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エリーンちゃんとの愛の妄想を書き込むスレ 2ペロ目

744名無しさん:2015/09/07(月) 23:32:28 ID:P5w4XIQI
乙です!リトルマスターがギルバートの上司だったとは…なのにエリーンちゃんにタジタジw
戦闘があったり上位のエリーンちゃんが出てくる話もいいですね。
自分はどうしようもなくダメなエリーンちゃん専門なので、こういった話が書けるのが羨ましいです。

745名無しさん:2015/09/08(火) 00:51:35 ID:rSEJN1i6
血を見ると発情するエリーンいいよね

746名無しさん:2015/09/08(火) 20:41:08 ID:P5w4XIQI
〜新規リーンのたのしい夏休み5〜

「キャハハハハ!ンフフフ!ェーヘヘヘヘ(^q^)」部屋の前で笑い転げる新規リーン。ゴキゲンだ。

部屋の中はロングタスクが暴れ回っている。ゴルモゴルモ言っていたビスクドール達もワラワラとそこら中を駆け回っている。
これでは血の祝祭どころではない。妨害は大成功だ。ヴァンピール()血のww祝祭www

「エリーンちゃんの手にかかればこれくらいオチャノコサイサイデスぅ。ニーヒ(^ー^)」
さっきまでのへっぴり腰はどうしたのか、無い胸を張って威張り散らしている。アホ毛がヒョコヒョコ動く。
すぐ調子に乗るのもエリーンの特徴と言えるだろう。調和を愛する?とんでもない、お調子者の間違いだ。

あとは拉致された人質の解放をしながら一連の妨害工作を加えれば万事OK!ミッションコンプリートだ!
「ヒュー..ピヒー...ヒーヒューヒュー♪(^3^)」唇を尖らせて口笛を吹きながら余裕綽々で部屋に入る。吹けてないようだが…。

気が大きくなった新規リーンは調子に乗って血の祝祭の料理をつまみ食いしようとした。その時っ!――

(ドゴオォッ!!)「ォオォゥ!??!」(ガシャーーン!!)突然、とてつもない衝撃が新規リーンを襲った。ロングタスクの突進である。
料理が置かれたテーブルに身体を打ち付けられる新規リーン。つまみ食いどころか、顔中料理まみれだ。
フラフラしながらも体勢を整える。流石Lv58。だが、前歯が欠けてしまったようで少し間抜けだ。
わき腹を押さえて顔をしかめる。さっきの一撃で肋骨にもヒビが入ってしまったらしい。意外と脆い。

「ギィィ...!痛くないデス。エリーンちゃんは強いデ..スから。ンーィー…ダダ大丈夫デス」
兵士として訓練を積んでいるだけあって中々我慢強い。額の汗を拭いつつ平静を装おうとする。
非戦闘員のエリーンなら今頃はおしっこを漏らしてワーワー喚き散らしている事だろう。

とりあえずは人質の解放が最優先だ。わき腹を押さえつつ部屋の中央でうずくまっている人質に近づく。
既にヴァンピール達もこちらに気付いている。早く何とかしなければ。

…よし、何とか一人目の人質は無事に解放出来た。次の人質は一体何処にいるのだろうか。

(ドゴオォッ!!)「ォオゥゥ!!?(ベタァン!)…ハェ..ハッ...」ロングタスクだ。またもや不意をつかれてすっ飛ばされる新規リーン。
背中から床に叩きつけられて息が出来なくなっているようで、目を見開いたまま口をパクつかせている。

「カッ!…ハァッハッくらう…デス!ッフェ…ケホッゲホ!」エリーンとは思えない程の歪んだ表情で必死に抵抗を試みるが、
咳き込んでしまってスキルが発動出来ない。しかも、この期に及んでまだ変異スキルを使おうとしている。
バカの一つ覚えとはこの事である。ロングタスクを召喚し過ぎてこんな状況になったというのに。

(ドゴオォッ!!)(ビシ!バシビシビシ!バシビシッ!!)「ァ゛ア゛ァゥ!!...ォオオゥ!!..ァ゛ァア!!」
立て続けに別のロングタスクが突進してくる。追い討ちをかけるようにヴァンピール達も襲い掛かってきた。

もはや体勢を整えるどころの話ではない。サッカーボールのように新規リーンの小さな身体が跳ねる。
Lv58で、しかも安っぽい子供水着一丁の新規リーンにとっては相当なダメージだ。
いつの間にかモンシロチョウの羽や頭のひまわりは毟り取られ、ヴァンピール達に踏みつけられていた。

「ォオゥァ!!ミャヘェ〜ェリィィ…ッンちゃのひまわりさんとオッベゥァ!!羽さんァ゛アア!!やめるデスォボゲェ!!((;>o<;))」

策士策に溺れるとはこの事だろうか。調子に乗って変異させたロングタスクが次から次へと新規リーンを撥ねる。
転倒してる所をビスクドールやヴァンピール紳士淑女、警備犬が容赦なく襲い掛かった。

747名無しさん:2015/09/09(水) 07:07:57 ID:Qg.3jr1c
やはりこうなったか……バラカさん早く来て!!

748名無しさん:2015/09/10(木) 17:33:35 ID:P5w4XIQI
〜新規リーンのたのしい夏休み6〜

「ォオァ!」「アァ゛ゥッ!」「オ゛ァァ!!」「ヒッ!ヘーェ!!」「ァア゛ィ!!」「ッペ!ミヤァァ!!」
新規リーンの絶叫が血の祝祭を彩る。形勢逆転だ。蹴鞠のようにあっちこっちにすっ飛ばされている。

既に子供水着はボロボロで未成熟なおっぱいが丸出しになっていた。せっかくの水着が台無しだ。
水着おパンツもお尻に食い込んでプリプリのお尻が丸見えだ。だが、恥らう余裕などない。そこら中傷だらけだ。
右腕と右足は骨折しているようで力無くプラプラしているし、左足の膝からは骨が露出していた。

裂傷も酷く、背中の大部分の皮膚がめくれ上がって真っ赤になっていた。
警備犬達は新規リーンをすっかりおもちゃ扱いしてるようで、あらゆる所に噛み付いている。
右側の乳首は警備犬によって執拗に舐め回された後、噛み千切られた。

ケモ耳やしっぽにも容赦なく噛み付き、首を振る警備犬達。その度に悲鳴をあげる新規リーン。
このままでは引き千切られてしまいそうだ。必死に抵抗するが思うように動けない。
個人差はあるが、エリーンはケモ耳やしっぽに大ダメージを受けると、絶命してしまう事もあるらしい。

顔面はヴァンピール紳士の回し蹴りによってボコボコだ。出来の悪いジャガイモのようになっている。
ビーチ祭りに参加していた頃とはまるで別人だ。ただでさえ大きな顔が腫れ上がって更に大きくなっていた。
鼻血はダラダラと垂れているし、前歯のほとんどが折れて口内は血で真っ赤だ。
アホ毛はかろうじて無事のようだが、殴られる度にビクビクと反応を見せる。神経が通っているのだろうか。

(ドゴシッ!ドッッ!)「(ビチリチィィッ!!)ンギョォォォオオオオァァアア!!!!」またもやロングタスクの突進だ。すっ飛ばされる新規リーン。
その弾みで警備犬が噛み付いていたケモ耳としっぽが千切れてしまった。
警備犬達は早速ケモ耳としっぽを咀嚼するが、口に合わなかったのかすぐに吐き出し、前足で踏みつけた。
しっぽは少し噛み千切られた程度で済んだが、ケモ耳は根元からやられていた。

「ギョァァギョァ!ギョァァァア!!!エリチャ、エチャ,,エリーチャノ!カーワィカワイーミミミミミガァァ!ァァア゛ァア゛!!ァーベェヘ!ヘベベェッゲエ!!」
幸い?絶命には至らなかったようだが、ダメージは大きかった。今までに無いくらいの絶叫が響く。
肉体的なダメージは勿論だが、精神的なダメージの方が大きいようだ。ケモ耳のないエリーンなんて…。
エリーンとしての尊厳を、アイデンティティを丸ごと持っていかれたような屈辱感が心をかき乱す。

うつ伏せでのた打ち回る新規リーンに追い討ちをかけるように、警備犬が新規リーンの水着おパンツを引き裂く。
遂に丸裸にされてしまった新規リーン。ケモ耳も奪われ、これ以上何をするというのか…。

警備犬はヨダレを垂らしながら新規リーンのお尻のニオイを嗅ぐ。変態犬め、羨ましい。
すると、警備犬は新規リーンに覆い被さり腰を動かし始めた。
「フンギョォォァアアアアア!!ォオウォオゥギョォォォ!!!」再び新規リーンの絶叫が祝祭会場にこだまする。
そう、警備犬は新規リーンと交尾を始めたのだ。警備犬が腰を振る度に傷だらけのお尻がプルプルと揺れる。

一張羅の水着も破かれ、オシャレアイテムも踏みつけられ、身体を傷つけられ、ケモ耳やしっぽも千切られ、
挙句の果てに純潔まで奪われてしまった新規リーン。まさに絶望である。どうしてこうなった。

749名無しさん:2015/09/10(木) 18:14:17 ID:jJMhD7G6
ゴルモ!ゴルモ!ゴルモ!ゴルモ!

750名無しさん:2015/09/11(金) 15:14:54 ID:XUphzqhc
肉○器endもいいなと思ってしまった。

751名無しさん:2015/09/11(金) 16:06:47 ID:xzAoeoEg
煉武杖バラカプリ早く来てくれー!

752名無しさん:2015/09/11(金) 16:45:13 ID:LRgedjzA
やったぜ。

753名無しさん:2015/09/12(土) 18:46:37 ID:P5w4XIQI
〜新規リーンのたのしい夏休み7〜

――視界が悪い…心臓の鼓動がやたらと大きく聞こえる。そう、新規リーンのHPは残り僅かになっていた。
強引に貫かれた未熟なお股からは汚らわしい性の痕跡が流れ出ていた。警備犬は意外と早かった。

だが、これで終わったわけではない。ぐったりした新規リーンを勢い良くすっ飛ばすロングタスク。
後を追うようにヴァンピール達が暴行を加える。素晴らしい連携プレイだ。

「ギョェ!」(ガゴォン!ボテテッ)新規リーンがすっ飛ばされた先は、二人目の人質が捕らえられている牢屋の中だった。
使い古されたグレーインナーのようにベロベロのズタボロとは言え、流石はLv58の兵士。
牢屋の入り口を大きな頭で破壊するとは。中身は空っぽの癖に石頭だ。とても可愛い。

「ひえええ!!」悲鳴を上げる人質。無理もない、牢屋の中で一部始終を見ていたのだ。
意気揚々と助けに来たと思ったらヴァンピール達によってお手玉にされ、犬畜生にレイプされた丸裸の中古リーン。
そんな役立たずのズタボロ中古リーンがロングタスクや沢山のヴァンピール達を連れて牢屋にすっ飛んできたのだ。
迷惑以外の何ものでもない。むしろ自分の死期を早める原因を作った死神中古クソエリーンだ。

「ゴルモゴルモ」「ブヒブヒッ」ロングタスクとヴァンピール達が中古クソエリーンの後を追って牢屋に近づいてきた。
こんな狭い牢屋の中であんな連中に暴れられたらたまったもんじゃない。本当に死んでしまう。
入り口を破壊してくれた事だけは、そこで倒れているボロ雑巾中古クソエリーンに感謝しよう。
そう思った人質は今のうちに牢屋からダッシュで抜け出そうとした。

(パシッ)…牢屋から出ようとした人質の足が止まる。…動かない!驚いた人質が振り返るとそこには…、

754名無しさん:2015/09/12(土) 19:51:50 ID:xzAoeoEg
ゴクリ

755名無しさん:2015/09/14(月) 02:16:15 ID:P5w4XIQI
〜新規リーンのたのしい夏休みEND〜

(パシッ)…牢屋から出ようとした人質の足が止まる。…動かない!驚いた人質が振り返るとそこには…なんと!
頭から血を流した全裸の瀕死中古クソエリーンが口をパクパクさせながら人質の足首を大きな左手で掴んでいた。

「…ダ..ダズゲ..ダズゲデ…デス...ダスゲ…」実に惨めで醜い姿だ。これが砂糖入り麦茶を飲んでいたエリーンか?
助けにきたはずが逆に助けを求める事になるとは。Lv58が聞いて呆れる。とても可愛い。

だが、こんな瀕死中古クソエリーンを連れて逃げるなんて事はただの村民である人質には無理だ。
敵はすぐそこまで迫っている。タゲはそこで倒れている瀕死中古クソエリーンに向いているのだから、
足首を掴む大きな左手さえ振り解いてしまえば人質は逃げ切れるだろう。

「わああああ!!!」(ドゥクシ!ドゥクシ!!ドゥクシ!!)「ォゥ!..ォッ!...ベッ!」
掴まれていない方の足で何度も何度も瀕死中古クソエリーンの顔面を蹴る人質。

「ダズゲ..グフ!…オイデ..ガナイデ.グボェ!…ヤメデ..ダスゲデェ...」(ドゥクシ!ドゥクシ!ドゥクシ!!)
眼窩底骨折で眼球は陥没し、鼻も折れてフニャフニャだ。顔中腫れて大きく膨れ上がっている。
それでも尚、人質の足首を掴んだまま離そうとせず、必死に助けを請うている。
実にしぶといエリーンだ。これが連合兵士の底力なのか。非戦闘員のエリーンならとっくに絶命している。

「離せ!離せ!離せええええ!」(ドゥガ!ドゴッ!ズブシッ!ズクッズクッ!!)「コェ!..ギョヘー!!ッッ...ェ!」
牢屋の入り口を破壊した際に負った頭の傷を集中的に狙って蹴り続ける人質。慈悲もない。
つま先やかかとを使って傷口を掘削していく。蹴る度に傷口から血が飛び散る。
既に瀕死中古クソエリーンの顔面は血まみれで熟れ過ぎたトマトのようになっている。

反応も鈍くなってきたので、トドメに渾身の一撃を食らわせる。

「うおおお!!フンッ!!」(ドグシャァッッ!!!)「…ーィ……」(スルッ)…掴まれた足首から手が解ける。
すぐさま牢屋から駆け出す人質。間一髪!何とか脱出成功だ。


…完全遂行とは言えないが、人質二名の命を救う事には成功した中古クソエリーン、もとい新規リーン。
表向きは殉職という形で弔われたわけだが…。

その後も血の祝祭は毎日のように執り行われ、
毎日のように妨害され続けたが、新規リーンの遺体が発見される事はなかった。

―季節は移り変わり、アルボレアにも秋が訪れようとしていた。
だが、解放された人質の足首には今もまだ大きな左手の痕がくっきりと残っており、消える気配がないという。

新規リーンは夏に取り残されたまま、揺らめく陽炎と共に彷徨い続けているのかもしれない。

おしまい。

756名無しさん:2015/09/14(月) 02:40:30 ID:P5w4XIQI
これで新規リーンのほのぼのとした夏休みの妄想はおしまいです。ありがとうございました。
迷子リーンと新規リーンが可愛くて、この夏に書こうと思ったメインの妄想がまだまとまってませんw
その辺はいつになるかわかりませんが、また何か書いた時は暇潰しにでも読んでくれたら嬉しいです。

757名無しさん:2015/09/14(月) 03:25:36 ID:brz8DnaU
相も変わらずしょんべりーんさんはすげぇな
おつおつ(^^)

758名無しさん:2015/09/14(月) 13:04:39 ID:B.qRDVIU
>>714からグロホラー展開になるのは流石に予想出来なかったんだよなぁ

759名無しさん:2015/09/14(月) 13:05:25 ID:R8bAGfr.
中古クソエリーンとか酷過ぎて草

760変態エリーン少佐代行:2015/09/14(月) 20:18:05 ID:indGZOHE
>>756
ほのぼの・・・ほのぼの!?
もしかしたら・・・血の祝祭会場にある料理は、この新規リーンの肉かもしれないね・・・

761名無しさん:2015/09/17(木) 17:59:53 ID:VPcdAmg.
乙!モチベを保ち続けられるエリーン愛に敬服
新規リーンはヴァンピールになっちゃったのかもよ 悪霊ですわ

762名無しさん:2015/09/23(水) 20:01:25 ID:hQ0DtnbI
来年の祝祭で牢屋の中の奴見たらこの話思い出しそうだ…

763名無しさん:2015/09/30(水) 18:32:15 ID:P5w4XIQI
ドヤ顔でファイターに喧嘩を売って返り討ちにされるエリーンちゃんの妄想などをしてますが、
ここで豊穣祭ネタをいくつか投下させてください。ァーィ!

764名無しさん:2015/09/30(水) 18:32:52 ID:P5w4XIQI
〜豊穣祭と色々なエリーン「パンピリーンとコックリーン編」〜

太陽の祝祭での疲労が残る中、豊穣祭が始まった。今年もアルボレア全土から色々なエリーンがやってくる。
非戦闘員の一般エリーン、通称パンピリーンがご主人様やお友達のエリーンと一緒に仲良く祭りを楽しんでいる。
ある意味、彼女達は一番幸せな暮らしをしていると言っていいだろう。
兵士として駆り出されるわけでもなく、貧困に苦しむわけでもない。毎日がハッピーエブリデイだ。
今日も豊穣祭スタンプを集めつつ、様々なコンテンツを練り歩いている。

お料理体験コーナーではそんなパンピリーン達が三角巾を被り、ファッション感覚で参加していた。

パンピリーンA「エリーンちゃんは"じょしりょく"が高いデスからお料理だってそつなくこなしちゃうデス!」
パンピリーンB「(ガシャァァン!!)オォァッ?!…またお皿割っちゃったデス。エリーンちゃんオッチョコチョイデス、テヘペロ^q^」
コックリーン「皆さゃんー、これから皆さゃんが作るのはポテートサラダデスョ。とっても簡単デスからダイジョブ!」
パンピリーンC「野菜は嫌いデスから捨てるデスし、マズいお料理はクソポポリのエサにでもするとイイデス。」
バンピリーンD「いったぁぃ!エリーンちゃん、包丁で指を切っちゃったデスぅ。誰かチュパチュパしてぇ〜(チラッ」
コックリーン「(パンパンと大きな手を叩いて)アーィ!よく聞くデスョ、まずはジャガイモを茹でるデスョ。」

中々カオスな状況だ。誰一人として小柄なコックリーンの話など聞いていない。
このコックリーン、元は貧乏未就学エリーンだったが、今では料理長の右腕として活躍しているとか。
今年の豊穣祭ではお料理体験コーナーの講師を任される事になった。未就学エリーンの大出世だ。
まだまだ変な訛りはあるものの、言葉も一応はそれらしく喋る事が出来ている。努力したのだろう。
大き目のコック帽がよく似合っている。それに比べてパンピリーンはこの体たらく。平和ボケしているのだ。

皿は割る、鍋はひっくり返す、つまみ食いはする、どさくさに紛れてオナラをする。
挙句の果てには調理台の上に乗って踊り出す…本当にお料理をする気などあるのだろうか。

彼女達は貧乏も飢えも、生で齧るカボチャの硬さも知らない。幸せに慣れ過ぎている。
それでもコックリーンは一生懸命且つ丁寧にお料理の楽しさ、大切さをパンピリーンに話し始めた。
碌に食べられなかったあの頃、優しいバラカがくれた魔法の言葉と甘いお菓子。救いの味、言葉。
今でも辛い時は心の中でこう呟く「トリックォァトリート…」と。そうすると元気が湧いてくるのだ。

――最初は誰もコックリーンの話など聞いていなかったが、次第に耳を傾けるようになっていった。

「大切な誰かへ、大好きな人へ、ココロをこめて作ったお料理。それはとてーもステキなギフトデスヨ。
皆さゃんにもきっといるはずデスョ。大切な人が。感謝の気持ちを贈りたい人が。身近にいるかもデスョ?
コックリーンがお手伝いしますから、ココロのこもったポテートサラダ、作るデスョ♪」

立派になったものだ。小柄なコックリーンが何だか大きく見える。バラカの願いはちゃんと開花したのだ。

パンピリーンB「....うちのご主人様に作ってみようかな…デス、テヘペロ^q^」
パンピリーンA「しょうがないデスね〜、エリーンちゃんが腕をふるってあげるデス」
パンピリーンCD「エリーンちゃんも作るデスー!!」

…その後、パンピリーン達は無事にポテトサラダを完成させ、それぞれの大切な人の元へと帰っていった。
パンピリーン達を見送るコックリーンの表情はとても優しく大らかな笑顔だった。あの日のバラカのように。

おしまい。

765名無しさん:2015/10/01(木) 19:29:23 ID:hQ0DtnbI
豊穣祭こなしながらコックリーン思い出してたらきたぁぁあああ
1年前がよみがえる!えらくなったんだねぇ(´;ω;`)ブワッ

766名無しさん:2015/10/02(金) 09:39:58 ID:IlpiHJ7Q
コックリーンめっちゃ成長してる!感動したわ バラカ先生は偉大

767名無しさん:2015/10/03(土) 01:20:39 ID:rSEJN1i6
>>764
優しい世界

768名無しさん:2015/10/03(土) 08:35:06 ID:P5w4XIQI
〜豊穣祭と色々なエリーン「貧乏飼いエリーンと貧乏野良エリーン編」〜

試食コーナーも豊穣祭の目玉の一つだが、ここは更にカオスな状況になっていた。
試食?無料?となれば押し寄せてくるのが貧乏エリーン集団だ。
保護者付きの貧乏飼いエリーンはまだ幾らかマシだが、貧乏野良エリーンのタチの悪さはハンパない。
なんと豊穣祭開催数日前から周辺をうろつき、食材を盗んだり畑を荒らしたりしていたそうだ。

本来ならおいしそうな匂いが漂う試食コーナーだが、貧乏エリーン集団がいると悪臭の方が際立つ。
汗臭さと獣臭さと、貧乏臭さが入り混じった何ともいえない饐えた臭いが辺りを覆っていく。
並ぶという概念もないらしく、試食が開始されるや否や我先にと押し寄せ食べ物を要求する貧乏エリーン。

パンピリーンは見栄を張ってブロッコリースープなどを試食して女子力()の高さをアピールしそうだが、
貧乏エリーン達はそんなくだらない見栄よりも飢えをどうにかするのが最優先だ。とにかく肉だ。
特に人気が高いのはやはりカイアトール伝統BBQだ。痩せこけた貧乏エリーンが何十人も束になっている。
貧乏飼いエリーンも貧乏野良エリーンも目先の食事で頭がいっぱいだ。
みんな自分の事しか考えていないので、押したり倒したりするのは当たり前でBBAのバーゲンセール状態だ。

何匹かは波に飲まれて集団の下敷きになっていた。弱い貧乏エリーンは容赦なく淘汰される。
貧乏エリーン達の小さな足で踏みつけられ、血を流す姿はまるでワイン作りの葡萄のようだ。

見たところ、既に命を落としている貧乏エリーンもいるようだ。しっぽがぺしゃんこで目を開けたまま動かない。
食事まであと一歩の所で餓死してしまった貧乏エリーンは波に揺らめく海草のように群れの中で漂っている。
ケモ耳を齧られて錯乱状態になっている貧乏エリーンもいた。試食コーナーとは言え、彼女達にとっては戦場だ。
脱落組の多くは貧乏飼いエリーンだった。やはり戦闘力は貧乏野良エリーンの方が高いらしい。

試食コーナー担当の料理人も恐怖ですくみ上がっている。無理もない、目の前で死者が出ているのだ。
池の中で口を開けて群がる鯉のように、汚い貧乏エリーンが大きな口を開けて食べ物をねだってくる。
「ンギョァ!」「ペーペーショォ!ショォ!」「ンー!ンー!」「ホァー!テァー!」「ティーヤァァァ!!!」「ザァァッ!ン゛ンンン!!!」
うるさくてたまらない。言葉の意味?そんなのは知らないが言っている事はわかる。"早く食べ物をよこせ"だ。
可愛らしく「おひとつくださいな」くらい言って欲しいものだ。…まず無理だが。

命を落とした貧乏飼いエリーンを群れの中から引きずり出す保護者達。彼らもまた酷い身なりをしている。
格差社会、長引く戦争、苦しい思いをするのはいつだって下層市民なのだ。エリーン1匹養うのも大変だ。

しっぽがぺしゃんこになった貧乏飼いエリーンの死体を抱きかかえて泣きじゃくる保護者。愛していたのだろう。
一方、餓死した貧乏飼いエリーンの保護者はシケモクを口に咥え、どこか安心したような表情を浮かべていた。

そんな様子を冷めた目で見つめる貧乏野良エリーン。彼女達に保護者はいない。
彼女達が死んだところで、泣いてくれる人も弔ってくれる人もいない。孤独な存在なのだ。
冷めた目の奥にはどんな感情が潜んでいるのか、、それは彼女達、貧乏野良エリーンにしかわからない。

おしまい。

769名無しさん:2015/10/05(月) 10:30:40 ID:Bxp5NSUo
コック帽が大きくて転んでた去年とコック帽が似合うようになった今年
和ませてからの暗い話…落差が

770名無しさん:2015/10/05(月) 21:56:57 ID:P5w4XIQI
〜豊穣祭と色々なエリーン「覚醒ジンギスリーンと幼い貧乏えりーん編」〜

ようやく試食にありつけた貧乏ヒツジエリーンはあろうことかジンギスカンを夢中で頬張っている。
本人は何の肉かわかっていないようだが、禁断の味を覚えてしまった貧乏ヒツジエリーンはもう止まらない。
ジンギスリーンとして覚醒してしまったのだ。普段はおっとりした性格で有名なヒツジエリーンだが、
飢え+禁断の味がもたらす効果は抜群だった。今の貧乏ヒツジエリーンに以前の面影はない。

覚醒ジンギスリーンの血走った瞳は既にここではない何処かを見ているようで、ピントが合っていない。
口の中いっぱいにジンギスカンを頬張り、クッチャニッチャと音を立てて咀嚼している。クチャラーだ。
濃厚なソースとジンギスカンの肉汁が口内で混じり合い、一層食欲を掻き立てる。

しかし、所詮は試食。満足出来る程の量ではない。最後の一口を飲み込んだ瞬間から、次が欲しくなる衝動。
試食の皿を何度も何度も舐める覚醒ジンギスリーン。足りない、まだまだちっとも足りない。
「…ンメェ..メェーー...ンメ゛ェェェァァァァ!!!(ダダダダダッ」絶叫と共に再び試食コーナーの群れに飛び込んでいく。

「メェ!メヘェ!!ヘンメヘンメ!!メェエエ!!ヘメヘェ!!」裏返った声で"もっとよこせ"と強く要求する覚醒ジンギスリーン。
他にも禁断の味を知ってしまった覚醒ジンギスリーンが何匹も凄い剣幕でおかわりを要求してくる。
まるで羊の皮を被った狼だ。細い首筋に幾つも血管を浮かび上がらせ、出せる限りの声を出してアピールする。
自分よりも体格のいい貧乏ドラリーンや貧乏イヌエリーンを蹴散らしていく。物凄い迫力だ。
蹴散らされた貧乏ドラリーンは衝撃で片方の角が折れてしまい、泡を吹いてガクガクと痙攣していた。

また、この試食戦争に飛び込めずにいる貧乏飼いエリーンも少なからずいた。
薄幸そうな保護者の後ろにべったりと張り付き、目に涙を溜めて指をしゃぶっている。
まだまだ幼いようで、他の貧乏エリーンと比べると身長も随分低かった。
お口はとても小さいのに指はエリーンサイズなので中々倒錯的な指しゃぶりだ。
こんな幼い貧乏えりーんがあの群れに飛び込んでいったら間違いなく死んでしまうだろう。

「…だ、誰かこの子に、tあ・・食べ物を、食べ物を恵んでやってくれないだろうか…」
薄幸そうな保護者は小声で周囲に呼びかけるが、貧乏エリーン達がやかましすぎてちっとも聞こえない。
こんな様子では貧乏になるのも仕方がない。何故エリーンを育てようと思ったのか。
幼い貧乏えりーんはゲジゲジの眉をハの字にして"もう帰ろう"と保護者の汚れたズボンを引っ張る。
幼いながらにして自らが置かれた状況というものをよくわかっているようだ。

ここに二人の居場所などない。戦う気がないのならば去るしかないのだ。
薄幸そうな保護者と幼い貧乏えりーんはお腹をグーグーと鳴らしながら祭りを後にした。

おしまい。

771名無しさん:2015/10/05(月) 23:08:46 ID:rSEJN1i6
悲しい世界

772名無しさん:2015/10/07(水) 23:32:06 ID:P5w4XIQI
豊穣祭ネタが途中だけど、思いついたので投下します。

〜翼を手に入れたエリーン〜

ファイター実装と同時に翼ガチャが登場した。お知らせページでは翼をつけたエリーンがこちらを見ている。
早速、神々しい翼を手に入れたエリーンはわざとらしいポーズをとってあちこちで自慢していたが、
ナイトメアウィングをつけたエリーンは"それがどーしたデス"といった表情で全く動じなかった。
それが気に食わなかったのか、はたまた翼を手に入れて気が大きくなっているのか、
プチエンジェルの羽をつけたエリーンを見つけるとニヤリとほくそ笑み、イジメ始めた。

翼エリーン「おもちゃみたいな羽デスね〜wwこんな羽はこうしてやるデス!フェーハッ!!(バキバキッ」
プチエンジェリーン「ショォォ?!!?何するデス!エリーンちゃんの羽さんが!エリーンちゃんは天使さんなのに!」

プチエンジェリーンの羽をもぎ取って破壊する翼エリーン。とんでもない極悪エリーンだ。

翼エリーン「キャハハハハ天使wwwおもちゃの羽で天使wwキャハハぽんぽんが痛いですw笑いが止まらないデスww」
プチエンジェリーン「…フェ…フェゥェァァ...ァァウァェァ!!ァアゥェァ!!ァア!フェェァァァ><」
翼エリーン「ププッ泣いちゃったデスwおもちゃの羽をつけるようなエリーンはやっぱりおこちゃまなんデスww」

腰に手を当てて高笑いする翼エリーン。その場に跪き、泣く事しか出来ないプチエンジェリーン。
その様子をガクガクと震えながら見ているエリーンがいた。背中にはモンシロチョウの羽がついている。
自分も羽をもぎ取られてしまうのではないかという恐怖。思わず鼻水が垂れる。

翼エリーン「ププw虫の羽をつけたエリーンがいるデス。虫ケラリーンは外灯にでもたかってろデス!キャハハww」
モンシロリーン「ゥェ...ァェェェ…ズズゥ..ズズーッ(鼻水」
翼エリーン「…鼻水垂らして汚い虫ケラリーンデスね。鱗粉が飛ぶからあっち行けデス!スプレーするデスよ!」
モンシロリーン「フェ、、フェァァ〜〜!!(トテトテットテ!ッドテンッ)ンギュォ!…フェ、フェェェェ(トテトテテ」
翼エリーン「どんくさwこれだから虫ケラリーンは困るんデスwそれに比べてエリーンちゃんは女神デス!^^」

恐怖で足がもつれて転んでしまうモンシロリーン。それでも情けない声を上げて必死に逃げていく。
腰に手を当てて悦に浸る翼エリーン。どうやら自分を女神だと思い込んでいるようだ。

翼エリーン「キャハハハwwエリーンちゃんにひれ伏すがいいデス!セレン?ヴェリック?エリーヌ?キャハハハハハ^^」

まるで終末を知らせるラッパのように響き渡る翼エリーンの高笑い。実に不愉快だ。
それと同時に空には真っ白な翼をつけたエリーンがたくさん飛んでいた。

ケル粉終了に伴い、役目を終えたジャンピングエレーンが空へと還っていくのだ。
皆、酷くやつれていて、瞳には輝き一つなかったが、何処か穏やかな表情を浮かべていた。

右も左もわからないままLvを上げさせられ、毎日毎日ケルばかりやらされ…粉、粉…粉粉粉こなこなこな…。
そんな日々に終わりを告げる日がやってきたのだ。今までありがとうエレーン。さよならエレーン。安らかに。

おしまい。

773名無しさん:2015/10/08(木) 18:56:23 ID:hQ0DtnbI
かわいそうに…こんな翼エリーンには制裁が似合うとおもうの
次回シバかれて翼がもぎ取られることに期待

774名無しさん:2015/10/09(金) 01:53:16 ID:qtmkZ3b2
ネタ早いwこれはクソエリーンですわ…ぶっ飛ばしたい
エレーンワロタw成仏してね…南無

775名無しさん:2015/10/09(金) 02:27:36 ID:mTjQ.K0k
おとといまで毎日構ってくれたご主人様があの日を境に全く見向きをしてくれなくなり泣き続けるエレーンちゃん

776名無しさん:2015/10/10(土) 22:25:12 ID:P5w4XIQI
豊穣祭ネタの続きです。

〜豊穣祭と色々なエリーン「わがまま貧乏飼いエリーンと保護者編1」〜

食堂の前で貧乏飼いエリーンがボサボサの髪を掻き毟りながら喚いている。フケがポロポロと粉雪のように落ちて汚い。
まだ小さいキツネエリーンのようだが、頭の至る所からアホ毛が飛び出ている。きっと物凄くアホなのだろう。
苛ついた様子の保護者がこれまたボサボサのしっぽを引っ張ってこの場から連れ出そうとしている。

貧乏飼いエリーン「ォヒョォ?!ッ!テイャーァ!!(テシッテシッ)..フンス!!ァ゛ァアウ!テェーペーショ!チィィ...チィィィイ!!!」

しっぽを掴まれて一瞬変な声を上げるが、すぐさま保護者のスネに蹴りを入れて振り払う。
少し距離を取るとオーバーリアクションで怒りを露わにし、意味不明な言葉でまくし立てる。
そんな様子を周りの客達が白い目で見ている。(汚っ!)(また貧乏エリーンか)彼らの心の中はこんなもんだろう。

周りの目を気にした保護者が再び貧乏飼いエリーンを連れ出そうと近づいたが、
そうはさせまいと地面に寝転がって駄々をこね始める貧乏飼いエリーン。手足をバタつかせて暴れている。

貧乏飼いエリーン「チャーモゥ!ャーャーャー!ャーャィ!(バタバタ!)ピキォ!ピーギソー!ァ゛アァァ!!ソーテソーテ!ピィィギソォーテ!ショォォァァ!!!(ジタバタ!)」

舌足らずな口調で喚き散らしているが、よく聞いてみるとピグリンソテーを要求しているようだ。
普段は碌に言葉を覚えようとしないのに、こういう時だけピンポイントで喋るのだ。
思い通りにならないとすぐ癇癪を起こすのも躾けられていない未就学エリーンに多く見られる習性だ。
尤も、第一線で活躍している王女ですら日頃からあんな調子なわけだが…。

しかし、せっかく豊穣祭に来ているのだから名物料理の一つでも食べさせてやるのが保護者というものだろう。
それとも試食コーナーで腹を満たしてやろうなどと考えている甲斐性無しなのだろうか。
だが、保護者の苛立ち具合を見ていると、どうやらそういうわけでもないようだ。

――実は、数十分前にも貧乏飼いエリーンは何度か駄々をこねていた。

貧乏飼いエリーン「ハー゚!パァァブギィ!!マーヒマーヒ!パァァウェァァアァ!!ァ゛ァゥァマーヒィィィ!!(ジタバタ!」
貧乏飼いエリーン「ブルォォ!ブッコロリ!ブッコロリープー!!ゥゥプォ!!ブッコロrrrrリ!ブッコロリィィイl!(ジタバタ!」

どうやらパンプキンマフィンとブロッコリースープを要求しているようで、髪を振り乱して暴れている。
周りはきっと(パーパーうるせぇぞ、パープリーン!)(やかましいブッコロリーンだ)と思っているに違いない。
それでも保護者は野菜嫌いの貧乏飼いエリーンが野菜を使った料理を食べたいと言ってくれるのが嬉しくて、
なけなしのお金を使って貧乏飼いエリーンに二品の料理を注文してやった。久々の外食だ。

(ガタガタ!ガッタンガタン)席に着いて料理を待っている間も落ち着きがなく、椅子を前後に揺らして遊んでいる。 
また、歯が生え変わる前後で疼くのか、片眉を吊り上げ「ンギギギィ!」と唸りながらおしぼりを齧ったりしている。
保護者は何度も注意するが全く聞く耳を持たず「チィ!チィィ!」と威嚇までしている。どうしようもないエリーンだ。

店員が料理を運んでくると「ンッ!ショォメェ!」と言ってテーブルを指差す。早くここに置けと言いたいらしい。
保護者がスプーンやフォークを渡そうとしても見向きもせず、汚い手でマフィンをむんずと掴む。
温かくて甘い香りを漂わせるマフィンはとてもおいしそうだ。また、最近では冷やしマフィンも人気があるらしい。
だらしなく涎を垂らして口を開ける貧乏飼いエリーン。楽しいご飯タイムの始まりだ。

777名無しさん:2015/10/13(火) 09:03:35 ID:P5w4XIQI
〜豊穣祭と色々なエリーン「わがまま貧乏飼いエリーンと保護者編2」〜

「ンガァ〜ァ(ネチャァ」貧乏飼いエリーンが大きく口を開けると上下の前歯の間に何本も唾液の線が伸びる。
保護者が歯磨きをしようとしても逃げ回るので、口内の衛生環境はかなり悪そうで舌苔がビッシリだ。

貧乏飼いエリーン「ァムッ(ポフッ)...ンモンム..(フモフモ)...!!ンッンッ!!ングボモォェェェ!!!オェェ!ェエッッペッッペッ!!(ビチョッビチョ)」

勢い良くマフィンを頬張り何度か咀嚼した途端、突然顔をしかめて口内のマフィンを吐き出した。
ベチョベチョになったマフィンがテーブルに撒き散らされる。保護者の肩がプルプルと震えている。
どうやら甘みの中に野菜特有の味を感じてしまったらしい。貧乏の癖に好き嫌いの激しいクソエリーンだ。

貧乏飼いエリーン「ベェッ!ォェ..チロッ..チロチロレロレロ…(チャパシャパシャパパ)」

口直しのつもりなのか、ブロッコリースープの皿を自分の方に引き寄せると舌苔だらけの舌を伸ばし、
スプーンも使わず、皿に顔を近づけてチロチロとスープを舐め始めた。まさにイヌ食い、いやキツネ食いだ。
皿に手を添えるわけでもなく、テーブルに肘をついてスープを舐めている。なんて行儀の悪いクソエリーンだ。

貧乏飼いエリーン「レロォ…ペチャペッチャ...?!?!ッ…ベェェエェ!ペッペッ!ニチィ...ペェ!ペッペッ!ォェー(ビチョッチョビッチョ)」

材料にミルクを使っている為、最初はミルキーさが誤魔化してくれていたものの、
スープに染み込んだ新鮮なブロッコリーの風味と蕾のブツブツ感が口内を支配していくのを感じ、
すぐさまスープを吐き出す。口内に引っ付いたブロッコリーの蕾が気持ち悪くてたまらないようだ。
舌を出して酷く顔をしかめるが、とにかく舌が汚い。舌苔にブロッコリーの色素がついて緑色になり、
その上にブロッコリーの蕾がブツブツと大量にこびりついている。まるで青カビが生えているようだ。

本人はペッペッと必死に吐き出しているが、テーブルの上は既に悲惨な状態だ。
どれもほんの少し食べた程度なのに酷い食べ散らかし様だし、更に口から吐き出した咀嚼物が散乱している。
保護者の安っぽい衣服や顔にもマフィンのカスやブロッコリーの蕾が飛び散っている。
楽しく食事をしていた周りの客連中もすっかり興ざめといった感じで、こちらを煙たそうな顔で見ている。

保護者「(バンッ!!)いい加減にしなさい!」 貧乏飼いエリーン「(ビクッ)ヒッ?!」

テーブルを叩き、激しい口調で貧乏飼いエリーンを叱る保護者。一瞬ビクつく貧乏飼いエリーン。
凍りつく食堂。周りの客連中から一斉に注目が集まる。

保護者「あんたが食べたいっていうから頼んであげたんでしょ!謝りなさい!ちゃんと教えたでしょ!!」
貧乏飼いエリーン「ンーーン!!ンーン!!(ジタバタッ)チャーモ!ショォショォペー!モー!!!」
保護者「またそうやって駄々こねて!好き嫌いせずに残さず食べなさい!ほら、行儀良く!恥ずかしいでしょ!」
貧乏飼いエリーン「ンーーーン゛!!ン゛ーン!!…フンス...フンスフンス!!!.........ギョ、ッ..ッ...ンギョォォオオオオオァァ゛ァ!!!!」

(ガッガガガッ!ガッシャーーン!!)

バツが悪くなった貧乏飼いエリーンは大きな手でテーブルの上の料理を振り払い、床に落とした!
皿の割れる音が食堂内に響き渡り、店員が血相変えて駆け寄ってきた。

――その後、保護者は腸煮えくり返る気持ちを抑えながら店員に頭を下げ、
嫌がる貧乏飼いエリーンを連れて店を出て行ったのだった。

778名無しさん:2015/10/15(木) 09:12:50 ID:2MCKXdGw
椅子ガタガタさせるガキいるわ
こんなクソガキエリーンは徹底的に教育してやる

779名無しさん:2015/10/15(木) 21:20:57 ID:P5w4XIQI
〜豊穣祭と色々なエリーン「わがまま貧乏飼いエリーンと保護者編3」〜

それから保護者と貧乏飼いエリーンは他のコンテンツを見て回ったが、二人とも楽しくなさそうだ。
保護者は黙ったままスタスタと歩いている。その後ろを貧乏飼いエリーンがスタタタと小走りでついていくが、
不機嫌そうに唇を尖らせ、チラチラと保護者の方を見てはブツブツと文句を言っている。

コンテンツを楽しむ事もなく、ぐるっと一周して戻ってきたのがまたもや食堂前だった。
そこで偶然見てしまった、テイクアウトのピグリンソテー。

ドラリーン「ダイエット中…なのに、食べちゃう。…おいしい(モグモグ」
ドラリーンの主人「今年はうまいものいっぱい食べようぜ!ドラリーンは今のままで十分可愛いんだからさ!」
ドラリーン「…///この格好でお腹が出ちゃったら恥ずかしい…でも、食べちゃう(モグモグ」
ドラリーンの主人「再販でやっと手に入ったナイトメア。凄く似合ってるよ!夜が楽しみだね!夜が!ナイトが!」

何処かの幸せそうなエリーンと主人がテイクアウト用のピグリンソテーを食べながらイチャついている。
実にけしからんので、この主人には食べすぎでお腹を壊してナイトメアに苦しむ呪いをかける事にしよう。

貧乏飼いエリーン「…?!?!ュァアーィ♪ハーァ(^q^」
ドラリーン「それにしても…本当においしい…このピグリンソテー(モグモグ」
ドラリーンの主人「うまいよな。俺さっきBBQ四人前食べたばかりなのにまだイケるぜ!スペースストマックよ!」
貧乏飼いエリーン「……ピギ...ォーェ..ピギィ...ォーデ…ピギォーテ...ンー。ソーェ..ソーテ...ァーィ(^q^」
ドラリーンの主人「(ゴニョ…ゴロゴロ…ゴモモ)ん…何だか腹が…腹の調子が。食べすぎたかな、あははw、」
ドラリーン「?大丈夫…?」
ドラリーンの主人「だ、大丈夫。ちょっと食べすg(ゴモモォォ!)っっちょっとタンマ!(ゴロロブピ)あっあっ」
ドラリーン「…ちょっと、顔色悪いよ?凄い汗…」
貧乏飼いエリーン「ョゥ!ォーゥ!チャーモ!ピキォ〜〜!!(`q´」
ドラリーンの主人「…あ、ダメかも…あっあっ、出る、出るよ出る出る…おぅほっ!!」(タッタッタ〜)→トイレ
貧乏飼いエリーンの保護者「……(まーた始まった。ホントにこのく、k...クソエリーンは!!)」
ドラリーン「…バカ。心配だよ…」

会話が混線しているが、これらのやり取りが冒頭に繋がっていくわけだ。
主人はしばらくトイレから出てこれないだろう。だが、この仲良しバカップルが食べていたピグリンソテーは、
かたやギクシャク中の貧乏飼いエリーンにとってはさぞかしおいしそうな食べ物に見えたのだろう。
これを食べれば保護者ともきっと仲直りができる!そう考えたのかもしれない。全部自分のせいなのに。

しかし、保護者の方はすっかりご立腹だ。鋭い眼光の奥には諦めと失望の色も見え隠れしている。
貧乏飼いエリーンは日頃からずっとこんな調子で保護者を困らせてきたが、いよいよ我慢の限界だ。
エリーンと暮らせば少しは人生が明るくなるかも、などと考えたのが間違いだったのだ。

近年では野良エリーンを少しでも減らそうと里親募集に力を入れている地域もあるようで、
"エリーン、正しい理解で豊かなくらし""エリーンと明るい未来"などといういかにも胡散臭いコピーが
メディアに取り上げられ話題を呼んだ事も記憶に新しい。この保護者もそのコピーに引っかかった口だろう。
税金が還付される?壷を買えば彼女が?サプリでフサフサに?エリーンを飼えば幸せに?お利口で可愛い飼いエリーン?
そんなおいしい話、あるわけがないのだ。そんなものに夢を見るから貧乏なのだ。

保護者「……もう終わりよ。家族ごっこはおしまい。…あんたとはここでサヨナラよ。」
貧乏飼いエリーン「ソーェソーテ!!ピギィソー!ソォ...??………ァーェ?...チャーモゥ,ルゥールゥーショォ?……ハァーェ..テェペョー...?」

780名無しさん:2015/10/17(土) 16:59:21 ID:9VN3oPeU
久々のドラリーンカップルだけどヒューマンさんは相変わらずだね
言葉を覚えようとしてもうまく喋れない飼いエリーンがちょっと可愛い
てかさりげなくきわどいワードをぶっこんでくるなw

781名無しさん:2015/10/18(日) 08:43:29 ID:P5w4XIQI
〜豊穣祭と色々なエリーン「わがまま貧乏飼いエリーンと保護者編4」〜

突然、別れを言い渡された貧乏飼いエリーンは、いつものお叱りとは明らかに違う雰囲気に萎縮している。
保護者が具体的に何を言っているのかは理解出来なかったが、どういう意味なのかは直感でわかった。
"自分は捨てられるんだ。飼いエリーンではなくなるんだ。そこらで見た野良エリーンと同じになるんだ"と。

いや、飼いエリーンから野良になるという事と、元から野良であるという事の間には大きな差がある。
貧乏とは言え、誰かに守られて生きてきた飼いエリーンが、いきなり野良になって生活できるわけがないのだ。
貧乏飼いエリーンはその事にまだ気付いていないが、捨て子エリーンに生きられる場所などない。

実質、死を宣告されたに等しい貧乏飼いエリーンは身体を起こし、おちゃんと座ったまま大きな指をツンツンしている。
こういう時だけいじらしく振舞うのもエリーンの特徴と言えるだろう。
だが、先程まで地面に寝転がって駄々をこねていたので、服も身体も土埃で汚れてしまっている。

保護者は時折溜息をつきながら今日までの苦労について語っている。エリーンと暮らすのは大変なのだ。
貧乏飼いエリーンは痩せた身体をモジモジさせたり、大きな指で地面をなぞったりしていじらしさをアピールするが、
保護者も周りも誰として同情を向ける事はなかった。これだけ騒いだのだから当然だろう。

貧乏飼いエリーン「……ァー…ャ...ァーャ!..ン゛ー…バーャ!バーャバーャ!!!バーグァ!!フンギャァァァァ!!(ジッタンバッタンボリボリブチチチ」

突然、貧乏飼いエリーンが癇癪を起こし始めた。というより逆ギレである。何て愚かな…。
いつものように舌足らずな口調で感情のままに叫んでいるが、保護者に罵声を浴びせている事ははっきりとわかる。
足をバタバタさせつつ大きな手で髪を掻き毟っている。いや、掻き毟るどころか、髪そのものを毟り取っている。
ストレスが溜まると髪やケモ耳、しっぽの毛を毟って食べるエリーンがいるというが、
恐らくこの行動もそういったものと同様で、過度のストレスが爆発してしまった結果なのだろう。

毟り取ったフケだらけの髪を大きな手でギュッと掴むと、勢いに任せて保護者に投げつけた。
しかし、所詮は髪なので保護者まで飛んでいく事はなく、投げたそばからひらひらと地面に落ちていく。
それが不服だったようで再び寝転がって手足をバタつかせる貧乏飼いエリーン。

貧乏飼いエリーン「ンーン!ン゛ーン!!バーャ!チャーモ!チャーモ!!ンーン!ン゛ーー!!!バーャバーャ!!!(ジタバタジタバタ」
保護者「……そうやって喚けばいつもみたいに何とかしてもらえると思ってる?…哀れね。」

顔を真っ赤にして喚き散らす貧乏飼いエリーンとは対照的に冷め切った表情の保護者。
しかし、捨てると言ってもこれだけ多くの目撃者がいる中に置き去りにするわけにはいかない。
保護者は寝転がって暴れる貧乏飼いエリーンのしっぽを先程よりも強くギュゥゥッと掴んだ。
「オギョォワァ!!」これには相当な激痛が走ったらしく目を見開き、全身をピーンと硬直させて大声を上げる。
あまりの激痛に身体がスタンしてしまい、反撃の一つすらお見舞いしてやる事ができなかった。

782名無しさん:2015/10/19(月) 11:19:08 ID:KS9YXc26
保護者女かwいじらしさアピールうぜー!これはキツいお仕置きの予感

783名無しさん:2015/10/20(火) 18:10:09 ID:P5w4XIQI
〜豊穣祭と色々なエリーン「わがまま貧乏飼いエリーンと保護者編5」〜

保護者はボサボサの汚いしっぽを掴んだまま貧乏飼いエリーンを引きずって歩き始めた。
うつ伏せでスタンしている貧乏飼いエリーンは手足を広げたまま身動きがとれない。
大人がしっぽを掴んで引きずっているので、貧乏飼いエリーンはお尻がやや持ち上がり、
その分、上半身は地面に強く擦られる形になっていた。既に顎や顔には擦り傷が出来て血が滲んでいる。

食堂前は貧乏飼いエリーンの毟った髪やフケで汚れていたが、次第に祭りの賑やかさを取り戻していった。
引きずられて消えていく姿など誰も気にはしなかった。愚かなエリーンが一匹捨てられるだけなのだ。

保護者が向かった先は収穫真っ最中の畑だった。たくさんの労働未就学エリーンがヘロヘロになって働いている。
昨年に引き続き、とある闇の派遣会社から派遣された労働未就学エリーンの集団だ。
安い賃金で使い捨てができる未就学エリーンは労働力として使うのに最適だ。使えないクソエリーンも多いが…。

畑の際に停められた荷馬車の中には生産力が尽きた労働エリーンが何十匹も横たわっていた。
粗末な布切れ一枚羽織っただけの姿で酷く痩せこけている。収穫のし過ぎで爪がない者も多かった。
太ももにハエが止まってもピクリともせず、薄目を開けたまま生産力が回復するのを待っている。
これでは生産力が回復する前に息絶えてしまうだろう。…死んだらそこらから新しいのを補充すればいいだけだが。
エリーヌが涙を流す事も、月の雫が労働エリーンを潤す事もない。使えないなら朽ち果てるだけだ。

労働エリーンには監視員がついており、逃亡を図った者は速やかに捕縛されて厳しい処罰を受けるという。
その監視員が保護者達に気付くと怪しげに微笑んだ。取引のスタートである。

保護者が監視員に貧乏飼いエリーンを引き取ってもらえないか打診すると、二つ返事でOKが出た。
監視員は貧乏飼いエリーンの性格や感染症の有無など幾つか質問をしたが、問題はないと判断したようだ。

監視員「今日はエリーンを売りに来る方が多いんですよ。死体を持ってこられる方には驚きましたが^^;」

金額など具体的な取引を進める中、こう話す監視員。恐らく試食コーナーで出た死者の事だろう。
他にもゲジゲジな眉をした幼いエリーンを売りに来る客がいたとか。

監視員「"うちでは食べさせてやれないから、お宅のとこで何か食べさせてやってくれ"とか言うんですよ^^;
    勿論断りましたよ。こちとら託児所でも慈善事業でもないんで。他をあたってくれと^^;
    そしたらゲジゲジ眉のクソエリーンが指咥えてこっちを見てくるんですよ。もう勘弁してくれと^^;」

次から次へと愚痴がこぼれる監視員。エリーンを扱う仕事は中々ストレスが溜まるようだ。
そして取引は進み、現金と引き換えに貧乏飼いエリーンを差し出す保護者。一体幾らで売れたのだろうか…。
監視員は貧乏飼いエリーンのしっぽを掴んでヒョイッと持ち上げると、乱暴にゆすって目を覚まさせようとする。
身体を強く揺さぶられた貧乏飼いエリーンはようやくスタンが解けて意識を取り戻した。流石、監視員である。

784名無しさん:2015/10/20(火) 19:28:38 ID:hQ0DtnbI
でた闇の派遣会社((;OдO))ブルブル

785名無しさん:2015/10/23(金) 00:15:17 ID:P5w4XIQI
〜豊穣祭と色々なエリーン「わがままな貧乏飼いエリーンと保護者編END」〜

貧乏飼いエリーン「…?ミャ...ミャァ...?ハーェ?……ショッ!ショォォ!??!ペーペーショォ!バーャバーャ!!バーャ!!!!(ブルンブブンブルンルルン)」
監視員「お目覚めですかー?ハハッ、元気のイイエリーンですね。凄いアホ毛だw早速働いてもらいますよ^^」
貧乏飼いエリーン「チャーモ!チャーモゥ!!ンーン!!ン゛ーーーーン!!ンギョォォァァァ!!!!!(ブルンブブンブンブンブン)」

しっぽを掴まれて宙吊り状態の貧乏飼いエリーンは相手が誰であろうとお構いなしに手足を振り回す。
小さなエリーンが必死に抵抗した所で痛くも痒くもない。だが、この喚き声だけは耳障りだ。
全力で声を上げている為に時々物凄く高い音を発する事がある。ホイッスルボイスという奴だ。
保護者…いや、元保護者や監視員に向かってわけのわからない言葉をぶつけ、一心不乱に暴れる。顔は真っ赤だ。

元保護者「私はもうあなたの保護者じゃないのよ?あなたが幾ら喚こうが知った事ではないわ。」
監視員「少し元気があり過ぎますね。大人しくしろ!(ビターン!パチン!!)今日からお前は労働エリーンなんだよ^^」
新人労働エリーン←New!「ォゥァアッ!!(ビクッビクン)……ァー…ヒッ……ヒッ...ェッ...ヒッ..グ…ェッグ…(;>o<;)」

今日初めて会った人物に叩かれてびっくりしたのか、べそをかき始める新人労働エリーン。
さっきまで散々暴れていた癖に、いざ自分がやられるとすぐに被害者面をする。エリーンならではの行動だ。

元保護者「では、これで失礼します。おかげですっきりしました。」
監視員「こちらこそ活きのイイ労働力をありがとうございます。またよろしくお願いしますよ^^」
元保護者「もうエリーンは懲り懲りですw顔も見たくないです。」
新人労働エリーン「ヒッグェ..グェ..ショ、ショォー…。ェ..ェグ..チャーモー…チャーモー…ェ..ェェァ(;>q=;)」
元保護者&監視員「では^^ノシ」

気持ちのいい取引を終えた両者が挨拶する中、宙吊りのままの新人労働エリーンは元保護者に手を伸ばす。
だが、元保護者は見向きもしない。本当に顔も見たくないようで、背を向けてそそくさと去っていく。

段々と小さくなっていく元保護者の背中を追いかけるように、精一杯手を伸ばすが届かない。
エリーンの手は大きいといっても、失った信頼や絆を再び掴み取る事は大変難しい。
リカノールの広大な大地にとめどなく零れ落ちる新人労働エリーンの涙。だが、もう泣いている暇などない。

監視員「ほら、お前はこっちだ。いつまでもめそめそしてんじゃねぇ!!ぶっ殺すぞ!(ドゥクシドゥクシ!!ドゴォォ!!!」
新人労働エリーン「ブェッ!ァアゥ!!ッッゴッホォァァァ...!!!!ゴッホェ!ゲホッゲホッ!!…チャ、チャーモゥ..チャーモォ...ゲホッゲホ!!」
監視員「ぁあ?何がチャーモーだ。喋れるエリーンはデスデス言うし、こっちはわけわかんねぇし。ウザいんだよ!」

宙吊り状態の新人労働エリーンに何度も暴行を加える監視員。こうやって上下関係を叩き込ませるのだ。
新人の様子を横目でチラッと見つつも作業に集中する労働エリーン達。みんな汗びっしょりになって働いている。
下手に干渉するととばっちりを受けかねないので我関せずを貫き通すのが利口だ。ここで身につけた知恵だ。

十分痛めつけた所で畑にぽーんと放り投げ、古参労働エリーン達に顎で合図をする監視員。
"後はお前らがこの場所のルールを教えてやれ"という意味だろう。
新人労働エリーンは既に全身痣だらけで、顔は大きく腫れて前歯も何本か抜けていた。ますますブスーンだ。
完全に恐怖し、喋る事もできないようで(喋った所で理解不能だが)、プルプルと震えている。

――その後、新人労働エリーンはヨロヨロになりながらも生産力が尽きるまで収穫作業を強いられたが、
担当した畑がカボチャ畑とブロッコリー畑だったというのだから皮肉なものだ。

おしまい。

786名無しさん:2015/10/23(金) 00:22:35 ID:P5w4XIQI
〜豊穣祭と色々なエリーン おまけ「闘技場編」〜

今日も闘技場は大盛況。色々なエリーンが集まって博打に夢中だ。
ビギナーズラックで大金を手にしたエリーンは調子に乗ってポポリを召使いとして雇って女王様ぶっている。

やたらとサイケな配色の服を着た何人かのエリーンは横一列に並ぶと、アフロのカツラを被って踊りだした。
ただでさえ大きい頭が余計大きく見えて不気味だ。どうやらファンキリーンズというグループらしい。
踊りに合わせてギターを弾くギタリーンもいたが、踊りも演奏もド下手でファンキーというよりクレイジーだった。

最前列では博打にどっぷり浸かったプリーンの博打リーンが大声を上げてモンスターを応援している。
かなり興奮しているようで、賭けたモンスターに指示を出したり、相手モンスターにポウンポウンしている。
すると、他の博打リーン達も同調して突撃エモを連打したり"ンギョォォッ!"と叫んだり、いちいち騒いでうるさい。

試合終了後も歓喜やら落胆の声でやかましく、勝った者は何度も飛び跳ねて大笑いしたり、踊ったりしている。
負けた者は"ァアゥェァアゥェ"と繰り返し泣いたり、そうかと思ったら"フンスフンス!"と激怒したり、情緒不安定だ。
性格の悪い勝者エリーンは、わざと敗者エリーンの近くで大量の黄金チケットを見せびらかし、
"ァーィァーィ!ァーーーーーィ!!!"と高らかにVサインを掲げて勝利アピールをしている。実にムカつくドヤ顔だ。
いじけた敗者エリーンはその場に座り込み、唇を尖らせながら地面に指で"クソエソソ"などと書いている。

既に財産を全て使い果たした破産エリーンはヨレヨレのグレーインナー姿で突っ立っている。
服も何もかもをお金に換えて博打につぎ込んだらしく、最近は碌に食事すらしていないらしい。

それでも博打の興奮と勝利時の多幸感が忘れられず、こうして毎日闘技場に足を運んでいる。
が、賭けるものがないので参加する事ができず、鼻水を垂らして試合を眺めているだけなのだそうだ。
最近では主人にも愛想を尽かされたらしく、これからは貧乏野良エリーンとしての辛い日々が待っている。

一方、とあるハゲヒューマンは"期間制でいい!いいんだ!頼むから俺に髪を!カツラを!"と太古神に祈っている。
そんなハゲヒューマンの残り少ない髪をアヒルのくちばしをつけたエレーンが容赦なく啄ばんでいた。

おしまい。

787名無しさん:2015/10/23(金) 00:25:10 ID:P5w4XIQI
これで豊穣祭ネタはおしまいです。ありがとうございました。
この夏にメインで書いていたネタはかなり長くなりそうなので、休み休み書いていこうと思ってます。
また何か投下した際はよろしくお願いします。

788名無しさん:2015/10/23(金) 00:44:42 ID:OkECzckI
闘技場で負けてグレーインナーで突っ立っていたのは僕のエリーンです……
あのあと大勝して無事アリス服取り返しました

789名無しさん:2015/10/23(金) 12:20:34 ID:4iEfjDkk
口直しのおまけまでw今回も乙!チャーモチャーモうるせー!
この後逃亡しようとしてボコられるんだろうなー
たまに出てくる詩的な描写が好きだな
闘技場には一喜一憂してるエリーンちゃんがいっぱいいたな
ぽうんぽうん連打してるのもいたわw

790名無しさん:2015/11/01(日) 02:48:22 ID:P5w4XIQI
ゴシックアバターに20k近く使ってモヤモヤしてたので単発ネタを書きました。

791名無しさん:2015/11/01(日) 02:52:51 ID:P5w4XIQI
〜調和ユリーン〜

昼下がり。街はハロウィンだなんだと浮かれているが、エリーンが集うこの庭では穏やかな時間が流れていた。
中心にいるのはエレガントなゴシックアバターに身を包んだおかっぱスタイルのネコエリーン。
その周りをこれまた育ちの良さそうなエリーン達が取り囲んで午後のティータイムを楽しんでいる。

ネコエリーンの切り揃えられた前髪は毎朝お付きの者が手入れをしているという。
綺麗な黒髪と少し大きめのボンネット、黒を基調としつつも赤のアクセントが際立つゴシックノワールのドレス。

これだけ見るとまるでお人形さんのような美しさだが、エリーン特有の太ももが実に悩ましく主張する。
ただでさえエロティックな太ももにぴったりと張り付く黒タイツ。デニール数は如何程か。
紳士諸君ならばこの極上の組み合わせにはぐうの音も出まい。
触り心地を確かめたかろう。顔を埋めたかろう。己の欲望を存分にぶつけたかろう!タイツ越しのおパンツっ!!
…ふぅ……。

容姿端麗、才色兼備、頭脳明晰…非の打ち所がない優秀なエリーンだがこれはあくまで表の顔。

――月が高く昇る頃、彼女の部屋では"今宵の"パートナーがネコエリーンと激しくも甘い時間を過ごしていた。
リズムに合わせてギシギシと音を立てるベッド。その音に同期するようにこぼれる嬌声。
そう、ネコエリーンはこの辺りでは有名なユリーンなのだ。
彼女の周りに集まるエリーン達もまた百合の花を咲かせる未熟なつぼみ。

"ああ、憧れのネコユリーン様…お慕いしております。今夜はどうかこのワタクシめをおそばに!"
多くのユリーン候補生がネコユリーンと過ごす甘いひとときを夢見ているのだ。

元来、エリーンは女性しかいない種族だが、エリーン同士で交尾を行うユリーンという存在も多く確認されている。
ユリーンは交尾の事を隠語で"調和"と呼ぶ。平和と調和を愛する種族ならではの皮肉な表現だ。
"今宵、私と調和しましょう"これがユリーンの誘い文句だ。

そう、ネコユリーンは午後のティータイムで今宵のパートナーを物色していたのだ。
ユリーン候補生達もネコユリーンに気に入られたくてアピールに必死だ。

そんな中、一人のユリーン候補生に目をつけると耳元でそっと囁く。
「今宵、アナタの未熟なつぼみを私との調和で艶やかに咲かせてみせるわ。」

ネコユリーンの上品かつ艶かしいウィスパーボイスはユリーン候補生を一瞬で陥落させてしまう。
腰が砕けたようにその場にへたり込み、今宵のパートナーに選ばれたという喜びに打ち震えている。
ユリーン候補生の未熟なつぼみは早くも熱を帯び、甘い蜜が溢れ始めていた。受け入れ態勢は万全である。

実際の所、ネコユリーンの調和は凄まじく、なんと自身のしっぽを硬直させて相手に挿入するのだという。
しっぽも局部も性感帯なのでお互いに強い快感を得る事が出来るのだ。

基本的にネコユリーンのパートナーは日替わりだ。だが、稀に長期間共に過ごすパートナーもいる。
どういう基準があるのかはわかっていない。相性が良かったのか、単なる気まぐれなのか…。
この場合、パートナーも調和の技術が大きく向上する。互いのしっぽを局部に挿入し合う事さえ出来るようになる。

ここまで出来るようになったユリーン候補生はパートナーを卒業し、この庭を去るのだという。
そして、一人前のユリーンとして自分の庭を持ち、新たにユリーン候補生を募るのだ。

「今宵、私と調和しましょう。」

おしまい。

792名無しさん:2015/11/03(火) 18:54:26 ID:hQ0DtnbI
途中に主様の欲望がぶちまけられてるwww
でもユリーンじゃ相手にしてくれないよねきっと(´・ω・`)ショボン

793名無しさん:2015/11/04(水) 02:47:39 ID:xaE4YdLQ
しょんべりーんは足フェチかw
珍しく耽美な作風でいいね

794名無しさん:2015/11/18(水) 18:50:55 ID:P5w4XIQI
何がエリーンカフェだよおぐぎぎぎ!!

795名無しさん:2015/11/19(木) 06:46:19 ID:hQ0DtnbI
その想いを文章にぶつけるんだ!!

796名無しさん:2015/11/23(月) 19:32:36 ID:brz8DnaU
裏メニューでエリーンちゃんの唾液入り紅茶とか出る感じのエリーンカフェ。
値段は万単位。

797名無しさん:2015/11/23(月) 22:41:35 ID:P5w4XIQI
なるほど、そういう方向性もあったんだ!おしっ紅茶!うん珈琲!エリーンちゃんのへそごまプリン!おほーーー!!

798名無しさん:2015/11/24(火) 17:12:34 ID:L/MujGCk
清々しいまでの変態(褒め言葉
エリーンカフェとか…力を入れるのはそこじゃないんだよなー

799名無しさん:2015/12/04(金) 18:39:53 ID:P5w4XIQI
書こうか悩んだけど欲望を抑えきれず…エリーンちゃんはぁはぁ…。

800名無しさん:2015/12/04(金) 18:40:26 ID:P5w4XIQI
〜エリーンカフェ上〜

最近オープンしたばかりのエリーンカフェ。メイドに扮したエリーンが接客をしてくれるんだとか。
アルボレアで人気の高い種族であるエリーンがおもてなしをしてくれるという事で評判は上々だ。
何でもカキ氷屋で成功を収めたベラード商団のリリア・エリーンが店の立ち上げに協力しているらしい。
メルムシュモン服を着てオシャレをした俺は髪型を整え、エリーンカフェに行ってみる事にした。

「おかえりなさいデス、ご主人様♪」店の扉を開けると早速可愛いエリーン達がお出迎えをしてくれた。
キツネ、ウサギ、イヌ…様々なエリーンがメイド服を身に纏ってせっせと働いている。可愛過ぎるよ!
みんな整った顔をしていて品があり、それでいてエリーンらしいお茶目な一面も垣間見れる。
これは相当訓練されたエリーンに違いない。リリア・エリーンの手腕によるものだろう。

店内には熱狂的なエリーンマニアのヒューマン達が幸せそうな表情でひとときのカフェタイムを満喫していた。
みんなエリーンに釘付けだ。仕草の一つ一つがいちいち可愛いのだ。それにとてもイイ匂いがする。
料理の匂いではなくエリーンの匂いだ。エリーンが目の前を通ると少し遅れてふわっと漂ってくる匂い。
シャンプーの匂いや年頃の女の子の匂いは勿論の事、しっぽやケモ耳から零れる独特の匂い。
それは何処か懐かしいお日様のような匂い!そこらのJKなどでは味わえないエリーン特有の匂い!スメル!!

メニューも祝祭名物のカキ氷に加え、アルボレアランチ、エリーンちゃんのパフェ、
メイドエリーンとァーィ♪エリーンちゃんのみっくすじゅーちゅ…という意味深なものまである。

アルボレアランチには何故かポポリの顔を模したライスが盛り付けられていたが、これには演出がある。
なんと客の目の前でエリーンがポポリライスにグーパンチをお見舞いするのだ。
エリーンの大きな拳でポポリライスの顔半分は見事に潰れてしまっている。
しかもこの上にエリーンがケチャップでデコレートする。見た目は完全に血まみれのズタボロポポリである。
一連の演出を終えると拍手をするヒューマン達。エリーンの大きな拳で潰されたポポリライスは美味しいらしい。

物は試しでみっくすじゅーちゅとやらを頼んでみる事にした。店は混雑していたが、対応は迅速且つ丁寧だ。
品を運んできたエリーンはなんとバナーに出ていたツインテールのイヌエリーンだった。
聞く所によるとこのカフェでNo.1のメイドエリーンらしい。やはりイヌという事もあって従順なのだろうか。

こちらも演出があり、目の前でエリーンがシェイカーを振ってその場で完成させてくれるらしい。。
シェイカーを振りながら、美味しくなる呪文を客と一緒に唱えるんだとか…。何処となく精霊の気を感じる。

イヌエリーン「行くデスよー!ショォ!」(シャカシャカ) 俺「え、え?…し、しょぉ」(シャ)
イヌエリーン「もっと大きな声出すデス!メェ!」(シャカシャカ) 俺「めぇ(恥」(シャカ)
イヌエリーン「ペー!」(シャカシャカ) 俺「…ぺー」(シャカシャッ) 
イヌエリーン「ルゥ!ヨゥ!ハァ!チャー!モゥ!」(シャカシャカ!!) 俺「るぅ、、よう。はぁ!ちゃあ!もおおおう!!」(カシャカッ!!!)
イヌエリーン「最後にー、ンフッフッフッフ♪」(シャッシャカシャッシャ) 俺「んふっふっふっふ♪」(シャッシャカシャッシャ)
イヌエリーン「ァーィ♪」 俺「ああーーーーい!!!いえーい!ほぉおーーーー!!!↑↑」

イヌエリーン「…完成デス。アルボレアで一番おいしいじゅーちゅが出来たデス!ァーィ♪」

最初は照れがあったものの、精霊の気にあてられたのか、途中から熱が入ってしまった。
他のヒューマン達からも熱い拍手が送られた。これで俺も紳士の一員になれたのだろうか。
呪文の詠唱で喉が渇いたので、みっくすじゅーちゅの入ったグラスを傾けて一気に飲み干す。

…う、うまい。フレッシュでディープで、それでいて何処か懐かしい…。
味もさる事ながら飲み終えた後に香る独特なフレーバー。エリーンのケモ耳やしっぽが鼻をくすぐるような感覚。
これはまさに!エリーンの味!…一体何をミックスしていると言うのだろうか。

801名無しさん:2015/12/09(水) 03:07:47 ID:x872xwnk
ポポリライスワロタw作風に欲望が溢れてるw

802名無しさん:2015/12/11(金) 00:15:58 ID:P5w4XIQI
アプデ後から赤ちゃんみたいなエリーンちゃんの笑い声が単独で聞こえる事があります…。
以前はガヤの中に幾つか紛れていたんだけど今回は単独でェッヘゥァみたいに聞こえる。エリーンちゃん…。

803名無しさん:2015/12/11(金) 13:33:34 ID:ONmU..eU
妖精の安息地でレズ婚をするエリーンちゃんが後を絶たないみたいですよ

804名無しさん:2015/12/11(金) 18:01:07 ID:P5w4XIQI
ユリーンネタは一つ書いたけど今後も出てくる予定で考えていたので、チャペルの実装は驚きました。
次でエリーンカフェネタはおしまいです。

805名無しさん:2015/12/11(金) 18:01:44 ID:P5w4XIQI
〜エリーンカフェ下〜

――気を良くした俺はエリーンちゃんのパフェも注文し、おいしく頂いた。
パフェを口に含んだ瞬間、まるでエリーンの太ももに顔を埋めたかのような、とても幸福な感覚に陥った。

「いってらっしゃいデス、ご主人様♪」十分満足した俺は会計を済まし、店を後にした。
…財布はすっからかんである。正直、、高くね?いや、値段分の価値はあるとは思うが…ぼったk。

などと思っていると、店の裏口辺りからガサガサと音が聞こえた。
ひょっとしたら仕事終わりのエリーンかもしれない。アフターに誘うチャンスだ。

鼻の下を伸ばしつつも店の裏口を覗いてみると、そこにはゴミ箱を漁る貧乏野良エリーンの姿があった。
頬はコケ、肌は浅黒く、ケモ耳が一部欠損している。飲食店の近くではよく見られる光景だが、
さっきまで可愛いエリーンと楽しい時間を過ごしてきた身としては水を差されたようで気分が悪い。

店から出た残飯や生ゴミを汚れた大きな手でむんずと掴み、次から次へと口の中に押し込んでいく。
痩せた太ももにハエが止まっても気にする事はない。今は目の前の食事が最優先のようだ。

はぁ…。嫌なものを見てしまった。俺は深くため息をついた。すると、貧乏野良エリーンがこちらに気づいた。
くぼんだ目をギョロギョロと動かしながらこちらを警戒している。それでいて咀嚼はやめようとしない。
コイツが店内にいる可愛いエリーンと同じ種族だなんて到底思えない。

貧乏野良エリーン「ン゛ンンン!ン゛ーー!!(モグモグ」

口をモグモグさせながら唸り声を上げてこちらを威嚇する貧乏野良エリーン。次の瞬間っ。――
貧乏野良エリーンは近くに落ちていた木の枝を拾ってこちらに向かって走ってきた。

スルリとかわす俺。メルムシュモン服が汚れたらどうするんだ。こっちは何もしてないだろうが。
攻撃をかわされた貧乏野良エリーンは勢い余って地面に突っ伏した。どんくさw

…ん、くんかくんか、、うっぷ!おえええ!くせぇ!コイツはくせぇぜ!!おえええ。
間違いなく貧乏野良エリーンの臭いだ。空気中にこびりつくようなとんでもない悪臭だ。
カフェでの上質なエリーンの残り香をいつまでも噛み締めていたかったのに…。

貧乏野良エリーン「…ングッ...ンガクック...グモッッグ..ン゛ンン!!」(ジタバタジタバタ)

悪臭漂う貧乏野良エリーンが地面に横たわって苦しんでいる。転んで痛かったわけでない。
食べていたものを喉に詰まらせてしまったみたいだ。あれだけ口に含んでおきながら大暴れをすれば当然だろう。
くぼんだ目を見開きギョロギョロさせている。眼球が飛び出そうで気持ちが悪い。
股をおっぴろげてビタンビタンと身体を跳ねさせて悶えている。ノーパンみたいだが、股は汚く真っ黒で色気もない。

いやー、これ以上関わると面倒な事になりそうなので俺はこの辺でお暇させて頂こう。
あーあ、興ざめだ。給料が入ったらまたエリーンカフェに行こう。そうしよう。ァーィ♪

――翌日、貧乏野良エリーンの遺体が路上で発見されたというニュースが飛び込んできた。
死因は窒息死。残飯や生ゴミを喉に詰まらせて死んだという。アイツだわ、あのまま死んだのか…。
ゴミを漁る貧乏野良エリーンなんて何処にでもいるので、ニュースにはならないと思ったんだが。
どうやらこの貧乏野良エリーンは近隣では有名なゴミ漁りの常習犯で、人を襲う事もあったらしい。

近隣住民は貧乏野良エリーンの死に手を叩いて喜んでいるんだとか。
拍手…か。エリーンカフェでの楽しいひとときの事を考えると何だか感慨深いものがある。
人生色々、エリーンも色々だなぁ…またみっくすじゅーちゅ飲みたいお><

おしまい。

806名無しさん:2015/12/12(土) 02:13:45 ID:NA6IQ39.
エレーン(最近、ずっと一緒に遊んでくれてたエルフさんが素っ気ない…何かしちゃったのかな?)

エレーン(今日は、回復が遅いってインサニが漏れたって怒られちゃった…エルフさん、何か嫌なことあったのかなぁ?いつもは怒らないのに)


エレーン(…もう一緒にダンジョンには行けないって言われちゃったなぁ。でも、またいつか仲良くしてくれるよね?きっと疲れてるんだ。
気分転換にヴェリカでお買い物しよっ!)

エレーン(あれ…エルフさんだ!そういえば、強化したいけど粉がないって言ってたなぁ。
ケルサイクいじめてた時の粉、残ってる。…渡したら、喜んでくれるかな?)


エレーン「あの、エルフさんっ!お久しぶりですね〜!」

エルフ「…はぁ」

エレーン「あのあの、これ、粉…使ってくださいっ!いっぱいあるので、おすそ分けです!
それで、あの、装備強くなったら…また、一緒に遊んでほしいんです…」

エルフ「あのねぇ、悪いんだけど…プリーン「エルフさん!お待たせデス!…あれ?そこのエレ()はどなたですかぁ?」

エルフ「…知らない子よ。行きましょう。」

プリーン「そうですよねぇ〜エルフさんがプリーストの劣化と組むわけないですもんねぇ〜♪」



エレーン(そっかぁ…そうだよね。私、プリーンさんみたいなバフも持ってないし、回復だって…)

エレーン(…ひとりぼっちになっちゃった。支援職なのに、支援する人がいないや。)


エレーン(これからは、がんばって回復します。バフも、漏らさずかけるよ。たくさん頑張るから、みんな、嫌な顔しないで…私もIDに連れて行って…エレ×なんて、言わないで。)



ファイター「そこのエレーン、あたしと組んでみない?」


今はファイターの姉御が相方です。
エレちゃんの時代が早くきますように
駄文長文すみませんでした、書いていいのかわからなかったけども

みんなエレちゃんと遊んであげてね!

807名無しさん:2015/12/12(土) 02:30:39 ID:onZ4LxdA
エレーンちゃんはハブらないよ!

だからおじさんの凰騎凱帝の大剣+15にいっぱいヒールしてね^^

808名無しさん:2015/12/12(土) 03:26:41 ID:zSTjVrZQ
エリーンカフェで盛り上げておきながらも安定の鬱展開
健気なエレーンちゃん可愛いよ ファイターさんからDVされなきゃいいけど

ところでオルカマンがエレーンちゃんをいやらしい目で見てるよ

809名無しさん:2015/12/12(土) 17:57:53 ID:P5w4XIQI
いいですね〜。最近、うちのエレーンは霊杖をつかないとろくに歩けなくなりましたよ。
涎垂らしながら「コッ…ゴァ!コッナ!コナー!ゴナァァ!!」って昼夜問わず大きな声を出すので困ってます。
名品粉を渡すと安心したように眠るんですが、ケルサイクが遺した傷痕は大きいです。

ところでカシュバルマンがエレーンちゃんをいやらしい目で見てますよ!

810名無しさん:2015/12/16(水) 19:11:36 ID:P5w4XIQI
エリーンちゃんの骨〜!ボーン!骨エリーン!ほねほねスーツぅぅう!おほーーーー!!

811名無しさん:2015/12/23(水) 18:46:15 ID:P5w4XIQI
新クラスのエリーンちゃんはウサ耳っぽいのにアホ毛がありますね、これは一体!ウサギじゃないのかな?おほーー!
ってことでクリスマスに因んでエリーンちゃんの可愛い戯れネタを投下します。

812名無しさん:2015/12/23(水) 18:47:04 ID:P5w4XIQI
〜エリーンのごっこ遊び 1〜

世間はクリスマスモードですっかり浮かれている。サンタ服やノエル服を着たエリーンがはしゃいでうるさい。
広場では蛍光のほねほねスーツを着たデブーンがお色気ポーズをとっていて気持ちが悪い。
ムチムチを通り越した贅肉だらけの太ももにだらしない三段腹。まるでグラのようだ。

骨のプリントがあるからといって決して痩せたわけじゃない事を自覚して欲しい。
むしろデブーンの贅肉によって骨のプリントが引き伸ばされ、せっかくの蛍光色が薄く見える。
無理矢理着たのか、太ももの内側が早くも破れ始めていた。ちょっと力んだらスーツが弾け飛びそうだ。

少しすると広場の焚き火にもう一匹、ほねほねスーツを着たおでこウサギエリーンが走ってきた。
白い息をハァハァと吐きながら焚き火にあたる。ほっぺたはりんごのように真っ赤になっている。
今ではすっかりほねりーんだが、このウサギエリーンは四六時中2012水着を着ている事で有名だった。
どうやらアバターは粗末な水着しか持っていなかったらしく、どんなに凍える日でも一張羅の水着だった。
だが、今年はほねほねスーツのおかげで幾分マシな冬を過ごせるだろう。ほんの僅かだろうが。

そんなほねりーんを良く思っていない連中がいた。サンタ服とノエル服のエリーンだ。
サンタエリーンとノエルエリーンは日常的にほねりーんの事をいじめていた。
人前で水着のパンツを下ろしたり、そのままどこかに隠したりして辱めていた。
水着だからと真冬でも川に突き落としたりもした。顔を強張らせて寒さに震えるほねりーんがとても愉快だった。

それがどうだ。デザインはどうであれ、今は最先端アバターを身に付けているではないか。
実に面白くない。水着しか持ってない貧乏クソエリーンのクセに。おでこの生え際が後退してきてるクセに。
生意気なほねりーんにはお仕置きが必要だ。サンタエリーンがニヤリとほくそ笑む。悪そうな顔だ。

焚き火にあたるほねりーんを見つけると、突き出たまあるいしっぽをむんずと掴み、強引に引っ張った。
ほねりーんは「ギョォォッ?!」と凄い声をあげる。よっぽど痛かったのかその場に倒れて身動きがとれない。
サンタエリーンは倒れているほねりーんの細いウサ耳を掴むと、薄暗い路地裏へと引きずっていった。

813名無しさん:2015/12/24(木) 02:18:21 ID:MKe/GYOo
ほねりーんがんばれえええ

814名無しさん:2015/12/24(木) 18:35:54 ID:P5w4XIQI
〜エリーンのごっこ遊び 2〜

――路地裏に入るとウサ耳を引っ張って壁際に無理矢理立たせ、大きな手で数回ビンタをかました。
りんごのように赤いほっぺたがますます赤く腫れ上がり、その様子を見てクスクスと笑う二匹の悪いエリーン。

路地裏に連れてきたのはリンチをする為だけではなかった。またもやニヤリとほくそ笑むサンタエリーン。
最近、エリーン達の間で流行っているごっこ遊びの実験台にしてやろうと考えていたのだ。
その遊びというのは"スタンごっこ"と呼ばれている行為で、故意にスタン状態を誘発させて遊ぶというものだ。
スタン状態になると一時的に幻覚を見たり、過去の記憶が蘇ったり、夢を見ているような感覚に陥るらしい。

普段、夢を見ないエリーン達にとってこの行為は手軽にそれらの疑似体験が出来るという事もあり、
話題が話題を呼んでちょっとしたブームになりつつあった。が、同時に問題も起き始めていた。
意識を失ったエリーンがそのまま無防備に倒れ、頭を打ったり口を切ったり前歯を折ったり…。
それだけならまだいい方で、脳に障害が残ったり死亡してしまうケースも多かった。
二匹の悪いエリーンも自ら体験してみたかったが、まずはほねりーんを使って大丈夫か試してみようと思った。

ほねりーんに大きく深呼吸をするように強要するノエルエリーン。サンタエリーンの腰巾着のクセに偉そうだ。
この二匹に詰め寄られてはほねりーんも屈するしかない。いつものようにいじめられるのだ。

ほねりーん「スーハースーハー」 ノエルエリーン「もっとしっかり深呼吸するデス!」ほねりーん「スゥーーハァァースゥーーハァァー」

深く息を吸い込むとほねりーんの胸囲が一回り大きくなる。プリントの肋骨部分も膨張する。
先程のデブーンとは違って華奢な身体にピタッと張り付いたスーツは何処か倒錯的だ。
息を吐き出すとシューッと萎んで元通りのぺたんこ胸に戻っていく。まさに胸式呼吸。

何度か深呼吸を繰り返すとほねりーんは頭がクラクラしてきたらしく、ウサ耳が"┐┌"のように折れ曲がる。
二匹の悪いエリーンはお互いに目を合わせてニヤリと笑う。そろそろ頃合いのようだ。

ノエルエリーン「息を止めるデス!」 ほねりーん「スッ...?!(゚ε゚)」サンタエリーン「せーの!」(ギュゥゥゥゥ)

サンタエリーンの大きな両手がほねりーんの小さな胸を強く圧迫する。驚いて身体を硬直させるほねりーん。
ギュゥゥっと胸を押し込むサンタエリーン。かなり力を入れてるらしく、歯を食いしばっている。
ほねりーんの胸はぺたんこだが柔らかく、肋骨のしなりがよくわかる。

(ゴ…ボギッ) ほねりーん「ッッコハッ!!」 サンタエリーン「フンス!フンス!」 ノエルエリーン「そろそろデス」

胸への圧迫が強すぎて肋骨が折れてしまったようだ。サンタエリーンは胸を押す事に夢中だったが、
ノエルエリーンが合図するとふわっと力を抜き、ほねりーんの胸から手を離した。

すると、ほねりーんは受身も取らずに勢い良く地面に突っ伏し、ガタガタと痙攣し始めた。
顔面を石畳に打ちつけたようで、2本の立派な前歯は見事に折れ、口からも鼻からも大量に出血していた。
生え際が後退し始めたおでこにも深い裂傷が広がっている。何針も縫うレベルの大怪我だ。
それでもほねりーんは痛みに苦しむわけでもなく、うつろな目で身体を痙攣させている。

一体、ほねりーんはどんな夢を見ているのだろうか。幼いあの頃の記憶を走馬灯のように見ているのだろうか。
その様子を黙って見つめる二匹の悪いエリーン。ゴクリと唾を飲み込む。

明らかに常軌を逸した事態。地面には意識を失い血まみれで痙攣を繰り返すほねりーんの姿。
まさかここまでの事が起きようとは。対象がほねりーんとはいえ、流石にやり過ぎてしまったのではないか。
二匹の悪いエリーン達の表情が徐々に険しくなっていく。

815名無しさん:2015/12/24(木) 19:30:38 ID:hjQGqNB6
続きあくしろよ

816名無しさん:2015/12/25(金) 18:57:33 ID:P5w4XIQI
〜エリーンのごっこ遊び END〜

ノエルエリーン「ぉ、ぉぃデス。」(トントン...) ほねりーん「……ァー…」(ガタガタガタガタガタ)

ムートンブーツを履いたノエルエリーンがつま先でほねりーんをつつくが、
小さくうわ言のような声を発しただけで大した反応は見せず、ひたすら痙攣を繰り返している。

サンタエリーン「…ショ…ショォ…。ショォ!ショォォォ!!」(ユサユサユサユサ) ほねりーん「…コッ…コボォ」(ガタガタガクガクガッタンガッタン)

いよいよ本気で不安になってきたサンタエリーンは血相を変えてほねりーんを揺さぶる。
この行為が良くなかったのか、ほねりーんの痙攣はますます大きくなり、口からは血と共に泡まで吹き出した。
相変わらず目はうつろだったが、瞳孔が開き始めていた。とても危険な状態だ。

ノエルエリーン「…に、にg…逃げるデス!」 サンタエリーン「ショォオ?!?!」ほねりーん「……」(ガッタガッタタタタ)

なんと、この場から逃げ出す事を提案するノエルエリーン。悪いエリーンだ。
日頃からいじめのリーダー的存在だったサンタエリーンは想定外の事態に取り乱し、言葉を忘れてしまっている。
いや、想定外ではない。こうなるかもしれないからほねりーんを実験台にしたのではないか。
想定外という便利な理由をつけ、自身の責任から逃げようとしているだけではないのか。

ノエルエリーン「ェ、エリーンちゃんは何も悪くないデデス!やったのはあんたデス!悪いのはあんたデス!」
サンタエリーン「?!ショ、ショォ〜チャ..チャチャーモルゥルゥショォ....メェー....ヘンメヘ....」

責任を押し付けるノエルエリーンと、パニック状態でわけのわからない事を言うサンタエリーン。
普段はオシャレをして、自分より弱いエリーンをいじめて粋がっていても、所詮はエリーン。この程度なのだ。

ノエルエリーン「エリーンちゃんは何も知らないデスから。さよならっデス!」(スタコラサッサー)
サンタエリーン「ヘンメヘ…メェ。。ミ...ミャア...」(...シビッ...シビビチチィィロロロロ...ツツツチロロォ)

とうとう逃げ出すノエルエリーン。救いようのないクソエリーンだ。
置いていかれたサンタエリーンはどうしていいかわからず、恐怖と不安でおしっこを漏らした。
ムチッとした太ももを伝って地面へと流れていくサンタエリーンのおしっこ。
サンタ服は元々スカートが短くておパンツ丸出しなので、お漏らしの事実を隠しようがない。

ほねりーんの血とサンタエリーンのおしっこが混じり、辺りに一層広がっていく。
地面に横たわるほねりーんにサンタエリーンのおしっこがまとわりつくと、痙攣で波が立った。
サンタエリーンは失禁による一時的な快楽に逃避しているようで、涎まで垂らしている。これはもうダメだ。

やがて、血とおしっこ溜まりの海には凪が訪れようとしていた。

ほねりーん「………」(ガクガクッガクッ...ビクビク...ビクンッ...ビクッ...ビッ………)

ほねりーんの痙攣が少しずつ収束していく。何度か小さく波を立て、その後ピタッと静かになった。

……。

罰ゲームで。興味本位で。遊び半分で。軽い気持ちでやってしまうごっこ遊び。
たかがエリーンのごっこ遊びだからといって侮ってはいけない。絶対にやってはいけない。

絶対にやってはいけない。

おしまい。

817名無しさん:2015/12/25(金) 18:58:17 ID:P5w4XIQI
クリスマスに続きを希望してくれるなんてありがたい限りです。
これでごっこ遊びネタはおしまいです。

818名無しさん:2015/12/26(土) 01:59:48 ID:R.dY/4Ho
ほねりーんてw失神ゲームはガチで危ないよ
ノエルエリーンは捕まえて個人的に胸を圧迫させてもらいますね

819名無しさん:2015/12/27(日) 17:37:47 ID:P5w4XIQI
エリーンちゃんはスタンごっこよりも復活したケルに夢中らしく「コナ!ゴナァッ!!」と奇声を発してケルを虐殺してます。
クリスマスは終わったけど、もう一つネタを書いたので投下します。

820名無しさん:2015/12/27(日) 17:39:32 ID:P5w4XIQI
〜続・干し芋クリスマス 上〜

未就学エリーンが暮らす貧乏集落にも冬が訪れ、今年も寒さに凍える日々を送っていた。
集落に住む何匹かの未就学エリーンは売りに出されたり、病死などで数が減った。
それでもキツネエリーンとイヌエリーンはしぶとく生き続け、無事にクリスマスを迎える事となった。
新聞紙を敷き詰めたダンボール箱の中で二匹は身を寄せ合い、ボロい毛布に包まって過ごしていた。

(ガッガラダッ)立て付けの悪い引き戸が開く。主人の帰宅だ。主人はあばら家の中に入ると深く息を吐いた。
家の中でも息が白く濁る。二匹は主人が帰宅してもダンボール箱から出ようとはしない。寒いのだ。

主人は古びた鞄から一つの小包を取り出すと、ダンボール箱の中で震える二匹に渡した。これはっ―
遂に来た!クリスマスプレゼントだ。我が家にもとうとうクリスマスがやってきたのだ。
喜びに打ち震えるキツネエリーンと、クリスマスが何なのかわからず、ただ寒さに震えるだけのイヌエリーン。

小包を乱暴に破こうとするが手が悴んでうまく動かず、痺れを切らしたキツネエリーンは小包に噛み付いた。
黄ばんだ前歯を剥き出しにして小包を噛み千切るキツネエリーン。鬼の形相だ。
主人は行儀の悪さを注意するが、まるで聞く耳を持たない。一年経っても相変わらずの性格だ。

破いた小包の中に入っていたのはパンダポポリのぬいぐるみだった。複雑な表情を浮かべるキツネエリーン。
ケーキなどのご馳走が入っているとでも思ったのだろうか。それにぬいぐるみは一つしかない。
主人は二人で仲良く遊ぶように言うと干した芋と柿を取りに軒先に出て行った。今年も干し芋クリスマスだ。

イヌエリーンは何故プレゼントが貰えたのか理解していなかったが、ぬいぐるみにはまんざらでもないようで、
寒さを忘れてダンボール箱から飛び出し、ぬいぐるみを抱っこしたり、手足を動かしたりして遊び始めた。

イヌエリーン「ポー..ポー!」「ミャァメェヨーゥ!」「ポー!ポー!」「キャハハハッ^^」 キツネエリーン「……。」

ぬいぐるみを動かしつつ声を当てておままごとをするイヌエリーン。とても可愛い。
今まではその辺に落ちてる石ころくらいしか遊ぶ物がなかったので、楽しくて仕方ないようだ。

(バッ!)―おままごとをするイヌエリーンからぬいぐるみを奪い取るキツネエリーン。

キツネエリーン「ンン!」(ダンッ)「ン゛!」(ドァン!)「ギョー!フンメ!!」(ブンブン!ベタンベタン)「ギィー!ギィー!」(ブギギィィ)

奪い取ったぬいぐるみを殴ったり床に叩きつけたり振り回したり水虫の足で踏みつけて痛め付けるキツネエリーン。
一体何が気に入らなかったというのだろうか。せっかくのプレゼントに対して酷い行いだ。

イヌエリーン「ペー(やめて」 キツネエリーン「メェ!(や!」 イヌエリーン「ペー(やめて」

イヌエリーンの制止の言葉は届かず、キツネエリーンは眉間に皺を寄せてこれでもかとぬいぐるみを痛め続ける。
今年もご馳走はなく、干し芋で貧乏で寒くて…やっと貰えたプレゼントはポポリぬいぐるみが一つ。
キツネエリーンのストレスの矛先はぬいぐるみに集中していた。当たれるものがそれしかなかった。
ぬいぐるみは早くも綿が潰れて偏りだし、ノクタニウムパンチを食らったクソパンダポポリのようになっている。

キツネエリーン「ンググィィ!ィーギィ!!」(ブチチッ...ビチッチチチ) イヌエリーン「ペ!ペーー!!」

まるで干し芋を噛み千切るようにぬいぐるみの頭に噛み付くキツネエリーン。首の縫合部がほつれ始める。
慌てたイヌエリーンがキツネエリーンを取り押さえようとするが、興奮したキツネエリーンを止められない。

821名無しさん:2015/12/28(月) 08:33:07 ID:LWoR8AaQ
続きあくしろよ

822名無しさん:2015/12/28(月) 16:37:58 ID:P5w4XIQI
〜続・干し芋クリスマス 下〜

イヌエリーン「ペー!」 キツネエリーン「チャーモ!!ンギョォ!!」(ダンッ) イヌエリーン「ォオワッ!!」(ズンッ!!ドガァタッテテ!)

しつこく迫るイヌエリーンに苛つき、思わず突き飛ばしてしまうキツネエリーン。
突き飛ばされてバランスを崩したイヌエリーンは食卓の角に頭をぶつけて倒れてしまった。凄い衝撃音だ。

その音にふと、我に返るキツネエリーン。手元には首から綿がはみ出たボロボロのぬいぐるみ。
食卓の傍には手足をピーンと突っ張ったまま横たわるイヌエリーンの姿があった。
出血はしていないようだが、ぼんやりと目を開けたままガタガタと痙攣している。脳に響いたみたいだ。

…やってしまった。自分はとんでもない事をしてしまった。過ちを自覚するキツネエリーン。
だが、どうすればいいかわからない。そもそも何がどうしてこうなったのかわからない。

キツネエリーン「…ェ..エゥエッ...ンチィ...ゥァアァァァン!ァア゛アゥン!ァン゙アァァ!ギョァァアン!!。・゚゚・o(>Д<)o・゚゚・。」

泣くしかなかった。ただ、その場に立ち尽くし大声で泣き喚く事しか出来なかった。
特徴的なアホ毛は萎れ、ケモ耳は垂れ下がり、乾燥でひび割れた頬を潤すように涙が流れた。

直後、異変に気づいた主人が息を切らして戻ってきた。白い息が短い間隔で吐き出されては消える。
主人は手に持っていた干し芋と干し柿を放り投げ、イヌエリーンに駆け寄った。
幸い、イヌエリーンはすぐに意識を取り戻し、後頭部に大きなたんこぶが出来たくらいで済んだ。

主人は泣き喚くキツネエリーンに一度平手打ちをした。ぴたっと泣き止むキツネエリーン。
"怒られる"、キツネエリーンはそう思った。だが、主人は何も言わなかった。
何も言わず、キツネエリーンをぎゅっと抱きしめた。とてもあたたかかった。

…その日の夕食はいつもより干し芋の枚数が多かった。干し柿も甘かった。おいしかった。
夕食を済ませるとイヌエリーンはダンボール箱に入り、すぐに眠った。大事をとっての事だろう。
キツネエリーンも同じダンボール箱に入ったが、襖一枚隔てた向こうにいる主人の事が気になって仕方がなかった。
だが、睡魔は次第にキツネエリーンをまどろみの世界へと誘い、次に目を開けた時には違う朝が訪れていた。

――今朝は一段と冷え込みが厳しい。イヌエリーンはしっぽを抱えるように身体を丸めて眠っている。
普段ならキツネエリーンよりも早起きして、外でおしっこをするのが日課なのだが。
ダンボール箱の脇には、歪ながらも愛嬌のある表情になったポポリぬいぐるみが置かれていた。
主人が夜なべして直したのだろう。途中で糸が足りなくなったのか、縫い目が粗くなっている。

キツネエリーンは上半身を起こすと、修繕されたぬいぐるみに気づきハッとした。
思わずぬいぐるみをぎゅっと抱きしめる。主人の匂いとぬくもりを感じた。

キツネエリーンが欲しかったものはケーキやプレゼントではなかった事にようやく気づいた。
一番欲しかったものはいつだってすぐ傍にあったのだ。そっと胸に手を当てるキツネエリーン。
冬の朝はこんなに寒いのに、心はポカポカしている。萎びたアホ毛に元気が戻っていく。

"イヌエリーンが起きたらごめんなさいしよう。そして、ご主人様にありがとうと言おう。"

キツネエリーンの心が育っていく。

823名無しさん:2015/12/29(火) 05:31:03 ID:e3FpqaQY
( ;ω;)イイハナシダナー
続きサンクス

824名無しさん:2015/12/29(火) 13:32:07 ID:ZWhHoZ.s
もういくつ寝るとお年玉セビリーンの季節ですね

825名無しさん:2015/12/29(火) 17:04:49 ID:P5w4XIQI
〜続・干し芋クリスマス エピローグ〜

ダンボール箱から飛び出たキツネエリーンは朝食を作る主人の元に駆け寄った。
モジモジしながら主人の方をチラチラと見るキツネエリーン。中々言い出せないようだ。
それでも主人は急かす事もなく腰を落とし、キツネエリーンと同じ目線で向かい合った。

キツネエリーン「……ァ、ァー…ァーィガォ..ァーィガトォ!//」

主人はとても嬉しそうに微笑み、キツネエリーンの頭を撫で、ぎゅっと抱きしめた。
キツネエリーンも嬉しかった。言えた。ちゃんと感謝の気持ちを言えた。心がポカポカする。
学校には行きたくないし、勉強も大嫌いだから敢えて避けてきた"言葉"というコミュニケーション。
それでも主人は日頃から基本会話をしつこく教えようとしてきた。今ようやく意味がわかった。

イヌエリーン「…ァーペー」

いつの間にか目を覚ましたイヌエリーンがこちらを見ている。キツネエリーンの胸が再びドキドキし始める。
キツネエリーンの背中を押す主人。今度はイヌエリーンと向き合う番だ。

キツネエリーン「…ミャァショォルゥル…ゥィゥィウィ」何かを言いかけて首を振るキツネエリーン。これでは意味がない。
これからの為に、これからの言葉でちゃんと言わなければいけないのだ。

キツネエリーン「…ゴェ,,ゴンメ...ミャァ...ゴメンェ!....ゴメンァ…サィ...ゴメンァサィ!!」
イヌエリーン「……?...ンー?....ペ……ァーィ♪ァーィァーィ♪」(ギュッ)

必死に言葉を紡ぎ、昨日の事を謝罪するキツネエリーン。
それに対して首を傾げつつも何とか意味を理解したイヌエリーンはァーィと元気良く答えると、
キツネエリーンにぎゅっと抱きついた。先程のキツネエリーンと主人の様子を見ていたのだろう。

キツネエリーンは勿論、イヌエリーンも嬉しかった。難しい事はわからないけど、嬉しかったのだ。
そんな二匹の様子を幸せそうな表情で眺める主人。今この瞬間、ようやく家族になれたと思った。

主人は心から誓った。これからもこの子達を守っていこうと。生活は苦しいけどがんばろうと。
さぁ、朝食にしよう。あたたかいスープを一緒に飲もう。ここからまた始めよう。
もっと働いて来年はケーキを買って、プレゼントも二つ用意して…悲しい思いをさせないように。
…その前にお年玉の準備もしておかないと。。

キツネエリーンは思った。自分勝手はもうやめようと。
守られるだけではなく、大好きなご主人様を支えられるような存在になろうと。まずはお勉強だ!
イヌエリーンと一緒ならきっと出来る。これからは仲良く生きていこうと。

イヌエリーンはみんなと一緒に暮らせるのならそれで良かった。貧乏でも干し芋でも良かった。
キツネエリーンの事もご主人様の事も大好きだった。


――イヌエリーンが亡くなったのは年明け早々の事だった。

完。

826名無しさん:2015/12/29(火) 17:18:34 ID:P5w4XIQI
これで年内のネタ投下は最後です。未就学エリーンのこの二匹が出てくるネタもこれでおしまいになります。
今年もこんな妄想に付き合ってくれてありがとうございました。またしばらく潜伏しようと思います。

お年玉セビリーンも可愛くていいですね。毎年15万金くらい貰える富豪エリーンと2金程度の一般家庭エリーン。
初詣にやってきたエリーン達はお年玉の金額を自慢し合い、ドヤ顔で一般家庭エリーンを見下す富豪エリーン。
たまりませんね。来年はエリーンちゃんの新クラスもあるみたいだし、妄想が捗りますね。

827名無しさん:2015/12/29(火) 20:02:23 ID:hQ0DtnbI
うわぁぁあ何故死んだぁああ!!
頭打ったから!?
これはないよぉお(´;ω;`)ブワッ

828名無しさん:2015/12/30(水) 04:12:21 ID:Q8LC3hKw
( ;ω;)イイハナシダナーと思ってたら最後死なせる鬼畜や

829名無しさん:2015/12/31(木) 02:32:17 ID:ORnziyfI
この二人のシリーズ好きだったのに…年末に鬼畜すぎる展開
頭打ったからだね すぐ寝たり起きなかったりしてるし
とりま今年も乙!楽しませてもらった できたら続きが欲しいかな

830名無しさん:2016/01/07(木) 19:21:39 ID:P5w4XIQI
ああけおめーーあああニンジャリーンちゃんおほおおおお!!!アホ毛おさげウサ耳おほおおおお!
ニンニンデス!シュッシュッシュデス!絶対かわいいいいあああ!すいとんの術で溺死!どとんの術で埋葬!

まさか自分もイヌエリーンが死んでしまうとは思ってなかったです。妄想が物語に引っ張られたって感じがしてます。
イヌエリーンの死後の妄想も浮かんでますけど、ひとまずこの二匹のシリーズはこれで完結です。自分もこの二匹が好きでした。

831名無しさん:2016/01/07(木) 19:51:15 ID:tgvL3vYo
(´・ω・`)自分で何言ってんねん
(´・ω・`)キャラが歩き出したってやつかな

832名無しさん:2016/01/07(木) 20:54:18 ID:IhX6R.lQ
忍者ヲリーンと忍者リパーンの立場が危うい

833名無しさん:2016/01/08(金) 01:56:04 ID:T4lwk5D.
ファイター実装でヤリーンが路頭に迷い、今度はヲリーンの番かな
ポニテ猫エリーン可愛過ぎでしょ
新しい髪型は全職で使えるんだよね?リパーンの時みたいに

834名無しさん:2016/01/14(木) 19:53:02 ID:P5w4XIQI
格闘服の裾がボロボロ!もっといろんな所がボロボロだったら!貧乏野良エリーンになったのに!布一枚羽織っただけのびんぼりーんおほーー!!

835名無しさん:2016/01/15(金) 14:26:50 ID:uPc3Phug
格闘服をご主人様に貰ったのか調子に乗ったエリーンが勝負デスとか言ってきたのでボコボコにした
鼻血ダラダラ流しながらゴベンダザイとかユルジデ...ユルジデ...とか煩いから服をビリビリに破いて黎明の島に放り出しといた

836名無しさん:2016/01/15(金) 17:28:26 ID:P5w4XIQI
おほー!それ最高です。ドヤ顔で勝負を挑んできたもののサンドバッグ状態になって命乞い。
ゲーム内でまだ格闘エリーンを見た事がないんですが、妄想が掻きたちますね。みんな島流しにされたのでしょうか。

837名無しさん:2016/01/16(土) 00:57:47 ID:J.Nc5B6U
>>835氏の書き込みに触発されて我慢出来なくなったので一つ書きました。
クソポポリが着てるのは見たんですが、エリーンちゃんの格闘服姿が中々拝めません。おパンツが見たいのに…。

838名無しさん:2016/01/16(土) 00:58:36 ID:J.Nc5B6U
〜格闘エリーンの顛末〜

ファイターの登場はアルボレア中を震撼させた。こんなに強いヒュマ♀が存在していたとは…。
盾も火力もこなせる万能なファイターはPvEでもPvPでも歓迎された。
それを見ていたヤリーンはシャウトしてパンツを見せ付けるが誰にも相手にされず、盾を地面に叩き付けた。

マイペースなヲリーンは戦闘態勢のままゆらゆらと揺れたり、「ハ!ホ!ヘ!ヤ!ヘ!」とガードを連打して遊んでいる。
シノビーンが登場したらヲリーンものんびりしていられないだろう。

そんな中、ファイターの強さに憧れたエリーンが格闘服を着て修行()していた。
見様見真似で「シュッ!シュッシュ!チッ!ゥン!チッ!ハッ!」と変な声を上げて拳を突き出している。
アルカイの卵を生で飲み込んだり、何故か突然「ェィドリアーィ♪」と叫んだりしている。
大した覚悟もなく、ファッション感覚でこの様にふざけた事をしてしまうのがエリーンなのだ。

修行を終えた格闘エリーンは、額の汗を拭うとニヤリとほくそ笑んだ。どうやら強くなったと勘違いしているようだ。
思い込みの力というのは行動を大胆にさせる。自身を信じて疑わないからだ。

格闘服が実装されてからはこのようなアホエリーンが増加しているらしく、問題も起き始めていた。
気が大きくなった格闘エリーンが至る所で喧嘩を売っているのだ。
片方だけ口角を上げ、人を見下したような表情で「勝負デス」などと言って相手を挑発するんだとか。

だが、所詮はエリーンのおままごと。大半の格闘エリーンはそのまま返り討ちにされた。
鼻血を流しながら土下座し、命乞いをするというのだから傑作だ。
額を地面に擦り付けて許しを請うが、世の中そんなに甘くない。先に喧嘩を売ったのは格闘エリーンなのだ。
ズタボロの格闘エリーンは自慢の格闘服すらビリビリに破かれ、島流しにされたそうだ。

今回の格闘エリーンも案の定返り討ちにされた。既に身包みは剥がされ、素っ裸になっている。
細い腕に薄い上半身。プニプニのお尻、太もも…修行が聞いて呆れる。ただのクソエリーンだ。

ただでさえ大きな顔は倍近く腫れ上がっている。瞼には大きな青タンが出来ており、鼻もへし折れている。
顎が外れ、ポカーンと口を開けたままダラダラと血を流している。前歯も数本やられているようだ。
マウスピースもヘッドギアも付けていなかったので、ご覧の有様だ。

「ゴェ...ゴーェァィ..ェッエッ..ゴェゴォ...ァィ...ァゥェヘ..ェゲヘ..ェェァェ..ァゥァェ..ヒッイ!..ゴォェ」
必死に命乞いをするが、顎が外れている為にうまく喋る事が出来ず、大きな手を合わせて許しを請う。
素っ裸でじゃがいものような顔のエリーンが手を合わせて泣きながら命乞いをしている。無様にも程がある。
何が格闘エリーンだ。この無様さにもまた腹が立ってくるというものだ。

その後、格闘エリーンはしっぽをギュッと掴まれて気絶した。実に容易い。
大人しくなった格闘エリーンはそのまま引きずられて何処かへ消えていった。
恐らく、この格闘エリーンも島流しにされるのだろう。害を成すクソエリーンはこうして処分されるのだ。

最近、某島には強いモンスターが生息するようになったという。
腕に自信のある冒険者ならば、そのような場所に行っても活躍出来るだろうが、格闘エリーンはド素人だ。
モンスターに踏み潰されるか、おもちゃにされるか、おやつにされるか…いずれにせよ死が待っている。

そして、わざわざその様子を見る為に島を訪れるマニアもいるらしい。
素っ裸でキズだらけのエリーンが、モンスターに追い掛け回されて死んでいく様がたまらなく愉快なんだとか。
過疎が懸念されるアルボレアだが、エリーンがいる限り、まだまだ楽しみは尽きそうにない。

おしまい。

839名無しさん:2016/01/16(土) 01:30:37 ID:tONA0sgE
(´・ω・`)そのマニアって君じゃないの

840名無しさん:2016/01/26(火) 22:23:51 ID:J.Nc5B6U
ニンニーンちゃん可愛いよおおほーーー!

841名無しさん:2016/03/09(水) 15:30:24 ID:JSybVeDU
わあああ!!待機中にァーィ...ンーフ,ンー...とかンッ!とか言う!バカみたい!かわいすぎる!死んだ!

842名無しさん:2016/03/09(水) 23:00:32 ID:JSybVeDU
〜エリーンレポート「くノ一見参」〜

とあるエリーン研究所でバイトを始めた。友人からはエリーンに深入りするのはやめておけとも言われたが。
バイトの面接ではやたらと身辺の事を訊かれて驚いたが、時給の高さに惹かれて早速初仕事となった。

ヴェリカの広場で待つ事数分…そろそろか。「ンッ!」「ァーィ...ンーフ.ンーッ」「ホッ!ヨッ!」「ウンッ!チッ!ハァー!」
声の正体が物凄い勢いでこちらへと近づいてくる。そう、今日はくノ一の実装日だ。
俺はくノ一なる存在を調査する為に派遣されたというわけだ。

そうこうしてる内に広場は例のくノ一によって埋め尽くされようとしていた。
わー、これは凄い。シノビーンだかクノリーンだか知らないが、とんでもない数のエリーンが広場に押し寄せる。
しかも、多くのエリーンが同じ髪型、同じような顔をしている。なんという量産型クノリーン。

急いでるのか、ペガサスやら馬やら鳥やらにまたがって狭い通路を全速力で駆け抜けていく。
中には騎乗ペットがメールで届いてる事に気付いていないのか、テッテッテと走ってるクノリーンもいた。
そんな鈍臭いクノリーンは言うまでもなく、馬やら鳥やらにはねられ、引きずられていく。

試しに焚き火を置くとわらわらとクノリーンが寄ってきた。街灯に群がる虫のようだ。
エリーン特有の乳臭さと獣臭さが入り混じった独特の臭いが漂ってくる。正直、クサい。

みんな同じ顔かと思ったら、よく見るととんでもないブスーンも混じっているじゃないか。
最新の髪型をしてるくせに顔が酷い。眼球が飛び出そうなくらい目が大きかったり、逆に糸目だったり、
出っ歯だったり、顎がしゃくれてたり、エラ張ってたり、豚みたいな鼻で泣きべそかいてるクノブスーンもいた。

そんなクノブスーンが一丁前に「ンッ!」とか「ァーィ..ンーフ.ンーッ//」とか言って媚びた真似をしてくる。
こちらに向かってピースなんかしてきやがる。かーっ、笑顔がキモい。主に歯茎がむき出しでキモい。
自意識過剰にも程がある。エリーンに深入りするなっていうのはこういう事か。実に腹が立つ。

なんだよ、クノイチーンだかニニーンだか知らないが、ただのウザいクソガキじゃないか。
わらわらと湧いてきやがって。こいつら忍ぶ気ゼロじゃないかよ。自己アピールが過ぎるぞ。
それにクノリーンは技名を叫ぶってきいてたから、利口で話のわかる奴かと思ってたのに、何がンッ!だよ。
やっぱりお金をかけて一から教育してやらないと利口で可愛いクノリーンには育たないという事か。

…ん?何か臭い。乳臭さでも獣臭さでもない。こ、これは…うんこの臭いだ!!
な、なんと!広場のど真ん中で堂々とうんこをしてるクノリーンがいた!こいつはくノ一ならぬ、くソ一だ!

突っ立ったまま目を見開き、前歯で下唇を噛んで思い切り力むクソイチーン。何がウンッ!チッ!だよ!そのものだよ!
急いでヴェリカまで来たもんだから、トイレに行く暇がなかったんだろう。だからってこんな所でするなよ!
片方だけぺろっと折れ曲がったウサ耳をワナワナと震わせ、サイコロ状のうんこをポテポテと排泄している。

うんこを出し終えるとホッとしたのか、今度はおしっこまでその場で垂れ流し始めた。
表情が緩んでいく様をまじまじと見つめる俺。流石にドン引きだ。
すると、そんな俺に気付いたのか、ウサ耳クソイチーンは俺に向かって「ンッ!」とピースしてきやがった。

このクソガキ!バイトだからって俺をナメてるんだろ!!一発引っ叩いてやる!…って、おわああ!!
ウサ耳クソイチーンに助長されたのか、気付けば焚き火の周りでも用を足し始めるクソイチーンが!
しかも、クソイチーンとは関係ないアホ面のヲリーンまでパンツを脱いで力み始めた。

もうこんな所にはいられない!くソ一なんて文字通り糞喰らえだ!あばよ!!

おしまい。

843名無しさん:2016/03/10(木) 12:16:10 ID:3n2UVcFw
汚い

844名無しさん:2016/03/10(木) 16:09:31 ID:GoK0i3NA
草生える
ほんとプリセットの奴そのままのくのいち居るわ

845名無しさん:2016/03/18(金) 02:40:15 ID:JSybVeDU
〜エリーンレポート「続・くノ一見参」〜

前回、バイトを途中で放り出した俺だが、今日もまたヴェリカでくソ一…くノ一の観察を行っている。
クビを覚悟で研究所に戻り、所員にあの日の事を洗いざらい話したわけだが、
所員は俺の報告に大変満足したようで、"次回も頼む"と肩まで叩かれてしまった。

しかし、ヴェリカにも空っ風が吹くようになってしまったか。寒くて仕方がない。
焚き火を置いてくノ一を観察しているが、これがまた酷い。とにかくうるさいのだ。

「ン!」「ンッ」「ァーィ..ンーフ,ンーッ//」「ンッ」「ァーィ..ンーフ,ンーッ//」「ン!」「ンッ」「ンッ」「ァーィ..ンーフ,ンーッ//」「ンッ!」

Ahhhhh!!うるさいうるさい!本当にうるさい!媚びへつらいやがって!本当に忍ぶ気ゼロなのな!お前ら!
お前ら9時間ずっとそうしてるつもりなのか?チャクラ玉が欲しいか?エレーン捕まえてイクラぶつけさせるか。
たまに「アッチデス!」とか教育済みのくノ一の声も聞こえてくるが、そんな事はどうでもいい!!

鼻にかかった声でンッ!とピースサイン!エリーンちゃん自慢のスマイルが炸裂ってか?アホか。
おにんにんだかエニーンだか知らないけどさ。バカの一つ覚えにも程があるってもんだ。
かと思ったら、顔を伏せて照れる素振りまでしてさ。途中でチラチラとこっちを見てるのも知ってるんだよ!
何がァーィンーフンーだよ。そうすれば可愛いって言って貰えるとでも思ってるのか?クソイチーンめ。

しかも可愛くないし。新しいメイクをしたけど、元々の顔がブスで結果的に酷い事になってるブスーンが多い。
とか思ってたら、焚き火の周りにおかめみたいな顔したクノブスーンがやってきた。
ちょこんと座ると、キティちゃんのリュックをこちらに見せ付けてニチャァと微笑んだ。キモすぎる。
くノ一服にリュックだけキティってのもなんかな…ボックスから出て嬉しかったんだろうけど。

リュックからメリサの愛情弁当を取り出すと「ニンニン」と呟き、九字を結ぶ。デカい手だな…。
パカッと蓋を開けると、中に入っていたのはパンプキンマフィンだった。
「チッ...」こいつ今舌打ちしたぞ!どうやらカボチャが好きではないようだな。贅沢者め。
クノブスーンはしかめっ面で立ち上がり、リュックを背負うと、マフィンを焚き火にくべて去っていった。

こいつ!!バイト生活の俺をナメてんのか!一発引っ叩いてやる!と思ったら、
焚き火からマフィンのイイ香りが…。うっ!……クソ!!…あちっ、あちちち…ほっ、よっ!っと。
…俺は焚き火に手を突っ込んでマフィンを回収した。多少焦げているが、むしろこの方がうまい。

モグモグ…うまい。俺はクノブスーンが捨てたマフィンを乞食してしまった。酷い自己嫌悪に陥る。
すると、身なりの汚いウサギエリーンがこちらに近づき、食べかけのマフィンを指差してきた。指が長い。
貧乏野良エリーンだ。くノ一の登場で影が薄くなっていたが、こんなエリーンもいるんだっけな。

臭いな…さっきまではマフィンのイイ香りが鼻をくすぐっていたというのに…。貧乏野良エリーン臭過ぎ。
流行のおさげウサギエリーンではなく、おでこウサギエリーンだが、おでこが広いというよりハゲている。
髪はベタベタで、残り少ない髪がおでこにベッタリとはり付き、まるで海岸にうちあげられたワカメのようだ。

こういう手合いには関わらない方がマシだ。俺はマフィンを地面に置き、焚き火から離れた。
野良に施しをしたと思われると、更に別の野良が湧いたり、あれこれ要求されたり、何かと面倒だからだ。
それに元々はクノブスーンが捨てていったマフィンだ。エリーンから始まり、エリーンに還るのだ。(意味不明

「ンッン!ン」「ン」「ン!」「ァーィ..ンーフ」「ン!」「ンーフ..ンー//」「ンッ」「ン!」「ソ!」「ァーィ..ンーフ.ンー//」「ン!ン!ン!」

って、うるせええええ!!やっぱりもうこんな所にはいられない!9時間ずっとそうしてろ!あばよ!!

おしまい。

846名無しさん:2016/03/22(火) 02:37:59 ID:GoK0i3NA
> 「ン!」「ンッ」「ァーィ..ンーフ,ンーッ//」「ンッ」「ァーィ..ンーフ,ンーッ//」「ン!」「ンッ」「ンッ」「ァーィ..ンーフ,ンーッ//」「ンッ!」


これほんとに鬱陶しいんだよなぁ

847名無しさん:2016/03/24(木) 08:38:18 ID:hQ0DtnbI
ほんとうるさいよね…開発め余計な事を…

848名無しさん:2016/03/27(日) 17:03:04 ID:vfjZNRWI
しょんべりーんが元気そうで何より
久しぶりに投下するですよ

849名無しさん:2016/03/27(日) 17:04:25 ID:vfjZNRWI
忍者ヲリーンとにんにーん

暗い夜の森の中を疾走するエリーンがいた。
黒い忍装束に黒笠、狐の面・・・忍者ヲリーンだ。
ある村の近くにアルゴンが集結しているとの情報が入ったため
主人の命により偵察任務に向かうところだった。
森の中頃に差し掛かった辺りで解り易過ぎる殺気を感じとっさに飛退いた。
カッ、カカカッ!!
地面にクナイが突き刺さる。
「むむむっ!このえりーんちゃんのクナイを避けるとはただものじゃありませんね!?」
声の主へと目を向けるとそこには派手な桃色の忍装束で着飾ったにんにーんがいた。
「このあたりにあやしいヤツがいるって聞いたからきてみればにんにーんちゃんのコスプレをしたヲリちゃ
ん()デスwwwきゃははははwww」
何がおかしいのか笑い転げるにんにーん。
典型的なあほりーんなのかもしれない。
「に、にんにーんちゃんがかっこよくて可愛いのは当然デスけど、忍装束着ても結局はただのコスプレデス
よwww」
忍者ヲリーンは構えを解き、にんにーんを無視してさっさと進むことにした。
「あっ!こら!待つデスよ!」
すぐさま進路をふさぐにんにーん。
「この先には行かせませんよ〜!」
手裏剣を構え襲い掛かるにんにーん。
「見切れるデスか〜?」
あほりーんだがよく訓練されたくノ一のようだ。
素早い身のこなしで一気に忍者ヲリーンとの間合いを詰めて来た。
「それそれそれ!」
並みの兵士ならかわし切れないような高速の剣さばきだ。
だが、忍者ヲリーンはひらひらと難なくかわしていく。
「むぅ〜ちょこまかと〜!」
だんだんとイライラを募らせていくにんにーん。
「なんで当たらないんデスか〜!><」
当然である、忍者ヲリーンが潜り抜けてきた修羅場の数は段違いなのだ。
格が違う。
「もうぅううう!!!これならぁああああ!!!」
にんにーんは全力で切りかかる!神速閃だ!
ガッ
「えっ?うひゃぁあああああ・・・ぶべっ!」
忍者ヲリーンは神速閃すらもさっとかわし、にんにーんに足を引っ掛けたのだ。
バランスを崩し顔から地面にすっころんだにんにーん。
「ふぇぇぇ」
鼻血を出し、泣きながら起き上がるにんにーん。
「何なんデスか!あなたはぁ!もう!!!ひっくひっく」
べそをかき、地団駄を踏みながら吠え立てるにんにーん。
ここまで来ると最早そこらにいるあほりーんと何も変わらない。
スッ
忍者ヲリーンの双刀の切っ先がにんにーんののど元へ向けられる
「っ・・・!」
視線を忍者ヲリーンへ移すにんにーん。
狐の面で表情は全くわからないがにんにーんへ向けられる強烈な殺気で背筋が凍りつきそうになる。
両足はガクガクと震え上がり、奥歯がカチカチと音を鳴らす。
心の奥底から湧き上がる言いようのない不安、恐怖。
忍者ヲリーンはやや呆れたように
「忍びの里の質も大分落ちたようデスね・・・」
と呟いた。
ハッとした表情でにんにーんが問いかける。
「忍びの里は王国内でも一部の者しか知らない非公認組織デス!なぜ貴女がそれを・・・!?」
忍者ヲリーンは静かに双刀をしまい
「さぁ」
とだけ言い残し森の中へと消えていった。
「あ・・・ああ・・・」
ぺたんとその場に崩れ落ちるにんにーん。
ジワァと股間に染みが広がり尿溜りが出来ていく。
「あの人はまさか・・・」
ポツンと取り残されたにんにーんを青白い光を放つ大きな月が照らしていた。


おしまい

850名無しさん:2016/03/27(日) 17:08:50 ID:vfjZNRWI
アサシンリパーンとにんにーん

アルゴンに蹂躙されたと思われる街道を駆け抜けるエリーンがいた。
真っ黒なアサシンスーツと黒ネコ耳カチューシャという意識の高い衣装に身を包んだリパーンだ。
主人からある村へとアルゴンが集結していると情報が入ったため偵察任務を命じられたのだ。
義勇兵だろうか街道のあちこちに死体が転がっていた。
「酷い有様デスわネ・・・」
パンピリーンであれば目を背けるかその場で嘔吐、失禁してもおかしくないような凄惨な光景だ。
「間に合えば良いデスけど・・・」
リパーンは少し思案する。
村へ向かうには今進んでいる街道か村の南部に広がる森を抜けていくことになる。
街道を進むのが最も早く到着するがアルゴンと鉢合わせする危険性も高い。
一方森は大回りしなければならないが身を隠すにはもってこいだ。
ただし、当然森の中にも危険は多い。
仮にアルゴンがいなかったとしても野獣や危険なモンスターも生息している。
「なるべくなら安全に行きたいところデスけど目立つわけにはいきませんものネ。」
意を決し森を抜けていくことにしたリパーン。
そしてしばらく森を進むと殺気を感じとっさに飛退いた。
シュルルルルッ!!
目の前を手裏剣が飛びぬけていった。
「むむむっ!このえりーんちゃんの手裏剣を避けるとはただものじゃありませんね!?」
声の主へと目を向けるとそこには派手な桃色の忍装束で着飾ったにんにーんがいた。
「このあたりにあやしいヤツがいるって聞いたからきてみれば・・・なんだか、ダンボールを被りそうなリー
パーちゃんですねwww」
全く忍ぶ気配もなくお腹を抱えながら笑い転げるにんにーん。
やはりアホの子なのだろう。
リパーンは少しムスっとした態度で答える。
「失礼な子デスわネ。私、変な無線も持ってなければ珍妙な少佐も知り合いにはいませんわ」
一体何のことだろうか・・・。
「まぁ良いデスわ。私、任務の途中デスの。失礼させてもらいマスわ。」
サラサラのショートヘアーを優雅にかき上げながら立ち去ろうとするリパーン。
ふわっと香るシャンプーの香りがたまらなく欲情を誘う。
まさに魔性のリパーンだ!お持ち帰りしたい!
「あっ!こら!待つデスよ!」
慌ててリパーンの進路をふさぐにんにーん。
「この先には行かせませんよ〜!」
手裏剣を構え襲い掛かるにんにーん。
「えいっ!えいっ!え〜いっ!」
陽気な掛け声とともに繰り出される高速の剣さばきを飛鎌ではじくリパーン
「ふふふ〜なかなかやるデスね〜」
自分の方が優位にいると感じたのか気の大きくなったにんにーん。
「見切れるデスか〜!?」
次々に繰り出される大技をかわし、はじいていくリパーン。
「これで止めデス!」
一気に詰め寄るにんにーん。
驚いたような表情のリパーンににんにーんが迫る。
その瞬間、リパーンが妖しい笑みを浮かべる。
ジャラジャラジャラジャラ!
ギュウウウウ
「ふぇ!?」
なんとリパーンの飛鎌の鎖がにんにーんを締め上げた。
「うっ・・・クッ・・・」
クスリと微笑を浮かべながらにんにーんに近寄るリパーン
「ふふ、残念でしたわネ」
にんにーんは吊るし上げられた状態で身動きが取れなくなってしまったが必死に身をよじり抜け出そうとす
る。
「くっ・・・この・・・」
リパーンはそっとにんにーんの頬に手を添え優しく撫でる。
そして妖しい笑みを浮かべながら
「よく見たらずいぶんと可愛らしい娘デスのネ・・・ふふふ」
このリパーン普段は主人一筋だがどうやらレズっ気もあるようだ。
頬を赤らめながら抵抗するにんにーん
「な、何を・・・!?」
リパーンのしなやかで柔らかい手がにんにーんのまっ平らな胸に触れる。
「ひぅ!」
身をよじるにんにーん
リパーンは小さな舌でにんにーんの首筋を舐める。
「うふふ・・・可愛いデスわぁ。お持ち帰りしたい」
そしてリパーンの手がにんにーんの下半身へと延びる。
「ま、待って!そ、そこは!」
にんにーんの褌の隙間からリパーンの指先が今まさに秘境へと触れようとした瞬間
ボンっ!
変わり身の術で鎖から抜け出したにんにーん
間一髪だった。残念だ・・・(´・ω・`)
「お、覚えてなさいデス!この破廉恥リーパー!!!」
にんにーんはチープな捨て台詞を残し物凄い勢いで逃げていった。
リパーンはにんにーんの逃げていったほうを見つめ
「ふぅ・・・残念でしたわ」
と少し大げさに肩をすくめた。
「さて・・・任務に戻りま・・・!?」
任務に戻ろうとしたリパーンは気がついてしまった。

この感じ・・・まさか・・・


おしまい

851名無しさん:2016/03/27(日) 23:41:12 ID:JSybVeDU
あああ〜いいよいいよ〜!!書きたくなっちゃうーーおほーー!!
忍ぶ気ゼロでピースサインしちゃうくらいだからアホに決まってるよぉ!
うちの子は9時間殴られ続けて完全に頭がイカれてしまい、涎垂らしてンーフーァーァー言ってます。

852名無しさん:2016/03/28(月) 22:27:56 ID:uevAa0X.
続き投下〜

忍者ヲリーンとアサシンリパーン〜邂逅〜

不自然な程静かな暗い森の中を動く影があった。
アルゴンが集結しているという村へと疾走する忍者ヲリーンだ。
途中、邪魔が入ったが蹴っ飛ばしてきた。
もう少しで村に着くというところでまたもや殺気を感じ足を止める。
今度は何か懐かしい気配だった。

ジャリ・・・ジャリ・・・

現れたのはいつかのアサシンリパーンだった。
「御機嫌よう。お久しぶりデスわネ」
やや緊張した面持ちながら笑みを浮かべ優雅に挨拶をするリパーン
そしてスッと静かに飛鎌を構える。
「あの時の・・・」
忍者ヲリーンも刀を構える。
ひゅぅううう
吹き抜けた風が合図だった。
ガキィン!キィン!
互いの刃がぶつかり合う音が木霊する。
「はっ!それっ!」
中距離からトリッキーな技を繰り出すリパーン。
「ふっ!やぁ!」
対して間合いを詰め多彩な技で応戦するヲリーン。
一進一退の攻防が続く
「はぁああ!」
ヲリーンはダッシュスラッシュで一気に間合いを詰めにかかった
とっさに飛退くリパーン、しかし、木の根に足を取られつまづきそうになる。
「キャっ!?」
それを見逃さなかったヲリーンはすぐさまリパーンの背後に回り込み、突きを放つ!
だが、外れた。
なんとリパーンは片方の飛鎌を頭上の木の枝に引っ掛け上空に避けたのだ。
「くっ、ふぅうう!」
互いに距離を取り、様子を伺う
先に仕掛けたのはリパーンだった
両方の飛鎌で左右から斬りつける、デスクリーブだ。
左右の鎖から衝撃を感じた。
「っ!」
リパーンは目を疑った。
右の飛鎌はヲリーンの刀によって木に打ち付けられ、左の飛鎌はヲリーンに受け止められていたのだ。
グイッ!
「えっ、きゃあああああ!」
飛鎌を引っ張られヲリーンの目の前に引きずりだされた。
目の前には冷たい輝きを放つヲリーンの刀・・・
「ひっ・・・」
ここまでか・・・
「マスター・・・申し訳ありませんでした。」
そっと目を閉じ覚悟を決めた瞬間、大地が揺れた。
村の方角を見ると炎が上がっている!
「まさか・・・アルゴンが!」
するとヲリーンが何かに気がつきとっさにリパーンを抱えて飛退いた。
ズズズズゥウン
「フォッ!フルッァアアアアッシュ」
理解できない声を上げて現れたのは巨大な体躯のアルゴン
「あれは・・・アカカラシュ!」
忍者ヲリーンは木の幹に突き刺さった自分の刀を引き抜き、飛鎌をリパーンに投げ返した。
「構えるデス」
一瞬、きょとんとしたリパーンだがすぐにいつもの妖しい笑みを浮かべて答える。
「ふふ、一時休戦デスわネ」
ぱっぱと服についた汚れを払い、優雅に構えるリパーン。
攻撃的な構えから仲間を守る構えに刀を持ち直すヲリーン。
「フゥウウ!フォオオオオオオァアアア!」
小さな二匹のエリーンに気がついたアカカラシュは獲物を見つけたと言わんばかりの声を上げる。
そして二人のエリーンは巨大なアルゴンへ戦いを挑んで行った。
「はぁああああああああああ!」
「たぁああああああああああ!」

その日、アルボレアの大地から一つの村が消えた。
村を襲ったのはアルゴンの大軍だった。
ヴァルキオン連合軍の調査によると指揮をしていたと思われるアカカラシュの死体が
すぐ近くの森の中で発見された。
しかし、誰がこのアカカラシュを倒したのかは不明のままだった・・・。


おしまい

853名無しさん:2016/03/28(月) 23:26:21 ID:vfjZNRWI
忍者ヲリーンとアサシンリパーンとにんにーん

派手な桃色の忍装束で着飾ったにんにーんが村で一番高い民家の屋根の上でふてくされていた。
「むーコスプレ忍者に蹴られるわ、リーパーにはエッチなことされるわで今日はえりーんちゃん厄日デス!」
口を尖がらせ人の家の屋根でいじいじいじいじしている。
とんだいじけリーンである。
「はぁ〜里にいた頃が懐かしいデスねぇ〜」
このにんにーん、あほの子のようだがれっきとしたくノ一の訓練を受けたエリーンである。
ポラ・エリーヌの一部の上層部の者しか知らない非公認組織『宮廷くノ一部隊』の筆頭頭なのだ。
「お師匠様の作ってくれたお団子、また食べたいデスねぇ〜^q^」
間違いなくあほの子だが。
ぐぅ〜〜〜〜
大きな腹の虫である。さすがアホリーン。
「んっ!今のはエリンちゃんのじゃないデスよ><」
誰も見ていないのに取り繕うあたりがエリーンらしい。
ふと村の外へ目を向けるにんにーん。
「ん?あれは・・・?」
見慣れない光が村の外の街道から移動してくる。
「!?あ、アルゴン!」
なんとアルゴンの大軍が今まさに村へと押し寄せようとしている!
「た、大変デス!え、援軍を!でも、もう間に合わない!あ、そうだ・・・!」
村にある鐘台へ急ぐにんにーん。
カンカンカンカンカン!
「アルゴンが来たデスよー!!!!」
カンカンカンカンカン!
「アルゴンが来たデスよー!!!!急いで避難するデスー!!!!」
村中に鐘の音が鳴り響き住民達が表へ出てきた。
力いっぱい叫ぶにんにーん
「東の街道からアルゴンがやって来てるデス!!!西の避難路から逃げるデス!!!」
住民達は急いで逃げ出す。
にんにーんは東の入り口へ駆け出していった。

東の門の目前までアルゴンが迫ってきていた。
とにかく急いで門を閉めるにんにーん。
ドゴン!ドゴン!
門を攻撃し始めるアルゴン軍、きっとこの門は長くはもたないだろう。
「お願いデス!早く来て!><」
非常用の信号弾を上空に打ち上げるにんにーん。
まだ住民達の避難が終わっていない、なんとか時間を稼がなくては。
にんにーんはある作戦にでることにした。
程なくして門が破られアルゴンの軍勢が侵入してきた。
その軍勢の前に一人たたずむにんにーん。
当然アルゴン軍はにんにーんを標的として捉えた。
にんにーんは牽制しつつ村の中央広場へとアルゴンを誘導する。
そして、最後の住民が避難したことを確認し村の入り口と出口へと続く橋を爆破した。
「!?」
広場には取り残されたアルゴン軍とにんにーんただ一人。
にんにーんは覚悟を決め、すーっと息を吐き手裏剣を身構え叫ぶ
「我こそはポラ・エリーヌ宮廷くノ一部隊筆頭頭なり!アルボレアの大地の平和を脅かす愚か者達め!
汝らに死を運ぶ我が四刃を恐れるのなら相手をいたす!かかって来るが良い!!!!」
そしてアルゴン達が一斉に襲ってくる!

「はぁあああああああああ!!!!」


つづく

854名無しさん:2016/03/29(火) 18:46:46 ID:JSybVeDU
筆頭頭とはやりおるな!私は忍者ヲリーンが好きですね。
ところで、くノ一をなんて呼べばいいか未だにわからないんだよね。
エニーン、クノリーン、クノイチーン、ニンニーン、シノビーン、ニンジャリーン、おにんにん…。

855名無しさん:2016/03/29(火) 19:23:07 ID:GNUmTziI
ジャリーンってよんでるなあ

856名無しさん:2016/03/29(火) 21:09:36 ID:/uQBav4s
クノイチでええやん

857名無しさん:2016/03/29(火) 22:59:39 ID:vfjZNRWI
うちのギルドではにんにんってよんでるなー
ボクはおにんにん派だけどw

858名無しさん:2016/03/29(火) 23:22:17 ID:vfjZNRWI
長すぎて書き込めないので不本意ながら分けて投下

忍者ヲリーンとアサシンリパーンとにんにーん2

アカカラシュとの戦闘を終え、村へと急ぐ忍者ヲリーンとアサシンリパーン
「はぁっ・・・はぁっ・・・村の人達っ・・・大丈夫かしら!?」
息を切らせ住民の安否を心配するリパーン
「わからない・・・けど、風に血の臭いがしない」
表情は良くわからないがヲリーンも心配そうだ。
門をくぐると村の中へと続く橋が破壊されていた。
「アルゴンの仕業かしら?」
ヲリーンは首を横に振る。
「いや、人為的に爆発させた後があるデス。」
よく見ると爆弾の破片が飛び散っていた。
「おかしいデスわネ・・・ここに来る途中、兵士らしき人達の死体がたくさんありましたわ。てっきり全滅したものと思っていましたけど・・・」
小さな村でも警備兵くらいはいる。
だがほとんどが訓練を受けていない民間兵である。
ましてや爆薬を扱えるようなものなど普通はいるはずもない。
「一人だけ心当たりがあるデス。」
ヲリーンは森の中で一人のにんにーんに会ったことを話した。
「まぁ!貴女も?私もその子に会いましたわ!」
リパーンは嬉しそうに手を合わせながらそう話した。
「ん、ということはその子はまだここに・・・?」
咄嗟に村の中央へと目を向ける二人
炎に包まれよく見えなかったが辺りには無数のアルゴンの死体があった。
壊れた橋を飛び越え広場へ走り出す二人。
そして、二人が見たものは

「そんな・・・」
「っ・・・」

無数のアルゴンの死体の山の中央に倒れているにんにーんの姿だった。
二人はすぐさま駆け寄った。
「ちょっと!しっかりなさい!」
リパーンはにんにーんを抱え上げて声をかける。
にんにーんはあちこち傷だらけでもはや虫の息だ。
右腕は折れ、おかしな方向を向いている。
腹部も切り裂かれ血がとめどなく溢れていた。
「う・・・あ・・・」
最早何も見えていないだろう瞳がわずかに揺れ、小さな声で
「あ、アカ・・・カラシュが・・・も、森へ・・・」
と森のほうを力なく指差す。
「大丈夫デスわ、アカカラシュは倒しました。」
優しくにんにーんの頭を撫でながら涙ながらに答えるリパーン
「よ、よか・・・った・・・デス。はぁ・・・た・・・たくさん・・・戦っ・・・たからお腹が・・・空いた・・・デスね。
し、師匠の・・・作ったお団・・・子が食べた・・・い・・・デス。」
無言のままにんにーんの手を握るヲリーン。
「エリ・・・ンちゃん・・・ちょと・・・疲れた・・・デス。お・・・おねん・・・ね・・・する・・・デ・・・」
ガクッっと事切れるにんにーん
「っ!ちょっと!ダメデスわ!!目をお開けなさい!」
ヲリーンはそっとにんにーんの目を閉じさせた。
「弱いから死ぬんデス・・・」
その物言いにリパーンはきっと睨みながら抗議する。
「ちょっと!そんな言い方って!」
ヲリーンを見上げると狐の面の向こうは悲しみに満ちているようだった。
「だけど・・・そんな人達をボクは救いたかったんだ・・・!」
きっと、泣いているのだろう。
「あ・・・」
リパーンもボロボロと涙をこぼす。
ヲリーンはそっとにんにーんの遺体を抱え上げ村の外にある丘へと歩き出す。
「ちょっと、どこへ?」
リパーンもついていく。
村を一望することが出来るところまで登るとヲリーンは穴を掘り始めた。
リパーンも何も言わずそれを手伝う。
そして、にんにーんの遺体を埋めて墓標代わりに手裏剣を立てた。

“アルボレアの英雄、ここに眠る”

ヲリーンは懐から何かの種を取り出し、墓の周りに埋めていった。
「それ・・・月光蓮の種?」
月光蓮とは主にポラ・エリーヌの精霊樹周辺やセレンの湖にしか生えない貴重な花である。
「エリーヌ様とセレン様の加護が宿る花デス。この子の魂はこの花に宿り、いつか再び還ってくるはずデス。」
そっとヲリーンを背中から抱きしめるリパーン。
「早く、平和を取り戻したいデスわネ・・・」
「うん・・・」

859名無しさん:2016/03/29(火) 23:23:07 ID:vfjZNRWI
忍者ヲリーンとアサシンリパーンとにんにーん2.5

ヴァルキオン連合軍はにんにーんの放った信号弾に気がつき、すぐさま部隊を派遣したが
部隊が到着した時には全てが終息した後だった。
調査団によると村は壊滅したが不幸中の幸いか人的被害はゼロだった。
村の住民の話によると見慣れない忍者の格好をしたエリーンが避難路を的確に指摘してくれたこと、
自分達が逃げる間アルゴンをひき付けていたこと等がわかった。
「なぁ兵隊さん、あのエリーンはどうなったんだ?俺たちあのエリーンのおかげで助かった。一言礼を言いたいんだ。」
「わかりません。私達が到着したときにはすでに誰もいなかったものですから・・・。」
住民の気持ちに応えたい兵士だったがアルゴンの死体以外を発見することが出来なかった以上答えることはできなかった。

季節は巡りポラ・エリーヌに陽気な声が木霊していた。
「こっちですよ〜!べーっだ!」
「ポポポ〜!待つっポ〜!」
新米のにんにーんがポポリ兵にちょっかいを出している。
まだまだ平和とは程遠いがここには穏やかな時間が流れているようだ。
今日もどこかでアルボレアの為に戦っている兵士がいる。

にんにーんの墓がある丘には色鮮やかな大輪の月光蓮の花が咲き乱れていた。
穏やかな風が花を揺らすとどこからかにんにーんの明るい声が聞こえたような気がした。


おしまい

860名無しさん:2016/03/29(火) 23:24:46 ID:vfjZNRWI
にんにーんのお話はこれでおしまいです。
強いのにあほの子っぽいにんにーん可愛い!

861名無しさん:2016/03/29(火) 23:37:15 ID:JSybVeDU
乙です!忍者ヲリーンとアサシンリパーンはイイコンビになりそうだ!
こういうちゃんとしたお話は自分には書けないのでイイ刺激になります。

本スレ的にもおにんにんっぽいよね。ジャリーンっていうのもあるんですね。
ランサーをヤリーンって呼ぶし、ならシュリーンでも良さそうだけど、自分はクノリーンかエニーンかな。

862名無しさん:2016/03/30(水) 15:47:09 ID:GoK0i3NA
アホの子がかっこいいところ見せるのすき

863名無しさん:2016/04/26(火) 18:20:04 ID:JSybVeDU
〜本家ピースリーン〜

アルボレアにも春が訪れた。咲き乱れる桜の下では今日もエリーンが元気に走り回っている。
三万匹湧いたとされるクノリーンは相変わらず「ンッ」とピースをしている。落ち着きのないガキだ。
制服を着た新入生のエリーンも「アァン♪」と甘ったるい声を出してダブルピースをキメている。将来はビッチだ。

そんな中、制服も持っておらず、クノリーンでもないただのエリーンは不服そうだ。
元々、ピースといえば「ァーィ!」なのだ。これぞエリーンの専売特許!多くのヒューマンが魅了されたはずだ。

草むしりをしただけで、服が自分のものになっただけで反射的に「ァーィ!」と、空高く大きなピースを掲げる。
たまに「ァーィ!」するタイミングでも、フェイントでユラユラするだけの事もあったりするのが奥深い。

どこか高台に立った時も「ァーィ!」と、ピースを掲げて勝利宣言。ここは自分の縄張りだと主張しているのだ。
その後、うっかり落ちて「オゥッ!」と、声を漏らす。どうやら足首を骨折してしまったようだ。
さっきまでの無邪気な笑顔とは対照的に、冷や汗をかいて痛みに震えている。調子に乗るからそうなるのだ。

負けず嫌いで自己中心的な性格のクソエリーンは、人ごみの中でもやたらと「ァーィ!」を連発する。
クノリーンに負けたくないのか、必死に「ァーィ!ァーィ!」とアピールをしている。
本家のピースはこっちなんだと、新参者のエリーンより自分の方が可愛いんだと言わんばかりに吼えている。

しかし、「ンッ」と「ァーィ!」では消費エネルギー量が違い過ぎる。
元気に「ァーィ!」出来たのは少しの間だけで、すぐに声が嗄れ、腕は上がらなくなった。

「ァ゛ィ..ァーヒ..」「ンッ」「ハァィ...」「ンッ」「ァー゛」「ンッ」「ンッ」「...ァ゛ー…」「ンッ」「ァーィ..ンーフ.ンー//」「ンッ」

クノリーンは疲れ知らずで、照れた仕草まで見せているが、本家ピースリーンはヘロヘロだ。
ケモ耳もしっぽもすっかり萎れてしまい、ベロを出しながらトボトボと去っていった。

―その後、本家ピースリーンはクノリーンのように「ンッ」とやってみようとしたが、出来なかった。
ピースをしようとすると、どうしても「ァーィ!」と言ってしまうのだ。
何が本家ピースリーンだ。もはや旧型エリーンと呼ぶのがふさわしい。

「ァーィ!」と言いたくないのにどうしても言ってしまう。
自分の長い指を見つめて悩む旧型エリーン。眉をハの字に曲げ、首をかしげている。

旧型エリーンの限界がそこにはあった…。

悔しかったら制服を買って、ダブルピースをキメるしかない。
今ならハローキティコラボの制服がガチャで入手可能なので、そちらを参照して欲しい。
尚、期限は明日(2016.04.27)のメンテ前までだ。ハローキティコラボの再販は予定されていない。急げ!

おしまい。

864名無しさん:2016/04/27(水) 19:51:26 ID:hQ0DtnbI
更新来てた、毎回乙であります!
光景が浮かぶようで思わず笑ってしまったw
旧型には旧型の可愛さがあるのよ!…と思いたい

865名無しさん:2016/05/11(水) 23:55:53 ID:JSybVeDU
〜声を失ったクノリーン〜

「ンッ」「ンッ」「ンッ」と、あれだけうるさかったクノリーンのピースだが、今ではすっかり静かになってしまった。
かろうじて「ァーィ..ンーフ,ンー」とは言えるようだが、ピースに関してはどうやっても声が出せない。

代わりに、きちんと教育を受けたクノリーンは「ピース!ウフフ〜♪」「ポーズ!ァファハハッッ♪」と笑っている。
先日までは「アッチデス」とかわけのわからない事を言っていたのに。

ピースをしようとすると反射的に「ァーィ!」と言ってしまう旧型エリーンはこの事態に大喜びだ。

声が出なくなってあたふたしているブスなクノリーンを見つけると、旧型エリーンはニチャァと微笑み、近づく。
旧型エリーンはクノリーンの目の前に立つと「ァーィ!ァーィ!ァーィ!ァーィァィァーィ!!ァー!ァーィ!!」と何度もしつこくピースをする。
更には「ァッヘィヒヘー!ンフフフフ!ォワァィ♪」と挑発までするようになった。クソエリーンめ。性根が腐っている。

旧型エリーンに馬鹿にされたクノリーンは顔を歪め、今にも泣きそうだ。酷く醜い顔で、確かにブスーンだ。
悔しくなったクノリーンはその場から逃げるようにシュタタタタと立ち去っていった。

以前はあれだけいたクノリーンもブームが去ったのか、みんな散り散りになってしまった。
里に帰った者、戦死した者、主人に捨てられ野良化した者、食い繋ぐ為に売春婦となった者…。
先程のブスなクノリーンも戦闘には参加せず、今は主人と一緒に古びた町営住宅で暮らしている。
立派に活躍しているクノリーンはほんの一握りのようだ。

野良化したクノリーンの中でもお転婆なタイプは、持ち前の俊敏さを活かして盗みを働くようになった。
最初は各々で盗みを繰り返していたが、今では野良クノリーン同士が徒党を組み、窃盗集団と化したらしい。
とは言いつつも、所詮はエリーンなので自己主張が強く、隠密とは思えないアホな行動も多いので、
さほどの脅威には至っておらず、一日に数匹程の泥棒野良クノリーンが捕獲されているようである。

――町営住宅に逃げ帰ったクノリーンはすぐさま主人に泣きつき、2016制服アバターをせがんだ。
ハリガネムシのようなネコしっぽをクネクネウニウニと動かし、可愛さをアピールをする。
制服さえあればダブルピースができるし「ァアン♪」と甘ったるい声で媚びる事ができるのだ。
キティコラボ制服?2015制服?そんな古着はもはや時代遅れ。2016制服こそ最先端アバターなのだ!!

しかし、町営住宅で暮らす主人にそんな金はない。日々のやりくりだけで精一杯だ。
ブームに乗っかってクノリーンとかいう新型のエリーンを飼ってはみたものの、
食っちゃ寝を繰り返すだけの金食い虫で、都合が悪くなるとピースして誤魔化そうとするので、
いい加減ストレスが溜まってきていた。そこにきてアバターが欲しいとか、ダブルピースがしたいとか…。

主人はゆっくり立ち上がると、不気味に動くクノリーンのしっぽを力強く掴み、持ち上げた。
「ンギョォオォァッ?!?!?!…ェベ...」突然の激痛にとんでもない声を上げ、舌を出して気絶した。
クノリーンの分際で警戒心がなさすぎる。これでくノ一だの隠密だの…笑わせる。

主人はクノリーンの粗末な服を全て脱がし素っ裸にすると、しっぽを掴んだまま町外れの雑木林まで運んだ。
その間、人とすれ違う事はあったが、主人を咎める者は誰もいなかった。こんな事は日常茶飯事だ。
中には「そのエリーンを売ってくれ」とか「売春させればいい」とか言ってくる者もいたが、
クノリーンの顔を見ると皆、主人の肩を叩いて同情するように頷いた。誰もが認めるブスーンなのだろう。

(ドササァッ!)素っ裸で雑木林に投げ捨てられるクノリーン。まだ舌を出したまま気絶している。
実に愚かなクノリーン。旧型に煽られたからと言って悔しがったり、アバターをせがむ必要などなかったのだ。

何故なら、クノリーンも「ァーィ!」と元気にピースをすればよかったのだ。エリーンなのだから。

おしまい。

866名無しさん:2016/06/02(木) 19:49:25 ID:JSybVeDU
〜空飛ぶエリーン〜

飛ばない豚はただの豚だと言わんばかりに実装された飛行ペット、パタパタこぶた。
アルボレアの広大なフィールドを自由に移動出来るのはとても楽しい。大空を手に入れるのは君だ!
しかし、同時に問題も起き始めていた…。

そう、落下事故だ。種族問わず事故は起きているのだが、数が多いエリーンによる事故はとても目立つ。
先日もクノリーン大量発生と宝探しイベントの影響で、多くのエリーンが死亡したという。

ヴェリカ上空ではおびただしい数のクノリーンがひしめき合い、空中大渋滞だ。
接触しようがお構いなしに進もうとする為、バランスを崩して落下するのだ。
わざと強くぶつかり、ライバルを蹴落とす悪いクノリーンもいた。反動で自ら落下してしまうアホもいたが。

パァンッ!と銃撃音のような、ガラスが割れたような衝撃音がそこかしこで響く。
これはクノリーン実装の余興などではない。上空から落下したエリーンが地面に打ち付けられた音だ。
現場は酷い有様だ。これが本当にエリーンなのか、と疑ってしまうくらい原型を留めていなかった。

旧型エリーンは「ニソニソとかwエリーンちゃんの方が可愛いデス!」などと言って意気揚々と踊っていたが、
上空から落下してきたクノリーンの下敷きになり、死亡してしまうケースもあった。
二匹共頭部が弾けて、旧型エリーンの胴体にクノリーンがめり込んでいた。

宝探しイベントでも、不慣れなエリーンが無理して飛行ペットに騎乗した為に操作がおぼつかず、
急上昇急降下を繰り返し、気分が悪くなって騎乗中に嘔吐したり、気を失って落下したり、
建物や崖に激突して死亡してしまう事もあった。

遠くまで行き過ぎてしまい、遭難しておうちに帰れなくなってしまったエリーンも多かった。。
今日もまた一匹の一般エリーンが調子にのって遠出した挙句、飛行ペットの期限切れで帰れなくなった。

何の戦闘力もない一般エリーンが凶悪なモンスター地帯をうろつき、「ァーェ!ァゥェー!ヘヨォ..!><」と泣いている。
平和な環境で育ってきた一般エリーンはモンスターへの恐怖で泣いているのではなく、
思うように動いてくれなかった飛行ペットに対しての苛立ちと、空腹で愚図っていた。
いつもなら日が暮れれば主人があたたかい食事を用意してくれていたのに。哀れなものである。

「フェー!暗い暗いは嫌いデス!エリーンちゃんを照らすデス!」「ンィー!お腹ペコペコなのに何でご飯がないんデス!」
「フカフカのベッドでおねんねしたいデス!フンス!」「エリーンちゃんはこんなに可愛いのに!ショォ!メェ!!」

とうとう癇癪を起こした。しっぽの毛を逆立てて地団駄を踏んでいる。
これには周辺のモンスターもドン引きで、手を出す気も失せてしまったらしい。

一丁前に喋れるクセに発言があまりに幼稚で馬鹿げている。
この調子では運良くモンスターから逃げ延びたとしても、長くは生きられないだろう。
平和ボケしたクソエリーンに現実を叩きつける良い機会だ。…しかし!

――数日後、一般エリーンの姿はとある集落にあった。
どうやらここは少数の貧乏野良エリーンが身を寄せ合って暮らしている集落のようで、
飢餓状態の一般エリーンを一時的に保護したみたいだった。

警戒心の強い貧乏野良エリーンがこのような行動をとるのは珍しい事だが、
コミュニティを築けている辺り、他の貧乏野良エリーンとは少し習性が違うようだ。
後にこの集落では一般エリーンが発端となって大きな事件が起きるが、それはまた別の話だ。

おしまい。

867名無しさん:2016/06/12(日) 02:24:15 ID:GoK0i3NA
> 二匹共頭部が弾けて、旧型エリーンの胴体にクノリーンがめり込んでいた。

なぜだかわからんけどすごい興奮する一文
別にグロ趣味とかじゃないけど

868名無しさん:2016/06/12(日) 03:48:37 ID:o5Hwb5CE
実際ひどい飛行機事故はそんな感じでめりこんでたりしたんだっけか…

869名無しさん:2016/06/17(金) 22:08:53 ID:JSybVeDU
〜雨のかっぱりーん〜

雨がシトシト、風はジメジメ、アルボレア。
わっ!ナメクジ!…じゃなかった、リスエリーン。
わっ!クサッ!…雨の日はやたらとクサい、イヌエリーン。

ケモ耳としっぽにカビが生えた貧乏キツネエリーンは身体中をボリボリと掻き毟っちゃってる。

最近ちょっとグレてきたウサギエリーンはバッドガールアバターを着て粋がっちゃう。
DQNのキャス♂に向かって「ヨゥ!バッボォィ!アッヘィヒヘー^^」なんて煽ったりしちゃう。
キレたキャス♂はウサ耳を掴むと何度も腹パンを食らわす!へそ出しルックだからダメージは絶大!
柄ストッキングもビリビリに破いて、ウサ耳には安全ピンを幾つも刺しちゃう。こっちの方がワルでROCK!!

獅子エリーンとドラリーンはいつも通りだけど、ヒツジエリーンは五月病から抜け出せずにグッタリしてる。

ネコエリーンは買ってもらったばかりのレインコートを着てはしゃいでる。
はしゃぎ過ぎて転んじゃったのか、太ももには絆創膏が貼ってある。
髪型はおかっぱ、着てる服はあまがっぱ。まさにかっぱりーん!

かっぱりーんは長靴を履いてるから水溜りもへっちゃら!ちゃぷちゃぷらんらん!(´・ω・`)
傘を差したらクルクルと回して周りに飛沫を散らす。必殺!かっぱりーんウォッシャー!

傘の柄の部分をお股に挟むと何だか気持ち良くなってきて、ヨダレを垂らしながらビクンビクン痙攣しちゃう。
天に昇るような快楽を経験したかっぱりーんは実際に空を飛んでみたくなっちゃう。
バサッと傘を広げると、高台から勢いよく飛び降りちゃう。

でも、飛べるわけがないし、傘はすぐに裏返って骨が折れちゃう。これじゃもう使い物にならない。
あまがっぱもめくれ上がって、中のショートパンツが丸見えになっちゃう。

そのまま地面に落下して、かっぱりーんは死んじゃった。

おしまい。

870名無しさん:2016/07/22(金) 10:43:48 ID:QKV./m3Q
久々に見にきたけどまだ書いてるのか
モチベすごいな
かっぱりーんウォッシャーてw
祝祭やってるとしょんべりーんを思い出すよ
気の利いた感想は言えないけど全部読んでるから新作も楽しみにしてるよ

871名無しさん:2016/07/24(日) 06:36:43 ID:2gq6LCjI
ビーチでグレーインナーの子を見かけたら優しくしてあげないとな

872名無しさん:2016/07/25(月) 01:58:26 ID:3M5aRhvY
最近はペースが落ちてますが、ポツポツと投稿させてもらってます。書きたいネタはあるのに書く時間がとれなくて。
こんな偏った妄想に付き合ってくれてありがとうございます。レスしづらい内容ばかりだと思うので、ただ読んで貰えるだけでも嬉しいです。

873名無しさん:2016/07/25(月) 02:00:44 ID:3M5aRhvY
〜真夏のきぐるみーん〜

いよいよ夏本番!今年も開催されたアルボレア祭りは大盛況?だ。
せっかくなら可愛い水着で祭りに参加したいものだが、ガチャの再販は何故かきぐるみ。
アルボレア祭りの報酬で水着の素材が手に入るが、どうにも手間がかかる。
TERA-POINTで粗末な水着が交換できたとはいえ、新規にはいささか厳しい状況だ。

その影響か、クソ暑いビーチにきぐるみで訪れる頭の悪いエリーンが多かった。通称きぐるみーんである。
砂浜をずんぐりむっくりの姿でモサモサモテモテとウロつくきぐるみーん。非常に暑苦しい。
手に入れたアバターを着たくなる気持ちはわかるが、この炎天下できぐるみは自殺行為である。

流石に大きな顔は露出しており、胴体だけきぐるみというのがほとんどだったが、
中には全身きぐるみという生粋のきぐるみーんもいた。

ビーチに来たらまずは砂遊びから入ると思うが、多くのきぐるみーんはこの段階で熱中症になり、倒れた。
そこら中できぐるみーんが砂を集めていたが、あれよあれよという間に砂に顔を突っ伏して動かなくなった。

砂遊びまでは何とか体力がもったきぐるみーんも、他のコンテンツの遊戯中にほとんどが倒れた。

フラフラしながらスイカ割りを始めるきぐるみーん。目隠しをしているとはいえ、異常なフラつきだ。
次第に手足がガタガタと痙攣を起こし始め、立っている事が出来ずに転倒し、樽に頭をぶつけて泡を吹いた。

時間が過ぎても水大砲から出てこないきぐるみーんもいた。
中の様子を見てみると、嘔吐した状態で意識を失っていた。新品のきぐるみがゲロまみれである。

あまりの暑さに耐え切れず、何故かきぐるみのまま海に飛び込むきぐるみーんもいた。
熱中症になるよりマシと思うかもしれないが、これも自殺行為である。

エリーンは泳ぎが得意とはいうが、きぐるみを着ていては話が別だ。
最初はプカプカと浮かんで「ァーィ♪」と心地良さそうな表情をしていたが、きぐるみが水分を吸うと状況は一変した。

身体がどんどん沈んでいく。必死にもがいて海面に浮上しようとするが、沈む…もがく程に沈んでいく。
きぐるみから気泡がポコポコと抜けていくと共に水分を吸って重くなっていく。

最初は海面をバシャバシャと賑わせていたきぐるみーんにも体力の限界が訪れ、海中に吸い込まれていく。
膨らませたほっぺたからポコォッと小さな気泡が吐き出され、数秒間、強く目を瞑った。
その後、うっすらと目を開けたかと思うと、薄暗い海底へと消えていった……。

……真夏にきぐるみ姿で外出するのは大変危険であるという事がおわかりいただけただろうか。

おしまい。

874名無しさん:2016/07/26(火) 17:11:31 ID:RZFD/YRc
新作乙!確かにきぐるみ再販謎だよね
新しい水着が控えてるみたいだけど
きぐるみーんがモサモサモテモテ走ってる姿可愛いよね
ビーチできぐるみーんを見かけたら砂に埋めてあげよう

875名無しさん:2016/07/26(火) 18:07:49 ID:hQ0DtnbI
文章上手いから更新が楽しみ
文才があって羨ましいよ!
…しかしほんと真夏に着ぐるみとか運営の頭煮えちゃってんの?

876名無しさん:2016/08/02(火) 19:44:08 ID:3M5aRhvY
ありがとうございます。語彙力がなくて同じような表現ばかりになってしまいますが、
同じような目に合うエリーンちゃんが好きなので、今後も同じようにやっていきます。

新しい水着がきましたけど、今回は明日で販売が終わるアルパカの話を書いてみました。

877名無しさん:2016/08/02(火) 19:53:30 ID:3M5aRhvY
〜オリバー&ダニエル 上〜

トップモデルを夢見てヴェリカにやってきたウサギエリーン。
だが、現実は厳しく…バイトと語学の勉強に追われる日々を送っていた。

そんな中、NKGWという人物から新飛行マウントの販促モデルをやらないかとの依頼が舞い込んできた。
二つ返事でOKするウサギエリーン。遂にやった。自分にもチャンスがやってきたのだ。

アルボレアは空前の飛行ブームであり、飛行マウントへの注目度はとても高い。
華麗に飛行マウントを乗りこなす様を見せ付ければ、トップモデルへの階段を一気に昇りつめるだろう。
いや、もはや階段など必要ないのだ。飛んでいけばいいのだから。飛ばないエリーンはただのエリーンだ。

一体、どんな撮影になるのだろう!きっと可愛いアバターを着せてもらえるのだろう。
カッコイイ飛行マウントに乗って大空を羽ばたくのだろう。ウサギエリーンは希望に満ち溢れていた。

――撮影当日。

呼び出された場所は小さなスタジオだった。クロマキー用の布が壁に貼り付けられている。
どうやらPVの撮影は既に終えているらしく、今日はバナーやガチャページ用の写真撮影をするようだ。

少し落胆の色を見せるウサギエリーンだったが、それでも表紙だ!気合いを入れて撮影に臨むしかない。

軽い挨拶の後、バサッと今日の衣装を手渡されるウサギエリーン。やった!可愛いアバターが着れる!
…と思いきや、アバターですらない、古びた皮装備だった。古着のようで所々傷んでいるし臭いもあった。

ウサギエリーン「…ショ、ショォ…コ、コレハ?」
撮影スタッフ「とろいなぁ。早く着替えろよ!スタジオ使える時間決まってんだからさ。ほら!」

たどたどしい口調で衣装について訊こうとしたが、撮影スタッフは聞く耳を持たない。
仕方なく着替えようとするが、更衣室が見当たらない。

ウサギエリーン「…ショ、ショォ…コーイツツ、コーイシツハ?ドコデス」
撮影スタッフ「は?wなに色気づいてんの?誰もお前の身体なんて見ねーよ。いいからあくしろよ」
ウサギエリーン「ァーィ//ンーフ,ンーッ///」
撮影スタッフ「そういうのいいから(真顔」

仕方なくスタジオの端っこで皮装備に着替えるウサギエリーン。撮影スタッフがニヤニヤしている。
大きな手で小さな胸を隠しつつ着替えていく。臭くてジメっとした皮装備に顔をしかめる。
だが、新飛行マウントに乗れる!夢と希望を抱いて大空へ羽ばたくんだ!意気込むウサギエリーン。

私服を稚拙ながらも丁寧に畳んでスタジオの端っこに置いていく。

撮影スタッフ「とろいなぁ!早くしろよ!こっちはもうスタンバってるんだよ!」

撮影スタッフの怒号が狭いスタジオに響き渡る。慌ててクロマキー布の前に走るウサギエリーン。
すると、そこには新飛行マウント…の実物ではなく、展示用の置物が一体置かれていた。

878名無しさん:2016/08/02(火) 19:58:27 ID:3M5aRhvY
〜オリバー&ダニエル 下〜

あ、アルパカ。どう見てもアルパカである。これが新飛行マウント。空を飛ぶアルパカ。あたまおかしい。

撮影スタッフ「それにしてもお前ちんちくりんだな。中途半端な髪の色しやがって。これでも被っとけ!」
ウサギエリーン「…ショォッ?!」(ぽふっ)

ウサギエリーンの頭にはとってつけたようにシルクハットが被せられていた。
ないよりはマシだが、皮装備と合っているとも言い難い。

オシャレはしたいがアバターは買えず、何かのきっかけでシルクハットだけ入手出来たから
とりあえず被っとこう的な、初心者エリーンにありがちなルックスである。トップモデルへの道は険しい。

撮影スタッフ「まだ何か違うなぁ。華がないのよ、お前には。これ背負っとけやwお出かけっぽいしw」
ウサギエリーン「ッショォ!」(がほっ)

今度はグレーのリュックを背負わされるウサギエリーン。変なコーデである。

撮影スタッフ「あと、ショォ!って言うのやめろ。ウザいから。ウザギエリーンwほら、早くそれにまたがって。」
ウサギエリーン「…ショ、ショォ…。」(モソモソ...モソッモソモソ)
撮影スタッフ「やめろって言ったろうが!」(ペチッ!)
ウサギエリーン「?!?!シ…ョーウ!!」

お尻を引っ叩かれるウサギエリーン。思わず「ショォ!」と言いそうになるが、我慢して「ョーウ!」に留まる。
展示用のアルパカにまたがると、すぐさま撮影がスタートした。


撮影スタッフ「何かこう、躍動感ある感じで。ケツ浮かしたりとかして。」(カシャカシャッ)
ウサギエリーン「シィ..ルゥ」(カシャッカシャッ)
撮影スタッフ「だめだめ、大空を飛んでる体でやれっつの。プロならこんなの基本だよ!」
ウサギエリーン「ンンーッ!!」(カシャカシャッ)「テイーー!」(カシャ)「ハァッ!」

クロマキー布の前で動きもしないアルパカにまたがり、ポーズをとるウサギエリーン。実に滑稽だ。

撮影スタッフ「はぁ…もういいわ。これで終わり。お疲れ。撤収。」
ウサギエリーン「ショ…モットデキル...デス」
撮影スタッフ「いや、もう時間も迫ってるし、お前じゃこれ以上やっても意味ないっしょ。どうせ合成するし。」

中々イイ画が撮れずにイラついた撮影スタッフは撮影を切り上げて撤収を開始した。

ウサギエリーン「…ショォ、オーチュカレサマデス...」
撮影スタッフ「だからショォ!っていうのやめろって言ってんだよ。クソウザギエリーンが!」(バズゥン!!)
ウサギエリーン「ショオオオッッ!!?!」(ドタァン!)

撮影スタッフにど突かれ、アルパカから転落するウサギエリーン。
背中を打ってしまったようで、息が出来ずに小さな口をパクパクさせている。苦しそうだ。

――こうしてウサギエリーンの初仕事は散々な形で終わった。
後日、オリバー&ダニエルとして発売された新飛行マウントは、歴代売上ワースト1を記録したという。

おしまい。

879名無しさん:2016/08/14(日) 04:23:45 ID:GoK0i3NA
あのクソ乗り物ガチャの裏でこういう経緯があったと思うと涙を禁じえない

880名無しさん:2016/08/30(火) 17:19:13 ID:vEZ37T4k
オチワロタw無料ガチャのペガサスもハリボテなんだろうね
エリーンがムスッとした顔で乗ってるしw

881名無しさん:2016/08/30(火) 20:19:48 ID:fSAc9MjQ
無料ガチャの体操服エリーン&ペガサスエリーン
インナーガチャの最高級下着エリーン&エロフ
……エリーンモデル業界の格差がここにある

882名無しさん:2016/09/19(月) 06:20:36 ID:wBaURr4g
ギンジスリーンの季節ですね

883名無しさん:2016/09/21(水) 20:10:38 ID:7oHd5KIE
以前書いた妄想が本スレにコピペされてるのを見ましたが、以前はあちこちのスレで書いていたので、
こういうのが苦手な方に不快な思いをさせてしまいました。反省してます。
そして今はこのスレにだけ投稿してますが、生温かく見守って頂けて本当に感謝してます。

相変わらずおかしな妄想ばかりですが、今回も一つ投稿させてください。
ジンギスリーンは今頃「ヘンメェ!メヘェ!」と奇声を上げながらジンギスカンを喰らってると思います。

884名無しさん:2016/09/21(水) 20:11:45 ID:7oHd5KIE
〜続・屁リーン〜

お尻ふりふり♪オナラぷりぷり♪プリーンの屁リーン。プロレベルになると臭いや音もコントロール出来る。
臭いはオナラを腸壁にどれだけ鋭くこすって噴射するかによって変わる。
音は肛門付近の締め具合によってコントロールする。フェリーエスケープや後方跳躍はガス爆発の力だ。

―ここはヴェリカの倉庫前。田舎から出てきたばかりの新兵エリーンが両手に荷物を抱えて倉庫整理をしている。
倉庫を拡張するお金がない上に、物の価値がわからないので、拾ったアイテムを処分出来ずにいるのだ。

(スッ...ッスーゥ..ツース...)屁リーンはヴェリカの倉庫前の人だかりに紛れるとすかしっ屁をする。とっても静か。
ハードスメルサイレントモードだ。そして、すかさず鼻をつまみ、横にいた田舎新兵エリーンの方を睨む。
臭いに気付いた周りの連中も屁リーンにならって田舎エリーンを睨む。オナラのなすりつけに成功だ。

節操も常識もない振る舞いをするのは、いつだって田舎から出てきたクソエリーンだ。
それに、屁リーンはセクシーなレパードガールアバターを着こなす超可愛いエリーンなので、
周りは屁リーンがすかしっ屁の真犯人であるとは思いもしない。全て計算通りなのだ。

プロの屁リーンからオナラの濡れ衣を着せられて、周りから罵声を浴びせられる田舎エリーン。

周りの連中「くっせ!マジくせぇ」「この野暮ったいエリーン、屁こきやがったぜ」「腸腐ってんじゃねぇか?」
田舎エリーン「…チ、チガァ、チガァデゲース、エリーチャジャナーデゲス(違うデスエリーンちゃんじゃないデス」
周りの連中「こいつは凄い訛りだww」「おいおいここはヴェリカだぜ、ちゃんと喋れよ田舎エリーン!」

村の自警団から晴れて連合の一員になった田舎エリーンだが、言葉はまだまだ苦手のようで酷く訛っている。
身に覚えのない事で罵られて、いたたまれなくなった田舎エリーンはその場から立ち去ろうとするが、
倉庫前のスロープでバランスを崩して転んでしまった。両手からこぼれた荷物が辺りに散らばる。

周りの連中「プークスクス!ゴミばっか持ってバカじゃねーの?」「くせぇ屁コキリーンはとっとと田舎に帰りな!」
濡れ衣屁コキリーン「…ゥゥ...ィチィー...チィー...ィッ..ィッ..チィィィ...(;>皿<;)」
周りの連中「こいつリスエリーンだぜww」「見ろよ、あのしっぽw」「ナメクジみたいでちょーきめぇww」

地面に突っ伏したまま歯を食いしばり、必死に泣く事を堪えてるが、黒目がちな瞳からは涙がポロポロと零れる。

"こんなはずじゃなかったのに。やっと掴んだ都会での働き口。お給料だって田舎とは比べ物にならない。
都会で頑張って故郷の妹たちに仕送りをして、学校に通って貰うんだ。そう決心したばかりだったのに。"

荷物を拾うと、肩を落としてトボトボと去っていく濡れ衣屁コキリーン。ナメクジしっぽが萎れている。
その様子をしたり顔で見つめる屁リーン。屁リーンは自分より弱いエリーンを貶めるのが大好きなのだ。

嬉しくなった屁リーンは広場をオナラのフェリーエスケープや後方跳躍で飛び跳ねる。
最後は魔力回復でくるりと回りながらオナラを同心円状に撒き散らす屁リーン。
勿論、臭いはコントロール済みなので、周りに気づかれる事はない。プロ屁リーンに抜かりはない。

お尻ふりふり♪オナラぷりぷり♪プリーンの屁リーン。

おしまい。

885名無しさん:2016/10/01(土) 23:25:23 ID:mMIW8nFI
JNGS001 JNGS002 JNGS003 〜 ……
これらのコードネームを与えられた羊エリーンの精鋭工作員(Lv28)は
今日も与えられた重要任務を達成し得意気に倉庫へと足を運ぶ
精鋭専用の倉庫スロットは既に新鮮な羊肉でパンパンだ……
祝祭が終われば多額の報酬が羊エリーン達に支払われる

というのは真っ赤な嘘であり、そのとき既に彼女達は用済みなのだった
エリーン肉で作られた密造ジンギスカンとして出荷されることになるだろう

886名無しさん:2016/10/19(水) 22:10:28 ID:7oHd5KIE
いいですね。ジンギスカンの味を知って狂乱状態のジンギスリーンを絞めた密造ジンギスカン。
その密造ジンギスカンを更にジンギスリーンに食べさせるというループ。究極のジンギスリーンが誕生しますね。

887名無しさん:2016/10/19(水) 22:12:17 ID:7oHd5KIE
〜最終屁器エリーン〜

屁リーンの存在に気付いてしまったとあるエリーン研究者。大発見である。
オナラで後方跳躍が出せる事に目をつけ、屁リーンの噴射力を兵器(屁器)として使う事を提案。
ベテランの屁リーンはうんこをピストルの弾丸のように飛ばす事が出来るらしいのだ。
中でもウサギ屁リーンのコロコロうんこはよく飛ぶのだとか。

だが、ベテランの屁リーンは自らのオナラスキルを軍事利用されるのがイヤでほとんどが断った。
集まったのは未熟な屁リーンばかりだったが、横一列に並んでお尻を突き出すように命じた。

ぷりぷりのお尻が横一列に並ぶ。何とも言えない光景だ。一匹ずつ、肛門に弾薬を詰め込んでいく。
オォゥだのショォだの言って痛がるものや、何故か頬を染めてアーィと喘ぐ変態屁リーンもいた。
弾薬を詰めれば屁リーン砲台の完成だ。

テストで弾薬を発射させたが、上手な屁リーンと下手な屁リーンがいた。
上手な屁リーンは10m程弾薬を飛ばす事が出来た。だが、臭いのコントロールをする余裕がないのか相当臭かった。
下手な屁リーンは弾薬をひり出すのが精一杯で、同時にうんこを漏らしてしまう事もあった。

お漏らしを危惧して事前に腸内洗浄を済ませた用意周到屁リーンもいたが、
肝心のオナラが出ず、顔を真っ赤にして力むが、最終的には脱肛して命を落としてしまった。

未熟な屁リーンでは役に立ちそうもない。やはり、ベテランの屁リーンでないと軍事利用は難しいだろう。

おしまい。

888名無しさん:2016/11/03(木) 23:07:17 ID:7oHd5KIE
〜淑女エリーン〜

ここはとある高級住宅街。小高い丘の上には一際大きなお屋敷が街を見下ろすかのようにそびえ立っている。
お屋敷の当主は代々この辺り一帯を治めてきた大地主であり、爵位のある貴族なのだとか。

そんな当主には養女が居た。ウサギエリーンである。

幼い頃に引き取られたウサギエリーンは英才教育を受けて育ってきた。
就学前から数々の習い事をこなし、淑女としての生き方を徹底的に叩き込まれてきた。
名門、うさぎぐみに入学した際には、その秀でた学力から神童と称される事もあった。

そんな彼女も今では当主代行としての責務を果たすまでに成長していた。
まだあどけなさは残るものの、カールしたロングヘアーと、毛並みの整ったウサ耳、まあるいしっぽ。
そして、フリルブラウスを着こなすその姿は、紛れもなく淑女エリーンと呼ぶにふさわしい気品を漂わせていた。

淑女エリーンの世話係を務めるのはこれまた優秀な侍女エリーン達であった。
侍女として貴人に仕える為だけに存在するのが侍女エリーンである。
また、このお屋敷ではクラシックタイプのメイド服の着用が義務付けられているようだ。

――昼下がり、仕事が一段落するとお屋敷の庭でお茶を楽しむのが日課になっていた。
庭は専門の庭師が毎日手入れをしているので、四季折々のお花が楽しめる。

綺麗なお花に囲まれ、静かな午後のひとときを過ごす。
眼下に広がる整然とした街並み。高級茶葉を使用した香り豊かなお茶。疲れを癒す甘いお菓子。
傍らには侍女エリーン達が凛とした佇まいで淑女エリーンを見守っている。

忙しい毎日だが、平和そのものだ。この世界に悪など存在するのだろうか。

近年、未就学エリーンや野良エリーンによる事件、事故が何かと問題視されているが、
淑女エリーンにはそんな下劣で下等なエリーンが存在する事自体、信じられなかった。

うさぎぐみ時代を含め、自分の周りにいたエリーンは皆育ちが良く、身分が高かった。
年に数回、エリーン主催のパーティーにも参加しているが、美しいドレスが似合う高貴なエリーンばかりだ。

鏡に映る自分は美しい。侍女エリーン達も整った顔立ちをしている。
教養があり、権力があり、富もある。そして、何より…愛されている。

貧しいエリーン?醜いエリーン?愚かなエリーン?低俗なエリーン?
…はて、何処吹く風である。エリーンは平和と調和を愛する種族だ。
その様に周りから忌み嫌われるような存在ではない。

聡明な淑女エリーンは考える。
未就学エリーン…野良エリーン…その様なエリーンなど、本当は存在しないのではないか。
誰かの妄想によって作られた創作なのではないか、と…。

淑女エリーンの明晰な頭脳が研ぎ澄まされていく。
だが、真理に近づけば近づく程、自らの存在を否定してしまうという事実に…彼女はまだ気付いていなかった。

おしまい。

889名無しさん:2016/11/03(木) 23:51:14 ID:1MlMFmFM
淑女エリーンちゃんが陵辱される薄い本お願いします
ポラエリの王女にもこれくらいの品格が欲しい
オバカはオバカで良いものだけど

890名無しさん:2016/11/04(金) 03:41:22 ID:6BuzaLRY
エリーンがぼっこぼこにされて殺される様な話が見たいなぁ。リョナ要素強めの。

891名無しさん:2016/11/04(金) 11:16:57 ID:hQ0DtnbI
前回の屁リーンとのギャップがww

892名無しさん:2016/11/04(金) 13:52:11 ID:NcDwfj8k
屁リーンの後にこんな話を持ってくるとは…メタ的な表現だね
それか引き取られたってことは淑女エリーンも元は野良なのかな
珍しく何も起きない話だったけど創作の中のエリーンがこちらに気付いたような展開にゾクっとした

893名無しさん:2016/11/10(木) 00:30:09 ID:7oHd5KIE
みんなエリーンちゃんとのほのぼのライフが好きなのかと思ってましたw
書きたい妄想は色々あるので、長い目で見て頂ければと思います。
今回はキングベアーが欲しくて興奮したので書いてみました。

894名無しさん:2016/11/10(木) 00:30:39 ID:7oHd5KIE
みんなエリーンちゃんとのほのぼのライフが好きなのかと思ってましたw
書きたい妄想は色々あるので、長い目で見て頂ければと思います。
今回はキングベアーが欲しくて興奮したので書いてみました。

895名無しさん:2016/11/10(木) 00:31:49 ID:7oHd5KIE
連投失礼しました。

〜可愛いエリーンちゃんと大きなクマちゃん〜

カウガールアバターはどうでもいいけど、クマちゃんこと、キングベアーはエリーンちゃんに大人気!
なんといっても大きい!エリーンちゃんと同じくらいの大きさなんだよね!

いち早くクマちゃんをゲットしたエリーンちゃんは大はしゃぎ!
ギュゥーっと抱きついて頬ずりしちゃう!ふかふかでぽかぽか!心地いいね!
「クマチャン!クマチャ!クマチャンー!^^」エリーンちゃん、おともだちが出来て良かったね!

「ンショ!」とクマちゃんを背負うエリーンちゃんはとっても可愛い!
むしろ、エリーンちゃんがクマちゃんに背負われてるようにも見えちゃう!

何処へ行くのもクマちゃんと一緒!一人旅でも寂しくないんだ!ズッ友だょ...!!
「後ろは任せたデス!」なんてカッコイイセリフも言えちゃうよ!

お腹が空いたら一緒にお弁当タイム!もうぼっち飯だなんて言わせないよ!
「モゥ!お口に付いてるデスよ^^」なんて言いながら大きな指でご飯粒を取るあざとい仕草も出来ちゃう!

お弁当を食べたらのんびりお昼寝!クマちゃんの大きなお腹にエリーンちゃんの大きな頭をポムン!とのせちゃう!
「スピースピーZzzz(-q-)」ヨダレを垂らしながら無邪気に眠るエリーンちゃんはとっても可愛い!

真っ赤に燃える夕日をクマちゃんと一緒に眺めちゃう!今日も楽しい一日だったね!
「ァーィ!ァーィ!ァーーィ!!^^」何度も高らかにVサインを掲げるエリーンちゃん!幸せそうだね!

夜眠る時もエリーンちゃんとクマちゃんは一緒!凍える夜も寒くないね!
エリーンちゃんは切なくて、もっと仲良くなりたくて、クマちゃんにお股を擦りつけちゃう!
「ヨゥー,,オッオッ..チャァペー!ホドンミィ!ホーミタィ!(モフッフモフモッ」Hold on me!Hold me Tight!

クマちゃんにしがみついて夢中で腰を振るエリーンちゃん!こんなの初めて!
エリーンちゃんのお股とクマちゃんは仲良しのお汁でベチョベチョ!
「オゥ!オゥ..ヨゥ!モゥ!!ォオオワァァ!!!(ビクンビクンビクッ」BBAみたいな声で絶頂に昇りつめちゃう!

ずっと仲良し!エリーンちゃんとクマちゃん!
みんなもクマちゃんと一緒に!たのしい冒険に出かけよう!

おしまい。

896名無しさん:2016/11/16(水) 17:31:23 ID:DWUviK42
リョナもいいけどこの文体の方が狂気を感じる
書きたいものを書けばいいと思うよ
ところでみんなはエリーンのスマホゲーはやるのかな?

897名無しさん:2016/11/27(日) 00:52:54 ID:7oHd5KIE
デビリアンやってみたよ。生意気なエリーンちゃんがパンツ丸見えで倒れてる姿が可愛いです。
自動戦闘にしつつ妄想を膨らませて書いてみました。

898名無しさん:2016/11/27(日) 00:57:25 ID:7oHd5KIE
〜出荷エリーン 異世界Ver.〜

「アルボレアからエリーンが消える。」そんな噂を耳にするようになった。
どうやら時空の亀裂の影響で、エリーンが異世界に出荷されてしまっているようだった。

異世界でもエリーンは人気で、可愛らしい見た目とは裏腹に高い戦闘力を発揮し、大活躍していた。
また、異世界では特殊能力にも目覚め、レオパードという姿に変身する事が出来る。
この時のエリーンは野生を取り戻すのか、口調を荒げ、非常に高圧的な態度をとるようになる。

アルボレアにいた時よりも活躍出来ている事に気分を良くしたのか、通常時でも調子に乗るようになっていった。
「ウワァィwここも難しくはないなw」「ププッwwまた勝っちゃったねぇww」
これがエリーンの本質であり、ある意味ではレオパードの時よりも陰湿でネチネチしている。

だが、そのように活躍出来るエリーンは一握りで、多くのエリーンは異世界の環境に馴染めずに淘汰されていく。

学校にも行かず、毎日食っちゃ寝を繰り返していた鼻くそエリーンもその一匹だった。
とぼけた表情で鼻をほじりながら日向ぼっこをしていると、突如、時空の亀裂が発生し、異世界に出荷された。

「(クニクニ..クニクニ)…ンガァガ…ァー?」鼻をほじりながら周りを見渡すが、今一つ状況が飲み込めていない。
幸い、戦場からは離れた場所のようだが、鬱蒼とした木々が太陽を遮り、重苦しい空気が漂っている。

急に心細くなった鼻くそエリーンは鼻くそを指でこねくり回しながら、自分の家を探す。
しかし、そんなものはあるはずがない。異世界なのだ。鼻くそエリーンを知る者もいない。飼い主もいない。

「ショーペー...フェーペー…。ペーョー...ンモツププ(モグモグ」眉をハの字に曲げて情けない声をあげる。
舌足らずな口調で飼い主の事を呼びながら、こねくり回した鼻くそを咀嚼している。まさに鼻くそエリーン。
鼻くその塩気を味わう事で、自分が空腹であると気付いた鼻くそエリーンは、他に食べ物がないか探し始めた。

…無い。今までの世界でおやつ代わりにしていた木の実や、甘い蜜を含んだ花が全く見つからない。
いかにもヤバそうな色をしているキノコに手を伸ばす鼻くそエリーン。

このように、出荷された無能エリーンの多くは何も出来ずに餓死するか、毒性のある変な物を食べて死に至る。
恐らくこの鼻くそエリーンも空腹に耐え切れずに毒キノコを食べて死ぬのだろう。
運悪く悪魔軍の占領下に放り出されたエリーンは言うまでもなく…悲惨な最期を遂げている。

意外にも適応力が高かったのが貧乏野良エリーンと呼ばれるタイプのエリーンだった。
近年では凶暴化した貧乏野良エリーンが人を襲ったり、伝染病の媒介になっているケースも報告されていた。
ヴァルキオン連合は貧乏野良エリーンの一斉駆除を計画しているとか…。

なので、彼女達にとってはアルボレアだろうが異世界だろうが同じだった。生きる為なら何でもするのだ。
鼻くそエリーンのように、中途半端に飼いならされたエリーンはどの世界においても弱者だ。
知恵もコミュ力もなく、自身の力で生き抜いていく術を持ち合わせていないからだ。

「ケテ...ケテケテケテテ..ンガッコォ…ヘッペペヨーゥ!ヨーゥヨーゥ!ホォーァ!ホォォォァァ!!^q^」(ドデッタン!ドタン!ジョォォァァァァ!プッシィィ!!)

毒キノコを食べた鼻くそエリーンが木々に身体を打ちつけて不気味に笑ったかと思うと、
鼻の穴に毒キノコをぶっ挿して叫び出した。完全にラリっているようで、勢い良く失禁している。

もはや、ラリーンだ。その後もケモ耳を引き千切ろうとしたり、しっぽを噛んだりなどの奇行が続いた。
異世界の地で、無意味に出荷された小さなエリーンが無様な姿を晒している。

――事切れた時のラリーンは自身の糞尿と大量の血液にまみれた状態だった。
大きな指を両側の鼻に深く深く突き刺しており、これが直接の死因のようだ。指は脳にまで達していた。
最期まで鼻をほじろうとしたのだろう。彼女は最期まで鼻くそエリーンだったのだ。

糞尿と鮮血で彩られた鼻くそエリーンは、いつものようにとぼけた表情をしていた。

おしまい。

899名無しさん:2016/12/01(木) 22:43:49 ID:dhMuWtbc
新作待ってました!
悪魔軍の占領下に放り出されたエリーンの末路が知りたい

900名無しさん:2016/12/08(木) 23:23:08 ID:7oHd5KIE
悪魔軍の占領下に放り出されたエリーンはビクンビクンのけぞって、おパンツ丸見えでぶっ倒れます。
その後は慰み者になったり、食料になったり…妄想が膨らみますが、デビリアンも無課金じゃキツくなってきました。
なので、ディーラーエリーンで妄想をします。


〜新・ディーラーエリーン〜

ディーラーエリーンのクリスマススロットが登場!
初代はキツネエリーンだったが、イカサマが発覚して解雇された。
二代目はウサギエリーンだ。これも散々悪態をついた挙句、イカサマがバレて追放。
今は娼婦エリーンとして一日に数十人の客をとって生活しているという。

現在、ディーラーエリーンとして活躍しているのは三代目のイヌエリーンだ。
今年の5月に抜擢されたディーラーエリーンで、今回のクリスマススロットでも続投している。

抜擢当初は「よ、よろしくデス」と初々しい姿を見せてくれたが、
今では見る影もなく、狡猾な笑みを浮かべてこちらを見ている。すっかりスレてしまったようだ。

噂によると、最近は随分羽振りの良い生活をしているらしく、
最新のフライトジャケットアバターを着こなし、男を何人もはべらせて夜の街を闊歩しているという。

身体にぴったりと張り付くワンピースはとても扇情的だ。尚、胸は盛っている。
わざとジャケットをはだけ、うっとりとした表情を見せれば、男はイチコロである。

先代のディーラーエリーンがみっともない去り方をしたのも知っていて、
自分はそうなるまいと色目を使ってあちこちに根回しをしているようだ。
イカサマなどしなくても、馬鹿な客から搾取する方法はいくらでもあるのだ。

このように、今回のディーラーエリーンも中々の曲者のようだ。
エリーンとギャンブルにのめり込むのは程々にしておこう。

おしまい。

901名無しさん:2016/12/25(日) 00:21:23 ID:7oHd5KIE
〜マフリーンとニットリーン〜

フライトジャケットアバターの頭装備はイヤーマフかニット帽が選べるようになっている。
絶賛開催中の雪合戦会場は非常に寒い。イヤーマフやニット帽は必須アイテムと言えるだろう!

ヘッドフォンとイヤーマフを間違えて買ってしまったマフリーンはイヤーマフをしたまま微動だにしない。
どんなに耳を研ぎ澄ましても、イヤーマフからは音楽など流れないのだ。

ニット帽を被ったニットリーンは大きな頭がより強調される上に、ケモ耳は飛び出るのでとても可愛い。
これまでもパンダ柄やカエル柄のニット帽があったが、あれは頭に張り付く感じでケモ耳も飛び出ない。
好みの問題だが、どちらも頭を引っ叩きたくなるデザインだ。

最新のニット帽を被って雪合戦に参加してきたニットリーン。注目の的だ。色んな意味で的だ。
大きな頭目掛けて集中攻撃するのはとても楽しい。何度も何度も容赦なく頭に雪玉をぶつけるのだ。

しゃがんで雪玉を作っている時はチャンスだ。背後から雪玉をぶつけまくる。
雪玉がないと反撃出来ないので、再びしゃがんで雪玉を作ろうとするニットリーンに雪玉爆撃を食らわす。

トテトテと走っている時も、動きを先読みして特大な雪玉を顔面目掛けて投げつける。
顔面に特大雪玉が直撃したニットリーンの鼻からは血が噴き出し、そのまま仰向けに倒れた。
真っ白な雪がニットリーンの鮮血で赤く染まっていく。クリスマスカラーだ。

ニットリーンからニット帽を奪い取り、ただの鼻血エリーンにしてやる。
最新のニット帽を被っているというレアリティを失った元ニットリーンに価値などない。

奪い取ったニット帽を目の前にチラつかせ、"返して欲しいか?^^"と挑発をするのも楽しい。
鼻血を垂らしながら大きな手を伸ばして、必死に取り返そうとする姿が健気だが、目のピントがズレている。

"ここまでおいで〜^^"と言ってニット帽をチラつかせつつ、走って逃げると鼻血エリーンも追いかけてくる。
しかし、顔面に受けた特大雪玉のダメージが大きかったのか、フラフラして真っ直ぐ歩けないようで、
バリケードにぶつかったり、滑って転んだり酷い状態だった。

ものの数メートル歩いた後に鼻血エリーンは激しく嘔吐した。
ズレた眼球は戻らず、鼻血も止まらない。おやつに食べたパンプキンマフィンがドロドロになって口から溢れ出す。

もはや雪合戦どころではない。仕方がないので、奪い取ったニット帽に大量の雪を詰め込んで雪玉ニットにする。
うずくまってゲェーゲェー吐く鼻血エリーンに近づき、再度"返して欲しいか?^^"と訊ねる。

すると、鼻血エリーンはゆっくりと顔をあげて、大きな両手をこちらに差し出してきた。
ズレた眼球は小刻みに震えているし、ゲロまみれの口元は心なしか笑っているようにも見えた。実に気持ち悪い。

"OK、じゃあ返してやるよ^^"……(ボズァッ!!)(グッギッ!…バタッ…)

思い切り力を込め、雪玉ニットをゼロ距離で顔面にぶつけてやった。

…再び仰向けに倒れるニットリーン。"大事なニット帽を返して貰えて良かったね。嬉しい?^^"
そう訊ねるが、顔面は大量の雪と湿ったニット帽で覆われ、表情を窺い知る事は出来ない。返事もない。

どうやら死んでしまったようだ。元々虫の息だったが、最後の一撃で首の骨でも折ったのだろう。
ふむ、雪合戦ではよくある事なので何も問題ない。さよなら、ニットリーン。

おしまい。

902名無しさん:2016/12/25(日) 06:58:39 ID:Xz2XO7w2
サイコー

903名無しさん:2016/12/27(火) 17:08:05 ID:SSBEh5H2
クリスマス投稿乙!マフリーン出番少なくてワロタw
うつろな目で手を差し出すニットリーンにゾクゾクするね

904名無しさん:2017/01/12(木) 22:13:44 ID:7oHd5KIE
〜場末エリーン〜

キャスタニカで細々と営業を続けている場末のスナック「愛〜アーイ〜」ではスレたエリーン達が働いている。
以前はそれなりに繁盛していたというが、本当かどうかは定かではない。

ママと呼ばれているウサギエリーンはエリーンとは思えないくらい太っており、デブーンだ。
ケバい化粧と酒ヤケした声で「ア゛ーイ」と言うのだから中々の迫力である。

従業員として働いてる二匹のエリーンはスパンコールドレス(古着)を着ていた。
不自然に盛った胸とシースルーの透け感が場末感を更に際立たせている。

スパンコールは遠目で見ればキラキラして綺麗だが、間近で見るとブツブツしており、
剥がれ落ちてしまっている部分があちこちに見受けられた。

この二匹のエリーンが何故、こんな場末のスナックで働いているのかというと…↓

イヌエリーンは主人と共に裕福な暮らしをしていたが、とあるキャス♂と恋に落ちる。
しかし、キャス♂は遊び人でろくに働きもしなかったので、イヌエリーンに金をせびるようになっていった。
愛する男の為に家の金をこっそり引き出し、キャス♂に渡すイヌエリーン。
次第に要求額が上がっていき、遂には主人にバレてしまう。

激昂した主人はイヌエリーンを勘当。キャス♂と共に駆け落ちする道を選んだが、
キャス♂は既に別の女と付き合っており、すがるイヌエリーンの大きな手を振り払い、去っていった…。
要するにイヌエリーンは金づるだったのだ。悲しみに暮れるイヌエリーン。もはや野良エリーンである。

その後、スナックのゴミ箱を漁っている所をママに発見され、今に至る。

もう一匹、ヒツジエリーンも従業員として働いているが、こちらもワケありだ。
なんと、ヒツジエリーンには禁忌とされるジンギスカンを食し、気が狂って騒動を起こしたというのだ。
仲間のヒツジエリーンに襲い掛かり、短いしっぽを噛み千切ったり、自身の髪を毟るなどしたという。

また、禁断症状にも悩まされたジンギスリーンはとうとう薬物にも手を出してしまった。
今では使われていない護符とポーションなどを掛け合わせて作った合成ドラッグだ。

しかし、薬物は金がかかる。気付けば借金地獄に陥っていた。
そうこうしている内にジンギスリーンは逮捕され、服役を余儀なくされた。

服役後、綺麗な身体になったヒツジエリーンを拾ったのが今のママだった。

ママはエリーン達の罪も悲しみも全て受け止めた。その大きな身体と心で抱きしめた。
慰めの言葉も説教もなかった。ただ一言「ア゛ーイ」と呟けば、それだけで十分だった。愛があった。

ママ「ア゛ーイ」 イヌ「ァーィ」 ヒツジ「ァーィ」

――輝くミラーボールの下で踊る二匹のエリーン。
彼女達にとってこのスナックこそが、唯一の居場所なのだ。

煙草を吹かしながら二匹のエリーンを見つめるママ。
その眼差しは紛れもなく"ママ"そのものだった。

おしまい。

905名無しさん:2017/01/14(土) 08:13:50 ID:hQ0DtnbI
なんとも物悲しい…ァーィ
が、一度でいいからデブーンをみてみたい

906名無しさん:2017/01/14(土) 11:20:30 ID:LMTz7mIg
ドラマみたいだね ジンギスリーンはいかにも薄幸そうだし
デブーンは体型全てが+20とかになってそうw
タイケイコノミンほしいな

907名無しさん:2017/01/15(日) 20:51:17 ID:Fo.62fmw
ジンギスリーンの人生壮絶すぎて笑う
死んだと思ってたわ

908名無しさん:2017/02/10(金) 10:27:22 ID:prexwqJA
濡れ衣屁コキリーンちゃんには報われて欲しいな…(´・ω・`)

ションベリーンさんのエリーンちゃんで報われた子ってコックリーン位しか覚えてないけど誰か居たっけ…?

909名無しさん:2017/02/11(土) 13:22:10 ID:V/MEXzoo
ヤスリンもシオナもシオズも死んだ
この荒れ果てた世界はエリーンに厳しい

910名無しさん:2017/03/01(水) 22:55:17 ID:7oHd5KIE
ダメなエリーンばかり書いてるので、どうしても報われない結果になってしまいますね。
卒業シーズンってことで、ちょっと書いてみました。

〜ひきこもりーん上〜

ウチには一匹のエリーンがいるわけだが、半年程前から部屋に引き篭もるようになった。
近年、増加傾向にあるといわれている、ひきこもりーんという奴だ。

可愛い部類のエリーンではないが、愛嬌のある顔をしているし、よく笑う明るいリスエリーンだった。
生活には不自由させていないし、欲しい物はなるべく買い与え、近所の学校にも通わせていた。
戦争などには行かず、この街で平和に暮らしてくれたらそれでいいと思っていた。

それが何故、ひきこもりーんなどになってしまったのか…。答えは身近にあった。
どうやら、学校でいじめの対象になってしまったようだ。
他のエリーンから、ナメクジ退治と称して塩をかけられたり、しっぽを引き千切られそうになったらしい。

全く…どうしようもないクソエリーンがいたものだ。何が平和と調和を愛する種族だ。
それにしても、ナメクジーンのひきこもりーんなんて惨め過ぎる。早い内に社会復帰させなければ…。

という事で「バラカ先生の楽しいあおぞら教室」というものに申し込んでみた。
恵まれないエリーンを対象にボランティアで授業を行ってくれるんだとか。
大半は未就学エリーンらしいが、中には不登校になったひきこもりーんやみなしごポポリなども集まるらしい。

このバラカ先生とやらはアルボレア中を駆け回って授業をしており、
これまでも何匹ものエリーンを更生させてきた、という噂を耳にした事がある。
本当かどうかは定かではないが、ウチのひきこもりーんにも何か良い刺激になれば、と思う。

――当日。嫌がるひきこもりーんを連れて街外れの殺風景な空き地へ来てみた。空き地という所がミソだな。
身なりが汚かったり、暴れたりするエリーンがいるとかで公民館などは借りられないんだとか。
空き地には折り畳みの机と椅子が設置してあり、既に数匹のエリーンが集まっていた。臭い。臭過ぎる。

なるほど、これが貧乏集落で暮らしてるという未就学エリーンか…。これで飼いエリーンなのか…。
臭いし汚いしブスーンだし、栄養状態がかなり悪そうだ。保護者は一体何をやってるんだ。

何だかウチのひきこもりーんがマシに見えてくる。ちゃんと席にも着いてるし、筆記用具だって持たせてる。
それに比べて他のエリーンは机の角に股間を押し付けたり、ケモ耳の毛を毟って食べたりしていた。頭おかしい。

バラカ「集まってますね。さぁ、始めましょう!」

お、彼が噂のバラカ先生か。見るからに人の良さそうなバラカだ。さて、どんな授業をしてくれるのか。

911名無しさん:2017/03/03(金) 17:05:52 ID:DktZ2qrI
ひきこもりーんというセンスw
未就学エリーンは角にーですか
続きに期待

912名無しさん:2017/03/04(土) 20:17:48 ID:7oHd5KIE
〜ひきこもりーん 下〜

……。

バラカ先生の授業は大人でも惹き込まれる程で、大変充実した内容だった。
セレンやエリーヌなどの神の話から道徳、日常会話や簡単な読み書きなどを、一つ一つ丁寧にわかりやすく話した。
口が利けないエリーンばかりで、本来なら意思の疎通は難しいが、バラカ先生の言う事は理解が出来るらしく、
時折、ジョークを飛ばすと「キャハハハ」とエリーン達の楽しそうな笑い声が殺風景な空き地を彩った。

気付けばどのエリーンもバラカ先生の授業を夢中で聞いていた。目を輝かせている未就学エリーンもいた。
ウチのひきこもりーんも例外ではなかった。しかもノートまでとっている!
ずっと部屋に閉じこもってナメクジのような生活をしていたというのに。連れてきてよかった。

結局は向き合い方なのかもしれない。こいつはクソエリーンだから、言葉がわからないから、といって、
エリーンが何を考えているのか、どうしたいのか、わかろうとしない奴が多過ぎるんだ。

俺もわかってはいなかった。リスエリーンが学校でいじめられているなんて引き篭もるまで知らなかったし、
とにかく不自由だけはさせまいと仕事にかまけて、リスエリーンがどんな気持ちでいたのか考えた事もなかった。

エリーンは「ァーィ」とよく言うが、これもエリーンなりの言葉であり感情表現の一つなのだ。
リスエリーンも学校で人の言葉を覚えるまでは、ァーィァーィばかり言っていた。
ァーィじゃわからないと叱った事があったが、わかろうとしないこちらにも非があった。

バラカ先生はその事をよくわかっている。エリーンの細かな仕草、表情を見逃さない。
どういう意図があって行動をしているのか、よく分析しているようだ。

エリーン達も言いたい事や思っている事を理解してくれる存在に出会えた事が嬉しいようで、
たどたどしい口調で質問したり、自分の事を知って貰おうと身振り手振りでバラカ先生にアピールしている。

机の角に股間を押し付けていた角オナリーンも「センセ!センセー!」と大きな手を上げてにっこりと笑っている。
生涯「ァーィ」しか言えずにのたれ死ぬであろう運命にあった貧乏未就学エリーンに、希望の光が差し込んだ瞬間だ。


――授業の後はレクリエーションを楽しんだ。この頃にはみんな打ち解けて仲良くなっていた。
ウチのリスエリーンが貧乏未就学エリーンに言葉を教える場面もあった。
バラカ先生からの誘いもあり、保護者である俺もエリーン達と黎明の島沈没というゲームに参加した。

汚い貧乏未就学エリーンが俺に群がってくるのは気持ち悪かったが、根は無邪気で良い子達だった。
これもバラカ先生の手腕によるものなのかもしれない。授業がなければこんな関係にはなれなかっただろう。

それよりも、貧乏未就学エリーンの身体の細さと軽さには驚いたし、心配にもなった。
太ももはガリガリで肋骨は浮き出てるし、姿勢が悪くて顎が突き出している。歯がないエリーンもいた。

リスエリーンと同年代だとは思うが、身長は小さく…ひょっとしたら知能も少し遅れているかもしれない。
ひきこもりーんとは言え、学校に通っていたエリーンとそうでないエリーンを比べるのはおかしいが、
それでもこの成長の差には違和感を覚える。栄養状態も大きく影響しているだろうし、何とかすべきだ。

曲がりなりにも飼いエリーンであるならば、保護者はきちんと育てるべきだ。
それが出来ないのであればエリーンを飼ってはいけないと俺は思う。

…が、エリーンを愛玩用や召使い、奴隷のように扱ったりする者も多いと聞く。
虐待用のエリーンなんてのも裏では安く取引されているようだし、エリーン界隈の闇は深いのだろう。

かく言う俺もリスエリーンをひきこもりーんにさせてしまったわけだし、責任は感じてる。
いや、俺もバラカ先生の授業のおかげでそう気付けたのかもしれない。色々学ばせて貰ったな。

最後にバラカ先生は宿題を出した。将来の夢についてだ。バラカ先生らしい宿題だと思った。

913名無しさん:2017/03/05(日) 17:14:46 ID:7oHd5KIE
〜ひきこもりーん エピローグ〜

バラカ「貴方達の未来は無限に広がっています。なりたい自分になりましょう。応援してますよ^^」

――。

あれからどれくらいの月日が流れただろうか。
バラカ先生の希望に満ちた言葉と穏やかな表情が今も脳裏に焼き付いている。

バラカ先生による授業の翌日からリスエリーンはひきこもりーんを辞め、再び学校に通うようになった。
俺自身もリスエリーンとの向き合い方を変えた。一緒に過ごす時間を増やし、きちんと会話をするようにした。

すると、以前のような明るさを取り戻し、よく笑うようになった。いじめもどうにか解決出来た。
友達も出来たようで家に連れてくる事もあった。お勉強会やらお泊まり会やら、とても楽しそうにしていた。

貧乏集落で暮らす未就学エリーンとも良好な関係を築いており…というかこいつらは俺に懐いているようだが…。
机の角に股間を押し付けていた角オナリーンは、エリーン自立支援施設に入った。自分で志願したらしい。
角オナ以外にやりたい事を見つけたのかもな。集落にいるより文化的な暮らしが出来るだろう。

いつか、リスエリーンと再会する事を約束して、笑顔で去っていった。
とにかく…あれから色々あった。嬉しい事、楽しい事。時にはリスエリーンと口論になる事もあったな。


そして、今日。リスエリーンは学校を卒業する。

(なぁ、リスエリーン。将来の夢は決まったか?なりたい自分、見つけたか?)
心の中で問いかける。もはや口に出して言う事でもない。

リスエリーン「ァーィ!!」

すると、リスエリーンは俺の心を察したかのように満面の笑みでそう答えた。
ははは、今ならその言葉の意味がよくわかるよ。そうかそうか。
お前ならきっとなれる。自分を信じて、未来に向かって、精一杯やりなさい。


俺「卒業、おめでとう。」


おしまい。

914名無しさん:2017/03/07(火) 17:08:28 ID:ZIntipIE
新作乙!今回はきれいなしょんべりーんだったw
ひきこもりーんも角オナリーンも更生できてよかったね
バラカ先生いい人だなぁ

915名無しさん:2017/03/08(水) 00:17:06 ID:Fo.62fmw
やさしい世界

916名無しさん:2017/03/11(土) 01:42:07 ID:hQ0DtnbI
イイハナシダナー(´;ω;`)

917名無しさん:2017/04/25(火) 15:52:48 ID:YyQkxVSk
もしかして
しょんべりーんも卒業しちゃった?

918名無しさん:2017/06/01(木) 00:35:39 ID:7oHd5KIE
忙しくしてますが、まだまだエリーンちゃんが大好きです。

〜エリーンの刺身〜

これまでもエリーンの鼻くそやへそごま、糞尿、体毛などはマニアの間で取引されてきた。
エリーンの体臭や口臭、おならの臭いが密封された匂い袋「エリーンのスメル」は大ヒット商品だ。

中にはエリーンの虫歯をコレクションしている者もいるらしい。
治療と称して虫歯エリーンを捕獲し、執拗に虫歯箇所を責め立て、最後の仕上げに無理矢理抜歯するのだ。

だがしかし、彼らのエリーンへの異常な執着と欲求は留まる事を知らず、加速度を増していく。

そして、とある高級料亭の裏メニューとして極秘に提供され始めたのが、そう…「エリーンの刺身」だ。
政界の大物や官僚達もこの料亭によく訪れるが、エリーンの刺身が目的ではないかと噂されている。

食用のエリーンは何処から連れてくるのか。野良?誘拐?…いや、違う。
どうやら食用のエリーンを飼育するエリーン牧場が存在するらしいのだ。
屠殺にはグラ族が一枚噛んでいるというから実に闇が深い。

食用エリーンのエサにも細心の注意を払っており、決まったエサを決まった時間に決まった分量だけ与える。
運動も大切な要素だ。筋肉と脂肪のバランスを計算してその都度、運動のメニューを変えている。
これを怠ると大味なデブーンになってしまい、売り物にはならないのだ。

一番手間がかかるのがストレスの管理だ。過度なストレスは味にも大きな影響を与える。
エリーンは気性に問題がある個体が多く、飼育が難しい事は周知の事実である。
いかにストレスを与えず飼育出来るか、最高の状態で出荷出来るか、飼育員の手腕にかかっている。

エリーンの刺身で使われる部位は太ももの極一部だという。
エリーンのムチっとした太ももはエリーンマニアにとって永遠のロマンといって良いだろう。

また、エリーンの頬肉も刺身やしゃぶしゃぶ用として提供される事があるらしいが、
顔立ちによって味や硬さが微妙に違うようで、熟練のマニアは頬肉を食べただけで容姿を想像出来るという。

珍味として人気があるのがエリーンの乳首だ。生で食べるとコリコリとした食感がクセになるとか。
乾燥させたエリーンの乳首を袋詰めにしたお土産「えりちく」も人気らしい。
見た目は大小様々なレーズンといった感じだが、酒の肴や白米とも相性が良いのだという。

食用とはいえ、エリーンだ。食べるのはいささか抵抗があるとは思うが、
一度味わってしまうと二度と忘れられず、その味の虜になってしまう程のものだとか。
その為、うわ言のように「エリーンの刺身食いてえなぁ」と呟いてしまうらしい。

おしまい。

919名無しさん:2017/06/01(木) 01:55:25 ID:ZYGMmhuE
食用エリーンの飼育……グラ様……あっ(察し)

920名無しさん:2017/06/01(木) 03:50:10 ID:DY1cpEY.
支配される事を本能が求めているから…

921名無しさん:2017/06/01(木) 08:18:28 ID:bbLh6Wzc
エリーンの刺身食いてえなあってフレーズ、どっかのスレで見たな

922名無しさん:2017/06/19(月) 21:23:23 ID:3cRt88oQ
〜おかっぱブスーンに○○を〜

ジューンブライドは女の子の憧れ!全エリーンちゃんの憧れである。
将来の夢はいつの時代も素敵なお嫁さんなのだ。

ブライダルアバターの実装、それに伴ったイベントの開始…運営は大忙しだ。
そんな中、事件は起きてしまった。

イベント「ジューンブライドに花束を」でモデルを務める事になったエリーンがブスだったのだ。
ブライダルアバターのモデルはアルボレアではお馴染みの、"よく見かける量産型エリーン"だったが、
イベントのモデルは、"たまに見かけるブスーン"だったのだ!…これには運営も苦笑い^^;

ジューンブライドにふさわしい、華やかで綺麗なエリーンのモデルを募集したのだが、
当日、撮影スタジオに現れたのはキツめの顔をしたおかっぱブスーンだった。

モデル派遣会社の手違いなのか、はたまた人材不足なのか…いずれにせよ、今更チェンジは出来ない。
何とかしてこの撮影を乗り切るしかない。

撮影に関する簡単な打ち合わせをしたが、これもあまりうまくいかなかった。
なんとこのおかっぱブスーン、口が利けなかったのだ。
こちらが問いかけても無愛想に「…ァー」だの「ゥンシー」だの言うだけで会話にならない。

薄汚い粗末な服から茶色いパンツが丸見えになっており、股の付け根をボリボリと掻き毟っている。
それどころか、ケータリングの食べ物をクチャクチャと食い散らかしたり、床にこぼした味噌汁を舌でチロチロと舐めたり、
大きな手でカメラのレンズをベタベタと触ったり、照明器具を揺らしたり…何かと落ち着きがなかった。

機材を壊されたら困るので注意すると、ムスッとした顔でこちらをじーっと睨みつけるのだ。
本当にモデルなんだろうか…運営の撮影スタッフ一同に不安がよぎる。

まぁ…馬子にも衣装というし…こんなブスーンでも衣装を着せればそれなりに見えるだろうという事で、
ヘアメイク、スタイリストに頼んで一通りやってもらったのだが、これも大変だった。

新品のブライダルドレスで鼻をかもうとしたり、髪はフケだらけで脂ぎっているし、
マスカラを塗ろうとしても暴れたり、大きな手で目元をこすったり、口紅を食べたり…。
実際に撮影がスタートしたのはメイク開始から数時間後の事だった。

しかし、撮影は驚く程順調だった。何パターンか撮ったが、あっという間に終わった。
あんなに落ち着きがなかったのに…それは何故か?

――おかっぱブスーンがメイク中に見つけた物の中にはこんな物があった。…除光液。
そう、マニキュアを落とす為の道具なのだが、使い方によってはシンナー中毒の症状が出る。

おかっぱブスーンは除光液の香りが大変気に入ったようで、除光液のボトルを直接鼻につけて香りを楽しんだ。
これが功を奏し、おかっぱブスーンは急激に大人しくなった。恐らく、陶酔感や多幸感を得ているのだろう。
心なしか表情も少し緩んで、キツい印象が緩和されたようにも見える。

撮影終了後もおかっぱブスーンは除光液のボトルを手放そうとしなかったので、
今日のギャラとして除光液を渡す事にした。
すると、おかっぱブスーンは緩みきった表情で「ァーィ^q^」と言って喜んだ。ガンギマリである。

あれだけ無愛想で落ち着きのなかったおかっぱブスーンが、今ではヨダレを垂らしてスロウな時間を楽しんでいる。
この事がきっかけで、エリーンモデル業界に薬物汚染が一気に広まるのだが、それはまた別の話だ。

おしまい。

923名無しさん:2017/06/25(日) 01:57:15 ID:hQ0DtnbI
すでに続きがやヴぁい匂いしかしないww

924名無しさん:2017/08/03(木) 19:22:21 ID:7zu0WhRg
ああああああ!エリーンガンナー!たぬきエリーン!ぽんぽこりーん!おほおおおおお!!!

925名無しさん:2017/10/30(月) 21:50:26 ID:7zu0WhRg
〜ほっかぶりーん〜

ここはヴェリカのペガサス発着場。新たなる旅の始まりに胸を躍らせ、辿り着く場所だ。
しかし、現実は非情。そこには頭にフードやほっかぶりをした貧相な子供が集まっていた。

ヒューマンの子供に成りすましているのだろうがバレバレである。正体は貧乏野良ほっかぶりーんだ。
ケモ耳を隠す為のほっかぶりみたいだが、頭隠して尻隠さずだ。しっぽが丸見えである。
少しだけ頭がイイほっかぶりーんはしっぽも隠そうと、しっぽを折り曲げて股に挟んだり、
粗末なパンツの中に押し込もうとしているが、逆に盛り上がって不自然な見た目になってしまっている。
あろうことか、しっぽをいじり過ぎて発情してしまう色欲ほっかぶりーんまでいた。

自身のアイデンティティの喪失を隠す為のほっかぶりでもあるようで、
とあるほっかぶりーんからほっかぶりを剥ぎ取ってみると、ケモ耳のほとんどが欠損していた。
元はウサギエリーンのようだが、残っているのは根元のみになっており、生きているのが不思議なくらいだ。

ほっかぶりーんは主に、ペガサスでやってきた観光客や冒険者達から金品や食べ物をねだっている。
空き缶などを持って「ァー!ァーァー!」だの「チャーモゥ!メェヨゥモゥ!」だの大きな声を出して、半ば脅迫めいた事までしている。

器になる物を何も持っていないエリーンは汚れた大きな手を差し出したり、
自身のぼろぼろパンツを袋代わりにして、何か入れてくれとせがんでくる。
パンツは酷い悪臭でクロッチ部分は黄色、茶色、赤色が混ざってグジュグジュしており、気持ちが悪い。

そもそもパンツを穿いてるほっかぶりーんは一握りで、大半はノーパンで過ごしている。
何処からか盗んできた粗末な布や葉っぱなどを身体に巻きつけたりしているが、
中にはほっかぶりはしているのに、身体は全裸という生粋のほっかぶりーんもいた。
恥ずかしがる素振りも見せず、股間は真っ黒に汚れていて何処が穴なのかもわからない。カビも生えている。

逆にパンツを持っていても穿きもせず、袋代わりにするでもなく、何故か頭に被る変態おぱんつりーんもいた。
元はケモ耳を隠す為にほっかぶりをするという目的があったはずなのに、
パンツの穴から丁度良くケモ耳を出しているので本末転倒。もはや何が目的なのかわからない。

警備兵が頻繁に見回りをして物乞いほっかぶりーんを蹴散らしているが、少し時間が経つとワラワラと湧いてくる。
なので、見せしめに数匹捕まえて公開処刑しようという話が持ち上がっている。サマエルは乗り気だ。

見かねた冒険者が情けをかけ、ラズベリークッキーでも与えようものなら悲惨なことになる。
貰えたほっかぶりーんは更にねだろうと冒険者に付き纏い、貰えなかったほっかぶりーんは怒りと嫉妬に狂い、
冒険者に纏わりつくほっかぶりーんを追いかけ、暴行を加える。鬼の形相だ。とてもエリーンとは思えない。
ほっかぶりを剥ぎ取ったり、しっぽに噛み付いたり、蹴っ飛ばしたり、同種族間で醜い争いを繰り広げる。

更には冒険者にも因縁をつけ、自分にも何かくれと「ァーァー!!チャーーモ!ギョオァギョオァ!!」とまくしたてる。
他のほっかぶりーんも便乗して冒険者に群がる。こうなってはお手上げだ。冒険者は甘かったのだ。
自分なら世界を救えるかもしれない、そんな幻想に囚われているからこうなるのだ。

冒険者はラズベリークッキーが入った袋を取り出すと、腕を上にあげて注目を集める。
群がるほっかぶりーんは目を輝かせ、ピョンピョンと跳ねてクッキーの入った袋を掴もうとするが、
身長差があるので到底届きそうにない。エサを欲しがって水面に浮上してくる鯉のような光景だ。

「せーの!」(ポイッ)冒険者がクッキーの袋を投げる。すかさずそれを追いかけるほっかぶりーんの群れ。
誰が一番先に辿り着くのか。争奪戦の始まりだ。誰もが無事ではいられないだろう。
冒険者は振り返る事なく、その場から去っていった。

おしまい。

926名無しさん:2017/11/16(木) 08:13:37 ID:7zu0WhRg
〜クソエリーン スタンプVer〜

エリーンガンナーの登場で湧き上がるアルボレア。同時にあしあとスタンプという代物も実装された。
その名の通り、歩くと足跡にスタンプのエフェクトが浮かび上がる。これにはエリーンちゃんも大歓喜だ!

てくてく…(ぽいんぽいん)てくてく…(ぽいんぽいん)「ンーフー♪」

歩く度に浮かび上がる可愛いスタンプ。ドヤ顔で街を練り歩くエリーンちゃん達。

自分のスタンプがちゃんと表示されてるか不安げな表情でキョロキョロと後ろを振り向くナメクジーン。
そのスタンプを鬼の形相で踏み潰しにくるイヌエリーン。どうやらスタンプが当たらなくてキレているようだ。

ウサギエリーンはキツネエリーンのスタンプが当たった事に不服なのか、
もっとスタンプボックスを買ってくれと飼い主にせがんでいる。

しかし、これは表の出来事だ。実に平和な世界である。
一歩、路地裏に入ればそこには野良エリーン共が世界が広がっている。

ガリガリに痩せた野良エリーンが食べ物を求めてゴミを漁っている。
ハロウィンのコスプレの一種でバンデージシルエットアバターなるものがあるが、
こちらの世界ではボロ布や葉っぱを巻きつけているだけの野良エリーンをよく見かける。
そもそも全く衣類を身につけず、全裸で路地を徘徊している野良エリーンも多い。

そして、野良エリーンの世界でもスタンプが存在しているのだ。
野良エリーンは健康状態が非常に悪く、常にお腹を下していると言っても良い。おわかりだろうか。

ずずっ…ずずっ…(ブビィビチチ…ベチョォ)ずっ…ずず…(ビリシチチッチシーチシーッ…)「…ァー……ァ?」

片足を引きずって歩く全裸のキツネエリーン。ケモ耳の片方が欠損しており、アホ毛も萎れている。
身体は痩せており肋骨が浮き出ているが、その反面、お腹は異様に膨れていてる。栄養失調だ。

歩く度に不愉快な音と共に汚物が垂れる。骨ばったお尻と痩せ細った太ももは茶色く汚れている。
そう、これがスタンプの正体。糞を垂れ流すクソエリーンによる、汚物スタンプだ。
もはや自分では排泄のコントロールが出来ないらしく、表情も虚ろだ。もう長くはないだろう。

このように路地裏はクソエリーンの汚物スタンプで酷く汚れているが、
クソエリーンが残した汚物を美味しそうに舐めるスカトロ野良ネコエリーンもいるようで、
それなりに需要と供給が成り立っているようだ。狂った世界である。

おしまい。

927名無しさん:2017/11/16(木) 13:16:08 ID:g00nDJ3A
俺の高貴なリパ姫にもクソスタンプ装備させて辱めてぇなぁ

928名無しさん:2018/11/29(木) 20:14:24 ID:GOqcoY8A
〜セレーン〜

妖精セレンの服アバターを身につけたエリーンが調子こいている。新しいアバターが出るとすぐにこれだ。
自分の事をセレンから選ばれた存在だと本気で思っており、自らをセレーンと名乗っている。
セレン+エリーンでセレーンなのだろうが、この安直さが実にアホなエリーンらしい。

腰に手を当て仁王立ちしているタヌキのセレーン。最近登場したエリーンファイターこと、"ぼこりーん"だ。
この佇まいとドヤ顔が癪に障る。階段や狭い通路で通せんぼするように突っ立っているから実に迷惑だ。

セレーン「セレーンちゃんは高貴で強くて可愛いデスから愚民共はひれ伏すデス。キャハハハハハ!!」

この通り、すっかり気が大きくなってしまっている。もう何を言っても無駄だろう。
最初の頃はエリーンファイターの目新しさと最新アバターの物珍しさでチヤホヤされていたが、
今はもう誰からも相手にされなくなったので、階段や狭い通路で通行人相手にイキっているというわけだ。

セレーン「おいBBA!!お前の時代はもうおしまいデス!汗臭いBBAはとっとと田舎に帰れデス!!」

偶然通りかかったヒュマ♀の元祖ファイターに対しても悪態をつきまくっている。
流石にこれには元祖ファイターも怒り心頭のようで、重い拳が新参ファイター、セレーンの腹にめり込んだ。

(どごぉっ!!)

セレーン「ッッ!!コォェ!!」(ぽひゅー!だぁんっ!)

あれだけイキっていたセレーンがいとも簡単にすっ飛び、受身をとる事なく地面に叩き付けられた。
大股を開いたままピクピクと痙攣するセレーン。よっぽど重い拳だったのか、腹は凹んだまま未だ戻らない。

セレーン「コハァッ!!ァッゲェ…ェーォァ!!」(ピシャ!レレレデロロレ…)

大量に吐血するセレーン。内臓がやられてしまっているようだ。
真っ赤な血と全身を破壊するような激しい痛みによって、何が起きたかようやく理解し始めるセレーン。
ポロポロと零れ落ちる涙。何で自分がこんな目に…とでも思っているのだろう。愚かだ。

セレーン「ァ…ァー…イッギ、ィー…ェグェッグ」(…チョロッ、チーチョロロロロロ…ジィョァァァ〜..ペペホペホロロ〜)

地面に倒れたまま泣いていると、開いた股から何やら液体が滲み出てきた。おしっこだ!血尿だ!!
これがおしっこ…鮮血そのものではないか。じわじわと地面に広がっていくセレーンの血尿!!
いや、血尿だけではない!下血だ!肛門からも大量に出血しているようだ!!

元祖ファイターの拳一発でここまでのダメージを負ってしまうとは…。

ご自慢のアバターは血液や尿、土埃で汚れ、妖精の羽は地面に叩き付けられた衝撃でもげ落ちてしまっている。
何とも惨めで情けない姿だ。セレーンが聞いて呆れる。

そもそもこいつは本当にファイターなのだろうか。ぼこりーん?ぼこられーんの間違いではないか。
などと考察している間に元祖ファイターの姿はなくなっており、代わりに人だかりが出来ていた。

こんな狭い場所でこの人だかり。何が起きるかはもうおわかりだろう。そう、集団リンチだ。
今までセレーンに罵声を浴びせられたり、酷い扱いをされた人達が仕返しにやってきたのだ。
中には貧乏野良エリーンの姿もあり、衣類などの所持品を狙っているようだ。

セレーン「…ャ、ヤメ…、ゴホッ..ユ...ユルチテ…ユ…チテ...ゴヘッゴヘェッ!!」

命乞いをするセレーン。しかし、もう手遅れだ。誰も彼らを止められない。
平和と調和を愛さないクソエリーンにセレンは微笑まない…。

おしまい。

929名無しさん:2018/12/13(木) 23:36:43 ID:GOqcoY8A
〜釣りーん〜

釣りが解禁されたアルボレア。天空の遺跡にある釣り場は釣り初心者で賑わっている。
釣りに目覚めたエリーンを"釣りーん"と呼ぶが、実力は様々であり、時には酷い釣りーんも見受けられる。

そんな酷い釣りーんを一部ご紹介しよう。

・釣り場でダンスを披露してはしゃぐが、足を滑らせて転落する釣りーん。
・ビギナーズラックで大物をヒットさせるが、釣り上げる力がなく逆に身体ごと持っていかれる釣りーん。
・釣りに来たのに水遊びを始め、周囲に迷惑をかける釣りーん。尚、魚は逃げる。
・水中に入り、苦悶の表情を浮かべながら大量に産卵するエレーン。鮭になったつもりらしい。

これらのタイプの多くは水中を泳ぐ謎の巨大魚に喰われてしまうという。

・人が釣っている様子を何故かじっと見てくる釣りーん。しかも突然「ァーィ」などと大声を上げる。魚は逃げる。
・「そこはエリーンちゃんのスポットデス!フンス」人の釣り場を横取りする釣りーん。出禁決定。
・ちっとも釣れずに飽きてしまう釣りーん。一匹も釣れない釣りーんはその場で坊主になってもらう。
・エサのミミズに触れず「ギョァァァ!!」などといちいち騒ぐ釣りーん。これだから素人は。

これらのタイプはただのミーハーであり、釣りの事などはすぐに忘れ、いつもの日常に戻っていく。

釣りといえば魚。魚と言えば食べ物。という事は貧乏野良エリーンもやってくる。
豊穣祭で収穫奴隷として働いた者や、少し頭のキレる者は木の棒を釣竿代わりにし、器用に釣りをしている。
こいつらは釣りが解禁される前から生活の為に勤しんでいたので、手馴れたものだ。

しかし、こんなのは極一部であり、大半の貧乏野良エリーンは酷い有様だ。

・人が釣った魚や釣り商人が管理する魚を盗み、その場で食い散らかす。理由はそこに食べ物があったから、だ。
・エサのミミズまで盗み、美味しそうにチュルチュルとすする。そのエサで大物を釣るという発想はない。
・空き瓶に水を汲み集落に持ち帰ろうとするが、穴が開いている事に気付かず、何度も汲み直しにくる。
・手足に長靴を嵌め衣類を手に入れたとドヤ顔をするが、それ以外は裸であり、何故か四足歩行している。

こうして見ると、一般的なエリーンも貧乏野良エリーンも中身に大した差はないように感じる。
今もまた、とある釣りーんがシザーフィッシュのハサミに尻尾を挟まれ倒れた。泡を吹いている。
貧乏野良エリーンも折れた剣を振り回して釣り雑貨商人を脅しているし、もはや釣りどころではない。

そんな中、かき氷屋で成功を収めたベラード商団のリリア・エリーンが釣具店の立ち上げを画策しているらしい。
釣りとは本来、とてもお金がかかるものだ。そこを嗅ぎつけるとは流石リリア・エリーンだ。
アルボレアの釣りブームはまだまだ続く…かもしれない。釣りロマンを求めて。

おしまい。

930名無しさん:2020/05/15(金) 02:05:36 ID:z3KnStE6
新作きてた

931名無しさん:2020/05/31(日) 22:59:37 ID:0Y5jnCEA
ソフィーちゃん「ひぐっ❤

932名無しさん:2021/12/12(日) 22:23:27 ID:NlFIkRfQ


933名無しさん:2022/01/22(土) 03:44:31 ID:UN4dwuGY
エリーンとお別れなんてしたくないよ

934名無しさん:2022/01/23(日) 04:23:04 ID:LJlfnErE
しかしまあ結構長く続いたよな

935名無しさん:2022/01/23(日) 11:12:42 ID:UN4dwuGY
このスレまだあったんかい
懐かしすぎる

936名無しさん:2022/01/23(日) 11:14:20 ID:9qknyYGg
エリペロスレ当時見てたわ

937名無しさん:2022/01/24(月) 09:36:57 ID:e8.wwdlg
まだあったのかこのスレ
暴風のエルカラスで死んだエリーンの話とか覚えてるわ

938しょんべりーん:2022/02/01(火) 04:37:05 ID:rXy2pB/o
お久しぶりです。TERAから離れてましたがサ終の知らせを聞いて発狂しました。フンギョォァァァ!!!
未投下の妄想創作が幾つかと、未完成の妄想創作を今回突貫で完成させたので供養として投下しようと思います。
当時投下した妄想創作のネタなどが出てくるので、改めて読み返してみると多少はわかりやすくなるかも。
相変わらず酷い内容なので苦手な人はNGしてください。ァーィ...ンーフ...ンーッ///

939しょんべりーん:2022/02/01(火) 04:40:50 ID:rXy2pB/o
〜おぱんつりーん〜

夏になり、気温が上昇すると頭の中もピーカン照りになるのか、何かと変な奴が湧いてくるものである。
アルボレアにおいても例外ではなく、変態エリーンが急増するのもこの時期からだ。

最近、世間を賑わせている変態エリーンといえば、おぱんつりーんだ。

おぱんつりーんとはその名の通り、おパンツしか身につけていないエリーンの事だ。
きちんとおパンツを穿いているスタンダードなおぱんつりーん、
おパンツを頭に被り、足を通す穴からケモ耳を出してジャストフィットなおぱんつりーん、
おパンツをお面の様に顔に被せてプライバシー保護をするおぱんつりーん。

いずれのおぱんつりーんも世間一般からすれば、ただの変態エリーンであり、
頭や顔におパンツをつけているおぱんつりーんは、局部丸出しの全裸である。

おパンツ一丁のエリーンというのは、貧乏野良エリーン界隈ではそう珍しくない。
ヨレヨレの汚いおパンツ一丁で物乞いをしている姿はよく見かけるし、
ビニールのレジ袋に穴をあけ、レオタードのようにして穿いてるやりくり上手な貧乏野良エリーンもいる。

更に知能の低い貧乏野良エリーンともなれば、そもそもおパンツを穿くという概念が備わっていないらしく、
全裸でそこらを走り回ったかと思うと、何食わぬ顔でおしっこを漏らしている。
だが、おしっこ後の濡れたお股は不快らしく、お股を地面にこすりつけて「ンーン!ンーン!」などと愚図る事もある。

では、世間を賑わせているおぱんつりーんも結局は貧乏野良エリーンなのかというと、それも違うようだ。
貧乏野良エリーンにしては容姿が整っており、おパンツもオシャレで可愛らしいものが多いからだ。
中には意味深なシミで汚れたおパンツを穿いてる者もいたが、どれも高級アバターの下着だった。

つまり、普段は一般エリーン、あるいはそれ以上の暮らしをしているエリーンが、
何らかの理由でおぱんつりーんになってしまったという事だ。

平和な暮らしに飽きてしまったのか、戦闘続きでストレスが溜まってしまったのか、
単純に元から変態気質なエリーンだったのか、理由は色々考えられる。

情報によると、一部でアイドル的な人気を誇るエリーンもおぱんつりーんなのではないかと言われている。
普段はオシャレアバターを着こなし、広場で楽しくおしゃべりをしている姿が印象的だが、
夜な夜な家を抜け出すとアバターを脱ぎ捨て、お面の様にパンツを顔に被せて街を徘徊するのだという。

他にも、おパンツ一丁姿で双剣を振り回すヲリーンの姿をトラリオンで見かけたという情報もある。
しかも、ヒルに乳首を吸わせていたと言うのだ。成長区域のヲリーンに一体、何があったのか…。

お宅のエリーンは大丈夫だろうか?おパンツに執着するようになったら要注意だ。

おしまい。

940しょんべりーん:2022/02/01(火) 04:49:45 ID:rXy2pB/o
〜召使いエリーン 上〜

うちで雇ってる数匹の召使いエリーン。みんなヨレヨレのグレーインナーをつけて働いている。
アホでインナーを脱ぐ前に漏らすことが多かったので、ケツと股間部分に穴を開けてやった。
すぐに用を足せる中華スタイルだ。ただ、トイレの場所を覚えない奴もいたので、
そいつには自分の排泄物を食べさせて無理矢理トイレの場所を叩き込んだ。
尤も、エリーンのトイレなんて外に掘ったただの穴なわけだが。突き落として遊ぶのも愉快だ。

駄犬エリーンは一丁前にシャレっ気があって、もふもふにゃんこアバターを指差してァーァー言い出した。
犬のくせに何言ってんだ。お前は便所の穴でも掘ってろ。

もふもふにゃんこを着てるのは俺が可愛がってるポニテネコエリーンだ。
こいつは召使いとは違って利口だし、俺に懐いて可愛い。愛玩用だな。
召使いエリーン如きが愛玩エリーンと同じ服を着たいとか生意気にも程がある。

そうだ、もふもふにゃんこをゲットする際に出た顔出しヒツジの頭をこいつに被せてやろう。
ヒツジぬいぐるみもあるが、これは可愛いので愛玩エリーンにあげた。

にしてもこいつは顔がでかい。エリーンは顔がでかいが、こいつは人一倍でかい。
無理矢理頭にねじ込むと、顔出し部分からぬぅ〜っとブサイクな顔が出てきた。

はっはwwこいつはブサイクだww草生える。普段はツインテだからそこそこマシに見えていたが、
これが髪型補正って奴か。顔だけ見ると酷い。眉毛はボサボサ、離れた目、豚みたいな鼻、分厚い唇、
エリーンなのにwwぶっさwwブスーンだwwうちの愛玩エリーンとは大違い。ここまで差があるのか。
しかも、エラが張ってるようで、顔出し部分にガッツリマウントしてしまい、表情が引きつっている。

流石にこれには不満だったのか、必死に抜こうとしているが、立派なエラが引っかかって抜けない。
無理に引き抜こうとすると、顔が「(゚ )ε( ゚)」こんな感じになって笑える。傑作だww

面白くなった俺は何度も頭を引っ張って遊んだ。そのたびに「ブヒュゥ,ブッビヒ..ゥーゥ゛」と声を上げる。愉快w
遊んでると完全に顔がハマってしまい、「(゚ )ε( ゚)」の状態のまま維持されるようになった。愉快ww

分厚い唇を上下させて何か言おうとしてるが「ブツブビュュ」とかになってわけがわからない。
そもそもこいつは元々口が利けないのでわけがわからないww
離れた目をパチクリパチクリして何かを訴えてくる様が気持ち悪い。

せっかくなので、こいつを外に出して晒し者にしてやることにした。
なーに、この辺ではみんなエリーンを召使いとして使ってやってる。問題にはならない。

941しょんべりーん:2022/02/01(火) 04:52:54 ID:rXy2pB/o
〜召使いエリーン 下〜

早速外に連れ出すと、すぐさま笑いが沸き起こった。みんなわかってるぜw

「お、召使いエリーンが来たぜw」「しかもあの格好ww」「草ww生えwるwww」
「顔が…w酷いブスーンだw」「ぶっさww」「きたねぇ格好。インナーしか着てないww」

痩せた身体、ケツと股間に穴の空いたヨレヨレのインナー。ヨレヨレだから胸チラするが、
干しぶどうのように黒い乳首が見えたところで何の感慨もない。色気もへったくれもない。

しかも、頭には顔出しヒツジの頭。しかも顔出し部分にハマって「(゚ )ε( ゚)」こんな状態のままだww
血流が滞ってきたのか、顔色が悪い。何か言いたいようだが、喋れず、目をパチクリさせている。

広場に連れて行き、公衆の面前で惨めなポーズをとらせてやった。
大きな手でダブルピースしながら、蟹股になり、股間とケツの穴を晒してやったのだ。

「股に穴が空いてるぜw」「ちゃんと排泄できなかったから空けられたんだろw」「お漏らしかよww」
「いつでもうんうんしーしーできまちゅねーよかったでちゅねーwww」

周りから罵声を浴びせられて、身体をプルプルと震わす駄犬。こいつは愉快だw
唇をすぼめてチュッポチュッポしている。気持ち悪い。
と思ったら、股間の穴から勢いよくおしっこが噴き出してきた。
こいつ、恥ずかしくて震えていたのではなく、おしっこがしたかっただけなのだ。なんて奴だ。

「うげえ、こいつしょんべ漏らしたどw」「きたねぇ」「おいおい便所はここじゃねぇからww」
「これだから召使いエリーンは。」「うわクセぇ。湯気がこっちまで漂ってくるぜ」「飛沫かかったわ…(絶望」

周りの連中は顔をしかめつつもバッシングする。石を投げる者もいた。
公衆の面前で股間の穴から大量におしっこを噴出する駄犬。あまりに酷過ぎる。

やー愉快愉快。ひとしきり楽しんだあとは自らの粗相を改めさせるべく、
おしっこで濡れた地面を綺麗に舐めさせる事にした。チロチロと犬のように自分のおしっこを舐める。
これもまた愉快。周りの連中も「もっと吸い取るように飲め!」などと野次を飛ばす。

あー楽しかった。しかし、こいつはもう用済みだ。こんな奴がうちの召使いだなんて恥ずかしくてたまらん。
俺はこいつを売り払って家に帰った。全く金にならないドクズブスーンだったがね。

おしまい。

942しょんべりーん:2022/02/01(火) 05:04:38 ID:rXy2pB/o
〜我が儘ネコエリーンとお利口イヌエリーン 上〜

一人の生活にもいい加減飽きてきたので、エリーンを飼うことにした。
安い業者から買ったネコエリーンで、うちに届いた時は借りてきたネコ状態で大人しかった。
顔はお世辞にも可愛いとは言えず、エラが張っていて、つり目でムスっとした表情をしていた。

あれから一ヶ月、どこで躾を間違えたのか、とんでもない我が儘エリーンになってしまった。
いや、元々こうだったのだろう。最初はネコを被っていたのだ。
ろくに言葉も覚えようとせず、ショォだのテイーャーだの言ってあれこれ要求してくる。

エリーンは癒しだと思っていたのに、こんなに憎たらしい奴になってしまうとは。

今日も出かけ先で見かけたレストランに入りたいとゴネて、地団駄を踏むもんだからついつい入ってしまった。
席に着くと隣にもエリーンを飼っている女性が座っていた。
隣のエリーンはイヌエリーンのようで、うちのネコエリーンよりもまだ幼いようだ。
女性の隣にちょこんと座り、大人しく待っている。甘えん坊だが利口そうだ。

うちのネコエリーンは席についても落ち着きがなく、足をバタつかせたり、突然叫んだりしてうるさいし、
鼻くそをほじってテーブルにこすりつけるもんだから叱ったが、ちっとも聞く耳をもたない。
そうこうしてると隣の席に食事が運ばれてきた。おいしそうなニオイがこちらまで漂ってくる。

幼いイヌえりーんだしイヌ食いしたり、食べ散らかしてテーブルを汚すんだろうな、と思っていたが…。
イヌえりーんは女性が合図するまで料理に手をつけなかった。

女性が手を合わせ「頂きます」と言うとイヌえりーんも同じように大きな手をあわせて
「イチャァキマシュ」と舌足らずながらも丁寧に言った。なんて利口なエリーン。

流石にスプーンはくわまん持ちだったが、こぼす事なく上手に食べており、
時折、無邪気で可愛らしい笑顔を女性に向けている。なんて可愛いんだ。

すると、うちのネコエリーンが隣のイヌえりーんにちょっかいを出してしまった。
料理が来るまで待ちきれなかったんだろう。

ネコ「ンッンッ!ンー!ホォー!ホァァ!!」ネコエリーンが料理をよこせとまくしたてる。
イヌ「(モグモグ)…?!フェー...フェー…フェヨー...」突然の怒号に驚いたイヌえりーんは表情を強張らせて震えている。

ネコエリーンを叱り、女性に頭を下げると女性は「いいですよ^^」とにっこり笑ってくれた。可愛い。
イヌえりーんはすっかり怯え、女性にぴったりとくっついて離れようとしない。可愛い。

ネコエリーンの顔はいつも以上にムスっとした表情になり、ブスーンに拍車がかかる。
水の入ったコップに大きな指を突っ込むと、パッパッと辺りに水をばら撒く。
行儀が悪いにも程がある。大きな手をピタンッと叩いて叱ると、口をへの字に曲げてこちらを睨む。

隣の女性が「お腹が空いてご機嫌ナナメなのかな?エリーンちゃん^^」と話しかけてきた。
いつもこんな調子なのだが、どうやら他のエリーンはこんな風にはならないみたいだ。
「バタバタさせちゃってすみません」と再度頭を下げると、突然ネコエリーンが女性を指差して大声をあげた。

ネコ「バァ!ババァ!フンス!バァ!!ババァ!」

943しょんべりーん:2022/02/01(火) 05:07:10 ID:rXy2pB/o
〜我が儘ネコエリーンとお利口イヌエリーン 下〜

なんてことをいうんだこいつは。普段あれだけ言葉を覚える事を拒んできたというのに、
何故こんなピンポイントでこんな失礼なワードを口走るんだ。

女性の顔が引きつる…無理もない。俺は血の気が引いた。

今度はイヌえりーんを指差し「ブスーン!チビーン!バーヤ!」と罵倒し始めた。どの口が言うんだブスーンめ。
イヌえりーんはスプーンを握ったまま目に涙を浮かべ、プルプルと震えている。あーこれは泣くわ。

俺は慌ててネコエリーンの口を手で押さえ、これ以上失言がこぼれないように蓋をする。
ネコエリーンは当然のように手足をバタつかせて暴れ、俺の手に噛み付いてきた。いててて。

イヌ「…マ、マーマ…><」イヌえりーんが手を伸ばし女性に抱きつく。可愛過ぎる。

女性はイヌえりーんを胸に抱きヨシヨシと撫でる。イヌえりーんは女性の胸の中でスンスンと小さく泣く。
かたや、俺に取り押さえられながらも大暴れするネコブスーン。

この差は一体どこから…。イヌえりーんはまだ幼いのによく出来たエリーンだ。
うちのブスーンはイヌえりーんより大きいのにこの有様だ。さっきは店の外で地団駄を踏んでいたわけだし…。

俺はただ謝ることしかできなかった。女性の口元は笑っていたが、
同時に歯を食いしばっているのがはっきりとわかった。

女性はイヌえりーんを抱っこすると背中をぽんぽんと叩いたりさすったりしつつ、席を立ち、会釈をした。
こちらは深々と頭を下げる。女性は振り返る事なく会計を済ませ、店を出ていった。

ネコブスーンはすぐさま隣の席に向かい、テーブルの上に乗っかって、食べ残しの料理に喰らいついた。
スプーンなど使うこともなく皿に顔をくっつけ、イヌ食いならぬネコ食いをしている。

俺にはもうネコブスーンを叱る元気は残っていなかった。傍若無人に振舞うネコブスーンの様子を見つめる。
エリーンを飼うのは今日でやめにしよう。安い業者に頼ったのが悪かったのだ。

豊穣祭後、労働力として雇われていた労働エリーンには多くの欠員が出たと聞いている。
恐らく力尽きたのだろう。ネコブスーンの引き取り先はそこにしよう。きっと引き取ってくれるはずだ。

ネコ「クッチャペッチャペチャクッチャ!ヨーゥ!ホワァッ!クチャニチャニチャヌチャ...ハフッ!チャニチャミッチャ!.ミャァ!ゲップォォ!!プハー...ミャァ」

今のうちにしっかりと食べておけよ。

おしまい。

944しょんべりーん:2022/02/01(火) 05:14:04 ID:rXy2pB/o
〜エリーン研究所「エリーンの繁殖実験」〜

ここはとあるエリーン研究所。
元は変態ヒュマ♂達によるサークル的な存在だったが、ある時から急激に勢力を増大させた。
広告代理店や芸能事務所、人材派遣会社なども裏で大きく関わっているらしい。
研究所の場所は極秘だが、噂では有名芸能人や政治家なども頻繁に出入りしているとか。闇が深そうだ。

研究所ではエリーンに関する様々な研究が行われており、倫理観や宗教観、法律などは機能していない。
拷問、性的虐待、人身売買、臓器売買、エリーン食などなど…何でもありだ。

今回の研究テーマはずばりエリーンの繁殖だ。研究所でエリーンを生産出来れば何かと都合が良いからだ。
エリーンの出生については謎が多い。"木から生まれる"という説もあるが、実際のところは定かではない。
そこで、エリーン研究所では野良エリーンを多数捕獲し、エリーン同士で交尾をさせて繁殖を試みていた。

隔離部屋の中ではエリーンにだけ効く媚薬(お香)を充満させ、強制的に発情を促す。
発情したエリーン共は欲望のままに股間を相手のエリーンに擦り付けたり、パンパンと叩きつけている。

本来ならユリーン同士の行為は甘美で気品溢れるものだが、野良エリーンともなれば話は違う。
ガリガリに痩せた身体に浅黒い肌、強制発情による血走った目、欠損したケモ耳には毛じらみが湧いていた。
激しい摩擦とピストンで股間の皮膚はめくれ上がり、ジュクジュクと化膿している。
垢や膿と混ざり合った愛液はドドメ色になっており、酷い悪臭を放っていた。何か良くない菌が繁殖してそうだ。

発情ネコエリーンはギンギンに硬直したしっぽで発情キツネエリーンのケモ耳、口、局部、肛門を何度も犯し続けた。
発情キツネエリーンもまんざらではないようで、だらしなく涎を垂らしながら絶頂を繰り返していた。

とてもじゃないが見ていられない。美しさの欠片もないおぞましい光景だ。
しかし、この実験を何ヶ月続けてもエリーンが身ごもる事はなかった。

エリーンはポポリの♀という説もあるので、無理矢理ポポリとも交尾させてみたが上手くいかなかった。
フカとの交配に成功したフカリーンなる存在も報告されているが、こちらの実験も失敗に終わった。
それどころか感染症を患い、ポポリ、フカ、エリーン共に最期は苦しみに悶えながら死んでいった。

このまま続けても無意味だと上層部は判断し、この実験は失敗という形で幕を閉じた。
隔離部屋の発情エリーン共は全て廃棄処分。一切の証拠も残さず闇に葬られる事となった。

おしまい。

945しょんべりーん:2022/02/01(火) 05:19:21 ID:rXy2pB/o
〜エリーン研究所「毛リーンの観察 上」〜

それは突然だった。アイドル的な人気を誇るウサギエリーンが両手を大きく上げてジャンプをした。
可愛いエリーンジャンプだ。ウサギエリーンらしくぴょんぴょんと跳ねた。

だが、俺は見てしまったのだ。腋から覗くモサッとした毛を。腋毛を。
エリーンに腋毛が?!そんなバカな事があってたまるか。

…しかし、エリーンは獣だ。毛深いエリーンがいたとしても不思議ではない。クソポポリなんて毛むくじゃらだ。
それから俺はエリーン研究所の研究員となり、エリーンの体毛についての研究に没頭した。

結論から言うと、毛深いエリーンは存在する。我々研究員は毛リーンと呼ぶ事にしている。
一般的なエリーンの中にも毛リーンは何割か存在しており、普段はムダ毛処理をしているようだ。

ツルツルスベスベのエリーンもいるが、ムチっとした太ももを見ると細かいウブ毛が生えていたりする。
それでも艶があり、吸い付くような感触は何度触ってもたまらないものがある。

毛リーンの話に戻そう。毛リーンにも程度というものがあるようだ。

・定期的にムダ毛処理をすれば問題なく暮らしていける毛リーン。
・毎朝処理をしても午後にはチクチクと毛が生えてきてしまう毛リーン。
・身体はさほどでもないが、顔にヒゲが生えている毛リーン。
・全身毛むくじゃらの毛リーン。

全身毛むくじゃらの毛リーンが文化的な暮らしを送るのは難しいらしく、
捕獲したサンプルは貧乏野良エリーンだった。警戒心は強かったが、エサをチラつかせると簡単に釣れた。

946しょんべりーん:2022/02/01(火) 05:20:36 ID:rXy2pB/o
〜エリーン研究所「毛リーンの観察 下」〜

観察室に入れ、身体に巻きつけていた粗末な布を剥ぎ取り全裸にすると、身体をすぼめてこちらを睨んだ。
にしても臭いし不潔だ。恐らく毛じらみやノミだらけだろう。だが、これも研究の為だ。
エサをチラつかせつつ、ガリガリに痩せた胸や腹を優しくさすると大人しくなり、股を広げて仰向けになった。

エリーンといえばぺたんこで薄い上半身が特徴的だ。もち肌で触り心地は抜群だ。
しかし、この毛リーンは違う。胸も腹も毛むくじゃらなのだ。毛深いという域を超えている…。
エリーンと間違えてただの動物を捕まえてきてしまったのではないかと錯覚する程だ。

ボサボサの髪をかき分けてケモ耳を確認すると、イヌエリーンである事がわかった。
先程からピョンピョンとノミが跳ねている。ケモ耳の付け根辺りには毛じらみの卵がびっしりついていた。
流石にキツいものがあったが、俺はエリーンの体毛を研究してるんだ。我慢するしかない…。

顔の体毛も酷く、ゲジゲジの眉毛は左右が繋がるだけではなく、眉尻からこめかみへ向かう。
そして、もみあげからほっぺた、口の周り、鼻毛まで見事に繋がっている。
こんなに毛むくじゃらの顔なのにはっきりとわかる事がある。この毛リーンはブスだ。ブスーンだ。

エリーンのへそもまた、マニアの間では人気が高い部位であり、へそごまは高値で取引されているらしい。
へそごまエリーンなどという風変わりなエリーンが存在する事も当研究所では調べがついている。

この毛リーンの場合、へそ周辺から体毛が一層濃くなっており、下腹部へと繋がっている。
いわゆるギャランドゥという奴だ。へそにはへそごまがびっしり詰まっていて真っ黒になっていた。

こんなものが高値で取引されているなんて、世界は広い。性癖は人の数だけ存在するのだろう。
もっとも、エリーンの体毛を研究してる時点で、俺も十分変態なのだという事を自覚しなければならない…。

顔を赤らめて股を開いているので陰部もよく観察してみたが、これは酷い。
エリーンは絶対的ツルマン、そう思っていた時期が俺にもあった。だが、現実はこうだ。

へそから繋がった陰毛は飛び抜けて濃く、陰部は毛じらみとカンジダの温床だった。
陰毛はそのまま痩せこけた太ももとお尻まで繋がっており、途切れる事なくしっぽに向かっていた。

俺が顔をしかめながら観察していると、甘ったるく「ァーン..ンー///」と声を上げる毛リーン。
股を広げたまま腰を浮かせてくる。どうやら発情しているようだ。涎を垂らしてこちらを見ている。
こんなに気持ち悪い誘惑は初めてだ。気分を害した俺は観察を止め、観察室を出た。

観察室に施錠をかける俺の手は毛だらけになっていた。
手の平には潰れた毛じらみの赤い血が幾つも点になって残っていた。

着慣れた白衣にはノミがたかり、ぴょんぴょんと元気に跳ねていた。

あの時の毛深いウサギエリーンのように。

おしまい。

947しょんべりーん:2022/02/01(火) 05:25:29 ID:rXy2pB/o
〜エリーン研究所「様々なエリーン」〜

近年、エリーンには様々なタイプが存在する事がわかってきた。
ヴァルキオン連合の兵士として活躍出来るエリーンは極一部であり、大半は可愛いだけで面子を保っている。
これらのエリーンについてはもはや説明不要だと思うので、ここではエリーンの闇の部分について触れていく。

未就学エリーン。そう呼ばれるエリーンがいる。要は教育を受けていないエリーンの事だ。
しかし、現在では未就学エリーンの一言で片づけられない程細分化しており、亜種も増えているようだ。
一部ではあるが、そんな未就学エリーンについてまとめてみよう。

・飼いエリーンとして飼い主と暮らしていながらも様々な理由で教育を受けられず、バカなままのエリーン。
・飼いエリーンの部類とされながらも、その実態は殴られたり、こき使われるだけの虐待奴隷オ〇ホエリーン。
・上記の飼いエリーンが捨てられた、捨て子の野良エリーン。この場合は多くが自然環境に適応出来ず、死ぬ。
(また、戦況の悪化で飼いエリーンから戦災孤児の野良エリーンとなったケースも多く報告されており、
 この中には教育を受けた一般的なエリーンや富裕層のエリーンも存在するが、大抵の場合は売女になる)

・生まれた時からずっとソロの野良エリーンもほとんどがすぐに死ぬが、獣の特性を活かして生き残る者もいる。
・生き残った野良エリーン共が身を寄せ合って集落を作る事があるが、文化レベルは著しく低い。
・野良エリーンは基本的に脆弱だが、攻撃的で凶暴性を発揮した者を野生エリーンと呼ぶ学者もいる。
・飼い、野良関係なく他のエリーンと馴染めず、コミュ障のエリーンをぼっちりーんと呼ぶ事もあるとか。
・稀に亜種エリーンとしてサリサリ化したサリサリーンや、フカと交配したフカリーンなどもいるらしい…。

このように未就学の飼いエリーンや野良エリーンの中でも枝分かれして細分化している。
呼び方も地方や状況に応じて変わるらしい。とにかく数が多いのでまだ未発見のエリーンもいるだろう。
いずれも貧困に苦しんでいる場合が多いので、貧乏エリーンと呼んで差し支えないかもしれない。

そして、最近注目を集めているのが、一般的なエリーンよりも幼いえりーんだ。
元々エリーンは少女のような可愛らしい見た目が特徴だが、それよりも更に小さく幼いえりーんが存在するのだ。
今のところ確認されているのが、幼児えりーんであるおちびーん。赤子えりーんであるばぶりーんだ。
これらの幼いえりーんはエリーン出生の秘密を解く鍵である可能性があり、高値で取引されている。

エリーンの知能レベルには個体差があり、それこそ連合兵士やミステリウム研究員になるエリーンもいるが稀だ。
大半はバカでわがまま、自分は可愛いと信じて疑わないタイプが非常に多い。
これは環境の影響もあるが、本能として身についているのではないかと考える学者もいるようだ。

エリーンの成長にも興味深い点が多々ある。多くのエリーンは少女のまま成長が止まっているように見える。
BBAのエリーン、通称ババリーンは都市伝説として語られる事もあるが、未だ発見はされていない。

幼いえりーんも順調に行けば時間経過と共に成長をしていくはずだが、
どういうわけか幼いえりーんのまま成長が止まってしまうのだ。
研究所ではエリーンの成長をテーマにあらゆる実験を行っているが、成果は芳しくない。

バランスの整った食事を与え、教育や躾に関しても上流階級並のカリキュラムで飼育しても成長しないのだ。
「ァーィ」だの「ショォ」だのエリーン特有の言葉を発する事はあっても人の言葉は話せず、読み書きも出来なかった。
食事に至っても同じでスプーンすら自分で持てず、涎を垂らして大きな口を開ける事しか出来なかった。
排泄は勿論、垂れ流し。何度トイレトレーニングを行っても全く身につかなかった。

これは一体どういう事なのだろうか。知能レベルがどうとかそういう次元の話ではないのかもしれない。
時間が止まってしまったかのように見た目も中身も成長していかないのだ。
それでいて、ある時突然死んでしまう。とても死にやすいのだ。これには研究員も頭を抱えるばかりだ。

中でもばぶりーんは非常に脆弱で、天然の生きたばぶりーんを発見し捕獲出来る事自体奇跡に近いという。
この研究所でもそんな奇跡の個体を保育器に入れて無菌室で飼育しているが状態は悪く、とても衰弱している。
生命を維持する事すら困難な状況なので、ばぶりーんを使った実験は恐らく不可能だろう。

おしまい。

948しょんべりーん:2022/02/02(水) 01:24:21 ID:rXy2pB/o
>>154 未就学エリーン >>321 台風エリーン >>586 干し芋クリスマス >>820 続・干し芋クリスマス
>>169 はじめてのおつかいエリーン(スピンオフ的な) この辺りの妄想創作の完結編になります。

〜未就学キツネエリーン 完結編 1「イヌエリーンの死、そして」〜

歪な形をした本棚の上に飾られた一枚の似顔絵とポポリぬいぐるみ。似顔絵の主は亡くなったイヌエリーンだ。
冬の寒い日、イヌエリーンは短い生涯を終えた。死因は寝ゲロによる窒息死。
クリスマス当日に同居のキツネエリーンがイヌエリーンを突き飛ばし、食卓の角に頭をぶつけた事が原因だ。
今となってはくだらない理由で激昂し、我も忘れて暴れた結果起きた悲しい事故。

――元々、主人と暮らしていたのはイヌエリーンの方だった。
里親募集のチラシを見て、引き取ってみたがイヌエリーンは変わり者で何を考えているかわからず、
集落にいる周りのエリーンとも馴染めず、いつも一人で遊んでいて、あまり懐く事もなかった。

そんな中、野良エリーンが集落をうろつくようになった。それがキツネエリーンである。
不憫に思った主人はキツネエリーンも我が家へ迎え入れる事にした。

キツネエリーンはイヌエリーンとは性格が正反対で、活発で感情の起伏が激しくわがままだった。
周りからは主人の給料で二匹も養えるのかと笑われたが、本当にその通りで生活は苦しかった。
だが、この二匹が一緒に暮らす事でお互いに良い影響を与えられればと思ったのだ。

キツネエリーンが家に来てからはイヌエリーンも外に出て周りのエリーンとも一緒に遊ぶようになった。
中でも近所のリスエリーンとはとても仲が良かったが、ある日を境にリスエリーンは姿を消した。
主人は知っていた。リスエリーンは"おつかい"という名の帰らぬ旅に出たのだと。

この辺りの貧乏集落では生活苦で養えなくなった飼いエリーンをおつかいに出す風習がある。
無事に帰ってくればある程度の知能と体力があると判断し、労働用や奴隷用として売りに出す。
アホで脆弱なエリーンは労働力にすらならず、金にはならないからだ。
帰ってこなければ所詮その程度のクソエリーンだったという事で諦めがつく。むしろいなくなって清々する。

他にはポラ・エリーヌ管轄の職業訓練所に送ってしまうという方法があるが、
何かと手続きが必要だしお金もかかる。それならおつかいが手っ取り早いのだ。
それにアホな未就学エリーンを職業訓練所に送った所で何のスキルも身につかず、送り返される事がほとんどだ。

未就学エリーンが成り上がるのはそれだけ難しい。
良い教育者と出会うか、本人に秘めた才能があるか、努力を継続出来るか…。
可能性はゼロではないが、相当なレアケースだろう。

――あれからどれくらいの月日が流れただろうか。
キツネエリーンはイヌエリーンを死なせた直接の原因は自分にあると自覚していた。罪の意識を感じていた。
それでも主人はキツネエリーンを責めることなく養い続け、学校にも通わせた。
主人は主人で責任を感じていたのだ。あの時、ケーキを買っていれば、プレゼントを二つ用意していれば…と。

949しょんべりーん:2022/02/02(水) 01:26:30 ID:rXy2pB/o
〜未就学キツネエリーン 完結編 2「優等生、シオリ」R18〜

学校へ通う事をきっかけに主人はキツネエリーンに名前を付けた。シオズ、シオナからとって、シオリと名付けた。
名前を付ける事で個人としての明確な立場が確立する。
未就学エリーンは飼いエリーンであっても名前を付けられる事はほとんどない。その程度の扱いなのだ。

学校は戦時下でとりあえず教養を付けさせる為の突貫教育といった感じで、初等〜高等まで一貫だった。
学年は一緒でも年齢や成長具合はバラバラで、本来なら職に就いているであろう年頃のエリーンも多い。
成熟したエリーンであっても自分で着替えすら出来ず、授業中にお漏らしする者もいた。

この学校ならシオリでも何とかやっていけそうだと主人は判断した。
シオリも自分で靴下すら履けなかったし、おねしょ癖も中々治らなかった。

制服着用の義務がなかったのも主人には有難かった。制服なんて買ったら破産していた。
それでも入学祝いとしてランドセルをプレゼントした。中古だがシオリは喜んだ。
生活は相変わらず苦しかった。仕事を増やし、休みなく働いて学費を捻出した。

イヌエリーンの死後、しばらくはお互いに距離を感じる事もあったが、二人はもう間違えたくなかった。
主人は保護者として、親として、シオリを"一匹"ではなく一人前のエリーンに育ててみせると心に誓っていた。

シオリもまた、今でも家族として厳しく優しく接してくれる主人に深く感謝し、恩返しをしたいと思っていた。
野良エリーンの自分を受け入れ、過ちを犯しても見捨てないでいてくれる、守ってくれる、
そんな主人の事が大好きで大好きで仕方なかった。

失敗、過ちの事実は消える事はない。イヌエリーンへの罪の意識はこれからも二人を縛るだろう。
歪かもしれないが、これが二人を繋ぐ絆になっているのも確かだった。

――初等教育を終えたシオリは中等教育に進級し、学級委員になっていた。
授業参観で初めてその事を知り、主人は驚いた。シオリなりのサプライズらしい。
元気良く手を挙げて授業に参加する姿勢は、今までのシオリの素行を考えると目覚ましい成長ぶりだった。
あれだけ覚えようとしなかった言葉も今では随分と達者になった。

ある日の放課後、委員会の仕事が長引いたシオリは下校時刻を過ぎてもまだ学校に残っていた。
優等生になったシオリは教師や同級生からの信頼も厚く、あちこちに駆り出される日々だ。

あんなに賑やかだった校舎はオレンジ色の静寂に包まれ、シオリの軽い足音だけが長い廊下に響いた。
早く教室に戻って帰り支度をしなくては。シオリは食事当番なのだ。主人がお腹を空かせて帰ってくる。

教室の扉に手を掛けた瞬間、何者かの気配を感じ取るシオリ。誰も残っていないはずの教室に誰か…いる…。
つま先をピンッと伸ばし扉の窓から教室の中を覗いてみると…っ?!

…用務員のヒュマ♂が息を荒げながらシオリのランドセルに股間を擦り付けていた。
思わず息を呑むシオリ。彼がナニをしているのかすぐにわかった。シオリは色んな意味で優等生なのだ。
ヒュマ♂はシオリの名前を何度も叫ぶと、ランドセルに白濁液をぶちまけた。

主人に買って貰ったランドセルを汚されたという怒りと、自分に向けられた劣情への戸惑い、
そして、主人にもヒュマ♂と同じものが付いていて、白濁液が出るのかと思うと頭がぐちゃぐちゃになった。

帰り道。何度拭き取っても独特のニオイが取れないランドセルを背負いながら物思いに耽っていた。
これまで主人に向けていた大好きという気持ち。この気持ちは一体何処から来るのだろうか。
罪を咎めないから?主人だから?家族だから?…異性だから?わかるようでわからない。
ただ、確かなのは主人に向けて特別な感情が芽生えてしまったという事だ。

950しょんべりーん:2022/02/02(水) 01:27:34 ID:rXy2pB/o
〜未就学エリーン 完結編 3「劣情」R18〜

それからというもの、シオリは主人の顔さえ碌に見られなくなった。
何かあったのかと主人は心配したが、お年頃という事もあり深くは詮索せず見守る事にした。

シオリ(大好きなご主人様。私の事をどう思っているんだろう。本当は私を憎んでいるのかな?
    ご主人様の事が気になって仕方がない。モヤモヤとドキドキが止まらない。
    ご主人様と手が少し触れただけでケモ耳としっぽの毛が逆立つ。思わず距離を取ってしまう…。)

最近は主人の帰りが遅い。また一つ仕事を増やしたらしい。
食事の準備をしながらもシオリの頭の中は主人の事でいっぱいだ。

ふと、シオリはヒュマ♂がしていた行為を思い出す。主人も同じ事をするのだろうか。
そんな事を考えると身体が火照ってくる。その日、シオリは初めて自分を慰めた。

それからシオリは学校から帰ると毎日自慰をした。オナリーンだ。
行為は日に日にエスカレートして主人の下着のニオイを嗅ぎながらするようになっていた。
大好きな主人のニオイはシオリの脳を直撃した。一度果ててもまた次を求めてしまう程だった。
足をピーンと伸ばすと気持ち良い事を覚えた。しっぽをニギニギしつつ股を擦ると「ンッ」と声が漏れた。

激しく自慰に耽るとボロ家のあちこちが軋む。寝床にしている段ボールの劣化も早い。
カタカタと音のする方を見ると本棚に飾られたイヌエリーンの似顔絵と目が合った。
まだ言葉が話せなかった頃、イヌエリーンからクレヨンを奪い取ってシオリが描いたものだ。

似顔絵のイヌエリーンは幼かった。それに比べてシオリは成長し、無様にも♀として発情までしている。
後から来た野良のシオリがイヌエリーンを死なせ、主人を独り占めし、恋心と劣情まで抱いてしまっている。
そう、シオリは主人を異性として好きになっていたのだ。

シオリ(こんな卑しい私をイヌエリーンは許してくれるかな…)

罪悪感でたまらなくなったシオリは主人の下着のニオイを思い切り吸い込み、しっぽをニギニギする。
シオリは時間を忘れて自慰に耽った。今は快楽の海を泳ぎ、もっともっと深い所へ潜りたかった。

――数えきれない程の絶頂に息を切らし、ようやく我に返るシオリ。
快楽の余韻に浸りつつも身体をゆっくり起こすと目の前には仕事から帰った主人の姿があった。

主人「おっと、会社に忘れ物をしてきてしまった」(スタタタタ…)

と、よそよそしく言うと慌てて去って行く主人。シオリは自慰行為を主人に見られてしまったのだ。
恥ずかしさと気まずさで快楽の余韻が一瞬で吹き飛ぶシオリ。オナリーンあるあるだ。

最近のシオリの態度から主人も感づいてはいた。お年頃だもの。
仕事から帰るとシオリは決まって潤んだ目をしているし、それ特有のニオイが立ち込めていたからだ。
こういった事に興味があるのは主人も理解しているが、気がかりなのは主人の下着を持っていた事だ。

…30分程経った頃だろうか。再び帰ってきた主人はいつも通りだった。リスタートだ。
シオリは相変わらず主人の顔を見られなかった。

951しょんべりーん:2022/02/02(水) 01:28:38 ID:rXy2pB/o
〜未就学エリーン 完結編 4「主人」〜

あっという間に時は流れ、俺は歳をとった。仕事を幾つも掛け持ちするのは正直辛くなってきた。
だが、この生活ももうじき終わる。シオリが独り立ちするのだ。俺はイヌエリーンの似顔絵に語り掛ける。

シオリは今看護師になる為、国家試験を受けにヴェリカまで行っている。あの子なら大丈夫だ。きっと受かる。
一貫校を卒業後、まさか看護学校に通いたいなんて言い出すとは思わなかった。
イヌエリーンの件があったからなんだろうな…。

長かったような短かったような…色々な事があった。イヌエリーンを失った悲しみは一生癒える事はない。
シオリは俺の悲しみに気付いていたし、罪悪感もあったようだ。

俺は保護者として、親としてシオリを一人前のエリーンに育てる事だけを考えるようにした。
シオリは俺の大切な家族だ。今日までスクスクと育ってくれた事を誇りに思う。
感情の起伏が激しくわがままで、あんなに手を焼いた子が見事に成長してくれた。
これから先、シオリは立派にやっていけるだろう。本当に良い子に育ってくれたよ。

シオリの気持ちに気付いてはいるが、シオリが自分の幸せを掴む日が来るまで、
俺はシオリの保護者として、親として見守っていきたいと考えている。
看護師資格が取れたら、これまでシオリの為に積み立てしていた通帳を渡そう。まぁ多くはないが。

(ドォォンッ!!バゴォ!ドガシャアアン!!)

うおおお!!何だ今の衝撃は!何が起きた?火事か?!

――主人が慌てて外に出ると集落の周りを中型モンスターの群れが取り囲んでいた。
集落に住む飼いエリーンや飼い主、森から逃げてきたであろう野良エリーンが無惨な姿で横たわっている。

最近集落に来たばかりの幼いウサギおちびーんは何が起きたかわかっていないようで、
「ァィ!ァィ!」言いながらヨチヨチとモンスターの方に歩いて行ったが、瞬く間に踏み潰されてミンチになった。
これがこの世界の日常なのだ。アルボレアとはそういう世界だ。

中型モンスターの群れは集落全体を轢き潰すように主人の方へ向かってくる。
…幸いにもこの場にシオリはいない。主人にとってはそれだけが救いであり、希望だった。

主人「ふぅ…これは俺もいよいよ覚悟を決めなきゃいけないな。罪は俺が全て背負っていくよ。シオリ…xxxxx」

952しょんべりーん:2022/02/02(水) 01:29:28 ID:rXy2pB/o
〜未就学エリーン 完結編 5「シオリ 上」〜

看護学校での日々は一貫校に通っている時よりも遥かに大変だった。
私が貧乏集落出身だと知ると教員達はあからさまに態度を変えたし、同級生達からイジメも受けた。
でも、ちっとも辛くはなかった。私にはやりたい事がある。
一時はお医者様を目指そうかとも思ったけど私の身分では難しかった。

それに今度は私がご主人様を支える番なのだ。ご主人様はあまりに働き過ぎた。
気付けば眼鏡をかけるようになっていたし、白髪だって目立つようになった。
それでも私にとってご主人様は特別で、大好きな人だ。
看護師資格が取れたら、もう一度ちゃんと向き合おうと思う。自分の想いを告げよう。

――国家試験を終えたシオリは手ごたえを感じていた。
まだ結果が出ていないにも関わらず「ァーィ!」とVサインを空高く掲げた。
他のエリーンと比べると小柄で痩せ型ではあるが、立派なエリーンへと成長したシオリ。ナース服も似合うだろう。

せっかくヴェリカまで来たのだし、主人へのお土産でも買っていこうと散策をするシオリ。
創造の工房、魔法アカデミー…集落とは文化レベルが全く違う。芋を干してる所なんて何処にもない。

当然、物価も高かった。うっかり高級洋菓子店に入ってしまったシオリの視線に飛び込んできたのはケーキ。
クリスマスに食べられなかったケーキ。夢にまで見たケーキがズラりと並んでいる。
涎が垂れそうになるのをグッと堪えるが、値段を見て思わず吹き出しそうになった。これは無理だ。
何も買わずに店を出るのも気まずいし甘い香りが鼻腔をくすぐる…だが、値段を見ては現実に引き戻される。

シオリは平静を装い、チョコレートが数個入った小さな小袋を手に取る。これが一番安かった。
レジに向かうと店長らしき人物が目を細めてこちらを見ていたが、無事に買う事が出来た。

支払い中に店長と軽く話をしたが、この店は富裕エリーン御用達で、ヴェリカでは人気の洋菓子店なんだとか。
しかし、香りに釣られて野良の未就学エリーンもやってくるらしく、トラブルになる事も多いようだ。

店長「中でも印象的だったのはゲロまみれのリスエリーンだなぁ。
   暴れるし汚いしはした金しか持ってないのにケーキを指差してうるさくてなぁ。参ったよ。
   仕方ないから有り金で買えそうなチョコを一粒渡してやったら喜んで帰っていったけどw」

相槌を打ちながら店長の話を聞いていたシオリは、このリスエリーンが誰の事なのかすぐにわかった。
集落に伝わるおつかいの風習は本当にあったのだと、シオリはこの時に初めて確信した。
自分はおつかいに出されなくて良かった…お勉強頑張って良かった…安堵するシオリ。

リスエリーンがいなくなっても集落の大人達は何も触れなかった。主人でさえも…。
仲良しだった三人も今ではシオリ一人だけになってしまった。
リスエリーンから奪い取ったどんぐりの蒸しパンの味は今でも覚えている。お腹を壊した事も覚えている。
感傷的になるシオリだったが、だからこそ強く生きなければならない。
泣き言もわがままも言わない。そう決めたのだ。大好きな主人の為にたくましく生きる。

953しょんべりーん:2022/02/02(水) 01:30:26 ID:rXy2pB/o
〜未就学エリーン 完結編 END「シオリ 下」〜

集落に帰還したシオリを待ち受けていたのは悲惨な光景だった。
倒壊した木造家屋、吐き気を催す嫌な臭い。見慣れた集落は留守の間に随分と様変わりしていた。
一部の倒壊家屋は火事で焼けたらしく黒焦げになり、煙が細く立ち上っていた。
様子を見るに事が起きてからはそこそこ時間が経過しており、既に脅威は去った後のようだ。

腹が大きく縦に裂け、腸がはみ出した状態で倒れている野良エリーン、
下半身をぺちゃんこに潰されたエリーンは、少し前に読み書きを教えてあげた近所の飼いエリーンだった。
凹んだ地面にこびりついたミンチ肉。大きな何かによって潰されてしまったのだろう。原形を留めていない。
僅かだがウサ耳らしきものが残っていた。恐らく最近集落に来たばかりの幼いウサギおちびーんの亡骸だろう。

一人ずつ状態を見つつ息があるか確かめるシオリ。だが、誰一人として生きてはいなかった。
イヌエリーンとリスエリーンでよく遊んだ場所にはイヌエリーンのお墓を立てていたが、跡形もなかった。
やがて、シオリはかつて我が家が建っていたであろう場所まで戻ってきた。

大きな何かで上から押し潰されたような我が家の残骸。
足元には主人がうつ伏せで倒れていた。シオリにはもうわかっていた。主人は死んでいる。
シオリは主人を優しく抱きかかえる。主人の身体は上半身のみになっていた。

主人は両手で何かを大切そうに持っていた。
既に硬直が進んでいたが、主人はまるでシオリに手渡すかのようにすんなりと両手を解いた。

主人が持っていたのは、通帳とハンコ、イヌエリーンの似顔絵だった。
恐らくシオリの為に積み立てしていた通帳だろう。

ふと、通帳の間から何かがこぼれた。それは目に涙を浮かべた主人と笑顔のシオリが写った写真だった。
一貫校の卒業式の後、主人と一緒に撮った唯一の写真だ。

写真の裏を見ると「俺の自慢の娘、シオリへ。幸せになりなさい」と書いてあった。
シオリは泣いた。幼かったあの頃のように泣いた。泣く事しか出来なかった。

シオリ「ゥ...ウェァァ!ウェェァァアアア!ァァアアアア!!ヘメヘェァ...グウ゛ェァァアアア!!ア゛アッアアァァァ!!!」

――こんなのってないよ。これが私の罪なの?私があの時イヌエリーンを死なせ…殺してしまったから…、
だから…だからこんな事に…。リスエリーンを失って、イヌエリーンを失って、今度はご主人様まで…っ。
もう間違えないって、これからは大好きなご主人様を支える為に、一緒に生きていくんだって決めたのに。

ご主人様のいない世界なんて私には何の意味もないよ…看護師になんてならなくて良い。
言葉なんてわからなくて良い!人の言葉なんて話せなくて良い!昔みたいにバカのままで良い…!!
こんな悲しみなんて知りたくなかった!私なんて野良のまま死んじゃえば良かったんだ!!

私はズルくて嫌なエリーンだ…大好きなご主人様でいやらしい妄想までして…悪いエリーンだ!
ご主人様がいてくれなかったら…私は幸せになんて、、なれないよ…。

――ひとしきり泣いた後、シオリは主人の亡骸にキスをした。最初で最後の恋。
キスをしながら、シオリは背後に何者かの気配を感じていた。

シオリ「……ご主人様、愛してるデス。ずっとずっと…いつまでも」

おしまい。

954名無しさん:2022/02/02(水) 05:14:17 ID:UN4dwuGY
しょんべりーん!当時めっちゃ楽しんで読ませてもらってました

955名無しさん:2022/02/03(木) 00:40:43 ID:EGMS4ISg
大量投下草
毛リーンきもすぎ
未就学エリーンシリーズ読んでたから泣くわ
おつかいのリスエリーンとかすげー懐かしい

956しょんべりーん:2022/02/03(木) 23:21:44 ID:rXy2pB/o
誰もいないと思って大量に投下し過ぎました。サ終までまだ少しあるのでちょっとずつ投下します。
当時も今もこんな妄想に付き合ってくれて本当にありがとうございます。
あと二つのシリーズでTERAの妄想創作は全て終わりなので、もう少しだけお付き合いくださァーィ。

〜未就学エリーンレポート 1「保護施設のエリーン」〜

俺はアルボレア全土を駆け回るエリーンネタ専門の記者だ。
エリーンモデル界の薬物汚染や人気アイドルエリーングループの枕営業や恋愛スキャンダル、
ディーラーエリーンのA〇墜ちなど、俺が取り上げたネタは瞬く間にバズった。
それこそ"エリーン砲"などと呼ばれた事もあるくらいだ。

何故そこまでエリーンに執着するのか。俺は決してエリーンが好きなわけではない。むしろ嫌いだ。
だからこそ、化けの皮が剥がれた時の滑稽さといったら…笑えるじゃないか。
「〜デス!」とか言って媚びへつらっていても、所詮は獣臭いクソガキなのだ。

さて、今回は未就学エリーンが暮らす保護施設を取材しようと思う。
ポラ・エリーヌ主導で未就学エリーンの自立支援や職業訓練なども行われているのだが、
政策がうまくいってるとは言い難い。その為かこの手の施設はそこかしこで乱立しており、怪しいものも多い。
未就学エリーンを対象とした孤児院や宗教施設、セミナーハウスなどでも色々ときな臭い話を聞く。
一部では邪教も関わっているとか…?闇が深そうだ。

今回取材する保護施設は周りからの援助や寄付のみで経営されていて、正直厳しい状態らしい。
なので、俺に取り上げて貰って宣伝して欲しいのだそうだ。
お涙頂戴系に仕上げつつも、汚くて気持ち悪い未就学エリーン共を晒し上げてやるつもりだ。バズれば良いのだ。

――昼過ぎ、施設に着くと代表のヒュマ♂が挨拶してくれた。いかにもエリーンが好きそうなタイプの男だ。
施設は思った以上にボロかったが、雨風を凌げて食事も与えられるのだからエリーン共には最高の環境だろう。
戦況の悪化から、安全な土地の物価は上がるばかりだ。こういった場所にしかアテがなかったのだろう。

施設に職員はおらず、ボランティアが毎日入れ替わりでエリーン共の世話をしているという。
ここで暮らすエリーンは元は飼いエリーン、野良エリーンの貧乏未就学エリーンだが、
いずれも路頭に迷っている所を保護されたのだという。

「アーィアーィ!」施設の裏庭へ周ると、あのウザったい声が聞こえてきた。気に障る。クラクラしてくる。
今日は天気も良いし暑いので庭にビニールプールを設置し、水遊びをするのだとヒュマ♂は言った。
小さな家庭用のビニールプールなので、グループ別に交代で入るみたいだ。

ボランティアがエリーン共に水着?を渡す。…近隣からお古のグレーインナーを分けてもらったのだそうだ。
お古なだけあって状態は悪く、破れていたりベロベロに伸びてしまっているものもあった。
中には"エソーソ"と書かれた名札がついたインナーもあり、股間部分が黄色や茶色で酷く汚れていた。
洗濯されていないようで、獣の毛が大量にこびりついていて酷く臭かった。オエェ。

エリーン共の着替えにも立ち合わせてもらった。普段着ている服もお古らしく毛玉や継ぎはぎだらけだった。
うさぎぐみのスモックとは雲泥の差だが、この経営状態では仕方がない。裸で暮らすよりはマシだ。

エリーン共は恥らう様子もなく服を脱ぎ捨ててインナー水着に着替え始めた。
施設に入居してから多少はマシになったのかもしれないが、相変わらずガリガリに痩せていて気色悪い。
頭と手は大きいのに身体は骨が浮き出ているし、エリーン特有の下半身もガリガリ。まるで宇宙人のグレイだ。
通常、エリーンは( Y )のような下半身をしていて、ケモ耳やしっぽと同様にエリーンの象徴とも言える部位だ。
しかしながら、ここにいるエリーン共は下半身が)Л(のようになっており、太ももはくっきりと隙間が空いている。

インナーのピチピチ素材が頭に引っかかり、顔に張り付いて口をパクパクさせている鈍臭いエリーンがいた。
下半身丸出しでもがいている。しっぽも半分近く欠損しているし、惨めな姿だ。

957しょんべりーん:2022/02/05(土) 00:39:05 ID:rXy2pB/o
ショォ?!未就学キツネエリーンのタイトルが途中から未就学エリーンになってた。ミスですンー。

〜未就学エリーンレポート 2「保護施設のエリーン」〜

一通り着替え終わるとエリーン共を整列させた。こう見るとブスなエリーンが多い。ブスーンという奴だ。
糸目エリーンや、ブタ鼻エリーン、ボサボサ眉毛エリーン、歯抜けエリーン、斜視エリーン、
頭に金貨大のハゲがあるエリーン、ケモ耳やしっぽが欠損しているエリーンもいた。肌も浅黒くて汚い。
巷でよく目にするような可愛いエリーンとはまるで違う。育ちの悪さが浮き彫りになった容姿だ。

まだヨチヨチ歩きの小さなおちびーんも数匹いたが、サイズが合うインナー水着がなかったのか素っ裸だった。
小柄で痩せているものの、太ももはムッチリしていて股はωみたいな形をしていた。
相変わらず頭は大きくて重そうだが、幼いせいかケモ耳やしっぽの毛はまだ生え揃っていないようだ。

大中小と様々なエリーンがいるが、頭の出来にはあまり差がないように見えた。頭は大きい癖に中身は空っぽだ。
一見、身長が高く大人びて見えるエリーンでも毎晩夜泣きをしたり、おねしょをする事も多いとか。
飼いエリーンは基本的に甘ったれでわがまま。ぼっちりーんは挙動不審で心を開きにくいらしい。
置かれた環境によって性格に違いが出るのは当然だ。それに所詮は未就学エリーンなので"ァーィアーィ"言うだけだ。

ボランティア「1,2,3,4!5,6,7,8!」 エリーン共「ァ,ァー,ァ,ァィ!ァーァ?...ィ..?ッィ」
ボランティアに先導されて準備体操をするエリーン共。リズムが合ってない。鈍臭すぎる。
痩せっぽちの身体でガニ股になり、腕を上げたり、身体を反らせたり、何故か腰を振っている者もいる。
素っ裸のおちびーんもマネしようとするが、バランスを崩し尻餅をついて「ァ゛ァェァーェ><」と泣き出した。

準備体操が終わると号令も待たずに飛び込むエリーン共。ビニールプールはすし詰め状態だ。
グループ別とは何だったのか。何匹かのエリーンはプールに入れずにモジモジしている。きめぇ。

「ャー!ャー!」(ギュッギュッ)「ギョェ!!」(ポテェ!)「…ヒッヒッ...ウェェァアウェァ!!ペァアァァ!ブェェェ><」
狭さにイラついたブタ鼻エリーンが歯抜けエリーンをプールから押し出した。
歯抜けエリーンは地面に頭をぶつけ、口を大きく開けて泣き出した。歯抜けというか、生えてる歯の方が少ない。

片やプールでは斜視エリーンがプールでしゃがんだまま急にプルプルと震え出した。
汚い前歯で下唇を噛んだかと思うと、(モッ!ボルボルッ!パモァーパモァーモジュパァ!!)とうんこを漏らした。
かなり緩い部類のうんこだ。あっという間にプールの水が茶色く濁る。
一匹が粗相をした事で、他のエリーン共も共鳴したかのように前歯で下唇を噛んで力み出した。これはヤバい。

もう周りの大人達は阿鼻叫喚。慌ててエリーン共をプールから引き上げようとするが時既に遅し。
プールは肥溜め状態。プカプカと浮かんだうんこをおちびーんが口に入れて咀嚼している。食糞だ。

栄養状態が悪いのか、スロースの排泄物と同レベル…いや、それ以上の悪臭かもしれない。
未就学エリーンは可愛いとか可哀想とか変な妄想に取り憑かれてるマニアもいるらしいが…理解出来ない。

季節は夏…。エリーン共の濡れたしっぽから滴る水滴と糞汁を見つめながら俺はぼやく。

「暑い…臭い…帰りたい。頭がおかしくなりそうだ…フヘェ…」

958しょんべりーん:2022/02/06(日) 20:10:25 ID:rXy2pB/o
〜未就学エリーンレポート 3「保護施設のエリーン」〜

酷いプールタイムだった。今まで俺が取材してきたエリーンはああ見えて優秀だったんだな…改めて思う。
プールに入れなかった一部のエリーンはどうやらPTSDという奴らしい。
過去に悲惨な体験をしていると(例えば川で溺れたり、飼いエリーン時代に虐待されていたり)、
特定のものに対して酷く怯えたり拒否反応を示したりするらしい。アホな癖して繊細かよ。

――再びボロい古着に着替えるエリーン共。おちびーんにはまだオムツが必要みたいだ。
ボランティアが布オムツを穿かせようとすると、おちびーんは股をおっ広げて「ェヘェヘ」と笑った。

ボサ眉エリーンは片眉を上げながら慎重にパンツを穿くが、片方の穴に両足を突っ込んでいた。
どうやら一人ではまだパンツが穿けないらしい。どういうこっちゃ。
全ての着替えが終わると施設内に戻っていった。汚いパンツが何着か落ちていたのが気になるが…。

プール後はお勉強タイムだ。未就学エリーンとやらの学力がどんなものか見せてもらおう。
おちびーん共にはまだ勉強は無理みたいで自由時間になったが、大半は寝てしまうらしい。
寝る子は育つというが、おちびーんは他のエリーンに比べて睡眠時間が長いんだとか。

古びた机と椅子にちょこんと座るエリーン共。しっぽはまだ湿っていて重そうにぶら下がっている。
…明らかにケツ丸出しのエリーンもいるんだが…。パンツを穿き忘れているようだ。

今回の授業は言葉の勉強らしい。うむ、まずはこれが一番大事だな。いつまでも「ァーィァーィ」じゃ困る。
ヒュマ♂が黒板に"こんにちは" "ありがとう" "いただきます"などの基本的な言葉を書いていく。

ヒュマ♂「("こんにちは"の文字を指差して)エリーンちゃん、これは何と読むかな?わかる人〜」
エリーン共「…??」「ァーァー?」「キャハハハ^^」「ンガンガッ…(ブタ鼻をほじるエリーン」「ペーショ…」

こりゃダメだ、一匹も理解していない。理解する気が全くない。

ヒュマ♂「じゃ、エリーンちゃんみんなで一緒に言ってみようね。こんにちは!」
エリーン共「…??」「コー!チ゚ャー」「コチンコ!チンコ!キャハハ^^」「ヘッキシ!…(クシャミをするエリーン」「ペーショ…」

これが未就学エリーンなんだな。かろうじて言葉を紡ごうとしてる奴もいるが…厳しい。
エリーンの中でも底辺の未就学エリーン。そんな底辺の中にも上と下がいるという事実。

続いてヒュマ♂は黒板に"ただいま" "おかえり"などの言葉を書いていく。

「キャハハ^^...タマンダ...ンフフフ!...タマタマ!タンマダ!タダマンタダマン!キャハハハハ^^」

さっきから金貨ハゲエリーンはこの調子だ。こいつは下ネタ担当だな。

授業は15分程で終わった。これ以上やっても無駄だろう。エリーン共はすっかり飽きている。
髪の毛を一本ずつ毟って毛根を食べるエリーン、丸出しのケツをボリボリと掻き毟るエリーン、
鼻くそを机の脇にくっつけているエリーン、鉛筆や消しゴムを齧るエリーン、うわ言を呟き続ける変なエリーン。
机の脚に椅子の脚を一本のせ、椅子の不安定な揺れを楽しむエリーンもいたが、
のせた椅子の脚がガタンと音を立てて落ち、驚いた様子で「(゚ε゚)」こんな顔のまま微動だにしなくなるエリーン。

どいつもこいつもクソエリーンだ。課題は多い…。

959しょんべりーん:2022/02/08(火) 00:31:32 ID:rXy2pB/o
〜未就学エリーンレポート 4「保護施設のエリーン」〜

お勉強タイムを終えたエリーン共にも休息が必要という事で、しばらくお昼寝タイムになった。
何処の施設もこんなもんなんだろうか…。こいつらを見てると俺も疲れてくる。

――(もわ〜〜〜〜ん) エリーン共「ショォ〜〜〜ミャァァァァン(歓喜」
さっきまでグースカと鼻ちょうちんを膨らませて昼寝をしていたエリーン共が一斉に起床する。
ふむ、この匂いは…。そう、夕食の時間だ。台所から料理の匂いが漂ってくる。

歓喜に打ち震えるエリーン共は机の上に乗っかって「ンフッフフッフ♪」と踊り出した。行儀の悪い奴らだ。
おちびーんも幼児用の椅子に乗っかり、同じように踊り出すが椅子から落ちて「ァゥェァァ><」と泣いた。うるせぇ。

ヒュマ♂はエリーン共にダンスを教えた事はないと言っていたが、
未就学で幼くても媚びへつらう手段だけは一丁前に身につけているようだ。
エリーンダンスってのは本能的な行動なのかもしれない。にしても下手なダンスだ。
腰を横ではなく前後に高速で振っているエリーンもいた。金貨ハゲエリーンだ。こいつはイカれてる。

そうこうしてる内に料理が運ばれてきた。こいつらは普段どんなものを食べているのか…どれどれ。
小さなお盆の上には乾燥したコッペパンとスープが入ったお椀のみが載せられていた。
これだけ?スープには具なんてほとんど入ってないじゃないか。

こんなみすぼらしい食事にこれだけのはしゃぎ様…。
まぁ、今まで飢えに苦しんでいたわけだし、食べられるだけ有難いんだろうな。

ヒュマ♂「エリーンちゃん、ご飯だよ!"いただきます"しようね!いたd…」
エリーン共 (ガツガツズズーガツガツッ)(カッカッキッカッカ!ンガクック...)(ジュルルツーモサッモサ)(ハフッァンムァンム)(ムシャムシャチャグッチャクチャラクチャァ)

号令の合図も待たずに物凄い勢いで食べ始めるエリーン共。食に対する執着心の高さが窺える。
どいつもこいつも大きく口を開けて次から次へと頬張っていく。凄い形相だ。

自分で食事が出来ないおちびーんは「ァー!ァー!」と若干キレ気味に食事をねだっていた。ちっとも可愛くない。
ボランティアが傍につき、小さく千切ったパンをスープに浸して柔らかくしている。
幼児食のようなものも用意されていないらしい。アレルギーとか大丈夫なんだろうか…。

俺もエリーン共のスープを試食させてもらったが、はっきり言って不味い。無味。
調理ボランティアは「今流行りの減塩です」と言って誤魔化していたが、これでは栄養すら碌に摂れないだろう。

960しょんべりーん:2022/02/09(水) 00:25:05 ID:rXy2pB/o
〜未就学エリーンレポート END「保護施設のエリーン」〜

食後、エリーン共はお風呂タイムだ。案の定浴室は狭い。プールの時の地獄再来。またもやすし詰め状態だ。
元々、未就学エリーンには入浴という概念が備わっていない事も多いので、基本的に身体は洗わないらしい。
洗わせようとすると嫌がって暴れたり、ボランティアに噛みついたりもするそうだ。

そんな話を聞いてるとまたもや斜視エリーンの様子がおかしい。こ、これはもしや…。
突然目をかっ開いたかと思うと舌を出してアヘ顔を晒し出した。

斜視エリーン「クワッ!!…ァヘーィヒヘー///」(ンニョーロロローォ,ロロローォ…)

やりやがった。お風呂の定番!お風呂でおしっこ!やると思ったぜ!
一匹が粗相をした事で、他のエリーン共も共鳴したかのように目をかっ開いた。これはヤバい。

もう周りの大人達は阿鼻叫喚。慌ててエリーン共を風呂から引き上げようとするが時既に遅し。
金貨ハゲエリーンに至っては腰を前後に振りながら立ちションをキメている。飛沫がかかる…。
おちびーんは口を大きく開けて金貨ハゲエリーンのおしっこを直飲みしている。飲尿だ。

――俺は気が遠くなった。これは記事にして良いものなのか?
これまではバズれば良いとハチャメチャやってきた俺だが…流石にこれはキャリアに傷がつきそうだ…。
などと考えているうちに施設は消灯時間を迎えようとしていた。

昼寝の時はボロいタオルケットだったが、夜は継ぎはぎだらけのカビ臭い布団で寝るそうだ。ダニがヤバそう…。
今までは段ボールや枯草などを集めて寝ていたはずなので、それに比べればマシだろう。

既にエリーン共はおやすみモードだ。布団に入るや否や秒で寝やがった。のび太君かよ!野比のびリーン…。
糸目エリーンは何故か目を開けたまま寝ていた。起きている時は糸目だったのにどういう事だ。
こいつらの事だからどうせおねしょもするんだろう。気持ち良さそうに寝やがって。

こっちはエリーン共の耳障りな声が耳にこびりつき、プールや風呂での地獄絵図が目に焼き付いてしまった。
今夜は眠れそうにない。帰ったらリカノールビールを浴びる程飲もう。そんな気分だ。

帰り際、ヒュマ♂から宣伝と記事について改めてお願いされたが、少し考えさせてくれとだけ答えた。
未就学エリーンは確かに酷かった。だが、施設の連中のやり方にも問題があったように思う。
言っちゃ悪いが…頭がエリーン並というか、未就学エリーンのレベルにヒュマ♂達が引っ張られてるように感じた。
少なくとも俺はもう未就学エリーンの取材はやりたくないと思った。こっちまでおかしくなりそうだ。

――季節は秋になり、朝晩は随分冷え込むようになった。こうなると夏の暑さが少し恋しくもある。
夏の思い出といえば未就学エリーンの保護施設だが、つい先日閉鎖したという知らせが届いた。
あれから代表のヒュマ♂は情緒が不安定になっていったらしく、今は行方不明だそうだ。

入居していたエリーン共がどうなったのかは知らない。
また路頭に迷う日々を送っているのか、それとも何処かへ売りに出されたのか、もう死んでいるのか…。

結局、俺は記事にはしなかった。記事にしていたところで結果は変わらなかったと思う。
あくまでこのレポートは非公開。自分用の日記のようなものだ。そう、日記だ。
何故なら俺は記者なんかではないからだ。エリーン砲?なんだそれは。俺は知らない知ってたけどなかった。
エリーンちゃんの声が耳にこびりついて取材しないと食事にしよう。そうだねおかえりって言ってフヘア
まーたうんこ漏らしたの僕はパパ先生だからエリーン共に躾しないと怒ったらだーめ!殴って殴ったら泣いたぞ?
ンフッフフッフンフッフフッフ!a-nアーン!今日も一日頑張ってエリーンちゃんのお世話!最初から最後まで全部エリーン。
パパ先生は取材の依頼をしたから僕が挨拶してエリーン共のプールの時間だ。俺は椅子突き落とすフヘ
頭割れて泣く泣いてるの?死んでるかボランティアもエリーンちゃん先生も記事にしたら確かめたっけ!
エリーンエリーンはまもなく光あれ!アルボレアは取材対象じゃないエリーンちゃんと布団のだったからデス!
ァーィヒュマ♂サsssキミのにはエリーンちゃんがいるそこだったんだね。すぐいく。俺がそうなだよ。

おしまい。

961しょんべりーん:2022/02/11(金) 21:31:08 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー 1「エリーンの家 ふるさと -辿り着いた場所-」〜

バラカ「お勉強をしたい子はこちらへ。教室に集まってくださいね」 エリーン達「「「ァーィ!」」」

ここは精霊の気が強く宿る自然豊かな地。平和と調和を愛するエリーンに最も適した場所だ。
アルボレア全土を旅し、数々の未就学エリーンを救ってきたバラカは遂に安息地を見つけ、施設を建てた。
所謂、未就学エリーンの保護施設なわけだが、そこらの怪しげな保護施設とは一味も二味も違った。

なんと、かき氷屋で成功を収めたベラード商団のリリア・エリーンが施設の立ち上げに協力しているのだ。
リリア・エリーンにはこれまでも度々世話になった。今もとある調査を依頼中であり、バラカは頭が上がらない。

ここまでの道程は長く険しいものだった。
すっかり歳老いたバラカにはアルボレア全土を旅するだけの体力はもう残っていなかった。
得意のヒールもここ数年で急激に衰え、発動すら難しくなっていた。
残りの余生はこの穏やかな場所でエリーン達と過ごしたいと考えていた。

既に数多くの未就学エリーンがこの場所で暮らし、成長し、巣立っていった。
知恵を身につけ、知識を手にし、知性を持つ。あとはチャンスを与えてあげれば良い。
バラカはその手伝いをする為にリリア・エリーンと協力して施設を立ち上げた。

今、この施設で暮らしているエリーンは6期生にあたる。

・飼いエリーンだったが戦災孤児となった姉妹のエリーン。
 姉はキツネエリーン、妹はイヌおちびーん。姉妹といっても定義的なもので血の繋がりはない。
 保護された当初、姉は警戒心が強く、バラカに噛みつく事もあった。妹りーんは泣き虫で甘えん坊。

・閉鎖された保護施設の裏庭で発見されたボサ眉のリスエリーン。
 コミュ障のぼっちりーんで施設に着た頃はパンツも一人で穿けず、言葉は「ペーショ」しか話せなかった。

・上記の施設内部で鍋に頭を突っ込んだまま倒れていたおかっぱのネコエリーン。
 過酷な環境下に置かれていたのか、外斜視で頭頂部が丸くハゲている。

・ケモ耳が片方欠損した丸坊主のウサギおちびーん。生粋の野良エリーン。
 モンスターに食べられそうになっていた所をバラカが保護した。当時はかなり衰弱していた。

・キツネばぶりーんと角なしヒツジばぶりーん。
 巨大な精霊樹周辺でエリーン密猟者に捕獲されそうになっていた所をリリア・エリーンが保護した。
 まだ赤子なので、ケモ耳やしっぽの毛が生えておらずピンク色をしている。髪も産毛程度しか生えていない。

この7名がバラカの元で穏やかな毎日を過ごしている。

最初こそは未就学エリーンそのものという感じだったが、バラカの指導と生育環境の良さが功を奏し、
今ではみんなバラカに懐き、スクスクと順調に成長している。
おちびーんやばぶりーんはまだ言葉を話せないが、年長組は意思の疎通や簡単な読み書き位は出来るようになった。

エリーンの飼育は難しく、乱立する保護施設でもエリーンが成長したという記録は残っていない。
あのエリーン研究所ですらも匙を投げるくらいだ。これは一体どういう事なのだろうか。

バラカは長い旅を経て、ある結論に至った。エリーンを成長させる上で大切な事。
衣食住、教育…勿論大切だ。でも、これらだけはダメなのだ。

重要な要素は二つある。一つが精霊の気が豊かである事。エリーンの成長には絶対必要な要素だ。
そして、二つ目は…愛情。そう、愛なのだ。

これはエリーンだけに限らず、生命にとって最も大切な要素だ。
陳腐に聞こえるかもしれないが、愛が心を、魂を育てていく。
バラカは知識の探求者として、一つの真理に到達した。

962しょんべりーん:2022/02/12(土) 22:29:20 ID:rXy2pB/o
>>910 ひきこもりーん >>617 巾着エリーン が成熟して登場します

〜ラストストーリー 2「エリーンの家 ふるさと -モリスとクルミ-」〜

バラカ「では、先生お願いしますね」
???「はいデス、お任せあれデス!」

今はバラカが教壇に立つ事は少ない。というのもこの施設には教師がいるのだ。
実はこの施設ではバラカ以外にも職員が数人いる。皆、バラカの意志を継ぐエリーンだ。

教師エリーンの名前はモリス。かつて、ひきこもりーんをしていたリスエリーンだ。
バラカ主催のあおぞら教室に参加した際、バラカに感銘を受け更生したという。
それからメキメキと学力を上げ、教員免許を取得してすぐにこの施設の教員に志願した。
ひきこもりのリスだからモリスだ…。

モリス「皆さん〜、今日も楽しく授業を始めるデスよ〜!」
エリーン達「「「ァーィ!」」」

授業はバラカ譲りの内容と進行で、絵本やおとぎ話を引き合いに出しながらも、
現実でどう応用していくか、実際にどう使うのかを丁寧かつユーモアを交えて展開していった。
言葉も文字も公式も暗記するだけでは意味がない。実際に使ってこそ楽しさが芽生えるものなのだ。

一方でおちびーんやばぶりーんはどうしてるのかというと、こちらにはもう一人のエリーンが面倒を見ていた。
保育士エリーンの名前はクルミ。彼女もまたバラカのあおぞら教室出身だ。

大きな巾着袋を背負ったきぐるみ姿のヒツジエリーンはあおぞら教室で失禁してしまった過去がある。
その時にバラカの機転を利かしたフォローによって救われたという。
バラカの優しさと面倒見の良さに感銘を受け、保育士を目指したのだそうだ。
名前はクルミ。きぐるみだからクルミだ…。

大きな巾着袋ときぐるみ姿はクルミのトレードマークになっていて、おちびーんやばぶりーん達も懐いている。
巾着袋からは積み木や折り紙、絵本などが次から次へと出てくる。
たまーに飴玉や玉子ボーロ、マシュマロなどを取り出す事もあるという。
おちびーん達からすれば魔法そのものだ。何でも出てくる魔法の巾着袋だ。

エリーン研究所や他の保護施設とは明らかに違う和やかな雰囲気。
カリキュラムはしっかりと組まれているが、決して自由を縛るものではない。
この施設では職員もエリーンもみんな家族であり、お互いに助け合いながら社会生活を学んでいく。
うさぎぐみでは過保護っぷりがしばしば問題になっているが、ここではエリーンの自主性を重んじているようだ。

963しょんべりーん:2022/02/13(日) 22:18:07 ID:rXy2pB/o
>>400 トリックォァトリート >>429 コックリーン >>764 「パンピリーンとコックリーン編」などが元ネタです

〜ラストストーリー 3「エリーンの家 ふるさと -クリン-」〜

午前中の授業が終わるとお待ちかねの昼食タイムだ。食堂からは食欲をそそる美味しそうな香りが漂ってくる。
エリーン達は教室の後ろに列を作って並び、前習えをした。

一番小柄なボサ眉エリーンは先頭で腰に手を当ててキリッとした表情をしている。
以前のようなコミュ障っぷりはもう感じられない。だが、両側の眉毛は繋がっている。

エリーン達「イチ!」「ニィ!」「サン!」「「「ァーィ♪」」」

何と点呼まで始めた。既に数字も理解出来るようになっている。天才だ!教育の成果!
これから楽しい食事が始まるという事で心なしかみんな張り切っている。

(ザッザッザッ)と一列に並んで食堂に向かうエリーン達。
斜視エリーンは左右の手足が一緒に出てしまっていたが、姉リーンが見本を見せるとすぐに改善した。
だが、目のピントは大きくズレていて、明後日の方向を向いている。

食堂に着くとに年長組、おちびーん組、ばぶりーん組に分かれて席に着いた。
姉リーンは妹りーんがいるおちびーん組の席に座り、坊主ウサギおちびーんとコミュニケーションを取っている。
クルミは哺乳瓶に入ったミルクの温度を片眉を上げながら確かめている。ばぶりーん用のミルクだ。

???「皆さゃん〜!お昼ごはんの時間デスョ〜!いっぱぃ食べるデスョ〜!」

そう、この施設では調理担当のエリーンもいる。彼女もまたバラカに救われたエリーンの一人だ。
名前はクリン。元コックリーンと言えばわかりやすいかもしれない。コックリーンだからクリンだ…。

ハロウィンでバラカから貰った甘くて美味しいお菓子、魔法の言葉「トリックオアトリート」
初めて教えてもらった言葉、初めて覚えた言葉、救いの言葉。自意識の覚醒。
辛い時に心の中で「トリックォァトリート」と呟くと元気が出た。クリンにとってはまさに魔法の言葉だった。

それからクリンはバラカへの恩返しを誓い、料理人になる為に修行を積んだ。
厳しい修行の末、クリンはプロの料理人となり、豊穣祭では総合料理長に抜擢された事もある。
その活躍はメディア出演や料理本の出版、何故か歌手デビューなど多岐に亘ったが、
被災地や貧困地域での炊き出しにも積極的に参加した。そこで偶然バラカと再会し、今に至るというわけだ。

――食事のメニューはプロの料理人だけあって完璧な仕上がりだった。
栄養バランスは勿論の事、彩も豊かだし盛り付けにもこだわっていた。
また、おちびーん用に幼児食のようなものもしっかり用意されている。

配膳には年長組も加わり、全員に食事が行き渡るとバラカの号令を待つ。

バラカ「今日も美味しそうなご飯ですね。私もお腹が空きました。それでは、"いただきます"」
エリーン達「「「イチャアキマシュ!!」」」 「「ァーィ!」」 「「ァー!」」

楽しい食事の始まりだ。スプーンやフォークを器用に使って食べるエリーン達。
施設に来たばかりの頃は号令も待たず、手掴みだったり、皿に顔を突っ伏して一心不乱に貪っていたという。
姉リーンはモグモグと咀嚼しつつも、幼児食を小さなスプーンで掬って妹りーんに与えている。
他のおちびーんやばぶりーんはバラカやモリス、クルミらが協力して食事を与えた。

クルミ「ミルク飲んだらちゃんとゲーゲーしゅるデチュよ〜」(サスサス…サスサス)
キツネばぶりーん&ヒツジばぶりーん「ゲェェップ…ァーィ」「…ゲッ...ガフッ…ゴゲェェエェップ!!…ァーィ」

ばぶりーんにゲップを促す為、きぐるみ越しの大きな手で背中をさするクルミ。母性溢れる優しい表情をしている。

実に愉快で平和な食事の時間だ。
みんなが美味しそうに食べる様子を満足げに見つめるクリン。とても幸せそうだ。

964しょんべりーん:2022/02/14(月) 22:50:37 ID:rXy2pB/o
>>948 未就学キツネエリーン完結編 が元ネタです

〜ラストストーリー 4「エリーンの家 ふるさと -シオリ-」〜

ある日の午後、バラカは近所の診療所に来ていた。あまり体調が芳しくないらしい。
施設のエリーン達の健康診断もこの診療所で行っている。健康管理は大切なのだ。

バラカ「ゴホッゴホッ!!…まぁ、私も歳ですからね。年輪が凄い事になってますよ。ハハハ」
???「もう、笑い事じゃないデス。エリーン達もいるんですから長生きするデスよ〜!」

またもやエリーンの登場だ。看護師のキツネエリーンで、名前はシオリ。
主人を亡くし、失意のどん底にいた所をバラカに保護された。

――あの日、バラカはシオリが暮らしていた集落であおぞら教室が出来ないか交渉に向かおうとしていた。
集落に着いた時には既に酷い有様だった。生存者を探していたところ、泣き崩れるシオリを見つけたのだ。
シオリは精神的にとても衰弱していて、しばらくはまともに食事も出来なかったという。

それでもバラカはシオリに寄り添い、懸命に励まし続けた。
最初はそんなバラカを煙たく思っていたシオリだったが、少しずつ心を開いていった。

シオリはバラカにこれまでの事を話した。こぼすように、ぶつけるように、声を震わせながら話した。
バラカは時折、目に涙を浮かべながらも静かにシオリの話を聞いた。

全てを吐き出したシオリは声を上げて泣きじゃくった。何も言わず、優しく抱きしめるバラカ。
やがてバラカはシオリをあやすような優しい声色で語り始めた。
アルボレア全土を旅した事、各地で出会ったエリーンの事、これからの夢の事…。
そして、シオリの主人が写真の裏に残した最期のメッセージについて。

気付けばシオリはバラカの腕の中でスヤスヤと寝息を立てていた。
シオリの頬を伝う悲しみと安堵が入り混じった涙を拭い、その大きな手の平で優しく髪を撫でるバラカ。

バラカ「生きましょう。大好きなご主人様の願いを叶えましょう。幸せになりましょう」

それからシオリは少しずつ気力を取り戻していった。看護師資格も無事に取得出来た。
シオリはお世話になったバラカや保護施設のエリーン達のサポートをする為、この診療所で働き始めた。

未就学エリーンが抱える苦しみや孤独、それを支える大人達について、シオリはどちらの気持ちも理解していた。
自身の経験とスキルが誰かの役に立つのなら、その為に精一杯生きよう。それがシオリの新たな夢になった。

――咳止め薬と腰痛用の湿布を受け取るバラカ。

バラカ「どうもありがとう。それではまた。身体に気を付けて」
シオリ「それはこっちのセリフデス!お大事にデスよ!あまり無理しないように〜」

一回り小さくなったバラカの背中を見送るシオリ。

シオリ「(長生きするデスよ。あなたは私にとって命の恩人なのデスから。本当にありがとうデス)」

965しょんべりーん:2022/02/15(火) 20:20:04 ID:rXy2pB/o
>>910 ひきこもりーん が元ネタです

〜ラストストーリー 5「エリーンの家 ふるさと -ドーナ-」〜

???「ゼェゼェ...やっと着いたデス。ここがあの女のハウスね…」

霊杖を持ったエリーンが保護施設の前に突っ立っていた。エレメンタリストのようだ。

エレーン「もしもし、エリーンちゃんが来たデスよ。ピンポンピンポン!」
バラカ「はいはいー。…おや?これは可愛らしいお客さんですね。さぁ、どうぞ中へ」

エレーンを施設内に迎えると、乱暴に靴を脱ぎ捨てて辺りをキョロキョロ見回し始めた。

エレーン「ヘェー、悪くない所デスね。ここにあの女がいるのね。約束通り会いに来たデスよ」
バラカ「それはどうも。お友達をお探しでしょうか。少々お待ちください」

やたらと態度がデカいエレーンだ。誰かを探しているという。
すると、丁度授業を終えたばかりのモリスが騒ぎを聞きつけて出てきた。

エレーン「ァ!!見つけたデス!会いに来てやったデスよ!感動の再会デス!泣いて良いデスよ!」
モリス「……???…、…、、ァ!…ァーィ!!あなたはあの時の!久しぶりデス!よくここがわかったデスね!」
エレーン&モリス「ァーィァーィ♪」

モリスは今まですっかり忘れていたようだが、エレーンはモリスとの約束をしっかりと覚えていた。
このエレーンはモリスと共にバラカ主催のあおぞら教室に参加していた元未就学エリーンで、
モリスがひきこもりーんから更生した際、エレーンは自立支援施設に入所した。
そう、あの角オナばかりしていたエリーンだ。名前はドーナという。角オナリーンだからドーナだ…。

別れの際、再会の約束をしていたが、それっきり何の音沙汰もなくなってしまっていた。

ドーナは自立支援施設に入所してからも角オナ癖が治らず、周囲から浮いた存在になっていた。
ある程度言葉が話せるようになった段階で施設を飛び出し、野良エr…旅のエリーン(自称)になった。

旅に出てすぐ、剣を杖替わりにしてヨタヨタと歩いている足の悪いエリーンと出会った。野良エリーンだろう。
ドーナは何か食べ物をよこすように言うと、野良エリーンは何も言わずに傷んだ干し肉を数枚渡し、去っていった。
あっという間に食べ尽くすとお腹の調子が悪くなり、上から下から悲惨な事になった。

その後、ゲロと下痢まみれで倒れている所を奇妙なエレーンに拾われ、一緒に行動するようになった。

奇妙なエレーンは掴み所がなく、海岸でイクラを出産したり、豊穣祭では畑でカボチャに擬態したり、
変なコスチュームで勝手に他人のPTに同行したり、奇行ばかりしていた。
そんな奇妙なエレーンにドーナは親近感を覚え、このエレーンと一緒いれば角オナし放題だと思った。

旅の途中、奇妙なエレーンの霊杖をこっそり借りて股間に擦り付けていた所、偶然にもイクラを出産。
エレメンタリストとしての能力を開花させ、ドーナはエレーンになった。
だが、使えるスキルはイクラの出産のみで、霊杖で股間を擦らなければ発動しなかった。

そして、奇妙なエレーンはある日突然「ガチ恋営業系Vtuberで食っていこうと思ってるんデス」と言い出し、
霊杖をドーナに渡すと何故かウクレレに持ち替え、そのまま何処かへ走り去っていった。

またしても一人になってしまったドーナは昔の約束を果たす為、モリスの行方を追って旅をしていたそうだ。

ドーナ「という壮絶な旅をしてきたんデス。だからテイチョーにもてなすデス。これからしばらく世話になるデス」
モリス「それは大変だったデスね…エ?え?ば、バラカ先生、どうしましょう…ホュユユ…」
バラカ「ゴホン…まぁ、これも何かの縁です。お二人には積もる話もあるでしょう。好きなだけウチにいなさい」

こうして、角オナエレーンのドーナが保護施設の居候として迎えられる事となった。

966しょんべりーん:2022/02/17(木) 19:25:23 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー 6「エリーンの家 ふるさと -異常者-」〜

(ゴホッゴホッ…)たまに咳をしながらも優しい笑顔でエリーン達を見守るバラカ。
エリーン達は施設内の庭でエリーンダンスの練習をしたり、花壇に水をやったり、自由時間を過ごしていた。

おちびーんは蝶々を指差して「ァーァー!」と言っている。
年長組のエリーンが自慢げに蝶々を捕まえようと両手でパチンとはたくが、
まんまと逃げられてしまい、首をかしげている。エリーンの定番リアクションだ。

シオリが持ってきた健康診断の結果も全員異常なし。エリーン達はみんなスクスクと成長している。
…バラカの診断結果だけ要精密検査で、近々ヴェリカの総合病院で検査する事になっている。

ヒュマ♂「ああ!エリーンちゃん見っけ!こんな所にも施設があったんだね〜!エリーンちゃあん」
バラカ「??こんにちは。失礼ですが、どなたでしょうか?」

突然現れた謎のヒュマ♂。目が血走っていて、身体のあちこちに掻き毟ったような傷が残っている。
警戒心を強めるバラカ。エリーン達も危険を察知したのかヒュマ♂から距離をとって、一箇所に集まった。
年長組のエリーンが前に出て、おちびーん達を隠す。おちびーん達はビクビクと震えている。

ヒュマ♂「あああ!!お前!…お前も!生きてやがったのか!このクソエリーン!!!」

年長組のエリーンを見て突然大声を上げるヒュマ♂。どうやら顔見知りのようだ。

ヒュマ♂「おお俺はね、エリーンが大嫌いなんだよ!!ちっとも言う事聞かないし!アホだし!フヘ!
     その癖、自分が可愛いと思い込んでるのかデカい態度しやがって!死ねよ!マジで!!
     あー許せないなー!俺は上手くいかなかったのに!こんなジジイのバラカがエリーン囲いやがって!
     なぁに幸せそうな顔して暮らしてんだよ!平和ボケしやがって!ヘイワーチョーワー!バカバカしい!!」

バラカ「落ち着いてください。エリーン達が怖がります。話なら私が聞きますから。さぁ、こちらへ」

(ドガッ!)(ドタンッ)ヒュマ♂にド突かれて尻餅をついてしまうバラカ。腰痛に響く。

エリーン達「「「センセー!!」」」
バラカ「ダメです!来ちゃダメです。そこにいなさい。良い子だから」
ヒュマ♂「触んなジジイ!俺はな、お前みたいな偽善者も大嫌いなんだよ!!」
妹りーん「……ヒッ...ヒッヒッ...ゥ,ウェァァ!ァゥェァア!ァアアア!!!>o<」
姉リーン「ァラァラ,泣ィチャダーメョ、ヨシヨシ、ヨシヨシー」

ただならぬ状況に妹りーんが泣き出してしまうが、すかさず妹りーんをあやす姉リーン。何という姉妹愛。

騒ぎを聞きつけ、シオリやモリス、クルミ、クリン達も庭に出てきた。
シオリはバラカの元へ。モリス達はエリーン達に駆け寄り抱きかかえた。
バラカはシオリの手を借りて起き上がると、大きな身体を壁のようにしてエリーン達の前に立った。

ヒュマ♂「うぜぇうぜぇ!そういうのがうぜぇんだわ!雑魚共が群れてピーチクパーチクと!痒い痒い!身体が痒い!」

皮膚を抉るように全身を強く掻き毟るヒュマ♂。既に血だらけだ。これは相当イカれている。

モリス「何なんデスか、あなたは!お引き取りください!」
ヒュマ♂「はぁはぁ…フヘア!フヘアアハハ!実は俺さ、俺さ〜、あのね、あのねのね〜
     初めてじゃないんだよね、…エリーン殺すの。フヘア!」

967しょんべりーん:2022/02/18(金) 18:52:49 ID:rXy2pB/o
>>258 ムカつくサラーン >>701 採集放置おかっぱブタデブーンとインガマン >>956 未就学エリーンレポート

〜ラストストーリー 7「エリーンの家 ふるさと -ヒューマン-」〜

その昔、ヒュマ♂はヴァルキオン連合に所属するウォーリアーだった。
Lvを上げ、装備を更新し、火力としても盾としても真面目に役目をこなしていた。

だが、思ったように評価されず、ギルメンのサラーンからは罵声を浴びせられる毎日。
この頃からエリーンに対して屈折した感情を抱くようになっていった。

ヒュマ♂は新兵の頃からちょい乗りたぬきをペットとして可愛がっていたが、
ある日、サラーンが無理矢理たぬきを染色し、瀕死の状態まで追いやったのだ。
激昂したヒュマ♂はサラーンを拉致し存分に拷問した後、首を絞めて殺した。

自責の念に駆られたヒュマ♂は手首を切って自害しようとしたが、傷が浅かった為に死ねなかった。
たぬきはヒュマ♂がサラーンを拷問してる最中に息を引き取った。助からなかったのだ。

ヒュマ♂はエリーン殺しとペットを失った事で精神を病んだ。ギルドも除隊になった。
それでもヒュマ♂は持ち前の真面目さ、勤勉さ、贖罪の気持ちから鍛錬を積み、インガマンとなった。
そんな中でまたもやエリーンとトラブルになってしまう。

祝祭でイチゴの採集をしようとしたところ、採集ペットのルイに仕事を任せて放置しているエリーンがいたのだ。
このエリーンは採集場を独占し、ルイに採集させたイチゴをひたすら貪り続けるという怠惰のデブーンだった。

ペットに愛情を注がず、横暴に振る舞うデブーンに激昂したヒュマ♂は、デブーンを川に突き落とした。
ブクブクと川底に沈んでいくデブーン。その様子をじっと見つめるヒュマ♂の顔には笑みがこぼれていた。
この日を境にヒュマ♂はますます狂っていった。

成熟したエリーンがクソエリーンなら、成熟する前に教育してやれば良いと考えるようになった。
退役したヒュマ♂は保護施設の代表として未就学エリーンをかき集め、躾と教育を施した。
しかし、これも上手くいかなかった。成熟したエリーン以上にクソエリーンばかりだったのだ。

経営難、借金、クソエリーン…何をやっても上手くいかない自分、評価されない自分。
ヒュマ♂の精神状態は限界を超えていた。薬物にも手を染めた。尿検査にはお茶を提出した。
幻覚、幻聴…現実と妄想の区別が付かなくなっていった。

錯乱したヒュマ♂は保護施設のエリーン達を虐殺した。
取材がどうの、エリーン砲がどうの、わけのわからない事を喚き散らしながら虐殺した。
その時に運良く逃げ延びたのが、ボサ眉エリーンと斜視エリーンだ。

ヒュマ♂「エリーンは皆殺しだ!フヘア!エリーンの声が聞こえる!光あれ!エリーン殺す!世界が俺が!フヘ」

元々は真面目で勤勉、動物好きの心優しいヒュマ♂はこうして闇に吞み込まれていった。

968しょんべりーん:2022/02/19(土) 21:24:13 ID:rXy2pB/o
ラストストーリー 8「エリーンの家 ふるさと -お父さん-」

バラカ「そ、そんな…。貴方は自分が何を言っているのかわかっているのですか!
    人の命をなんだと思っているのです!?恥を知りなさい!」

ヒュマ♂「人?人って?ここにいるのはみんな獣臭い畜生じゃん!バラカのジジイは見た目からして化け物!
     だからこうやって殴り飛ばしてもオッケー牧場!!フヘア!」

(ボガァアッ!!)(ダアァン!!)腹を殴られたバラカの大きな身体は宙を舞って庭の花壇まで吹き飛んだ。

バラカ「グハァッ!!ゴホッ!ゴッホェェゴホゴッホ!!」
ヒュマ♂「フヘア!偽善者のロリコンジジイ…トドメを刺してやる!取材の時間だ!」
シオリ「バラカ先生!今行くデス!しっかりするデス!」
ヒュマ♂「おっとぉ!動くんじゃねぇ!クソエリーン!アホ毛引っこ抜くぞ!」

激しく咳をして吐血するバラカ。肋骨も何本かやられたようだ。元インガマンは拳も強かった。
シオリはバラカに駆け寄ろうとしたが、ヒュマ♂が睨みを利かせて動く事が出来ない。

斜視エリーン「…ォ..ァ,アッ…アィ..センセ,,…オトャ...シャ」(モジモジ)
ヒュマ♂「んあ?」
斜視エリーン「ォ…、ャー……ォトーシャ...ォトーシャ…ヲ..イジメルナー!!!」(トテテテテテ)
ボサ眉エリーン「オトーシャ!オトーシャ!ティヤーーー!!!」(トテッテテテ)
坊主ウサギおちびーん「パ..パー…!パーパーーーー!!!」(ヨチチチヨチチ…コロン)「チィィィ...パァ..パァパァ!パーパー!!」(ヨチチチ)

何と斜視エリーンがヒュマ♂に突進していった。前の施設では酷い目に合ったというのに凄い勇気だ。
ボサ眉エリーンも媚びへつらったエリーン走りでヒュマ♂に突進していく。
坊主ウサギおちびーんですらも拳を突き上げヨチヨチとヒュマ♂に向かって走っていく。が、転んでしまう。
しかし、泣く事もなくすぐに立ち上がり、再びヒュマ♂に向かっていく。

二人のエリーンがヒュマ♂に群がり、しがみついたり噛み付いたり、薄くなった頭髪を引っ張ったりしている。
その隙に姉リーンは妹りーんを抱えたまま、バラカの元へ駆け寄る。

クルミ「ダダダダメデス!ミャ..みんなその男から離れるデス!ァァァ危ないデス!!」(チーロロロ...)
バラカ「ゴフッ…貴方達、、いけません!…ゴホッゴホ!何て危険な事をっ…!」

顔面蒼白のクルミ。離れるように叫ぶが、自分は恐怖で一歩も動く事が出来なかった。
それどころか、もふもふのきぐるみの中で少しだけおしっこをちびってしまっていた。

ある意味、こういう時は成熟したエリーンよりも精神的に未熟なエリーンの方が行動的なのかもしれない。
善悪の区別も含めて、何が安全で危険か熟知出来ていない分、感情のまま無鉄砲に動けるのだろう。

バラカの心情は複雑だった。エリーン達を危険な目に合わせてしまった。
こんなに老いて弱くなった自分を守る為に。自分は何て無力なのだろうか。
エリーンを救うなどと大口をはたいてこのザマだ。情けなくて仕方なかった。
それと同時に「お父さん、パパ」と呼んでくれるエリーン達からの信頼、成長が嬉しくもあり、誇らしかった。

969しょんべりーん:2022/02/20(日) 23:35:46 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー 9「エリーンの家 ふるさと -小さなファイター-」〜

ヒュマ♂「あーあー!アー!痒い痒い!うぜぇんだよ!この畜生共が!ンギョオオ!!」(ドガガァ!!)

ヒュマ♂にしがみついていた二人のエリーンが瞬く間に吹き飛んで散っていく。
斜視エリーンは施設の壁に背中を叩きつけられ、ボサ眉エリーンは花壇のレンガに頭を打ちつけてしまった。
それでも二人のエリーンは泣かなかった。歯を食いしばって立ち上がろうともがいている。
師であり父であるバラカを守る為に。

と、ヒュマ♂の足元に坊主ウサギおちびーんがようやく辿り着いた。

坊主ウサギおちびーん「ァーァ!ァーァ!パーパパーパ!!」(ペチペチ)

ヒュマ♂の足元で小さな打撃を繰り返す坊主ウサギおちびーん。小さなファイター、ぼこりーんだ。

ヒュマ♂「あ?フヘアフヘア〜…あ!?」

睨みを利かすヒュマ♂。すると、坊主ウサギおちびーんはプルプルと震え出す。流石に荷が重い。
こんなに幼いえりーんが敵う相手ではない。

坊主ウサギおちびーん「ァ....ァ...ンムヘメェ…ショォ...(プルップルル」(ジョロロ…ジョロロロチチチチ…ョーーショーーー)

つい先日オムツがとれたばかりの坊主ウサギおちびーん。フルスロットルの大失禁だ。
ヒュマ♂の足はホカホカのおしっこに濡れて湯気が立っている。

ヒュマ♂「こ、このクソエリーンが!!フヘア!俺様の神聖なおみ足を汚しやがって!ぶっ殺してやる!!」

激昂するヒュマ♂。当然である。まさにしょんべんくさいエリーンにおしっこをかけられたのだから。
喜ぶのは変態エリーンマニアくらいである。

ヒュマ♂は坊主ウサギおちびーんの片方しか残っていないウサ耳をギュッと掴んで持ち上げる。

坊主ウサギおちびーん「ンギョ!!!ッコ....」(プシッ...ョーロロロ…チーィー)

ウサ耳を掴まれた激痛で身体がスタンした坊主ウサギおちびーん。坊主頭には血管が浮き出て脈打っている。
おしっこで重さを増した幼児パンツは黄色く染まり、今尚溢れるおしっこの受け皿としてビチャビチャと音を立てる。

ヒュマ♂は坊主ウサギおちびーんの幼児らしいお腹にポフッと軽く、それでいて力の篭った一撃をぶつける。

坊主ウサギおちびーん「ボゲェエェ!!!ェゲェェォォロロロ!!!」(グビュルロロル!ボレレレレレ!!!)
バラカ「やめ、ゴホッ!ああ…な、なんて事を…なんて事をっ!!」

坊主ウサギおちびーんは白目を剥きながらゲロを吐いた。
これでは…ぼこりーんではなく、ぼこられりーんと呼んだ方が正しいだろう。
ウサ耳を掴まれた激痛に加え、この一撃で坊主ウサギおちびーんは意識を失った。

ヒュマ♂「きったねぇなあ!しょんべんに!ゲロに!ァー痒い!フヘァーィフヘハ!」(ポイッ)

まるで小さな紙屑のように放り捨てられる坊主ウサギおちびーん。
坊主頭が地面で何度かバウンドしてコロコロ転がった後、まんぐり返しの体勢になったまま動かなくなった。
パンツに染みたおしっこが身体を伝って顔まで垂れていく。全身おしっこまみれだ。

ヒュマ♂「今からクソエリーンを一匹ずつ殺していく。バラカのジジイはそれを見届けてからだ。名案だあ!」
バラカ「s、、コハァ!…そんなことはさ、させ…ガゲホッッゴッホォェ!!」

またもや吐血するバラカ。折れた肋骨が内臓に突き刺さっているようだ。

970しょんべりーん:2022/02/22(火) 19:32:42 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー 10「エリーンの家 ふるさと -凌辱-」〜

姉リーン「モ,モモーヤメルデス!エリー…チャ,ャガ,,,ミンナヲマモル!デス!」(ガタガタ)
ヒュマ♂「ほう、最初に死ぬのはお前か。この中では一番利口そうなクソエリーンだ!ジューシーだぜ!ァーィ」

庭で育てていた朝顔の支柱を一本引っこ抜き、剣のように構える姉リーン。恐怖でガタガタと震えている。
元は飼いエリーンであった姉妹のエリーンは、ある日突然戦災孤児の野良エリーンになった。
野良として生きるのは苦難の連続だった。それでも妹りーんを守る為、生きる為に姉リーンは何でもやった。
物乞い、盗み、時には他の野良エリーンと食料を奪い合い、血みどろの喧嘩にもなった。

それに比べてモリスやクルミなどは貧乏でありながらも自立するまで飼いエリーンとして過ごした。
彼女達は常に守って貰える立場にあった。その差が今この時に表れている。
自分より幼いエリーンが勇敢に立ち向かっているにも関わらず、腰が抜けて一歩も動けない。
だが、エリーンなんて大半がその程度なのだ。

ヒュマ♂はいとも簡単に支柱を取り上げる。当然だ。すると、姉リーンを押し倒して股を開かせた。

姉リーン「ナ!ナナ..ナニスルデス!」
ヒュマ♂「ナニって…フヘア!ナニだよぉ、わかるだろ〜?取材させてもらいますよぉ」

ヒュマ♂は取り上げた支柱を姉リーンの股にあてがい、ゆっくりといやらしく擦り付けた。

姉リーン「ヒャァ!ショォォォ...!」
ヒュマ♂「気分はどうだあ?ん?畜生の癖に感じてんのか?ぉおん?フヘアヘヘヘ」

ゲスの極みである。姉リーンにそういった知識はなかったが、物理的な接触には抗いようが無かった。
これまで感じた事のない刺激が姉リーンの全身を駆け巡る。

姉リーン「…ミ,,,ミヤァァ///」
ヒュマ♂「フヘアフヘア!傑作だ!何て声出してんだお前〜!密着取材デス!ヨッ!ホッ!」
バラカ「や、やめな…やめさない。フガッ!ゴホッゴホッ!やめなさい!!!」
妹りーん「ホュュ...?ンッ...チ...ンッンッ…ォワーィ///」(モゾッモゾゾゾ)

姉リーンの元へ這い蹲るバラカ。
気持ちとしては嫁入り前の娘を見ず知らずの男に目の前で犯されているようなものだ。

そんな姉リーンの真似をするように妹りーんもオムツの中に手を入れて股を擦り始めた。
何もわかっていないようだが、股を擦ると良い気持ちになるという事は覚えてしまったようだ。
最年少オナりーんの誕生だ。姉が凌辱されてる姿を見て致すとは中々の変態えりーんである。

ヒュマ♂「ほーれほれ。おたくの娘さんね。性の喜びを知っちゃいましたぜ〜!ァーィァーィ!!
     どんな気持ち?ん?そろそろ貫通しちゃう?大人の階段の〜ぼルゥ♪」

ヒュマ♂は姉リーンのパンツを乱暴に引きちぎり、バラカの顔に投げつけた。
露になった未熟な秘部は赤みを帯びてぷっくりと膨れており、日差しのせいかテラテラと濡れているようにも見える。
ヒュマ♂は支柱をレロレロと舐めると、姉リーンの秘部に押し当てる。いよいよだ。

――と、その時。

???「そこまでデス!」

971しょんべりーん:2022/02/24(木) 22:48:33 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー 11「エリーンの家 ふるさと -英雄-」〜

空から何者かの声が。それは太陽を隠すように大きかった。…飛竜だ。
施設の上空を何体もの飛竜が旋回している。

ヒュマ♂「バカな!飛竜だと!?俺はオリバー&ダニエルすら持ってないのに!」
(シュババッッ!)
ヒュマ♂「ショォ!な、何だ?何が起こったんデスー?!ヘァ?ヘァ?!」

ヒュマ♂が上空に気を取られている隙にまた別の何者かが姉リーンとバラカを救い出し、シオリに預ける。
一体何者なのだろうか。ヒュマ♂を含め、この場にいる全員が状況を飲み込めずにいた。

すると、一体の飛竜がゆっくりと地上に降りてきた。飛竜に騎乗していたのはリリア・エリーンだった。
そう、施設の立ち上げにも協力している、ベラード商団のリリア・エリーンだ。

リリア・エリーン「遅くなってごめんなさぁい。バラカ先生〜、見つけてきましたよぅ」

そう言うとリリア・エリーンはもう一人の方へ視線を移す。
バラカはシオリに抱えられながらも視線の先をその者に向けた。痛みで視界がぼやける。
目を細めてよーく見てみると、そこに立っていたのは……。

バラカがよく知っているエリーンだった。…全ての始まり。
師であり、父である今の"バラカ先生"という人生は、このエリーンとの邂逅から始まった。

――自分にもっとエリーンという種族についての知識があれば、理解があれば、きっと救えたはずだった。
貧乏で人見知りだけど、健気で、無邪気で、頑張りやさんの小さなエリーンの事を。
カキ氷が大好きで、お化けが苦手で、おもちゃではしゃぐウサギエリーンの事を。

各地を旅してたくさんのエリーンと出会った。救いを必要としているエリーンは大勢いた。
贖罪…と言えば聞こえは良いかもしれない。ただ、エリーン達に幸せを。笑顔を。夢を与えたい。
世界は広い。そして、エリーンはこんなにも小さい。守りたい。

その一心でバラカは今日まで生きてきた。
バラカが蒔いた小さな種は一つ、また一つと芽を出して…夢に向かってスクスクと育ち、美しい花を咲かせた。
立派に育った花達はバラカを支え、新たな夢を育てる為に小さな種を蒔き始めた。

自分の役目はもうじき終わりを迎える。バラカはそう考えていたが、一つ心残りがあった。
あの時救えなかったウサギエリーンの行方についてだ。

旅をしている間、ウサギエリーンの行方をずっと追っていたが、全く足取りを掴めなかった。
ひょっとしたらもう…などと悪い考えが頭をよぎる事もあった。だが、バラカは諦めたくなかった。
長い年月が経ち、老いたバラカは旅を終えてこの保護施設を建てた。
バラカはリリア・エリーンに後の捜索を委ねた。ウサギエリーンとも面識があるし、何より顔が広い。

そして、遂にリリア・エリーンはやり遂げた。今、目の前にウサギエリーンがいる。
あの頃とは見た目が大分変わってしまっていたが、それは年老いたバラカも同じだ。

両ケモ耳の欠損を隠す為のほっかぶり、失明した左目には手作りの眼帯、右足は麻痺して不自由だった。
しっぽの毛もほとんど残っておらず、身体の状態は劣悪な野良エリーンそのものだった。

バラカと別れてからのウサギエリーンがどれ程壮絶な人生を歩んできたのか…、
身体の状態を見ればすぐにわかった。見えない所にもきっと幾つかの障害が残っているだろう。
バラカの目頭は熱くなった。それでもよく生きていてくれた、また会えて良かったと心から思った。

972しょんべりーん:2022/02/25(金) 22:56:46 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー 12「エリーンの家 ふるさと -霜天-」〜

しかし、こんなにボロボロのウサギエリーンが先程のように一瞬でバラカ達を救えるだろうか。
いや、確かに身体こそボロボロだが、ウサギエリーンは元ヴァルキオン連合の兵士であり、ウォーリアーなのだ。
そんじょそこらの軟弱なパンピリーンとは違う。腐ってもヲリーン、ウサギヲリーンなのだ!
だが、果たしてそれだけだろうか?

ドーナ「もうさっきからやかましいデスね〜。せっかくばぶりーん達が寝た所なのに起きちゃうデス!
    ベビーベッドで角オナを披露してやったらばぶりーん達も喜んでスヤスヤしたデス!チョロイもんデス^o^
    ッテ,大体何でお客サンのエリーンちゃんが子守なんてやらなきゃいけないんデスか!」

ドーナだ。どうやら今の今まで子守でばぶりーん達を寝かしつけていたらしい。
あろうことかまだ赤子のばぶりーんに角オナを見せつけるという変態行為に及んでいる。
この変態クソエレーンは施設からとっとと追い出した方が良いだろう。教育上良くない。

ドーナ「…ショォ?!あ、あんたはあの時のみすぼらしい野良エリーンじゃないデスか!
    あんたのせいでエリーンちゃんはお腹がピーピーになったデス!謝罪を要求するデス!!
    ルゥ...それにしてもあんた変わったデスね。オーラがあるとゆーか…マ,エリーンちゃんには劣るデスが」

旅に出てすぐにドーナが出会ったという足の悪いエリーンはこのウサギヲリーンだったのだ。
バラカはアルボレア全土を旅しても会えずじまいだったというのに。縁とは不思議なものである。
もしかすると、エリーンには精霊の気を通じて互いに引き寄せ合う何かがあるのかもしれない。

ドーナの発言にもあるように、ウサギヲリーンにはとある大きな変化があった。
なんと!ウサギヲリーンはLv60からLv70になり、ズタボロの太陽装備から最新の霜天装備にレベルアップしていた!

リリア・エリーンの計らいによって用意された「急速成長(Lv.70)」によって
ウサギヲリーンはジャンピングウサギヲリーンとして目覚ましい成長を遂げていたのだ!

リリア・エリーンはもはやチート、いや…運営だ。
現在、アップデート記念で2キャラ分のカンストが出来ちゃうスペシャルプレゼントを配布中だ!
復帰勢はこの機会にLv70になって再びアルボレアを冒険してみないか!?急げ〜!!

そして、上空を旋回する飛竜に乗っているのは、リリア・エリーンが組織したエリーン騎士団の面々であり、
彼女達もまた復帰勢としてLv70になったジャンピングエリーンだ。
飛竜は幻獣大放出セレクトガチャを回してゲットしてくれ!急げ〜!!

973しょんべりーん:2022/02/27(日) 20:02:02 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー 13「エリーンの家 ふるさと -エリーン達の勝利-」〜

ヒュマ♂「何なんだよ!次から次へとエリーンが湧いてきて!俺は記者なんです!フヘア!NKGWどこー?
     エリーン砲がァーィ!イエヤスが殺せって言ってイチゴ食べたかったのに教育だから。ショォでしょ?
     痒いよぉ、ボリボリ!エリーチャは未就学デスからおフヘァ勉強するデスァ!アッアッ!エリーンの声が聞こえる」

ドーナ「もしもし、そこのハゲたおっさんどーしたんデスか?クレイジーデスねぇ…。ビョーキデス」

錯乱状態のヒュマ♂は支離滅裂な事ばかり言って要領を得ない。あのドーナにすら呆れられている。
すると、リリア・エリーンは目で合図を送る。コクリと頷くウサギヲリーン。

ウサギヲリーン「フンギョォァァァ!!!ハァッ!ヤァッ!ンン!ペェ!...ホォォォ!!ザァァァッ!!!」(ビシッ!バシャシャ!ズサン!ピョンピョン!ザシュ!〜〜)
ヒュマ♂「くっっ!ごぇ!やm、ショォ!!ぐはっ!元未就学インガエリーンちゃ痛えぇよおがはヘハヘアぁぁ!!」

ヒュマ♂にお仕置きの攻撃を叩きこむウサギヲリーン。クライ、コンバ、ランブローなどのヲリスキルが飛び交う。
久々過ぎてスキルの順番は滅茶苦茶であり、途中で何故かぴょんぴょんジャンプしてしまったり、
3段スラストに激遅ディセクトなど、復帰勢あるあるのミスを連発しているが、ヒュマ♂には効きまくりだった。

ヒュマ♂「…ミャァ,,ルゥルゥショォ...テェーペー……バタンキュー...ォオゥァ!!…ァーィ...コォ」(バタンッ!)

ボコボコになったヒュマ♂はうわ言を言いながら仰向けに倒れ、少しもがいた後に動かなくなった。
腰をユラユラ揺らしながら戦闘状態をキープしていたウサギヲリーンはそっと剣を納刀する。
戦闘終了。エリーン達の勝利だ。安心したのか、モリスやクルミ達がヘナヘナとその場に座り込む。あひる座りだ。

リリア・エリーン「みんな〜もぅ大丈夫ですよぉ♪」
バラカ「や、ゴホッゴホッ…やったのですか。…はっ!皆さんを!エリーン達の治療を!!ウゥッ!」
リリア・エリーン「喋らないで。こちらにはプリーンもエレーンもいますから大丈夫ですよぉ♪」

飛竜に乗ったエリーン騎士団が降りてきてエリーン達の治療に入る。シオリも看護師としてサポートに入った。
幸い、エリーン達はみんな命に別状はなかった。この中で一番の重傷はバラカだ。
ああ見えてヒュマ♂はエリーン達には手加減をしていたのかもしれない。

ドーナ「仕方ないデスね。ここはエリーンちゃんに任せるデス。ンッンッンッ///ウバレルー!」(シュッシュッシュッシュ)(ポコッ)

ドーナは霊杖で股を擦りイクラを出産した。手慣れたものである。絶句するエリーン騎士団達。
出産したイクラをバラカに手渡そうと近付いてくるドーナ。その表情は恍惚としている。とんだ変態エレーンだ。
バラカはその様子をぼんやりと眺めていたが、イクラを手にする前に意識が途絶えた。

リリア・エリーン「あぁん、バラカ先生ぇ…気を失っちゃったみたいですねぇ。今はゆっくり休むんですよぉ。
         ところで、あのヒューマンさんはきっと…エリーン症になっちゃったんでしょうねぇ」

エリーン症。エリーンの事で頭がいっぱいになり、幻聴や幻覚、妄想、思考障害などの症状を引き起こす。
重症化すると自らをエリーンだと思い込み、エリーンのような仕草や言葉遣いをするようになるという。

……未就学エリーン保護施設襲撃事件。
犯人のヒュマ♂はエリーン騎士団に取り押さえられ、然るべき場所へと連行されていった。
怪我人は多数出たが、リリア・エリーンとウサギヲリーンの活躍によって事件の幕は閉じた。

974しょんべりーん:2022/03/01(火) 20:28:17 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー END「エリーンの家 ふるさと -リオ-」〜

バラカは診療所のベッドで目を覚ましていた。あれから一週間も眠ったままだったらしい。
怪我をしたエリーン達はエリーン騎士団のプリーン、エレーンの治療のおかげですぐに回復した。
既に施設に戻り、モリス達と平和な日常を取り戻したそうだ。

シオリ「バラカ先生〜、入るデスよー!」(カチャ)「あらあら、お邪魔だったかしらデスね〜^^」(カタン)

シオリは空気を読んで病室を出る。バラカの病室にはウサギヲリーンがいた。
バラカが目を覚ますまでの間、ずっとつきっきりで看病していたらしい。
それは看護師の仕事だとシオリが言っても、首を横に振って聞かなかった。

バラカとウサギヲリーンはこれまでの時間を取り戻すように色々な話をした。
ウサギヲリーンは元々無口で喋りが苦手ではあったが、脳にダメージを負った時に言語障害も残った。
中々言葉が出てこなかったり、どもりながらも今日までの事をゆっくりと話した。
ウサギヲリーンの壮絶な日々を黙って聞くバラカの目には涙が溢れ、老いた頬を川のように伝った。

続いてバラカもこれまでの事を話した。長い長い旅、恵まれないエリーンについて、施設について、
ウサギヲリーンのおかげで今の自分がある事、ずっと行方を捜していた事。

月日が経ち、お互いに変わってしまった部分も多いが、不思議とあの頃に戻ったような気分になった。

バラカ「ずっと会いたかった…伝えたかった。あの日、貴方を一人にさせてしまった…本当に申し訳なかった。
    そして、貴方のおかげで…私は自分の役目に気付けた。本当に…ありがとうございます」

深々と頭を下げるバラカの肩は静かに震えていた。
そんなバラカの肩をウサギヲリーンがそっと抱きしめる。
小さなエリーンにとってバラカの身体はあまりに大きく、全てを包み込む事は出来なかったが、
ウサギヲリーンは心でバラカの心を抱きしめた。ギュッと抱きしめた。

体格や種族なんて関係なかった。ウサギヲリーンとバラカは心で繋がった。

ウサギヲリーン「…ッ...ァ,ァーィ!…ァィ,,アリガトゥ…ッ..ォト…オトォサン♪」

――季節は夏。新しい夏。燦々と降り注ぐ太陽。花壇の向日葵。蝉の鳴き声。そして、エリーン達の元気な声。

エリーン達の無邪気な声を聞いて「ンフフ」と笑うウサギヲリーン。
ウサギヲリーンはバラカから名前を付けてもらった。その名はリオ。ヲリだからリオだ…。

リオはドーナと共に保護施設の警備を任される事になった。

ドーナ「朝から暑いデスねー、何でエリーンちゃんが警備なんて…あ、もしもし、イクラでも食べるデス?」

居候でいられなくなったドーナはブツブツと文句を言いつつ、朝っぱらから霊杖で股を擦ってイクラを出産する。
リオは神妙な面持ちでイクラを見つめる。それはドーナを信用していないからではない。
ただ、昔の事を思い出していたのだ。「ァリガトゥ」と言うとリオは笑顔でイクラを受け取った。

リオはもう独りではないのだ。この施設には…この家にはみんながいる。
エリーン達が暮らす家。身寄りのないエリーン達にとっての実家であり、故郷。
それがこの場所「エリーンの家 ふるさと」だ。

「ただいま」と「おかえり」が言えるこの場所で。
大好きな家族が暮らすこの家でいつまでも、幸せに生きていく。

バラカ「さぁ、お勉強したい子はこちらへ」

おしまい。

975しょんべりーん:2022/03/01(火) 20:30:09 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー エピローグ「エリーンの家 ふるさと -また何処かで-」〜

――知識の探求はまだまだ続いて行く。バラカにはもう一つ見えてきたものがあった。
この世界についてだ。考えれば考える程、一つの答えに収束していく。

それは…この世界、アルボレアは何者かによって作られた仮想現実なのではないかという事だ。
更にこの仮想現実は一つではなく、二つ、三つ…と、無数に存在するのではないか。
自分達は何者かが本に書き記した創作物の一つであり、それもまもなく終わりを迎える…。
無数に存在するアルボレアは何かのきっかけを以て、終焉の道を辿っている。そんな気がしてならなかった。

創造、維持、破壊。それが宇宙のサイクルだ。決して逃れられない運命。
この世界は既に破壊の段階に入ったのだとバラカは考えていた。

それでも自分達にとってはこの世界が全てだ。我々は生きている。
共に暮らすエリーン達には希望を、未来を諦めて欲しくない。
例え終わりゆく世界であっても、バラカがやる事は変わらない。

バラカ「私達の物語を見ている貴方へ。楽しんでもらえましたか?私達はこの世界で幸せに生きています。
    貴方も、貴方の世界で幸せになりなさい。また何処かでお会いしましょう」

エリーン達「「「「ァーィ♪」」」



976しょんべりーん:2022/03/01(火) 21:01:31 ID:rXy2pB/o
これで妄想創作はおしまいデス。
貧乏ウサギヲリーンから始まり、未就学エリーンなど下品で酷い妄想ばかり書いてきました。
中には救いを求める声もあっていつかは完結編を、と思ってましたが、気付けば数年が経っていました。

サ終の告知がきっかけで再び書き始めて、自分はエリーンちゃんが好きなんだと改めて気付かされました。
突貫ではありますが、何とか無事に書き終える事ができてホッとしてます。ンーフー♪
ここまで妄想に付き合ってくださった皆様、本当にありがとうございました。
内容に不快な思いをされた方がおられる事も存じております。ごめんなさァーィ。

もしもTERA2があるならば、エリーンちゃんの声は今までと同じボイスを使って欲しいデス。
エリーンちゃんはこの容姿とこの声だから最高に可愛いんデス。

ァーィ♪

977名無しさん:2022/03/03(木) 09:05:38 ID:PMSvaxEQ
しょんべりーんお疲れ様!全部読ませてもらったよ
サービス終了前に復活すると思ってなかったから楽しませてもらった
懐かしいエリーンが成長して帰ってくるストーリーに感動した
これまでの話が全部繋がってるのはさすがだなと思った
貧乏ウサギヲリーンとバラカ先生の再会が泣ける

しょんべりーんワールドの集大成だった
どこかでバッドエンドを仕込んでくるのかと思ってたがハッピーエンドでよかった

978名無しさん:2022/03/03(木) 09:14:36 ID:PMSvaxEQ
感想ついでに個人的に好きなキャラも

ヒュマ♂ まさかラスボスとは エリーン症とは
エレーン 奇行が好きだった
未就学キツネエリーン まさか成長して名前までつくとは
おちびーんばぶりーん 新たな属性が新作で出るとは
バラカ先生 ついにこちらの存在まで気づいてしまうとは

今回の新作に出てこなかったエリーンも読み返すと個性的で面白い
あと今気づいたが一番のエリーン症はしょんべりーんというオチね

979名無しさん:2022/04/19(火) 02:44:06 ID:9hO3qihg
ついに明日終わるのか、、

980名無しさん:2022/04/20(水) 08:46:53 ID:TjlFnPU6
ああ、ついに終わってしまった

981しょんべりーん:2022/04/20(水) 21:25:35 ID:rXy2pB/o
とうとう終わってしまったね…エリーンちゃんがいない世界なんてクソデス!!
ひたすら踊り続けたエリーンちゃんも、重過ぎて何も出来ずにゆらゆら揺れてるだけのエリーンちゃんも、
片眉を上げながら花火職人に徹したエリーンちゃんも、現実逃避で蝶々を捕まえようとしてるエリーンちゃんも、
サ終を理解出来ずに路地裏でゴミを漁り続けた貧乏野良エリーンちゃんもみんな消滅してしまった…。
そして、海外のエリーンちゃん達も消滅が確定してしまった…。

妄想創作を読んでくれた方、本当にどうもありがとうございました。
妄想でならエリーンちゃんに会える。今でもエリーンちゃんの声が聞こえる…。

VRChatでエリーンちゃんのアバターが使えたら最高にァーィ!なのに。
メタバースエリーンちゃん実装はよ!

982名無しさん:2022/04/21(木) 16:40:06 ID:mUWcu.Pg
終わってしもうた
エリペロスレもしょんべりーんもスレ住人も乙やで

983名無しさん:2022/04/21(木) 18:56:18 ID:OcXLYHPA
この板が活気あった頃が一番TERA盛り上がってたよね

984名無しさん:2022/04/22(金) 23:41:25 ID:WrODCPAw
サ終で反応あったのがよりによってこのスレだけってのが泣ける
終わるべくして終わったんやね


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