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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部
1
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/01/09(土) 21:28:16
SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1430536972/
SSログ置き場
http://jp.bloguru.com/masaoikuta/238553/top
925
:
◆V9ncA8v9YI
:2019/06/13(木) 12:43:09
「果実の国出身のヤナミン・ギーガグ・オトギヒメです。以降お見知ぎおきを。」
「アンジュ王国のフナッキ・カツメイトや!世話になるんでよろしゅう!」
モモコが新たに連れてきたヤナミン・リーガル・オトギヒメとフナッキ・カツメイトの挨拶を、先輩たちはポカンとした顔で聞いていた。
カントリーの新人がどんな人物かと思いきや、あまりに子供すぎて驚いたのだ。
チサキはその感想をうっかり口に出してしまう。
「こ、子供……」
「はぁ〜?あんただって子供やろが!」
「ひぃ!この子怖い!」
フナッキがガラ悪くガンをトばしてきたのでチサキは完全にビビってしまった。
身長は小さいながらもドスのきいた声をしているので、なかなかに迫力があるのである。
そんなチサキを庇うようにマイが立ちはだかる。
「マイちゃん!」
「チぃはこう見えてマイより2歳も年上なんだよ。見えないけど。」
「マイちゃん……あまりフォローになってないよ……」
「それに君たち2人の方が子供なのは事実だよね。胸だってペッタンコじゃん。マイのセクシーさには遠く及ばない。」
「今はペッタンコやけど胸くらいすぐに大きくさせたるわ!」
「ふふ、どうだか。」
顔を合わせるなりギャーギャー言いだした子供たちを見てモモコはため息をついた。
そんなモモコに対して、新人のヤナミンが質問を投げかける。
「あの〜モモち先輩。カントギーは私とフナッキを含めて7人だとお聞きしていたのですが……」
「あぁマナカちゃんがいないのよ。あの子は修行中。そうよねリサちゃん。」
「ええ。今朝から5,6時間は訓練し続けていますね。」
「ごどく時間も!」
「マナカちゃんはとある一戦以降、人が変わっちゃってね。強くなりたい一心でトレーニングに没頭してるの。」
「失礼ですが……その一戦で敗北を?……」
「ううん。勝負には勝ったのよ。ただ自分で自分を許せないとかで……」
モモコが説明を続けている最中にフナッキこ怒鳴り声が聞こえてくる。
「こうなったら力でねじ伏せたるわ!奥歯ガタガタ言わせたる!」
「後悔しても知らないよ。こっちこそ先輩の力を見せてあげるんだから。」
興奮するフナッキとマイを見て慌てて止めようとするリサだったが、
モモコは面白がりながら場を支配した。
「いいじゃない!喧嘩しなさい喧嘩!」
「ちょっと!モモち先輩!」
「せっかくだから先輩と後輩のどっちが強いのかハッキリさせちゃいなさい!
チサキ&マイのペアと、ヤナミン&フナッキのペアでタッグマッチよ!」
「「え〜!」」
「「やってやる!」」
926
:
名無し募集中。。。
:2019/06/13(木) 20:15:50
やなふなキターーーー!!!!!
未だロスが醒めやらず彼女の動画を日々見返してしまってる状況なので
由来一覧に含まれていなかったヤナちゃんが登場した時はまた会えたと本当に嬉しかったです><
ごどく時間ヤバイw
&凸凹な歯車が噛み合うとヤバイ元サブリーダー図も遂にその本領を発揮してきそうで胸熱!
自分の中で話中のエリポンが遂にえりぽんに育った瞬間でした
#えりぽんかっこいい!
927
:
◆V9ncA8v9YI
:2019/06/14(金) 12:32:18
「お先にいくよ!」
チサキが体勢を整えるよりも先に、マイがダッシュで飛び出した。
兎が如き俊敏さで狙うは小生意気ガールなフナッキだ。
強烈なパンチを腹にお見舞いして黙らせてやろうと思ったのだ。
事実、フナッキは肉弾戦が得意ではなかったので、マイの攻撃が当たればその通りになっただろう。
しかしヤナミンがそれを許さなかった。
「フナちゃん!危ないわ!」
フナッキよりも更に戦闘向きでは無さそうな風貌のヤナミンが間に入ってきたので、マイは不思議に思う。
しかしモモコが連れてきた以上、どんなに可憐な少女であれ、相手が戦士であることは間違いない。
そう判断したマイは自身の勢いを少しも緩めようとはしなかった。
その鬼気迫る迫力にヤナミンは一瞬たじろぐが、決して恐れたりはしない。
彼女には心強い味方が6匹もついているのだ。
「よし!君に決めた!」
ヤナミンの腰周りには6つのカプセルらしきものが取り付けられている。
そのカプセルを1つ手に取ってはすぐさま開き、
中に収納されていた味方を外に解放していく。
そして、マイの繰り出す渾身のパンチにぶつけていったのだ。
「い……痛い!?」
ヤナミンを狙ったはずの拳が何やら硬くて小さいものに当たったので、マイは激痛を感じることになった。
それもそのはず。
マイのパンチは、小柄な亀の甲羅に衝突していたのである。
「亀!?」
亀を操る姿を見て、マイだけでなくリサやチサキも驚いた。
「亀……つまり、ヤナミンは爬虫類を操る戦士という事!?」
リサの予想は間違ってはいない。だが、それだけではまだ足りない。
先輩たちが自分の能力を見誤ってくれたので、ヤナミンはクスリとする。
「うふふ、亀がいたかはって爬虫類使いとか決めつけちゃってたら、時代にナントカですよ?」
このヤナミンフィーバーっぷりを1番面白く無さそうな顔で見てるのは、同じ新人のフナッキだった。
「別に守ってくれなんて頼んでへんけど。ていうかあの程度の攻撃、全然防げたし。」
「まぁ〜、フナちゃんったら素直じゃないのね。可愛い。」
「ガキ扱いすんなや!!」
イライラが重なるフナッキがストレスを解消する方法は1つしかなかった。
それは自分が活躍する事だ。
フナッキは肩にかけた紐の先にある緑色の箱のフタを開けては、チサキを指差した。
「よう分からんヤナミンと違ってこっちの武器は単純明快やで……
私は虫を操る戦士なんや!行け”ミンミン”!!
ミンミキミキミキミキミキミキミキ、ジャーン!」
「え?」
フナッキがそう叫んだ瞬間、箱の中にいた十数匹のセミが一気に飛び出し、チサキの顔面に張り付いていった。
そしてそれだけじゃない。五月蝿い鳴き声に呼ばれた他のセミ達までもがどこかからやってきて、チサキに群がっていく。
「ひーーーーーーー!!」
こんな状況でまともに立っていられる者なんてそうそういるはずもない。
チサキはショックのあまり我を見失ってしまう。
可愛い顔をしておぞましい戦法を取るフナッキを見て、リサ・ロードリソースは戦慄した。
「気持ち悪い虫を女の子に集中させるなんてむごすぎるわ!どうしたらそんな非人道的な戦法を思いつくの!」
「……」
この時のモモコは、リサに対して何か言いたげな顔をしていた。
928
:
◆V9ncA8v9YI
:2019/06/14(金) 12:38:29
>>924
はい。このスレのカントリーのオマケとリンクしてますね。
現実の流れが速いので、ヤナフナ登場が三部になると遅すぎるため今回のような形をとりました。
今日や明日に発表される新メンバーは……やはり診断テストで活躍した人が選ばれるのでしょうか。
>>926
正式に二部が終わった時にキャラクター紹介を更新しますね。
その時にはヤナミンとフナッキも入っていると思います。
929
:
名無し募集中。。。
:2019/06/14(金) 18:17:11
よこやんも蝉を操るのか
930
:
名無し募集中。。。
:2019/06/14(金) 21:00:38
思ったけどフナッキの戦法って季節によって出力が変わっちゃいそうですねw
ヤナミンボールは爬虫類でなかったら名前に由来してるのかな…
931
:
名無し募集中。。。
:2019/06/15(土) 07:01:16
>亀がいたかはって爬虫類使いとか決めつけちゃってたら、時代にナントカですよ?
さすが果実の国出身w能力はポ○モンだね
フナッキはミンミンロックか・・・夏以外はどうするんだろ?
おまゆう?>リサ
932
:
◆V9ncA8v9YI
:2019/06/17(月) 03:23:05
「うわっ、チぃ大丈夫かな……」
セミに囲まれたチサキを見て焦るマイだったが、その余所見が命取り。
彼女に相対していたヤナミンは、一瞬の隙をついては亀をカプセルに戻し、
そして新たな味方をカプセルから解き放っていく。
「あれは!」
死角ゆえにマイには認識できなかったようだが、外野のリサにはハッキリと見えていた。
ヤナミンは亀の次に蜘蛛を出現させたのである。
虫を操るという点はフナッキと同じ、しかしヤナミンは既に亀も操っている。
「ヤナミンの操る生物は種族にとらわれない?……」
「その通りよリサちゃん。腰につけた6つのカプセルには違った種類の生き物が入っているんだってさ。」
リサ・ロードリソースは両生類を、
マナカ・ビッグハッピーは鳥類を、
チサキ・ココロコ・レッドミミーは魚類を、
マイ・セロリサラサ・オゼキングは哺乳類(自分)を武器としていた。
爬虫類だけは事情があって欠番になっているが、
フナッキ・カツメイトも昆虫類「ミンミン」を操るように、それぞれが違った種別の生物となっている。
そんな中、ヤナミン・リーガル・オトギヒメだけは例外的に、上にあげた6種類を全て使役することが出来るのだ。
"カプセルに収納可能な小動物でないといけない"、"自力で捕獲しなくてはならない"、"愛情を持って育てなくてはならない"、
"一度に6匹までしか連れていくことはできない"、"2匹以上同時に戦わせることは出来ない"……といったマイルールは存在するが、
その制限さえ満たせばヤナミンは種族の垣根を超えてしまう。
ヤナミンはそんなモンスター達を収納可能な己の武器を、カプセル「ポケット」と呼んでいた。
「マイさん、チサキさんの方を見てて良いのですか?」
「ハッ!」
声をかけられたマイは、ヤナミンの方を振り向くなり反射的にパンチを繰り出していた。
さっき邪魔をした亀がいなくなった事に気づいて、もうガードされることは無いと考えたのだ。
だが、ヤナミンはもう既に「蜘蛛の糸」という罠を張り終えている。
訓練された亀の甲羅が普通の亀の甲羅よりも堅かったように、
訓練された蜘蛛の糸は普通の蜘蛛の糸よりも太く、切れにくくなっていた。
足が糸に絡まったマイはその場で転倒し、おでこを地面に強くぶつけてしまう。
「……!!」
「急に攻撃だなんて怖い事しないでください……わたくし、"逆に"お返ししたくなっちゃいますわ。」
ヤナミンの戦闘スタイルを理解したリサはゾッとした。
要するにヤナミンはカウンターを得意としているのだ。
襲い来る攻撃を瞬時に見極め、亀の甲羅や蜘蛛の糸などを用いることにより、
自分は全くの無傷のまま相手にだけダメージを負わせることに成功している。
「そして何より恐ろしいのが、その悪質な戦法がモモち先輩に酷似しているということ!」
「リサちゃん?」
933
:
◆V9ncA8v9YI
:2019/06/17(月) 03:30:09
ヤナミンのカプセル「ポケット」は言わば暗器のようなもの。
モモコの暗器7つ道具に対して、ヤナミンのカプセルは6つという違いはあるが、
手の内を隠しつつ、ここぞという時に使用しては、相手に何もさせない様はまさにそっくりだ。
ヤナミンはカントリー加入前からモモコのことを尊敬しており、
記録で読んだ戦闘スタイルを自身のものに取り入れたため、このようになったのである。
しかしそうなると直情的なマイには分が悪いなんてもんではない。
このままムキになったらドツボにハマってしまうのではないかとリサは心配したが、
モモコは最悪の事態には陥らないのではないかと予測していた。
「リサちゃん、"女子三日会わざれば刮目して見よ"っていうでしょ?マイちゃんだってあれで成長しているのよ。」
「あっ……」
マイはゆっくりと起き上がるなり深呼吸をし、ヤナミンの顔をじっと見つめだした。
「……うん。よく分かった。」
「何がですか?」
「今のマイは君には勝てない。悔しいけど相性が悪すぎる。」
「まぁ!……勝負を諦めたのですか?」
「諦める?そんなことしないよ……君を倒すのはマイじゃないってだけ。」
そう言い残すなりマイはチサキの方へと駆けていった。
"自分ではヤナミンを倒せないこと"、"チサキならヤナミンを倒せる可能性があること"、
決してムキにならずに、その2点を冷静に判断したのだ。
正直言って敗北を認めるのは身体が裂けてしまいそうなくらいに悔しいが、
アンジュの番長や、果実の国のKAST達、そしてモーニング帝国のマリアとの戦いを経て、
自分が最強の存在では無いことを自覚してからは、目をそむけたくなるような事実もしっかりと受け止められるようになったのだ。
「チぃ!今助けるからね!!」
マイはチサキに纏わりつくセミを掴んでは投げ、掴んでは投げていった。
高い身体能力からなる手捌きはあっという間にセミを散らしてしまい、チサキを解放することに成功する。
自分がセミに出す指示より早く追っ払うマイを見て、フナッキは焦り始めてきた。
「ひとのセミちゃん達に何すんねん!信じられんわほんま!
で、でもまぁええわ。そのチサキって人は見るからに弱そうやから脅威にならなさそうやし、助けるだけ無駄ってもんやろ。」
「そうかな?今のチぃ、結構怒ってると思うけどね。」
ムキになりがちだったマイが成長してクールになったように、
チサキは過去の経験から、怒りの感情を露にするようになった。
もう大人しいだけの彼女はもういない。
ちょっと怒りっぽくなったのが玉に瑕だが、闘争心は以前の数倍以上に跳ね上がっている。
「もうっ!!!!!本当にあったまきた!!!!チぃがやるんだよ!!!!」
チサキには魚を操る以外にも、手のひらに集めた水を高圧の水鉄砲にして飛ばす特技がある。
これまで水の代わりに自身の汗や血液を飛ばしたことがあったが、
今回はそれとはまた異なった液体を噴出させようとしていた。
その液体の正体に気づいたフナッキとヤナミンは恐れおののいていく。
「ま、待て、ちょっと待てや、その手の中の液体はまさかセミのおしっ……」
「本当に最悪!!!!!顔ベトベトだしなんか臭いし!!!!全部そっくりお返しするからね!!!!」
「チサキさん落ち着いてください!そんなに怒ぐと可愛いお顔が台無しですよ?」
「うっさい!!!あんた達チぃのこと舐めてるんでしょ!!!!」
「「舐めないぞっ?」」
「絶対舐めてる!!!!!!!!」
怒り狂ったチサキは液体を見境なく噴出させていった。
934
:
◆V9ncA8v9YI
:2019/06/17(月) 03:33:48
ヨコヤンもセミを扱いそうではありますが、一応他の武器を持たせていますw
フナッキの武器が季節でどうなるかは……だいぶ先に明らかになるかもしれませんねw
ヤナミンの武器はお察しの通りポケモンです。
ポケモンのモチーフになった小動物ならなんでもアリにしようとしています。
935
:
名無し募集中。。。
:2019/06/17(月) 13:18:34
リサちゃん心の言葉が声に出てるw
しかしこうやって見るとカントリーってほんと名言だらけですね
チィちゃん悪霊に憑かれちゃったから今から除霊だ><w
936
:
◆V9ncA8v9YI
:2019/06/17(月) 17:43:21
長いことカントリーにスポットが当たってなかったので、ネタが溜まってましたね。
そう言えば誤記が有りました……正しくは以下です。
「「舐めないぞっ?」」
↓
「「舐めてないぞっ?」」
937
:
◆V9ncA8v9YI
:2019/06/18(火) 09:07:17
ヤナミンとフナッキはワーキャー言いながらチサキの水?鉄砲から逃げていった。
2人の能力ならばよりスマートに回避できるはずなのだが、
チサキの放出する液体に何が何でも当たりたく無いと思うあまり、大きく取り乱してしまっている。
「もうっ!!当たらないなぁ!」
「チぃ、その攻撃も良いと思うけど、マイはやっぱりお魚を使うチぃが見たいな。」
マイはそう言うと、チサキの前に大きな水槽を置いていった。
この水槽の中では太刀魚が泳いでおり、ハーチン戦以降にチサキが習得した新たな特技を再現できるようになっている。
しかし成功率はあまり高くなく、五分といったところ。
「で、でも……」
「今、あの子達は混乱してるし、走り回って疲れてる。絶対に当たるよ。
それにもしもセミがチぃを襲ってきたらマイが絶対に守るから。」
「なんやと!?」
聞き捨てならないセリフに怒ったフナッキは、全てのセミをチサキとマイの方へと飛ばしていった。
セミは見た目が怖いだけでなく、騒々しくもあるため、相手の集中力を著しく奪うことだって出来る。
そんなセミが大勢集まったのだから普通なら耳を塞ぎたくなるものだが、
マイに勇気付けられて集中を高めたチサキは、静かに水槽に自身の手を入れていった。
水の中で泳ぐ太刀魚と対話をしているのだ。
「何をワケの分からんことをしてんのや!今まさにセミが来とるっちゅーのに!」
「分かってないなぁ……チぃの刃は凄いんだよ。マイが保証する。」
「刃?……刃物の類をお持ちのようには見えないのですが……」
太刀魚との対話を終えたチサキは静かに前の方を見た。
狙いは親友のマイを苦しめたヤナミンだ。
何やらセミがワラワラと飛んでいて鬱陶しいが関係ない。
そいつらごと斬ってやろうとチサキは決意した。
「邪魔しないで Here We Go!」
「は?」「え?」
チサキがそう言った瞬間、太刀魚が水槽から飛び出していった。
その勢いとスピードは凄まじく一瞬にして直線上にいるセミ達を散らしていく。
そして離れた場所にいるヤナミンの元へとあっという間に到達してしまう。
(まずい!防がないと!)
ヤナミンはいつでもカウンターを出せるように常に身構えている。
チサキが怪しい行動を開始した時点で蜘蛛をカプセルに戻しており、すぐに次の一手を出せるように備えていたのだ。
超スピードで射出されるチサキの”刃”を避けることなんて今更出来ない。ならば受け止めるのみ。
ヤナミンは亀をもう一度出して、真正面からガードすることにした。
しかし、ハーチンと死闘を繰り広げたチサキの思いは甲羅の硬さを超えていた。
“斬撃”自体は亀で防ぐことが出来たが、そらによって生じる衝撃までは消すことが出来ず、
ヤナミンは後方に倒れて尻もちをついてしまう。
「痛いっ!……わたくしが戦闘で怪我をするなんて……」
ヤナミンも、フナッキも、もはや先輩を舐めてなんていなかった。
少しでも気を緩めたら敗北してしまう……そのように考えを改めた。
そんな中、ひとりの女性が戦場に乱入してくる。
「訓練終わり〜お腹すいちゃったわ〜。
ってアラ?……みんな何やってるの?……」
938
:
名無し募集中。。。
:2019/06/18(火) 13:53:25
> ハーチンと死闘を繰り広げたチサキの思い
読んでた当時は氷と水で相手が決まったのかな?程度に思っていたけど、その後帝国でハーチンとチサキが無二の友となることを考えると胸が熱くなる
939
:
◆V9ncA8v9YI
:2019/06/18(火) 20:52:24
登場したのは長時間の訓練を終えたマナカ・ビッグハッピーだった。
初お披露目の新人2人が先輩たちとタッグマッチをしていたと聞くと、興味を持ち始めた。
「へぇ〜そうなんだ〜。じゃあ私はチぃたんとマイちゃんに加勢しようかな。」
「「「「「「えっ!?」」」」」」
突然の参戦発言を聞いたモモコは頭を抱え出した。
非常に困ったような顔をしながらも、渋々マナカの要望を承認する。
「う〜〜〜〜〜〜〜ん、まぁ、いいかな?
あんまりやりすぎるんじゃないよ?」
「うふふ。流石モモち先輩、話が分かりますねぇ。」
ルール上不利になる新人2人よりも、チサキやマイ、そしてリサの方が焦ったような顔をしている事にヤナミンは気づいていた。
何かとんでもない事が起きてしまいそうな気がしてならない。
「ねぇフナッキ……ここは慎重にいった方が……」
「そんな暇あるかい!あのマナカって人が疲れている今がチャンスやろが!」
訓練後で大汗をかいているマナカをターゲットとしたフナッキは、全てのセミを向かわせた。
しかしマナカは少しも心乱される事なく、愛鳥たちに指示を出していく。
「ねぇみんなもお腹空いたよね? ご飯の時間よ〜!」
そこからの光景は惨いものだった。
1000匹以上のカラスが一斉に現れては、フナッキの操るセミ達をバリバリと喰い散らかしてしまったのだ。
「あ……あ……」
セミの命はとても儚い。
“子供やカラスにゃ狙われる”と歌詞にあるように鳥が天敵であることは把握していたが、
こうも一瞬で全滅してしまうことにフナッキはショックを隠せなかった。
「ごちそうさまでした〜。カラスちゃん達もとっても喜んでるよっ!
あれ?心折れちゃったのかな?じゃあ次はあなたかな……」
指名されたヤナミンは小動物のように小刻みに震えていたが、応戦の意思は失われていなかった。
カプセルから珍妙なピンク色の生物を出しては、鳥たちに見せていく。
この生き物は両生類のウーパールーパー。
小さな虫やら小魚やらを餌とするが、場合によっては鶏肉までも食べてしまう生き物だ。
そして、戦闘用に訓練されたヤナミンのウーパールーパーはその気になれば生きた鳥さえも捕食する事が出来る。
通常より知能の高いマナカのカラス達もそれを感じ取ったようで、怯えて攻めあぐねていた。
「見た目は可愛いのに強かだよねぇ。」
「わたくしに言ってますか?ウーパーちゃんに言ってますか?」
「うーん……どっちかと言えば……”マナカ”かな。」
マナカは鳥に頼らず単身でヤナミンの元へと走っていった。
本人が直々に来るとは思わなかったのでヤナミンは驚いたが、
ウーパーと亀をスイッチする準備だけは怠らなかった。
パンチやキックを繰り出そうものなら亀の甲羅でガードしてやろうと思ったのだ。
(さっきのマイさんのように防ぐ!!)
予想通り、マナカはヤナミンに接近するなりパンチを繰り出してきた。
後はそこに甲羅を当ててやればガード成功のはずだった。
ところが次の瞬間、ヤナミンの視界からマナカが消えてしまう。
(!?)
もちろん本当に消えたわけでは無い。
ダンスを踊るかのようにターンを決めて、一瞬にしてヤナミンの背後へと回り込んだのだ。
そしてその勢いのまま右足を高く上げて、ヤナミンの細い首にカカトを叩きつける。
「!!!…………」
「残念。もうノびちゃったの?久しぶりに楽しい闘いが出来ると思ったのに。」
容赦ない仕打ちを受けて倒れるヤナミンとフナッキを見て、リサとチサキとマイは黙りこくってしまった。
いったいいつからだろうか。
自分たちとマナカの実力に差がついてしまったのは。
940
:
◆V9ncA8v9YI
:2019/06/18(火) 20:55:54
>>938
ハーチンvsチサキの構想は14期加入よりずっと前からしていたので、私も驚いていますw
三部ではそういうシーンを多く書きたいなとは思ってますね。
941
:
名無し募集中。。。
:2019/06/19(水) 00:04:21
>マイはそう言うと、チサキの前に大きな水槽を置いていった。
突如大きな水槽を取り出せるマイcの暗器が一番凄い気が…w
ヤナcボール、亀>蜘蛛と来た時に
浦島太郎>蜘蛛の糸でやっぱりおとぎ由来なヤナcが助けた動物を召喚できるんだ!
次は鶴か雀か狐が来るぞ〜><と初めて読みが当たったと浮かれてたら単なる偶然でしたw
マナカンと生まれた距離から人間関係入り乱れそうな予感
942
:
名無し募集中。。。
:2019/06/19(水) 06:55:20
マーサー王はまるで未来を予見してたかのような出来事が起きるからねぇw
マナカン病で弱体化してると思いきや強くなっている?しかも狂気すら漂わせて・・・ちょっとイヤな予感
943
:
◆V9ncA8v9YI
:2019/06/19(水) 09:00:32
先輩と新人の対戦から十数分経っても、リサ・ロードリソースはまだその場に留まっていた。
セミの羽根やらを箒で掃きながら、先ほどの出来事を思い返していたのだ。
(マナカちゃん、流石にやりすぎだよ……)
タッグマッチの流れは途中までは良かったはずだ。
チサキもマイもヤナミンもフナッキも、苦しみながらも充実していた。
だが、マナカが現れて実力を見せつけたところでおかしくなり始めた。
あんな負け方をしたらヤナミンとフナッキは心に傷を負うかもしれない。
(私がもっと強ければ……マナカちゃんを止められたのに……)
日に日に成長していく仲間達に比べて、自分だけは頭打ちであることをリサは自覚していた。
カエルの操り方のバリエーションを増やしてはいるものの、劇的には変わっていない。
また、リサの細腕では、マイやマナカのように肉弾戦に対応することだって出来ない。
どうすれば強くなれるのか……彼女には分からなかった。
「モモち先輩に相談してみるか……」
掃除が終わったリサはゴミ袋をマーサー城の一般兵に預けては、モモコの部屋に向かうことにした。
やはりここはプレイングマネージャーに教えを請うのが1番だと判断したのだ。
「モモち先輩入りますよー……って、んん??……」
扉を少し開けたところでリサは異変に気付き始めた。
どうやらモモコは他の誰かと話しているようだ。
行儀悪くも室内を覗き見したリサは、そのメンツの豪華さに驚愕する。
(フク王、アヤチョ王、ユカニャ王!?どうしてモモち先輩のお部屋に!?)
モーニング帝国のフク・アパトゥーマ、
アンジュ王国のアヤチョ・スティーヌ・シューティンカラー
果実の国のユカニャ・アザート・コマテンテ
マーサー王国の近隣諸国の王がこの場に集まっているのだから驚くなというのが無理な話だ。
ちなみに室内には果実の国のアーリー・ザマシランもいた。
おそらくは、戦うことのできないユカニャ王の護衛のためについてきたのだろう。
(まぁ当然っちゃ当然よね。護衛なしのフク王とアヤチョ王の方がよっぽどおかしいわ。
非公式な場だから大所帯を引き連れることは出来なかったってこと?……
秘密裏にいったい何を話しているというの?……)
リサの頭の中にクエスチョンマークが沢山沸き上がったところで、モモコが言葉を発し出す。
「以上がプロジェクト名”ケンニン”の全貌よ。 偶然とは言えあの子達の実力をお見せすることが出来て良かったわ。で、どうかしら?」
「モモち先輩の計画は完璧すぎます〜〜!もう全部受け入れちゃいます〜〜!」
「うん。フクちゃんだけじゃ偏りがあるから国の人とじっくり話しなさい。」
「そんな!モモち先輩への反対意見は全部握り潰しますよ!」
「それがダメだって言うの。後で私からハルナンにも連絡しとくわ。 じゃあユカニャ王はどう?」
「かぁ〜〜〜わいかったですねぇ〜〜〜!可愛い可愛い可愛い。私の癒し。」
「まともな王はいないのかな?」
「コホン、失礼。 ばい菌であるファクトリーを滅菌消毒するための戦力強化に繋がる良い計画だと思いました。
ただ、果実の国を強化するにはもう一声欲しいかなと……」
「具体的には?」
「マナカちゃん。」
「本気で言ってる?……まぁ該当者ではあるけど……ちょっとだけ準備期間が欲しいかな。」
「どれくらい経てば良いですか?」
「”定年”まで、なんちゃって。」
「はぁ。”永遠”に待ちますよ。」
「冗談冗談。マナカちゃんをどうにかし次第すぐに手配するよ。 で、アヤチョ王はどう。」
「アヤは別にいいですよ。ウチはもともと変な人が多いし、あの子も変な人だし、全然平気。」
「でもアンジュ王国って舎弟制度とかあるんでしょ?舎弟を経ずに番長……って睨まれたりしない?」
「あー、それならもう1人声をかけている子がいるから大丈夫ですよ。 カノンちゃんが言うには将来の裏番長候補っていう子が。」
「へーそうなの。その子と同じタイミングなら批判が集中することがないか。」
944
:
◆V9ncA8v9YI
:2019/06/19(水) 09:05:40
チサキは元々魚入りの水槽を持っていて、マイがそれを素早く取りに行ったのだと脳内補完してくださいw
マナカはアカネチンに追い詰められたことが悔しくて性格が変わってしまいました。
当時はアカネチンを舐めきった結果として痛い目を見たので、今ではどんな相手にも容赦しません。
945
:
名無し募集中。。。
:2019/06/19(水) 13:07:11
ついにプロジェクト『ケンニン』始動・・・リサとマイがどうなるのか気になる
> マナカちゃんをどうにかし次第
モモコが言うと若干の恐怖を感じるw
北の里へ強制送還かな?
946
:
◆V9ncA8v9YI
:2019/06/19(水) 13:07:53
モモコと王達の話はまとまりつつあったが、ここでユカニャ王が一石を投じた。
「該当するメンバーについては問題ないと思いますが、私はカントリーの軸の方を心配しています。」
「ふぅん。と、言うと?」
「リサ・ロードリソースちゃんの事を言ってるんですよ。いくら他が活躍しても軸となる彼女がフラついたら無意味ですよね?
マナカちゃんの登場に狼狽えているようでしたが、資質に問題は無いのでしょうか?」
話の流れは掴めていないが、自分が槍玉に挙げられている事はリサも理解することができた。
「やっぱり心配?フクちゃんとアヤチョ王と同感?」
「えっと……」「アヤはその子のこと知らないけど弱かったら軸にはなれないと思います。」
「そうね……じゃあ資質の有無を本人に証明してもらっちゃおうか。」
そう言うとモモコは半開きの扉を開けて、覗き見中のリサの姿を露わにした。
「「「「!!」」」」
「あ、いや、これはその……」
「ねぇリサちゃ〜ん。そこのお偉いさん達がね、リサちゃんが弱かったら任せられないって言ってるよ〜?
そうなったら私の計画が頓挫しちゃうんだ〜」
「あの、モモち先輩?そもそも計画っていったい……」
「詳しいことはまだ知らなくて良いの。今リサちゃんがやるべき事は何?頭良いから分かるよねぇ?」
「私の……強さを示す事です……」
「その通り〜〜!」
死んだ目をして回答するリサに対して、モモコは何やら楽しげだった。
「ところでユカニャ王、どうやったら資質を確かめられると思う?この場の全員を今すぐ皆殺しにすれば分かってくれる?」
「何をメチャクチャ言ってるんですか……そうですね……例えば、ここにいるアーリーと善戦したら認めてあげても良いですけど……」
「あたし?」
壁に寄りかかっていたアーリー・ザマシランはキョトンとした顔をしていた。
いきなり指名されるなんて思っていなかったのだ。
「そう。リサ・ロードリソースと本気で戦ってあげて。」
「え〜」
「え〜じゃないの。何が不満なの。」
「もしもそれで怪我でもしたら、帰りの道中……ユカを護れなくなる。」
「……外ではユカニャ王と呼びなさい。 それに、アーリーは強いから大丈夫よ。」
「でも〜」
なかなかウンと言わないアーリーに対して、ユカニャは声のトーンを少しだけ低くした。
「じゃあこういう事にしましょう。 そこのリサ・ロードリソースは今にも私の命を狙っている。 そうイメージしてみて。」
「命を……」
その瞬間、アーリーの顔が険しくなった。
そしてスタスタとリサ・ロードリソースの元に歩いていき、
いきなり首を鷲掴みにする。
「絶対に許さない。」
「!?……く、苦しい……」
947
:
◆V9ncA8v9YI
:2019/06/19(水) 18:59:45
リサの首を絞めるアーリーの圧は凄まじかった。
彼女の狙いは窒息ではない。首の骨を折ってしまおうとしているのである。
激痛なうえに酸素まで取り入れることが出来ないため、リサの意識はすぐに朦朧とし、手足がまるで動かなくなった。
あっけなく決着がつくと思われたところで、モーニング帝国の王、フク・アパトゥーマが割って入ってくる。
「ストップストップ!こんなのフェアじゃないよ!」
真剣勝負を邪魔するフク王に一同は驚いたが、次に続く主張は真っ当なものだった。
「リサちゃんの得意な戦法はカエルを操ることなんでしょ?
ウチの子達もカエルに苦しめられたって言ってたよ。
と言うことは、リサちゃんの真の力を見たいなら、こんな室内で戦うべきじゃないのでは!?
モモち先輩、屋外の訓練場で仕切り直した方が良いと思いませんか?」
「フクちゃんの言うとおりね。ユカニャ王はどう思う?」
「そうですね……アーリー、手を放してあげて。」
「ユカ……ユカニャ王がそう言うなら。」
フクのおかげで命拾いしたとリサは思った。
だが、同時に「本当に命拾いしたのか?」という考えも頭をよぎる。
KASTの一員として活躍したきたアーリーは、武道館で出会った時よりももっと強くなっているように見える。
カエルを味方につけたところで、果たしてこの怪物に勝てるのだろうか?
(多分、私が勝てるなんて誰一人思っていない。)
そんな雰囲気をより顕著に出していたのがアヤチョ王だ。
足は屋外訓練場に向かいつつあるものの、どこかよそ見をしながら歩いている。完全に上の空だ。
もはやリサへの興味などとっくに失っているのだろう。
そんな事を考えながら落ち込むリサにモモコが近づき、話しかけてきた。
「リサちゃんあんなに弱かったんだね。私ビックリしちゃった。肉弾戦まるでダメじゃない。アーリーちゃんと同じ土俵に全然上がれてなかったよ。」
「馬鹿にしにきたんですか……そんな事、私が1番よく分かってますよ。」
「それもあるけど、ちょっとしたアドバイスがしたくてね。」
「アドバイス!?な、なんですか!?」
「うふふ、”自分で考えなさい”。」
「え……」
「ちょっとはマシな頭を持ってるんでしょ?それくらい自分で考えなさいよ。馬鹿じゃないんだから。」
「……」
辛辣な発言をするモモコを見て、ユカニャはリサを気の毒に思った。
後輩を理不尽にこんな目に合わせたうえに暴言を吐いて突き放すなんて、いったい何を考えているのだろうかと感じている。
ところが、フクは全く別の感想を抱いていた。
(モモち先輩はやっぱり凄い。勝負の行方、分からなくなったな。)
そうこうしているうちに一同は屋外訓練場に到着した。
モモコはその場にいた3名のマーサー王国兵に声をかけ、訓練場をあけ渡すようにお願いする。
「ちょっとだけ場を借りていい?あと、このことは誰にも言わないでほしいなぁ」
「はい!マオピン誰にも言いません!」
「ふふ、良い子良い子。」
残り2名の兵は、各国の王が揃うこの状況に驚きを隠せていないようだったが、その中でも最も幼い兵は素直に応答してくれたようだ。
「さ、準備は整ったよ。それじゃあ仕切り直しね。」
948
:
名無し募集中。。。
:2019/06/19(水) 22:29:58
昨夜に後輩達が脱ぎ散らかした靴をいつも揃えてるとあやちょが言ってましたが
蝉の羽根を片すリサcの姿が重なりますねこういう細かな描写好き><
隠語?のファクトリーの対象につばきも含むかなと巡らせてたらマオピン&さおりんおみず?きた!
人間関係が複雑化してきたうえ登場人物の裾野まで広がって益々楽しみです!
949
:
名無し募集中。。。
:2019/06/19(水) 23:44:17
一昨日ハーチンの話していたと思ったら今日突然はーちんSNS開始するとか…マーサー王には何かあるんじゃないかと思ってしまうw
帝国にマオピンがいるって事はもう一つの"ファクトリー"はどうなるんだろ?
950
:
◆V9ncA8v9YI
:2019/06/20(木) 13:02:39
再開の合図と同時に己の体が重くなった事をリサ・ロードリソースは感じた。
首を絞められてもいないのに息苦しいし、手足も痺れてくる。
このままではさっきと同じ結末になってしまうので、リサは指笛を吹いてカエル達に指示を出していった。
ホームであるこの場にはおびただしい数のカエル達が潜んでいる。
それらが一斉に襲いかかれば人間1人くらいは容易く制圧出来ることだろう。
ただし、それは相手が並の人間だった場合の話だ。
選挙戦や武道館の戦いを経たアーリー・ザマシランの実力は、並などとは到底呼べやしない。
「邪魔だよ。」
たった一言、そう発するだけでカエル達は動きを止めてしまった。
まるで蛇に睨まれたカエル。
アーリーという存在に全てのカエルが恐怖しているのだ。
そしてそれはリサも同じ。
アーリーは強者が強者たる技能である「立見刀剣」を当然のように習得しており、
トンファーでリサをタコ殴りにする様子を強くイメージしては、リサの脳へと伝播させていた。
結果としてリサは殴られてもいないのに強打を何発も受けたような思いをし、心が今にも折れそうになってくる。
やはり自分はアーリーには勝てないのか。
ユカニャ王が言うようにカントリーの軸として認められない存在なのか。
そうして諦めかけたところで、モモコの言葉が頭に浮かんできた。
“自分で考えなさい”
そうだ。
この苦しい状況を打破する方法は自分で考えるしかないのだ。
幸いにも、それを考え抜くだけの知能は備わってる。
チサキやマイよりずっとずっと優秀な頭脳こそが、リサ・ロードリソースのカエルに次ぐ第二の武器なのである。
その一点だけなら、彼女はマナカ・ビッグハッピーをも上回るだろう。
(ここから逆転する方法……それは……)
1つハッキリしていることがある。
それはアーリーと同じ土俵に乗ってはいけないということだ。
リサの戦闘能力は著しく低い。 アーリーと殴り合いの喧嘩して勝てるはずがない。
だったらそんな勝負は初めからしないに限るのである。
では、どうすれば良いか?
(私の有利な状況を今から作り上げる!!)
アーリーの方を自分の土俵に乗せること。それが唯一と言って良い程の勝ち筋だ。
ではリサの土俵とは何か?それはもちろんカエルをよって相手を翻弄することだろう。
だが今のカエルはアーリーに恐れをなしている。
何故怖がっているのか?それはカエルの強さがアーリーを下回っているからだ。
ならばカエルの強さを底上げしてやれば良い。
カエルのパフォーマンスを向上する方法については心当たりがある。
昔は恥ずかしがってその行為を真面目にやらなかったが、今ならどんな恥をかいてでも儀式をやり終える自信がある。
そうしないとリサは戦士として死んでしまうのだから、羞恥など感じている暇は無いのだ。
しかし、本当にその技が決まるのかという懸念はある。
それを確かめるために、リサはモモコに質問を投げかけた。
「モモち先輩!答えてください!」
「なあに?」
「今現在!食卓の騎士のうち何名が城に残っていますか!?」
「えっとねぇ、キュートは5名全員城にいて、私以外のベリーズは野暮用で外に行ってたかな。」
「!」
なんたる好都合。なんたる偶然。
いや、これは偶然などではなく、この状況を予見したモモコが裏で手を回していたに違いない。
リサはすぐにそのように気づいていった。
これだけお膳立てしてもらったのだから確実に決めるしかない。
決意したリサは、大袈裟に両手を振り上げ出した。
「見せてあげます……私の”必殺技”を……!」
リサ・ロードリソースは本日この場で必殺技を初披露することになる。
必殺技、それはマナカ・ビッグハッピーですら未習得の技能であった。
951
:
◆V9ncA8v9YI
:2019/06/20(木) 13:03:33
必殺技が発動されてから10分ほど経っただろうか。
最終的にこの場には立っていたのは、ズブ濡れ状態のリサ・ロードリソースだった。
同じくビショビショになったアーリー・ザマシランは地面に転がっている。
体力をゴッソリと奪われたうえに強烈な攻撃をお見舞いされたため、意識こそあるものの身体がもう限界なのだろう。
だが不思議なことに、全身に負わされた打撲の痕ではなく、比較的ダメージの少ないお腹の方アーリーは抱えていた。
「あれは卑怯だよ〜!面白すぎるもん!キャハハハハ!」
「ちょっ、……笑わせる技じゃないんですけど!」
「あははは、ごめんごめん、でもモモコ様やフク王だって笑ってるよ?」
「なっ……」
アーリーの言う通りモモコとフクは下を向きながら笑いを堪えていた。
完全にツボに入ってしまっているようだ。
「いやぁ今回ばっかりは参ったわ。まさかあんな面白必殺技を出すとは思ってなかった!ほんと予想外!」
「モモち先輩まで!」
リサの必殺技がよほど特異だったのか、さっきまで興味を失っていたアヤチョ王までが積極的に話しかけてくる。
「なになに!?さっきのアレどういうことなの〜? アヤ全然分からなかった!もう一回やって!お願い!」
「や、やりません!」
一同がワーワーやっている中で、ユカニャ王がアーリーにデコピンをコツンと当てていた。
そして膨れっ面で文句を言いはじめる。
「私の命が狙われてるって設定だったんだけど? このままだと殺されちゃうじゃない。」
「あー、あー、ゴメンナサイ。今日だけは死んで!」
「ちょっと!!!」
「だってアレは無理だもん〜」
「まったく……」
プンプン怒っているユカニャに向かって、お次はモモコが声をかけてきた。
そろそろこの場を締めようとしているのだろう。
「じゃあユカニャ王、判定はどうだったかしら。」
「ふふ。合格ですよ。アーリーがここまで負かされたのだから、リサちゃんを認めない理由が有りません。」
「ほい。じゃあ”ケンニン”は予定通り進めるってことで。」
それから数ヶ月の時が経った。
モモコとマナカが突然姿を消したため、カントリーのチサキとマイ、ヤナミンとフナッキはアタフタと狼狽えている。
せっかく良いチームになりかけていたというのに、どうしてこんな事態になったのかまるで把握できていないのだ。
そんな中、リサ・ロードリソースだけは冷静だった。
同士である4人に向かって、とある質問を投げかけていく。
「ねぇみんな……私たちカントリーはこれから大変になると思う。 辛いことだって増えると思う。 だから聞かせて。私についてきてくれる?」
チサキ、マイ、ヤナミン、フナッキの4人は一瞬ポカンとしたが、すぐに回答を口にしていった。
「え?何言ってるの? そりゃついていくに決まってるけど……」
「マイは考えるの苦手だから、リサちゃんに色々と決めてほしい。だからついていくよ。」
「愚問ですわ。わたくしもギサちゃんについていきます。」
「どうしよっかな〜。ま、メイクの仕方とか教えてくれたらついてってあげてもええけどな。」
「そっか、安心した。」
“カントリーのこれから” めでたしめでたし
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