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ネタ・雑談スレ その2

1名無し三等陸士@F世界:2007/11/19(月) 19:44:00 ID:jUh8v8N20
マターリ雑談するスレッドです。



ハイテク兵器VS剣と魔法

戦国自衛隊のノリでいて新たなジャンルを開拓すべし
銃を手に、ファンタジー世界で生き残れ!

・sage推奨。
・書きこむ前にリロードを。
・SS作者は投下前と投下後に開始・終了宣言を。
・SS投下中の発言は控えめ。
・支援は15レスに1回くらい。
・嵐は徹底放置だ。反論は許さん!…スレ住人が。
・以上を守らないものは………スルーされます!…スレ住人に。

169長崎県人:2008/05/04(日) 20:51:51 ID:2MxH4A12O
勢いで書いた、今はry

170長崎県人:2008/05/04(日) 20:53:36 ID:2MxH4A12O
これは、大日本帝國海軍の予算約13兆円に対し、予算は4兆円と、おおよそ三分の一である貧乏?陸軍の物語である!



帝國陸軍での花形とはなんだろう?と言われて、大低の人間はこう答える。帝國陸軍航空隊!そうだろうそうだろう、巨大な規模の海軍航空隊と比較してちんまりで情けない、とか、自身が乗る戦闘機を短足の鶏と馬鹿にされると嘆いているがあれは嘘泣きである。彼等が装備している凱風(海軍の麗風改修機、ストライク麗風?運動性と足に劣る)はいい機体だ、地上支援と空戦をどちらもマッシヴに行えるし、数も700を配備してやがるんだから、贅沢極まりない
では、その次は?これもきっぱり人々は答えるだろう、帝國陸軍戦車隊だと。うんうん、新型主力戦車EXチルノは、艦砲転用の135ミリライフリング主砲で、敵味方区別なく全ての車両を速射で吹き飛ばす事が出来、あたい最強!とご満悦なのだから・・・車載コンピューターがバカなのは変わらないらしいが


では、その次は?ここでようやく人々の意見は別れ始める。砲兵隊?いやいや歩兵隊、災害を受けた人ならば工兵隊、と。しかしみなさん、忘れられてないか?歩兵を空中から支援する、空の砲兵達を、今回は彼等のお話である

171長崎県人:2008/05/04(日) 20:58:58 ID:2MxH4A12O
あーあー、300機程あるルーデル閣下直作のウ゛ォオオオー!!!ね、俺も好きだよ〜とか言わないように!奴らは敵だ!
やれ、おまえらは支援に対空砲火がなく、制空権のある場所しか行けない軟弱者め!だとか、短砲身wwwww弾少なっ!wwwwwww威力低っ!wwwwwwうえっうえっwwwwwとか!会う度会う度半笑いすんな!隊は同じでも、あいつらなんぞと私達を一緒にすんな!うがーっ!!!



はぁはぁ(一気に言ったらしい)



ともかく、空中機動直協科、それが陸軍での分類だった。装備機体は


アグスタA129Jマングスタ


富士重工がライセンス生産するこの機体を、帝國陸軍は300機保有し、予備60機を除いて各20機12中隊がその定数とされている。一中隊はペアによる10個小隊に分けられ、派遣された任地によっては小隊で行動する事がままある。舞台はその一つ、南洋府(樺太県含め一都一道三府四十四県)アンガウル島である


『熱〜』
内南洋で唯一陸軍飛行場があるこの島で、女性パイロットが水着で待機室に居た。人材はほとんど海軍が持って行くし、一応未だ人間男性のみの職場なので、軍に入りたい女性はその全てが陸軍に入っている。故に比率がえらく高いものとなっているのが現状だ

172長崎県人:2008/05/04(日) 21:02:51 ID:2MxH4A12O
かつ、男ならウ゛ォオオオオーッ!だろう。と、直協科でも男はヘリに回ってこない為、必然として戦闘ヘリ隊は女が集まってしまっていた
『露香、またそんな恰好で・・・』
そんな中待機室入って来たのは、彼女の機のガンナーである相棒だった
『ろくに出番があるわけでもなし、いいじゃない』
アンガウル島に駐留しているのは、彼女達の一個小隊だけ、他は都市化が進むグァムやサイパン、ポナペの方に分派されている・・・正直することが無いので
ともかく、アンガウルでの任務は、モルッカ海峡で海賊行為が行われた場合の制圧。そこっ!フィリピン海軍に任せりゃいいじゃん!とかいうな!まぁ、表向きはそうだが、有事の際、フィリピンにいち早く展開し、支援を行うための部隊である
『それは、そうだがな・・・』
『あげく氷見ちゃんの機体は不具合起こして斎君と一緒に本土送り、あたしらは交代もなくずーっとずーっと蒸し暑いこの待機室で待機、休暇なし、外出なし、お酒もなし!南の島でこんなのないわよ!服装ぐらいぐちぐちいうなーっ!』
露香の苛々は収まりそうに無い。もうすぐ代わりの小隊が来てくれるはずなんだが
『大体!なんで待機室にクーラー入れないのよ!ありえないわ!』

173長崎県人:2008/05/04(日) 21:07:02 ID:2MxH4A12O
閃いた!
『待機室のクーラー、おいくーr』


ターン!


『な、なにすんだ!』
実包をぶっ放しやがった!
『智、死ぬか撃たれるか?今すぐ選びなさい!』
『ど、どっちもいやじゃああああっ!』


10分後


『ぜぇ・・・はぁ・・・ぜぇ・・・はぁ』
『余計に暑苦しくなったじゃない!』
なんか、無茶苦茶な事を言われている。つーか
『殺る気満々か!?』
マジで殺されかけた、うん。マジで
『あーあ、海軍の奴らだったら、冷暖房完備でパーフェクトに仕上げるんだろうなぁ・・・ああ、やだやだ、それでいて皮肉たっぷりにこちらのを使いますか?と、見下した哀れんだ目でこっち見んのよ、あー虫ずが走る』
この露香、あらゆる海軍に反逆する!オールハイィイイルグランダァルメ!
『嫌いだねえ、相変わらず海軍が』
まぁいいや、話題変わるなら、と、智は話を合わせた
『やり口が一々嫌らしいのよ!イスラムの人達に友好をうたっときながら』
別に石油を高くするなら構いませんよ?こっちは中東の油がなくとも、海底油田がゴマンとある。買われなくて損をするのはそちらですよ?フフン♪と、タダに近い値段で買い叩いてるし!(各種の地下資源も同様の手法を用いている)

174長崎県人:2008/05/04(日) 21:11:50 ID:2MxH4A12O
『宇宙開発だって、太平洋に落下着水する宇宙船を一枚噛ませないと回収しないとか脅しかけて乗っ取ってるも同じだし』
海軍と別予算でも動かしてるのは海軍首脳部って話だ
『それ、開発者に言わせれば、平和利用とかいって清貧に潰れる寸前で、大きなパトロンを得て、宇宙開発は大きな進歩を得たとk』
『弱みに付け込んで、善人面して支配下に置く!海軍お好みの腐った性根の見本じゃない!』
それは言い過ぎなんじゃないかなぁ・・・
『あいつら絶対、英海軍と裏でつるんで世界を取った気でいるわよ?』
そうそう、だから陰謀論的に・・・


『貴様ぁあああっ!またこな〇をおっぱいにしやがったなぁあああっ!』
『ま、待て!これは海軍の罠だ!』(貧乳はステータスだ(ry会に於いての発言録)


とか使われてる。しかもこれは事実に近い、海軍の規模が拡大し、軍役、貿易ともに太平洋戦争以降手広くやってたせいか、外国人を見すぎたせいで、理想の平均がそれなりに上乗せされたという傾向が発表されている。そういったものを一番如実に反映するのがアニメや漫画である。つまりはそういうことだ


『しかし、その二勢力が手を組んだら、確かにそうなりそうな所がなんとも』

175長崎県人:2008/05/04(日) 21:17:05 ID:2MxH4A12O
なんでもかんでも彼等のせいにするのはどうかと思いますが、と前置きして智は同意した
『そうなのよ!これは由々しき事態なのよ!これに反逆するためにも、陸軍予算を増やし、私達の待機室にクーラーを入れるべきなのよ!』
『えらい所からこっちに降りてきたな』
露香がため息をついた
『あ゛〜・・・とにかく涼しさがほしい〜』
空に上がれたら、少しは涼しくなれるかしら


《警報!警報!フィリピン海軍より通達!戦闘ヘリ搭載の擬装貨物船強行突破、メリダ島方面に逃走しつつあり!》


唐突にスクランブルがかかった
『露香!』
これは一大事だ!
『わかってるわ!ガンは任せるわよ!』
『ああ、俺のスティックは任せたぞ』
飛行服をはおり、機が置かれたエプロンへとまばゆく光る外へ、二人は駆け出した

176長崎県人:2008/05/04(日) 21:34:14 ID:2MxH4A12O
投下終了


現米海軍が予算650億ドル、そして基地空分に現米空軍1000億ドルの半分を逆算してみますた。陸軍はその三分の一としてます。現米軍みたいに全世界展開しないんで、こんぐらいで勘弁しときます


しかし、何につけてもマングスタ!マングスタ!(´Д`)

177名無し三等陸士@F世界:2008/05/05(月) 00:36:08 ID:9K8OlXZY0
>>167
多分、異種族である意味がないからだと思う。
一般にファンタジーでの非人間種族(よく考えるとこれも酷い表現だ)は人権問題のメタファーであって、
例えばユダヤ人をどうたらこうたら奴隷貿易がどうたらこうたらと書きたいけど書けない場合に使われた苦肉の策だ。
オーガやゴブリンは農民都市民から見た傭兵や遊牧民のイメージそのものだし、ドワーフは技術民の狭量さがモチーフだし、
エルフはユートピア思想のイタい妄想転じて宗教対立や魔女狩りの主役になりやすい、と。
魔族とかモンスターとかは一番わかりやすい。そりゃ爽快さを求めるなら同じ人間です殺人です大量虐殺ですとは言えない。

なので、人間が同じ人間を酸鼻を極める方法で大量に殺すのがデフォの仮想戦記ではギミックとしてあまり機能しない。
幕僚の中に耳の長い美形とか髭もじゃのちびが混ざっている事に物語上の意味があるかといえば、まぁ大抵はない。

自我を持つ数千万体のアンデッドが築き上げた帝国で日夜汗水血液脳漿内臓垂らして働く市民たちとか、
森の精霊たちが土地を我が物顔で荒らし回っていた『耳長猿(エルフとも言う)』を根絶させ、一部を家畜として植林に使っているとか、
あるいはもっと身近な例としてどこぞの竜神様くらいまで徹底的に異質な設定を作れば話は別だが、
いわゆるライトファンタジーのテンプレでしかファンタジーを知らない場合には無意味だと思う。

178長崎県人:2008/05/08(木) 23:16:18 ID:2MxH4A12O
ネタ投下〜

179長崎県人:2008/05/08(木) 23:17:22 ID:2MxH4A12O
20XX年・ロンドン


大英帝国の情報機関であるMIの本部ビルは、昨日からかなりの混乱に陥っていた
『詳しく聞かせてもらおうか。何故日本がいきなり機動部隊を全力で南下させて来たか、を。女王陛下に報告しなければならんからな』
職員を前に、Mと呼称される彼等の長はそういった
『直接の原因は、大英帝国博物館です』
諜報員の一人が資料を差し出す
『カンボジアで遺跡の発掘調査が行われたのですが、そこで資料のような石が出てきたのです』
なにやら放射状に溝が刻まれている石が写真に写されている
『大英帝国博物館は、目を輝かせてこの石を持ち去ろうとしました。それを現地に居た教育NGOをツテに帝國海軍が知ったのが事の始まりです』
『何故こんなに大掛かりな動員をする。遺跡とはいえ、たかが石ころ、だぞ?』
Mが訝しげに問うた
『それについては、彼を』
日本担当の人間を指す
『はい、こちらをご覧いただけますか?』
映像装置をカチカチといじる


♪このままずっと行くのね、嘘を積み重ねても♪


『ああすいません、間違えました』
眉の太い女の子と、殴られてばかりのオッサンが映った映像を切る
『現在、日本の国営放送で映されているドラマです』

180長崎県人:2008/05/08(木) 23:19:46 ID:2MxH4A12O
〜宮姫〜


大河ドラマらしい勇壮な音楽があったあと、ドラマが始まる
『このドラマは、文武天皇に嫁いだ、宮子という人物についての脚本からなっています』
彼女は海女の出という説で話を成り立たせている。国営放送なのでか、宮子役はレーウ゛ァテイルがなっていた
『それがどうしたのだ?』
日本担当が息をついた
『日本の皇統に、そういった海女族の血が間違いなく入っていると言っているのです』
海女族の内には、安曇・息長・海部・宗像といった種族が見受けられます。中国の古書、魏志倭人伝にも、〔今倭の水人好みて沈没して魚蛤を捕う〕と海女、いえ、海人と印される人々があり、九州北西部、あるいは南部から海流によって日本本土各地に拡がったとされています。と説明する
『話が見えんのだが』
『では、次はこれを』
次も国営放送の歴史番組だった


〜民族大移動・九州から大和へ〜


『これは、南九州の隼人と言う民族が、当時の都である京都周辺に移動させられたという話です。そして皇室の祭事に参加させられた』
そして今度は、民放の番組だった


〜天孫光臨〜


『南九州、高千穂の地から』
『それぐらいは知っている。最大敵国の建国神話ぐらいはな』

181長崎県人:2008/05/08(木) 23:22:59 ID:2MxH4A12O
Mがもういい、とでも言いたそうに手を振った
『そんな日本での大昔の事が、どうかかわってくるんだ?結論を言いたまえ』
はぁ、と日本担当はため息をついた
『現在いかに否定しようとも、日本は海軍勢力がその権力を握ってます』
ははん、と、今まで蚊帳の外だった諜報員が鼻で笑った
『自分達の権力掌握の正当性を、国民に海軍は見せようとしているんだな?』
日本担当は頷いた
『それに海女というのも、レーウ゛ァテイルと結び付けるにはうってつけだった』
それから、昔から言われている事だが、帝國海軍は長州の陸軍と違い薩摩の海軍とされている。薩摩、薩摩隼人
『だから、だ。どうあの石と繋がるんだ』
Mが怒りを言葉に込める
『海人族は海流からやってきました、対馬海流、日本海流が流れてくる先は』
東南アジア、そして
『日本でも、先程の遺跡から出て来た石とほぼ同系の石が発掘されているのです』
酒船石遺跡のそれだ
『これは斉明という天皇の建造した物と言われております』
それが意味することは・・・
『つまり、我が国の博物館は、大日本帝國のルーツそのものを持ち出そうとしているのか!?』
Mは頭を抱えた
『あくまで学説ですがね、海軍が推している』

182長崎県人:2008/05/08(木) 23:25:45 ID:2MxH4A12O
なんにしても、もしかしたら我々にとっての聖骸物、あるいはアーサー王の遺物みたいな物を持ち去ろうとするならば、艦隊が一つ動くぐらい、当たり前の事じゃないか!
『いい加減に博物館には節操を覚えろと叱り付ける必要があるな』
女王陛下にご足労願う必要すら感じる
『あの・・・』
今までの話に加わってなかった別の諜報員が顔を歪めつつ言った
『その遺物の移動には・・・ローズが関わった可能性があります』
『あのあばずれがっ!』
Mは机を叩いた。英国諜報部が絶対に手を出せない相手の顔を思い出し、青筋を浮かべる
『各国を回ってはその地方に赴き、貧民への支援金を名目に金を渡し、貴重な文物を持ち帰る!』
あいつの作った面倒事を片付けた回数は片手を越える
『・・・厳重注意だ』
『はっ』
出来るのはそれくらいだ。消せたら楽なんだが
『戦闘は、なんとしても回避するぞ』
よりにもよって日本に喧嘩を売るとは
『では、参内してくる。帰るまでに向こうとの回線を繋いでくれ、今回の事態の弁明と攻撃意志が無い事の言質を取りたいからな。こちらの艦隊の展開はそれからだ』
『はっ!』


Mはそういって些か肩を怒らせながら、本部から宮殿へと移動するのであった

183長崎県人:2008/05/08(木) 23:37:15 ID:2MxH4A12O
ネタ投下終了



日本民族は東南アジアからの流れを汲む海洋民族である。故に太平洋を司るのは当然であり、いにしえの父祖の地である東南アジアを、いずれ英仏の呪縛から解き放つのは正義である。という訳です。レーウ゛ァテイルの存在も宿命だと



あと、覇権国家を演じる以上、イメージ的に大和の国というよりかは隼人の国としての側面を出してくのも悪くないんじゃないかな〜としてみますた

184名無し三等陸士@F世界:2008/05/09(金) 10:42:25 ID:Yc3E9d5w0
アジア主義者が日韓同祖論を唱えたのが思い出されて
面白かったです。
どれだけ社会が進歩しようとも、人間は「儀式的動物」
ですからねぇ。神話は常に必要です。
現在の東アジアの秩序にしても、「残酷な日本軍神話」に
支えられているところが多々あるかと。

185F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

186名無し三等陸士@F世界:2008/05/15(木) 19:56:28 ID:e7ON.hdo0
バラモスがWW2直前の現実世界に侵攻しますた

187名無し三等陸士@F世界:2008/05/18(日) 13:19:10 ID:Lx92BZLQ0
test

188名無し三等陸士@F世界:2008/05/18(日) 23:04:44 ID:cqcHBFGk0
ゴーレムが神話に従って製作されているのならの話だが・・・
勇敢な現世界兵士がゴーレムに取り付いて額のEを削り取って土塊に戻すという妄想をしてしまった午後11時

189長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 00:53:23 ID:2MxH4A12O
なんていうか、もうどうしたらいいかわからんからトリップだけ付けてみます。


んで、今回はニュージーランドの憂鬱をば

190長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 00:55:07 ID:2MxH4A12O
20XX年・ニュージーランド


ニュージーランドは、大英帝国連邦のうちの一国である。だが、島国である事、酪農が主要な産業であること以外のイメージを、一般の人間が持つ事は少ない。軍事に於いては、アンザックとして記憶される事はままあるが、その実体は殆どがオーストラリア人で構成されている(一次大戦後にインフルエンザが流行って、元から少ない人口がさらに減り、二次大戦では成年男性が枯渇していた)
白人国家としての連邦国家内で1番影が薄い。そういわれてしまうのも無理は無かった。それに加えて二次大戦が終了してからは、戦ったのはオーストラリア、と、オーストラリアはニュージーランドを連邦国家として同格でありながら、属国として見るようになり、連邦他国からも、オーストラリアの意向に、無条件で付随する国としか見られなくなっていた
そしてついには、オーストラリアから統合を打電してくるような状況になっていく。人口比、二千万対四百万、主要な貿易国もオーストラリアかインドシナがシェアの殆どというニュージーランドに、飲み込まれる以外の選択肢は無いように思われた


しかし、ニュージーランド国民はどう思っていたかというと話はややこしくなってくる

191長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 00:57:44 ID:2MxH4A12O
オーストラリア?あそこは流刑地だろう?俺達と一緒にすんな!それに白豪主義なんて面倒な主義掲げやがって、こっちは大沿連や日本に羊毛や食料品でシェア増やしてぇんだ


というのが本音で、実際の所、犬猿の仲と言うのが正しかった。しかし、ニュージーランドはまがりなりにも大英帝国連邦の一員という誇りと名誉もあり、はいそうですかと、日本陣営に寝返りをうつことも、ニュージーランド国民は望んでいなかった


『どうしたものかしらね』
この時ニュージーランドの三権の長は、全員が女性だった。ニュージーランド首相フルーラ・エンダは、官邸である蜂の巣で頭を抱えていた。彼女の支持母体はニュージーランド労働党。かつての英国宰相、ウィンストン・チャーチル卿と同じく機会主義的な主張で国民に人気を得ていた
『オーストラリアはラブコールを送ってくる。無視は出来るけれども、国内が黙ってない』
右派の国民党は、日本派だ、ここぞとアジテーションを始めるだろう
『かといって女王陛下を蔑ろにするなんて事は、日本派にだってなかなか出来る事じゃないわ』
もしオーストラリアみたいに流刑民の国であれば、この国は女王陛下におもんばかる事をせずに済んだのかもしれない

192長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 01:00:16 ID:2MxH4A12O
皮肉だった。流刑民と同じくびきに繋がれることを忌避しながら、流刑民でないからこそ英国との繋がりは無視できないニュージーランドの現状は
『そして、英本土の方々も座視出来ないでしょうね』
大英帝国連邦内初の離脱、これを認めるようであれば、連邦なんてあってないのと同じになってしまう
『でも、この国の経済を考えるなら』
一番近い販路の開発、億単位の人口がもたらす市場は、この国に大いなる繁栄をもたらすに違いない。羊毛や酪農のシェアを争う相手は、チベットとモンゴル。だけれども、チベットはあまり益を求める商売をしていないし、モンゴルは流牧民の部族ごとに商売をやっている為かまとまりが無く、どちらとも商売について付け入る隙は小さくない。いや、絶対に勝てる戦だ
それからこの国が島国である事も大きい。陸上輸送の手間暇、輸送量の少なさに対して、船舶による大量輸送が圧倒的に優位なのは、大英帝国、大日本帝國の二大超大国が、世界のあらゆる沿岸を押さえて繁栄していることからも明らかである
『確かに、チャンスではあるのよね』
女王陛下の事を敢えて無視して考えると、問題になってくるのは軍事力。シドニーのオーストラリア艦隊、バダビアのオランダ艦隊

193長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 01:03:09 ID:2MxH4A12O
最悪後詰めとしてコロンボの東洋艦隊が圧力をかけに来るのは間違いない。オーストラリアはタイガー級ヘリ巡洋艦が四隻に、シェフィールド級駆逐艦が八隻、リアンダー級が八隻。オランダにいたっては戦艦K・ネデリンデン(旧ティルピッツ)に、デ・ロイテル級防空巡(拡大デ・ゼーウ゛ェン・プロウ゛ィンシェン)二隻とカレル・ドールマン級駆逐艦が十隻。それでこっちは、というと・・・シェフィールド級が四隻に、リアンダー級が六隻
『まるで相手にならないわ・・・』
日本陣営の緊急展開軍艦隊がこっちに来るまでには時間がかかるし(日本派の話によると、空母回りの護衛を諸外国の艦隊に任せて、戦艦とイージス艦を含む艦艇を出してくれると言う話は出てるらしいけど・・・)この圧力が根底にあるからこそ、我がニュージーランドはアンザックのくびきから、離れられずに居る
『どうしようもないのかしら』
オーストラリアのラブコールと白豪主義をやめさせる事が、問題解決には手っ取り早いんだけれども、またぞろ、彼の国の宰相は言うだろう。ニュージーランドは連邦の一員としてろくに戦っていないではないか、と。戦わぬ人間に発言権はない。それは国際社会の常識として正しい意見であった

194長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 01:06:03 ID:2MxH4A12O
『・・・出来なくもないかもしれません』
意見を伺うために呼んだ(ビーハイブは、他大臣の執務も行われている)海軍大臣、E・スクーンズ大将は静かに答えた
『オーストラリア海軍に揚陸戦部隊は存在しません。バダビアのオランダ艦隊が到着するまでは、決定的な打撃を我が国に与える事は不可能です』
大日本帝國海軍と、大英帝国海軍の紳士協定ともいうべきか、艦隊戦の段階で国際紛争はケリを付ける。という不文律が、互いの陣営の持つ揚陸戦能力を低下させていた。まぁ、揚陸戦なんてものは敵海軍に大打撃を与えて、始めて実行可能な代物なのだから仕方が無い
『ですが最低限、我が海軍艦艇の壊滅という事態には耐えていただく必要がありますが』
我々がそこまで戦う、という事は日本陣営からの第二陣が来るという事であり、我が艦隊を破った豪艦隊は、この国を暢気に艦砲射撃しているだけの余裕はしょうじまい。だから、この国が日本陣営に寝返る為に必要な犠牲は最高でも二千人弱に留まるだろう。安くは無いが、高くも無い
『大臣としては、どうしたいと考えているのかしら?ご自身の海軍という組織が壊滅するという事態は避けたいものの筈、ですよね?』
フルーラは興味深そうに問うた

195長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 01:08:35 ID:2MxH4A12O
『確かに、海軍という組織の人間として、兵の損失を強いるのは、どんな理由であろうと許しがたい。兵は相手に打ち勝ち、港に帰ってこなければならないのです』
それも、なるべく多くの兵を生き残らせる努力をした上で、だ。それが出来なくて将と言えるものか・・・!
『ですが、海軍は自分の物ではなく、国民の物、ひいては、その代表たる貴女の物です。それがやれ、というならば、我々はそれに従容と従うのみです。たとえ滅びの道であろうと、国の、国民の繁栄をもたらすならば・・・実を言えば、私もどういった行動を為せばよいのか、考えあぐねて居るというのが正しいのです』
大将は、入室した時に脱いで持ったままの制帽を撫でた
『この制帽に刻まれたHMSは、我々の誇りでもあります。これを裏切れというのに、抵抗があるのは私だけでは無いでしょう』
しかし、だ。内政を蹂躙しようとするオーストラリアには、断じて従うことは出来ない。その理念は、政治に疎い海軍の私でもわかる。この事案で剣をとらねば、ニュージーランドなぞ無いと言われるのを肯定するのと一緒ではないか。それは不愉快きわまる!
『海軍は首相閣下の決断を全面的に支持します。どのような答えをだされようとも』

196長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 01:10:49 ID:2MxH4A12O
このような時に、明確な指針を出せぬ我が無能をお許し下さい、と、謝罪しつつスクーンズ大将は首相執務室から退出していった
『やれなくはない、か・・・』
一番厄介な状況なのかもしれない。やれないなら諦めもつく、だが、やれるのだ
『ニュージーランド百年の大計が、私の決断で決まる』
四百万の人間の運命が、私の双肩にかかってくる。フルーラは居心地悪そうに肩を震わせた。まだだ、まだ情報が足りない
『コニー、ちょっと来れるかしら?』
同期の当選で、盟友かつ親友の財務大臣を執務室に呼び出す
『なんでしょうか?首相』
彼女はすぐに現れた
『オーストラリアのラブコールについては、以前貴女に教えたわよね?日本陣営に付く場合と、オーストラリアに併合された場合の経済に与える影響を、詳しく教えて欲しいの』
私は単刀直入に聞いた。さらに単純に言うならば、どっちについた方が国民に儲けが出るか、という事だ
『・・・今の所オーストラリアポンドとニュージーランドポンドの為替レートは、こまごまとした部分を無視して良いならば、楽な部類の統合ですむでしょう。為替の面で国民が大きく損をする事は無いでしょうね』
コニーは思い出す為か、少し間を置いて話始めた

197長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 01:14:14 ID:2MxH4A12O
『それから、オーストラリアとの統合で、あの大陸での雇用を我が国は得る事が出来るでしょう』
インドとともに大英帝国連邦のアジア最大の砦として、補充の面からも兵器産業をおもにした工業を発展させたいオーストラリアにとって、ニュージーランドの人員は実に欲しい資源であろう。白豪主義の観点からも
『職は保障されると見ていいのね?』
『我が国、この場合はオーストラリア・ニュージーランド地方の人口空洞化は避けられないでしょうが、はい』
出稼ぎには、遠すぎる。移住の形になるでしょうね
『羊毛も酪農も現在の規模であると、彼の国の同業者埋もれてしまう可能性は少なくないでしょう。質の上ではこちらが概ね上回りますが。あと・・・国内観光の内に入っているマオリ族は消滅するでしょうね』
白豪主義であの国が行くならば、か・・・暗惨たる気持ちにならざるをえない。確かに一緒になれとか言われたら拒否感ぐらいは出るけれども、あそこまでやる必要がどこにあるというのか
『日本陣営についた場合については、円との為替は円高のままで推移するでしょう。フルーラが言うように、日本陣営内で羊毛他のシェアを独占出来はするでしょうけど、利益が幾ら出るかは疑問符がでます』

198長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 01:16:38 ID:2MxH4A12O
『売り損になると言いたい訳ね』
『経済については、貴女は少し甘いです。あの国は搾るときは搾りますから』
というより、大日本帝國以外の国は、鵜飼いの鵜と言って間違いない。唯一別なのはイタリアぐらい、かな?
『一番期待できるのは、おそらく我が国に展開する艦隊の人員の需要と、港湾労働者の規模拡大ですかね』
対英連邦用に回してくれる艦隊分が、おそらくこっちに置いて置ける最大規模、その人員が消費する物資、艦隊を維持するだけの港の整備にともなう雇用だけが確かなのね
『ただただ純粋な経済効果の波及のみを考えるならば、オーストラリアに併合されるのが確実、とだけは言えます』
まぁ、儲けることが出来る。だからこそオーストラリアも我が国に併合のラブコールを送って来ているんでしょうけれども
『ありがとうコニー、参考になったわ』
『フルーラ、私は悪徳も時には必要と考えるわ。日本陣営の台湾や朝鮮共和国のように、一時併合されても分離される可能性は低くないのよ?』
政治家として、敢えて泥を被っても良いんじゃないかしら?この国の事を考えるならば。空洞化だって、独立時に出て行った人々が帰ってこないと決まったわけじゃないんだし、私は国民を信じるわ

199長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 01:21:06 ID:2MxH4A12O
・・・こう言ってる私って、後の世じゃ売国奴と言われるのかもしれないけどね、と、コニーは可愛いげに舌を出して一礼すると、申し訳ありません。時間ですから、と、執務室から退出していった
『経済面からいえば、オーストラリアとの併合が一番、か・・・』
犠牲にする物が大きすぎる気もするけれども、国家が悪辣なのは世の常、特に恥じることは無いと開き直るべき事なのかしら?


『・・・外務大臣。最重要案件について、首相としての解答を行います』
暫くの間考えあぐねたフルーラは、外務大臣を呼び出してこう答えた


a・『ニュージーランドの独立は保たれなくてはならない。国家の自主権の維持は、国家に許された最大の権利であり、その蹂躙には徹底抗戦するものである。その為であるならば、たとえ女王陛下であろうと我々は弓を引く。我々が我々である為に!』>>200


b・『ニュージーランドは、ヨーロッパ大陸で進む経済圏の統一をその指針として、オーストラリアと共に大英帝国連邦の一員として、アジア最大の経済強国とならんと、その国体の統合を行うものである。英国よ支配せよ!女王陛下万歳!』>>205

200長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 01:24:26 ID:2MxH4A12O
ルートA


ティルピッツ、現K・ネデリンデンは日本艦隊に接近しつつあった。互いに空母は無い。空母を含む本隊は、日本陣営はギルバート諸島、英陣営はフリーマントルで事の推移を見守っている


最初の接敵は対艦ミサイルの撃ち合い、通称槍合わせから始まった
日本がニュージーランドの為に投入した艦隊は、冬月級エイギス艦六隻に、白根と鞍馬、超甲巡の二隻からなっていた。蘭艦隊随伴艦十二隻が放つ96発の対艦ミサイルと、日本艦隊48発のミサイルが交錯する。戦前に想定された迎撃可能数は、エイギス艦一隻につき29発、日本艦隊は冬月級だけで174発、迎撃効率は60年代の六割から八割に上がったとされ、おおよそ130発のミサイルを阻止できると考えられており、それを見事にやってのけていた(六割でも100を越えるので、当然は当然なのかもしれないが)また、蘭艦隊も 48発程度の対艦ミサイルで自艦に被弾を許す程やわな海軍ではなかった


付近に空母の無い状況で互いに譲れない道が交錯しており、ミサイルで決着が付かないとなれば、海戦は艦砲、或いは雷撃で決着を付けるしか無い・・・当然の帰結だ


そして今世紀になって以来、初めての砲戦がその幕を開けることになるのである

201長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 01:26:54 ID:2MxH4A12O
K・ネデリンデンは、15インチという自艦の砲の大きさを十分に生かそうとした。射撃管制装置の精度上昇で、アウトレンジを維持さえ出来るならば、勝利は間違いない。雷撃については、随伴艦艇に二倍の差があるのだ。ATT(対魚雷魚雷)に使える魚雷の本数からして、安心していい事柄だった
『なりは大きく変わり果ててしまったけれども、日本海軍は元々我が海軍の弟子だったのだ。そんな我々に対し、緊急展開軍艦隊は長門級二隻の方で投入しなかった事を、大いに後悔する事だろう』
彼の蘭艦隊司令、カッテンディーケ中将は、闘志を漲らせて言ったという
『敵は随伴艦艇が少ない、最終的にはこちらから雷撃もやらせるつもりで艦を布陣させる』
手は一切抜かない。それが海《ここ》での礼儀だ、とばかりにカッテンディーケは海戦時のポジショニングを決定する。終始アウトレンジに徹するなんて戦術は、ゼーゴイセンの末裔たる彼等にはには出来かねる相談だった
『この海戦により、我が蘭海軍の手並みは伊達でないことを、世界に見せ付けてやるのだ!』




だが一方、対する日本海軍とて、豪艦隊を舐めて居たわけでは無い。彼等は、白根級超甲巡だからこそ出来る決着の為に危険を犯していたのだ

202長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 01:29:30 ID:2MxH4A12O
朝から続く海戦は、正午から砲戦へと移行する。しかしそれは、勝利を望むカッテンディーケの思惑から大きく外れた展開を見せるのである
『アウトレンジ、だと!?』
12インチ砲艦である敵艦が、このK・ネデリンデンよりも遠くから射弾を送ってくる事に、彼はわずかに目眩を覚えた
『敵弾増速!おそらく弾種はベースブリード!』
レーダー手からその報告が入って、カッテンディーケは理解した。射程の面での劣位はこうでもするしか手はあるまい、後は手数を送る気なんだな、と。しかし、ベースブリードでは弾体が軽い為、弱威力の弾にしかならないのと(対空砲弾なんてもってのほかだ、余程の至近弾でない限り、エアクラフトであるミサイルよりも硬い機材に損傷を与えられるものか)対艦には致命的な散布界の広域化はどうにもならない。確か、1.5キロ×1.5キロだったか・・・当たるのは日頃行いの悪い奴だけだ
『敵艦、連続射!修正してんのかよ、これ・・・』
必要ないんだろう。いくら弾を送り込めるかが問題で・・・待てよ、射撃間隔はおよそ十秒、おいおい、つまり
『この調子ならば、十分後にこの海域に降り注ぐ砲弾は、千発を越える・・・!』
本気で数を撃てば当たるをするつもりか!?

203長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 01:32:11 ID:2MxH4A12O
これはまずい。まさかこの海上で面制圧を行われるとは・・・!距離を詰めてさっさと黙らせねばならん!
『くぅ!』
カッテンディーケはそこで、己の艦が29ノットしか出ない事を思い出した。あちらが5ノットは優速である以上、イニシアチブはあちらが握っている
『相手が長門であったら・・・!』
通常の砲戦で損傷なりでも与えられたかもしれない。確実に火力差で負けるであろうけれども・・・いや、そうか、白根級なら我々が躊躇わず襲ってくると言うのも、考慮の上か!
『随伴艦前へ!魚雷を用いよ!』
この時の白根が行った砲戦距離は四万五千、通常弾頭による砲戦を行うつもりのネデリンデンは、砲戦距離を四万からと考えていたのである。随伴艦艇が持つ魚雷の射程は三万、一万五千もの距離を詰めねばならなかった。単純に近付くにしても14分以上かかる
『間に合わない・・・!』
14分もあれば、1500発の砲弾が降り注ぐ。彼等の望む命中率が0.4%(日本海軍に於ける最低命中率らしい)でも6発命中弾が出る。弾頭威力は下がっていても、その数を食らって無事に砲戦が出来るなんて楽観は、カッテンディーケには出来なかった
『先の命令を撤回する!全艦撤退!シドニーへ後退せよ・・・!』

204長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 01:36:02 ID:2MxH4A12O
ニュージーランド・ビーハイブ



『報告!K・ネデリンデン中破!駆逐艦エウ゛ァツェン、撃沈!(流れ弾が命中した)蘭艦隊豪艦隊、共に後退して行きます!我が方の勝利です!』
『終わった、わね・・・』
フルーラは海戦開始の報告を受けて以来、溜まりに溜まった息を吐いた。これ以上をオーストラリアが求めるなら全面衝突になる。それは誰も望んでいない・・・犠牲は大きかった。スクーンズ大将の陣頭指揮の元、豪艦隊と雄々しく戦い、ニュージーランド艦隊は全滅、本人も帰って来なかった
『それでもこれからよ』
財務大臣のコニーが書類を持って来た
『日本政府から、スクーンズ大将への哀惜の念と、海軍再建に対してのプランが送って来たわ、対価は羊毛他の関税率。首根っこ押さえられてるんだから、ネゴシエイト、難しいわよ?』
『それでもやるしかないわ、私達は選択してしまったのだから』



ニュージーランドの10年に及ぶ外交上の苦難が、ここに始まるのである。しかしこの選択のおかげで、ニュージーランドという国は、地図上に燦然と残り続ける事が出来たのであった

205長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 01:38:59 ID:2MxH4A12O
ルートB



オーストラリアとニュージーランドの統合は可及的速やかに行われた、新国名はドミニオン。第四位の天使の名前であり、支配、統制の意味がある。聖秩とも言うべきか、アジアに於いて白人による聖なる秩序を打ち立てる国であれ、そういった意思が込められていた
そして元来、大英帝国連邦でドミニオンはカナダ・オーストラリア・ニュージーランドを国際法上で指す。だから旧に復したと言っても間違いではないのかも知れない


ドミニオンの経済は当初から好景気を迎えた、労働力不足の中、白人移民の絶えたこの世界で、四百万のそれが手に入ったのだから。貿易相手も、巨大な市場であるインドやアフリカが存在していたのも大きい。しかし、それがドミニオンの運命を決する事になった
統合から30年後、大英帝国と大日本帝國が融和ムードから和解に至った時、白豪主義によって栄えたドミニオンと南アフリカに、今更黄色人種との融和など出来なかったし、儲けていた分で整えた軍備に対して自信を持ちすぎていた



人類最後の高烈度(この場合は総力戦をさす)戦争といわれる、第三次世界大戦・・・別名、アポカリプスが発生したのは、それが所以である

206長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 01:42:03 ID:2MxH4A12O
メルボルン沖・大和


《ベイバイロン、砲撃停止を申請する。メルボルン、いや、オーストラリア東岸にある都市は全て消滅した》
ベイバイロンとコールサインを付けられた大和を指揮するのは、なんと女性将官だった
《ベイバイロン了解》
答えてからくすっと彼女は含み笑いをした。ベイバイロン。私を大淫婦とでもするつもりかしら?確かに七ツの頭を持つ龍を率いているけれども
『各艦に伝達!射撃やめ!』
各艦とは大和級二隻に、V・ムッソリーニ、セント・アンドリュース級二隻、そして伊勢級二隻の七艦からなる。伊勢と日向は現役120年近くだったかしら?頑張ってるわねぇ
『最後の花道になったかしら?』
先の先進国会議で、戦艦の一斉退役が決まっている。それぞれ記念艦として軍役を退くのだ。ようやく彼女達は休める
『長官!ドミニオン総司令部のエアーズロックが陥落したそうです!』
『早かったわね』
戦の申し子、マーズたる戦艦は眠りにつく。願わくば、彼女らに再び目覚めの時が訪れぬよう祈るばかりである


終戦後ドミニオンは解体され、ニュージーランドは独立する。残ったのは、100万に満たぬ人口と、産業開発の未だ進まぬ国土・・・最貧国からの再スタートであった

207長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/05/19(月) 01:46:53 ID:2MxH4A12O
投下終了



太平洋でもいい国なのに、ニュージーランド影薄いよニュージーランド
オランダも出番ないよオランダも・・・

さて、読んでくださった方は、一体どちらのエンドを迎えられたでしょうか?たかが二択ですからあれですけど

208名無し三等陸士@F世界:2008/05/21(水) 21:22:09 ID:JltfyVSA0
ルートAのニュージーランドは日本の同盟国として第三次世界大戦でまっ先に攻撃されそう。

209名無し三等陸士@F世界:2008/06/21(土) 16:49:01 ID:V05Cumws0
ふと思いついたので。

竜神さまよろしく、開戦ちょっと前の太平洋日本近海にオルファンが浮上しますたとか
考えたんだが……アンチボディを戦力化するとかの以前に津波で日本壊滅だな。

210名無し三等陸士@F世界:2008/07/22(火) 23:33:44 ID:1rKJepak0
いつか投下しようと構想を練ってるんですが
現代の日本でくろべえさん方式をとった場合
海外在住の日本人と移動可能な海外資産って
日本国内の空き地に収まりきらないですよね?

211名無し三等陸士@F世界:2008/07/24(木) 20:19:31 ID:6yf8QpC20
>>210
そもそも、何が海外資産で何が日本資産なのかとか考え始めると、くろべえさん方式
もかなりいい加減(例えば外資と国内資本半々の会社の所有する工場はどっちの資産
なのかとか)なので、適当で良いと思うよ。

212F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

213長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/08/02(土) 00:14:52 ID:2MxH4A12O
核航空戦があるなら、こんなのは如何だろうと投下

214長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/08/02(土) 00:16:15 ID:2MxH4A12O
戦後の日本戦艦に対する考察



第二次世界大戦に参加した戦艦大和級、そして紀伊級は、目標速力27ノットとして建造された艦であった。しかし、帝國の転移という非常事態によって、この速力は3ノットの増速という僥倖を得るのである
それこそ、レーウ゛ァテイルの音響調音による最適形状化の恩恵であった。効果は、現代になって実用化した艦船CADが、全く同様の解答を寄越した事からも伺える
さらにレーウ゛ァテイルの恐ろしい所は、CADで出した艦船各部の最適形状を元に、最適な船体形状をもって全てを調律出来る事にある
機関出力を上げたとはいえ、省人化から必要量の減った兵員室を潰しての不沈化(具体的な例として、区画数が長門を越えた、など)予備舵の追加、ツインスケグの追加と、不具合が出て当然の工事を芸術的精度で仕上げ、実用化し、最大速力33ノットを叩き出したのは、彼女達の力が大きい



そうして出現したのが、安定して33ノットを出せる大和級・紀伊級・金剛級の10隻からなる戦艦群+2隻の白根級装甲巡、そして同じく安定して29ノットをたたき出す長門級・伊勢級の4隻の戦艦群



イタリアを除いて、各国がその頭を疑った彼女達の速力は、一体何故確保されたのか

215長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/08/02(土) 00:19:21 ID:2MxH4A12O
答えは実に健全かつ狂気である。帝國海軍は、核砲弾での戦艦決戦を真面目にやらかすつもりだったのである


その元となったのが、旧式艦を使った核実験で、20キロトンの核(大和の核砲弾がそう)を避けるには、400メートル以上の距離を爆心地から開けることが絶対だという事が解った事だ(史実酒勾が、400メートルで全艦炎上、沈没)
核砲弾の殴り合いをするならば、互いに距離を採る事はお互いの戦力比からして自明の理だった事もあり

(Stアンドリュース級以外の戦艦で、英国はいづれも日本にかなりの劣勢、投射可能な戦力も、フランスより大きい戦力を持つイタリアという存在のために劣勢、これでは近付いて通常砲戦に織り交ぜての核砲戦をやる前に、自軍が撃破される恐れがあった)

だから、着弾までにかかる時間がおおよそ一分と考え、この間に900〜1000メートルの距離を取れる速力を、是非とも必要としたのだ。安定して33ノットを出せれば、1000メートル/分は可能な距離だ。29ノットでも、ぎりぎり900イケる(舵の効き具合で最悪半分の距離でも、即死はまのがれる。それが最低ラインだった)


故に彼女達には、類い稀なる健脚を備えさせられたのである。まこと健全な思考によって

216長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/08/02(土) 00:24:16 ID:2MxH4A12O
これを知った伊海軍のある将は
『正しいと思うプロセスを経てそれを作っちまったら、どこまでも突っ走るのは、どの日本人も変わらんのだな』
と、宣ったらしい。続けて
『しかしここまで行くと、宇宙人が相手でも日本人は戦艦だけで相手ぶっ潰しそうだな!』
と、楽しそうに笑ったという・・・後に、日本海軍の全面支援をもって作られたアニメの某宇宙戦艦を見て、伊海軍全体で本気か!?本気なのか!?と、同盟見直しを含め、ちょっとしたパニックになったのは、知る人ぞ知る笑い話である
・・・同じく同海軍支援の某おっぱいアニメで、イタリア海軍への志願率がかなり上がったのも、記憶に新しい



・・・日本海軍も大概だが、伊海軍ももう駄目かもしらんね




ともかく、日本海軍は核熱海戦を現実で戦い抜くつもりでいた。その狂気が今の今まで実行されなかった幸運を、我々は神に感謝するべきだろう。そして、そのドクトリンが永遠に立証されないことを祈り、私はここで、この考察の筆を休めたい



世界の平和を願って

217長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2008/08/02(土) 00:36:21 ID:2MxH4A12O
投下終了



核砲弾の水中爆発タイプを目論んだら、キロトンがやばくなるんで、空中爆発タイプで考えてみますた
英海軍と想定する決戦海域がインド洋か、ペルー沖の島の少ない海域だから出来るドクトリンでありますけれども



帝國に本気で刃向かうなら、ふるもっこにしてやんよ!(炎的な意味で)

218名無し三等陸士@F世界:2008/08/02(土) 14:31:07 ID:KqIEAtEE0
投下乙!
>>核砲弾での戦艦決戦
狂気の沙汰ってレベルじゃねえぞw 誰だよ、こんなの企画&採用したやつはorz
>>アニメ
日本海軍&伊海軍・・・もう駄目だ、こりゃ⊂⌒~⊃。Д。)⊃

219名無し三等陸士@F世界:2008/08/02(土) 21:06:25 ID:ZAwXMHNI0
>>核砲弾での戦艦決戦
な〜に、ソ連は自国の上空で対空型核ミサイルを爆発させようとしていた
んだからこっちのは方がまだ可愛いってもんス。

>日本海軍も大概だが、伊海軍ももう駄目かもしらんね
もう駄目ぽ

220名無し三等陸士@F世界:2008/09/15(月) 18:11:42 ID:l/fRk0Rw0
そういえば戦闘機に性能って結局は主力機関の出力勝負じゃない。戦前の日本はなんで高出力エンジン主義に、ならなかったのだろうか?

221名無し三等陸士@F世界:2008/09/15(月) 18:48:15 ID:6qWhWqNY0
>>220
戦闘機向け大馬力エンジンを開発するだけの技術力が無かったから、という至極単純な事情があったから

222名無し三等陸士@F世界:2008/09/15(月) 19:01:34 ID:l/fRk0Rw0
>>221

雷電とか結構強力なエンジンもってなかったけ?爆撃機もあったような……

223名無し三等陸士@F世界:2008/09/15(月) 19:26:11 ID:6qWhWqNY0
>>222
雷電に搭載してるのは「火星」という爆撃機用エンジン。
爆撃機用だから馬力もあるがでかくて重い。戦闘機には不向き。
それをわざわざ載せたのも、戦闘機用大馬力エンジンが無かったから仕方なく使ったという苦肉の策。

224名無し三等陸士@F世界:2008/09/15(月) 19:43:27 ID:l/fRk0Rw0
あらら、結構いい戦闘機や戦車を作ってたんだけどな。国力で負けるのは痛いね。

225名無し三等陸士@F世界:2008/09/15(月) 19:49:53 ID:cH73aJgU0
いい戦車って??

チハタン?

226名無し三等陸士@F世界:2008/09/15(月) 19:58:34 ID:/ukUhGkY0
>>いい戦車

またまたご冗談を

227名無し三等陸士@F世界:2008/09/15(月) 20:08:19 ID:6qWhWqNY0
まてまてまて、良い戦闘機はまあ大戦初期の零戦とかあるが、
戦車は無いだろ常識的に考えなくても

228名無し三等陸士@F世界:2008/09/15(月) 20:36:49 ID:u0SIup.A0
チハたんだって登場時はそれ程悪い物では無いのです。
後継の開発が遅れたのが悪いのです。

戦闘機にも程度の差はあっても同じ傾向がorz

229名無し三等陸士@F世界:2008/09/15(月) 21:04:15 ID:9L9Ea86o0
競合の試作戦車「チニ」よりも高価・高性能のいい戦車でした。

230名無し三等陸士@F世界:2008/09/15(月) 22:12:40 ID:pDaFhrWY0
チハタンのカタログスペックは登場時ではかなり優秀、
当時のドイツ戦車なんかカタログスペック上ではまったく歯が立たない。







そう、カタログスペック上では・・・

231名無し三等陸士@F世界:2008/09/16(火) 03:09:13 ID:ctJ3FcR.0
>>230
カタログにほとんどでない「砲(弾)」部分がね……

冶金が弱いから初速もとれないし、浸食も押さえられなくて傷みが早いし、
何よりも装甲にぶつかって割れ砕ける徹甲弾なんて笑うしかない話はちょっと。

海軍にはもっとマシな技術があったけど、「元が戦艦主砲の技術だけに高価で量産に向かない」とか。

232名無し三等陸士@F世界:2008/09/16(火) 09:38:09 ID:ljX0xe6U0
チハって三号戦車よりも古いのな
それを大戦後半まで使い続けたらそりゃあもう

233名無し三等陸士@F世界:2008/09/18(木) 21:34:44 ID:kwP9xk4U0
鉄甲殻付き溜弾だったからね。
よく相手にしていたチャンコロゴロツキには効果抜群の弾種でした。
BTには向きませんでしたが、自動小銃と同じで予算関係でムリポと流れ。
兵員の給与で消えて…。

234名無し三等陸士@F世界:2008/09/23(火) 15:02:31 ID:2Ters8Tg0
>>215
誤:即死はまのがれる→正:即死は免れる

235名無し三等陸士@F世界:2009/02/15(日) 12:25:28 ID:k3cR7agI0
超甲巡ってあんまり話題に上らないけど
実際のとこ役に立ったんだろうか建造してたとして。

個人的には最初から36cm連装三基の小型高速戦艦にした方が使えたんじゃないかと思うんだが

236名無し三等陸士@F世界:2009/02/16(月) 02:59:24 ID:9WkjAW.k0
>>235
それは「ドイッチュランド級」と同じく装甲艦にしろと言うことか?

1.「36cm砲装備で主砲対応防御を施した場合」
巡洋艦以下には勝てるが、当時の仮想敵国のどの戦艦が出てきても負ける。
その上、巡洋艦よりも高額で大型船台を戦艦並みの時間塞ぐことになる。
普通の戦艦よりも安い+こなれた技術なので故障が少ない+予備砲身など利用すれば建造時間短縮出来る。

2.「36cm砲装備で軽装甲(巡洋戦艦、装甲艦)の場合」
巡洋艦と1:1なら勝てるが戦隊単位同士になると負ける可能性が……。もちろん戦艦には勝てない。
海戦が起きれば勝っても負けてもドック入りは確実。沈没の危険も高い。
装甲が巡洋艦並な分小型化できる。
つまり安く、早く、機関出力も控えめにでき、場合によっては大型船台でなくても何とかできることもある。
逆に機関出力を奢って高速の巡洋戦艦にもできる(メリットは薄れるが)。

3.「36cm砲装備で主砲対応防御を施した高速戦艦の場合」
作るだけ無駄。
こんなので金と資材と時間と船台を埋めるくらいなら、もう少し出して40cm砲装備の高速戦艦、
具体的には改長門級戦艦新造した方がずっと良い。


評価に空母護衛用途は考慮していないが、それを含めると同じ資材を使って駆逐戦隊や軽巡作った方が良いのは確定。
ドイツだからポケット戦艦が評価されたのであって、まともに考えるなら日本海軍に居場所はない。
なにせ同様の任務に金剛級を使えるんだから、新造するならもっと汎用性が欲しくなるのが道理。

237名無し三等陸士@F世界:2009/02/16(月) 14:22:35 ID:1iYxEpnk0
40cmなら確か八八艦隊用のが余ってなかったか?

238名無し三等陸士@F世界:2009/02/16(月) 23:18:22 ID:ZAwXMHNI0
余り物を利用するにしても砲身の磨耗などを考えたら複数セット
必要だしそもそも砲弾とか色々な費用が・・・・。

239名無し三等陸士@F世界:2009/02/16(月) 23:23:19 ID:9WkjAW.k0
>>237
戦艦の予備砲身は大抵持ってる。
手持ちの艦数x砲数分を1セット。
ただ、それほど多くない上に予備砲身0ってのは避けたいはずだから後々作る必要がある。

それに加えて排水量がより小さい艦を作るのなら砲身長の問題もある。
同じ口径でも砲身が長くなれば反動もでかくなるので無理が出る。
極端に言えば「三景艦」みたいな物だな。
ぶった切ったり再加工すれば、新造よりはマシ程度の時間がかかることも十分考えられる。

結局の所>>235 の言う「小型高速戦艦」というのは難しい。

さらに言えば同じくらい時間のかかる装甲版は新造になるので設計から製造までは短縮出来ない。
装甲が厚く、デカくなる度に二乗で時間がかかる。

240名無し三等陸士@F世界:2009/02/16(月) 23:31:33 ID:1iYxEpnk0
ID:9WkjAW.k0氏の言う改長門型を砲身流用で安く作れないかと思ったけど、色々問題があるんだな…

241名無し三等陸士@F世界:2009/02/17(火) 00:03:53 ID:wcoRRePU0
扶桑、山城、伊勢、日向の真ん中二つの砲塔をおろして金剛モドキに
さらに下ろした砲塔使って似たようなのを2隻でっち上げる

242名無し三等兵@F世界:2009/02/17(火) 01:31:49 ID:41iW8ZM60
過去にくろべえさんのところで、重巡洋艦代艦を求めて議論したらそんなフネ(14インチ砲の高速戦艦)になったなあ。

重巡洋艦の老朽化

代わりの高性能な重巡洋艦を作ろう

デ・モインみたいなの?排水量は約2万トンだぞ

しかも、重巡洋艦に打ち勝てるかどうかも…。旧式戦艦にも勝てないし。

どうせ大きめのドックを塞ぐのだから、もっと大型化しようよ!

でかすぎても駄目だぞ。重巡洋艦2隻分くらいの3万5千トンくらいで。速力も欲しい

近代型金剛型になる


のんびり建艦ができる、転移後の平時という条件つきだけど。

243名無し三等陸士@F世界:2009/02/17(火) 02:50:31 ID:9WkjAW.k0
>>242
ぶっちゃけちゃうと「威信」とか砲艦外交のための「威圧」を考えなければ
この時代(WW2)日本に新造の大型砲艦は必要ないんだよね。

漸減戦法のために「戦艦以外で戦艦を撃破する」手段を突き詰めたあげくに
「対戦艦のための戦艦」が必要なくなってしまったから。
当時こんな事まじめに考えて実行してたのは日本だけ。 しかも実現してしまったし。

例えば
1) 軽巡1+駆逐艦10程度の「水雷戦隊」一つで夜間統制魚雷戦をした時戦艦一隻撃破できるようになっている。
昼間でも可能だが砲撃精度が上がるので確率が落ちる。

2) 砲撃精度を上げるために観測機を上げる>落とされないように制空権を取る>そのために敵空母の撃沈破が必要だ
>戦力集中のために「航空戦隊」を作る>空母以下の艦船は撃沈破可能>戦艦改装空母が沈められるなら戦艦も?
>航空戦力で戦艦撃破出来ました(1923〜1925実証済み)>空母中心の艦隊作ろう(航空艦隊)>あれ戦艦は?

3)海軍陸上基地配備の「陸上攻撃機」一個航空艦隊で戦艦撃破可能。
相手に空母がいた場合、護衛戦闘機がないと攻撃可能機、命中精度ともに激減する。
逆に制空権をとれていれば戦艦+αが撃沈破できる。

4)伊号潜などの全ての大型潜水艦は米艦隊速度以上の20ノット程度は発揮可能。
水上航行すれば艦隊を先回りして攻撃位置に着けるほどの高速と航続力、
1935年以降は95式酸素魚雷装備で長射程と破壊力を両立させた。
2〜3本で戦艦撃沈破可能。

244長崎県人 ◆MbTKFNutWk:2009/02/17(火) 03:39:14 ID:2MxH4A12O
数のある対米巡への砲的カウンターでそ、超甲巡は。オマハに対する古鷹のポジション。超甲巡は対ブルックリン辺りのかな?
砲門数を減らすと投弾数が命中率に関わるし、弾が大きくなると発射速度もキツイ、元計画の12inぐらいがベストっしょ。ストッピングパワーたる砲威力も重量弾わざわざ開発してたし、射程から見ても近中距離の殴り愛が居場所かな?


で、遠距離砲戦やってる味方の護衛として最大の阻止火力として使ってみた。俺は
言うなれば戦艦としては小さいけど、格下をとことん虐めるサドッ娘のイメージが。しかし最終的にはヤられてしまうんです。色んな意味で。ディスガイアの中ボスさん、シャドウハーツのレニ、ストライクウィッチーズのペリーヌのような風味を楽しむのがこの艦の趣というか


『か、可哀相みたいな目でこっち見んな!』
とか言ってるのを生暖かい目で見るような





俺はこんな時間に何を言ってるんだろう

245名無し三等陸士@F世界:2009/02/18(水) 02:42:31 ID:9WkjAW.k0
結局の所、趣味の問題になってしまうのですが……

砲力を求めるとまともに考える限り大艦巨砲にならざるを得ない。
あるいは搦め手として、何らかの手段(戦略的、政治的、時間的、何でも良い)戦艦を拘束した上で、
「戦艦以外に勝てる限定的大型砲艦」は時として非常に有効ではある。
軍縮条約下の日本なんかはその典型だしね。
冒険小説的ロマンもある。

でも私は魚雷の一発逆転的というか「前提条件を覆す能力」に燃えるのだ。
魚雷は同じ型で有ればどんな船が放っても威力は同じだ。
そして重巡までなら2発当たれば、まず沈む。
例え当時世界最強の大和であっても、左右均等に受けて注排水しても、
(長魚雷に比べて)弱装の航空魚雷で20本受ければ轟沈する。
日本海軍の93式61cm長魚雷なら、片舷に集中すれば遙かに少ない本数で沈むだろう。

そう沈む、「撃破」でなく「撃沈」。
だいたい魚雷の命中率が5%と見積もった時、陽炎型駆逐艦が1隻で
4連装発射管x2で8本、次発装填装置を使えばもう8本。
乱暴に言えばこれ2隻で1.6本当たる、つまりは「重巡までなら2艦で食える」
しかも修理不能の撃沈で。

酷い屁理屈なのは承知だが統制魚雷戦を仕掛ける一個水雷戦隊で戦艦が沈められるのは確か。
判官贔屓と思われるかも知れないが弱小戦力が一芸で戦況をひっくり返すのもロマンだと思いませんか?

246名無し三等陸士@F世界:2009/02/18(水) 14:58:57 ID:tLmVEODM0
>>223
>雷電に搭載してるのは「火星」という爆撃機用エンジン。
>爆撃機用だから馬力もあるがでかくて重い。戦闘機には不向き。
>それをわざわざ載せたのも、戦闘機用大馬力エンジンが無かったから仕方なく使ったという苦肉の策。

想像を絶する亀レスで失礼だけど……実は「火星エンジン」って列国の同級エンジンに比べて、
驚くほどの「軽量エンジン」だったり。フォッケウルフが積んでたBMW801よりも遥かに軽い。
正直な話、「誉なんぞ使わずに素直に火星積んだ重戦闘機作っとけよ!」と言いたい。

何かを評価しようとする時、「全く他では通用しない基準」か「完全によそでの基準」の
どっちかに走ってしまうのが当時の日本の悪癖だったようで。「他の国なら戦闘機用エンジンだ!」
と割り切って火星を使おうという発想が出てこないあたり……。航空機の格闘戦至上主義に始まって
航続力ムチャ追求=搭載量スズメの涙&防御力紙+強度不足なんて方向に走ってばかりいたのでは、
当時の人々は中庸の視点を欠いていたと言わざるを得ない。乱文失礼。

247名無し三等陸士@F世界:2009/02/18(水) 17:32:15 ID:xzzJ6tVs0
>>246
>火星積んだ重戦闘機
それが雷電でしょ?
その火星は不調続きで、とてもそれ一本に絞れるような優秀なエンジンじゃなかったでしょうに
そんなエンジンのために、新型エンジン開発をあきらめるなんて、最初から負けることがわかってない限り、するわけがないでしょ

248名無し三等陸士@F世界:2009/02/18(水) 17:40:03 ID:nzx69UOA0
>最初から負けることがわかってない限り、するわけがないでしょ

負けることを認識してなかった、もしくは認識したくなかったと書くべきだな
彼我の国力差を客観的に見ることが出来る人は、最初から負けることを解ってたよ

249名無し三等陸士@F世界:2009/02/18(水) 17:48:44 ID:xzzJ6tVs0
>>248
ごめん、入れるの忘れてた

「誉を搭載した戦闘機が、敵戦闘機に勝てないことがわかっていない限り」
もしくは、
「誉が失敗することがわかっていない限り」
と読み替えてください

開発をしてる人は、戦争の趨勢がどうだろうと、自分の仕事をするだけでしょ

250名無し三等陸士@F世界:2009/02/18(水) 17:52:13 ID:OMqLICOY0
>>247
つっこみ
 しったか発見 雷電の問題はプロペラシャフトを伸ばした為の振動が問題だったわけであり火星は一式陸攻や九七重爆などに使われてる枯れたエンジンだった。

251名無し三等陸士@F世界:2009/02/18(水) 17:57:15 ID:OMqLICOY0
訂正
WIKI見たら違ってた
減速機構の振動とプロペラの強度不足による振動との共振だったそうな
駆動軸の延長による振動は主要因ではなかったみたい

252名無し三等陸士@F世界:2009/02/18(水) 18:01:03 ID:tLmVEODM0
>>247
いやいや漏れが言ってるのは「雷電=局地用迎撃専用機」という意味ではなく、
「重戦闘機=高速・重武装・大火力のバランスが取れた『制空戦闘機』」という事でつ。
F4Fワイルドキャットに対するF6Fヘルキャットのような、パンチの効いたのを。
イメージとしては、火星エンジンを積み込んだ紫電改か疾風、あるいは陣風ですかね?

雷電が不調(延長軸がマズくて異常振動多発)というのは分かりますが、「火星が不調」
というのには「?」です。あれは確か比較的信用性の高いエンジンだと思っていましたが……。

元になった金星エンジンは、日本製としてはかなり良い出来のエンジンだったそうですし、
陸攻とかに使われた火星で「我慢できないくらいひどい問題が起きた」という話もあまり
聞きませんし。むしろ「それ一本に絞っちゃいけない」というのなら誉エンジンの方が……(w。

それに、別に「他のエンジン作るな!火星だけに汁!」と頭の悪いことは言っていないつもりです。
実際の我が帝國海軍はそれを誉エンジンで「新型には誉を乗せろ!」とやっちまった訳ですけど……。

実際のところ、成功するかどうか保証のない新型エンジン開発にはそれなりの保険が必要では
なかったのかな、とは思います。史実における誉エンジンの問題続出と、誉だけに傾注した結果
新型機開発がグダグダになったという事実は見逃せません。それこそ「誉一本に絞ってしまったが
故の悲劇」ですな。「他にも使えるものはないのかな」という視点が、やっぱり当時の現場では
不足していたんでは……。せっかくそこそこ使える大型エンジン(他国の感覚では軽量小型エンジン)
があったのだから、それを活用する方向はなかったものなのかな、と。乱文失礼。

253名無し三等陸士@F世界:2009/02/18(水) 18:06:02 ID:tLmVEODM0
>>251
>減速機構の振動とプロペラの強度不足による振動との共振だったそうな

しまった、漏れもWikiを確認しとくんだった。不勉強シマソ。
しかしこの板、薀蓄を傾けたら侮れない方が一杯いるなぁ(w。

254名無し三等陸士@F世界:2009/02/18(水) 18:27:03 ID:OMqLICOY0
 しかしWIKI見てると色々勉強になるなぁ零戦の20mm問題でも20mm機銃の問題ではなく翼の強度不足による物だとか
99式1号は初速も遅くて装弾数も少ないのも2号4型だと初速も速くて装弾数もベルト式で増えてるし、MG151/20とスペック的にも変わらんのな
 誉の問題も後期には解消されて安定してるんであれはいきなり使い出すのではなく問題点を洗い出してから大量生産に移ればよかったのかも
 火星もハ214を早期に実用化してればなぁ

255名無し三等陸士@F世界:2009/02/18(水) 21:29:22 ID:xzzJ6tVs0
wikipediaにも書いてありますが、火星2x型は一式陸攻でも振動問題を起こしています。また、水メタ噴射装置の不調による異常燃焼なども度々発生しています。

>史実における誉エンジンの問題続出
これがそもそもの誤解の原因でしょうね。
誉の不具合のほとんどは、末期の工作精度の低下が原因であって、これは他のエンジンにも同様に起こっています。
誉自体に根本的な問題があったわけではなく、むしろ火星などの不具合のノウハウを活かした、優れたエンジンだったというのが最近の定説のようです。

そして結局は日本の工業力の限界に落ち着くわけですね…

256名無し三等陸士@F世界:2009/02/19(木) 18:52:23 ID:wd1.eYdY0
すみません、ちょっと質問です。
よく熟練工不足の話を聞きますが熟練工って徴兵された20代より30から50代のほうが圧倒的に多いですよね?
何故熟練工不足に陥っているのでしょうか?爆撃で工場と運命をともにしたのでしょうか。
戦時中に開発された兵器って一から十まで熟練工が精魂こめて作らなきゃいけない工芸品なら判りますがそれなら設計段階の欠陥といえます。
個人的に性能を発揮できない兵器の呈の良い言い訳に感じています。

257名無し三等陸士@F世界:2009/02/19(木) 19:32:08 ID:7ivys4IM0
>>256
えっと、今の製造現場だと専用の工作機械が色々ありますが、当時だとそこまで機械の種類がなく、
まして日本では旋盤とフライス盤とボール盤とグラインダー、これらが精々です。
(しかも、現在のように数値を入れれば機械の方で動いてくれるなんてありません)
これだけで複雑な部品を作ろうというのですから、熟練工がいないと様々な仕様変更などに対応出来ませんし、
細かな精度を出すなど論外です。

しかも、当時はJIS規格などなく、ボルトやリベットは兵器の種類でコロコロ変わり、
使いまわしなど夢のまた夢です。

なので、熟練工がいなくなると部品の精度が落ちていくわけです。
同じ物でも、開戦当時は精度がバッチリでも、終戦時にもなれば、ガタや油漏れなどで、全くの別物です。

ついでに言うと、当時の製造業では10代半ばで就職するのは当たり前で、そこから始めれば20代30代でも立派な熟練工です。

258名無し三等陸士@F世界:2009/02/19(木) 21:03:55 ID:7ivys4IM0
あ、一文抜けてた…。

平時に徴兵期間を終えても、戦時になれば再徴兵(正確には動員)されます。
なので、30代でも動員されて戦地に送り込まれるのです。

259名無し三等兵@F世界:2009/02/19(木) 22:43:29 ID:jw92IY5k0
平時、日中、大東亜、と3回徴兵(動員)された方もいらっしゃったらしいですね。

>>256
>257さんが書かれた通り、今とは全く環境が違います。
その辺の悲哀は最近の架空戦記でもよく出てきます。

戦後ある程度(1950年代?)まで、「メイド・イン・ジャパン」は『安かろう悪かろう』でしたから。
映画の『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』にもそんな描写がありましたね。

260名無し三等陸士@F世界:2009/02/20(金) 18:27:37 ID:wd1.eYdY0
>>257
回答ありがとうございます。30代までとられていましたか。それじゃ熟練工が足りなくなりますね。
当時産業に従事していた人は百万人単位で兵役免除が行われていたと聞いて熟練工は優先されていたと思っていたのですが勘違いだったみたいです。
・召集延期制度(軍需生産に必要な人が対象)
・臨時召集延期制度(飛燕や疾風のような陸軍の重要な機種の生産にかかわるほぼすべての人が対象)
・特別召集解除制度(在隊中の重要産業従事者を召集解除させる制度)
・入営延期制度(重要軍需産業にかかわる人が対象)
・召集要考慮制度(軍籍者の重要産業従事者召集を免除、約160万人対象とのこと)
上記の制度は結構ざるか運用が甘かったみたいですね。

>>259
バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ懐かしいです。でも2は未来へ行く話しだったような。

261名無し三等陸士@F世界:2009/02/20(金) 18:35:23 ID:wd1.eYdY0
>>259
思い出しました。バック・トゥ・ザ・フューチャー2は未来に行ってから過去でしたね。

262名無し三等陸士@F世界:2009/02/20(金) 18:51:00 ID:1iYxEpnk0
炭鉱でデロリアンを発掘中に
「やはりな、メイドインジャパンと書いてある。」
「ドク、メイドインジャパンは最高だぜ?」
のやりとりって3冒頭じゃなかった?

263名無し三等陸士@F世界:2009/02/20(金) 19:58:30 ID:7ivys4IM0
>>260
確かに色々制度はあったんですが、無期限延期ではないですし、
丙種合格者(平時は入営免除、当時の風潮では男として恥)まで戦地に送られ、
さらに合格基準そのものが下げられる状態だと適用の幅が狭くなりましたので。
そして、整備関係の軍属として徴用される者もいましたので、額面通りに免除されるのは、
精々中島や三菱といった大手、後は川西や愛知の熟練工でしょうね。
町工場の熟練工なんてとてもとても…。

264名無し三等陸士@F世界:2009/02/20(金) 23:11:11 ID:jvBW9q/o0
結局、製品を作ってる作業員を引き抜いて前線の微調整に使わなきゃいけなかった時点で
工業力の低下は日本の宿命だったって事だな

265名無し三等陸士@F世界:2009/02/21(土) 03:06:53 ID:UccDwooc0
>>257
>ボルトやリベットは兵器の種類でコロコロ変わり

日本全体での標準規格も軍の部品規格もあったはずなのに、
なんでそんな状態になっちゃったの?

266名無し三等陸士@F世界:2009/02/21(土) 04:38:45 ID:P7ZkI.pQ0
日本の加工機械そのものに問題があったのよ

当時の一般的な工場の写真を見ると

モーター ===□==□==□==
          旋盤  旋盤 旋盤

といった感じで、天井に通ったシャフトに複数のベルトがかかり、それぞれのベルトが
旋盤に繋がっている。モーターが高いため、コストと作業効率を稼ぐ策としてね

もっとも、 動く機械の数が頻繁に変わる = 加工に必要なトルクがバラつく ため、
代償として加工精度が悪くなったのよ

267名無し三等兵@F世界:2009/02/21(土) 09:33:40 ID:jw92IY5k0
>>262
そうでした、3でしたね。すいません。

>>265
当時、ネジ1本にまで至る規格ってありましたっけ?
同じ型の兵器同士で部品交換出来なかった(部品が完全に同じではなかった)のだから。

268名無し三等陸士@F世界:2009/02/21(土) 09:58:09 ID:7ivys4IM0
>>265
あくまで、『あった「はず」』ですので。
零戦の「沈頭鋲」なんかがいい例ですね。
あれは、ぶっちゃけ零戦専用のリベットですし。

後は、規格があっても、運用でgdgdになってるというのも…。
例えば、結合用のリベットのサイズが123…とあって、ある機種があると仮定すると、
アメリカならなるだけ同じサイズのリベットを使おうとするんだけど、
日本だと少ない材料で強度を出そうと、その機種限定での最適化を図ろうとして、
ここには1、そこには2で、そしてあそこには3を…なんてやったわけです。
そうなると、現地では1が何本、2が何本足らない…なんてなってgdgdに…。

突き詰めれば、それも資源とかでの国力の差なんですよね…。
資源に余裕があるなら、エンジン換装とかを見越した贅沢な設計も可能ですけど、
零戦なんかは21型が完成型ですから…。
(後の型は、運動性や航続距離を削って速度を上げただけ…それもせいぜい数十㎞/s)

もっとも、そんなに国力に余裕があるのなら、戦争なんてしてないんですけどね。


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