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カオスロワ避難所スレ3

1管理人 ◆WI16BozYZw★:2015/07/08(水) 21:45:14 ID:???0
前スレッドが1000間近のため新規スレッドを用意いたしました。

35魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:23:16 ID:Yc9wa6SQ0
「「?!」」

凄まじい力で刎ねられた首は、狂信者達の歓声を無くすには十分な代物だった。
まさか、そんなことはありえない、そう思いながらも彼らは炎へと一斉に攻撃を試みようとする。
だがそれよりも早く、神炎を何かが吹き飛ばした。
氷竜の翼を展開し、炎を払ったのはまさに今しがた今度こそ倒したと思ったレストその人。
しかしその全身は半竜化してなお焼け爛れ、血に塗れている。
今までにない明らかな大ダメージ、あと一押しで倒せる瀕死の状態に見える。

「……氷河の再生」
「なっ、まずい、奴を止め――」

しかし氷竜の持つ再生能力が行使され、爛れていた片腕がみるみる内に再生されていく。
そして。

「キュア、オール」

その腕から癒しの緑風が放たれた瞬間、レストが負っていた傷の殆どが瞬時に回復された。
かつて都庁に乗り込んできた影薄組に施した魔法と同じだが、首輪が無くなった今、その回復力は桁違いだ。

「あ、ああ……」

狂信者の一人はその光景を見てしまった瞬間、思わず膝から崩れ落ちた。
これを絶望と言わずして、なんと言えばいいのか。
回復魔法を使っても全快していないところを見る限り、確かに自分たちの攻撃は通っていたのかもしれない。
だがその残った傷すら、当人が動かなくてももう氷竜の力で自動回復していっている。

「お、おのれ! この人外が……! 再生するというのなら、何度でも焼き払ってくれる。メギドラオンッ!」
「無駄だよ」

忌々しげに、しかし戦意は失わなかった大和が再度メギドラオンを放つが、どうしたことかこれは片手であっさりと薙ぎ払われた。

「まさか、こうも僕の弱点ばかりを突かれて、ここまで消耗するとは思わなかったよ。
 でも能力の上昇や減少を上書きする食事は枯草でもできるんだ。君たちが散々暴れて作ってくれた、この枯草でもね……!」

そしてそれに負けない程の忌々しさで、レストは咀嚼していた枯草を飲み下した。
地に墜とされた時、あらかじめ口に含んでいたのである。
能力低下は解除され、傷も癒される。狂信者達も常世の祈りと天使の血で消耗は少ない。
戦況は、ほぼ振り出しに戻されたといっていい。

36魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:24:26 ID:Yc9wa6SQ0
『根競べをする気か? 僕のランダマイザは貴様にも効力があり、貴様は逆に僕の物理反射の前に無力なのは紛れもない事実。
 またランダマイザを何重にもかけてさっき以上に断続的に、草一本たりとも残さない程に焼き払ってやれば――死ぬのはそちらだ』
「……ぺネトレイトソニック」

挑発するハザマに対して、ギリメカラを葬った風の刃が放たれる。

『マカラカーン!』

しかしその風の刃も、ハザマが生み出した障壁により反射される。
もっともその反射された刃もレストに吸収され、彼の傷を回復させてしまったが。
とにもかくも、揺るぎない事実として突きつけられたのは、レスト単独ではハザマを倒すことが不可能であるということである。

「やっぱり魔法反射も持ってたか。確かに君の言うとおり、このまま持久戦になればいつかは僕の魔力が尽きて負けるだろうね」

しかしその事実を突きつけられてなお、護衛者はその場を動こうとはしない。
最悪の相性である敵を前にして退かないのは、護衛者としての意地なのかなんなのかは狂信者達にはわかりかねる。

「でも――ああ、もう十分か」
「なに?」
「サクヤ、ウォークライ、ここは退くよ」

指を鳴らすと同時に、彼の背後にあった鏡の盾が砕け散り、その後ろから二人の従者が姿を現す。

「……自分を守る盾を捨てて、駒二つを守っていたというのか? 我々を舐めて、本気を出していなかったとでも言い訳するつもりか?」
「誰かを駒呼ばわりする人とは仲良くなれそうにないよ。風鳴翼にその物理反射能力を継承されても困るし、やっぱりここで死んで貰おう」
「貴様にできるとでも?」
「ふぅ……【ここがどこ】で【外部に漏れた僕の序列】がどこかをよーく思いだしなよ。それとこれは置き土産だ」


――ルーンアビリティ発動【グランドインパクト】――


「「っ?!!?」」

何が起きた?それが狂信者達全員の第一思考であった。
あまりに一瞬、しかしその一瞬で天地の認識が崩されると同時、全身に強烈な衝撃が奔った。
超速を手に入れた大和だけは確かに見た。レストが自分達との戦いで【初めて抜刀】して渾身の力で大地に剣を叩きつけるのを。

(本当に舐められていた? この私たちが? ふざけるな、SATUGAIしてくれる――脚が動かない、何故!?)

「赤竜さんの【火竜の激震】も同時発動しておいたから、短時間とはいえ脚封じでその場から動けないでしょ? それじゃあね」

従者二人に触れ、エスケープの魔法でレストは逃走する。
逃走先というか、転送先は間違いなく世界樹の入り口。追いかければすぐに追いつける距離だ。
この衝撃波による全身の痺れと、脚封じが無くなりさえすれば――そう考えながら、狂信者達は敵の去り際の言葉を思い出していた。

37魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:25:17 ID:Yc9wa6SQ0
ここが何処か。決まっている、生贄が大量にいる世界樹。
あの男の序列?あのふざけた耐久能力と、殺しきるに至らなかった原因である膨大なHPを鑑みれば最上位で間違いないだろう。
指名手配をされた風鳴翼すら退けられているのだから、少なくとも関東エリアにおいてあれより強い参加者がいるとは思えない。
だからこそ魔物達も彼をリーダーに――

寒気。誰もが恐ろしい事を思い出した。
腕は動く狂信者の一人が、慌ててスマホを取り出してネット接続を試みる。
思い出せと言われた。ああ、しかし思い出したくない。

『その金髪はナンバー2らしい。さらに上に金髪巨躯の魔王がいるらしい』
※[[生き残るためには…!]]参照

……見つけてしまった。
ナンバー2、上にナンバー1の魔王在り。
いやいやまさかそんな、単純な戦闘能力で序列が決まるわけがない。
縋るように狂信者はこの情報の信憑性確認のために、金髪二人に関する過去の呟きを遡って確認する。
都庁に揃って現れた。ここまでは把握している。これより以前に、何があったのだろうか。

『なんか滅茶苦茶な速さで金髪が都庁目指してるっぽい』
『こっちも金髪が都庁目指してるっぽい。あれ、別人?』
『金髪二人が出会った。で、なんかすげえバトルおっぱじめたんだけど俺巻き込まれて死ぬんじゃね?』
『あー、よくわかんないけどでかい金髪優勢だわ。若い方の金髪の打撃全部無効化されてるし、魔法は躱されるか押し負けてる』
『若い子必死で距離とろうとしてんのに、インチキ射程レーザーでがりがり体力もってかれてるみたいだね』
『あいつぜってー魔王だよ。そして魔王が追撃で相手の頭掴んで連続でなんちゃらコレダー叫びながら叩きつけてる。えぐすぎ……』
『おお、若いのボロボロでも立ち上がったよ! 凄いけどなんで生きてんの?』
『あの場所は僕が絶対に守ってみせるって、まるで勇者みたいだな。あれ、でも確か都庁は魔物の巣窟だったような?』
『何故か急に魔王が謝ったかと思ったらお互いに握手して、また都庁にとんでった。な、なんだったんだあの二人は』
『お互いに、都庁を攻め落とそうとしてる奴って誤解してたってことか。んー、しかしするとあいつらもしかして……魔物の味方なのか?』

「「……」」

見てはいけないものを見てしまった。
あれだけ苦労した相手が、制限状態とはいえ既に黒星をつけられていたとは。
第一次攻撃の際も、確かに多くの狂信者が四連続魔法とダオスコレダーの前に犠牲になっていたが、やはり魔王ダオス恐るべし。
故にクラウザーさんへの生贄に捧げることができれば……

超耐性のレストがダウン→無属性かつ超火力攻撃持ち
四連続の魔法攻撃→マカラカーンの反射は一回のみ。絶一門も同じく
インチキ射程→どっから攻撃されてもおかしくない
自分達は現在脚封じ→逃走及び移動が不可能

結論…… やばい

38魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:25:55 ID:Yc9wa6SQ0
『ま、まずい。早くこの脚封じをどうにかしなくては!』

ハザマの天才的な頭脳は誰よりも早くその結論に至った。
なんのことはない、自分達が相手にしていた男はあくまで世界樹の【盾】であったのだ。
盾の攻撃でこちらの被害は既に甚大、そしてその盾を完全に破壊することはできなかった。
ではその盾をも崩した、いわば世界樹の【矛】が自分達に向けられた場合、どうなるか。


「下等な貴様ら狂信者が、ここまでやるとは思わなかったぞ……」


ミザールを失った世界樹の天辺から、底冷えするような声が響く。
距離は離れている筈なのに、本来であれば聞き取れない筈なのに、その恐ろしい声は確かに狂信者全員の耳に届いた。

『にしゃああああああああ!』
『グォォォォン……』

そして追い討ちをかけるように怪物の叫び声と、荒ぶる触手で全身を引き千切られた龍脈の龍の断末魔までもが聞こえる。

「ば、馬鹿な……龍脈の龍が、敗れるだと……!?」


「そろそろ、貴様らとの戦いにも幕を引くとしよう。
 世界樹を傷つける愚者達よ、マナの溢れるこの場で私を怒らせたこと後悔しながら、死ぬがよい――テトラスペル!」


「「ぐあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」

未だ身動きがとれずにいた狂信者達を、大地から吹き上がる岩が容赦なく打ちつける。
自然落下で地面に叩きつけられると思いきや、今度は巨大な渦が身体を捻じりきりにくる。
耐えたかと思えば竜巻が全身を切り刻み、局所的な大爆発が全てを焼き払う。
以前使用したものとは違う、本気で殺しにかかった魔術の極技は既に出来上がっていた屍の山を吹き飛ばし、新たな屍の山を築き上げた。

『ぼ、僕のマカラカーンが……まるで役に立たないだなんて……』
「わ、私を甘くみるなよ……全門耐性、私とてあらゆる属性への耐性を備えているのだ……常世の祈り!」

だが、この極技をハザマと大和、彼の使役する悪魔たちは耐えきり、再び常世の祈りで全回復してみせた。
しかし祈りの効力が効いているのは自分達だけ。他の信者は皆死に絶えてしまったのだろう。

「有象無象がどうなろうと、私とハザマが生きてさえいればっ!」


「サクヤ、ダオスさんの援護を!」
「はい! ――四源の舞!」


今度こそ大和の顔から、いや元々顔色の悪いハザマからすら血の気が引いた。

ああ、何故さっきの戦いであの小娘を先に始末していなかったのか。
ああ、何故むきになってあの人外を殺すことに固執してしまったのか。
作戦を練り優位に立ったつもりで、踊らされていたのは自分達の方だった。
今思えば、あからさまな時間稼ぎ。魔王の準備と、世界樹の化物が龍脈を打ち砕くまでの囮。
盾の攻撃を無力化して喜んでいた自分達はなんだったのだろうか。
これから絶対的な、矛が自分達に向かってくる。魔王と、怪物と、想定外の神樹、三つの矛が。
いや、既に先陣を切っている魔王の攻撃に耐えきれねば、後の矛など気にするだけ無駄なのかもしれない。
耐えられるのか?おそらくこれから発動するのは、凶悪なレーザー攻撃。
それも報告が確かであれば舞の効果が上乗せされて通常時の5倍に威力の膨れ上がった――

――アオオォォォォン――

39魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:27:35 ID:Yc9wa6SQ0
何故、世界樹から狼の群れが顔を出して鳴いているのか。
そんなことは死刑執行を待つハザマ達にとってはどうでもいいことであった。

しかし実のところは彼らに大きく関係のある話であったりする。
鳴いている狼の名はスノードリフト。(故)コロトラングルらと同じ樹海守護者である。
第一階層の守護者ではあるが、単純な戦闘能力はアイスシザースに遥かに劣り……要するにもう前線で戦うのは厳しいレベルだ。
だが彼らは群れで鳴いた時、特殊なスキルとして【群狼の襲撃】を発動できる。
効果は鳴いたとき限定であるが、強化枠を使用せずに味方全体の攻撃能力を1.5倍にする優秀なサポートスキルであり……
つまり彼らに放たれるレーザーの威力は通常時の7.5倍。骨も残らないどころか魂ごとぶっ飛ばされかねない、魔王の憤怒の一撃。


「受けよ! これが再生を司る世界樹の輝き! 真・ダオスレーザーッ!」


ダオスの背後に魔法陣が現れ、そこから放たれた光矢がハザマ達を抉っていく。
これだけの距離で、たかが光矢の一発一発でなんという威力。
それはまだ本命ではない。魔法陣と、そしてダオスの両腕に収束した魔力はそれを遥かに凌駕するだろう。

『ク、クラウザーさん……! 僕は、僕は――
「み、認めぬ……! 私はこのような結末は認めぬ! 必ずやクラウザーさんを――

放たれた5色の光はやがて一つの巨大な光となり、狂信者を一人残らず消し飛ばす。
人も、魔神皇も、大天使も、邪神も何もかも全てを。
怒りの魔王に殺された彼らの魂は果たして、敬愛する魔王クラウザーさんへの生贄になれたのだろうか。
それはわからないが、とにかく魔王の宣言通り、世界樹での狂信者との戦いには幕が引かれたのであった。


【クリフト@ドラクエ4】死亡確認
【龍脈の龍@デビルサバイバー2】死亡確認
【狭間偉出夫@真・女神転生if...】死亡確認
【峰津院大和@デビルサバイバー2】死亡確認
【ニャルラトホテプ@女神転生シリーズ】死亡確認
【メタトロン@女神転生シリーズ】死亡確認
※その他サマナー狂信者も全員死亡し、かつ遺体は支給品装備諸共消滅しました

40魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:28:04 ID:Yc9wa6SQ0
「これがダオスさんの本気のレーザー……退避して正解だったよ」
「レスト様があの方を恐れている理由が、よくわかりました……」

魔王の憤怒を見届けながら、レスト達は世界樹の入り口へと戻っていた。
召喚者である大和が死亡したためか、龍脈の龍の残骸は溶けて消え、再び大地へ還っている。

「レストさん、大丈夫だった!? ごめんね、セルちゃん達とあの龍を相手にするので手一杯で……」

そこに世界樹の巫女、まどかが合流する。
フォレストセルと神樹が体躯で勝る龍脈の龍を比較的楽に倒すことができたのも、彼女が世界樹を動かして援護に回ったことが大きい。
龍脈の龍が倒れ、世界樹との融合を解除して降り立ったといったところだろうか。

「いや、驚いたよ。まさか君がそこまで身体を張って……その脚の怪我は?」

だが見れば、まどかの左脚には真新しい傷が出来ており、未だに血が流れ出ていた。
いくら激戦の場とはいえ、あのフォレストセルがそう易々とまどかへの攻撃を通すとは思えない。
それでいてかすり傷というには少し大きめな傷を負うというのは、つまり。

「……うん。戦っている最中に痛みを感じた。私じゃなくて世界樹の根が、地中で戦闘に巻き込まれて傷を負ったんだと思う」
「貴虎か、あるいは他にもまだ狂信者がいたっていうのかい!? 地下にはかなり強力な魔物が多数いるはずなのに……
 くそ、このまま地下に潜ッテ、連中を見つけて今度こソはボクの手デ大地に還してやル!」
「っ!? いけません、レスト様!」

一歩踏み出したレストの後頭部を、鉄球が強襲する。
主人に対する容赦のない突然の一撃にまどかとウォークライは面くらう。
完全に油断しきった状態で身内からの不意打ちを受けよろめいたレストが一番驚いた様子ではあるが。

「サ、サクヤ! 突然何をするんだい!? 今のは普通に痛かったよ!?」
「……無茶をしすぎです。いくら傷を癒しても疲労感は残りますし、集中力も下がります。
 私程度の一撃をレスト様がまともに受けてしまったのが、何よりの証拠。それに――」

(さっきの言葉遣いは……風鳴翼と同じでした。これ以上は……!)
(ッ!)

耳元で小さく囁かれ、レストは言葉を飲みこむ。
自分で、気がつくことができなかった。人を食べなければ少なくとも世界樹にいれば進行はしないだろうという目論見が外れてしまった。
確かにこの状況で、症状がさらに進行して気がつかないうちに完全な同類となれば、今度は自分が世界樹に仇なす存在に成り果ててしまうだろう。

彼らはまだ知らないが、テラカオス化は何も捕食に限らず、時間経過や精神状態、戦闘などでも程度に差があれど進行する。
モブとはいえ数千の狂信者を始末し、さらには強大な力を持つハザマ達との戦闘はテラカオス化を進めるには十分な材料だ。

41魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:29:05 ID:Yc9wa6SQ0
「……まどかさん、フォレストセルの中にレスト様を閉じ込めることは可能ですか? あ、勿論食べたりしたら駄目ですよ?」
「え゛っ!?」
「う、うーん……お口の中で転がしておけば多分大丈夫なんじゃないかな? でもどうしてそんな……」
「見ての通り、私のご主人様は強引にでも止めないと戦いに明け暮れてしまいますから。無理矢理にでも休ませないと」
「サクヤ、待った、落ち着こう? わかったから、ちょっとだけ休むから。2分程度――
「レスト様は全身からお野菜の味がしますから、フォレストセルの飴玉代わりになるかもしれませんよ?」
「そうなんだ! それじゃあレストさんが休むのと一緒にセルちゃんもおやつ休憩がとれるんだね。
 マミさん風に言うと、戦士の休息ってやつかな?」
「ちょっと!?」

未だに痛む後頭部をさすりながら、確かにちょっと疲れはしたかと思いつつもレストは猛抗議する。
前に自分はフォレストセルの力でこの症状を治せるかもと言ったかもしれないが、あれの飴玉になるのは御免こうむりたい。

「……ウォークライ」
『……諦めよ、主。我も同意見である』

ちらりと助けを求めるようにウォークライを見るが、彼は首を横に振った。
彼もまた、このままレストを地下に向かわせる気はないようだ。

「セルちゃーん! レストさんのこと舐めまわして休憩させてあげてくれる? でも飲みこんじゃ、ダメだよ?」
「舐めまわす必要は「にしゃーん」うわあああああぁぁぁぁぁぁぁ!?」

相変わらずの謎の瞬発力を持つ触手で逃げる間もなくレストは捕獲され、そのままフォレストセルの口に運ばれる。
彼ならば体内からフォレストセルを切り刻む芸当をやらかしそうだが、フォレストセルを殺せばまどかや他の魔物が黙ってはいまい。
捕まった瞬間、彼の運命は決定したのである。

<ウワアアア! シタヅカイガスゴイ!? ダ、ダレカー!

「あ、セルちゃんが笑顔になったよ! 本当にレストさんって美味しいんだね」
(あぁ、レスト様、申し訳ございません……でもこれでうまくいけば……)

心の中で主に深く謝罪しつつも、サクヤは少し凹んだ鉄球を携えて地下への道を目指す。

「あれ、サクヤさんが地下に行ってくれるの?」
「はい。恐らく地上の狂信者は掃討できましたし、レスト様の代わりに私が向かっても問題はないかと」
(それに注意深く地下に意識を向けると感じるこの気配は、紛れもなくお父様のもの……身内の不始末は私がするのが道理でしょう)
『主からは、命令が無い時は好きに動いて構わないと言われている。我もつきあおう。
 地下の魔物で敵わない程の相手であれば、戦力は多い方がいいからな。既に向かっている先発隊との合流も考えるとしよう』
「二人ともありがとう。セルちゃんはエリカさんに任せておけば安心だし、私も地下にいくよ。
 脚の怪我から、世界樹のどのあたりが傷ついたかは大体わかるしね」
『美樹さやかは負傷者の治療で動けないだろうが、他にも何人か連れていくべきではないか?』

地上の戦いは終わった。
しかし真の戦いはこれからだということを、まどか達は本能的に理解していた。
【盾】はしばらく使えず【矛】も世界樹の地下ではその全力を出すことはできない。
そして侵入者はかなりの実力者。真っ向勝負になった場合は苦戦必至だろう。

既に向かっている仲間達の身を案じながら、世界樹の巫女は魔物を従えて地下へと向かうのであった。

42魔王と生贄:2015/10/05(月) 13:29:52 ID:Yc9wa6SQ0
【二日目・9時15分/世界樹・移動時軸前】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】状態:ダメージ(小)、世界樹の巫女、左脚に怪我
道具:支給品一式 その他不明、モンスターボール(フォレスト・セル)
思考:地下で傷ついた世界樹の治療及び、原因となった人物の捜索
※世界樹の王@世界樹の迷宮と同じスキルが使用可能です
【聖煌天の麒麟・サクヤ@パズドラ】 状態:健康、首輪解除、攻撃力1.5倍、被ダメージ半減
装備:巨大棘鉄球×2、始原の印術書
思考:おそらく地下にいると思われる父は自分の手で止める
【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】状態:健康、首輪解除、攻撃力1.5倍、被ダメージ半減
道具:余った真竜ニアラ
思考:まどかの護衛。場合によっては他の仲間も連れて地下へ向かう
※レスト直属の魔物のため、装備の恩恵によりステータスが上がっています


【フォレスト・セル@新・世界樹の迷宮】
状態:上機嫌、小ダメージ(再生中)ポケモン状態、首輪解除、神樹とドッキング中
思考:まどかの命令通り、レストを舐めまわして治療する
※常人にはセルの表情変化はわかりません
【レスト@ルーンファクトリー4】
状態:中ダメージ(再生中)、中魔力消費、精神大ダメージ、各種超耐性、テラカオス化治療中、エーテルリンク中、首輪解除
思考:能力低下攻撃への対抗策を手に入れたいが、今は一刻も早くフォレストセルの口内から出たい
※候補者の一人となりました。現在はその肉体と竜の力でテラカオスの力を制御していますが、なんらかの要因で抑えきれなくなる可能性もあります
※進行を抑えているため、テラカオス化が進むことによる新たな能力取得はできません
※治療が済むまで(セルが満足するまで)自力で外に出ることができません



――その頃、世界樹頂上――

「すまぬな小鳥。だがこれで、連中を排除しやすくなった」
「いえ、別にお料理は好きですし、お役に立てたならいいんですけど……何故に天ぷら?」
「私の好物だ。こうやって、天ぷらを、食べるとだな……なんか殺る気が満ちてくる」
(うーん、あの狂信者達も、まさか天ぷら食べながらすっごいレーザー出す人に殺されるとは夢にも思わなかっただろうなぁ……)

【ダオス@テイルズオブファンタジア】状態:健康、物理攻撃無効、雷耐性低、詠唱速度上昇
思考:地下の様子や戦後処理が気になるが、念のため頂上で外敵を警戒
※天ぷらにより、詠唱速度が上昇しました
【音無小鳥@アイドルマスター】状態:健康、すごい申し訳ない気持ち、深い悲しみ
道具:支給品一式、スマホ、大量の天ぷら
思考:サポートに徹する。とりあえず今は天ぷらの量産

43西武ドーム シュシュッと・スパーク!:2015/10/10(土) 01:36:04 ID:DGvGRwKk0

 昨今、野球場では乱闘はご法度である。
 その光景をテレビとかの野球中継でもほとんど見なくなった。
 しかし、今! その乱闘がここで起こっているのだ!!


「フハハハハッ! 聖帝の前に敵はいないのだ!」


 高笑いと共にサウザーはバットをDMC狂信者共にバットを投げつける。
 あのAC北斗の拳の世紀末槍投げと呼ばれる行為である。
 それに巻き込まれた数人のモブDMC狂信者が命を落とす。

「フハハハハッ! フハハハハッ! フハハハハッ! フハハハハッ!
 フハハハハッ! フハハハハッ! フハハハハッ! フハハハハッ!
 フハハハハッ! フハハハハッ! フハハハハッ! フハハハハッ!
 フハハハハッ! フハハハハッ! フハハハハッ! フハハ……ぬうっ!?」
「あっ、わりーおっさん」

 だが、その途中に動きが止まった。
 味方に刺された右太ももを刺されたのだ。
 しかし、すぐにサウザーは立ち直す。

(くっ、あのターバンのガキめぇ……味方なのか敵なのかよくわからんぞ!!)

 ここまで混戦になると敵味方が入り乱れている。
 そこで誰かが言った聖帝軍はこの【ターバン】を着けようと。
 本当に乱戦だったので誰が言ったのか定かではない。
 声と態度がでかいサウザーは簡単に判断が出来るという理由で着けなかった。
 
 しかし、それが問題だった。
 味方の攻撃がサウザーの右太ももにピンポイントで刺さるようになったのだ。
 だが、そこは聖帝サウザー、退かぬ!媚びぬ!省みぬ!の精神で頑張って耐えてるのだ。

「グヘヘ、悪魔超人の俺が来たからにはDNC信者共もぺちゃんこだぜ〜!!」
「…………」
「高津選手がいるからきらりも余計にがんばるにぃ☆」
「私も頑張るよー」
「ワハハー」
「葛葉! これを使え!」
「俺たちが来たからにはこちらの負ける確率は0パーセントだ」

 聖帝軍の助っ人に来たと思われる男女7人もターバンを巻いている。
 これにはサウザーは喜び半分、恐怖半分であった。
 何故なら、彼らもまたターバンを巻いているのであるから。

44西武ドーム シュシュッと・スパーク!:2015/10/10(土) 01:36:37 ID:DGvGRwKk0

『これだけの軍勢であれば拳王軍に匹敵するかもしれない!』

 サウザーにとって死神の軍と言っても差し支えないほどだった。
 戦いはそこからさらに激化していった。

 ターバンを巻いてない方の鎧武がターバンを巻いている方の鎧武に吹っ飛ばされる。
 カチドキアームズ+ターバンという強力武装は武神すらも凌駕したのだ。
 そのあとにサウザーの右太ももがターバンのガキに刺された。
 ターバンを巻いてない方の鎧武の変身解けたものは銃に頼る戦法に切り替えたが。
 銃弾はターバンを付けた岩みたいな男の肉体には全く通じなかった。
 その直後、ターバンを付けたでかい女どものクロスボンバーで顔面を抉られ、絶命した。
 そのあとにサウザーの右太ももがターバンのガキに刺された。
 レスラーにはレスラーをとさっきまで病人だった女性が死地に飛び込んだが。
 ターバンを付けたクワガタのライダーの超高速移動(クロックアップ)の前に攻撃は通じなかった。
 そのあとにサウザーの右太ももをターバンのガキに刺された。
 直後、その病人だった女性は蹴り飛ばされ、ノックアウト。
 ついでにリリーフカーに乗ったターバンを付けた梨とツバメのマスコットに轢かれた。
 追撃のようにターバンを付けた少年が操るターバンを付けた鉄人にペシャンコに押しつぶされた。
 そのあとにサウザーの右太ももをターバンのガキに刺された。
 ターバンを付けていないサクランボのライダーはターバンを付けた岩みたいな男に軽く押しつぶされた。
 まるで鎧武原作での彼の末路のようにあまりにもあっさりと逝った。
 そのあとにサウザーの右太ももをターバンのガキに刺された。
 
「て、撤退よ!」

 レジーナはターバンを付けた青い髪の氷魔法を使う少女で焼き殺したものの。
 今の戦況を見て、戦慄と恐怖を覚えた。
 黒影トルーパーたちはほぼ全滅。
 衛宮切嗣も、善野監督も、錠前ディーラー・シドも死んだ。
 この謎のターバンの集団の前に。
 電子星獣ドルを操り、ビッグサイトに向かいに向かい全速前進していった。
 だが、レジーナは撤退の号令を出した時にはもう彼女はひとりぼっちだった、
 そのあとにサウザーの右太ももをターバンのガキに刺された。


「ワハハーあの方向はビッグサイトだな」


 ターバンを付けた少女が飛んで行った方向を見てそういった。
 元DMC信者であるからこそ彼女はどこに向かったかはすぐに見当がついた。
 そのあとにサウザーの右太ももをターバンのガキに刺された。

「フハハハハ! 今こそ聖帝軍の進撃の時だ!!」

 サウザーがそう叫んだあとにサウザーの右太ももをターバンのガキに刺された。
 こうして彼らの西武ドームでの激戦は終わった。
 サウザーの右太ももがボロボロになったという代償はそれでもお釣りがくるものであった。

45西武ドーム シュシュッと・スパーク!:2015/10/10(土) 01:37:18 ID:DGvGRwKk0

【二日目・9時00分/埼玉県】

【聖帝軍+α】
【サウザー@北斗の拳】
【状態】心労(中)、ダメージ(小)、右太ももがボロボロ、激おこ
【装備】バット
【道具】支給品一式、ノートPC、ターバン
【思考】
基本:主催者を打倒し日本を支配、そしてラオウも倒す
1:試合をぶち壊したDMC狂信者達を粉砕する
2:世界救済の予言!? 何だそれは!?
3:配下のガキ共にはいずれ思い知らせる(今はとりあえず下手に出る)
4:愛などいらぬ!
5:退かぬ!媚びぬ!省みぬ!
6:ターバンのガキ共が恐ろしい

【ターバンのガキ(円亜久里)@ドキドキプリキュア!】
【状態】健康 、レジーナに動揺
【装備】ラブアイズパレット、ラブキッスルージュ、ターバン
【道具】支給品一式、アイちゃん
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:DMC狂信者を倒す、レジーナは可能であれば何とか説得したい
2:世界救済の予言……?
3:サウザーは頼りにならないので自分がチームを引っ張る
4:他のプリキュアとも合流したい
5:マナ達の死を無駄にはしない

【ターバンのガキ(金田正太郎)@太陽の使者 鉄人28号】
【状態】健康、強い意志、鉄人28号を操縦中
【装備】Vコン、ターバン
【道具】支給品一式、鉄人28号
【思考】
基本:殺し合いを止める
0:合流してきた人たちと情報交換したい
1:悪い奴は許さない
2:DMC狂信者達を止める、レジーナとメカ龍の相手をする
3:世界救済の予言だって?
4:サウザーには(一応)従う

【ターバンのガキ(イリヤスフィール・フォン・アインツベルン)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
【状態】健康、ちょっと先行き不安
【装備】マジカルルビー、ターバン
【道具】支給品一式、クラスカード全種、魔法少女マジカル☆ブシドームサシDVD-BOX
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:とにかくDMC狂信者を止める
2:ワニのおじさん(クロコダイン)の言っていた事が気になる
3:このおじさん(サウザー)は当てにならない
4:お兄ちゃんやミユ達が心配
5:何か知り合いがいたような気がしたけど……まっ、いっか。

【ターバンのガキ(金色の闇)@ToLOVEるダークネス】
【状態】健康 、静かに怒り
【装備】ターバン
【道具】支給品一式、たい焼き×大量
【思考】
基本:主催者を打倒する
1:DMC狂信者達をどうにかする
2:世界救済の予言……ですか
3:サウザーは当てにしない
4:美柑達が無事か気がかりですね

【ターバンのガキ(チルノ)@東方project】
【状態】健康、やる気十分
【装備】アイスソード@ロマンシングサ・ガ、ターバン
【道具】支給品一式、ガイアメモリ(アイスエイジ)@仮面ライダーW
【思考】
基本:『だーすべいだー』を倒す
1:野球をぶち壊したDMCの狂信者達を倒す!
2:ふなっしーの言う通りならあたいが世界を救う!
3:せーてーは頼りないからさいきょーのあたいが皆を引っ張る

46西武ドーム シュシュッと・スパーク!:2015/10/10(土) 01:37:39 ID:DGvGRwKk0

【ターバンのガキ(イオリ・セイ)@ガンダムビルドファイターズ】
【状態】健康、不安
【装備】HGスタービルドストライクガンダム、HGビルドガンダムMk-Ⅱ、ターバン
【道具】支給品一式、ガンプラ用工具一式、その他ガンプラ(大量)
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:僕にできることは……
2:本当に野球で世界を救えるのかなぁ
3:か、カツさん……
4:知り合い一同が心配
5:歴代ガンダムキャラ達の死に悲しみ

【ターバンのガキ(アリーア・フォン・レイジ・アスナ)@ガンダムビルドファイターズ】
【状態】健康
【装備】HGビギニングガンダム、ターバン
【道具】支給品一式
【思考】
基本:主催の連中をぶっ潰して殺し合いを止める
1:それにしてもでっかいねえーちゃんたちだな……
2:救済の予言がどうとか……何の話だ?
3:オッサン(サウザー)は信用しない
4:ガンプラで戦う方法を探したい

【ターバンのガキ@北斗の拳 イチゴ味】
【状態】健康
【装備】ナイフ、ターバン
【道具】支給品一式、予言の書(コピー本)、ターバン×∞
【思考】
基本:聖帝の右太ももを狙う。
1:ターバンを配る(主に子供に)

【ターバンのガキ(ふなっしー)@ゆるキャラ】
【状態】激おこなっしー!
【装備】野球のユニフォーム(背番号274)、ターバン
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:殺し合いを止めるなっしー!
1:DMC狂信者達を成敗するなっしー!
2:な、何か武器はないなっしかー!?
3:救済の予言って何なっしー!?
4:ヒャッハー! 梨汁ブシャー!

【ターバンのガキ(葛葉紘太)@仮面ライダー鎧武】
【状態】健康、激しい怒り
【装備】戦極ドライバー、ロックシード(オレンジ) 、ターバン
【道具】支給品一式、ロックシード(パイン、イチゴ、スイカ) カチドキロックシード
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:DMC狂信者達、もう絶対許さねえ!!
2:救済の予言だって!?
3:知り合い一同が心配
:ダースベイダー、絶対に許さねぇ!!

47西武ドーム シュシュッと・スパーク!:2015/10/10(土) 01:38:00 ID:DGvGRwKk0

【ターバンのおっさん(獣王クロコダイン)@DRAGON QUEST ダイの大冒険】
【状態】ダメージ(小)、怒りと悲しみ
【装備】獣王の鎧、グレイトアックス、ターバン
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:今は聖帝軍と協力し、DMC狂信者の軍勢を倒す
2:世界救済の予言の謎を解く
3:この男(サウザー)、知らずに野球をやっとったのか……
4:チームメイトの皆、すまない……

【ターバンの青年(加賀美新)@仮面ライダーカブト】
【状態】ダメージ(小)、怒りと悲しみ
【装備】ガタックゼクター、ライダーベルト、ターバン
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:主催者を倒し、殺し合いを止める
1:今は聖帝軍と協力し、DMC狂信者の軍勢を倒す
2:世界救済の予言の謎を解く
3:聖帝軍……子供ばかりだけど大丈夫なのか?
4:チームメイトの皆を守れなかった事への後悔

【ターバンのおっさん(高津臣吾)@ササキ様に願いを】
【状態】健康
【装備】クロスチェンジャー、ジェットスワロー@鳥人戦隊ジェットマン、ターバン
【道具】支給品一式、ボロボロのグローブ
【思考】
0:聖帝軍を支援する
1:DMC狂信者をぶっつぶす

【ターバンのガキ(犬牟田宝火)@キルラキル】
【状態】健康
【装備】だいぶ古い型のノートパソコン@現実、ターバン
【道具】支給品一式
【思考】
1:聖帝軍に同行する
2:もうちょっとまともなパソコンがほしい
3:このターバンは極制服なのか……?
※パソコンによる情報収集により、聖帝軍がDMC狂信者の襲撃を受けていることを知りました

48西武ドーム シュシュッと・スパーク!:2015/10/10(土) 01:38:52 ID:DGvGRwKk0

【ターバンのレスラー(ザ・魔雲天)@キン肉マン】
【状態】ダメージ(小)、疲労(小)
【装備】柔道着、ターバン
【道具】なし
【思考】基本:悪魔将軍の命に従い主催を抹殺する。
0:聖帝軍と共にDMC狂信者をつぶす
1:他の悪魔超人達と合流する(できればミスターカーメンかBH)
2:邪魔者はすべてマウンテンドロップでペシャンコにする。
3:きらりは超人になれる才能がある?
4:女達(タバサ、豊音、智美)はとりあえず連れて行く。また襲ってきたら返り討ちにする
5:仮に風鳴翼と出くわしたら倒す。
6:関東に超人の軍団ができたという話だが、どこにいるんだ?
7:自分を破ったテリーマンと再戦できなかったことは心残り。
※超人血盟軍が野球チームであることに気づいていません
※タバサが死んだことに気付いていません。

【ターバンのガキ(諸星きらり)@アイドルマスターシンデレラガールズ】
【状態】ダメージ(小)、218cm、戦意もりもり!、全身返り血塗れ、テラカオス化進行
【装備】ターバンだにぃ!
【道具】支給品一式、巨大化爆弾@五星戦隊ダイレンジャー、芋丁の芋羊羹@激走戦隊カーレンジャー、ビービ虫の巣@天装戦隊ゴセイジャー、高津のサイン
【思考】基本:Pちゃんを探すついでに悪い奴をやっつけるにぃ!
0:高津選手と会えてうれしいにぃ!
1:天ちゃん(魔雲天)は強くて優しいにぃ!
2:もっと強く大きくなるにぃ!
3:翼って人と出くわしたらきらりんパワーで成敗するにぃ!
4:豊音ちゃんとタッグユニットを組むにぃ!
※テラカオス化の進行によってかなりの超人強度(身体能力)とザ・魔雲天を越える防御力を得ました。また、戦う度に身長が高くなります。
※熱狂的なスワローズファンです。スワローズをバカにされるとものすごく怒ります。

【ターバンのガキ(蒲原智美)@咲-Saki-】
【状態】健康
【装備】装甲車、ターバン
【道具】支給品一式、しもふりにく×3
【思考】基本:きらりの歌を広める
1:天魔王軍の雀士(ニセアカギ)は個人的に戦ってみたいぞー

【ターバンのガキ(姉帯豊音)@咲-Saki-】
【状態】ダメージ(中)
【装備】不明
【道具】支給品一式、スマホ、ターバン
【思考】基本:きらりさんと一緒に頑張るよー
1:天魔王軍の雀士(ニセアカギ)さんとも戦ってみたいなー

【ターバンのツバメ(つば九郎)@ヤクルトスワローズ】
【状態】健康、畜生
【装備】ホワイトボード、リリーフカー、銃、戦極ドライバー、ロックシード(ブラッドオレンジ)、ターバン
【道具】支給品一式、野球道具一式
【思考】基本:野球で……皆に、笑顔を……(ニッコリ)
1:強い方につく


【DMC狂信者】
【レジーナ@ドキドキプリキュア!】
【状態】健康、やや精神不安定、電子星獣ドルの頭部に騎乗中
【装備】ミラクルドラゴングレイブ、電子星獣ドル
【道具】支給品一式、ギラン円盤
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
0:ビッグサイトに戻り、ターバンの集団の情報を伝える
1:クラウザーさんの為にすべての人や魔物をSATSUGAIする
2:マナ………

【タバサ@ゼロの使い魔 死亡確認】
【衛宮切嗣@Fate/Zero 死亡確認】
【善野監督@咲 -Saki- 死亡確認】
【錠前ディーラー・シド@仮面ライダー鎧武 死亡確認】

49皆勤賞っていうレベルじゃねぇぞ!:2015/10/18(日) 18:32:27 ID:RA8C1zOw0
「まずは貴様をオードブルにしてくれる!」

【避難所民№134@現実?】死亡確認

各地で激戦が続く中、戦闘能力を持たない者は各地に避難をしていたが、そのうちの一人がオードブルにされて死亡した。
混沌とした世界なのだからこういった犠牲者が出るのは当然であり、今回は下手人の方に注目してみよう。
非常にご立腹な様子だ。

「家畜風情が、ワレに関するあることないことをインターネットにばら撒くなど許セヌ!
 確かに当てはまらない部分がないでもないが、年代がまちがっておるワ!」

咆哮をあげてオードブルを平らげたのは、金色のドラゴン……
もう説明が必要ない人もいるかもしれない程に醜態をあちこちで晒している真竜ニアラその人である。

「クァハ、クァハ……愚かなニンゲン達よ、何故都庁で討たれた筈のワレがまだ生きているのか理解できぬのであろう?
 簡単なことだ。あそこで討たれたのは『無印』のワレであり、ワレは『2020』のニアラなのだ。
 都庁の人竜と化した男が2020のワレの技を使っていたが、それは無印のワレにも隠し切れない神の力があったに過ぎぬ。
 本当の2020のワレはこうして生きているぞ。ザンネンだったな……
 なに? メタ発言入っている上に話が長いだと?
 クァハ! 実に矮小な家畜らしい思考よ! ワレ程の真竜になれば、その程度のことは許されるのダ!
 ドラゴンズにいる自称神のドラゴンもそうであろう?」

誰に言っているのか定かではないが、とにかくニアラは空中で長々と喋り続ける。

「しかし真に愚かなるはフォーマルハウトの奴よ……真竜が黒炎竜の炎ごときでやられるとはな。
 漆黒の焔ならば、ワレがこうして翼を振るうだけで簡単に巻き起こせるというのに」

ニアラの右の翼が振るわれると同時に、漆黒の焔が辺り一帯を焼き払った。
オードブルから始まり、この放火を見ればわかると思うが、このニアラはばりばりのマーダーである。
参加者も主催者もテラカオスも関係ない。この星を喰うのは自分、天の支配者も自分一人という超傲慢野郎だ。
なお、その傲慢さが原因で本来の右翼を喪っているのだが、そんなことは刹那で忘れている。

「……やはり、我ら真竜の偉大さと恐怖を調子に乗った家畜どもに味あわせるには、ワレが動くしかないようだな」

ロワ激戦状態の中で、ようやくニアラは傍観者の立場から腰を上げたようだ。
なお、先ほど自分で語っていた無印の未来の自分は、重い腰をあげて演説中に撃たれて死にかけているが、それも気にしない。

「クァハ……クァハ……おやニンゲンよ、ワレがこの直後に撃たれることでも期待していたか?」

流行らせようとしているのか妙な笑い声を再びあげながら、しかし今期のニアラはいつもとどこか様子が違っていた。
そこはかとなく、いつも以上に無駄に自信に満ち溢れているのである。

50ターバンのガキ(名無しさん):2015/10/18(日) 18:34:56 ID:RA8C1zOw0
「ありえないことではあるが、フォーマルハウトが敗れている以上、ワレも敗れる可能性はあるかもしれナイ。
 だがいつぞやの家畜が放った言葉に、こんなものがアル。一本の矢では折れてしまっても、三本の矢ならば折れないというアレだ。
 ワレ一体、『無印』のワレは一人であったからこそ敗れてしまったいう考えもできないことはナイ。
 ナラバつまり『三人』のワレがいれば、ワレはまさにさらに超越した存在なるというものヨ……!
 そしてやはり数字は3よりも7! セブン! この数字こそが至高! 
 括目するがいいニンゲンよ! これガ、神の、ワレの力なり!」

真竜の嘶きは、他のドラゴンを呼び集める。
その精度と速度は、ドラゴンネットワークの比ではない!

「「「「「「呼んだか、我よ?」」」」」」

次の瞬間には、とんでもない光景が広がっていた。6体のドラゴンが一気に集まったのだ!

「まあ」

まずはトップバッター、幻体真竜No.3(つまりニアラ)!

「全て」

続いては幻視竜王(要するにニアラ)!

「我に」

三番手は第三真竜ニアラ(当然ニアラ)!

「否」

四番を張るは人間の技術の粋、99%再現ニアラ(ほぼニアラ)!

「我らに」

五番手は雪辱を誓う、統合世界第三真竜ニアラ(勿論ニアラ)!

「任せるがいい!」

最後は本当の本当にフルパワー、幻視竜王・影(やっぱりニアラ)!

さっきから喋っていた2020版、神体ニアラとあわせてなんと合計で7人のニアラが集ったのである!
一人セブンスドラゴン状態だ。
なおこの七竜、全員出典が違ったり同作中でも能力が違ったりしてるので別人カウントされている。
都庁で討たれた無印ニアラを含めれば計8体。
一作目からやってるプレイヤーはこの学習能力のないタフネスドラゴンを何度倒す羽目になったのだろうか。

51ターバンのガキ(名無しさん):2015/10/18(日) 18:35:37 ID:RA8C1zOw0
「よく集まってくれたなワレらよ」
「して、我よ。我らを集めたということは、いよいよ我ら真竜の偉大さを家畜どもに教えるということなのだろう?」
「ドラゴンズの連中を屈服させ、ワレらがフォーマルハウトに代わりつつ監督もやるというのはどうだろうか?」
「いや待てワレよ。何も野球だけが偉大さを知らしめる道具ではない。もっとシンプルに、刃向う家畜を喰っていけばよいのではないか」
「ならば我よ、やはり最初に喰らうべきは我らを生ごみ扱いしたウォークライ及びあ奴が属する都庁ではないか?」
「待つのだ我よ。ならば我らと設定が被っているニャルラトホテプ星人らを殺すのが先だ。連中は主催関係者だという情報もある」
「いやいやワレよ、家畜の分際で王や帝気取りの拳王連合や聖帝軍にこそ身の程を弁えさせるべきではないか?」
「ワレは個人的に、ワレの居城とする予定だった東京タワーをへし折った警察組が特に忌々しい」
「だがNDの例もある。家畜に一時の情けをかけてやることで、逆に我ら神の器の広さを知らしめることも可能ではないか?」
「ところで我よ、先ほどからワレと我が混同されていて非常にややこしいのだが」
「スタッフに文句を言え。連中は舞台設定どころか一人称設定すら把握していないのだからナ」
「再びのメタ発言とは、流石だなワレよ。しかし閑話休題、どうやって偉大さをしらしめるかだが……」

女三人寄れば姦しいと言うが、常人よりも遥かにお喋りなニアラが7人も集えばそれはそれはやかましいものである。
さらに言えば幻体真竜No.3以外は全員金色のでかいドラゴンであり場所もとっていて非常に邪魔である。



……真竜相談中……



「それじゃあとりあえず、ミケ・ザカリアスは見つけ次第無限の苦痛と絶望をもって殺して、後は移動しながら決めるということで」
「「「「「「異議なし」」」」」」


ちなみに会議の結果、今期の残念ニアラ発端のミケさんがターゲッティングされました。


【二日目・9時00分/どこかの上空】

【神体ニアラ@セブンスドラゴン2020】
【幻体真竜No.3(つまりニアラ)@セブンスドラゴン】
【幻視竜王(要するにニアラ)@セブンスドラゴン2020-Ⅱ】
【第三真竜ニアラ(当然ニアラ)@セブンスドラゴンⅢ】
【99%再現ニアラ(ほぼニアラ)@セブンスドラゴンⅢ】
【統合世界第三真竜ニアラ(勿論ニアラ)@セブンスドラゴンⅢ】
【幻視竜王・影(やっぱりニアラ)@セブンスドラゴンⅢ】

【現在共通】

【状態】健康、ミケへの怒り
【装備】不明
【道具】支給品一式、不明品
【思考】
最優先思考:ミケ・ザカリアスは殺す
基本:真竜の偉大さを家畜に知らしめる(手段はもう問わない)
1:↑のための作戦を飛びながら考え、決まったら即行動
※仮に偉大さを知らしめる作戦が『対主催になる』などであった場合でも、ミケさんは殺します。それぐらい怒ってます
※多少差はありますが、まとめるとニアラの群れです

52集団が多すぎるので、少し数を減らします:2016/01/15(金) 11:09:16 ID:9YuIa/ls0
残念キャラ払拭のために動き出した七匹の二アラ軍団!
彼ら七匹の実力の前には拳王連合軍、都庁同盟軍、DMC狂信者、天魔王軍とて苦戦必至だろう。
それぐらいの実力者の集まりであるからだ。

そんな彼らは天魔王軍に所属するミケ抹殺のために東京へ進撃すべく、翼を進める。

そして名古屋県まで歩を進めたところで彼らは――





























【幻体真竜No.3(つまりニアラ)@セブンスドラゴン 死亡確認】
【幻視竜王(要するにニアラ)@セブンスドラゴン2020-Ⅱ 死亡確認】
【第三真竜ニアラ(当然ニアラ)@セブンスドラゴンⅢ 死亡確認】
【99%再現ニアラ(ほぼニアラ)@セブンスドラゴンⅢ 死亡確認】
【統合世界第三真竜ニアラ(勿論ニアラ)@セブンスドラゴンⅢ 死亡確認】
【幻視竜王・影(やっぱりニアラ)@セブンスドラゴンⅢ 死亡確認】


――神体二アラを除いて全滅していた。
名古屋の街にはオードブルめいた二アラの肉片がそこらじゅうに散らばっている。

53集団が多すぎるので、少し数を減らします:2016/01/15(金) 11:13:06 ID:9YuIa/ls0

「馬鹿な……ありえない!
ワレらがたった一人の家畜の前に全滅だと……?!」

満身創痍の二アラの目線の先には自分以外の二アラを撃滅した者がいる。
その名は――

「家畜ではない、私は救世主(メシア)だ。
この混沌とした悲しき世界から全ての者を救うために風鳴翼から転生した歌姫だ!」

――混沌の歌姫(テラカオス・ディーヴァ)だ。
関東から来た悪魔が二アラの前に立っていた。


事の発端は、二アラ軍団が大阪に向かっていたテラカオスの乗るガオウライナーを攻撃したことから始まった。
『ミケを殺しに行く前にちょっと軽い運動をしていこう♪』みたいなノリで、七匹はブレス攻撃を発射。
見事にガオウライナーは大破させ、中から出てきた家畜(人間)を屠ろうとしたが……それが惨事の始まりでもあった。



「なぜだ、ワレら七匹がこんな家畜一匹ごときに敗れるなんて!」
「おまえはあまりにも人間を無礼(なめ)すぎではないか?
おっと、今の私は人間ではなく救世主だがな」


二アラ軍団がなぜ、やられたのか。
それには理由がある。


二アラたちは実際に弱くはなかった。むしろ戦闘力だけなら上位に入ると言っても良かった。
ブレス攻撃は隙もなく撃ち続け、どんなに防御しても大ダメージを受けるメテオ攻撃は間違いなく驚異であろう。
しかし、彼ら七匹が共通して持っている傲慢な性格がマイナスになった。
メテオを撃った後で追撃すればいいものを、わざわざ相手を嘲り笑ってトドメを刺しそこねるのだ。しかも七匹揃ってだ。
更に七匹共プライドが高い性格のため、例え自分といえど統率・指示されることを嫌い、チームワークはあったものでなく、誤爆・喧嘩によるフレンドリーファイアもしばしばあった。
だがこれだけでは二アラが一方的に敗れた理由にはならない。
例え傲慢で協調性はなくても、二アラ七匹分の戦闘力は凄まじいものであり、強者グループの地位は揺るがなかったであろう。

もう一つの理由は戦う相手がテラカオス・ディーヴァであったことだ。
その秘めたる力は再生能力、核(無属性)攻撃や多少の薬(状態異常)にすらひるまない全属性攻撃耐性、電撃・振動操作、近接格闘術、分裂と巨大化、怪力、擬似的な瞬間移動、1京倍の嗅覚、優れた聴覚と音操作能力と多彩である。
それに加えて静岡でテラカオス候補者を喰らったことで力は更に増大し、その戦闘力は具を積み上げられたラーメン二郎の特盛ラーメンの如くマシマシとなっており、二アラ軍団の攻撃を躱し、もしくは耐えられるぐらいの肉体をテラカオスは既に持っていたのだ。

それでも二アラ軍団の統制が取れていれば未完成のテラカオスと互角以上の戦いができたかもしれない。
そもそも最初から不用意にテラカオスに挑まなければこのカオスロワにおいて長生きできたかもしれない。
だがもう後の祭りである。

「さて、お喋りをする時間も惜しいんでな……そろそろ、おまえも救ってやろう」
「や、やめろ、やめてくれ!」

笑顔でにじり寄る銀髪の歌姫に、真竜が本来抱くはずのない恐怖の感情を覚えて後ずさる二アラ。
テラカオスも圧勝とはいかず、だいぶダメージを受けている様子だが、戦闘そのものは余裕で続行可能。
一方の二アラは爪も歯も折られ、ブレスを吐ける体力もないほど弱り果て、逃げるための翼も切り落とされていた。
歌姫に抗う術はなく、助けてくれる味方もいない以上、彼女の糧になる運命は覆りはしない。

真竜の偉大さを家畜(人間)に知らしめる――二アラ達が抱いたその野望は、チーム発足二話目にして潰えるのだ。

「この世のすべての救済者(しょくざい)に感謝をこめて――――――い た だ き ま す」
「このワレが乳もない家畜に敗れるなんて……
嫌だああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

奇しくも自分達で討とうと考えていたミケの台詞と似たような断末魔を叫びながら、テラカオス・デーヴァの刀によって最後の二アラも一瞬でオードブルとなり、更に一瞬後には彼女の腹に収まっていた。
ついでに街に散らばっていた二アラ六匹分のオードブルもたったの一分で塊一つ残されることなく、テラカオス・ディーヴァの胃袋に直行することになった。

【神体ニアラ@セブンスドラゴン2020 死亡確認】
【ニアラ軍団 全滅】


「ううむ、味はイマイチだったな……オードブルよりらぁめんにすれば良かったか」

怪訝な顔でそんな感想を吐きながら、テラカオスは刀を収める。

「しかし……」

捕食によって二アラ軍団との戦いで受けた傷が急速に再生して全回復していくのを感じると同時に、大幅な力の増大をテラカオスは実感していた。
彼女の周囲を包む黒い霧の量も増大している。

54集団が多すぎるので、少し数を減らします:2016/01/15(金) 11:14:19 ID:9YuIa/ls0

「アハハ、真竜七匹分の力は流石なものだ……まさにセブンスドラゴンというに相応しい!
本当に傲慢ささえなければ私を屠ることができたろうに。
真竜達(セブンスドラゴン)よ、私の救済の旅のために傲慢さ以外はありがたくいただかせてもらうぞ!」

腹に入った二アラ達に感謝の気持ちを伝えながら、テラカオスは怪しく笑った。
こうしてテラカオス・ディーヴァは更なる力・真竜七体分を手に入れ、彼女と戦うには最低でも二アラ七匹(慢心抜き)以上の戦闘力が必要になった。
これは多くの参加者にとって間違いなく驚異となるだろう。


「しかし困ったことになった。貴重な足を失ってしまったぞ」

テラカオスはこの戦いの中で失ったものもあった。
ガオウライナーが二アラの攻撃に耐え切れず、大破してしまったのだ。
時を駆ける列車の修復は現状のテラカオスでは不可能であり、放棄するほかなかった。

「まずいな、ガウスの力をもってしても次の放送までには間に合わんかもしれん。
あまり待たせすぎると、拳王連合軍にも失礼だ」

ここは名古屋であり、大阪へはまだまだ距離がある。
ガウスの一秒づつなら停止した時間で動ける力による瞬間移動を用いても放送まには間に合わないかもしれない。
目下の捕食対象である拳王連合軍には事前にメールで釘を刺し、そして現在はホワイトベース組と総力戦の真っ只中で足止めを食らっているとはいえ、いつまで大阪に留まっているかわかったものではない。
できれば放送前には拳王連合軍と大阪で落ち合いたいのがテラカオスの理想であった。

「急いで次の足を探す必要があるな」

ひとまずガオウライナーに代わる乗り物を探し始めるテラカオス。
ちなみに乗用車やバイクなら名古屋の街にいくつも放棄されているが、テラカオスは乗ろうとしない。
なぜならば……

「……これではダメだ!
もっと救世主たる私の心を揺さぶるようなデザインでなければ!」

……単に趣味趣向の問題である。
そんじょそこらのデザインの乗り物では乗る気がしないのである。
常人にとっては至極くだらない理由だが、厨二病という病気を患っている彼女にとっては見た目も重要な課題であるのだ。


なんやかんやで真竜の軍団を下し、更なる力を手に入れた混沌の歌姫。
引き換えにガオウライナーを失った彼女は新しい乗り物を手に入れることができるのか?



【二日目・9時30分/名古屋県】

【テラカオス・ディーヴァ@テラカオスバトルロワイアル十周目】
【状態】損傷なし、首輪解除、厨二病全開、火水土風木電聖闇核耐性(強)、薬物耐性(弱)、嗅覚と聴覚強化
【装備】シンフォギア・天羽々斬?(異常に禍々しく変化)@戦姫絶唱シンフォギア?
【道具】支給品一式 、スマホ
【思考】基本:世界をカオスにする
0:早くガオウライナーに代わる乗り物が欲しい(厨二心をくすぐるようなものでないとダメ)
1:世界から全ての者を救い尽くす(喰い尽くす)
2:大阪へ向かい、拳王連合軍を救う(喰らう)
3:何故皆救済を拒む? まるで意味が分からんぞ?
4:私はまだまだ弱い、もっともっと強くならねば……!
※風鳴翼・佐村ガウスフレミング02・天海春香・はるかさんの能力を継承しました
※テラカオスとしては未完成のため、テラカオスバトルロワイアル十周目の死者の能力は現在使用不能、進化すれば使えるようになるかもしれません
※風鳴翼の容姿や人格を色濃く受け継いでいます、ただし、進化するにつれて失われる可能性があります
※ダルメシマンの人間の1京倍の嗅覚、ゼブラの聴覚と音操作能力を特に強く継承しました
※テラカオス候補者の一人である多木、ニアラ×7を食らった結果として力が大幅に増しています

55消えていく光:2016/01/20(水) 22:41:59 ID:c4W66lWw0
拳王連合軍とホワイトベース組の熾烈なる総力戦が繰り広げられる大阪府。
そしてここは熱斗・シグナム達のいる大阪の市街地の西側。
そこでは一つの死闘が終わろうとしていた。


「昇れ龍よ、天高く!! 廬山昇龍覇――――ッ。」
「くっ!!」
「乾さん! 今、防御を!!」
『ディフェーンド!』

龍星座の紫龍の放った小宇宙を交えたアッパーカットが、仮面ライダー・ファイズ(乾巧)に迫る。
それに対して仮面ライダーウィザード(苗木誠)・ランドスタイルは急いでディフェンドの指輪をベルトにかざして岩の壁を召喚し、ファイズを守ろうとする。
大地の力を行使するランドスタイルによって召喚された岩の壁は高い防御力を誇る。

「そんな土くれ、俺の小宇宙が貫けないわけがない」
「うわあああ!!」
「乾さんっ!!」

しかし、紫龍最大の奥義である廬山昇龍覇の前には通用せず、直撃を凌がせるので精一杯であった。
そして小宇宙を受けたファイズが大きく吹き飛ばされて宙を舞い、やがて道路に落ちた。
更にファイズの変身が解けてしまう。

「うぐ……畜生、ベルトをやられたか」

乾の腰にある変身ベルト・ファイズドライバーからは火花と煙が上がっている。
紫龍による技の威力によって故障したのだ。
それすなわちファイズへの変身はもうできないことを意味していた。
いかな仮面ライダーといえども生身での戦闘力は低い。
肉体改造を受けてない平成ライダーは特にそれが顕著であり、変身できないことは死に直結している。
ましてや、そこらの怪人より高い戦闘力を持つ聖闘士の相手などできる道理はない。

「トドメを刺させてもらうぞ、仮面ライダー!」

戦えなくなった乾を容赦なく抹殺しようと迫る紫龍。
本来なら戦闘力のない相手に拳を向けようとはしない人格の紫龍だが、今の彼は黒神めだかとキュゥべえとの契約の関係上、のび太の忠実な支給品となっており、つまりのび太に害するものは誰であれ殺害できるキリングマシーンとも化しているのだ。

「乾さん! 今、援護を……」
「遅い! 聖剣(エクスカリバー)!!」

苗木は指輪を使って乾を守ろうとするが、紫龍の攻撃はそれよりも早かった。
聖剣の名前のついたあらゆるものを切断する手刀が乾を真っ二つにせんとする。
乾には聖剣を避ける手段も防ぐ手立てもない。誰もがそう思うだろう。

56消えていく光:2016/01/20(水) 22:42:41 ID:c4W66lWw0


(フッ……久しぶりにあの姿になるか)


聖剣が届く寸前。
乾は不敵な笑みを共に青い光に包まれた。

「な、なに!? うおわあ!!」

突然の事態に驚く紫龍。
その直後に放って聖剣は空を切り、反対にメリケンサックのついた拳が紫龍の顔面に突き刺さった。
その際に紫龍は両の目をえぐられて失明してしまい、たたらを踏んで後退する。

「い、乾さん……!?」

傍から様子を見ていた苗木の目は驚きの色に染まっていた。
乾を包んでいた青い光が晴れると、そこには狼男のような灰色の怪人・ウルフオルフェノクが立っていたのだから。

先に平成ライダーは変身していないと弱いと述べたが、一部例外も存在する。
乾巧は怪人・オルフェノクに変身できる仮面ライダーであり、ファイズに変身できなくとも戦闘力はあるのだ。
しかもオリジナルのオルフェノクなのでそこらのオルフェノクよりも格段に強い。

そのオルフェノク形態に聖剣が届く寸前で変身し、相手が戦闘力を失ったと思っていた紫龍の精神的死角を尽き、聖剣を躱して反撃のメリケンサック攻撃を乾は仕掛けたのである。
その攻防と、乾の隠し持っていた意外な姿に、苗木は思わず呆然としてしまう。

「……これが俺の真の姿だ。怖いか、苗木?」

苗木が呆然とするのも無理はないと乾は思っていた。
誰だって仲間が得体の知れない怪人だと知れば驚き竦むだろう。最悪は拒絶だってありうる。

「……いや、かっこいいと思います、乾さん」
「そうか」

だが、苗木は拒絶するどころか乾を受け入れた。
苗木にとって乾が怪人であったかなどは問題ではなかったのだ。
大切なのは姿より共に戦っていけるかどうかであり、二人の信頼関係はなくなるどころか一層強まったのである。

「……と、こうしてはいられねえ! 苗木! 奴にトドメを刺すチャンスだぞ!」
「はい!!」

乾に指示されて苗木は失明して満足に動けなくなった紫龍にトドメを刺そうとする。
ショータイムだ。

(乾さんがせっかく作ったチャンス……見逃すわけにはいかない!)
『フレイム プリーズ ヒー・ヒー ヒー・ヒー・ヒー!!』

まずは喧しいベルトにフレイムの指輪をかざし、フレイムスタイルに姿を変える苗木。

『チョーイイネ! キックストライク! サイコーーー!!』

その次はキックストライクの指輪を使い、地面に炎の魔法陣を展開。足に炎が纏われる。
そして、紫龍に向けてバク宙しながら身体を捻り、炎のキックが放たれる。
これぞ仮面ライダーウィザードのライダーキックだ。

「希望は前に進むんだーーーッ!!」

気合と共に渾身のライダーキックを紫龍にぶつける苗木。
炎を交えたキックの直撃によって鎧ごと肉体を砕かれる紫龍。

「俺は、…の…太を守らねば……」

その言葉を最後に紫龍の肉体は爆散した。

57消えていく光:2016/01/20(水) 22:43:15 ID:c4W66lWw0

「やりましたよ、乾さん!」
「ああ、これでオートバジンの仇は取れたな」

仲間の仇でもある拳王連合軍の猛者をまた一人倒せたことに喜ぶ乾と苗木。

彼らが喜んでいるのも束の間、そう遠くない距離で爆音が響き、二人は爆音がなった先を見やる。

「あっちも決着がつきそうだな」
「出来杉くん……」

二人の仮面ライダーの目線の先では二機のガンダムが死闘を繰り広げていた。




のび太の駆る魔改造バスターガンダムと出来杉が駆る魔改造デュエルガンダムの戦い。
その戦いは市街地西側の半分を瓦礫に変えてしまうほどの熾烈な戦いであった。

だがその戦いの決着はもうすぐつく。
そう、それは唐突な形で。

「そんな、弾が! エネルギーが!」

警報音と共にバスターガンダムの装甲の色がみるみるうちに灰色になっていく。
フェイズシフトダウン。エネルギー切れのサインだ。
実弾を無力化するPS装甲もこうなればトタンも同然である。
おまけにドラえもんを殺されて怒りの感情をコントロールできなかったのび太は、バカスカと弾丸をばら撒いた結果、バルカンもミサイルも大砲も、全て弾切れになり一切の反撃手段を失っていた。
格闘装備? 砲撃戦使用のバスターガンダムには元々積んでない。
サテライトキャノン? 昼間なのに月が出ているわけがない。

「むこうのガス欠!? これはチャンスだ!!」

対して巡ってきた絶好のチャンスをデュエルに乗る出来杉が見逃しはしない。
すぐにビームサーベルを引き抜き、バスターガンダムへ突撃を仕掛ける。
今度は紫龍のように邪魔するものは一人もいない。

「か、回避を!」
「避けさせるか!」

のび太は必死で避けようとするが、その前に出来杉がバルカンを放って足止めする。
PS装甲の恩恵を失ったバスターガンダムの装甲のあちこちに穴が開く。

「うわああああああ、僕が死人になるのかーーーッ!?」

衝撃で揺れるコクピットの中でのび太は泣き叫ぶ。
死の恐怖だけではなく、ドラえもんの仇(勘違い)を討てないまま敗れる悲しさに、のび太は泣いていた。
だがのび太の嗚咽に対して運命はかくも非情であった。

のび太のコクピットのモニターにはビームサーベルが避けられぬ距離にまで迫っていた。
それを見た瞬間、のび太は自分の死を悟った。




「でも、ドラえもんとまた一緒になれるぞぉ……」




最後にあの世で大好きな親友と一緒になれるというヴィジョンを脳裏に浮かべて、少年はビームサーベルの眩い光に飲み込まれていった。
今ここに、野比のび太という名の死人が出たのだ。

58消えていく光:2016/01/20(水) 22:46:18 ID:c4W66lWw0


デュエルガンダムのビームサーベルがコクピットのある胴体から真っ二つにし、バスターガンダムは大爆発を起こして大阪の街から消えた。
その後にデュエルも先のバスター同様に灰色になっていくフェイズシフトダウンに見舞われていた。

「危なかった……ギリギリの戦いだった」

PS装甲とI・フィールドによって実弾・ビームどちらも防げるようになったデュエルガンダムだが、その分はエネルギーの消耗が早くなるのは自明の理だった。
出来杉の本来の作戦ではエネルギー切れを起こす前にバスターを叩く手筈であった。
どういうわけか、バスターの弾もエネルギーも半分を切っていた(これは特務機関員・新城の策略によるもの)ので、バスターの方が早くエネルギー切れを起こした結果、こちらのエネルギー切れより早く倒すことができたのだ。
余談だがエネルギー切れを起こした時の対策も出来杉は考えていなかったわけではない。
支給されていたプロペラントタンク(効果:乗機のエネルギーを全回復させる)があったので、出来杉はそれを使ってガンダムのエネルギーを全回復させた。
装甲の色が灰色から元の白と青のカラーリングに戻っていく。

PS装甲とI・フィールドによってデュエルガンダムにダメージは一切なし。
相対したバスターガンダムは完全に粉砕。
出来杉はガンダム同士による決闘(デュエル)に勝ったのだ。

「何はともあれ、やったぞ!! 研くん達の仇を取ったぞぉ!!」

思わず歓喜を上げるのは出来杉少年。
彼にとっては因縁のある仇を取ることができたのだから。

「あ、あれ?」

頬を伝って流れ落ちるは出来杉の涙。

「おかしいな……嬉しいハズなのに、なんで悲しいんだろう」

理由のわからない涙に出来杉はただ困惑するしかなかった。



『よし、このホワイトベースを攻撃できるガンダムは片付けたな』

ふと、ホワイトベースにいるリーダーの十神から通信が入った。
撒かれていたミノフスキー粒子が時間経過で薄くなってきたので通信がしやすくなったのだ。
出来杉はすぐに涙を拭い、会話ができる体勢に入る。

「十神さん、状況は?」
『正直、芳しくはないな……
現状でレミリア、咲夜、大尉、ビーストマン、美鈴、アルベルトが死んだ。
市街地で生き残っているのはおまえらだけだ』
「そんな……!? 修造さんとヒートマンは?」
『奴らは裏切って熱斗達に手を貸した!
もう修造は仲間でも何でもない。どちらにせよ勝手に死んだがな』
「修造さん、信頼できる人だと思っていたのに……」

仲間の多くが死んでしまったことと、市街地での生き残りは自分と乾・苗木・葉隠の四人であること、仲間から(ホワイトベース組の視点では)裏切り者が出たことに三重のショックを受ける出来杉。
だが悲しんでいる暇はホワイトベース組にはなかった。

『ついでに葉隠もやられた』
「あの人もやられたんですか?」
『いや、生きてはいる。生きてはいるが、あの黒い狸みたいなロボットにボコボコにされたようだ』


「う〜ん……」
「葉隠くん! しっかり!」
「これは手酷くやられたな……」

占いに従い、クロえもんの命を狙っていた仮面ライダービーストこと葉隠だったが、実力差ではクロえもんの方が遥かに上だったのか、気絶するまで全身をバットで滅多打ちにされる返り討ちを受けたのだった。
ちなみに葉隠をフルボッコにしたクロえもんはバスターガンダムがやられたと同時に、市街地を離れて死国へと逃げ帰った様子。
やられた葉隠は苗木と乾に助け起こされているが、気絶から覚める様子がなく、この傷では少くともこれ以上の戦闘参加は無理であろうと判断された。

ひとしきり状況の整理ができたところで、出来杉達三人に十神は次なる指令を渡した。

『よし、生き残っているお前たちで残りの熱斗組を掃討しろ』
「僕たちだけでですか!?」
『そうだ、だが無茶な難題でもない。
こちらにはおまえのガンダムがあり、艦砲射撃ができるこのホワイトベースも健在だ。
そして、向こうの方が数は多いが大半が手負いばかり。
特にアイギス・ホライゾンによると最高戦力であろう光熱斗は虫の息らしい。
忌まわしき祐一郎の息子を仕留めるのは今を置いて他にない!』
「……」

十神の言葉にも一理はあった。
デュエルガンダムはPS装甲とI・フィールドの恩恵でほぼ無傷。
乾達もダメージこそ受けているが戦闘の続行は可能。
対する熱斗組の大半は手負いばかりでまともに戦闘できるのはニートと波紋使いだけである。
熱斗組を倒すなら今しかないのも事実であろう。
だが、戦いは更なる犠牲を覚悟しなければならない。
その犠牲に対しての恐れが出来杉に十神への返答を渋らせていた。

「ああ、やろうぜ十神」

59消えていく光:2016/01/20(水) 22:46:45 ID:c4W66lWw0

返答を渋る出来杉より早く答えた男がいた。
通信機ごしに答えたのはウルフオルフェノクの姿をした乾巧だ。


『乾か。
おまえが怪人だったことを隠してたことは色々言いたいことがあるが……今は置いておこう。
やれるのか乾?』
「ああ、もちろんだ。みんなの夢を壊す奴らを俺は放っておけねえからな」
「僕も行くよ、十神くん!」

続いて苗木も声を上げて戦闘の続行を表明する。
しかし、こちらは乾の手によって静止される。

「待て、おまえはダメだ」
「なぜですか乾さん! 僕だって戦えます!」
「苗木、おまえは戦闘ではまだまだ素人だ。
さっきの戦闘で消耗しすぎている。違うか?」
「それは……だけど!」

乾の言葉通り、苗木は未だに慣れない戦闘によって肩で息をしているほど疲れきっていた。
無理をすれば戦闘はできなくもないだろうが、この状態で素人を戦わせるにはあまりにも無謀すぎるだろう。

「今のおまえは正直、足でまといなんだよ」
「乾さん……」
「……そんなおまえにもできる仕事はある。
手負いの葉隠を守ってやれ」
「わかりました……」
「十神もそれでいいな?」
『今の苗木では駒にするのも難しいか。
苗木や葉隠とかいう役立たずを収容するためにホワイトベースを着艦させる時間も勿体無い。
……いいだろう、苗木は街の外に出て役立たずを守っていろ』

今の苗木では大した戦力にならないとの乾の意見に納得した十神は、苗木に葉隠と街の外で待機しているように指示を出す。
苗木も戦いたい気持ちを抑え、二人の意見と指示を聞き入れ、了解するのであった。

『それで出来杉、おまえはどうする?』
「……行きます!
研くん達の仇は討った。
でも、倒さなきゃいけない相手は他にもいる!」

乾ら戦う意思を持った者達に応えるように出来杉も覚悟を決め、戦う決心を固めた。

『決まりだな。
苗木と葉隠は街の外へ。
乾と出来杉、そしてホワイトベースは残りの熱斗組の掃討に向かうぞ!』
「「「了解!」」」


そしてウルフオルフェノク・乾がガンダムの手に乗り、出来杉の駆るガンダムが市街地で生き残った熱斗組へ向けて進撃する。
その上空には十神・腐川・アイギス・ホライゾンの乗るホワイトベースがガンダムの後を追うように次の戦場に向かっていった。

「乾さん、みんな、生き残ってくれよ」

戦場に向かうオルフェノク・ガンダム・ホワイトベースを見送りつつ、苗木は仲間の無事を祈った。
そして気絶中の葉隠を背負い、市街地の外へと退避するのであった。



大阪市街地西側の戦いはホワイトベース組の勝利で終わった。
だが泥沼の戦いはまだ続く。


【二日目・10時00分/大阪市街地上空 ホワイトベース内部】

60消えていく光:2016/01/20(水) 22:47:54 ID:c4W66lWw0

【十神白夜@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】健康、艦長ポジション
【装備】ホワイトベース@機動戦士ガンダム
【道具】支給品一式、腐川冬子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生
【思考】
基本:愚民たち(対主催)を従えて十神家繁栄の邪魔になる主催を倒す。
0:なんとしてもここで拳王連合軍を全滅させる
1:愚民を指揮し、拳王連合軍に勝利する
2:その後は北上してマーダー掃討、対主催を集める
※アイギス・ホライゾンに仕掛けられたウィルスに気づいてません


【アイギス@ペルソナ3】
【状態】ウィルス感染、ホワイトベースと接続、右舷担当
【装備】超磁鋼レールガン@ペルソナ3
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
0:拳王連合軍を倒す
1:十神たちについていき、殺し合いを破壊する
2:殺し合いを破壊して平和になったらSEESと合流する
※大尉によりウィルスを仕掛けられました
 戦況が覆せないほど不利になる、あるいは戦艦が致命的な打撃を受けると自動的に死国に特攻します
 逆に、戦いに勝利した場合でも戦艦を自爆させるようにセットされています


【ホライゾン・アリアダスト@境界線上のホライゾン】
【状態】ウィルス感染 、ホワイトベースと接続、左舷担当
【装備】悲嘆の怠惰@境界線上のホライゾン、拒絶の強欲@境界線上のホライゾン、憤怒の閃撃@境界線上のホライゾン
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
0:拳王連合軍を倒す
1:十神たちについていき、殺し合いを破壊する
2:亡くなったトーリのためにも殺し合いを破壊する
※大尉によりウィルスを仕掛けられました
 戦況が覆せないほど不利になる、あるいは戦艦が致命的な打撃を受けると、自動的に死国に特攻します
 逆に、戦いに勝利した場合でも戦艦を自爆させるようにセットされています


【二日目・10時00分/大阪市街地 西側】

【乾巧@仮面ライダー555】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、ウルフオルフェノクに変身中、首輪なし
【装備】なし
【道具】支給品一式、その他不明、ファイズギア(ベルト故障)、通信機
【思考】基本:殺し合いを止める
1:市街地に残っている拳王連合軍を倒しにいく
2:ホワイトベース組の仲間を守る
※支給品だったので首輪はありません。


【苗木誠@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】ダメージ(中)、疲労(大) 、仮面ライダーウィザードに変身中
【装備】ウィザードライバー@仮面ライダーウィザード、マシンウィンガー@仮面ライダーウィザード、専用の指輪一式
【道具】支給品一式、通信機
【思考】基本:対主催
0:十神くんたちに協力
1:街の外に退避して葉隠くんを守る


【葉隠康比呂@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】ダメージ(大)、疲労(小) 、気絶
【装備】ビーストドライバー@仮面ライダーウィザード、専用の指輪一式
【道具】支給品一式
【思考】基本:生存優先・対主催(対主催をすれば生き残ると占いで出たので)
0:気絶中


【出来杉英才@ドラえもん】
【状態】疲労(中)、謎の悲しみ
【装備】改造デュエルガンダム@機動戦士ガンダムSEED
【道具】支給品一式
【思考】
基本:仲間と共に主催者たちを倒す
0:やったぞ! 研くん達の仇を取ったぞ!
1:市街地に残っている拳王連合軍を倒しにいく
2:のび太くんたちは大丈夫かな?
※バスターガンダムのパイロットがのび太だと気づいていません
※デュエルガンダムにはIフィールド@機動戦士ガンダムが搭載されています

61消えていく光:2016/01/20(水) 22:48:26 ID:c4W66lWw0




死国の近く。
そこでは一匹の猫型ロボットが慟哭しながら死国に向けて走っていた。

「クソッ! クソッ! 畜生ーーーッ!!
よくも仲間を! のび太くんを殺しやがったなぁ!!
あいつら絶対に許さねえ!!」

市街地西側において、一人だけ葉隠を撃退したクロえもん。
その後はのび太や紫龍を助けるべく援護しようとしたが、それより早く紫龍は死に、のび太のガンダムは敵のガンダムに敗れて爆散するところをみると、市街地に残る意味もないと知って逃げ出したのだ。
今、クロえもんの目には守りたくとも守れなかった者への無念と、ホワイトベース組への殺意に近い怒りだけが写っている。

「今は死国だ!
死国に戻れば武器がある、仲間がいる!
それで奴らをひとり残らずやっつけてやる!」

怒りと悲しみに囚われたクロえもんはホワイトベース組を打倒できる武器・戦力となる仲間を求めて死国へ向けて全速力で目指す。

されどクロえもんは知らない。
死国もまた戦場になっているということに。


【二日目・10時00分/大阪市街地 死国の近く】

【クロえもん@ドラベース ドラえもん超野球外伝】
【状態】疲労(小)、首輪解除、強い悲しみとホワイトベース組への強い怒り
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式 電車ごっこロープ
【思考】基本:主催者たちに野球で挑んで勝つ!
0:死国に戻る
1:仲間を殺したホワイトベース組は絶対に許さねえ!
2:最低でも四国アイランドリーグが出来るくらいの仲間を集める
3:イチロー選手を仲間に引き入れたい
4:ドラえもん、のび太くん……すまねえ

【野比のび太@ドラえもん 死亡確認】
【龍星座の紫龍@聖闘士星矢 死亡確認】※支給品なのでキルスコアはつきません

62Wゴロウ 次なる策略:2016/02/29(月) 16:01:11 ID:Ww92PI9Y0
「ちくパちくパ ちくわのパフェなんだよ!
ちくパちくパ おいしいめう おしゃれめう!
ちくパちくパ CKPCKP
ちくパちくパ ちくパ最高ーッ! わぁー!♪」

「ああ、ちくわパフェおいしかったよ。
でもできればちくわとパフェは分けて食いたかったかな」
「めうッ!?」

五郎はちくわパフェをご馳走した芽兎めうに代金がわりとしてアームロックを仕掛けた。
めうは、アームロックの痛みに耐え切れずショック死してしまった。
社畜とはいえマーダーが跋扈するバトロワという非常時に店の営業をしていたこと自体が、彼女のそもそもの大間違いであった。
遮二無二仕事をすることは良いことなのだが、時には投げ出す勇気も必要なのだ……

【芽兎めう@ひなビタ♪ 死亡確認】


殺害しためうの屋台から貴重な食料であるちくわパフェを強奪しながら、マーダーコンビである五郎と吾郎は顔を見合わせる。

「しかし井之頭さん、彼女からいい事を聞きましたね」
「ああ、拳王連合軍のことですか」

二人はめうを殺害する前にちくわパフェを食べながら、彼女からある噂を聞いていた。
最悪のマーダー集団(……と多くの参加者から思われている)拳王連合軍のことである。
めう曰く、殺戮・略奪なんでもござれの凶悪集団であり、既に上がっている被害だけでも広島、兵庫、九州の一部を壊滅へと追い込み、現在は大阪にその毒牙をかけるべく空母に乗って上陸して略奪と虐殺を行っているとのこと。
首輪を異常に早い段階から外していることから主催者との関係すら噂されていた。
そのような危険集団に取り入ろうとする者など普通はいない。
だがこの二人の場合は事情が違った。

「拳王連合軍は県を焼き払えるほどの力を持っている……その人についていけば優勝してこの殺し合いを早期に終わらせられることだって夢じゃない!」
「正直、ガヤガヤと大所帯で同じ釜のメシを食うのは好きじゃないんですけどね……まあ、主催の言っている人口削減を実現させて優勝するためには多少の我慢も必要か」

五郎と吾郎は優勝を狙っている男たちだ。
井之頭五郎はこの殺し合いの表向きの目的である人口削減による食料事情の安定化を、由良吾郎は殺し合いを早期に終わらせて北岡を殺した人物を探し出すべく、優勝を狙っている。
そんな二人にとっては数万人単位で殺人を犯している破壊集団・拳王連合軍は魅力的に写ったのだ。
拳王連合軍に取り入れば、優勝=人口を規定の人数にまで減らせるという意味で、殺し合いを早く終わらせられ、自分たちは優勝者として生き残る道があると思ったからである。

「拳王連合軍ほどの力があれば、私たちを打ち負かしたネオ・クライシス御一行とやらも倒せるかもしれないしなあ」
「そうですね、井之頭さん」

自分たちを敗走させたネオ・クライシス帝国御一行に対抗するにはより強い力が必要だ。
光太郎たちとまた鉢合わせする可能性もある以上、なるべく早く強力な集団に入る必要があった。

「もっとも彼らはホワイトベース組とやらと戦争中らしいですが……」

拳王連合軍は現在、対主催集団であるホワイトベース組と全面戦争中であった。
しかし、その情報を聞いても五郎が慌てる様子はなく、むしろ喜んでいる様子であった。

「由良さん、それは逆に都合がいいじゃないですか」
「都合がいいとは?」
「そのホワイトベース組をやっつける手伝いをすれば拳王連合軍は私たちを迎え入れてくれるかもしれませんよ?
それでダメならちくわパフェを添えてお土産にしましょう」
「……なるほど」

五郎はホワイトベース組から攻撃を受けている拳王連合軍に援護をし、それによる功績によって拳王連合軍に取り入るつもりなのである。
大災害後の世界では貴重な食料であるちくわパフェも、加入するための手土産にはなるだろうと言うのが五郎の算段である。

「そうと決まればいきましょうか由良さん」
「そうですね、井之頭さん。
……あっ、あんなところにボートがありますよ」
「ちょうど良かった。
あの車だと、謎のワープ機能のせいでどこに出るかわかりませんからね」

都合のいい事に、五郎と吾郎は愛知県の浜で流れ着いたボートを発見した。
ボートの中は血まみれで、なぜか三匹の首のない動物の死骸が乗っていたが、二人は気にするどころか貴重な食料をゲットしたとしてディパックに詰めた。

そして、ダブルゴロウは拳王連合軍に合流すべく、愛知県を後にした。

63Wゴロウ 次なる策略:2016/02/29(月) 16:01:39 ID:Ww92PI9Y0
【二日目・9時30分/日本・愛知県沿岸部】

【井之頭五郎@孤独のグルメ】
【状態】普通、満腹
【装備】モンスターボール×4
【道具】支給品一式、調理器具一式、大量のちくわパフェ、首のないヘラジカの肉、首のない猫の肉、首のないサイボーグ猫
【思考】基本:優勝狙いマーダー
0:優勝するためにマーダー集団の拳王連合軍に合流するべく大阪へ
1:食糧事情の都合上、マーダーとして動く
2:生き残るために吾郎と行動する
3:ネオ・クライシス帝国御一行には要警戒

【由良吾郎@仮面ライダー龍騎】
【状態】ダメージ(小)、精神不安定気味、満腹
【装備】ライダーブレス@仮面ライダーカブト、ボート(血まみれ)
【道具】支給品一式 、高級外車
【思考】基本:優勝狙いマーダー
0:優勝するためにマーダー集団の拳王連合軍に合流するべく大阪へ
1:北岡先生を殺した奴は許さない
2:生き残るために五郎と行動する
3:優勝し、殺し合いが終わった後にでも北岡先生の亡骸がある場所や下手人を調べたい
※高級外車には謎井上ワープ機能があるようです
※血まみれのボートは4935話でクロちゃん達(故)が乗っていたものです

64漢達の戦場:2016/03/03(木) 12:25:41 ID:DalKqWvY0
確かに戦闘技術では祐一郎より烈海王の方が遥かに上回っていた。
烈海王の放つ鮮烈なる中国拳法の技の数々がサイボーグとして強化された祐一郎の身体をボロボロにしていった。
祐一郎の放つ握力シュトロハイムの3倍・握力×速さ×体重=破壊力により絶大なパンチ力を秘めたパンチも尽く躱され、戦いは祐一郎がサンドバックのように一方的に殴られるだけの展開が続いていた。

だが祐一郎にも烈海王に勝るものがあった。
“科学力”と“技術力”である!

「貴様、それは……」

祐一郎は、その体から生み出されるスパークで金色に輝く。
祐一郎はでバラバラになって殺されたアドラーの死体から無事だった電光機関を戦闘中にこっそりと拾い、自身の体内に組み込んだのだ。
今の彼は胸に移植した電光機関によって電撃を自在に操れるスーパー祐一郎と言うに相応しい。

「亡き戦友アドラーの力、とくと味わえ!」

烈海王に放たれる怒りの電撃。
電気の速さは光速と同じであり、従って人間がどれだけ鍛えようとも避けらえるものではない。
それは人外だらけの刃牙世界の格闘家と言えども同じであり、光速に近い速度の攻撃を避けられる道理はまずない。

「ぐわあああああああああああああああ!!」

祐一郎の電撃が烈海王を飲み込む。
電気を通さない絶縁体を持っていない烈海王は為すすべもないまま、感電させられる。

「まだだ! 電光機関最大ィィィーーーーーーッ!!」

仲間を殺したマーダーに容赦は無用。
そう言わんばかりに祐一郎は電光機関の出力を最大まであげ、放つ雷をより強烈なものへと変え、一気に勝負を決めようとする。


(焼かれる臓腑……痺れる背骨…どれもハッキリと感じた…
立ち上がることすら…遥かに遠い…
大きな収穫だ…………次に活かせる……………………………)


烈海王は己の敗北を悟って微笑むのを最後に、格納庫の床に倒れた。
肉体の半分近くを電熱で黒焦げにされて心肺は感電によって完全に停止、中国拳法の達人・烈海王はここで大往生したのだった。


「はぁはぁ……電光機関のおかげでなんとか勝てた」

烈海王を下した祐一郎も余裕の勝利とは言えなかった。
肉体はボロボロ、内蔵されたバッテリーも電光機関を使用するために使ったので残量は少なく、サイボーグパンチ一発打つのも厳しいほどの満身創痍である。
これ以上の戦闘は危険だろう。

「僕の本文は戦うことじゃなくて作ったり直したりすることなんだけどなぁ……
はッ、シュトロハイムは!?」

ふと四国からの戦友でありサイボーグとして蘇生してくれた恩人でもあるシュトロハイムの存在を思い出した祐一郎。
サイボーグ忍者と戦っていた彼は無事だろうか……?
そう思った祐一郎は焦りを募らせ、加勢を急がんとする。

65漢達の戦場:2016/03/03(木) 12:26:28 ID:DalKqWvY0



……祐一郎の加勢は間に合わなかった。

「シュトロハイム……」

シュトロハイムと雷電が戦っていたであろう場所にたどり着くと、戦闘は既に終わっていた。
雷電は沢山の銃槍で蜂の巣状態で床に大量の白い血を撒き散らして転がっていた――機能は停止しているようだ。
シュトロハイムはあちこちに大小様々な切り傷・切断傷を作り、その頭部には深々と雷電の高周波ブレード が刺さっていた。
サイボークとして大事な部位である脳がやられれば死は避けられない、すなわち、

   /l | / //   _ヾ: : |(r、ヽl : :ヽ
  /ミヽ、! l |へ   /,) ヾく ̄iノノ : : ミヽ、    ルドル・フォン・
 ノ三ヽヽ/゙Y゙〉 r'゙,.tラ   ゙l  l/ ゙'ーミヽヽヽ    シュトロハイムは
/彡ニ,. -へ、〈 |、! ゙Y´    ゙  ヾ::   \_,.-⌒
|//   r'~レr、k='        l::   /     JoJoに再会
l/   | / ゞ=;i ,...、 ノ    /:::::/   _,.-'´  することなく
    /゙"〉‐<l ゙"、''_/ ,:   /::/'´>>/
     | ,|  ::|.   \-<  //ヾ/--―-、   テラカオスロワ10期の
  _ l゙´」=ラ:|      \_/r'/´ ̄_ -- 、_    大阪戦線で
r''7゙  | r┴-=L、    ,.-'二 ノ ̄
l |  ミトゞ=、__ノノ|    l゙/´       _,. -‐'"´  誇り高きドイツ軍人として
!,. レ, ヾ::::::ノ''"ヾ|   //      _,. -'_,. -‐ラ   名誉の戦死をとげる
ヾ \  Y´  ノノ  ||   ,.-'" ,.-'´ /,.-‐'"



「……くッ、シュトロハイム、アドラー、君たちのことは忘れない! だが今は!」

本当は泣きたいところだが仲間の死を嘆いている暇はなかった。
まだ祐一郎は拳王連合軍がホワイトベース組によって大規模な攻撃を受けていることを知らぬが故に状況がわかっていない。
しかし、自分達と戦った強敵である烈海王、雷電の潜入。死国の内外で響き渡る戦闘音。異常事態が発生しているのは明らかである。
すぐに艦橋と連絡を取り、状況を知る必要が祐一郎にはあった。
もし何かが起こっているようなら、熱斗、彩斗、翔鶴そして仲間達のために動く必要があるだろう。

「高速艇は完成まであと少しだが……まあいい、後回しだ」

街に食料調達に出かけ、死国への帰還が遅れるであろう熱斗達のために祐一郎は高速艇を作って用意していた。
襲撃直前までで完成間近までこぎつけたが、今は残りを作っている時間などなかった。
それでも祐一郎の高い技術力の粋が集められているので未完成でも最低一回は航行できるだろう。
ちなみに死国組の誰かでないと動かせない仕様である。
……残念ながらこれを港に配置する余裕は今の祐一郎にも死国にもないのが問題だが。

高速艇の完成と設置は混乱が収まるまで後回しにするしかない。
まずすべきことは情報を得ることだと思い、祐一郎は格納庫に設置された有線電話に手を伸ばした。


【二日目・9時20分/大阪・死国格納庫】

【光祐一郎@ロックマンエグゼ】
【状態】ダメージ(大)、バッテリー残量(小)、サイボーグ化、首輪解除
【装備】電光機関@エヌアイン完全世界
【道具】支給品一式、自作爆弾
【思考】基本:息子たちをサポートする。
0:この異常事態に対処するためにも艦橋と連絡を取る
1:主催者について調べる
2:できれば九州ロボを取り戻したい
3:熱斗たち大丈夫かなあ……
※九州ロボの制作を提案した人物がいるようです
※度重なる誤解により、巨悪のレッテルを貼られました
※電光機関の使用には体内のバッテリーを消費します。バッテリーがなくなると動けなくなります


【烈海王@範馬刃牙 死亡確認】
【ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険 死亡確認】
【雷電@METAL GEAR RISING 死亡確……

66漢達の戦場:2016/03/03(木) 12:27:24 ID:DalKqWvY0



            斬ッ!!!


「なッ……!? がはッ!!」

有線電話に手を掛けようとした寸前であった。
祐一郎の胸から移植した電光機関を突き破って、夥しい鮮血と同時に一本の刀が突き出てきたのだ。


「死んだふりをしていれば油断すると思ったよ、祐一郎」
「ば、馬鹿な……おまえは死んでたハズじゃ……」


祐一郎を背後から突き刺した下手人……それはシュトロハイムと相打ちになり死亡した男、雷電であった。


「苗木達は本当にいい仕事をしてくれたよ。
俺の修理に必要な自己修復用ナノペーストを持ってきてくれたからな。
それを使えば死亡工作もできるわけだ」

自己修復用ナノペースト――使用するとLIFEゲージを回復する。所持している状態でLIFEが0になると自動的に回復するという代物である。
シュトロハイムと相打ちになった雷電だが、これを持っていたことによって瀕死の重傷から復活したのである。
祐一郎の行動は予想不可能であり、実際に素の実力では上回っていた烈海王も敗れた。
故に雷電はナノペーストを使った死亡の偽装をし、油断をつく作戦を思いついたのである。
いかな祐一郎といえど仲間の死による動揺も手伝ったのか、雷電の死んだふりに気づくことができずにいた。

奇襲によるイニシアチブを得て、祐一郎の心の臓に一太刀入れた雷電。
だがこれだけで雷電はトドメを刺したとは思わない。
サイボーグで心臓部分をやられても生きていられるのはゴマンといるからだ。
確実に抹殺するためにはシュトロハイムのように脳を破壊するしかないのだ。
雷電は祐一郎の背中から刀を引き抜き、トドメを刺すべく祐一郎の頭部に目掛けて必殺の斬撃を加わせようとする。

「こ、ここまでか……」
「ああ、ここまでだ。散っていった仲間や犠牲者達のためにも死ねッ、祐一郎!!」

雷電は対主催だ。
だが、纏っている赤いオーラと強すぎる殺気により、祐一郎の目には凶悪なマーダーにしか映らなかった。
そして祐一郎に迫る雷電の凶刃。その凶刃を祐一郎が防ぐ手立てはなかった。
雷撃……電光機関の破損により使用不能
サイボーグパンチ……ダメージにより使用困難、真正面から打っても雷電なら躱せる
回避……雷電の斬撃の方が早い
防御……リッパーモードの雷電の前に防御は通用しない
完全に手詰まりであると、天才である祐一郎は既に手詰まりであった。


自分への必殺の一撃が迫る中、スローモーションになった視界の中で祐一郎は考える。

(熱斗、彩斗、翔鶴は無事だろうか……)

走馬灯には二人の息子と、一人の娘の姿が浮かんでいた。
一人の父として、息子達の身は心配なのだ。

(いや、きっと無事のはずさ、万が一となるために切り札となるプログラムも用意した。
三人なら僕なしでも大丈夫なハズだ……僕は僕ができることをするだけだ)

だがあ同時に息子達の強さを知っている祐一郎はこの困難を乗り切れるであろうと期待を抱いていた。
信じてるが故にこれからも大丈夫だと確信を持っていた。
そして、祐一郎は一人の大人としてできることをしようとする。


(僕はここまでみたいだが、父として大人として、復興した世界で三人が仲間達と笑い合える世界を作る手助けをする……そのためにも――)
「おまえは息子達の邪魔をするなあああああああああ!!!」


祐一郎は万感の思いを込めて吠えた。
息子達のためにも、仲間のためにも、世界のためにも雷電をここで倒す。
その顔は立派な父であり、大人であり、漢のものであった。









斬ッ!



「うるさい黙れ」

67漢達の戦場:2016/03/03(木) 12:27:59 ID:DalKqWvY0

だが、祐一郎の思いを切って捨てられるかのごとく、祐一郎の頭部は雷電によって両断された。
スイカのように切り開かれた頭部から右脳と左脳に別たれた脳髄が見える。
天才としてこのロワを良くも悪くもかき乱した男・光祐一郎の最期であった……




カチッ
「なに!? 何の音――」



                               ヽ`
                              ´
                               ´.
                           __,,:::========:::,,__
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  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
                ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
                         ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´



それは祐一郎が絶命した直後であった。
突然、祐一郎から爆発が起こり、至近距離にいた雷電がその爆発に飲み込まれていった。
祐一郎は死ぬと同時にずっと隠し持っていた自作爆弾を作動させて雷電を巻き込んで自爆したのだ。
倒せぬならせめて道連れにする――それが祐一郎の答えだった。
いかな切り裂きジャックと言えども、死を覚悟の上で敵を倒そうとした祐一郎の意志までは切って捨てることはできなかったのだ。

閃光と爆音が止むと、死国の格納庫には高速艇とアドラー・シュトロハイム・烈海王の死体、一つのクレーター状の爆発痕とバラバラに砕け散って真っ黒焦げになりどちらが祐一郎のものか雷電のものかわからなくなった無数のガラクタだけが残されていた。


こうして死国格納庫での戦いは両者痛み分けに終わり漢達は死闘の末に皆、散っていった。
願わくば彼らの戦いや死が無駄でないことを祈ろう。



【雷電@METAL GEAR RISING 死亡確認】
【光祐一郎@ロックマンエグゼ 死亡確認】

【二日目・9時30分/大阪・死国格納庫】
※高速艇(未完成)が格納庫に配置されています
 高速艇は死国組の誰かでないと動かせない仕組みになっています
 また、未完成なので一回の航行で壊れてしまう可能性があります

68都庁に散る:2016/03/17(木) 02:13:29 ID:YNo4ru7o0
――都庁地下東部



この世界樹を一網打尽にすべく爆弾を仕掛けようとする貴虎達を止めるべく、南部には小町と影薄達・北部には金竜らのように、地下東部には氷嵐の支配者・ロックオンストラトス(キョウリュウブラック)・賢神トリン(キョウリュウシルバー)が向かっていた。
だが……

「なんて強さだ……」
「こいつ銃弾が効かない!」
『私のシールドすら貫いてくるだと……コイツは一体……!?』

三竜の一角である氷竜、弾丸の勇者にして射撃スキルに長けたキョウリュウブラック、キョウリュウジャーの司令官にして閃光の勇者であるキョウリュウシルバーの一匹と二人は間違いなく強者であった。
しかし、その一行が多大なダメージを受け、皆ボロボロになっている。

『私達がたった一匹にこうまで苦戦するなど……!!』

三者に相対する敵は僅か一体。
人間ではない異形。貴虎の仲間かDMC狂信者かどうか不明だが、襲ってきたところからして都庁の敵であることには違いないようだ。
だが、その一体こそが三者以上に巨大な力を持った強者・実力者であるようだ。

「あってはならない……我々のブレイブがこんな敵に敗れるなど」
「しかし、なんて巨大な奴なんだ……実力も……姿も……」
『く、来るぞォ!!』

“敵”は、ボロボロの三者に容赦なく襲いかかっていった。



そして地下東部に木霊する、絶叫と――嬌声。


◆◆◆

――世界樹地上、地下ダンジョンの入口前。

そこには世界樹の頂上にいるダオス、小鳥、神樹の頂辺にいるエリカを除いた都庁軍の名だたる者達が集まっていた。
地上での狭間率いるDMC狂信者部隊との戦闘が終結した今、残る問題は地下の貴虎達の捕縛のみであった。
既にほむら達が貴虎の捜索に出向いているが、貴虎の戦闘力は未知数でありサクヤによると父である強者ファガンの存在も気配もするとのことでより万全を期すために追加の戦力を地下に送る必要があった。
そのために世界樹の巫女まどかとウォークライ、サクヤは地下に連れて行く仲間と地上に残す仲間を決めていた。

「それじゃあ、メガボスゴドラちゃんについてきてもらおうかな」
「……ゴドー……』
『おいどうしたメガボスゴドラ? 随分やる気がないじゃないか?』

地下にはまどか、ウォークライ、サクヤ、メガボスゴドラが地下に向かうことになった。
皆、都庁同盟軍でもかなりの戦闘力を誇る猛者達である。
特にサクヤは戦闘力のみならず都庁軍に対して誤解を抱いているであろうファガンの説得にも役に立つであろう。
ちなみにメガボスゴドラが若干げんなりしているのは、せっかく手間暇かけて修復した新宿公園辺りを味方によって再び吹っ飛ばされてしまったからである。

「さやかちゃん、フェイ・イェンさん、ラゴンには残ってもらうね」
「本当はついていきたいところだけど……まどかやみんなが決めたなら仕方ないか……」
「私もこんな着ぐるみ来てなきゃ立派に戦えるんだけどなあ……」
「シャアアアアアア」

地上にはさやか、フェイ・イェン、ラゴンが地上に残ることになった。
さやかは戦闘力はなくはないが、それ以上に先の龍脈の龍の攻撃によって世界樹が直接ダメージを受けた際、魔物達の中から少なからず負傷した者が多くでたため、都庁の貴重な回復係として仲間の魔物を癒すべく残る必要があった。
フェイ・イェンは動きにくい着ぐるみのせいで機動力が殺されてため、広大な地下の探索には向かないとのことで地上に残ることになった。
だったら脱げばいいんじゃないかと思ってはいけない。自力では脱げないし、仮に脱げたとしてもロボットである彼女に機械文明を嫌う都庁の魔物が怯えたり、最悪敵意を出して襲いかかってくる可能性もあるからだ。
最後のラゴンは基本的に大人しい生物であるため、戦闘には向かないものとして地上でさやかの手伝いをした方が良いとの判断が下された。

余談だが、ここに登場しない赤竜、カヲル、ラブ、スニゲーターは最初から貴虎捜索班として地下に向かっており、今も地下で貴虎を捜しているか敵と思わしき者達と戦闘をしていると思われる。

地下に向かう者達が決まったところでまどか達はダンジョンの入口の前に立った。

「まどか、今のアンタはあたしより強いのはわかるけど、くれぐれも無茶はしないでね!」
「うん、わかってる。可愛いセルちゃんの面倒を見なきゃいけないのにまだ死ぬ気はないよ。
さやかちゃんは地上の魔物さん達をお願いね」
「ええ、地上の方はあたしに任せてまどか! ……だから貴虎捕まえて絶対に帰ってきなさいよ」
「うん!」

危険な場所へと自ら飛び込んでいく親友のまどかに対して、さやかは彼女の無事な帰還を祈った。
まどかはさやかの気持ちに対して明るい笑顔で答えた。

69都庁に散る:2016/03/17(木) 02:13:59 ID:YNo4ru7o0

『にしゃにしゃにしゃーーー!』
<ああ そこはらめえええええ!
「……」

サクヤは、口をもごもごさせているフォレスト・セルを見やる。
そして、セルの口の中で治療を受けている愛する主人のレストに向けてこう言った。

「……いってきます、レスト様。私も必ず帰ってきますからね」

その言葉は、おそらくセルの中にいるレストには届いていないだろう。
それでもサクヤにはレストには言っておく必要がある、そう思ったのである。


『さあ! 時間が惜しい。
そろそろ出発するぞ! 地上の者達は吉報を待っていてくれ!』

ウォークライの催促により、まどか達一同はダンジョンに入っていった。
そしてまどかの「みんな! 行ってくるね!」という言葉を最後に四者はダンジョンの闇の中へと溶けていった。

◆◆◆

――世界樹地下、中央部。

地上を後にした二人と二匹は、世界樹とリンクしている巫女まどかの誘導に従って貴虎達がいるであろう現場に向かっていた。
世界樹と同盟軍の仲間の被害をより減らすべく奔走するまどか達。

「まどかさん、この方角で合っているのですか?」
「ええ、戦いの気配は地下のあっちこっちにあったみたいだけど、ほとんどが地上の狂信者軍団がやっつけた前後に消えている」
『地下も攻撃を受けたようだが、リーダー格の人間をやられて退却したのか』
「でもほんの数箇所だけ、戦い終わっていないところがあるんだ……そこに貴虎って人がいると思う」

まどかの知覚を頼りに現地に急行する一行。
巫女の示した数箇所こそ、貴虎のいる場所なのだろう。
死闘になると予測される、迫る戦いに一行は身を引き締める。

「ゴドー?」

その最中であった。
メガボスゴドラが何かを感じ取ったのは。

『どうしたメガボスゴドラ?
……なに? 向こうから異臭がするだと?』
「異臭?」

メガボスゴドラが東方向から何やら異臭を感じ取ったらしい。
メガボスゴドラが指を指した方角を一行が見ると、その数10m先には見慣れた影がいくつか見えた。



『まどか……ガハッ!!』
「氷竜さん!? ロックオンさん!?」

東の方角から現れたのは深手を負った氷竜達である。

『氷竜達は確か地下の東部を見張っていたハズ……それがどうしてここに?』
「何があったのでしょうか?」
「ウォークライさん、サクヤさん、メガボスゴドラちゃん、とにかく氷竜さんを助けないと!」

まどか達はすぐに仲間である氷竜とロックオンの元へ駆け寄った。
遠目でわかるだけでも見るからにボロボロで、氷竜は三つある内の一つ・左側の首がちぎれ飛び、ロックオンはバイザーが割れて右目が潰れてしまっている。
……なぜかトリンだけ姿が見えないのが気になるところだったが、すぐにでも手当しないといけないのは明白であった。
まどかは巫女の力を使って急いで氷竜達を治療しようとした。

70都庁に散る:2016/03/17(木) 02:14:27 ID:YNo4ru7o0



「来るな! “奴”はまだ近くにいる!!」
「え!?」



まどか、サクヤ、ウォークライ、メガボスゴドラが氷竜達に駆け寄った瞬間であった。

“何か”が物凄いスピードでまどかを背後から襲いかかってきた。
ちょうどその時、まどかは仲間を治療すべく力を行使しようとしていて、それが致命的な隙となり、奇襲に対応できなかった。
絶大な力を持った世界樹の巫女と言えども、この奇襲を避ける術はなかった……

そして巨大な“何か”によってまどかを貫かんとする。


「危ない! まどかさん!!」
「サクヤさん?!」


何かがまどかを貫かんとする寸前で、奇襲に唯一対応できたサクヤがまどかを庇った。
そして。

「レ、レスト様ッ――」



まどかの身代わりに   サクヤの身が貫かれた。



◆◆◆





「……サクヤ?」




その瞬間。フォレスト・セルの舌による治療を受け続けていたレストの背筋に悪寒が走った。
この場にいないハズのサクヤの悲鳴が聞こえたような気がしたからである……

◆◆◆

71都庁に散る:2016/03/17(木) 02:15:09 ID:YNo4ru7o0

「あ…ああ……」

まどかはただ、目を見開いて愕然とするしかなかった。
動けなくなっていた自分を庇って信頼する仲間の一人、サクヤが巨大な“何か”に体を貫かれたからだ。
仲間達も同様に動揺の色を隠せなかった。

「う……レスト様ッ……」

サクヤ自身も動揺していた。
貫かれた幹部からポタポタと血が地面に落ちる。
そして、内側からグングンとこみ上げてくるもの……激痛、恐怖、絶望。




「こ、この……身と心はレスト様に捧げたかったのに……こんなのって――」




サクヤの瞳の色が絶望に染まり、光を消していった。





「――でも感じちゃうのあぉおおおおおおおお! ふぁあああああ!!」




だが、サクヤが上げた絶叫は、どこか艶っぽい嬌声であった。
その表情は絶望と悦楽を交えた形容しがたいものになっており、悲しみのものとも喜びのものともつかぬ涙を流していた。
愕然としていたまどか達は更に唖然とする。
そして……サクヤの体から巨大な“何か”が外れ、サクヤの身体がボトリッとダンジョンの床に落ちた。

「サ、サクヤさーーーんッ!」

我に返ったまどかは悲鳴をあげる。

『いかん、反撃だ!』
「ボスゴドォォォーーーッ!!」

次に我に返ったウォークライとメガボスゴドラが、サクヤを貫いた“何か”いや“敵”に向けてブレス攻撃とステルスロックでそれぞれ攻撃に移った。
怒りと憎しみを交えた渾身の一撃である。

72都庁に散る:2016/03/17(木) 02:15:34 ID:YNo4ru7o0

「……悪いが、炎はワシには効きが悪いんじゃ、そっちのゴツイのの岩攻撃も威力がまるで足りんな」
『なんだと!?』

だが二匹の渾身の攻撃は“敵”にほとんど通用しなかった。
せいぜい後退させて、地面に倒れているサクヤから引き離すのが関の山であった。

「サクヤさん!」

二匹が“敵”を引きつけている内に、まどかは倒れたサクヤを助けようとする。
しかし……それは手遅れであった。まどかの顔が青ざめる。

「……そんな、し、死んじゃってる……」

この時、サクヤの脳の方は過大な電気信号でも流されたのか、脳細胞が焼ききれていた。完全なる死である。
世界樹の巫女と言えども、死を治療する術はもたなかった。
仮に出来ていたとしても、何らかの理由で死者蘇生ができなくなったこの世界ではサクヤを取り戻す方法は、ない。
聖煌天の麒麟・サクヤはここで果てたのであった……


「ゴドォーーーッ!!」
『おのれェェェ!! よくもサクヤを!!』

かけがえのない仲間の死に怒りに打ち震える、メガボスゴドラとウォークライ。
あまり効かないとわかっていても“敵”に火炎攻撃と岩石攻撃を繰り出す。
そうすると薄暗かったダンジョンが火炎の残り火によって明るくなっていき、視界不良で見えづらかった“敵”の全景が見えた。
サクヤを殺害した“敵”の正体、それは














           /´ ̄`ヽ            , --、
          /  人   l             /    \
        / /爻ヽ  ヽ      , ---、 | く⌒ヽ ヽ , -─‐-、
        { /∠⌒ヽ }  }       / ,--、ヾ> ヽ } レ'  , ---、 ヽ    ____,
        レ'彡イ {Uj }ヾミイ       {  \ } }|  V /  /     `! |  t´r'⌒
    ⌒)ノ  |  ドこzン八三}     ,ィ\/⌒ヾ ̄ヾノ_ノ  ァ'-─-、 ゞL__,〃
     (ソ⌒ヽ! ト--イ ⌒__,ハ  ,ィシvく}了ミy'´7´l}_, -‐┴-、   `ヽ  ̄ ′
      レ)   ! ト--イ (  ノ `ーべ⌒ヽ>y' 〃, -┴┴ミ、_}_}_}_j ヽ⌒) j
      ヽ)、___,>、ト--イ ))〈     ト㍉チrく    // ̄ヽ、_) / /  _..._
  '⌒>‐ミ、 \)こZヾ--ヘ{{ l|  y' ゝ ヾミ゙)'}|≧>、 / /バ⌒ヽn V/ 〃⌒ヽ
  (⌒ヾ>ニKド、⌒Yく_/ヽj} 人_ゝ__>==1 r彡"´/ / | |   /y'}[__//    `     「我、参上!」
    ,ィ  ゙̄Vソ,イノ \__ム丁了)ノr'ン´フノ ィ彡/| | ヽヽ. // ヽVソ´
   / / r‐ヘ `Y {    [二[| ,勹77´ ̄ シ三彡'/| |\ ヽV/ミ、_} Kミ、
  { {   トZべ.」 |   [三}〒ラ77 (_)(_) r三/ / | |> \f⌒l/l | L }
 ヾl |  l三ィ∧ l __. [三}⊥.イ工===ァべ/ /,ィ| |/>l{ l>}X.| |゙)レ′
  ヾ, ヽ  {三N>} Y二ヽ」ニ/l⌒ヾ´  /  {O}___」 |/rくゝ _ソ\l |(
   >、 \ 缶jfハ >n' fy' l ⌒y} //⌒\/rヘ l/ /7㌦\j j
  /∧>、_/フイ/7-Vきy'/1 |(⌒)|}./|ト、   \j.ハ ヽ. //) l| //
  !{ニ///,イ///∠7/Zl{ |ィ^トl|\.j| ノへ.____}へ. V/´ ヽV./
  ゞ〃'Tヽ 〃´ ̄ ̄〃⌒l  VハVj  }ソ       ヽ \  //
  ケミ三彡"     /   ゝ ゞ= 'ノ二/         \ ゝ" /


5期を代表する大量殺戮マーダー ご立派様 もとい マーラ様のご顕現である!!

73都庁に散る:2016/03/17(木) 02:16:29 ID:YNo4ru7o0


「キャッ!!」
「ゴ」
『くッ……なんて大きさだ、巨根と言われた俺よりも遥かに大きいぞ!』


そのご立派にどストレートすぎる姿に、まどかは顔を真っ赤にして思わず両手で目を覆った。セルのような異形を可愛いと言ったまどかでもコレは流石に無理らしい。
メガボスゴドラはドン引きし、ウォークライは思わず息を飲んで悔しさを覚えた。

そんな仲間達に氷竜とロックオンはツッコミと警告を発した。

『気をつけろみんな! 特にウォークライは悔しがっている場合かァーーーーー!』
「ふざけた見てくれにだまされるな! こいつは恐ろしく強ぇぞ!
俺達はこいつ一匹にボコボコにされてやむを得ず東部からここまで撤退させられた!」
『撤退の途中でキョウリュウシルバー……賢神トリンも殺された』
「そんな! トリンさんまで……」

氷竜達の口から伝えられた賢神トリンの死にまどか達は更にショックを受ける。

「クソッ…トリンのあんな死に様なんて見たくなかったぜ……」


◆◆◆

撤退途中でマーラ様に捕まり、餌食となったキョウリュウシルバーことトリンの最期↓

「ロックオン……すまないが私はここまでだ。
世界の平和と、空蝉丸の仇討ちは他の皆に任せたぞ」
「トリーーーンッ!!」
「……しかし、このご立派なモノにズボズボやられてるとブレイブとかどうでもよくな……アーッ!!」
「トリーーーンッ!!(ドン引き)」

◆◆◆

『言え! 貴様は何者だ!
貴虎の仲間か? それともDMC狂信者か!
何者であれ、仲間を傷つけ殺した貴様を許す気は毛頭ないがな!!』

仲間を辱めて殺したマーラ様に対し、ウォークライは烈火の如く怒りの咆哮を放つ。
常人なら失禁もしくは失神しかねないほど迫力であった。
だが、その気迫を前にしてもマーラ様は、眉一つ微動だにすることなく、質問に淡々と答える。

「貴虎? 誰じゃそれは?
それと惜しいが、ワシはまだ狂信者に協力こそしておるが、狂信者集団には入団してはおらん」
『なに?』
「ウィツァルネミテア……DMC狂信者のリーダーじゃな。
そやつがワシDMC狂信者に入るために条件をつけてきたんじゃ」

DMC狂信者は基本的にクラウザーさんを信仰しているなら誰でも入団を許可するような組織だが、ビッグサイトにて大神ウィツァルネミテアもとい池上彰ボイスの翼人ディーはマーラ様にだけ入団するための特別条件を出していた。

「都庁の軍勢もしくはそれに連なる、名だたる者達の首を五つ持って来いだそうだ」

都庁同盟軍の名だたるもの五名の死。
それがディーがマーラ様に課した入団の条件であった。
ちなみにマーラ様が貴虎を知らないのは、貴虎の持っているN2爆弾で地下から世界樹を吹き飛ばす計画をディーが知らせてないからである。
実はマーラ様の目的がクラウザーさんを掘ることだと気づいたディーが、マーラ様には都庁同盟軍の戦力を削りつつ爆弾の大爆発で死んでもらうために鉄砲玉として利用するための方便として世界樹地下に必要な情報を隠して送り込んだ……のかもしない。

「既に二人殺したから、ワシが入団するにはあと三人絶頂させる必要があるワケじゃな」
「貴様……ッ!!」

マーラ様は先に殺したトリンの生首(アヘ顔)を馬車から取り出して、まどか達に見せびらかした
普段は冷静なロックオンすら怒りを覚えていた。無論、その怒りは他の同盟軍の者達も同じである。
そして。

74都庁に散る:2016/03/17(木) 02:17:05 ID:YNo4ru7o0

「許さない……!」

あの温厚なまどかさえも、強い怒気を放っていた。
仲間の純潔を奪い殺したマーラ様への怒り、何より仲間に助けられ、仲間を助けられなかった自分への怒りが、彼女の力を増大させていた。
怒りによる膨大な魔力によって、足場周辺がひび割れ、埃や砂、小石が宙を舞う。
その様子も見て、マーラ様は何かに気づいたように。

「……なるほどのぉ、『巫女』になり得る魔力を秘めた器の一人か」
「?」
「いや、なんでもない。忘れてくれ。
ふむ、どうやらお主はこの中で一番強いようだのう」

マーラ様の言ったとおり、まどかはこの一行において最強の戦力であることには間違いなかった。
世界樹の巫女と化したことによって得られた膨大な魔力は、ウォークライ、メガボスゴドラ、氷竜、キョウリュウブラックを圧倒できるものであろう。

「……いくよ、みんな!」
『サクヤとトリンへの弔い合戦だ!』
「ボスゴドーラッ!!」

そして最高戦力であるまどかを筆頭に、彼女の点呼に応じて一行は攻撃態勢に入った。
マーラ様への、総攻撃が放たれる。





「だが、まだ青いの」
「……な、早い!?」

まどか達の総攻撃を、マーラ様はスイスイと躱し、一行に急接近した。

そして、ぶちりッと何かが引きちぎられる音とともに、鮮血が周囲を染め上げた。
誰の血だ?
まどかか、ウォークライか、メガボスゴドラか、氷竜か、ロックオンか。
いや、その五者の誰でもなかった。

マーラ様はサクヤの生首をその手に握っており、残されたサクヤの骸の方からは首から先がなくなっていた。

「これで首は二つ目、残り三つじゃなあ」
「サクヤさんをよくも……」

サクヤの死体から首をもぎ取ったマーラ様の残酷な所業に更なる憤りを覚えるまどか。
だが、それ以上に留意する点が一行にはあった。

『それより、なんて速さなんだ?! まともに捕捉できなかった……』

驚くウォークライにマーラ様は答える。

「ああ、血と汗と精が滲むような修行の成果じゃよ。魔界でのな」


しばらくカオスロワにそのご立派な姿を見せていなかったマーラ様は、この10期に登場するまでに遊んでいたわけではない。
魔界に帰り、修行していたのである。
時にはイチローのレーザービームに敗れ、時には南春香に絞り尽くされて、ペルソナになったりもしたが、マーラ様はこのままではダメだと思い奮起し、ずっと魔界に籠って修行していたのだ。
結果、HPもMPも力も体力も速さも魔力も運も、硬さも持続時間も白濁液の濃さや量も相手を喜ばせて殺すテクニックも全てが格段にパワーアップしていた。
能力値はだいたいカンスト、もしくはそれ以上の能力値をたたき出しているかもしれないほど、強くなっていた。
更にマーラ様は女神転生シリーズによっては氷竜のアイスシールドのようなガードを無効化するたたり生唾やメギドラ、物理攻撃を反射するテトラカーン、炎系最強技マララギダイン、強化魔法をリセットするデカジャ、その他地獄突きなどの強力な技を持っていたり、間違いなくロワ全体で見ても強者の部類であろう。
実際、攻撃力だけでもレストの魔物と化していることで装備の恩恵によって被ダメージ半減の能力を持っていたのサクヤさえ、背後からだったとはいえ一撃で仕留めてしまった点から察するに絶大なものであろう。
その実力は世界樹の巫女まどかでさえ油断すればすぐに餌食となるだろう。


制限能力のある首輪は?→マーラ様の放つヌルヌルの液体(カウパー腺液という)によって途中で外れてしまった。

「どうした? そそり立つワシを前にして怖気づいたか?」
「……」


マーラ様の戦闘力は地上で暴れまわった狭間、そして味方であるダオスかレスト並、もしくはそれ以上かもしれない、その事実にまどか達は戦慄する。
こちらはまどかを除けば放つ攻撃がほとんど効果を見せないウォークライとメガボスゴドラ、手負いの氷竜とロックオン。
都庁で最強クラスの力を持つセル、ダオス、レストは救援に回れない。
更にマーラ様の後には貴虎も控えている。
正直に言えば部が悪いと言えよう。

75都庁に散る:2016/03/17(木) 02:17:37 ID:YNo4ru7o0

しかし……

「それでも、私は逃げない!
ここであなたを逃がしたら、都庁の皆の誰かが死ぬ。そんなの私が許せない!」

ここで退けば、マーラ様は都庁の深部に入り込んで多大な被害を及ぼすだろう。
被害が拡大した分だけ貴虎は都庁に近づきやすくなり、世界樹は爆弾によって壊滅する。
それを阻止するためにもまどかは恐れを振り払い、勇気を持って戦う必要があった。

「ゴドラ!!」
『そうだ! どんな強敵が相手でも我々は逃げはしないぞ!』
『頭部が一つ潰されたが……まだいける!』
「俺も、右目の一個くらいで怯みやしねえぞ」

まどかの勇気に鼓舞されるが如く、四人の戦士達も立ち上がった。

「死んでいったトリンさんやサクヤさんのためにも、あなたはここで倒す!」
「いいだろう、その勇気に敬意と愛液を込めて、全力を持ってワシのテクニックで昇天させてやろう!」


死闘、開幕。

都庁地下に現れた驚異、ご立派な邪神マーラにまどか達は打ち勝つことができるのか?


【二日目・10時00分/東京都・世界樹地下中央部】

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ(小)、世界樹の巫女、左脚に怪我、激しい怒り
【装備】世界樹の衣
【道具】支給品一式 その他不明、モンスターボール(フォレスト・セル)
【思考】基本:自分も戦い、みんなで生き残る
0:マーラを倒す
1:マーラを倒し次第、貴虎を探す
2:クラウザーさんのためにも、DMC狂信者の暴走を止める
3:サクヤさん……
※巫女の祈りにより、魔法少女に近い存在へとなりました
※ソウルジェムなどはないので、肉体が致命傷を負えば普通に死亡します
※衣装はアルティメットまどかのものを2Pカラーにした感じです。戦闘力もそれの劣化版
※世界樹の王@世界樹の迷宮と同じスキルが使用可能です


【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【状態】疲労(小)、首輪解除、攻撃力1.5倍、被ダメージ半減
【装備】無し
【道具】支給品一式、余った真竜ニアラ
【思考】
基本:世界樹の防衛
0:マーラを倒す
1:マーラを倒し次第、貴虎を探す
2:レストを信頼
3:サクヤをよくも!
4:俺を超える巨根など認めるものかあ!!
※レスト直属の魔物のため、装備の恩恵によりステータスが上がっています


【メガボスゴドラ@ポケモン】
【状態】疲労(小)
【装備】不明
【道具】支給品一式、大量の土と樹
【思考】
基本:ダオスに着いていく
0:マーラを倒す
1:マーラを倒し次第、貴虎を探す
2:縄張り以外でも自然環境を破壊する奴は容赦なく頭突く
3:ダオス達のサポートを行う
4:せっかく植林したのに何度も壊すのはやめれ(切実)
※現段階で判明している所持技はアイアンヘッドとステルスロック。その他不名


【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、左側の首喪失
【装備】無し
【道具】とけないこおり@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:都庁同盟軍と共に生き残る。DMC信者は殺す
0:マーラを倒す
1:マーラを倒し次第、貴虎を探す
2:鹿目まどかは必ず守る
※一定の魔力を有する相手であれば、テレパシーで会話可能



【ロックオン・ストラトス@機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-】
【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、右目失明、弾丸の勇者
【装備】ハロ×2@ガンダムOO、ガブリボルバー、ガブリカリバー
【道具】支給品一式、ドラグノフ狙撃銃@現実、獣電池(パラサガン)×6
【思考】 基本:都庁同盟軍の仲間として殺し合いを止める
0:マーラを倒す
1:マーラを倒し次第、貴虎を探す
2:トリン……アンタのブレイブは引き継ぐ!
※キョウリュウジャーとして認められました。キョウリュウブラックに変身可能となり、竜と話せます。


【賢神トリン@獣電戦隊キョウリュウジャー 死亡確認】
【聖煌天の麒麟・サクヤ@パズドラ 死亡確認】

76都庁に散る:2016/03/17(木) 02:18:18 ID:YNo4ru7o0


【マーラ様@女神転生シリーズ】
【状態】とっても健康、首輪解除
【装備】己のご立派様
【道具】支給品一式、トリンの生首、サクヤの生首
【思考】
0:まどか達を昇天させる
1:DMC狂信者入りして男女種族問わずヤりまくる
2:復活したクラウザーさんともヤる
3:誰かが混沌の神を召喚した様じゃの…まあいい
※ディーによってDMC入団のための特別条件・都庁の名だたる者の首を五つ集める(残り3つ)を課されました
※貴虎が世界樹を爆破しようとしていることを知りません
※魔界で修行した結果、ものすごく強くなっています


【二日目・10時00分/東京都・世界樹地上部分】

【フォレスト・セル@新・世界樹の迷宮】
【状態】上機嫌、小ダメージ(再生中)ポケモン状態、首輪解除、神樹とドッキング中
【装備】不明
【道具】不明
【思考】基本思考: マドカ マイ ゴッデス 
0:まどかの命令通り、レストを舐めまわして治療する
※巫女の祈りにより、固定思考の呪縛から解放されました
※体質により、テラカオス化ナノマシンも浄化、その影響も受けません
※他者の穢れなども浄化可能ですが、満腹状態では不可
※まどか以外には何を言っているか理解できませんが、まどかの手で言葉を教えることはできるようです
※常人にはセルの表情変化はわかりません


【レスト@ルーンファクトリー4】
【状態】中ダメージ(再生中)、中魔力消費、精神大ダメージ、各種超耐性、テラカオス化治療中、エーテルリンク中、首輪解除 【装備】最大錬成世界樹ノ剣、最大錬成防具、草原のペンダント
【道具】支給品一式、不明品、封じられた闇核
【思考】
基本:都庁同盟軍を守りつつ星の自然環境改善
0:サクヤ……?
1:影薄三人と同盟軍の味方は助ける
2:謎の物質への対抗策を早く見つけたい
3:機械っぽい外見の奴とDMC信者は問答無用で潰す
4:鬼灯を警戒。協力はするが、狸組も一応警戒
5:あわよくば竜と結婚できる世界を作りたい
6:天魔王軍とDMC狂信者、拳王連合軍は絶対に許さない
7:能力低下攻撃への対抗策を手に入れたい
※ブリーフ博士の技を覚え、首輪解除が可能となりました
※候補者の一人となりました。現在はその肉体と竜の力でテラカオスの力を制御していますが、なんらかの要因で抑えきれなくなる可能性もあります
※進行を抑えているため、テラカオス化が進むことによる新たな能力取得はできません
※治療が済むまで(セルが満足するまで)自力で外に出ることができません
※サクヤの死を直感で感じ取りました


【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】基本:マミさんの為にも、殺し合いを止める。
0:負傷した魔物の手当をする
1:まどかを守る
2:都庁同盟軍の仲間なら魔物でもいちおう信頼する
3:天魔王軍とDMC狂信者、拳王連合軍は絶対に許さない
4:本当はまどかについていきたいけど……
※8期、9期とは関係ありません
※放送の内容をラブ達から聞きましたが、上条恭介の死を知りません
※フェイ・イェンの話より天魔王軍の存在を知り、都庁の軍勢への誤解が解けました
※フォレスト・セルがいる限り汚れを浄化できるため、ソウルジェムに汚れがたまりません


【フェイ・イェンHD@スーパーロボット大戦UX】
【状態】ダメージなし、等身大、ミクジャナイヨーフェイダヨー
【装備】ジェイド・フォーキー 、ミクダヨーさんの着ぐるみ@現実
【道具】支給品一式、ドラムセット、獣電池(トバスピノ) 、ガブリチェンジャー、ザンダーサンダー 、獣電池(プテラゴードン×2)
【思考】基本:都庁の仲間と共に殺し合いを止める
1:ラゴンと共にさやかを手伝う
2:アニキたちの身の安全が心配
3:アニキと共に自分の歌をみんなに届ける
4:死んだ『あの子』のためにも必ず殺し合いを終わらせる
5:SATSUGAIとか言ってる人達は必ず止める
6:あの歌は一体……?
7:この着ぐるみ、諸事情で脱ぎたくとも脱げないです!
※アニキの持ち歌はほぼマスター済みです
※獣電池にブレイブインできるかは不明です
※キルコたちや天魔王軍に死んだものと誤解されています
※都庁軍を偽る天魔王軍の存在に気づきました
※獣電池から太古の祈り歌を聞きました。半覚醒なのでまだ1番までしか聞けません。
※さやかの治癒魔法で傷を回復させました

77都庁に散る:2016/03/17(木) 02:18:40 ID:YNo4ru7o0


【海底原人ラゴン@ウルトラQ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、メカ救急箱@ドラえもん、冷凍マグロ
【思考】基本:シャアア!
1:フェイと共にさやかを手伝う
2:いい歌が聞きたい
※雌です

78悪夢のゴリッパーティ:2016/03/18(金) 23:46:59 ID:TrESMWm60
東京都庁の地下に広がる、かつての世界樹の名残たる真朱ノ窟。
生物の体内を彷彿とさせるような、おどろおどろしい広大な迷宮。
それは地下へと蓄積され続けた長年の穢れが原因だ。
そんな迷宮に、新たな穢れが生まれ続けていた。
その穢れの名は――猛毒――

「うおぇっぷ、ですぞwwwwwwww」
「くっ……!」

霞龍オオナズチの口から、汚らしい猛毒が吐き出される。
それを寸でのところでかわすのは、仮面ライダー斬月。

「……」

その回避場所に冷静に弾丸を撃ち込むのは、魔法少女のほむらだ。

真朱ノ窟にて発生した、世界樹を守ろうとする者と破壊しようとする者の戦い。
その戦いはもう、1時間以上にも及んでいた。

「はぁっ!」

斬月の持つ弓から超速で放たれる矢が、撃ち込まれる弾丸のほとんどを叩き落とす。
撃ち落としそびれても、弓を剣のように振るって弾き飛ばす。

(この距離でも反応できるというの!?)

仮面ライダー斬月こと、呉島貴虎の戦闘能力は驚異的なものであった。
ライダーとしての強化を抜きにして、呉島貴虎という男が持つそもそもの耐久力と反応速度が明らかに人間の域を超えている。
崖から叩き落とそうが、海の底に沈めてやろうが死にそうな感じがまるでしない。
魔法少女となり、純粋な人間ではなくなったほむらさえもが、そう評価せざるを得なかった。

「ぴきー!」
「いつまで、ちょこまかと動くつもりだ! 漢なら拳で勝負をせんかぁ!」

そして貴虎が引き連れていた魔物もまた強者揃いであった。
弱そうな外見ながら驚異的なスピードで灼熱の炎を吐くスライムと、光の闘気を纏った双拳を振るう黄龍。
そしておそらく、この攻撃をかわした先には究極邪龍とグレイトドラゴンのブレスが待ち構えているのだろう。

――カシャン――

その瞬間、世界の時は止まった。ほむらが持つ魔法、時間停止だ。

「オオナズチ、ステルスの用意。霧ももう一度張り巡らせなさい」
「いい加減しんどくなってきたんですぞwwwww
 というか、なんであのメロンはステルス+時間停止からの弾幕射撃を捌けるのか理解不能wwwwwww」

戦力的に劣るほむら達がここまで斬月達を相手に戦うことができたのは、二人の能力によるところが大きい。
時間停止と完全ステルス。凶悪な組み合わせであり、本来であれば敵対者は何がおきたか理解できぬままに死ぬ筈なのだが。
先にも言った通り、とにかく斬月が謎の超反応をしてきて仕留めきれないのである。
ほむらの武器は魔力強化が付与されたとはいえ通常火器、オオナズチの攻撃もいやらしいが一撃必殺の大技は所持していない。
せめてもう一人、誰か火力担当がいればこうはならなかっただろう。

79ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:47:54 ID:TrESMWm60
「今ので分隊支援火器の弾も底をついたわ。これ以上となると……」

既に拳銃弾は残りわずか。散弾も撃ち尽くし、今の攻撃で分隊支援火器まで打ち止めとなってしまった。
ほむらは知る由もないが、彼女の強化された弾丸が決定打足りえないのにも実は理由がある。
究極邪龍が常時展開しているという防壁だ。ヘルヘイムの持つその能力は、闇属性ダメージの半減の効果を持つ。
パズドラ界隈においては服や髪の色で大体の属性が決定づけられているようであり、黒と紫を基調としたほむらは彼の中で闇属性認定をされている。
つまり放つ攻撃が全て半減されていたのである。

「――こいつしかないわね」
「迫撃砲wwwwwwこんなところで撃って大丈夫なんですかなwwwwwwww」
「これが駄目なら対艦ミサイルしか残ってないのよ」

流石に世界樹の地下で対艦ミサイルを撃とうものなら、まどかにダメージが行ってしまう。
仮にまどかが無事でも、ダオス達からは激怒されるのは想像に容易い。
5門の迫撃砲は、現状でほむらが行使可能な最大火力というわけだ。

「……やはり、待ち伏せていたわね」

時間停止の中で少し移動すれば、柱の陰には究極邪龍とグレイトドラゴンがやはり大口を開けて待ち構えていた。
あの場で時間停止を使わず回避行動をとっていれば、確実に二匹のブレスの餌食となっていただろう。

「狙いは、外さない。外すわけにはいかないのよ」

そう言ってほむらの迫撃砲が狙うのは、二匹のドラゴンの口の中だ。
幸いにして、ブレスの構えに入っている二匹の口は大きく開かれている。


――そして時は動き出す――


「ゴッドヘルブレ――!?」「グォウウ!?」

直後、ブレスの発射よりも早く、ドラゴンの口内で迫撃砲は炸裂した。
防壁があるとはいえ、流石に口内、つまりは体内側からの爆破はいかなドラゴンといえども耐えられるものではない。
爆風と共に血と肉片を撒き散らせて、二匹のドラゴンは真朱ノ窟を彩る朱の一部となった。

【究極邪龍・ヘルヘイム@パズドラ】
【シーザー@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】

それぞれL16 81mm迫撃砲の爆撃により、死亡

80ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:48:37 ID:TrESMWm60
「何っ!?」
「ぴ、ぴきぃぃぃぃぃぃぃ!?」
「おのれぃ!?」

オオナズチが発生させた濃霧の中でも、ヘルヘイムとシーザーの死を残された斬月達は理解した。
それと同時に、さらなる怒りが沸き起こる。
特に純粋であり、仲間の死を誰よりも嫌うスラリンの怒りは凄まじい。

「ぴきぴきぴきぴきぴきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」

濃霧を吹き飛ばすように、でたらめに灼熱の炎を吐きまくる。
敵の姿を頻繁に見失うのであれば、隠れられる場所も自分たちの周囲も何もかも焼き尽くしてしまえばいい。

「くぅぅぅ!?」

スラリンのがむしゃらなその戦い方はある種で正解であった。
いくら時止めステルスが使えるほむら達であっても、今現在はこの階層から移動が出来ない状態。
逃げ隠れする場所を潰し、全方位を焼き払えばいつかは炎は命中する。
悲しいことに、仲間の数が減ってしまったことが、無差別攻撃とも言えるそれを可能としたのだ。

「ぐふ……炎弱点でサーセンですぞ……」
「オオナズチ!?」

そして、ほむらは盾に魔力を集中させることでワルプルギスの夜の放つ火炎弾を防ぐだけの防御能力を持つが、オオナズチはそうもいかない。
どころか、霞龍オオナズチにとって炎は最も苦手とする属性なのだ。

「そこかっ!」
「うぐ!?」

そしてダメージにより動きが鈍ったオオナズチとほむらに、斬月の容赦のない射撃が飛んでくる。
霧が晴れれば、黄龍の拳も飛んでくるだろう。

(ああ……世界樹が、燃えていく……)

射抜かれた肩を押さえながら、ほむらは目の前の光景を眺めていた。
ほむらにとっては、まだ世界樹への思い入れなど無いに等しい。
だが、ここの魔物達の反応、それに大気の浄化のためにも欠かせないものだということは理解した。
そしてそれよりなにより――まどかの願い。
彼女は祈りにより世界樹の巫女となった。人と魔物を繋ぐ巫女の力は、魔法少女に近しいものがあった。
もし、魔法少女と同じように、ソウルジェムと同じような存在があるのだとすれば。
それはきっと――この世界樹だろう。

「ま、まどかっ……」

立ち上がらねば。そう思えども、もはやほむらにはどうすることもできなかった。
武器は底を尽き、オオナズチも既に瀕死の状態。
この階層に住んでいた魔物達も、主戦力である免疫細胞と蟹のほとんどが殺害されていては増援としては期待できないだろう。
せめて、地上に逃げることができれば。あるいは、地上からの援軍が来てくれたならば。
だが少し前に発生した大地震。それの落盤によりダンジョンの構造は変化してしまい、階段も埋もれてしまった。
この事件さえなければ、こんな事態にはならなかっただろうにと、ほむらは歯を噛みしめる。

81ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:49:11 ID:TrESMWm60
せめて最後に一矢報いる――対艦ミサイルをぶつけるという最終手段はあるにはある。
だが万が一これを失敗すると、よくて自分自身が世界樹崩壊を招いたテロリスト。最悪の場合は最愛のまどかを殺した女となってしまう。



「また爆音が聞こえてきたぞ。どうやら近いらしいな」
「今、助けに行くゼーット!」


そんな考えすら打ち砕くような、絶望の声がほむらの耳に届く。

(そん、な……ここにきて、相手側に増援ですって……)

これでは対艦ミサイル一発で全員を仕留めることは難しい。声の聞こえた方向は斬月とは別のものだからだ。
そしてその声は都庁の魔物でもなければ、同盟を組んでいる仲間のものでもない。つまりは――敵だ。

「む、新手のインベスか!?」
(だからインベスってなんなのよ?)

少々相手側の反応もおかしいが、増援が顔も知らないDMC連中であればその反応はわからないでもない。
また呟いたインベスという単語が気になりはするが、既にほむらの心は折られかけ、心の中でツッコミをいれるのが精いっぱい。

「だが、どれだけのインベスが来ようと、私は立ち止まるわけにはいかない!」

そんなほむらに対して、斬月の弓が向けられる。
メタルシザースの群れをまとめて貫いた、ソニックボレーの構えだ。

(ごめんなさい……まどか……)

収束していくエネルギーを見、ほむらは己の最期を知る。


「あ、あれは!?」


最後に耳に届いたのは、何故か聞いたことのない女性のものであった。

82ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:49:41 ID:TrESMWm60
「ちょ、ちょっと待ったぁ!?」
「ぬおっ!?」

女性の一喝。
直後呉島主任に、オリハルコンのトンファーブレードが振り下ろされる。
主任は辛くもこれを回避するが、事態の混乱はさらに加速することとなった。

「こ、こんな小さな女の子に弓を向けるとか何考えているんですか!?」
「むぅ、なんという凶暴な女だ!? やはり人型は全てインベスで、私を惑わそうという魂胆か!?」
「会話が噛み合わない……つまり奴は、間違いなくDMC信者だ!  工 作 し て や る  ! 」

新たな仮面ライダーと婦警が斬月を警戒しにかかる。
この乱入者達こそ、DMC信者や主任組とはまた違った理由から都庁へと潜入しようとしていた警察組である。
何も知らない彼らが見れば、斬月の行為はぼろぼろの中学生に弓引く変質者だ。
ちょっと普通ではないが、婦警のキルコからすれば止めざるを得ないし、ゴロリからすればいかれた殺人者は全てDMC信者=殺すの方程式が完成している。

「これは、どういうことなんだゼーット!?」
「まきょ〜……」

比較的常識人な残りの仲間達は、二人のように斬月に襲い掛かるような真似はせず、状況の把握を急ぐ。
とりあえずわかっているのは、ここが都庁の地下、魔物の巣窟であるという点だ。

「なるほど、わからん」

そしてチェイスは最終的にその結論に達した。
そもそも何故こんなやばいダンジョンに中学生がいて、かつ魔物同士で争っているのか?
状況から判断するに、ぼろぼろの中学生とブサイクは仲間なのだろう。
それに対して弓をひくメロンとちいさなプルプルもやはり仲間なのだろう。
双方ともに、魔物を仲間として引き連れているということは、つまりどういうことなのか。
情報があまりにも少ない。そもそも都庁の地下がダンジョンになっていることからして予想外な事態だったのだ。
ここは冷静になって状況を整理しないと、何か取り返しのつかないことをしでかしてしまうのではないかと――




―――ふぁあああああ!!



「「?!」」

そんな緊張感ただよう空気の中、場違いな少女の嬌声がどこからともなく響いてきた。

「サクヤッ!?」

そんな中、黄龍ファガンだけはそれが娘の断末魔であることを瞬時に理解した。

「いま、パパが助けにいくぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ――――ッ!」

そして理解と同時に、凄まじい脚力で悲鳴が聞こえてきた方角へ駆け出していく。
彼の頭には既に娘の事しか頭になく、もはやオオナズチとほむら、新たな第三勢力のことなど二の次だ。

「待て、ファガン! インベスだらけのこの場で単独行動は危険だ!」
「あ、待ちなさい! まだこの子になんで弓を……こらー!」
「逃さんぞ、DMC信者め!」

そしてファガンが駆け出すと同時に、主任も駆け出す。
主任が駆け出すと同時に、警察組もその後を追う。

「なにがなんだかわからないけど……助かったのかしら……」
「んんwwwwしかし先程のエロボイスはあの時もっと堪能したかったキリン娘のものですぞwwwwwww……あちらもピンチの可能性wwww」

そして混乱の現場の中で奇跡的に一命をとりとめたほむら達すら、その後を追わざるを得なかった。
先程の悲鳴は仲間のもの。あのメロン達を向かわせては、さらなる被害がでてしまうことだろう。




――そして――

83ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:51:38 ID:TrESMWm60
ファガンを追った主任とスラリン

それを追った警察組

さらにそれを追ったほむらとオオナズチ


彼ら彼女らが目にした、驚きの光景とは……





「オシリ負けひゃうぅうぅぅぅっ♥♥♥ ドラゴンアナ○らめになっちゃうぅううっ♥♥♥」
 悪魔チ○ポの味覚えさせられて……しゅきになっちゃうのほぉぉぉおっ♥♥♥
 も、もうどうしようもなくしゅきなんれすううっ♥♥♥ 悪魔○ンポらいこうぶつなんれすうぅうっ♥♥♥
 娘なんてもうどうでもいいぃぃぃ♥♥♥ ワシをこの極太チン○で肉便○にしへぇぇぇぇぇぇぇ♥♥♥」



白目を剥いて全身を何かしらの液体でぐっちゃぐちゃに汚しアへった、聖獣――否、性獣黄龍の姿であった。

「ふむ、ワシの一撃に耐えるまではみごとじゃが、所詮はそこまでよのぉ」

下手人は勿論ご立派――マーラ様だ。
ファガンとて最強の聖獣、彼は娘の生首を弄ぶマーラ様の姿を見つけるやいなや果敢に挑んだ。
しかし圧倒的な素早さにより背後に回り込まれ、一突き。これを食いしばって耐えたが、そこからが本当の地獄であった。
魔界仕込みのマーラ様の超速高等テクニックは、一瞬にしてファガンの心さえも凌辱し、肉欲に狂うケダモノに作り替えてしまったのだ。

「――――」
「――――」

そして犠牲者はファガンだけではない。
人の生首で遊び他者を凌辱するという悪魔のような所業(悪魔なのだが)を見たゴロリもまた激昂し、マーラ様に挑んだのである。
かつてDMC信者に、敬愛するワクワクさんの死体を辱められたゴロリにとっては、見過ごすことができなかったのだろう。
無謀に突っ込むゴロリを止めようとチェイスが止めに入ったが……
哀れ、二人もご立派様の餌食となってしまっただけでは飽き足らず、お互いを69の体勢で固定された状態で殺害されたのだ。
これ以上ない、屈辱的な死に方だろう。

「アヘェ――」

そしてその上に、白濁液で染まりきったファガンがついにこときれて覆いかぶさるように落下した。


【ゴロリ@つくってあそぼ】
【チェイス@仮面ライダードライブ】

それぞれマーラ様の一撃により、絶頂死

84ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:52:37 ID:TrESMWm60
しかしその時、ファガンの穴からぽこっと金色の卵が転がり落ちた。
パズドラ界隈のダンジョン産モンスターは戦闘で敗け、心の底から屈服すると卵をドロップするのだ。
ドロップした卵は、その卵を産んだモンスターと同一の存在ではあるが、別個体として再臨する。それはつまり――

「 フ ァ ガ ン 復 活 ! 覚悟しん ほ お お お お ぉ ぉ お ぉ ぉ ん !?」

――凌辱の再開である。ドロップモンスターはレベルが初期値に戻る時点で、どう足掻いてもマーラ様に勝てるわけがない。

「ん お お お ぉ お ぉ――アヘェ」 ぽこっ 「復活! ひ ぎ ぃ ぃ ぃ ぃ ん !?――アヘェ」

ぽこっ 「なんの、まだま っへぇぇぇぇ♥♥♥ まだゃいっへるのほほほほぉぉぉぉぉ♥♥♥――アヘェ」 ぽこっ

「き、気持ち良くて死んじゃぅぅぅぅ♥♥♥ か、神様ぁ! ア○ルの神様っ! ア、ア○ルしゅごいぃ〜ん♥♥♥」 

ぽこっ――ビクンビクン

ついにマーラ様の超絶技巧がファガンの産卵ループすら上回り、破壊した。
マーラ様の絶技は、もはや生まれる前の状態であっても絶頂を味あわせるほどに極悪なものへと昇華していたのだ。
これはつまり、無限に再生を繰り返すような強者であっても、いつかはマーラ様の前に屈することを意味している。

「なんじゃ、もう終わりか。突然突っ込んできたわりにはあっけなかったのぅ」

【星輝の黄龍帝・ファガン@パズドラ】

超多重絶頂死&完全再起不能

つまらなそうに、とりあえず痙攣する卵を手中に収めるマーラ様。

「やはりこちらの方が――ヤりがいがありそうじゃ」


「な、なんなんだこの醜悪にして凶悪なインベスは……!?」
「ぴきぃぃぃぃ……」
「こ、こんなのって……そんな……」
「まきょぉぉぉ……」
「み、みんな落ち着くんだゼーット!?」

おぞましい嬌声と、マーラ様の超絶技巧を目の当たりにしてしまった生き残りの強者達は恐怖のあまり震えあがる。
見れば、マーラ様の視線の先には桃色の髪の少女と巨大な魔物、それに隻眼の男がいる。
やはり状況がわからないが、魔物が少女を守るように陣形を取っている以上、彼女が都庁に属するものだというのは間違いないだろう。
都庁と敵対するとなると、対主催かDMC信者か?
だが目の前で繰り広げられた仲間の凌辱ショーは、DMCの凶行よりもさらにおぞましい。
なにしろ信者の言うレイ○はつまり相手を殺すことだが、この悪魔がやっていることはまさにガチレ○プそのもの。

「はぁ……はぁ……ま、まどか!?」
「こ、こいつはあのガチホモアカムの奴が神と崇めていた最悪の魔王、マーラですぞ!?やばいってレベルじゃないwwwwww」

遅れてほむらとオオナズチが、それぞれ親友とマーラ様の存在に気がつく。
そうオオナズチの言うとおり、マーラ様は最悪の魔王と言っても過言ではない。まだルシファーの方がましだ。
マーラ様の思考はただひとつ。そこには善も悪も中立も関係ない。人も魔も機械も関係ない。
ただ、ご立派なそれをぶち込む。それだけだ。

あらゆる種族、派閥を巻き込み無差別に行われる魔王の凌辱宴は、まだまだ始まったばかりである。

85ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:53:03 ID:TrESMWm60
【二日目・10時05分/東京都・世界樹地下中央部】

【マーラ様@女神転生シリーズ】
【状態】とっても健康、首輪解除
【装備】己のご立派様
【道具】支給品一式、トリンの生首、サクヤの生首、連結したゴロリとチェイス、ファガンの卵
【思考】
0:まどか達及び主任組、警察組を昇天させる
1:DMC狂信者入りして男女種族問わずヤりまくる
2:復活したクラウザーさんともヤる
3:誰かが混沌の神を召喚した様じゃの…まあいい
4:こいつらは都庁の者じゃないから首をとっても意味はないが、ヤりたいからヤる
※ディーによってDMC入団のための特別条件・都庁の名だたる者の首を五つ集める(残り3つ)を課されました
※貴虎が世界樹を爆破しようとしていることを知りません
※魔界で修行した結果、ものすごく強くなっています
※たとえ相手が再生を繰り返すような不死に近い存在であっても、超絶テクで昇天させることが可能です


【呉島貴虎@仮面ライダー鎧武】
【状態】ダメージ小、斬月・真に変身中、財布と貯金が素寒貧 混乱
【装備】ゲネシスドライバー、メロンエナジーロックシード
【道具】支給品一式、夕張メロン×55、N2爆弾@新世紀エヴァンゲリオン×3
【思考】基本:人類種を守るため、危険な存在を倒す
0:色々と気になることはあるが、まずはとにかくマーラ様に対処
1:DMC狂信者による二度目の都庁攻撃によって、内部が手薄になっている内に地下から潜入しN2爆弾を起爆させて都庁を吹き飛ばす
2:都庁が破壊できるまではDMC狂信者と組むが、いずれはこちらも滅ぼす
3:パソコンは……今は諦めるしかないか
※都庁の変貌をヘルヘイムの森の侵食だと思っています
※ベジータが所有しているパソコンの本来の持ち主です。パソコン内に何かしらのデータが保存されているかもしれません
※現時点でほむらやキルコなど人間のほとんどをインベスとして誤認しています

【スラリン@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】
【状態】ダメージ中、LV99 悲しみと混乱
【装備】無し
【道具】支給品一式、ナイフ
【思考】基本:殺し合いを終わらせる
0:マーラ様に対してミルドラース以上の恐怖を感じている
1:主であるグランバニア国王とその家族と同僚の仲間モンスター達を探し、それ以外の仲間も探す
2:マーダーは可能な限り倒す
3:本能的に強大な何かが都庁の真下に埋まっていることを感じている
※人間の言葉は聞けば理解できますし、(出身世界の)人間の文化や常識も理解できますが、人間の言葉は全く喋れませんし読めません。
※現時点で人間のほとんどをインベスとして誤認しています。主任が考えを変えない限りスラリンも変わりません


【音無キルコ@新米婦警キルコさん】
【状態】ダメージ(小)、疲労(小)、強い悲しみと怒り 混乱
【装備】トンファーブレイド(オリハルコン製)
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催を成敗して殺し合いを止める
1:な、なにが起きてるんですか……?
2:都庁軍は必ず倒す、都庁軍と戦える仲間を探す
3:ジバンさんとウッチーさん、フェイ・イェンちゃんの仇は必ず取ります……!
4:ビックサイトのDMC狂信者も気になるが、危険な都庁の魔物を倒すのが先
5:主催者の本拠地を探す
6:ハル先輩達、無事かなぁ?
※オルゴ・デミーラ率いる天魔王軍を都庁軍の一派だと誤解しています
※主任組をマーダーと誤認しています

86ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:53:36 ID:TrESMWm60
【まこちー@ぷちます!】
【状態】ダメージ(小)、とても深い悲しみ  混乱
【装備】きあいのタスキ
【道具】支給品一式
【思考】基本:まきょー
0:感情の処理がおいつかない
1:キルコについていく
2:ウッチー、ジバンさん、緑色のロボットさん(フェイ・イェン)を悼んでいる
3:真とちひゃー、765プロの面々、はるかさんの死に深い悲しみ
4:襲われたら全力で戦う

【水木一郎@現実】
【状態】ダメージ(中)、本調子じゃないゼーット! 混乱
【装備】赤いマフラー、マイク、ライオアタッシュ
【道具】支給品一式
【思考】基本:俺の歌で殺し合いを止めるゼーット!
1:とにかくこいつに対処するゼーット!
2:早く回復したいゼーット! 
※スタンド『ザ・アニキング』を呼び出す事が可能です。
アニキの歴代の持ち歌のヒーロー達をヴィジョンとして呼び出し能力を行使できます。
※まだ本調子ではないため、あまり絶叫しすぎると傷口が開きます。

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ大、混乱
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ50パーセント)
【道具】支給品一式、ベレッタM92(残弾25)、レミントンM870(残弾0)、ミニミM249(残弾0)、M16クレイモア×10、M84 閃光手榴弾×20、88式地対艦誘導弾、長ドス、ゴルフクラブ
【思考】基本:まどかを守りつつ、主催者を倒す
0:まどか!?
1:貴虎一行も気になるが、まずはマーラ様に対処

【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【状態】ダメージ大、角破壊 
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:美少女とエロ同人誌みたいなことしつつ都庁で暮らしたい
1:掘られたくないwwwwwww ……本気で
※尻尾も破壊された場合、ステルス能力を失います
※マーラ様の情報をアカムトルム経由である程度知っているようです

※眼前にまどか組がいますが、消耗具合は不明

87タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 14:57:47 ID:lrDo9O.A0
世界樹地下で勃発した都庁同盟軍、マーラ様、主任組、警察組の戦いは膠着状態に陥っていた……

「体当たり!!」
「千樹の祈り!!」

マーラ様の体当たりがまどかに迫る。
しかし、体当たり攻撃をまどかは物理攻撃を阻害する魔力の防壁で防いだ。

「むっ……」
「防けた! サイクロンルーツ!!」

反撃にまどかは足技・サイクロンルーツを放つ。

「甘いわ! テトラカーン!!」
「あう!」

だが、技が物理攻撃だったのが災いし、マーラ様の繰り出した物理反射障壁によって跳ね返され、反射した物理ダメージが自分で吹き飛ぶハメになった。
その隙をマーラ様が見逃しはしない。

「いまじゃ! 地獄突き!!」

吹き飛ぶまどかの秘部に向けて照準を合わせたマーラ様のご立派様が、必殺の地獄突きを放たんとする。
この一撃が秘部に直撃すれば最後、ご立派様の絶技の虜になって脳が沸騰して死んでしまう、言わば即死耐性を貫通する即死攻撃も同然である。


「まどかをやらせはしない!!」
「なに!?」

まどかがご立派様に貫かれる寸前で、ほむらが時間停止の魔法を発動。
吹き飛んで無防備状態だったまどかの手を引っ張り、助け出す。
マーラ様の地獄突きは空振りに終わったのだ。

「ほむらちゃん、ありがとう」

危うく終わりかけた貞操と命を救ったほむらにまどかは礼を言う。

「礼は良いわ、まどか。
それよりもあなたは都庁やセルのためにも死ぬわけにはいかないでしょう。
奴は強いわ。不用意な突出は控えて。受けた傷もすぐに回復して」
「うん、わかった。エタニティツリー!」

ほむらの指示を受け、リジェネ回復技であるエタニティツリーで回復するまどか。
それを面白くないように見やるマーラ様は攻撃モーションに入る。

「おのれ、今一歩のところを邪魔してくれたのぅ。
喰らうが良い、メギド――」
『うおおおおおおおおおお!! まどかをやらせるものかああああ!!』
「ぬお!? こやつめ、邪魔を!」

ウォークライのアギトから炎のブレスが吐き出され、マーラ様の魔法攻撃を妨害する。

「ゴッドーラァァァ!!」
「まどかとほむらだけじゃなく、俺達も忘れんなよ!!」
「!?」

畳み掛けるようにメガボスゴドラのストーンエッジとロックオンの銃撃がマーラ様に炸裂する。
マーラ様に与えるダメージはほとんど微々たるものだが、それでも身動きを封じるには十分であった。
そして。

「これはどう? サウザンドネイル!!」
「ぬふうおおお!」

まどかの放った技が今度こそマーラ様に直撃する。
この一撃で与えたダメージはそれほど大きくないものだが、確実に打撃は与えていた。

88タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 14:58:15 ID:lrDo9O.A0




このように都庁側が戦いを膠着状態に持ち込めたのは理由があった。

一つは都庁同盟軍のチームワークにある。
都庁側の戦力はまどかを除いて、ほとんだがマーラ様に対して有効打を待たない者達ばかりだったが、味方同士で助け合い、敵に攻撃を許さない連携によって受ける被害を最小限に留めていた。
これはお互い仲間同士で信頼しあってるからこそできる戦法である。
反対にマーラ様はまどかを含めた都庁側の者達を上回る戦闘力を秘めた魔王だが、多勢に無勢。攻撃も防御もカバーしてくれる味方がいないのである。
せめて最初に東部を守っていた氷竜達のように少人数だったら攻め切れたかもしれないが、今の都庁側の人数は倍以上になっており、マーラ様の攻勢を削ぐには十分であった。

そして、戦いを膠着状態まで持ち込めた理由としてもう1つの理由があった。

「おせおせーwwwなるべく奴に攻撃や回復をさせる隙を作ってはいけないwww!
でも即死系やバットステータス系の攻撃は厳禁ですぞww十中八九効かないか最悪反射されるのがオチですからw」

都庁の面子の中で唯一マーラ様の情報を知っているオオナズチの指揮である。
オオナズチの持っている猛毒などの技ではマーラ様にまともな攻撃を与えられないが、その代わりにマーラ様を神と崇めていたガチホモアカムトルムからマーラ様の技や癖などの情報を持っていたので、透明になって姿を隠しつつ情報面でのカバーに回っていた。

「お互いの下の口とシリアナは絶対に守りあうのですぞww!」

なんともおバカで下品な指示に見えるが、実際にマーラ様は相手にトドメを刺す時はご立派なモノを秘部陰部にブチ込む習性を持っている。
すなわち、味方同士で下の口とシリアナをカバーしあえば、トドメは刺されにくくなるということだ。

そのような理由で戦いは膠着状態になり、ファガン以来ご立派様をブチ込めてないマーラ様を苛立たせた。

「ええい、小賢しいわい! 満足に行為に及べぬわ!」

都庁側としてもマーラ様に与えるダメージはまどかを除いて薄皮を剥がすような程度しか与えられないが、それでも確実にダメージを蓄積させていた。
ダメージを与え続ければやがて勝利は見えてくる……一歩間違えれば押し切られて全滅を招きかねない余談を許せぬ戦況だったが、希望も見える戦況でもあった。


都庁側からすればもっと味方がいればより一層、戦況はこちらに傾くだろう。
誰かがそう願った時、幸運は飛んでやってきた。

「プリキュア・ラブサンシャイン!」
『インフェルノ!』
「こんなの握りたくないが……ティラノ・ハンド!」
「ぬう!?」

突如、西側からハート型の光線と火炎攻撃、その後に巨大な恐竜の腕がマーラ様に襲いかかった。
マーラ様は光線と火炎攻撃は躱すも、恐竜の腕には握られ(ちょっと気持ちいいと思いつつ)すぐに振り払った。
今、西側から放たれた技全てが、全て都庁同盟軍の仲間のものであった。
まどか達が西側を見ると、そこには頼れる四人の仲間達の姿があった。
世界樹地下の西側を守っていた桃園ラブ(キュアピーチ)、偉大なる赤竜、スニゲーター、渚カヲルの到着である。

「ラブちゃん、赤竜さん、スニゲーターさん、カヲルくん!」
「ラブ……救援は嬉しいけど遅いわよ、何してたの」
「ゴメン、ほむほむ。地震でダンジョンの構造が変わっていて迷子になっていたの」
『すまない、だが遅れた分は戦って取り戻す!』

騒ぎを聞きつけ、西から現れた都庁側の援軍。
都庁側の戦力は一気に10人以上にまで増え、都庁軍の勝率は上がったと言え、まどか達に希望を与えた。
これによりマーラ様は苦い顔をしつつも、同時に喜んでもいた。

「ここで数を増やしたか……だが嬉しいぞ!
ヤリがいのある相手が増えたということでもあるからのお!
さあ、皆みんなワシのご立派で愛でてあげよう!」

マーラ様は喜々として、都庁同盟軍の者達に向かっていた。
同盟軍はそれぞれが持つ技や銃などで応戦する。
泥沼の戦いはまだまだ続きそうである……

89タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 14:58:47 ID:lrDo9O.A0



さて、ここにいる勢力は都庁同盟軍とDMC側のマーラ様だけではない。
忘れてはならない集団が2つ。この場にはいるのである。

1つは呉島貴虎とスラリンで構成された主任組である。
とある目的より世界樹爆破を目論む主任組であったが、その主任組は――

『まどかと仲間はやらせはせんぞ!』
「このドラゴン型インベスめ、邪魔をするな!」
「ぴきーーー!」

氷嵐の支配者こと氷竜によって足止めを食らっていた。
氷竜の持つシールドのスキルは攻撃手段が矢と火炎である貴虎とスラリンの攻撃を弾き、なおかつ、氷竜自身が持っている自己再生能力『氷河の再生』によって傷を癒しながら戦うことで長期的な足止め要員にはうってつけだった。
(なお、氷河の再生でマーラ様から受けた傷はだいぶ治ったが、首の再生には時間がかかるのか首はまだ2つだけの模様)

「これではこの場から逃げることもできん!」
『世界樹のためにも貴様をここから逃がしはせん!』

貴虎は都庁の魔物達がマーラ様と戦っているうちに、逃走して別の経路からN2爆弾を仕掛けようとしたが、それを都庁軍に悟られ、貴虎相手にはもっとも相性が良いと思われる氷竜が足止めに入ったのである。
そして主任組はマーラ様を倒した後にでも都庁の残りの戦力で捕縛もしくは殲滅するつもりなのだ。

(まずいぞ……このままでは!)

仮面の下で貴虎は冷や汗を流す。
このまま氷竜による足止めを喰らい続ければ、インベスである(と思っている)マーラ様と都庁同盟軍の勝ったどちらかを相手にしなければいけなくなる。
明らかに自分以上の戦闘力を持つマーラ様、純粋に数が多く厄介なスキル持ちの多い同盟軍。
一方でファガンら戦力を失った主任組の戦力は貴虎とスラリンの一人と一匹のみで、どちらが勝っても敵に回るだけなので面白くない展開であった。
そして自分たちが敗れれば、世界樹を爆弾で吹き飛ばす計画は水の泡になり、世界はヘルヘイムの侵食によって滅びるであろう。そのようなことになるのは貴虎は許せなかった。

(しかし、妙だな……)

氷竜と戦っている一方で貴虎は奇妙なことに気づいていた。



(なぜインベス同士が戦っているんだ?)

貴虎の視点では異形であるマーラ様も同盟軍の者達も全てインベスに見える。
しかし、インベスが仲間同士であるインベスと戦っているのは果たしてどういうことなのだろうか?

(!! そうか、そういうことか!)

ふと、貴虎の頭脳に電気が走る。
なぜインベス同士が争っているのか、その答えがわかった気がしたからである。

その時である。

「氷竜、退けーーーッ!
マーラがそっちにいったぞーーー!!
全力でシリアナを守れーーーwww!!」
『なにッ!?』

オオナズチの警告通り、マーラ様がターゲットを氷竜と主任組に変えて襲いかかってきた。
マーラ様によって既に痛い目に遭わされている氷竜は貴虎の足止めを一時中断して撤退。
――そして、残された主任組の前にマーラ様が突撃してきた。

「蚊帳の外というのも寂しかろう!
おまえたちも宴を楽しもうではないか!」
「ぴきぃーーー!!?」
「……」

眼前に迫る最凶の魔王マーラ様。
思わず泣き叫ぶスラリンと沈黙する貴虎、一人と一匹はどうなるのか?!

90タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 14:59:58 ID:lrDo9O.A0




マーラ様、都庁同盟軍、主任組が戦闘をしている一方。
音無キルコ、まこちー、水木一郎の警察組三人は岩陰に隠れて戦闘を傍観していた。

「いったい全体、何がどうなってるんでしょうか!」
「まきょー……」
「俺たちは誰の味方につけばいいんだ?」

警察組は酷く混乱していた。
警察組もかつて自分たちを攻撃し、ジバン、空蝉丸、フェイ・イェンといった仲間を殺した凶悪な都庁の魔物たちを討伐するために世界樹地下にやってきたのだ。
だがそこにいたのは、魔物を引き連れた2つの勢力・桃色の髪の少女を中心に人間と共に戦う魔物で構成された都庁同盟軍とスライムを連れた仮面ライダーの主任組とゴロリとチェイスを殺したご立派な魔王だった。
都庁の魔物は人間を襲う凶悪な敵……ネットでもそう囁かれている、にも関わらずその事実と食い違うように同盟軍も主任組も魔物を引き連れ、双方人間と共に戦っているとはどういうことだろうか?

なによりも誰の味方をすればいいのか?
ご立派様はどう考えても敵だとして、同盟軍と主任組のどちらが敵なのか?
同盟軍はこちらが貴虎やマーラ様の敵ではないとわかると、こちらを攻撃してこなくなった。
ただし、あくまで戦力に乏しく手負いのいる警察組を後回しにしているだけで、後で襲いかかっている可能性も十分ある。
同盟軍に狙われる主任組は中学生に弓を引こうとし、こちらもインベス呼ばわりしてきたが、双方になんらかの誤解があっただけで本来は敵ではないのかもしれない。
真実はどうなっているのか……とにかく警察組には情報が少なすぎるのであった。

(私たちはどうすれば……?)

ジバンの戦死以降、警察組のリーダーとなっているキルコは大いに悩む。
選択を間違えれば警察組の全滅そして悪党の味方をしてしまう可能性もある以上、軽はずみな決断はできなかった。
だが、いつまでもこうして岩陰には隠れてられまい。
いずれはここを出て戦わねばいけない時がくるだろう。
キルコがそのように思っていた時だった。

「緑の髪に眼帯…‥あなたはキルコさんですね?」
「え? どうして私の名前を知っているんですか?!」

同盟軍の側から、こちらに気づいた白髪の少年が振り返り声をかけてきた。
少年はなぜかこちらを知っているかのように、キルコの名前を言い当てた。
そして敵意がない素振りを見せながら岩陰に入ってくる。

「初めまして、僕は渚カヲル。
小さなぬいぐるみのような生き物、まこちー。
真っ赤なマフラーの熱そうな男の人、水木さん。
……良かった、彼女の仲間はみんな無事だったんですね」
「少年、なんで俺たちのことを知ってるんだゼッート?」

残る警察組の面子の名前も言い当てたカヲルにどうしたことかと首を傾げる警察組。
元々有名人である水木はまだしも、キルコとまこちーのことは仲間内でしかしらないハズだ。
だが、仲間内でなら……そこでキルコの脳裏に死んだハズの仲間の少女の姿がよぎった。

「!! いま、あなたが言った彼女ってまさか……!」
「ええ、フェイ・イェンは僕らの仲間です」
「まきょ!?」
「生きてるのか、フェイ・イェンは!」
「ええ、諸事情でヘンテコな着ぐるみは着てるけど、この都庁で生きてるよ」

魔物達に殺されたと思われたフェイ・イェンは生きていた。
カヲルの口から告げられた事実に警察組の仲間達は大いに喜んだ。
しかし、同時にキルコたちの混乱も余計にひどくなった。
カヲルの口ぶりからして、彼及び彼の仲間である都庁同盟軍はフェイ・イェンを保護した味方である。
だが同時に、人を襲う都庁の魔物達にカヲルとフェイ・イェンが力を貸しているということでもある。
そもそもフェイ・イェンは都庁の魔物に襲われ、殺されかけたのではないのか?
実際に都庁の魔物に襲われた警察組にとってはそれは不可解極まりないものであった。

「どういうことなんです?
フェイ・イェンちゃんが都庁の魔物に味方しているって……?
都庁の魔物に殺されかけて、ジバンさんたちは殺されて……!」
「……!
そうか、君たちはまだ真実を知らないんだね?」
「真実……?」
「キルコさん、僕の口から本当のことを教えてあげるよ」

91タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:00:32 ID:lrDo9O.A0


そして、戦闘の最中だったので多少手短であるが、カヲルの口から警察組に向けて真実は明かされた。
都庁の軍勢の魔物が迎撃以外では人間たちを襲っていないということ。
ネットの書き込みは天魔王軍なる魔族の集団による情報操作による偽りのものであり、都庁の軍勢の悪行だと思われたものは全て天魔王軍の悪行のなすりつけによるもの。
ジバンら警察組を襲ったのは都庁の軍勢ではなく、天魔王軍だったということ。
主催がばら撒いた参加者をバケモノに変える物質。
その物質に侵された大気を浄化するためにはこの都庁に生えた世界樹とフォレスト・セルが必要不可欠であるということ。
そして、それに対処するために都庁の軍勢は人間たちとも休戦して同盟を組み、巨大な対主催組織になった。
その都庁同盟軍と世界樹を滅ぼそうと、貴虎すなわち中学生に弓を引こうとした仮面ライダーが爆弾を仕掛けようとしている。
そのようにキルコたちはカヲルに伝えられたのだった……


「……そういうことだったんですね。
どうりでさっき見た魔物の死体と私たちが戦った魔物と質感が違うと思ったんですよ」
「都庁の魔物は敵じゃなかったのか……
そんな彼らに罪をなすりつける天魔王軍は絶対に許せんものだゼーット!」
「まきょまきょまきょーーー!!」

カヲルからもたらされた情報に警察組一同は納得し、ようやく混乱を納めた。
そして都庁の軍勢もとい都庁同盟軍が敵ではないとわかった今、警察組の取るべき行動は1つだった。

「よし、私たちも都庁に加勢します」
「まきょ!」
「ああ、都庁は俺たちにとって味方であり、都庁の世界樹は主催がばら撒いた危ない物質をなくすためにも必要不可欠だ。
そんな君たちの味方をしないわけにはいかないゼーーーット!!」
「みんな……ありがとう」

警察組が対主催組織である都庁同盟軍の仲間になった瞬間である。


(……これで良いんですよね、ジバンさん)

キルコの中に都庁の魔物に対する憎しみはもうない。
偽りと真実がわかり、真に討つべき敵は他にいるとわかったからである。
仲間を失った憎しみで我を忘れて敵ではない都庁の魔物を殺す間違いを危うく犯すところだったが、それも真実知ったことで踏みとどまることができた。
ジバンもキルコが都庁同盟軍に組することを良しとするだろう。
警察官は罪なき人々の安全と平和のために行動すべきなのだから。

「さて、主催に天魔王軍にDMC狂信者に……戦うべき敵は色々いますが、まずは爆弾を仕掛けようとしているテロリストと猥褻物の取締からですね!」
「ゴロリとチェイスの仇討ちだ!
俺たちが来たからには誰ひとり殺させやしないゼット!」
「まきょ!」

キルコは亡きゴロリが作ったオリハルコンのトンファーブレイドを構え、水木はマイクを手に持ち、まこちーは気合のタスキを引き締める。
警察組の加勢の準備は整った。
おそらく警察組の加入によって都庁とマーラ様のパワーバランスは都庁側に傾くだろう。
都庁同盟軍に所属するカヲルにとっては嬉しい情報だった。

「いきましょうカヲルくん!」
「ええ!」

最初に岩陰から水木が飛び出した。

「キルコ!
援護は俺がするゼーット!」

水木は歌をヴィジョンとして投影するスタンド能力、ザ・アニキングを使用してキルコたちを強力に援護するつもりなのだ。
天魔王軍につけられた傷がズキズキ痛むが、マーラ様相手に中途半端な攻撃は逆効果だろう。
傷口が開くリスクを負おうとも、より強力な攻撃を放つべく、水木は魂を込めて力強く歌おうとする。



「いくぜ! 歌うのはもちろん十八番のマジンガー――」














水木が歌おうとした、その時である。

92タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:01:04 ID:lrDo9O.A0

一本の矢が水木の脳天を貫き、血と脳漿を辺りに四散させた。

「――ぜっと」
「アニキさん? アニキさん!?」

水木の頭がはじけ飛ぶ瞬間。
それを眼にしたキルコ、カヲルの顔は青ざめた。

巨匠、水木一郎は倒れた。最後に魂を込めた一曲も歌うことができぬまま……


【水木一郎@現実 死亡確認】


悲劇はこれで終わりではなかった。

「ま…きょ……」

今度はキルコとカヲルの背後からまこちーのうめき声が聞こえたかと思い、二人が振り返ってみると、そこには喉元から噴水のように赤い血を噴出していた、まこちーの姿があった。

「まこちーちゃん!?」
「ぴきー!」
「こいつは貴虎の味方のスライムじゃないか!?」

まこちーの喉元を切り裂いたのはナイフを口元でくわえたスラリンだった。
スラリンは四人に気づかれぬように忍び寄り、背後からまこちーの喉をナイフで裂いたのである。

「ぴっきーーー!!」
「うわ!」
「くっ……A.Tフィールド!」

キルコ達がアクションを起こしてくるより早く、口から灼熱の火炎を吐いて攻撃。
幸いにもカヲルによるA.Tフィールドによる防御が間に合って二人は事なきを得るが、その隙にスラリンには逃げられてしまった。

「あのスライム、よくも……まこちーちゃんは!?」

仲間を傷つけたスライム憤るキルコだったが、まこちーの身も心配であった。
カヲルが床に倒れたまこちーを診るが……

「……ダメだ、もう死んでいる」
「そんな、そんなああああああ!!」

まこちーは首を裂かれたことによる失血でショック死していた。
僅かな瞬間の間に水木、まこちーというかけがえのない仲間が死んでしまったことにキルコは慟哭するしかなかった。


【まこちー@ぷちます! 死亡確認】


そして逃げ出したスラリンの行く先は仮面ライダー斬月・真――貴虎の肩の上である。

「ようやったぞスラリン、これでインベスの数が減った」
「あなたは……貴虎!?」

93タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:01:44 ID:lrDo9O.A0

貴虎の腕は弓が構えられていた。
その弓の方角は、キルコたちが隠れていた岩陰の辺り。
すなわち貴虎が水木を射殺したのである。
スラリンにまこちーを殺害させるよう命じたのも貴虎だろう。
それを理解した時、キルコは怒りで手を震わせた。

「よくも仲間を……よくもォーーーーーっ!!」

キルコの怒りが頂点に達した時、本人でも気づかない内に貴虎に向けて突撃していた。

「ダメだキルコさん、戻って!!」

カヲルが必死に呼びかけるがキルコは聞く耳持たなかった。

「チッ……」

貴虎は接近してくるキルコに弓を引く、しかし、キルコの持つオリハルコン性のトンファーブレイドが矢を弾いた。

「!?」
「オリハルコンを舐めないでください!
そんな矢なんて弾きとばしちゃいますから!」

斬月・真の弓矢すら弾くトンファーブレイドを盾に、なおも突撃を続けるキルコ。
貴虎は弓を引き続けるが、オリハルコンの前には効果がない。
そうして貴虎はキルコに接近を許し、キルコは怒りのままにトンファーブレイドを振り下ろさんとする。

「アニキさんとまこちーちゃんの仇ィィィーーーッ!」



「……フッ、かかったな」
「な……はうッ!?」

トンファーブレイドが振り下ろされる寸前、貴虎は仮面の下でほくそ笑んだ。
そしてキルコの身体が何者かに横からかっさらわれた。

「えっ……何が?!」
「これは中々の美乳の持ち主じゃのう」
「!!」

いきなり何が起こったのかわからないキルコが首を左右に振ると、そこには自分の身体を握っている濃い緑色の腕と黄金の馬車、そして巨大でご立派なモノ……マーラ様だった。
その時、キルコは理解した。
自分はマーラ様に捕まってしまったのだと。

「は、離して、このぉ!」

すぐに脱出を図ろうとするキルコは、マーラ様に向けてトンファーブレイドで斬りつけようとする。

「たたり生唾!!」
「あっ!!」

だが、マーラ様から放たれた謎の白い液体――たたり生唾によって両腕のトンファーブレイドは弾かれて地面に刺さった。
こうしてキルコはマーラ様に対する防衛手段を失った。

「ぐふふ、さて、オヌシを涅槃に連れてっいってやろうかのう」
「や、やめて……」

これからマーラ様にナニされるか理解した時、キルコはこのカオスロワで初めて恐怖で震えた。
残った両手両足でジタバタと暴れて脱出を図ろうとするが、すぐに手足も触手によって縛られて身動きが完全に取れなくなってしまった。

「あの女の人が危ない! みんな、あの人を守って!!」
「了解!!」

まどかたちもただ傍観しているわけにはいかない。
マーラ様に貫かれることは死を意味する、それを阻止するために都庁同盟軍の者たちはキルコを救うために動こうとした。

「おっと、そうはいかないな」
「ぴきー!」

その矢先、貴虎の放った矢とスラリンの火炎がまどかたちの進撃を遮る。

「邪魔しないで!!」
「おまえたちはそこで指を加えて見ていろ」

キルコを何とかして助け出そうとする都庁同盟軍の者たちだったが、貴虎・スラリンによる妨害で誰もマーラ様の場所まで辿りつけない。
これから起こる惨劇に対し、まどかたちは貴虎が言ったように、指を加えて見ているしかなかったのだ。

94タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:02:21 ID:lrDo9O.A0



震えるキルコに対し、マーラ様は背面に生えた触手でビリビリとキルコの制服や衣服を切り裂いていく。
キルコはあっという間に一糸まとわぬ姿になり、たわわな胸と豊満な尻があらわになる。

「いやあーっ!」

悲鳴をあげるキルコ。
だが、彼女を救える者はこの場にはいない。
ただ魔王を喜ばせるだけであった。

「そそるのお、ではとっておきの技で天国へ連れていってあげよう」
「いや、やめて……入れないで!」

マーラ様のご立派様がキルコの大事な場所を向く。
キルコはただ恐怖し、泣いて懇願するだけであった。
元傭兵であるキルコさえも震え上がらせるモノがご立派様にはあったのである。
そして――

「刹那! 五月雨撃ち!」
「い、いやああああああああ!! 死んじゃうううううううう!!!」

キルコの中にご立派様はぶち込まれた。
それも高速ピストンで。
キルコの肉体が弓なりに曲がり、胸が上下する。

「こんなのって、こんなのって!」

キルコはただ悔しかった。
正義のおまわりさんが悪に屈したくはなかった。
だが、下の口から昇ってくる快感にはとても抗えるものではなかった。

「私は警察官として、アンッ!
人々を守らなきゃいけないのに ンッ!
誰も、ハアッ! 守れてない……」

ジバンのように尊い正義の意志を持って人々のために戦いたかった。
だが実際には、仲間を一人たりとも守ることができず、屈辱と後悔の中でその生を終わらせようとしている。
彼女の中の正義の意志もまた、快楽という名の白濁色にだんだん染まっていく。
その白濁色はキルコにとって絶望の色だった。

「さあーて、フィニッシュじゃ」

マーラ様は最後にキルコに最大の快楽を与えるべく、出し入れのスピードをあげる。
絶望と快楽でショート寸前だったキルコの脳に更に苛烈な電気が流れた。
いよいよ、凌辱劇は終わりを迎える。キルコの死を持ってして……


「逝クッ 逝クッ 逝クッ 逝クッ 逝っちゃうのおぅぅぅんん!!!
…んああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」


最大級の絶望と快楽を味わいながら桃色の悲鳴をあげ、キルコはとうとう絶頂を迎えてしまった。
自分とマーラ様の体液でドロドロになり、白く染まった肉体がズルリと床に落ちる。
ビクンビクンと痙攣した身体はやがてピクリとも動かなくなった。
無情にも警察の正義は魔王の性技の前に敗れ去ったのであった。


【音無キルコ@新米婦警キルコさん 死亡確認】
【警察組 全滅】

95タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:03:02 ID:lrDo9O.A0


「キルコさん、そんな……」

カヲルは目の前で起きた新たなる仲間になるハズだったキルコと警察組の全滅を嘆くしかなかった。
カヲルだけでなく、都庁同盟軍の者たちも救えなかったことに歯噛みしていた。

そして、都庁同盟軍の悲しみはすぐに憎しみと怒りに変わり、その矛先はマーラ様と手を組んだ主任組に向けられた。


「呉島貴虎、貴様ァーーー!!」
「どういうつもりなの!?」

スニゲーターとラブが貴虎に喰ってかかる。
貴虎たちが邪魔さえしなければ、キルコは助けられたのかもしれないのだから。
そんな怒れる者たちに対して貴虎はほくそ笑みながら答える。

「悪いが、そういう契約なんでな」
「契約……まさかあなたたち、あのマーラの仲間に!?」

貴虎がマーラの仲間になった……その事実にほむらは戦慄する。
純粋にただひたすらに強い男と、わけがわからないくらい強いご立派様が手を組んだのだから、それだけで都庁側としては驚異であるのだ。
キルコとの行為を終えたマーラ様がご満悦の様子で貴虎の横に並ぶ。

「そうじゃ。
ワシはおまえたちの連携のおかげでなかなかご立派をぶち込めず、イライラしておったところをこの男が契約を持ちかけてきたんじゃ。
ワシがご立派をブチ込む手伝いをしてくれる変わりに、仲魔になれとな。
そして、貴虎は人間してはかなりの強者だったし、使える人間と思ったから契約したんだわい。
結果は見ての通り上出来以上、契約して損はなかったわい」
「俺としてはおまえたちインベスを滅ぼせるならどんな手でも使うだけだがな……例え悪魔と契約してでもな」

マーラ様は貴虎を己が欲望を叶えてくれる戦士として見込んで仲間……いや仲魔になったのである。

(まあ、こやつらもいずれ掘るがな。
だが戦士としては本当に使える奴らじゃし、しばらく後でも良かろう)

仲魔になっても主任組のシリアナは狙われている……が、マーラ様としても利用価値を見出している貴虎を本格的に襲うのは後になるであろう。


一方、貴虎の思惑は――

(ククク、いいぞ。このインベスの『奇行種』は利用できる。
こいつを使ってこの都庁のインベスとヘルヘイムを滅ぼしてやる)

――未だに都庁同盟軍をインベスと勘違いしっぱなし、それどころか悪魔であるマーラ様も同じインベスを共食いするかの如く犯して殺すインベスの奇行種であると誤解していた。
貴虎の目線では都庁同盟軍とDMC狂信者(入団希望者)の戦いは、インベス同士の抗争にしか映らなかったようだ。
人類種を守るためならば悪魔とも、本来は討つべきインベスとも手を組む……それが貴虎の決断であった。

「ぴきいー?」
(わかっているスラリン。
こいつはファガンを犯して殺した下手人だ)

スラリンはマーラを仲魔にしたことに納得できない様子だった。
マーラには仲間を殺されているのだ、不満を持つのは無理もない話であろう。

(だが、こいつを利用しなければ、強力なインベスまみれのこの局面をとても突破できないぞ。
もちろん、最終的にマーラも討つつもりだ。
敵の数が減り次第、隙を見て逃げ出し爆弾でヘルヘイム諸共吹っ飛ばしてやる。
それまで我慢するんだ)
「ぴき……」
(シーザーとヘルヘイムの仇も討ちたいだろ?)
「!!」

貴虎は最終的にはマーラも討つつもりであること、そして相対する都庁同盟軍は長年の付き添いであるシーザーとこのロワで友となったヘルヘイムを殺した憎き仇敵だ。
貴虎の諭しによって復讐心を刺激されたスラリンから不満の心を消え、シーザーとヘルヘイムを奪った都庁の者たちに罰を与える復讐心だけが心の中で燃え上がった。
今、貴虎とスラリンの心にあるのは、『インベス殲滅』の文字だけである。
そうして二人は相手がインベスではないという致命的な誤解に気づかぬまま、自分たちの正義のために突っ走るのだった。

96タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:03:43 ID:lrDo9O.A0


「クッ、数はこちらが遥かに上だ! 連携をうまく使って倒すぞ!!」
「「オオ!!」」

都庁同盟軍もいつまでも呆けてる場合ではなく、攻勢にでる必要があった。
スニゲーターが筆頭に立ち、同盟軍はそれぞれの技と武器を持ってマーラ様と主任組に仕掛けようとする。
それに対しマーラ様は不敵に微笑む。

「連携か……それならワシらもできるかもしれないのお。
貴虎、スラリン! ありったけのパワーを一点に集中するんじゃ!!」

突撃してくる都庁同盟軍の群れにマーラ様、貴虎、スラリンの三人は迎撃体勢をとる。
そして、マーラ様の指示どうり、三人は一点に向けてなるべく強力な攻撃を放った。

「ぴきー!(しゃくねつ!)」
「ソニックボレー」
「マララギダイン!」

するとどうだろうか、スラリンの放った灼熱の炎が、貴虎の放った強力なエネルギーの矢、マーラ様の放った怪しい色の炎が一点集まって融合し、燃え上がる物凄いエネルギーの塊となった。

「これは……」
「合体技じゃよ。
即席にしてはよくできている。
……名づけて『マラ灼熱のソニックダイン』じゃ!!!」

マラ灼熱のソニックダイン――そう名付けられたエネルギー体が都庁同盟軍に高速で襲いかかる。

「まずい! 回避……間に合わない、防御を!!」

見るからに喰らったら危なそうな物体に同盟軍は攻撃を中断する。
エネルギー体の接近が早すぎて回避は間に合わない。それぞれが防御行動をとり始める。
その中で一行の壁となるべく、あえてエネルギー体に向かっている者達がいた。
まどか、氷竜、カヲルの三人である。

「千樹の祈り!」
『アイスシールド!』
「A.Tフィールド全開!」

三人はそれぞれの持つ防壁を合わせてでエネルギー体を防ごうとした。
そしてエネルギー体が防壁に衝突した。
物理攻撃を無効化する祈り、炎攻撃を無効化する氷の盾、あらゆる攻撃を弾く障壁、この三つが合わされば並みの攻撃どころか、チート級の攻撃すら弾かれるだろう。


「……そんな!?」
『火力が高すぎて……盾が溶け出している…だと……!?』
「ダメだ、強すぎる!」


……だがマラ灼熱のソニックダインはチート級をも超えた理不尽級の攻撃。
純粋にパワーがありすぎて、物理・火炎無効化効果すらも貫通してしまっていた。
そして防壁は叩き割られ、殺しきれなかったエネルギーは大爆発を起こした。


「うわあ!!」
「痛っ!!」
「ぐは!!」


都庁同盟軍の全員が爆炎によって吹き飛ばされ、ある者は宙を舞い、ある者は壁面や床に叩きつけられた。

……爆煙が晴れた所で、同盟軍に手傷を負ってない者は誰ひとりいなかった。
多くの者が痛みでうめき声を上げていた。
だが、これでも被害は最小限に済んだ方であろう。
この攻撃による死人はいない。
まどかたちが防御に回らなければ、半数、下手をすれば全員が消し炭になっていた可能性もある、それだけ強力な技であった。

97タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:04:21 ID:lrDo9O.A0

「クソッ、なんてパワーをもってやがるんだ……」

起き上がったスニゲーターはマーラ様、主任組の実力の前に震え上がっていた。

「あいつらを倒すには本当にレストかダオス、フォレスト・セル、もしくはあの『お方』をお呼びするしか……」
「スニゲーターさん! 危ない!!」
「え? グハッ……アッー!!」

呆然としていたスニゲーターに、まどかが注意を呼びかけるも間に合わず、スニゲーターの胸に数本のエネルギーの矢が刺さり、そのシリアナにはご立派様が突き刺さった。
この同時攻撃により、スニゲーターは二つの意味で昇天した。


【スニゲーター@キン肉マン 死亡確認】


「首はもいどいてくれ、後で必要になるからの」
「了解だ、スラリン」
「ぴき」
「さて、これであと2人……!」

マーラ様は昇天したスニゲーターからご立派を引き抜き、スラリンはナイフでスニゲーターの首を切り落として渡した。


「なんてことですかねコレwww!」

オオナズチはセリフに草を生やしながら現状に絶望していた。
たった今、トリン、サクヤ、警察組に続いてスニゲーターも死に、かけがえのない仲間が目の前で死んでしまった。
それだけでなく、これまでは仲間との連携とマーラ様に仲間がいない点をついて優位とまではいかずとも互角の戦いができた。
だが、主任組がマーラ様についたことで事態は一変した。
マーラ様側に連携できる強力な味方がついたことで、マーラ様の攻撃と防御はカバーされ、反対に同盟軍の攻勢は削がれるだろう。
おまけに向こうはほとんど軽傷なのに対し、こちらは中〜大程度のダメージを受けたものがほとんどだ。
特にほむら、ロックオン、そしてオオナズチ自身も傷が深く、立っているのがやっとなレベルである。
マーラ様相手に対し、光明が見えていた戦いが、一瞬にして絶望的なものになった。
事態は最悪の方向に向かっていた。

「あらら勝てるんですかねえコレwwww
つか、魔王とかチート仮面ライダーとかレベル最大のスライムとかやりすぎにもほどがあるっしょwwww
マジぱねえっすwマwジwぱwねwえwっwすw
wwwwwwww

wwww…………

……………………

……クソッタレがああああああああああああああああああああ!!!」


オオナズチはしばらくヤケクソで笑っていたのちに、怒りのままに吠えた。
どうしようもない現状にただ吠えるしかなかった。

「そう、吠えるな。
おまえもすぐに仲間のいる極楽浄土に連れて行ってやろう」
「おまえたちが行きつく先のはおそらく地獄だがな」
「ぴききききき」

怒れるオオナズチや同盟軍を嘲笑いつつ、マーラ様、貴虎、スラリンがゆっくりと同盟軍に向かっていった。


――これより都庁同盟軍にとって絶望的な戦いが始まる。
そんな予感をこの場にいるものたちに抱かせながら。


【二日目・10時30分/東京都・世界樹地下中央部】

98タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:06:53 ID:lrDo9O.A0

【ご立派な強者たち】

【マーラ様@女神転生シリーズ】
【状態】ダメージ(小)、首輪解除
【装備】己のご立派様
【道具】支給品一式、トリンの生首、サクヤの生首、スニゲーターの生首、連結したゴロリとチェイス、ファガンの卵
【思考】
0:主任組と手を組んでまどか達を昇天させる
1:DMC狂信者入りして男女種族問わずヤりまくる
2:復活したクラウザーさんともヤる
3:誰かが混沌の神を召喚した様じゃの…まあいい
4:主任組もいずれ掘る
※ディーによってDMC入団のための特別条件・都庁の名だたる者の首を五つ集める(残り2つ)を課されました
※貴虎が世界樹を爆破しようとしていることを知りません
※魔界で修行した結果、ものすごく強くなっています
※たとえ相手が再生を繰り返すような不死に近い存在であっても、超絶テクで昇天させることが可能です


【呉島貴虎@仮面ライダー鎧武】
【状態】ダメージ(小)、疲労(小)、斬月・真に変身中、財布と貯金が素寒貧
【装備】ゲネシスドライバー、メロンエナジーロックシード
【道具】支給品一式、夕張メロン×55、N2爆弾@新世紀エヴァンゲリオン×3
【思考】基本:人類種を守るため、危険な存在を倒す
0:マーラを利用してインベス(都庁同盟軍)を殲滅する
1:DMC狂信者による二度目の都庁攻撃によって、内部が手薄になっている内に地下から潜入しN2爆弾を起爆させて都庁を吹き飛ばす
2:都庁が破壊できるまではDMC狂信者と組むが、いずれはこちらも滅ぼす
3:パソコンは……今は諦めるしかないか
4:隙を見て逃げ出し都庁に爆弾を仕掛け、マーラ諸共吹き飛ばす
※都庁の変貌をヘルヘイムの森の侵食だと思っています
※ベジータが所有しているパソコンの本来の持ち主です。パソコン内に何かしらのデータが保存されているかもしれません
※マーラ様をインベスの奇行種であると誤解しています


【スラリン@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】
【状態】ダメージ(中)、疲労(小)、LV99 悲しみ
【装備】無し
【道具】支給品一式、ナイフ
【思考】基本:殺し合いを終わらせる
0:マーラを利用してインベス(都庁同盟軍)を殲滅する
1:主であるグランバニア国王とその家族と同僚の仲間モンスター達を探し、それ以外の仲間も探す
2:マーダーは可能な限り倒す
3:本能的に強大な何かが都庁の真下に埋まっていることを感じている
4:マーラ怖い、掘られたくない
※人間の言葉は聞けば理解できますし、(出身世界の)人間の文化や常識も理解できますが、人間の言葉は全く喋れませんし読めません。
※現時点で人間のほとんどをインベスとして誤認しています。主任が考えを変えない限りスラリンも変わりません




【都庁同盟軍 】

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ(中)、世界樹の巫女、左脚に怪我、首輪解除、激しい怒り
【装備】世界樹の衣
【道具】支給品一式 その他不明、モンスターボール(フォレスト・セル)
【思考】基本:自分も戦い、みんなで生き残る
0:マーラと主任を倒す
1:クラウザーさんのためにも、DMC狂信者の暴走を止める
2:警察組と同盟軍の皆をよくも!
※巫女の祈りにより、魔法少女に近い存在へとなりました
※ソウルジェムなどはないので、肉体が致命傷を負えば普通に死亡します
※衣装はアルティメットまどかのものを2Pカラーにした感じです。戦闘力もそれの劣化版
※世界樹の王@世界樹の迷宮と同じスキルが使用可能です


【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ(特大)、首輪解除
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ70パーセント)
【道具】支給品一式、ベレッタM92(残弾10)、レミントンM870(残弾0)、ミニミM249(残弾0)、M16クレイモア×5、M84 閃光手榴弾×15、88式地対艦誘導弾、長ドス、ゴルフクラブ
【思考】基本:まどかを守りつつ、主催者を倒す
0:マーラと主任を倒す
1:まどかは命にかえても守る
2:マーラの仲間になった主任はもう絶対に殺す


【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【状態】ダメージ(特大)、疲労(小)
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:美少女とエロ同人誌みたいなことしつつ都庁で暮らしたい
0:マーラと主任を倒したいが、勝てるのかコレ……
1:正直、友や仲間の死には心を痛めている
2:今は草を生やしてる場合じゃねえ!
※尻尾も破壊された場合、ステルス能力を失います
※マーラ様の情報をアカムトルム経由である程度知っているようです

99タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:07:20 ID:lrDo9O.A0


【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、首輪解除、攻撃力1.5倍、被ダメージ半減
【装備】無し
【道具】支給品一式、余った真竜ニアラ
【思考】
基本:世界樹の防衛
0:マーラと主任を倒す
1:レストを信頼
2:サクヤたちをよくも!
3:俺を超える巨根など認めるものかあ!!
※レスト直属の魔物のため、装備の恩恵によりステータスが上がっています


【メガボスゴドラ@ポケモン】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、首輪解除
【装備】不明
【道具】支給品一式、大量の土と樹
【思考】
基本:ダオスに着いていく
0:マーラと主任を倒す
1:縄張り以外でも自然環境を破壊する奴は容赦なく頭突く
2:ダオス達のサポートを行う
3:せっかく植林したのに何度も壊すのはやめれ(切実)
※現段階で判明している所持技はアイアンヘッドとステルスロック。その他不名


【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、左側の首喪失、首輪解除、怒りと悲しみ
【装備】無し
【道具】とけないこおり@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:都庁同盟軍と共に生き残る。DMC信者は殺す
0:マーラと主任を倒す
1:鹿目まどかは必ず守る
※一定の魔力を有する相手であれば、テレパシーで会話可能


【ロックオン・ストラトス@機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-】
【状態】ダメージ(特大)、疲労(大)、右目失明、弾丸の勇者、首輪解除、キョウリュウブラックに変身中
【装備】ハロ×2@ガンダムOO、ガブリボルバー、ガブリカリバー
【道具】支給品一式、ドラグノフ狙撃銃@現実、獣電池(パラサガン)×6
【思考】 基本:都庁同盟軍の仲間として殺し合いを止める
0:マーラと主任を倒す
1:トリン……アンタのブレイブは引き継ぐ!
2:警察組の全滅についてフェイ・イェンになんて伝えればいいんだ……
※キョウリュウジャーとして認められました。キョウリュウブラックに変身可能となり、竜と話せます。


【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】
【状態】ダメージ(中)、疲労(小)、首輪解除、怒り、キュアピーチに変身中
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!、キュアスティック・ピーチロッド@フレッシュプリキュア!
【道具】基本支給品一式、大量のドーナツ
【思考】
基本:絶対に殺し合いを止めて、みんなが助かる方法を探す。
0:マーラと主任を倒す
1:都庁同盟軍のみんなと一緒に殺し合いを止める
2:ほむらはまだ少し怖いが、仲良くしたい
3:仲間を殺したマーラと主任は絶対に許さない
※9期とは関係ありません。


【偉大なる赤竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】ダメージ(中)、傷心
【装備】無し
【道具】もくたん@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:歌で自然環境の保護を世界に訴える
0:マーラと主任を倒す
1:都庁の仲間達、カヲル達を守る
2:仇であるDMC狂信者は確実に根絶やしにする
3:許すまじ天魔王軍!!
4:拳王連合軍も滅ぼす


【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】ダメージ(中)、疲労(小)、傷心、怒りと悲しみ
【装備】キーボード@楽器
【道具】支給品一式
【思考】基本:バサラの遺志を継ぎ、彼の歌を届けて殺し合いを終わらせる
0:マーラと主任を倒す
1:シンジ君を探して一緒に歌う
2:DMC狂信者や天魔王軍は許さない
3:しかし僕にバサラの代わりが務まるのか……?
4:スニゲーター……!
※使徒だからか、竜と会話が可能です。

100Each Justice:2016/03/30(水) 15:19:22 ID:k.6a5Ls.0
『邪魔を、するなぁぁぁぁ!』
「ぴきぃ!」

世界樹地下での血みどろの死合は続いていた。

氷竜が怒号と共に足を踏み鳴らせば、氷の盾が出現してスライムの炎を遮断する。
アイスシールドの耐久力は、敵の連携攻撃を許さなければ相変わらずの高性能であった。

(おのれ、やはり先刻不意打ちで首を一つもっていかれたのが痛すぎる……!)

だが、氷竜はその盾の出来栄えにただただ歯噛みする。
圧倒的な防御力を持つ盾の何が不満なのか?
共に奮戦するほむらと、長年苦楽を共にしてきた偉大なる赤竜だけは、氷竜の苦悶の表情の理由がわかった。

(おかしい、私と戦った時はもっと純度の高い氷……それこそ鏡のような盾だったはずなのに!)
(その通りだほむら。だがあいつの技は、三つの首が揃った三位一体でこそ真価を発揮するのだ!
 あの傷ではミラーシールドは生成できず、ブレスの威力も減衰する……!)

本来であれば、氷竜が生み出すミラーシールドは超速で生み出される最強の盾。
万能属性を含めたあらゆる攻撃を完全反射するというチートカウンタースキルなのだが……
赤竜の言葉通り、首を失い氷の力が弱まってしまった現在では、ただ頑丈なアイスシールドの生成が限界であった。

「相変わらず邪魔なヤツじゃなぁ。そんなに冷気を吹き出して、この滾りが萎えてしまったらどうするつもりじゃ?
 ――まあこの程度でギンギンのワシが萎えることはないんじゃがなぁ!」
『ぬぐおおおおおぉぉぉぉぉ……!』

暴れ狂う魔王マーラの弱点は氷だというオオナズチ。
理由は冷えて縮こまって萎えるから。もう外見通りの弱点だ。
さらに再生能力とアイスシールドにより、貴虎とスラリンの攻撃を遮断できる氷竜は残された同盟軍の戦力の要であった。
しかし、さしもの三竜も首を一つ失う重傷を負った状態で『魔』そのものを司る魔王と仮面ライダーにスライムを一人で抑え込むことはできない。
そして彼の背後には、守るべき巫女まどかがいる。
盾を張り巡らせ、複数の眼で周囲を警戒しても、どうしてもまどかの防御と敵の足止めが優先されてしまう。

「そこだっ!」
「危ない! 千樹の守りっ!」
『すまないまどか、助かった!』

氷竜の僅かな死角から放たれる矢を、どこからともなく伸びてきた世界樹の枝が遮断する。
絶望的な都庁同盟軍の戦線は、まどかと氷竜の守りの布陣でなんとか崩壊を免れているのだ。

ほんの僅かな時間、二枚の盾が同時に使用された。

「ふっ……かかったな」
「なっ――」

直後、マーラが猛進する。

「くっ、僕のA.Tフィールドだけで耐えきれるのか……!」

ここで三枚目の盾、最終防衛ラインとしてカヲルのA.Tフィールドがまどかを包み込む。

「あまいのぉ、お主」

だがマーラが狙うはまどかではなかった。
盾は確かに面倒ではあるが、三人の連携があれば打ち破れるのはすでにわかっているのだ。
現状マーラ達にとって邪魔なのは、盾の隙間から援護射撃をしてくる連中である。


つまり

101Each Justice:2016/03/30(水) 15:20:25 ID:k.6a5Ls.0
「ア――――ッ!?」

「ロ、ロックオォォォォォォォンッ!!!」

打ちつけられるご立派。
引き裂かれる肛門。
滴る鮮血。
思わず漏れてしまう喘ぎ声。

「お、俺は……トリンのためにも……ブレイブ……ぉほっ……」

無慈悲な一撃を受け、ロックオンの死は確定した。
だが彼は最後の力を振り絞り、マーラへと銃を向ける。
本人の意思とは無関係に漏れてしまいそうな嬌声も噛み殺し、引き金に手をかけ――

「やらせん」「大人しく昇天するがよい」

それよりも早く、貴虎が放った矢がロックオンの心臓を射抜き、ご立派がより深くへ捻じ込まれる。
ブレイブを引き継いだキョウリュウブラックの意思を笑うかのような、あまりにも冷酷な一撃。
その体はご立派を引き抜かれると同時に、力なく地面へと崩れ落ちた。

【ロックオン・ストラトス@機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-】 死亡確認

『貴様ァァァァァァァァァァ!』

赤竜が咆哮をあげ、ファイアブレスを吐き出す。

「ぴきーぃ!」

だがスラリンの灼熱の炎の妨害により威力を下げられたそれは、貴虎の連続射撃でダメージを与える前にかき消された。
氷竜同様、彼も傷により満足のいくブレスが吐けなくなっているのだ。

「何を怒る? 戦いにおいて、遠距離攻撃を得意とするものや手負いの者を優先して潰すことは基本だろう。
 ましてや貴様ら(インベス)なぞにかける情などというものは、存在しないっ!」

貴虎の言うとおり、数で劣る彼らが戦況をより有利なものにするには敵の頭数を減らしていくのが定石だ。
ロックオンは既に瀕死の重傷を負っていた。それでありながら遠距離からの攻撃を止めない彼は、邪魔以外の何物でもない。
弱った人間を蹂躙するなど、忌み嫌う者も多いだろう。
だが貴虎にも信念がある。その信念のためには手段は選ばないし、周りからの罵声を浴びる覚悟も出来ている。

「次は――」
「っ!?」

そして、次の獲物に狙いを定める。つい先程まで戦っていた、黒髪の少女だ。

「危ない、ほむほむっ!」

だが、貴虎が放った矢はラブによって弾かれる。
目の前でロックオンが惨殺され、先程の貴虎の言葉から次に狙われるのはほむらだと彼女は気がついていたのだ。

「ラブ……守ってもらってすまないのだけど……私はもう足手まといにしかならないわ……」
「何を言ってるの! こいつら倒して、みんなで一緒に地上に戻るんだよ!」
「ごめんなさい……もう、武器も底をついて、これ以上魔法を使えば……あなた達にさらに迷惑をかけることになる……」

ほむらは息も絶え絶えな様子でラブに詫びた。
彼女の手に持つ銃は既に弾が底を尽き、手の甲に宿るソウルジェムの濁りは既に限界寸前であることを示している。
屈強なマーラと貴虎には肉弾戦では敵わないし、小さくて動き回るスライムにも効果は薄いだろう。
武器と魔法が使えなくなった時点で、ほむらは生きながらにこの場では死人同然となっていた。

102Each Justice:2016/03/30(水) 15:21:43 ID:k.6a5Ls.0
「ラブちゃん、ほむらちゃんを抱えて後ろに下がって!」
「わかった!」
「これ以上……これ以上みんなを傷つけるのはやめて!」
「うぐぁ!?」

怒りのままに、まどかは世界樹の力を行使する。
世界樹の枝で切り裂くサウザントネイルと、世界樹の根を振り回して薙ぎ払うサイクロンルーツの同時使用。
本来の世界樹の王たる存在でも真似ができないような力の発現に貴虎は吹き飛ばされ、そしてマーラは僅かに驚いた表情を浮かべた。


(ふぅむ……時間経過と共に巫女の器の力が増しておるのか?
 まだまだ青く、力に振り回されてると言っていいが……場所が場所なだけに、ちと不味いかもしれんのぉ)


まどかは世界樹の巫女となり、一時的とはいえ世界樹との融合も可能だ。
それはつまり、まどかの怒りはそのまま世界樹の怒りということになる。
この戦場となっているダンジョンも世界樹の一部であり、いわばマーラ達は怒りを向けてくる存在から360度を包囲されているということになる。

(こやつら、中々に粘るからのぉ……一人一人、暴れるのを屈服させてから昇天させてやりたいところなんじゃが。
 必要な首はあと二つ――いやさっきの男の首をちぎれば一つか。惜しいが、ここはやはりクラウザーをヤることを優先するとしよう)

「スラリン、その男の首もワシに寄越すんじゃ」
「ぴきぃ!」

倒れ伏したロックオンの首を、スラリンが切り落とす。
もう何度目になるかもわからない惨い光景に誰もかれもが短く悔しさを滲ませた声を漏らした。

『貴様らだけは、断じて生かして帰さん!』
「おおっ!? ふむ、お主もなかなかのモノを持っているようじゃが、ワシには遠く及ばんのぉ!」

ロックオンの首を受け取ろうとしていたマーラの身体に、ウォークライが激しくぶつかる。
叫帝竜の巨体による突進を受けても、マーラはびくともしない。
だがこの戦いの最中にウォークライもそれを十分に理解しており、驚くことなく次の本当の攻撃の構えに入った。

『我が爪で八つ裂きにされて、滅びろ巨根ッ!』

雄叫びと共に、ウォークライの両腕の爪が振り下ろされる。
これまで数多くの竜を狩る者を血の海に沈めてきた、必殺のギガブレイクだ。

「ぬふぉふぉふぉふぉ! そのパワーは見事じゃが、昂ぶってきたワシのご立派にはその手の攻撃は通じぬわ!」
『なんだとっ!? うぐ、なんだこの汚らしい粘液は!?』

しかしギガブレイクは不発に終わった。
荒ぶりそのご立派をさらに怒張させたマーラの身体は謎の粘液で覆われており、爪を受け流したのだ。

これまでに多くの男女を貫き、時には激しい攻撃にさらされたマーラはとにかく現在も非常に興奮状態。
興奮した身体は先走った液体を垂れ流し、誰かを貫けばその誰かの愛液や腸液を浴びる。
そして相手を昇天させるために、マーラは己の身体から特濃の白濁液をぶちまける。
二重三重に粘液で覆われたマーラには、物理攻撃に対する耐性が勝手にでき始めていたのである。

103Each Justice:2016/03/30(水) 15:22:53 ID:k.6a5Ls.0
『くっ……!』

たまらずウォークライは飛び退いた。
自分の爪が通らないのであれば、おそらく自分と同タイプの赤竜の攻撃も通用しないだろう。
タイフーンハウルであればおそらく少なからずダメージを与えられるだろうが……
オオナズチの言葉通り、万が一自身のブレスの状態異常が跳ね返されると不味い。
この最悪の魔王を前にしてスキル使用不可と麻痺などという状況は、イコール死でしかない。

「よし、今じゃ首を投げとくれ」
「ぴき」

そしてウォークライが退いたタイミングで、ロックオンの首が投げられ――

「ゴドォォォォォォォォッ!!!」
「ぴぎぃっ!!?」

それと同時に、岩陰に潜んでいたメガボスゴドラがスラリンに奇襲をしかけた。
魅せる技ではない。無骨な、しかしメガボスゴドラの身体から繰り出されるそれはまさに鉄槌――アイアンヘッド。
スラリンは軟体ではあるが、首を投げるために身体を捻り、その瞬間に軸となる部分が生まれて僅かに硬くなっていた。
そのタイミングを見計らってのふりおろしアイアンヘッドは、スラリンの身体の一部を飛び散らせるには十分な威力があった。

「スラリン!? くそ!」
「オオオ……!」

予想外の一撃に、貴虎がメガボスゴドラに矢を放つが、頑強な身体はそれを受け止めてみせる。
まだ、倒れるわけにはいかないという信念が、メガボスゴドラに力を与えていた。

「ぴ……ぎぃ……!」
「ドォォォォォ!」

まだ、この仲間の首を刎ねてまわる小さな悪魔は生きているのだから。
メガボスゴドラは、こんな時に己の攻撃力の低さを嘆いていた。
こんな小さな奴一人渾身の一撃でも殺しきれないなんて、と。
だが飛び散り容量が明らかに減ったスライムは半死半生。このまま放置してもいずれは死ぬだろう。
そういった意味では、一応当初の目的は達せたのかもしれないと、頭を振り上げ追撃のアイアンヘッドの構えに入りながらも考えていた。


『に、逃げろメガボスゴドラ! マーラがお前に狙いを変えているっ!』


――そんなことは覚悟のうえだ。
最初から、このスライムを道連れに死ぬつもりだったのだ。
結果としてそれさえできていないが、少なくとも大きなダメージは与えられた。
愚鈍な自分がマーラの攻撃をかわしきれるわけがない。ならば動かず大人しくしていた方が、マーラが余計な方向に突進せずに済む。
僅かな時間でも仲間達から攻撃をそらすことができれば、その間に氷河の再生とエタニティツリーで微々たるものでも回復できるだろう。
連続で公園を破壊されたのだけはちょっと凹んだけれども、それでもダオスは信用に足る人物だった。そしてこうして一緒に戦った仲間たちも。
後は、頼んだ――あえて、仲間たちに言葉は伝えない。

「スラリンを殺したかったようじゃが、おかげでお主の*が丸見えじゃぞ?」
「ゴドォォア―――――ッ!?」

回避行動もとらなかったため、猛突進してきたマーラのご立派は深々とメガボスゴドラを貫いた。
来ると覚悟をしていたにもかかわらず、メガボスゴドラは断末魔の嬌声をあげてしまう。
それだけを悔いながら、やがてメガボスゴドラはぴくりとも動かなくなった。


【メガボスゴドラ@ポケモン】 死亡確認

104Each Justice:2016/03/30(水) 15:24:09 ID:k.6a5Ls.0
「フハハハハハハ! これで、五人目じゃ!」

硬いメガボスゴドラの首を、マーラはなんなく自分の手でちぎって見せた。
彼が仲間のためにあえて捨て身の行動を取ったということなど、きっと理解していないしする気もないだろう。
己の手元に、狂信者入りの条件である五つの首が揃ったのだ。それ以上に大切なことなど存在しない。

「う……うぅ……!」
『おのれ……』

笑うマーラに対して、同盟軍の誰もが、涙を零していた。
勝ち誇ったように、マーラはその触手で仲間たちの首を掲げているのだ。
その光景に、特にまどかの怒りと悲しみが混ざった感情は爆発しそうになる。

「みんな……!」

知的であった筈のトリンの首は、見るも無残なアへ顔になってしまっている。
その想いを伝えることも叶わなかったサクヤの首は、絶望と悲しみの表情を浮かべている。
あまりに一瞬、不意をつかれたスニゲーターの首は、何が起きたのかと混乱したままだ。
遺志を継ごうと奮戦し、それでも討たれたロックオンの首は、ただ悔しさを全面に滲ませている。
そしてまさに今もがれたメガボスゴドラの首は、どこか悲壮な覚悟を決めていたように見えた。

この僅かな時間で、かけがえのない5人の仲間が魔王に殺された。
ゴロリ、チェイス、水木、まこちー、そしてキルコ……
誤解が解け、共に戦おうとカヲルの手を握った警察組も仲間に含めるならば、さらに5人の犠牲者。
いや、この後のことを考えれば、自分たちを含めてまだまだ沢山の仲間が殺されるかもしれない。

「ゆる……さない……!」

世界樹全体が僅かに震える。
まどかの怒りに呼応するかのように、既に世界樹の根はサイクロンルーツを放つ寸前だ。


「貴虎、首は集まった。それにこの位置ならば問題あるまいて――再び連携じゃ」
「わかった。……いけるか、スラリン?」
「ぴ、ぴぎぃ!」


「――っ!?」

しかし、その怒りがいけなかった。
怒りの矛先をマーラ達に向けた世界樹は、既に攻撃準備が完了――防御に回るまで僅かな時間を要してしまう。
しかもいつのまにか、自分たちは一か所に固められてしまっている。
三重の盾が破られ、多大なダメージを受けたマラ灼熱のソニックダイン。
まどかの千樹の守りが遅れ、さらに今度は大ダメージを負っている状況で、耐えられるのか?

「さらばじゃ。本当は残ったお主たちも昇天させてやりたかったんじゃがな」

答えは――否。


「「連携攻撃―― マ ラ 灼 熱 の ソ ニ ッ ク ダ イ ン ッ ! ! 」」


凄まじいエネルギーが、既にキャンセルのできなくなったサイクロンルーツの根をあっさりと焼き払い……
同盟軍へと迫った。

105Each Justice:2016/03/30(水) 15:24:53 ID:k.6a5Ls.0
「ふっ……」

貴虎は、自分の勝利を確信した。
この一撃で確実に半数以上は消し飛ぶ。万が一生き延びたとしても、もはや抵抗する力は残っていないだろう。
そいつらはマーラに処理してもらい、後はどさくさに紛れてどこかに爆弾をしかける。
そしてマーラ諸共ヘルヘイムの森を爆破してやれば、晴れてヘルヘイム問題は解決。
次はそれを手土産にビッグサイトへ向かい、ビッグサイトも爆破してやる――












『ゲネシスドライバー』を盗まれた!









「!!!???」









「ざまあみろwwwwwwwwwwwこの腐れメロンwwwwwwwwwwwww」








何が、起きた?
その場の誰もが、状況を理解できていなかった。
あまりにも一瞬のできごとであり、変身が解けて初めてその素顔を晒した貴虎も、マーラさえもが固まった。
唯一動けていたのは……その舌でベルトをからめ捕り、不味そうに咀嚼しているオオナズチだけであった。

106Each Justice:2016/03/30(水) 15:26:39 ID:k.6a5Ls.0
「な……!?」
「古龍なめんなよ……これでもお前みたいな人間よりも、ずっと長く生きてるし、死線だって越えてきたんだ。
 戦場で、最後まで油断するんじゃない。油断したハンターから、我の舌の餌食になっていくのは昔から変わらない……」
「オオナズチ!?」

いつの間にか、オオナズチは前へと出ていた。

『いかん!』
「っ!」

あわててオオナズチの前方に、アイスシールドとA.Tフィールドが展開される。
しかしそれでもオオナズチはその場から動こうとはせず、そのいびつな翼を広げて仲間の前で仁王立ちをしていた。

「オオナズチあなた何をしてるの!? 炎が弱点だってさっき言ってたでしょう!?」
「ほむほむ……我は確かに変態だ。今も頭のどこかでみんなにエロ同人誌みたいなことしたいとか思ってる……
 でもね、我が望む同人誌展開は、仲間と馬鹿みたいなこと話して、好みの女の子を見つけて、襲って……」

氷の盾が、熱に耐えきれず溶けて消えていく。

「我のテクニックで女の子をメロメロにしたら、一緒に巣に帰って、またエロエロする……そんな穏やかな生活がしたかった」

A.Tフィールドにヒビが入る。

「間に合って! 千樹の守りっ!」
「自然に囲まれて、美少女が一杯いて、色々な面白い人間が集まって……この世界樹は我にとってグンマ―以上の楽園だった。
 それをあんな、たった一瞬の快楽を与えただけで誰もかれも使い捨てるような、女の子どころか生物に対しての感謝の念すら持たない……
 あんな、あんなイカレチン○連中に、これ以上壊されてたまるかくそったれがああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!」

世界樹の防壁が軋む。
オオナズチの絶叫を飲み込むかのように、破滅のエネルギーはすぐそこまで迫っていた。

「……とか言っちゃったりしてwwwwwwwこれで皆を守りきれたら我はヒーローでモテモテ間違いなしですなwwwwww」
『オオナズチ、やめろ! お前ではあの攻撃を受けきれん!』
「……あのスライムは瀕死だ。そしてあの腐れメロンはベルトが無ければ変身できないただの人間、残るは最初通りマーラのみ。
 この攻撃さえ凌げば、きっと何かしらの活路が見えてくるはずだ。
 んんwwwwwww我は古龍の中でも特にタフな種族なんですぞwwwwwシールドで威力が減衰してるこんな攻撃wwwww
 それも一発だけwwwwwww耐えきれないwwwwwwwわけがないwwwwwwwwwwwwwww
 安心してwwwwwwwできる限りみんな後ろに下がってwwwwwwwwそしてwwwwwwww
 我の分までwwwwwwwww楽しい世界樹ライフをwwwwwwww堪能して欲しいんですぞwwwwwwwwwwwwwww」
「オオナズチ!」

最後の防壁が突破され、吐き出されるオオナズチの霞ブレスも蒸発していく。



(ここまでですかな……ああ、せめてさやかちゃんにも別れの言葉くらいは……)












『ヨク頑張ったネ、オオナズチ――君が死ぬ必要はナイよ』

107Each Justice:2016/03/30(水) 15:27:30 ID:k.6a5Ls.0
「wwwww……え?」



『  ハ  ル  マ  ゲ  ド  ン  』


謎の声。直後に『世界樹の怒り』が炸裂した。


「ぬおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「ぐああああああぁぁぁぁぁぁあ!?」
「ぴぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!?」

マラ灼熱のソニックダインを一瞬にして相殺したそれの余波は、後ろにいた三人すら大きく吹き飛ばして壁に叩きつける。

『死ぬべきなのは、サクヤや他のみんなを殺しテマドカサエ殺そうとシタ、コノケガレドモだ』

「な、何者じゃお主!?」

マーラ達さえ吹き飛ばしたそれは、異形の怪物であった。
形のことなる龍の足に翼はまだいい。6本の赤い竜鱗で覆われた禍々しい触手と、黒い眼の中でこちらを睨みつける金色の光はなんなのか。
あからさまな怪物でありながら、それが人の型を完全には崩していないというのが、その場にいた誰をも恐怖させた。

「ま、まさか……」

ただ一人、まどかだけはその正体に心当たりがあった。

『マドカハワタシヲユルシ、救ってくれタ。ユイイツ私のナゲキに耳を傾けてクレタ女神にして、新たな世界樹のカンリシャ。
 私はまどかヲこのサイキョウのアメダマと共に守る者……』
「なんだと……」

『イワバ――フォレスト・レスト……オイアメダマ、同じコトバが連続ではシマリガな「エーテルリンク解除ッ!」にしゃっ!?」

眩い閃光と共に、異形の人型は消し飛んだ。
代わりに現れたのは、今は亡きスニゲーターが待ち望んでいた存在。

「あ……危なかった。危うく完全に意識乗っ取られるところだったよ全く……!」
『あ、主!?』
「にしゃにしゃーしゃ! にしゃしゃーん!」
「セルちゃん!? ……もう少し頑張れよ飴玉、折角なんだから名乗りぐらいは終えてからって……?」

ウォークライの現在の主にして、ダオスと双璧をなす世界樹の守護者レスト。

「にしゃああああああああああああ――――――――ッ!!!!!!!」

そして眼を見開き、誰から見ても明らかに殺意に満ち満ちている世界樹の核、フォレスト・セル。

「ほっほっ……まさか、まさかここにきてこのような大物と出くわすとはのぉ……思わず滾ってしまうわい!」
「ば、ばかな……」
「ぴ、ぴぃぃ……」

ご立派をギンギンにさせるマーラとは対照的に、貴虎とスラリンは完全に戦意を喪失していた。
この巨体で一度地上に出てしまえば、世界樹を倒さずに地下に潜るのは至難の技のはずだ。
一体どうして、この規格外の怪物が地下までやってこられたのか?

ほんの少しだけ、時を遡ろう



108Each Justice:2016/03/30(水) 15:28:47 ID:k.6a5Ls.0
「……サクヤ? っ……! サクヤッ!」

フォレスト・セルに舐めまわされていたレストは、悪寒を感じていた。
全身を余すことなく舐めつくされるおぞましさからくるものではない、もっとおぞましい寒気。

「フォレスト・セル! 聞こえるかっ!? いますぐ、僕を、舐めるのを、中止、してくれぇ……!」

舌で転がされながら、レストは必死で叫んだ。
今の悪寒は普通ではなかった。暗く密閉されたこの口内において、確かに従者の悲鳴が聞こえたのだ。
早く行かねば、彼女が殺されてしまうかもしれない。もしかしたら、既に殺されてしまっているかもしれない。

「行かなきゃ……サクヤの声が……聞こえたんだ……!
 こんな駄目な主人に……愛想を尽かさないでいてくれたあの子の、悲鳴が……っ!」

知ったことではない――正確には、まどかの命令通り治療が済むまでは外に出すわけにはいかない。フォレスト・セルはそう判断した。

「頼むよ……! これ以上、手が届く範囲だったのに、誰も守れないのは、嫌なんだ……うわっ!
 くっ……! こうなったら、まどかやみんなに怒られてでもフォレスト・セルの一部を切り開いて……
 そうだっ、サクヤの身に危険が迫っているってことは、一緒にいるはずのまどかも――」

「にしゃああああああああああああああああ――――ッ!!!」

その言葉で、フォレスト・セルはおぞましい雄叫びを関東中に放った。

「ぐあああああああ! 口内に僕がいるのに叫ばないでくれぇ! と、とにかくわかっただろう!?
 これはまどかの危機でもあるかもしれないんだ! 頼むから僕を……
 いや――そうだ。君も来ればいい。治療しつつ地下に移動すれば、まどかのいいつけを破ったことにはならないよ」

「にしゃ?」

「ああ、君が僕を地下に向かわせる見返りに、僕は君をまどかの元へ連れて行こう。
 正直かなり危険な賭けではあるけど、このまま何もできずに地上にいるよりはましだ。
 地価は君の方が詳しいし、まどかの気配も察知できるんだろう? 僕の身体、一時的に君に貸そう。
 ――エーテルリンク! 対象、フォレスト・セルッ!」

こうして融合を果たしたフォレスト・セルは、まどかの匂いを追って地下へと潜ったのである。




「レストさん……ご、ごめんなさい、サクヤさんは……」
「……わかっている。それよりまどか、フォレスト・セルに命令を。
 エーテルリンク中にフォレスト・セルのスキル内容は理解できた。あれは絶対の障壁を持っている――セルメンブレンだ」
「わ、わかった。セルちゃん、セルメンブレン!」
「にしゃーん!」

フォレスト・セルが叫ぶと同時に、極薄の膜の防壁がまどかや同盟軍を包み込んだ。
フォレスト・セルが持つこの障壁は、氷竜のミラーシールドさえ上回る。
ありとあらゆる攻撃全てを威力を何倍にも跳ね上げた上で、敵対者全員に跳ね返すのだ。

「まどか、君もこの障壁から外へは出ずにみんなは体力の回復に専念してくれ。いくらなんでもみんな、これ以上戦闘ができる状態じゃない」
「で、でも……」
「まどっち、ここは大人しく言うことを聞くべきですなwwwwwwwかっこつけたけど、やっぱり我も死にそうですしwwwww
 それにこいつならwwwwwww我の角と同じようにあのイカレチン○も蹴り折れそうですからなwwwwwww」
「……あれは君がサクヤにあんな真似するからだよ」
「サーセンwwwww……さっきは助かったよ。でもあいつは魔王マーラ、お前でも厳しい相手だ。気をつけるんですぞ……」
「誰だよ君!?」
「wwwwwwwwwwwww」

109Each Justice:2016/03/30(水) 15:29:45 ID:k.6a5Ls.0
オオナズチの笑い声をバックに、レストは振り向く。
先程のまどかの言葉、そしてぼろぼろな状態で明らかに人数が減っている仲間たち。
この場で何があったのかは、考えるまでもない。

「ほほう、そこの世界樹の化身の前にお主が先に昇天したいのかの?」
「……昇天?」
「ああ、そうじゃ。このワシのご立派で貫いて、天に昇るような極上の快楽を与えてあげよう。
 そうじゃな……まずは見てもらった方が早いか」
「なっ!?」
「ぴき!?」

そう言ってマーラは触手を伸ばす。
だがそれに捉えられたのはレストではなく――貴虎とスラリンであった。

「な、何をするマーラ!?」

「……残念じゃが、お主たちはもう戦えんよ。即席のワシらよりも、こやつらの連携と信念は上じゃ。
 たとえ自分が死のうともワシらに臆さず向かってきた者、リスクを背負ってでもこちらにやってきたこやつら。
 そして世界樹の化身すらも手懐け、本当に巫女となりえそうなあの娘……そしてその娘の殺意に、お主らはその身体で立ち向かえるか?」

貴虎は思わず、まどかの顔を見る。
どう見ても幼さの残る顔立ちでありながら、その眼には確かにマーラの言う信念と、そして揺るぎ無い殺意が宿っている。
本来は温厚であったであろう少女をあのような眼にさせてしまったのは、何が原因か――自分達ではないか。

「くっ……だが、私はインベスどもを――


「インベス、か……悲しいのぉ貴虎。お主は確かに戦士としては優秀であったが、余りにも冷静さが足りぬよ。
 ――あの娘は、インベスではなく人間だぞ? お前とワシで昇天させたあのムチムチの婦警も、キョウリュウジャーもな」
「「――ッ!!?」」

魔王から告げられた、遅すぎた真実に貴虎とスラリンの顔は一気に絶望色に染まった。
自分たちが守ろうとしていた人間を、自分たちの手で殺してまわり、挙句それを喜んでいた……?

「哀れじゃな……一時とはいえ、仲魔になったよしみじゃ。
 ――その絶望をすぐ忘れてしまえるような、黄龍に施した快楽以上の快楽で――昇天させてやろう」
「ま――








(この項目は、あまりに不適切な表現があったため、検閲削除されました)











【呉島貴虎@仮面ライダー鎧武】 死亡確認
【スラリン@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】 死亡確認

110Each Justice:2016/03/30(水) 15:30:46 ID:k.6a5Ls.0
「うっ……くっ……惨すぎるわ、こんなの……」

あまりにも凄惨な光景に、貴虎たちを必ず殺すと決意していたほむらさえもが、口元を抑えて涙を零す。

「あんなん同人誌でも出した瞬間コミケ永久出禁どころか即逮捕もんですぞ……」

凌辱にはある程度耐性があるはずのオオナズチですら、嘔吐してしまっている。
彼がセルメンブレン障壁の中で霧を張らなければ、もっと多くの同盟軍が一生もののトラウマを背負うこととなっていただろう。
それでも、音までは防げない。
あれほど恐ろしかった貴虎の、あまりにも酷すぎる嬌声の数々は、確実に多くの者の耳にこびりついて離れることはないだろう。


「……サクヤにも、こんなことをしたのか」

一番至近距離で貴虎とスラリンの凌辱劇を見せられたレストは、片膝をつきつつも必死で嘔吐を堪えていた。
今の行為で確信した。この目の前の悪魔の思考には、仲間だとか成し遂げるべき目的だとか大層なものは存在しない。
ただヤるだけ、下半身脳というか、脳が下半身なのだろう。いやそもそも身体が下半身のご立派な時点で当たり前か。
とにかく、目を背けて背後を見せた瞬間――ヤられる。

(痛いところついてくるな。いくら身体が丈夫でも、こんな精神的にクる攻撃をしかけてくるなんて。
 フォレスト・セルを戦わせるのは本当に最終手段だ。ここは、僕が冷静になってこいつに対処しないと……)

「サクヤ? ああ、 こ の 娘 の こ と か の ? 」

貴虎とスラリンを完膚なきまでに凌辱し、上機嫌となったマーラは戦車から生首を一つ取り出した。

「安心せい、急な割り込みじゃったから軽い絶頂死コースで――

言い終える前に、マーラのご立派――マーラの顔面に、強烈な蹴りが放たれていた。
これが(|)、こう(く)なったのだ。

『ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ! や、やめてくれ主ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!』
「本気で蹴りやがりましたよwwwwwwwだがザマァイカレチン○wwwwwww」

ウォークライが何故か絶叫し、オオナズチが笑い、残る面々は絶句していた。

「ち……本当に叩き折ってやろうと思ったのに、なんて硬いんだよこの猥褻物……っ!」
「ぬほぉぉぉぉ……いかんいかん、危うくこの痛みだけでイってしまうとこじゃった。
 ふぅむ、お主の身体もワシ程じゃないにしても、相当ギンギンみたいじゃのう……」

一瞬折れ曲がったマーラは、しかしなんでもないと言った様子で、頭部から白濁液を撒き散らしながらも立ち上がって見せたのだ。
普通の相手であれば、間違いなく今の一撃で即死だったであろう。
一体魔界でどのような修行をすれば、あそこまで屈強なご立派になれるのであろうか。
この場にもっと男が多く存在していたならば、誰もがマーラに憧れたことだろう。

「じゃが……貴様ごとき若造、このワシのギンギンのバッキバキの突きで、すぐに昇天させてくれるわ!」
「そんなに『突く』のが好きなら乗ってあげるよ……
 ――錬成! 『グングニル』!! さあ魔王マーラ――懺悔の用意は出来ているか?」

自分のご立派を傷つけた男に対して、マーラは静かに本気の構えに入る。
対するレストもまた、マーラの心も折らんと世界樹の根から槍を作り出して身構える。

「「いくぞっ!」」

二本の槍が、激しくぶつかり合った。




111Each Justice:2016/03/30(水) 15:33:23 ID:k.6a5Ls.0
「はあああああぁぁぁぁぁぁっ!」
「グフォフォッ……なかなかやるが、そんな手数勝負ではこのご立派には敵わんぞぉ!?」

暴風を纏う神速の突きを次々に浴び、粘液の防壁をひっぺがされても、マーラはひるむことはしない。
身体を切り裂かれ興奮からか白濁液を飛び散らせても、さらに前へ前へとぐいぐいと進む。

「チャージ……からの体当たりを喰らえぃ!」
「ぐ……ごほっ……!」

速さと技を圧倒的な力がねじ伏せ、暴力的なご立派がレストの腹部へとめり込む。
槍と言う武器は接近を許しすぎては、その長所を生かせなくなってしまう。
懐までマーラの侵入を許した時点で、勝敗は一瞬で決まったかに見えた。

「……この程度! チェストォォォォォォッ!!!」
「ぬごばぁ!?」

しかし、今度は接近しすぎたマーラがそのご立派に凶悪な拳を受け、大きく仰け反った。

「正拳『突き』も突き技だからね。騙してはいないだろう?」
「フォッフォッ……うむ、その通りじゃな。しかしお主、本当にギンギンな身体をしておるのぉ……生物とは思えん硬さじゃ」
「それはこっちの台詞だよ。今の力で殴った冥竜や狂信者は一撃で消し飛んだのに、普通に耐えられるとはね……」

お互いがお互いの攻撃をその身に受け、相手の力量を理解する。
そしてその強さの裏にある、弛まぬ努力の成果を。
くしくも二人には共通点があった。
長年の努力の末に手に入れた、至高の肉体。そこから放たれる、悶絶必至な攻撃。
片やこれまで多くの者をその肉体で『天へ昇らせ』てきた魔王。
片やこれまで多くの狂信者をその肉体で『地へ還し』てきた人間。
二人の共通思考――それは。


「「相手が硬い? も っ と レ ベ ル を 上 げ て ! 物 理 で ヤ (殺) れ ば い い ! 」」


そう、二人は誰が言ったか『レベルを上げて物理で殴ればいい』を地で行っている存在。
マーラは、自己強化魔法をかけたあとにひたすら物理攻撃しか行わない程に雄々しい時期もあった。
レストも本職は観光大使でありながら、トチ狂ったレベル上限の持ち主。
両者叫ぶと同時に、再び肉体と肉体をぶつけ合う。
もはや本能的に理解していた。魔法攻撃をしたところで、お互い効かないか吸収されるか反射されるかのどれかでしかないと。
ならば残った武器はただ一つ、極限まで鍛え上げられた己の肉体のみ。

「これならばどうじゃ!」
「甘い!」

マーラの突進を、槍を突き立てたレストが棒高跳びの要領でかわして背後へと回り込む。

「一撃で折れないなら、何発でも打ちこんでやる!」
「そうはさせぬわ!」

凄まじい反応速度で振り向いたマーラが、薙ぎ払うようにそのご立派を主張させる。
合わせるように振るわれた槍とそれはぶつかり合い、両者が僅かに弾かれた。
そして再び距離をとってはまたぶつかり合う。
いつ終わるかもわからない、物理の宴が幕を開けた。





112Each Justice:2016/03/30(水) 15:34:03 ID:k.6a5Ls.0
「でああああああぁぁぁぁっ!」
「ぬっ、ほぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

突進を受け流し担ぎ上げ、レストがマーラを地面へと突き刺す。
どれだけぶつかり合ったかはもはや両者数えていない。
二人の激しい攻防と拮抗状態は続いていた。

「はぁ……はぁ……」

しかし、ここにきてレストには明らかな疲労の色が見える。
無理もないだろう。彼は大量の狂信者との戦闘を終えてから、十分には回復しきれていないのだから。

「ふぉぉぉぉぉぉぉ!」

めり込んだご立派を引き抜き、マーラが滾る。
見ての通り逆にマーラは疲労の色が薄い。
当然だろう。誰かをぶち抜いて昇天させて喜び、戦えば戦う程に昂ぶっていく存在なのだから。

「ぬふぅ……前言を撤回しようレストよ。お主のギンギンなパワーとそのバッキバキの硬さは……悔しいがワシ以上じゃ!
 まだまだワシも修業が足りんのぉ……」

自身のご立派に対して絶対の自信を持つマーラが他人を認めることは非常に珍しい。
だが負けを認めたにしては、実に愉しげにマーラは笑う。

「じゃが――まだまだ若い」
「っ!」

次の瞬間、マーラの姿が消えた。

「ワシの熟年のテクニック、スピード、そして最も大切な持久力! こればかりは何者も敵うまいてぇ!」

マーラは既にレストの背後に回り込んでいた。
疲労し動きが鈍った獲物を、絶対の狩人が仕留めにかかる。






そして――









「天に昇るがいい! 地 獄 突 き ! 」
「――――ッ!!!!」


ご立派が、レストの穴にぶち込まれた。

113Each Justice:2016/03/30(水) 15:34:43 ID:k.6a5Ls.0
「あ……あぁぁぁ……!」

都庁同盟軍の誰もが、その瞬間に崩れ落ちる。
レストですら、マーラには勝つことができなかった。
まだこちらには最後の砦としてフォレスト・セルがいるが、もはやそれでも安心はできない。

「ぐ……ぅぅ……!」
「さすがじゃな。ワシのご立派を受けてなおまだ普通に息があるか。よいぞよいぞ、これからこそが本当のお楽しみじゃからなぁ……」

まだ息はあるようだが、今の状況ではそれは逆に余計な地獄を見てしまうだけだろう。
それこそ、あのトラウマ確定のファガンや貴虎と同じようになってしまうかもしれない。
誰もが、その凄惨な最期から目を背けようとする。






「……んっ、く……―――――かかったね、マーラ」
「な、なんじゃと!?」
「事前にフォレスト・セルに解されてなきゃ、危ないところだったよ……アビリティ、鋼心之構ッ!」
「「え゛っ!?」」





その場の全員が、思わずフォレスト・セルに視線を向ける。

「セ、セルちゃんが……ドヤ顔をしてる……!?」
『まるで意味がわからんぞ!?』

一体自分達の知らない場所でレストの身に何があり、フォレスト・セルが何をしたのか。
あえて誰もそれには言及をしなかった。今はする時ではない。

「ば、馬鹿な……まさか、あやつにワシのご立派を上回るほどのテクニックがあああぁぁぁぁぁぁぁ!?」

フォレスト・セルの表情を見たマーラは、これまでにないほど狼狽していた。
そしてレストもその隙を逃すような真似はしない。身体を仰け反らせ、連結したまま勢いをつけて身体を振り下ろし、しっかりと大地を踏みしめる。
さらにそのまま片足を軸に180度回転。
これまで、レストは同盟軍に見せつけられるように貫かれていたのだ。
それが回転したということは……

                          ( * )

『……マーラにも、穴はあるのだな』

今度は同盟軍の目の前に、マーラの大切な穴が晒されることとなる。

「ひ、ひいいいいぃぃぃぃぃ!? は、恥ずかしい! 穴があったら入りたいわい! いや、もう入ってるんじゃけども!?
 ど、どうしてじゃ……抜くことも、これ以上深く挿すこともできぬ……!?」
「……鋼心之構は、僕の身体を超鋼体(ハイパーアーマー)状態にする技だ。僕が自ら動こうとしない限り、僕は絶対に微動だにしない。
 お前のスピードが僕より上なのはすぐにわかったさ。だから『確実に捉えるため』には、こんな方法しか思いつかなかった……」
「じゃ、じゃがこの状態では、ワシもお主も互いに攻撃はできぬぞ……あ、いい締め付け――」

「まどか――こいつに全力の怒りをぶつけるんだ。僕ごと、一切の容赦なくやってくれ」

衝撃的な言葉に、同盟軍だけでなくマーラも固まった。

114Each Justice:2016/03/30(水) 15:35:30 ID:k.6a5Ls.0
「で、でもそれじゃあ!」
『いかん、レスト! いくらお前でも、その傷では巫女の一撃を受けるのは無理だ!』
「僕の耐久力は、多分この中だとまどかが一番知ってるんじゃないかな? 大丈夫だって、あれだけメギドラオン受けて生きているんだから。
 それにこんな奴と心中する気はないよ。まどか以外も、赤竜さんと氷竜さんにそれからウォークライとフォレスト・セルにも手伝ってもらおう」

仲間たちを諭すようにレストが話す最中も、マーラはさらにもがいていた。
彼は誰よりも早く、この悪魔じみた作戦の内容を理解してしまったのである。

「僕にあって、マーラにないもの……それは『属性攻撃の吸収』だ。みんなは僕ごとマーラを焼いたり凍らせてくれればそれでいい。
 それで僕はこんな状態でも体力を回復し続けられるし、逆にマーラにはダメージが蓄積され続けるからね」
『な、なるほど! では早速失礼して……アイスブレス!』
「うーん、涼しい」「ぬあああああ、やめろぉぉぉ! ワシの肛門を冷やすんじゃあないぃぃぃぃぃぃ!」

対照的な反応が返ってきたため、氷竜はにやりと笑みを浮かべた。
やっと状況を理解したのか、属性攻撃が可能な面々も次々に構えに入る。

「レストさん……」
「大丈夫さ。遠慮なくやってくれ。僕一人の怒りがマーラに届かないなら、みんなの怒りもぶつけてやればいいだけってことさ」
「……うん!」

きっ、とまどかの表情が引き締まる。
眼前には、多くの仲間を辱め殺害した、憎き魔王マーラの肛門。

「……」

あまりに直視には耐えがたい光景なので、目を閉じつつまどかはダオスの教えを思い出していた。


――なに、自分も前線で戦いたいだと? 悪いが、それは却下する。
――まどかよ、確かにお前は世界樹の巫女となった。その秘めたる魔力は、私やレストを遥かに超えるものだろう。
――だがお前はまだ、私たちに勝つことなど到底できはしない。何故だかわかるか?
――簡単なこと。私たちとお前とで決定的に違うのは、戦闘経験だ。
――どれだけ強力な力であっても、それを戦いの中で最大限生かすには、あらゆる戦局を知らねばならない。
――相手の動きから、次にどのような攻撃がくるのか。自分はその時、どう動けばいいのか。
――雑魚ならば世界樹の圧倒的な力で強引にねじ伏せられるが、相手が実力者だった場合……お前は、満足に力も振るえずに敗れるだろう。
――戦闘経験は一朝一夕で身に付くものではない。お前や世界樹を守るために、私たちが存在するのだ。大人しく後衛で……
――……わかった、そんな顔をするな。ならば一つだけ、お前に奥義を教えてやろう。他の技は魔物から聞くか、見て盗むのだな。


「魔王マーラ……あなただけは、絶対に許さない……! 私の……世界樹の……みんなの怒りを……思い知って!!!」


――この技は、威力は絶大だが隙も大きい。故にまどかよ、ただでさえ戦闘経験の少ないお前は、必ず相手が動けない状態で使え。
――目を閉じ、大気中の魔力を全身で感じるのだ。それを両の掌に集め、練り上げ、収束させよ。あとはそれを相手に放つだけでいい。
――シンプルだが、これは強力な技だ。お前でも扱えるだろう。
――なに、技名? ティロ・フィナーレみたいなかっこいい感じで……?
――むう、そうだな……私は二択だった。真にするか、スーパーにするかで3か月ほど悩んだことがある。

115Each Justice:2016/03/30(水) 15:36:12 ID:k.6a5Ls.0
――よし……私以上の魔力を持つお前が放つ奥義なのだ。ならばこの奥義の名は……



















「 ハ イ パ ー ま ど か ビ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ッ ッ ッ ム ッ ! ! ! ! ! ! 」
















まどかの叫びと共に、無数の魔法陣が彼女の背後に現れる。
そしてその魔法陣から、まどかの両手から、極大の光が降り注ぐ。
光の中から漏れる絶叫は、果たしてどちらのものか。
しかしまどかは仲間を信じ、光を弱めるようなことはしない。

『受けよマーラ! 我らの怒りも!』
「にしゃしゃしゃしゃ―――ッ!」

さらに爆炎と吹雪が途切れることなく放たれ続けた。
仲間には癒しを、敵には滅びをもたらす氷炎。
ボロボロの身体に鞭打ち、まどかに負けじと彼らも全力で攻撃を続ける。

「ああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

世界樹の魔物と巫女の総攻撃、世界樹の怒りはそうそう治まるものではない。
まどかは涙を零しつつも、ひたすらに攻撃を続けた。
ここで喪った、仲間達の顔を思い浮かべながら……




116Each Justice:2016/03/30(水) 15:36:47 ID:k.6a5Ls.0
「はぁ……はぁ……」

どれだけビームを撃ち続けただろうか。ようやく世界樹の怒りが一段落を迎える。
思っていたよりは世界樹の損傷が少ないのは、それだけあの二人が浴びていたということなのだろうか。

「マ、マーラは!? 倒せたの!?」
『それよりも、我が主は無事なのか!?』

精根尽き果てた同盟軍の面々が、煙が立ち込める中心部の様子を伺う。

「っ!」

黒焦げた何かが、抉れた地面の端を掴んだ。



「……げほっ……まったく……
 まどか……さすがに限度ってものが……あると思うよ……途中から喰らってるの僕だけだったんだよ……?」
「っレストさん!」


這いずり出てきたのは、煙をあげながらも意識ははっきりしている世界樹の守護者の方であった。
それはつまり――

「勝った! 勝ったんですなwwwwwwあの魔王マーラにwwwwwwwやったですぞおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉwwwww」


魔王マーラが、討伐されたことを示していた。
オオナズチの歓声から遅れて、ようやく残る面々もその勝利を実感する。
魔物も人も抱き合い、共に労いあい、生きていることを噛みしめる。



多くの犠牲を出した世界樹の地下での死闘は、ようやく終わりを迎えたのだ。



【マーラ様@女神転生シリーズ】 死亡確認





117Each Justice:2016/03/30(水) 15:37:27 ID:k.6a5Ls.0
「ほむほむ、大丈夫……?」
「ええ、ソウルジェムの穢れはフォレスト・セルが地下に来てくれたおかげでなんとかなったから……
 あとはこの傷をさやかに治してもらうだけよ」
「んんwwwwwやはりさやかちゃんは大天使ですなwwwww我も早く癒されたいwwwwww」
『しかしオオナズチよ……草を生やさないお前は随分久々に見た気がするぞ』
「けれど、地上に戻ったら……みんなになんて言えばいいんだろうね……」
『……今はとにかく地上を目指すぞ。俺だって、主が本当に大丈夫か心配で地下に残りたかったんだからな』
『しかし、これ以上本来の地上の守りを疎かにするわけにもいかん。……それにしても雷竜達はどこへいったんだ?』
『む……確かに妙だ。それに影薄達も……』

マーラが倒れても、それは束の間の安息にすぎない。
身動きのとれる生き残りの同盟軍は、それぞれの思いを胸に再び地上へと戻るのであった。

【二日目・11時00分/東京都・世界樹地下】

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ(特大)、疲労(大)首輪解除
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ0パーセント)
【道具】支給品一式、ベレッタM92(残弾0)、レミントンM870(残弾0)、ミニミM249(残弾0)、M16クレイモア×5、M84 閃光手榴弾×15、88式地対艦誘導弾、長ドス、ゴルフクラブ
【思考】基本:まどかを守りつつ、主催者を倒す
0:まずは仲間や自分たちの治療
1:まどかは命にかえても守る
2:武器を補充したいけれど……
3:ビームはすごかったけど、まどかのネーミングセンスはちょっと……

【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【状態】ダメージ(特大)、疲労(大)
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:美少女とエロ同人誌みたいなことしつつ都庁で暮らしたい
0:大天使さやかに手当してもらう
1:正直、友や仲間の死には心を痛めている
2:やっぱり草を生やしてこそ我ですなwwwwww
※尻尾も破壊された場合、ステルス能力を失います

【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、首輪解除、攻撃力1.5倍、被ダメージ半減
【装備】無し
【道具】支給品一式、余った真竜ニアラ
【思考】
基本:世界樹の防衛
0:主人の容体が気になるが、まずは地上に戻る
1:レストを信頼
2:これで巨根ランキングはまた俺が一位だな……
※レスト直属の魔物のため、装備の恩恵によりステータスが上がっています

【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】ダメージ(大・再生中)、疲労(大)、左側の首再生中、首輪解除、怒りと悲しみ
【装備】無し
【道具】とけないこおり@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:都庁同盟軍と共に生き残る。DMC信者は殺す
0:雷竜と影薄組が心配だが……
1:鹿目まどかは必ず守る
※一定の魔力を有する相手であれば、テレパシーで会話可能
※首が再生すれば、再びミラーシールドが使用可能になります

118Each Justice:2016/03/30(水) 15:38:04 ID:k.6a5Ls.0
【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】
【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、首輪解除、怒り、キュアピーチに変身中
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!、キュアスティック・ピーチロッド@フレッシュプリキュア!
【道具】基本支給品一式、大量のドーナツ
【思考】
基本:絶対に殺し合いを止めて、みんなが助かる方法を探す。
0:みんなが死んじゃったのは辛いけど、前を見ないと……
1:都庁同盟軍のみんなと一緒に殺し合いを止める
2:ほむらはまだ少し怖いが、仲良くしたい
※9期とは関係ありません。

【偉大なる赤竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】ダメージ(大)疲労(大)、傷心
【装備】無し
【道具】もくたん@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:歌で自然環境の保護を世界に訴える
0:傷が癒え次第、雷竜達を捜索したい
1:都庁の仲間達、カヲル達を守る
2:仇であるDMC狂信者は確実に根絶やしにする
3:許すまじ天魔王軍!!
4:拳王連合軍も滅ぼす

【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、傷心、怒りと悲しみ
【装備】キーボード@楽器
【道具】支給品一式
【思考】基本:バサラの遺志を継ぎ、彼の歌を届けて殺し合いを終わらせる
0:警察組のことを、どう伝えればいいんだ……
1:シンジ君を探して一緒に歌う
2:DMC狂信者や天魔王軍は許さない
3:しかし僕にバサラの代わりが務まるのか……?
4:死んだ仲間たちのためにも、レクイエムを歌いたい
※使徒だからか、竜と会話が可能です。





その頃、地下中心部では……

「よいしょ……」

まどかは羽を展開しながら、何かを運んでいた。

「これで……全員だよ……」

その顔は、マーラを倒したというのに今にも泣きだしそうなものであった。

「にしゃーん……」

彼女を手伝っていたフォレスト・セルもまたどこか落ち込んだ様子だ。

「ごめんよ……そんな役目を任せちゃって……」

壁にもたれかかっていたレストは、ゆっくりと起き上がると二人が運んできたものに近づく。
それは――トリン、サクヤ、スニゲーター、ロックオン、メガボスゴドラ、世界樹の仲間達。それから警察組の遺体であった。
さらには、貴虎とスラリンであったであろうモノまで。

119Each Justice:2016/03/30(水) 15:39:37 ID:k.6a5Ls.0
「マーラと戦ってる最中……投げ技しかけた時とかにね、一応みんなの首は取り戻してたからさ……」

レストはデイパックから仲間の首を取り出すと、それを遺体へと近づける。
そして、回復の力が行使された。自身が切断された腕をくっつけたように、遺体の修復を試みているのだ。

「せめて……ちゃんとした姿で埋葬してあげないと……そう思ったんだ」
「うん、そうだね……」

首と胴体は、あっさりと繋がった。
しかし彼らが動くことは、もう二度とない。
まどかはぼろぼろと泣きながら、フォレスト・セルが掘った穴へと仲間達を埋葬していく。
少し前まで、一緒に食事をして会話をしていたはずの仲間達が、土の中へ消えていく光景は……あまりにも悲しすぎた。
カヲルからの強い願いで、ほんの僅かな間とはいえ仲間となった警察組も、その傍へ埋葬されていく。
せめて、もう少し早く出会えていたなら……そう思わずにはいられなかった。

「にしゃ」
「次で最後……? あ……っ!」

泣いていたまどかの表情は、さらに崩れてしまった。

「ごめんよ……サクヤ……ごめんよ……」

修復された従者の頭を、レストは静かに泣きながら撫で続けていた。
体内に吐き出された穢れを全て掻き出してやっても、彼女が凌辱された事実は消せない。
どれだけ修復し頭を撫でたところで、もう彼女が尻尾をゆらすことはないと、わかっていても。

「ごめん、なさい……サクヤさんっ、私を、庇って……っ!」
「まどかのせいじゃないさ……僕が、もっとちゃんとしていて、僕が最初から地下に向かってさえいれば……
 でもあの時、サクヤが止めてくれたからこそ、僕は今もこうしてまだ人間でいられている。
 君のおかげで、風鳴翼と同類にならなくて済んだんだよ。ちゃんとお礼を、言いたかったなぁ……」

サクヤの目論見通り、レストのテラカオス化はフォレスト・セルの浄化の力で治療されていた。
代わりに彼は色々と大切なモノをなくしたわけだが、風鳴翼と同類となり狂い果てるのとどちらが幸せだったのだろうか。

「堕ちても、僕についてきてくれる……だっけ。あれ、実は結構嬉しかったんだよ……あの言葉は、まだ有効かい?
 君を守ることも、仲間を守ることもできなかった本当に駄目な主人だけど……もう少し、君の傍にいることを許して欲しい。
 ――エーテルリンク」

小さく呟かれた禁呪と共に、サクヤの身体がレストへと吸い込まれていく。
光が収まれば、そこには従者の角を生やした主人がいた。

「レストさん……」
「君に救われた命だ。もう、二度とあんな混沌の力には呑まれない。人間として生きて、この世界を平和にしてみせる。約束するよ……」

レストは涙を拭い、己にも回復魔法を施す。
散って行った従者や仲間のためにも、ここで挫けるわけにはいかないのだから。

「……私も、もっともっと頑張る。みんなに守ってもらったこの命を絶対に無駄にしたりなんてしない。
 マーラの言葉通りなら、まだ私は巫女見習い……必ず本物の世界樹の巫女になって、人も魔物も共存できるような世界にしてみせる」

それはまどかも同じ気持ちであった。

「……そういえばマーラの奴、消し飛ぶ直前にも巫女がどうこう言ってたな。他にも、予言とか……」
「え?」

120Each Justice:2016/03/30(水) 15:40:16 ID:k.6a5Ls.0
――んほおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ♪ ワ、ワシの全身、特にシリに次々に熱いのがぶち込まれてくるぅぅぅぅぅぅぅ♪ 目覚めそううううぅぅぅぅ♪
――ぐうぅぅぅぅぅぅ……! と、とっとと消えろこの猥褻物ぅぅぅぅ!
――おひょおおぉぉぉぉぉ……! こ、この威力、まさか本当にあの娘が予言の巫女なのかのぉぉぉぉぉぉぉ!
――ぬふぅぅぅぅぅぅぅ……! ワシを破ったお主らの行く末が気になるがもう……イ、イかされてしま……あ、ア―――――――ッ♪♪♪」
――うわあああぁぁぁぁ!? ぼ、僕の中に気持ち悪い白濁液がぁぁぁぁ!?

「……そうだ、僕のも掻き出さないと」
「予言の……巫女? 世界樹の巫女とは違うのかな?」

マーラの最期の言葉を思い出し、青ざめるレストと首を傾げるまどか。
何かを知っているようであったマーラではあるが、少なくともこの戦いの最中はもう復活することはないだろう。
新たな謎をもたらされたが、まどかたちの目的は変わらない。

「うん、レストさんの治療が終わったら私たちも地上に戻って皆に相談してみよう」
「そうだね。……ちょっと待っててもらえるかな、そこの陰でマーラの置き土産捨ててくるから……」
「う、うわぁ……レストさん大丈夫!? お尻からピンク色の液体がなんかすごい出てるよ!?」
「……正直、君のビームのダメージと合わせて死にそうなほど痛い。でもこの程度、白濁液を掻き出して僕の魔法を使えばすぐに元に――」


RPが足りない!


「……しまった、フォレスト・セルとのリンクやマーラとの戦い、みんなの身体を元に戻してたらいつの間にか魔力が枯渇してる」
「た、大変! 待ってて、私は世界樹のおかげで魔力供給の恩恵大きいし、すぐに回復するからね!」
「待って、流石に尻は不味いって。○学生の君に尻穴を見せつけるとかそれもう社会的に即死だからね!?」
「お、お尻……そういえば、本当に男の人でもお尻にその……ア、アレを入れられたら気持ちいいの?」
「あぁー! 右腕が特に痛いなぁ! 誰か治してくれないかなぁ!」
「わ、わかった! すぐに治すね!」

しかし、暴れ回ったマーラの爪痕はいろいろな意味であまりにも深いものであった。

121Each Justice:2016/03/30(水) 15:40:47 ID:k.6a5Ls.0
【二日目・11時00分/東京都・世界樹地下中央部】

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ(中・再生中)、魔力消費(小・再生中)世界樹の巫女、首輪解除
【装備】世界樹の衣
【道具】支給品一式 その他不明、モンスターボール(フォレスト・セル)
【思考】基本:自分も戦い、みんなで生き残る
0:損傷した世界樹とレストを治療した後、地上に戻る
1:クラウザーさんのためにも、DMC狂信者の暴走を止める
2:マーラの残した巫女と予言の言葉が気になる
3:……お尻にアレを入れられるのって気持ちいいのかな?
※巫女の祈りにより、魔法少女に近い存在へとなりました
※ソウルジェムなどはないので、肉体が致命傷を負えば普通に死亡します
※衣装はアルティメットまどかのものを2Pカラーにした感じです。戦闘力もそれの劣化版
※世界樹の王@世界樹の迷宮と同じスキルが使用可能です
※ダオス直伝のハイパーまどかビームを習得しました

【レスト@ルーンファクトリー4】
【状態】ダメージ(特大・再生中)、魔力枯渇(再生中)、肛門大裂傷、各種超耐性、エーテルリンク(サクヤ)、首輪解除
【装備】最大錬成世界樹ノ剣、最大錬成防具、草原のペンダント、グングニル
【道具】支給品一式、不明品、封じられた闇核、三竜の逆鱗、ニアラの逆鱗
【思考】
基本:サクヤのためにも、人間としてこの殺し合いを終わらせる
0:マーラの言葉は気になるが、今はとにかく動けるようになるまで回復に専念。尻だけは自分で治す
1:影薄三人と同盟軍の味方は助ける
2:謎の物質への対抗策を早く見つけたい
3:機械っぽい外見の奴とDMC信者は問答無用で潰す
4:鬼灯を警戒。協力はするが、狸組も一応警戒
5:あわよくば竜と結婚できる世界を作りたい
6:天魔王軍とDMC狂信者、拳王連合軍は絶対に許さない
7:能力低下攻撃への対抗策を手に入れたい
※ブリーフ博士の技を覚え、首輪解除が可能となりました
※フォレスト・セルの力により、テラカオスの力が浄化されました
※現時点で、フォレスト・セルとの長時間のリンクは不可能です

【フォレスト・セル@新・世界樹の迷宮】
【状態】健康、ポケモン状態、首輪解除、アクティベイトモード
【装備】不明
【道具】不明
【思考】基本思考: マドカ マイ ゴッデス 
0:まどかの護衛を最優先
※巫女の祈りにより、固定思考の呪縛から解放されました
※体質により、テラカオス化ナノマシンも浄化、その影響も受けません
※他者の穢れなども浄化可能ですが、満腹状態では不可
※まどか以外には何を言っているか理解できませんが、まどかの手で言葉を教えることはできるようです
※常人にはセルの表情変化はわかりません
※完全なテラカオスになりきる前(候補者)までなら舐めまわしなどで浄化可能ですが、何かしらを犠牲にすることとなります
※サーシェス、きらりなども浄化可能ですが、聖帝軍は別物なので浄化できません
※すごいテクニックをもっているようです

※貴虎とスラリンの遺体だけ埋葬されていません
※ファガンの卵もその辺に転がされてます

122光熱斗の奇妙な冒険 Part8:2016/04/04(月) 12:44:10 ID:hz/s/mLA0

「ここまで来れば、一先ずは……」
「安全ですか……?」
「安全ではない、カオスロワで安全地帯など基本存在しない」
「それにしてもなんで野球場……?」
「球場には医務室がある、それだけだ」

 大阪のとあるドーム球場。
 今のところ野球をやっているチームはいない。
 だが、それは逆に彼らに安息するにはラッキーであった。 
 気絶した熱斗を寝かせて、二人とロックマンは話し込む。
 ついでにシグナムは着替えた、懐かしの赤いジャージに。

『パパやみんなは大丈夫だろうか……』
「もし放送で呼ばれたら……」
「いや、放送はまだ流れないだろう」
「何故ですか?」
「主催者側の対応がいくら何でも遅すぎる」

 超人血盟軍が奇襲を仕掛けてもう結構な時間が経つ。
 成功にしても失敗したにせよ、そろそろ何らかアクションを起こすに違いない。
 何期もカオスロワに出ているシグナムが言っているのだ、多分そういうことなんだろう。 

「……主催者側も一枚岩ではない、というのは飛竜さんから聞いた」
「『ユウキ=テルミ』ですか?」
「ああ、私にはさっぱりわからんが、そいつが大体悪いらしい」

 名前だけを使者スレの崩壊間際に聞いたが……。
 どんな奴なのか彼女たちにはさっぱり見当がつかない。

『その飛竜さんって強かったんですか?』
「ああ、主催者を殺すことに関しては奴以上に過激な奴は私は知らない。
 ……だが、その飛竜さんを殺すとなると……間違いなくそいつは『バケモノ』の類だ」
「そんな……シグナムさんでも勝てないってことですか?」
「さぁな……だが、一つ言えるのは、勝てても何か裏があるってことだ」



「―――ほう……『奴』がいるのか」



 背後から凄まじいまで殺気を二人(+PET内のロックマン)は感じた。
 それでも熱斗は起きない。

「ハ、ハクメンさん……?」
「貴様、知っていることを全て話せ、全てだ……!」

 明らかなまでに殺意。
 殺気でその空間の大気が震える。
 そこにいたのは白い鎧に白い仮面の侍・ハクメンがいた。

「まあ待て、順をおって話す、まず武器を収めろ。
 ……それに貴様がここにいるということは『死国』で何かあったのか?」

123光熱斗の奇妙な冒険 Part8:2016/04/04(月) 12:45:03 ID:hz/s/mLA0

 ◆ 

「なるほどな、あの同性愛者たちが裏切ったか」
「『テルミ』が裏で手を引いてるのであれば……あの総理とやらが道化となっているのは納得がいく」
『悪いやつなんですね』
「奴は必ず滅ぼさねばならぬ……!」
「で、そのテルミっていうのはセイバーですか?」
「多分違うが」
「提督や他の皆さんは……?」
「それは……わからんな」
「そんな……」
「だが……奴らならば……」
「で、その中には剣を使うセイバーはいますか?」
「いないな」

 気絶した熱斗をよそにして4人とロックマンは情報交換をする。
 ……4人?

『ちょっと待ってください、貴女は誰ですか!』
「むっ、セイバー忍法気配遮断をしていたのですが、バレてしまいましたか」
「ハクメンさんの知り合いですか?」
「知らんな」
「私は気づいていたんだがな、あえてスルーしてた」
『なんでですか!?』
「最初に言ったろ私は『面白いことは大好きだ』からな」

 三人から距離を取ったその少女。
 青い帽子を突き抜けた金髪のアホ毛。
 青いジャージにその手には見事なまでに聖剣。
  
「さぁ、覚悟しなさい! ピンクのセイバーに白のセイバー!!
 最優のセイバーである私が今この場で最優であることを証明しましょう!!」
「待て、セイバーはそっちのハクメンしかいない、どちらかといえば私はアーチャーだ!」
「貴様……何者だ、というかセイバーとは何だ?」
「名乗るほどの者ではない!
 が、強いて言うならセイバーの中のセイバー!
 コードネームは『ヒロインX』、セイバーの中のセイバー『ヒロインX』です!!!!」
『いや、なんで戦うんですか!?』
「セイバーには戦わなければならない時があるんです!
 そこの白いアーチャーは少年とそのおもちゃと一緒に少し離れててください!
 ……あなた方のセイバーとしての実力を図らせていただきます。
 さあ、勝負です! 私が勝ったら私に手伝ってもらいます。
 もし私が負けた場合はなんでも……とは言いませんが、何かします」
「え、えぇーっ…」
『誰がおもちゃだ!』
「仕方ない、二人は離れていろ……このニート臭がする青ジャージは私が……「そんなことを言ってるときが隙だらけだカリバー!!」

 光の聖剣が不意打ち気味で放たれた。
 光の速度は光速である。
 速いよ、光速なんて言ったって光速だからね。

124光熱斗の奇妙な冒険 Part8:2016/04/04(月) 12:46:01 ID:hz/s/mLA0

「ズェア!!!!」 

 だが、それでもハクメンはその不意打ちカリバーを叩き斬った。
 切断した光はドーム状に拡散し、大阪ドームに開放的な穴を開ける。
 
 その間に素早くXはハクメンに接近。
 それと同時に斬りにかかる。

「ふっ! やっ! セイバーっ!!!」
「フン!!」

 だが、すぐさまに斬り返される。
 
「ちっ、マーダーなのか、貴様は!」
「マーダーではないです!! セイバーです!!!」

 シグナムの竹刀をXの聖剣が受け流す。
 それとほぼ同時にハクメンはXに攻撃を仕掛けるが……。
 いつのまにか現れていた左手に持った黒い聖剣でガードされる。
 竹刀はシグナムの念能力で強化してあるので折れることはない。
 凄まじいまでの三者の撃ち合いで起きる風圧で大阪ドームの屋根が飛ぶ。 

「す、すごい……あのシグナムさんとハクメンさんの二人相手に互角に……」
「うーん、おはよー……なんか騒がしいけど何かあったの?」
「熱斗さん!」
『熱斗くん! 今ちょっと大変なことが!』
「まさかまたデカオが死んだの!?」
「いえ、デカオさんは生きてます……多分。
 そんなことよりもしっかり捕まってください!」
「えっ、翔鶴さんのどこに捕まってもいいの!?」
「どこでもいいです!」
「やったぜ」
『熱斗君、最低だよ……』

 光兄妹の最低な会話を他所に闘いは激化の一手を辿る。
 剣圧でありとあらゆるものが文字通りに吹っ飛ぶ。
 最優のセイバーを名乗るだけあってヒロインXの技量は凄まじいの一言に尽きる。
 紛れもなくトップクラスの実力者二人を同時にするくらいの強者である。

(ヒロインX……一体、何トリア・ペンドラゴンなんだ)

 シグナムのそんな思考を遮るように聖剣は振られる。
 しかし、シグナムは紙一重で回避し、すぐさまに反撃に移る。
 
 上段、中断、下段の三段をほぼ同時に攻撃する。
 
「踏み込みが甘いですね!!」
「ああ、わざとだ……そこに誘い込むためのな」

 避けた先にはハクメンが構えている。
 しかし、Xの持つ直感スキルでそれは読んでいた。

(打たれる前に打つ! 私以外のセイバーぶっ飛ばす!)

 体を素早く反転。
 その勢いのまま斬りに行く。
 だが、それがX唯一の悪手だった

「せぇぇぇぇい!!!」
「!?」

 ワンハンド・ブレーンバスター。
 ハクメンの超反応での当身投げ。
 Xの顔面が地面に叩きつけられる。 
 
 そのまま、シグナムにマウントポジションを取られた。
 で、そのまま首元に竹刀を突き付けられた。
 これが決まり手となった。

「……私の負けというわけですか」
「世間一般的に言えば、そうらしいな……」
「さて、貴様の目的を教えてもらおうか?」
「……その前にどいて貰えませんか?」
「やだ」

 仕方ないのでヒロインXはシグナムにマウントポジションを取られた状態で語り始めた。

125光熱斗の奇妙な冒険 Part8:2016/04/04(月) 12:47:00 ID:hz/s/mLA0

 ◆

 あれは私がいつも通りに私以外のセイバーを狩る仕事をしている時でした。

「何!? 貴様はニートではないのか!? 定職に着いていたのか!?」
「シグナムさん、落ち着いてください」
『回想シーンの邪魔しちゃだめですよ』

 ……続けていいですか?

 その時、とある噂を耳にしたのです。
 
 【まもなく世界が滅びる】

 流石にそんな馬鹿な話があるわけないとその時は思ったのですが……。

 そして、独自調査を続けていたのですか……。

 なんやかんやで、私はここの星に辿り着きました。

 そこで私が見たのは最悪の状況でした。

 この土地(日本)しか残っていない状況ですよ?

 信じられますか? 

 恐らくは何かあると思って来てみれば殺し合いですよ。

 私としてはセイバーを合法的に処理できると最初は喜々として数々のセイバー倒していました。

「貴様……殺し合いに乗っているのか?」

 乗ってはいません、私は自分の仕事をしていただけです。

 私は対主催です。誰がなんと言おうと私は対主催です。

 と、途中までそんな感じでやってたのですが……

 私はまたある噂を耳にしました。

【DMC狂信者とか狂った連中の中にセイバーを名乗る奴がいる】

 これは私としては見逃せない事実なので一先ず大阪でライブをしていたというこの地に来ました。

 しかし、その後の調査で分かったのはそいつらの本拠地は東京にあるということでした。

 だが、流石に私一人で叩き潰すのは無理が生じるということは明白でした。

 愛機『ドゥ・スタリオンⅡ号』も途中で壊れてしまいましたね。

 そこで私はまずこの地でDMC狂信者のセイバーを倒すために仲間を集めることにしました。

 出来ればセイバー属性以外の人たちがよかったのですが……。

 ええ、セイバーは私一人でいいですからね。

 妥協に妥協を重ねて、仕方なく私は貴方たちに声を掛けました。

 以上です。
 
 ◆

126光熱斗の奇妙な冒険 Part8:2016/04/04(月) 12:47:46 ID:hz/s/mLA0

「お願いします。一緒に東京に来てDMC狂信者を叩き潰してください!」
「……断る、我はこの地に来るとらしい『風鳴翼』を滅せねばならぬ」
「私はどっちでもいいかな……基本戦いたくないし」
『熱斗君、翔鶴さん、僕たちはどうする?』
「私はお二方の判断にお任せします」
「うーん……」
「お願いします、DMC狂信者を抹殺した後なら主催者でもぶっ飛ばしますから」

 未だにマウントポジションを取られた状態で懇願する。
 己の手でセイバーを殺すためならプライドは投げ捨てる。
 それくらい安いプライドは持ち合わせている。

「じゃあ、俺たちも東京に行こう!」
『熱斗君……でも、パパたちやデカオ君たちがまだ……』
「兄さん、皆を信じよう……!
 それで、セ……Xさん、東京に行く何か方法は?」
「ふっ……ノープランだ」
「……死国にある祐一郎たちが作ったという高速艇を使え」
「よし、そうしよう」

 そして、熱斗、ロックマン、翔鶴、シグナム、ヒロインXは死国に向かって移動し始めた。

「あれ、ハクメンさんは?」
「あの白いセイバーならもう行きましたよ」

 いつの間にかハクメンはいなくなっていた。

『うーん……』
「どうしたんだ、ロックマン?」
『ハクメンさんとそのユウキ=テルミってどんな関係なんだろう?』
「因縁関係と一言でいうには浅はかならぬ関係ということは言える」

【二日目・10時30分/大阪ドーム跡地】
【光熱斗@ロックマンエグゼ】
【状態】ダメージ(中)、首輪解除
【装備】自分のPET(ロックマン入り)
【道具】支給品一式×2、デカオ(ロックマンエグゼ3)が作ったおべんとう(腐っている)、チップトレーダー@ロックマンエグゼ、
    大量のガッツマンのチップとバグのかけら、ガンデルソル3(実物)ネオバリアブル(実物)
    各種ナビカスタマイザーパーツ、大量の金、シンクロチップ、他不明
【思考】基本:主催者たちにネットバトルを挑んで勝つ!
0:死国に戻る
1:プリズムとフォレストボムのチップを探す
2:その為に色んな人にネットバトルを挑む
3:大災害で死んだネットバトラーやネットナビ達のためにも、早く殺し合いを終わらせて世界を平和にし、ネットバトルの面白さを再び世界に広めたい
4:新たな家族として翔鶴は大切にしたい
※スタメン落ち確定です。野球の公式試合には一軍では参加できません。
※大山デカオ@ロックマンエグゼ、ロックマンエグゼ2、ロックマンエグゼ3(BLACK版)、ロックマンエグゼ5チームオブブルースは死国にいるようです
※熱斗やヒノケンなど一部を除く多くのネットバトラーが大災害で命を落としているようです。
 まだ生存しているネットバトラーの面子については次の書き手氏にお任せします。

【ロックマン(光彩斗)@ロックマンエグゼ】
【状態】HP70%
【装備】ロックバスター、サイトパッチ&試製甲板カタパルトのデータ
【道具】なし
【思考】基本;熱斗をサポートする
0:僕に妹が出来たぞォ!
1:主催者たちがネットバトルを受けてくれるか、心配。
2:新たな家族として翔鶴さんは大切にしたい
3:シグナムさん……こんなに強かったんだ。
※PETの中にいます

127光熱斗の奇妙な冒険 Part8:2016/04/04(月) 12:48:04 ID:hz/s/mLA0

【翔鶴(光翔鶴)@艦これ】
【状態】ダメージ(中)
【装備】彩雲、紫電改二、流星改、 零式艦戦62型
【道具】なし
【思考】基本:提督(祐一郎)に従う、妹として熱斗達と共に戦う
1:襲い掛かる者たちを殲滅する
2:二人の妹として彩斗さん(ロックマン)と熱斗さんはお守りする
3:二人に何かあった場合は二人の願いを引き継ぐ
※熱斗とロックマンより、二人の過去についての話を聞き、自身を光翔鶴と名乗るようになりました

【シグナム@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康、自称フリーター、首輪解除
【装備】赤いジャージ、ストロング・ザ・武道の竹刀
【道具】なし
【思考】基本:対主催
1:熱斗たちに導く
2:主催者たちは倒す
3:本気にさせたな。
4:『ユウキ=テルミ』を殺すか
※今までとは別人ですが記憶(と一部能力)を受け継いでいます
※PSP版の技は使えませんが、念能力が使えます。
※キン肉マンの知識があります。
※首輪解除の技術を持っています。
※死者スレを破壊しました。

【謎のヒロインX@Fate/Grand Order】
【状態】健康
【装備】無銘勝利剣
【道具】ドゥ・スタリオンⅡ号(故障中)、スマホ(FGOをやってる)
【思考】基本:私以外のセイバーを殺すが、その前に対主催しておいて他の対主催者と協力関係を築いておく。
1:宇宙の平和が第一ですね
2:DMC信者にいるらしいセイバーは確実に殺す(ついでにDMC狂信者を殺す)
※彼女のクラスはアサシンです。
※謎のヒロインXです。その正体は謎って言ったら謎です。



「――――テルミがいるならば……」


「我は此の忌まわしい『力』に頼らねばならぬ使命が有る」


「……貴様の全てを滅すると謂う『使命』がな……!」


 白き侍は漆黒の蛇を滅する。
 倒すのでもなく、殺すでもなく、滅する。
 
 白きスサノオが再び、黒き地を馳せていく。

【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】健康、unlimitedモード
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『ユウキ=テルミ』及び『悪』を全て滅する
1:主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:風鳴翼は滅する
※勾玉ゲージ等の状態は次の書き手に任せます
※unlimitedモードに入りました

128急げ聖帝軍!鋼の巨神が空を飛ぶ!?:2016/04/05(火) 01:23:54 ID:tjxVJt0I0

先ほどまで聖帝軍とDMC狂信者の軍勢の大合戦が繰り広げられていた埼玉・西武ドーム。
その外には現在、ドームへと歩みを進める小規模の集団の姿が見られた。
50人程度の集団で構成された彼らは、案の定野球チームではなく狂信者の一団。
レジーナ・シド混合軍敗北の報をモブ信者の断末魔の通信から知らされた彼らは、疲弊しているであろう
聖帝軍を襲撃せんと近づいていたのだ。


「しかし万全の準備をしていったシドさん達が返り討ちに遭うとは……やはり報告通り野球チームというのは
 恐ろしい連中のようだ……」
「全くだ。トルーパー隊員やレジーナからの報告も『ターバンが……ターバンのガキが!』などと不明瞭な
 話ばかりで全く分からん始末。一体彼らは何にやられたっていうんだ?」

謎だらけの状況に首をひねる狂信者達だったが、それを遮るように一人の人物が話に割って入った。

「ニャガニャガニャガ、まあいいではありませんか皆さん。尊い犠牲になってしまった信者の方々も
 結果的にはクラウザーさん復活の為の力になってくれたんですから。シドさんが横流ししてくれた
 ベルトとロックシードとやらの大半もビッグサイトに上納されましたし、レジーナさんも健在。
 東京の方でも都庁爆破作戦が進行中ですし、後はこのまま順調にSATSUGAIを続ければクラウザーさん
 復活も目と鼻の先ですよ〜」

そう答えたのはオネエっぽい感じの白装束の超人、完璧超人始祖の一人・サイコホm……もといサイコマンだった。
彼もまたクラウザーさん復活の為に彼らと与した新たなDMC狂信者なのである。
もはや相当数の面子が倒されたにもかかわらず、カギ爪の男をはじめとする面々の勧誘力の高さとクラウザー
さんの歌による洗脳力も相まって狂信者は現在も着々と増える一方であった。
果たしてこのまま疲弊した聖帝軍は彼らによってSATSUGAIされてしまうのだろうか?
そう思われていた時である。


ゴゴゴゴゴ………


「おい、何か地面が揺れてないか?」
「た、確かに!」
「あ……あああ〜〜〜〜〜〜っ、あれを見ろ〜〜〜〜〜〜〜っ!!」



♪デンドン デンドン デンドン デンドン デンドン デンドン デンドン デンドン

♪デーンデッデデーデデデデー デーデデーデッデデーデデデデッデー
(※脳内BGM推奨:トップをねらえ!より、ガンバスター出撃のテーマ)


狂信者一同はその光景に驚愕した。
彼らの視界に見えていた西武ドームの屋根が、真っ二つに開いたのである。
あたかもそんな機能が元から装備されていたかのように。
そしてその中から、想像を絶する物体が顔を出した。


『ニョワ―――――――――――――――――ッ!!』


それはまさに天を衝く巨大なロボットだった。
だがMSなどのようなただの兵器ではなかった。
何とも形容しづらかったが、あえて言うなら『可愛らしい』と言うべきなのだろうか。
とにかくそんな巨大ロボだった。
というかなんでこんなものが西武ドームを割って出てきたのか。

――――話は数刻前にさかのぼる。



「……以上が、俺が知る世界を救うための5つの予言の詳細だ」
「何だよ、要は野球だけじゃ駄目なんじゃねえか!」
「コラ―ッこの梨ーっ!! よくもこの俺にデタラメを教えおって―っ!!」
「ふなっしーのせいじゃないなっしー! 中途半端なお告げしかくれなかった梨の神様の責任なっしー!」

129急げ聖帝軍!鋼の巨神が空を飛ぶ!?:2016/04/05(火) 01:26:19 ID:tjxVJt0I0

結果的にサウザーを除いてターバンの集団と化す事でシド率いる軍勢を返り討ちにした聖帝軍は、とりあえず
一段落付いたので一端ベンチに後退し、獣王クロコダインが戦闘前に口にした世界救済の5つの予言について
教えてもらう事にした。
戦いを終えて聖帝軍+αの面々の心境は悲喜こもごも。
サウザーは右太ももをターバンのガキに刺されまくった名誉(?)の負傷を治療する必要があり、諸星きらりは
戦闘後にタバサが死亡した事に気づき魔雲天や姉帯達の横で悲しんでいた。
加賀美は無残にも試合前に惨殺されたウルフハリケーンズのチームメイト達を他の面々に頼み埋葬を手伝って
もらっていた。
一試合もできずにこの世を去った彼らの無念は計り知れないものがあるだろう。
……ちなみにその横では球界の暴れん坊・つば九郎が倒されたDMC狂信者達の無事なディパックから支給品を
これ幸いとばかりに抜け目なく漁りまくっていた。
後にチルノも一緒になって漁りだした所で亜久里に咎められて中断する事となったが……。


「しかし“九人の最良の戦士たちによる儀式の完遂、全てを虜にする歌、巫女の祈り、器たりえる巨像、不屈の
精神を持った勇者。全てが揃いし時、争いの淀みから生まれた化身は救いの神に転じる”ですか……」
「九人の戦士による儀式というのは確実に野球の事でしょうけど、残りの予言は不透明なものばかりですわね……」
「うむ、俺もこの予言は以前デルムリン島のブラス老から聞きかじっただけなので、詳しい詳細まではわからん
 のだ。大災害が起きこの殺し合いが始まった時はもしやと思いヤムチャ達と共に野球を始めたのだが……
 あまり力になれず、すまんな」
「いえ、これだけでも知れれば十分な推理の材料になりますよ。ありがとうございますクロコダインさん」

そう言って正太郎は試合前同様再び知恵を巡らせ始めた。
ICPO所属の少年探偵の本領発揮である。

「まず“全てを虜にする歌”ですが、周囲全てに影響を与えるほどの歌と考えると……」
「おいおい待ってくれよ、まさかクラウザーとかいう奴の歌じゃねえだろうな?」
「いえ、それは違うと思います。そもそも狂信者達はともかく僕達自身がDMCの歌の影響を受けていない
 以上、全てを虜にするという定義からは外れていると考えていいでしょう。もしそうならばとっくに
 日本中がクラウザーの信者と化しているでしょうからね」
「うーむ、確かに」

正太郎の推理に一同が納得して頷いた。
あれほど全国規模で活動している狂信者達がいるにも関わらず全国民がクラウザーさんの影響下にない以上、
全てを虜にしているとは言い難い。
というかあれはレジーナを見てもわかるようにもはや洗脳の類である。

「しかしだとすると、予言に記された歌とは一体……」
「ゲヒヒヒ、おい小僧。それならば俺に一人心当たりがいるぜ」
「えっ? 本当ですか?」

そこで口を開いたのは意外にも悪魔超人のザ・魔雲天だった。
先の闘いでも聖帝軍を支援してくれた頼もしい援軍の彼だったが、どう見ても歌には縁がなさそうな彼が
何を知っているのかと正太郎は驚きつつも耳を傾けた。

「何を隠そう、ここにいる諸星きらりこそその歌い手かもしれんという話だ」
「何ぃ〜っ、このでかい女がか?」
「聖帝知らないなっしか? この子はあの大手芸能プロの346プロ所属の注目アイドルなっしー!」
「知ってるのかふなっしー!?」
「ゆるキャラネットワークを通じて、この間ぴにゃこら太に教えてもらったなっしー」

ふなっしーからの説明を受け、一同の視線がきらりに集中する。
きらりの方もある程度持ち直したらしく、いつもの表情で一同に向き直った。
その後魔雲天からこの西武ドームに向かう途中に起こったワハハ部長蒲原と姉帯の雀士コンビとの戦いが
語られ、二人がきらりの歌を聞いてDMC狂信者を脱退した事を知り一同は驚きを隠せなかった。

「ワハハ、という訳で私達は彼女の歌を聞きDMCから足を洗った訳だ」
「みんなもきらりさんの歌を聞けばきっと素敵だって思うよー」

130急げ聖帝軍!鋼の巨神が空を飛ぶ!?:2016/04/05(火) 01:27:17 ID:tjxVJt0I0
二人が言った事が事実だとすれば、これは嬉しい収穫となる。
あのクラウザーさんの洗脳同然の歌声を押しのけて他者を虜にしたとすれば、もしかしたら本当に彼女こそが
予言の歌い手かもしれないのだから。
それでなくてもDMC狂信者達への強力なカウンターになり得る人材がいれば、それだけで心強い。
聖帝達は皆、もれなくそう考えた。


「要するに、うまくいけばDMC狂信者の連中をまとめて改心させられるかもしれんという訳だな?」
「ええ。予言の事を差し引いても、きらりさんの歌の力が本物ならばそれも可能かもしれません。とはいえ
 どこまでのレベルで通じるかは未知数ですね。蒲原さんと姉帯さんはファン歴が浅い故にたまたま洗脳を
 解く事ができた可能性もありますし……」
「それでもモブの信者共を一掃できれば、数の上で未だに有利を取っている連中を根底からひっくり返す
 事も可能だろうな。幹部連だけが残れば、あとは直接ビッグサイトに殴り込めば互角の戦いができるだろう」

クロコダインの話によると、どうやら彼らの本拠地であるビッグサイトには全国から蒐集された死者の魂が
充満している状態らしく、下手に外部から刺激を加えると大爆発を起こして東京一帯が壊滅する恐れがあるとの
ことだった。
故にビッグサイトを抑えるには白兵戦が有効打なのだが、あのゴキブリのように湧いて出るモブ信者達と
常駐しているであろう最高幹部連ら主力を同時に相手するとなると、相当な戦力を持つ聖帝軍であっても
苦戦は免れない。
何より彼らにどんな切り札があるかもわからないため、油断は禁物である。
そのためまずどうにかしたいのは、やはりモブ狂信者の軍勢という話となった。

「話をまとめると、やはり私達が優先してすべき事はDMC狂信者達の一刻も早い排除と言う事ですね」
「うむ。未だ詳細不明の予言を解読するにしても、儀式たる野球をするにしても、主催者達を倒すにしても
 まずは連中をどうにかせん事には話にならんからな」
「全くだ! 先の試合妨害にしても、この俺達の初陣を空気も読まずに邪魔した事は万死に値する!」
「聖帝の言うとおりだぜ! DMCの連中、もう絶対許さねぇ!!」
「落ち着け二人とも、憤るのは分かるが冷静さを失えば勝てる試合も勝てんぞ?」

DMCの蛮行に怒りを露わにするサウザーと紘汰を高津がなだめつつ、正太郎達は話を進めた。
全員が意見を出し合い、これから自分達が行わねばならない事はさしあたって


1:DMC狂信者の一掃および白兵戦によるビッグサイトの制圧
2:予言の一つである野球の完遂
3:残る予言の解読
4:主催陣営、拳王連合、風鳴翼といった残る陣営の討伐
5:拠点となる乗り物の製作


この5つとなった。

これらを遂行するためには無論聖帝軍だけの戦力では難しい物もあるため、他の陣営を説得して同盟関係を
気付く事が満場一致で決定となった。
特に野球は相手になるチームがいなければ成立しないため、他のチームの捜索は急務である。
イチローチームとドラゴンズは現在消息不明、他の面々も次々とDMCにSATSUGAIされている現状、下手を
すれば儀式が完遂できない恐れもあり、何より聖帝が「不戦勝とか俺のプライドが許さん!」とごねるので
球団を見つけ次第保護する事も活動内容に含まれた。
ちなみに5については、今回の戦いでかなりの大所帯となった自分達が効率よく移動するためにも必要な
事であり、今後拳王連合などと事を構える以上拠点たる戦艦などは必要不可欠であった。


「とはいえ、材料もなく天才科学者もいない我々ではそのようなものを作る事は……」
「確かに……少年探偵にプリキュアに超人レスラーに雀士にアイドル、殺し屋に魔法少女に妖精にガンプラ
 ビルダーに野球選手にゆるキャラに仮面ライダーにターバンのガキ……ぐうっ、これだけ面子が揃って
 いながらそっち方面に明るい人材がおらんではないか!! ラオウの奴が羨ましい!!」

131急げ聖帝軍!鋼の巨神が空を飛ぶ!?:2016/04/05(火) 01:28:10 ID:tjxVJt0I0
自分の陣営に光祐一郎のような天才科学者やメカニックがいない事に気づき、サウザーは歯噛みする。
やっぱりそういう奴もスカウトしておくべきだったかなぁと今更ながらに後悔する聖帝だった。

【あきらめるにはまだはやい】
「ん?」

背後から背中を叩かれ、ふとサウザーは後ろを振り返る。
そこにいたのは愛用のスケッチブックを持ったつば九郎だった。

「おお、貴様は確かつば九郎とかいうマスコットのペンギn――――ごはっ!?」
【ツバメだ にどとまちがえるな】
「す……スマン」

瞬時につば九郎の放ったヤクザキックが見事サウザーのみぞおちに命中。
スケッチブックを片手にすごまれ、サウザーはビビりながら謝罪した。
するとつば九郎はディパックからある物を取り出した。
見ると何やらヒゲのMSの絵が描かれたペットボトル飲料のような物が握られている。
付属していたメモ用紙を気付いたヤミが読み上げた。

「説明書が付いていますね……『万能兵器化飲料ナノラ 振りかけた物体を兵器に変化させる事ができる
 ナノマシン飲料』だそうです」
「何ぃ! つまり何か元になる物があれば、一瞬にして拠点の出来上がりというわけか! フハハハハ!
 でかしたぞつば九郎!! しかしこんな物をどこで手に入れた?」
【せんりひんのゆうこうかつよう】
「えっ……まさかさっきのDMCの奴らから漁ってたやつ?」
「流石だなつば九郎……殺し合いの場においても1ミリもブレておらん」

サムズアップ(のように見える)ポーズで肯定するつば九郎に、聖帝軍の面々は喜んでいいやら何やらであった。
特にスワローズの選手である高津はつば九郎の素行に明るかったので尚更である。

「とはいえ、何か元になる物って言っても何かあるか? そう都合よく乗り物なんて……」
「…………レイジ、とうとう僕にも活躍の機会が回ってきたようだよ!」
「お、おお……(せ、セイの奴いつになく燃えてやがる……今まで目立てなかったのを気にしてたのか?)」
「そ、そういえばセイ君の支給品は確か!!」

ここまであんまりまともな出番がなかったのでお忘れの方もいるのではなかろうか。
聖帝軍メンバー、イオリ・セイはガンプラバトル世界大会覇者にして優秀なガンプラビルダーである。
続編のトライにおいてもドムの中にビルドバーニングガンダムを隠せる謎技術の使い手なんだから相当である。
そして彼の支給品の中には、大量のガンプラ!
これが何を意味するか、聖帝軍の面々は一部⑨などを除き即座に理解した。


「皆さん手伝ってください! 作りましょう、僕らだけのガンプラを!!」



そこからは結構地味な作業ではあったが、重要な作業の始まりだった。
セイの支給品であるガンプラのパーツを元に、聖帝軍の拠点となる機体を作り出そうという提案に皆が
賛同し、それぞれが意見を出し合いながらパーツを組み立てていく。
『都庁の軍勢などとの同盟も考え、あんまり兵器兵器したデザインにならないように』『敵の意表を突けるように』
という考えのもと、セイの主導のもと作業は着々と進んでいった。
足りない材料はつば九郎が漁りまくった支給品から拝借し、全員が談笑をしつつも真剣に製作を続ける。
そんな光景が西武ドーム内で行われていた。
傍から見たら結構シュールな光景である。

132急げ聖帝軍!鋼の巨神が空を飛ぶ!?:2016/04/05(火) 01:29:15 ID:tjxVJt0I0

「ところでクロコダインさんは何故都庁の魔物達に機械族がいない事を?」
「うむ、実はかつて大魔王バーンの配下だった頃に秘境グンマ―の民達から連中の事を聞いた事があってな。
 直接の面識はないが彼らに機械の身体を持った者はいない事を聞いていたのだ……まあ、妙な性癖の
 ドラゴンなどはいるらしいのだが」
「ええっ、何それ……ロリコンとかはいないよね?」
『何故でしょう、イリヤさんの発言が恐ろしいくらいフラグ立ててる気がしますよ……』
「う〜ん……がんぷらって結構むずかしいよ……これどこの部品だっけ?」
「チルノ、ダメなっしー! パーツは手もぎじゃなくてニッパーを使わないと! こっちのふなっしーの
 プラモで練習するなっしー!」
「そういうお前はパーツ逆にはめてるじゃねえか! セパレーターあるから使え!」
「うわー凄いねヤミちゃん、髪の毛がヤスリやニッパーになってるよー」
「ワハハ、しかも結構なスピードで組み立ててるな」
「こういう作業は慣れてますので」
「きらりさん、もう大丈夫ですの?」
「大丈夫だよー亜久里ちゃん、きらり、死んじゃったタバサちんの分まで頑張って歌うって決めたからにぃ☆
 天ちゃんや豊音ちゃん達といれば怖くないよー☆」
「ゲヒヒヒ、その意気だぜきらり……それにしても俺はこういう細かい作業は苦手だぜ」
「……犬牟田、一応言っておくが、つば九郎の動向には注意しておけ。奴は性格上不利と見たら平気で俺達を
 切り捨てて裏切るような奴だ。今後何をしでかすかわからんぞ?」
「どれだけ危険なんですかあのマスコット……」
「………(ニヤッ)」
「ええいくそっ、ターバンのガキが気になって作業に集中できん! うおっ、ポリキャップが飛んだぁ!?」
「なんだかんだで皆頑張ってるけど、大半はセイ一人で組み上げてるんだよな……」



そして、なんやかんやあって1時間半後。

「完成です!」
「フハハハハ! 遂にわが聖帝軍の旗艦が完成だ!」
「にしても、これはちょっとデザインが異色過ぎねえか?」
「デザインしたのは大体きらりちゃんだけど、本当にその通りに作っちゃうセイ君も凄すぎるよ……」
「では早速このナノラを振りかけ……」
「待ってくれ、その前にひとつ提案がある」

いよいよ改造ガンプラを兵器化しようという時に、急にクロコダインが手を挙げた。
全員が何事かと向き直る。

「なんだクロコダイン、これからという時に!」
「すまない、だが今後の為に重要な事なのだ。俺はこれから、都庁の魔物達の所へ使者として向かおうと
 思っている」
「ええっ!? 確かに都庁の魔物達とは後で同盟を結ぶつもりですが……まさか御一人で?」
「作業の最中にも話したが、都庁の魔物達は自然環境を汚し機械を扱う人間達を嫌悪している者が大半だ。
 そんな者達と同盟を結ぶには、同じ魔物たる俺が単独で説得に向かった方が好ましい。何より犠牲は
 今後を考えて一人でも少ない方がいいからな……」

確かにクロコダインの言う事も一理あった。
ただでさえDMCの面々と戦争状態にあるというのに、ここにいる面々が全員でいきなりドカドカと押し
かけても無意味に刺激するだけで門前払いされる可能性も否定できない。
何よりカオスロワ野球では1試合で何人が血を見るかもわからないため、控え選手は多いに越したことは
ないのだ。

「待ってくれクロコダイン! だったら俺も!」
「加賀美よ、すまんが科学の力で変身するお前では事を荒立てかねん。何より俺に万一があった時、お前
 にはウルフハリケーンズの灯を守ってもらわねばならん、わかってくれ……」
「クロコダイン……」
「ちょっと待ったクロコダインのおっさん、だったら代わりに俺が行くぜ! 貴虎の奴も探さなきゃ
 ならねえしな!」

加賀美の申し出を断るクロコダインに、ならばと紘汰が名乗りをあげた。

133急げ聖帝軍!鋼の巨神が空を飛ぶ!?:2016/04/05(火) 01:30:09 ID:tjxVJt0I0
「むぅ……しかし紘汰よ、お前もまたベルトの力で変身する以上……」
「それに関してですが、少々面倒な事になっているようですよ」
「えっ?」
「どうやらその呉島貴虎という人物、どういうつもりか都庁を爆破しようと目論んでいるそうです。しかも
 未確認情報によれば彼はDMCとも同盟を組んだとか」
「何だって!!??」

サウザーから貸してもらったノートPCでカオスロワちゃんねるにアクセスしていた犬牟田はその伏の
文が書かれた書き込みを見せ、それを見た紘汰達は驚愕した。
確かに都庁は危険な存在として認知されているが、こうも大それた事をしでかすとはさすがの紘汰も驚きを
隠せなかった。

「マジかよ……貴虎の奴、何考えてんだ!? あいつらと手を組むなんて!!」
「その貴虎という男の思惑は知らんが、これは下手をすれば取り返しのつかん事になりかねんぞ…!」
『なんだか猛烈に悪い予感がするのう』
「ちょっとルビー! そういうフラグっぽい台詞は勘弁!」

書き込みから結構な時間が経っているため、現状都庁がどういう状況なのかは把握できない。
だが状況はかなりまずいという事はサウザー達も理解していた。
この他にも大阪で拳王連合とホワイトベース連合軍の全面戦争が始まったとか、風鳴翼が電車に乗って大阪に
向かったとか、山が空を飛んでいるとか、そんな書き込みが掲示板に踊っていた。
急がねばならない。
それが全員の見解だった。


その後、熱心な説得もありクロコダインは数名の志願者を連れていく事を了承し、数名が同行する事となった。
面々は貴虎捜索が目的の紘汰、そしてチルノとふなっしーの凸凹妖精コンビの3名。
できるだけ都庁の魔物を刺激しないメンバーを選定した結果、最終的に彼らが残ったのである。

「それじゃ皆、行ってくるぜ!」
「紘汰さん、クロコダインさん達もお気をつけて!」
「ところで行くって言っても徒歩か? ここから東京まで結構あるぜ?」
「それならふなっしーがいい物を持ってるなっしー!」

するとふなっしーがディパックに手を突っ込み、何かを取り出した。
彼の持つ不明支給品、その正体は―――

「ババーン! 『リニアモーターカーごっこ』なっしー!」
「って、電車ごっこで行くのか!?」
「大丈夫なっしー! これは地磁気を利用する事で時速300kmまで出せる道具らしいなっしー!」
「おお、すごいね! あたいが運転手やるよ!」
「待ってください、確か拳王連合軍も似たような物を以前使っていたらしいです。下手をすれば彼らに
 間違われかねませんよ?」
「フフフ……心配はいらん!」

件の電車ごっこロープの上位互換アイテムを見て、不安視する亜久里の横からサウザーが現れ、何かを
取り出した。

「この聖帝軍の旗を持っていれば、間違ってもラオウの仲間だと思われる事はあるまい、持っていけ!」
「貴方、いつの間にそんな物を!?」
「つーか色々とだせぇ!!」
「……まあ拳王連合と間違われるよりはマシだからな、とりあえず貰っていこう」

かくして、でかでかとサウザーの顔が書かれた聖帝軍の旗をクロコダインが背負い、運転手チルノ、
車掌ふなっしーによる聖帝リニアは西武ドームをひとっ走り後にしたのだった。


「うわあああああああああ、思ったより早えええええええええええええ!」
「おいチルノ、そっちじゃない! 東京は反対だ!」
「どけどけーーーっ! ひかれてもほけんおりないよーーー!!」
「これ、本当に都庁につけるなっしーーーーーーーー!?」

134急げ聖帝軍!鋼の巨神が空を飛ぶ!?:2016/04/05(火) 01:31:46 ID:tjxVJt0I0

【二日目・10時30分/埼玉県】

【聖帝軍先遣隊】

【ターバンのガキ(チルノ)@東方project】
【状態】健康、やる気十分、聖帝リニア運転手
【装備】アイスソード@ロマンシングサ・ガ、ターバン、リニアモーターカーごっこ@ドラえもん
【道具】支給品一式、ガイアメモリ(アイスエイジ)@仮面ライダーW
【思考】
基本:『だーすべいだー』を倒す
 1:『とうきょうとちょー』に向かうよー!
 2:みんなで予言を解いて世界を救うよ!
 3:せーてーは頼りないからさいきょーのあたいが皆を引っ張る


【ターバンのナシ(ふなっしー)@ゆるキャラ】
【状態】不安なっしー!、聖帝リニア車掌
【装備】野球のユニフォーム(背番号274)、ターバン
【道具】支給品一式
【思考】
基本:殺し合いを止めるなっしー!
  1:DMC狂信者達を成敗するなっしー!
  2:名探偵ふなっしーが予言の謎を解くなっしー!
 3:本当に都庁につけるか不安なっしー!
 4:ヒャッハー! 梨汁ブシャー!


【ターバンのガキ(葛葉紘太)@仮面ライダー鎧武】
【状態】健康、怒り、色々不安
【装備】戦極ドライバー、ロックシード(オレンジ) 、ターバン
【道具】支給品一式、ロックシード(パイン、イチゴ、スイカ) カチドキロックシード
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:DMC狂信者達、もう絶対許さねえ!!
2:救済の予言の謎を解く
3:貴虎の奴、何考えてんだ!?
4:ダースベイダー、絶対に許さねぇ!!


【ターバンのおっさん(獣王クロコダイン)@DRAGON QUEST ダイの大冒険】
【状態】ダメージ(小)、怒りと悲しみ
【装備】獣王の鎧、グレイトアックス、ターバン、聖帝軍の旗
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:聖帝軍と協力し、DMC狂信者の軍勢を倒す、そのために都庁の魔物を説得する
2:世界救済の予言の謎を解く
3:まともに都庁につけるか不安
4:チームメイトの皆、すまない……

※何事もなければ正午までに都庁につけますが、チルノが運転手である限り無理です。


そして時間は現在に戻る。
開閉した西武ドームから現れた妙なロボットこそ、聖帝軍の手によって作られた改造ガンプラマシン。


その名も、『きらりんロボ』!!(命名:諸星きらり)


全長200m、体重5万トンを誇る驚異のスーパーロボット型戦艦である!


「フハハハハハハ! 元がガンプラとは思えぬ出来栄えだな! あえて言おう、戦艦死国とやらなどカスで
 あると!!」
「サウザーさん、それ別の中の人!」

きらりんロボ頭部に位置するブリッジ。
そこでは聖帝軍の面々が各々指定の位置に座り、ロボの出撃準備を行っていた。
言うまでもなくサウザーは偉そうに艦長席に座り高笑いしていたが。


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