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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第114話☆
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魔法少女、続いてます。
ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレ避難所です。
『ローカル ルール』
1.他所のサイトの話題は控えましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
・オリキャラ
・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)
『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
読み手側には読む自由・読まない自由があります。
読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。
前スレ ☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第113話☆
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甘えるように胸板に顔を摺り寄せる。
こんな事をするのも、随分久しぶりに感じた。
「プレシア」
「なに?」
「お願いがあるんだ」
「お願い?」
「ああ」
一層力強くプレシアを抱き寄せて、彼は静かに、言った。
「ずっと傍にいてくれ、ずっと、俺からもう離れないでくれ。君も、アリシアも……大事にするって約束するから、絶対に約束するから」
「……」
その言葉の真意が分らず、眉根を寄せるプレシア。
だが、彼の懇願に込められた想いは伝わった。
自分を愛し、求め、縋りつくその弱弱しい姿。
何故そんなにも寂しそうにしているのか、理由は分らないが、彼を辛い目にだけは合わせたくなかった。
だから、自分もまた夫を掻き抱いて、耳元に囁く。
「大丈夫よ。私たち家族ですもの、離れたりなんかしないわ。ずっとずっと、傍にいてあげる」
「……ぁぁ」
彼女の言葉に、男は、震えて――泣いた。
その言葉を、温もりを、どれほど求めてきたか。
忘れて久しい心の充足に、彼はただただ滂沱する。
プレシアはそんな夫をの頭を撫でて、ぎゅっと抱き締めてやった。
いつまでも、いつまでも、時の許す限り、抱き締めてやった。
□
降り続く雨、湿度を増してじめつく大気、纏わり付くような熱気。
不愉快な気候に、少女、ギンガ・ナカジマは思わず襟元を緩めて、少しでも新鮮な空気を肌に触れさせた。
だがそうして無駄な時間を食ってる暇は、あまりない。
ギンガはすぐに気を引き締め直し、張られた非常線テープを潜って現場に入った。
場所はクラナガン郊外の、放置された建設現場だ。
現場検証で証拠を探し、あるいは写真を取って状況を保存する同僚の隊員たちに目礼しながら、ギンガは事件現場のプレハブ小屋に脚を運ぶ。
小屋のドア前のは、彼女の良く見知った者が立っていた。
「おう、ギンガ来たか」
「お父さん、ご自分で現場検証に来てるんですか?」
初老の男、陸士108部隊の隊長でもあり、ギンガの父であるゲンヤだった。
部隊長という役職上、隊を取り仕切り、デスクに腰掛けて書類とにらめっこをする事の多い彼が、事件現場に直接向かうことはそう多くない。
大概の場合は副官のカルタスや、その部下のギンガがする仕事だ。
それをわざわざ隊長の彼がするという事は、それだけの重要性がある案件という事か。
「ああ、まあな。盗まれた物が物だし、被害者が被害者だ」
「確かに、そうですね」
二日前、無限書庫で起きた凶行を知らぬギンガではなかった。
無限書庫司書長の銃撃と殺人未遂、そして司書長室に保管されていた禁止指定書物の強奪はそれなりに世間を騒がせた大ニュースである。
直接の面識こそないものの、知り合いである高町なのはと親しい人物が危険に晒されたとあって、ギンガも普段以上の緊張を持ってその捜査に当たった。
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その事件の顛末を検分するのに、父が出てくるのも頷ける。
「なあギンガ」
「はい?」
「ところでお前、昼飯は食ってきたか?」
突然、父はおかしな事を聞いてきた。
彼の真意を訝りながら、ギンガは首を振る。
「いえ、まだですけど」
「そうか、そいつは良かった」
「え?」
「吐くなよ?」
その言葉に、父の大意を理解する。
事件現場を見て嘔吐するなと言いたいらしい。
随分と嘗められたものだった。
これでもギンガとて少なからず場数は踏んでいる、今さら遺体の一つや二つでどうこうなる神経は持ち合わせていない。
だからこそ、ゲンヤがプレハブ小屋のドアを開けたとき、開放されたその臭気を前にして……成すすべもなく打ち据えられた。
「〜ッッ!!」
それは臭いという名の暴力だった。
腐り尽くした肉の臭い、糞尿を滴らせた臓物の臭い、蛆虫と雑菌が生み出す耐え難い臭い。
気付いた時にギンガはえずいて、胃液を手で受け止めていた。
もし食事を済ませた後だったなら、内容物をたっぷりぶち撒けていただろう。
だが彼女にも捜査員としての矜持があり、なんとかハンカチで口元を拭って、小屋の中に入る。
そして後悔した。
そこにあったのは臭気の原因、想像を絶する惨状だった。
「これは……」
「ああ、凄いもんだ。これくらいのは久しぶりだよ」
どこか感嘆した風でもあるゲンヤの呟き。
彼をして、そこまで酷い様はそうなかったのだろう。
小屋の中の薄汚れた灰色の壁と天井は、どす黒い液体が四方八方に撒き散らされて穢されていた。
それは夥しい量の血液と腸内の汚物である。
その中心地点、小屋の真ん中に彼は居た。
うぞうぞと蠢く白い点は、近くて見れば分る、蛆虫だ。
その母たる蝿も、ぶんぶんと耳障りな羽音を立てて飛び交っている。
腐り汁の滴る肉体は、腐乱と蛆の相乗効果で崩壊著しい。
いや、果たしてその惨状は、蟲共のせいだけではなかった。
「こいつが凶器か」
ゲンヤは躯に近づくと、手袋をはめた手で落ちていた銀の輝きを拾い上げる。
血と糞便で汚れたそれは、ナイフだった。
全長十センチにも満たない、小さな折り畳みナイフ。
それが彼を斬り裂いた物だった。
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縦横に引き裂かれて内臓を吐き出した腹腔。
それどころか手足も存分に刻み尽くされ、皮から腱まで無残に垂らし、骨を露出している。
正に解体だ、外科医の手並みにさえ比肩しうるものだった。
そしておぞましいのは……これら全ては彼自身がやったという事だ。
「俺も初めて見るぜ、こんな派手な“自殺死体”はな」
「……」
眉をひそめるゲンヤの言葉に、絶句するギンガ。
彼らの視線の前に横たわる死者は、虚ろな眼差しでそれに応えた。
検証の結果、小屋に侵入した人間は被害者一人、凶器にも被害者の血と指紋のみがべったりとついている。
かくも壮絶な自殺である。
四方に血と汚物を撒き散らし、その穢れた液体で床に書き記された奇怪な文字群。
まるで邪教の行うサバトか、生贄の儀式か。
とうてい正気の人間がやったとは思えぬ有様だった。
血も凍る事実は、体を捌いたのも、内臓を引きずり出したのも、その血と汚物で呪文を書き上げたのも、死んだ本人だという事だった。
一体何が彼をそこまで駆り立てたのか。
「お父さん、これ」
「ん? ああ、例のブツか」
ギンガが拾い上げたそれを、ゲンヤが受け取って検める。
あちこちに血の跡を残した古びた書物、無限書庫司書長から強奪された古代の魔導書であった。
開くと、丁度メモが幾つも挟まれたページが現れた。
折り目が付いている事からも、自殺した男、この本を奪った張本人が目当てにしていた項目だと解る。
古代言語を訳する能力などゲンヤにはないが、挟まれたメモから内容に関しては把握がついた。
『血を捧げる』『臓物を捧げる』『命を捧げる』『皮を捧げる、血管を捧げる、神経を捧げる……』『いにしえの魔術との契約』『果たされる秘宝』『魂が時を遡る』『これで妻と娘の元へ』
読み上げた文面の内容を咀嚼して、ゲンヤは苦笑した。
「馬鹿げてるな、こりゃ。本当にこんな魔法が成功するかどうかなんて、分りゃしないってのに」
魔導師でないゲンヤでも知っている、魔法の二大原則。
死者の完全蘇生と時間移動に関しては、現代の科学では絶対に不可能とされている。
ましてやこの妖しい書物に記された古代の魔術が、果たしてどれだけ信憑性があるか。
そんなものの為に、この男は凶行に走り、自分の命さえ壮絶な方法で捨てたのだ。
理解を超えすぎた行為を前に、呆れるよりほかにない。
だが、実行した彼は、信じていたのだろう。
この荒唐無稽な文面を、魔法を。
その証左に、
「でもこの人……」
「ああ、だな。こんな顔して死ぬホトケもそういねえよ」
ギンガとゲンヤは、彼の顔を見た。
全身を切り刻み、血と臓物と汚物を撒き散らし、想像を絶する激痛の中で果てた男の顔は――笑顔だった。
まるで永遠の懊悩から解放されたような、安らかな顔だった。
彼は本当に過去へとたどり着けたのだろうか。
その事を確かめる術はない。
死ななければ効果が判らない魔法など、確かめようがないのだから。
その笑顔を作ったのは、死に際に脳内麻薬が作り上げた幻想なのかもしれない。
いや、十中八九そうだろう。
だがそれでも彼の得たものは、安らぎと幸福だった。
それが、彼の解答だった。
絶望の果て、己の命を差し出して、幸福へと至る為の。
誰も確かめようのない、偽りとも真実とも知れぬ夢の中で、男の死相は微笑む。
その夢の跡を、蝿と蛆と、ナカジマ親子の眼差しだけが見ていた。
終幕
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投下終了。
ある意味シガー的な転生憑依もの、といえるかもしれない。
時間逆行的要素のある最近の作品、シュタゲ、まどマギ、の影響もあるかもないかもしれないかもしれない。
次はなんかイチャラブかただのドエロで口直ししたいわ。
(゜3゜)ノシ ではまた
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>>60
おおおおおおおGJ!
親にとってフェイトは、究極の「これじゃない」だからなー
どんな技術を使っても一旦失った存在を作り直したらだめなんですね
突き抜けたエロも期待して待ってます
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鬱々とした気分になったがGJといわざるを得ない(つД`)
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>>60
イチャラブでドエロなやつをお願いします
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>>60
GJ!
……さあシガー氏よ……ソープ・ナンバーズを再会するのだ……
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自殺練習事件とあいまってタイムリーですね
死んだ妻に会いたい→じゃあおまえもしね
ギリシャ神話にもそういうネタはあったかな
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シガ県的な意味でか
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儀式魔法として雀の死体と蜂の死骸と花火の燃え殻を煎じた茶を飲んでチンコに辛子を塗って火であぶり飛び降りると魔法が発動する
鬱祭りの次はいじめ祭りをひらこう
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誰も得しない
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そうか。それは残念だ
得しない話しで50レスほど埋まっちゃったな
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>>60
GJっした。
次はエロっすか。じゃ、ユーなののエロでひとつ。
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そういやF読み返してて思ったんだがリリィは100人近くとエンゲージしたって書くと凄い誤解を招く表現だと気づいた
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>>71
オマケにトーマ以外はみんなすぐイッちまった身体の持ち主
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>>71
て言うか男に病気を移すんですよ彼女はw
>>67
欝祭りSSを読み返してこようか
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>>71
トドメに探していたのは自分のご主人様だぜ
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シガー氏、gjです。
蛆という言葉から妖蛆の秘密を連想したけど、実は自らの身体を犠牲にしたタイムスリップ。
ある意味でこれも一つの答えかな。私も一つラブエロ物を一つ。
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八神家の台所。響き渡る、生々しく、淫靡な水音。
朝食を食べ終わり、椅子に座ったユーノの膝の上に乗る格好で、黒いビキニの上に、黒いエプロンを纏ったリインフォースは恋人との濃厚な口付けを続けている。
「・・・んちゅ、んむ・・・ちゅぷ、んむぅ・・・ぴちゃ、れろ・・・」
「んん・・・れろ、ちゅぱ、はむ・・・ん、ふふっ、はむ・・・」
リインフォースは舌で優しく唇を抉じ開けると、ユーノの咥内に侵入してくる。
そして舌を押し込み、ユーノの舌に絡ませ、唾液を送り込んでくる。
何故か、その唾液がとても美味に思えて、ユーノの脳髄を甘く蕩けさせ、それを敏感に悟ったリインフォースの眼が嬉しそうに細められ、再び唇が重なる。
鼻から漏れる吐息が心地よく、それ以上にリインフォースの舌の柔らかさに、ユーノは身も心も溶けていってしまいそうな錯覚を覚えた。
だが、口付けを続けている間、リインフォースの身体がピクリと動き、次の瞬間には、ユーノの膝の上から離れた。そして僅かに顔をしかめ、辺りに視線を巡らせ始める。
「・・・どうしたの?」
「どうも虫に刺されたらしい」
ミッドチルダにも虫は居る。虫を専門的に使役する魔導師が居るくらいだ。
とはいっても、リインフォースを刺したのは、地球に生息する蚊に近い種類の虫だ。
「・・・痒み止めも今は切らせていて無いからな、それにしても痒い」
リインフォースはそう言いながら、自らの左脚に手を伸ばそうとしてーーーそこで手を止め、徐にエプロンの前を持ち上げた。露になる脚。
リインフォースの脚はスラリと長くて、肉付きもよく、見ているだけでもう堪らない気分にさせられる。そんなユーノの心情を見透かして、リインフォースは悪戯っぽく笑い、実に酷な要求を口にしてきた。
「・・・お前が掻いてくれないか?」
懇願の形を取っていても、リインフォースは左手でエプロンを摘まみ、右手でユーノの腕を掴み、自分の内股に持って行った。
「・・・ちょ、ちょっと!?」
「あまり爪を立てないでくれ・・・」
リインフォースに言われた通り、黒いエプロンと、白い肌の鮮烈なコントラストが醸し出す、凶悪な色香に幻惑されながらユーノはプックリと膨れた部分を軽く掻いてみる。
「んん・・・ふぁ、そう、そこだ・・・気持ちいいぞ、んふぁ・・・」
態々、ユーノに顔を寄せ、リインフォースは耳元で喋る。
その喘ぎ声にも似た吐息に、ユーノの心臓は鼓動を速めた。
「いちいち声に出さなくても・・・」
「声で言わないと、解らないだろう・・・あ、そこだ、もっと・・・」
ユーノは自らの顔が熱くなるのを感じ、リインフォースは声を押し殺し、クスクスと愉快そうに笑っている。ユーノは苦笑いを浮かべつつ、虫に刺された部分を優しく擦る。
「・・・大分、痒みも収まってきたな・・・んん、ふぁ、うふっ・・・あぁん・・・」
指先で柔らかく内股をなぞっていると、リインフォースの口から漏れる喘ぎ声は、次第に、その悩ましさの度合いを増していく。
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「ん、何だか濡れてきてしまったかもしれない・・・」
リインフォースは人差し指を唇に当て、可愛らしさと妖艶さが同居した様な声で呟く。
そして止めとばかりに、紅い瞳を潤ませながらユーノの方にしなだれかかってくる。
そのまま強くユーノを抱きしめ、自分の胸を押し付ける様に身体を動かす。
圧倒的な質量を誇る膨らみが、円を描く様に、衣服越しにユーノの胸板を愛撫する。
「あふぁ・・・んうぅ、ひあぁ・・・んはぅ・・・」
ユーノの胸に自分の胸を押し付け、たまらないといった風情でリインフォースは、甘く切ない吐息を漏らす。その吐息が首筋に触れた瞬間、ゾクゾクした快感に変わる。
「・・・んあ、も、もうたまらない・・・んあぁ、ふぅ・・・はぁ・・・」
潤みきった瞳でリインフォースが見つめてくる。
ユーノの指が、白い脚をなぞり、水着の股布――淫核がある辺りーーを軽く押した。
「あ、んあぁっ・・・んふぁ、ひぅん・・・!?」
それだけで、リインフォースは身体を震わせ、崩れ落ちかける。
ユーノは彼女の身体を支え、耳元で囁く。
「もう、濡れてきてるね・・・湿ってきてる」
「い、言うな・・・は、恥ずかしい・・・あ、んふぅ・・・」
指が強く押され、それに反応して、黒い水着の表面に薄っすらと染みができた。
それを自覚し、リインフォースは頬を染め、色っぽく喘ぎ、胸と腰を押し付けてくる。
「・・・ん、ふぁ、お前の方こそ、こんなに固くして・・・それに凄く熱いぞ」
白くたおやかな指が、ズボン越しに肉棒を焦らす様に愛撫した。
もう肉棒は徐々にその存在を主張し始めている。
「お願いだ、こ、この・・・硬いお肉の棒で、私を思い切り・・・苛めて、犯して欲しい」
「う、うん・・・」
「嬉しい・・・は、速く・・・ほら、もう、ここでいい」
言うが速いか、リインフォースはユーノを床に押し倒した。
物静かで清楚な外見に似合わず、随分と積極的だった。
何か、物音――誰かの足音がした様な気がしたが、それはどうでもよかった。
今の彼女にとって、重要なのは、愛しい男の精を貪る事だけだ。
「まだ下の口で味わうには足りないな。まずは、口でしてやろう・・・ん、ちゅぱ・・・」
リインフォースは身体を移動させ、その美しい顔を、ユーノの股間に埋めた。
肉棒の先端が熱い物に包まれる。舌が振れ、その刺激にユーノは身体を震わせる。
「んちゅ・・・れろ、んむ、ぺろ、んむ・・・」
まだ少し柔らかい肉棒を、リインフォースは唇と舌を使って揉み解していく。
瞬く間に肉棒は硬くなり、ビクビクと脈打つ。肉竿の部分をリインフォースの熱い舌が這い回る。その動きは妙に艶かしく,見ているだけでも達してしまいそうだった。
「んぐ・・・じゅる、んむ・・・ちゅぱ、れろ・・・んちゅぱ、ちゅぅ・・・」
今度は先端部をすっぽりと咥えこみ、頬を少し窄めながら吸い込んできた。
尿道の中を吸い出される感覚に、ユーノの腰が浮き立ち、勢い余ってリインフォースの喉を突いてしまった。
「んぐっ!?・・・んぷ、こら、悪戯をするんじゃない・・・ん、れろ・・・ふぅ、あむぅ・・・」
するとリインフォースは悪戯っぽく笑い、自分から喉の奥まで肉棒を迎え入れる。
喉の肉で先端を挟まれ、引き付けを起こした様に肉棒は痙攣した。
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先端から溢れ出る、大量の先走り汁。
「んじゅる・・・れろ、ぴちゃ・・・んちゅ・・・れろ、あむぅ・・・」
リインフォースは呼吸が苦しくなったのか、肉棒を吐き出すと、また舌を使って、濃厚な愛撫を続ける。それに反応して、益々溢れ出す先走りの汁。
「・・・くぅ、リインフォース、あ、ふぁ・・・」
「ふふっ・・・お前はこういうのが好きなんだろう?」
肉棒の表面に舌を密着させ、ゆっくりと滑らせながら、上目遣いで見つめてくる。
その表情が物凄く淫らに思えて、ユーノの胸がこれ以上無いほどに高鳴った。
「・・・あ、そ、それは・・・」
「意地を張るお前は可愛い・・・苛めたくなるな、ほら、正直に答えないと・・・」
リインフォースは肉棒から口を離すと、粘液塗れの肉棒――その先端部を人差し指で突付き、グリグリと擦り上げた。
「う・・・はう、ひあぁっ・・・んん、はぁ・・・」
「ユーノ、お前は何処に出したい?」
舌先で肉棒の先端をペロペロと舐め、断続的な刺激を送り込みながら、上目遣いで尋ねてくる。紅い瞳に惹きこまれそうになる。
「顔に出すか?・・・それとも飲んだ方がいいか?」
「う・・・じゃ、じゃあ、か、顔に・・・」
「ほう、私の顔を白濁で汚してしまいたいか?」
「あ、じゃぁ、や、やっぱり・・・んあっ!?」
ユーノが訂正しようとすると、リインフォースが軽く歯を立てた。
「全く、そんな事を気にしなくてもいいと言うのに・・・んちゅ、れろ、ちゅっ・・・」
リインフォースは優しく微笑み、また肉棒に舌を這わせ始めた。
その攻めは容赦なく、圧倒的な快感がもたらされる。
唾液と先走りの絡み合う音がいやらしく響き、その音を聞いているだけで達してしまいそうだった。更にリインフォースは頬の裏側や喉を巧みに使って、肉棒を苛めてくる。
「んあ、はぅ・・・リ、リインフォース・・・!! も、もう・・・」
「限界に達しそうか?・・・ふふっ、それなら・・・んじゅる、はむ・・・」
絶頂が近い事を悟ったリインフォースは妖しく微笑み、吸い上げをきつくしてきた。
リインフォースの咥内で、いきり立った肉棒が何度も跳ねる。
彼女の咥内は先走りと唾液の混ざった物で溢れ帰り、唇の端から垂れ堕ちている。
「んぐ・・・ずじゅる、ちゅぱ、れりゅ・・・はむ、んむ・・・」
「ん・・・はう、も、もう・・・駄目、ひあ・・・」
ユーノの腰が浮き上がり、リインフォースの喉を突く。
それでもリインフォースは口を離さず、奉仕を継続する。
「んん・・・じゅる、れろ、はむ・・・んちゅ・・・じゅるる、速く出して、かけてくれ」
「あ、で、出るっ!!」
「んぷぁっ・・・んあぁっ・・・・・!!」
ユーノの背中が仰け反ったのを見て取り、リインフォースは素早く肉棒を口から離す。
そして先端から間欠泉の如く、飛び出した精液が満遍なく目の前の顔を穢していく。
「物凄い量だな・・・そんなに興奮したか?」
「う、うん・・・」
「ふふっ・・・そうか、ぺろ、んむぅ・・・」
リインフォースは顎から滴る精液を掌で受けると、それに舌を這わせる。
そして掌に付いた精液を全て舐め取ると、今度は顔に付着した分を舐め取っていく。
「んあ・・・れろ、ん・・・ちゅぱ、んふあぁっ・・・ふあぁん・・・」
指で舐め取られた精液は次々と処理されて、リインフォースは肉棒に付着した精液も舐めとろうと下をむき、紅い瞳を淫欲にぎらつかせた。
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「・・・ふふっ、まだまだ元気一杯だな。嬉しいぞ」
リインフォースは雄雄しくそそり立つ、肉棒に熱くネットリとした視線を送りながら、その身体をゆっくりと起こした。白くスラリとした脚の付け根から淫蜜が滴り落ちた。
「・・・下の口の方にも欲しいぞ、もうこんなに涎を垂らしているんだからな」
リインフォースは瞳を潤ませ、ユーノを床に押し倒すと、黒い水着の股布を指で横にずらし、肉棒の上に跨ってきた。そして一息に腰を落とした。
「はぁ、んああぁぁん・・・・ひ、んあぁ、んふぅぅ・・・!!」
「うあ、ああぁ・・・・!!」
さっきまで口で奉仕していたせいなのか、リインフォースの淫筒内はいやらしい蜜で溢れかえっていた。グチュグチュと音を奏でながら、肉棒が根元まで咥え込まれる。
挿入されていく過程で、肉棒が削り落とされそうな痛みを感じるが、それすらも気持ちがよく、咥えこんでからは、もう離さぬと言わんばかりの勢いで食らい付いてくる。
「・・・んあ、ひうぅ、こ、これはいい、相変わらず太くて硬い、凄く熱くて・・・中から溶かされそうだ、んふあぁっ・・・んひぃ・・・あぁん・・・」
騎乗位の体位でリインフォースは腰を動かし、内部の襞で肉棒を擦り上げてくる。
彼女が少し腰を揺するだけで、物凄い快感が怒涛の如く押し寄せてくる。
「はうん、わ、私の中はどうだ・・・奥にまで届いてぇ、い、いい・・・!」
「・・・う、うねってるよ・・・す、凄い・・・」
リインフォースの内部はグネグネと蠢き、肉棒を絞り上げる様に収縮する。
その度に肉棒は脈動し、先端から先走りを溢れさせた。
「・・・も、もう動くぞ、あ、んあぁ・・・は、んん・・・ふぁ、ひふぅ・・・・!!」
小刻みに細い腰を上下させ、リインフォースは肉棒の先端と、自らの最奥部を激しくぶつけ合わせる。筋肉質だが、同時に女性らしいしなやかさを備えた豊満な肢体に、薄っすらと汗が滲み、芳しい匂いを醸し出す。
「・・・ん、はぁ、んあぁ・・・お前のこれ、凄い・・・私の中を削ってる、抉ってる・・・」
「だ、だって、君の格好、いやらし過ぎるから・・・」
床に組み伏せられた状態のユーノの視点から見ると、リインフォースは黒いエプロン一枚の格好で――正確には、水着を着ているがーー騎乗位で腰を振っているのだ。
「実質、‘裸エプロン’でまぐわっているんだよね・・・これで興奮しない方が可笑しいよ」
「・・・そ、そんな、んあぁっ・・・む、胸をそんな、んあぁ・・・!!」
エプロンと水着の上から胸を掴まれ、リインフォースの唇から甲高い嬌声が漏れた。
尚もユーノが右手で胸を執拗にこね回してやると、リインフォースの背が反り返った。
「こ、こら・・・あ、んあぁ、こ、腰が勝手に、気持ちよすぎて・・・んぅぅ!!」
いつしかリインフォースは、ユーノに揉まれていない方の乳房を自ら揉みしだき、もうエプロン越しでも解るほどに、尖った先端部を弄くった。
「も、もう・・・私、駄目かもしれない・・・あぁ、はあぁ、んう・・・」
「ぼ、僕も・・・」
さっき出したばかりなのに、ユーノの肉棒は限界を迎えようとしていた。
脈動の感覚が短くなり、射精感がこみ上げてくる。
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「んくっ・・・うぅっ!!?」
「んあぁ・・・ユ、ユーノ・・・い、一緒にぃ・・・」
リインフォースはユーノに向けて優しく微笑むと、腰の動きを加速させていく。
肉襞が幾重にも肉棒に吸い付き、擦り上げ、快感を加速度的に押し上げていく。
「ほ、ほら・・・遠慮せずに、私の中に注ぎ込んで、お願い・・んあ、んふぅ・・・」
「う、うう・・・ま、また更に締まって・・・」
リインフォースの淫筒内は収縮して、肉棒を締め付け、襞は絡みつき、精を搾り取ろうと蠢き、その動きがお互いの快感を何倍にも増幅させた。
「んぁ・・・も、もう、だ、駄目だ・・・わ、私、イ、イってしまう・・・んあぁ、んふぁっ・・・・・」
「そ、そう言われても・・・」
リインフォースの内部は執拗に肉棒に絡みつき、精液を貪欲に搾り出そうとしてくる。
しかも、そのまま上下左右に動かれているのだ。
これで我慢しろと言う方が無理である。
「ん、リインフォース・・・!!」
「あ、んあぁ・・・わ、私、も、もう駄目だ・・・い、一緒に、お前と一緒に・・・」
リインフォースの細い腰を掴むと、ユーノは猛り狂う一物を根元にまで突きこんだ。
「ひあぁっ・・・んあ、ああぁーーーーーーーー!!」
リインフォースが絶頂の嬌声を上げると同時に、ユーノは自身を勢い良く抜き去った。
そしてリインフォースの身体目掛けて、溜まりに溜まった樹液をぶちまける。
「んあぁっ・・・ひあぁ、ぁ、熱い・・・んん・・・」
白濁を浴び、リインフォースは全身を何度も痙攣させ、絶頂の余韻に浸る。
二人が繋がっていた場所からは、淫蜜と精液の混ざり合った物が流れ出ていた。
「エプロンにこびり付いてしまったら、どうするんだ・・・まあ、安物だから、別にいいんだが・・・それから、どうせなら中に欲しかったんだぞ」
「ごめん・・・一度、君を汚してみたくて・・・」
「ほう、女を汚して、自らの物だと確認したかったか? お前も男らしい独占欲を示してくれて、私としては嬉しいが・・・中に注いでくれないと物足りないな。まだいけるか?」
そう言いながら、リインフォースは立ち上がり、水着を脱ぎ捨て、正真正銘、エプロン一枚の格好になった。エプロンの裾からはみ出しそうな乳房。
剥き出しになった、肉付きのいい美尻。
「・・・ほら、来て、私を満たしてくれ」
台所の流し台の所を掴んで、熱い息を吐き、そして振り向き、妖艶な流し目でユーノを誘う。迷わず、ユーノは色香の塊ともいえる肢体に飛びついていた。
「・・・ん、んあぁ、はぁ、う、後ろから突かれてる・・・あ、んん・・・はふぁぁん・・・」
エプロンの下は無防備な裸。男の欲情を駆り立てる、グララマスな肢体だけ。
それを思う存分抱いて、只管に突きまくる。
激しく肉棒を突きこむ度に、リインフォースの身体が揺れ、乳房が弾む。
台所中に響き渡る程に、水音を立てて掘削していくと、リインフォースは嬉しそうな声を挙げ、心地良さそうに身悶える。
-
「・・・こ、壊れる、やぁ、だ、駄目ぇ・・・」
「やめた方がいいかな?」
「嫌だ・・や、やめないでくれ・・・もっと欲しい、滅茶苦茶に掻きまわしてくれ」
リクエストに応え、淫肉を抉る肉棒が、リインフォースの内部を蹂躙する。
それに連動するかの様に、白く形のいい尻が揺れ始める。
たぷたぷとバスト91のEカップの膨らみが揺れる。
「・・・いい、凄くいい、もっと、もっと、強くぅ・・・あ、あぁ・・・わ、私、台所で犯されて・・・気持ちよくなってる、大好きなユーノに犯されて気持ちいいのが止まらないのぉ!」
リインフォースの内部がひくついた。淫肉が物欲しそうに蠢き、二チュニチュと飢えた獣の様に、肉棒に絡みつく。瞬く間にユーノの脳髄が絶頂への衝動で塗り潰された。
「くっ・・・も、もう出る、出るよっ!!」
「あ、あぁ、ふあぁ・・・で、出てる、私の中に・・・熱いのが出てるぅ・・・!!」
洪水の様に熱い白濁が迸り、リインフォースが放心した様に呟く。
ユーノは、エプロン一枚の姿のリインフォースを大事そうに抱きしめ、暫しの間、彼女の身体の温もりや柔らかさを味わっていた。
「ユーノ・・・お前の手、とても暖かい」
「君の身体もとても暖かいよ・・・」
繋がったままの状態でお互いの存在を感じ、どちらともなく笑みが漏れた。
ユーノの指が、リインフォースの流麗な銀髪を優しく梳いた。
甘える様な声。リインフォースの髪は触り心地もよくていつまでも触っていたくなる。
「・・・たくさん汚れてしまったな。風呂場で汗を流すか?」
「お風呂でもする?」
「・・・馬鹿、発情しすぎだ、エロフェレット」
咎める様な口調とは裏腹に、リインフォースの眼は笑っている。
‘来るなら受けて立つぞ’と言いたげだった。
何だか、彼女のそんな仕草が愛しくて、ユーノは細い首に口付けた。
甘く蕩けた嬌声が微かに紡がれ、艶っぽい息がこぼれた。
その後、台所での情事の痕跡を消し、二人は風呂場に場所を移した。
大家族の八神家だけあって、かなり広い。
特に湯船は温泉や風呂に並々ならぬ拘りを持つ、烈火の将の意向もあってか、頑丈な上に腐りにくい種類の樹を使って作られている。
ちなみにこの樹の湯船は、ユーノが独自の伝手によって調達した木材を、ヴァイスが八神家の庭で浴室に合う形に切り出し、ザフィーラが半日かけて浴室に据えつけた。
「・・・この湯船、大好評でな、私もこの湯船に浸かると・・・気分が落ち着く。この湯船に使われている樹から立ち昇る、森の匂いのおかげか」
「大好評だったなら嬉しいよ」
湯船の中に肩まで浸かり、髪を結い上げたリインフォースは天井を見上げ、心地よさそうに息を吐く。風呂場用のマットに胡坐をかき、石鹸をつけたヘチマで身体を洗いながら、何となく眺めていたユーノは、思わず言葉を失った。
-
(うわ、おっぱいって浮くんだ・・・)
お湯の上に圧倒的なボリュームの半球が2つ、プカプカと浮いている。
雪の様に白い肌に薄っすらと朱が走り、とてつもなく色っぽい。
「・・・ユーノ、私の胸をそんなにジロジロ見て、お前は本当に胸が好きなんだな」
「あ、い、いや・・・その、はい、大好きです」
このボリュームの胸を嫌いな男は多分居ないと思う。
仮に居たとすれば、そいつはホモ、ロリコン、貧乳派、実は女だった、のどれかに当てはまるのではないだろうか。そんな埒も無い事を考えていると、リインフォースが湯船から上がると、ユーノの前に立った。白くスラリとした脚。股間にある銀色の薄い茂み。括れた細い腰。見る者を圧倒する乳房。切れ長の紅い瞳。神秘的な白銀の髪。
それらが絶妙な比率を以って、リインフォースという女性を構築している。
「・・・こんなに硬くして、お前の此処は本当に元気だな」
「そ、そんな・・・目の前でこんな凄いものを見せられちゃ・・・ひゃうっ!!」
「ほう、私のせいにする気か?」
湯船の縁に腰掛け、嗜虐的に笑うリインフォースが、膨らみ始めた肉棒を足で扱く。
手とは違う、独特の感触がもたらされる。
器用に動く足の指に、ユーノは何ともいえない快感を感じて震えた。
「・・・本当に可愛い声、んっ・・・はぁ、ん、はぁ・・・」
お互いに高まり合った興奮は直ぐに熱い欲情に変換され、行為へと反映される。
ユーノは自分から腰を揺らし、リインフォースは快感を貪る様に、自らの胸を揉む。
「・・・あ、んぁ、私、凄く興奮してる・・・ユーノのお肉の棒、苛めて・・・疼いてる・・・」
「・・・ぼ、僕も・・・あ、んぅ・・ひはぁ・・・」
美しい足の隙間から見える、リインフォースの秘所からは、お湯とは明らかに違う液体が漏れ、もどかしげに動く太腿が彼女の興奮の度合いを示していた。
「お、お前のこれ、本当に大きいな・・・ん、ふぅ・・・」
「そうかな・・・普通サイズだと思うけど・・・」
「そんな事は無い・・・お前のこれ、物凄く大きいぞ・・・」
リインフォースはそう言って、確かめる様に、肉棒を足で撫で回す。
その刺激で溢れ出した先走りが、足の腹で広げられ、快感が小波の様に広がった。
「・・・ん、あぁ、リインフォース、そ、そこ・・・あぅんっ!!」
「はぁ、こ、ここか・・・ここがいいのか・・・ふぅ・・」
「ん、んん・・・はひぃん・・・」
熱を孕んだ声で訊かれ、ユーノは肉体と精神の両方から快楽の洗礼を受ける。
リインフォースの欲情も臨界点を超える寸前なのか、自らはちきれんばかりの乳房を揉みながら、もう片方の手が秘所に伸びた。
「・・・んくぅ、はぁ、んん・・・ユーノ、私のいやらしい姿、見てくれ・・・ほらっ、んん・・・」
クチュクチュと淫靡な水音が肉付きのいい、白い脚の付け根から奏でられ、その度にリインフォースの身体が弾む。足による愛撫に、その弾みが乗って不規則に送られる刺激が、肉棒を加速度的に熱く、煮え滾らせる。
-
「ユーノのお肉の棒、益々硬くなって・・・太い血管が走っているのまで解る、素敵・・・」
「はっ・・・んぐっ、ふぅぅ・・・」
更なる快感を求め、ユーノの腰は自然と動く。
そうすると煮え滾る肉欲の砲身を足に押し付けられたリインフォースは、一層、身体を火照らせ、愛撫の手を激しくした。
「んん・・・あ、熱い、それに凄く硬くなって・・・んぅ、疼いてくる・・・」
頬を色っぽく上気させ、リインフォースはそれまで片足でしていた足の攻めを両足に切り替えた。絶妙な力加減で挟み込まれた肉棒は、より大きな快感を受け、一際勢い良く跳ねた。暴れ馬の様に跳ねる肉棒に、欲情に蕩けた視線を送り、リインフォースは泡が立つくらい激しく、足が動き、肉棒が快感で震える。
「ユーノ、もう出てしまいそうか? いいぞ、出して、私と一緒に・・・んあぁ・・・!」
リインフォースの声が甘く大きく風呂場全体に反響した。
目の前で恋人の自慰を見せられ、足で扱かれ、一気に我慢できない程の射精欲求が競りあがってきた。そしてーーーー限界を超える。
「・・・ん、も、もう、ぼ、僕・・・イ、イク、で、出るよ・・・あぁっ!」
「わ、私も・・・も、もう、イク、イってしまうーーー!」
一気に噴出した精液が、脈動の度に、次々と快感を送りつけてくる。
その度に、脊髄を上から下へ、鋭い快感の奔流が押し寄せてきた。
「・・・あ、熱い、精液が・・・足にかかって・・・んふぅ、ああん・・・」
迸る精液を肌で受け止めながら、リインフォースは絶頂の痙攣に、その肢体を激しく振るわせる。そんな彼女の妖艶な姿に興奮して、ユーノは二度三度、精液を放った。
「んはぁ・・・もう、私の足がベトベトだな・・・」
「んあ、一杯出た・・・」
絶頂の余韻も抜けきらぬまま、二人の熱っぽい視線が絡み合った。
お互いの瞳が淫靡に潤み、快感を欲しがっている。
「なぁ、ユーノ・・・ここで抱いてくれないか?」
「うん」
リインフォースを風呂場のマットの上に寝かせ、ユーノは肉棒を一気に奥まで進めると、リインフォースの身体が敏感に跳ねた。
甘い声は喜色に満ち、更なる快感をねだる様に、淫らな響きも含んでいる。
「・・・リインフォース、んちゅ・・・れろ、んむぅ・・・ちゅぱ、れろ・・・」
「ちゅっ、んちゅ・・・ちゅぷ、んっ・・・んう、ユーノぉ・・・」
唇を重ね、舌を絡めあい、唾液を舐めあう。
頭の奥に甘い電流が走り、ユーノの快感を煽った。
「ユーノ、たくさん動いてくれ・・・私の中を味わってくれ・・・」
誘うように肉襞がグイグイと肉棒を締め付ける。
その奥に引き摺り込もうとするかの様な動きに、ユーノは直ぐに抽送を開始した。
淫蜜で潤んだ淫筒内が卑猥な音を立てる。
「君の中、凄い締め付けで・・・それなのに、蜜がヌルヌルで気持ちいい・・・」
「そ、そういう事は言わなくていい・・・あっ、ん、ふあぁんっ!!」
肉同士が弾け、ぶつかり合う音が響き、その度、リインフォースの奥の部分を、肉棒の先が突付く。締まる淫肉は、蜜を溢れさせては、肉棒を余す所無く包み込む。
-
「・・・ここ、弱かったよね。一番奥の、少し手前の部分・・・」
「きゃ・・・そ、そこばっかり、くぅん・・・ひ、卑怯だぞ、はぅんっ!!」
リインフォースの女の部分がもたらす快感が余りにも大きくて、ユーノは動き続ける度に、何度も連続して、バチバチと弾ける快感の電流を感じた。
「くっ・・・君のここ、する度に、締め具合が良くなっていくよ・・・凄い、もうイきそう・・・」
そう言ってユーノは腰の動きを最大限加速させた。
がくがくと身体をしならせ、押し寄せる快感に、リインフォースは首を振った。
だが、身体の方は、ユーノを強く感じようと、絡み付いてきた。
その脚が、手が、淫肉が、全てユーノを欲しがる様にまとわりつく。
それらを受け止める様に、ユーノは更に激しくリインフォースを抱きしめた。
「ん、んん・・・ユ、ユーノ、そ、そんなにされたら・・・ん、んちゅ、れろ、んむぅ・・・」
「んちゅ、れろ・・・んちゅっ、んむ・・・ぺろ、んれろ・・・」
唇を重ねあい、抱き合って絶頂に向けて二人の身体が更に強く重なり合った。
もう只管に行為を続けるのみで、リインフォースも自分から腰を激しく動かしていた。
「も、もう・・・駄目ぇ、私、イって、イってしまうぅーーーーーー!!」
「ぼ、僕も・・・限界、く、うぅ・・・・」
リインフォースが声を張り上げ、絶頂に達し、それを追う様にユーノも達していた。
ドクドクと熱い精を放たれ、リインフォースが悩ましい声を漏らす。
魂を抜き取られそうな快感に身震いをして、ユーノは数度、精を吐き出した。
肉襞が悦ぶ様に窄まり,貪欲に精を吸い上げていく。
「・・・はぁ、んんっ、ふぅ・・・はぁ、んんう・・・」
深い溜息を漏らし、リインフォースはトロンと蕩けた眼でユーノを見つめる。
そして、徐に身体を起こすと、射精の余韻に呼吸を荒くしているユーノの頬に軽く啄ばむ様に口付け、そのまま指で、ユーノの首筋を撫で上げた。
「・・・あ、ふぁっ、んん・・・」
「敏感だな」
悪戯好きな猫を思わせる顔でリインフォースは微笑み、トントンと指でユーノの胸板を突付く。その仕草に不覚にもときめいたユーノを待っていたのは、確信犯的な誘惑ーーー人間を堕とす、淫靡で美しい堕天使――の言葉であった。
「このまま・・・もう一回、してしまおうか」
「それは・・・えーと」
「嫌か?」
「そんな顔で言われたら断れないよ」
嬉しそうに抱きついてくるリインフォースを受け止め、ユーノからも抱きしめる。
首筋に舌を這わせると、くすぐったそうに彼女が腕の中で跳ね、甘えてきた。
薄っすらと汗を滲ませた肢体の感触と温もりに、ユーノの肉棒に再び熱が入る。
――――もうお昼に近い時間だったが、甘い逢瀬はまだまだ続きそうだった。
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その頃、天瞳流抜刀居合いの道場では。
『・・・魔導機神ラ・ハール、顕現!!』
『おのれ、マミ・トモエ、生きていたか・・・だが貴様1人で何ができる!!』
テレビ画面の中では、漆黒の装甲の巨大ロボットと、パンプキンパイの化物が、海上に出現した古代遺跡を舞台に激闘を繰り広げている。
ミッドチルダで人気のアニメ『魔導機神マドカ・マギカ』である。
「マミさん、死んだんじゃなかったんだ・・・」
「ほら、言っただろ。マミさんが死ぬ訳無いんだって」
「でも、魔導機神が五体揃わないと、超次元悪魔インキュベターが造りだした、窮極の次元獣ワルプルギスは倒せないんだよ?」
「ホムホム、速く来てーーーー!!」
子供達――八神道場及び天瞳流の門下生達――は固唾を飲んで、道場内に鎮座している大型テレビ画面の中で、繰り広げられる戦いの行く末を見守っている。
戦いは劣勢らしく、徐々に巨大ロボットの装甲に亀裂が走り、最後には敵が造りだしたマイクロブラックホールの直撃を受け、巨大ロボットは異次元に落とされてしまった。
『果たしてこのまま世界は闇に閉ざされてしまうのか? そして他の魔導機神とその乗り手達は? 次回、最終話【機工女神の微笑み、これが私達の光】 皆で見よう』
「皆、お昼ご飯、出来たわよーーーー!!」
「ご飯だーーー!!」
「ご飯ご飯、お腹空いたよーーー!!」
庭の外から聞こえてきた女性の声に、子供達はテレビのスイッチを切ると、一目散に道場の外の庭に飛び出していく。庭では巨大な鉄鍋の中に、熱いスープがグツグツと煮え滾り、まるで地獄の釜の底の様だった。
「・・・本当に食べて大丈夫なんだろうね?」
「側で私が見ていた限りでは、手順に問題は無かった。シャマルも何度も同じ過ちを犯すほど、愚かでは無い筈だ・・・多分」
「その最後の‘多分’って、どういう意味?」
色違いのトレーニングウェア姿のザフィーラとアルフに対して、普段着の上にエプロンを羽織ったシャマルはジト目を向けた。この料理は古代ベルカ時代、日々の苛烈なる鍛錬に励む戦士達が新陳代謝を活発にする為、食した料理である。
地球の中華料理にも麻婆豆腐があるが、辛さはアレよりも遥かに上であろう。
その後、この料理を食した子供達の内、聖王&覇王の末裔のコメント。
「もうお前は要らんぞ、ハイドリヒ。女神の地平を生む礎となれ」
「セリカから離れろ、出来損ないの女神め!!」
数時間後には元に戻ったのだが、これが某湖の騎士のせいなのかは謎である。
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これにて終了でござる。
水着エプロン→裸エプロン→お風呂で足こき、好き勝手に描いた。
リインは多分、ユーノに対してだけ苛めっ娘っぽくなる、と思う。
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>>86
GJ!
やっぱり甘甘な話はいい
変なカッコつけの鬱話なんかくそくらえだ
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書き込んでさっさと上に流しちゃおう
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気持ち悪い鬱が目に触れないように、
ラブラブだけ見えるように。
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シガー氏、黒天氏
鬱も甘いのもごちそうさまでした
なんでも来いGJ
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>>89
そんなん言われたら、欝書きたくなるやろが!
ちょっと待っとれ
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おう、オールジャンルおk
待ってる
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>>91
かまん!!!
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>>86
GJ!
相変わらずのエロぱい具合をありがとうございます。
次はヴァイス、ザッフィー組と一緒に巨乳祭か(ぉ
>>『魔導機神マドカ・マギカ』
やはり5体合体なのですか? でも代償に、戦いの余波で宇宙がぶっ壊れそうだw
最後のはエウシュリー辺りかな?
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リリカル世界の男キャラって大半のキャラは女体化想像できるけど、ザッフィーと中将だけは想像できんよな
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中将は確かに無理だが、ザッフィーは想像しやすい気がする
肌が黒で銀髪ショート、眼がちょっと釣り気味になったアルフ、っぽいイメージで
とはいえ、ニョタッフィーよりはショタッフィーの方が想像しやすいか
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変身魔法を使ってニョタッフィーとショタルフが倒錯プレイをすると聞いて虚数空間からとんできますた
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女体化したトーマがレイプされたショックでディバイドゼロ発動で大惨事まで想像した
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>>『魔導機神マドカ・マギカ』
だから何で貴方は毎度毎度本編より気になるサイドを作るんだよww
次回予告がナデシコな辺り、劇場版は鬱展開…ってまどマギに鬱展開って普通か
ユノヴィタが見たい というかユーノとロリの絡み・・・あ
リインⅡもサイズ変更とか出来たりするし、リインフォースもロリっ子フォームおkか?
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stsになっても無印の頃の体型な
ロリなのはさんを断固所望する!!!
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変身魔法って年齢性別を変えられるんだよな
TSユーノが生えたヴィヴィオによって妊娠とかいいよね……
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何故そう特殊な方向に走るんだ
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やっぱりトーマ×リリィはエロネタ書きやすいと思うの
六課で働くことになったが、世間知らずのリリィは失敗ばかりでトーマに迷惑ばかりかけて、
なんとか役に立ちたいと考えていたところをはやてとシャマルに吹きこまれ、その夜トーマとにゃんにゃんするとか
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「トーマ、今夜ベッドの上でリアクトしましょう」
「・・・そのカンペはなに?」
「迷惑かけてるからトーマの役に立ちたいって八神司令に相談したらそういえって。
八神指令はゲンヤさんに、あなたとユニゾンしたいっていえばばっちり元気になるんやでっていってたから」
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>>103
あの二人6課に来てからは同じ部屋で毎晩同じベッドで寝てるんだし
間違いの一つや二つ絶対起きてるだろうな
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ミカヤさんが好きだからエロネタ書きたいけど相手がいないからネタ作れないのがジレンマ
モブの陵辱系とか似合いそうだけど、純愛系が書きたいんや…
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男の一人称視点で名前出さずに書くとか
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>>105
同じ部屋にもう一人いたような気がするんですがねえ……
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>>108
そこは二人の情事の声を聞いて一人えっちコースじゃねえの?
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トーマの一人えっちときいて
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>>86
黒天さんGJです、いや貴方の書くリィンは悪戯エロくてたまらない
あと、何でラストのネタぶち込みように吹いたwww
まどマギは勿論、Diesに戦女神とかどんだけ守備範囲広いんですかwww
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どうもです
とあるVIPのスレを見ていて思いついたネタを投下します
エロは無しです
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■ 朽ち果てた車椅子
聖祥学園中等部に通う少女、高町なのは。
今、彼女のクラスでは、ある怪談がささやかれていた。
──図書館の隣の池には、女の子の幽霊が出る。
なのはの友人、アリサ・バニングスは、さっそく噂の真偽を確かめるべく、友人であるなのはと、月村すずかを誘っていた。
「夜に行くの?うちは、門限が厳しいから……」
すずかが渋ったので、とりあえず下見ということで明るいうち、学校から帰る途中で問題の池に寄ってみることにした。
海鳴市のやや郊外にある風芽丘図書館のそばには、池を囲むように遊歩道が整備され、近くの大学の運動部がランニングのコースに使ったりしている。
アリサはあらかじめインターネットでも下調べをしていたようで、メモ用紙とプリントアウトした地図サイトの画像を手に、問題の場所を探していく。
やがて、それらしき場所が見つかり、アリサは手元の画像と実際の景色を見比べて確かめる。
「あった、ここよここ、背景の図書館の位置も合ってる」
「ほんとうなの?」
なのはもアリサの肩越しに、印刷された画像をのぞきこむ。
建物名や道路の名前、ランドマークなどがオーバーレイで投影され、複数の写真をつなぎ合わせているので実際の見た目とはやや異なるが、それでも立ち木の位置などを見ると確かに一致する。
「近くに車椅子があるんだって」
「車椅子?」
「うん。いつからあるのかわからないけど、この池で死んだ女の子のものなんじゃないかっていわれてるの。
実際、なぜかずうっと片付けられないまま、放置されてるんだって」
「なんか、怖いね」
「でしょう!?わくわくしてくるじゃない」
「アリサちゃんったら、ひとごとだと思って……」
この手の話になると、オカルト好きの地が出るのかアリサは目を輝かせる。
なのははやや気まずく、もし本当にこの池でなにかの事故か事件があり、少女が死んだのだとしたら居た堪れない気分になる。
しかし、だとしても自分たちには知る由もないことだった。
その事件がいつ起きたのかもわからないし、もしかしたら車椅子は単にごみとして捨てられただけかもしれない。それにもっともらしく架空の事件がでっちあげられたのかもしれない。
やがてなのはたちの目の前に、ついにそれが姿を現した。
図書館が面している通りから、池を一周する遊歩道を左回りで歩いてきたので、左手側が池、この場所では、右手側は小さな雑木林と茂みになっている。
アリサが持ってきた地図サイトの画像では、サービス提供元の会社が撮影をした時期がおよそ3年前だったので、画像と比べると現在は茂みの高さがより増している。
それでも、その車椅子は──、少なくとも3年前とまったく同じ状態で、やや傾いで、路傍に佇んでいた。
-
なのはとすずかは、思わず立ち止まってつばを飲む。
確かに、ただならぬ雰囲気がある。
さすがのアリサも駆け寄るのは待っている。
「……とりあえず、写真、とっとく?」
携帯を取り出し、カメラを起動させる。それでも、アリサはやや手が震えていた。
「ねえすずかちゃん、これ、本当に幽霊いるのかな?もしかして、写真に写っちゃったりとか」
「はっきりとはわからないけど、でも、やっぱり危ない感じはするよ……ねえアリサちゃん、いちおう、ここに車椅子があったってのはわかったんだし、今日はこれくらいにしない?
ちゃんと調べるのは、また、休みの日にでも……」
この遊歩道からは、何箇所かで池に降りられるようになっていて、池の北側では貸しボートもあり、ときどき釣り人が糸をたらしていることがある。
丘の向こうの風芽丘学園からは、テニス部だろうか、黄色い掛け声と、ボールを打つ音が空に響いて聞こえてくる。
辺りを見回しても、なのはたち3人以外に他の人間は居ない。
散歩をしている近所の住民も、誰も居ない。
この池から、雑木林といっても幅は30メートルもない小さな茂みだ。
数十メートル離れれば民家が立ち並んでいる。
そんな近くに、人が住んで暮らしているのに、まるで、ひとけのない廃墟に紛れ込んでしまったような雰囲気があたりに満ちている。
さすがのアリサも、ただならない雰囲気を感じ取ったようだ。
「そ、……そうしようかしらね?すずか、やっぱ、なんか感じる?」
「わからないけど……なんだろう、私も、学年上がるごとにそういう感覚、鈍くなっちゃってるみたいで……」
小学校の頃は、すずかは霊感が強かった。
なのはが魔法に係わり、ジュエルシード集めをしていたときも、真っ先になのはの様子に気づいていた。
しかし今は、すずかももう普通の女子中学生になり、ただの人間に──なってしまっていた。
車椅子は、片輪が重みでやや土に埋まり、傾いている。
だれかが座っていたような形跡はもはやみられない。雨風にさらされ、手すりには錆が浮いている。
落ちた枯葉が腐って染みをつくり、小さな虫たちが汁を吸いに集まっている。
周囲に生い茂っている笹やつる植物を手でどけてみるが、たとえば、小児用の靴が両足そろえて置かれていたり──とか、そういったものは見当たらない。
本当に神隠しにあったかのように、車椅子だけが残され、乗っていたはずの人間の姿は露と消えている。
茂みに分け入るには、それなりの装備がいる。学校の制服では、鋭利な葉や茎の汁で肌がやられてしまう。
この日は、なのはたちはとりあえずここで帰ることにした。
帰宅し、夕食と入浴をすませてから、なのははいつものように学校の宿題を済ませた。
ふと思い立ち、なんとなしにパソコンの電源を入れた。
インターネットブラウザを立ち上げ、検索で「風芽丘 車椅子」とキーワードを入れてみる。
-
わずかの画面切り替えのタイムラグの後、検索結果が表示される。
瞬間、息を止めて堪え、しかしその羅列に危惧していたものがないことを確かめて、かすかな安堵とともに息を吐く。
考えてみれば、この検索ワードでは、風芽丘図書館や周辺の公共施設がバリアフリー対応かどうか、という情報のほうが優先度が高い。
表示された検索結果は、何処其処の施設は車椅子に対応しています……といった施設案内のページばかりだ。
よしんばこれだけで検索に出たとしてもずっと優先度は低いはずである。
いちどにページをジャンプさせる。
その先に、とある個人ブログがあった。
最終更新日は、2005年。
ちょうど、なのはがフェイトやユーノと出会った頃である。
記事の内容は、風芽丘で少女の行方不明事件があったというものだった。
検索エンジンが拾い上げる要約文では、そこから先の詳細はない。
なのはは誘惑を抑えきれず、そのリンクをクリックしてしまった。
2005年に報道された内容のあらましは、当時風芽丘周辺に住んでいた大学生の男が、殺人と死体遺棄の容疑で逮捕されたというものだった。
彼の容疑は、2004年の12月はじめ、近所で一人暮らしをしていた足の不自由な少女を、風芽丘池に投げ捨てて殺したというものだ。
この事件の記事を載せたブログは、もうずっと更新が止まっている。
男は、大学での友人やバイト先の同僚などに、よく語っていたらしい。
福祉なんか害悪だ、働かずに生きている人間がどれだけいる、俺たちが納めた税金がこんなやつらを生かすために使われていると思うと吐き気がする。
警察の調べでは、男は車椅子の少女を見かけ、少女が身体障害者で、学校にも通っている様子がないので、かっとなって──実際には彼女の生活状況を数週間尾行して調べていたようだが──殺害を決行した、とのことだ。
ブログ記事には、どこかの掲示板からの引用として、この事件が報道された際のトピックに寄せられた書き込みがまとめられていた。
少女がかわいそうだという意見、なんという鬼畜で自分勝手な男だという意見。
しかし、確かに障害者は生きている価値はない、という意見の書き込みも散見された。
彼らが彼らなりにきちんと仕事をしているのならともかく、自分では稼がずただ手当てだけで暮らすのでは、まったく何も生み出していない。
また、警察での取調べで男が、少女が平日の昼間から外に居て、学校に行っている様子がなかった、と供述したことをあげて、この少女は殺されても仕方ない、と書き込んだ者もいた。
年金という形で若者の稼ぎを搾取する老人は殺すべきだ。そして、今の日本にはおちこぼれを世話する余裕なんてないんだから脱落者は見捨てるべきだ。
足の不自由な女が、いずれ大人になったとして何ができる。経済活動の役には立てない。
トピックの書き込みはさらにヒートアップし、なのははついに最後まで読みきることができずにブラウザのタブを閉じてしまった。
こういったサイトを見ることのなかったなのはは、実際にあの朽ち果てた車椅子を目撃したとき以上に、心が痛んでいた。
世の中には、こんな人間も居るんだ。
もしかしたら、普段は愛想よく振舞っていても、みんな心の中では、黒いことを考えているかもしれない。
パソコンの電源を落とし、明日の準備をして寝る。
こんなことはもう、忘れてしまいたい。
アリサはまたあの池に行くつもりなのだろうか──
-
海鳴市の住宅街の一角に、「八神」の表札が掛けられた、ささやかな一戸建てがあった。
しかし、表札はやや斜めった「競売」の札が貼られ、この家が売りに出されていることを示している。
この家には誰も住んでいない。
不動産会社は、最低限の維持管理のために電気だけは通しているが、ほとんど消費されずにいる。
昼間でも薄暗い、家の中。
床に落ちた、古い革表紙の本。
既に黴や虫に食われ、ページは穴だらけになり、表紙の革は破れて、中のボール紙が露出してしまっている。
錆びついて崩れた鎖が、居室の床に力なく横たわっている。
装飾に使われた金メッキだけが、かろうじて貴金属の輝きを残していた。
この家の存在を、なのはは知らない。
かつて、海鳴市で起きた事件は、もう誰もが忘れ去っている。
フェイトとの別れと同時に、なのははレイジングハートをクロノに預け、普通の少女の暮らしに戻った。
もう二度と、彼らに会うことはないだろうと思いながら、なのはは眠りについた。
そして同時に、あの八神家の少女が死んだのと同時に、イギリスから日本への資金流入が止まり、海鳴市をはじめとした日本の税収がさらに減少していたことも、なのはには知る由もない。
西暦2011年、秋。
この一見のどかな海鳴市でも、将来への漠然とした不安が広がり、それは高町なのはも同じだった。
恭也から士郎へは、家族を連れてドイツに来ないかという話がそれとなく出ていた。
桃子も、喫茶店で使う果物や小麦粉、卵の仕入れ値が上がっていることに不安を隠せないようだ。
ユーノ、クロノ、フェイト──彼らとは、もう二度と会うことはない。
das Ende
-
おわりです
元ネタは・・・ぶるぶるこわい
「ストリートビューでアウトなもの見つけた」でぐぐるとでてきます
今も実際にGoogleSVで現場を見ることができます・・・
なんなんでしょうねこれ
闇本9話も鋭意執筆中でごじゃります(・∀・)
ではー
-
おお、これは怖い…
いいですね、こういう雰囲気は
朽ち果てた夜天の書、さび付いて動かない車椅子
静かに現実の中へと埋没していくなのはたち
実に好みでございます
-
>>117
乙
なのはたちが中3の頃はちょうど2011年か
あの頃はまさかこんなことになるとは思わなかったよな
翠屋もセシウム牛乳じゃケーキつくれないもんな
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>>117
A'sの物語は起こらずお別れしたままかぁ
永遠に続く梅雨空のような
パラレル話の投下ありがとうございます
こういうのも大好きです
次作もお待ちしてますGJ
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この微妙に朽ちていく雰囲気。日常に埋もれ、普通の人間になっていくなのは達。
八神家、救われず。この日常に埋もれてしまった悲劇。
でも、その内、夜天の書から銀髪紅眼の美女がさ迷う幽霊屋敷という噂が立ちそうな予感が。
>黒天さんGJです、いや貴方の書くリィンは悪戯エロくてたまらない
多分、こんなリインフォースを描くのは俺一人だと思います。
ナンバーワンよりもオンリーワンを目指します。
エウのゲームはともかく、Diesは友達がプレイしてたのを、横で見てただけだったりします。
マギカの方はもう円谷の理関連の奴しか印象に残ってねえ。
あとメヒーシャさん可愛い。
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>>117
普通の選択を選んだ故のホラーか、何てやるせない……でも、GJです
前になのはとはやてって公式で役目が入れ替わる可能性があるとはいわれているとはいえ、はやては魔法なかったらつんでる人生だもんな
>>121
よかった、やっぱりあってたんだw
個人的にエウでやり込んだのは峰深き瀬にと神採りぐらいしかやってなかったからな
あえて言わせてもらおう、ユエラ&メロディアーナ最高。メヒーシャさんはカード使えねぇもん(爆)
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111スレのスバル祭りでちょいと顔を出した者です
欝の香りに誘われて徹夜突貫して今起きて修正祭り中です
多分21時頃に投下します
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>>117
ふと魔法の無い世界、という事でプリティベル的なリリなの世界を想像してしまった
全て筋肉による筋力で引き起こすフィジカルな物語
砲撃筋肉、射撃筋肉、格闘技筋肉、治療筋肉、結界筋肉
・・・ゆで世界だな、これ
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>>117
おもしれえ……この全体に漂うなんともいえない雰囲気が堪らん
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>>117
GGGJ
べべつにここ怖くなんてないんだからねッ
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|д`) 失礼しますよ
非エロ。初っ端からメイン級死亡者あり。欝注意。
はやて、リイン、ヴァイス、スバル、ティアナ。ちょこっとヴィヴィオ。なのはさんは一人称語り部シーンのみ。
時系列としてはStS後一年そこそこ。
なのはさんのStSでの負傷の具合、登場人物の経歴、六課や海上警備部の設定、管理世界の状況に関して改変及び捏造あり。
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「全部が全部、なのはちゃんみたいに全力全開でいけばいいってわけやないのはわかってるんやけどね」
溜息一つついて、訛りのあるミッドチルダ語で呟いた愚痴は彼女にとってその日何度目のものであっただろうか。
二等陸佐の階級章がつけられた制服の上着は無造作にデスクの端に引っ掛けられており、
一世代古い型の情報端末は立ち上げられているもののディスプレイにはミッドチルダウェブニュースが映っているだけ、
ぎしぎしと音を立てる安物の椅子に深く腰掛けた女性自身も頭に手を回して天井を仰ぎ見ている状態であり
一目見て仕事をしていないのは明白な光景であった。否、正確に言えば、彼女には今仕事らしい仕事がないのだ。
デスクの端、上着の下からはみ出ている書類の内容を要約すれば、以下の通りになる。
八神はやて二等陸佐の海上警備司令の任を解き、本局人事部賞罰監査課長とする。
人事部賞罰監査課。時空管理局において特別の功績、あるいは問題行動があった者に対し、賞罰を与える際に調査を行う部署である。
しかし、大抵の場合において特段の調査の必要もなく、人事部においてほとんどが処遇決定済みとして書類が回ってくるだけであり、
事実上この部署が何らかの判断を独自に下すということはない。まごうことなき島流し、肩叩きポストである。
実際、現在賞罰監査課には新たに配属となったはやてとその融合騎であるリインフォースツヴァイ准空尉の他には
元の課長であった一等陸尉(現在の課長補佐)とその部下の陸曹長のあわせてわずか二名しかいなかった。
どちらも齢五十を過ぎた元武装隊員であり、負傷が元で既に前線から退き、部隊指揮からも身を引いた局員である。
曰く、姪の学費のため、曰く、これでもまだできることはある。飲みニケーション(とは言ってもお茶だが)の中ではやてが得た情報である。
狭い賞罰監査課のオフィスではやてがだらけた姿を晒しているのはその二人が退勤済みだからである。
アフターファイブ。ついこの前まで一に仕事、二に仕事、三四も仕事、五も仕事という生活であった彼女には想像すらできない世界であった。
いや、知らないわけではなかったが、こうして自分がそういう立場におかれるということはまだまだ先のことだろうと思っていた。
そもそもリンディ・ハラオウン、レティ・ロウランという現役勢の強力な後ろ盾に加えて、経歴から聖王教会からも支援のあるはやてという人物が
何故このような場末の部署にいるかというと、他ならぬロウラン提督からの指示なのであった。
ありていに言えば、ほとぼりが冷めるまで静かにしていろ、ということになる。JS事件以後、管理世界は揺れに揺れた。
何しろ管理世界の中心的存在であるミッドチルダ政府のお膝元であろうことか二十名に満たない組織によって白昼堂々大規模なテロが敢行されたのである。
内情はどうあれ、傍から見れば遥かに脆弱な組織相手に時空管理局は完敗を喫したといっても過言ではない。
各地の犯罪組織が一気に活発的になったのは言うまでもないことである。
しかしながら、敗北を喫したのはミッド地上部隊に過ぎず、各地の管理局地上部隊が損害を受けたわけではない。
本局も最終段階において次元航行部隊を投入した程度で、組織としてJS事件に全力であたったとは到底言い難い。
ゆえにそれらの犯罪組織への対応に忙殺されはしたものの、管理世界全体としてはかえって検挙率が上昇するという皮肉な結果となっていた。
一方でミッド地上部隊においてはゲイズ中将以下関係した主要幹部だけでなく、一部では実戦部隊にまで類が及び
ただでさえ人材が払底していたところにとどめとなり、組織を維持できるかどうか怪しいレベルにまで事態は悪化していた。
そうなると、便利な存在として独立部隊がこき使われるのが世の常である。
はやて本人は六課解散後はしばらく指揮官として独り立ちするべく経験を積もうという心算であったが、JS事件最終段階において矢面に立ったがゆえに
引くに引けない状態となり、最終的に後ろ盾である上司たちに押し切られる形で
海上警備司令に就任、それぞれの原隊へと復帰したかつての六課員とも連携をとりつつ多忙な日々を送っていた。
「椅子を尻で磨くだけでなく、空も飛ばねばならないのが魔導師キャリア士官のつらいところ」とは
特別捜査官候補生時代の指導教官の言葉だったなぁとはやては思い出す。
六課時代以上の激務、無理がたたって撃墜された誰かさんのことを言えないようなハードワークの末に、
元々魔力制御がお世辞にも得意とは言えない彼女がリインの補佐すら効かないミスを犯すのは当然の結果だったのかもしれない。
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広域制圧魔法の範囲制御がほんの少しブレた。指揮官の激務と疲労は部隊員の誰もが知っていた。
そして少しでも援護しようとある隊員がほんの少し突出し過ぎていた。
ありあまるはやての魔力でなぎ払われる犯罪者達。もちろん全員気絶するだけだった。
けれども、その途中にあった不安定な障害物が余波で倒れ、彼は下敷きとなった。
幸い彼は軽傷ですぐに元の任務に戻れる程度の怪我で済んだ。
通常であればどちらも始末書を提出して直属上司からの厳重注意、それで終わりであっただろう。
しかしながらロウラン提督は各地の犯罪組織の鎮圧が進み、ミッド地上部隊も一応の体裁を整えて動き出したことから
海上警備部隊を順次縮小することを決定。
そして激務が続いていたはやてを解任し、この仕事がない部署へと送り込んだのである。少し骨休めしてきなさいな、と一言つけて。
政治的に考えれば明らかな左遷であり、経歴上の汚点ではあるが、これ以上無理をさせてはかえってまずいことになると判断したのであろう。
はやて自身も、誤射のショックは小さくなく言われるがままにそれを受け入れた。ああ、ティアナはこんな気持ちだったんやろか、と。
補佐役であったリインもいつも周囲を煙に巻いて誤魔化す主が異様に素直なのもあってフォローも空回りしがちであった。
とはいえこうしてだらけてみても、仕事がしたいとうずうずするということもなく、それはそれで順応してしまうものなのかもしれない。
幼少の頃より自分のことは自分で、ヴォルケンリッター……家族ができてからは母としての役割を担い、邁進してきたはやてである。
その経歴を思えば、これからもずっと人生をアクセル全開で踏み込み続けろと言われると少々辛いものがある。
もっとも「これは魂の充電期間なんやー」と心の中で言い訳しようとしても「ないわー」と結局アクセルを踏み込むのがはやてという人間であった。
「あかん、これ以上だらけとったら牛になる!」
「そ、それは大変ですー」
いざ行動となると彼女は早い。情報端末を閉じるやいなや、上着を羽織り、各自のデスクに出しっぱなしになっていた湯飲みを回収して洗い、
同じく書類も分類ごとに整理し直し、部屋の隅にほこりを見つけてこれはいけないと用具箱から箒とちりとりを持ち出して……
「ってなんでやねん!」
何故仕事場に来てまでやっていることが主婦なのだろう。後でむなしくなるのが分かっていようと思わず突っ込みを入れてしまうのが彼女の性である。
恨むべくはあまりにも仕事がなさ過ぎるこの部署か。思うにロウラン提督も彼女のこうした性格を知るがゆえに
本当に何も仕事がないところに放り込んだに違いない。ついついあれこれと手が出てしまう彼女では骨休めにならないだろうと。
結局のところどこであろうとやはり八神はやてという女性……いい加減少女と言うにはかなり厳しい……は八神はやてでしかなかった。
けれどもそれは彼女の周りの人間もそのままであり続けるということを保障するものではなかった。
六課時代の部下、ティアナ・ランスターから、高町なのは一等空尉の殉職を彼女が知らされたのはその直後のことであった。
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「なのはちゃんが殉職て……冗談やろ」
『残念ながら。あたしだって……あたしだって信じられませんよ、目の、前で……』
高町なのは一等空尉殉職。エースオブエース、墜つ。その報をはやては思わず聞き返した。
場違いにも箒を握ったままだったが、ティアナもそれを気にしていられる精神状態ではなかった。
「またまた冗談を、ドッキリやろ?」と尚も往生際悪く問いかけたかったはやてではあったが、
ぐっと握りこまれ、震えているティアナの拳を見てはよく回る口を閉ざさざるを得なかった。
死んでしまったのだ。
高町なのはは、自分ともう一人の親友を救ってくれた心優しく芯の強い友達は、もう二度と微笑むことはないのだ。
そもそもJS事件での無理がたたって療養中であり、更には戦技教導隊に籍を置く以上、基本的に現場に出ることのないはずのなのはが何故殉職したのか。
現実を受け入れるのにたっぷり十分以上かけてからその疑問を口にして、ティアナから事情を聞いたはやては
「ああ、やはり最期までなのはちゃんはなのはちゃんだったんやな」と呟くしかなかった。
広告塔としての高町なのは一等空尉、エースオブエースという称号の持つ力は第一線を退いて尚、大きなものであった。
むしろ戦技教導隊士官として多数の魔導師の教育に関わるようになった以後の方がその名前は局内部に広がったと言えるかもしれない。
一握りしか知ることのない一前線魔導師としての活躍よりも、より多くの人間の目に触れることになる仕事であるからだ。
彼女の殉職の報は前線で中核戦力となりつつあった若手局員たち、中でも低年齢層を中心とした精神的土台が比較的弱い者達に激震をもたらした。
ようやく治安安定の兆しが見えた矢先の出来事であり、時空管理局上層部はこの事態を重要視、
士気の低下という危機においてこうした時、組織がすることはいつも決まっている。つまるところ、死んだ英雄は使いやすい。
そういうことであった。おあつらえ向きに彼女の盟友にして戦友であるもう一人の英雄が丁度良い役職についているではないか。
こうして仕事のない部署に就いたはずの八神はやては望むと望まざるを得ず、再び職務を全うすることとなった。
「おひさやなぁ、ヴァイス君」
「部隊長もお変わりないようで」
軽妙な語り口は相変わらずのヘリパイロットを見て、はやてはほんの少しだけ気が軽くなるのを感じていた。既に経緯はティアナから聞いてはいる。
しかしはやての今の仕事は、高町なのは一等空尉がどのように殉職し、その最期がいかに英雄的であったかを調査することである。
元から表彰されることは決まっている。授与式の段取りも、出席者も、勲章の代理受取人も、全て決まっている出来レースだ。
戦友であったはやてが直々に監査した。その事実が求められているに過ぎない。
現地への救出ヘリを飛ばしていたのは奇しくも六課でなのはとはやての双方に縁のあったヴァイス・グランゼニック陸准尉であった。
彼がこうして事情聴取を受けているのは、調査をしたという事実を作るための儀式に等しいでのはあるが。
はやてからすれば見知った人間を相手にすればいいというのは精神衛生上やりやすい。ヴァイスにとっても同様であろう。
「まぁ、典型的なテロでしてね。時間差攻撃ですよ。救出部隊まで狙った外道な手です。それだけに有効なのは認めますがね」
そう吐き捨てつつ、ヴァイスは表面上いつもと変わりない態度で語り出した。
はやても回されてきた書類とティアナの説明を思い返しながら彼の説明に耳を傾けた。
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「え、また飛ぶんですか?」
「救助隊を狙って時間差攻撃を仕掛けられたらしい。現場にいた士官が迎撃中だが、抵抗が激しいらしい。遺憾ながら一時退却を余儀なくされているようだ」
爆弾テロのあったビルに特別救助隊を運び、帰って一息つこうとしたところで息せき切った上官にそう告げられて、俺はとんぼ返りしました。
まぁでも飛びながら半信半疑でしたよ。そりゃぁ戦闘任務が主ではない救助部隊とはいえ、あのスバル嬢ちゃんがいる分隊ですからね。
でも、現場が見えて来た時には納得しましたよ。俺が最初に分隊を運んだ時にはまだ原形を保っていたビルが完全に倒壊してましたから。
粉塵の広がり方とか、ストームレイダーの分析結果からしてすぐに軍用爆薬で吹っ飛ばされたんだなって分かって高度を高くとりました。
下は銃声と魔力弾のパーティー会場になってましたからね。瓦礫の陰から狙撃されたり、低空進入して爆発に巻き込まれたくはないですから。
救助隊とプラスアルファを考えると乗員ギリギリだったから露払いの武装隊員も同乗していませんでしたし、とにかく交戦を避けて進みました。
戦闘区域の外輪上空から観察して、手薄な地点を見つけたのでそこに退避するよう連絡をとったら
少し離れたところからランスター嬢が応答したのにはびっくりしましたよ。
なんでも連中を追って来て、現場検証中に巻き込まれたとかなんとか。ああ、話が逸れましたね。
俺もてんぱってましたねぇ。あの状況で下手にスバル嬢ちゃんたちが応答できないってのは分かりきってたことなんですけど。
まぁでも、上からじゃ他に手がないんですけどね。
で、近くを通りかかったとかで、そのなのはさん……高町一等空尉、ああいや、特進して二等空佐でしたっけ、
とにかくなのはさんまでいると聞いて更に驚きましたね。道理で見覚えのあるぶっとい桃色の砲撃魔法が見えるなぁと。
まぁそれに撃ち抜かれた対空機関砲には肝を冷やしましたけどね。うまく偽装されてて全然気付かなかったんですよ。
その時礼を言って返事があったのが俺となのはさんの最後の会話っすね。
ランスター嬢が的確に指示を飛ばしてくれるから、とか言ってたような気がします。
戦闘中なんであんまり記憶がはっきりしていないんで必要でしたらストームレイダーのログがありますんで、これ、どうぞ。
で、まぁ……地上からの援護を受けつつ強行着陸してこっちも狙撃で対戦車兵器やらを向けてくるテロリストを撃退しつつ、彼女たちを待ちましたよ。
しかしまぁ、天下のミッドチルダ郊外であれだけの戦力を隠し持ってたとか、どういうことなんですかねぇ。まぁ、俺の知ったことじゃないですけど。
すぐに瓦礫もなんのその、ああいう地形の踏破に慣れている救助隊は収容できたんですが、肝心の元六課の二人が遅くてねぇ。
もうみんな乗り込んでたんで敵も戦力を集中し始めてまして、もうだめかと思った時に目もくらむような砲撃魔法と一緒に
救助者を抱えて二人が飛び込んできたんですよ。
で、俺は「なのはさんは?」って聞いたんですけど、ランスターは完全に表情がなくて「なのはさんは、間に合わなかった」とだけ。
スバル嬢は泣き崩れてましたよ。「なのはさんごめんなさい」ってずっと言ってたな。耳にこびりついて離れないっすよ。ほんとにね。
もうね、俺は後ろなんて見れませんでしたよ。生きていようがいまいが残していかなくちゃならないなんて、ヘリパイとしては屈辱でしたよ。
行きも帰りも、全員乗せて帰るのが、俺たちの、誇り、なんです……。
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ヴァイスは途中からいつもの明るさを失っていた。はやても目を伏せてじっと聞き入っていた。
ひざの上に固められた拳に落ちたひとしずくを、はやては見なかった。そういうことにした。
ポケットからティッシュを引っ張り出してやや乱暴に鼻をかむ間も、はやては目を伏せたまま。
十分ほどして目元がやや赤いままではあるもののいつもの調子に戻ったヴァイスをようやくはやては視界に入れた。
「見苦しいとこ、見せちまいましたね」
「なんも見てへんよ。……で、さっきの話、最後のとこちょう、ええかな」
「……ええ? なにかありました?」
はやてはなかったことにした十分の間に考えていたことを口にする。
先にティアナから聞いていた情報との矛盾。少し前まで、ヴァイスに引き込まれるように感情を高ぶらせかけていたはやては
それに気付いた直後、自分でも不思議なほどに冷静に、冷徹に情報を比較していた。
彼女の肩に座っているリインがヴァイスと同調(ユニゾン)していたのとは対照的だった。
僅かに俯いて陰のある表情からは何があったのかを合理的に、矛盾なく突き詰めて解明しようとする、
世間一般に知られる人情家のそれとは違う、裏の顔がのぞいていた。
八神はやては時空管理局に籍は置いているが、ベルカのゆかりある魔導騎士として聖王教会との繋がりも強い人物である。
六課時代には翻弄されるだけであった上層部同士のやりとりにも六課、警備司令として積んだ経験から裏事情にもかなり自力で踏み込むようになっていた。
元々闇の書事件においても騎士たちの動向がなんとなくおかしいと気付くほど洞察力に長けていた彼女である。そちらの才能も十分に持ち合わせていた。
「ティアナは『なのはさんは、間に合わなかった』って言ったんやな?」
「ええ、そのはずです。先ほどお渡ししたログでもそうなっているはずですよ」
何かあったのかといぶかしむヴァイスを手で制してはやてはからからと笑う。
なんだかんだで教科書通りなところが多く、基本的には直線番長だったなのはの飛行(はやても人のことは言えないが)と
戦闘機動ができるようになって間もないティアナでそんなに差が出るものかと疑問に思っただけだと。
ヴァイスもそう言われて首を捻るが「かえって瓦礫伝いに地を這う方があの状態では安全だったのでは?」と私見を述べた。
はやてもそれに頷いて納得顔になる。「なのはちゃんは元はあんまり運動神経がいい方じゃなかったからなぁ」と。
意外だというヴァイスに、はやては最後にもう一つだけと言って質問をぶつけた。
「二人が到着してからなのはちゃんのいたであろう場所、ティアナたちが来たところに着弾があったことはあったんかな?」
「えーっと、無かったと思いますよ。こっちも片っ端から牽制も含めて狙撃してましたからデータはしっかりとは残っていないかもしれませんけど」
精密射撃のために目標付近にズームさせるとセンサ類がそちらに向いてしまう。それがストームレイダーとヘリの同時運用の問題だった。
本来ならもう一人パイロットを搭乗させればいいのだが、あいにくと他の事件で出払っていた。
そもそも特別救助隊の本来のヘリすら全機出動という前代未聞の同時多発テロだったのだ。こればかりはいたし方のないところだろう。
はやては「ありがとな」と一言残してヴァイスの肩をポンと一つ叩いて立ち去った。突然のことでおいて行かれたリインが慌ててその後姿を追う。
ヴァイスは、それから三十分近く、部屋から出ることも、椅子から立つことも無かった。
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「……妙やな」
「はやてちゃん?」
はやてに仕事が舞い込んでも相変わらず定時で帰宅した二人がいなくなったオフィスではやては気付かないのか? という顔でリインを見やる。
しばしリインは思案顔で天井を見上げる。はやての脳内では狸が腹を叩いて時間を数えていた。
きっかり四回目、何やら効果音がつきそうなタイミングでポンとリインは手を打つ。
「おかしいです。証言が食い違ってるですよ」
「そういうことや。ティアナは私にヘリに到着した直後に爆発があって、
それでなのはちゃんが死んだと思って『なのはさんは殉職した!』と叫んだと私に言ったんや」
爆発に関しては後で資料を当たろう。現場検証の結果が出てくるはずである。
場合によっては自分で検分してみなくてはならないかもしれない、とはやては額に手を当てつつ考えた。
しかし、だ。あの生真面目優等生のティアナがたしかに平常心ではなかったとはいえそのようなあからさまに事実と異なることを言うだろうか?
額の皺が深くなるのを自覚しつつ、はやては思った以上にこの件、何かが隠されているようだと感じていた。
情報端末に着信を知らせるランプが点灯する。差出人は……レティ・ロウラン提督。
ヴァイスの事情聴取が終わり、既に現場から上げられている報告書で情報も揃っている以上、早く最終報告書を提出せよとの催促だった。
はやては天井を仰ぐ。何かがしっくりこない。なんだろうこの違和感は、不快感は。表情を険しくするはやての隣で、リインはそっち目を伏せた。
主が気になっているのは分かる。けれども、親友の死を掘り返してまでそれは暴かねばならない真相なのだろうか。
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「なのはさんは、諦めたんですよ! 最期に、不屈じゃなくなったんです!」
戦闘機人モードになるのではないかと心配になるほど激昂するスバルを前に
はやてはどうしてこうなったんだろうと頭の一部冷静な部分で思い出していた。
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ヴァイスからの事情聴取の後、すぐにティアナに事実関係を問いただそうかと思ったはやてではあるが
なのはの死に最も衝撃を受けたであろう一人にティアナがついている以上、顔を出すのははばかられた。
フェイトである。
知らせを受けて以降、完全に塞ぎこんでしまっているらしい。無理もない。
テロリストを追跡中、二手に分かれた相手に対処するため、たまたま現場に付近に居合わせ、協力を申し出た非番中のなのはとティアナに
戦力の少ない一方を任せたのは他ならぬ彼女自身なのだから。もちろん、なのはには絶対に無理をしないようにしつこいくらいに言い含め、
ティアナがしっかり手綱を握っておくと確約した上でのことだった。彼女に落ち度はなかったとは言えないが誰もフェイトを責めはしないだろう。
エリオとキャロも休暇を申請して部屋に閉じこもっているフェイトに付き添っているという。
キャロ曰く、完全に無気力というわけではないものの、突発的に謝罪の言葉を延々と吐露し続けるようになるそうだ。
一緒にいた、“なのはを止められなかった、救えなかったティアナ”にあたるということは皆無だという。ただひたすらに自分を責め続けるのだろいう。
曰く、なのはがどんなに言っても無理をするのは分かりきっていたことなのに。曰く、自分がそちらに行っていれば。曰く、ただただ、ごめんなさい。
あれほど仲の良かった二人だ。フェイトにとっては自分を闇から引き上げてくれた救世主の一人、中でも殊更大きい存在のはずである。
はやてはどこかあの二人の間には入れない、そんな引け目を感じていた。
その距離感が、上司からのキャリア試験を受けるかという提案に頷いた理由だったのかもしれない。
ただただ流されるがままに六課長におさまったのもそうかもしれない。自然とはやては二人と微妙な距離感をもってつきあっていた。
思えば八神はやてという人間は常に受身である。グレアム提督の保護(と言えるかは怪しいが)下において、
聖王教会と時空管理局の庇護の下において、六課設立において。
自分の意思というものは常にはやてにとって誰かの後押し、理由付けがあってのことであった。そして海上警備司令への就任も、そしてここへも。
もしかすると、こうして彼女がロウラン提督の催促を無視してまで、
近くて遠かった親友の死を、執拗に知ろうとするのはその反動であるのかもしれない。
よく言えば、今までの自分から脱却して、親友の為に。悪く言えば、親友の死をダシに今までの自分に反抗を。
「はやてちゃん」
「なんや、リイン」
何を言わず、ただリインは見つめた。はやては、じっと見返した。
先に目を逸らしたのははやてだった。自嘲するように、表情の無い笑みを浮かべる。
「きっと両方や。人間なんてそんなものやで、リイン。建前と本音は表裏一体なんや。どちらかだけなんてことはないんよ」
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そしてその晩、はやてはスバルを我が家に呼び出した。ヴォルケンリッターの面々はこの頃忙しくて滅多に一同に会することは無い。
そもそも、一家の柱であるはやて自身が最も多忙であり、家に帰らぬ日々を送っていたからというのもある。
この日は、誰もいなかった。気を利かせたのかもしれないなと思いながらはやては大食らいであるスバルの分まで用意した夕食を眺めつつ小さく呟いた。
「そういうところは、みんなリインフォースにそっくりやな」と。テーブルの端に用意された席に、いつも“彼女”はついている。
呼び鈴が鳴り、直接はやてはリインと共に玄関でスバルを出迎えた。彼女はやや表情が硬く、ややぎこちなく招かれた礼を告げて晩餐は始まった。
「……聞きたいことが、あるんですよね」
「あかんな。スバルにまでばれるような顔しとったかな」
食事も半ばを過ぎた頃にスバルがぽつりと呟いた。はやてがおどけて苦笑するとスバルも少しだけ表情を和らげた。
けれども、それからスバルが話し出した“真相”はその表情にはそぐわないものであった。
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思えばね。元々強行策過ぎたんですよ。元六課だからって奇襲を受けた状態で、戦闘しながら救助までできるわけがないんです。
たしかに救助隊は一刻も早く現場に辿り着いて救助活動をしなくちゃならない。
でも、だからこそ自分達の安全すら確保できないような救助活動はやっちゃいけないんです。
あたしたちが無理をして怪我をしたら、救えない人が何人出るか。けど、躊躇っていたら助けられるものも助けられない。
戦場ですよ。あたしたちの仕事場は。その見極めは難しいんです。ただ、あれは失敗だったと、あたしは思います。
ヴァイスさんは相変わらずいい腕でしたよ。きっちり予定通りベストポジションに降ろしてくれました。
でも、思えばそれが向こうの思う壺だったんでしょうね。警戒して少し外しておくべきだったんですよ。
ベストなだけに、そこに向こうも罠を仕掛けていたんです。小規模な爆発が連続して、続く襲撃であっという間にバラバラになってしまいました。
これでも腐っても元六課ですから。ウィングロード? こういう時は駄目ですよ。下手に一直線に伸ばそうものなら着地先に撃ち込まれちゃいますね。
そこで待っている隊員ごとやられちゃいます。せいぜい牽制と撹乱くらいかな。遮蔽を意識して、這い回りましたよ。
サーチ系なんて使ったら武器が質量兵器でも逆探知装備はある、なんてこともあるから怖くて使えませんでしたね。
押収装備にありました? ああ、やっぱり。使わなくて正解だったなぁ。
なんとか集結させて、でも救難通信なんて出したら一発でアウトですから、もうあたしが囮になるしかないって思った時、
ティアと……なのはさんが来たんです。ええ、あたしたちみたいに這ってですよ。
空戦魔導師が地を這うなんて本局の魔導師キャリア士官が聞いたら笑い飛ばすでしょうけどね。
……あ、やだなぁ、八神一佐のことじゃないですよ。いじけないでくださいって。
ただ、なのはさんは右脚を……撃たれていました。本調子じゃないところに慣れないことなんてするから……。
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そこまで話して、完全に視線を下に落として黙りこくってしまったスバルに、はやてはややあってから続きを促した。
しばし、沈黙が流れ、ふるふると震え始めたかと思うと……
そして冒頭に戻る。はやては圧倒されていた。スバルは、感情をむき出しにしていた。
悔しさ、自責、そして何よりもどうしようもないまでの怒り。けれどもそれが爆発することはなく、くすぶり続けている。
それはそうだろう。死んでしまった、もういない相手にどうその怒りをぶつけようというのか。
スバルはそれ以上、語ろうとはしなかった。
帰り際に、呟いた一言がはやてには印象的だった。遠ざかっていく後姿は、やけに小さかった。
「まだ、整理がついてないんです。あたしの中でも。すみません……」
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「なのはちゃんは、諦めたんやろか」
「あのなのはさんがですか?」
ベッドに横になりつつ、はやては天井に問いかけた。リインが誰とはなしに、言外に有り得ないというニュアンスを含ませて呟く。
寝返りを打ち、はやてはリインに背を向けた。はやてだって分かっている。なのはが諦めるような人間ではないことは。
諦めなんて言葉が一番似合わない。それが高町なのはという人物だった。不屈のエースオブエース。
その最期が、諦めだった? だからティアナは嘘をついたのだろうか。嘘を、信じたのだろうか。
最期まで自分達を助けようと踏みとどまり、脱出には失敗しただけなのだと、そう思いたかったのだろうか。
分かるはずなどなかった。死に瀕した時に人間がどんな行動をとるかなんて、分かるはずもない。
はやて自身だって、あの時、初代リインフォースに名を与えられなかったかもしれない。
あるいはもっと違う名前を送っていたかもしれない。
最期まで足掻き続け、生きようとする初代リインフォースだって、いたかもしれない。
何もかも受け入れようとせず、ひっそりと自ら消えようとする初代リインフォースだって、いたかも、しれない。
「死人に、口無し……か」
はやては徹夜で最終報告書を書き上げた。僅かに数行の簡素な報告書だった。形式すらない。あえて、ただのメール文同然にした。
だが、徹夜しなければ、書けなかった。
高町なのは一等空尉(当時)は特別救助隊及び要救助者、現場指揮を執っていたティアナ・ランスター執務官補佐を離脱させるため
単身陣地に残りヘリまでのルートを確保、離脱を支援した。その後自身も脱出しようとしたものの、捕捉され殉職。
勇敢なる上記行為を讃え、本官は同二等空佐は表彰されるべき勲功ありと考える。
時空管理局 本局 賞罰監査課長 八神はやて二等陸佐
書き上げた「報告書」を提出する気が起きず、ついうとうとした結果、重役出勤となったはやてはオフィスの前で意外な人物がいるのに気付き足を止めた。
ティアナである。とっさに隠れてしまった物陰から様子を観察すると、しきりに時計を気にしていており、いらいらとつま先を床に打ちつけていた。
「どうしたんや。こんなところに」
「あっ、八神二佐……」
先手必勝とばかりにはやてが声をかけるとばつの悪そうな顔をして口元を歪ませるティアナ。
はやては苦笑しつつ、立場が逆なんじゃないかと思ったが、口にはしなかった。
そして、オフィスへと連れ立って二人は入っていった。今日は二人の部下は有給をとっていた。現役時代の仲間との同窓会である。
戦友を失ったばかりのはやてのことを気遣って二人は気まずそうにしていたが、かえってその方が気にかかると渋る二人をはやては送り出していた。
先に出勤していたリインがいつもの小さい姿ではない、学生くらいの背丈の状態で出迎えた。最近ははやての仕事がないので、余裕ができているのだ。
近場の部署と共同の給湯室へとその後姿が消えた隙に、はやては背伸びしたいお年頃なんよ、と耳打ちし、ティアナも苦笑して肩に入っていた力を抜いた。
ティアナは目の前に置かれたお茶をずっと眺めていた。すっかり入れられた茶が冷めてしまう頃、ようやく、ぽつりぽつりと語り出した。真実を。
「なのはさんは、最期まで不屈でしたよ」
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「なのはさん、右脚が……」
「止血はしたから、大丈夫」
大丈夫なはずはなかった。事件の後遺症がリンカーコアにあると聞いていた。けれども、出力が落ちている程度ではなく
出力そのものが安定せず、時に防御魔法やバリアジャケットまで揺らぐほどだったとシャマルから聞いたのは、救出されてからのことだった。
絶対に、無理は駄目だと何度も念を押したのに、と彼女は泣き崩れていた。患者と医者。彼女にはそれを周囲に伝える権限は、なかった。
できたのは診断書を元に教導任務での飛行魔法行使を禁じること。いつ解除されるか分からない飛行魔法など危険すぎるからだ。
実際、なのはさんは飛ばなかった。地べたを私と一緒に這っていたのだから。
だからこそ、私はなのはさんの同行を許可した。表向きの戦闘飛行がだめだという理由しか知らなかったから。
指揮権は初めからなのはさんが私に譲ってくれていた。「ティアナの指揮なら、大丈夫だよ」今でも、声色、表情まで、思い出せる。
なんとか、スバルと合流したけれど、足の遅い陸戦魔導師や、飛び方を覚え始めたばかりのあたしが殿というのは無理があった。
短距離ならば、大丈夫だとなのはさんは笑って言って、私はそれを信じた。
見つかった要救助者は二人しかいなかった。戦闘力の高いあたしとスバルで運ぶということはすぐに決まった。
スバルが二人を抱えて、あたしは支援しつつ続く。ヘリに到着したらあたしが出来得る限りの制圧射撃をして、その隙になのはさんが離脱する。
そういう、筋書きだった。
でも、予想以上に敵の火力が集中された。あたしたちがヘリの直前で捕捉されそうになったから、なのはさんは制圧射撃をせざるをえなかった。
そして、なんとか辿り着いてあたしは片っ端から手当たり次第に敵を制圧した。その途中でしたよ、念話が届いたのは。
それまでの無理がたたっていたんだと思う。最期に交わした念話でのなのはさんはかなり苦しそうだった。
『ティアナ、わたしは、大丈夫だか……ら……』
多分、あたしだけが聞いていたんだと思います。スバルはただただ泣き崩れていました。あたしは……あたしは、なのはさんを見捨てたんです。
「なのはさんは、間に合わなかった」
飛び立ち、現場から遠ざかるヘリの中でずっとあたしはなのはさんのいたところを見ていました。
桃色の光が……見えた。そんな気がして、ならないんですよ。なのはさんは戦ってたんです。
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はやてはスバルのことを告げた。ティアナはそっと目を伏せる。
「そっか、スバル、あたしのことをかばって……いや、最期の言葉を知らないから、本当に諦めたと思ったのかもしれませんね」
尊敬する師のらしくない最期に納得がいかなかったがゆえの激昂だったのか、それとも……。
スバルの怒りは、なのはに向けたものではなかったのかもしれない。無力な自分に、どうにもならない、“こんなはずじゃなかった現実”に。
はやては、そっとヴァイスから預かったデータチップを懐から取り出した。戸惑うティアナに、ただ中のデータを見るように告げる。
狙撃モードでないストームレイダーはきちんとヘリの後方を見据えていた。
桃色の光は、見当たらなかった。
泣き崩れるティアナをはやては胸で受け止めた。
はやてはその足で、鑑識課に向かった。
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「なのはちゃんは、どこで見つかったんです?」
「ああ、報告されていた陣地よりも随分遠くにいたよ。あちこち擦り傷だらけだった」
「這ってでも、帰りたかったんだろうな」
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「あ、ミッドチルダウェブニュースさん? ええ、そうや」
「最期まで彼女は不屈やった。真実を、報じて欲しい。それだけや」
「……人の噂も七十五日って言うやろ。ああ、こっちじゃ違うんやったか」
「英雄やないんよ。……ただの、母親や」
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八神はやて二等陸佐
辞表を提出。受理を待たずして、高町ヴィヴィオと共に一時行方不明となる。
以後各地を転々とし、目撃談や逸話は数多く存在するが、問われてもヴィヴィオの行方について一切口にすることはなかった。
重要参考人として数度、任意同行による聴取を受けるもやはり彼女は一切を語らず、黙秘を貫いた。
その際、ヴェロッサ・アコース査察官による思考捜査にも何らかの方法にて抵抗、文字通りの沈黙を彼女は護り続けている。
高町なのはの死の真相は彼女のリークによって大きく報じられたが、たった一人の局員の美談はすぐに日々のニュースの中へと消えていった。
時空管理局は高町なのは二等空佐への勲章授与を取りやめた。強行することによってヴィヴィオとはやての件が刺激されるのを嫌ったためといわれる。
尚、彼女の辞表は十年が経つ現在においても受理されておらず、今日まで本局賞罰監査課長として無給で職務に就いており、
実際の業務はリインフォースツヴァイ三等空尉が代行している。
リインやヴォルケンリッターの元にはしばしば現れるものの、待ち構えている他の関係者の前に姿を晒すことはほとんどないという。
フェイト・T・ハラオウン元執務官
時空管理局を依願退職。その後、民間企業に就職した。現在は落ちつきを取り戻しており、笑顔もよく見られるという。
局に残ったティアナやエリオ、キャロとは連絡を取り合い、はやてとヴィヴィオの行方を個人的に追い続けている。
ティアナ・ランスター執務官
補佐官として精力的に職務に励み、念願であった執務官となる。敏腕捜査官として第一線で日々腕を振るっている。
毎年同じ日に休暇をとって管理外世界への渡航を申請している。この渡航にはかつての同僚たちの姿も見られるという。
スバル・ナカジマ防災司令
クラナガン市の防災部隊最高指揮官。自ら陣頭指揮に立ち、全体指揮を部下に任せることもしばしばで、始末書は友達と豪語して
始末書の数よりも多くの命を救い続けていた。しかしながら救助中の事故で後遺症を患って以来、その頻度はめっきり減ったという。
ヴァイス・グランゼニック一等陸尉
ミッドチルダ独立機動輸送中隊指揮官。いついかなる時でも、十全の輸送を提供する。
それをモットーとする部隊の設立を提唱し自らその第一号部隊を率いる。アシの足りない陸士隊を中心にミッド全土を飛び回っている。
故高町なのは二等空佐
皮肉にも八神はやてと高町ヴィヴィオの失踪により、当時の報道は彼女の訃報から瞬く間に塗り替えられており
彼女に関して現在一般向けに公開されている当時の公式資料は八神はやてが辞表と共に提出した“最終報告書”が知られている程度である。
管理外世界の出身ということもあり、彼女に関する調査は本人が殉職し、関係者が一様に口を噤む現在では難しい。
高町ヴィヴィオ
彼女が何を思い、姿を消したのかは全く分かっていない。彼女の残した書き置きにはフェイトママごめんなさい、とだけ記されていた。
高町なのはの遺書を預かったはやてがヴィヴィオを尋ねた直後に行方が分からなくなっていることから
失踪当時の彼女の年齢を考えるとはやてに連れられていったのは間違いないだろう。
聖王教会、時空管理局による必死の捜索にも関わらず、失踪後10年経つ現在においても行方は分かっていない。
はやてとヴィヴィオがともに聖王教会、古代ベルカにゆかりのある人間であったことから、当時は様々な憶測が飛び交ったという。
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「なぁ、ヴィヴィオ。後悔、してないんか」
「してないよ。むしろ、それは私の台詞だよ」
「そっか……ところで」
「なぁに?」
「ヴィヴィオあてのなのはちゃんの遺書、何て書いてあったんや?」
「なんにも。でもね。にじんでた。何度も何度も書いては消して、涙でにじんでた」
「それで結局、白紙にしたんか、なのはちゃん。なんや、らしくないなぁ」
「そうかな。……肝心なときに、肝心なことはいつも、自分の中に隠しちゃう。なのはママらしいよ」
「……そうかも、しれへんな」
――了――
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はやてが、ヴィヴィオが、なのはが、登場人物それぞれがどう思い、行動したかというのは(特に結末部分において)
書き手としての設定上は存在はしますがあえてぼかしており、詳しく描写していません。
はやてによる監査部分でのキーポイントである、解釈の違い、情報量の違いから来る判断の差、思い込みが引き起こした食い違い。
それは結末部分でも形を変えて、はやての解き放った真実に触れたそれぞれの解釈により、その後の彼女達の人生に影を落としています。
そこらを事細やかに描写していると多分倍以上に膨れ上がるので割愛して数行で語るのみとしました。
ヴォルケンズとかユノクロなどといった監査部分で登場していない他の関係者についてはそれすら削りました。
というかStSまで来ると関連登場人物が多過ぎて全部描写とかしたら中篇以上の規模になってしまうので;
ネタは豊富なのに主要キャラを短編であれこれ迂闊にいじれない理由がよく分かりましたorz
欝祭りの時に思いつかない自分に絶望した!
実は欝を吹き飛ばすエンド案もあったりしましたがあまりにもぶち壊しなので没りました。
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追伸、まとめ管理人様
6つ目の後ろの方、リインはそっち目を伏せた→そっと
8つ目冒頭、みんなリインフォースにそっくりやな→初代が抜けました
もしよろしければ修正していただけると幸いです; お目汚し失礼しました
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GJ!
最後きゅんきゅんきたお
遺書は、言われてみれば「らしい」とも「らしくない」ともとれるね
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>>141
図抜けて強くて勇気なんて物まである人物はさっさと引退でもしない限り
早死にしそうだと思っていたので納得の展開でした
「同時多発テロに対する近くて遠い立場の親友」から現れ出る細部の描写や、
設定を削り想像させる方法は物語がくどくならずに
また色々と読む側独自の妄想を付け加えさせてくれる余地があってそこも良かったです
シャマルさんの所だけ引っ掛かりを覚えましたが、
非常に面白く読ませていただきました
今後何度も読み返してしまいそうですGJ
感想が長文になりましたが、ドエロも鬱も甘甘もハピエンも職人様さえ良ければ、どんどん読ませていただきたいです
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>>144 シャマルさんについて補足とフォロー
くどくなるかと思い割愛したのですが、なのはは療養中であり、更には教導隊士官なので
そもそも「戦闘任務」につくことはないのでやりもしないことは禁止していなかった という舞台裏があります
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>>145
Acht様、ありがとうございますと共に理解力不足の自分に補足して貰いたいような感想を書き込みしてしまい申し訳ありませんでした
感想を述べるだけの自分も職人様と共に精進しなくては(*_ _)人ゴメンナサイ
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エロパロ本スレが落ちましたよっと
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たてなおした
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第98話☆
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1342200298/l50
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スレ立て乙!
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>>147
落ちてなくね?
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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第97話☆
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1237292660/
ここだろ
いま書き込めたぞ
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単に鯖落ちしてただけ
ちゃんと確認しようってこった
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>>単なる鯖落ち
(ノ∀`) タハハ、早とちりやなぁ
確認は大事てことやね
さて、なんか欝いSSが連続してるようだが全然毛色の違うの投下するよ
ユーなのいちゃらぶエロ、短編
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ユーなのイチャラブSEX!! パイズリフェラと騎乗位で迸る司書長のザーメン!!!!!
果たしてユーノは目覚めた時、どう反応するべきか判らなかった。
数多の古代書物を解読し、考古学の知識に秀で、魔導師としても優れた彼をしてだ。
その状況とは、一体どれほど怪奇で常軌を逸していたか。
「あ、その……おはよう?」
と、彼女はそう言った。
甘みを帯びた、澄んだ心地良い声音。
高町なのはの声。
声は上から届いた。
彼女はベッドに寝そべるユーノの上にいた。
胸元を肌蹴ていた。
ユーノのズボンのベルトに手を掛けていた。
……
…………
状況を整理しよう。
なのはは眠るユーノの上に跨っている。
そして服をエロいやらしく肌蹴た上でユーノの下半身に手を掛けていた。
以上から推察される現状への理解はたった一つであった。
「あの、なのは……なんで僕を襲ってるのかな」
ようやく出たユーノの言葉はそれだった。
彼の言葉に、ボンッ、と音が出るのではないかと思えるほどの勢いで顔を紅くしたなのはは、文字通り火の付いたような勢いでまくしたてた。
「あの、あのあの……だって最近ユーノくんに会えてなかったし、私合鍵もらってるし、生理直後でムラムラしてエッチしたくなっちゃうし、だからヴィータちゃんに後の仕事任せて来たらユーノくん寝てるし、寝顔がかわいくてじっと見てたら我慢できなくなっちゃうし!!!」
洪水の如く垂れ流される情報から、おおよその事は判った。
とりあえず興奮気味の彼女を落ち着ける事から対話を始めるべきとユーノは冷静に判断する。
「なのは、ええと、落ち着いて。まず深呼吸でもしよう、ね?」
そう、それはさながら熟練のネゴシエーターが興奮した篭城犯をなだめるような手管であった。
だがその結果が、まったく予期せぬ展開になるとは。
「うん、解ったよユーノくん、すーはーすーはー……ふう、落ち着いた……よし! じゃあ落ち着いたところでユーノくん服脱いで!!」
「ひいい!! ちょ、なのは全然落ち着いてないよ!? っていうかそんな血走った目で僕を見ないでぇー!! バインド掛けないでー!! 服を脱がさないでー!!!」
ユーノの悲鳴が夜のしじまに響き渡る。
もはやなのはは人語や理性で御せる相手ではなかった。
さながら獲物に牙を立てる餓狼の如く、桃色の魔力で形成されたバインドの縛鎖がユーノの腕を胴ごと縛って簀巻き状態にする。
身動きの取れぬ憐れなユーノに、なのはは容赦なく襲い掛かる。
強姦魔も真っ青の乱暴さでベルトを外し、ズボンを下ろす。
ついでにパンツも脱がせる技前ときたら職人級であった。
「アハッ、ユーノくんったら……こっちはやる気まんまんだね」
嬉しげに笑うなのはの眼前で、下着から解放されたユーノの男性器がそそり立つ。
性的な興奮というよりは、先ほどまで寝ていたので生理現象としての勃起である。
だがそんな事はなのはにとって関係ない。
白魚のような繊手が、赤黒い竿に絡み付いた。
「うッ!」
ひやりと冷たい感触にユーノは思わず呻いた。
そんな彼の反応を楽しむように、なのははゆっくりと焦らすように手を上下させて、扱き上げていく。
しなやかな指の力加減は絶妙で、強くも弱くもなく、手でしているだけなのにどんどんユーノの性感は高まっていった。
じわりと先から滴り始める先走りの液も絡めて、じっくりと扱き続ける。
「ふふ、最初は嫌がってたのに、もう出ちゃいそうだよユーノくん?」
「……」
弄うような言葉に、ユーノは答える術がなかった。
-
強がって拒絶しても、肯定しても、なのはがする事に代わりはない。
か細い息遣いと、にちゃにちゃという手淫の音だけが部屋に響く。
手の中で震えるユーノ自身の感触に、ふっとなのはが笑う。
「そろそろ、出そうだよね」
そう言って、なのはは手を離した。
何をするのかと思えば、自分の服のボタンを外していく。
上着とシャツを肌蹴ると、ブラに包まれた豊満な乳房がぶるんと弾ける。
思わずユーノが息を飲んだ。
淡いブルーの下着に包まれた、お椀型のいやらしい肉の塊。
背中に手を回してホックを外せば、その中に比されていた蕾まで露になった。
真っ白な丘の頂上に、可憐な桜色がぽつんと咲いている。
下着から解放された事で、なのはの肌の匂いまでふわりと香ってきた。
堪らない肉体とその芳香に、寸止めされていたユーノのものがより大きくなる。
焦らされた彼を見下ろしつつ、なのははぐっと胸を左右から持ち上げた。
「大丈夫、すぐ気持ちよくしてあげるからね。ユーノくんの大好きな、オッパイで」
「ちょ……ぅあ!」
何か言おうとしたユーノだが、その声が恍惚に染まる。
硬く隆起したペニスを、全方位から包み込む乳房の感触が素晴らしい快楽を生む。
つんと張りがあり、同時にしっとりとした潤いがあって、堪らない柔らかさを持っている、豊かな胸。
カウパー液に加え、舌を伸ばして垂らすなのはの唾液も絡み合い、ぬめり気を増していく。
その快感を前に、ユーノは息を荒くして喘いだ。
募っていく射精の予感が、ゾクゾクと背筋を駆け上る。
とどめとばかりに、なのはの舌先が亀頭の裏筋を舐め上げた。
その瞬間、濁った白が弾けた。
「〜ッ!」
声にならない声を零し、ユーノは竿を痙攣させて、盛大に射精に達した。
突き抜けた快感に、迸る精液の雫。
それをなのはは一身に浴びた。
顔に、髪に、胸に、粘り気のある汁がたっぷりと。
白濁にデコレーションされた事で、なのはの痴態は一層いやらしさを増す。
恍惚とした表情で、彼女は指で頬の精液を掬うと、そのまま口に運んだ。
ねっとりと舌を蠢かせて舐め取り、嚥下する。
そうすれば、いっそう瞳が蕩けた。
「ユーノくんの、おいしぃ」
声だけで淫蕩さをそそるような響きだった。
息を飲むユーノをよそに、なのはは顔や胸元に付着した彼の子種を丁寧に拭いながら一滴残らず味わう。
まるで至高の美味かのように。
白濁が全てなのはの舌の上に溶けた時、ユーノ自身は再び硬くいきり立っていた。
このような淫らな姿を前にすれば当たり前だろう。
なのはは、目の前ですっかり元気になっていた彼を前に、にっこりと笑う。
そして立ち上がると、スカートのホックを外した。
薄い布切れが落ちた時、ユーノの目は彼女の秘所に釘付けになった。
ニーソックスに包まれた肉感的な太股の間、淡いブルーの下着に覆われた股ぐらの、中央は……湿っていた。
内腿の間を伝ってソックスにしみを作るほど、彼女の蜜の量は多い。
青年はごくりと唾を飲む。
なのはは彼の視線を一身に浴びる事で背筋をぞくぞくさせながら、そのまま下着もおろす。
蜘蛛の巣のように蜜が糸を引いて、むわっ、と発情した雌の匂いが鼻を突く。
たっぷりと水気を滴らせた彼女の秘所は、既に男を待ちわびてひくひくと蠢いていた。
「なのは、凄い……びしょびしょだよ」
ユーノの口から、自然とそんな感想が漏れた。
改めて言葉で指摘されて、なのはの頬に赤みが増す。
「そ、そうだよ……ユーノくんの事考えたら、おなかの下がむずむずしてきて、全然仕事にならなくって、たいへんだったんだからぁ……」
甘えた声と眼差しが、ユーノを責めるように注がれる。
そういえば、最近はあまり彼女を愛していなかった気がする。
性欲を催し、人肌を恋しがるのは男ばかりではない、女にだって爛れた欲望はあるのだ。
特に生理周期を前後した時のなのはは不安定なのだから、もう少しそこを配慮すべきだったかもしれない。
と、ユーノは思う。
「その、ごめん」
どこかすまなそうに謝る彼に、なのははふっと艶然に笑った。
「いいよ。でもその代わり、今日は私がするからね」
言葉と共に、なのはは体を屈めた。
横になったユーノの上に跨るように腰を下ろしていき、濡れそぼる入り口の元へ、彼自身をいざなう。
-
竿に手を添えて、ゆっくりと位置を探るように。
くちゅ、とお互いが触れた。
互いの持つ熱に思わず震えてしまう、が、彼女は止まらず。
そのまま一気に腰を下ろした。
「ひああああああ!!!!!」
ずぬるっ、と吸い込まれた。
ユーノは奥歯を噛み締めて耐える。
パイズリされた時も素晴らしい感触が彼を包んだが、蜜壷がもたらすそれは遥かに上だった。
たっぷりと滴る果汁に、縦横無尽に配されたヒダが全方位から絡みつき、ぎゅっと締め付けてくる。
ただ挿入されただけだというのに、堪らない充足感が満ちていく。
それはユーノだけでなく、なのはもまた同じだった。
「あぁ……はぁ、ぅぁ……」
ぶるぶると体を痙攣させ、唇の端から唾液の筋を垂らして、あらぬ方向を見る瞳。
珠の肌に汗の雫がにじみ出て、艶かしく輝いた。
「いれた、だけで……イっちゃったぁ……」
ごりごりと子宮口まで届く感触に蕩然となりながら、なのははろれつが回らなくなった言葉でそう呟いた。
久しく味わっていなかった結合の悦びはひとしおだった。
絶頂の余韻に震えて、恍惚と夢見心地になるなのは。
だが、まだ達していないユーノとしては生殺しのようなものだ。
ゆえに、彼は着々と進行させていた計画を実行に移す。
「良かったねなのは、でも、僕まだイってないんだけど?」
「ちょ、ちょっとまって……もうちょっとこのまま……」
「断る」
「え? なにを……ひゃぅあ!」
突如として下から伸びた手がなのはの腰を掴んだかと思うと、そのまま一気に天地を逆転させる。
気付いた時にはなのはが下に、ユーノが上になっていた。
一体何が起こったのか、今のなのはの蕩けた思考ではまるで理解できない。
実を言うと、ユーノはなのはに弄ばれる中、ずっとバインドの術式解除を行っていたのだ。
時間を掛けられた上、絶頂に達した彼女の脆い術式を解体するのにそう苦労はなかった。
かくして下克上は成る。
「さて、じゃあ反撃と行こうかな」
「ふぇ? や、ちょ、まってユーノく……ぁあああ!!!」
慌てるなのはの声が、一瞬で1オクターブ高くなった。
ごりっ、と、腰を突き出したユーノ自身が最奥を抉りぬいたのだ。
子宮口をこじ開けられ、脳天まで迸る快楽の甘い電気に、痙攣するなのは。
ユーノを止めようと手を伸ばすが、彼女の細い腕に緑色の魔力で作られた縛鎖が絡み付く。
先ほどの意趣返しとばかりに、今度はユーノのバインドがなのはの腕を絡め取る。
もはや彼女に抵抗の術はなかった。
ユーノは腰を叩きつけながら、細腰にあてがっていた手をするすると上に移し、柔らかな双丘を掴んだ。
腰を動かす度に、たぷたぷと揺れていたお椀型の張りのある乳房。
掴めば堪らない柔らかさが彼を受け入れる。
入念に揉みしだきながら先端のしこりを抓ってやると、きゅぅ、と膣の締め付けた増した。
「なのはッ、胸気持ちいい? 乳首さわると、なか凄いしまるよ」
「ひぁ! そんな、つねったらぁ……あぅう! きもち、よすぎるよぉ!」
「そっか、気持ちいいなら、いいよね」
「んはあああああ!!!」
あまりの快楽に涙を流して悶え喘ぐなのはの姿に、ユーノは嗜虐的でさえある微笑を零し、さらに愛撫を強めた。
内臓まで貫くのではないかと思うほど腰を突き上げながら、乳房に深く指を沈める。
緩急をつけて締め付けを増すなのはの媚肉に、ユーノもまた絶頂が近づくのを悟った。
早く出したい、達したい、彼女の中にぶち撒けたい。
欲望のまま一心不乱に腰を動かし、なのはの一番深いところをコツコツと叩く。
その度に栗色の髪を振り乱して甘い声を迸らせる彼女の痴態に、一層快楽が旨みを増した。
「なのは……そろそろ、出すよ。僕もイくよ? いい? なのはの、中に……全部出すよ!?」
眉根を寄せて、問い掛けるユーノ。
彼の言葉に、なのはは精神を完全に法悦と蕩かせながら、首を縦に振って答えた。
「いいよ、きてぇ……ほしいの、ユーノくんの、あついの……ぜんぶちょうだい! なかに、ぜんぶぅ!」
腰に絡めた脚が強く彼に絡み付く。
同時に、媚肉の締め付けが今までにない程増した。
まるで獲物を絞め殺す蛇のように、ぎゅぅ、と竿を締めるヒダの感触。
その瞬間、溜めに溜めたユーノの欲望は限界を迎えた。
「ぐぅあ!!」
呻きと共に、全身がびくりと震える。
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