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●◎短編小説・曝し場◎●

1イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/05(月) 01:22
お題小説やシチュエーションテーマに乗っ取って作品を晒すスレは別にあります。
ここは、完璧にオリジナルな作品を晒すスレッドなので、
お題やシチュエーションテーマを決めらていると作品が書きづらいという方はここに晒して下さい。

批評なども遠慮をせずにどんどんと書き込んでいってくれれば幸いです。

※作品投稿のルール
・一番目のレスのはじめに、作品のタイトルと原稿用紙換算枚数を明記。
・名前欄には作品のタイトルと、いくつかのレスに分ける場合は”2/7”というように明記してください。
・4096文字・30行のいずれかを超えた場合、省略されてしまうので注意。
・あまり長くなる場合(80枚程度が目安)は、WEB上の作品へのリンクという形で投稿してください。

19カサリズマ・メモリー 10/13:2003/05/05(月) 03:01
「何言うとんじゃ。だれも頼んどらんぞ、そんなこと。トーシロが勝手ほざくな」
 戦闘時に匹敵する形相で迫る少年を前に、少女は怯えの表情を浮かべていた。だが、理不尽さを感じたのだろう、少年を睨み返してきた。
「そやかて、あぶないとこやったやん。ウチがおらんかったら死んでたんやないの? あんた。カタナも何も全部のうなって、どうしようもあらへんかったやん」
 少年は右手で少女を突き飛ばした。
「よう見さらせ!」
 片足を上げて見せる。爪先をぐっと曲げると、その先からは勢いよく短剣が飛び出した。
「これで後ろから突き刺すつもりだったんじゃ。お前の助けなんぞいらんかった」
 鼻息も荒く、少年は説明する。獲物を横取りされ、少女が厭わしかった。
「でも、たすけてもらったんやから、お礼はした方がええと思う」
 なおも言い返す少女に、少年は上段蹴りを見舞った。爪先の短剣は、少女の首の皮一枚手前で止まる。少年は低い声音で言った。
「ええか、オレはお前を殺せた。でも殺さなかった。そやから、オレはお前の命の恩人や。お前がオレを助けたと見ても、おあいこっちゅうわけや。オレを助けたなんて思て、調子に乗るな、ドアホ」
 少女は今度こそ悲哀に満ちた表情になり、その場でしゃがんで顔を両手で覆った。その頭に更に切っ先を向ける少年であったが、少女の嗚咽を長く聞いているうちに足がつってきた。
 少年には、同年代の友人などいない。まして泣きに入った少女の扱い方など及びもつかない。親父に反発するのと同じように接したら、この始末だ。泣き出した親父など見たこともないので、どう対処していいのか判らず、辟易してただ見ていた。
「オレが悪いんか? ジャマしてきたのはお前……、いや泣くなや、ホンマに」
 子供じみた脅迫から転じて、慰めに移る。心中では、何やっとんじゃオレはと、自分の頭を殴りながら。

20カサリズマ・メモリー 11/13:2003/05/05(月) 03:01
 少女が嗚咽混じりに、何か言っているのが判ってきた。
「やって、チ、やって、ずっ。パパ、ママと……アクマが、ふっ」
「お前の両親のことかいな」
 首肯する。悪魔に殺された両親のことを言っている。
「死んじゃっ、日に、も泣いで……あん、あんたと、じめて会っ、って」
 切れ切れに言う少女の言葉を繋げると、今までの事情が判ってくる。
 初めて見かけた時に彼女が大泣きしていたのは他でもない、その日に両親が殺されたからだ。自分は遊びに出ていて、帰ってくると両親の遺書が残されていたという。
 長年生き、人並み以上に知能が発達した悪魔が両親を嬲り殺す前に書かせたものだとは、その時の彼女には知る由もなかった。
 その後、両親の死は公開されないまま、少女は養護施設に入れられた。世間では、故意であれ事故であれ、悪魔に関与した人間は白い目で見られがちなためだ。彼女は義務教育の拒否権を使い、毎日あの場所へ通って悪魔狩りの親子を見ていた、というわけだ。
「ウチも、アクマガリ、なりたいねん」
 悪魔を狩る存在は唯一、迫害とは逆の待遇を受ける。一般人を悪魔の魔手から救ってくれる守護者なのだから当然のことだ。
「ダァホ、女のガキに悪魔狩りがつとまるか」
「でも、あのアクマたおしたやん」
 指差す先には、銃弾を受けて沈黙した甲殻類がいる。少年は苦々しい表情で唸る。
「テッポウ使いなら、女の子でもなれるもん」
「あのな、オレかて何年も前から修行しとるんや。ついこないだ撃ち始めたばっかのお前じゃ、群れに囲まれたりした時イチコロじゃ」
 下らんと吐き捨てんばかりに立ち上がる。刀を拾って血振りし、納刀した。ナイフも拾って懐に戻す。
「悪魔狩りになるには、よっぽど才能があるか、ええ師匠につかなあかん。一人でなんぼ頑張っても、プロの悪魔狩りになんのはムリや。って、ムリムリのお前に言うてもムダかな」
 しゃがんでいる少女の頭をポンポンと叩き、横を通り過ぎる。
「ま、両親のくれた大事な魂や。生き急いで散らさんとき。こっちは男の修羅の道なんや」
 決まった。親父の名言を選り合わせた、取って置きの台詞だ。何やら後方から、ドアホだのイカレポンチだのイキリだのイケズだのクサイだの叫ぶ声が浴びせられたが、自己陶酔している少年の心には何の影響もなかった。

21カサリズマ・メモリー 12/13:2003/05/05(月) 03:01
「ケガしとんじゃ! 休ませ!」
「黙らっせ、ヘタレ坊主が」
 包帯が巻かれた左腕を指しながら休養を訴える少年が、親父にすげなく張り倒されたのは今朝のこと。
 利き腕を包帯の上から擦りながらぶつぶつと文句を垂れ、いつもの修行場へと向かう。親父も一応は息子の怪我のことを考え、腕を使った鍛錬はしないよう取り計らった。
 そんなわけで、初めのメニューは腹筋となる。
「五百! つる!」
 気合だけで最後の五百回目をやっつけ、汗だくの大の字になって開放感を味わう。こういった「たるんでいる」態度を見せると、決まって投石や蹴りなどの妨害がくるのだが、ある意味期待して待っていても何も起こらない。怪我の分だけ斟酌されているものかと訝しみ、ローアングルから親父の顔を伺ってみる。親父の視線は遠く向こうにあり、更にそれを追って視線を向けると、
 白いサマードレスを風に揺らした黒髪の少女の姿が、後ろで手を組み、横転した視界に立っていた。
 少年は呆れたような、感心したような気分で、しかし確かにほのかな喜びを感じた。
「何や、あの娘。こっちの方をジッと見てんで」
 親父のほざいた一言には、心底呆れる。
「お父はん、今まで気づかんかったんかい……」
「いや、そう言われると、今までもおったような。何や、こっちを意識してる感じが強いっちゅか何ちゅうか」
 よっ、と掛け声で調子を取り、少年はあぐらをかいて少女の方を向く。引きつる腹を押して、大きく息を吸い込み、
「何見とんじゃ、ワレェッ!」
 と怒鳴った。続いて、
「いくら見たかて、乳臭いガキは悪魔狩りになれんのじゃあ! 女は女らしく、女友達としゃべくっとれや!」

22カサリズマ・メモリー 13/13:2003/05/05(月) 03:02
 なぁお父はん? と、横を向いて同意を求めた瞬間、少年の鷲鼻の先を高速の何かが掠め去った。背筋に冷たいものが残り、硬直する。首を軋らせて再び見ると案の定、少女が得物の先をこちらに向けていた。洒落にならないことをした割に、清々しい笑顔である。
「うひゃはは、撃ってきよったであの娘! あの子なんやこせがれ、お前のサゲマンか?」
 わけの判らないことを言って、一人爆笑する親父。少年はといえば、彼女の銃弾を受けて砕け散った悪魔を眼前で見ているだけに笑えなかった。
 親父は涙目にぼやける視界で、銃口が自分に向けられたことを悟る。当たれば必殺の凶弾が、親父の額を正確に捕捉した。引き金を引く細い指に、ためらいはない。
 親父の眼光は政府擁する最強の悪魔狩りのそれに切り替わり、抜く手も見せず抜刀した。
「甘い!」
 正眼に構えた刀身は、いかなる硬度、いかなる速度の弾丸でも両断する。刀身は弾丸の先端を的確に捉え……、親父は自らの刀の峰を額で受け、昏倒した。
「ヒ・チシセイ、ねんちゃく弾」
 少女は勝ち鬨を上げた。
「ゴムみたいにブヨブヨで、当たっても死なんけど、いたいよ! これからは、このテッポウをよける練習して、あんたらはウチの練習台になるんや!」
 大真面目に言ってくる少女を見て、少年はぐっと押し黙る。しかし堪えきれず、腹を抱えて笑い出した。
「凄いでオマエ! 偶然やとはいえ、お父はんが倒されたんは初めてかも! うはは、見てみい、この勝ち誇った顔! 自分がやられたのも判らんかったんやでぇ」
 二人して、心底楽しそうに笑いあった。やはり海を隔てて、しかし銃弾という物々しい伝達手段を、これまでの品目に加えて。
「ね、なれるよね? ウチもアクマガリになれるよね?」
 少年は地面を叩きながら、笑いが収まらない。ゴロゴロと横へ転がり、水際の寸前で止まる。
『名前は、何て言うんや?』
 と、二人の台詞が一致した。そして、
「オレは、」「ウチは、」

23イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/05(月) 03:06
今から読みます。
13回もオツカレサマでしたw

24イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/05(月) 03:27
>>カサリズマ・メモリー
【表現力】★★☆☆☆
【構成力】★★★☆☆
【独創性】★★☆☆☆
【人物力】★★★★☆
【執筆力】★★★☆☆
【総合力】★★★☆☆

25イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/05(月) 03:30
3/13であの会話だけで何故肝試しと分かるのかが疑問でした。

>>「でもさ、可哀相な話だよねえ。夫婦には、まだ小さい女の子がいたっていうのにさ」
この会話だけで彼女を幽霊なのか? と怪しむのは少しついていけないかなあ。

尚、私は超初心者なのであまり的確な事を言っていない上
参考にもならないと思いますので無視してくれてもいいです……。

26人言:2003/05/05(月) 03:30
ジャンルは恐らくファンタジー。
ページ数の配分がなかなか難しいなぁ。

>>23
ども〜。よろしくお願いします。
誤字脱字、違和感、矛盾などありましたら、
どうぞ忌憚なくご指摘くださいませ。

27人言:2003/05/05(月) 13:35
>>24>>25
肝試しと判る経緯は(行間というか)省略されていて、
会話文には出てきていません。
なので、「話を聞いているうちに」という言葉を付け加えることにします。

また、少女が幽霊だと思い至る要素は、
・言葉を一切話さない。
・真っ白い服を着ている。
・近所で皆殺しに遭ったハンター一家には、幼い娘がいた。
という三点があります。ただ、それでも突拍子もない印象を与えるので、
野外食道の場面でこれらを再確認する描写を加えることにします。


評価どうもありが㌧。不自然な部分を発見でき、とても役に立ちました。

28オンエア(2000字オーバー版)1/4:2003/05/05(月) 14:52
原稿用紙換算枚数8枚と七行。作品名――オンエア


『はーい! 朝守高校自研部プレゼンツ! ハイパ―――――――――ロオォォ――カルレディィィィィッッッ――――――――――ッオ! 今日も始まりましたー。DJはわたしクスカで今から三時間ノンストップ、ゲストは大山先生でおおくりしまーす!
「う、う〜ん?」
 おーっと先生が起きたようですね。大丈夫ですかぁ?
「!? お、おいお前、なんで私がイスに縛られてるんだ!」
 大丈夫なようですねー。それでは何も知らない先生の為に番組の説明をしますね。
「無視するんじゃないこら!」
 この番組は朝守高校のFMラジオ放送機材を使って、毎週月から金曜日の放課後に、学生主導で三時間ノンストップでお送りしてる番組でーす。
「それと私に何の関係がある!」
 それがですね、毎月最初の月曜日には、先月最もリクエストが多かった人をゲストに呼んでリスナーの皆様からの質問のお便りに答えてもらおう、ってことになってまして。今日がその日で、先生がゲストでして、ちょっと手荒な真似をして連れてきてしまいましたー。番組が終わったら縄とか解いてあげますから、安心して下さいね?
「……わ、わかった」
 この大山先生、本名大山忠人さんは、十月九日生まれのてんびん座、三十四歳独身で、朝守高校着任一年目で、二年三組の副担任をやってらっしゃるとのことです。
「いやそれよりも先にこの縄を解きなさい」
 ダメですよー、男の人と二人きりのこの部屋で男の方を自由にしておくなんて出来ませんからねぇ。
「何もするはずなかろうが!」
 それでは最初の質問です。

29オンエア(2000字オーバー版)2/4:2003/05/05(月) 14:53
『大山先生が一年五組の宮里の誘拐の犯人だって本当ですか?』
「……何?」
 ちなみに黙秘権は認められてませんからねー。
「………………」
 代わりに黙認権が認められてます。黙ってたら肯定ってことに。
「侮辱するのもたいがいにしろ!」
 先生からの希望ですし曲に行きたいと思いまーす。リクエストはなんですか?
「……河の流れのように」
 曲の間、リスナーの皆様から質問を募集しまーす。メールで、あさがみハイフンレディオアットマークあさがみドットえーしードットじぇいぴーまでー。
 それでは、美空ひばりさんで河の流れのようにどうぞー。
「……本当にこれで放送が止まってるんだな?」
 止まってますねー。オンエアの赤いランプが消えましたよね。ここのマイクの音を放送してる時はずっとあのランプがつくようになってるんです。だから大丈夫ですよー。
「ふん。そういえばそうだったな。で、なぜ私がそうだと思う?」
 三日も前から連絡が無くて、三日前にあの子が先生と一緒に居るところを見たっていうタレコミ情報がありまして、カマをかけてみたんですー。そろそろ最初の質問の答え貰っていいですか?
「誘拐犯は知らんが、宮里はあの時別れてから消息が知れない。心配だな」
 あら。会ってたのは肯定するんですか。どうやら違うみたいですねぇ。
「私がそんなことできると思うか?」
 思いませんねー。――あらー、メールがたくさん届いてますねー。しかし便利な世の中になったと思いません? パソコンとかのお陰で頑張ればAD業もディレクター業もDJ業も一人で出来るんですから。今のわたしみたいに。でも、ディレクターさんに隣の部屋からやってもらうほうが断然楽なんですけどね。
「放送が終わったらでいいから、縄を解くんだぞ」
 ええ。それじゃ、次の質問です。ラジオネーム店主さんからですね。

30オンエア(2000字オーバー版)3/4:2003/05/05(月) 14:54
『この前ウチの店で買ったモノ、その女の子に使ったんですか?』
 あら、先生。どうしたんですか? そんな青い顔して。
「どこで知った?」
 これもタレコミですね。ウチの学校にも進んじゃってる子がいまして、普通に大人専用おもちゃを売ってる店に行く子がいるんですよね。で、その子の情報を元に店主から先生が品物買ってるのビデオ、貰ったんです。大変だったんですよー。ごらんになります?
「だからどうした。あの娘をさらったのが私だという証拠にはなるまい」
 白を切りますねぇ。それでは最後の質問です。
『先生の車が、町外れの空家に止まってるの、みたんですけど、何であんなところにいたんですか?』
 ね、先生。白状しちゃったらいかがですか?
「……お前も、放送中にこれを聞けばよかったんだろうがな」
 と、言いますと?
「これだと、私も言い逃れようが無い。諦めたよ。私が彼女を誘拐した。だが、まだ何もしていないぞ?」
 だったら、喋ってくれますね? 彼女が今どこにいるか。
「知らないのか?」
 知ってたらこんなところにいないで、助けに行ってます。現にうちの部活のわたし以外の全員は探しに走り回ってます。わたしは置いてけぼりだったんです。だから先生にゲロして貰おうと。さっきの会話は録音しましたから、またシラ切っても無駄ですよ? テープを警察に持っていくだけでもあなたは捕まりますから。
「まぁ、どっちだって問題は無い。――放送が止まっているのがお前の運のツキなんだよ」
 ……先生、何言ってるんですか?

31オンエア(2000字オーバー版)4/4:2003/05/05(月) 14:55
「こんな縄、俺が解けないと思ったか?」
 うそ、きゃっ! いた、いたい!
「それじゃ、テープとやらを出して貰おうか?」
 ――先生こそ、本当に放送を止めてると思ったんですか?
「苦し紛れに、何を言うか」
 メールが届きましたね。先生。私を放すか、それかメールをご自分で見てください。たぶん書いてありますよ、『先生、自首してください』って。
「いや、それは絶対にありえんハズだ。オンエアのランプは消えている。ランプだけ消して、それでもマイクの音声をいれるなんざ、すぐに出来る処理じゃない」
 ――ご明察ですねー。でも、メールがまた着きましたよー。もう百通越してますね。ああ、先生これ知ってます? スタジオマイクから中継マイクに切り替えたときもスタジオのオンエアランプは消えるんです。ついでに、今中継マイクはこの部屋の中なんです。
「――まさか」
 メールを見ればわかりますよー。
「くそっ!」
 はなしてくれてありがとう。
「……なんだ? 『クスカさん、曲が終わってしばらく立ってもなにも聞こえないんですがどうしましたか』……まさか」
『そう。そのまさか』
「キサマッ! いつの間にその部屋に! おい! この扉の鍵をあけろ! なぜマイクを持っている! そのマイクを離せ! 離すんだ! 放送を止めるんだ!」
『真っ赤な嘘に引っかかってくれありがとうございますね。先に言っておきますが、パソコンから操作室の操作を止めるのは無理です。じゃあ先生、オンエア行きますよ!
 皆さん長らくお待たせいたしました! 先生の一生をかけた肉声を録音したこのテープ、今よりリスナーの皆さんに聞いてもらいたいと思います! それではどうぞ!』

3215=323:2003/05/05(月) 14:58
ども。失礼します。
2000字を越えてしまっているため、元のスレとはすれ違いになると判断し、
ここをお借りした次第であります。
微妙に訂正が入っています。微妙ですね。入れきってから投稿すればよかったと後悔中。
スマソであります。よければ見てやってください。

33イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/05(月) 16:39
★の批評でいいならするけど、それは嫌だな・・・、って感じならそう書いて!

34イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/05(月) 16:53
>>33
漏れはかまわん。って漏れが言っても意味ないか。
でも執筆力は意味分からん。

35イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/05(月) 17:06
>>オンエア
【表現力】★★☆☆☆
【構成力】★★★☆☆
【独創性】★★★★★
【人物力】★★★★☆
【執筆力】★☆☆☆☆
【総合力】★★★☆☆

36イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/05(月) 17:12
執筆力が少し足り無すぎるように感じました。
まあ、でもこれは書いていくうちに上手くなっていくものだから気にしなくてもいいかも。
独創性はすばらしいと思います。多分、これは一種の才能だと思うんで頑張って下さい。

37イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/05(月) 17:12
あと、疑問に思ったのはクスカのセリフが『』と>> おーっと先生が起きたようですね。大丈夫ですかぁ?
みたいなのに分かれているのは何故ですか? 
尚、私はかなりの超初心者なので無視した方がいいかもしれません。

38イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/05(月) 17:13
あ、★で批評されたくないって人はそう言ってくれると嬉しいです・・・・・・。
ちょっと、みんなの感想をまってるだけなんで。テストみたいなものです。

39イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/05(月) 17:27
確かもともとの★評価のスレでは、執筆力は本の出る速度で考えてたと思うんだが…
ここではどういう扱いなの? 
文章力とか描写力なのかな。それだと表現力との違いがよく分からないんだけど。
すまん。漏れが厨なだけなのだろう……
しかもここで聞くべきじゃないか。スマソ。

40イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/05(月) 17:31
ああ、そうなんですか。漏れはよく詳しくないんで
執筆力→文章
表現力→描写などをわかりやすく書くこと

なんて思っていたわけですが、どうやら違うみたいですね。

41イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/05(月) 17:40
ああなるほど。
でもその二つってかなり密接に絡んでるから、区別が難しいよね。
わざと描写を小難しくすることだってありうるわけだし。
いやまぁ、自分の思った通りにやればいいと思いますよ。スレ違いスマソ>all

42人言:2003/05/05(月) 17:50
>>33>>38
僕は☆のみの採点でも、感想のみでも全く構いません。
たとえば一行の批評でも、読んで、その感想を伝えて
もらえるのなら嬉しいです。
遠慮なくカキコしてください。

4315=323:2003/05/05(月) 18:39
感想ありがとうございます。
>>35
ぬぅ。執筆力が一ですか……。だめだめですか、だめだめですね。
読めないまでにそれが低いのは、サイアクですしね。がんがりやす。
えーっと、『』については、さいしょっから最後まで、一応ついてるにはついてます。閉じてませんしね。
最後の方『』が余計なのは、アレです、隣の操作室は通常スタジオに音声を伝えられないんです。
ですから、マイクを使って中に声を入れてたんです。だから放送時の声につく、『』がついてたと。
……いや、われながら無理を言っているのが良くわかる。解るはずが無いやそんなの。
どうせなら取っ払ったほうが良かったでしょうね……。

ありがとうございましたー。頑張ります。
あ、ちなみに、私が書いた作品も☆評価全然OKです。
なかなか深くキますしね。むしろ土下座してまで頼みたいぐらいです。

44イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/05(月) 21:39
>オンエア(2000字オーバー版)
 向こうのスレでオチが弱いとほざいた者です。
 フルバージョンを見て……なるほどねえ。うん、こういう展開なら全く違和感を
 感じません。面白さを十分堪能しますた。
 後はどう削るかの問題だけですね。締切まではまだ時間があるし、健闘を祈ります(^^

45イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/06(火) 03:30
原稿用紙30枚弱でレスが13分割なんだから、
50枚とかはちょっと無理っぽいよね。面倒だし。
とりあえず、何日かの内にあpろだを用意してみようと思います。

46イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/08(木) 16:20
>カサリズマ・メモリー
登場人物が魅力的。会話を関西弁(?)にしたのも良かったかも。
ただ、地の文はもう少し鍛錬(練習)した方がいいと感じた。
これは一例だが、
「が、親父が振り向きざまに腰から突き出した刀の柄頭によって、あえなく弾き落とされる。」
という文。この文は主語と述語の使い方が妙だと思った。
これは少年が投げた石を父親が弾き落とすシーンだが、
この文の主語は「父親が」で、述語は「落とされる」だ。
弾き落とされるのは石でなでればならないはずだ。再考を願う。
また、父親が息子を「こせがれ」と呼ぶのもおかしい。
辞書によれば、“こせがれ”は自分の息子の謙譲語とある。(岩波、新潮、講談社他)
第三者に使うならおかしくないが、息子の呼びかけに使うのはどうか…。
書きたい気持をおさえて、少し文章に気を配るといいかもしれない。
会話はテンポが良くて、キャラは立っているので改稿して文を整えるといいと思う。

47イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/08(木) 16:35
>>46
その例に挙がってる一文の主語、”親父”ではないぞ。
原文の使い方で間違いない。
もっと文章(゚Д゚)ヨメ!

4846:2003/05/08(木) 16:45
言葉足らずだったので補足を…。
「こせがれ」には若者の蔑称の意味もあるが、
自分の息子を呼ぶには先に書いた意味もあるので適切ではないと思った。
作者がわかっていて使っているなら、何も言うことはない。
だが、自分のように引っ掛かりを覚える読者がいる事を忘れないで欲しい。
色々スマソ。

49非46:2003/05/08(木) 17:22
>その例に挙がってる一文の主語、”親父”ではないぞ。
ちょっと原文を見たが、確かに47の指摘通り文法は間違っていないね。
ただ、読みにくい文だから、誤解しても無理はないかなあ、と感じた。
 この部分に限らず、全般に主語の省略が多くて読みにくい。これはちょっと気をつけ
た方がよさそうかなと感じますた。

50人言:2003/05/08(木) 22:46
>>46>>47>>48>>49
なるほど、こせがれが謙譲語ということは意識していませんでした。
一応、「小僧」という意味で、加えて息子の「せがれ」と
いう感覚で使っていました。奇を衒ったというか、語感が
気に入ってしまっているので、うーん、直そうか、直すまいか。

主語を省きがち。そうですね……テンポがよくない。
読み手の観点で文章を見なければいけませんね。

みなさん、ご意見どうもありがとうございました(´∀`)

51イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/16(金) 01:23
えば、戦後、川沿いに発展した町工場群は、平成に入りだいぶ衰退している。
色褪せた空家や倦怠感に覆われた路地裏に昔のような粗野な労働者の影はなく。
疲れきったこの一帯には、何処からか流れてきた捨てネコの住処となっている。

私はここでコンクリート片や板切れでネコを殴殺したり、その死体を灯油で焼いたりします。
変り種としては、廃棄された機械を覆っていた布でネコを包み込んで、そのまま川に落したりします。
登校の途中の眩しい朝日を浴びながらそんなことする時もありますし
真っ赤な西日で目が痛くなる夕暮れ時にもあります。
学校には真面目に行きますよ。

私がネコを虐待するのは。
ネコを虐待することは悪いことだと言う人が現われて欲しいからです
なんで悪いんですか?と私が尋ねても
やっぱネコを虐めるのは悪いことだよ、はっきりと言う人が居て欲しいからです。
私が隅っこの方に居ても、その人は必ずやってきて
常識でガンジがらめにしないと壊れてしまうものを守ります。
強い人間が弱い動物を嬲るのは悪いことです。それはきっと最も純粋な悪です。 
そして、そういった純粋な悪意があるのなら、純粋な善意もあるはずです。
孤独だった悪意は善意との邂逅によって変わります。
この世界には善意も存在するのだとやっと実感できるのです。
それは倫理的で、宗教的で、超越的で、人が言葉を使う以前の美しさです。
その時が来たら、私はきっと泣いてしまうと思います。

52イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/16(金) 01:24
確かに林君は善意の戦士かもしれません。
けど、善意の有無はそもそも信仰の問題です
林君にはそのような純粋なものを求める傾向が強いだけで
林君自身はそのような滑稽な役割を演じないと思います。
その原因を言うには前田さんについても言及しないとダメですね。
前田さんは少し暗めな女の子です。時々、猛烈な思想家さんになりますけど。
けど、根暗な性格を「お人形さんみたいだね」とも言い換えられるくらい綺麗な子でもあります。
(そういう子が伏し目がちに思想を口走る姿は圧巻ですけど)
理由はわかりませんが前田さんは
林君のようにクラスのみんなと馴れ合うか、合わないかの問題以前に
クラスから意図的に排除されています、つまりイジメですね。
そして、俗っぽいことを言ってしまえば、前田さんと林君は付合っているわけです。
たぶん、二人はそういう恋人関係を否定すると思います。
彼女/彼とはお互いの疎外感を癒すためのかりそめの関係なんだ、とは言わないでしょうが
お互いにお互いを利用しているという微妙な状況を二人は知っていて、今の関係を維持しています。
それを恋愛だとは口が裂けても言えないのです。少し可哀相だなと思います。
それでも、そのうち、二人一緒でないと
自分の一部が欠けたような空白感を感じるようになると思います。
そして、私はそういう関係性を一応、「恋愛」と呼ぶのだと、ドラマで教わりました。
前田さんと林君の思いは硬いものだと思いますし、それで二人が大切な何かを保てるなら
その状態で良いと思います。
それに私は私の欲望のために二人のそれを壊したくありません。
私の欲望によって壊したくないのか、欲望が壊すことを望まないのか知りませんが。

53イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/16(金) 01:31
51の一番最初の「えば」ってのは、「例えば」です。
なんつぅーか、スゲー初歩的なミス。

54イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/16(金) 01:48
おっ、久々の投稿だ!
重いテーマだけど、文章がしっかりしてるのでぐいぐい読ませるね。
(冒頭、第一段落と第二段落の文体の落差は気になった)
これがちゃんとした短編なり、長編になったものがあったら是非とも読んでみたい。
でも、ライトノベルっぽくないのは気になるところ。
電撃の読者は、こういった重厚でダークな雰囲気を持った小説を読みたがるだろうか。
電撃に送るのなら、地の文で語っている内容を分かりやすく噛み砕いて、
文盲寸前の中高生にも親しみやすいようドラマの中で語った方がいいと思うよ。
個人的にはかなり楽しみです。

55イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/16(金) 18:56
>>51
 うーん……これは設定の善し悪しを見てくれ、ということかな?
 雰囲気は悪くないと思う。後は、これがどう展開していくかでしょうね。
 続きに期待します。

56イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/18(日) 04:46
>色褪せた空家や倦怠感に覆われた路地裏に
>疲れきったこの一帯には、
美人の描写で「彼女は美人だった」と書いたら台無し、っていう鉄則がある。
「倦怠感に覆われた」と書いた時点でただの説明になり、小説の描写じゃ
なくなる。まあ、「判りやすさ重視」かもしれないけどね。

57こんな感じの短編を応募したいんだけどどう?:2003/05/18(日) 04:46
「人が落ちたぞ」
僕が居る木製の古びた橋からその叫びのする方角を眺める。
今がまさに夏だと主張するかのように鋭い陽光があって
気持ちが良くなるほどの万緑に覆われた山々もある。
ここは田舎なのだと改めて気づく。
すると今まで意識からは消していた、雑多なセミの鳴き声や川の流れる音が聞こえてきた。
無条件で懐かしいと言える田舎の夏そのものだ。
「ところで高志はどこへいくの?」という彼女の問いかけを受けて、視線を高志に戻す。
アスファルトの陽炎によって身体を歪ませながらも、懸命に走って行く高志が見える。
こんな状況に遭遇しながら、ちゃんと下流の方へ向かっているのエライな。
川沿いに立つ民家で立ち止まっては
「駐在さんに電話を、川に人が落ちたんだ」と声を数度、張り上げる。
その姿はどこか、二時間サスペンスを感じさせる。
「我が町の狼少年の誕生ね」
上半身を欄干の上に寝かせつつ、下半身は橋の外に投げ出しながら、彼女は感慨深げにそう呟いた。
「お前のせいじゃん」
「ただでさバカ暑いのにあんなバカなウソをついていたら
暑さのせいで頭がイカレた村民からリンチね、可哀相に」
いつのまにか、彼女は欄干の上に仁王立ちしていた。狼少年の方を見ている。
陽射しをさえぎるためか、目の上に手をかざしている動作が酷くウソ臭い。
「でもさぁ、高志はほっとくとして
橋から普通に飛び落ちたのに、どうして這い上がってこれるの?
なんかおかしいよ……ロープを使っただとか?」

58イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/18(日) 04:46
「私の家に代々伝わる超魔術なの。母親から
『もしもバカな男からストーカーまがいのことをされたら躊躇せず使いなさい』って言われて……」
「掃除のサボりを注意されそうだったからって何もそこまで」
「まぁね」
ぶっきらぼうな返答。
まだ、彼女は気持ちよさそうに欄干の上に立っている……
そのような超魔術を全くの無傷でやったのだと思っていたけど。
川の水が少しばかり跳ねたのか、シャツの所々に肌の色が淡く浮きあがっている。
なんとなく、水の中にバシャっと飛び込んでみたいという衝動が疼いた。
そして、それとはまた別の衝動が、その水で濡れている部分とは地続きの、
腕が顔の辺りまで上げられてガラ空きになっている部位を僕に見せ付ける。
シャツ自体の薄さと、彼女を透かす強烈な日光で
白い布が彼女の胸を締め付けているのが見えた。
反射的に目を逸らした。
「でっ、これからどうすんの? 今なら、まだ狼少年を暴力の魔の手から救うのもできると思うよ」
「遠くから観察しようか。高志がどんなバカ面をしてるか見たいし。ちょっとそこどいて」
僕が後ろに一歩、一半歩下がる間に、彼女は「いっせぇのーせ」の掛け声で欄干から飛び上がった。
約50センチの僅かな落下と大げさな着地音。
「ちょっと、どき方加減が少なかったんじゃないの?」
僕のどき方が思いのほか甘かったのか、彼女と今までに経験したことがないほど接近してしまった。
ホント目の前に彼女の顔があった。
不意に彼女と僕の身長がほとんど同じだったことを思い出した。
「まぁ、とにかく行きましょうか」

59イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/18(日) 13:27
>>57
やめた方が良いと思われ >応募
内容云々の前に、表現が拙すぎ。
もうちっと文章を整理することをお勧めします。

60イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/18(日) 14:46
>>57
表現が拙いというより、書きたい事を整理できていない作品と思った。
>>59さんの指摘にあるように文章の整理も必要。(w
個々の表現にはそれなりの工夫を感じたが「お話」になっていないのが問題。
こちらの読解力不足を棚に上げて言うが、散漫な印象をぬぐえなかった。
田舎の感じとか、小悪魔的(?)な彼女とか、よさげなモノもあるので、
文を分解し、組み立て直すようなつもりで書き換えるといいかもしれない。

61イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:07
 一章

 ――高く囀る鳥の鳴き声で楠田來未は來未は目を覚ました。
 まだ、瞼が重く、眠気が去っていない。ぼんやりとした手つきで枕元にある時計を引き寄せてみれば、まだ四時を少し過ぎた頃合いだった。
 はあ、と一度嘆息してから來未は布団の中に潜り込む。もう一度寝ようと、瞼をゆっくりと落としたが夢の中に入り込む事は出来なかった。
 眠気に襲われてはいたが、何分たっても眠りにつくことはできない。仕方がなく、布団を掻き上げて一度身体を伸ばした。
「またか……」
 声に出して言ったのはもううんざりとしていたからだった。近頃になって随分と早く目が覚めており、眠気に襲われはいたが長い睡眠を取ることはできなかった。当初はそのまま起きており、雑誌を見入ったり、ビデオを鑑賞していたりしたがそれも長く続けば段々と苛立ちに変わってくる。この頃は、精神病にかかっているのではないかと不安にさえ犯されていた。
 來未は一度舌打ちしてから、寝台の横にある窓を開けた。
 冷たい風が吹き付けてくる。呼吸をするたびに白い息が風に遊ばれるようにはいては去っていった。もう春も終わりに近づいたというのに、肌寒さは去ろうとはしない。見上げれば薄紫色の空が辺りを覆い尽くしていた。
 ぱちん、と來未は窓を閉めた。おもむろに近くに掛けられていた制服を取り、それに着替える。はあ、ともう一度嘆息してから部屋を出て階段を下っていった。
 リビングに入れば、母親が録画した調理番組を見ていた。ドアを開ける音でこちらを振り向き來未を見上げていた。
「おはよ……」
「もう起きたの? 近頃随分と早く目が覚めるわね」
 來未の返答を待たずに母親は調理番組に目を戻した。來未もそれには答えずに近くにあった椅子に座り込む。
「ああ、昨日頼まれたノートね。忘れてきちゃった。今ならコンビニも開いてると思うから自分で行ってきて?」
 ぱっと、テレビから目を移し思い出したように母親が言うと、來未は顔を苦くした。
「ええ、めんどくさい。お母さん行ってきてよ」
「自分が必要なものでしょ。自分で行ってきなさい」
 母親は近くにある鞄の中から財布を抜き取る。そこからお札を一枚だして、來未に手渡そうとこちらに手を伸ばしてきた。
「めんどくさいなあ……」
 そう言って、椅子から立ち上がり母親の手からお札を取った。
「気をつけてね――」
「……馬鹿じゃないの。何歳だと思ってんのさ」
 頭ごなしに母親にいいつけて、來未はリビングを出て行き、玄関へ向かった。外に出てみれば、肌寒さが全身に押し寄せてくるほどの冷気だった。
 來未は小走りにかけ始め、家を遠ざかって行く。朝独特の冷たく、静かな空気が辺りにたちこめていた。
 数分、歩き続けもう目の前にコンビニが見え始めた頃、一人の男が目についた。電柱に背中を押し当てながら、じっと誰かを待っているようだ。白色の髪のせいか、顔立ちよりも何処か、年老いて見える。
 周りには男以外は誰もいない。來未はその男に何処か不安感を抱きながら横を通り過ぎようと、足を速めた。

62イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:07
「あの……」
 と、声をかけられたのは丁度男を通り過ぎ、來未の視線から消えた頃だった。
「……このくらいの男の子をみませんでしたか?」
 來未が後ろを振り向くのを待ってから男は手を肩幅ほどに広げた。
「――知りませんけど?」
「そうですか……、すいません」
 男はそれを聞くと立ち去るように、來未とは反対の方向へ歩き始める。來未もそれを見て取って、コンビニへと足をすすめはじめた。
 ――変な人。
 男が言った少年の背丈は赤子ほどだった。そんな、小さな少年が一人で歩けるはずもない。だいいち、と來未は思う。少年を探しているならば、電柱に寄り添ってなどいないものだ。もし、それがあの人の子供ならそれこそ、狂乱になるほどに探すはずだ。なのに、先ほどの男は何処か余裕を見せていた。そんな人物に育てられるくらいなら他人に育てられた方がまだましだろう。
 來未は心持ち嫌な気分に犯されながら、コンビニへ入っていった。
 いらっしゃいませ、と言う言葉が店内中に響き渡り、それが何故か恥ずかしく思えた。
 ――ノートは……。
 雑誌が売られている対面にノートを見つけ、それをレジに持っていく。会計をすませてコンビニを出て行こうと、扉を開けた時に一人の少年が目についた。
 すぐ、前方に一人の少年が來未を見上げている。本当に小さな風貌をしており、髪は綺麗な茶色をしていた。
「姉ちゃん、さっきあいつと何話してたんだよ」
 唐突に話しかけられて、來未は後ろを振り向く。そこには誰もいなく、そうして少年が自分に話しかけているのだとわかった。
「え?」
「さっき、あいつと話してただろ」
 來未は眉をひそめる。この少年が何を言いたいのかが全くわからなかったからだ。
「お母さんは何処にいるの?」
「――関係ないだろ。もう、いいよ。ちょっとこっちにきて」
 少年に手を掴まれて來未はそのまま引っ張られるように少年の後をついていく。
 少し歩いたところに、小さな空き地があり、そこで少年は立ち止まると來未に向き直った。周りには人の姿がなく、何処か寂しい気分にさせられる。
「何かようなの?」
「ちょっと、あっちに来てもらうから。もし、姉ちゃんがあいつの味方だったら殺すからね」
 殺す、という言葉に胸がうなった。
 この少年は一体何を言いたいのだろう。あっちとは何のことで少年が言うあいつとは、一体誰のことを指しているのか、來未にはわからなかった。こんな小さな少年が殺すなんて言葉を使っても信憑性がなかったが、それでもこの誰もいない空間で少年と二人きりになれば、何処か不安が押し寄せてくる。
「ちょっと、離して!」
 そう言って、少年の手をふりほどいた。
「姉ちゃん。ちょっと黙っててよ」
 静かな声で少年は言うと、來未は後ろに振り向き空き地から遠ざかろうと歩き始めた。
 もう、空き地から出ようとしたときに後ろから少年が走ってくる音が聞こえた。來未は、後ろを振り向いて、少年を確認すれば、もう來未から数歩の距離まで来ている。
「え?」
 と、言ったのは少年の髪が茶色から銀色に変化していたからだった。先ほどよりも髪が伸びており、肩までかかるほどになっていた。
驚愕しているうちに、少年は來未の目の前にまでやってくる。そうして、右手で來未に触れるとにんまりと笑いながら、來未を見上げてきた。
「もう、遅いよ」
 少年が言った瞬間、空間に穴が開き來未はそこに吸い込まれるようにして入っていく。來未の悲鳴だけが、木霊になって残っていった。
 数分後、そこには來未の姿も少年の姿もなく、ただ虚ろな空気だけが流れていった。

 一羽の鳥が旋回している真下には広い敷地の中に学校が建てられていた。校舎の横にある灰色の砂を捲いたグラウンドでは大勢の緑色のジャージ姿に身を包んだ生徒がボールを蹴り合い遊びほうけている。その中に佐伯秋人がいた。
 周りでボールを蹴り授業を受けている生徒達とは対照的に秋人は数名の友人達と立ち止まりながら会話を繰り広げている。真面目に授業を受けている生徒達も諦めたように彼らを無視していた。

63イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:09
キターーーー

64イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:24
いい感じだよ
描写のリアリティ云々以前に言い知れぬ感触(現実感って言うか)があるし。
全編に漂う不安もいい感じだし、その不安が方向性を持ったときが楽しみ。
知名度だとか技量だとかなしに、なんか期待するけど
どっかで俺と被ってる部分があるから、そういうところが俺にはキツイ。

65イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:27
>>64
 ありがとうございます。すごくうれしいですw

66イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:33
「ええ、めんどくさい。お母さん行ってきてよ」
「……馬鹿じゃないの。何歳だと思ってんのさ」
微妙に性格が変わっている気が・・・。

67190:2003/05/25(日) 01:33
たいしたことじゃないが、描写がちょっと変な部分がある。
例)男を通り過ぎ、來未の視線から消えた頃だった。(視線→視界)
この辺は推敲不足だからかな。

長編ならともかく、短編で、このオープニングはつらい。
おれなら、男に声をかけられるシーンとか、もっと動きのあるところから
はじめる。先の展開がわからんので、はずしてるかもしれないが。

68イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:36
少年の「姉ちゃん」の台詞は、
チンピラっぽいから変えた方が良いと思う。
お姉ちゃんかお姉さんがいいかと。

69イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:38
>>66
うあー、性格変わってましたか・・・・・。
人間ってよく気持ちで左右されたりするから、そういうところを書こうと思ったんですけど
さすがに無理がありました。すいません。

>>67
 先の展開は小さい男が妖精だって言う設定のつもりだったんです。
描写の指摘ありがとうございました。

70イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:39
>>68
 指摘ありがとうございます。

71イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:41
初めのうちは無愛想な文体に感じられたけど、
読み進むうちに気にならなくなった。

少し「あれ?」と思ったのが、

>緑色のジャージ姿に身を包んだ生徒がボールを蹴り合い遊びほうけている。

>ボールを蹴り授業をうけている

>真面目に授業を受けている生徒たちも
ってところ。
「ジャージ姿に身を包む」ってのは誤字かもしれないから別に構わないんだけど、
生徒たちは遊んでいるのか授業受けているのかどっちだろう、って気になった。

まあ、些細な揚げ足取りだからあまり気にしないで。
何より、作りかけのものを晒した勇気に敬礼。

72イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:42
ギブアンドテイクで、創作物を発表したら
今度は他の創作物を批評してくれよ。
そうしないと閑古鳥が鳴いて寂しいからw

73イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:43
>>41
さすがに目が肥えてると思いました・・・・。
最後の方はもうやけで書き始めたところなんですよ。やっぱりそんなところはすぐにぱれるんだなあ・・・・・。

74イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:44
>>71さんの間違いでした。

75イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:44
「來未の悲鳴」を台詞にしてないところとか好感持てるな。
でも「悲鳴をあげようとした」とか「無意識に喉から声が漏れる」とかの描写をつけると文が締まると思う。

76イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:46
>>75
 好感もってくれてありがとうございます。そうゆうこと言われるの本当にうれしいんですよねw
描写ですか少し考えてみますね。指摘ありがとうございました。

77イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:46
この段階までで評価をするとしたら。

・文章はまあいいんじゃないでしょうか。ただ、ライトノベルであることを意識する
ならもう少し漢字を開いた方がいいかも。まあ、この辺は好き好きで。

・出だしがやや遠回りなように感じました。たぶん序章があって、その続きから書いて
いるのかな? という印象です。

・心理描写に若干の違和感。
>そんな人物に育てられるくらいなら他人に育てられた方がまだましだろう。
 その前の文まで「親にしてはずいぶん薄情だな」と感じているわけですね。
 ちょっと変だと思っている。それがいきなり「そんな人物に〜」と親子だと確信して
 憤慨するのは、やや不自然かと。
 (まあ、彼女が思いこみの激しい性格だということならそれでもいいのですが)

 気になったのはこんなところかな。(・∀・)イイ!となるか( ´・ω・) ショボーン と
なるかは、今後の展開次第ということで。期待してまつ。

78イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:49
>>77
 ああ、なるほど。そうですよね。親子って分かっていないんでスモンね・・・・・。
ちょっと、バカになってました、すいません。

文章がまあまあ良いっていうのはすごい褒め言葉ですね。
自分ではかなり下手だと思ってたから、慰めになります。ありがとうございました。

79イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:53
飛びぬけて悪くて、ここは駄目というところはないけど、
なんとなく違和感が残るところが幾つかある。
抽象的で悪いけど、これが直せれば文章は問題なく良くなると思う。

80イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:56
>>79
 違和感ですか・・・・・・。
とにかく書き続ければ何とかなるものかな?
それだといいんだけどなあ。
指摘ありがとうございました。

>>72
 今度晒した人のを批評してみますねw

81イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:57
>>79
そうだね。ソツのない作品って印象だ。
淡々とした、雰囲気で読ませる小説が向いてそう。

82イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:58
>>80
いろいろな本を読むことがいいと思うよ。
書くことももちろん大切だけどね。

83イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:58
続きもここに晒していいのかな?
それよりも100枚とかいって、楽しくない小説だったら批評してくれる人まだいるかなあ・・・・。

84イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 01:59
このノリでもう1人くらい書いてくれないかなー

85イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:00
>>81
ありがとうございます。
ふいんきで読ませる小説ですか、なんかうれしいかもw
有名な人でふいんきで読ませる小説書いてる方っていますか?

>>82
 本は一ヶ月に二冊は読むことにしてるんですけど
やっぱり少ないかな?

86イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:00
>>83
書いてさえくれれば読むし、感想も書くよ。

87イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:01
>>83
どうなんだろ。
漏れ的には構わんが、スレの1に八十枚が目安ってあったしなあ。
他の香具師の意見キボン。

88イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:01
こんなに人の集まったことだし、なんかできないか?

89イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:03
>>85
一ヶ月に2冊は少ないかもな。
ライトノベルで比喩的な文章なら秋田がいい。
古橋なんかも勉強になるかも。

90イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:03
>>84
電撃学園向けで一本ストックがあるんだけど、読んでくれる?

91イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:03
>>88
http://jbbs.shitaraba.com/movie/bbs/read.cgi?BBS=2689&KEY=1051888496
このスレッドを盛り上げてください……理由はいわずもがな

92イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:04
>>85
どういう本を、どういう読み方で月二冊読んでるかのよると

93イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:04
>>90
読む。っていうか読ませて。

94イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:04
>>90
僕は読みますよー。

95イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:06
>>92
うーん、宮部みゆきさんや小野不由美さんなんかを筆頭に読んでます。
読み方は布団の中でじっくり派です。

>>89
 ありがとうございました。

96イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:06
>>93
他人の小説を読むことはそれだけで勉強になるしね。

97イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:08
小野不由美さんはいいよね

98イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:10
小野不由美さんは十二国記しか読んでないけど、すごく好きだ。

99イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:10
>>97
いいですよね!!
ライトのベルの完成系って感じがするんですよ。
難を言えばもう少し早く本を出してほしいことかなw

100イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:12
おれは秋田厨だからねー。秋田より上はありえないw
あの文章に慣れると癖になるんだよなーw

101イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:13
読んでねえや……試しに読んでみようかな。<小野不由美さん

十二国記ってハードカバーとか出てるけど、
やっぱ文庫買ったほうが安いのかな?
当方貧乏学生なもので

そして100ゲット。
この板では100まで伸びたのは二つ目か。

102イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:13
>>90
マーダー?

103イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:13
最強の敵が伊集院光と佐藤友哉
ギャルゲーとウィトゲンシュタインである色物系の俺には判らない世界だ>小野

104イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:13
>93,>94

ありがとー。んじゃ、↓のスレに晒してみます。

「電撃学園物語対策スレッド」
http://jbbs.shitaraba.com/movie/bbs/read.cgi?BBS=2689&KEY=1051881471

どたばたコメディが狙いなんだけど、つまらなかったらスマソ。

105101:2003/05/25(日) 02:13
はどぅかしい……

106イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:16


107イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:18
>>105
大きくなれよ。

108101:2003/05/25(日) 02:19
いや、100ゲットし損ねて……
スマソ。放置してくれ

109イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:25
みんな寝た?

110イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:28
起きてるけどー

111イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:29
起きて孤独を噛み締めてる。

112イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:30
ワシはもう限界ですたい

113104:2003/05/25(日) 02:30
すいません、101のですけど、スレッド勘違いして、。こちらに晒してしまいました。
「第8回電撃short3」
http://jbbs.shitaraba.com/movie/bbs/read.cgi?BBS=2689&KEY=1051805278

恥……

114イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/25(日) 02:33
もう寝ます。バイバイ。

115104:2003/05/25(日) 02:49
あたふたしているうちに、すっかり流れに遅れてしまいますた。
とりあえず、読んでくれた人、ありが㌧です。
感想を元に、また勉強していきたいと思います。

では、漏れも寝ます。お休みー

116イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/26(月) 00:00
age

117イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/26(月) 02:24
電撃hp短編用に一作書き上げたのですが、六月の電撃文庫新人ラッシュの
中にかぶり気味のがあったので泣く泣くぼつにしました。
このまま眠らせるのもなんなので、
http://www.readingstation.dyn.to/
のファンタジーのところに、晒してきました。
ペンネームは「奈須 たけお」
タイトルは、「NEVER FORGET」
です。
よかったら、読んでください。

118イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/27(火) 07:57
やっぱ短編だとなかなかレスつかんな。
気長に待つべし。


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