかく後1つだけ。そう思うと嬉しくなったミナ。アキラに後1つを任せながらも自分でも探ってみようと思うのだった。アキラにお礼を告げ、その後すぐに剣を持ち攻めに行った。もうレジェンド・ナイトの事は国を大きくする「仕事」のようなものだからやはり忘れる事はやめた方がいい、国の人たちに失礼だ。そんな思いがアキラはともかくミナにはある。リーデンでは他人の事も気になるのだ。というより気にするのだ。そしてまた国を少し大きくしたらPCを閉じてそのまま少し今日の復習(授業聞いてなかったから)をし、後は普通に過ごして1日を終えた。


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