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廃墟に咲く花

1 ◆Hh/9IKsAlU:2010/09/26(日) 18:41:45 HOST:softbank219182178139.bbtec.net
ここでは主に恋愛小説を紡いでいこうと思っています。
初めましての方も久しぶりな方も覗いてくれれば幸いです。

*年中無休コメント受け付けてます
*ですが掲示板のルールは厳守してくださいね
*たまに恋愛と無関係の小説を書くかもしれませn(
*不定期更新



――この世界には、廃墟に咲く花のように美しく切ない恋愛がたくさん咲いている

2 ◆Hh/9IKsAlU:2010/09/26(日) 19:03:24 HOST:softbank219182178139.bbtec.net

○色鉛筆で描く空○


彼女は近くて遠い存在だった。手を伸ばせば届きそうなのにどうやったって掴めない雲のように、近くにいるのに抱きしめることすらできない。
近すぎる距離で育った幼馴染なんて関係は、中途半端で苦しくて辛くて。
けど、彼女を傍で見続けていたのは、確かな確かな一つの事実





「…ってぇ」

馬鹿した、と心のなかで呟いたところでこの痛みが引くはずがない。
掃除の時間に調子に乗ってクラスメイトと一緒に、雑巾を丸めて作ったボールにほうきのバットで即席野球をしていたところ、怪我をした。土田が打ったボールをジャンプして取ろうとした。だが、ボールが飛んでいく方向は机が並んだ教室のど真ん中。豪快なジャンプは留まることを知らず、机にダイブしたのであった。
幸い、軽い打撲で済んだものの、教室での即席野球は当分禁止されることだろう。

「ったく、土田が打った方向が悪いんだよ」

ここには一番来たくなかったはずなんだけどな、と深くため息をしてしまう。
そして彼、美山俊介は保健室の扉を静かに開けて中にいる人間を確認して、また深くため息をついた。
ため息に気づいた保健委員の彼女、波崎汐梨は後輩の保健委員の子と話すのを止めて、俊介を見て困ったわねえという気持ちを丸出しにしながら立ち上がる。

「…俊介、また何かやらかしたわけ?」
 
そう言われるだろうと予想していた。だから保健室には行きたくなかったのだ。
どうしてこうも格好悪い姿ばかり見せてしまうのか。幼馴染だろうとも好きな女なのだから格好悪い姿なんて見せたくはない。
汐梨は引き出しの中にある湿布と冷蔵庫の中の氷を取り出す。

「どっちがいい?どうせ打撲かなんかでしょ?」
「まーな。…んじゃ湿布もらってくわ」
「毎度あり。あーっ!俊介、今日一緒に帰らない?ほのかちゃんにDVD借りる約束してて」
「おー、下駄箱で待ってるから」

一緒に帰るも何も、家は隣なんだからほのかにもすぐに会えるはずなんだけど。と思いつつも自分が汐梨の家に1人で行けるかと言われたら無理だろう。最近全然お互いの家を行き来してないから幼馴染の家であろうとも敷居が高く感じるし。
いつのまにか打撲の痛みなんか忘れて浮かれていた。
幼馴染とはいえ、他クラスの汐梨とは接点が皆無といっていいほどない。登下校だって一緒ではない。いくら隣でも一緒に帰るのは中学までが精一杯。
無意識のうちに、柄にもなくスキップをして教室に戻っていた。





「へぇー、和兄彼女できたんだ」
「そ。だから家にいる時間が少ないのよ。…そのうちほのかちゃんもできるかもね」
「ほのかに?むりむり、あいつ部活一筋だし」
「とか言ってるうちに俊介より先にほのかちゃんに彼氏できそうだけど」

ふふ、と汐梨が目を細めて笑う。小さい頃から幸せだったり嬉しかったりするときは目を細めて静かに笑うのが汐梨の癖だから今はきっと幸せなんだと思う。他愛のないこういう話、あまりしてなかったし。
汐梨が見せるこのふとした笑顔は、何度見ようとも慣れない。むしろ見るたび見るたびドキドキが増してくるような気がしてならない。
汐梨の声、汐梨の笑顔、汐梨の仕草、全てが今は自分のもの。そう思うと胸の奥の方が妙にくすぐったくなって恥ずかしい。じっとしてられなくて自分の髪の毛をぐしゃぐしゃにした。

「…何してんのよ」
「やっ、たいして意味はない。……げ」
「げ、ってほのかちゃん可哀想。おーい!ほのかちゃーんっ!」

とたとたと走り出す汐梨。
角を曲がったところにいたのは紛れもなく妹のほのか。汐梨はほのかを見つけるとすぐに声をかけて駆け出したのだった。
俺といるよりも、ほのかといた方が楽しいのか。
どのみち一緒に帰ることになったのもほのかに用事があったからだし、汐梨がほのかのことが大好きなのも昔から知っている。今更思っても仕方ないけど、ほのかに嫉妬心を抱いてしまう。

「えっ、しーちゃんお兄ちゃんと帰ったの!?うわぁうちの兄貴がすいません」
「…ほのかてめぇ」
「こら俊介、ほのかちゃんに乱暴なことしちゃ駄目でしょ」

そう言いながら目を細めて笑った汐梨に、またも鼓動が早くなってしまった。



○ 1 手が届きそうで届かない貴女 ○

***
美山俊介 (みやましゅんすけ)
波崎汐梨 (はさきしおり)
美山ほのか (みやまほのか)俊介の妹
波崎和彦 (はさきかずひこ)汐梨の兄

3 ◆Hh/9IKsAlU:2010/10/11(月) 14:32:42 HOST:softbank219182178139.bbtec.net




逢えない時間がもっともっと貴方のことを好きにさせた





「――うそ…っ、嘘に決まってるじゃない!」
「嘘じゃない。夏原は転校するんだよ」

そう言った理恵のひんやりと冷たい手がゆっくりと沙織の頬に触れる。今もまだ、信じられないという顔をしたまま沙織は目を開いて立ち尽くしている。どうして、どうしてと沙織の頭の中でぐるぐると回り続けている。
翔太が転校するなんて、おかしい
翔太はこれからもずっとあたしの傍にいてくれる
翔太がいる、当たり前だった未来がどんどん崩れて崩壊していく。普通に翔太が隣にて、いつもみたくふざけあって、当たり前のようにぬくもりを感じて。
そう思っていたはずの未来がガラスの破片のように散らばり、目頭が急に熱くなる。

「…理恵、翔太は今どこにいるの…?」
「多分、いつもの場所。…裏庭の木の―」

理恵の言葉を最後まで聞かずに沙織は部屋を飛び出した。
走って、走って走って。これが夢だったいいのにと何度も思いながら肩まである短い髪を揺らして走る。廊下を突き進んで、靴に履き替えて。
翔太を追いかけて毎日のように通ったこの廊下が、この道が、今日は何故か長く長く思える。
走馬灯のように楽しかった日常が脳内を駆け巡る。いつの間にか目から溢れ出した涙がこぼれて頬を濡らす。それでも沙織は走り続けた。



「…しょう…た」

裏庭に生えてる一番大きな木にもたれている翔太の姿が見えて沙織は少し口元を緩めた。
翔太は立ち上がって沙織の傍に来る。沙織はゆっくりゆっくりと迫ってくる翔太の足音が寂しくもとても愛しく感じた。そして無意識のうちに涙をぽろぽろと零す。

「沙織…」
「しょう…た、翔太!何で転校するの?何でいなくなっちゃうの?何で……んで」
「…泣くなよ」
「泣いてなんかないっ!」
「泣いてるじゃん。…ったく」

そっと翔太の手が沙織の頬に触れる。そして沙織の頬に伝う涙を拭った。
それが精一杯だったかのように、沙織の目から涙が溢れんばかりに零れだす。

「卒業式には、戻ってくる予定だから」
「…長いじゃん。…あたし達まだ高1だよ?あと2年もある…」
「そん位我慢しろよ沙織。…約束するから」

翔太はそう言うと沙織の唇に優しく唇を重ねて、「迎えに行く」と囁いた。





「沙織!どこ行くのっ?これから先生たちに挨拶…」
「あーっ、理恵から言っといて!お世話になりましたって」
「礼儀ってもんがあるでしょ沙織っ!」

理恵の声がどんどん後ろで小さくなっていく。
挨拶なんて後で行けばいい。それよりも今目指すべきものは校門で待っててくれてるはずの彼に会いに行くこと。

翔太のいない2年はかなり長くて、それでいて切ない幸せで溢れいた。
逢いたくて会いたくて堪らなかったけど、きっとこんな風に思えたのは一度こうやって離れてみたからで。もし普通に2年を過ごしていたらこんなにも大切な気持ちに気づかずにいたかもしれない。
それでも今は、会いたい。
翔太に触れたい。
翔太のぬくもりを感じたい。
今までの分抱き合って、心を、胸を、翔太でいっぱいにしてほしい。

校門には花束を手にした愛しい人が見える。
口元が動いている。周りのがやがやしたうるささの中で、その口元の動きははっきり見えた。
沙織は再び走り出して、愛しさが全身からにじみ出るような笑みで翔太に駆け寄る。


「―――翔太っ!」




○貴方のぬくもり○
(ようやく感じられた貴方のぬくもりは、ちょっと冷たかった)
(その冷たさは外で待ってた時間の長さと、あたしが流した涙の量)



***
二次で書いた小説をところどころ変えて一次にした小説

4 ◆Hh/9IKsAlU:2010/11/08(月) 11:18:58 HOST:softbank220001002089.bbtec.net




 時が、止まった気がした。
 どうして、とか、何で、とかそんなこと考えられる余裕がなかった。ただ、周りの音も一切聞こえなくて、瞳に映るのも貴方の姿だけ、たったそれだけだった。
 それだけなのに、すごくすごく胸の奥が痛くて、……懐かしかった。





「そーらっ!たこ焼き買ってきたよーっ!」
「うわ、熱々じゃない。よし!早く食べよ、佳織」

 最寄り駅の駅ビルはきっと若者の溜まり場所。こんなにも中高生が集まる場所ってこの辺じゃこの駅ビルくらいだと思う。だってビルにある店舗は有名な高級店から100円ショップまで幅広くあるし、メジャーなファーストフード店もたくさんあるんだから、と思いながら、空は熱々のたこ焼きをはふはふしながら頬張った。
 佳織が器用に楊枝でたこ焼きを食べているのを見て、空は羨ましそうに目を細めて笑う。

「……佳織、最近はどーなの?」
「どーって別に、健斗とはラブラブですよ相変わらず」
「そっか。……別れてから相手の大切さに気づくような馬鹿みたいなことしちゃ駄目よ」
「ふふ、りょーかいっ」

 佳織と佳織の彼氏は周りから見ても仲がいい。……だからこそ余計心配してしまう。
 
 ――あたしのように、なってしまったら

 不吉な考えをどこかへ飛ばすかのように、空はたこ焼きを丸々一つ、口に入れた。
 かつお節が喉に詰まって、咳き込んでしまう。それに気づいた佳織が急いでペットボトルのお茶を空に差し出して、空は涙目になりながら受け取った。

「けほっ、けほ……。うぅ、ありがとう佳織」
「どしたの空?空らしくないじゃん、……ってまーたどうせ根岸のこと」
「う……ん。でも佳織にはなってほしくないの。あたしと圭吾みたいには」

 圭吾、と言ったその部分だけものすごく懐かしそうな愛おしそうな、辛そうな苦しそうないろいろ複雑に混ざり合った表情を浮かべながら空は微笑した。笑うことでしか、この気持ちを心に閉まっておけない気がして。
 佳織は何も言わずに空の頬に手を伸ばして、つねった。

「痛いんだけど、佳織さん」
「……空、」
「何よー?あ、別に圭吾のことを未練たらしく想ってるわけじゃないからね?」
「ばか、バカ。……空が根岸のこと好きなくらい私にはわかるからっ!それより……っ」

 苦しそうに顔を歪めて佳織は口を後ろめたそうに閉じた。空は佳織の長い茶髪に触れて華のように微笑んで、「バカはどっちよ」と呟いた。
 空は佳織が言いたいことがわかっていた、だからこそ自分を想って最後まで言葉を紡がなかった佳織の優しさが温かかった。今にも崩れてしまいそうなくらい顔を歪めている佳織にむけて空は明るく笑った。

「あのね、あたしは圭吾に彼女が出来たことくらい知ってるのよ」
「うそ……ッ!」
「嘘ついてどうすんの。……ショックだけどね、でもあたしは、……圭吾が好きなんだわ」

 遠くを見つめながら、それでも意思の強い瞳と感じながら佳織は「空らしいね」と笑った。その笑顔には頑張れでも諦めろでもなくて、ただ、空のしたいことをすればいいという佳織の願いがこもっていた。





「んじゃそろそろ帰らないとね」

 携帯で現在の時刻を確認しながら佳織が言った。
 確かに駅ビルの窓から見える景色は夕焼けを通り越して暗くなり始めている。空も「そうだね」と名残惜しそうに呟きながら出口へと歩いていた、とき。
 空の、足が止まった。

「……空?」
「…………っ!」
「空?そーら?空さーんっ?」

 どれだけ佳織が空に話しかけても返事はない。返事どころか佳織がここにいるという存在さえも忘れてしまっているかのように立ち止まっている。空は小さく息を呑み、まばたきをする。
 佳織は空の行為を不審に思い、空の視線の先に目を向けた。

 そこには、空を一直線に向いたまま立ち尽くしている1人の男子、根岸圭吾がいた。

 お互いの視線を絡めたまま、空も圭吾も微動だにしない。周りの景色も何も見えてないような、周りの音も何も聞こえてないような、そんな風に立ち止まっている。2人の時間は、今止まっているかのように。

「……け、いご」

 今にも消えそうな、なくなってしまいそうな声で空は囁いて、早足で歩き出した。
 佳織は優しい眼差しを空にむけて、圭吾が空に向かって走り出したのを確認して、微笑みながら近くのベンチに腰掛けた。




***
本文長すぎエラー出たため、2つにわけますorz

5 ◆Hh/9IKsAlU:2010/11/08(月) 11:20:01 HOST:softbank220001002089.bbtec.net







「圭吾……」
「……そ、ら」

 引き合うようにお互いが顔を見合わせて、空は安堵の表情を見せた。
 けれど何かを思い返したかのように酷く辛そうな表情になり、唇をかみ締めた。そして意を決したのか、口を開く。

「……もう、行って。あたしは圭吾の顔見れただけで幸せだから」
「え……、俺はもっと空と話して――」
「だってっ!だって……圭吾には彼女がいるんでしょう?」

 圭吾に驚きの表情が浮かぶ。

「……だから、お願いだから、もう行って。じゃなきゃあたし……っ」
「そ……ら」
「圭吾に迷惑なこと言っちゃうかもしれない!好きだなんて……言ったら困らせるのにっ!」
 
 空が言った瞬間、圭吾は空を力いっぱい抱きしめた。
 空は涙の溜まった瞳を見開いている。そして次第にゆっくりと瞳を閉じて涙を流した。
 流した涙が顔からほろりと落ちたとき、空は圭吾の腕を払った。

「こんなことばかりしてたら、彼女さんに嫌われちゃうよ」
「……なぁ空」
「んー?」
「俺ら、もうちょい早く再会できてたら、またやり直せたのにな」

 圭吾は静かに言葉を紡ぐと、空の髪に触れて頬にキスを落とした。

「今でも、空のことが大好きだよ」
「……うん、あたしも圭吾が大好きだよっ!……でも、新しい恋見つけないとな」
「応援、してるから。……今度会うときはさ、『友達』だな」
「――、うん!」
 
 くるりと圭吾が方向転換して歩いていく。
 その後ろ姿を微笑みながら、空はずっと見つめていた。


「……ばか」


 最後くらい唇にしてくれたってよかったのに、と空は頬を触りながら思った。
 いつか、きっと圭吾以上に好きになれる人に出会える。
 その日まで、圭吾のことを、好きでいても構わないよね。

 空はゆっくりと佳織が座って待っているであろう場所へ歩いていった。




○始まりの終止符○
(長かった恋にようやくうてた、終止符)
(けどそれは、貴方への想いを隠さなくていいという、始まり)

6 ◆Gv599Z9CwU:2010/11/26(金) 14:54:30 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp

誄ということは自分の知っている「誄」で間違いないわけですね(^▽^)
こにゃにゃちはー! こっちではお久しぶりです海でしあ^^*
小説が更新されているのでさっそく感想をば!
現在「小説掲示板を感想・意見交換を増やして盛りあげようぜ!」てな感じの企画(?)を個人的に行ってます←
いや、スレ放置があまりにもひどい原因ってこれなのではないかと思い始めたのですよorz


誄の恋愛小説はいいなあー(´`*
切なかったりほろ苦かったり、悲しい結末でも心あたたまるストーリーの宝庫で…!+。
恋愛小説書けない俺にはうらやましいことこの上なしです(・ω・`
幼馴染設定とか好物すぎるよ! 近いけど遠い、そんな微妙な距離が素敵だと思われるのー!vv
個人的には>>4>>5の「始まりの終止符」ってストーリーが好きです! 最後の終わり方に思わず涙……(ノ△T)
空ちゃんの次に訪れるであろう恋、見守らせていただきます!(・ω・*


だめだ、誄の小説好きすぎてつらい……((
更新を正座しながら待ってます(キリッ

7 ◆Hh/9IKsAlU:2010/11/27(土) 13:34:36 HOST:softbank220001002089.bbtec.net

海>>
この掲示板に私以外にも「誄」がいたらそりゃあもうビックリですもんね(笑)
紛れもなく海の知ってる誄で間違いありませーん! 海に「誄です」って名乗るのも久しぶりな気がするw
海のスレにもコメント残しておきました! 共感以外なにものでもありませぬ。

ありがとうっ!
海の恋愛小説は何でかしらないけど裏に走るよね(笑) 私には読めないじゃないか!←
幼馴染小説更新してないなぁ(汗) ……微妙な距離感っていいよね! すごいもどかしさが可愛い(´`*
「始まりの終止符」は最初はハッピーエンドにしようかなって思ってたけど、途中で変えたんですね←
こっちの方がなんか自分的に好みな終わり方だったっていうww

まじで?(笑) めっちゃ嬉しいです、ありがとう!
海が正座し続けてしびれないように早めに小説更新できるように頑張りますです∀+。

8 ◆Gv599Z9CwU:2010/11/28(日) 18:23:34 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp

誄>>
そんなことあったら驚愕ですよw
共感とか嬉しすぎて昇天できる気がします((


そうなんですよっ! さすがよくわかっていらっしゃる(´▽`*
オリジナルでも微エロ方面に走っちゃうとか自分どんだけ…((
近くにはそんな切ない甘い関係の人がいないから小説だけでもっ…!
そしてその誄の好みの終わり方は俺にもドストライクだったってことですけどね!vv


そのうち禁断症状g((
それはなにより嬉しいぞ! 楽しみにしてますvv

9雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/30(火) 17:56:29 HOST:119-231-169-13f1.shg1.eonet.ne.jp
>>誄

やっとコメできた……((
久し振りの誄の小説、ホントいい!!
ちょ、めっちゃ切ない…! こーいう恋したいわぁ、できねーけど←
キャラ達もなんだか可愛らしくて、全員俺の元にやってきてほしい/え
本当、恋愛小説上手いな!
更新待ってますノシ また来るよ☆((来んな

10 ◆Hh/9IKsAlU:2010/12/11(土) 17:30:31 HOST:softbank220001002089.bbtec.net

海>>
海の小説のことだったらだいたいわかってるつもりですよ!w
微エロの方向に走るのは、それだけ海がそういう人ということです(笑/嘘です、…まぁ嘘じゃないけど←
切な甘い恋愛送ってる人ってあんまいないよねー; 切ないか甘いかのどっちかだし(笑)
誄のドストライク=海のドストライク! ってことですねww

Σ禁断症状
困る、それ困るから! 海何するかわからないからっ!(笑/Σ)


雪音>>
わわわ、何それありがとーっ!
こーいう恋は切ねーぞ?(笑) 書くだけで一杯だわ、切ないのは←
ははっ、空ちゃん(始まりの終止符の)は今フリーだから貰っちゃってくださいww

恋愛小説しか書けない能無しです☆(キラッ/Σおい
ありがとーっ! 雪音のために愛を込めて更新いたしますvv

11 ◆Hh/9IKsAlU:2010/12/11(土) 17:36:05 HOST:softbank220001002089.bbtec.net

○ 追憶 −Souvenir− ○



「――……ドーレル? どこにいるのドーレル?」

 小さくか細い声が王宮の廊下に響き渡る。ひらひらとスカートの裾を靡かせて進み、そして王宮の離れの建物、使用人部屋へと少女とも女性ともとれるような容姿をした姫は入っていった。
 王宮の離れといっても城の敷地内とは変わりない。しかし、煌びやかな装飾やあちこちにある窓も減少している。
 けれどそれもまた、味のある建物であるのは確かだ。

 室内用のドレスであるとはいえ、姫の身にまとっているドレスはふわりと舞い、かつかつと音を立てながらハイヒールは光を放っている。姫の首筋を通って腰までかかる薄い茶髪はふんわりとカールされて歩くたびに美しく揺れる。姫の大きな蒼い瞳も、筋の通った鼻も、華奢な白い身体も全てが造りもののように美しい。
 姫はただ一直線に、とある部屋を目指している。
 そして目的地である部屋、『使用人書庫』と書かれたプレートの下がっている部屋にノックもせずに開いた。

「ドーレル!」
「……何です? 非常識なクレラお嬢様」
「一応常識あるもの」
「どうでしょうね、ノックもせずにこんな朝早くからやってくるなんて」

 ドーレルと呼ばれた男性は呆れたような顔をしながら、読んでいた厚い本を閉じ眼鏡を外して優しい瞳をクレラに向けた。そして黒い髪をさらりと耳にかけて微笑んだ。

「どうかされましたか? お嬢様」
「ん、……昨日ね、お父様と隣国の王様の会談があったの。……でね、隣国の次期王様があたしの4つ上らしいんだけど、……今度一緒にお食事会することになっちゃったの」
「クレラお嬢様にもついにそういう話が出るようになりましたか」
「……婚約の話もあるのよ」

 クレラは目元に涙を溜めながら顔を伏せて、薄茶色の髪の毛をくしゃっと触った。
 その姿を横目で見ながらドーレルは小さくため息をついて、埃のたまった本棚へと目を配って一冊の本を取り出してクレラに差し出す。

「クレラお嬢様がまだ4歳の頃……、私が12のときでしょうか。これをお嬢様に読みました」
「……ええ、覚えてるわ『小さな姫の恋』でしょう?」
「その通りです、まだ子供の姫が写真で見た隣国の王子様に恋をして、毎晩手紙を書いて夜空に浮かぶ月や星に願うのです」
「……『あなたに、あいたい』」
「そう、そして姫が初めて自国を出て王子様に会いに行って、また恋に落ちる」
「そして年月が過ぎて2人は結ばれる……この話はあたしが大好きな絵本よ」
 
 そう微笑みながらクレラはドーレルから『小さな姫の恋』と表紙に書かれた可愛らしい絵本を受け取り、胸に抱いて優しく触れた。
 クレラは小さく笑みをこぼしながら、明るく笑ってみせた。

「ありがとう。隣国の王子に会いに行く決心がついたわ。……けどねドーレル」
「……何です?」
「あたしが好きなのは、あたしが幼い頃からずっと想ってるのはドーレル、貴方よ」
「……ええ。知っています。……けれど私にも想い人がいるのです。ですので――」
「知ってるわ。だからあたしはこうやってドーレルと話せるだけでいいの」

 ドーレルは苦しそうな顔をしながらクレラを見つめていた。しかしクレラはドーレルとは裏腹に心の底から幸せで満ちているかのように微笑んで、華奢な身体を回れ右をして入ってきた扉へと足を運ぶ。
 そして扉の前まで来ると、また、ドーレルの方を向いて目を細めながら笑った。
 クレラはゆっくりと部屋を出て行った。ドーレルはクレラがいなくなった扉のほうを見つめたままため息をついた。けれどすぐに眼鏡をかけて読みかけの本を手にとった。

 書庫にある窓から入る朝の日差しは、いつもと変わりなく優しく温かく本棚を、書籍を、そしてドーレルを照らしていた。



◇◇◇
(...1)
(どこかの小さな国のお姫様クレラと、そこに仕える使用人ドーレル、そしてこれから出てくるドーレルの想い人が主要となる物語)

12 ◆Gv599Z9CwU:2010/12/15(水) 11:03:18 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp

誄>>
それ嬉しいのだがどうすれば((
うむ、嘘ではないぞ(笑
遠距離恋愛が甘いのか切ないのか、どっちに属されるのか微妙なラインよね←
個人的にはどっちも入っているように感じるけどもv

いえっさー!ヽ(^▽^*)ノ
ちょ、その言い方なんか俺が危ないみたいに聞こえるw


>>11
ドーレルさんのキャラがツボな件←
読書している姿とか、すごい素敵なんだろうなあ^^*
ドーレルさんの想い人がこの話にどう絡んでくるのか気になりませう(・ω・*)
お嬢様のことを好きなのだと思っていただけにびっくりだったぜ((

13雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/12/15(水) 20:19:17 HOST:180-146-101-51f1.shg1.eonet.ne.jp
>>誄

いや、ずっとコメできなかった俺を罵ってくれ!
えー、じゃあいいわ← 俺は読むので精一杯(( 泣いちゃう
Σほ、ほ、ほんとですかぁぁぁ! そう仰ってくださるなら短編集のとこに載せます…!

いや、それは才能だ☆
俺に愛を……!?((ヤメロ

>>11が超好みな件。← ドーレル!

14 ◆Hh/9IKsAlU:2010/12/19(日) 10:21:55 HOST:softbank220001002089.bbtec.net

海>>
なんか海の小説読んでると裏小説に慣れてきそうで怖いわ(笑)
さすがにブログにアップされてるのは無理だと判断したけどw ごめんね!←
遠距離かー……。でも甘甘なカップルもいれば切ないカップルもいるよね。
二つを兼ね備えてる素晴らしいカップルもいるけれど(´`*

うん、海が危ない人になるように言ってみたもん☆←

ドーレルは絶対海の萌えゾーンだろうなーって思いながら書いたからね(笑)
ドーレルさんの想い人はすんばらしい人ですw((
お嬢様を好きではないんですよ実はね(笑) いや、お嬢様なのかなある意味?←


雪音>>
いやいやいやっ! 来てくれただけで嬉しいです!w
Σいいのか!(笑) 切ない恋もしてみたいけど甘甘がいいなぁー(タヒ
もらってくれてありがとねっ! 今なら私、天まで昇れそうだわw

雪音に愛を捧げますわよww ←

好みだったか! よかったわぁ><
ドーレルは誄の周りにいる男子共の限りなく正反対のキャラでございます(笑)

15 ◆Gv599Z9CwU:2010/12/26(日) 17:08:13 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp

誄>>
ふふっ、慣れることはないと思うぜ?(笑)
俺最近痛感したけど、微エロも裏もすごく需要高いのねってことを知りました←
それらの拍手の数をほかと比べてみると半端ないです、自分でも「おお!」ってなったww

ちょっ、そりゃないぜよΣ(´д`;)

それ正解! ドツボにはまったww
だから続きが気になるじゃないか!vv

16雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/12/28(火) 15:15:37 HOST:180-146-49-45f1.shg1.eonet.ne.jp
>>誄

そ、そんな事言われたら、俺は誄の家にまで言っちゃうよ…((
だって俺はどうせリア充じゃないからね! 甘い恋とかww経験した事ねぇww助けて←
Σ昇っちゃだめ! 寧ろ俺にあのような作品を捧げてくれた事にたいして昇天しそうだ!

受け取って食べます!((

けど実際にこんな素敵お方がいたら、俺はどっきどっきしすぎて倒れるわー
俺の周りにもいねぇ! ていうかこんな腐りきった世界にいるのだろうか←

17 ◆Hh/9IKsAlU:2010/12/31(金) 10:47:25 HOST:softbank220001002089.bbtec.net

海>>
それは……うん。需要高いのは仕方ないんじゃないかな?←
拍手数多いとか…。みなさん…((

ふふふw
最近、ブラックになってないなぁって思い始めてさ←

続き載せますー!


雪音>>
家来る?招待するぜ(笑)
甘い恋なんてねー、したことないよねー! あたしもよー!←
よし、じゃあ一緒に昇天しようじゃないか!((

Σ愛を食べられた!

はは、あたしもどっきどっきしすぎて鼻血が止まらないと思うわ←
腐りきった世界にはいませんね!(断言

18 ◆Hh/9IKsAlU:2010/12/31(金) 10:51:53 HOST:softbank220001002089.bbtec.net

○ 追憶 −Souvenir− ○




「……入りますよアノン様」

 クレラが使用人書庫から出て行った30分後、ドーレルは厚い本に藍色の花で作った押し花の栞を挟んで使用人書庫を出ていた。時刻にして7時を過ぎたころ。ドーレルは使用人部屋の建物から王宮へと歩いていき、王宮の部屋でも綺麗な造りをされている部屋をノックしていた。
 中からは音も気配もなく、ドーレルは中からの返事を待たずに扉を開いた。

「アノン様、起きてくだ――」
「起きてるわドーレル。それにほら、服だってもう着替えてあるのよ」

 低血圧であるアノン様にしては珍しい、とドーレルは思いつつ微笑した。真っ直ぐとうねりを知らない細やかな金色の髪はもうすでに梳かされていて、蒼い瞳も寝起きとは思えないくらい大きく開かれていた。そして薄い桃色の唇にも唇より少し濃い桃色のリップが塗られ、心なしか頬にも化粧が施されている。
 アノンと呼ばれた女性はクレラよりも清楚で可憐で、そして壊れてしまいそうな儚げさ。クレラが人形ならばアノンは水晶で作られた造りもの。美しさはクレラもアノンも変わりはないが、クレラは赤や桃色、アノンは青や藍色と表せるように正反対の雰囲気を持つ。
 けれども、瞳の色も顔の造りも華奢な身体もどことなく似ている。

「聞いてよドーレル、クレラったら6時に私の部屋にノックもせずに来たのよ」
「ああ、クレラお嬢様でしたらその後書庫にも来ましたよ」
「本当? 全くあの子は小さいときから変わらないんだから」
「しかし姉としてクレラお嬢様の成長は嬉しいのでは?」
「もちろん。妹の成長は私にとってこの上ない幸せだわ。……ね、ドーレル」

 アノンの言葉の意味を読み取ったドーレルは苦笑した。
 そしてアノンの白く細い指に壊れ物を扱うかのように優しく触れた。

「……やめて、ドーレル。手を離して」
「私はクレラお嬢様を愛することは出来ません。……私は……っ」
「私なんかを愛さないでドーレル。私は私自身の幸せよりもクレラの幸せを願いたいの」
「…………っ」
「ねえドーレル、私ももう22よ。そして貴方は24。……そろそろ子供みたく夢見てられる年頃じゃないのよ。……わかるでしょう?」

 

◇◇◇
2話はとりあえずここで終了。2話後編に続くw
(ドーレルが好きなのはアノン。アノンはクレラの姉。複雑な三角形)

19 ◆Gv599Z9CwU:2011/01/08(土) 10:25:18 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp

誄>>
すごいよ、拍手が10越えってなかなかないからねw
甘いのも需要高いかな。

ブラックが降臨しないのは稚がいないからだと思うy((


感想は後ほど!;

20雪音 ◆mzHXeB1fFY:2011/01/11(火) 17:08:12 HOST:180-146-98-173f1.shg1.eonet.ne.jp
>>誄

ま じ で(( もちろん誄の部屋乗り込むけどね!(ヤメロ
そしてこれからもする予定はありません!(爆)
昇天して2人で幸せになろうね←

愛の味? もちろんファーストキスの味に決まってるじゃないか←

鼻血出し過ぎて血が不足して死ぬ←
>>18 ドーレルてめぇ! でも嫌いになれない。


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