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小噺をば

1超初心者:2002/12/05(木) 09:15
アイデアノートを兼ねて、この場をお借りしマス^^

小噺その1
KKコーポレーションを、少し離れたビルの蔭から見張っている黒デルモ
「なおみ」ポン、と肩を叩かれ、はっと振り向くとガストの姿。
「盗み見はいけないぜ、お嬢さん…」言いざま、繰り出される拳が女の下腹に沈む
――ドズウッ「うぅッ…!」力なく倒れ掛かる彼女を抱き止め、やれやれの表情
「ったく、まだ藍華を付け狙っているのかよぉ。いい加減、諦めてほしいなあ」
気絶している彼女を肩に担ぐと車に載せ、さっさと走り去る。1時間後。
自分のオフィスに連れこんだガスト、そこには既に50人のデルモたちが先客として
捕われていた。捕われの身、といっても何ら拘束されている訳ではなく、部屋に鍵が
かかっている訳でもない。それどころか、一人一人に豪華な机とPCが宛がわれ、
何か仕事しているように見える。今、一人の画面を覗きこむと、司令の会社への
振込手続き中。大富豪のガストは身銭を切って、司令の会社を支援しているのである。
何の為に?一人、溜め息混じりのガストである――「司令や副官たちも、安易な
リストラしないで欲しいなあ。あぶれたデルモたちが、プー太郎になれば、
以前の惰性で、藍華を狙うのはわかってんだから…もう」雇用創造も楽じゃない。
ガストの隠れた苦労を全く知らない司令たちであった。

30ぱんちーと:2003/01/06(月) 23:47
>それはヨーロッパ流の9年制、6歳から15歳
>まで広くカバーする一環教育である。そして全寮制。
>何分コスチュームが黒デルモの色違い、あの超ミニスカに純白ハイレグの
>紐パンもそのまま
6歳の幼女の超ミニスカ、ひもパンだなんてほとんど犯罪。

31超初心者:2003/01/07(火) 18:42
>6歳の幼女の超ミニスカ、ひもパンだなんてほとんど犯罪。
 先ほど、学校から御父兄への連絡状が配られました。
 6〜10歳の女児は、ノーマル下着、膝までのプリーツスカートに
 変わったそうです。御安心下さい^^;;;

32Untitled:2003/01/07(火) 19:26
>>26
これはわざわざすいませんm(_ _)m
尾案も結構ですが男はどうなるの?と、思いつきで書いただけでしたが(笑)
にしてもよくこれだけ次々思いつきますね。感心します。文体も、そこはかとなく
エロ小説みたいですし。
しかし、なんちゅ〜オチなんですか。ワロた(^^)

33ルドルフ・ハーゲン:2003/01/08(水) 00:15
>>31
>6〜10歳の女児は、ノーマル下着、膝までのプリーツスカートに
司令よ世間の声がどうであろうと私の作った原則を枉げてはいけない。
あくまで「スカートは短めにヒールは高めに。そしてパンティは小さめに」だ。
それとパンティは純白以外許さん。わかったな。

34ぱんちーと:2003/01/08(水) 00:19
>>33
>文体も、そこはかとなくエロ小説みたいですし。
以前「AIKa」スレに書きましたが、超初心者さんの文体は
二葉亭四迷の「浮雲」の文章を彷彿とさせます。
所謂戯作調というやつですね。

35Untitled:2003/01/09(木) 23:25
>>34
>>所謂戯作調というやつですね。
 となると、『AIKa』は動く春画なのでせうか(w

36てる君:2003/02/07(金) 23:41
皆様方初めまして。新参者です。どうぞ宜しく。

>超初心者様
文章拝読致しました。デルモ養成システムという中での、女同士の師弟間エロ物ですね。
少々エロを感じました。でも私個人としましては、女ザコ戦闘員としてのデルモが、もっとやられる要素が欲しいのです。

例えば、「デルモvsデルモ」という戦闘アクションが見たいですね。
デルモ養成システムならば、月に一度、野外又は建物内での、実戦的な格闘戦闘訓練をさせるのはどうでしょうか?
デルモ候補生達を二つの陣営に分け、互いに格闘戦のみで争わせる訳です。相手側の陣地にあるフラッグを奪った方が勝ち。
ルールは相手を殺さない事。気絶はOK。

この格闘戦闘訓練で、個人タイトルで相手陣営のデルモ候補生を倒せば倒す程、個人戦闘評価での成績ランクがUPする訳です。(優秀な者は、ゴールデンデルモ候補や幹部候補にも道が開ける?) これと同じ格闘戦闘訓練は、正規配属のデルモ達にも、月1回のペースで同じ訓練が課せられている。つまり、黒デルモ同士やピンクデルモ同士、青デルモ同士の格闘戦が行われているそうな。たまに、黒デルモvsピンクデルモの様な、異なる色のデルモ部隊相手に格闘戦闘訓練もしている模様。
しかし、あまり戦闘能力はUPしていない模様である。

デルモ候補生達は全員、頭に「つば無し略帽」を被っている。
その「つば無し略帽」の端に、水鳥の羽が一本さしてある。
これは格闘戦闘訓練で、個人が相手のデルモ候補生を格闘で倒した証拠となる物であり、デルモ候補生を倒したら必ず、相手の「つば無し略帽」から羽を抜き取る事になる。(羽の数=倒した敵のデルモ候補生の数)
尚、日頃は「つば無し略帽」を被らない、正規の黒デルモ、青デルモ達も、月1の格闘戦闘訓練の時だけは、上記の理由で「つば無し略帽」を被らなければならないそうな。(是非見てみたい)

一応、デルモ養成システムは、ところてん式卒業システムであると思われる。(ザコ戦闘員ぽくて良い)
何故かというと、デルモ達は各自戦闘能力において、かなりムラがありますでしょ? そこが大変良い所なんですけど。
例えば、黒デルモリーダー(チーフ)の様な格闘能力の高い者も居れば、第5巻で出て来た、髪型がおさげのロリ系黒デルモの弱さと言ったら…(笑) それにもっと弱い黒デルモも居ましたね。第6巻に出て来た、渦巻眼鏡を掛けた黒デルモ。
この黒デルモは格闘能力は殆ど無いタイプの典型でしょう。知的なガリ勉タイプの黒デルモ... 一体どういう基準でタイプ分けしているのでしょうか? 元、学の無いコンピューターマニア? 黒デルモは全員、格闘戦に長けた女戦闘員と思ってましたが、どうやらそうではなく、ピンからキリまで居るといった所の様です。

以上、つまりデルモとしての成績が悪くても、時がくれば全員ところてん式に卒業して、デルモゲニィ組織に各自配属されて行くので、戦闘能力の低い、黒デルモ、青デルモ、ピンクデルモも、当然沢山居るものと思われる。(魅力的)
しかし、「ルドルフ・ハーゲン様」と共に地球征服を成し遂げ、自分達の理想郷を創るという確固たる目標があるので、デルモ軍団は非常に士気が高い。それに若い美女、美少女のみで構成されていて、戦闘力の強さはムラがあって弱い部分も多々あるが、各自士気が高くてプライドも高い。しかも、女らしさを全く捨ててなくて制服もキュートで色っぽくて良い。パンツシーンも非常に多い。等という所に、ファンは非常に魅力的な物を感じる訳ですよね。

そういう訳で、やられ役の女ザコ戦闘員好きには、非常にたまらない設定です。
是非「AIka」の続きが見てみたいものです。
以上、長文済みませんでした。


>Uniteld様 「男の立場はどうなるんじゃ!」
大丈夫です。デルモ候補生並びに卒業生のデルモの彼女達は全員、デルモゲニィ社のデルモ養成システムにおいて、「メイド教育」も同時に施されております故。それにデルモのモットーの一つは、「女を捨てない」という事なので、その点でも殿方にはよく弁えております故。ただ、「ルドルフ・ハーゲン殿」が何らかの理由で復活なされた場合、その後、どうなるかは一切保証でき兼ねますが...。

最近のデルモゲニィ社のお仕事では、「ナジカ電撃作戦」や「花右京メイド隊」等のメイド役や兵士、ヒューマリオン役等に社員を派遣といった所でしょうか。裏組織完全復活には、まだまだ前途多難な様です。
つまり、藍華さん達から受けたダメージは、相当な物だった訳です。

今後、デルモゲニィ組織は、新たなるカリスマを立てる事を検討する模様です。
「故? ルドルフ・ハーゲン殿」の遺伝子を利用して、何らかの手をうつものと思われまする。
それでは、これにて御免!

37超初心者:2003/03/02(日) 11:29
小噺その20

もっぱら藍華についていく役どころのりおんだが、か弱いメガネっ子のイメージとは裏腹に
結構活躍談も多いらしい。ハーゲン艦の更衣室で3名の黒デルモとの立ち話をどうにか
ごまかし乗り切った彼女。3人がシャワールームへ消えたあと、一人きりとなった更衣室で、
やれやれとばかり、あのヤバイ下着を被う黒デルモ制服をロッカーから取り出そうとする。
と、その時がっしり肩を掴む手。「あなたッ、私の下着をどうするつもり!?」
びくっと振り返ればそこには、黒のブラと純白パンティのみ纏った女が一人。手に濡れタオル
を持つところを見ると、シャワーから戻ってきたのであろう。「あは…はは、チョッとね、
どんなかな〜って思ってェ」咄嗟にとぼけるさまも、りおん自身イケテナイ、と思う。頬を
伝う汗だらだらのりおんに向かい「あなたね〜」と追い討ちの言葉、見破られたか、と誰しも
思う。「それを着けるってことは、意中の人がいるのネ。誰なの?」これは思わぬ肩透かし、
一瞬ホッとはするが、誰なの、と聞かれて名前など浮かぶ筈もない、相変わらずのピンチは
続く。「あはは…あのコよ、あのコ…」適当に言えば何とかなる、と踏んだところが…
「何ですってえ!?みさきは私だけのものよお、邪魔しないで、これ返してよ!!」これも
思い込みの激しい黒デルモだったのだろう、突然激高する女がりおんから下着を剥ぎ取ろうと
する。揉み合う中の、もののはずみだった。ドスッ「うッ…!」突き出したりおんの肘が
相手の鳩尾に決まっている。「ご、ごめんね」この場を穏便に済まそうとしていたりおん、
口早に謝るが、眼前の女は目を閉じ口元から涎垂らしながら彼女の方へ倒れ掛かってくる。
な、何、涎なんか垂らさないでよ、と思いつつ慌てて抱き止めるりおん。湯上りの暖かい裸身
を肌で感じながら、しばらくして、そうか、このコ気絶しちゃったんだ、と思い至る。
藍華の立ち回りは、あの駐車場で目にしていたが、まさか自分が倒すとは思わぬ展開。
それでも勢いとは怖いもの、その後、艦内で、白銀基地で、ペロロンガ・ホテルの厨房で、
都合あわせて6名ものデルモたちを気絶させたという事実のルーツはここにある。今でこそ、
打ち解けているが、内心藍華並みに恐れ入っているデルモたちがいること、当のりおんは
知らずじまいなのであった。

38副官:2003/03/02(日) 17:25
>りおん、ロッカールームの戦い

あの派手な下着が、いつの間にか「制服白パンツ」に変わっている。
白パンツを穿くには「誰かのパンツを剥ぎ取る」必要がある訳で、
ここは「ストーリー観賞上の盲点」でした。
超初心者様、さすがです。

ここでのバトル経験があればこそ、りおんは青デルモ・キャサリンを
電光石火で倒すことが出来た、ということですネ。
(もっとも、キャサリンは弱っちい感じがしますが・・・)

39超初心者:2003/03/03(月) 12:43
小噺その21

小洒落た喫茶店の一角で午後のひと時を過ごす二人の女。一人は藍華、もう一人は…
青デルモ。ハーゲン艦の甲板上で、シヴィエ藍華によって頭を掴まれ、無残にも
ぶらさげられた、あの青デルモである。デルモ・コーポレーション設立以降の
再会当初は失禁という、いささかの粗相もあったが藍華の暖かいフォローによって、
その後何度かお茶を一緒するまでになっていた。と言っても妖しい関係ではない。
あの恐怖のトラウマから脱する手助けをしようと、リハビリよろしく藍華が付合って
やっているのである。「ね、今では私、メタルの力を使わないし。もう、過去の事と
して忘れましょう…」すると、漸く慣れてきたのか、返事する青デルモの顔にも笑み
が戻る。「ええ。でもあの時は本当に生きた心地がしなかったの。私もうここで死ぬ
のか、と思ってた」「馬鹿ねえ、そんな訳ないじゃない。あなたたちの誰一人、命を
狙ったことなんかないわョ」そうね…と、明るく頷く青デルモ、それでもふと一言を
加えたがるのは、心の片隅に尚引っ掛かるものあるせいか。「藍華さん、もしあの時
ハーゲン様のラグ・ビームがなかったら、あのあと私をどうするつもりだったの?」
これだけはどうしても聞いておきたい質問だったのだろう。藍華としても、にっこり
返したつもりだった。「そうねえ、あの時はメタルも大量の銃弾を浴びておかんむり
だったから…。あなたを人質にして、艦内に残されていたりおんを救いにいってた
かも知れないわね」「じゃ、じゃあ、ずっとぶらさげられたままで…?」「勿論よ♪」
ということは…首だけで全体重を支える?アニメでもそこまで酷いことをする
のか?命保証すると言っても、大怪我につながらないか?後遺症は?ここまで考えた
ところで、青デルモの股間には、例の生暖かいものが。折角のリハビリも再び後退
である。濡れた椅子を拭き取りながらこれまた例の紙パンティを差し出す藍華、この
失敗を挽回するには仕方がない、と顔を近づけ熱いディープキス。結局はこれが一番。
以来この青デルモ、条件反射のようにキス魔になってしまったのは言うまでもない…。

40超初心者:2003/03/14(金) 00:57
小噺その22

深夜、バーカウンターに二人並んで座る姿は見覚えがある。いつもの真紅鮮やかなスーツを
決めた藍華、隣はこれまた眩しいゴールデンのコスチューム、ビアンカである。
呉越同舟もゆかしく酒を酌み交わしているのかと思いきや、なにやら険悪な雰囲気。
バーテンも近寄るどころでなく、カウンターの隅で小さくなっている。
「だいたいねぇ〜、レディーにあんな足蹴りを二度もやるなんて、しっつれえよぉぉ〜〜」
かなーり出来上がっているビアンカに負けじと、藍華も相当な剣幕である。
「それは、こっちのセリフだわぁ〜。あなたこそ素手で闘うなあんて言っておきながら、
あんなヤバイ武器を隠し持つなんて、どうかしてるわよぉぉ〜〜、フーっ」深酒の末、
ベロベロに管を巻く二人だが、互いの身体に手をかけるところまでは行っていない、
睨み合いながらも、ぎりぎりの際で踏み止まっている。と、背後に一人近寄る気配。
「あのお、カラオケでも、どうですかあ〜?」二人が同時に振り返ると、マイクと本を
持った黒デルモ。気まずい二人を何とか和ませようとしたのであろう、ぎこちない笑みを
浮かべて立っている。ところが。
「話の邪魔をするんじゃないよ!」と、ビアンカがドスの利いた声で凄めば
「そうよ、今それどころじゃないのよぉ!」と、藍華の追い討ち。折角気を利かせようと
した黒デルモは一気に窮地へ追い込まれる。「え?あ、す、すみません」おどおどとした
態度が却って火に油を注いでしまう典型か、さっきまで互いに火花散らしていた二人の矛先は
既にこの哀れな黒デルモにロックされていた。酒の勢いで上体少し揺れながらも意味深な
視線を交わす二人。「ここは、この子で気晴らしだね」いきなり、ぐいと胸倉をつかむ
ビアンカ、そのまま黒デルモをボックス席へ引き摺っていく。そこにいた客たちは蜘蛛の子を
散らすようにいなくなり、空席となったロングソファに彼女をうつ伏せに寝かせる。酔った
勢いとは怖いもの、藍華までもがスカートをめくるなどとは思いもよらないことである。更に
二人の手には曲名リストの本が握られていた。次の瞬間。
ピシッ「あん…ッ、ミス・ビアンカ」バシッ「はうん…ッ、藍華…さん」突き出したお尻の
パンティめがけ、二人の責めが交互に続いていく。ネーナの時以来、久しぶりのお仕置き、
黒デルモは痛いのか喜んでいるのか微妙な表情で、悩ましい声をあげている。思わぬ展開に
店内の客は一同目が点。いや、内心狂喜乱舞のところ、無理に固くなっている。
しかし、無理な抑制など、やはりすべきではないのだろう。そのツケで何人か、機能不全に
なってしまったのは誠にお気の毒というしかない、春の椿事であった…。

41超初心者:2003/04/27(日) 00:20
小噺その23

水没した東京に代わって、その都市機能の何分の一かを受け継いでいる埼玉県。あの凝縮
専門店街だった秋葉原も、この県内に新規誕生した春葉原市内に見事復興を果たしたもので
ある。立ち並ぶ店店店、溢れかえる人人人…。あの活気、熱気もまさにそのままの再現。
そんな中、店頭商品を見やりながらぶらぶら歩く5人の女たち。タイトな黒いコスチューム、
超ミニスカの下から時折純白のパンティがのぞくとなれば、言わずと知れた黒デルモたちで
ある。皆、可憐で美しくスタイルも抜群、おまけにあの格好である、本来ならば思い切り
目立つところだろうが、ここ春葉原では別。店頭でプロモーション活動しているコンパニオン
の方がはるかに上をいく際どい姿、203×年のトレンドは殆ど全裸寸前である。同性でも、
いや同性だからか、つい目をそらしてしまう黒デルモたち、ぽっと頬を染めながら小走りに
狭い裏通りへ入った時、パーツ店から出てきた女とぶつかる。「あっ、ごめんなさい…あ!」
相手の女、黒デルモ5人同時にあげる驚きの声。互いに謝りつつ顔を上げれば、そこに立って
いるのは何と藍華だった。「あなたたち…」「ミ、ミス藍華…」聞けば藍華も会社のPCが
余りに旧式で使い勝手が悪いため、代替機を物色していたとの事。偶然の出会いも又面白い
もの、6人の女たちは、多少静かな喫茶店で一休みすることにした。もう闘う間柄ではない、
女同士楽しい語らいに花が咲く。元気?など型どおりの挨拶もそこそこに、藍華は
ふざけながらの一言である。「私と闘ってた頃が懐かしいでしょ?もう一度パンチして
あげましょうか?」「やだ、藍華さん…」明るく返す黒デルモの一人、確かに歴戦の中で
5回気絶していることを思い出すが、今では冗談をまぶす余裕がある。「でも、真似事
くらいなら…」そうこなくっちゃ、と身を乗り出す藍華は、右手に拳を作ると、「えいっ!」
と女の腹へ。「うっ…!」黒デルモは苦悶に顔を歪める、が次の瞬間「な〜んてネ♪」…
突き込む拳も形だけ、わざとらしい呻き声共々、確かにこれは真似事に違いない。だが
黒デルモはここで敢えて明るい表情少し抑え、声を落として藍華に囁きかける。
「ここでは人目につきます。後で私たち、ミス藍華の家へお邪魔していいですか、そこで
思い切り…」この手の嗜好も内密にということか、藍華と黒デルモたちはその後、濃厚な
パートナーシップを築くに至った。その快感の虜となったことが婚期を遅らせる副作用あり
と知っていたのかどうか…それは定かでない。

42超初心者:2003/04/29(火) 11:49
小噺その24

これも白銀基地でのこぼれ話。浴室と更衣室で襲ってきた黒デルモたち7人を倒した藍華、
逃げてゆくリエを追おうとしたその時である。ガタガタッ−−−ひとつ、ロッカーの中から
音がする。藍華たちが近くへ寄ると、それは振動しながら中のものが扉にぶち当たっている
よう。ははーん、と目を見交わす藍華とりおん。古いロッカーにはありがちなのよね、と
身構えながら扉のノブに手をかけ、一、二の三!で引くと、案の定。ドタドタドタ〜〜!
向こうも体当たりした瞬間だったと見え、勢いの止まらないまま一人の黒デルモがもんどり
うって飛び出してくる。しかも真正面しか見る余裕のない女は、倒れ伏している仲間の身体に
足を引っ掛け、つんのめって床に這うのである。「あッ!?、あぁ〜〜ッ…!」一面あられも
ない格好で倒れている仲間の姿態が目に入り恐怖に顔引き攣る黒デルモ。攻撃を命じたリエの
姿もなく、この場に無事でいるのは自分ひとりだけ。へなへなと床にお尻をつき壁の隅に背を
もたれかけながら顔面蒼白の彼女は小刻みに全身震わせ、立つこともかなわない。それでも
接近してくる藍華に向けて振り絞るような声を出す。
「あぁ、い、いやあぁ〜ッ、ゆ、許してぇ〜っ!お、お願い…」最早女は藍華の間合いの内、
このまま腕を突き出せば、相手の腹部に炸裂する拳の一撃で事は終わるであろう。が、藍華は
そうしない。容赦ない責め与える時も勿論あるが、ここではひとつの課題が脳裏に浮かび、
それを思い止まらせるのである。「あなた、腰を抜かしてる場合じゃないわ、湯船にひとり
残されているの。早く行って助けてあげなさい!」追い立てるように黒デルモを浴室へやり、
彼女が仲間の女を引っ張り上げ、洗い場に寝かせるところまで見届ける。言う通りに従った
相手に対し、さていつものペースに戻ったとばかり言い放つ藍華。「じゃあ、覚悟はいい?」
これも当然といえよう、既に涙目の黒デルモは激しく首を振った。「い、いやッ、
やめてえぇっ…!」藍華の足元で取り乱す女の股間からは、何やら生暖かいものが流れ出して
いる。見おろす藍華、一瞬考えた後に紡ぐ一言ありというのも今回やや変則的。
「…わかったわ。あなたには力を振るわない。その代わり、ストッキングを脱ぎなさい!」
「…?…」太腿まである長いストッキングを脱がせると、それで黒デルモの両手両足を縛る。
「しばらくこのまま大人しくしてるのよ…♪」縛り終えた後、女の顔に自らのそれを近づける
藍華は、そのまま軽い口づけ。黒デルモの涙はこの時点で明らかに随喜の雫へと変じていた。
くるりと背を向け去っていく藍華を感極まる表情で見送る黒デルモ。そのせり上がる感情と
連動して彼女の鼻腔をムズムズと刺激するものがある。日頃着け慣れているストッキングが
なくなって生足になったということ、先ほどの段取りで湯ざめしていること、彼女が生来の
冷え性であったこと、そして只今の感激である。「は、は、ハークシッ!」振り返りもせず
悠然と部屋を出て行く藍華が、自分の背中満面に鼻水の飛沫を浴びたなどとは知る由もない
ことなのであった…。

43ぱんちーと:2003/04/29(火) 12:30
白銀のデルモ作戦秘話、面白かったです。
湯船に浸かったまま気絶した黒デルモのことは、ずっと気になっていましたがこれで安心しました。
それにしても身を隠していたロッカーから出られずに
仲間が倒された後にのこのこ出てくるなんて本当にマヌケでかわいいデルモちゃんですね。
私はこのバトルシーンのロッカーに突っ込んだ自爆デルモもかわいくて好きです。

44超初心者:2003/04/30(水) 19:31
小噺その25

なんでもない日常が即ち退屈な日々とは限らない。和解なった藍華たちとデルモたちの
間では、ティータイムのとりとめないおしゃべりも話題に事欠かないもの。例えば今は、
互いの生い立ちについてである。青春を謳歌すべき年頃の美しい女たちがハーゲンへの
忠誠一途な軍隊相当組織を形成していたというのも藍華からすればその経緯が知りたい
ところ。それも少し会話を交わせば夫々の事情が明快に示される。その実彼女たちは残忍な
悪逆の徒などでは決してなく、それどころか皆、育ちも気立ても良い子女たちだったので
ある。いまどき珍しいわね、不良を気取ってる巷の女子中高生にあなたたちの爪の垢でも
煎じて飲ませたいわ、と思う藍華。確かに地球生命を危機に陥れていたあの計画時や、
藍華たちに襲いかかってきた頃は、そうしたデルモたち相手であっても気絶させるのは
止むを得ないところだった。何度となく当て落とされたデルモたちの方も、苦しかった気絶の
刹那を完全に忘れた訳ではない。けれど、互いの心を開いた今となっては、ほろ苦い思い出を
凌駕する、これ以上ない強い絆を感じる。翻って自分の生い立ちを考えてみる藍華。
オルタネート・メタルと同化を果した数少ない成功例としての自分。では、人間としての
生き様はどうであったか、メタルが自分のどんなところに融合のポイントを見出したのか。
時として自己への視線を真摯に投げることは大事だと思う。いろんな過ちもある。自分可愛さ
もある。でも、掛け値なしに誇れるところだってある。人間って何だろう…ふと遠くを見やる
ような瞳にデルモたちの姿が映りこむ。そう、眼前に明るく輝く彼女たち…ひとりひとり
の存在がとても愛しく感じられる今。ぽつり。知らず、デルモたちに語りかけている
藍華である。「この本、とっても良く出来てるわね…」見れば、彼女が手にしているのは、
ぱんちーと著「デルモゲニィIdentification」。犬吠島以降に表面化した事実をもとに
緊急出版されたものだが、好評につき早くも100万部突破の勢いである。これが原作と
なって半年後にアニメ化されるということも、知る人ぞ知る丸秘ミッションなのであった…。

45ぱんちーと:2003/04/30(水) 23:34
おっと、超初心者さんの新作がうpされたと思ったら、私がその世界の住人になっているじゃないですか!
どうやら私は大変動を生抜いたみたいですね。

>好評につき早くも100万部突破の勢いである。
早く印税が入らないかなぁ〜。

46超初心者:2003/05/01(木) 00:28
>ぱんちーと様、アポなし出演、済みませんでした(汗)
 かの名作「デルモゲニィIdentification」はその後、アニメ、ブロードバンド、
 実写ドラマなどにマルチユースされ、莫大な印税が約束されております。
 ただ、数十年お待ち下さいませ^^;;;;

47超初心者:2003/05/01(木) 23:39
小噺その26

華々しい決戦が繰り広げられた犬吠島も、一般人にはついぞその顛末気付かれることなく
今日を迎えている。互いの確執がようやく氷解し、KKコーポレーション、
デルモコーポレーション夫々の事業へも或る程度発展のメドがついた彼らは、久し振りに島を
訪れることにした。朝から白鳥型遊覧船に乗りこんでいるのは、藍華、りおん、道草、
ガスト、メイピア、そして司令以下のデルモたち多数。島に近づくにつれ、こみ上がる思い出
は実に盛り沢山なもの、しばらくは会話だけで彼らの動きを追ってみよう。どこで何を話して
いるか一目瞭然というべきか、当事者には無論懐かしい話題のオンパレードである。
シーン①時折思い出したようにたっぷんと波が打ち寄せる、大きな洞穴の中
青デルモ「このホバークラフト、まだ残ってたのね…。私、操舵室の隅で気を失って…目が
覚めたら、下着だけだったの…恥ずかしかった」
道草「あなたの服、とってもイケテましたよ〜。今でも僕の宝物で〜す♪」
青デルモ「まあ(溜め息)…キミならいいわ。ところで脱がす時ヘンなことしなかった
でしょうね」
道草「そんなああ。ただ見てただけですから。それに、あなたは藍華さんの裸とおんなじ
くらいキレイでしたよお」
青デルモ「てことは一度下着も脱がしたということだろが!」ガルルル〜!
この時ばかりはりおんも味方、代わる代わる道草の上に馬乗りになる二人。美女たちの鉄拳を
受けながらそのお尻の感触を満喫する道草が、幸せの絶頂にあったのか何も感じていなかったのか…
今もって不明ということである。

48超初心者:2003/05/08(木) 22:41
小噺その27(瓶底デルモファンの皆様へ^^)

もう陽射しが夏である。色鮮やかな花たちが煌びやかに咲き誇り、時折、群生する草木の間を
白い蝶がひらと舞うささやかな庭園。その片隅にこれも小ぶりの藤棚が備わり、木陰の下を
爽やかな風が吹き抜ける。下には少し朽ちかけているが、それが却って味わい深い巨木の
ベンチ。そこにはいま、仲良く並んで座る二人の女が見えている。ひとりは黄色の
ノースリーブにダークグリーンのミニスカート姿、肩まで流れる髪もお馴染みのりおん、もう
ひとりは…例の黒いコスチューム、今や見慣れた格好というべきであろう、黒デルモである。
着ている服は違うが、二人には分かりやすい共通点がある、それはメガネ。どちらも膝の上に
本を広げ柔らかい視線を落としていたが、ふと顔を上げ互いに紡ぐよもやま話も微笑ましい。
「あなた、そんな瓶底メガネで疲れない?字だってとても細かいし…」
「まあ、慣れてますから…。それに私、このハーレクイン・ロマンス大好きなの」
「へえ〜。私も前は読んでたけど…ここんとこすっかりご無沙汰ね、今はこれ♪」
りおんが手にするのはトレンド雑誌「JJ」。ファッション、グルメ、セレブ、コスメ、
イベントなどなど盛り沢山な情報チェックに余念ない彼女が今開いているのは、最新の
イタリアン・レストランガイド。まだまだ色気より食い気のりおんである。
「ね、今度この店に行かない?お値段も手頃でとってもおいしいんですって。ワインの種類も
多いっていうし…」ええ、と快諾する黒デルモ、瓶底メガネをかけたままで、ニヘラ〜…と
笑えば、大分慣れてきた筈のりおんも一瞬たじろぐもの。それでも、そよ、と清涼な大気が
頬かすめるひと時…強度近視などに構わず、緑多い自然の情景を裸眼で楽しむ誘惑に
かられたのか…黒デルモは重そうなメガネのつるへ手をやると、そっと外すのである。↓

49超初心者:2003/05/08(木) 22:42
(続きデス)
まあ、随分可愛いじゃない…言葉にこそ出さないが内心の驚きは少なくないりおん。美人と
いうよりキュート、という方がふさわしいのだろう、栗色ショートヘアの裾が僅かに外へ
カールしているさまも愛くるしく、彼女の魅力を無理なく引き出している。
「ねえ、あなたコンタクトにしないの?その方が素敵だと思うんだけど…」
りおんの薦めに、そうね〜、と曖昧な返事を返す黒デルモ。自分の外見にあまり関心
ないのは、どうも彼女の学生時代に原因があるらしい。りおんも一度聞いたことがある、この
黒デルモが文芸クラブに所属していた、ということを。10人いた部員のうち、8人までが
瓶底メガネだったというから、相当濃厚なソサエティ、みな当時から勉強は良く
出来たのだろう、本の虫でもあったに違いない。それ程コアな同類が密集する中で外面など
気にも留めない雰囲気だったことは容易に推察できるが、玉磨かざれば光無しともいう。
お節介かも知れないが、彼女をもう少しだけ変貌させてみたい、と、りおんは思うのである。
「分かったわ。来月にでも眼科に行ってくる」熱心なりおんの提言にようやく肯く黒デルモ
だが、その数年後に自身が劇的な変化遂げるなどとは、当人ですら想像も覚束ない。見かけが
変われば行動もここまで変わるものなのか、理由も何も謎のまま、その名も
「ナゼカ電撃大作戦」の主役を果すというのだから…。

50ぱんちーと:2003/05/08(木) 22:59
メガネをはずすとかわいいキャラクターというと、私は「NG騎士ラムネ&40」の
ココア姫がお気に入りです。メイピアの玉川沙己子さんが、マターリとした声をアテてましたっけ。
メガネをはずすと美少女というパターンに似たもので、髭ぼうぼうのバンカラ学生が、
髭を剃ったら美青年だったという「髭と淑女」という映画が戦前にあったそうです。
やはり意外性をもったキャラクターというのは魅力を感じるわけですね。
「花とゆめ」好きの白デルモNさんとか…。

51超初心者:2003/05/14(水) 23:43
小噺その28

犬吠島思い出ツアー/シーン②秘密基地の大きな空洞、破壊された装甲車も放置されたまま、
ところどころに錆が浮き出している。
あたり一帯を見廻し、深い感慨と共にふと口を開く司令。
「今でも目に浮かぶわ…ここに大勢の仲間たちが倒れていたこと…」
「ホント、ごめんなさい。でも、あの時はりおんたちを助けるのに必死だったし、あなたたち
がこれ以上みんなを巻き込むのを止めさせようとしてたから…」
「分かります。あなたたちをハーゲン様の仇として、襲いかかったのは私たちの方なんです
ものね…」素直に振り返る司令に向け、いや、そういう彼女だからこそ、もう一言添えたい
と願った藍華。「本当に終わりにしたかったの。私だって、あなたたちにひどい怪我なんか
させたくないもの。こんな、お互い傷つけ合うなんて…」その藍華の意はすぐにも司令へ
伝わったのだろう、返事を返す彼女の表情は柔らかな微笑みに満たされていた。
「あの時私も、あなたの目にその気持ちを強く感じたわ。私も仲間たちを傷つけたくはない…
だから…基地からの撤退を決意したの…」ゆっくり言葉を紡ぎながら、司令はおもむろに部下
たちの方へ向き直る。「あなたたちからも、この際なにかあるかしら?」すると、一人の
ピンクデルモがおずおずと進み出、遠慮がちに、しかし節々はっきりと語るのである。
「メタルの触手に吹き飛ばされた瞬間はとても苦しかったです…でも…気を失う間際、司令に
抱かれて…私、幸せでした…」と、その途端。他のデルモたちが口々に言い募る。
「ええ〜っ!?あなただけずる〜い!」首筋や腹部にメタルの一撃を受けあっという間に気絶
していった女たちからすれば、束の間とはいえ司令の胸の中にいたピンクデルモを羨むのも
当然か。これは不用意な一言だった、と顔青ざめるピンクデルモがみんなからのバッシングを
覚悟したその時。ドドドドドッ――女たちが一斉に殺到したその矛先はなんと司令。
もみくちゃになりながら、全員の燃え盛る愛を受けた彼女は一瞬にして立ち枯れ状態である。
「あ…はぁ…あん…」かすれるように喘ぐ司令の衣服はボタンが全てはずれ、真白いブラも
申し訳程度に引っ掛かるのみ、はだけた胸元の白い肌はすっかり赤みが射している。一方、
黒のタイトスカートが剥ぎ取られていない下半身だけは何とか無事と考えるも全くの
見当違い、例の純白パンティはすっかり取り去られ、剥き出しとなった可憐な花園が眩しい
ほどに煌く。既に多くの女たちが様々に愛の交歓を果したのだろう、何度となく擦れ合った
結果、いたいけな秘肉がぷっくり真紅に腫れあがるも致し方ないもの。あまりといえばあまり
の一部始終を目撃しあっ気にとられる藍華たち。片や、へたり込む司令をかばう副官の姿は
それは美しいものだが、その実さっきのどさくさ紛れに、司令の○○○○と熱い挨拶を
交わしたなど全くもっての素知らぬふり。その時用いた愛の小道具をポケットに隠し持つこと
おくびにも出さず、司令はお疲れです、ここで一休みしましょう、とひたすらオトボケを
決めこむお茶目な副官なのであった…。

52副官:2003/05/15(木) 02:32
>ひたすらオトボケを決めこむお茶目な副官なのであった…。

ハイ、私って結構お茶目さんなの・・・

53超初心者:2003/05/17(土) 10:08
小噺その29

ナターシャ・エヌスカヤ。出版・広報担当本部長であるこの白デルモが今回、雑誌の特集で
組むテーマは「Aika続編」。以下は座談会形式で進行するリアルなコメント抜粋である。
司会(ナターシャ)「続編を望む声がいろいろあるようなんですが、今日は当事者みなさんの
ご意見を伺うということで…」
藍華「是非作って欲しいわよねぇ。あれだけしっかりしたコンセプトだったんですもの、7話
で終えるのは勿体無いわ。私だってまだまだ活躍したいし…」
りおん「それと併せて、KKコーポレーションのプロモビデオも製作してくれると嬉しい
ですね!」
ビアンカ「ちょっとお、おまけ映像の話はあとよ!」
りおん「おまけとは何よ〜!あなただって、過激なアクション一本槍じゃ、もう
飽きられるわよ」
ビアンカ「何ですって〜ッ!」
司令「まあまあ、二人とも。プロモーションもアクションも大事な要素なのですけれど、
次回作の可能性って実際のところ、どれくらいあるのかしら…」
ポーラ「現在の日本のアニメ市場は飽和状態です。テレビで週100本も放送されている
中で、今更ヒットは難しいのでは?」
副官「私は結構現実味があると思います。国内の地上波放送が出来なくても、OVA1巻程度で
あればネットでのプリセールで立ち上がる可能性は充分ありますし、それをパイロット版と
して海外へ販売したり、更にシリーズ契約することも出来るでしょう」
(うん、うん、と目を輝かせて頷くニナ・エスコ)
司令「海外でヒットさせて逆輸入、というシナリオですね。その場合プロデューサーは誰に
するのですか」
副官「チーフをヴァレリ、補佐にキャサリン、ではどうでしょう?」
失業中だったキャサリン「わ、私がプロデューサー補?あ、ありがとうございます!!」
プロジェクト成否も見極めないまま無邪気にはしゃぐ青デルモは横におき、一見白熱の、
座談会は続く。しかしその実、美味な紅茶とケーキさえあれば皆すっかり満足、発言の中身
などまるで二の次と割り切るお気楽な面々なのであった…。

54超初心者:2003/05/21(水) 19:08
小噺その30〜お気楽座談会の続き〜

司令「…とりあえず3話だけの製作となると、どんな内容にするのがいいかしら」
藍華「あなたが決着なんて言っちゃうもんだから、みんな派手なアクション期待してる
   わよ〜。どうすんの?」
司令「そうねぇ〜。ああは言ってみたものの、特に作戦は考えてなかったから…」
藍華「んもう。でも、あなたのそんな悠然と構えるところ、私も好きョ♪」
副官「あっ、ミス藍華、それ以上くっついちゃダメ!」
気付けば、丸いテーブルにつく出席者は微妙に二人づつ、寄り添って座っている。ヴァレリと
キャサリンはともにプロデューサーの職責として並ぶのも肯けるが、司令と副官、
藍華とりおん、ナターシャとニナ・エスコの間は、寸分の隙間もない密接ぶり。だからこそ
であろう、藍華の二股は絶対ご法度とばかり、即座敏感に反応する副官である。この他にも
ビアンカと怪我の回復なった青デルモ、トニアとサニアの間柄もかな〜り怪しい。パネラー
テーブルから離れた一般席にいる青デルモたちやピンクデルモたち、黒デルモたちに至っては
言うに及ばず、座談会そっちのけで好き合った者同士の世界に没頭している。そんなアツアツ
ムード盛上る中で、リエと瓶底メガネ黒デルモだけが、ぽつねんと蚊帳の外。もっとも、
瓶底黒デルモは一向構わず、皆さん楽しそうでいいですねぇ、ニヘラ〜と、道草顔負けの
癒し系笑顔なのだが、リエの方は心中まるで穏やかでない。憧れのお姉さまに、りおんや司令
までが接近するなんて…。と、悶々の彼女の肩をポンと叩く者がいる。ニイッ…白い歯が
のぞく、それはメイピア。「一人なの?じゃあ、これからはアタシと組みなよ♪」何かと
自分勝手に見られているメイピアだが、中々どうして面倒見がよい。将来優秀な部下予備軍を
今から掌中に収めておきたいという狙いがあるかどうかは…一応不明ということにして
おいて。片や、藍華一筋に思いを馳せていたリエにとっても、これはひとつの転機だった。
無論こちらも、メイピアとの相性がいいと断ずるには早い。二十歳になるまでは、いろんな
タイプの女性を知って自分を磨き、最後はやっぱり藍華お姉さま、という思惑。全くどっちも
どっちの現実派、この二人これからも当分、台風の目になりそうである。

55超初心者:2003/05/22(木) 20:42
小噺その31

南の楽園ペロロンガ・ホテルを舞台に切って落とされたデルモたちとの再戦。周到にして過激
な攻撃を仕掛けるデルモたち相手に多少の波乱はあったが、最後はいつものようにそれを
退け、無事の脱出を果した藍華たち。今回もまた結果オーライ、ノープロブレムと言うことは
出来ようが、やはりこぼれ話のひとつやふたつあるものである。例えば、藍華は本当に
ヴァレリとのアバンチュールに決別を告げたのか、ビアンカの回想にあった青デルモの近況は
どうか、ホテルのロビーやカジノを破壊した弁償をどうするのか、現地警察には逮捕
されなかったのか…?それらの中で今とりあげるのは、プールサイドに一人残っていた
ピンクデルモのこと。建物内での様子がわからず待ちぼうけをくっていた彼女は、ビアンカ
との激闘を制した藍華たちが戻ってくる姿を見出しても尚、まるで夢でも見ているかのように
呆然と立ち尽くしている。装甲車を2台も出して敗北する筈などあり得ない、という思い込み
であろう、眼前に近づく藍華たちが幻か錯覚程度に映ったのかも知れない。
が、藍華たち4人に囲まれた時点でさすがに彼女は、はっとする。ぎゅっと自分の頬をつねる
ものの時遅し。居丈高なりおんの声がプールサイドにこだまする。
「あなた、ひとりだけのほほんとしてる場合!?これだけのことをしでかして!」
ピンクデルモの顔は蒼白の極み、足元はガクガクと小刻みに震え逃げ出すこともかなわない。
「藍華さん、ここは私が!」興奮気味に拳振り上げるりおん。「い、いやあぁぁっ…!!」
格闘の心得もなく、ただ絶望の悲鳴をあげるピンクデルモの運命はすっかり定まったかに
思われた、が。次の瞬間、りおんの腕を止める者がいる。他ならぬ藍華である。
「藍華さんっ…!??」当惑のりおんへ柔らかな視線投げ、ゆっくり首をふる藍華。次いで
凍りついた表情のピンクデルモへ向けて一言を紡ぐ。「あなたで最後なの。あとはみんな、
ちょっと気絶してもらったわ。だから…ホント、もうこんなこと、やめるように…あとで
仲間に言ってあげて、ね…」じっくり諭すような藍華の言葉に、知らず、女の目が潤む。
それは藍華が彼女のおでこに、そっと口づけた瞬間、最高潮に達した。はらはらと流れ落ちる
涙を拭おうともせず、出航していく藍華たちを見送るピンクデルモ。やがて水平線が明るく
なり、一面きらきらと輝く朝焼けの海をいつまでもじっと見やる彼女のシルエットはそそる
程に美しい。それが犬吠島で、今度こそ容赦無く当て落とされることになろうとも、この日の
情景が彼女の脳裏に刻んだ記憶は決して無駄ではない、と断言出来るのである…。

56超初心者:2003/06/03(火) 19:20
小噺その32(ド下手落書きつきデス…滝汗)
http://moe2.homelinux.net/src/200306/20030601500448.jpg

まだ、バカンスの時期には早い。海に面した高台のヴィラには殆ど人影がないが、ただ一室
のみ、くぐもった気配が感じられる。中を覗けばそこには4人の女たち。出窓から射しこむ
光に満たされた明るい室内、中央に設えられた大きなベッドでのまさに秘め事と映る。一糸
纏うことなく睦み合う4人の姿態この上なく眩しいのは当然だが、しかしてそれ決して淫靡に
走ることなく、さながら午後に戯れる女神たちのよう。
「あっ…あはあぁ…」思わずこぼれる喘ぎは藍華のもの。無理もない、彼女の上に重なる
青デルモと全身くまない交歓を果たし、今最も敏感な愛の蕾は、はちきれんばかりに屹立して
いたというのに。はずみとはいえ、深奥絡みあう瞬間は天にも昇る程に女の情を揺り動かす。
青デルモの瞳には珠玉の輝きが宿り始めていた。持ち上げた顔にビアンカがそっと近づき、
深い、深い接吻を交わす。それは貪るのでなく、ただ与えるがために。そんな青デルモが
ゆっくりと、しかし着々満たされていく様子に、傍らのヴァレリは、まるで我がことのような
歓喜の視線を投げる。今日で4日目。等しく祝福を受ける4人の営みも最終章に至り、青
デルモの言葉にも溌剌さが戻る。「私もう大丈夫。ホントに…本当に有難う…ございます…」
かつて、ホーリー・ファックス号船内の爆発で大怪我を負った彼女。肉体の負傷は回復した
が、心の傷は意外に深く、今日まで自由な感情表現もままならなかった。それが、ここに来て
の劇的な変化、3人の女たちの献身的な働きが漸く実ったのである。あの爆発はガストの
破壊工作によるもの、そもそもはハーゲン博士の地球生命殲滅計画を阻止するためにやむを
得ないプロセスだったとは言えるだろう、少なくとも藍華に直接の責任がある訳ではない。
それでも尚。目前の青デルモを気遣う心にさらさら偽りはなく。偶然街で再会したビアンカ
から彼女のことを聞かされた時、一も二もなく協力を申し出た藍華。自らも高みに
達しながら、辛うじて残る意識の狭間で藍華は思う、どんな小さな、どんなささやかな愛で
あろうとも…その若葉必ずや一輪の麗花を咲かすのだ、と…。微かに伝わり来る潮騒。
いついつまでも、寄せてはかえす。それが…昼下がりの幸せなのである…。

57ぱんちーと:2003/06/03(火) 22:14
ますます、藍華さんはデルモたちと親密になっていくみたいですな。
それにしても4日間ぶっ続けとは…。
なんだかサッフォーの詩みたいな情景ですね。読んだことないけど…。

58超初心者:2003/06/04(水) 00:06
>サッフォーの詩みたいな情景
  私もありません^^;ただ、なんとなく地中海をイメージはしていますね。
  古代ギリシャから連綿と伝えられる、女性たちの織り成すひたむきな優しさと愛。
  この際、メタルの起源をシラクーサやローマあたりに求めるという手もアリ?^^;;

59超初心者:2003/06/06(金) 19:40
小噺その33

ソファで寛ぎながらテレビを見やるサニアとトニア。のんびりとした午後のひと時、今は
芸能ニュースの時間帯である。流れてくるのは「ペッパー警部」、20年ぶりの復活と囃す
ナレーション。トニアがフン、と鼻をならす。
「あんなののどこがいいのかしら。私たちの方がずっとウケルわよねえ、サニア」
「ホント。一回オーディションに出てみようか?」
「いいね!絶対メジャー間違いないわ。早速テレビ局へ行こっ♪」
ルンルン気分でテレビ局を訪ねる二人の姿目撃されたのが午後3時。その1時間後には…
局舎は見る影もない廃墟になっていた。それもこれも番組プロデューサーの不用意な一言から。
「君らのような若いコは掃いて捨てるほどいるしねえ。まあ、リバイバル・ブームに
便乗するダメ元企画ということで、どう?シャボン玉ホリデーのザ・ピーナッツの物真似で
デビューってのは?それも実年齢どおりお婆さんの役どころで。わははは…」いかにも腹黒
そうな彼の饒舌はしかしここまでだった。ガリガリ…脂ぎった男の顔をトニアの鉤爪が襲う。
勿論手加減はしていたが、ご立派な傷はしばらく残ることになろう。更に、立ちあがった
サニアがロケットランチャー片手に大音声。「なめんじゃないわよッ!こんなチンケな局、
ぶっ潰してやる!怪我したくなかったら、今すぐここから出て行きなさいっ!」慌てふためき
蜘蛛の子を散らすように社員たち全員が逃げ去ったあとは、すっかり二人の独壇場。全壊まで
ものの15分のことだった。それでもただで起きないのが業界人。ちょうど設備も老朽化して
いたところだ、かえって保険の利ざやが稼げて好都合などと、ほくそえむ社長は論外として。
腐っても制作者ということか、瓦礫の中から発掘した防犯カメラの記録映像や、避難したあと
望遠で追った映像を組み合わせ、1大スペクタクルに仕立てたプロデューサーは、その
スクープを世界配給し莫大な利益を得る。それはまた、スーパー・ユニット
「ゴールデンデルモ・シスターズ」誕生の瞬間でもあった。「ゴールデン・カップス」以来
ン十年ぶりの大ヒットなどというのは、この際付け足しということにしておきたい。

60副官:2003/06/07(土) 04:43
恐ろしや、サニア・トニア姉妹。
二人の手にかかれば15分でビルも陥落。

>「ゴールデン・カップス」以来ン十年ぶり
わー、これも古い〜。
久し振りにこの名を目にしました。
「長い髪の少女」♪どうぞ〜♪僕だけ〜に の歌唱が重なるところがイイ。
「愛する君に」もいい。
メンパーの入れ替わりで、ミッキー吉野が参加していたこともありました。

61超初心者:2003/06/07(土) 19:09
副官様
 音楽ネタもお詳しいですねー^^GSって懐かしくも、中々いいもんですね。
 りおんも「ジュリー」なんていってましたし(笑)
>ミッキー吉野が参加
 ゴダイゴ結成の前、ということでしょうか?

 今後の小噺には、「はっぴいえんど」の「風街ろまん」でもネタに
 出してみましょーか?^^;;;(32年前かあ…汗汗)

62副官:2003/06/07(土) 23:03
>ゴダイゴ結成の前、ということでしょうか?

はい、うんとうんと前です。
彼は、ケネス伊藤というメンバーが(ハワイへ帰国で)抜けたあと参加しました。
容貌・体格共に当時から目をひく(笑)存在でした。

63某灰色デルモ:2003/06/08(日) 10:34
>今後の小噺には、「はっぴいえんど」の「風街ろまん」でもネタに
 出してみましょーか?^^;;;(32年前かあ…汗汗)

渋っっ。「恋は桃色」のほうがデルモ的かも?
(わたし細野萌えで矢野顕子のマネできます(w
皆様レトロ好きなのか、平均年齢が(ry

64超初心者:2003/06/08(日) 11:50
某灰色デルモ様、こんにちは。よせばいいのに最近、ド下手落書きを描きはじめてます。
(研究所様HPにてUpしていただいてます)その中で艦内で負傷したデルモのメンタル・ケア
というシチュエーションをとりあげています(当小噺その32御覧ください)が、
そのモデルは実に「灰色」デルモさんと漏れ伺っております。今回そちらに断りもなく、
描いてしまい申し訳ありません、何卒、お許し下さいマセm(__)m
>細野萌えで矢野顕子のマネ
  いやー、高尚なご趣味で^^レトロついでにクリームの「ホワイトルーム」
  ジャニス・ジョプリン、キング・クリムゾン、岡林信康くらい付け加えて
  おきましょーか?^^;;;

65超初心者:2003/06/09(月) 21:48
小噺その34(研究所様画廊にUpしていただきました!ありがとうございます♪↓)
http://www009.upp.so-net.ne.jp/Aika-ken/Gest-Garally-syosinsya3.html

テーマパーク経営難といわれる中、そこそこの活況を呈しているここ時代劇村。特に、今日は
数百人規模の団体が訪れ賑やかな光景があちこちに見受けられる。しかも。本日の団体は
江戸時代を模したオープンセットにはおよそミスマッチでカラフルなボディ・コンシャス、
黒・青・ピンク・ゴールデン・白の色合いも眩しいあのコスチュームは勿論デルモたちの
ものである。即ちこれデルモ・コーポレーションの慰安旅行。ポーズを決めながら旗本侍や
奉行所同心たちと記念写真に収まる彼女たちも微笑ましいが、おしろいや頬紅をつけお姫様姿
に変身したり、土産物屋でおもちゃの十手を振り回したりと、喜色満面はしゃぐのなんの。
たまたま入っていたロケの関係で居合せた俳優たちも目はヤニ下がり、黄門役の熟年男優も
「いやー、こういうのを命の洗濯というんじゃなあ、のう助さんよ」と言いたい放題である。
そんな中、トレードマークの照れ笑いで大好評な男がひとり。「八兵衛茶屋」の看板がかかる
軒先に昔ながらの旅姿装束、小柄ながら恰幅よい男が座り、その両脇に3人ずつのデルモ
たち、都合7人もが狭い縁台の上でお尻を寄せ合う。そればかりでない、縁台の前後にも、
男を囲むようにデルモたち数名が立ち、この一角のキャピキャピ度はもう大変なもの。
その全員が串団子をほおばっている。好物の団子に舌づつみ、両手に花どころか、一面の
花畑に埋もれている男が、この団子うまいでしょー?と、持ち前の明るさを振りまきながら、
内心幸せの絶頂にいたことは言うまでもない。「うっかり八兵衛」演ずるT橋G太郎62歳。
そんな、浮かれている男を遠くから冷ややかに、しかし半ば羨ましげに見据える女。
いつもならそのナイスバディでお客の視線を一身に集める人気キャラ、くノ一
「かげろうお銀」の憂鬱な一日は、まだたっぷり半日が残っているのである。

66超初心者:2003/06/09(月) 21:50
小噺その35

平和が一番。某古都の古色蒼然たる街並みは、特にその有難味を実感させる。いまどき
慰安旅行ひとつで大はしゃぎのデルモたちも純真の極みだが、歴史ある街が醸し出す悠久の
雰囲気というもの、やはり人々の心を和ませる効能があるのだろう。時代劇村で一日を
満喫した一行の翌日は終日自由行動。タバコ屋の軒数より多いといわれる寺院仏閣を
訪ねたり、由緒ある街道を散策したり、土産物屋が並ぶ商店街でさもない雑貨の品定めを
したり…数人ずつの小グループに分かれた彼女たちは、それぞれ思い思いにこの街を楽しみ、
遊び尽くす。今、とある喫茶店では3人の黒デルモたちが、おしゃべり中。ハーゲン艦の
更衣室でとりとめない話に興じていた、あの連中である。席についたテーブルには3人が
注文した白玉入り抹茶パフェが置かれている。これ、甘すぎなくていいわね、と頷きあい
ながら、ひとり、大きなテーブルに手を触れる。
「…この1枚板も中々よね、年季が入ってるって感じ。随分使いこんでるしィ」
「年季といえば、さっき入ったライブハウスも良かったわよね、何百年も昔の土蔵をそのまま
使うなんてオッシャレ♪」
「あそこでン十年前にデビューした黒水仙ってバンドがまだ続いてるっていうのも
凄いわよね」
「D大学出身っていうふれ込みよね。いつまでも若いわねえ」
「懐かしついでに、今かかってるこの曲知ってる?くそくらえ節っていうのよ」
「なにそれ?やけっぱちは私も嫌いじゃないけど」
「ほら、この店のオーナーの曲なのよ。四畳半フォークの草分けなんですって。あの
“はっぴいえんど”もまだ彼のバックバンドだったのよねー」
「なんでそんなこと、あなたが知ってんの!?」
「えへ。私、レトロなネタ結構好きなんだ♪“風街ろまん”の“風をあつめて”も好きだなー。
松本隆と細野晴臣のコンビ!東京の下町情緒が出ててイイ」
「ふーん、私だってその程度なら…モンキーズのデイビー・ジョーンズって知ってる?当時
マスコット的人気だったらしいわ」
「知ってるけど、あの人たちテレビドラマ向けに結成されたんで、自分たちでは演奏
出来なかったんでしょ?ドラムスのミッキー・ドレンツなんてリンゴ・スターより
下手だったって話よ」
「あはは。随分お気楽な時代だったのね」
「ね、私たちもバンドやろうか?あずさ、りか、にも声かけてさ♪」
「いいね!私もギター・テクならジミー・ヘンドリックスやリッチー・ブラックモア
なんかに負けないわ」
「私はキーボード。クラシックやってたし、リック・ウェイクマンやキース・エマーソンの
レベルなら全然OK♪」
「いいじゃん、いいじゃん!じゃ私はボーカルで。とりあえず、ブリトニー・スピアーズって
とこね♪」キャハハ。ンなこと言ってると、ストーカーに追いまわされるわよー、と賑やかな
3人娘。軽い冗談のつもりが、その数日後には本当にバンドを組んでしまったあたりがその実
侮れない。但し、名前は未定。あくまでAikaファンに、お・ま・か・せ、だそうである。

67副官:2003/06/09(月) 23:40
超初心者様のお話、古く懐かしき時代とは判るのですが、
私がズレている所為か、残念ながら知った名前が殆どありません。

その中で知っているのは「ミッキー・ドレンツ」
私が小学生の頃「サーカス小僧」(?題名怪しい)という
ディズニー映画があり、達者な子役が主演していました。
後年、ドレンツがその子役であったことを知り「へーぇ」と
驚いた記憶があります。

>リンゴ・スターより下手だったって話よ」
う〜ん、それはかなり下手だ・・・(w

68超初心者:2003/06/10(火) 19:57
副官様
 アニメ本編がSFなのにレトロに振ってしまい、済みません。それにしてもサーカス小僧
 (=サーカス・ボーイ)って、1957年の放送じゃ…(汗)まだ、日本の民放局が
 「全国」に4つ(今は130くらい)しかなかった時代。街頭テレビの時代。NHKじゃ
 “お笑い3人組”をやってた時代。今からほぼ半世紀前、私は存じませんが、まさしく
 “アメリカングラフィティ”コテコテのドラマだったんでしょうね。金魚の尾ひれみたいな
 テールランプのオープンカーとかMモンローばりのお姉さまとか^^
 日本も昭和32年といやぁ、郷愁くすぐられるセピア色写真の世界。街には路面電車、グ○コ
 や森○のキャラメルをポッケに入れてメンコやビー玉遊びに興じる子どもたち、利発な
 お姉さんはおかっぱ頭に折り目正しいセーラー服、家計を切り盛りするお母さんは
 “暮らしの手帖”を読んでまだまだ後発だったMadeInJapan商品のよしあしを判じ、それに
 引きかえといった目線で輸入雑貨や先進的な欧米ライフに目を輝かせる。戦争を生き抜いた
 お父さんたちも、第1次ベビーブームの子どもたちを抱え一生懸命に働いていた…

 Aikaにある大災害後の復興期って、技術環境は格段に進化してるでしょうが、
 社会風潮や人情として見れば、この当時と比べてどうなんでしょーね^^

69ぱんちーと:2003/06/10(火) 20:51
超初心者さん
確か栗本慎一郎の本に書いてあったのですが、終戦直後のみんながかつかつの状態のときは、
返ってみんな心を一つにして危機を乗り越えていこうとしていたのに、
ぎすぎすし始めたのは、復興が始まって貧富の差が出てきたときだったそうです。
恐らく大変動直後には、人々は寄り添いあって生きていたでしょう。
大変動をきっかけとして羽振りが良くなってきたサルベイジャーたちが、
彼らの目にどのように映ったかは、想像に難くありません。
サルベイジャーは賎業です。郷造はりおんがサルベイジャーを続けることに反対しました。
りおんの世代には、サルベイジャーはプロフェッショナルなちゃんとした仕事に見えていたのでしょうが、
郷造には良く分っていたのでしょうね。TRIAL 7 の冒頭シーンはそういうものを描いていたのですね。
やっぱり、「AIKa」って、第一級の人間ドラマだったんだな。

70超初心者:2003/06/10(火) 21:29
ぱんちーと様、早速にありがとうございます。
>「AIKa」って、第一級の人間ドラマ
 そうですね。肩肘張るような大作でない分、より一層、そう感じます^^
 まだ初見以来半年しか経過してないのですが、私として常に感じるコト。
 それは…人情。藍華サンたちの側だけでなく、デルモやハーゲン兄妹側にも等しく
 脈づく、生き生きとした人情そのものなんデスね^^

71ぱんちーと:2003/06/10(火) 23:49
昔、ある映画雑誌でこういう随筆を読みました。
少年時代、「紅孔雀」や「笛吹き童子」とかいった“じゃりもの”ばかり見ていた、
その随筆の筆者が、黒澤明の「生きる」を父親といっしょに見に行ったときのこと、
帰る道々「おとうさん、いい映画だったね」というと、「おまえもこういう映画がわかる
歳になったか」といわれたそうです。
いい話ですが、私はこう思います。その少年が「生きる」の良さがわかる大人であった
というよりも、「生きる」は子供でもわかる映画であったということです。
「生きる」は問題作とか、重い映画とかいわれていますが、私は、人間なら誰もが関心を
持つ「死」というものを一大イベントとして描いた第一級のエンターテイメントであると
思います。
一方、われらが「AIKa」は、パンチラやらセクシーなシーンを売りにした俗悪、
低俗なエンターテイメントに見えながら、近未来の過酷な世界に生きる人々の深刻な
闘いを描いた人間ドラマであり、問題作なのではないかと思います。
しかし、超初心者さんのおっしゃるとおり、「AIKa」はそういうところを肩肘張らずに
さらりと垣間見せるだけで、あくまでパンチラアニメに徹するという姿勢を見せている
ところが、俗悪、低俗どころか製作者たちの矜持を感じますね。
デルモたちは、どんなにコテンパンにされても、劇中では誰もフォローしてあげません。
あくまでかたき役としてやられ役に撤しています。しかし、その地面に転がったみじめで
あわれな姿は、悪魔のような天才ハーゲンと非人道的な科学が生んだ怪物である
“シヴィエ藍華”の間で右往左往しながら必死に闘っている生身の人間であるデルモたち
のドラマを饒舌にならずに、静かに語っているといえますね。

72超初心者:2003/06/11(水) 00:18
ぱんちーと様。
ぽんっ!…これは、私の膝を打つ音デス。目からウロコ、とも言いますネ^^
>「生きる」は子供でもわかる映画であった
 そのお言葉の意味するもの。軽々に「倫理」や「規範」という常套句や更には安易な
 「ターゲット論」などに頼りがちな俗人(勿論、愚生も含みます…汗)には耳が痛いッス。
>一方、われらが「AIKa」は、パンチラやらセクシーなシーンを売りにした俗悪、
低俗なエンターテイメントに見えながら、近未来の過酷な世界に生きる人々の深刻な
闘いを描いた人間ドラマであり、問題作なのではないか
 (肩肘張らずに)同意です^^
>俗悪、低俗どころか製作者たちの矜持を感じますね。
 (これも、肩肘張らずに)同意です^^
>デルモたちは、どんなにコテンパンにされても、劇中では誰もフォローしてあげません。
あくまでかたき役としてやられ役に撤しています。しかし、その地面に転がったみじめで
あわれな姿は、悪魔のような天才ハーゲンと非人道的な科学が生んだ怪物である
“シヴィエ藍華”の間で右往左往しながら必死に闘っている生身の人間であるデルモたち
のドラマを饒舌にならずに、静かに語っているといえますね。
 (思い切り肩肘張って)そうです!そうです!!その通り!!!それで私は、あのような
 「フォロー」の後日談を2編も書く衝動にかられ…(以下略)

73超初心者:2003/06/12(木) 21:42
小噺その36(お気楽座談会の続きの続き)

いつの間にやらAika続編云々のテーマからずれて「レトロ」合戦になっている。疾走する
未来、縦横無尽に最先端科学を駆使するデルモたちが、セピア色な話題をふりまくのも
ご愛嬌とは言えようが、次々とまあ、よく出てくるものである。この際鑑定団風に、夫々のお宝を
整理してみよう。
司令:何十年前かしら、元祖泉屋のクッキー。これまだ缶のまわり、セロテープついたままですのよ♪
副官:ラジオ体操第一のマスターテープ。これ持ってる人は中々いないでしょう?
ニナ・エスコ:学研の鉱石ラジオ組み立てキット、大事に保管しています。
ナターシャ:なんたって初版「リボンの騎士」ね。
ビアンカ:ツイッギーが着てたミニ・スカート。私にぴったりだけど、これ高かったあ〜
トニア:鉤爪とはちょっと違うけど、ロシア蚤の市で手に入れた大鳥神社の熊手。結構年代物
らしいわ。
サニア:私、実はグ○コのおまけトーイ・コレクション凄いンです。ロケットランチャーの
おもちゃもあったなー
リエ:曾々おじいさんがGHQからもらったっていうんだけど、ハーシーのチョコレート。これ、ホントに
当時のやつかなぁ。
キャサリン:私何度も気絶してよく倒れるんですけど…気がついたら、顔のすぐ横で小さな
化石を見つけました。なんか、植物みたい。(それがどうした、の声)
ヴァレリ:モンキーズの「素敵なヴァレリ」に決定!「デイドリーム」もいいけど。
なおみ:廃業したスナックのおやじからもらった8トラックカラオケ。これで郷造サンと
デュエットしちゃう♪
りか:それなら私はポータブル蓄音機!でもレコード針はもう磨り減っちゃった。
さき:ソノシートなら持ってるわ。フランク永井「有楽町で逢いましょう」な〜んて。
あずさ:ローラー絞りつき洗濯機。失禁したらすぐ、せっせとお洗濯。
瓶底メガネ:ワタシの家に回転式の計算機があります〜。ガリガリガリって音がいかにも計算中な感じ。
藍華:私のヘアスタイルって、この赤玉ポートワインのポスターモデル似かも。
りおん:おじいちゃんの着てた菅公の学生服持ってんのよ。今やレアもんじゃない?
メイピア:板垣退助の百円札。これは相当な値がつく筈だわねー
この他、ブリキがどうした、チックがこうしたなど一々細かい話はもう一切省略ということで…。

74ぱんちーと:2003/06/12(木) 22:13
キャサリンの化石。
確かに究極のレトログッズでしょうが、(それがどうした、の声)も当然でしょう。
どうやら一人だけ古ネタ合戦のルールがわかっていないようなキャサリンがかわいいですね。

75超初心者:2003/06/14(土) 22:07
小噺その37(キャサリン編全4回)

白銀基地の一室。壁を背に青デルモ、キャサリンとその周りに3人の黒デルモが立つ。同じ
仲間同士何か連絡でも取り合っているのだろう、と言いたいところだが、どうも様子が
おかしい。その実、黒デルモたちはキャサリンを壁に追い詰め、凄みをきかせている
のである。「…まったく、あなたみたいに弱い人なんて、デルモゲニィの面汚しだわ。
それでよくブルーが勤まるわね!」「そうよっ、私たちブラックの辛さを知らずに、
ぬくぬくとブルーに安住してるなんて許せないわ!」猛烈な剣幕の黒デルモたちに
たじたじのキャサリン、頼みの綱は一丁の銃とばかり柄を両手で必死に握り締めているが、
無論仲間相手に滅多なことをする訳もなく、銃口は下を向いている。「そ、そんなあ…
わ、私…あなたたちに何かひどいこと、した…?」「そのノー天気ぶりが気に入らないって
いうの!私たちが藍華との闘いでどれだけ痛い目にあってるかわかってんの!?」
「わ、私だって一生懸命…」「どこがあ!?この前はりおんって女にまで倒されてた
じゃない。しかもあの時は手錠を嵌めてた相手だったのよ。呆れて物がいえない」
「だから、私たちが一から叩き直してやろうってのさ…」最早格上デルモへの口上とは到底
思えないが、それよりもっと情けないのはキャサリンの方。格下のデルモたちを咎める
どころではない、今にも泣き出しそうな顔を横に振りながら全身震わせ、ただ立ち尽して
いるばかり。しかも事はそれだけで終わらなかった。ボグウッ「あうッ…!」一人の
黒デルモが至近から放った正拳がキャサリンの腹部、臍の上あたりに沈んでいる。
「ぐっ…ふ…な、何を…」ろくに身構えてもいなかった柔らかな腹部は、黒デルモの拳を何ら
抵抗なく受け入れ、手首までがずっぽりと埋もれる程。身体にタイトフィットした青い
コスチュームには突き込まれた箇所から放射状に無数の皺が伸び、その中心は深く、深く
抉られている。恐らくは黒デルモの方で計算ずくなのだろう、この一撃で気絶には
至らないが、上体「く」の字に折れ曲がり銃を取り落とす青デルモ。襲い来る激苦のまま
下を向く彼女は、自分の腹にめり込んでいた相手の腕が一旦引き抜かれるさまに安堵する
暇すらない。(続きマス↓)

76超初心者:2003/06/14(土) 22:08
ドボッ「げうッ」もう一人の繰り出す拳が鳩尾へ。「く…うぅぅ、や、め…」たどたどしい
言葉を紡ぐ口元からは、一筋の涎が垂れていた。ど、どうして…どうして私がこんな目に…
空しく駆け巡る思いだが、その思念すら中断余儀なくされる連続の攻撃。ボグウッ「うぐ!」
今度は強烈な膝蹴りが下腹部を直撃している。「くふ…あはあ…」ここは女性にとって
大切に守られるべき部位である。が、子宮や卵巣を刺激するほどの一撃となれば、苦痛と
同時に快感までも高まってしまうのが皮肉な結果、心ならずも喘ぎが洩れてしまう。それは
黒デルモたちの加虐心に更なる火をつけた。お望みならもっともっと喜ばせてあげるわ、と。
でもその前にもう一発ね、と言いざま、左右素早い動きの拳が両の脇腹へ。
ドスッ「う!」ドフッ「あ!」共に短い呻きながら、これで殆どの抵抗力は失われた。両腕を
だらんと垂らし、立っているのがやっとの青デルモ。と、そこで、下肢に思わぬ事態が生じて
いるのに気付く。「あ…あ…」目を落とせば、股間に黒デルモたちの指が伸び、パンティの上
から勝手放題に弄んでいるのである。同性らしい入念な所作で育まれる蕾が忽ちに屹立する
かと思えば、その下に走る双璧の谷間深く挿し入れられるしなやかな指。
「はああ…や、やああああぁぁ…!」声をあげたところで誰に伝わるものでもないのか。
辛うじて表わす拒否のメッセージとは裏腹に、彼女はみるみる昇りつめていく。およそ1分と
かからなかったろう。「あ!…はああぁ…」言葉よりも雄弁なるもの、それが純白パンティ
只今の有様。上方で布を勢いよく押し上げる蕾の形状もさることながら、その中原いっぱいに
広がる染みはまさしく女性だけに授かる愛の賜物に違いない。トロリ。高貴な芳香を伴う
その粘液がパンティ濡らすに飽きたらず、溢れるように染み出している。(続きマス^^↓)

77超初心者:2003/06/14(土) 22:09
「あら、もうイったの?他愛無いわねぇ」「じゃあ、ここからはまたお仕置きの続きね」
パンティから離した指の先がねっとり濡れているのを見て、ホントいやらしい人だわ、と
毒づくあたり滅茶苦茶な物言いだが、そのまま拳に変えると逡巡なく攻撃が再開される。
ドズゥッ「ぐうッ」ボグッ「ふううっ」ズンンッ「んうッ!」…例によって、気絶の沼の際
まで引き摺ってきながらその寸前で立ち止まらせる過酷な責め。腹部一帯に次々突き込まれる
青デルモは、目こそ大きく見開かれようとその焦点最早定まらず、全てが茫洋とかすんで
いる。四肢の動き削がれただけでなくすっかり全身の力が失せた彼女は、そのまま背後の
壁伝いずるずると崩れ落ちようとする。が、左右の二人から腕を掴まれ無理やり直立姿勢に
戻された青デルモは、中央に向き合う黒デルモの為すがまま。「さあ、そっちもイイ思い
したんだから、今度は私の好きにやらせてもらうよ!」即座に放たれる拳と膝蹴り自在の
コンビネーション。鳩尾から下腹部に至るまで執拗な打撃が続き、動かぬ標的の女はその顔
一面涎と涙にまみれている。股間はと言えば、先程来の絶頂が残っていたところへ時折
加えられる丹田への突きが再びの高みを呼び起こし、あの愛すべき蜜を放出する。意図せざる
快感を挟みながらも、怒涛のように押し寄せる苦痛の大波に揉まれ、哀れな青デルモは微かに
留まる意識の中、自らの悲運を繰り返し嘆いていた。親からもこんな折檻を受けたことは
ない。確かに要領の悪い自分を小馬鹿にする連中もいたが、ここまでひどいイジメなど
生まれて初めてだった。私…わたし…もう…生きる価値もないの?おとうさん…おかあさん…
知らず、夢幻の彼方へ誘われていくキャサリン。(続きマス↓)

78超初心者:2003/06/14(土) 22:10
一人が一区切りつくと、腕を掴んでいる女と交代する黒デルモたち。「…ううっ…あぐッ…
ぐふう!…んぐッ…」代わる代わる、間断ない責めとシンクロしながら、か弱な呻き声も延々
続く。キャサリンにとって既に時間の感覚はなくなっていた。このままどこまでも落ちていく
奈落の底。もう誰を恨むこともない、ただ自分がどこか別の世界へ旅立っていくだけなのだ…
きっと…きっとどこか…生まれ変わった自分の居場所が、どこかにあるんだわ…。涙すら
枯れ、今や無心の境地に入りつつある青デルモ。その口元には心なしか微笑みすら浮かんで
いるよう。一方、黒デルモの方もそろそろフィニッシュに入ろうとしていた。
「よーし、最後に全員でいくわよー!」腕を離した瞬間、左右の二人も加わって3人一度の
殴打を仕掛ける気でいる。いよいよ気絶させるつもりなのである。しかし、キャサリンには
そんなこともう、どうでもよかった。それであなたたちの気がすむのなら…全てをありのまま
に委ねたその刹那…ドボウッ「ぐあッ」ズドオッ「えううッ」グボッ「ふうっ…!」…
自分の声ではない。殆ど聴覚だけを頼りとする今の青デルモにとって、何が起きたのか
すぐには分からなかった、が。気配から、3人の黒デルモたちが自分の身体から離れ、倒れて
いく様子を感じる。かすむ目にもう一人の女がうっすらと映るが、そこまでのこと。これは
夢なのか。いや、それにしてもこの女は自分を助けてくれたのではないか…?そう
思いながら、壁沿いに崩折れる青デルモの視界は徐々に平板な床だけに占められていく。
倒れた頭の近く、床のほこりがやけに身近に感じられる彼女の耳に幾ばくかの会話が伝わって
くる。「…ううぅ…お、おのれぇ…」「寄ってたかって仲間をあんなリンチにかけるなんて
最低よ!私の目にとまった以上はこんなことさせない。もう二度とこんなことしないって
約束して!いいわね?」「そんな…お、お前には関係ない…」「関係あるわ。あなたたち
だって人間の情ってものがあるでしょう?だから私だって、あなたたちを傷つけないように
気を使ってるのよ。それがないようなら、もうあなたたち3人、一生立ち上がれないくらい
の目にあわせてあげるから。それでいいなら…」ポキポキと両手の指が鳴る音に続き、
黒デルモの悲鳴があがる。「い、いや!わ、わかったわ」ドスッ「ううっ」「わかりました、
でしょ!?」「…うぅ、わ、わかり…ました。もう二度と…しません…」「他の二人にも
必ず約束させるのよ。もし破ったら…どうなるかわかってるわよね…?」(続きマス↓)

79超初心者:2003/06/14(土) 22:12
涙声の黒デルモが、骨の髄までこたえた様子で了承した瞬間である。「わかればよろしい」
短い一言に添える形であがる鈍い衝撃音−−ズンッ「あぐうッ…!」これが最後の声である
ことから、止めの一撃であることが察せられる。次いで、ヒールの音は自分の傍らへ。
混沌の中で危うく明滅する意識だが、それでもこの状況の意味するところが多少とも
わかる。苦しい息の下から、言葉を絞り出す青デルモ。
「…ありが…とう…助けて…くれて…」対して、返りくる答えは耳元での囁きに違いない。
それでも茫とする感覚からは、その声が遠くから呼ぶかに感じられる。「礼なんかいいの。
もうあのコたちも決してあなたをひどい目に会わせたりしないと思うわ。それより、リエは
どっちへ行ったか、教えてくれる?」「ミス・リエ…?ああ、奥の…司令室だと…思う…」
キャサリンは、間近の女が仲間のデルモだと信じて疑わなかった。目はかすんだまま、いや、
五感全体が今やおぼろげである。ただ、助けてくれた、この窮地を救ってくれた者が自分に
理解ある仲間以外、あり得ないと思っている。そんな彼女が、問われるままに返す言葉は
至って自然なものだった。今度は向こうから礼を返す。「ありがとう…」言いながらデルモの
青いコスチュームをまくしあげ、腹部に手のひらを這わせている様子。「35、36、37…
38個も痣がある…さぞ苦しかったでしょう?」「ええ…でも、あなたが…助けてくれた
から…私…うれしい…」苦しみながらも感傷にふける青デルモだが、相手の次なる言は
いささか事務的な調子を帯びる。「まあ、私なら、こんな手数はかけないわ。いつも大勢を
相手にしてるから…」「…?…」「このまま、苦しみながら横たわっているのも辛い筈よ。
私が楽にさせてあげる」「…??…」「私の当て身って、その時は苦しいけど、目覚めたら
みんな元通り元気になるの。いわばショック療法ね♪」「ま、まさか、お前はっ!」
「そ、私が皇藍華よ」ドボォォッ!「うう!…ん…」深い気絶の迷宮に導かれながら、
確かに黒デルモたちの責めとは異なる、どことなく甘酸っぱい刺激が全身に広がる。意識が
完全になくなっても尚、敏感なる性の装置はこの衝撃を歓待し受け止めているのか。藍華にも
確信はないが、眼下の青デルモの穏やかな寝顔に、それなりの手ごたえを感じるもの。
最早後顧の憂いなく、廊下で待ち受ける青デルモたちや、司令室の白デルモたちとへと
向かいゆく藍華。颯爽と飛ぶように、そして心晴れやかに…(オシマイ^^;)

80NDDS:2003/06/16(月) 02:35
とても読み応えのある内容ですね!
私立AIKA研究所以外にも超初心者さまのSSが読めるとは!\(^o^)/
藍華の当て身が絶頂につながるというのもいい感じです。

81超初心者:2003/06/16(月) 18:46
NDDS様、初めまして、有難うございますm(__)m
こんな拙文デスが、宜しくおねがいします。
早速訂正(汗)  75<誤>全4回 ⇒ <正>全5レス

今回は私的にはチョイ過激でした。それでもデルモLoveの愚生として「救い」の
ある、いつものワンパターンに仕上がっております^^;
それと、多少「宮沢賢治」の影響受けてるカモ^^;;「夜たかの星」とか
「グスコーブドリの伝記」あたりですね。あんな崇高な「自己犠牲」には
程遠いんですガ…(滝汗)

82超初心者:2003/06/16(月) 19:00
小噺その38(全くのフィクションです、念の為^^;てゆーか当たり前デスけど…汗)

203X年。大災害による影響は日本のみならず地球規模で生じたものだが、その中でイタリアは
幸運にも殆ど被害を受けず、古代遺跡や芸術の所産がそのまま残されている稀少な国である。
ここミラノでも多くの歴史的建造物や絵画が一つとして損なわれることなく今日に
至っているが、本日は更にビッグ・ニュースあり。市内中心部にあるダ・ヴィンチ博物館の隣に
Aika博物館が新設されたのである。新旧の違いこそあれ、それはルネサンスの天才にひけを
とらない価値と賞賛され早くも世界からの観光客が押すな押すな。展示ゾーンは大きく二つに
分かれ、博物館エリアと絵画館エリアからなる。前者ではホーリー・ファックス号の模型や
ラグ・リアクター・ルームのジオラマ、各種サルベージ機材など、最先端科学の粋が並び、
入場客は様々な装置でシミュレーションを楽しむことも出来る。大きなセットだけでなく
小道具類も充実で、藍華ご愛用の電撃棒やショック銃、トニア専用鉤爪やビアンカの暗器、
サニアのロケットランチャー、ハーゲン博士のラグビーム銃、青デルモたちの銃などなどが
ずらり。武器だけでなくデルモたちのコスチュームやお仕置き木馬、ネーナの
オルタネートパンツをのせた袱紗つきのお盆、果てはメイピアの名刺まである。一方、後者では
藍華、りおんたちやハーゲン兄妹、そして大勢のデルモたちの等身大肖像画が天井までの壁面
いっぱいに並ぶさまが、まさに壮観の一語。個々人の肖像だけでなく、大勢の集合画や
戦闘シーンも随所にあり、これも当然というべきか気絶して倒れたデルモたちのパンティ
まるみえ画も満載である。それら全てが精緻な油彩によるもの、写真以上に鑑賞者の魂を
揺さぶる迫真の作品群。そんな中「横たわるキャサリン」(作品No.184)の前で佇む3人の
女は当のキャサリンと、その両隣が藍華とりおんである。あの船内でりおんに倒され、
気絶したまま制服を奪われたキャサリンの絵。その青デルモは今、左右の二人から両頬に
柔らかな口付けを受けていた。「こんなこともあったけど…今は、あなたが好き、とっても…」
いつまでもじっと絵に見入る3人。その後、観光客の喧騒を逃れ、街外れにある、かつての
修道院を改装した古ホテルに入った彼等が、どのような成り行きに立ち入ったのか…
定かではない…。

83ぱんちーと:2003/06/16(月) 20:34
>「こんなこともあったけど…今は、あなたが好き、とっても…」
結局、最後はみんな、なかよしこよし。
超初心者さんのSSはこういうところがいいですね。

84超初心者:2003/06/17(火) 19:22
ぱんちーと様、「なかよしこよし」路線もお認めいただき有難うございますm(__)m

更にしつこくAika博物館所蔵作品紹介をば^^;

展示物補足:藍華のデータ・ディスク、リエの着用していたパイロット・スーツ、
   司令と副官の乗る2シーター・スポーツカー、司令の飲みかけの紅茶カップ、
   副官の手板、黒デルモ某の赤いセクシー下着、ネーナの口紅、
   ヴァレリが男装の時胸に巻いていたさらし、ビタミン注射器、
   りおんや瓶底黒デルモのメガネ・コレクションなど…
絵画:そうそうたる絵師の皆様の大作300点…
彫像:卓越した造形家の皆様の大作50点…
書籍:巨匠の皆様の著作200点…

なお、超初心者なる者の出展は、あまりに稚拙なため見送られ、地下の
バックヤードに保管されているそうデス…(汗)

85超初心者:2003/06/17(火) 22:26
小噺その39
順番後先になりましたが、1ヶ月程前、研究所様のご好意に甘えHPに掲載して頂いたモノです^^
http://www009.upp.so-net.ne.jp/Aika-ken/Gest-Garally-syosinsya.html

明るい部屋のひと隅、一冊の本を熱心に読みふける黒デルモ。コツ、コツ、とヒールの音が
近づき、肩越しに声が掛かる。「面白い…?」覗き込むように身体を乗り出す女の声は
優しい響き。「ええ、今月号はクライマックスなんです。ミス・ナターシャに教えて
もらいました」穏やかに答える黒デルモの方も、目は輝いている。「ミス・藍華、一緒に
見ます?」そうね、と藍華もつられてニッコリ。眩い陽光さしこむ窓辺には、まさにこの
二人だけ、いつしか時過ぎるのも忘れ、「花とゆめ」がもたらす甘美な夢想に耽る。知らず、
手をとり顔寄せ合うのは、窓際の鉢植えだけが知り得る昼下がりの秘め事なのである…。

86超初心者:2003/06/18(水) 18:50
小噺その40

古都に遊ぶデルモ慰安旅行だが、トラブルも無いわけではない。土産物屋が並ぶアーケードに
ひしめく大勢の人々、中には性質の悪いヤツもいる。――ドン!「あっ、ごめんなさい」ひとり
ぶらぶらと店先を巡る黒デルモが、すれ違いざま誤って肩がぶつかった瞬間の一言である。
相手は通りいっぱい我が物顔、大きく横1列で練り歩いていた地元女子高生の一団。店の陳列に
気をとられていた黒デルモの過失もゼロではないだろうが、大半は公衆マナーなど微塵もない
先方のせいと思えるところ。だいたい、こんな真昼間から学校サボっている方が如何なものかと
いうことだろう。ところが謝った黒デルモに対し連中の反応は判で押したような不良ぶり。
「あんた、人にぶつかっておいて、ゴメンで済むと思ってんの!?」「何よ、その格好。
今時チンケなファミレスだってもっとましよ」「ちょっとお話しましょ、ここじゃ何だからさ…」
近くの通行人も巻き添えを恐れ見て見ぬふり、周りをぐるり取り囲んだ女子高生たちは
一見丁重に黒デルモの背を押し、うす暗く狭い路地へ引っ張り込む。ワルぶる8人対非力な
黒デルモ1人。結果は火を見るより明らかだった。「顔は勘弁しといてやる、よ!」――ドスッ
「うぐッ…」喧嘩慣れしている連中は脅える黒デルモの腹部を拳や膝蹴りで散々に
責めつける。8人一斉の蛮行、その何十発目かが彼女の下腹部を襲った刹那。「あうっッ!…」
短い呻き声を残し崩折れたまま、動かなくなる黒デルモ。ろくに抵抗も出来ないまま、こぼれる
涙と涎にまみれ、ついに気を失ってしまったのである。以前から気絶が慣れっことはいえ、
この理不尽な受難は彼女にとっていかにも気の毒。しかも上体の痛覚とは裏腹に、股間の
純白パンティから愛の甘露が染み出すというのも、酷な皮肉である。
「フン、イっちゃってるよ。とんだメス猫だね!」吐き捨てるように毒づく女子高生たち。
財布を奪った上、倒れている黒デルモの身体を踏みつけにするさまはまさしく悪の権化そのもの
である。そんな非道がこのまままかり通ってしまうのだろうか?いや。天網恢恢の字句は死語に
あらず。たまたま出張で当地へ来ていた藍華が、土産のお菓子を抱えて商店街をぶらつくうち、
ふと横の細い路地を見やるというのは単なる偶然だけと片付けられまい。その先は――
言うまでもない展開、相応のお仕置きを受け倒された8人と、救い出された黒デルモである。
目覚めた間近に付き添ってくれている藍華を見据え、黒デルモはうれし涙にくれる。もっとも
皇藍華という人物、セリフは相変わらずのあっけらかん。曰く、「そのデルモ服が見えたから…
またあなたたちが何か悪さしてるのかと思って…」更に「あなたもまた一段と弱くなった
わねえ。駐車場で私に膝蹴りを決めたあの勢いはどこへいったのよ♪」…それでも、これらの
言葉自体は照れ隠しと言うべきか。実際、過去いろいろなことがあったが、今回の奇遇は実に
重い。現在、そして未来への展望という意味からも…この有難い絆を改めて噛み締める黒デルモ
なのであった。

87研究所:2003/06/19(木) 00:30
短期間の間に凄い創作力ですね〜、いつもながら感心しております。
キャサリンの行く末を心配しておりましたが、やはり超初心者様らしい
ハッピーなエンディングで安心いたしました。

88超初心者:2003/06/25(水) 01:12
小噺その41

親はなくとも子は育つ。と言っても、親子2年ぶりの再会となれば、やはり涙なしには
語れないものだろう。即ちこれデルモたちのことである。そもそも娘が家を出た経緯は、
残された親族にとって全く不可解なものだった。みんな1枚の紙片を置いて忽然と失踪して
しまったのだから。その紙には極く簡単にこうあった、心配しないで私は大丈夫、と。当時
大災害の後遺症で多くの世帯が少なからず苦難に直面してはいたが、それが直接の原因とも
思えない。家庭内で特段トラブルの火種を抱えていたわけでもなく、どうにも腑に落ちない
まま、どんよりと重い心を引き摺っていた家族。それが犬吠島以降、司令の命に従い、夫々の
家へ戻った彼女たちの姿を見出したときの喜びといったら!2年が20年にも感じられる
歓喜の爆発、もみくちゃに抱擁されるデルモの方も、ここにきて家族の絆と有難味を改めて
肌身に感じ入るばかり。更に程なくデルモ・コーポレーションが設立され、真っ当な会社勤め
が始まるというのも、本人家族ともどものグッドニュースである。まさに心機一転の
デルモたちだが、そんな中でもふと過去を振り返ることはある。思い起こせばハーゲン兄妹に
従いデルモゲニィ組織に加わった彼女たち、今までただひたすら兄妹二人への忠誠に自らを
捧げ、生きてきた。その一途な思いにも一点の曇りがさした瞬間なしとはいえない。それは
ハーゲン博士が地球再生計画と称して、ラグによる地球規模の大変動と現在の地球生命殲滅を
宣言した時。その地上には当然、彼女たちの家族や友人知人がいる。愛する者たちとの永遠の
別れを前に、胸つまらない訳がない。ある種、デルモたちは自身にとてつもなく重い十字架を
背負い、ハーゲン兄妹の夢に賭けたとも言える。そのハーゲン兄妹とて決して狂っていたの
一言で片付けられるものではないのだろうが、今やあの怪しげな強迫観念の一切が払拭され
浄化されるに至ったのは実に人智を超えたメタルのお蔭。デルモたちも、こうして無事
親兄弟の懐に戻ることが出来たというわけである。ここまでの一連で恩着せがましい言葉など
決して口にしない藍華の姿勢も中々のもの。まるで何事もなかったかのように、夫々の日常が
再開されるように見える。ただ、デルモたちについて言えば…以前と少し異なる部分あり。
今、“なおみ”の家庭ではちょっとした事件が起きていた。戻って早々、ひとりの黒デルモ“りか”
を両親に紹介した彼女は何と互いに寿ぐ愛を訴え、同棲したいと申し出たのである。それも
将来の結婚を視野に入れて…。当然両家の親は猛反対したが、およそ聞き入れる二人ではない。
それなら再び出て行くという二人の固い決意に折れた家族は、渋々ながら彼女たちの
同衾を認める、時々は実家へ顔出すことを条件づけて。そんなケースがデルモたちの大半に
当てはまり、彼女たちは遂に自分たち専用のマンションを社宅よろしく建ててしまった。
数百人もの女性が織り成す愛の巣。名前を「メゾン・ホーリー・エクスタシー」という。

89超初心者:2003/06/29(日) 10:56
小噺その42

オールナイト・オープンのファミレスだが、こんな深夜では客もまばら。今、隅のテーブル
には青デルモが一人、何やら物思いに耽っている。少し近寄ってみれば目は真っ赤、きっと
さっきまで泣き腫らしていたに違いない。コツ…コツ…ヒールの音が近づき、青デルモがふと
顔を上げた先に立っているのは…藍華である。「あなた…」こんな時間である、多少の当惑は
あろうが、藍華の頬に残る涙の筋を目ざとく見つけ、次の瞬間には納得の青デルモ。
「見てたのね、あなたも…」青デルモの自然な問いに、藍華の答えも素直なもの。
「ええ…何だか眠れなくなっちゃって」向かいの席につくと、無理にでも作ったような笑顔を
投げる。「あの映画、何度見ても泣けてきちゃうのよね、お涙頂戴ってのは充分わかってる
つもりなんだけど…」「私も。あのホーリー・ファックス号の爆発を思い出してしまうもの」
「そうかぁ…でも、あなたたち全員脱出できたのよね?私、あなたたちの何人かに気絶して
もらったことはあったけど、怪我させた覚えはないし…」言い訳ではないのだが、あの時の
ことを振り返ればつい多弁になってしまう藍華。「いいのよ、もう…」大きな窓越しに夜空を
見上げる青デルモ。いつしか瞬く星に、あの兄妹を思い浮かべているのか…。と、そこへ。
ドタドタドタ−−「ああ、やっぱりいた!ヴァレリ、私…わたしもう…もう、胸が張り裂け
そうになっちゃって…う、うわあんっっ」嗚咽まじり、遂には周りの視線など一向構わず
泣き出した女。いかにも非力な印象と特徴のある金髪。そしてヴァレリと同じ青い
コスチューム、とくれば…。隣の席に座らせた彼女の肩を抱き、静かに語りかけるヴァレリは
あのピエールの時同様、大人のあしらい、といったところである。「あなたも涙もろいわね、
キャサリン…」「だって、だって…」小刻みに肩震わせながらしゃくり上げるキャサリン。
「あの船と一緒に運命を共にした大勢の人たちが可哀想。小さな子供たちだって
いたんでしょう?それに…あのシーンで賛美歌をバックに流すなんて、ずるいわ。もう、
泣くしかないじゃない!」キャサリンはこうも続けた。かつてのアーカイブにあったアニメ
「銀河鉄道の夜」にも似たようなシーンがあり、天に召される青年と幼い兄妹がいた、と。
そこでも、あの賛美歌が流れる中、儚さと希望ないまぜの無常を見せ付けられ、
号泣したのだと。こんな、まさしく天然のキャサリンを優しく見据えるヴァレリと藍華。
特に藍華は思う、ここまで人間の情愛を備えるデルモたちが何故ハーゲンの野望に
付き従ったのか、いや、そのハーゲン博士自体、どこから道を踏み外してしまったの
だろうか、と。いや、いや、いや…再び自分の思考を反転、否定する藍華。私がどうこう
言えるものではない。ハーゲン兄妹やデルモたち、そして私たちみんな…
同じ人間なんですもの…。最近はどうもこんな感じである。それが表面上沈黙を守る
オルタネート・メタルの見えざる働きなのかどうか…未だ結論は出ない。

90超初心者:2003/07/01(火) 01:43
小噺その42資料編
 ①「あの」映画、今回の吹き替え結構ヨカッタよーな感じ^^
   ジャック…石田 彰  ローズ…冬馬 由美
 ②関連楽曲
   メイン…My Heart will go on.(セリーヌ・ディオン)
   賛美歌320番「主よ、みもとに近づかん」
   ドヴォルザーク「新世界」(遥かな新世界アメリカへの船旅、そしてホーリー・
                ファックス号で歪んだユートピアを目指したハーゲン兄妹…)
   アニメ「銀河鉄道の夜」サントラ楽曲…細野晴臣

   氷山の海に沈んだタイタニック、多くの魂に合掌をば。。。

91超初心者:2003/07/02(水) 19:08
小噺その43

某放送局をぶっ潰し、いや正確には老朽化した局舎を無料で取り壊し一躍有名になったサニアと
トニア。世界的に大ブレイクしたゴールデンデルモ・シスターズのお蔭で被害者を装っている
局側もその実情はウハウハ、新社屋建設資金までまるまる浮かせるちゃっかりぶりである。
勿論当人たちに転がり込む所得も莫大なもの、既にして大企業の一つや二つ買収出来る程の
巨額財産を得たのだが、ここから先が又つましい。入ってきた収入の大半を勤務する
デルモ・コーポレーションに納めた二人は、豪華な暮らしにどっぷり嵌まるどころか、却って
様々なチャリティー活動や小さな地域イベントに精を出す。小学校訪問で子どもたちに
三つ編みの髪を引っ張られても、笑顔を絶やさないトニアは犬吠島での強面がまるで嘘のよう。
それでも、失礼千万な芸能レポーターや腹黒プロデューサー相手には、堪忍袋の緒が切れること
だってある。今、くたびれて自宅へ戻ってきた二人を待ち構える無神経なインタビューあり。
「ここまで成功したら、もうやることないでしょう?今度はTATUみたいにドタキャンでも
かましたらどうです、あんたたちもロシアっ娘なんだし。それとも姉妹レズで最後のひともうけ
といきますか、がははは…」嫉妬ややっかみ半分の取材にも最初は我慢していた二人だが、
執拗なツッコミが続くうち、遂にブチ切れ――ガリガリガリ…全く学習効果のない連中である、
トニア鉤爪の洗礼を顔面に受ける一発屋の男性レポーター。このところ、この手の
不良レポーターや記者が同様のパターンで大勢引退に追い込まれているが、実はこの状況、陰で
喜ぶ者も多数いる。不倫ゴシップを抱える芸能人はもとより、政財界の黒幕も枕を高くして
寝られる毎日、密室政治と言われようが結果として彼等のやりたい放題の暗躍がそのまま
経済再生につながったのだから、構造改革の中身なんて所詮この程度なのだろう。つまり
経済活性化のキーはデルモたちにあり、という訳なのである。

92Untitled:2003/07/03(木) 00:54
>>90
この前の放送見ましたが、よく聞くと確かにローズは冬馬さんですね。
クレジットも出なかったし、ここ読んで確認するまで気が付かなかったっス。
石田君はディカプリオに合ってるかはともかく、男の若手声優(と言っても十年選手ですけれど)の中では「巧いなぁ」と思わせる一人ですね。
しかし、取って付けた話しが好かず今回初見だったのですが、見てて思ったのは「やっぱジェームズ・キャメロンはTVより映画だよ」って事ですな(w

93超初心者:2003/07/04(金) 22:23
>石田君は…「巧いなぁ」と思わせる一人ですね。
  「ハリー・ポッターと秘密の部屋」吹き替え版でもトム・リドルの声を好演してました〜^^
>ジェームズ・キャメロンはTVより映画
  今度の「ソラリス」はどーなんでしょーか?

94超初心者:2003/07/04(金) 22:31
小噺その44(ペロロンカ・ホテル番外編)

再び男女の交わりについてである。今ベッド上で互いの愛撫に勤しむ二人は、あの道草旬太郎
と黒デルモ“ゆき”。デルモは勿論処女だったが道草の方もぎこちない動き、日頃のカッコづけ
とは裏腹に、おっかなびっくりな所作からはおよそこの男、女を知っているとも思えない。
それでも一途な情を奮い立たせ深い口づけを交わせば、骨盤に生じる愛欲の炎がめらめらと
燃え盛る。「やさしく…して…」女の月並みなセリフもこの場合、どぎまぎしている男に
最後の決意を促すもの、大汗をかきながらも道草が「男」になるまさに瀬戸際がそこに
あった、が…。バンッ!――扉が荒荒しく開き、駆け込んできた人影がある。
「やっと見つけたわ、道草クン、そこ離れて!」真紅スーツ姿の女は、下から男の腰に
あてがう女の手をさっさと振りほどき、素っ裸の道草をベッドから引き離す。
「あ…藍華さぁん…」間の抜けた、いやイケテる道草の声を置き去りにしたまま、ベッドの
女へ向かう藍華。「あ…あぁ…」引きつった表情の“ゆき”は今までの恍惚半分、突然の
緊張半分でただ震える裸身を晒すのみ。驚愕のあまり仰向けに横たわる己が身体を
起こそうともしない。「りおんや道草クンまで巻き込んで…あなたも覚悟はいいわねッ!」
「い、いやあぁぁっ…!」涙声になって懸命に首を振る黒デルモ、だが藍華怒涛の勢いは
止まらなかった。一切身構えもしない女の下腹部に藍華の拳が飛び込んでいく――ドボウッ
「あうッ…!」ただの一撃で深い気絶の闇へ落ちていく黒デルモ。この身体に本来迎え入れる
筈だった男のモノを考えれば只今の状況天地の差とも言えよう、が、しかし。さすがは藍華の
技である、苦痛は一瞬、そのあとすぐに甘美な桃源が女の全身を優しく、そしてとろける様に
包み込む。早や股間よりこんこんと湧きだす愛の泉にその証左を読み取ったか、次の瞬間には
呆然と立ち尽くす道草へ向かい、手短かに指示を投げる藍華。「さ、ここを脱出するわよ、
道草クン。早く服を着て頂戴」はぁ〜い、と相変わらずボケた返事で応ずる道草は自分の服で
なく何と黒デルモの下着やコスチュームを着こんでいる。いつもの癖ね、と特段咎めもしない
藍華と道草がそそくさと立ち去っていったあと、部屋には黒デルモひとり、一糸纏うものない
哀れな姿で放置されていた…この顛末改めて俯瞰すれば、あのホテルで道草やりおんを人質に
とろうとしたデルモたちの作戦がそもそもの発端、それは確かに卑怯だし今更弁明の余地も
ない。だがひとつ付言出来ることがある。あの時“ゆき”は、自分単独で道草を拘束する役回り
を申し出、居合わせた他の黒デルモ仲間の同意を得た。その根底には彼への淡い思いがある。
加えて南の島の魔法がもたらしたのか、それからの“ゆき”と道草はあっという間にああいう
仲へと変じていった。道草が人質だからといってぞんざいに扱うつもりなどさらさらなく。
作戦の最終目的である藍華の捕獲さえ果たせば、この男と一緒になってもいい、とまで
思っていたのである。とは言え、そんな背景など当時知るよしもない藍華。犬吠島以降では、
事情を知り幾重にも埋め合わせの愛を注ぐ藍華によって再びの幸せを得る黒デルモだが、
それでもある種運命の歯車が狂ったことには違いない。あれが唯一のご縁だったのだろう、
二人の処女と童貞については…現在も微動だにせずそのまんまということなのだから。

95超初心者:2003/07/07(月) 21:10
小噺その45

忙中閑あり、リビングのテレビを漫然と見やるサニアとトニア。今、オンエアされているのは
37年前の番組「サンダー○ード」である。そういえば最近、画面を賑わすのは、やたら
レトロなラインナップ、テレビ番組だけでなく、音楽や映画などもリメイクやカバー
バージョンが相次いでいる。ふかふかソファにむっちりとお尻を沈ませる二人は、誰に
遠慮なく足はおっぴろげ、例の純白パンティも丸見え状態である。いつも時代の最先端を
走るデルモたちだが、たまにはこんな年代物もよしとするのだろう、眼前の映像にも決して
退屈しているように見えない二人。サニアがぽつりと一言を発し、またぞろトニアとの間で、
よもやまな会話が紡がれていく。
「これって人形劇なのよね。昔の番組にしては良く出来てるわねぇ…」
「結構リアルよね、メカの重量感もあるし。大体CGなんて無かったんでしょうに」
「こういう再放送もそうだけど、昔の原作をリメイクするのも流行ってるわねー」
「そういえばサニア、あなたピノキオの実写映画見た?アニメのイメージがあったから
どうかなー、と思ってたんだけど、中々良かったわよ♪」
「そうね、やっぱり本家イタリアだけあるって感じ〜。ベニーニの演技やピオヴァーニの
カンツォーネも良かったわ。私、“星に願いを”が好きだったけど、今回の映画も
嵌まっちゃった。フィレンツェの街並みも素敵だし…」
「あと、ピーターパンとか宝島とか。初回版がもう何十年も前のものばっかりだけど」
「じゃあAIKaもそのうちリメイクされるかなあ。私たち、あんまりセリフ無かったじゃない?
今度は主役張りたいわよねぇ」…そんな二人の願いは程なくかなう。以前からトニアの
隠れファンはワンサカいた上、現在はゴールデン・デルモシスターズ、この大ヒットである。
但しプロデューサーの人選には誤ったかも知れない、いつの間にやら陳腐な女子プロレス
ものに企画が変わってしまい、今回久々の大コケに終わったのだから…。

96超初心者:2003/07/09(水) 21:43
小噺その46(某チーム・ファンの皆様へ^^)

2039年。科学の進歩は相応に目覚ましいが、人間そのものが進化するわけでもない。
個人の思い、集団心理、何れをとってもそう変わり映えしないものである。今、関西のとある
球場では某球団優勝に王手をかけた大試合が行われ、6万人の観客で溢れかえるスタンドは
これ以上ない大フィーバー真っ只中。それもその筈、ここは球団のホームグラウンド、しかも
18年ぶりに優勝を手中にするというのだから、熱烈ファンならずとも興奮否が応にも高まる
もの。振りかえれば1985年、2003年、2021年と、毎回大変な盛上りだったが
今回は応援席に少し変わった連中が加わっている。白、ゴールデン、青、ピンク、黒、と
彩りも鮮やかなコスチューム。大挙して陣取り、焦点のチームを応援する姿は間違いない、
あのデルモたちである。“六○おろし”にデルモたち。いささかミスマッチにも思えるが
その実ノリはピッタリというべきだろう、もともと集団行動には長けている彼女たちである。
皆キュートでスタイル抜群の美女、シーズン当初は好奇の視線やローアングルで狙うカメラ
などが後を絶たなかったが、今や完全に周囲と一体化。純粋可憐な美しさはまさしく最高の
ムードメーカー、観客席のファンだけでなくフィールドにいる選手たちにも大いに励みに
なっている。新参者だけあって決して整然とした応援とは言えないが、そこが又初々しい魅力、
黄色い声を振りまき、飛び跳ねる彼女たちの純白パン○ロは余りにも眩しい。しかも
相手チーム攻撃のイニングでは、無意識のうちか緊張の力みが股間の肉襞を盛り上げ、清楚な
パンティにくっきりとした筋が浮かび上がる。遠くからでも明快に判別できる程、見事な
クレバス。ましてや選球眼の良い選手たちからすれば、その谷間に福与かな肉付きすら
見通せてしまう。これ絶景といわずして何であろう、しかもそれが、よりどりみどり、ずらり
並んだ秘所の数々にはまさに目がテン、いや既にして脳内虚ろというべきか。これではまともに
打つことなど100%不可能というものである。となれば、ここまでの某チーム快進撃、陰の
功労者はデルモたちと言うことにもなるだろう。かくして相手チームの殆どが骨抜きに
される中、それでも鉄の意志を持つ者が数名は残る。薄々デルモたちの影響と感じムキになって
闘志を燃やす彼等、その対象は…カーン!――いま快音と共にライナーでスタンドに飛び込む
ボール。相手チーム4番バッターの文句ないホームランに静まりかえるホームグラウンド、と
言いたいところだが――「うぐッ…!」静寂のスタンドで短くあがる呻き声ひとつ。見れば
一直線に飛びこんだボールはキャサリンのパンティをストライクで直撃している。高速ライナー
の打球だった為、咄嗟に手で受ける暇もなかったのだろう。目を閉じ涎垂らしながらゆっくり
崩折れようとする青デルモを左右の仲間が辛うじて支えるが、既にキャサリンは深い気絶の
迷宮へ。結局試合は3−1で勝ち、目出度く某チーム優勝に終わったが、気を失った彼女は
その瞬間を見れずじまいだった。しかし、それが不幸なことかどうかは一概に決められない。
ここまでのペナントレースでこうしたホームランボールを受けたケースが実は30回、その
何れもがキャサリンへの一撃である。更にそれらは悉く彼女のパンティ、それも秘所の上方に
居する愛の蕾へのクリーンヒット。周囲には受難の気絶と映るだろうが、よくよく注意して
彼女の寝顔を見れば、僅かに口元綻ぶさまが覗える。誰に打ち明けるでもない彼女だけの秘密。
胸の奥深く封印されるキャサリンの宝物、それは、衝撃の一瞬でもたらされる極上の
エクスタシー。とても言葉で言い尽くせない、ミクロの時間に反比例し超高密度に凝縮された、
いわば快感の結晶というべきものである。最初の経験では確かに驚きも混じっていたろう、が。
彼女が病みつきになるにはこの1度で十二分だった。毎試合、律儀に球場へ足を運ぶ
キャサリン、その胸中はときめきでいっぱい…あの経験をしたい、感じたい…想像しただけで
じっとりと濡れる。当然の結果として、履いていないのかと見紛うほどスケスケになる純白
パンティ。それがまた一層相手チームの劣情に火をつける。完封は出来ないものの応援チームは
確実に勝利し、キャサリンは高らかに昇りつめる。実に一石二鳥である。このコンビネーション
はその後しばらく続き、そのまま毎年の優勝に直結した。最近では勝手知ったるファンによって
「キャサリンはここだ!」という矢印付きの横断幕まで登場し、勝利を磐石にしているようで
ある。

97超初心者:2003/07/13(日) 11:32
こんなんでも過激?小噺(過激派スレの5レス目)の続き
(没になったシナリオの続編一部を御紹介)

「きゃうううッ!!…ん…」−−−−−
「あら、いい声で鳴くじゃない。じゃ、ご褒美ね♪」藍華はパンティのクレバスに侵入させて
いた3本の指を更に奥へ挿し入れ、大きくグラインドするようにくねらせる。
「ひゃう!うふうううぅぅ…んんんッッ…」ニナ・エスコの股間にて噴出する愛の蜜は最早
洪水の有様、藍華の手もべっとり粘り気のある分泌液にまみれている。――ズブブ、
ズチュッ、ズチュウ…深く挿入された指が自在に動くたび、膣内に容量一杯満たされた愛液が
淫靡な音をたて、花芯の疼きをストレートに代弁する。と同時に「ひううっ…あひいい…
ふあああッ…!」…何度絶頂に達していようと、突き抜ける快感の先に終点はないのか…
喘ぐ。喘ぐ。ただ、喘ぐばかりの白デルモ。ここに至って尚、花園の外観を晒してはいない。
いや、制服も着用のまま。彼女の秘肉に直接くい込むのは例の純白パンティなのであり、
藍華の指が深淵の園を土足で侵しているわけではない。にも拘わらず。このパンティには
思わぬ相乗効果が内在する。機能性重視ということなのだろう、素材はコットンのようだが、
それ微細に見れば布地の表層小さな繊毛が無数に生え、ただでさえ敏感な秘所の粘膜を
心にくい程に刺激する。その上、押しこんでいる藍華の指使いがまた絶妙、ただがむしゃらに
強く押さえるでなく、時にはじらすように丹念に…最高のスポットをじっくり延々、そして
こびり付くようにねっとりと愛でるのである。
「ひいいぃぃ!…んはあぁ…ふぐううぅぅぅ…」歓喜のあまり、時折呻き声のようなものも
混じるが、藍華が「鳴く」という言葉を用いたのは言い得て妙といったところ。今や、
ニナ・エスコは生命普遍の喜びを体現するためにだけ、ここにいるようなものである。
「あなた、頭が良さそうな顔してるけど、こういうことは学校で教わらなかったでしょ?
ちょっとは感謝してよ、ねッ!」ズブウッ!「はうううぅぅ…ッ!!」またひとつ、ピークを
迎える喘ぎ声。電気が走ったかのように全身が痙攣し、イッたことがわかる。(続きマス↓)

98超初心者:2003/07/13(日) 11:33
「うふふ。可愛いわね…」これで101回目よ、とまでは口にしないが、内心しっかり数えて
いる藍華。かつてのトレンディ・ドラマばりの構想が脳裏を横切ったところで、もう少し
まとまった会話に戻そうと考える。二人しかいないこの空間、対面する女の悶絶ばかりでは
正直見飽きてきた、ということもあろう。一旦、全ての指を引き揚げるのだが、ここまで
暴走してきた性の炎は藍華の都合よく停まってはくれない。「…はあぅぅぅっ…」
ピクンピクンと身体が勝手に跳ね、昇りつめることそれから実に30回!その間、小一時間
にもなろうというもの、退屈な思いを引き摺りながら眼前の白デルモを眺める藍華である。
漸くに沈静化の兆しが見えたか、女の目にうっすらと理知のかけらが宿るようになったのを
見届け、藍華が語りかける。「私ね、何だかあなたのこと、手放したくなくなっちゃった。
あなたも、ここまでイイ思いしたら、もう私から離れられないでしょう?だから、ずっと
人質でいて頂戴、悪いようにはしないから…」「………」無言のままじっと藍華を見据える
白デルモ。それでも、やや間を置いて後、小さく肯く。この後、KKコーポレーションに
特設された座敷牢で囲われの生活を送ったニナ・エスコ。外出の自由こそなかったが社内では
結構な賓客扱い、郷造社長以下、りおんまでが甲斐甲斐しく白デルモの世話を焼く。しかし
それは昼間のこと。もともと仕事一筋、深夜残業の多い藍華だったが、ここにきてその頻度が
やたらと増えている。人気のないオフィスに二人きり。しかも防音完備の特別室。これが
司令と藍華との確執が氷解するまであと数ヶ月の期間限定とはまだこの段階で予期できる
訳もない。永遠に続いて欲しいと密かに願う、乙女二人の饗宴。要は些細なことかも知れぬ、
決して表に出ることもないが、これも又…藍華とデルモたちの不思議な絆を物語る、
秘められた出来事のひとつ、と言えそうである…。(やっぱ、軟弱〜^^;;;)

99超初心者:2003/07/14(月) 01:41
小噺その47

再び2039年。どこまでも広がる大草原の中に、ぽつねんと建つ1軒の家があり、
張り出した2階のオープンテラスに2つの人影が見える。男女ひとりづつ、男の方は相当な
高齢であろう、白髪で頬もやせこけているがまだまだ元気といった様子、そして女の方は青い
コスチュームに流れるような長い髪…孫とも曾孫とも見える年格好の美女である。もう夜中に
なる時刻、澄み切った大自然の空気は少しひんやりするが、頭上に広がる満天の星に囲まれて
ロマンチック気分も最高といったところ。この家の構えとて、古き良きカントリーライフ
そのままに、昔ながらの素朴が息づく温かみが感じられる。軒先にぶらさげたカンテラの灯り
は仄かなものだが、浮かび上がる二人の表情は眩いばかりに明るい。とは言え、時折ふっ…と
感慨の息をはく老人。眼前の若い女に、遠い過去の青春を脳裏に甦らせているのか…愛想も
ない無骨なホーローのコップでブラックコーヒーをすする二人の会話を、今少しだけ聞き耳を
たててみることにしよう。
「あの時、モデルにした女性と君は、イメージが似ているね。もう一度言わせてくれるかな、
素敵だよ、ヴァレリ…」
「有難うございます♪こうしてMr.ジョーンズにお会い出来るなんて夢みたいです。あの、
今でも馬に乗ってらっしゃるんですか?」
「そうだよ。まだまだ現役ジョッキーさ」…いつまでも若さを失わないこと。そして人生の
幸せは、何も特別なものじゃない、ほんのフツーな暮らしにだって満ち溢れているものなんだ…
齢96を数える老人は朴訥な語り口ながら、その目の奥にはかつての面影がしっかり残って
いる。青デルモが、あの曲をおねだりすると、彼は快く応じた。アカペラで歌う二人の声が
しっかりとハモり合い、彼女が生まれる50年前を生き生きと紡ぎ出していく。
…cheer up sleepy Jean,oh what can it been to a daydream believer and a homecoming
Queen…歌いながら、知らずヴァレリは天空を見上げていた。ハーゲン様、聴いて
らっしゃいますか、ヴァレリはいま幸せです。ハーゲン様もネーナ様とあの世でお幸せに…
すると一つの星が強く瞬いたような気がする。彼女の心が通じたのか?いや、確かに伝わった
ようである、が。本来ならば速やかなレスポンスとなるあの夢の啓示は後回し、勝手に
「あの世」だなどと決め付けるなんてヴァレリ、あなたってコは!これはもうキツーイ
お仕置きもんだね、と力みかえる意識と、まあまあ許してやれよ、という意識が侃侃諤諤混在
したままメタルの繭が矢のように宇宙から落下する。ここはアメリカの片田舎。
デイビー・ジョーンズ氏所有の牧場に程近いあの町が今度こそ眉唾でなく、真の脚光を浴びる
ことになるのだろう、「ロズウェルの話は本当だ」と…。

100副官:2003/07/14(月) 01:55
おぉ、懐かしや。モンキーズの「ディ・ドリーム」
私はあのレコード(45回転のドーナツ盤)を持っておりました。
ミッキーの目が「寄り目」の、ちょっとオドけたジャケット。
ジャケット裏にはデイビーのピンナップ。
曲自体も、目覚まし時計のベル音が鳴るユーモラスな仕上がり。

でもそのレコード、30年も前に、ロック好きの友人にあげちゃいました。

101ぱんちーと:2003/07/14(月) 05:56
あっ、副官殿、100ゲットしてる。
さすがは、キリ番の鬼!

102超初心者:2003/07/14(月) 20:20
副官様、ぱんちーと様、ようこそ、おいでませ〜^^

副官様、100ゲットおめでとうございます。当スレは「一応(←かなーり不安)」
創作系デスので次回200は遥か先デスが、何卒まったりとお付き合い下さいませm(__)m

DayDream…イイですよね。実は昨夜テレ東系23:00-「そして音楽が始まる」でやってたのを
偶然見かけたものですから^^;そのあと番組HPでラインナップ見ましたら、次週は
レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジだとか。今までも、ビートルズは勿論、
エリック・クラプトンとかボブ・ディラン、サイモン&ガーファンクル、邦楽では上田正樹や
伊勢正三、赤い鳥などなど結構ピシピシ来ていたようで、昨夜以外は一度も見たことが
なかった私ですが、改めて、へえ〜、という感じでした。

45回転ドーナツ盤…いいなあ…33回転のLP盤も良かったけれど、ドーナツ盤って特に
タイトル作品への思い入れがありますよね^^当時の330円って結構高いイメージも
ありましたし…

1箇所修正(汗)oh what can it been ⇒oh what can it meanでした〜^^;;;
前者でも無理やりコジツケルことはできるでしょうが、やっぱりmeanがしっくり来ますね、
当然^^;この板を訪れる人々もAikaに見果てぬ夢を追うDayDreamBelieverでしょ?

103超初心者:2003/07/15(火) 19:23
小噺その48

白銀基地では司令の陣頭指揮にも拘わらず、完膚無きまでに敗れ去ったデルモたち。しかし、
あれは本当に敗北だったのだろうか?確かに、作戦を率いた司令以下、あの基地にいた
デルモたち全員が藍華や郷造らによって倒され、気絶したことは事実である。だが、
目的とする、藍華の身体能力を記録分析したデータは実のところ、犬吠島本部基地へ既に
転送済みであった…。それは左程考えるまでもないだろう、取得したデータをバックアップも
とらず、たった1枚のディスクのみに保存するなど、彼等の科学力からしてもあり得ないことで
ある。ならば何故、あの基地で、あれだけのディスク争奪戦になったのか。鍵を握るのは二人。
ひとりは司令、もうひとりは…あの瓶底メガネ黒デルモである。あの時、ゴールデン・デルモ
としての活躍をなしたリエですら、ディスクを藍華のハイヒールで無惨に踏みにじられた時
には、泣きわめいて部屋を走り出ていった。唯一の手掛りを失ったと感じた彼女が、絶望と狂乱
ないまぜのまま、ミサイル砲台まで繰り出したことは記憶に新しい。これこそ、まさに敵を欺く
に味方から、のセオリーどおりということ。瓶底黒デルモはデータを送信したあと、あの
データルームで敢えてダミーのディスクを手に持ち、藍華の、いや、リエを含めたデルモたちの
注目をも引いたのである。ある種和み系のキャラだけに、これが演技とは誰も見抜けない、
少なくとも藍華たちは、まんまと策に嵌まってしまったことになる。この絵を描いたのは当然
司令。愛する副官にすら、この計略を明かしてはいなかった。だからこそ、副官も必死に闘い、
挙句に首を締め落とされ、苦しい気絶を強いられたのである。当の司令も、全力で立ち向かって
いったように見えるが今にしてみれば、ひとつ思い当たるふしがある。至近に迫った司令の
胸元に、藍華が例のショック銃を突きつけた時。司令は厳しい表情から一瞬、観念したような、
或いは緊張に耐え切れなくなったような、はたまた無念の相とも言えるような複雑な微笑を
浮かべていた。直後の展開として遠く椅子まで吹き飛ばされ、深い気絶の眠りを余儀なくされた
のだが、あの刹那、彼女の心境もし覗き見ることが出来れば…以下のような思念の糸が
綴られていたに違いない、即ち、基地の全員が倒されたのは計算外だったが、最も大事な所期の
目的は果たし得た。自分は間違い無くこの女に倒されるだろう、こんな間近に銃など
突きつけられ、自分は死ぬのだろうか…いや、この女は今まで私たちデルモの命を奪ったこと
など無い筈だ、それでも私だけは許さないということか…いいや、仮にそうであってもいい。
データさえ手に入れば、デルモゲニィは再び力を取り戻せる。あとは副官に託して…と、一旦
考えを進めてはみるものの、やはり相思相愛の副官と永遠の別れだ、などと思い込めば再びの
恐怖と未練が脳裏いっぱい駆け巡る。実際のところ、余裕一切なく極限状態だったあの時の
司令。藍華たちが去り、随分たって目覚めの時を迎えて初めて、彼女は生き長らえた喜びに
会心の笑みを重ねるのである。事情を知らぬ、まだ気を失ったままの副官を優しく
抱きしめながら、司令のつぶらな瞳は、再起への固い決意に充ち満ちていた。ただ、結論から
いえば、そこまでして得た貴重なデータでありながら、それ結局デルモたちの戦闘能力強化に
向けられることなく終わる。犬吠島決戦が、この後すぐ繰り広げられたため、対応が
間に合わなかったという、いつもながらのお粗末がその原因。藍華とデルモたちとの確執は
この一戦で終焉を迎え、以降、軍事利用への道は放棄された訳だが、それでもまだ、有効な
利用法につなげるあたりが隅に置けない。藍華の強靭な体力はオルタネート・メタルとの
順応の過程で形成された細胞内特異物質の賜物。そのエッセンスを抽出した飲用カプセルは
男女問わず、人類史上最高の精力剤にして最強の催淫剤に結実した。大災害で減少した
世界人口も、この画期的発明によって、再び増加へと転じ新たな繁栄のシナリオが描かれていく
ということなのである…。

104副官:2003/07/16(水) 02:42
超初心者様
第6話の意外な解釈、感服いたします。

あの「瓶底黒デルモ」が司令と組んでの役者であったとは。
私は2ちゃんねるAIKaスレを覗くこと約2年ですが、全く初めての解釈です。
スタッフが「瓶底黒デルモ」を他のデルモとは異なる、特異な風貌キャラにした理由。
成る程と納得いたします。

ショック銃を突きつけられ、フッと微笑む司令。
諦観ではなく、寧ろ何となく「喜び」を感じさせる表情。
司令のこの不可解な笑みが何を意味するのか。
過去色々な意見がありますが、今もって決着していません。
それが「作戦成功」の表情であったとすれば、やはり司令は肝の据わった人物です。

>副官にすら、この計略を明かしてはいなかった。
私は、AIKaスレの初期、司令に意地悪な解釈をしたことがあります。
その再録をお許し下さい。

司令と副官。闘いを前につかの間の、しかし永遠にも感じる口付け。
二人の唇が離れる。放心し上気した頬の副官。
一方、その副官を見つめる司令の冷ややかな眼差し。
「どう?私のキスの味は。これで満足した?」とでも言いたげな司令。
私はここに「司令の打算」を感じます。

強敵・藍華と闘わねばならない。
ここはどうしても副官の協力が必要。
幸い、副官は自分に想いを寄せており、これを利用しない手は無い。
副官に忠誠させるため、キスの一つでもしてやるか。
どうせ減る物じゃないし・・・

以上は穿ちすぎでしょうか?
実際は、土壇場での副官の告白に流石の司令も胸キュンとなり、自分を抑えられず口付けをした。
だから闘いの後、ニナ・エスコではなく副官を抱いていたのでしょう。

>人類史上最高の精力剤にして最強の催淫剤に結実した。
ムム、これは藍華さんのアソコに麻酔をして入手したデータですネ!?
藍華さん、凄い器をお持ちです。
一度で良いから私も拝ませて欲しい。
でも、その後で首絞めか、ブッ飛ばされるか・・・

105超初心者:2003/07/16(水) 20:04
副官様
>第6話の意外な解釈
  例によって強引な展開で失礼しました〜^^;

>司令のこの不可解な笑みが何を意味するのか。
>過去色々な意見がありますが、今もって決着していません。
  私にとっては大いに気になるシーンなんです。絶対逃げられない至近距離で銃を
  突きつけられてる訳ですからねー^^

>私は、AIKaスレの初期、司令に意地悪な解釈をしたことがあります…
>…以上は穿ちすぎでしょうか?
  いえいえ、充分考えられると思います。最初は打算まじりだった思いが、愛に昇華する。
  あの時の二人は眩いばかりに純粋であったと、私は信じマス^^;

>だから闘いの後、ニナ・エスコではなく副官を抱いていたのでしょう。
  勿論、ニナ・エスコへの慈しみもあったことでしょう。けれど、副官との至高の愛の
  前には一歩譲るも止む無し、といったところですか。

>ムム、これは藍華さんのアソコに麻酔をして入手したデータですネ!?
>藍華さん、凄い器をお持ちです。
  いやー、進化したアソコってどうなってんでしょ(滝汗)
  皆様のご想像にお任せシマス^^;

 ところで、ここんとこキリ番ゲットの副官様へささやかながら記念品を、と思いまして^^
 黒デルモ「あずさ」ちゃんに目録を持たせて、副官様ご自宅まで伺わせます。その節は
 ゆっくりとお相手して頂けますようお願い申し上げますm(__)m
 (あれ、「あずさ」ちゃんは、今ぱんちーと様のお宅にいってるんでしたっけ?^^;;)

106超初心者:2003/07/16(水) 20:06
小噺その49

更に白銀基地でのエピソード。今、壁に追い詰められた黒デルモに、藍華がぴったり
張りついている。最早観念しているのか、だらんと両腕を垂らし棒立ち状態の相手ひとり
など、ほんの一撃で倒すことが出来る筈だが、即座の仕掛けを控えているのか、いつもと少し
様子が違うような。間近に寄ってみればすぐわかることだが実は二人、唇を重ねている。深く
舌を絡め合い、さながら貪り尽くすかのように。しかも、じっと受け身の相手に対し、藍華の
方は至ってきびきびとした動き。その全身を艶めかしくくねらせながら擦るまでに密着させ、
黒デルモの美しい身体を延々舐めるように味わう。二人、豊満な乳房は互いに強く、強く
押さえつけられ、衣服ごしであることなどまるで感じさせない。突出した4つの乳首が
ねっとりと絡まるさまは、それ自体意志を持っているかのような錯覚すら覚えるほどである。
胸まわりだけでなく両手は無論忙しい、左手を女の髪やうなじ、頬から胸元まで丹念に
這わせるかと思えば、右手は黒デルモの露出した太腿からせり上がるように股間へと達し、
愛らしいあの純白パンティの上をなぞらえる。敏感な蕾の突起や、むっちりと食い込んだ
一筋の谷間に分け入る藍華の指は、あくまで繊細にしてしなやかな運び。同性として、相手の
琴線に触れるコツは充分過ぎるほどに熟知している藍華である。「んん…んううぅぅ…ん…」
みるみる昇りつめていく黒デルモの口元から喘ぎが洩れるが、片時も離れないディープキスの
ために、くぐもった声ばかりが続きゆく。しばらくして、秘所の深奥より、愛の奔流勢いよく
噴出するも、極く自然な成り行きといったところ。いつしか、黒デルモはイニシャルDの
如く、ぐいと押し出した腹部を頂点とし、アーチを横にしたような全身弓なり姿勢に
なっていた。「んんんんんッ…!」押し寄せる快感に翻弄され、瞬時にイッたのであろう、
すっかり目を閉じている相手の恍惚を見定めながら、右手の先を拳に変ずる藍華。おもむろに
狙いつける先は黒デルモの下腹部である。ゆっくりと構え…そして鮮やかに突く――ドスッ
「うッ!…ん…」呻き声はほんの一瞬、今まで満たされていた女の表情にも翳りは殆どない。
それでも、相手は間違いなく深い気絶の眠りに落ちた。力を失ったその全身を、優しく
抱きかかえながら、ゆっくりと床へ横たえる。と、その傍らには同じように気を失って
横たわる黒デルモたち5名。今6人目を整然と並べたところでしゃがんだままの藍華が後ろに
声を投げる。「ハイ、次の人…」立ち上がった藍華が目にするものは行列をなす9人の
黒デルモ。おずおずと前へ進み出るひとりが消え入りそうな声で質問する。
「あの…ホントに苦しくないですか…?」答える藍華の方は、いつものようにあっさり
そのもの。「大丈夫よ。この6人を見てればわかるでしょ?悪いようにはしないわ♪」
そして又さっきと同じ、二人向かい合うあのプロセスへ。次々とイき、そして気絶する。
まるで予防接種か、診察のような段取り。15人全員が終了するのは実に1時間が経過した
あとだった。なんとも気の長い顛末。司令たちの部屋へ到達するのに、ここまでの時間を
要したとなればその後の展開にも差し障りがありそうだが、リエもまた状況把握が甘く、
加えて司令たち白デルモも藍華が姿を現わすまで悠長に待ちつづけているあたり、どこまで
いってもデルモである。だが、黒デルモたちのこの奇行は一体何か?いや、奇行と一言で
片付けては気の毒かも知れない。あの廊下で武装した青デルモたち7人があっという間に
倒されたのを見て、背後に控えていた黒デルモたちがすっかり戦意を喪失した、という事情が
あったのだから。こわばった表情の彼女たちからすれば、皆一様に、見逃して欲しい、
というのが本音だった。だが、まだデータ奪還と全員の脱出を果たしていない藍華としては、
彼女たちの気持ちはわかるものの、そのまま了承する訳にもいかない。間をとって
成立したのが、絶頂のうちに気絶させる、という選択肢だった。ところがこれはデルモたちに
とって、望外の刺激。すっかり病み付きになった彼女たちは犬吠島でも群がるように同じ
体験を切望する。あの時、警報が鳴り、司令が侵入者に気付くまでに、既に100人以上の
デルモたちが陶酔のうちに気絶の眠りについていたことなどは、まさに知る人ぞ知る
事実なのである。

107超初心者:2003/07/18(金) 22:53
小噺その50

色々なことがあったものの、平和裡に収まってみれば司令と藍華は大の仲良し。
デルモ・コーポレーションが軌道に乗り、仕事にも多少の余裕が出来るようになってからは
ふたり、週一ペースでカラオケボックスに通うほどである。そのレパートリーも中々広く、
慕情たっぷりの演歌から元ちとせ、バックストリートボーイズ、ブリトニー・スピアーズ、
tATuに至るまで何でもこい。今日もご機嫌上々にブリトニーの「Baby One More Time」で
盛上る。
…My loneliness is killing me
I must confess I still believe
When I'm not with you I lose my mind
Give me a sign
Hit me baby one more time…
ここで司令が悪戯っぽく笑う。
「Hit me baby はいいけど、もう、Knock me outはこりごりよ♪わかってる?」
藍華も爽やかな笑顔満面。「でもホントのところは
I lose my mind without your punch in my bellyなんじゃないの〜?」
横に立つ司令のお腹に軽く拳をあてる。「あぅ…」少し呻き声が洩れるのもご愛嬌。
悶絶というより悦楽の表情を湛えている司令である。これも今や、阿吽の呼吸を通り越し、
文字通り裸の付き合いをするふたりなればこそのじゃれあいか。時たま力の加減を失敗し
司令が気絶することになっても、ソファに眠る彼女に向かい延々ひとりで歌い続ける
というのだから、藍華も只々堂に入ったものというしかない。間奏の合間、気を失い半開き
となっている司令の口元へ唇を重ねる藍華。ボックスの怪しげなカクテルライトに
照らされながら、この濃厚な空間一体どこまで凝縮されるのだろうか…当の二人にも
わからない、ひと夏の一日なのである…。

108超初心者:2003/07/26(土) 19:51
小噺その51(1)

今日も仕事に打ち込む藍華。一心不乱にPCへ向かううち、早くも日はとっぷりと暮れ、
もう9時をまわっている。相田親子や道草は例によって定時退社、今静まり返ったオフィス
には、藍華の叩くキーボードの音だけがリズミカルに連なるのみ。とその時。
ピンポーン…静寂を破る玄関チャイムの音。そして再び、いや、再三。
ピンポーン・ピンポーン・ピンポーン…もううるさいわね、こんな時間に何よ、と不機嫌な
顔で席を立つ藍華。仕事が今一はかどっていないこともあって、ムシャクシャした思いを
そのまま夜間の訪問者へぶつけるつもりでいる。ガチャ。ドアを開けたところで目前の人物へ
投げる一言はしかし。「えっ!?」そこに立ち尽くしているのは、忘れもしないデルモたちの
リーダー、あの「司令」と呼ばれていた女だった。「あなた…」驚きはするが、さすがは
特A級サルベイジャー、決して取り乱すことなく、また寸分の隙もなく、眼前の白デルモを
見据えている。と、そこで司令は開口一番「ごめんなさい、突然に…」
ひょっとして犬吠島の意趣返しにやってきたのか、と内心身構えていた藍華にとっては
拍子抜けするほど殊勝な物言い。ざっと見渡したところ彼女以外に大勢のデルモたちが
潜伏している気配もなく、確かにひとりだけでやって来たのだろう、その彼女自身、只今の
姿勢として敵意は無さそうに見える。となれば戸口での立ち話も無粋なもの、大胆にして決断
早い藍華は司令を中へ迎え入れる。「こんな小さなビルだけど、私たちにとっては大変な
借金をして建てたのよ。もう、爆破するような真似は絶対しないでね」デルモたちがその
つもりなら、正面でチャイムを鳴らすようなことなどする筈がない。犬吠島の一件から半年、
その間まがりなりにも平穏が保たれている事からすれば、少しは彼女たち軟化したのか、と
一縷の期待を寄せもする。念押しめいたセリフは半ば冗談混じり、敢えて明るい顔を向けた
藍華。勧められるままソファに座った司令はしかし、強張った表情のままだった。
「どうしたの?あなたの好きな紅茶でも入れる…?」先ずはリラックスさせようと、軽く
紡ぎだす言葉を制し、ひしと藍華の両手を握り締める司令の目はこれ以上ない真剣そのもの。
「あなたしか、いないの。お願い、助けてっ…!」「ど、どうしたのッ…!?」
(とりあえず、ココまでで御座います^^;)

109副官:2003/07/26(土) 20:40
う〜ン、いい所で読み切り。
超初心者様、この続き物凄く気になります。

110超初心者:2003/07/27(日) 12:50
(2)
司令はあの白デルモのコスチュームそのままである。以前、彼女がここKKコーポレーションを
訪れた時には、藍華たちを欺きおびき寄せる為に、もっともらしい身なりをしていた。それを
思えばこの度は一切策を弄していないということ、よくよく差し迫った事情でもあるというの
だろうか。藍華が更なる疑問を投げかけるより早く、司令が堰を切ったように語りだす。
「私…あなたとの決着を諦めたわけじゃない…でも…でも…今は…助けてほしいの…」
随分虫のいいお願いだ、と突っ込むのは容易いが、白デルモの瞳に宿る必死の思いには一点の
曇りもない。藍華は穏やかな視線の内で、暫くの聞き役に徹しようと考える。
「時期がきたら、あなたと私、1対1で決着をつけるつもりだった。でも、それは決して命の
やりとりではないわ。今まであなたが、何度も闘い勝利しておきながら私たちの命を奪おうと
しなかった事…悔しいけれど、とっても感謝してる。だから…あの時、部下たちには、
もうこれ以上あなたに関わらないよう命じたの」本題に入る前の口上としては少し長い気も
するが、藍華は黙って聞いている。この半年、何事も無く普通の生活が営めたのは、この女
の命令が行き届いていたからだ、と確認出来ただけでもひとつの収穫。この先彼女が単独で
自分に勝負を挑んでくるというのなら、それもいいだろう。白銀基地での時同様、多少
苦しい目にあってもらい、再度の気絶と共に今度こそ全ての確執を洗い流してもらいたいと
願う。それより今回の用向きは何なのだ…?藍華が念ずると、これも以心伝心というべきか、
司令の言葉がいよいよの核心に入る。「実は…ニナ・エスコと、彼女の部署の仲間たちが
…さらわれたの…」「え、えぇーッ!??」思わず声が出てしまうのは仕方がない。
「どういうこと、それ…??」平素は落ち着いている司令だが、この瞬間まだ高ぶる情を
抑えきれていない、早口にここまでの顛末を乱雑に並べゆく。即ち、自分たちデルモゲニィが
犬吠島以降、デルモ・コーポレーションという会社を興し、基地にいたデルモたち全員で
懸命に働いてきたこと。ハーゲンの計画は放棄され、この地球に根ざした活動に終始している
こと。ところが昨夜未明、会社が謎の武装集団に襲われ、コントロール・ルームや
オフィスフロアで残業していたデルモたち数十人が気絶させられた、ということ。その時、
研究開発本部で働いていたニナ・エスコと助手の黒デルモたちも同様に気絶させられ、どこへ
ともなく連れ去られてしまったということ。1枚の置手紙があり、このことを警察などへ
通報すれば人質の命はない、と書かれていたことを…。(又してもココまでデス〜^^;)

111副官:2003/07/27(日) 22:23
物語の途中でお邪魔をいたします。

私は、AIKa続編が製作された場合、そのストーリーについて次の様に考えておりました。

藍華対デルモのバトル繰返しではなく、第三の敵(例えば、ラグ情報を奪還する為、
本国から秘密部隊が送られてくる)が現れ、藍華とデルモは反目しつつもある時は協力して敵に当る。
(サイド・ストーリーとしてデルモ達の百合をタップリと挿入)
最後、藍華とデルモに友情が芽生える/或いは「お互いに相容れない」と改めて確信する。
か、どうかは流れに従うとして、新展開には新たな敵の出現が必須と思っておりました。

今回「謎の存在」が現われ「流石は超初心者様」と快哉を叫んでおります。
超初心者様の続きを大いに期待しております。

112超初心者:2003/07/28(月) 19:33
(3)
ぽたり。藍華の手の甲に大粒の雫が落下する。知らず、司令の目尻には今にも溢れんばかりの
涙が浮かんでいた。すがるような思いからか、彼女は藍華の両手をぎゅっと握り締めたまま
離さない。小刻みな震えがその手を通じて伝わり、司令の窮地を如実に物語る。そんな彼女の
言葉を頭から疑いはしないが、さりとて藍華にとり腑に落ちない点が無い訳ではない。
デルモゲニィと言えば、かつては軍隊相当の組織だったのである。青デルモたちをはじめ、
今日まで引き続き武器を携帯している連中が大勢いても不思議ではない。素手の黒デルモたち
にしても、あの駐車場で屈強な男性ガードを倒す程の格闘術を身につけている筈である。
それなのに、数十人ものデルモたちがこうもあっさりと気絶させられるなどとは…。第一、
謎の武装集団とは一体何者なのだ。動機は…?次々と浮かぶ藍華の当惑を視線の内に
読み取ったのだろう、少し落ち着いてきた司令が補足の言葉を添えていく。
「これも罠だと思ってるんでしょうね…そう思われても仕方がないけれど…」そんなこと
ないわ、ただ状況がまだ良くわからないから、と慌てて返す藍華を見つめ、そうだ、この人は
一々疑ってかかるような人ではない、もっと大胆な人だったんだ、と思い出す司令。
「会社が襲われた時、私と副官はマンションに帰っていたの。だから、細かい状況は私も
わからない。気絶から目覚めた仲間の緊急連絡を受けて駆けつけたのは、もう3時間もたった
後だったのよ。それでも皆の出勤時刻にはまだ早いのが幸運だったわ。会社全体がパニックに
ならないように、他の仲間には、まだこの事を伏せてあるの」
「彼らは重武装していたらしいわ。最初に催眠ガス弾が打ち込まれ、みんな全く抵抗出来ずに
朦朧としているまま、一人残らず当て身の一撃を受けているの。あっという間のことで銃で
応射する隙もなかったらしいし。気がついたら、研究開発本部フロアの仲間たち全員が、
いなくなってた。でも、館内モニターカメラには、ニナ・エスコや部員たちが彼らに倒され、
肩に担がれて拉致される映像がはっきり残っていたわ…」
「彼らの正体はわからない。全員ガスマスクをしていたし、人数が20人くらいだったという
ことと恐らく全員男だった、ということくらいかしら。あの手際のよさは、きっとどこかの
特殊部隊なんだと思う。ただ、そこまでしか手掛かりはないの」(ココまでデス〜^^;)

113超初心者:2003/07/30(水) 18:49
4)
ひとしきり事情を語り終えたところで、もう一言を加える司令。「皇藍華を倒そうと
意気込んでる私が、こんなことまで告白することになるなんて…ホントに情けないわね…」
無理にでも口元に笑みを浮かべたのだろう、が、照れ混じりに取り繕おうとする口上とは
裏腹に、彼女の涙腺は正直だった。内奥からこみ上げる激情のままに、滝のような涙が頬を
伝う。頑強に笑顔を保ちながら、ぼろぼろとこぼれる涙のアンバランス。「う…うぅ…」
どうしても差し挟まってしまう嗚咽と共に、小さく肩を震わせている。そんな、
うつむき加減な彼女の顎にそっと触れる左手。「…?…」びっくりした表情を向けた先には、
藍華の柔和な顔がある。そのまま二人の唇接近し、深い口付けに至るもまさに自然な
成り行きというものか。「う…うう…んん…ん…」とろける程に絡み合う舌。恍惚のうちに
閉じられた目。いつ終えるとも知れぬ時の連なり、数分が数時間にも思える熱い接吻では
あろうがしかし、ここにも無情の終焉は訪れるものである。とろり。吊り橋さながら粘りつく
銀糸のアーチを描き、一旦の解除を止む無く受け入れる二人。胸の鼓動高鳴ったまま、
しばらくじっと見詰め合えば司令が僅かに微笑み、これで4度目よね、とつぶやく。
民間企業を装って副官と共にKKコーポレーションを訪れたのが1回目。白銀基地で藍華の
ショック銃を腹部に押し当てられていた刹那が2回目。犬吠島基地の崖から見おろしていた
時が3回目。こうしてお互い、まじまじと見据える瞬間を今更ながらに振り返る。それでも、
司令の顔に僅かな元気が戻りきたことを確認し、藍華もにっこり。「いいのよ、5度目6度目
があったって。私を倒すことに執念を燃やしてるんなら、これで最後じゃないんでしょう?」
「そうね…今度こそはあなたを倒す時に、ゆっくり余裕で見つめていたいわ。気絶させた
あともたっぷりとね…」(ココまでデス〜^^;)

114超初心者:2003/08/03(日) 10:33
(5)
好敵手という言葉がある。では、この白デルモをもってそう表現するのが相応しいのか…
まだ、藍華にもわからない。この先、互いの間柄がどうなっていくのか、その実さしたる
イメージすらないのである。それでも今、藍華が無言のうちに司令を見る目には、どことなく
暖かい情がこもる。そうね、責任感の強いあなたは、決して私との闘いを投げ出したり
しない。二人水入らずの勝負を挑んで、私を倒したいっていうあなたの気持ちもわかる…
気絶した私をたっぷりと見つめたいですって?はい、はい。もし私が敗れれば、あなたの
お望みのままよ。きっと眠っている私とゆっくり唇を重ねるんでしょう?……
藍華はかつて、リエの操る加速機の強大な遠心力加重で気を失ったことがある。それは当時、
同じ基地内にいた司令も周知の一件。ところが、これは彼女にとって、リエ程の満足を
もたらす展開ではなかったということか。自らの手で藍華を気絶させる。これこそが司令の
達成感につながる唯一の道なのであろう…
わかった、わかった。あなたとは何だかんだ、あったことだし。私だってみすみす倒されは
しない。でも、気のすむまで闘って、どちらかが気絶することになっても…私、あなたの
ことがやっぱり気になるの。おかしなものね…とりとめない思索のループも放っておくと、
きりがない。ここまでで一旦留め置き、司令の持ち込んだ課題の整理に着手する藍華。
「ところで、その武装集団だけど…心当たりは全くないの?ニナ・エスコたちの研究と何か
関係があるとか」「あの部門の研究はどれも優れたものだわ。でも、特別に軍事利用される
ような内容じゃないと思う」「一応聞くけど、もうラグエネルギーで地球規模の大災害を
起こす、なんてことは考えてないわよね?」「ええ、そのことは心配しないで。今私たちは
この地球に根ざした活動をしてる。確かにラグのノウハウを利用しているけれど、もっと
生産的な開発研究を通してでも、ハーゲン様の志は立派に生きると信じているの。ホントに、
地球の未来をこよなく思っていたハーゲン様だったのですもの…」再び感傷の世界に
入りそうな司令を、慌てて現実に引き戻すべく藍華の一言が飛ぶ。「ちょっと、あなたたち、
ひょっとして…ラグ・リアクターを再建したの…!?」「ええ」事も無げに返答する司令。
(ココまでデス〜^^;)

115超初心者:2003/08/04(月) 20:29
(6)
ラグ・リアクターといえば、かつてホーリー・ファックス号内に据えられ、艦の爆発と共に
消滅した筈。天才ハーゲン博士だけが実現を可能とした、人類史上初にして唯一の画期的
ユニットであった。それが、デルモたちの会社によって再建されている。恐らくは、既に
細密な構造やスペックが博士から引き継がれていた為に成し得たものだろうが、それは同時に
受け継いだ側のデルモたち、特にニナ・エスコを筆頭とする研究部門スタッフの優秀さを
示すものでもある。藍華としては今更ながら、彼女たちの科学力に対して舌を巻くところ
だが、ことラグというキーワードになると、どうしても敏感に反応してしまう。デルモたち
との闘いに自分が巻き込まれたそもそもの原因がラグ。当時から某国特務機関が執拗に
追っていたラグ…こうした今までの流れから、藍華が今回の事件と関連づけて考えるのは
至って自然な発想だったのかも知れない。「どうも、その辺に鍵がありそうね…」
「ラグのこと?私たちは軍事利用なんてしていないのよ。どうして狙われるの…?」きょとん
とした顔の司令。漸く元気になってはくれたようだが、ついでに人の良さも復活という
感じか、藍華は如何にも純朴な司令の言葉に内心苦笑を禁じ得ない。あなたたちが
軍事利用しないからといって、周囲が放っておくとは限らないじゃない。これだから、
苦労知らずのお嬢様司令官は…と思いながら、表にでる言葉には一応の気をつかう。
「ハーゲン博士は以前ラグ・エネルギーを使って、強力なビーム銃やラグ砲弾を作ったことが
あったわよね。そして、その存在は某国軍も知ってるんでしょ?ということは、今度
の一件にも連中が一枚絡むってこと、考えられるんじゃないかしら…」いつも思いつきで
話す藍華にしては珍しく当を得たセリフである。が、司令はまだ腑に落ちない様子。
「でも、侵入者たちは社内にあったラグの施設に一切手をつけていないのよ。破壊も略奪も
してないの。それに某国は、とっくにクライアントを経由してラグ・データを受け取って
いる筈でしょう?どうして今ごろになってこんなことする必要があるの?」ここにきて
司令の言にも多少の説得力がある。非軍事仕様のリアクターを盗み出したところで、武器
めいたものは作れない、とも言う。しかし、藍華の返事には何故か不思議な自信があった。
「問題なのはリアクターを作れるあなたたちの能力そのものよ。データだけあっても、
彼らの技術では肝心の兵器が完成出来ない、としたら…?」(ココまでデス〜^^;)

116超初心者:2003/08/06(水) 20:07
(7)
「そ、そんな…」動揺する司令の肩に片手を置き、藍華は顔を少し近づける。再度の接吻では
ない。ここからが大事なところと、やや声を落とし、一言ひとこと含むように語るのである。
「落ち着いて考えてみて。あなたたちのずば抜けた技術力がライバル企業の間で話題に
なるってことは確かにあるでしょう。そうした企業にはつきものの裏の顔として、産業スパイ
もどきの暗躍ぐらいする奴らがいるかも知れない。でも、20人もの大規模集団で、それも
こんなに荒っぽく仕掛けたり10人以上の人間をさらったりするなんて、どう見ても民間の
発想じゃないわ。あなただって、どこかの特殊部隊だと睨んでいるんでしょう?そうなると
残りは軍関係者ということになるわよね。それも、あなたたちの才能を既に目の当たりに
していて、今それをどうしても必要としている連中。となれば、ラグの威力を知っている
某国軍が一番怪しいと思わない…?」一気に言を進める藍華としても、勿論確たる物証は
ない。あくまで消去法に基づく推測を並べたに過ぎないとも言えようが、ただあても無く
途方に暮れるよりはマシである。聞き入る司令もうっすらと希望の光点を見出したのか、
その瞳には輝きが宿り、真っ直ぐ藍華を見つめながらこくりと頷く。
「ええ。探ってみる価値はありそうね…」
ひとたび意見が一致すれば、その後は優秀な女性同士、てきぱきと対応策をたてる二人。
司令は本国軍周辺を、藍華はクライアントの動静を密かに調べ、今回事件との関わりを着々と
あぶりだしていく。すると、程なく一つの焦点が浮かび上がった。それは南海のとある小島。
定期便など全くないこの島へ向け、最近日本から一機の自家用ジェットが飛び立ったという。
時期は丁度事件が起きた直後、しかも機の持ち主は例のクライアント筋、と嫌疑の余地は
充分。その小島近辺では更に、妙な現象が見られるという情報も飛び込んできた。この
地域では本来あり得ないオーロラ状の放電が上空に漂っていた、という噂がたったのである。
それはすぐに消え、現地目撃者の誤認だろう、とあまり問題にもされなかったようだが、
藍華や司令にとってはすぐにピンとくる。きっとラグを持ち込んだのだ。そして、秘密裏に
ラグ兵器の開発をしているに違いない…加えて、その海域に某国軍艦艇が頻繁に航行している
というネタまで仕入れたところで、二人の疑いは限りなく確信に近づく。ニナ・エスコたちは
きっとその島に囚われているんだわ…。

117超初心者:2003/08/06(水) 20:08
(8)
100%ではないにしろ、限りなくクロということになれば、自ずと司令のボルテージも
盛り上がる。ついさっきまで憔悴しきっていた人物とはとても思えない、デルモゲニィの
総力を挙げて人質を奪還するわ、と意気軒昂この上なし。と、そこで口を挟む藍華。
気持ちはわかるけど、ここは私にまかせて、と穏やかに申し出る。
「どうして!?大切な仲間なのよ。今頃なにをされてるかもわからないし、拷問を受けてる
かも知れないわ。私たちが行かなければ…」司令の反応は至極真っ当だが、ここはひとつ
冷静さも必要よ、と藍華は続ける。「警察へ通報するだけで人質の命はないってメッセージを
残しているのよね?危険な連中だわ。あなたたちが大掛かりな作戦行動にでれば、本当に
ニナ・エスコたちを殺すかも知れない。軍の特殊部隊ならやりかねないから」
「じゃあ…じゃあ、どうすればいいのっ…!?」藍華は自分のアイデアを訥々と説明した。
曰く、ハーゲン博士が某国艦隊と一戦交えた後は、デルモたちも某国軍から敵性勢力と
見なされている筈だ。それが今日まで彼女たち身辺の安全が維持されてきたのは、日本という
主権国家に身を置き合法的な会社組織になっていたということと、もう一つ大きな理由。
即ち泳がされていたのではないか、という懸念である。であれば、今回の事件で派手に
巻き返しの動きを見せれば、すぐにも彼らの知るところとなり、最悪証拠隠滅を兼ねて
口封じの挙にでるかも知れない。そう考えれば、まがりなりにもクライアントの信頼を得て
いる自分が単独で相手の懐に飛び込み、人質の身柄を確保するところから入った方がよい、
と言うのである。「でも、首尾よく潜入出来たとして、そこからどうやって脱出するの、
10数人もの仲間を連れて…」と司令。「その時こそ、オルタネート・メタルの出番だわ!
今度は私も積極的に変身する。自由に変形するメタルの壁でニナ・エスコたちを彼らの
銃砲弾から守ってあげられる。もうラグ・ビームにすら耐性が出来ているんだもの、どんな
攻撃を受けても絶対大丈夫よ♪」自信みなぎる藍華を見据え、この人ちょっと調子
良すぎるんじゃないかしら、とは思う。しかし目下のところ他に妥当な手段が思い浮かばない
のも事実。変身した藍華の威力を熟知している司令として、最終的には彼女へ全てを託す
決意固めたのであった。(ココまでデス〜^^;)

118超初心者:2003/08/07(木) 01:00
(9)
そのころ。囚われのニナ・エスコたちは鈍い重低音轟く広大な工場の一角で、巨大な装置に
向き合っていた。窓ひとつなく、そこここに種々の機器やコントロール・パネルがぎっしりと
ひしめく物々しい空間。隅に1箇所だけあるエレベーター・ホールの壁面にB9とあるところ
を見ると、地下相当に深いのであろう。彼女たちの周囲にはいかめしい軍服を着込んだ大勢の
男たち。勇壮な髭をたくわえた佐官クラスが数人、あとは皆、銃を構えた兵卒や尉官クラスが
ずらり並び立つ。何丁もの銃がデルモたちへ突きつけられており、命令一下即火を噴く状況で
あること明らか。厳戒体制にあるここは実に秘密基地以外の何ものでもなく、更に言えば
藍華や司令が目星をつけた、例の怪しい小島の地下に建造された施設そのものなのである。
あの襲撃と誘拐はやはり某国軍特殊部隊の仕業だった。クライアントの内偵によってラグ・
リアクター再建を察知した某国軍があの夜ターゲットとしたもの…それは、まさしく藍華の
読みどおり、ニナ・エスコたちの頭脳。ラグ・データは入手していたものの、その兵器開発に
必要なプロセスがどうしてもクリアできず、あの暴挙に至ったという流れもそのまんまで
ある。とはいえ、彼らも多少は巧妙だった。事件が表面化しないように、日本での殺人行為
だけはしない、と決めているように見える。仮に一企業であるデルモ・コーポレーションで
大量殺人など起こせば大事件として取り上げられ、万が一にも捜査当局に足がついたり、
或いは逆上したデルモゲニイ組織が捨て身の復讐に転じるかも知れぬと計算しているからで
あろう。それでも、社内に居合わせた全員ひとり残らず気絶させることで、デルモたちに
恐怖心を植え付け、その後の彼女たちの動きを封じる効果充分ありと踏んでいたのは
間違いない。要するに今は殺さない、ラグ兵器の開発が成就するまでは、というところで
ある。ここに連れてこられたデルモたちも、そのあたり薄々感じ取っているのか皆一様に
顔面蒼白、まだ足の震えが止まらない者も何名かいる。(ココまでデス〜^^;)

119超初心者:2003/08/07(木) 13:53
(10)
「状況はどうかね、ニナ・エスコ君…」機器に向かう白デルモへ軍幹部と思しき男が声を
かける。恰幅よく、立派な髭を誇る男。有り余る権威と自信からか、余裕しゃくしゃくの
物言いである。デルモたちがこの基地へ到着して1週間。見下したような男の言葉を
震える肩ごしに聞くニナ・エスコは懸命に堪えていた。ここに連れ込まれた当初、武器開発の
命令を当然の如く拒否したデルモたち。そこから彼女たちの苦難は始まる。といって、軍の
側もどこかのC級映画よろしく、悪逆非道を絵にかいたようなステレオタイプではない。
緩急取り混ぜ、一応説得めいたアプローチも行っている。使いようによっては、ラグは核を
上回る破壊力を持つだろう。今、世界中に核が拡散している中、今度の兵器が完成すれば、
最終的な抑止力を発揮することになる。ひいては地球の平和に役立つものなのだ、と。
それでも、聡明なニナ・エスコにとっては言い訳にも値しない。手前勝手な理屈でしょ、と
忽ちに論破されれば、軍としてお定まりの「力の行使」という代物にエスカレートする。
3日目のことだった。「どうしても協力してもらえないんじゃ、仕方がない。こんなことは
したくないんだが…」大佐と呼ばれていたその幹部は傍らの兵卒たちに向け、顎をしゃくる。
銃を突きつけられたまま別室へと移されるデルモたち全員が見たものは…ハーゲン艦以来の
お仕置きルーム!壁にはX字型の磔枠、部屋の中央に跳び箱風の木馬、その他、鞭や板切れ等
が所狭しと並び、哀れな女たちを待ち受けているのだった。ネーナの仕置きには慣れっこ
だった黒デルモたちも、いかつい男たちに囲まれた今回はさすがに縮み上がる。いわんや、
お仕置き経験のないニナ・エスコはもう心臓が飛び出るほどの恐怖に襲われていた。しかし
特殊部隊の兵士たちは無表情のまま、ひとりのデルモを選び出す。まさに典型的な見せしめの
手法、いま悲運の女は…黒デルモ”えり”。「いやああぁぁぁっ!」泣き叫んだところで
屈強な男たちに左右がっしりと掴まれれば抵抗らしい抵抗も出来ず、そのまま壁面の拘束枠に
連れていかれ、四肢目いっぱい広げた姿に固定される。と、そこで彼らが持ち出すのは藍華も
用いていた電撃棒。それを何と、女性の股間、純白パンティに覆われた深遠の花園に押し当て
ようとしているのである。「や、やめてえええぇぇっ!!!」(ココまでデス〜^^;)

120超初心者:2003/08/08(金) 11:52
(11)
黒デルモ”えり”。彼女は生来おとなしい女性だった。デルモゲニィに加わるまでは、学校でも
全然目立たないコだったと言われている。大災害で多くの会社が水没し、一家が失業苦に
あえいでいたあの時、バイト感覚でデルモを志望したクラスメート”みさき”の軽い誘いに
乗った彼女。親友ではあるが、何かとソツない”みさき”に比べ、不器用な”えり”はそれからの
順応に人知れず苦労することが多かった。格闘訓練に疲れ、ひとり、部屋の片隅で膝を組んで
涙すこともしばしば。そんな時は決まって、以前から大事にしていた一冊の本を開く。
F・バーネットの名作、小公女。両親からは充分な愛を受け心身とも健やかに成長した
彼女が、デルモゲニィの理念に共鳴しつつもある種の葛藤に悩むひと時である。
そんな彼女だから、多少格闘術を学んだところで心の内にある真面目さ、優しさは決して
失われることがなかった。組織の頂点に立つハーゲン博士は、例の調子のカリスマぶりだが、
意外にデルモ各人へ干渉することがない。一人ひとり皆、高貴な処女を保ったまま不思議な
共同生活に入り、今日に至っているデルモたち。そんな中、他の仲間たち同様”えり”の
実戦経験はここまでほろ苦いの一言に尽きる。あの地下駐車場では自らの気持ちを
奮い立たせて藍華へ向かったが、早々に廻し蹴りの一撃を食らって気絶した。しばらくして
目覚めれば待っていたのはネーナのお仕置き。壁に磔にされ、鞭打たれ、苦痛と快楽ないまぜ
なまま再び気を失う。その後、ペロロンカ・ホテルでは厨房での闘いで藍華の両足キックを
腹部に受け、これまた気絶。何度も何度も自分の不甲斐なさを嘆いた”えり”である。だが
同時に、心のどこかでこうも思っていた。どんなに非力でも一生懸命頑張る。その結果、
闘いに負けてもそれは仕方ない、と。彼女なりに全力で臨んだ闘いに、藍華の方も容赦ない
技で返していることにはなるが、”えり”の受け止め方はここでややニュアンスが異なるもの。
中々説明しづらい感覚だが、どうも当て落とされる瞬間、藍華の愛を感じているらしい。
もしその事を藍華当人に伝えれば、鼻高々でこう言うだろう、今ごろ気がついた?私だって
あなたたちの事を気遣いながら気絶してもらってるのよ、と。藍華やネーナとの間では
そんな、ほろ苦くも微かな甘さが記憶に残っていた。しかし、只今は全く状況が違う。
眼前の男たちの無機質な表情を見るにつけ、今までの自分がどんなに恵まれていたか、
この瞬間つくづく思う。手段を厭わない、どこまでも冷徹で非情な責めの前奏曲。もう私
このまま死んでしまうの?…私…わたし…まだ死にたくない…!
激しく首を振って大粒の涙を飛び散らかす黒デルモ。年若い彼女の脳裏に死の覚悟を
刻み込むとは、拷問の常といえども、あまりに酷い仕打ちと言えるだろう。(ココまでデス

121超初心者:2003/08/08(金) 18:09
(12)
”えり”に張り付いた兵士は、まずスイッチオフのまま電撃棒を、ゆっくりパンティに添える。
「や、やああぁぁッ!」泣き喚く黒デルモに構わず、そのままぐいと押し付ける男。柔らかな
秘肉を覆う真白の布地が圧力に負けて大きく陥没し、無礼極まる異物に渋々の道をあける。
そこのけとばかり侵入してくる棒のあおりで、周辺の双璧は左右に大きく拡げられ、梨界の
辺境に端座する聖なる蕾までが思わぬ刺激に福与かな膨らみを見せていること、布ごしにも
手に取るようにわかる。「あ、はああぁ…」極大の恐怖。にも拘わらず快感の炎が下半身に
着火する矛盾と屈辱。パンティの溝にずっぽり埋まる棒の先端、兵士がもう一押しすれば
彼女の処女は失われ、その証しとなる鮮血が滲むところである。が、一転。黒デルモの
局部から棒を離す。束の間の平穏にほっと一息つく女の目にはしかし、スイッチを押す兵士の
指が否応無く飛び込んでいた。「バチバチッ」「きゃああああぁッ!…」もう駄目、とばかり
あげた絶望の悲鳴だったが、次の瞬間「?」それは彼女の身体から1メートルも離れたところ
でのスパーク、これでは直接の被害など全くない、ゼロである。どういうことか不審がる
間もなく、相変わらず無表情な男はただ事務的に告げるのみ。
「今のが最小電圧だ。これをそこでやればどうなるか、わかるな?」ベタな脅しだが
黒デルモの背筋を凍りつかせるには充分過ぎるほど。「やめ…て…お、お願い…」
もう涙も枯れようとする”えり”。それこそ泣く子も黙る特殊部隊の兵士に対して、このような
哀願が効果ないことも重々わかっている。それでも今は…この言葉にすがるしかない。実際
男の言うように、あの電圧をか弱な秘所に受ければどうなるか。確かに命失うまでには
至らないだろう。けれど逆に、一時的な失禁というレベルで済むだろうか。女性にとって最も
デリケート、最も大切な部位である。赤子を授かり、そして産み落とす神聖の門。それが、
果たして無事に保たれるものなのか。この衝撃が原因で不妊症になってしまったら…!?
「い、いやっ…いや…いやあっ!!」”えり”は必死で首を振っている。(ココまでデス^^;)

122超初心者:2003/08/09(土) 08:54
(13)
絶望の悲鳴をあげている彼女を他のデルモたち、とりわけニナ・エスコが平然と見据えて
いられるわけがない。やめて、やめさせて!と傍らの大佐に訴える。当然わざとであろう、
聞こえぬふりをする男に、涙目のまま何度も繰り返す白デルモ。すると大佐は、おもむろに
顔を向け、悠然と返すのである。「それは君次第だよ。だが、部下のひとりくらいで、
そんなにムキになるかねえ」嘲け笑うような男の言葉に、内心は怒髪天をつくニナ・エスコ。
それでも、ぎりぎりのところで感情を押し殺し、控えめな口調で願い出る。「私たちはもう
平和に暮らしているのです。だから、彼女をこれ以上責めないでください。お願いします…」
フフン、と鼻をならす大佐の口からは、ここで少し長めのセリフが付け加わる。
「今は平和に暮らしている、か。結構なご挨拶だが、じゃあかつての海戦で我が軍の艦船を
破壊し千名以上にのぼる将兵の命を奪ったことはどうなのかな?忘れたとは言わせないぞ。
それを考えれば、今の君たちに、とやかく注文を出す自由も権利もない筈だがね」
「そのことは…不幸なことだったと思います。でも、先に砲撃してきたのは…」
「そっち、といいたいのか。成る程、ひとたび戦争行為になればそれなりの条約規定が
あるからねえ。国際法上では、君たちを一方的に断罪する訳にもいかんだろう。だが…
生憎ここは法廷ではない。君が協力するかしないか、それであの女の命運が決まるだけ
なのだよ…」表向き穏やかな二人の会話を、他の黒デルモたちは、ひたすら固唾を呑んで
見つめている。彼女たちも絶対の苦境に立たされている友を救いたい気持ちはやまやま、
しかし、銘々に冷たい銃口が突きつけられている現状では身動きすることもかなわない。
一方、この部屋にいる数十人の兵士たちがすべからく戦闘マシーンのような鉄面皮で
占められているかといえば、必ずしもそう言い切れないあたりが人間らしいところ。
ひとり、部屋の隅に不動の直立をする若い兵士は、緊張の面持ちながらその眼差しに逆巻く
ような葛藤を抱えていた。基地へ連行されてきてからこの三日間、工場設備の前に
引き出される以外は一人ひとり独房に収容されていたデルモたち。兵士が一人ずつ個々の独房
を警備監視する役回りを与えられ、その中で彼は”えり”の房を受け持っていたという訳で
ある。最初のうちは警戒怠らなかった彼も、二言三言ことばを交わすうち彼女の人と生りが
少しずつ見えてくる。情が移ると言ってしまえばそれまでだろう、が、彼の目に映る”えり”は
決して凶悪な罪人ではない、あくまで普通の、どこにでもいる若い女性そのもの。彼女が
徒党を組んで犯罪行為に走るとはどう考えてもイメージ出来ないのである。
むしろ大人しく気心の優しい女の子ではないか、このコが果たしてあの砲撃戦に加わって
いたのか?どうにもこうにも信じられないし、彼の思惑を置いて、実際の事実関係から
みても彼女はシロ。ニナ・エスコが言うように、最初口火を切ったのは某国軍の方で
あったし、あの時ラグ・シールドが為されていなければ逆に彼女たち全員が海の藻屑と消えて
いただろう。また、応射した責任は当然、命令したハーゲン博士が負うべきものである。
つまり、あの一件でデルモたちに軽微な罪はあっても、苛酷な拷問をもって償うほどの重大性
はない。そのあたりが、直感とはいえ彼の心臓を締め付ける。”えり”…許してくれ…。

123超初心者:2003/08/09(土) 08:55
(14)
大佐とニナ・エスコの会話は続いている。「…ラグ照射の件は私たちの思い上がりでした。
そのことで裁きを受けるというなら、どこへでも出向きます。でも、それはこんな形で
あなたたちに協力することじゃありません。そもそもハーゲン様は、ラグを核以上の
最終兵器に仕立て上げ互いに殺し合い、地球を破壊する人間たちへの反感から、あの計画を
立案されたのです。今あなたたちがやろうとしていることは、あの時の私たちと同じでは
ありませんか…」聞き入る素振りの大佐は相変わらずの余裕だが、心の内ではこの娘、中々
頭が切れるわい、と小憎らしい思い。確かにこの女の言うとおり、軍として暴走する力の専横
は随所に見られると自認する。ラグの独占入手を図ったのは、勿論世界の中での軍事的優位を
狙う為。抑止力などと言ってはみたものの、大災害によるダメージで各国の利害がますます
激突する今日ではそんなもの飾り程度でしかない。正義など勝てば官軍の世界、要は
軍事的勝利だけが確かな正義なのだ、と。また当初、軍内部で開発メンバーの中心に
据えていたハーゲン博士を実は最初から信用せず、藍華にとってのクライアント、即ち別系統
の特務機関にラグ探索を命ずる二股膏薬からは、モラルなどまるで無視、目的の為には一切
手段を問わない軍の非情な体質が浮かび上がる。ハーゲン艦に送り込んだメイピアのことも
そう。いざとなったら簡単に切り捨てる冷酷さもあの時本国司令部にいた大佐の良く知る
ところである。クライアントがガストたちに、藍華やりおん共々宇宙戦艦を破壊をする旨
言い放ったのも、そうした軍の姿勢を如実に表わしているものといえよう。
ふ…この小娘の言うとおりだ…だが、それがどうしたというのだ。不敵な笑みを浮かべる
大佐が漸くに沈黙を破る。
「さてと、君との議論もここまでだ。そろそろ時間だよ。返事はどうなのかね…?」
言いながら、大佐は”えり”の側にいる兵士の方へ顔を向ける。「私が三つ数えたら、やれ」
「はっ。大佐殿」再び電撃棒を近づけようとする仕草に”えり”は半狂乱。どうして、どうして
なのッ…こんな…これは…ゆ、夢だわああっ!!錯綜する疑問。現実逃避の幻想夢想。今や
彼女の肉体だけが、ありのままを物理的に受け入れる刹那である。
「えりっっ!」「えりィィィ!!」秒読みの中で口々に声を振り絞る黒デルモたちは”えり”の
方へ足踏み出そうとするが、ピタリ胸元に押し当てられた銃口に妨げられ、無念の棒立ち。
やめてください!を必死に繰り返すニナ・エスコの訴えを見て、自分も白銀基地の階段で
同じ言葉を口にした記憶がある、と気付くような余裕は、今の黒デルモにもさらさらない。

124超初心者:2003/08/09(土) 19:13
(15)
そのニナ・エスコも、やめてください、の次に「やるなら私を責めて」と言い切れないのが
今一迫力不足。正直なところ、こんな修羅場に慣れていない彼女としては、恐怖に
押し潰されまいと堪えるのがやっとということか。”えり”の身代わりを自ら申し出る勇気は
残念ながら持ち合わせていなかった。勿論頭の中では、大切な仲間を救おうという気持ちに
偽りなく、自分が進んで身を投げ出そうとも思う。が、身体が、足が、口が…言うことを
きかない。こんな自分が、本当にもどかしい。情けない。無為な涙だけがぼろぼろと頬を
伝う…大丈夫よ、”えり”。彼らは命まで取らないし、きっと大きな怪我も負わせはしないわ。
だってそうでしょう?あなたも同じ研究開発チームの一員なんですもの。あなたにもしもの
事があったら連中だって困る筈じゃない…胸の奥で唱えながら、じゃあ何故自分が前へ
進み出ない、と責める内奥の声があがる。そんな言い訳でごまかすのか、その楽観に何の
保証がある。そうやって自分を無理やり納得させようとしたところで、見殺しにしている
お前の姿は醜悪以外の何ものでもない…と。そんな白デルモの極まる苦悩などまるで
お構いなく、秒読みは最終段階へ。「さあーーーーー……」伸ばす音が「ん」まで来た
ところで、黒デルモのパンティにあてられている電撃棒のスイッチが入るのは間違いない。
「いやああああああぁぁぁぁぁ……」声枯れるまで止め処なく続く”えり”の悲鳴。
見守るデルモたち全員、そして部屋の片隅に立つあの若い兵士までが張り裂けるような思いの
まま、この理不尽に引きずり込まれようとしていた。秒は既に切っていたコンマのかけらで
ある。と、限界の際まさにぎりぎりの瞬間。「わかりましたッ。協力します!」早口に、
しかしはっきりと大きな声量で放たれるニナ・エスコの返事。大佐は間髪おかず片手を挙げ
彼を凝視していた実行役の兵士も即座にスイッチから指を離す。黒デルモにとって最悪の
危機は回避されたようにも見える。が、彼女は既に放心状態だった。何度も突きつけられる
電撃棒の暴虐に、神経が参ってしまったのである。ぽた、ぽた、ぽたっ…股間を覆うパンティ
からしみ出す生暖かい液体が、真下の床へ規則正しい水滴となって落下する。
涎も流れ出す半開きの口に虚ろな目。いや、彼女の尊厳の為に付け加えれば、決して精神に
異常をきたしたわけではない。ただ、この時点では自らの代謝を律する気構えが一時的にせよ
削がれたということ。乙女として恥ずかしく思う心も暫時棚上げである。(ココまでデス^^)

125超初心者:2003/08/10(日) 11:26
(16)
究極の選択に、断腸の思いで服従の意を表わしたニナ・エスコ。白デルモは、全身の力が
抜け、へなへなと床へへたり込む。見下ろす格好の大佐は、勝ち誇った顔で自慢の髭を
なぞるのである。「やっとわかってくれたようだね。私も一応フェミニストなんだ。あんな
無粋な道具、使わずに済めばそれに越したことはない。だがね…」「まだ何かあるの?いう
こと聞いたじゃない!?」下からキッと見据える白デルモに対して、大佐の方は含み笑い。
「最初から快諾してくれれば、こんな手の込んだ事はしなくてもよかったのだよ。貴重な時間
と労力を消費したんだ、その利息分くらい、あのコにも払えるだろう…」何をするの!という
ニナ・エスコの叫びと大佐の合図が同時だった。−−ドスッ「うッ…!」”えり”の腹部に沈む
兵士の拳。電撃棒を持っていない左腕をストレートに突き込んでいる。短い呻きと共に女は
一瞬虚空を仰ぎ、そのままがっくりと頭を垂れる。そこからはぴくりとも動かなくなった
状況から、兵士の当て身が彼女を深い気絶へ突き落とすに充分な一撃であったことがわかる。
慄然とした表情のまま凍りつくデルモたちに向け、あくまで淡々とした物言いの大佐。
「さあ、これでショーは終わりだ。あの女だけは少し休んでもらうとして、残りの君たちは
早速開発に携わってもらう。一緒に来たまえ」有無をいわさず装置のある部屋へデルモたちを
引っ張っていく兵士将校の一団が去ったあと、お仕置きの部屋には磔枠に固定されたままの
黒デルモとあの若い兵士ひとりが残された。担当の見張りとして、この女を独房へ連れていく
よう命じられたためである。しかし、それは彼にとって願ってもないこと。自分でも整理の
つかない、何か込み上げるような気持ちを”えり”に対して抱いていた彼は、まるで壊れやすい
ガラス細工でも扱うような慎重さで彼女を拘束枠から外すと、力を失った女の全身を包み込む
ように抱きしめる。更にお姫様だっこの格好で独房まで運び、優しくベッドに横たえた後は
至近に同僚がいないのを幸い、そっと彼女の頬に手を添えるのである。透き通った白い肌。
どこか幼さを残す顔立ちながら、立派に成長した体型とのアンバランス。眩しすぎる純白
パンティのふっくらした隆起からは健康的な女性のエロスが尽きることなく放出されている。
無論この時点で兵士の下半身は固まっていた。がしかし。彼の理性はこう告げる。
デルモゲニィは女だけの組織だと聞く。何日か、この女と話した中でも確かにハーゲン以外の
男の存在は感じられなかった。いや、そのハーゲンとも交わったことなどない、と彼女は
はっきり言っている。そう、”えり”は処女なのだ。男のひとりも知らず、女としてもすこぶる
非力なまま…それでも懸命に彼女たちの世界を生き抜こうとしている。そんな健気さを
目の当たりにして、それでも尚、己の肉欲に供することを強いるのか…答えはすぐに出る。
何も、怒張した自分を恥に思うことはない。この娘は充分魅力的だ。いつか、こんな任務や
経緯でなければ、心の底から愛し合える機会があるかも知れぬではないか。その時こそ晴れて
互いの全てを投げ出し、睦みとろけ合う楽園に身を置くことができる筈である。
今は「その」時でない…これが答え。これでいい。彼は窮屈な下半身を抱えながら上体
ゆっくり折り曲げると、静かに唇を重ねる。しどけなく、而して汚れひとつなく眠れる
美女との、この口づけが永遠の時にも思えるほどに…。(ココまでデス^^;)

126超初心者:2003/08/10(日) 17:50
(17)
ブウゥーン…重苦しい機械音が、足元から伝わってくる。機器をチェックしている背中ごしに
大佐から作業進捗を問う声が投げつけられ、いま静かに返事をするニナ・エスコである。
「ラグの応用技術はそんな簡単に開発できるものではないんです。あなたたちの目的に
沿うよう、ちゃんとやっていますから…」無用な会話をする暇などないとばかり、他の
仲間たちと一緒に黙々と仕事をこなす白デルモ。しかし、彼女は4日前のあのことを片時も
忘れたことがない。可哀想な”えり”。どんなに苦しかったろう。どんなに悔しかったろう、
そして、どんなに恥ずかしかったろう…
結果として彼女は無事にみんなと合流できた。当て身の痣がしばらく残りはしたが、他は
どこといって怪我をしたわけでもない。けれども、あの苛酷な責めの記憶はそう容易く拭える
ものではない筈だ。”えり”…遠くで別の作業に取り組んでいる彼女の後姿を見やりながら、
必ずここから脱出してみせる、必ずみんなを助け出すのだ、とますますの意を固めるので
ある。しかし大勢の兵士たちに24時間体制で監視されている現状では、正面突破など全く
無理。そこで利発なニナ・エスコは、先ず冷静に周囲を分析することから始める。その上で
彼女が第一に手をつけたのは、目立たない程度のサボタージュ。これで少しずつ時間を稼ぎ、
脱出のチャンスを窺う。用済みになれば消されるかも知れないとの懸念があれば、尚更必要な
ステップである。次に目をつけたのは通信システム。ラグ・ユニット作業の一環と称して
何らかのデータ授受が必要と訴え、そのどさくさに紛れてこの装置の存在と自分たちが
捕らわれていることを送信する。高度な暗号であれば万一基地の人間に傍受されても解読に
相当の時間がかかるだろう。送り先は…デルモ・コーポレーション。もし自分たちの身に
何かあれば、この事実が会社を通して世界に公表される段取りなのだとする、定番の安全保障
手段である。三つ目は、回路の毀弱化、骨抜きとも言うだろう。こんな兵器が完成した暁には
間違いなく多くの人命が失われる。せめて量産できないよう、製造ユニットの心臓部回路は
すぐにダウンするような微細な仕掛けを施すというものである。が、サボタージュはともかく
後者二つの工作は決して順調に進むものではない。結論から言えば、通信システムの件は
失敗に終わった。厳しい監視の目もさることながら、システムそのものに強力なセキュリティ
がかかっていたからである。こうなれば、武器の完成までおとなしくしているしかないのか…
暗澹たる思いに傾きかけていた白デルモの鼻先に、大佐のむさ苦しい顔がにじり寄る。
「今日はひとついいニュースがある。今、日本の支部から連絡があってね。ひとり、美しい
レディが明日こちらに来るそうだ」「…レディ…?」怪訝な顔をする女に、もって回った
表現で翻弄を楽しもうとする男。「そう、君たちの良く知っている女性だ。名は…すめらぎ…
えーと、下は何だったかな…」「ま、まさか皇藍華っ…!?」「そう、それだよ。君たちを
完膚なきまでに打ちのめした女だ。さぞ懐かしいだろう?わはははッ!」

127超初心者:2003/08/12(火) 18:59
(18)
大佐の高笑いをよそに、ニナ・エスコの脳裏はぐるぐると回り始める。皇藍華…あの因縁の
宿敵。白銀基地で容赦ないエルボーを自分の腹に叩き込んだ憎っくき女。ではありながら、
司令が涙をのんで引き下がった犬吠島の闘い以降は、彼女も司令の命に従い、藍華との
関わりを一貫して避けてきた。ところが車で2時間の距離にあるKKコーポレーションと
デルモ・コーポレーションである、物理的には不測の遭遇も考えられないものではない。
実際、とあるショッピングセンターで見かけた経験のあるニナ・エスコ。遠くの商品棚で
和風かつおだし調味料の品定めをしている藍華の姿が目に入ったとき、彼女は咄嗟に
山積みされていた特売コーナーの陰に身を隠した。お蔭で店員から怪しまれ、買う気も
なかったコシヒカリ5kgパックを購入するはめになった白デルモは、帰路重い買い物袋に
四苦八苦しながら一層の屈辱にまみれたものである。その藍華が一体なぜ、どうして
ここまでやって来るというのだ!?ありありと浮かぶ疑問の相に大佐もすぐ気がついたと
見える、愉快でならないといった調子で饒舌に走るのである。「不思議そうだねえ。いや、
実は私も驚いているのだよ。彼女は以前、ラグ・データ入手の件で我々の為に働いてもらった
繋がりがあるから、知らない訳ではないのだがね。今回の訪問はひょんなことから実現した
ようだ…」ぶすっとしたままの白デルモなど気にもかけず、上機嫌の言葉が並びゆく。
「なんでも彼女の方から我が日本支部へ、新たな仕事を求めてアプローチがあったらしい。
前回の仕事では結構な報酬を手にしているからな、ラグ絡みの仕事は金になると
踏んだのだろう。こっちもこの施設にはもっと多くのラグを必要としているところだから、
優秀な特A級サルベイジャーの腕は大いに借りたい、いわば渡りに舟、というわけだ。
そこで先ずは、こちらの状況をミス藍華に見てもらおう、ということになったのだよ」
何の仕事かよく調べもしないで安請け合いするなんて、藍華って女は!それが自分たちを
救出するための方便だなどとは露知らず、節操の無さに呆れ果てるニナ・エスコ。
思わず質問の一言を差し挟む。「私たちがここに囚われていること、あの女は
知ってるのッ!?」

128超初心者:2003/08/12(火) 20:23
(19)
ここで、ますます上気する大佐。「わっはっは!囚われ、とは随分だな。はっきり協力すると
言ったんじゃなかったのかね?だが、まあいい。一応ミス藍華にはここに到着するまで
君たちのことを秘密にしておこうと思ったんだが、支部の連中がつい口をすべらして
しまってね。そうしたら彼女なんて言ったと思う!?」ニヤついている男が用意している
言葉が何なのか、おおよその想像はつく。ここではそんなこと尋ねる気にもならない不遇な
女の神経を、好んで逆撫でする大佐である。
「いい気味だ、もっともっとお仕置きを受けさせればよい、だと!頼もしいじゃないか、え?
なんなら私がお仕置きの手伝いでもしましょうか、とまで言ってくれている。君たちも
久しぶりにミス藍華の責めを受けてみてはどうかな?私も今から楽しみだ」…聞きながら
際限なく落ち込む白デルモ。これでは脱出など到底覚束ない。やはり悪いことは重なるもの
なのか、と思いつめるうち、ズキン、と腹部に鈍痛が走る。藍華の強烈な一撃によって苦しい
気絶に追いやられたあの時のことがまざまざと思い起こされ、精神的なストレスとなって
神経を刺激するのである。あの女は犬吠島での勝利に飽きたらず、まだ我々を苛むつもり
なのか。何度も何度も気絶させ、我々デルモの身体を蹂躙し尽くそうというのか…。
ここから先は大佐とどんな会話を交わしたか、まるで記憶がないニナ・エスコ。聡明な彼女
らしからぬ、というのはこの場合酷だろう、失意のあまり茫とした意識を引き摺りながら
ただ立ち尽くしていたに過ぎなかったのだから。
…それでも時間はどんどん進む。どんな一日でも長さはぴたり同じ、明日という日は確実に
訪れるものである。仲間の黒デルモたちにこの事を内緒にしていたニナ・エスコは、ひとり
独房の中でまんじりともせずに一夜をあかす。それはそうだろう、藍華がやってくる、それも
軍への協力者として、などと仲間たちへ言えるわけがない。今まで一縷の希望にすがり懸命に
支えあってきた者たちを絶望のどん底に突き落とすようなものである。次の日、再び
ラグ・ユニットの前に立った白デルモは睡眠不足など吹き飛ばす凛とした姿勢で、くだんの
女を待ち構えていた。せめて誇り高いデルモゲニィらしく、毅然とした態度で対峙しようと
悲壮な意を固めていたからである。(ココまでデス^^;)

129超初心者:2003/08/13(水) 23:37
(20)
四六時中こうこうとした照明が灯る地下施設。つい時間の感覚もなくなりそうだが、パネルの
ところどころにあるデジタル表示によって精度だけはやたら細かい現在時刻を知るところと
なる。いま午後2時11分38秒64。遂に来てしまうその時。あながち傲慢とは
言い切れないが、充分に慇懃無礼な大佐の声が響きわたる。
「諸君、今日は素晴らしいお客様をお迎えする。といっても君たちがよく知る人物だから
感動の再会、と言った方がよいかな…?紹介しよう、皇藍華さんだ!」
紹介を受けて男の広い肩幅の後ろから姿を現した女、見慣れた真紅のスーツに颯爽と身を
包んだ女…それは今更見紛う筈がない、デルモたちにとって決して忘れようもない皇藍華
その人である。大勢の兵士たちに銃を向けられ、整列させられているデルモたちをゆっくり
見渡し、おもむろに口を開く藍華。「お久しぶりね、あなたたち…」賓客扱いで悠然と現れた
宿敵に、デルモたち皆一様、刺すような視線を投げる。それでも冷静に観察すれば、藍華が
厭味な素振りでなく、その眼差しにも大佐たちに気づかれぬ程の密かな温かみを忍ばせていた
ことが伝わるのだろうが、苦境にあったデルモたちにはそんな微妙なニュアンスまで理解する
余裕など全くない。そんな中ひとりのデルモが一歩前へ進み出る。寝不足で充血している目を
かっと見開きながら決然と気丈な一言を放つニナ・エスコである。「こんなところまで、
一体なんの用なの!?」挑むような白デルモに対し、あっさりかわす藍華流。
「あら、仕事よ♪」この返事に、じっと堪えてきたニナ・エスコの血は一気に逆巻いた。
「仕事ですって!?ここで何が行われてるか分かってるの?核以上に最悪な殺人兵器が
作られているのよ!お前は、ハーゲン様のご計画をぶち壊しておきながら、こっちの企みには
手を貸すというの!?」最早ありきたりの言葉だけでは収まらないのか、いよいよ自分の
激情を抑えられなくなったのか…それは余りに突然のことだった。脱兎の如く藍華の前へ
駆け寄ると、その胸倉をぐいとつかむ白デルモ。兵士が制止する間もないまさに一瞬である。
「皇藍華!お前は私たちを散々に苦しめた。ここにいる仲間たちは皆、お前に手ひどく
痛めつけられ一度ならず気絶させられた者ばかりだわ。私も…あの時、お前の肘うちで
どれだけ苦しい思いをしたことか。戦意を失った者相手でも容赦なく当て落とし気絶させる
なんて、なんてひどい女かしらと思った。でも今はそんなことどうでもいいくらいに感じる。
今のお前は…サイッテーの最低よっ!!」


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