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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

943 ◆V9ncA8v9YI:2019/06/19(水) 09:00:32
先輩と新人の対戦から十数分経っても、リサ・ロードリソースはまだその場に留まっていた。
セミの羽根やらを箒で掃きながら、先ほどの出来事を思い返していたのだ。

(マナカちゃん、流石にやりすぎだよ……)

タッグマッチの流れは途中までは良かったはずだ。
チサキもマイもヤナミンもフナッキも、苦しみながらも充実していた。
だが、マナカが現れて実力を見せつけたところでおかしくなり始めた。
あんな負け方をしたらヤナミンとフナッキは心に傷を負うかもしれない。

(私がもっと強ければ……マナカちゃんを止められたのに……)

日に日に成長していく仲間達に比べて、自分だけは頭打ちであることをリサは自覚していた。
カエルの操り方のバリエーションを増やしてはいるものの、劇的には変わっていない。
また、リサの細腕では、マイやマナカのように肉弾戦に対応することだって出来ない。
どうすれば強くなれるのか……彼女には分からなかった。

「モモち先輩に相談してみるか……」

掃除が終わったリサはゴミ袋をマーサー城の一般兵に預けては、モモコの部屋に向かうことにした。
やはりここはプレイングマネージャーに教えを請うのが1番だと判断したのだ。

「モモち先輩入りますよー……って、んん??……」

扉を少し開けたところでリサは異変に気付き始めた。
どうやらモモコは他の誰かと話しているようだ。
行儀悪くも室内を覗き見したリサは、そのメンツの豪華さに驚愕する。

(フク王、アヤチョ王、ユカニャ王!?どうしてモモち先輩のお部屋に!?)

モーニング帝国のフク・アパトゥーマ、
アンジュ王国のアヤチョ・スティーヌ・シューティンカラー
果実の国のユカニャ・アザート・コマテンテ
マーサー王国の近隣諸国の王がこの場に集まっているのだから驚くなというのが無理な話だ。
ちなみに室内には果実の国のアーリー・ザマシランもいた。
おそらくは、戦うことのできないユカニャ王の護衛のためについてきたのだろう。

(まぁ当然っちゃ当然よね。護衛なしのフク王とアヤチョ王の方がよっぽどおかしいわ。
 非公式な場だから大所帯を引き連れることは出来なかったってこと?……
 秘密裏にいったい何を話しているというの?……)

リサの頭の中にクエスチョンマークが沢山沸き上がったところで、モモコが言葉を発し出す。

「以上がプロジェクト名”ケンニン”の全貌よ。 偶然とは言えあの子達の実力をお見せすることが出来て良かったわ。で、どうかしら?」
「モモち先輩の計画は完璧すぎます〜〜!もう全部受け入れちゃいます〜〜!」
「うん。フクちゃんだけじゃ偏りがあるから国の人とじっくり話しなさい。」
「そんな!モモち先輩への反対意見は全部握り潰しますよ!」
「それがダメだって言うの。後で私からハルナンにも連絡しとくわ。 じゃあユカニャ王はどう?」
「かぁ〜〜〜わいかったですねぇ〜〜〜!可愛い可愛い可愛い。私の癒し。」
「まともな王はいないのかな?」
「コホン、失礼。 ばい菌であるファクトリーを滅菌消毒するための戦力強化に繋がる良い計画だと思いました。
 ただ、果実の国を強化するにはもう一声欲しいかなと……」
「具体的には?」
「マナカちゃん。」
「本気で言ってる?……まぁ該当者ではあるけど……ちょっとだけ準備期間が欲しいかな。」
「どれくらい経てば良いですか?」
「”定年”まで、なんちゃって。」
「はぁ。”永遠”に待ちますよ。」
「冗談冗談。マナカちゃんをどうにかし次第すぐに手配するよ。 で、アヤチョ王はどう。」
「アヤは別にいいですよ。ウチはもともと変な人が多いし、あの子も変な人だし、全然平気。」
「でもアンジュ王国って舎弟制度とかあるんでしょ?舎弟を経ずに番長……って睨まれたりしない?」
「あー、それならもう1人声をかけている子がいるから大丈夫ですよ。 カノンちゃんが言うには将来の裏番長候補っていう子が。」
「へーそうなの。その子と同じタイミングなら批判が集中することがないか。」


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