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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

937 ◆V9ncA8v9YI:2019/06/18(火) 09:07:17
ヤナミンとフナッキはワーキャー言いながらチサキの水?鉄砲から逃げていった。
2人の能力ならばよりスマートに回避できるはずなのだが、
チサキの放出する液体に何が何でも当たりたく無いと思うあまり、大きく取り乱してしまっている。

「もうっ!!当たらないなぁ!」
「チぃ、その攻撃も良いと思うけど、マイはやっぱりお魚を使うチぃが見たいな。」

マイはそう言うと、チサキの前に大きな水槽を置いていった。
この水槽の中では太刀魚が泳いでおり、ハーチン戦以降にチサキが習得した新たな特技を再現できるようになっている。
しかし成功率はあまり高くなく、五分といったところ。

「で、でも……」
「今、あの子達は混乱してるし、走り回って疲れてる。絶対に当たるよ。
 それにもしもセミがチぃを襲ってきたらマイが絶対に守るから。」
「なんやと!?」

聞き捨てならないセリフに怒ったフナッキは、全てのセミをチサキとマイの方へと飛ばしていった。
セミは見た目が怖いだけでなく、騒々しくもあるため、相手の集中力を著しく奪うことだって出来る。
そんなセミが大勢集まったのだから普通なら耳を塞ぎたくなるものだが、
マイに勇気付けられて集中を高めたチサキは、静かに水槽に自身の手を入れていった。
水の中で泳ぐ太刀魚と対話をしているのだ。

「何をワケの分からんことをしてんのや!今まさにセミが来とるっちゅーのに!」
「分かってないなぁ……チぃの刃は凄いんだよ。マイが保証する。」
「刃?……刃物の類をお持ちのようには見えないのですが……」

太刀魚との対話を終えたチサキは静かに前の方を見た。
狙いは親友のマイを苦しめたヤナミンだ。
何やらセミがワラワラと飛んでいて鬱陶しいが関係ない。
そいつらごと斬ってやろうとチサキは決意した。

「邪魔しないで Here We Go!」
「は?」「え?」

チサキがそう言った瞬間、太刀魚が水槽から飛び出していった。
その勢いとスピードは凄まじく一瞬にして直線上にいるセミ達を散らしていく。
そして離れた場所にいるヤナミンの元へとあっという間に到達してしまう。

(まずい!防がないと!)

ヤナミンはいつでもカウンターを出せるように常に身構えている。
チサキが怪しい行動を開始した時点で蜘蛛をカプセルに戻しており、すぐに次の一手を出せるように備えていたのだ。
超スピードで射出されるチサキの”刃”を避けることなんて今更出来ない。ならば受け止めるのみ。
ヤナミンは亀をもう一度出して、真正面からガードすることにした。
しかし、ハーチンと死闘を繰り広げたチサキの思いは甲羅の硬さを超えていた。
“斬撃”自体は亀で防ぐことが出来たが、そらによって生じる衝撃までは消すことが出来ず、
ヤナミンは後方に倒れて尻もちをついてしまう。

「痛いっ!……わたくしが戦闘で怪我をするなんて……」

ヤナミンも、フナッキも、もはや先輩を舐めてなんていなかった。
少しでも気を緩めたら敗北してしまう……そのように考えを改めた。
そんな中、ひとりの女性が戦場に乱入してくる。

「訓練終わり〜お腹すいちゃったわ〜。
 ってアラ?……みんな何やってるの?……」


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