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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その1
530
:
『小角 宝梦は火種となる』
:2015/10/29(木) 02:01:16
>>526
(紫)
建物は真新しく、頑丈である可能性が高いのは間違いない。
とはいえ、室内に『カバ』の出現だ・・・・
普通に考えれば、そうそう床が持つとも思われない。
バッ
脳内で激しく推理を構築させながら、
紫は『調査組』の輪を脱し、東の壁際へ。
そこには長机と椅子を片付け、積み上げてある。
のっそりと穴から頭を突き出したカバに狙いを定め、
『明智小五郎』の名のもとに、引き金を引いた。
ガァ──ン!! バス!
銃弾は精確に、カバの突き出した目を吹っ飛ばす。
『ヴォォオオオオオオオオオ────ッ!!』
部屋を揺るがすほどの咆哮が、耳を弄した。
ゴ ア ッ
頭を振りながら、赤銅色の肉塊が走り出した!
目を失ったことなど、意に介さないかのように・・・・
・・・・いや、逆だ。
激痛によって完全に──『逆上』している!
ド ド ド ド ド ド
その巨体からは想像し難いスピードを持って、
カバはまっすぐ北に、紫に突っ込んでくる!(スC、距離6m)
「──『暴走』したか。
手負いのカバは、サバンナで最も危険な動物だ。
こうなるともう、オレの手でも止められん。あきらめろ」
スヴァルトの声が、隣室から伝え聞こえる・・・・!
>>516
(愛川)
以前の回答を思い出し、疑問を浮かべる。
『イル・ソン・パティ』は間違わない。
だとすれば・・・・この『回答』は、何を意味するのか?
>>524
>>529
(小角、愛川)
小角は愛川とともに、西壁奥に退避する。(『イルソン』もついてきた)
西壁にあいた穴から、対角線上の隣室の様子が見えた。
巨大なサイだ・・・・さらに西の壁を破り、エイノーを攻撃したに違いない。
エイノーの姿は見えないが、高遠と同じ状態なら、位置の想像はつく。
愛川に新たに『命令』し、
再度、『液蜘蛛』を呼び出させる。
『エイノー先生と高遠さんを攻撃した動物たちを倒せ!』
ジュルボォオオオオ
『4匹』の『液蜘蛛』が吐き出されるが、室内への対応には『遅い』──
すでに紫は銃を撃ち、カバはそれに向かって突進している!
>>523
>>527
(高遠)
全身が激痛によって痺れている。
以前にも経験がある、突然のショック症状によるものだ。
体中から出血しているが、震える両手を軽く上げる。
続いて両足・・・・ズキン!
左足太ももに激痛。これは折れている・・・・歩けそうにない。
ズギュ!
暗い絶望を感じながら、
『クレモンティーヌ』を発現する高遠。
転倒するパートナーを優雅に救出するような仕草で、
『クレモンティーヌ』は男性に変化し、高遠を『踊り手』に変えた。
──♪
グ ルン!
滑らかに立ち上がり、背を合わせる高遠。
その体に、すでに痛みはない──忘れていた。
『無敵の踊り子』は、痛みも怪我も超越する。
死体でさえも躍らせるのが、『クレモンティーヌ』なのだ!
♪ ♪
ガァ──ン!! バス!
紫が東の壁際に動き、拳銃を発射した。
片目を吹っ飛ばされたカバが絶叫し、紫へと突進していく。
速い──
その巨体からは意外なほどのスピードだ。
果たして、立ち上がったばかりの高遠で、追いつけるか?
そして立ち上がる間際、確認した壁の穴。
隣の部屋の東壁が破壊された様子は、
目視できる範囲では見当たらなかったが、
ブルン! ブルブル
・・・・高遠は、思わず絶句する。
壁の穴から、のそりと現れ出る赤銅の巨体。
新たなカバだ・・・・『二匹目』が、現れ出た!
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