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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第114話☆
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海鳴市の住宅街の一角に、「八神」の表札が掛けられた、ささやかな一戸建てがあった。
しかし、表札はやや斜めった「競売」の札が貼られ、この家が売りに出されていることを示している。
この家には誰も住んでいない。
不動産会社は、最低限の維持管理のために電気だけは通しているが、ほとんど消費されずにいる。
昼間でも薄暗い、家の中。
床に落ちた、古い革表紙の本。
既に黴や虫に食われ、ページは穴だらけになり、表紙の革は破れて、中のボール紙が露出してしまっている。
錆びついて崩れた鎖が、居室の床に力なく横たわっている。
装飾に使われた金メッキだけが、かろうじて貴金属の輝きを残していた。
この家の存在を、なのはは知らない。
かつて、海鳴市で起きた事件は、もう誰もが忘れ去っている。
フェイトとの別れと同時に、なのははレイジングハートをクロノに預け、普通の少女の暮らしに戻った。
もう二度と、彼らに会うことはないだろうと思いながら、なのはは眠りについた。
そして同時に、あの八神家の少女が死んだのと同時に、イギリスから日本への資金流入が止まり、海鳴市をはじめとした日本の税収がさらに減少していたことも、なのはには知る由もない。
西暦2011年、秋。
この一見のどかな海鳴市でも、将来への漠然とした不安が広がり、それは高町なのはも同じだった。
恭也から士郎へは、家族を連れてドイツに来ないかという話がそれとなく出ていた。
桃子も、喫茶店で使う果物や小麦粉、卵の仕入れ値が上がっていることに不安を隠せないようだ。
ユーノ、クロノ、フェイト──彼らとは、もう二度と会うことはない。
das Ende
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