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('A`)ほのぼの地縛霊神殿のようです
1
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:11:15 ID:ATSzi63k0
/ ,' 3「教義、第1章『みんなで仲良くあそぼう』」
ここはブーン教の総本山であるブーン神殿。
ブーン教とは、数十年前に発足し急速に広まった宗教だ。
ブーン神殿の朝は、アラマキ教皇による聖書の朗読から始まる。
/ ,' 3「ブーン様、今日も私たちをお導きください」
そしてブーン様のクソデカ石像に祈りを捧げ、毎朝の礼拝を締めくくる。
( -A-)人
( ^ω^) ※ブーン様のクソデカ石像
( 'A`)人
( 'A`)人(……いやでかくない?)
( 'A`)人(ブーン様の石像マジででかすぎない……?)
( 'A`)人(高さ30mはあるくない? 室内に置く大きさではなくない?)
( 'A`)人(教義もなんか幼稚園みたいじゃない?
教義が『みんなで仲良くあそぼう』なことある??)
( 'A`)人(司教に就任して長いのに今まで疑問に思わなかったの怖ぁ……)
〜〜 <_ ^ω^ プー゚)フ ※ブーン様のクソデカ石像
( 'A`)人(あとなんか幽霊がブーン様のクソデカ石像で遊んでるし……)
( 'A`)人
(;'A`)人「幽霊!?」
/ ,' 3「……ドクオ司教、祈りの最中だぞ」
( 'A`)人「あ、はい……すみません……」
2
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:12:00 ID:ATSzi63k0
('A`)ほのぼの地縛霊神殿のようです
教義 第1章「みんなで仲良くあそぼう」
.
3
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:12:34 ID:ATSzi63k0
('A`)「うーん、幽霊……幽霊だったよなぁ……」
(´・ω・`)「ドクオ司教、なにブツブツ言ってんの?」
('A`)「ああ、ショボン……。あのさ、驚かないで聞いてくれるか?」
(´・ω・`)「うん」
('A`)「実は、さっきの礼拝の時……」
(´・ω・`)「うん」
(;'A`)「……幽霊がいたんだ!」
(´・ω・`)「うん」
('A`)「本当に驚かずに聞いてくれた……」
4
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:13:26 ID:ATSzi63k0
(´・ω・`)「そりゃあ、僕は幽霊がいるのは知ってたし……」
(;'A`)「知ってたの!?」
(´・ω・`)「いっぱいいるよ? 幽霊」
(;'A`)「いっぱいいるの!?」
(´・ω・`)「神官見習いのレモナって子いるじゃん。あの子も幽霊だよ」
(;'A`)「そうなの!?」
(´・ω・`)「うん。で、ドクオ司教がさっき見た幽霊って丸いオレンジの人魂でしょ?」
(;'A`)「ああ、丸くてオレンジだった。あの幽霊も前からいたのか?」
(´・ω・`)「うん」
(;'A`)「そんな……マジかよ……」
(;'A`)「……」
('A`)「まあ、幽霊くらいいるか……」
(´・ω・`)「爆速で順応した」
5
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:14:43 ID:ATSzi63k0
('A`)「でも、前から幽霊がいたなら何で急に見えるようになったんだろう……」
(´・ω・`)「うーん、たぶん僕の霊感に影響されたんじゃない?
僕、昔から見える体質だから」
('A`)「ショボンの霊感が移ったって感じ?」
(´・ω・`)「そんな感じかな。
僕はドクオ司教の補佐だし、一緒に行動することも多いしね」
('A`)「そういうもんかぁ……。この神殿に幽霊は何人くらいいるの?」
(´・ω・`)「数えたことはないけど、結構いるよ。この神殿って事故物件だしね」
(;'A`)「神殿が事故物件でいいの?」
(´・ω・`)「しかも結構な人数が亡くなっているし」
(;'A`)「なんでそんな事故物件を神殿に……」
(´・ω・`)「ここは元々ブーン様のお屋敷なんだってさ。
それをリフォームして神殿にしたんだと」
(;'A`)「ブーン様のお屋敷を勝手にリフォームしていいの?」
(´・ω・`)「さあね。生前のブーン様の意向とか?
アラマキ教皇なら何か知ってると思うけど」
(;'A`)「ああ、アラマキ教皇って生前のブーン様の友人なんだっけ……。
ブーン様のお屋敷が事故物件で神殿にリフォーム……?
何がどうなってそんなことに……」
川#゚ -゚)「おい、ドクオ司教!!」
(;'A`)「うわ、びっくりした……。どうしたんだ、クー」
(´・ω・`)「出た。クソ真面目司祭のクーだ」
6
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:15:43 ID:ATSzi63k0
川#゚ -゚)「うるさいぞ、ショボン。クソとはなんだ。
教義にも『悪口はやめよう』とあるだろう!
お前は教義に背いてばかりで、同じ司祭として恥ずかしいばかりだ!」
σ(´・ω・`)∂「あ〜うるせ〜〜クソ真面目クソ真面目〜〜〜〜」
川#゚ -゚)「おい、耳をふさぐな!」
(;'A`)「喧嘩すんなって……。教義にも『けんかしたら仲直り』と……」
川#゚ -゚)「ドクオ司教、教義を語る前にさっきの礼拝中の態度はなんだ!
全く集中していなかっただろう!」
(;'A`)「あ、いや……幽霊がいて……」
(´・ω・`)「うん、いたよ幽霊」
川#゚ -゚)「幽霊なんているわけがないだろう! 言い訳をするな!
司教ともあろう方がこんな体たらくでは示しがつかな……」
<_プー゚)フ"「いるぞ!! 幽霊だぞ!!」ヒョコッ
('A`)「あ、さっきの……」
Σ川 ; -;)三三「ぴゃあああああああ!!!!!?」ズサーッ
(;'A`)「ぴゃあ!?」
川 ゚ -゚)「は? 何?」
(;'A`)「いやお前が何!?」
7
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:16:50 ID:ATSzi63k0
(σ*´・ω・`)σ「『ぴゃあ』!!? 『ぴゃあ』だって!!!!!
まさか怖いんでちゅかー??
クーちゃんおばけ怖いんでちゅかーーーー????
頭なでなでしてあげまちょうかーーーーーー??????」
(;'A`)「ここぞとばかりに煽り始めた!」
川 ゚ -゚)「怖い……? 誰が何を何……??? 何ひとつ分からない……」
(;'A`)「この短時間でそんな記憶の失い方ある?」
川 ゚ -゚)「そもそも幽霊など存在しないし、本当にいたところでこの私が恐れるわけが」
<_フ;゚ー゚)フ"「驚かせちゃったかー? ごめんなー?」ヒョコッ
壁| ; -;)三三「ぴゃーーーーーーーーー!!!?!?
おば、おばけ!!!!! おばけーーーー!!!!!!!!!」ズサーッ
(;'A`)「めっちゃ逃げるじゃん! 恐れてるじゃん!!」
(*´;ω;`)σ「キャハハーーーーーーーーッッッ!!!!!
キャハ、キャッハーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!」
(;'A`)「こっちは喧嘩相手の弱みを握って最悪な笑い方してるし……」
8
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:17:40 ID:ATSzi63k0
(;'A`)「クーは幽霊が苦手なのか……意外だな」
壁| ゚ -゚)「は???? 苦手? 誰が何を苦手だって??」
(;'A`)「苦手じゃないなら壁に隠れてないで出てきなよ……」
壁| -゚) ))「……」
(;'A`)「更に逃げるんだもんなあ……」
/ ,' 3「騒々しいぞ。何かあったか?」
川;゚ -゚)「あ、アラマキ教皇! いえ、何も……」
/ ,' 3「叫び声やら笑い声やら聞こえたが……」
(;'A`)「えっと、幽霊が……」
川#゚ -゚)「幽霊などいないと言っているだろう!」
/ ,' 3「幽霊? ああ、そこのオレンジの?」
〜<_ ´・ω・` プー゚)フ「おう、幽霊だぞー!」
(;'A`)(ショボンで遊んでる……)
9
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:18:50 ID:ATSzi63k0
川#゚ -゚)「アラマキ教皇、幽霊なんていません! 教皇ともあろう方が妄言はやめてください!」
/ ,' 3「いや、実際そこにいるし……」
川#゚ -゚)「いません!!」
/ ,' 3「いや、そこに……」
川#゚ -゚)「いません!!!!」
/ ,' 3「う、うん……」
(;'A`)(アラマキ教皇が押し負けた……)
<_フ;゚ー゚)フ「ごめんなー、おれが驚かせたせいで怖い思いさせちゃったなー?」
川;゚ -゚)「ヒッ……いや、何も聞こえない! 何もいない!!」
(*´・ω・`)σ「うわーーークーちゃんひっどーーーーい!!!
無視するなんてひっっどーーーーーい!!!!!
ブーン様が見たらどう思うんだろうなぁーーーーーー!!!!!!!」
川;゚ -゚)「クーちゃん呼びやめろ……」
(*´・ω・`)σ「教義にもあるよね!? 『仲間はずれはやめよう』って!!!!
クーちゃんはブーン様の教義を蔑ろにするんだーーー!!!!!
いーけないんだーーいけないんだーーーー!!!!!!
ブーン様に言ってやろーーーーー!!!!!!!」
(;'A`)「煽り方がクソガキのそれなんだよな……」
10
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:19:44 ID:ATSzi63k0
/ ,' 3「こら、やめんかショボン司祭。教義にも『悪口はやめよう』とあるだろう」
(´・ω・`)「アラマキ教皇、これは悪口ではなく煽りで……」
/ ,' 3「屁理屈をこねるでない。同じことだ。
ブーン様はいたずらに人を傷つけることを良しとはしなかった」
(´・ω・`)「……」
/ ,' 3「ブーン様は常に相手を尊重し、寄り添うことを信条とした尊い精神をお持ちになっていて……」
/ ,' 3「ブーン様は……誰よりも広く美しく優しい心を持っていて……………………!!!!」
/ ,' 3「ブーン様は…………ブーン様は……………………!!!!!!!!」
/ ,' 3「ブーン様………………………………!!!!!!、!!!!!!!!!!、!!!!!!!!!!!!」
(´・ω・`)「出た……アラマキ教皇の発作……」
<_フ;゚ー゚)フ「発作!? 病気なのか!?」
('A`)「うん、ある意味……。ブーン様への感情が大きすぎて定期的に限界になるんだよ……」
11
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:20:29 ID:ATSzi63k0
/ ,' 3「ということで、一緒に遊ぶぞ」
('A`)「どういうこと??」
/ ,' 3「かくれんぼをしよう」
(´・ω・`)「全てが唐突」
/ ,' 3「教義を忘れたのか? 第1章は何だ?」
('A`)「『みんなで仲良くあそぼう』」
/ ,' 3「そういうことだ」
(´・ω・`)「仕事してください教皇」
/ ,' 3「ブーン教の教義に従うのがワシの仕事だ」
('A`)「なんて清々しい職務放棄だ……」
12
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:21:29 ID:ATSzi63k0
/ ,' 3「よし、ではワシが鬼をやるからエクストたちは隠れてくれ」
<_フ*゚ー゚)フ「やったー、かくれるぞー!!」
川;゚ -゚)「わ、私は仕事があるから参加しない!
ツン司教の仕事を手伝わなければ……」
(´・ω・`)「ツン司教は食事当番でしょ?」
川;゚ -゚)「料理の手伝いを……」
(´・ω・`)「野菜もパンも洗剤で洗うわ、
あらゆる調理器具で流血するわでクーは厨房出禁になったでしょ」
/ ,' 3「野菜は百歩譲ってまだ分かるが、パンを洗剤で洗う発想だけは理解できないな……」
('A`)「ゴムヘラとか計量カップでも流血したのは才能だなって思った」
(´・ω・`)「クーが料理の手伝いなんて任されるわけないでしょ。危ないもん。
どうせまた怪我するんだから厨房に入らないでよ」
川;゚ -゚)「心配されている……」
(´・ω・`)「別に心配してねーし」
13
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:22:59 ID:ATSzi63k0
川;゚ -゚)「なんかその……あの……ツン司教の料理を応援する仕事が……」
(´・ω・`)「そんな仕事はないよ」
/ ,' 3「なんかそのあの言ってる時点で言い訳を諦めてほしい」
('A`)「応援ですら流血しそう」
川;゚ -゚)「否定できない……」
<_フ;゚ー゚)フ「……おれが一緒だからかくれんぼ嫌なんだよな?
おれは参加しないからみんなで楽しんでくれ!」
川;゚ -゚)「は!? お、おい……」
('A`)「エクストが抜けたらこのかくれんぼ本当に虚無だから……。抜けないで……」
<_フ;゚ー゚)フ「でも……」
(´;ω;`)「クーちゃんってば酷い!!!! エクストに気を遣わせて!!!!
かくれんぼを喜んでたエクストの気持ちを踏みにじって!!!!!!
クーちゃんはみんなで仲良くあそばないんだ!!!!!!!
ブーン様の教義なんて無視しちゃうんだ!!!!!!!!」
川;゚ -゚)「うぐ……こ、この私が教義に背くなど……!
いいだろう、望むところだ!! 私も一緒にかくれんぼをしよう!!!」
三三<_フ*゚ー゚)フ「やったー! クーも一緒に遊んでくれるんだな!?」
川;゚ -゚)三三「ま、まだあまり近くには来ないでくれ!」
14
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:23:56 ID:ATSzi63k0
/ ,' 3「では、30秒数えるからその間に隠れてくれ」
<_フ*゚ー゚)フ「よーし、どこに隠れよっかなー!」
/ ,' 3「あ、神殿の外には隠れないように。庭も含めると範囲が広すぎるからな」
<_プー゚)フ「わかった! そもそも、おれ神殿の外に出られないから大丈夫だぞ!」
('A`)(……外に出られない? 地縛霊ってやつ?)
('A`)(この神殿は事故物件ってショボンが言ってたよな……。
彼はここで亡くなった幽霊……?)
/ ,' 3「い〜〜〜ち、に〜〜〜い、さ〜〜〜ん、じゅ〜〜〜う、じゅ〜〜〜いち」
三(;'A`)(うわ、3秒で既に数えることに飽きてる! 早く隠れないと!)
15
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:24:43 ID:ATSzi63k0
(( ( 'A`)(隠れる……といってもどこに……)ウロウロ
('A` ) ))(厨房……はツンが料理してるんだっけ。邪魔するのは悪いし……)ウロウロ
ξ゚⊿゚)ξ「さっきからなにウロウロしてんのよ、ドクオ」
('A`)「あ、ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「暇ならご飯作るの手伝ってよ」
('A`)「いや、暇なわけじゃ……」
ξ゚⊿゚)ξ「仕事中? 一体なにして……」
< もういいかーーい?
∩('A`∩;)「あ、ヤバ……まーだだよー!!」
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ「本当に何してんのよ……」
(;'A`)「うん……何してるんだろう……」
16
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:26:38 ID:ATSzi63k0
ξ゚⊿゚)ξ「まあ、察しはついたわ。
どうせアラマキ教皇がかくれんぼしようとでも言い出したんでしょ?」
('A`)「うん……」
ξ#゚⊿゚)ξ「まったく、教皇がへらへら遊んでたら示しがつかないわ。
あの人は教皇になんてふさわしくないわよ」
('A`)「相変わらずアラマキ教皇に厳しいな」
ξ#゚⊿゚)ξ「だって毎日生前のブーン様と友人だったマウント取ってくるんだもの!!!!
私の方が絶っっっ対ブーン様のこと好きなのに!!!!!!」
('A`)「マウント取ってくる教皇、嫌だな……」
ξ#゚⊿゚)ξ「『ワシはブーン様と友人で旧知の仲でフレンドで親しかったけど、
ツン司教は会ったことすら……(笑)』
じゃねーーーーーのよ!!!!!!!!」
('A`)「それは普通にうざいわな……」
ξ゚⊿゚)ξ「腹いせに、私とブーン様の夢小説に悪役令嬢役でアラマキ教皇を登場させたわ」
('A`)「悪役令嬢なんだ……アラマキ教皇……令嬢……」
ξ゚⊿゚)ξ「そして今日のお昼ご飯はラブラブなブーン様と私を表現した料理よ」
('A`)「またアラマキ教皇が姑みたいな顔になっちゃうよ……」
17
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:27:25 ID:ATSzi63k0
< もういいかーーーい?
∩('A`∩;)「あ、また……まーだだよーー!!」
< はよせい!!!
(;'A`)「ごめん、俺そろそろ隠れなきゃ」
ξ゚⊿゚)ξ「まだだよって一生言い続けたらいいじゃない」
(;'A`)「アラマキ教皇とのかくれんぼに生涯を捧げたくないよ……」
18
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:28:03 ID:ATSzi63k0
('A`)「隠れる場所……やっぱりここかな」
( ^ω^) ※ブーン様のクソデカ石像
('A`)「ブーン様の石像の影なら簡単には見つからないんじゃないかな。クソでかいし」
(´・ω・`)「あれ、ドクオ司教」
('A`)「あ、ショボンもここに隠れてたんだ」
(( <_プー゚)フ「おれもいるぞ! あとクーも!」
川;゚ -゚) ))「じ、じりじりと寄らないでくれ!」
('A`)「全員同じ場所に隠れちゃったよ……」
19
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:29:01 ID:ATSzi63k0
(;'A`)「俺、隠れる場所変えようかな……。さすがに全員で同じ場所はちょっと……」
(´・ω・`)「別にいいんじゃない?」
川;゚ -゚)「待て、ドクオ司教! それなら私が別の場所に隠れよう!」
( ´・ω・`)っ「クーちゃんったらどこ行くの!!!
エクストにビビるクーが面白……エクストと仲良くなるためにここにいようよ!」
⊂川;゚ -゚)「腕を掴むな面白がるな!!」
<_プー゚)フ「なーなー、おれ気になることがあるんだけど……」
('A`)「気になること?」
<_プー゚)フ「あの爺ちゃん……アラマキきょーこー?だっけ」
(´・ω・`)「ああ、アラマキ教皇がどうしたの?」
<_プー゚)フ「アラマキきょーこー、おれの名前知ってたんだよな。
おれ、自分の名前言ってないのに」
('A`)「……そういえば」
(´・ω・`)「たしかに、エクストは自己紹介してないよね」
20
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:30:14 ID:ATSzi63k0
<_プー゚)フ「なんで知ってたんだろー?」
('A`)「……エクストはこの神殿から出られないって言ってたよな?」
<_プー゚)フ「おう、なぜか外には出られないんだぞ!
バリアに弾かれるみたいな感じ!」
('A`)「やっぱりエクストはここで亡くなった地縛霊ってこと?
だから外に出られないのかな」
(´・ω・`)「その可能性は高いだろうね。生きてた時のことって何か覚えてる?」
<_プー゚)フ「なーんにも覚えてない!!」
('A`)「なーんにもかぁ……」
(´・ω・`)「まあ、少なくともアラマキ教皇が生前のエクストを知ってるのは間違いないだろうね」
('A`)「じゃないと名前が分かるわけないもんな」
(´・ω・`)「もしかしたら、エクストは生前のブーン様とも知り合いなんじゃない?
ブーン様のお屋敷で亡くなったなら、エクストとブーン様が無関係とは考えにくいよね」
('A`)「あーたしかに。エクストとブーン様が知り合いだとしたらすごいな」
<_プー゚)フ「すごいのかー?」
('A`)「例えるなら、芸能人と知り合いみたいな……」
<_プー゚)フ(ドクオにとってブーンさまって芸能人感覚なのか……)
(´・ω・`)「まあ、推測だから本当のことは分からないけどね」
('A`)「クーはどう思う?」
川;゚ -゚)「幽霊などいない!!!!」
('A`)「まだ言ってる……」
21
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:31:14 ID:ATSzi63k0
/ ,' 3「ドクオ司教みーつけ……全員おる……」
(;'A`)「あ、アラマキ教皇」
/ ,' 3「かくれんぼで全員同じ場所に隠れる奴らがあるか……鬼の楽しみを奪うな……」
川;゚ -゚)(ちゃっかり楽しんでいたのか……)
('A`)「あの、アラマキ教皇は生前のエクストを知ってるんですか?」
/ ,' 3「……なぜそう思う?」
<_プー゚)フ「アラマキきょーこー、おれの名前知ってたから!」
/ ,' 3「……そうか、お主は名乗っていなかったな」
(´・ω・`)「やっぱり知ってるんですね。エクストのこと」
/ ,' 3「……さあな。さて、そろそろ食事の時間だ。ツン司教に皆を呼んでこいと言われていてな」
(´・ω・`)「うわー、逸らし方が露骨」
<_フ*゚ー゚)フ「ごはん!!! おれも食べたい!!!!」
('A`)「あ……ツンとエクストはまだ会ってないよな?
ツンはエクストのこと知らないから……」
(´・ω・`)「あー、エクストの分は用意してないかぁ」
<_プー゚)フ「ごはん……」
('A`)「俺のを分けるよ」
<_フ*゚ー゚)フ「いいのか!? ドクオ、ありがとう!!」
/ ,' 3(幽霊も食事をするのだな……)
22
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:32:18 ID:ATSzi63k0
三<_フ*゚ー゚)フ「オムライスだ!! うまそー!!」
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ「え、なに……なにこのオレンジの……」
<_プー゚)フ「おれはエクスト!!」
ξ゚⊿゚)ξ「エクスト」
(;'A`)「そりゃ戸惑うよな……。エクストはここの地縛霊で、さっき仲良くなって……」
ξ゚⊿゚)ξ「エクストもご飯食べるの?」
<_フ*゚ー゚)フ「食べたい!!!」
(;'A`)「事前に言ってなくてごめん。エクストには俺のを分けるから」
ξ゚⊿゚)ξ「いや、アラマキ教皇の分をわければ大丈夫よ」
(;'A`)「さすがにそれは……って、アラマキ教皇の皿だけ山盛りだ!」
ξ*゚⊿゚)ξ「私のブーン様への愛を込めた料理だもの。
アラマキ教皇にはたっぷり味わってもらって私のブーン様への愛を知らしめなきゃ!」
/ >,' (「……」
(;'A`)「アラマキ教皇がまた姑みたいな顔になっちゃった……」
(´・ω・`)「海外の顔文字」
23
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:33:21 ID:ATSzi63k0
('A`)「そういえばレモナは?」
ξ゚⊿゚)ξ「仕事がキリのいいところまで終わったら来るって言ってたけど……遅いわね」
川 ゚ -゚)「じゃあ私が見てこよう」
('A`)「あ、レモナは幽……」
(´・ω・`)b「ドクオ司教、シーッ! 黙ってた方が面白いから!!」
(;'A`)「えー……」
川 ゚ -゚)「レモナの仕事が長引いているなら手伝ってから来る。
だから先に食べていてくれて構わないぞ」
ξ゚⊿゚)ξ「分かったわ」
(*´・ω・`)「レモナが幽霊だと知ったクーの顔を想像するだけでテンションが最高潮に…………!!!」
('A`)「最高潮にキショいよお前……」
24
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:34:11 ID:ATSzi63k0
ξ*゚⊿゚)ξ「アラマキ教皇のオムライスには、ラブラブなブーン様と私の絵をケチャップで描いたわ!」
/ ,' 3 グチャア
ξ#゚⊿゚)ξ「何の躊躇もなく私の絵だけ潰した!」
/ ,' 3 グシャ
ξ#゚⊿゚)ξ「しかも真っ二つにして私とブーン様を引き離した!」
/ ,' 3「ほれ、エクスト。お主の分だ」
<_フ*゚ー゚)フ「わーい!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「ちゃっかりブーン様が描かれた方を自分用にしてる……」
/ ,' 3 "「少し塩気が強いな……。
ブーン様は甘い味を好んでいたが……ツン司教はそんなこと知らないか(笑)」モグモグ
ξ#゚⊿゚)ξФ"「ムカつく〜〜〜〜」メモメモ
('A`)(メモは取るんだ……)
25
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:35:14 ID:ATSzi63k0
/ ,' 3「ドクオ司教の作るお菓子の方がブーン様の胃袋を掴めると思う」
ξ#゚⊿゚)ξ「はぁ〜〜〜〜〜〜????
私だってドクオに負けないくらいお菓子作り上手いんですけど!!!??」
(;'A`)「人を勝手に嫁姑バトルに巻き込まないで……」
/ ,' 3「ならば、後でツン司教とドクオ司教でお菓子作りバトルをしてはどうだ?
お題はクッキーで」
ξ#゚⊿゚)ξ「望むところよ!!!!」
(;'A`)「アラマキ教皇がクッキー食べたいだけでしょう……」
/ ,' 3「ツン司教はバタークッキーで、ドクオ司教はチョコクッキーで」
(;'A`)「しかも種類を食べたがっている……」
26
:
名無しさん
:2022/12/31(土) 20:35:57 ID:ATSzi63k0
ワイワイガヤガヤ
<_プー゚)フ(なんか懐かしいな、こういう賑やかなの)
<_プー゚)フ(……懐かしい? いつの記憶だっけ……)
<_プー゚)フ(……)
<_プー゚)フ(わかんねーからいいや!)
('A`)「あとでクッキー作るんだけどエクストも食べる?」
<_フ*゚ー゚)フ「食べるー!!」
教義 第1章 おわり
27
:
名無しさん
:2023/01/01(日) 01:20:33 ID:HTnsssgA0
乙乙
可愛い
28
:
名無しさん
:2023/01/01(日) 02:00:05 ID:xdfVrK8Q0
期待
29
:
名無しさん
:2023/01/01(日) 08:24:50 ID:fkWmtgfs0
笑った
めっちゃ好き
30
:
名無しさん
:2023/01/01(日) 11:17:58 ID:gI60EvzU0
可愛い好き
31
:
名無しさん
:2023/01/01(日) 22:18:28 ID:jZjd2Eq.0
荒巻のマウント(笑)
32
:
名無しさん
:2023/01/13(金) 11:29:05 ID:jr2AT5Q60
乙乙
荒巻のマウント滅茶苦茶面白い
33
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:08:04 ID:e2WGYZbo0
|゚ノ ^∀^)〜♪
川 ゚ -゚)(む……あそこにいるのはレモナか)
川 ゚ -゚)(厨房で一体なにを……いや、普通に考えて料理だよな)
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚)(あれ、レモナって一人で料理するなって言われてたような……。
すぐドジして危ないからって……)
(( 川 ゚ -゚)「なあ、レモナ」
|゚ノ ;^∀^)「クー司祭さま!? ダメですわ、厨房に入っては!!
モンスターハウスに足を踏み入れたかのごとく全ての調理器具が降り注ぎますわ!!!
ポケモン不思議のダンジョンですわ!!!!」
川;゚ -゚)「そんなわけがあるか!
いくら私が全ての調理器具で流血したからといって……」
三|゚ノ ;っ^∀^)っそ「きゃあ! 転んで調理器具の入った棚にぶつかってしまいましたわ!!」ガシャーン
川;゚ -゚)「うわー!!
モンスターハウスに足を踏み入れたかのごとく全ての調理器具が降り注いできた!!!」ドサドサドサ
34
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:09:02 ID:e2WGYZbo0
('A`)ほのぼの地縛霊神殿のようです
教義 第2章「すすんでお手つだいをしよう」
.
35
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:09:51 ID:e2WGYZbo0
|゚ノ ;^∀^)「ごめんなさい、クー司祭さま……。お怪我はありませんか?」
川;゚ -゚)「ああ、私は大丈夫だ。レモナこそ怪我はないか?」
|゚ノ ;^∀^)「ありませんわ」
川;゚ -゚)「ならいいが……レモナは一人で料理をするなと言われていなかったか?」
|゚ノ ;^∀^)「そうなんですけれど……どうしてもクッキーを作りたかったんですの」
川;゚ -゚)「クッキー?」
|゚ノ ^∀^)「先ほど、ドクオ司教さまとツン司教さまがクッキーを作っていらしたでしょう?」
川 ゚ -゚)「ああ、なんかお菓子作りバトルだとかって……」
|゚ノ*^∀^)「お二人の作ったクッキー、わたくしもいただきましたの。
すっごく美味しかったですわ!」
川 ゚ -゚)「私も貰ったがたしかに美味しかった」
|゚ノ*^∀^)「ツン司教さまのクッキーはハート型でとてもかわいらしかったですし!」
川 ゚ -゚)「ブーン様への愛を表現したと言っていたな。
アラマキ教皇はわざわざ半分に割ってから食べていたが……」
36
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:10:35 ID:e2WGYZbo0
|゚ノ*^∀^)「それで、わたくしも愛をこめたクッキーを作ってみたくって……」
川 ゚ -゚)「ああ、モナーさんに贈るのか」
|゚ノ;*^∀^)ノシ「べ、別にモナーさまに贈るためじゃありませんわ!
ま、まあ、モナーさまにはお世話になっていますし、贈らないこともありませんが……」
川 ゚ -゚)「いいじゃないか。喜んでくれると思うぞ」
|゚ノ ;^∀^)「ですが、問題があって……」
川 ゚ -゚)「問題? 流血していないだけで料理の天才だと思うが……」
|゚ノ ;^∀^)「それは基準が低すぎますわ……」
37
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:12:01 ID:e2WGYZbo0
川 ゚ -゚)「問題とは一体なんなんだ?」
|゚ノ ;^∀^)っ●「その、どうしてもクッキーを焦がしてしまうんですの……。
この通り、黒焦げですわ……」
川 ゚ -゚)「なるほど、真っ黒だな……。では、発想を変えてみてはどうだ?」
|゚ノ ^∀^)「発想を変える……?」
川 ゚ -゚)「ああ。どうしても焦がしてしまうのなら、そもそも焼かなければいいんじゃないか!?」
|゚ノ ;^∀^)「そ……その発想はありませんでしたわ……!!」
川 ゚ -゚)「生地を作って型を抜いたら完成だ!!
なんか……たぶん……砂糖とか入ってるし……焼かなくても美味いはずだ!!」
|゚ノ ;^∀^)「間違いありませんわ!」
川 ゚ -゚)「そうと決まればさっそく焼かないクッキーを作ろう! 私も手伝うぞ!」
|゚ノ ^∀^)「あ、それは結構ですわ……。危ないので……お気持ちだけで……」
川 ゚ -゚)「あ……うん……」
('A`)「焼いて〜〜〜〜〜〜!!!!」
|゚ノ ;^∀^)「ドクオ司教さま!?」
38
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:13:33 ID:e2WGYZbo0
('A`)「焼いて!!!!! 焼いてーーーーー!!!!!!」
川;゚ -゚)「お、おい、ドクオ司教!?」
('A`)「焼けーーーーーー!!!!!!!」
|゚ノ ;^∀^)「村でも焼きに行くかのような勢いですわ!
分かりました、焼きます! 焼きますわ!!」
('A`)「よろしい」
川;゚ -゚)「な、なんなんだ……」
('A`)「クッキーはちゃんと焼いて……」
川;゚ -゚)「でも、焼かなければ焦がす心配はなくなるぞ?」
('A`)「火をね……通していないとね……菌とかね……危ないからね……」
|゚ノ ;^∀^)「た、たしかに……!」
川 ゚ -゚)「殺菌が必要なら洗剤を使えばいいだろう? クッキーを一枚一枚洗えば……」
('A`)「すごい才能だ……食に対する才能が無さすぎて逆に天才だよ……」
|゚ノ ^∀^)「クー司祭さま……洗剤は体内に入れてはいけないんですのよ……」
川 ゚ -゚)「洗剤は洗い流すものだろう? 綺麗に洗い流せば平気なはずだ」
('A`)「野菜とパンを洗剤で洗ってツンにブチギレられたはずなのに……。
何も理解していなかったのか……」
|゚ノ ^∀^)「あの時はショボン司祭さまですら真顔で優しく諭していたというのに……」
39
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:14:22 ID:e2WGYZbo0
('A`)「クー……どうして自分が厨房出禁なのか分かってる?」
川 ゚ -゚)「調理器具で怪我をして危ないからだろう?」
('A`)「そうだけど……そうじゃない……それだけじゃない……」
川 ゚ -゚)「私は調理器具の扱いが下手なだけで他は普通だと思っているが……」
('A`)「他ってなに……? 食に関する一般的な知識のことを言ってる……?」
川 ゚ -゚)づ「調理器具にさえ触らなければ厨房にいても問題はないだろう?
私はレモナを手伝いたいのだが……」
|゚ノ ;^∀^)「そのお気持ちだけで嬉し……手が洗剤を探して彷徨っていますわ!」
40
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:15:13 ID:e2WGYZbo0
川 ゚ -゚)「皿だって洗剤で洗って流して乾かして使うじゃないか。
どうしてクッキーはダメなんだ?」
('A`)「クッキーのこと食器だと思ってる……?」
川 ゚ -゚)「クッキー……食器……そうだ!
クッキー生地で皿を作ってプレゼントするのはどうだ!?」
|゚ノ*^∀^)「食べられるお皿……面白い発想ですわ!」
川 ゚ -゚)づ「洗って何度でも使えるクッキー皿……!」
|゚ノ ^∀^)「あら? 認識が違いますわ……。しかも手が洗剤の在処を探って……」
('A`)「ちょっと一回厨房から追い出そう。そうしよう」
|゚ノ ;^∀^)( 'A`)ノシ 川;゚ -゚)
厨房←|→廊下
41
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:16:30 ID:e2WGYZbo0
('A`)「で、誰かにプレゼントするためにクッキーを作ろうとしているのか?」
|゚ノ ^∀^)「はい……。モナーさ……皆さまに贈りたくて……」
('A`)「あー、モナーさんに渡すのか」
|゚ノ;*^∀^)ノシ「ち、違くて! 皆さまに贈った余りなら贈らないこともないかなってだけでして!」
('A`)「贈るためにクッキーを作るのはいいと思うけど……。
レモナって一人で料理しないようツンに言われていなかったか?」
|゚ノ ;^∀^)「わたくしの愛をこめたクッキーを作りたかったんです……。
ツン司教さまみたいなかわいらしいクッキーを……」
('A`)「ああ、ツンが焼いたハート型のクッキーのことか……」
|゚ノ*^∀^)「ええ、ツン司教さまのブーンさま愛を感じるクッキーでしたわ!
ツン司教さまがブーンさまを想いながら作ったこと、伝わってきましたわ!」
('A`)「あれ、アラマキ教皇が材料を混ぜるの手伝ってるぞ」
|゚ノ ^∀^)「え?」
('A`)「ツンに『私のブーン様への愛をこめたクッキーなんだから丁寧に混ぜてよね』
って言われて鬼の形相で混ぜてた」
|゚ノ ;^∀^)「ゆるキャラみたいなお顔のアラマキ教皇さまが……」
('A`)「怨嗟に満ちた表情だったよ……ツンのブーン様愛でも相殺しきれないくらいに……」
42
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:17:25 ID:e2WGYZbo0
('A`)「ツンのクッキーにはアラマキ教皇の怨念がこめられているけど、
ツンのクッキーからはちゃんと愛が伝わってきただろう?」
|゚ノ ^∀^)「そうですわね……。
アラマキ教皇さまの怨恨がこめられているなんて、思いもしませんでしたわ……」
('A`)「だから、一人で作ることにこだわらなくてもちゃんと気持ちは伝わるよ」
|゚ノ ^∀^)「それにしても、アラマキ教皇さまを手伝わせるとは……」
('A`)「クッキー食べたいって言い出したのアラマキ教皇だしなあ。
食べたいなら作るの手伝えってツンが引っ張っていったよ」
|゚ノ ^∀^)「流石ですわね、ツン司教さま……」
('A`)「あ、でもツンがクッキーを焼き始めたらそそくさと退散してたな」
|゚ノ ^∀^)「あら、お手伝いが嫌になったのかしら?」
('A`)「ツンがオーブンの前でずっとブーン様への愛を呟いていたからかも……ブツブツと……」
|゚ノ ;^∀^)「絶対それですわ……」
('A`)「呪文かと思ったよ……」
|゚ノ ;^∀^)「怨嗟といい呪文といい、クッキーに似つかわしくない単語ばかり出てきますわ……」
43
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:18:57 ID:e2WGYZbo0
('A`)「んで、クッキーを作るなら俺が手伝おうと思うけど……」
|゚ノ ^∀^)「ぜひお願いしたいですわ!」
('A`)「オッケー。じゃあまず味とかトッピングを決めようか」
|゚ノ ;^∀^)「あ……その前に洗い物をした方がいいかもしれませんわ……」
('A`)「洗い物?」
|゚ノ ;^∀^)「転んで調理器具をぜんぶ床に落としてしまったので……」
('A`)「シンクが山盛りだぁ……」
44
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:19:50 ID:e2WGYZbo0
川;゚ -゚)「……」
(´・ω・`)「クー、厨房の前で何してんの?」
川;゚ -゚)「ああ、ショボン……。ドクオ司教に追い出されてしまってな……」
(´・ω・`)「妥当」
川;゚ -゚)「洗って何度でも使えるクッキー製の皿、いいアイデアだと思ったんだがな……」
(´・ω・`)「全然意味分かんないけど、ドクオ司教の判断が正しいことは分かったよ」
川;゚ -゚)「今頃レモナはドクオ司教と一緒にクッキー作りをしているのだろうか……」
(´・ω・`)「ドクオ司教、またクッキー作ってるの? さっきもツン司教と作ってなかった?」
川;゚ -゚)「レモナがクッキーを作りたいらしくてな……。私が手伝うつもりだったのだが……」
(´・ω・`)「ドクオ司教、英断」
川;゚ -゚)「クッキーで作られた皿だぞ!? 洗って何度でも使えるんだ!!」
(´・ω・`)「繋がらないよ。一言目と二言目、繋がらない」
45
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:21:23 ID:e2WGYZbo0
川;゚ -゚)「私が手伝いたかったのだがな……」
(´・ω・`)「別に料理を手伝わなくたって、クーは普段からレモナを手伝ってるじゃん。
さっきだって、ご飯前にレモナの仕事を手伝ってたんでしょ?」
川 ゚ -゚)「レモナはすごく慕ってくれるから、頼られたくなるんだ。
年下の後輩だからというのもあるかもしれないな」
(´・ω・`)「アラマキ教皇もドクオ司教もツン司教も年上だもんね。僕とクーは同い年だし」
川 ゚ -゚)「そうだ。年下はレモナだけで、お前とは同い年で……」
川#゚ -゚)「……同い年で同じ司祭だというのに、お前はいつも教義に背いてばかりで、
そのくせ私を煽る時ばかり教義を持ち出して……!!」
(´・ω・`)「うわ急に説教モード入った。クソ真面目クソ真面目めんどくせ〜〜」
川#゚ -゚)「またクソと言ったな!? 『悪口はやめよう』と教義に……」
(´・ω・`)「ところでさ、レモナって年下じゃないよ」
川;゚ -゚)「……え?」
46
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:22:40 ID:e2WGYZbo0
川;゚ -゚)「レモナが年下じゃない……? でも、前に自分で12歳って言って……」
(´・ω・`)「享年じゃない? 彼女、幽霊だもん」
川;゚ -゚)「ゆっ……!!?」
(*´・ω・`)「あっ知らなかった!!? やっぱ知らなかったよね!!!!?!?
レモナが幽霊だって知らなかったよね!!!!?!?!?」
川;゚ -゚)「レモナが幽……? え??」
(*´・ω・`)っ「今って厨房にレモナいるんだよね!!?!?
教義に忠実なクーちゃんならレモナを怖がったりしないよね!!!!!
じゃあさっそく会いに行こうか!!!!!!!
お邪魔しまーす!!!!!!!!!!」ガチャッ
|゚ノ ;^∀^)っ♩「お玉で水道水を反射させちゃいましたわ!!!!
お玉スプリンクラーですわ!!!!!!!」ビシャーッ
Σ(;´>ω<`)っ「高圧洗浄機!!!?」ビッシャーー
川;゚ -゚)「ショボンが急に水浸しに!?」
('A`)「因果応報だ」
47
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:24:08 ID:e2WGYZbo0
(;´・ω・`)「高圧洗浄機……? え、高圧洗浄機……!?」
|゚ノ ;^∀^)「ショボン司祭さま! ごめんなさい、怪我はありませんか!?」
(;´・ω・`)「あ、ああ、うん、大丈夫……。
顔の肉こそぎ取られたかと思ったけど……平気……。
高圧洗浄機なんていつ買ったの?」
|゚ノ ;^∀^)っ♩「高圧洗浄機ではなくお玉スプリンクラーですわ。
わたくしが洗い物中にドジをしてしまって……」
(;´・ω・`)「ドジで高圧洗浄機の威力出るの危険な技術だな……。
シンクからここまで距離あるのに……神エイムじゃん……」
|゚ノ ;^∀^)「早く着替えないと風邪をひいてしまいますわ!
クー司祭さまは大丈夫ですか? 水はかかっていませんか?」
川;゚ -゚)"「っ……だ、大丈夫だ……」
|゚ノ ^∀^)「? クー司祭さま?」
48
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:25:11 ID:e2WGYZbo0
('A`)「あー……クーはな、幽霊が苦手なんだよ」
川;゚ -゚)「こ、この私に苦手なものなど……!」
|゚ノ ^∀^)「あら、苦手でしたの? でも今までそんな素振りは……」
('A`)「レモナが幽霊って知らなかったからなあ」
|゚ノ ;^∀^)そ「わ、わたくし、幽霊であるって言っていませんでした!?」
('A`)「言ってないね」
|゚ノ ;^∀^)「てっきり皆さま知っているものだとばかり……。
ごめんなさい、クー司祭さま。怖がらせてしまいましたわね」
川;゚ -゚) ))「い、いや、別に怖くなどないが!?」
(( (ノ*´・ω・`)ノ「あれれ!? クーちゃんったら怖くないのに後ずさっちゃってるよ!?
おかしいなあ!? おかしいねえ!!? 僕が押し戻してあげようか!!!」グイグイ
|゚ノ ;^∀^)「ショボン司祭さま、おやめなさいな!」
49
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:26:07 ID:e2WGYZbo0
|゚ノ ^∀^)「幽霊が苦手でも怖くてもいいんですのよ。
わたくしだって、怖いお話は得意じゃありませんし」
('A`)「レモナ的には怖がられても気にならないの?」
|゚ノ ^∀^)「平気ですわ。怖いと感じるのは普通のことだと思いますし」
川;゚ -゚)「レモナ……」
|゚ノ ^∀^)「でも、わたくしはクー司祭さまともっと仲良しになりたいですわ!
ですので、少しずつでも慣れてくださったらわたくし、とっても嬉しいですわ!」
川 ゚ -゚)「……ありがとう、レモナ。
私もレモナともっと仲良くなりたい。
怖いなんて思わないように克服してみせるから、待っててもらえるか?」
|゚ノ*^∀^)「もちろんですわ!」
50
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:27:34 ID:e2WGYZbo0
|゚ノ ^∀^)「ですのでショボン司祭さま、あまり煽るのはやめてあげてくださいまし」
(´・ω・`)「……悪かったよ、クー」
川 ゚ -゚)「ショボン……」
(´・ω・`)「……」
川 ゚ -゚)「……」
(´・ω・`)「……なんか言ってくんない?」
川;゚ -゚)「いや……お前がしおらしいと違和感が凄まじくて……」
(´・ω・`)「はぁ〜〜!? なに!? はぁ!!?!?」
川;゚ -゚)「いや、すまない。だが、お前が喧嘩腰じゃないと調子が狂うというか……」
('A`)「それはそうかも」
川;゚ -゚)「あと、顔が濡れたままなのがずっと気になっていてな……。
早く拭いた方がいいぞ。風邪をひいてしまったら大変だ」
"∩(´・ω・`)「はぁ〜〜〜!? 言われなくても拭くし!!!?!?」ゴシゴシ
川;゚ -゚)「袖で拭くな! 待ってろ、今タオルを持ってくるから」
三┏( ´・ω・`)┛「いらねーし! 自分で取りに行くし!! クーの怖がり!! クソ真面目!!」ダッ
三川;゚ -゚)「おい、廊下を走るな! しかもまたクソと言ったな!?」ダッ
三┏( ´・ω・`)┛「自分も走ってんじゃん! バーカバーカ!! バーーカ!!」
三川;゚ -゚)「バカとはなんだバカとは!!」
51
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:28:29 ID:e2WGYZbo0
('A`)「行っちゃった」
|゚ノ ^∀^)「仲良しですわね、お二人は」
('A`)「うん、ああやって言い合ってるのが二人なりのコミュニケーションなんだろうね」
|゚ノ ^∀^)「わたくし、余計なことを言ってしまいましたかしら……」
('A`)「そんなことはないよ。ショボン煽りすぎる時あるし」
|゚ノ ^∀^)「常に煽りに全力すぎますわ」
('A`)「違いないな。さて、洗い物を済ませてクッキーを作ろうか」
|゚ノ ^∀^)「はい! あの、ドクオ司祭さま、作りたいクッキーなんですけれど……」
.
52
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:29:38 ID:e2WGYZbo0
|゚ノ ^∀^)「クー司祭さま! ショボン司祭さま!」
川 ゚ -゚)「レモナ。どうしたんだ?」
|゚ノ ^∀^)「思ったより平然としていましたわ。幽霊が怖いのはもう克服しましたの?」
川 ゚ -゚)「ああ、この私に克服できないものなどないからな」ガクガク
(´・ω・`)「足めっちゃ震えてるけど」
|゚ノ ;^∀^)「生まれたての子鹿ですわ!」
川 ゚ -゚)「いや、震えてなどいないが?」ガクガク
((((´・ω・`)))σ「足めちゃめちゃ震えてますけどーーーーー!?!?
じゃあ僕は上半身だけ震えてバランス取っちゃおーーっと!!!!!」ガクガクガクガク
|゚ノ ;^∀^)「どういう煽り方ですのそれは!?」
53
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:30:34 ID:e2WGYZbo0
|゚ノ ;^∀^)「ショボン司祭さま……あまり煽るのはおよしになってと……」
川 ゚ -゚)「ああ、いいんだレモナ」
|゚ノ ;^∀^)「よろしいんですの?」
川 ゚ -゚)「だって、ショボンが大人しい方が怖くないか?」
|゚ノ ;^∀^)「それはたしかに……」
川 ゚ -゚)「なんなら幽霊よりも怖い」
|゚ノ ;^∀^)「たしかに……!!」
(´・ω・`)「え、そんなに? ……そんなに??」
54
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:31:30 ID:e2WGYZbo0
(´・ω・`)「ていうか今、幽霊が怖いって認めたね?
頑なに『怖いものなどない』って言ってたのに」
川 ゚ -゚)「ああ、まずは自分の弱さを認めることからだと思ってな。
さっきも言ったが私に克服できないものはない。必ず克服してみせるさ」
(´・ω・`)「……ふーん」
川 ゚ -゚)「なんだ、煽らないのか?」
(´・ω・`)「はぁ〜? なに、煽られたいの?
僕のこと全自動煽りマシーンだとでも思ってる?」
川;゚ -゚)「なんだ、その機械は!? そんなものがあるのか?」
(´・ω・`)「ねーわ」
55
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:33:29 ID:e2WGYZbo0
(´・ω・`)「そういやレモナ、何か用があったんじゃないの?」
|゚ノ ^∀^)「そうですわ!
ドクオ司教さまとクッキーを作ったので、お二人にも食べていただきたくて……」
(´・ω・`)「お、すごい。ラッピングもしてある」
川 ゚ -゚)「これは……クッキーの皿か?」
|゚ノ*^∀^)「そうなんです! クッキープレートをお皿に見立てたんですの!
ドクオ司教さまに、クッキープレートでお皿を表現するアイデアをいただきましたわ!」
(´・ω・`)「クッキー皿の上にハート型のクッキーが乗ってるね。オシャレだ」
川*゚ -゚)「すごいな! 本当にクッキーの皿を作るとは……」
|゚ノ*^∀^)「クー司祭さまとドクオ司教さまのアイデアのおかげですわ!」
川*゚ -゚)「ありがとう……! これから私の食事はこの皿に盛りつけてもらうことにしよう。
初めて使う食器はまず洗った方がいいんだよな?」
|゚ノ ;^∀^)「案の定わかっていませんわ〜〜!!」
(´・ω・`)「クーが洗おうとする前に僕が無理やりにでも食わせるよ」
56
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:34:35 ID:e2WGYZbo0
川 ゚ -゚)「で、モナーさんには渡したのか?」
(´・ω・`)「モナーさん? ああ、あの聖騎士の人ね」
|゚ノ;*^∀^)「その……モナーさまにはまだ……」
川 ゚ -゚)σ「モナーさんはさっき大聖堂で見かけたぞ。渡してきたらどうだ?」
|゚ノ;*^∀^)「で、でも、お仕事中に迷惑じゃないかしら?
モナーさまは神殿の警備中ですのに……」
(´・ω・`)「平気平気。この平和な神殿で警備の仕事なんて暇に決まってるから」
川;゚ -゚)「なんてことを言うんだ!」
57
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:35:31 ID:e2WGYZbo0
足| ゚ -゚)
足|´・ω・`)
('A`)「何してんの……ブーン様のクソデカ石像の足に隠れて……」
足|;゚ -゚)b「ドクオ司教、静かに!」
足|´・ω・`)σ「あれあれ」
('A`)「あれ……?」
|゚ノ;*^∀^) ( ´∀`)
('A`)「ああ、レモナがクッキーを渡そうとしてるのか……。
二人はそれを覗き見して……?」
足|;゚ -゚)「ち、違う! 何かサポートができないかと思って……。
そうだよな、ショボン!?」
足|´・ω・`)「僕は面白そうだから見に来ただけだよ」
('A`)「ショボンらしいなあ」
58
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:36:45 ID:e2WGYZbo0
|゚ノ;*^∀^)「あ、あの……っ! モナーさま!」
( ´∀`)「モナ? あ、レモナさん!」
|゚ノ;*^∀^)っ「その……これを!」
(*´∀`)「わあ、僕にくれるモナ? ハート型のクッキーかわいいモナね!」
足|*゚ -゚)「そうだ、レモナの想いがこもったハート型の……」
|゚ノ;*^∀^)「ハ、ハートではなく桃ですわ!!!!!」
足|;゚ -゚)「レモナ!?」
(;´∀`)「桃クッキー……?」
|゚ノ;*^∀^)「そもそもこの世にハート型なんて存在しませんのよ!!!
モナーさまがハートだと思っていらっしゃるその形は桃なのですわ!!!!!
またひとつ賢くなれましたわね!!!!!!!」
足|'A`)「どういう照れ隠し?」
|゚ノ;*^∀^)「桃から男の子が産まれるおとぎ話がありますわよね?
大切に育てられた彼は悪い鬼の噂を聞き、勇敢にも退治の旅へと出る……。
桃の形は、勇気ある子に育ってほしいという願いがこめられた形なのですわ!!!!!」
(;´∀`)「知らなかったモナ……!! そんな願いが……!!」
足|;゚ -゚)「なぜ信じる!?」
足|'A`)「あの人なんでも信じるから……」
足|´・ω・`)「いつか壺とか買わされそう」
59
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:39:16 ID:e2WGYZbo0
(;´∀`)「つまり、レモナさんは僕に勇気ある子に育ってほしいと願って……?」
|゚ノ;*^∀^)「その通りですわ!!!!!
勇気ある子に育つがいいですわ!!!!!!!」
( ´∀`)「僕もまだまだ成長の余地があるってことモナね……!
あ、このクッキープレートにもチョコペンで桃の絵が描いてあるモナ!
たくさんたくさん願ってくれているモナね!」
|゚ノ;*^∀^)「スクスクと成長するがいいですわ!!!!!!!!!!」
(*´∀`)「ありがとうね、大事に食べて成長するモナ!
レモナさん、なんだかお母さんみたいモナ!」
|゚ノ ;^∀^)「お、お母さん……」
足|;゚ -゚)「おい、これはまずいぞ! レモナの想いが全く伝わっていないぞ!」
足|'A`)「そりゃそうでしょ……」
足|;゚ -゚)「ショボン! なんか……大声上げながら躍り出ろ! 空気を変えるんだ!」
足|´・ω・`)「任せて」
足|'A`)「任されないで……」
60
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:40:35 ID:e2WGYZbo0
|゚ノ ;^∀^)(お母さんて……お母さんて……!!)
|゚ノ ;^∀^)(たしかにわたくしは愛をお伝えしたかったのですけれど、母性愛じゃありませんわ!!!)
|゚ノ ;^∀^)(いつもありがとうと……お慕いしていると……伝えたくて……)
|゚ノ ;^∀^)(わたくしのおバカさま!!
でも、モナーさまも大概ですわ! あんな嘘を信じてしまうだなんて!!
悪い人に騙されてしまったらどうするんですの!!!)
(;´∀`)「レモナさん? どうしたモナ、黙り込んじゃって……」
|゚ノ ;^∀^)「モナーさまのおバカさま!!!!!」
(;´∀`)「モナ!?」
三三|゚ノ ;^∀^)「ですがわたくしもおバカさまですわー!!!!
いっそのこと皆さまおバカさまですわーー!!!!!」ダッ
(;´∀`)「レモナさーん!? ……行っちゃったモナ」
(;´∀`)「皆おバカさま……。つまり人類は皆、未熟な存在であると……!
さすがレモナさん……! 深いモナ……!!」
足|'A`)「なんか納得しちゃったよ……」
三卍´・ω・`)卍「ウオーーーーーーーーーー!!!!!!」ドゥルルルル
足|'A`)「流れの変え方が奇っ怪すぎるよ。もう遅いし」
三卍川;゚ -゚)卍「私も行くぞショボン!!! 共に流れを変えるぞ!!!!」ドゥルルルル
足|'A`)「お前も行くんかい」
(;´∀`)「なにごと!!?」バッ
ミっ
(´・ω・`)「あっやめて剣に手を伸ばさないで」
61
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 22:41:32 ID:e2WGYZbo0
(;´∀`)「なんだショボンさんとクーさんか〜。敵襲かと思ったモナ」
(´・ω・`)「敵襲て」
(;´∀`)「さっきのはなにモナ? 腕を振り回して猛ダッシュして……」
川;゚ -゚)「その……流れを変えようと……」
(;´∀`)「流れ?」
川;゚ -゚)「あのー……空気を……」
( ´∀`)「空気……なるほど、空気を循環させていたモナね!」
川;゚ -゚)「え?」
( ´∀`)「でも、空気を循環させるなら窓を開けて換気しながらの方がいいと思うモナ!」
川;゚ -゚)「いや……あの……」
( ´∀`)「よし、僕も見習って空気を循環させながら警備をするモナ!」
三卍 ´∀`)卍「モナーーーーーーーーーー!!!!!!」ドゥルルルル
川;゚ -゚)っ「待ってくれモナーさん!! 待っ……行ってしまった……」
(´・ω・`)「向こうでアラマキ教皇が五度見して宇宙猫みたいな顔してる」
足|'A`)「知ーらない……」
教義 第2章 おわり
62
:
名無しさん
:2023/03/17(金) 23:48:52 ID:nFgx.hVs0
好きです
乙
63
:
名無しさん
:2023/03/18(土) 00:07:04 ID:JxwzPJlk0
オツ
64
:
名無しさん
:2023/03/18(土) 01:07:33 ID:bhHJ68AM0
ショボン司祭様すき
奇っ怪な流れの変え方が特に笑った
65
:
sage
:2023/03/18(土) 19:26:39 ID:1mG8JtFs0
面白い続き楽しみ
66
:
名無しさん
:2023/03/18(土) 21:23:12 ID:hZtHhqnQ0
乙乙
ドゥルルルル好き
67
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:22:00 ID:SOoE98Ng0
( ´∀`)"「ん……? 何か落ちてるモナ」
( ´∀`)っロ「これは……手帳モナ? 名前は書いてないモナね……」
(;´∀`)「勝手に中を見たら悪いモナね……。
でも、誰のものか分からないと返せないモナ……」
/ ,' 3「……」
( ´∀`)「あっ、アラマキさん! いいところに! ……なんで遠巻きに見てるモナ?」
/ ,' 3「いや……奇行に走ってて怖かったから……」
(卍 ´∀`)卍「奇行? あ、もしかしてこれのことを言ってます?」ドゥルルル
/ ,' 3「それなに……? 意味わかんなくて本当に怖い……」
( ´∀`)「腕を振り回して空気を循環させていましたモナ!」
/ ,' 3「やっぱり奇行だ……」
68
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:22:54 ID:SOoE98Ng0
('A`)ほのぼの地縛霊神殿のようです
教義 第3章「本をたくさん読もう」
.
69
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:23:54 ID:SOoE98Ng0
( ´∀`)っロ「そうそう、アラマキさん! この手帳が落ちていて……。
誰のものか分かりますモナ?」
/ ,' 3「ああ、それはツン司教が持ち歩いているものだ」
( ´∀`)っロ「持ち主が分かってよかったモナ!
アラマキさん、ツンさんに会ったら渡してもらってもいいですか?」
/ ,' 3「ああ、渡しておこう」
ξ;゚⊿゚)ξσ「アラマキ教皇、モナーさん! この辺に手帳が……って、それ!」
( ´∀`)「あ、ツンさん! ちょうどよかったモナ!
いま落ちているのを見つけたところモナ!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ありがとう、拾ってくれたのね!
私とブーン様の夢小説を書いた手帳!」
/ ,' 3「破こう」
(;´∀`)「アラマキさん!?」
70
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:24:46 ID:SOoE98Ng0
ξ#゚⊿゚)ξ「は!? 私とブーン様のノンフィクションの夢小説よ!?」
/ ,' 3「矛盾してる」
ξ#゚⊿゚)ξ「悪役令嬢役でアラマキ教皇も出してるっていうのに!」
/ ,' 3「なに勝手に出し……れ、令嬢……?」
(;´∀`)「アラマキさん、女性だったモナ!?」
/ ,' 3「違う……」
ξ#゚⊿゚)ξσ「愛し合う私とブーン様の仲を引き裂こうとする悪者よ!!」
(;´∀`)「ツンさん、ブーンさんと恋仲だったモナ!? 知らなかったモナ!!」
/ ,' 3「違う本当に違うそれだけは絶対に違う」
(;´∀`)「アラマキさん、恋人同士の仲を引き裂くのはひどいモナ!!」
/ ,' 3「引き裂いてはいるけど恋人ではない」
ξ#゚⊿゚)ξ「アキネイターで『たぶんそう部分的にそう』を選ぶ時みたいな答え方すんな」
71
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:25:39 ID:SOoE98Ng0
( ´∀`)「ツンさんがいつも花嫁さんみたいなベールをつけているのは、
ブーンさんと恋仲だからだったモナね!」
/ ,' 3「ねえ違う本当に違うお願いだから話を聞いて」
ξ*゚⊿゚)ξ「いつかブーン様と結婚式を挙げるための予行演習みたいなものね」
/ ,' 3「一生来ない機会のために……」
ξ#゚⊿゚)ξ「何よ、ブーン様の恋人の私に嫉妬してんじゃないわよ!
自分がブーン様の恋人になれないからって僻まないでもらえますー?」
/#,' 3「ツン司教のそれとワシの感情は違う!!!!!
そもそもブーン様はワシに恋愛感情など抱かない!!!!!!
ワシとブーン様は友人に過ぎず、
お優しいブーン様はワシ一人を特別扱いなどしない!!!!!!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「アンタが特別扱いされたことないだけでしょーが!!!!!
私は恋人だからブーン様に特別扱いしてもらえてるのよ!!!!!!
ただの友人さんは黙っててもらえますー????」
/#,' 3「ツン司教がブーン様の恋人だというのは、ぜんぶ妄想だろう!!!!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「アンタだって、ブーン様はこういう人だって決めつけてるじゃない!!!!!」
(;´∀`)「け、喧嘩しないでモナ……」
三 (( <_プー゚)フ ))「うおーーーーーーーーーー!!!!!!」モチモチモチ
ξ゚⊿゚)ξ「え……なに……」
/ ,' 3「なんかモチモチしながらきた……」
72
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:27:11 ID:SOoE98Ng0
ξ゚⊿゚)ξ「エクスト? 今のなに……」
('A`)"「俺が仕込みました」ヒョコッ
<_プー゚)フ「しこまれました!」
('A`)「空気ヤバかったので……エクストにしか中和できないと思って……」
(( <_プー゚)フ ))「中和しました!」モチモチ
/ ,' 3「そのモチモチした動きはなんだ?」
<_プー゚)フ「うでが短くてまわんなかった!」
ξ゚⊿゚)ξ「関節とかなさそうだものね……」
/ ,' 3「そもそもなぜ腕を回そうと……」
(卍 ´∀`)卍「もしかして、その動きってこれモナ?」ドゥルルル
<_プー゚)ニア「それそれ!」
( ´∀`)「空気を循環させてたモナね! えらいモナ!」
(( <_プー゚)フ ))「これ、くーきのじゅんかんっていうのかー?」モチモチ
/ ,' 3「空気の循環ではなく、奇行と言うんだぞ」
<_プー゚)フ「きこー! 覚えたぞ!
ドクオにしこまれたきこー! ドクオに教えてもらったきこー!!」
('A`)「いたいけな幽霊に奇行を仕込んだ変態司教になっちゃった……」
(;´∀`)「ドクオさん、変態司教だったモナ……!!?」
('A`)「終わった…………モナーさんの中で俺は一生変態司教だ……………………」
ξ゚⊿゚)ξ「迂闊な発言をするからモナータトゥーを彫られるのよ」
('A`)「モナータトゥーって呼んでんの……?」
(;´∀`)「アラマキさんは女性だったし、今日はびっくりすることが多いモナ!」
('A`)「アラマキ教皇も彫られてた……」
/ ,' 3「それよりもツン司教の妄想を信じていることの方が嫌」
('A`)「ブレないなあ」
73
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:28:09 ID:SOoE98Ng0
ξ#゚⊿゚)ξ「さっきから妄想妄想ってうるさいわね」
/ ,' 3「だって妄想じゃん」
(;'A`)「ああもう、また喧嘩して……。
二人とも、教義に『けんかしたら仲直り』とあるでしょう。
教皇と司教が喧嘩してたらブーン様に顔向けできませんよ」
ξ;゚⊿゚)ξ「う……悪かったわよ……。でも私とアラマキ教皇には直る仲がないのよ」
/ ,' 3「分かる!! ないよね〜」
ξ゚⊿゚)ξ「ね〜」
('A`)「良いんじゃない……? 仲……」
<_プー゚)フ「そもそもなんでけんかしてたんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「アラマキ教皇が、私とブーン様が付き合っていることを頑なに認めなくて……」
/ ,' 3「だって完全に嘘だもん……」
<_プー゚)フ「ブーンさまっておれと同じで、死んじゃってるんじゃないのかー?」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなの、私の愛の前では些細なことよ。
私がブーン様を愛していることに変わりはないもの」
( ´∀`)「かっこいいモナ!」
ξ゚⊿゚)ξ「私が教皇になった暁には、私の書いた夢小説を聖書にするから」
/ ,' 3「絶対にドクオ司教に継ご〜っと」
('A`)「私情で人事を決めないでくださいよ……」
74
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:28:52 ID:SOoE98Ng0
<_プー゚)フ「ゆめしょーせつ?ってなんだ?」
ξ*゚⊿゚)ξっロ「愛し合う私とブーン様のノンフィクション小説よ! 読んでみる?」
<_フ*゚ー゚)フ「読むー!」
/ ,' 3「破く」
<_フ;゚ー゚)フ「やぶいちゃったら読めないぞー!」
/ ,' 3「じゃあ食う」
('A`)「『じゃあ』じゃないですよ……」
(;´∀`)「アラマキさん、山羊だったモナ!!?」
/ ,' 3「雌の山羊だと誤解されても構わん。
絶対にこの世から存在を消したい……ツン司教の小説を……」
('A`)「覚悟が違えや」
75
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:30:06 ID:SOoE98Ng0
<_フ*゚ー゚)フ「ツンの書いたしょーせつ読みたい! ドクオ、読んで読んで!」
('A`)「俺が朗読していいの?」
ξ゚⊿゚)ξ「いいわよ。
アラマキ教皇の聴覚からも、愛し合う私とブーン様を刷り込まなきゃだもの」
/#,' 3「かくなる上は……! ワシの鼓膜を潰す……!!」
(;'A`)「モナーさん! アラマキ教皇を羽交い締めにしてください!
本当にやりかねない顔してる!!」
(;´∀`)「分かったモナ!」
(;'A`)「教義にも『自分のことを大事にしよう』とあるでしょう!
自分の鼓膜やツンの小説に加えて、ブーン様の教えまで破ってもいいんですか!?」
ξ゚⊿゚)ξ「上手いこと言おうとしてんじゃないわよ。
私の小説は破られていないし、教皇の鼓膜だってまだ破られていないわよ」
<_フ;゚ー゚)フ(『まだ』……?)
(;´∀`)
っ/ ,' 3「その教義はワシのオリジナルだし……」
ξ゚⊿゚)ξ「え? 教義って全部ブーン様の教えなんじゃないの?」
/ ,' 3「ブーン様の教えとかワシのオリジナルとか色々混ざってる」
('A`)「初めて知った……」
76
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:31:05 ID:SOoE98Ng0
ξ;゚⊿゚)ξ「ブ、ブーン様の教義にアラマキ教皇が考えたものが混ざってるの……!?
不純物だわ……!!!」
('A`)「ひどい言いようだ」
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっと、アラマキ教皇!
どれがブーン様の教義で、どれが教皇のオリジナルか教えてよ!」
/ ,' 3「ご想像にお任せします」
ξ>;゚⊿゚)ξ>「最悪の人狼ゲーム!!!!」
('A`)「そんな頭抱えるほど嫌……?」
/ ,' 3「やーいやーい」
(;'A`)「しょうもない煽りやめてください。ショボンのこと注意できないですよ」
<_プー゚)フ「煽りはショボンの方がうまいな!」
('A`)「煽りは上手くなくていいんだよ……」
77
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:32:11 ID:SOoE98Ng0
ξ>;゚⊿゚)ξ>「せめて知らずにいたかった……。いちごミルクの着色料みたいなものよ……」
('A`)「同カテゴリなの……?」
ξ;゚⊿゚)ξ「同じよ! ねえ、モナーさんも嫌だと思わない!?」
( ´∀`)「え、僕? うーん、僕はそもそもブーン教の教徒じゃないからなぁ」
('A`)「あ、そういえばそうでしたね」
( ´∀`)「でも、ブーン教の教義はやさしくて素敵だと思ってるモナ!
子どもにも分かりやすいし、僕もブーン教やブーンさんが好きモナよ!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ふふふ、旦那を褒めてもらえて嬉しいわ」
(;´∀`)「だ、旦那!? ツンさん、今この瞬間にブーンさんと結婚したモナ!!?」
ξ*゚⊿゚)ξ「結婚式にも来てね。
アラマキ教皇にはブーン様の友人代表スピーチをお願いするわ」
/#,' 3「ア゛ーーーーー!!!! ア゛ーーーーーーーー!!!!!!」
(;'A`)「怒りが限界に達して自分の耳をちぎろうとしている!!!!
モナーさん!! モナーさん止めてー!!!」
78
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:33:12 ID:SOoE98Ng0
(;´∀`)
っ/#,' 3" ジタバタ
(;'A`)「教義とか関係なく、自分のことは大切にしてください!
模範となる存在の教皇であれば尚更ですし、そもそも俺らが心配します!」
/#,' 3「友人代表スピーチは……キレるだろ……」
(;'A`)「心中お察ししますけど……」
<_プー゚)フ「なーなー、おれ、ツンのしょーせつ読みたい!」
(;'A`)「うーん、アラマキ教皇が耳をちぎりかねないからなあ……」
<_プー゚)フ「ちぎるのは痛そうだなー……仕方ないかー……」シュン
/ ,' 3「……構わん、読むといい」
(;'A`)「え、本当に大丈夫ですか」
/ ,' 3「ああ、エクストが読みたいなら読ませてやりたい」
ξ゚⊿゚)ξ(エクストに甘い……)
('A`)「えーと、じゃあ、読むぞ?」
っ⌒/⌒/
<_フ*゚ー゚)フ ワクワク
79
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:34:27 ID:SOoE98Ng0
('A`)σ『ツン=ジキキョーコー公爵令嬢、君に婚約破棄を申し込む!!』
('A`)「もう既に待ってほしいもんな〜」
<_プー゚)フ「ツンのしょーせつ、ドクオがいる!」
('A`)「なんで俺が元婚約者なの……?」
ξ゚⊿゚)ξ「そこの配役は誰でもよかったから……ドクオでいいかなって……」
('A`)「名前に願望が現れまくってるのは何?」
ξ゚⊿゚)ξ「いい名前が思いつかなかったから、事実を書いておけばいいかなって……」
('A`)「事実と願望は違うんだよ……」
/ ,' 3「次期教皇は絶対にドクオ司教を指名するからな……」
('A`)「だから私情で決めないでくださいって……」
(;´∀`)「ツンさんとドクオさんは元婚約者だったモナ!?
ツンさんがご令嬢だったことも、フルネームも初めて知ったモナ!」
('A`)「もうこの人は放っておこう……」
/ ,' 3「読み終わる頃には無数のモナータトゥーが彫られているだろうな」
80
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:35:21 ID:SOoE98Ng0
ξ;゚⊿゚)ξ『ジキキョーコー公爵令嬢である私と婚約破棄……!? どうして……』
('A`)『身に覚えがないとは言わせないぞ、ジキキョーコー公爵令嬢』
ξ;゚⊿゚)ξ『ジキキョーコー公爵令嬢には、身に覚えなんて……』
('A`)「名前の主張が激しくない?」
ξ゚⊿゚)ξ「強調していこうかなと……」
/ ,' 3「くどい」
ξ#゚⊿゚)ξ「は? 事実なんだから何回言ってもいいんですけど?」
/ ,' 3「事実じゃなくて願望じゃん……」
ξ#゚⊿゚)ξ「仮に願望だとしても、何回言ったっていいんですけど??」
/ ,' 3「この人無敵でヤダ〜〜」
81
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:36:23 ID:SOoE98Ng0
('A`)『アラマキ=マウントマン伯爵令嬢に嫌がらせを繰り返していたそうだな?』
<_フ;゚ー゚)フ「マウントマン!?」
('A`)「マウントマンは笑う」
/ ,' 3「命名の方がよっぽど嫌がらせだろ」
ξ゚⊿゚)ξ「思いつかなかったから事実を書いておこうと……」
('A`)「マウントマンは事実だから、まあいいかなぁ……」
/ ,' 3(まあいいんだ…………)
<_プー゚)フ「思いつかなかったら事実を名前にするルールなんなんだ……」
82
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:37:30 ID:SOoE98Ng0
ξ;゚⊿゚)ξ『嫌がらせ……なんの話?』
('A`)『とぼけるな! マウントマン伯爵令嬢が孤立するよう仕向けたり、
マウントマン伯爵令嬢の持ち物を盗んで壊したり、
マウントマン伯爵令嬢に足を引っかけて転ばせたりしたのだろう!!」
('A`)「俺、マウントマンマウントマンうるさいなあ……」
/ ,' 3「ゲシュタルト崩壊しそう」
ξ゚⊿゚)ξ「強調しようと思って繰り返してみたのよ」
/ ,' 3「強調の仕方が雑」
('A`)「マウントマンを強調する必要ないでしょ」
ξ#゚⊿゚)ξ「強調するわよ……」
('A`)「そういや、マウントの腹いせで悪役令嬢のアラマキ教皇を登場させたんだっけ……」
83
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:38:40 ID:SOoE98Ng0
/ ,' 3『とぼけるだなんて酷いですわ……ジキキョーコー公爵令嬢……。
マウントマン伯爵令嬢はジキキョーコー公爵令嬢に傷つけられたのに……』
ξ;゚⊿゚)ξ『だから、ジキキョーコー公爵令嬢には心当たりがなくて……!』
/ ,' 3『酷いですわ! タダノシキョー侯爵令息もそう思いますわよね!?』
('A`)『ああ、ジキキョーコー公爵令嬢はマウントマン伯爵令嬢に謝罪するべきだ!』
('A`)「名前鬱陶しい〜〜〜〜」
<_プー゚)フ「みんな名前がながい……」
('A`)「『ツン様』とか『アラマキ様』って呼べばいいじゃん……」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン様と同じ敬称を他の人に使いたくない」
('A`)「だからってジキキョーコー公爵令嬢を連呼しなくていいでしょ……。
もっと他にあったでしょ……」
<_プー゚)フ「ながい名前ばっかで頭に入ってこないぞ……」
/ ,' 3「一人称って便利だからぜひ使ってほしい」
ξ゚⊿゚)ξ「大不評でウケる」
84
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:39:57 ID:SOoE98Ng0
('A`)「俺の名前はただの司教だし……」
ξ゚⊿゚)ξ「だって、ドクオはただの司教でしょ」
('A`)「ただの司教だけども……」
/ ,' 3「ドクオ司教をジキキョーコー侯爵令息にしよう」
('A`)「本当に何がなんでもツンを教皇にしたくないんですね……」
/ ,' 3「ツン司教は絶対にブーン教を私物化するから……」
('A`)「アラマキ教皇も大概な気が……」
ξ#゚⊿゚)ξ「ブーン教の行事に『ブーン様との同居記念日』とか作るくらいだものね」
<_プー゚)フ「なんだそれ?」
('A`)「アラマキ教皇が生前のブーン様と同居し始めた日を、記念日にしてるんだよ」
<_プー゚)フ「へえ、いっしょに暮らしてたのかー!」
('A`)「その日は毎年、神殿でイベントをやるんだ。祭りみたいなものかな」
<_フ*゚ー゚)フ「祭り!! たのしそー!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「楽しくないわよ! なんなのよ、ブーン様との同居記念日って!」
('A`)「めちゃくちゃ私情で笑うよね」
ξ#゚⊿゚)ξ「職権濫用にもほどがあるわ!」
/ ,' 3「ワシは教皇なので……これでも一応ブーン教のトップでして……」
ξ#゚⊿゚)ξ「完全に公私混同じゃない!
見てなさい、今に私が教皇になって私とブーン様の結婚記念日とか作るから」
('A`)「完全に公私混同じゃん」
85
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:40:55 ID:SOoE98Ng0
/ ,' 3「架空の結婚記念日をブーン教の行事にされても困る」
ξ#゚⊿゚)ξ「人のこと言えないでしょアンタは……。
自分の記念日をブーン教の行事にしておいて……」
/ ,' 3「ワシは事実を行事にしてますし????
幻覚を行事にしようとしているツン司教とは違いますし?????
ワシがブーン様と暮らしていたのは紛れもない事実ですし???????
おはようもおやすみも、
行ってきますも行ってらっしゃいも言い合った仲ですし?????????」
っξ#゚⊿゚)ξ⊂「ア゛ーーーーー!!!! ア゛ーーーーーーーー!!!!!!」
(;'A`)「ブーン様のガチ勢は怒りで耳をちぎる習性があるの??」
<_プー゚)フ「アラマキきょーこーといい、ツンといい、鳴き声が人間ばなれしてるな!」
('A`)「怪鳥」
86
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:41:41 ID:SOoE98Ng0
ξ#゚⊿゚)ξ「危ない危ない……ブーン様が止めてくれなきゃ耳をちぎるところだったわ」
('A`)「ナチュラルに幻覚を見ないで」
ξ゚⊿゚)ξ「ドクオにはブーン様が見えていないのね……残念だわ……」
(;'A`)「も、もしかしてブーン様の幽霊がいるの!?」
/ ,' 3「えっ」
ξ*゚⊿゚)ξ「ええ、いま私を後ろから抱きしめてくれているわ」
/ ,' 3「はい妄言〜」
ξ#゚⊿゚)ξ「一瞬信じてたろアンタ」
<_プー゚)フ「ツンの後ろ、誰もいないぞー?」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン様は透明なのよ」
('A`)「それはツンのイマジナリーブーン様だよ」
87
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:42:43 ID:SOoE98Ng0
<_プー゚)フ「なーなー、ツンのしょーせつの続き読みたい!」
('A`)「え、まだ読む?」
<_プー゚)フ「だってブーンさまが出てきてないぞー」
/ ,' 3「絶対に解釈違いを起こすから、ブーン様が登場する前に破いてしまいたい」
ξ#゚⊿゚)ξ「自分の鼓膜でも破っていなさいよ」
<_プー゚)フ「ツンとブーンさまのしょーせつなんだろー?
ブーンさまが出るとこまで読む!!」
ξ*゚⊿゚)ξ「エクスト……なんて人格者! どこかの教皇も見習ってほしいわね」
/ ,' 3「どこかの司教も見習ってほしいものだな」
ξ゚⊿゚)ξ「ドクオ、言われてるわよ」
/ ,' 3「金髪の司教も見習ってほしいものだな」
ξ゚⊿゚)ξ「ドクオ、言われてるわよ」
('A`)「強行突破しないで」
ξ゚⊿゚)ξ「ドクオが金髪になれば解決」
('A`)「解決じゃないよ」
88
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:43:36 ID:SOoE98Ng0
『なんだァ……? この騒ぎは……』
(;'A`)『こ、この声は……!』
/; ,' 3『ま、まさか……!』
ブーーーー( ^ω^)『ふん、おもしれー騒ぎ……』ーーーーン‼︎
(;'A`)『ブーン=ツ=ンヲアイシテル王太子殿下!!』
/ ,' 3 "「もうヤダ〜〜ヤダよ〜〜〜ヤダヤダヤ〜〜ダ〜〜〜〜!!」ダンダンダン
('A`)「アラマキ教皇が解釈違いのあまりに駄々っ子になっちゃった」
ξ゚⊿゚)ξ「地団駄を踏む教皇、シンプルに嫌すぎる」
89
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:44:54 ID:SOoE98Ng0
/ ,' 3「『なんだァ……?』のァがいちばん嫌」
('A`)「おもしれー騒ぎってなに? 名前連呼してるだけの騒ぎ別におもしれくないよ」
<_プー゚)フ「ブーーーン‼︎ってのはハチが飛んでるのかー?」
('A`)「『ン』で始まって『ヲ』が入る名前、挑戦的すぎるよ……」
<_プー゚)フ「『ブーン=ツンヲアイシテル』でよかったんじゃないのかー?」
/ ,' 3「よくない。全然よくない。絶対によくない。この世で最もよくない」
('A`)「せめてミドルネームの配分を増やすとか……」
/ ,' 3「『ブーン=ツンノコトナド=ガンチュウニナイ王太子殿下』にしよう」
ξ゚⊿゚)ξ「総攻撃すぎるだろ」
90
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:45:59 ID:SOoE98Ng0
ξ゚⊿゚)ξ「なによ、そんなに言う? ブーン様の名前に関しては、言わずもがなよ」
('A`)「事実を名前にする方式ね……」
/ ,' 3「決して、事実、では、ない」
('A`)「しっかり区切った否定きた」
ξ゚⊿゚)ξ「たしかに『ブーン=ツンヲアイシテル』の方が読みやすいとは思ったわ。
でも、あまり直接的な名前だと
ブーン様が私を愛しているってネタバレになっちゃうかなって」
('A`)「ネタバレも何もないでしょ。ブーン様とツンの夢小説なんだから」
/ ,' 3「多少ひねったところで直接的な名前に変わりはないし。
ブーン様はツン司教を愛していないし、そもそも存在すら知らないし」
<_プー゚)フ「ほかの名前もネタバレなのかー?
しょーせつのツンはこの後、きょーこーになるのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「いや、この小説の私は王太子妃になるから教皇にならないわよ。
現実の私が教皇になるってだけで」
('A`)「ややこしいなぁ」
91
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:47:16 ID:SOoE98Ng0
ξ゚⊿゚)ξ『何よこの人。一体誰?』
( ^ω^)『この俺を知らないだと……? おもしれー女……』
/ ,' 3「不敬」
('A`)「公爵令嬢が王太子殿下を知らないのはマズい」
ξ゚⊿゚)ξ「おもしれー女だから大丈夫よ」
('A`)「公爵令嬢が王太子殿下を知らないのは、おもしれーとかじゃなく不敬だよ」
<_プー゚)フ「ブーンさまってこういう喋りかたなのか? なんかイメージとちがう……」
/ ,' 3「うむ、ブーン様はこんな口調じゃない。一人称は『僕』だし。エアプ」
ξ#゚⊿゚)ξ「エア……!?」
('A`)「アラマキ教皇以外がエアプなのは仕方ないんじゃないですか」
ξ#゚⊿゚)ξ「……エアプでも想像で補うしかないじゃない。
ブーン様は、私が生まれる前に亡くなっているんだから……」
('A`)「ツン……」
/ ,' 3「ブーン様と同じ時代を生きたことないもんねワシと違って!!!!
ワシと!!!!!違って!!!!!!ワシと!!!!!!!!
ブーン様と同じ時を過ごしたワシと!!!!!!!!!!!!
ワシ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
('A`)「これは文句なしにマウントマンだわ〜」
σξ#゚⊿゚)ξ∂「ワシワシうるせえな鳥かよ!!!!!!!
ブーン様止めないで今から鼓膜を潰すから!!!!!
ア゛ーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
('A`)「怪鳥再び」
<_プー゚)フ「二人とも鳥だな!!」
92
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:48:30 ID:SOoE98Ng0
ξ#゚⊿゚)ξ「危ない危ない……。
ブーン様が、後ろからハグして耳元でそっと吐息混じりに囁いてくれなかったら
鼓膜を突き破っていたところだったわ……」
('A`)「ディティールの細かい幻覚だ」
ξ*゚⊿゚)ξ「それより、続きよ続き! やっとブーン様と私が出会ったんだから!」
<_プー゚)フ「んー、別にもういいかなー。ブーンさま出てきたし」
ξ;゚⊿゚)ξ「なっ……!? もういいって何よ!?」
('A`)「俺ももういいかな……お腹いっぱい……」
/ ,' 3「もう破いていい?」
ξ;゚⊿゚)ξ「破いていいわけないだろ……。何がそんなにダメなのよ」
<_プー゚)フ「名前がながくて覚えられない……」
/ ,' 3「ブーン様がエアプ」
('A`)「長い名前が連呼されて鬱陶しいし、俺が婚約破棄を告げる元婚約者役だし、
名前が目立って内容が頭に入ってこないし、俺の名前がただの司教だし、
公爵令嬢が王太子殿下を知らないわけがないし、
俺がマウントマンマウントマンうるさいし……」
ξ゚⊿゚)ξ「思ったよりドクオが自分の処遇に不満を感じていた」
93
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:49:26 ID:SOoE98Ng0
ξ;゚⊿゚)ξ「そんなにダメなのね……。自信作だったんだけど……」
('A`)「内容がどうこうって話じゃなく、名前なんだよ……。名前がずっとノイズ……」
ξ;゚⊿゚)ξ「事実を名前にする方式を変えるべきか……」
('A`)「いや、連呼する方式を変えた方がいいかな……」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、マウントマン伯爵令嬢はこのままで」
/ ,' 3「えー」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン様の名前も、もうちょっと読みやすくするわ」
/ ,' 3「『ブーン=ツンノコトナド=イチミリモガンチュウニナイ王太子殿下』にしよう」
ξ゚⊿゚)ξ「事実を名前にするって言ってるでしょ」
/ ,' 3「ない事実を名前にしないでって言ってるでしょ」
ξ*゚⊿゚)ξ「ドクオのアドバイスを踏まえて書いてみるわ。
今後、ブーン教の聖書になるんだから! はりきって書かなくちゃ!」
/ ,' 3「助けて〜ドクオ次期教皇〜〜」
('A`)「俺はただの司教です」
94
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:50:26 ID:SOoE98Ng0
('A`)「あれ、そういえばモナーさんは?」
<_プー゚)フ「さっきまでいたよなー? ぜんぜん喋ってなかったけど」
/ ,' 3「ああ、少し前に警備に戻ったぞ。何やら深刻な顔をしていたが……」
ξ゚⊿゚)ξ「深刻な顔? 私とブーン様が相思相愛すぎて恐れ慄いたのかしら?」
/ ,' 3「たわ言を」
ξ゚⊿゚)ξ「は? 恐ろしいでしょ?? 私とブーン様がラブラブすぎて。恐ろしいって言え」
/ ,' 3「たわ言がたくましすぎて恐ろしい」
(((;´∀`)「……」
|゚ノ;*^∀^)そ「モ、モナーさま!? 角でばったり出会うなんて聞いてませ……」
|゚ノ ^∀^)「……? モナーさま、顔色が優れませんわ」
(;´∀`)「あ、レモナさん! すごいことを知ってしまったモナ!」
|゚ノ ^∀^)「すごいこと……?」
95
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 19:52:18 ID:SOoE98Ng0
(;´∀`)「ツンさんは実はご令嬢でブーンさんとついさっき入籍して、
アラマキさんは雌の山羊でご令嬢でマウントマンで、
ツンさんとブーンさんの仲を引き裂こうとしていて、
ドクオさんは変態司教だったモナ!!」
|゚ノ ^∀^)
(;´∀`)「しかもドクオさんとツンさんは元婚約者で、
ツンさんはアラマキさんに嫌がらせを繰り返してて、
それがきっかけでドクオさんと婚約破棄に至ったみたいで、
ツンさんは怪鳥でブーンさんに背後をとられているみたいモナ!!!」
|゚ノ ^∀^)「まだ続くんですの!?」
(;´∀`)「ドクオさんは金髪にする予定があるらしくて、更に次期教皇で、
ブーンさんの周りには常にハチが飛んでいて、
面白い騒ぎを嗅ぎつける嗅覚を持っていて、
アラマキさんは駄々っ子の鷲で地団駄を踏んでいて、
ツンさんは次期教皇で王太子妃になる予定で、ブーンさんのことを知らなくて……」
(;´∀`)「あれ? ツンさんはブーンさんと結婚してるのにブーンさんを知らない?
ドクオさんとツンさんのどっちが次期教皇でどっちが王太子妃?
アラマキさんは山羊? それとも鷲? 令嬢? マウントマン?」
|゚ノ ^∀^)
|゚ノ ;^∀^)「誰ですの!!?
モナーさまにキャパオーバー必至の超圧倒的物量の嘘を教えたのは!!!?!?」
教義 第3章 おわり
96
:
名無しさん
:2023/04/30(日) 20:27:53 ID:gQU1Gn0E0
otsu
97
:
名無しさん
:2023/05/01(月) 12:38:36 ID:AxCckEBM0
乙乙!
98
:
名無しさん
:2023/05/01(月) 22:22:50 ID:.z9Wa9us0
面白過ぎるんだよなぁ
99
:
名無しさん
:2023/05/06(土) 00:09:50 ID:PAyQkpzw0
乙乙
不敬のくだり好きすぎる
100
:
名無しさん
:2023/06/22(木) 21:06:28 ID:.UD7ZP6k0
( ^ω^) ※ブーン様のクソデカ石像
('A`)「ブーン様の石像ってクソでかいけどさぁ」
(´・ω・`)「うん」
('A`)「ブーン様の後ろにあるステンドグラスもクソでかいよね」
(´・ω・`)「分かる」
('A`)「ステンドグラスの絵のブーン様もクソでかいよね」
(´・ω・`)「クソデカブーン様が飽和してるんだよね、この大聖堂」
('A`)「ステンドグラスの絵って、ブーン様以外にもなんか……いるよね。
ブーン様の周りに妖精みたいなのが何人か……」
(´・ω・`)「妖精っていうより、天使っぽくない?」
('A`)「あー、たしかに天使の方がそれっぽいかも……」
o川*゚ー゚)o「呼んだ?」
('A`)「えっ、呼んでないし誰? 本当に誰??」
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