レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
( ^ω^) ブーン系小説&イラスト練習総合案内所
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( ^ω^) ここはブーン系小説読み物イラスト練習&総合案内所だお
( ^ω^) 要はここではブーン系に関する相談や雑談、イラスト、30レス未満の作品投下が出来るお
分からないことがあったらなんでも聞いてほしいお。潜んでる住民が親切丁寧に教えてくれるお
( ^ω^) ただし最低限、下記のルールだけは守ってお。あとは良心と常識を信じるお
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総合案内所で短編投下をする際の基本ルール
・ながら投下・連載は禁止
・一つの話は30レス以内
・誰かが投下していない限りは投下してOK
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( ^ω^) よくわかんないって時はひとまずここを見てくれお。ほんとありがたいお
ttp://www43.atwiki.jp/boonkei/(ブーン系wiki)
( ^ω^) ブーン系投下・活動場所はこちらになるお
https://hebi.5ch.net/news4vip/(ニュース速報VIP)
ttp://jbbs.livedoor.jp/internet/13029/ (ブーン系創作板:したらば)
ttp://jbbs.shitaraba.net/internet/21864/(ブーン系創作板ファイナル:したらば)
ttp://jbbs.livedoor.jp/internet/16305/ (ブーン系小説板2:したらば)
ttp://shiba.2ch.net/test/read.cgi/siberia/1446334277/(シベリア図書館)
ttp://hanabi.2ch.net/test/read.cgi/entrance/1454735690/(ラウンジ板)
ttp://jbbs.shitaraba.net/internet/22495/(o川*゚ー゚)oキューちゃん板NEO:したらば)
※前スレ
( ´∀`) ブーン系小説&イラスト練習総合案内所
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1624026443/
( ^ω^) ↑ここまではざっくりと要約したテンプレなので、もう少し詳しいのは↓に続くお
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( ^ω^) ここから長めのテンプレになるお
〇ブーン系とは?
『2chおなじみのAAたちを登場人物とし、物語を展開するスレッド』
それがブーン系小説です。
もっと詳しく知りたい人はこちらをご覧ください。
ブーン系小説をはじめて読む人へ(リンク先:ブーン系wiki)
http://www43.atwiki.jp/boonkei/pages/37.html
( ^ω^) 初めての人、馴染みのない人は以下のブーン系wiki、テンプレ等をよく読んで、理解、協力して欲しいお
・総合スレにおける最低限のルール、マナー
・よくあるQ&A
・荒らしについて
・進行中の企画
・AAテンプレ一覧
〇ブーン系wiki(☆をhttpにしてね)
☆://boonkei.web.fc2.com/top.html
☆://boonkei.m.web.fc2.com/top.html(携帯用)
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〇兄弟スレ・兄弟板
( ^ω^)ブーン系小説シベリア図書館のようです
https://rosie.5ch.net/test/read.cgi/siberia/1446334277/
( ^ω^) ブーン系小説板2のようです
http://jbbs.shitaraba.net/internet/16305/
o川*゚ー゚)oキューちゃん板NEO
http://jbbs.shitaraba.net/internet/22495/
( ^ω^)ブーン系小説板のようです(旧避難所、スレ立て上限に達した)
http://jbbs.shitaraba.net/sports/37256/
( ^ω^) ブーン系創作板のようです(同上)
http://jbbs.shitaraba.net/internet/13029/
〇皆様にお願いごと
( ^ω^) みんなの迷惑にならないようよく読んで、協力しあっていきましょうお
ここは総合案内所ですが、質問する前にまず自分で調べよう。(検索すれば意外と分かることも多いです)
あくまで練習が本旨です。投下が始まったら他の話題中でもなるべく控えて、支援に回りましょう
〇総合に投下する時の注意事項
( ^ω^) 以下の三つはこのスレに作品を投下する時の最低限のマナーなので気を付けてお
・ながら投下と連載は禁止
・一つの話は30レス以内
・誰かが投下していない限りは投下してOK
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〇よくあるQ&A
Q.投下してもいいのか? (・∀・ )
A.( ^ω^) 他の作品の投下真っ最中じゃ無ければ大丈夫だお
被るのが不安なら一言「投下します」と言うのがベターかもだお
Q.なんか他の話題で盛り上がってるし、いきなり投下するのは気まずいんだが (゚Д゚,,)
A.( ^ω^) そういうときは「投下する」と一度会話を中断していいお。作品が優先だお
Q.叩かれるのが怖い…… ('A`)
A.( ^ω^) 卑下、自虐、謙遜は逆に叩かれる元だお。投下したこと、作品を書ききったこと、誇りに思ってくれお
Q.うーん、他の作品が投下されてる途中みたいだけど…… (゚、゚トソン
A.( ^ω^) そんな時は支援しようお。乙、支援、は大事なことだお
Q.総合短編を投下する時は何か気をつけることでもあるのかねぇ? J('ー` )し
A.( ^ω^) 先に言った30レス以内やながらを守ってくれれば大丈夫だお
あとは名前欄をタイトルやトリップで統一したり、作品に安価を当てるとわかりやすいお
Q.そもそもながら投下とは? (´<_` )
A.( ^ω^) 書き溜めしないで、その場で書きながらレスに投下する事だお。別名:即興
Q.ハァ?書き溜めめんどいんだが。ながら投下させてくれよ (´・_ゝ・`)
A.( ^ω^) ながらや連載は他の人が投下するタイミング掴めないから自スレでやれお
ただスレが立てられないなら代理に依頼するのも可能だお。あ、代理ってのは総合でスレ立て依頼をすることだお
Q.絵を投下したいんだけど下手くそなんだよね…… (・(エ)・)
A.( ^ω^) その為の「練習総合案内所」なので、怖がらず投下してほしいお
描くこと、投下したこと、それらは何よりも誇って良いことだお
Q.あのスレってさぁ… (’e’)
A.( ^ω^) 申し訳ないけれどここはヲチスレでもチラ裏でもないし、みんなの場所だお
時折雑談でそういう話題になることもあるから難しいけど、ご協力お願いしますお
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Q.投下したらAAがズレるんだけど、どうしたらいいんだい? \(^o^)/
A.( ^ω^) 書いてるソフトのフォント設定はMS Pゴシックになってるかお AAのテストなら、「テストスレ」が便利だお。専用のソフトはwikiの関連リンクを参考にすると良いお
Q.AAの顔が変だって言われたんだけど…… (・∀ ・)
A.( ^ω^) テンプレ内にあるAAをコピペしてみるお。
書き込みする時に、ツンやヒートの口が文字化けするなら
口の部分に「&#8895;」(&#は半角)と書けば、正しく変換されると思うお
Q.長編はどのくらい書き溜めたらいいのですか? ζ(゚ー゚*ζ
A.( ^ω^) 明確な決まりはないお。極端な話、自スレなら好きなようにしてOK。永久に書いてもOK
Q.AAのキャラがよく分からないです! *(‘‘)*
A.( ^ω^) 極論、自由だから気にせずでOKだお。でも不安ならAA名で検索したり他作品を参考にしてみるのも良いと思うお
Q.長中短編の区切りがよく分からないんだから! ミ゚Д゚,,彡
A.( ^ω^) まとめの分類を参考にすると、大体30レス以内が総合短編、1スレ内が短編、一か月以内完結が中編、それ以上が長編だお
Q.代理スレ立てって何だー? (゚∀゚*)
A.( ^ω^) スレ立て規制をされた方の代わりにスレを立てる事だお。スレを立てに行く前に、一言書き込むのがマナーなのでよろしくだお
( ^ω^) その他にも、ここではスレ立て依頼、批評、作品案内などもやってるお(潜んでる住民が出てきます)
( ^ω^) わからないことがあれば、遠慮なく住人に質問してくれお(潜んでる住民が出てきます)
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○荒らしについて
・荒らしは携帯とPCを使った自演、仲間を呼んで一般レスのような会話もします。
お手数ですがレスをするときはIDで抽出し過去のレスで怪しい部分がないかのチェックをお願いします。
・とにかく荒らしは何を書いても徹底スルーで、「荒らしを相手にするのも荒らし」と認識して注意ください。
・一度でも荒らしと会話したIDは相手にしない、これが荒らし対策のもっとも近道です。
・中にはIDをころころ変える荒らしもいます。
レス内容を見て荒らしかどうか、各自判断お願いします。
・もしも荒らしがスルー出来ない程に酷かったら、専用ブラウザを使うといいでしょう。
「5ch 専用ブラウザ」で調べてみてください。
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○現在進行中の企画
( ^ω^) ……!?
*次スレ立てについて
総合が1000に近付いた時は、誰かが次スレを立てるのがルールです。
原則、>>980を踏んだ人は次スレを立てて下さい。
また、それが出来ないなら、他の人に頼む事も可能です。
もし投下中に>>980を踏んでしまった場合は、投下の後にスレを立てて下さい。
また、Q&AでのAA同士の会話は、ある程度改変する事が可能ですが、ふざけ過ぎないようにお願いします。
また、スレタイトップのAAにあまりにもマイナーなAAを使用するのは控えましょう
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【AAテンプレその1】
( ^ω^)内藤ホライゾン ξ゚⊿゚)ξツンデレ ('A`)ドクオ 川 ゚ -゚)素直クール ζ(゚ー゚*ζデレデレ
_
( ゚∀゚)o彡゜ジョルジュ長岡 ノパ⊿゚)素直ヒート (´・ω・`)ショボーン (`・ω・´)シャキン
( ´∀`)モナー ( ・∀・)モララー (,,゚Д゚)ギコ猫 (*゚ー゚)しぃ (*゚∀゚)つー (#゚;;-゚)でぃ
/ ,' 3荒巻スカルチノフ ミ,,゚Д゚彡フサギコ ( ´_ゝ`)兄者 (´<_` )弟者
(*‘ω‘ *)ちんぽっぽ ( ><)わかんないんです=ビロード ( <●><●>)わかってます
<ヽ`∀´>ニダー ( ,,^Д^)タカラ ( ^Д^)プギャー *(‘‘)*ヘリカル沢近 川д川貞子
(・∀ ・)斉藤またんき (-_-)ヒッキー ( ´ー`)シラネーヨ (=゚ω゚)ノぃょぅ ( ゚д゚ )こっちみんな
从'ー'从渡辺さん ('、`*川ペニサス伊藤 从 ゚∀从ハインリッヒ高岡 ( ФωФ)杉浦ロマネスク
ミセ*゚ー゚)リミセリ (゚、゚トソン都村トソン ( ∵)ビコーズ ( ゚∋゚)クックル lw´‐ _‐ノv素直シュール J( 'ー`)しカーチャン
※ショボーンはショボン、ツンデレはツン、デレデレはデレ、ハインリッヒ高岡はハイン、
素直クール・ヒート・シュールはそれぞれクー・ヒート・シューと書かれることが多い
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【AAテンプレその2】
\(^o^)/人生オワタ | ^o^ |ブームくん | ^o^ |いとこのゆうたろう /^o^\フッジサーン
@@@
@#_、_@ _、_
( ノ`)母者 ( ,_ノ` )y━・~渋澤さん(おじ者) ∬´_ゝ`)姉者 l从・∀・ノ!リ人妹者 o川*゚ー゚)o素直キュート
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)父者 / ゚、。 /鈴木ダイオード |;;;;| ,'っノVi ,ココつ榊原マリントン (-@∀@)アサピー ( ,'3 )中嶋バルケン
|゚ノ ^∀^)レモナ (´・_ゝ・`)盛岡デミタス ( ・3・)ぼるじょあ ( ^^)山崎渉 (゜3゜)田中ポセイドン
<_プー゚)フ エクストプラズマン ,(・)(・),シャーミン松中 ( ^ν^)ニュッ ( ^^ω)マルタスニムは瀬川 ( ∴)ゼアフォー
( `ハ´)シナー (‘_L’)フィレンクト ( ・□・)ブーン ハハ ロ -ロ)ハ ハローさん 【+ 】ゞ゚)棺桶死オサム
(’e’)セントジョーンズ |(●), 、(●)、|ダディクール ( ^ω^)西川ホライズン 川 ゚ 々゚)素直くるう ('(゚∀゚∩なおるよ
爪'ー`)y‐フォックス (//‰ ゚)サイボーグ横掘 ▼・ェ・▼ビーグル マト#>Д<)メ まとまと (・(エ)・)クマー ⌒*リ´・-・リ リリ
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) 佐々木カラマロス大佐
`ヽ_っ⌒/⌒c
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【AAテンプレその3】
N| "゚'` {"゚`lリ 阿部さん ( ゚∀゚ ) アヒャ (゜д゜@ あらやだ 彡 l v lミ 鈴木 ( l v l) 宗男
〈::゚-゚〉 ぃし (;TДT) モカー ||‘‐‘||レ カウガール ( ‘∀‘) ガナー i!iiリ゚ ヮ゚ノル 花瓶
イ从゚ ー゚ノi、 狐娘 从´ヮ`从ト 狸娘 リi、゚ー ゚イ`! 狼娘 ( "ゞ) デルタ関ヶ原
リハ´∀`ノゝ モナ子 从リ ゚д゚ノリ ギコ子 li イ ゚ -゚ノl| 雪苺 (ノリ_゚_-゚ノリゝ ギコアイス ヽiリ,,゚ヮ゚ノi スパム
|::━◎┥ 歯車王 (十) 原子王 /▽▽ 電気王 /◎ ) =| ) 蒸気王 [ Д`] エンジン王
爪゚ー゚) じぃ 瓜゚∀゚) づー 爪゚A゚) ぬー ( ・-・ ) シーン ノリ, ^ー^)li ジャンヌ (,,゚-゚) ぎゃしゃ
( ´W`) シラヒーゲ ( ・∀ ∀・) 奇形モララー (;;・∀・;;) 黒マララー リ´-´ルリル子さん
<(' _'<人ノ 高崎美和さん <゚Д゚=> ギコタイガー (=゚д゚) トラギコ < ゚ _・゚> ギコイヌ
ハソ ゚-゚リ なちっ娘 ( ゚¥゚) 偽モナー ( `ー´) ネーノ ( ノAヽ) ノーネ
(゚A゚* ) のーちゃん | l| ゚ー゚ノl ?(女末) ミ*゚∀゚彡 ふー ¥・∀・¥ マニー
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以 イトーイ増井
( ´∀`) テンプレは以上になりますモナ
( ´∀`) みんなで楽しく使っていきましょうモナ
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いちょつ
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1ちゃん乙です
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立て乙。新しいスレは気持ちがいい
まるで一つの足跡も見られない一面の雪原なようだ
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前スレ埋めも乙
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いちおつおつ
前スレ埋めのニュッくん、弟していて可愛げあるなーと思っていたのに……
おつでした
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いちおつ前スレ埋めもおつ
このスレではどんな物語が生まれることやら
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いちおつ
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新鮮なお題くださいな
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赤い実はじけた
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「赤い実はじけた」って自分が知らないだけで何か意味のある言葉なのかな?って調べたらとても面白そうな情報拾えたので感謝
それはそれとしてお題としても把握でござい
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ユーザー辞書用にAAまとまったデータどこかにありますか?
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http://mzkzboon.blog.fc2.com/blog-entry-312.html
スクロールしてくとユーザー辞書をダウンロード出来るURLが載っている
テンプレ全員ではないから不足分は自分で追加する必要あり
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↓10レス投下します
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祖父が亡くなったと聞き、東京から車を飛ばして松ヶ谷へと向かった。
元々脳卒中をやっていて右半身が不自由だったが
二回目をやらかして倒れているところを、一日一回訪れるヘルパーのサイトウさんに見つけられた。
その時には、既に事切れていたらしい。
死んでから二〇時間以上経っていたらしいから、サイトウさんが最後の訪問を終えた直後に倒れたようだった。
サイトウさんは私と歳もそう変わらないだろう女性で
嗚咽交じりの声で私があの時もう少しマサオさんと一緒にいてあげていればと言いながら
私達に何度も頭を下げた。
その度に彼女の長いポニーテールがあまりに綺麗な弧を描いて激しく上下にうねるものだから
('A`)「ああ、まあ、しょうがないですね」
と、事の重さにまったく見合ってない生返事をしてしまった。
('A`)「まあ、真夏にしてはまだ綺麗な状態で見つかったんで
サイトウさんにお願いしてなかったら、ドロドロの状態で見つかってたかもしれないわけで――」
懸命にフォローしたつもりだったが
彼女はどうも私が放った「ドロドロの状態」という言葉に更にショックを受けたようで
より嗚咽を強めて柱に寄り掛かってしまった。
それを見た父が、どうするんだよという眼差しを私に向けてきたが、知ったことではなかった。
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享年八二歳、現代では最早珍しい歳ではないのかもしれないが
ここまで生きられれば御の字でしょう、これが親戚一同の見解で、葬儀にしめやかさは無かった。
そもそも、しめやかになるには人が足りていなかった。昨今のコロナ禍を受けて、二親等までの家族葬だった。
その上祖父の妻――私にとっての祖母と、三人いた祖父の兄弟はとうに故人だった。
亀浦の大叔父さん、東片町の大叔父さん、あとは何処に住んでいたか、大叔父さんも、この一〇年そこらで皆逝った。
(´・ω・`)「まあ、こうやって世代が繰り上がっていくってことなんだね」
父と叔父はそのようなことを呟き合っていたが
私にも従兄弟にも現状子供がいないからよしんば私達が繰り上がったとして、その下には何も存在しないのだ。
さながら、世代のがらんどうとでも形容すれば良いだろうか。
祖父の棺の前に座り、目を閉じ焼香を持ち上げながら考えたことは
流石にひ孫を見せるところまでは叶わなかったなという
それが特に悔しいとか残念とかそういった感情に繋がることはなく、ただその事実だけを漠然と反復していた。
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家主を失った屋敷の前に立ち
(´・ω・`)「どうしたもんかね」
と父は言った。
(´・ω・`)「お前、こっちで仕事見つけて住んじまえよ。どうせ独り身で身軽なんだから」
とも言われたが、固辞した。
祖父は先祖代々続いていた酒屋をついこの前まで経営していた一方で、松ヶ谷町の助役を定年まで務めていた。
その関係で土間には酒瓶を陳列するショーケースが並び
奥に広い仏間、その隅には郷土資料が所狭しと並ぶ客間があった。
何年も前に隣の市に吸収合併された小さな町だったが
それでも本棚を敷き詰められるくらいの歴史や言及し得る物事はあるものだな、と改めて思った。
幼い頃、夏か冬の休みを使って里帰りした時、しばしば内緒で客間に忍び込んだ。
部屋には硬い革のソファと、大木をそのまま切り出したようなテーブルが置かれており、常にひんやりとしていた。
大抵の資料は当時の私には難解だったが、一冊だけ、図解が多いからと気に入った本があった。
数頁おきに、細目の仮面を付けた女が怪しげな姿勢で地を擦り歩く絵が載せられており
その得体の知れなさもあって、不思議と強く惹き込まれたものだった。
これがこの町の郷土芸能「松ヶ谷能」にまつわる資料で
祖父が町の助役として、主に金銭面で一枚噛んでいたと知ったのは、大分後になってからの話だった。
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ふいにそのことを思い出して、客間の本棚から件の本を引っ張り出そうとしたが、どこにも見当たらなかった。
父に聞いたが、彼は元より興味が無かったのか
(´・ω・`)「そんなもんがあったことも知らん」
と言う。私は諦めて硬いソファに腰を下ろした。既に夕時で、傾き行く西日を浴びた埃が、四方に揺らめいていた。
その日は一切の用事を済ませて暇だったが、夕飯をとるには早かった。
気晴らしに散歩へ出かけた。
屋敷から道路を隔てた向こう側は田畑で
若草が無造作に生い茂る畦道を十数分程度歩くと、やがて町の旧市街地へと抜ける。
松ヶ谷町は元々城下町で、酒野藩の支藩である松ヶ谷藩が治めていた。
明治初期に天守閣をはじめとした一切の施設は解体され
今は昭和初期に再建された大手門が申し訳程度に残るだけで、跡地は「松ヶ谷城址公園」として整備されていた。
最近になって市がネーミングライツを売り出し、獲得した地元企業のおかげで
「松ヶ谷マルエイ城址のびのび公園」とかいう素晴らしい名前になったらしいが、何も言うまい。
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大手門から真っ直ぐ伸びる道に、生協と小さな個人商店、理髪店が数軒程並ぶ。
かつては松ヶ谷城へ続く主な往来として
城無き後も町の中心地としてそれ相応の繁盛を見せていたのだと祖父は言っていた。
やはり私が幼い頃、祖父は毎年この時期に行われる「松ヶ谷城下祭」に
助役の仕事がてらしばしば私を連れて行ったものだった。
祖父はその頃から既にシャッターのくすんだ灰色が目立つ通りを指差し
( ^ω^)「じいちゃんが子供の頃は、あそこにお人形屋さんがあって
その向かいに本屋さんもあって、そこで立ち読みをしたら怒られて追い出されて
仕方がないから駄菓子屋さんでせんべいを買って公園で食べて――」
在りし日の思い出を私に聞かせたものだった。
無論それらの店はその頃には既に跡形も無く、僅かに残った店が設ける出店も
精々焼きそばにかき氷、お面にヨーヨーくらいのもので
ドラえもんかうまい棒かの成り損ないのような出所が怪しいお面を被りながら、幼心に一抹の侘しさを知るのだった。
それもまた、四半世紀近くも前の話になってしまった。
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そのようなことをおぼろげに思い返しながら通りに出てみると
何の因果か今日がまさに松ヶ谷城下祭の開催日だったようで、ちらほらと露店が組まれている。
怪しいお面屋は無く、代わりに、ではないだろうが
酒野市松ヶ谷支所の「振り込め詐欺相談センター窓口」のテントが設けられ
その下で担当者と思しき男がパイプ椅子にもたれかかり、ペットボトルのお茶をちびちびと飲んでいる。
日も暮れてきたからか、それとも時間は関係無く終日そうだったかもしれないが、とにかく人影は疎らだった。
それも大方が地元の高齢者ばかりで、子供はおろか私くらいの歳の人間も見当たらない。
この客層を見るに、確かに胡散臭いお面屋よりは、まだ振り込め詐欺の相談窓口の方が集客は良いのかもしれなかった。
見ようによっては「松ヶ谷マルエイ城址のびのび公園」なんて名前の公園には相応しい出店かもしれない。
こうなってくると、やがて焼きそば屋は役所の各種手続きの出張所に
かき氷屋も役所絡みの観光物産展のようなものに取って代わって
そのうちこの祭り全体が青空役所みたいになってしまうかもしれない。
奴らは何故か「ふれあい」という言葉を民間の五割増しで好むから
恐らく祭りの名前もネーミングライツを売った挙句
「オオノダ松ヶ谷ふれあいフェスタ」とかいうしゃらくさいものになるだろう。
そうなってしまえば、いよいよおしまいだな――などと考えた。
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総合窓口のテントでパンフレットを貰うと、端の方に「松ヶ谷能体験」と書いてある。
尋ねてみると、数年前に建立されたばかりの能楽堂があり
そこで現役の能楽師が松ヶ谷能の指導をしてくれる、ふれあい型のアトラクションです――とのことだった。
思ったそばから「ふれあい」である。しばし考えたが、最終の受付が今から一〇分後だった。
私は何処かへ失せてしまった客間の松ヶ谷能の本を思い出し、話の種にはなるだろうと覗いてみることにした。
能楽堂は「まつがや水と緑の城址プラザ」に併設された、木造りの立派な建物だった。
普段は能舞台を畳んで、多目的ホールとして使っているらしい。
仄暗いホール内、能舞台に暖色のスポット照明が下ろされている。
そろそろ最終の受付が締め切られるというのに、どうも体験者は私独りのようだった。
(゚、゚トソン「今回体験される方はお一人のようですね」
と、壇上に立つ能楽師の女性が顔を上げると、私は思わずああ、と声を上げてしまった。
数日前、事切れた祖父を見つけたヘルパーのサイトウさんだった。彼女もまた目を見開いて、私の偶然の来訪に驚いたようだった。
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能体験はそっちのけで、色々と話を聞いた。
彼女は元々この町の出身で、学校の郷土学習をきっかけとして松ヶ谷能に興味を持ち、東京の大学で郷土舞踊を学んだ。
その後は能楽堂の研修生としてしばらく東京に残り続けたが
数年前に松ヶ谷に戻った末、地元の能楽師に弟子入りした。
しかし能一本での生活は厳しく、介護の仕事を続けながら舞台に上がっていると言う。
(゚、゚トソン「マサオさんには大変お世話になりました」
と彼女は言った。
お世話になったのはむしろ祖父の方だろうと私は返したが、どうも私が思うような話ではないようだった。
過疎化も著しい町の伝統芸能に若い息吹を吹き込むのは至難の業である。
その点で、彼女が町に戻って能楽師としての一歩を踏み出した時
新しい血が入ってくれたと誰よりも喜んだのは、他でもなく私の祖父だったそうだ。
資金面から始まり、祖父は様々な援助を彼女に行ったらしい。
この能楽堂や能体験といった企画も、城址館が再建されるにあたり「郷土文化振興」の名目で
とっくに定年を過ぎていた祖父が四方に働きかけたそうだ。
さすれば、このご立派な多目的ホールは祖父の忘れ形見か。
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この数年で祖父の足腰も弱くなり、いよいよ介護が必要かという時
祖父から彼女宛に直接の指名があったという。
ヘルパーが付いたことすらこの前ようやく知ったのだから、そのような経緯など私には知る由もなかった――
そうなってくると、祖父の死にあたって、彼女がその役割以上に取り乱していたことも納得できる。
その後私は壇上に立たせてもらい
松ヶ谷能の一通りの所作の基本を彼女から教わったが、到底頭に入ってくるものではなかった。
郷土文化が結ぶ世代を超えた交友と言ってしまえば、聞こえは良かった。
ただ、人離れ著しい町で、縁もゆかりも無い一人の若い女に
かつての地位を用いて資金から立場から最後の世話に至るまで入れ込む構造に
何とも言いようのない醜怪さを覚えてしまったのだった。
(゚、゚トソン「本当はちゃんとした形でお別れしたかったのですが」
彼女は言った。
('A`)「まあ、こういう御時世なんで、本当は皆さんに顔を見てもらいたかったんですけどね」
曖昧な言葉を返しながら、身内だけで済ませてしまって良かったのかもしれない、静かに思った。
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翌日、屋敷を片付けた。
生前に断捨離を済ませていたのか、必要最低限の生活用具しか置かれておらず、その日の夕方にはおおよその目処が付いた。
何も無くなった屋敷の居間に寝袋を敷いて眠り、次の日には東京へ戻った。
道中、助手席に座る父が思い出したように言った。
私が中々結婚しないものだから祖父が最後まで心配していたと。
もし私にその気があれば、いつでも紹介する用意があるとも祖父は言っていたと。
('A`)「何でその話を教えてくれなかったのよ」
(´・ω・`)「まあ、電話上での軽口だったし――
それに松ヶ谷に越すことが前提みたいな話し方だったから、お前には言うまでもないだろう」
父の口振りを受けるに「紹介する用意」の心当たりは、彼には無さそうだった。
私はどうにも煮え切らない気分で
とにかく早いところ東京へと戻りたく、松ヶ谷を離れたく、いつもより強めにアクセルを踏んだ。
(´・ω・`)「あの家、結局どうするかね」
('A`)「売ればいい」
と言った。売ったらいよいよ松ヶ谷との縁も切れるぞと父は言ったが、私は何も返さなかった。
それが答えと悟ったか、父は
(´・ω・`)「分かった」
とだけ呟き、後は東京に着くまで眠りこけてしまった。
私は高速道路の蜃気楼がたゆたうその先を眺めながら、サイトウさんの細かく砕くような嗚咽を思い出していた。
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乙。とても良かった
ドクオが醜怪と思いサイトウさんが本気で泣いた理由を探すにつれて
活力を失った町の人々がリアルに感じられるようだった
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おつです
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乙、良かった
裏にいろいろ潜んでいそうな煮え切らない感じがgood
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国民何も書けなくなっちゃった
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元ネタ踏まえてないとすごい思想が強そうに見えるな
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マスターお題2つ頼む…
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教養
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ガニ股
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ありがとう…
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難易度高すぎてワロタ
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対義語ですらある
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絵のお題お願いします
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ハーフ&ハーフ
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マヨネーズ
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20レスほど投下させていただきます。
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じめじめと、している。
温い気温と、しとしとと降り続く雨には、いつも不快にさせられる。
汗と湿気で衣服が肌に張り付き、長い黒髪はべっとりとしている。
外を出歩いたことを少しだけ後悔した。
川 ゚ -゚)「しかし、こんな時期だからこそふさわしい」
古く安っぽいアパートの、錆び付いて音の鳴る階段を上って、通路を一番奥まで進むと『彼』の部屋があった。
呼び鈴を鳴らし、返事は待たずに玄関を開け中に入る。
1DKの手狭な室内。
汗と湿気を袖で拭いながら、部屋の中央にどかっと胡坐をかいた。
川 ゚ -゚)「こんな時期だから、また聞きたくなったよ」
('A`)「なにが『こんな時期』だよ、しょっちゅう来るくせに」
冷蔵庫のペットボトルのお茶を取り出し、放って自分に渡してきた。
『彼』もまた一本手に取って床に腰かける。
私の期待の眼差しを受け、観念したかのように語り始めた。
『怪談』を。
('A`)「今日は…そうだな…」
一呼吸置く。
('A`)「『爪を噛む癖』だ。」
-
―――――――――――――――――――――――――――――
ひと昔…いやふた昔か。スマホどころかガラケーもあまり普及していない時代。
結婚して間もない、とある夫婦の話だ。
二人は、極端に貧しいわけではないが、余裕があるわけでもない。
貯金のために、安いアパートに住んでいた。
―――――――――――――――――――――――――――――
('A`)「ちょうど、俺の部屋みたいなところだな」
川 ゚ -゚)「夫婦が住めるような部屋か?」
('A`)「やかましい」
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ξ゚⊿゚)ξ「いってらっしゃい!」
( ^ω^)「いってくるお!体調は大丈夫かお?何かあったらすぐ電話するお!」
夫は、愛妻家であったが、ここのところは過剰といえるほどに妻の体調を心配していた。
妻が妊娠していたからだ。
出勤する夫を見送ると、妻は手早く掃除や洗濯などをすませた。
既にはっきりと目立つほどに大きいが、一人で動くことに支障はない。
ξ゚⊿゚)ξ「あとは、お買い物にいかないと」
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近所のスーパーで買い物をすませて、帰路につく。
目の前に我が家であるアパートが見えてきた。
そして…見えた。
ξ゚⊿゚)ξ(やだ、またいる…)
十数メートルほど離れた場所、電柱のたもとにあるゴミ捨て場のあたりに、『人』が立っていた。
俯いた姿勢で、長く伸びた髪で顔が隠れている。
薄汚れたワンピースのような服を着ているが、やせ細り角ばった体つきからは男女の区別ができない。
唯一分かることは、片手を口元に持っていっていることだけ。
ξ゚⊿゚)ξ(見ないふり見ないふり…)
妻は足早にアパートの自室へ入り、カギをかけ、チェーンもつないだ。
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、気味悪い」
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初めて『人』を見たのは、数か月前、妊娠が判明した頃だった。
同じように自宅のアパートの近くで、同じような姿勢で立っていた。
それから数度、『人』を見かけた。
特段危害を加えてくるわけでもないが、薄気味が悪い。
片手を口元に持っていっていることから、こちら側に体を向けていることだけがわかる。
夫に相談しようかとも考えたが、ただでさえ心配性、そのくせ自分より臆病な夫にこれ以上心配をかけたくなかった妻は、無視を決め込むことにした。
念のため、あることを日課としてこなすようにした。
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川 ゚ -゚)「日課?」
('A`)「ああ。後で話す…続けるぞ。」
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妻は、あることに気づいた。
ξ゚⊿゚)ξ(…だんだん、近づいてきている…?)
初めて見たときは、ゴミ捨て場より後方にある電柱の傍に立っていた。
はっきりとは覚えていないが、そのあとに見かけたときは電柱は傍にはなかった気がする。
そして今日は、ゴミ捨て場。
ξ゚⊿゚)ξ(…どうしよう、やっぱり誰かに相談しようか)
そうは思ったが、駆け落ち同然で結婚した二人だ。
親類は頼れず、やはり夫に心配はかけたくない。
腹部に、軽く叩かれるような感覚があった。
ξ゚⊿゚)ξ「…ふふ、元気づけてくれているの?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうだよね、しっかりしなくちゃ」
もう一度戸締りを確認して、気を取り直し、夕食の準備を始めた。
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『人』について、もうひとつ、気づいたことがあった。
爪だ。
『人』は更に近づいてきていた。ある日の帰路の途中は、道の脇、すぐ目の前に立っていた。
いつものように無視してすれ違おうとするが、つい、ちらりと『人』の方を見てしまった。
そして、長く垂れた髪の隙間から…
口が見えた。血色のない唇、そして、口元にある手も。
爪を、噛んでいた。
聞こえるはずのない、爪を噛むカリカリという音が聞こえてきそうだった。
寒気が走った妻は、足早にその場を立ち去った。
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それから暫くたった頃。いよいよ出産日が間近に迫ってきた。
病院で出産するため、入院の準備を進めていた。
( ^ω^)「ごめんだお…本当はもっと手伝いたいけど、仕事でトラブルがあって…」
( ^ω^)「もう少ししたら、絶対有給をとるお!」
ξ゚⊿゚)ξ「気にしないで。お仕事頑張ってね!」
夫は、さらにお腹が大きくなり動くことが辛くなってきた妻に代わって、仕事の合間に家事や買い物などを代わりに行ってくれていた。
不思議なことに、夫が外出する際には『人』は現れないようで、それとなく「不審者を見かけないか」と聞いてみたが、返答はNOだった。
この日も夫は家に妻の様子を見に来ていたが、仕事でなにやらトラブルが起きたようで、会社にいかなければならなくなった。
おそらくは、泊まり込みになるだろうとのことだった。
夫が会社にいったあと、妻は一人で入院の準備を進めていた。
そして、
ξ゚⊿゚)ξ 「あ、郵便出すの忘れてた」
出産に必要な諸々の手続きのための書類を、役所へ郵送していなかった。
郵便ポストはすぐそこ。
『人』のことが頭によぎらなかったわけではないが、しばらく一人で外出していなかったこともあり、抵抗もなく玄関を出た。
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目の前に、『人』がいた。
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ξ゚⊿゚)ξ「ひっ…」
一瞬息を吞んだだけで、悲鳴を上げることすらできなかった。
冷静に努めようとした。足が動かない、すぐに家に入らなければ。
相変わらず、俯いている。爪を噛んでいる。
口元は…微かに、笑っているかのように見えた。
ゆらりと、『人』がゆれた。歩いたのだ。
初めて、歩いた。
いや、歩いているのかはわからない。とにかく、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
そして…
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('A`)「妻の話は、ここで終わり。」
唐突に、告げられた。
川 ゚ -゚)「は?」
('A`)「妻の話は、これでおしまい。」
川 ゚ -゚)「…妻はそのあと、どうなったんだ?」
('A`)「なにも。…というか、覚えていなかった。」
妻は、翌朝ベッドで目をさました。
書類はちゃんと郵便ポストに届けられていたし、自分で夕食を取ったり、寝間着に着替えたり、歯を磨いたり…
要は、いつも通りに過ごした。
そして、『人』に関する一切を忘れていた、というのだ。
そこで、「ありがちだな」と思いながら、疑問を投げる。
川 ゚ -゚)「君は、どうやってその話を知ったんだ?」
('A`)「ああ、それ。途中で話したろ、日課。」
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念のため、あることを日課としてこなすようにした。
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('A`)「日記だよ。不審者を警察に突き出すための証拠に…とでも考えたのか、『人』を見たらそのことを日記に着けていたんだ。」
('A`)「『人』のことを忘れていたから、日記のことも…どこにしまったのかも忘れちまったんだな」
『彼』はそれを読んだ、ということか。
しかし、釈然としない。
川 ゚ -゚)「…どうやって手に入れた?」
('∀`)「ひ・み・つ(はぁと」
イラっときたが、すぐに思い直す。
この男がこんなふうにお道化ているときは、隠し事があるということなのだ。
絶対に隠し通す、という意思表示なのだ。
日記の出所を聞き出すのは諦めて、もう一つの疑問を口に出す。
川 ゚ -゚)「その…『人』ってのはなんなんだろうな。」
('A`)「…」
-
('A`)「続き、聞くか?」
何を言っているんだ、この男は。さっき終わりって…
('A`)「妻の話は、と言ったんだ。」
('A`)「『爪を噛む癖』は、終わってない。」
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妻の話から、3年ほど後のことだ。
子供は無事に生まれた。
念願の一戸建てを購入し、手狭なアパートから引っ越した。
一戸建てのローン返済のため共働きとなった夫婦は、子供を保育園に預けていたんだ。
( ^ω^)「こんにちは!お迎えに来ましたお!」
从'ー'从「あら、こんにちは。今日はお父さんがお迎えなんですね。」
基本的には、パートタイマーの妻が子供を迎えに行っていたが、時間に余裕があるときには夫がお迎えの役目だ。
父(夫)の姿を認めた子供は、すぐさま駆け寄ってくる。
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-
('A`)「ところで」
川 ゚ -゚)「?」
突然話が区切られた。
('A`)「『人』は、どんどん妻に近づいていった。」
('A`)「近づいて、近づいて…ついには目と鼻の先まで近づいて」
('A`)「さらに近づくと…どうなる?」
質問の意図がわからない。しばし、考える。
…思いついた答えに、怖気が走った。
川 ゚ -゚)「…体の、中に?」
-
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夫は、子供と手をつなごうとして、気づいた。
( ^ω^)「あ、また爪を噛んでたお?」
从'ー'从「そうなんですよ。嬉しいことがあると、俯いて爪を噛んじゃって…」
从'ー'从「お父さんのお迎えが嬉しかったのかな?」
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-
高い湿度による不快さは、すっかり消し飛んだ。
川 ゚ -゚)「ありがとう。いい話を聞かせてもらった。」
時計をみると、このあとの用事まで時間が差し迫っていた。
「お暇するよ」と伝え、立ち上がる。
('A`)「もう帰るのか?コン〇ームはちゃんと買ってあるぞ」
川 ゚ -゚)「話を聞かせてもらった礼に、私からも話をしてやろう。睾丸をつぶされる男の話だ。」
('A`)「お気をつけてお帰りください。」
-
歩いている途中、話について、色々と考えを巡らせていた。
とりわけ、日記の存在について。
川 ゚ -゚)「どうやって手に入れたんだ…?」
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('A`)「『人』のことを忘れていたから、日記のことも…どこにしまったのかも忘れちまったんだな」
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念願の一戸建てを購入し、手狭なアパートから引っ越した。
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('A`)「ちょうど、俺の部屋みたいなところだな」
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川 ゚ -゚)「…まさか、な」
了
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数えてみたら17レスでした。失礼しました。
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おつおつ、ブーン系の短編ホラー好きだからありがたい
ドクオが『人』のことを日記で知ったとしてその後や娘の癖を知ってるのはどうしてだろうか
日記見て本人の所まで行ったのかな
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乙
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ドクオ=『人』な感じもするけど夫婦の会話が詳細だし違和感…
この謎が不気味な謎のままであるのがいい!乙
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読んでいただきありがとうございます。
実に10数年ぶりくらいにブーン系小説を書いてみました。
1レス内の行数やテンポなど、よく思い出せないまま見切り発車しました。
ほんの暇つぶしにでもなれたなら幸いです。
以下、懺悔
前に書いていたのは、アク禁に巻き込まれたりHDの故障などでエタってしまいました。
当時読んでいただいた読者様、まとめていただいたサイト様には大変申し訳ないことをしました。
自分勝手ながら、ここで懺悔させていただきます。
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梅雨の季節かー
こういう時に思い出すやつ
('A`) 濡れた拾い物のようです
デンデンムシがかわいいおはなし
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>>70
月曜に備えて気力を回復させようとおもったら……嘘つきやがってこの野郎
あんまりふざけてるとすね毛毟るぞ
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すね毛で許す優しさ
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>>69
面白かったよ。乙
また書いてくれて嬉しい
>>70
確かに梅雨が来るたびに思い出しそうな強烈っぷり
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>>69
面白かった
何書いてたんだ?
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投下しまっちゅ
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待ちに待ったこの日
5月23日
胸が高鳴って高鳴って仕方がない
(`・ω・´)「ふぅー」
懐から貰った『ラブレター』を取り出す
ーーー5月23日に、お待ちしております。
(*`・ω・´)
扉を開ける
1人の女性がニッコリ笑って出迎えてくれた
(*`・ω・´)「キ…」
ζ(゚ー゚*ζ「はい」
(*`・ω・´)「キスお願いします!」
ζ(^ヮ^*ζ「はぁい」
準備がある
だから少し待っていてくれと女性は行ってしまった
それはそうだ
待つという行為は最高のスパイスだ
ドキドキ、ドキドキ
胸の高鳴りが止まらない
-
ζ(゚ー゚*ζ「お待ちどうさま」
(*`・ω・´)「!」
先程の女性がまたニッコリ笑って目の前にいた
きた、きた!
両手を合わせて、箸を割る
ほのかに湯気が立っている黄金色の衣が美しい
(`・ω・´)(塩か?つゆか?)
(`・ω・´)「否、はじめはそのまま!」
ぱくり、口に入れるその瞬間、
ふわりと香るなんとも言えない天ぷらの優しい脂の匂いに笑みが溢れる
(*`-ω-´)「んん…」
さっくり
ほろほろ
衣の奥にいる柔らかい存在が歯に当たり、じわりと旨みが口いっぱいに広がる
(*`・ω・´)「…美味い!」
ζ(゚ー゚*ζ「嬉しいわあ」
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揚げたてさくさくの鱚の天ぷらは最高だった
ーーー5月23日はキスの日なので、キス天特盛割引!5月23日にお待ちしております。
あの『ラブレター』もといDMを見た瞬間から胸が高鳴っていた
(`・ω・´)「次は塩を…」
(*`・ω・´)!
小皿にある塩を指で天ぷらにかける
何もかけずに食べた時は油と魚本来の甘さがあった
塩はキュッと引き締まったような味に変わる
(`・ω・´)「次はつゆに…」
(*`・ω・´)!!
天ぷらをつゆにつける
油がじんわり浮く様子すら、楽しく感じる
つゆを溢さずに口に運ぶ
柔らかくなった衣と、キスの苦味、油の甘いハーモニー。
手と口が止まらない
この美味さは熱々のうちに楽しみたい
-
(*`・ω・´)「…ふぅ。美味かった!ご馳走様」
大満足だ。キスの日とやらに感謝
高鳴った胸も、空きっ腹も満足満足で、ホクホクお会計
ζ(゚ー゚*ζ「はぁい」
女性がニッコリ笑うので、こちらも笑った
ζ(゚ー゚*ζ「…来週は山菜天ぷらがお得よ」
(*`・ω・´)「!!」
ーーーまた、胸が高鳴る
-
以上です
キスの日でラブレターの日らしいので各位キスを食べてください
よろしくお願いします
ありがとうございました
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おつ!
キスってそういうことw
天ぷら食べたくなってきた
-
ラブレターの日は知らんかった 乙
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>>74
もうタイトルも思い出せないですが、ブーンが主役で格闘技をやるやつでした
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>>80
乙です
-
>>80
乙乙
天ぷら食べたくなったじゃないか!
>>83
ぱっと思いつくのは
( ^ω^)はファイティングロードを進むようです
( ^ω^)彼らはどこでも闘うようです
とかだけど、とりあえずお帰り!
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>>85
( ^ω^)彼らはどこでも闘うようです
これだ!思い出した、ありがとう!
ググってみたけど、もうまとめサイトもなくなってしまったんだな…
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遅くなりましたが>>45のお題絵投下します
>>46 ハーフ&ハーフ
https://i.imgur.com/bk3ov9A.jpg
>>47 マヨネーズ
https://i.imgur.com/pwFUNlb.jpg
お題ありがとうございました!
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>>87
バラの色をハーフ&ハーフにするのオシャレだしマヨネーズのブーンめっちゃ可愛い!
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バラツンちゃん麗しい
マヨブーン可愛い癒され
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もうすぐ夏だけど・・・
百物語ってもう開催はないのかな
もしくはしたとして集まるだろうか
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やりたいねえ
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前回、といっても2015年だけど
その時は6月頭すぐに準備スレ立ってたからちょっと早いけどいい頃合いな気がするんだ
ブン芸復興してほしい
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任意のn物語でもいいのでは!?
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n・・・
夏物語みたいに縛りを拡げる感じかな?
それとも百までいかずともとりあえずやってみる感じのnかな
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後者のイメージだけど縛りも面白そうだな
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夏物語𝟮𝗻𝗱か百(n)物語2022か
夏の風物詩っていうなら百物語だけど入り口が広いのは夏物語・・・
どっちかでもやると決めるならスレ立てた方がいいかな
しかし出戻り野郎が音頭をとっていいものか・・・
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主催してくれる人は誰であれありがたいんだぜ
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分かりました
弱気は損気ということでとりあえずスレ立てます!
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立てて参りました
何卒よろしくお頼み申す
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ありがとうありがとう
祭は楽しいからね
主催は大変だからね
ありがたやありがたや
プロット練ります
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