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ここだけ魔術のある世界

1名無しの魔術師:2011/11/21(月) 04:52:24 ID:aE0iMq0A
混乱防止のため、既にイベント進行中等の場合は極力もう一つのスレで。

参加する際の注意事項
・俺Tueeeeeeeeeeeや、厨設定、強さのインフレはほどほどに
・魔法は「魔元素設定」に沿った設定であることが望ましい

・『中の人の』安易な気持ちで人(自キャラ、NPC含む)を殺すな。死んだら生き返りません。
・鬱展開とシリアス展開は違います。ただし、↑と共に『キャラとして』相応しいなら問題はありません。

・場の空気は出来るだけ読もう。カオスな時もあります
・書きこむ前にリロードを
・描写はできるだけ丁寧に。認識のすれ違いを避けるためです。
・本スレの出来事は演技ですから恨まぬように、また演技に私怨を持ち込まない。
・眠い時は無理せず寝ましょう 健康を損ねないように
・多数対少数の場合は、少数の中の人たちのことも考えよう
・スルーされてもめげない
・一番重要なのは楽しませること、そして楽しむことです。

イベント、ストーリー展開に関する注意事項
・乱入されても泣かない。乱入が嫌なら先に断っておきましょう
・あまりにも無茶な振りをしない。されて困る事はしない
・次の日に持ち越す事も考えよう。
・単なる自己満足はほどほどに。
・乱入前に…
 イベント発生場所に貴方のキャラクターが居る可能性がありますか?
 相手のキャラクターとの関係はどんなのですか?
 自分のキャラは何事にも首を突っ込むキャラですか? の3点を確認しよう。
・乱入する前にレスをしっかり読もう。
スレ立ては
>>900 or >>950 or >>980 or >>1000

454クライア:2013/11/28(木) 03:10:22 ID:SVtv/fVA
>>452-453
下の階層へと足を進める偵察班。進めば進むほど冷気が増していく。
セオリーでいくならば汚染獣の気配や、あるいは進化後の残骸などが眼に着くはずだが…

「凄いなこりゃ、一面真っ白か凍ってるかで判別つかないな」
先頭を歩くクライアが呟いた。粉雪が積もり、天井には氷柱まである。

「汚染獣の残骸でもあれば、少しは先の対策が立てられるのにな…」
現在の階層に汚染獣の気配はない。異常があればクライアが気付くだろうし、そうでなくてもシェリの端子が何か勘づくだろう。


―待機組―
フェイス「!……レフ……」
後輩の気遣いに表情が変わるフェイス。
この場で指揮を託されたフェイスが、不安を感じさせるままでは駄目だ。
数秒、思考するそぶりを見せてから普段の規律正しさを感じさせる表情に戻った。

フェイス「お前の申し出は、正直嬉しい…
     だが、それでは結局隊長の指示を破った事になってしまう」

フェイス「5小隊から預かってきたお前に、命令違反のペナルティなどつけたくない
     ……それに、そんなコトをすれば私が隊長を信用していなかったという事にもなる」
そこまで言って、ふう、と息を吐く。次に口にする言葉をやや躊躇っていたようだが

フェイス「だからこれは"現場の判断"での指示だ
     隊長は機動力を優先して最少構成の偵察隊で向かったが、
     あれでは撤収する際の安全確認が疎かになる」

だから、と続け

フェイス「レフ、もし頼めるなら隊長達の退路の確保をしてほしい」

455ショウ:2013/11/28(木) 18:42:17 ID:???
>>453-454
「その辺に隠れてる……って事はなさそうですね」

周辺を警戒しつつ呟く。
なお、特に活動の弊害にはならないが凄く寒がっている。

「しかし全く見当たりませんね。残骸とか、少しぐらいあっても良さそうなのに」

456ヒューガルテン:2013/11/29(金) 18:21:29 ID:foQB6QWs
>>454-455
「うはw寒いwwwしかも何もないwwwww気配もないとかwwwwww」
ショウに負けず劣らずの寒がりっぷりである。

「ひょっとしたら雪の下とか氷ん中とかなんか埋まってたりしてwww
 試しにブチ割りましょうかwwwww」
ヒューガルテンの兵装―超重量の大剣ならば容易いが、クライアは止めるだろうか。

---待機班---
いつもの表情となったフェイスを見て少しほっとした表情になるレフ。
クライア隊長からの任務―心配性な副隊長を頼む―を無事果たせたと確信したからだ。
それも一瞬。
”現場の判断”に基づく新たな指示を聞いて、顔を引き締めた。
レフ「退路の確保、ですね」
フェイスが言葉に迷った理由も心情もレフにはわかる。
―副指揮官としての懸念と指揮下の者の戦意低下、そのどちらも払拭するためにどうするか。
恐らく自分ではこのような采配はできないだろう、ともレフは思った。

レフ「了解しました! キース君、こっちはよろしくね!」
指示を聞いて風のように影のように偵察班の後を追う。
足音一つなく、シェリであっても気付けないかもしれないほどに―
まるでその場から消えたかのように気配を隠しながら。

457クライア:2013/12/16(月) 02:29:34 ID:SVtv/fVA
>>455-456
「まあ残骸なんて見つけても楽しいわけじゃないしな
 このまま先に進むか…ヒュー、あんまり氷割ろうとするなよ?」

「音は響くし、もしかしたら凍りついた関係で
 この辺一気に崩落なんて笑えない事になるかもしれないからなぁ」

と、本当に笑えない冗談を口にして先へと進むと

「…俺の気のせいか?何か聞こえるな」

ショウ、そしてヒューガルテンの聴力が弱くなければ聞こえるだろう
何か、空気の漏れだすシュー、シューと言う音が。



<レフside>
最少人数構成で調査に出たためか、既にそこそこの距離の開きは出ているようだ。
が、凍てつく地面の霜のおかげで、三人の足跡は確認出来る。
今のところ順調に進軍しているようだ。

一面が凍てついているため、汚染獣の気配もない。

458ショウ:2013/12/16(月) 02:41:09 ID:???
>>456-457
「……?」

足を止め、耳を澄ませる。
原因は分からないが確かに――そう、空気の漏れ出すような音を聞き取った。

「この音は……何かが……空気が漏れてる?」

音だけ聞けば、ガスが漏れ出すような光景が目に浮かぶ。
周辺を見回す。音の発信源らしきモノは発見出来るだろうか?

459ヒューガルテン:2013/12/16(月) 22:23:22 ID:StsKCq1A
>>457-458
「うはw生き埋めは勘弁wwwおk自重しますwwwww」
ヒューガルテンはクライアの洒落にならない冗談を聞くまでは割るつもりでいた。
幅広の短剣として格納しているその兵装を、解放する構えになっていたのがその証。

「……」

「空気漏れっぽいっすね……汚染獣の鼻息とかだったりして……」
後半は警戒からの言葉ではなく、大半が期待によって発せられた推測だった。

獲物を探す獣のように周囲を見回す。

--------
レフ「(……今のところは何事もなし、みたいな?
 てゆーか、氷ですっごいキレイだし)」
左腕に装着したガントレット型兵装の重みがなければ、任務であることを忘れそう。
静かに警戒しつつ追跡しながら、そんな感想をレフは抱いていた。

460クライア:2013/12/28(土) 00:01:56 ID:SVtv/fVA
>>458
「音はこの先か……っ…」
先頭を歩いていたクライアが足を思わず止めたらしい。
ショウ、ヒューガルテンがクライアの視線の先を確認するとそこには

――ショウ達が先ほど戦った汚染獣がいた。
顔に横一閃の傷がついている事から、間違いないだろう。
問題は、それと同種の汚染獣が負傷してるものを含めて3体もいる事だった。

無傷の二体が、口から冷気を吐く事で、ダメージを受けている固体の破損個所を凍てつかせている。
専門的な事は分からないが、凍てつかせることで回復させているのではないかという推測が出来るかも知れない。

「どうするか…ダメージ負ってるやつが一体ならともかく…」

「コア(急所)を一撃で潰すって手もあるが、奴のコアの場所なんてまだ分からねぇし…」

461名無しの魔術師:2013/12/28(土) 00:05:06 ID:SVtv/fVA
>>460は >>458-459宛て

レフside
一人でいた事が幸いしたのか、それともレフの得意分野だったのか
偵察隊の三人が気付けなかった『別の空気の流れ』をレフは感じる。
冷気の風が、前後の一本道以外の場所から流れてきている。

レフの任務は退路の確保だ。この違和感をあえて調べなくても良い。

462ヒューガルテン:2013/12/28(土) 00:33:33 ID:djt0iUiw
>>460
「隊ちょ……」
3体の負傷した汚染獣を視界に認めた瞬間―
「レストッ―」
立ち止まったクライアの横を走りすり抜け
「―レーション!!!」
振りかざした短剣を顔に傷をもつ汚染獣へ振り下ろした。
短剣はその過程で超重量の大剣へ姿を変え、
岩をも両断する破壊力を憎悪を込めてその顔面へと叩き込むだろう。

-----------
>>461
レフの足が止まった。
隠密行動を専門とするレフにとって、その風は気づくなという方が無理である。
レフ「(氷のような風…。
放っておいてもいいケド…原因がありそうみたいな?)」

思案の結果、レフは前へ進んだ。
ただし、防護服のポケットからコンパクトミラーを取り出し、その場に置いてから。
レフ(まずは様子見…マズイものだったら動かすケド、問題なしならそのまま。
あたしに取れる一番いい手はこれかも)

463ショウ:2013/12/31(火) 00:52:55 ID:???
>>460 >>462
「……ケヴィンの意見が大当たりかぁ。
 あれ、回復させてますよね。無茶苦茶厄介そうなんですけど」

困ったように溜息を漏らしつつ、

「数は互角ですけど、此処で真っ向から三対三に持ち込んでもマズいと思います。一度撤退した方が――」

そこまで言いかけた所で、ショウの表情が凍りついた。
ヒューガルテンが迷わず躊躇わず疾走する様を視界の端に捉える。
制止しようと身体が動く頃には、既に大剣は振り下ろされていた。

「くっ……!!」

空いた左手に剄を練り上げ、剣を模した弾丸を構成し、投擲すべく腕を振り抜いた。
空間を鋭く駆け抜ける剣の狙いは、ヒューガルテンが仕掛けた汚染獣の顔――目だ。
直撃であろうと、汚染獣を死に至らせる事は有り得ないが、目は使い物にならなくなるだろう。

464クライア:2014/01/21(火) 01:19:10 ID:SVtv/fVA
>>462>>463
「おい―――!」
ショウと同じく、クライアの表情が固まる。
先頭を歩いていた自分が静止出来なかった。油断大敵である。

ヒューガルテンの強烈な一撃が、修復中だった汚染獣の頭を叩き割り
さらにショウの放った剣弾がその右目に突きささる。
白い煙と紫色の血が白い獅子型の汚染獣から吹き溢れる。

悲鳴とも取れる咆哮とともに、ダメージを負った固体はバックステップし、周囲に滅茶苦茶に氷柱の弾丸を放つ。
負傷した固体を回復させていた同型の汚染獣達も、その暴れ様に身動きが取れないようだ。

「ショウ、退路確保だ!この場で待機して、汚染獣が動くようなら今の技でけん制してくれ!!」
そう言って、ヒューガルテンの元に一気に駈け寄り、彼の腕を掴んで乱暴に振り向かせた。

「馬鹿ガルテン!!何してんだ!?勝手な真似するなとあれほど言っただろ!!」

「"自分の怨念に潰されたい"のかテメェは!!今すぐ撤退だ!!反論は認めねぇ!!」
そう言って、ショウがいる場所を指し、そちらへ走るように命じる。
その間も、負傷した汚染獣は咆哮を上げながらでたらめに暴れ回っていた。

その衝撃でか、凍てついた天井に罅が走る音が三人の耳に聞こえてくる。


―レフside―
先へと進む彼女の耳に、僅かな振動が聞こえてきた。
地揺れの類ではない。明らかな異常事態を知らせる現象だ。

シェリが中継してる端子越しに、先発隊が何かしらのトラブルに見舞われたのだと察するだろう。
残念ながら衝撃と雑音で、彼らの会話は飛び飛びにしか聞き取れないが
あのクライアが珍しく怒鳴りながら指示を出しているのだけは分かる。

465ショウ:2014/01/21(火) 01:37:01 ID:???
>>464
「了解!!」

指示に応じると共に剄刃を練り上げ、身動きが取れない二体目掛けて投擲する。
その両方が顔面を狙った物だが、連続性を重視した攻撃故に怯ませる程度が限界だろう。

「くっそ、馬鹿みたいに暴れやがって――……!?」

その音を聞き、天井を見上げる。
皹割れた様を視界に捉え、ショウの表情が焦りに歪んだ。

「天井が崩れる!! 二人とも急いで!!」

クライア達に呼び掛け、汚染獣達へと視線を戻し、構える。
ここまでで汚染獣がこちらに仕掛けてくるような素振りがあれば、再度の牽制を仕掛けるつもりだ。
何が何でも、二人が戻ってくるまでの足止めを遂行せねばならない。

466ヒューガルテン:2014/01/22(水) 22:24:40 ID:kgQWtl/.
>>464
「邪魔すんなショウ! こいつらは俺の獲物だ!!!」
振り返ることもなく、普段ならありえない暴言を吐き捨てながら
紫の血に染まる大剣を再び振りかざす。
でたらめに降り注ぐ氷柱を打ち砕きながらさらに突き進もうとしたところで、クライアがその腕を掴んだ。

「離せよ! こいつら全員ぶっ潰せるなら俺なんざどうだっていいんだよ!!!」

普段の人格がはじけ飛んだヒューガルテンの耳には、不穏な音も、焦りの呼びかけも届かない―

--------
レフ「っ……あのバカ、マジでやっちゃってるし!」
感じる振動、端子越しのクライアの怒声、雑音。それだけで状況は把握できた。
レフ「しかもコレ、マジヤバイ!」
研ぎ澄まされた聴覚は、雑音の中から罅の音を聞き分けていた。

レフ「―そっちはほっといて行って!」
誰かに呼びかけ、走り出すレフ。

レフの呼び掛けと同時に、道中で”風”を監視するために置いて行った鏡が一瞬、瞬く。

駆けて行くレフの横を何かの影が高速で通り過ぎた。


レフ(とにかく真っ先にあのバカを遠ざけないと!
 あたしの速さなら、ここからでもたぶん隊長より先に回り込める―!)
レフは一直線に現場へと飛び込んでいった

467クライア:2014/02/23(日) 01:58:27 ID:SVtv/fVA
>>465-466
その時、クライアは思い切りヒューガルテンの顔を引っ叩いた。
「馬鹿野郎!!テメェの命は"そんなに軽く薄っぺらいもの"じゃねぇんだよ!!」

ショウの放ったけん制に、白い獅子型の汚染獣は怯みを見せる。
しかし身動きが取れない為、元々の姿勢が防御態勢に近い為もあるのか、やはり有効打には程遠い。
ピシ、ピシと天井にゆっくりとだが罅が走っていく中、片目を失った汚染獣がようやく大人しくなり始めた。
つまり、冷静になり始めているのだ。暴れるのをやめて、左前脚で失った眼を抑えている。

抑えられた、かつて眼があった場所からは薄黒い瘴気が漏れている。
レフが現場に到着したのはちょうどその時だった。
立ち位置的にはショウがすぐ近くにいるだろう。その先にはクライアと、彼にひっつかまれたヒューガルテン。
そしてその先には、片目を負傷した白い獅子型の汚染獣と、身動きが取れなくなっている同型の汚染獣が二体。

「レフ!?どうしてここに…って今はむしろありがたい!撤退だ!!
 この馬鹿をショウと二人で連れ出してくれ!」

そう言ってクライアは片目を失った汚染獣へ視線を向ける

「後ろの二体はすぐには動きそうにないがコイツはやばいな…さらに天井もやばいと来たもんだ」

「ショウ!威力は良いからさっきの攻撃続けてくれ!コイツを固めて、そしたら全員で逃げるぞ!」
全員で生還する為の撤退策を素早く講じるクライア。

ヒューガルテンの攻撃と合わさった結果とはいえ、ショウの剣弾を喰らった汚染獣はそれを見れば警戒すると判断したのだろう。

468ショウ:2014/03/01(土) 00:42:31 ID:???
>>466-467
「っ、お前なあ……!!」

勝手な行動で汚染獣を刺激したばかりか、捨て身同然に特攻していくという愚行。
それに対して一気に我慢の限界を超えてしまったのか、苛立ち混じりにショウが口を開く――

「!?」

しかしそれは、クライアの行動によって遮られる。
猛烈な剣幕で叫ぶ彼の勢いにしばし呆然としていたショウだったが、レフがやってきた事と、クライアによる再度の指示で我に返った。

「……了解! 続けます!!」

もう一度だけ天井を見上げた後、視線を元に戻し、攻撃を再開する。
ただただ剄を練り上げ剣弾を構成し射出。威力はともかく狙いは真っ当なものだ。
一度は受けている汚染獣からすれば、警戒すべき代物であろう。

469ヒューガルテン:2014/03/04(火) 18:54:03 ID:0rhg1PgM
>>467-468
「……!」
ヒューガルテンの口と表情の動きが止まった。
平時なら、いや、通常の戦闘時でもありえぬクライアの声と
そして平手打ちによって理性が舞い戻ってきたのか。

しかし、その片手は所有者や周囲の心境を無視するかのように
超重量の大剣を軽々と振り上げだしていた―ありえないことに。

そこにレフが駆け込んできた。

レフ「現場の判断により退路の確保に!
 ってやばい! アイツ暴走入ってる!!」
言いつつ、右手のガントレット兵装から剄力の短矢を放つ。
その矢は迷いなくヒューガルテンの手に刺さり、大剣は音を立てて落下する。

「が……あああああ!!!」
手の傷はそう深刻ではないと言うのに、ヒューガルテンが苦痛の叫びを上げた。
その身に触れているクライアは、ヒューガルテンの肉体から膨大な魔力を感じるだろう。
その力がヒューガルテンの全身を異常なほど強化させようとしていることも。

レフ「了解! 殿はあたしが務めます!」
ショウの放つ剣弾の隙間を縫って、クライアの先、ヒューガルテンの背後へ回り込むレフ。
汚染獣に背を向けることになるが、奴等の目はショウの剣弾にこそ向けられるだろう。

レフは一度、天井に目をやった。
レフ(暴発もだけど、発散させるとしてもここの天井が持たない……!
 フェイス先輩のためにも、クライア隊長を還さなきゃ!)

--------
その頃、レフが風を感じた箇所に設置した鏡の傍に影一つ。
左手にガントレットを嵌めたそれは、鏡を回収しようとして―やめた。
彼女は風のように動き出すと、物陰を見つけて身を隠した……。

470クライア:2014/03/06(木) 00:48:51 ID:3cQHs10o
>>468-469
二度も喰らえぬと言わんばかりに
ショウの剣弾を見た白い汚染獣は地をけって大きく後退する。
そして、放たれた剣弾は地面を僅かに抉った。
意外な事に他の二体はこの場の様子に堪りかねたのか地下へと続く先の道へ撤退していった。

そしてクライアはヒューガルテンの異常に気付く

「剄じゃなくて魔力による異常強化?
 ヒューの奴こんな隠し玉持ってたのかよ?!」

「…言ってても仕方ない!
 ここが"白い汚染獣の縄張りになってて
 この先に何かある"…この偵察の収穫はこれで十分だな!?」
この場の者達にそう叫ぶと、クライアは戻るべき道を指して指示を飛ばす

「奴との距離は最低限確保した!全力だ!!全力で走れ!!
 待機組と合流して安全圏まで突っ走るぞ!」

「先頭はショウ!その後にレフだ!ヒューの奴は気絶させてでも引っ張ってけ!」

「直後に俺が続く!何か異論があるなら今すぐ言って実行しろ!」

471ヒューガルテン:2014/03/06(木) 21:51:13 ID:0rhg1PgM
>>470
レフ「いえ、あたしも今の今までこんなの持ってるなんて……
 症例を見たことあったから暴走してるってわかっただけです!」
ヒューガルテンは唸り声を上げながら、
あまりにぎこちない動きで汚染獣のほうを振り返ろうとしていた。
ヘルメットの内側にある顔は、鬼の形相―あるいは、異形の顔貌に化してゆく。

レフ「了解!
 ただし、最後尾はあたしです! あと、走る必要もないと思います!
 隊長、ショウ君、受身の準備を!」
言いながら、レフは右手のガントレットをヒューガルテンの首筋に押し当てた。
レフ(あたしが”あたし”でよかったかも……これやると間違いなく天井は……!)
「レ……フ……?」
レフ「痛みは一瞬だから!」
ガントレットから、針が飛び出してヒューガルテンの頸に刺さる。

その瞬間

ヒューガルテンを異常強化させていた魔力が、衝撃波となって周囲に放たれた。
クライアとショウを元来た道へ送り返すには十分だろう。
衝撃波の中で、レフはヒューガルテンを二人の方へと剄を込めて蹴り飛ばした。

レフ「大丈夫、あたしは死なないし!!」
その衝撃波は、崩れかけた天井にも最後の一撃となることだろう―

472ショウ:2014/03/07(金) 03:03:57 ID:???
>>470-471
「りょうか――え?」

今まさに先頭を切って走り出そうとした時、レフから投げ掛けられた言葉に振り向いた。
彼女がやろうとしている事を認識し、理解した頃には――ショウの身体は後方へと吹き飛ばされていた。

「!?」

突如巻き起こった衝撃が何であるかを理解する間も無く、やがて地面が迫る。
咄嗟に体を捻って着地こそ成功させるが、勢いを殺しきれず背中から倒れこんでしまった。
呻きながらも上体を起こし、自分達が先ほどまで居た場所を確認するだろう。

473クライア:2014/03/08(土) 23:31:16 ID:3cQHs10o
>>471-472
「なっ―――!?」
突然に起こった衝撃で、ショウともども吹き飛ばされた。
これまでの経験か、こなした場数の賜物か、クライアは綺麗な受け身を取り
見を転がして身体を起こしてレフ達がいた場所を見る

放たれた衝撃波はその場にいた汚染獣をおも壁に激突させる程だった。
白い汚染獣はうめき声をあげている。
そして、限界とばかりに天井が崩れ、岩と氷が止めどなく崩れ落ちて来た。

「レフ!!レフーーー!!!」

474ヒューガルテン:2014/03/12(水) 21:44:49 ID:MSQY/bLg
>>472-473
ショウとクライアに続くかのように、ヒューガルテンが蹴り飛ばされてきた。
受身を取ることもできずにうつぶせに倒れこんだヒューガルテンが振り返った時―

どこか申し訳なさそうな顔で天井を見上げていたレフの姿が、
岩と氷の滝の中へ埋もれ去っていった。

「レフ!?
 レフ!!! 嘘だろなんで、なんでなんでなんで!!!」
その顔は異形などではなかったが、無数の赤いひび割れを肌に刻んだまま
我に返ったヒューガルテンがレフの手を掴もうとするかのように引き返そうとする。

475ショウ:2014/03/14(金) 01:29:36 ID:???
>>473-474
引き返そうとしたヒューガルテンの腕を、何者かが強く掴んだ。
振り返るなり何なりすると、それがショウの手によるものだと直ぐに分かるだろう。
衝撃波で吹き飛ばされた事で、あちこちに擦り傷や泥が付いている。

「いい加減にしろよ!! 身勝手で人を危険に晒した挙句に自分も死ぬつもりか!?」

我慢の限界を超えたのか、その表情も声も、明らかな怒りに満ちていた。
しかも、ヒューガルテンの腕を掴んだショウの手には、残り少ない剄が篭められている。
彼が戻ろうとする素振りを見せた時、強硬手段に出るであろう事は想像に難くない。

「隊長、さっきの指示通りに俺が先頭で良いんですか」

険しい表情でヒューガルテンを睨みつけたまま、下手な丁寧口調すら消えた物言いで問い掛ける。
天井が崩落した以上は此処も危険だろう。こうして話している間にも、刻一刻と危険は迫っている筈だ。

476クライア:2014/03/14(金) 02:56:16 ID:3cQHs10o
>>474-475
「……撤退だ……」
静かに、そして重い鉛のような言葉を吐き出すクライア。

「命令を追加する、荒野都市に戻るまで…反論しないでくれ」
くれ、と頼む言い方をしているが、口調からは強制を感じられた。

そして、剄すら込める事も忘れて、
クライアは崩れ詰み上がった氷の壁を思い切り殴った。

―鉱山にいる全員に対して―
シェリが展開している端子を通じてクライアの声が響く

「全員、速やかに鉱山から撤退して都市に戻れ」

「偵察班は後から合流する、先に戻るんだ」

その言葉に、フェイス副隊長が口を挟んだ

フェイス『撤退ってどういう事ですか隊長?!
     何かあったんですか?こちらに聞こえて来た轟音は…』

「黙って戻れって言ってるだろうが!!通信終わりだ!!」
と、強引に命令を伝えて端子から離れてしまった。
そしてショウに進むように促した。

「ヒューの面倒は俺が見る、お前は前を注意してろ…ショウ」

477ヒューガルテン:2014/03/17(月) 17:59:30 ID:RN5dH.Cg
>>475-476
「! ショウ・・・・・・」
その少ない剄と、普段なら見せないであろう激情が、
取り乱したヒューガルテンを落ち着かせることに貢献した。

その場にへたり込むヒューガルテン
「ごめん……でも、俺が……ごめん……」
ヘルメットが涙で曇る。

氷と岩とで埋まった背後で、澄んだ音がした。
それは最も近くにいるクライアにしか聞こえないほど小さいが、
そちらに視線を向けようと思うには十分だろう。

もし音のほう―クライアのほぼ足元に目を向ければ、
傷だらけの短剣が滑り込んできたものとわかるだろう。

―レフが最後にヒューガルテンの兵装を押しやったのだろうことも、
そして、ヒューガルテンにいいから行けと言いたいのだろう事も。

478ショウ:2014/03/17(月) 18:24:19 ID:???
>>476-477
「…………了解」

へたり込んだヒューガルテンを見て、怒りのやり場を失ってしまったのか。
舌打ち混じりに掴んだ腕を放して早足で来た道を戻っていった。
いくら怒っていようと状況を弁えてはいるのか、クライア達から付かず離れずの距離を保っているだろう。

苛立ちながらも仕事は果たそうと周辺を警戒するが、何事も無く進めるだろうか?

479クライア:2014/03/18(火) 01:59:26 ID:3cQHs10o
>>477-478
氷と岩に阻まれ、向こう側は音すらうかがい知る事が出来ない。
果たしてどうなったのだろうか?汚染獣は退いたのか…?

行きとは逆に、ショウ、ヒューガルテン、クライアの順番で歩き出す事だろう。
クライアは一人、足元に視線を向けると滑り込んできた短剣を拾い上げた

「…生きててくれよ…ブルージュに殺されちまうからな…」
過酷すぎる現状だが、レフの生存を願わずにはいられなかった。

「ヒュー、持ってろ」
そして、拾った短剣をヒューガルテンに寄こして進むように促した。
来た道はレフが確認した通りに問題はないはずだ。

480ショウ:2014/03/20(木) 23:17:56 ID:???
>>479
何も問題無い事を確認して黙々と進んでいく。
状況を弁えてはいるようだが、一刻も早く此処から立ち去りたいのか早足気味だ。

(……なんでこんな事に)

危うい雰囲気を感じておきながら、結局止められず仕舞いだった自分に責任がある。
そう考えていながらも――正直言って、ヒューガルテンへの怒りが治まらない。
意気消沈しているが、彼の顔を見たらやはり憤りを隠せなさそうだ。さっさと此処から出てしまいたい。

481ヒューガルテン:2014/03/22(土) 22:58:39 ID:kgdene0E
>>479-480
「……これ、俺の……」
短剣を受け取ると、肩を落としヘルメットを涙で曇らせながらも指示に従い、歩き出した。
(わかった、レフ、俺、絶対迎えに来るから……生きててくれ!)


引き返す途中、先頭を行くショウの視界にひとつ光るものが入り込んできた。
通路の端に、円形のコンパクトミラーが開いたまま置いてあるのだ。
拾い上げてみれば、真鍮の蓋にLeff―レフ―と刻印があるのがわかるだろう。

置かれていたのは、レフが冷たい風を感じた場所だった。
まだその風はあるだろうか、そして、吹いているのなら誰か気付くだろうか……

482クライア:2014/03/24(月) 01:27:44 ID:3cQHs10o
>>480-481
真っ白な坑道にそのコンパクトミラーは目立っていた為
最後尾のクライアもその存在に気付いた。
「そいつは…」

すき間風のような冷風は今でもこの場に吹き込んでいる。
その証拠に、先頭を歩くショウの髪が僅かに揺れた。

同じく、イライラを抑えようとしてクライアが火をつけた煙草の煙も風に流されている。

483ショウ:2014/03/24(月) 02:21:45 ID:???
>>481-482
「……なんだこれ」

明らかに自然物でないそれに気づき拾い上げる。
蓋の刻印から誰の所有物であるかを理解した所で、僅かに感じた風に違和感を覚えた。

「? ……風が吹いてる?」

来る時には感じなかった物だ。周辺を見渡して風の発生源を探すが、見つかるだろうか?

484ヒューガルテン:2014/03/24(月) 21:16:28 ID:kgdene0E
>>482-483
「……?」
立ち止まったショウに疑問を覚えながらも一言も発しないヒューガルテン。
どうやら風には気付いていないようだ。

485クライア:2014/03/29(土) 04:12:25 ID:3cQHs10o
>>483-484
「ここは坑道だったからな、あの白い汚染獣に氷漬けにされる前は
 そこかしこに穴があったはずだ」

煙草の煙を眼で追いながら、クライアは風の流れを指す

「地下に続く別の道から風が来てるのか、
 それともこっから通じる出口のどっちかがあるのかもしんな」

「それと…それ、レフの私物か?なんだってこんな場所に?」

「…ヒュー、何か知らないか?」
つとめて口調に気をつけて、ヒューガルテンに確認を取る。
今、彼に対して接し方を間違えてしまったら
取り返しがつかないとクライアは分かっているのだ。

486ヒューガルテン:2014/03/30(日) 22:25:19 ID:9Yke8Mrc
>>485
「レフの……? それ、鏡……」
ヒューガルテンが呟くように答えたとき、その手に渡された短剣が
一瞬だけ光を反射した。
それと同時に、ショウの手の中で真鍮に守られた黒曜石の鏡が何かを映した。
それは映るはずのない姿―レフの横顔。
振り返ってもレフは居ない。
しかし、鏡の中の視線は風上を向いていた。

「レフと鏡……聞いたことあるっす。
 レフは鏡越しに遠くを見ることができる……
 ただ普通の鏡じゃ無理とかなんとか」

「確か……
 『"あたし"が"居られる"鏡だけ』とか言ってた気が……」

落としたにしては不自然に、風上を映すようにそこにあった鏡。
ヒューガルテンの言葉から推測すれば―わざとレフが置いて行ったのだろう。
風を感じて、その先に何かあるのではと思ったのか……と。

487ショウ:2014/03/31(月) 01:14:50 ID:???
>>485-486
「!? これは……」

思わず振り返るも、やはり其処に彼女の姿は無い。だが確かにレフは“映っている”。
どういう事かと思考を巡らせていた所で、ヒューガルテンが思い返すように語った話を聞く。

「“あたしが居られる”――って、さっぱり分からないな。
 まさか鏡の中で本当に存在しているって訳じゃないだろうし」

首を傾げつつ呟くも、落ちていた鏡の不自然さには気づいていた。
レフがわざわざ置いていったのだとすれば、おそらく彼女は“風”の存在を感じ取ったのだろう。
何かがあると想定して、しかし本来の目的――ヒューガルテンの暴走を止める事――を遂行すべく、こういった手段を取ったのだと。

「まぁ遠くを見られるっていうのなら……この鏡に、風上の光景が映ってたりするのかな」

もしも映っているのだとすれば、クライアの推測通りのものが投射されているのだろうか?

488クライア:2014/04/03(木) 03:41:13 ID:3cQHs10o
>>486-487
「レフ独特の手法があるってわけか…」

「けど確かに、行きに比べても風の流れが露骨に感じられるのは気になるな」
そう言ってクライアも鏡をのぞく

ショウや自分達の推測があっていたと仮定して、
もしも風上の光景が見えるなら、さらに地下へと続く階段が鏡に映っている。

しかしもしも、これがまた別の何かを狙っている物なら何も映らないだろう。

489ヒューガルテン:2014/04/03(木) 17:35:10 ID:9Yke8Mrc
>>487-488
「俺も詳しく聞いたことはないっつーか……教えてくれないっつーか……」
ヒューガルテンも鏡を覗き込んだ。

鏡の中の景色が移動した。横顔のレフの視点に切り替わったようだ。
光景は左右に揺れ、階段が映った所で一旦停止。
階段へと接近し始めたところでまた止まり、そして駆け出すように引き返していく。
どうやら調査しようとしたところでヒューガルテンの暴走を察知したようだ。
流れていく景色の中で、"入り口側へ"向かっている"レフ"とすれ違う。
再び停止。
視界にはクライアの背と彼に掴まれているヒューガルテン、
至近には剣弾を放つショウの背、そして奥に3体の白い汚染獣が映っていた。

そこまでを映すと、鏡は覗き込むクライアとショウ、ヒューガルテンの顔を映した。

「い……今、途中でレフが……」
ヒューガルテンが、疑問と驚き、それらをまとめきれない様子で一言呟いた。
―最後に映った情景は、自分達のもとへ駆けつけてきたレフの視点で間違いなさそうだ。
 では、すれ違ったレフは一体……?―

その答えを探すか、まずは風と階段を調査するか。
あるいは引き返すか。
クライア達の判断は如何に。

490ショウ:2014/04/05(土) 02:09:06 ID:???
>>488-489
「今のは……!?」

ヒューガルテン同様に驚きを見せている。目の錯覚でなければ、今見えたのは確かにレフだ。
――双子? それとも分身?
いや、まさか。頭に過ぎった突拍子もない考えを振り払う。

「……今見えた人物が何者であれ……どうしますか、隊長?」

思案するだけなら幾らでも出来るが、時間は有限だ。
動かなければ何も進展はしない。このまま最初の指示通り、フェイス達の下へ戻るのだろうか?

491クライア:2014/04/07(月) 01:00:12 ID:3cQHs10o
>>489-490
ヒューガルテンもショウも、これまで見た事無いほどにクライアは
悩んだ表情を浮かべていた。
「指揮官は1秒以上悩んじゃいけないもんだが
 …くそ、この疑問は解消しないで進むには気持ちが悪いな…」

「ここの氷の壁の向こうに階段があるのは分かった、
 そしてこの風がそこから吹きこんでいる事も」

「だがすれ違ったレフのからくりが分からん…」
この何かのからくりに気付ければ、
もしかしたらレフを助けだせるかもしれないと言う甘い期待が、僅かにあった。

クライアは付近の岩場や天井を何度も見回す。
何処かに答えに繋がるヒントはないだろうか?

「お前ら、装備と防具の消耗率はどの程度だ?」
とヒューガルテンとショウに問う

492ショウ:2014/04/07(月) 02:10:13 ID:???
>>491
「……えっ? さっきの衝撃で防具が少し傷んでますけど、もう一度ぐらいの戦闘には十分耐えられるかと」

今回の任務中、まともにダメージを受けたのは先程吹き飛ばされた時ぐらいのものだ。
武器は常に剄を通し振るっている為、防具に比べれば消耗は激しいが、そちらもまだ余裕はある筈だ。

493ヒューガルテン:2014/04/07(月) 22:12:52 ID:kgdene0E
>>491-492
周囲を見回しても、ただ霜の洞窟があるだけで何も見出せない。

「俺も、ショウと同じっすけど……」
防具の損傷と言えば先ほどレフに射抜かれた右手甲程度。
武器の大剣はやや刃こぼれしているものの、
斬撃ではなく重量を生かした打撃を主な使用法にすれば問題ないだろう。

494クライア:2014/04/15(火) 01:15:53 ID:3cQHs10o
>>492-493
クライアは二人の状態を聞くと、
防具の肩に作られていた収納ケースの中から懐中時計を取りだした。
この場では確認できないが、時間は数時間ほどズレているものの
針はしっかりと時間を刻んでいる。

「30分…いや、20分だ」

と、クライアは宣言する。

「今から20分だけ使って、この違和感の正体を確かめる」

「その為に、この階段が何処に繋がっているかを確認する」
鏡に映っていた階段の場所を叩くと、氷が割れて雪が払われ、鏡の風景と同じように
階段が露出する。

「お前ら二人とも、外力剄技の"脚力強化"は出来るな?足で稼ぐぞ」

495ヒューガルテン:2014/04/15(火) 01:32:20 ID:9Yke8Mrc
>>494
「階段……!
 そうか、もしかしたらレフはその先に……!」
どうやって、までは考えずに希望的観測を述べるヒューガルテン。
鏡に映された光景はレフの視点で、途中で終わっている。
なら、途切れた先の光景で、レフが引き返して先に調査している姿があるかもしれない。
レフの素早さと隠密性なら可能だろうと考えたのだ。

「強化剄技なら得意っす!」
早速脚力強化を施すヒューガルテン。
希望を見出したからか、先ほどまでの沈んだ雰囲気はほぼ消え去っていた。

496ショウ:2014/04/15(火) 01:36:21 ID:???
>>494-495
「……了解。指示に従います」

剄を脚に巡らせ強化する。
彼女の生死は不明、階段の先に何があるのかも不明と分からない事だらけだ。
しかしこれからの行動で、いずれかの疑問は解消される筈だ。

力強い意志を篭めた瞳で、階段の先を見据えている。

497クライア:2014/04/15(火) 02:09:54 ID:3cQHs10o
>>495-496
「よし、隊列は俺先頭、ショウとヒューは並んで俺の後ろだ」

「良いか?今度は勝手に飛び出すんじゃないぞ?」
そう言うと、剄で強化された脚力を用いて三人は階段を一気に駆け上がった。

岩場を切り開いて作られたと思われるこの場所の足場はあまり良くないが
武芸者ならば問題はないだろう。
5分ほど進むと、三人は分岐点に出た。

一つは駆けあがった上部方向に続く階段と、もう一つは坑道の奥に続く通路だ。

「分かれ道か…ヒューは俺と一緒に来てもらうぞ」
今のメンタル状態なら問題はなさそうだが、前例がある以上は自分の傍に置いておきたい。

「ショウ、上に上がる道と右の通路、どっちを確認したい?」

「ああ、もし更に分岐があったり何処かに繋がってるようなら、
 先へは進まずにここまで戻ってくるんだぞ?」

498ショウ:2014/04/15(火) 02:19:20 ID:???
>>497
脚を止め、上部の階段と奥へ続く通路を交互に見やる。
どちらに何がある――という事を判断する材料は無い。僅かだが考え込む仕草を見せた後、

「それじゃ僕は、右の通路で」

と、通路側の調査へ向かう事を意思表示した。

「それぐらいは分かってますよ……通路の調査に使って良い時間は何分ですか?」

困ったように答えた後に問い掛ける。
レフが生きているかもしれない――という希望がゼロではなくなったからか、調子が戻ってきたようだ。

499ヒューガルテン:2014/04/15(火) 02:25:09 ID:kgdene0E
>>497
「りょ、了解っす」
レフの件もある。いくらなんでも自重することだろう。
短剣は腰の鞘に収めてある。

--------
3人が駆け上がっていった階段付近の岩陰。

「……」


「そろそろ動けそう……」
よろよろと立ち上がる人影ひとつ。
「こんだけのフィードバック……マジ久振り(ヒサブリ)だし……
 てゆーか無茶しすぎた……」
ひとつ深呼吸。


「退路の確保再開、みたいな?」
左手に小型の弓を備えたガントレットを装備したその人は、3人の後を追って
静かに、そして気配少なく動き出した。

500クライア:2014/04/15(火) 02:29:48 ID:3cQHs10o
>>498
「悪いな、普段なら小言じゃなくて冗談言ってやる所だが…」
言いながら時間の狂ってる時計を確認する

「何も情報が得られなくても10分でここに戻って来い
 もし異変があったら、俺達が昇る上に来るんだ、良いな?」
と、ショウに念を押してからヒューガルテンに目を向ける

>>499
「よし、良い子だなヒュー」

「俺達は一気に上を上がるぞ?」

>ショウ、ヒューガルデン

「確認するぞ、情報が得られなくても10分でここに戻って、完全に撤退する」

「そして、何を見つけても独断先行はするなよ?行動開始!」
そう言って、クライアは再び階段を駆け上がり始めた。

501ショウ:2014/04/15(火) 02:38:30 ID:???
>>499-500
「ええ、そこも分かってるつもりです。……10分ですね、了解しました」

術式兵装をいつでも起動出来るように準備しておく。
クライアの合図が出される前に、ヒューガルテンへと視線を向け、

「あ、隊長に迷惑掛けるなよー?」

そう言って、合図と共に通路へと駆け出していった。
その物言いは普段の調子に近いもので、ショウなりにヒューガルテンを励ますというか、発破を掛ける気持ちで言葉を掛けたのだろう。
今のヒューガルテンなら大丈夫だろうと信じて、だ。

502ヒューガルテン:2014/04/15(火) 02:45:01 ID:9Yke8Mrc
>>500-501
「了解!」

「大丈夫だし、俺だって自重するし!」
ショウに言い返してからクライアに続き駆け上がっていく。
確実に落ち着いているようだ。

一筋の希望が、憎悪も後悔もまとめて吹き飛ばしてくれたのだろう。

「うおおおおおお!!」
気合入りまくりで駆け上がる。ただしクライアは追い抜かない。

--------
分岐点。
やや遅れて到着したその人は3人の進行方向を確認すると、
一人になったショウのほうへと進路をとった。
(あの調子ならたぶん問題ないっぽいし、
 だったら人数の少ないほう援護しないと的な?)
ショウの後を付かず離れず追う。
無論、周囲に気を配りながら足音を極力立てぬように、だ。

503クライア:2014/04/15(火) 02:53:13 ID:3cQHs10o
>>501
駆け出して6分ほど経った頃、ショウのタフネスならば疲れは感じないだろうが
そろそろ時間が気になりだした時だ。
同じ風景だった通路を抜けると、再び冷気にその身が晒された。

驚いて立ち止まると、先ほどまで汚染獣と交戦していた広間に出たのだ。
どうやら、凍てついた影響でこの先にあった吊り橋がなくなっているらしい。
さらに信じられない事だが、ショウの眼前の光景にはレフの姿は無かった。勿論、死体もない。

もう一つ付け加えると、この場にいた三体の白い汚染獣全てが
絶命し、事切れて倒れていた。ショウ達が戦いダメージを与えた個体に至っては
すでに結合崩壊を起こして身が崩れだしていっている。

>>502
駆けあがる事7分、特に何も見つける事が出来ず、クライアが戻りを気にしだした頃
外からの風が吹き込み、二人に当たった。

「…別の出口、か…」

ドアは既に無くなっており、汚染大地の薄汚れた曇り空が眼前に広がっていた。
クライアが一応、付近に脅威となる汚染獣がいないか確認して、驚いた表情を浮かべて"上"の景色を見ていた。

「こ、こいつは…」

504ショウ:2014/04/15(火) 02:59:47 ID:???
>>502-503
時間も余り残されていない。そろそろ戻るべきだろうか。
そんな事を思い始めた頃にようやく通路を抜け出した。

「ここは……!?」

足を止めて辺りを見回す。
間違いなく先程まで居た広間だ。その証拠に交戦していた汚染獣も居る――既に事切れた姿となって。

「……レフさんが全て倒した? 仮にそうだとして、彼女の姿が見当たらないのはなんでだ……?」

自分達がダメージを与えたであろう個体の様子を伺いつつブツブツと独り言を漏らしている。

しかし既に結合崩壊を起こしつつある事に気づくと、残り二体の汚染獣の様子を調べ始めた。
絶命しているというのならば、その肉体に原因となる傷跡等がある筈だが――それらしい物は見つかるだろうか?

505ヒューガルテン:2014/04/15(火) 03:06:51 ID:kgdene0E
>>503
「道中はなんもなかったっすね……」
レフを見つけられず、少し表情が暗くなる。

そこでクライアの表情を見つけた。
「え、な、何すか?」
つられて上を見る。

>>504
?「抜け道ってわかってたらわざわざ引き返させなくてよかったし……ぁ。」
これまで気配を隠していたが、思わず声が出てしまった。
その声は、レフのそれと同じにしか聞こえない。

ショウが振り返れば、そこには

機動性重視の防護服。
左腕にガントレットの術式兵装。
ヘルメットの奥には黒髪と黄緑の瞳をした女子学生。

紛れもなく、この場所で氷の下に消えたはずのレフが立っている。

506クライア:2014/04/15(火) 03:15:13 ID:3cQHs10o
>>504
残された汚染獣には特に外傷らしい部分は見当たらない
しかし完全に死んでいることから、彼等の急所たる"核"が完全に破壊されている事は間違いないと思われる…。

汚染獣の"核"についてはショウも授業で習った範囲だ。
より効率的に汚染獣を倒す為の、奴らの急所。しかし個体によって場所もさまざまだったはずだ。
そして、レフの声がショウの耳に届いただろう。

>>505
‐鉱山中腹部 外‐
つられて上を見ると、鉱山の頂上が見えるはずだった。
しかし、そこに見えるのはもくもくと天に昇っていく黒い煙と

――とぐろを巻いた、巨大な岩石のような"鱗"めいたものだった。
その"とぐろ"は余りにも大きく、また黒い煙のせいで頂点を見やる事は出来ない。

が、間違いなく汚染獣の……それも、老成体と呼ばれる、汚染獣の最終形態の個体であるだろう。

「…も…戻るぞヒュー…でかすぎて俺達には気付いて…いないようだ…戻って、来た道から、帰るんだ」

507ショウ:2014/04/15(火) 03:22:44 ID:???
>>506
「外傷は無い……さっきの崩落のせいって訳でもなさそうだな。
 それにこれは……どいつも核がピンポイントで破壊されてる? 個体によって場所が違う筈なのに――!?」

>>505
そこまで呟いた所で声に気づき、術式兵装を展開すると共に慌てて振り返った。
しかし、視界に飛び込んできた姿――生死すら定かでなかった筈の彼女を見て、脱力したように刀を降ろす。

「……レフ……さん? え、本物なんですか?」

驚愕を隠し切れない表情で、おそるおそる問い掛ける。

508ヒューガルテン:2014/04/15(火) 03:30:22 ID:kgdene0E
>>506
「・・・・・・」
あまり授業は覚えていないほうだが、老成体の単語は聞いたことがある。
汚染獣の、雄性体を越えた先の姿だと……。
さらにこの巨大さ―


圧倒されないほうがおかしいというものである。


「り、りょうかいっす、たいちょ……」
やっとのこと搾り出した返答もそこそこに
真っ青な顔でじりじりと下がっていくヒューガルテン。

本当は駆け出したい。今すぐに全速力で逃げたい。

しかし、足が震えて、それすら、叶わない。下がるのが、やっと……。


結果的にそれが、ヒューガルテンにしては
静かに退却することに繋がるだろうことは
果たして、吉か、凶か……。

509レフ:2014/04/15(火) 03:35:41 ID:kgdene0E
>>506-507
条件反射でショウの刀に対し受けようとする。
が、すぐにガントレットを下げた。
「そうそう、本物のあたし。
 さっきからおどかしてばっかりでマジごめん、みたいな?」
その口調は紛れもなくレフ。

「いろいろ種明かししたいケド、それよりこいつら……」
核を砕かれた白い汚染獣たちを眺めやる。

「あたしでもこんな正確には無理だし……。
 他に誰かか、何か居るかも……?」

510ショウ:2014/04/15(火) 03:42:52 ID:???
>>509
「いえ、本物だっていうならそれで良いです。生きててくれて良かった」

心底安心したように笑みを浮かべている。
しかしその後、慌てて刃を向けてしまった事に謝罪を入れるのであった。

改めて、レフと共に汚染獣達の死骸へと向き直る。

「……レフさんもそう思いました?
 僕達がダメージを与えた個体はともかく、それ以外の個体には外傷らしいものが見当たらないんですよ」

仲間割れ、崩落の影響、まさかの自然死――いずれも状況から察するに、可能性としては皆無に等しいだろう。

「誰かが潜伏してるとすると、あの先が気になる所ですけど……吊り橋が崩れてしまってて調べようが無いですね」

511クライア:2014/04/15(火) 03:45:19 ID:3cQHs10o
>>507-508
>ヒューガルテン
「慌て…るな…多分だが、奴は休眠状態だと思う…すぐに起きやしねぇが…」

万が一、起きてしまったらどうなってしまうのだろう?
この先の疑問について、クライアはあえて考えずに合流地点へ急ぐ事を優先した。

再び鉱山内に戻ってから、二人は枷が外れたように一気に階段を駆け降りただろう。

>>ショウ、レフ
残った二体の死骸も時間と共に結合崩壊を起こして崩れていく。
ここからさらに地下へと潜れるが…クライアが指定した10分が丁度過ぎた頃だ。

命令を守るなら、合流地点に戻らなければならない。

512レフ:2014/04/15(火) 03:51:20 ID:9Yke8Mrc
>>510
「こっちこそごめんねー、うちのバカが大迷惑かけたじゃん?」
刃を向けたことは気にしないでと声をかける。

そして汚染獣の死骸と落ちた吊り橋を、表情を引き締めて見やる。
「外傷がないってことは、兵装すら使ってない可能性が高いじゃん?
 となると人なら魔術師かもしんない。
 ただ、人でないとしたら……」

廃貴族 ? いや、しかし彼らは自ら戦うことはほぼないはず。
まさか……それ以上の存在……。

とにかく頭を一つ振る。
「ケド、あの先調べる方法はないことないかなー。
 あたしの鏡、持ってる?」

513ショウ:2014/04/15(火) 03:57:16 ID:???
>>511-512
「……」

このような芸当をやってのけた相手が人かどうかも怪しくなってきた事で、険しい表情を浮かべている。
しかしふと思い出す。そろそろ10分が経過している筈だと。

「レフさん、一旦隊長達と合流しに戻らないと――え? 鏡? はい、持ってますけど」

そう言うと、懐に仕舞っていた鏡をレフへと手渡した。
先程のクライア達との会話の流れで、結局ショウが持って来ていたのであった。

514ヒューガルテン:2014/04/15(火) 03:57:38 ID:kgdene0E
>>511
「はっ、はい・・・・・・」
もはや返答にもなっていないが、なぜか返答して引き返す。
その黒い影が見えなくなってはじめて、全力で階段を駆け下りていった。

途中で落ちても構わない。

とにかくこの場から去りたい。

いや、故郷だが、思い出しか残っていない場所だが、
もう、この都市には……


そこまで、思ってしまうほどの恐怖だった。

515レフ:2014/04/15(火) 04:06:05 ID:9Yke8Mrc
>>513
「あ、そんな時間たってた?
 ありがと。ちょっと無茶かなー……」

鏡を受け取ると、レフは蓋を開けて黒い鏡面に自身の顔を映した。
続いてその鏡面を、吊り橋へと向ける。

すると

鏡から魔力の光が一条伸び、落ちた橋の向こう側に突き刺さり―


光は、右手にガントレットを備えたレフに変わった。


「―コレが種明かしの一端、みたいな?
 あの先は”あたし”に少し調べてもらうから、 あたしたちは戻ろ?」
合流地点へ向かうべく、引き返すレフ。

そして、橋の向こうはもう一人のレフが調査のために進みだした。

516ショウ:2014/04/15(火) 04:12:43 ID:???
>>515
「何する気か知りませんけど、無理だけはしないで下さいよ……」

先程の事もあってか、実に心配げにレフの動向を見守っている。
しかし鏡から伸びた魔力がやがて、レフに変化したかと思うと、

「は? え? ……ぶ、分身?」

そうか、レフは東方に伝わる噂の『KUNO-ICHI』だったのか。いやいやいや。

「も、戻るのは良いんですけど、あれどういう事ですか?
 もしかして、崩落する前の広間にやってきたレフさんが“アレ”だったんですか?」

合流地点に戻るべく駆け出し、その最中で問い掛ける。

今思い返してみると、広間に来た彼女と今目の前に居る彼女とで僅かな差異があった。
これも今しがた現れた“レフ”を見て思い出した事だが――例えば、そう。ガントレットの装着位置だ。

517クライア:2014/04/15(火) 04:14:36 ID:3cQHs10o
>>513-515
>>ヒューガルテン
合流地点に戻り、嫌な汗を拭うクライア。
此処に戻るまで、あの巨大な汚染獣はうんともすんとも言わなかったのは救いだった。

「…寿命が1週間は減った気がするぜ」
懐から煙草を出そうとして…吸いつくしてしまった事に気付いてため息をつく


「そろそろショウも戻ってくる頃だが…大丈夫か?」

>>レフ、ショウ
二人が合流地点に戻ると、何やら様子のおかしいクライアとヒューガルテンが既に待機していた。
怪我も損害もないのでヒューガルテンがまたやらかした…と言うわけではなさそうだが。

518ヒューガルテン:2014/04/15(火) 04:24:05 ID:kgdene0E
>>516
レフ「正解。まあ、分身というか?だけど。
 マジでヤバイと思ったからさー、あの子に変わってもらったワケ。
 でなきゃあたし死ぬかもだし? ってゆーか死んでた?」

「ただ、受けたダメージが大きいと全部じゃないけどこっちにくるから
 ちょっと動けなかったんだよねー。ちょー痛いし……」
さらっと言うが、かなりの心配の種である。

そして合流地点へたどり着く。

>>517
「だ、だだだだだいじょうぶっす……はい……」
一方、ヒューガルテンはどう見ても大丈夫ではない。

519ショウ:2014/04/15(火) 14:47:29 ID:???
>>518
「はー、そういう事だったんですね。
 というか、それならもっと分かり易い形で伝えて下さいよ! 気が気じゃなかったんですからこっちはっ」

あの場面で『あたしは死なないし』と言われても虚勢としか捉えられなかったのだ、との事。

「一応偵察任務は完了という事でこれから戻る手筈になってます。
 だから、戻ったらすぐ回復してもらいましょう? ……お、二人とももう戻ってきてる」

>>517
「ただいま戻りました!」

何やら落ち着かない様子のクライアとヒューガルテンに対し、気分良さそうな声と共にショウが戻ってきた。
視線を向ければ気が付くはずだ。彼の隣には――決して幻覚などではない、レフの姿が在る事に。

「えーと何から説明すれば良いやら……って、二人とも何だか様子が変?」

最後の方は小声でひそひそ気味である。

520クライア:2014/04/22(火) 01:30:14 ID:3cQHs10o
>>518-519
「レ、レフ!…はぁ…悪夢続きだったが最後の最後で救われたぜ…」

レフの姿を確認すると、クライアはぐったりと肩を落とした。
そして動揺してるヒューガルテンの肩に手を置き、落ち着かせる

「上で見たもんについては都市に戻ってから説明する」

「俺とレフが二列で前を、すぐ後ろがショウとヒューで一気に都市まで戻るぞ」
平静を保ってはいるが、口ぶりから一刻も早くこの場を去りたがっているのが伝わるだろう

521ヒューガルテン:2014/04/24(木) 15:59:10 ID:9Yke8Mrc
>>519
レフ「マジごめーん。
 でもさー、ぶっちゃけ説明してる暇なかったし?」
レフ「そうするー回復してもらわなきゃちょっとキツイし……
 って、なんか、様子おかしくない?」

>>520
レフ「ご心配おかけしました隊長。あたし、レフ=ハスラーは無事です!」

肩を叩かれたヒューガルテンが声のほうへ顔を上げた。
「れふ?
 ……本当にレフ!? よかった……よかったー!!!!」
どこにその元気があったのか、レフに飛びつくヒューガルテン。
「レフ! ごめん、俺の、俺が……!!」
レフ「あーもー、言い訳とか謝罪とか後で聞くし!」
引き剥がすレフ。

レフ「上で……? えと、了解です!
 そーいうワケだからポジションに戻って! みたいな!」
「うは、おk! 了解!」

指揮通りにレフはクライアと共に前列で、
ヒューガルテンはショウと共に後列をなし進むだろう。

レフ(ヒューのバカはとにかく、クライア隊長がここまで落ち着かないってコトは……
 相当ヤバイっぽい……? 早めに引き上げさせたほうが良さげ?)
戻りながら、鏡に触れるレフ。

さて、崩れた橋の先を調査していた"分身体"レフのほうでは何か発見があるだろうか。
その結果を携えて、彼女はやがて一行と合流するだろう。

522ショウ:2014/04/25(金) 01:45:28 ID:???
>>520-521
「……ふう」

ヒューガルテンの様子を見てこっそりと一息付いた。
怒りに任せていたとはいえ、随分と酷い物言いをしてしまったので不安だったのだ。
レフは戻ってきた。こちらは解決したと思って良いだろう。

「? は、はい、了解しました」

しかし、未だ尚どこか落ち着かない様子のクライアを見て不思議そうに首を傾げる。
都市に戻ってから説明するという話らしいので、今は問い質さずに指示に従って動く事にした。

523クライア:2014/04/25(金) 14:44:38 ID:3cQHs10o
>>521-522
移動省略
―荒野都市カーツ 出撃用ゲート―
都市に戻ると、街の方がややがやついているのが分かる。
自分達が調査に出ている間に小型の汚染獣と戦闘があったらしい。

シカゴや、アオイ達が都市に残っているので大事にはならなかったのだろう。
特に緊急の連絡が来ると言う事は無かった。

フェイスやシェリ等、他の探索チームも無事に戻っているらしくホッとするクライア。

なお、分身レフの方も実は調査してる先で立ち往生していた。
最深部に続く道が"赤い氷"に覆われておりどうやっても進む事が出来なかったのだ。
生半可な剄や魔術を使った攻撃では崩す事は出来そうになく、別ルートを探す必要がありそうだと言う事しか分からなかった。

「…よし、1〜2時間後に報告会開くから、話はそこでしよう」

「色々あったけど全員生還で何よりだったな」

「じゃ、報告会まで各自解散!ゆっくり休めよ」
そう言うと、クライアはその場に待機していたフェイスに声をかけて都市中央の建物に向かう。
この都市に最初に来た時にショウやレフは、そこにカーツの重役が待機していると聞いている。

カーツ出身のヒューガルテンは既に知っているだろう。
休めと言われが、クライアは休憩無しで報告会の準備をするようだ。

さて、報告会まで多少の時間が出来た。
招集がかかるまでは自由行動だ。

524ヒナタ:2014/04/25(金) 16:03:07 ID:???
>>523
都市の防衛任務を請け負っていたものの消耗は殆ど無い。自由時間の間は街を出歩く事にした。
ちなみにショウは疲れていたので無理やり休ませている。

「出てきたのは良いものの……この街には何があったかな」

誰かから話を聞いていた筈だ、思い返そうと思案する。
娯楽とまでは言わずとも暇を潰せそうな施設は無いだろうか?

525名無しの魔術師:2014/04/26(土) 03:33:49 ID:3cQHs10o
>>524
思案するヒナタは、出歩く前に聞いた話を三つほど思い出す

①キースから聞いた話
カーツ出身のキースに、何か暇つぶしになる場所はあるかと聞いた時、こう返ってきた。

キース「ここは見ての通り荒れてるからな…
    学園都市ほど設備は充実してねぇよ
    ああ、けど…アンタなら『カフェ・ザ・リック』って店で
    楽しめるかもな」

キース「案内?この廃れた街で屋根が一つ抜き出た高い建物だから
    すぐ分かるさ…どんな店かは行けば分かる…それより、
    これからユンスンやケヴィンと模擬戦するんだが良けりゃ数合わせを(ry」
キースはともかくとして、ユンスンやケヴィンが酷い目にあったのは言うまでもないだろう。(訓練の難易度的な意味で)

カフェ・ザ・リックと言う名前から、喫茶店か何かだろうか?

②イーグリットから聞いた話
先日も夜中に帰ってきたイーグリット。
ナンパに精を出してるそうで、既に街中を熟知していた。

イーグリット「こんな状況だから繁華街は寂れてたけど、
       路地裏は色々と面白いとこがあったぜ?
       と言っても露店ばっかだったけどな」

路地裏の方には露店が豊富にあるそうだ。装飾や物が多いらしい。

③13小隊副隊長ミハイルから聞いた話
出歩く事にした際、休憩を取ろうとしていたミハイルとすれ違ったヒナタは
気まぐれで彼からも話を聞いた。

ミハイル「僕はこの都市出身じゃないですからねぇ…
     あ、中央施設では都市全体を見渡せますよ!
     …と言っても、あまり面白くないですよね」

中央施設はカーツの責任者や重役たちがいる場所だが、防衛任務の関係上出入りの自由が許されている。
最も、立場で言うなら一隊員であるヒナタが好んでいくような場所ではないが。

候補は以上の三つだ。
簡単にまとめると

①カフェ・ザ・リック
②路地裏の露店通り
③中央施設

と言う事になる。

526第5小隊:2014/04/26(土) 10:58:44 ID:9Yke8Mrc
>>523
与えられた自由時間。
本来なら死んでいてもおかしくなかったレフとその分身体、
"問題点"が浮き彫りになったヒューガルテンは宿舎でおとなしくしている。

アノニマス「魔力での暴走すか……」
ブルージュ「それも並みの魔力じゃないとさ。
 アノ、やつの家系について何か知らんか?」
アノニマス「……やー、俺もそういう情報は聞いたことないすね」
ヒューガルテンの今後について協議している隊長ブルージュと情報要員アノニマス。

他の隊員達は既に街中に散っているか部屋で昼寝を決め込んでいる。

ハイネケン「俺も街に出るかな」
少し掠り傷のついた左の義手に手袋を嵌めると、街へくりだした。

527ヒナタ:2014/04/26(土) 15:40:33 ID:???
>>525
「……ふむ、思い出した。意外と選択肢はあるな。
 しかし全部は回れそうにないし、キースの言ってたカフェにでも行ってみるか」

どれもこれも興味が惹かれたが、無難な選択に留めておいた。
選択した一番の理由は「アンタなら楽しめる」という気になる発言なのだが。

「屋根が一つ抜き出た高い建物、だったか」

辺りを見回す。見つけ次第、そちらへ向かって移動するだろう。

528名無しの魔術師:2014/04/26(土) 23:40:21 ID:3cQHs10o
>>526
ハイネケンにも選択肢を与えるならば、
①仲間内から聞いた路地裏の露店通り
②カーツ出身の隊員(ヒューガルテンでも可)から聞いた謎のカフェ『カフェ・ザ・リック』
③都市を一望できる中央施設

の三つくらいだろうか?勿論、それ以外に目的なく街を散策しても
都市外周部の様子を見て来ても良い。

>>527
周りを見回すと、薄汚れた看板に『Cafe the Rick』と書かれている建物を見つける。
この辺りの民家や建物は大体フロア一階しかないが、カフェ・ザ・リックだけは三階建てで目立っていた。
距離はそう遠くない。ヒナタの足なら歩いても5分ほどで辿りつくだろう。

529ヒナタ:2014/04/28(月) 15:15:38 ID:???
>>528
「あれか」

見つけたのなら話は早い。
時間も限られているため急いでその建物へと向かった。

「しかし随分と目立つ建物だな。この都市では有名な施設なのか……?」

530名無しの魔術師:2014/04/28(月) 16:39:09 ID:3cQHs10o
>>529
‐カフェ・ザ・リック前‐
着いてみると、やはりヒナタの予想通り喫茶店らしき店構えをしていた。
だが正面門は閉じられており中に入る事は出来なさそうだ。
が、立て札を見つけると入り口は三階にあると書かれている。
横に備え付けられた非常階段で上がるようだ。

尚、非常階段側の入り口の扉の前には何故か
『術式兵装や強い魔術の使用はご遠慮ください』と書かれていた。

扉は少し古いのか、キィキィ音を鳴らして揺れている。
簡単に開く事が出来る。

531ヒナタ:2014/04/28(月) 19:54:25 ID:???
>>530
「なかなか良さそうな店だが……? ふむ、非常階段から上がるのか」

不思議に思いながらも非常階段を上がっていく。
そして入り口の扉の前に来て、ふと視線を向けた所で――階段を下り、もう一度店の正面に回って見上げた。

「……本当にカフェなのか? ここは」

やはり不思議そうに首を傾げる。
せっかく此処まで来たのだからとりあえず入ってみる事にしよう、と考えて改めて階段を登り、そそくさと扉の中へと入ろうとする。

532名無しの魔術師:2014/04/28(月) 21:29:29 ID:3cQHs10o
>>531
-カフェ・ザ・リック店内-
扉を開けると、わざと薄暗くしているであろう店内に入る。
カフェらしくテーブルや椅子が規則的に並べられており、疎らだが客もいるようだ。

酒なども扱っているのであろう。立ち席だがバーカウンターもあるようだ。
店の内装はカフェのそれだが、客層や雰囲気は"悪者がいそうな酒場"だ。

ちなみに客の殆どが武芸者なのか、ヒナタとはデザインが異なるが防護スーツを身につけていた。
中にはカーツ所属の防衛隊員らしき武芸者もいる。

あまりにも場違いな雰囲気に戸惑う事だろうが、ヒナタを見た客が声をかけて来た。


強面の客「珍しい客だな、指定席なんてのはないから好きな場所に座ったらどうだい?」


眼帯の客「注文はバーカウンターにいる奴に言えば出てくるよ、メニューは見えづらいが其処の壁だ」

言われて壁を見ると、確かにメニューが書かれている。
アルコール類もあるが、内容は学園都市にもありそうなカフェと何ら変わりない。

533ハイネケン:2014/04/28(月) 22:04:48 ID:kgdene0E
>>528
「そういえば露店街があると言っていたなあ……」
裏路地の露店通りへ向かう。

カフェでお茶を、というのはあまり性に合わない。
……最も、普通じゃないらしいのは気に掛かるが。
中央施設へ行って重役と顔を合わせることになるのは応対が面倒なので避けたい。
それに、露店を見て回るのはなかなかに楽しいものだ。

「路地裏か。面白いものがありそうだな」

534ヒナタ:2014/04/28(月) 22:16:35 ID:???
>>532
(……カフェというには少々暗いな、店内も雰囲気も)

最初に抱いた感想がそれだった。
見た目だけで判断するならば、少なくともうら若き乙女が立ち入るような場所ではあるまい。
しかしヒナタ自身は気にする事なく、

「ああ、そうさせてもらおう」

そう強面の客に答え、空いているカウンター席の一角に座った。
眼帯の客に促され壁に掛けられたメニューへ視線を移し、暫し考えていたかと思うと、

「……それじゃ一つ、ミルクでも貰おうか」

そう言って注文した。

535名無しの魔術師:2014/04/30(水) 03:00:10 ID:3cQHs10o
>>533
―路地裏・露店街―
話に聞いた場所に向かってみると、
メインストリートとさほど変わらない賑わいの通りに出る。

カーツの現状を考えると、賑わいに欠けるのは仕方のない事だが…
そんな状況でも露店は複数、店を構えていた。

装飾品を多く扱っている『宝石屋』
支給されている食料品や日用品をやや割高で販売している『雑貨屋』
奥まった場所に店を構えている『武器屋』
そして店側が指定する物を高額で買い取る『交換屋』

店同士の距離はそう遠くない。
集合時間までに全て回る事は可能だ。

536名無しの魔術師:2014/04/30(水) 03:08:33 ID:3cQHs10o
>>534
もはやお約束を通り越した様式美のように、
「ミルク」と言う注文に何人かいた客が噴き出すように笑っていた。

店員は表情を一つも変えず、注文されたミルクを素早くヒナタの元に提供した。
ヒナタがそれを一口つけるかどうかの時だ。
店の入り口から次々とがたいの良い武芸者達が入ってくる。

さらに、下の階からコックの格好をした男が昇って来た。
それを見た周囲の武芸者達が、一気に張り詰めた空気を作りだす。

コック風の男はそれを確認するとニヤリと笑い―――


コック風の男「ゴールは一階、先着二名まで
       殺しは無し、怪我は自己責任…」

その言葉に呼応するように、ヒナタ以外の周囲の客が次々に身構え始めた。
武芸者ばかりだが、術式兵装を取りだす事はせず徒手空拳で構えている。

コック風の男「戦意喪失の相手への攻撃や行き過ぎた行為は
       ここへの出入り禁止
       ―――分かったら、始めろ」

始めろ、と言う言葉に呼応して武芸者達が雄たけびを上げた。
そして状況についていけないヒナタを置いて行くように…

次々と戦い始めた!
さらに店内の薄暗い照明が一気に明るさを増して、視界を良好にした!

537ヒナタ:2014/04/30(水) 03:18:34 ID:???
>>536
注文内容を笑われた事を気にする素振りも見せず、
差し出されたミルクを飲もうとした時、周辺の変化に気が付いた。

「?」

なんのこっちゃ、とばかりにコック風の男の発言を聞いていたが、
彼の言葉を皮切りに戦闘を始めた周囲の武芸者達を見て、流石に驚いたように立ち上がった。

「ん? んん? ……よく分からんが、とりあえず一階まで行けば良いのか?」

明るさが増した視界に目を細めつつも、一先ず現状を理解したようだ。
店に立ち入る前の注意書きは――成る程、こういう事だったのか、とも。
真っ当なルールの下に開かれ、殺し合いという訳ではないのなら素直に従う事にした。

武芸者達が戦闘を始めたのに暫し遅れつつも動き出す。
素手のまま駆け出し、下の階層へと続く階段なり入り口なりを探し始めた。

538名無しの魔術師:2014/04/30(水) 03:48:28 ID:3cQHs10o
>>537
下の階へと続く階段をすぐに見つける事が出来たが
既に何人かの武芸者達が降りていったようだ。

強面の男「おっと!そう美味くはいかねぇよ!!」
眼帯の男を殴り飛ばしてKОした強面の男が、その勢いのままヒナタに挑みかかってきた。
体格差からヒナタの頭より高い位置から拳が振り下ろされる。

その速度はヒナタにとっては問題ないが、学園都市の一般的な隊員のレベルを上回っているのが分かる。

先に進むにはある程度周りの者達を倒した方が効率が良さそうだ。

539ヒナタ:2014/04/30(水) 04:04:47 ID:???
>>538
(階段は――あそこか)

先に下りて行った武芸者達に続くように向かおうとするが、強面の男に阻まれた。
鋭く振り下ろされる拳から、男の技量を大まかに読み取る。
見た目通りと言うべきなのか、真っ当な隊員なら彼の相手は厳しいだろうと、そのような思考が彼女の脳裏に過ぎる。

だが、如何な体格差があろうとも、彼女はそのような常識に囚われない悪魔の身に在る。

「ふ……!」

足を止め振るわれた拳を受け止めようと手を翳す。

受け止める事が叶ったのならば、それで終わる事は無い。
男が振るった拳の勢いそのままに、自分側へと引き摺り込むように超人じみた怪力を以て、拳ごと腕を引っ張る。
そして、近くに居るであろう別の武芸者目掛けて――放り投げる!

540名無しの魔術師:2014/04/30(水) 04:15:18 ID:3cQHs10o
>>539
強面の男「うおおおおおおお!?」

周囲の参加者「わあああああ!?」
男はヒナタに見事に投げ飛ばされた。なんとか受け身を取ろうとしていたが…
投げられた先にもいた他の客にぶつけられ、それは叶わなかった。

下の階からも喧騒と戦いの音が聞こえてくる。
丁度、階段に別の武芸者が叩きつけられるように飛んできてノックアウトされる様子が見えた。

541ヒナタ:2014/04/30(水) 04:31:49 ID:???
>>540
「よし!」

見事なまでの結果に思わず笑みを浮かべる。

だが、悠長に喜んでも居られない。
既に下の階でも戦闘が始まっている事を察知すると、先へ進むべく足を動かす。
邪魔が入らなければ、階段を降りて下の階へ突入するだろう。
周りの武芸者達を先に打ち倒す方が良いとも考えたが……彼等が潰し合ってくれる事に期待しての選択だ。

(下手に足を止めていては、ふとした拍子に集中攻撃されそうだからな)

542名無しの魔術師:2014/04/30(水) 04:41:19 ID:3cQHs10o
>>541
ヒナタの読みは正しかった。
二階に降りてみると、僅かな隙を見せた者が
複数人から狙われてあっという間に袋叩きにされていた。

三階でのドタバタを突破した者が多いせいか、更に動きが良くなっている。
その中で一人、ゴーグルのようなサングラスをした若者が明らかにレベルの違いを見せていた。
ヒナタも感心するような流れるような動きで放たれた蹴りで、上半身裸の筋骨隆々な男を蹴り飛ばしてきた。

蹴り飛ばしてきた、と言う表現を使ったのは蹴られた男がヒナタの方へと飛ばされてきたからだ。
サングラスの若者はそのまま素早く一階へと降りて行った。

細身の男「はいやぁぁぁっ!」
ヒナタの後ろから、細身ながら既に4人の武芸者を倒した男が挑みかかってくる。
こいつも明らかに動きが違う。どうやら剄を身体の内側にねって瞬発力を高めているらしい。

術式兵装は禁止と言われたが剄を練るのは禁止とは言われていない。
言葉のあやだがルールの盲点を突いてきたという事だろう。

細身の男は手刀をヒナタの右肩を狙い振り下ろしてくる。

543ヒナタ:2014/04/30(水) 13:46:49 ID:???
>>542
(やっぱりか)

ただ生き残れば勝ちという訳ではなく、他の者に先んじて一階へ到着せねばならない。
しかも、その枠は限られている。潰せる者から潰しに掛かるのは当然の考えだろう。

武芸者達の練度が三階よりも向上している事を理解する。
だが無理に戦わず、武芸者達の合間を縫って移動していくが、サングラスの若者が蹴り飛ばしてきた男に阻まれる。
軽快に飛んで避けようとした所で、後ろからの気配を感じ取った。

「おっと……!」

僅かに顔を逸らし、後方から来た細身の男を見やる。
剄を練り上げている事を察知し、見事な物だと感心した様子だ。
それはルールの盲点を突いた事と、剄を抜きにした上での動き、その両方である。

「だが、まだまだ!!」

前方から飛ばされてきた男の服を右手で掴み、そのまま右後方へと体を捻るように腕ごと振り抜いた。
哀れな男を即席の武器代わりとした、大質量による迎撃である。
例え手刀が命中したとしても構わない。むしろその時こそ、細身の男は手痛いダメージを負う事になる筈だ。

544名無しの魔術師:2014/04/30(水) 19:16:17 ID:3cQHs10o
>>543
大質量、もとい人体攻撃はそのまま男に叩きつけられる。
一番痛い思いをしているのは蹴り飛ばされた揚句武器にされた武芸者かもしれない。


人体攻撃と言うまさに悪魔の所業で手刀の入りは浅かった為、
やや痛みに顔をしかめる程度だろう。
細身の男は仰向けに倒れて噎せ返っている。

それを見た二人の参加者が、ヒナタに狙いをつけて挟み打ちしてきた。

武芸者A「そらぁ!」
Aが正面から踏み込み、振り上げるようなボディブロウを放ち

武芸者B「でえい!」
Bはカウンター席を足場に跳躍。ヒナタに向かって飛び膝蹴りを放ってきた。

545ヒナタ:2014/04/30(水) 19:44:21 ID:???
>>544
「ふー、手持ちの武器が使えんというのは手間だな」

浅かったとはいえ、流石に剄を込めた攻撃を無傷とはいかない。
痛みから不機嫌そうな表情を浮かべていたが、動く事に支障は無いと判断して体勢を立て直した。
二人の武芸者がヒナタへ襲い掛かるのは、おそらくその直後だろう。

「まったく、人気者は辛いな……!」

前方と後方を見た後、素早く構えた。
それはどちらか一方を迎撃する為だろうと、武芸者達は考えるだろうか?

「――ふっ」

それは、AとBの両者が行動を起こして間も無くの出来事だ。
挟み撃ちにされていたヒナタは体を大きく屈め、右横へと飛び退いた。
迎撃の“フリ”をするべく構えていたため多少なりとスタートは遅れるだろうが、直撃は回避出来るだろうか?

546名無しの魔術師:2014/05/01(木) 17:12:37 ID:3cQHs10o
>>545
A「ば!?」

B「なっ!」
見事に直撃を回避したヒナタ
室内に広さを利用した見事な動きだ。

挟み打ちを狙っていた二人はまさかこのようなフェイントになるとは思っていなかっただろう。

A&B「なーー!?」
二人は蹴りとボディブロウのクロスカウンター状態になって倒れる。
周囲にはまだやりあっている者がちらほらいるが、随分と少なくなった。
下の階へ往くのを阻まれる可能性は少ないだろう。

547ヒナタ:2014/05/02(金) 01:17:01 ID:???
>>546
「お前はともかく、そっちは跳躍してしまったからな……」

酷い有様で倒れ伏すAとBを交互に見て呟いた。
どちらも地上を移動しての攻撃ならば、回避なり身体を逸らすなりして、此処までの惨事には至らなかっただろう。
合掌しつつ、そのまま下の階へと向かっていく。

548名無しの魔術師:2014/05/02(金) 01:28:44 ID:3cQHs10o
>>547
‐カフェ・ザ・リック一階‐
ゴールである一階にたどり着くと、
薄暗い事を除けばオシャレなカフェである事が分かる内装であった。

ただし、あのコック風の男が乱戦を想定して装飾や机、椅子を全て端っこにのけてしまってるが。
階段を降り切ったヒナタの横に、またもガタイの良い武芸者が飛ばされてきた。男は壁に背中を打ちつけてうつ伏せで倒れる。

飛んで来た方角に眼を向けると…先ほどのサングラスの若者が一人その場に立っていた。
ヒナタの姿を見ると…若者はにやりと意味心に笑いながら、人差し指をクイクイと二度曲げた。

それは『お前もまだ暴れ足りないだろ?』と言っているようだ。

549ヒナタ:2014/05/02(金) 01:43:49 ID:???
>>548
一階に降り立ったヒナタは、先程までと違う内装を興味深そうに見つめていた。
しかし横に武芸者が吹き飛ばされてきた事と、その原因であるサングラスの若者の動作を見ると、

「……ほう」

実に面白そうに、少女の顔には到底似つかわしくない笑みを浮かべる。

「此処までが準備運動とするなら、お前が本番という事か?
 良いだろう、わざわざ女を誘ったのだから直ぐにヘバってくれるなよ――!」

言い終えると共に、勢い良く床を踏み込む。
踏み込みの勢いを乗せた全力の突進の先には当然、サングラスの若者の姿。
強烈な一撃を腹部にぶち込んでやろうとばかりに、その右手は既に強く握り締められていた。

550名無しの魔術師:2014/05/02(金) 02:03:02 ID:3cQHs10o
>>549
ヒナタのその突進の速度に若者は僅かに表情を変えた。
それは予想したよりもはるかに速かったからだろうか?

「フッ…!」

しかしこの若者もさらに笑みを重ねると両足をがっちり床に押しつけるように構える
ヒナタの握りしめられた拳を正面から受けるつもりだ。

551ヒナタ:2014/05/02(金) 02:21:03 ID:???
>>550
「良い度胸だ……!!」

間合いに入ると共に、受けようと構えた肉体目掛けて高速のストレートを撃ち放つ。
突進の勢い、そして悪魔の膂力が合わさった強烈な殴打である。
直撃してしまった暁には、如何な豪傑とてその生命に関わる程である。

だが無論、それは防御の構えすら取らない愚者或いは勇者の話だ。
ここまでやってきた強者たる若者であれば、この一撃だけで雌雄を決するという事はまず有り得ないだろう。

552サングラスの若者:2014/05/02(金) 02:32:37 ID:3cQHs10o
>>551
打ちこまれた高速の拳を、右掌で受ける若者。
若者はこの時すばやく剄を右手に発生。そのまま流れるようにヒナタの拳を受け流してすれ違った。

「――驚いたな、剄を使ってないのか?」
そこで若者は初めて声を上げた。ヒナタが天剣授受者だと…
ましてや悪魔と血を分けているとは露ほども知らぬ者の純粋な驚きだ。

剄のエネルギーをクッション代わりにして器用に受け流したようだが、それでも衝撃を殺しきれなかったのか
右手をプラプラと振りながら

「けど次は……!」
若者は行動を移す。手近にあったカウンター席を足場に壁蹴りの容量でヒナタの上を取る

「こっちの番だ!!」
そのまま鋭い飛び蹴りをヒナタ目がけて放つ。
相手が見た目少女だろうが遠慮なしだ。直撃すればヒナタと言えどダメージを受けるだろう。

553ヒナタ:2014/05/02(金) 02:47:42 ID:???
>>552
「っ、と!」

すれ違う形で拳を受け流されたが、咄嗟に前のめりに飛び込んだ。
突進の勢いはそのまま。腕の力だけで一度跳躍すると、空中で体を捻りながら体勢を立て直して着地した。

恐らくは剄で対応してくると予想していたのだろう。
最も、若者から見ればそれだけでは説明の付かない程に異常な身体能力だが……

「性質は知っていても、諸々の事情で扱う事が出来なくてな。
 ま、そこは気にするな。剄が無くても、此処まで来るに値する相手だという事は分かってもらえただろう?」

手に付いた埃を払いつつ、若者を見据えたまま答え、拳を構え直すが、

「む……!」

素早く上を取ってからの攻撃を見て、回避するべく咄嗟に後ろへと飛び退いた。

自分の拳を真っ向から対応してみせた事から実力の程度は把握している。
さしものヒナタとて、いざとなれば剄も加えてくるであろう相手の攻撃を真っ向から受け止めようなどとは思わないのだ。


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