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カオスロワ避難所スレ3

80ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:48:37 ID:TrESMWm60
「何っ!?」
「ぴ、ぴきぃぃぃぃぃぃぃ!?」
「おのれぃ!?」

オオナズチが発生させた濃霧の中でも、ヘルヘイムとシーザーの死を残された斬月達は理解した。
それと同時に、さらなる怒りが沸き起こる。
特に純粋であり、仲間の死を誰よりも嫌うスラリンの怒りは凄まじい。

「ぴきぴきぴきぴきぴきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」

濃霧を吹き飛ばすように、でたらめに灼熱の炎を吐きまくる。
敵の姿を頻繁に見失うのであれば、隠れられる場所も自分たちの周囲も何もかも焼き尽くしてしまえばいい。

「くぅぅぅ!?」

スラリンのがむしゃらなその戦い方はある種で正解であった。
いくら時止めステルスが使えるほむら達であっても、今現在はこの階層から移動が出来ない状態。
逃げ隠れする場所を潰し、全方位を焼き払えばいつかは炎は命中する。
悲しいことに、仲間の数が減ってしまったことが、無差別攻撃とも言えるそれを可能としたのだ。

「ぐふ……炎弱点でサーセンですぞ……」
「オオナズチ!?」

そして、ほむらは盾に魔力を集中させることでワルプルギスの夜の放つ火炎弾を防ぐだけの防御能力を持つが、オオナズチはそうもいかない。
どころか、霞龍オオナズチにとって炎は最も苦手とする属性なのだ。

「そこかっ!」
「うぐ!?」

そしてダメージにより動きが鈍ったオオナズチとほむらに、斬月の容赦のない射撃が飛んでくる。
霧が晴れれば、黄龍の拳も飛んでくるだろう。

(ああ……世界樹が、燃えていく……)

射抜かれた肩を押さえながら、ほむらは目の前の光景を眺めていた。
ほむらにとっては、まだ世界樹への思い入れなど無いに等しい。
だが、ここの魔物達の反応、それに大気の浄化のためにも欠かせないものだということは理解した。
そしてそれよりなにより――まどかの願い。
彼女は祈りにより世界樹の巫女となった。人と魔物を繋ぐ巫女の力は、魔法少女に近しいものがあった。
もし、魔法少女と同じように、ソウルジェムと同じような存在があるのだとすれば。
それはきっと――この世界樹だろう。

「ま、まどかっ……」

立ち上がらねば。そう思えども、もはやほむらにはどうすることもできなかった。
武器は底を尽き、オオナズチも既に瀕死の状態。
この階層に住んでいた魔物達も、主戦力である免疫細胞と蟹のほとんどが殺害されていては増援としては期待できないだろう。
せめて、地上に逃げることができれば。あるいは、地上からの援軍が来てくれたならば。
だが少し前に発生した大地震。それの落盤によりダンジョンの構造は変化してしまい、階段も埋もれてしまった。
この事件さえなければ、こんな事態にはならなかっただろうにと、ほむらは歯を噛みしめる。


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