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●◎短編小説・曝し場◎●

31オンエア(2000字オーバー版)4/4:2003/05/05(月) 14:55
「こんな縄、俺が解けないと思ったか?」
 うそ、きゃっ! いた、いたい!
「それじゃ、テープとやらを出して貰おうか?」
 ――先生こそ、本当に放送を止めてると思ったんですか?
「苦し紛れに、何を言うか」
 メールが届きましたね。先生。私を放すか、それかメールをご自分で見てください。たぶん書いてありますよ、『先生、自首してください』って。
「いや、それは絶対にありえんハズだ。オンエアのランプは消えている。ランプだけ消して、それでもマイクの音声をいれるなんざ、すぐに出来る処理じゃない」
 ――ご明察ですねー。でも、メールがまた着きましたよー。もう百通越してますね。ああ、先生これ知ってます? スタジオマイクから中継マイクに切り替えたときもスタジオのオンエアランプは消えるんです。ついでに、今中継マイクはこの部屋の中なんです。
「――まさか」
 メールを見ればわかりますよー。
「くそっ!」
 はなしてくれてありがとう。
「……なんだ? 『クスカさん、曲が終わってしばらく立ってもなにも聞こえないんですがどうしましたか』……まさか」
『そう。そのまさか』
「キサマッ! いつの間にその部屋に! おい! この扉の鍵をあけろ! なぜマイクを持っている! そのマイクを離せ! 離すんだ! 放送を止めるんだ!」
『真っ赤な嘘に引っかかってくれありがとうございますね。先に言っておきますが、パソコンから操作室の操作を止めるのは無理です。じゃあ先生、オンエア行きますよ!
 皆さん長らくお待たせいたしました! 先生の一生をかけた肉声を録音したこのテープ、今よりリスナーの皆さんに聞いてもらいたいと思います! それではどうぞ!』


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