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歩夢「君の超高校級の心は輝いてるかい?」Part2

1 ◆8TImjtGSKs:2019/08/23(金) 19:36:54 ID:.D1apNcw
※ラブライブ×ダンガンロンパ 2スレ目です
※そのため死亡描写あり〼
前スレ:
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1506186240/

261 ◆8TImjtGSKs:2020/02/28(金) 22:10:22 ID:9utAojC.
モノっちー「まあ……寛大なボクは、オマエの取った行動は不問にしておいてやるよ」

モノっちー「だから、オシオキはしない。でも次からは、妙な真似が出来ないように校則を──」

穂乃果「……その必要はないよ」

モノっちー「……うん?」

穂乃果「本当に凄いね、歩夢ちゃん。花丸ちゃんが監修したトリックを、全部解いちゃうなんて」

歩夢「え、えっと……」

穂乃果「心配しなくていいよ。ここまでしても解かれる可能性は十分あるって、事件を起こす前からずっと思っていたから」

穂乃果「ううん。きっとみんななら全部解いちゃうだろうって、信じてたから」

歩夢「信じてたなら、どうして……」

穂乃果「……どうして、だろうね」

穂乃果「やっぱり……歩夢ちゃんと一緒に、何かをやりたかったんだと思う」

穂乃果「幼稚園の時みたいに、ね」

262 ◆8TImjtGSKs:2020/02/28(金) 22:11:26 ID:9utAojC.
歩夢「そ、それって……!?」

穂乃果「もしかして、今まで忘れてたの? ちょっと酷いなあ」

穂乃果「お遊戯会の時……歩夢ちゃんの手を引っ張って行ったんだよ?」

歩夢(おぼろげな記憶の中にいる少女。私が夢を歩き出すキッカケになった少女)

歩夢(それが……穂乃果さんだったのか)

穂乃果「きっとあなたならやり遂げられる、輝ける。精一杯のときめきを放ってくれる、って……そう、思っていたから」

穂乃果「間違ってなかったよ。だって歩夢ちゃんは《超高校級の歌姫》になったんだもの」

穂乃果「だから……私は、これで満足したよ」

263 ◆8TImjtGSKs:2020/02/28(金) 22:12:02 ID:9utAojC.
歩夢(そう言うと……オレンジ色の髪をした彼女は、おもむろにポケットから何かを取り出した)

歩夢(それが“何かのスイッチ”であるということに気付いた時には……)

カチッ

歩夢(小さな音が鳴り)

ドォン!

歩夢(どこかで……大きな音がした)

264 ◆8TImjtGSKs:2020/02/28(金) 22:13:13 ID:9utAojC.
しずく「な、何事ですか!?」

梨子「今のって、爆発!?」

モノっちー「……まさか、オマエ!」

穂乃果「武器庫にあった爆弾は小さくて、鉄の扉は壊せない」

穂乃果「でも……“学園長室の扉の鍵”なら、壊せるよね」

モノっちー「────高坂穂乃果ァァァァァァァッ!」


ウーーーッ ウーーーッ ウーーーッ


璃奈「こ、今度は何(?□!)!?」

鞠莉「鍵の掛かった扉を壊したってことは……校則を破ったってこと」

鞠莉「つまりこれは……」

歩夢「校則違反を知らせるサイレン!?」

265 ◆8TImjtGSKs:2020/02/28(金) 22:14:10 ID:9utAojC.
穂乃果「最後の手段なんだ。謎が全て解かれたり、モノっちーが駄々をこねたりした時のためのね」

歩夢「な、何をしてるの!? 校則を破ったら……」

穂乃果「大丈夫だよ、歩夢ちゃん」

穂乃果「これでモノっちーは、追いつめられる側になった」

穂乃果「あとは……あの絶望を倒すだけだよ」

モノっちー「クソッ……こうなったら……」

モノっちー「こ、校則違反者へのオシオキを、準備させて頂きました!」

穂乃果「それから、鞠莉ちゃん」

歩夢(今度は、爆弾のスイッチが入っていたのとは逆のポケットから……何かが放り投げられた)

266 ◆8TImjtGSKs:2020/02/28(金) 22:15:34 ID:9utAojC.
鞠莉「これは……USBメモリ?」

穂乃果「私の部屋の、ベッドの下を調べて。外の世界についての“嘘”も、分かる筈だから」

鞠莉「外の……!? いえ、分かったわ」

穂乃果「きっとモノっちーは、最後の勝負を挑んで来る」

穂乃果「今までよりも大きな、最後の絶望を叩きつけてくる」

穂乃果「でも絶対に……負けないで」

穂乃果「あ、それから! 大事なことを忘れてた!」

穂乃果「エマちゃんの幸運も……信じてあげて」

歩夢「そ、それって、どういう……」

モノっちー「それでは、張り切って参りましょう……なんて言ってられるかよ!」

穂乃果「みんな……」

モノっちー「オシオキターーーーーーーイム!」

267 ◆8TImjtGSKs:2020/02/28(金) 22:16:13 ID:9utAojC.

穂乃果「ファイトだよ!」

268 ◆8TImjtGSKs:2020/02/28(金) 22:17:46 ID:9utAojC.

       EMERGENCY
コウサカさんがこうそくいはんをおかしました。
    おしおきをかいしします。

269 ◆8TImjtGSKs:2020/02/28(金) 22:19:10 ID:9utAojC.
高坂穂乃果が連れて来られたのは……ベルトコンベア。

学校の机と椅子の上に座らされ、身動きが取れないようになっています。

ベルトコンベアの向こうには……ピストン運動を続ける、巨大な鉄の塊。

どうやらモノっちーは、このプレス機で彼女を潰すつもりのようです。


      〈(無名のオシオキ)〉
   《超高校級の幸運 高坂穂乃果処刑執行》

270 ◆8TImjtGSKs:2020/02/28(金) 22:19:53 ID:9utAojC.
ドスン、ドスン。

鈍い音を立て、鉄の塊は上下します。

ゆっくりと、そちらへと流れるベルトコンベア。

穂乃果の目の前にあるのは教壇を模したセットと、教師の恰好をしたモノっちー。

黒板に書かれているのは、幾つもの暴言。

校則違反をした彼女へ向けられた、罵詈雑言です。

モノっちーは「分かっているのか!?」と言いたげに、鞭を教壇に叩きつけます。

穂乃果はその光景を、黙って見続けています。

しかし、その額には……やはり、玉のような汗が浮かんでいました。

271 ◆8TImjtGSKs:2020/02/28(金) 22:20:52 ID:9utAojC.
ドスン、ドスン。

鉄の塊が上下するたびに、ベルトコンベアにも振動が伝わります。

ガチャガチャ……ガチン!

おや……? どうやら、彼女を椅子に縛り付けていた拘束が、外れたようです。

振動のせいで壊れたのでしょうか……流石は、超高校級の幸運です。

焦ったモノっちーが、穂乃果に飛び掛かろうとします。

力づくで抑え込むつもりのようですが……彼女は、するりと抜け出しました。

逃げようとすれば、今すぐにでも逃げられます。

ですが……穂乃果の取った選択肢は、違いました。

覚悟を決めたような顔で、プレス機の方へと駆け出したのです。

やがて、後に残されたのは……。

血に染まったベルトコンベアと鉄の塊、そして。

返り血を浴び、苛立ちを抑えきれない表情のモノっちーでした。

272 ◆8TImjtGSKs:2020/02/28(金) 22:21:53 ID:9utAojC.
モノっちー「うぐ、ぐぬぬぬぬぬぬ……」

歩夢(穂乃果さん……いや、穂乃果ちゃんは、死んだ)

歩夢(最後までモノっちーに盾を突くような形で、消えていった)

歩夢(泣きたい。悲しい。私にとって、もう1人の幼馴染だった筈の人が、居なくなったんだ)

歩夢(いや……もしかしたら、私は既に泣いているのかも知れない)

歩夢(でなければ……口の中にしょっぱい味がしみこんで来ることなんてないだろうから)

歩夢(でも……立ち止まっちゃいけないんだ)

歩夢「行こう……穂乃果ちゃんが残してくれた、手掛かりを見つけに」

273 ◆8TImjtGSKs:2020/02/28(金) 22:22:59 ID:9utAojC.
歩夢(私の言葉を皮切りに……みんな、エレベーターへと乗り込んで行く)

歩夢(そして、裁判場を去る間際。モノっちーは、私たちに向かって叫んだ)

モノっちー「次に行われるのは、最後の学級裁判だよ」

モノっちー「詳しくは、後で学園中にアナウンスしてやるよ」

モノっちー「絶対にオマエらを絶望させてやる」

モノっちー「オマエらへの仕返しを、終えてみせる」

モノっちー「バッドエンドまっしぐらにしてやるから、覚悟しておくんだネ……」

歩夢(仕返しという言葉が少し引っ掛かったが……そんなもの、モノっちーに言われる筋合いはない)

歩夢(むしろ、仕返しをするのは私たちだ)

274 ◆8TImjtGSKs:2020/02/28(金) 22:23:44 ID:9utAojC.
歩夢(穂乃果ちゃんが繋いでくれた希望で、絶望を打ち破ってみせる)

歩夢(そして……私たちは、これから望むことになる)

歩夢(希望と絶望のぶつかり合い)

歩夢(全ての謎が解き明かされる)

歩夢(最後の“学級裁判”を──)

275 ◆8TImjtGSKs:2020/02/28(金) 22:24:47 ID:9utAojC.
Chapter5 END

https://i.imgur.com/4J1GtrG.png

To be continued……


プレゼント“役目を終えたスイッチ”を獲得しました。

276 ◆8TImjtGSKs:2020/02/28(金) 22:25:30 ID:9utAojC.
今回はここまで。

277以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/02(月) 03:36:05 ID:Al.bEdZo
おつおつ
いよいよ6章か

278 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:41:00 ID:kxPgDpz6
────幕間 ある夏の昼下がり

「ねえ花丸ちゃん、しず子知らない?」

「しずくちゃんなら居ないずらよ」

「あれ、そうなの?」

「確か、公演でしばらく沼津に行ってる筈だよ」

「じゃあ花丸ちゃんでいいや。遊びに行かない?」

「マルは一服したら、原稿を仕上げないといけないから……ごめんね」

「マキちゃんみたいなこと言わないでよ」

「ああ……薬の調合で忙しいって言ってたずらね。昨日見かけた時も髪がボサボサだったよ」

「なんか、危険な薬が出来ちゃったとか……毒とかじゃないよねアレ」

「ヘビから作る薬って言ってたから……可能性はあるずらね」

「うえぇ!? わ、私、ヘビはダメなんだけど」

「だったら、しばらくは研究室に近寄らない方がいいよ。きっと地獄絵図だし」

279 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:41:45 ID:kxPgDpz6
「むー……。りな子は鞠莉先輩たちとどっか行ったし、ルビィちゃんたちは実家に帰ってるし」

「それに、他のみんなはどこかに出掛けて寮に居ないし……」ブツブツ

「しずくちゃんの演劇でも見に行ったら?」

「今から行っても間に合わないでしょ。彼方先輩とか、何人かは見に行ったみたいだけど」

「とにかく、今日はかすみちゃんの遊び相手にはなれないずら」

「アイス奢るから……ダメ?」

「た……食べ物で釣ろうとしても、ダメずらよ」

「ぐぬぬ、今日は頑固だ」

「じゃあ部屋に戻るから、絶対に邪魔しないでね? またダイヤさんたちに目を付けられても、今度は庇いきれないから」

「ちぇー」

───
──


280 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:43:18 ID:kxPgDpz6

     Chapter6

This is the end 〜■■宣言〜 
    非日常編

281 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:44:02 ID:kxPgDpz6
ピンポンパンポーン

モノっちー『あー、あー、本日は晴天なり本日は晴天なり。マイクチェック、ワンツー』

モノっちー『オマエら、ちゃんと聞こえてるよネ? 聞こえても聞こえなくても返事はしなくていいからネ』

歩夢(穂乃果ちゃんの事件を終えて、裁判場から戻って来た私たち)

歩夢(間髪入れずに……アナウンスが、校内中に響いた)

282 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:44:52 ID:kxPgDpz6
モノっちー『さて。ここまで行われて来た“コロシアイ学園生活”は、これより最終局面へと入ります』

モノっちー『え、最終局面が何かって?』

モノっちー『壮大なミステリの最終局面といえば、やっぱり“真の回答編”でしょ!』

モノっちー『というワケでオマエらにはこれから、最後の捜査をしてもらいます』

モノっちー『公平を期すために“全ての部屋のロックが解除されている”ので、思う存分調べちゃってください』

モノっちー『その後は……さっきも言ったように、最後の学級裁判を行います』

モノっちー『裁判の結果次第では、オマエらは晴れてこの学園から卒業となります』

モノっちー『ただし……結果次第では、全員オシオキとかになっちゃうかもネ』

モノっちー『じゃあ、また後で会おうか。うけけけけけ……』

プツン

283 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:45:42 ID:kxPgDpz6
歩夢「……」

梨子「この学園の謎を解いてみろ、ってわけね」

ダイヤ「この歪な学園から解放されるためには、どのみちやるしかありません」

しずく「で、でも!」

璃奈「どうしたの(・v・)?」

しずく「解放されたところで……この学園の外って、とっくに滅んでいるんですよね……」

鞠莉「校則違反のサイレンで聞こえなかったかも知れないけど、その件は、穂乃果がこんなことを言ったのよ」


鞠莉『これは……USBメモリ?』

穂乃果『私の部屋の、ベッドの下を調べて。外の世界についての“嘘”も、分かる筈だから』

鞠莉『外の……!? いえ、分かったわ』

284 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:46:28 ID:kxPgDpz6
しずく「う、嘘……?」

鞠莉「私たちがなるべく個室に引きこもってくれた方が、彼女の計画にとって都合が良かった」

鞠莉「それに黒幕を騙るなら、嘘は大きければ大きいほど良い……ってことでしょうね」

璃奈「だったら……窓の外の景色は、何だったんだろう(・v・)?」

梨子「確かにあれは、映像じゃなくて本物だと思うけど……」

歩夢(……そうだ。私たちは『外を泳ぐ魚たち』や『海藻らしきもの』なんかを、第2多目的室の窓の向こうに見た)

歩夢(だからこそ、穂乃果さんの話が現実味を帯びていたんだ)

歩夢(でも……)

歩夢「……それを含めて、解き明かせばいいんだよね」

鞠莉「そうよ」

285 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:47:02 ID:kxPgDpz6
歩夢「それに……今度の裁判は、私たちの中に潜んだ犯人を捕まえることじゃない」

歩夢「黒幕を、私たちをここに閉じ込めた犯人を、暴き出すんだ」

歩夢「だから……私たちが疑い合う必要は、どこにもないんだよ」

梨子「歩夢ちゃん……」

しずく「……そう、ですよね」

鞠莉「さて、そうと決まったら、捜査を始めましょう」

ダイヤ「ええ。調べなければならない場所は、かなり多いですから」

璃奈「みんなバラバラに捜査しないと、間に合わないかも(>_<。)」

鞠莉「バラバラになっても、協力し合えないわけじゃない。それを忘れちゃダメよ」

鞠莉「じゃあ私は、穂乃果の部屋に行って来るわ。彼女の置き土産を1つ1つ調べて行く必要があるもの」

286 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:47:50 ID:kxPgDpz6
ダイヤ「では、私は──」

梨子「えっと、じゃあ私は──」

歩夢(みんなそれぞれ、学園中に散って行く)

歩夢(最後に残った私も……)

歩夢「……よし」

歩夢(もう少しで、終わるんだ)

歩夢(この狂気に満ちた学園を脱出して、生き残ったみんなで帰るんだ)

歩夢(だから……始めよう)

歩夢(これが私たちの、最後の戦い──!)

287 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:48:47 ID:kxPgDpz6
【捜査開始!】

歩夢「まずは……あっ」

歩夢(今回はモノっちーファイルが手元にない。事件が起きたわけじゃないのだから、当然なのだが……)

歩夢(嫌なクセが身に付いたなあ、と実感する)

歩夢(そうなると、調べに行くべきは……)

288 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:49:19 ID:kxPgDpz6
────学園長室

璃奈「歩夢ちゃんも、ここを調べに来たの(・v・)?」

歩夢「うん。穂乃果ちゃんが、命懸けで壊した扉だから……」

璃奈「……(・v・)」

歩夢(閉ざされていた学園長室の扉は、鍵を壊されたことで自由に出入り出来るようになっていた)

歩夢(鍵の破壊には爆弾が使われたが、中の物が損傷している様子はなさそうだ)

歩夢(とはいえ……この部屋に入った時、私が最初に感じたことは)

歩夢「随分と、殺風景なんだね」

璃奈「それは……私も思った(・v・)」

歩夢(想像していた学園長室とは、随分と違った印象の部屋)

289 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:49:58 ID:kxPgDpz6
歩夢(学園長室といえば、大きな机と革製の大きなソファ、そしてカーペット)

歩夢(歴代校長の写真が壁に飾られ、奥には学園長が座る椅子と、荘厳な雰囲気を纏った机)

歩夢(細かい違いはあるけれど、てっきりそういう物だろうと思っていた)

歩夢(だが、この学園長室にあったのは……たった1つの、パイプデスク)

歩夢(そして1冊の冊子と、璃奈ちゃんが手にしている大きなファイルだけ)

璃奈「表紙だけ見たけど、パンフレットの方はただの学校案内みたいだよ(・v・)」

歩夢(璃奈ちゃんの言う通り……でかでかとそびえ立つ校舎の写真を表紙にした冊子のようだ)

歩夢(だが、学校案内に目を通して行くうちに……私はある“違和感”を覚えた)

歩夢「ねえ、璃奈ちゃん」

璃奈「?」

歩夢「“こんな部屋、この校舎にはなかった”よね?」

290 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:51:09 ID:kxPgDpz6
璃奈「……ど、どういうこと(・v・)?」

歩夢「ほら、これを見て」

歩夢(今の問い掛けを疑問に感じた璃奈ちゃんが、こっちに駆け寄って来る)

歩夢(私が開いているページ──設備紹介のコーナーとある──には、次のような記述があった)


『体育系の才能から、文科系の才能まで。幅広く取り揃えられた設備』


歩夢(その記述と共に掲載されている、プールや体育館、図書館にコンピュータールームらしき部屋、ついでに学生寮の写真)

歩夢(問題はそのどれもが……“この校舎にあった同一の設備と、造りがまるで違う”こと)

歩夢(『私たちが閉じ込められている虹ヶ咲学園』のものと比べると明らかに広く、そして数が多いのだ)

歩夢(勿論……“研究室”と書かれている、薬品棚や何らかの機械なんかが詰め込まれた部屋も、この学園にはない)

歩夢(理科室ではないかとも疑ってみたが、やはり部屋の形状からして違っている)

歩夢(私のように歌を歌う人なら何度もお世話になるであろう“レコーディングルーム”なんかも、このパンフレットには載っていた)

291 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:51:39 ID:kxPgDpz6
璃奈「こんな部屋、なかったよね(?□!)」

歩夢「……うん」

歩夢(学園長室の写真が載ったページもあったが……やはり、こことはまるで雰囲気が違う)

歩夢(パンフレットを持つ手が、少し震えていた)

歩夢(ここに書いてあることが、間違っているのだろうか?)

歩夢(それとも、このパンフレットは偽物なのだろうか?)

歩夢(……もし、そうでなかったとしたら)

歩夢(私たちが閉じ込められている“この虹ヶ咲学園”は一体……?)

《虹ヶ咲学園学園案内》のコトダマを入手しました。

292 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:52:18 ID:kxPgDpz6
歩夢(設備の件は気になるが……学園案内には、それ以上特筆すべきことはなかった)

歩夢「……ところで、璃奈ちゃんが持ってるファイルは何だったの?」

璃奈「虹ヶ咲学園の在学生名簿……みたいだよ(・v・)」

歩夢「在学生名簿……」

歩夢(鞠莉さんたち14期生、私たち15期生、璃奈ちゃんたち16期生。名簿に載っていたのは、計27人分だ)

歩夢(情報として掲載されているのは、本人の名前と才能、そして顔写真)

歩夢(せつ菜ちゃんや善子ちゃんたちの本名については、ここでは触れられていない。あくまで名簿としての目的のみを果たす物だ)

歩夢(当然……気になる情報が、幾つか浮かび上がって来る)

293 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:53:17 ID:kxPgDpz6
歩夢(まず目を引くのは、私たちの記憶にない8人の名前)

第14期生
《超高校級の占い師》東條希
《超高校級のバレリーナ》絢瀬絵里
《超高校級のアイドル》矢澤にこ

第15期生
《超高校級の弓道部》園田海未
《超高校級のデザイナー》南ことり

第16期生
《超高校級の陸上部》星空凛
《超高校級の農家》小泉花陽
《超高校級の医者》西木野真姫

294 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:54:13 ID:kxPgDpz6
歩夢(《超高校級の弓道部》園田海未さん……)

歩夢(前回の事件に用いられた弓は、彼女の私物だったりしたのだろうか……というのはさておき)

璃奈「小泉花陽……って、確か(・v・)」

歩夢「……うん」

歩夢(前回の事件で穂乃果ちゃんが言っていた“渡辺曜”の正体は、彼女のことで間違いないだろう)

歩夢(プロフィールの顔写真と“私たちと接していた曜ちゃん”の顔も、一致している)

歩夢(では、本物の渡辺曜のプロフィールはといえば……)


第15期生
《超高校級の船乗り》渡辺曜


歩夢(……顔つきこそよく似ているが、やはり、この学園で過ごして来た曜ちゃんではない)

歩夢(だったらどうして、小泉花陽は曜ちゃんとして接していたのだろうか。本物の曜ちゃんは、どこに行ったのだろうか……?)

《8人の生徒名簿》《渡辺曜の生徒名簿》のコトダマを入手しました。

295 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:54:52 ID:kxPgDpz6
歩夢(次に私の目に留まったのは、見知った名前の中にある、2つの名前)


第15期生
《超高校級の幸運》高坂穂乃果
《超高校級の若女将》高海千歌


璃奈「結局、私たちと一緒に居たのは……穂乃果さんで良かったんだよね(・v・)?」

歩夢「うん。目の色が合ってるのは、穂乃果ちゃんの顔写真だからね」

歩夢(先の事件でオシオキされたのは、オレンジの髪に、青い目をした女の子)

歩夢(やっぱり、赤い目をした“本物の高海千歌”は、最初から行方が分からないということになる)

歩夢(……湧き上がるのは、同じ疑問)

歩夢(本物の千歌ちゃんは、どこに居るのだろう)

歩夢(どうして穂乃果ちゃんは、千歌ちゃんとして接して居たのだろう)

歩夢(しかも、彼女は自分の正体を“思い出した”と言っていた筈だ)

歩夢(それが意味する物って……?)

《2人の15期生》のコトダマを入手しました。

296 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:55:54 ID:kxPgDpz6
歩夢(……残った16人の名簿には、不審な点はない)

歩夢(私の才能も《超高校級の歌姫》として記載されている)

歩夢「この部屋には、もう手掛かりになりそうなものはないかな」

璃奈「そうかも(・v・)」

歩夢「まだまだ調べないといけない場所はあるし……頑張ろっか、璃奈ちゃん」

璃奈「うん(・v・)」

歩夢(……そういえば、どうして私は才能に関する記憶までも失っていたのだろう)

歩夢(穂乃果ちゃんもそうだ。彼女は自分の正体どころか、高海千歌としての才能すらも把握していなかった)

歩夢(これって、何か理由があったのだろうか……?)

297 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:56:32 ID:kxPgDpz6
────情報処理室

モノっちー「……」

歩夢「……?」

歩夢(学園長室の捜査を終えて情報処理室を訪れた私を出迎えたのは、無言のモノっちー)

モノっちー「……」

歩夢(いや。無言というか……動いてない?)

モノっちー「……おや、歩夢さんですか」

歩夢「えっ?」

モノっちー?「私です、黒澤ダイヤです」

歩夢「え、えっ?」

モノっちー?「詳しいことは奥の部屋で話します」

歩夢「は、はぁ……」

298 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:57:12 ID:kxPgDpz6
────情報処理室、奥の部屋

ダイヤ「何も、そんなに怯えながら入って来なくても」

歩夢「あ、いや……黒幕の罠かと思っちゃいましたし」

ダイヤ「確かに……少々、おふざけが過ぎましたわね。お詫びします」

歩夢「い、いいんですよ別に。それよりも、この部屋は……」

歩夢(情報処理室自体も、大量のモニターが異様な雰囲気を造り出していた)

歩夢(けれども、この部屋はそれ以上に異質な空気を醸し出している)

歩夢(幾つもの機械やパネル、レバーにスイッチ、いかにもな椅子が真ん中に1つ)

歩夢(機械特有のブルーライトが、目にあまりよろしくない刺激を与えてくる)

歩夢(まるで、ロボットを操縦するコックピットみたいだけど……)

歩夢「もしかして、モノっちーを動かす部屋……?」

ダイヤ「そうなりますわね」

299 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:57:48 ID:kxPgDpz6
歩夢「じゃあ、さっきのはダイヤさんが?」

ダイヤ「ええ。試しに動かしてみたのですが、こういった機械は得意分野ではありませんね」

歩夢(ダイヤさん曰く、モノっちーの操作周りはこんな感じ)

・まず、モノっちーを出したい部屋や廊下等を、パネルから選ぶ

・レバーで動かし、マイクに向かって発した声がモノっちーの口から(機械音声に変換されて)出てくる

・モノっちー越しに周囲の音を拾うことが出来るが、視界はモノっちーの目に内蔵されたカメラだけ

・「絶対押すなよ!」というスイッチがあるが、何なのかは押してないので分からない

歩夢(これらを総合すると、1つ、分かることがある)

歩夢「私たちを監視する部屋と、モノっちーを動かす部屋が別ってことは……」

ダイヤ「モノっちーの操作をしている間は、私たちの監視が不完全な物になる」

ダイヤ「穂乃果さんたちが講じた一計は、あながち間違いではなかったのでしょうね」

歩夢(あの事件は、本当にモノっちーにも真相が分かっていなかったんだ……)

《モノっちー操作室》のコトダマを入手しました。

300 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:58:25 ID:kxPgDpz6
ダイヤ「そういえば歩夢さん。先ほど、妙な物を見つけたんですよ」

歩夢「妙な物?」

ダイヤ「この部屋の隅にあるゴミ箱の中に入っていたのですが……」

ダイヤ「危険すぎる代物なので、こちらに置いてあります」

歩夢(ダイヤさんが示した先……サイドテーブルの上に、それは置かれていた)

歩夢「これ……何ですか?」

歩夢(ざっくりと言うなら……それは、有体に恐らくゴム製であろう持ち手の付いた、金属の棒)

歩夢(スイッチらしき物が付いているけど……?)

ダイヤ「恐らく、それは──」

301 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:58:55 ID:kxPgDpz6
ジリリリリリリリッ!

ダイヤ「な、何の音ですの!?」

歩夢「何かが、部屋の外で鳴ってるみたいだけど……」

歩夢(慌てて、私とダイヤさんはモノっちー操作室を出る)

歩夢「め、目覚まし時計?」

ダイヤ「どうしてこんな所に……」

ガチャリ

歩夢「……えっ?」

歩夢(音の正体に気を取られているうちに、奥の扉から妙な音がした)

302 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 20:59:36 ID:kxPgDpz6
ガチャガチャガチャ!

ダイヤ「か、鍵が!?」

歩夢「嘘!?」

歩夢(慌てて私もドアノブに触れてみる。だが、やはり結果は同じ)

歩夢(モノっちー操作室への扉は、鍵が掛かってしまったのだ)

モノっちー「いやはやごめんネ、奥の部屋は封鎖させてもらったよ」

歩夢「モノっちー……」

ダイヤ「……オホン。全ての部屋の鍵を解除した、のではなかったのです?」

モノっちー「言ったネ、確かに言ったけど……閉鎖しないとも言ってないよネ!」

303 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:00:08 ID:kxPgDpz6
歩夢「ず、ずるいよそんなの!」

モノっちー「まあ、あの部屋を開けっぱなしにしておくと、ボクを動かせなくなっちゃうからネ」

モノっちー「どこかで締め出しておかないと、放送も出来ないでしょ」

ダイヤ「では、やはりあの部屋は……」

モノっちー「お察しの通り、ボクを動かすための部屋だよ」

歩夢「待ってよ。だったら、今も誰かがモノっちーを動かしてることになるけど……」

モノっちー「うん、それがどうしたの?」

歩夢「あの部屋には私とダイヤさん以外、誰も居なかったよね」

ダイヤ「確かに、人が隠れられるスペースもありませんでしたが……」

304 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:00:43 ID:kxPgDpz6
モノっちー「人は居なかった……? いやいや、そんなことはないよ」

モノっちー「うけけ……天井裏までは、普通は気が回らないよネ」

歩夢「て、天井裏!?」

ダイヤ「なるほど。天井裏を通じて、私たちをあの部屋から追い出すために、こんな真似を」

モノっちー「まあ、気付いたところで内鍵に阻まれちゃうんだけどさ」

モノっちー「というワケで、モノっちー操作室は閉鎖です。なので、得た情報は責任持ってみんなと共有しておくように!」

モノっちー「あそうそう。この情報処理室もすぐに閉鎖するから、とっとと出て行けオマエら!」

歩夢(こうして、半ばモノっちーに追い出されるような形で、私たちは情報処理室を後にした)

305 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:01:26 ID:kxPgDpz6
ガチャリ

歩夢「……本当に締まっちゃった」

ダイヤ「ですが……これで、危惧していた可能性もなくなりましたわね」

歩夢「可能性?」

ダイヤ「ええ。“生き残っている私たちの中に黒幕が潜んでいる可能性”を考えてもいたのですが……」

歩夢「ああ……黒幕はモノっちーを動かしたりしないといけないから、それは無理だということですね」

ダイヤ「そうなります。つまり、黒幕は私たち以外の誰かだと断言出来ますわね」

《黒幕について》のコトダマを入手しました。

306 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:02:13 ID:kxPgDpz6
歩夢「あ、そうだ。ダイヤさん、結局あの棒は何だったんですか?」

ダイヤ「その話の途中でしたわね。あれは恐らく、電流警棒だと思われます」

歩夢「で、電流警棒……?」

ダイヤ「ええ。本来の用途は暴徒撃退用なのですが、何故あの部屋にそんなものがあったのかが分からなかったもので」

歩夢「確かに、モノっちーがそんな物を使う理由は見当たらないけど……」

ダイヤ「ただ、何かに使われたのは事実かと。大して手入れはしていなかったようですが」

歩夢「えっ……?」

ダイヤ「金属の部分……電流が通る箇所に、水垢らしき汚れが付いていたんですよ」

ダイヤ「まあ、だから何だと言われれば、それまでなのですが……少し気になっただけです」

歩夢(……電流警棒に、水垢?)

歩夢(もしかして……いや。それが本当だとしたら……?)

《電流警棒》のコトダマを入手しました。

307 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:03:07 ID:kxPgDpz6
ダイヤ「ところで歩夢さん。電流警棒の件以上に、ずっと気になっていることがあるのですが……」

歩夢「?」

ダイヤ「結局“絶対押すなよ”のスイッチは何だったのでしょうか」

歩夢「えっ」

ダイヤ「いえ。単なる私の好奇心なのですが……押すなよと言われると、押してみたくなるような」

ダイヤ「けれども、ここで押すということは黒幕の掌の上で踊らされているような……そもそも私は、年長者なんですよ。それなのに……」ブツブツ

歩夢(……ダイヤさん。多分そのスイッチは、自爆ボタンだと思います)

歩夢(一番最初に体育館に集められた時に、爆発してたし……)

308 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:03:50 ID:kxPgDpz6
────生物室

歩夢「さ、寒い……」

歩夢(前回の事件から開いていた、生物室)

歩夢(霊安室としての役割を果たすこの部屋は、しずくちゃんが言っていたように、低温倉庫並みの寒さ)

歩夢(そして、彼女の話通り……壁に、ロッカーのような物が埋め込まれていた)

歩夢「ロッカーの鍵は……」

ガチャガチャガチャ!

歩夢「……流石に、開いてないよね」

歩夢(まあ、ロッカーは部屋じゃないと言われればそうなので、開いていなくても不思議ではない)

歩夢(仮に開いていたとしても、遺体が入っているロッカーを好んで見たいとは思わないが……)

309 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:04:50 ID:kxPgDpz6
歩夢「……」

歩夢(改めて、遺体安置用のロッカーをよく見てみる)

歩夢(埋め込まれたロッカーの数は、縦3列、横10列の計30台)

歩夢(しずくちゃんの話では、ロッカーの横にランプがついていたそうだが……)

歩夢(確かに、青いランプがロッカー毎に光っている。“何台かを除いて”だが)

歩夢「1、2、3……」

歩夢(多少まばらに点在しているそれを確認してみると、ランプが点いていないロッカーは全部で9台だということが分かった)

歩夢「……」

歩夢(これが意味するものって……?)

《生物室のロッカー》のコトダマを入手しました。

310 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:05:34 ID:kxPgDpz6
────校舎3階、廊下

梨子「あ、歩夢ちゃん! そっちはどう?」

歩夢(生物室での捜査を終えた私は、別館の方から歩いて来た梨子ちゃんと遭遇した)

歩夢「色々……あったよ」

梨子「私もよ。ちょっと、歩夢ちゃんに見て欲しい物があるんだけど」

歩夢「見て欲しい物?」

歩夢(梨子ちゃんが出して来たのは……1冊の、手帳だった)

歩夢(裏表紙には小さく、西木野真姫と名前が書いてある)

歩夢「あれ、この名前って……」

梨子「知ってるの?」

歩夢「学園長室のファイルで見たんだ。私たちの1つ後輩に《超高校級の医者》として名前が載っていたんだよ」

311 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:06:23 ID:kxPgDpz6
歩夢(ペラペラとページを捲っていく。内容は、西木野真姫という人物が日々の研究に励む手記……のようだ)

歩夢(聞いたこともない新薬を開発したり、何らかの細胞の培養とやらだったり……小難しい話ばかりだ)

歩夢「これが……どうかしたの?」

梨子「折り目が付いてるページがあるんだけど……わざわざこんなものが置いてあるなんて、気になるでしょ?」

歩夢(梨子ちゃんに促され、折り目が付いてるページ……手帳の後半にあったそれを目にする)


『何よ、今度のプロジェクト』

『研究中の再生医療技術が、どうしてクローンの研究に転用されてるのよ』

『人道的に大丈夫なのかしら、アレ』

312 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:07:01 ID:kxPgDpz6
梨子「再生医療って……事故なんかで失った身体の部位を復活させるアレ、よね。テレビで聞いたことがあるけど」

歩夢「確か、そんな感じだったと思う。でも、この書き方だと……」

歩夢(この研究は、騙されて行われた物のような書き方だ)

歩夢(でも……手帳には、まだ続きがあった)

歩夢(少し後の方に、再び折り目の付いたページが登場する)


『疲れた。評議委員会の人たちとお話して、なんとかプロジェクトを凍結させた』

『あんなもの倫理に問題大アリだし、私の立場も危うくなるもの』

『しばらく暇になるし、久しぶりに凛や花陽たちと遊びに行こうかしらね』


歩夢(これって、さっきのクローン研究のことなのかな?)

歩夢(だったら、このプロジェクトは凍結……行われなくなったことになるけど……)

《西木野真姫の手記》のコトダマを入手しました。

313 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:07:36 ID:kxPgDpz6
梨子「愛ちゃんの事件に使われた毒薬も、元はもしかしたらこの人が作ったのかなって……」

歩夢「そう……かもね。あの時の裁判で、モノっちーもそんなことを言ってたし」


花丸『もしかして……“本来存在しないような毒薬”ってことずら?』

モノっちー『まあ、そういうことだネ。“とある人が作った薬をボクが改良した”物なんだよ』

せつ菜『とある人って、誰なんですか?』

モノっちー『しーん……』ボウヨミー


歩夢(何が“改良”だ。人の研究を奪って、最悪な代物に作り変えただけじゃないか)

歩夢(……とはいえここで怒っても意味がない。まだ捜査出来ていない場所はあるんだ)

歩夢(梨子ちゃんと一旦分かれて、私は次の場所へと向かった)

314 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:08:12 ID:kxPgDpz6
────学生寮・穂乃果の部屋

鞠莉「いらっしゃい」

歩夢(前回の裁判の最後に、穂乃果ちゃんからお土産を受け取った鞠莉さん)

歩夢(ノートPCを横に置いて、ベッドの上に座っていた)

歩夢「そのパソコンって……」

鞠莉「ベッドの下にあったのよ。やっぱり穂乃果が持っていたわ」

鞠莉「それにしても、とんだプログラムよ。このUSBが絶対に必要だったとはね」

歩夢(PCの詳しい知識は持ち合わせていないが……どうやら、USBメモリ自体が解析の鍵になっていたようだ)

歩夢(2つで1つのプログラム。USBメモリが刺さっていない限りは、絶対に解析が不可能だったのだ)

315 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:08:55 ID:kxPgDpz6
鞠莉「さてと。色々分かったことがあるけど……まずは、これかしらね」

歩夢(鞠莉さんが見せて来たPCの画面に映し出されていたのは……【虹ヶ咲学園・極秘プロジェクト】)


『虹ヶ咲学園は、更なる才能の獲得・育成に努めるべく、新たなプロジェクトに着手した』


歩夢(この出だしは……図書室で鞠莉さんに見せてもらった時のものだ)

歩夢(過去に様々な超高校級の才能を研究し続けて来た虹ヶ咲学園のレポート。以前は途中までだった文章の、続きが読めるようになっていた)

『そして、それらの才能を継承して行くべく、今回の希望継承計画は幕を開けた』


歩夢「希望……継承計画?」

316 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:09:42 ID:kxPgDpz6
『希望継承計画とは、唯一無二である超高校級たちの才能を、2つの観点からクローン技術によって継承していくもの』

『1つは、才能に関する記憶をデータ化し、それを被験者の脳に移植する方法』

『知識を主とする超高校級の才能は、この方法で継承が可能となるだろう』

『もう1つは、記憶と共に、筋肉等身体の必要部位も移植する方法』

『本人の技術による才能は、このアプローチでの継承を予定している』

『当然ながら、必要部位だけをそう簡単に用意することは出来ない』

『だが、超高校級の医者が研究していた再生医療の技術を転用することで、その問題はクリア出来るだろう』


歩夢「……っ」

鞠莉「驚いたでしょう? 世界各国が禁止の動きに向いているクローン技術の研究を、虹ヶ咲は行っていたみたい」

歩夢(しかも、生徒の研究を使って……だ)

317 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:10:44 ID:kxPgDpz6
歩夢(途中の文章は、頭が痛くなるような小難しい文章ばかり)

歩夢(だが……手記にあった通り)

鞠莉「もっとも、その計画は頓挫したみたいだけどね」


『──7月頭。希望継承計画、凍結』

『14期生西木野真姫やその周囲からの反発の声が大きかったことを表向きの理由としているが、別の理由も存在する』

『今回のプロジェクトの本命である超高校級の幸運という才能を、どうしても再現出来る目処が立たなかったためだ』

『14期生エマ・ヴェルデの、運を他人に分け与える才能。15期生高坂穂乃果の、狙った結果を引き寄せる才能』

『16期の幸運を募集した際に抽選を行う機械が幾度も故障したことと言い、幸運については解明出来ていない部分が多い』

『多すぎるがゆえに、どこから手を付けて良いか分からないといった具合だ』

318 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:11:34 ID:kxPgDpz6
『本プロジェクトは凍結となったが、幾つかの技術は残しておく』

『再生医療の技術は、改めて本来の目的で活用してもらうことに』

『記憶をデータ化する技術、及び移植する技術。こちらも、何らかの形で再利用が出来ないかと検討中』

『虹ヶ咲学園・評議委員会』


歩夢「……」

歩夢(これが、希望継承計画の全貌だった)

歩夢(にわかに信じがたいSFチックな話だが……手帳に書かれていたこととも一致している)

鞠莉「虹ヶ咲の偉い人たち、結構デンジャラスな橋を渡ってたりしたみたいよ」

歩夢「でも……ここに書いてある“幾つかの技術”って」

鞠莉「ええ。私たちの記憶が奪われているのは、この技術を使って行われたことかも知れないわね」

《希望継承計画》《記憶喪失について》のコトダマを入手しました。

319 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:12:25 ID:kxPgDpz6
鞠莉「このフォルダはこんな物かしらね。次はこっち」

歩夢(PCに表示されたのは【持ち出し厳禁】と書かれたフォルダ。中にあるのは【ヒミツ】と【秘密】の2つのファイル)

歩夢(どっちから見る? と問われたので……上に表示されている【ヒミツ】の方から順番に見ることにした)


『研究発表』

『才能を活かした物となったら、大きな建物でも建ててしまう?』

『土地の問題:ウチの所有している島?』

『いっそ海底?(果南の研究発表の拠点としても役立つし)』

『学校の設備を丸ごと作ればいい ←後輩たちも自由に使えるように』

『この手の建築に強いメンバー:……』

320 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:13:15 ID:kxPgDpz6
歩夢「……」

歩夢(中身は、箇条書きのように書き連ねられたテキストファイル。誰かの研究発表の、構想メモの様だが……)

歩夢(……何、これ?)

鞠莉「中身についてはノーコメントでお願いするわ。まあ……強いて1つ言うとしたら」

鞠莉「……はっちゃけ過ぎじゃないかしら、これ考えた人」

歩夢(鞠莉さんの笑いがどこか自虐めいているのは……多分、気のせいじゃないと思う)

歩夢(ただ、この構想メモの通りなら。私たちが今いる場所についても説明が付く)

歩夢(きっと穂乃果ちゃんは、これも知っていたんだ。だから『世界崩壊』なんて、大それた嘘のシナリオも用意出来たんだ)

《海底学園》のコトダマを入手しました。

321 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:14:19 ID:kxPgDpz6
歩夢(フォルダにあった、もう1つのファイルにも目を通す)


『希望隔離計画』


歩夢「……えっ?」

歩夢(出だしの文字に、私は目を丸くした)


『彼女がクロである証拠を掴んだ』

『捕まえるのは簡単。でも事は穏便に済ませたい』

『希望継承計画の技術を使うしかない』

『希望を絶望から隔離するのが、最善手の筈』

322 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:15:31 ID:kxPgDpz6
歩夢(ファイル名もカタカナで、どこかふざけている様子だった【ヒミツ】と比べると……)

歩夢(【秘密】に書いてあるそれはとても短く、それでいて不穏さを感じさせる内容だった)

鞠莉「そっちのテキストもノーコメント。抽象的すぎて、何が言いたいのかを測り兼ねるわ」

歩夢「穂乃果ちゃんは……これも、知っていたのかな」

鞠莉「それもまだ分からない。ただ……黒幕がこれを、USBを使ってまでヒントとして残していたってことは」

鞠莉「この【希望隔離計画】は、重要な手掛かりになる筈よ」

歩夢「……っ」

歩夢(希望を、絶望から隔離する計画)

歩夢(でも、今の私たちが置かれている状況から見るに……)

歩夢(その計画は、失敗したのだろうか?)

《本当の希望隔離計画》のコトダマを入手しました。

323 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:16:08 ID:kxPgDpz6
歩夢(その後。生徒プロフィールについても改めて確認させてもらったが……)

歩夢(先に学園長室で名簿を見ていたこともあって、これといって気になる箇所はなかった)

歩夢(そして──)

324 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:17:20 ID:kxPgDpz6
ピンポンパンポーン

モノっちー『始まりと終わりの線など引けないと言いますが、ボクはあえて線を引きます』

モノっちー『捜査という時間は終わりを告げ、学級裁判という時間が始まるのです』

モノっちー『オマエらという希望が勝つのか、ボクという絶望が勝つのか』

モノっちー『全ての決着を、つけようじゃありませんか』

モノっちー『いつもの場所で待ってるからネ。うけけ、うけけけけけけけけけけけけけけけ……』

プツン


歩夢「……始まる」

鞠莉「行きましょう、歩夢」

325 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:17:58 ID:kxPgDpz6
────学生寮、廊下

しずく「わっ!?」

歩夢(穂乃果ちゃんの部屋を出ようとした矢先。扉が思わずしずくちゃんにぶつかりそうになった)

鞠莉「大丈夫かしら」

しずく「い、いえ。問題ないです」

歩夢「そういえば、しずくちゃんはどこを調べていたの?」

しずく「鍵が解除されていたということで各階の隠し部屋と……お恥ずかしながら、自分の部屋で心の整理を」

鞠莉「そういえばあったわね、あのブレーカーだけしかない小部屋」

しずく「はい。本当に、ブレーカーしかない部屋でした……収穫ゼロです」

326 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:18:40 ID:kxPgDpz6
しずく「それどころか……心の整理をつけていた筈なのに、何かモヤモヤが残っている気がして」

歩夢「だ、大丈夫だよしずくちゃん。そんなことだってあるから!」

鞠莉「ここで不安になっても仕方ないわ。どのみち、この後の裁判で全て明らかにするだけなんだし」

しずく「あ、いや。そういう話じゃなくって……“何か、なくなっている物がある”ような気がするんです」

鞠莉「……はい?」

しずく「この学園に私物はなかった筈なのに、部屋から何かが消えているような……妙な感覚がするんです」

歩夢「気のせい……って言い切るのは簡単だけど……」

歩夢(とはいえ、消えるほどの物があった覚えもない。やっぱり気のせいでは──)

鞠莉「……うっかりしてたわ」

歩夢「えっ……?」

327 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:19:38 ID:kxPgDpz6
鞠莉「……」

歩夢(鞠莉さんは、物凄い形相で何かを考えこんでいた)

しずく「あ、あの……何か、不味いことでも……」

鞠莉「……話は後。行くわよ、学級裁判に」

しずく「え、あ……はい……」

歩夢「……?」

歩夢(スタスタとエレベーターに向かう鞠莉さんの後を、2人で追う)

歩夢(何かに気付いた様子だけど、今の話で何か分かったのだろうか……?)

《しずくの違和感》のコトダマを入手しました。

328 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:20:58 ID:kxPgDpz6
────赤い門の前

歩夢「……」

歩夢(みんな、覚悟を決めたように無言)

歩夢(璃奈ちゃん、ダイヤさん、梨子ちゃん)

歩夢(鞠莉さん、しずくちゃん、そして私……6人全員が、集まっていた)

歩夢(最初は18人で始まったコロシアイ学園生活も、今はたった6人)

歩夢(減ってしまったことを実感しながら。今まで死んでいったみんなのことを思い返しながら)

歩夢(私たちは、エレベーターに乗り込み……)

歩夢(そして、向かうべき場所へ下り始めた)

329 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:21:36 ID:kxPgDpz6
歩夢(6人を乗せた鉄の塊は、いつものように地下へと潜っていく)

歩夢(深く、深く、深く深く深く深く……)

歩夢(ゆっくりと、私は目を閉じる)

歩夢(この裁判で、絶望を打ち砕くと信じて)

歩夢(希望が勝つということを証明して)

歩夢(残酷で醜悪なゲームを、終わらせてみせる)

歩夢(最後には、みんなで生きて帰る……そのことだけを考えて)

歩夢(やがて、鉄の塊が動きを止め……私は目を開けた)

330 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:22:33 ID:kxPgDpz6
────地下???階、裁判場

モノっちー「……うけけ、待ってたよ」

歩夢(最後ということを意識してか……裁判場は、やけに豪華な造りになっていた)

歩夢(例えるなら、それはコンサートホール)

歩夢(上からはシャンデリアが光を灯し、裁判場を取り囲む壁紙は数多の座席が描かれている)

歩夢(そして中央には、私たちの議席と、12の遺影)

歩夢(モノっちーはといえば……王冠まで被って、玉座で頬杖をついていた)

歩夢(我こそがこの学園の王である、と言わんばかりに)

331 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:23:22 ID:kxPgDpz6
ダイヤ「始める前に、1つだけ確認しておきたいのですが」

モノっちー「ん?」

ダイヤ「穂乃果さんたちの遺体は、既に生物室に?」

モノっちー「何を確認するかと思えば……そうだネ、あいつらは全員ロッカーに収めた後だよ」

モノっちー「途中で捜査に来ていた人もいたけど、その時には既に納品しております」

ダイヤ「……そうですか」

《モノっちーの証言》のコトダマを入手しました。

332 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:23:53 ID:kxPgDpz6
モノっちー「じゃあ、気を取り直して」

モノっちー「オマエらは“希望は絶望より強し”を証明する」

モノっちー「ボクは“絶望に勝るものナシ”と叩きつける」

モノっちー「勝つのは希望か、それとも絶望か」

モノっちー「待望の最終ステージ……ラスボス戦を」

モノっちー「始めようじゃないか」

333 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:25:06 ID:kxPgDpz6
〜学級裁判準備〜
全てを明らかにする、最後の学級裁判。
黒幕は誰なのか? この学園に隠された秘密とは? 最奥で待ち構えているモノとは?
多くの命が散って行った絶望のコロシアイ学園生活に、希望の終止符を打て!

コトダマリスト
《虹ヶ咲学園学園案内》
学園長室に置かれていた冊子。
ここに載っている設備は多岐に及んでいるが、
どれも歩夢たちが閉じ込められている虹ヶ咲学園の設備とは合致していなかった。

《8人の生徒名簿》
虹ヶ咲学園第14期生から16期生までの、歩夢たちが知らない8人の名簿。
載っているのは東條希、絢瀬絵里、矢澤にこ、
園田海未、南ことり、星空凛、小泉花陽、西木野真姫の8人。
穂乃果の話を合わせると、3番目の事件で被害者となった渡辺曜の正体は小泉花陽だったと考えられる。

《渡辺曜の生徒名簿》
超高校級の船乗り・渡辺曜の生徒名簿。
写真に写っていたのは、3番目の事件で被害者となった渡辺曜とは異なる人物だった。

《2人の15期生》
超高校級の幸運・高坂穂乃果と、超高校級の若女将・高海千歌。
高坂穂乃果は高海千歌として学園生活を過ごし、本物の高海千歌は行方が分かっていない。

334 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:25:47 ID:kxPgDpz6
《モノっちー操作室》
黒幕がモノっちーを動かすための、情報処理室の奥の部屋。
黒幕は歩夢たちの監視とモノっちーの操作を同時には行えなかったようだ。

《黒幕について》
黒幕はモノっちー操作室に潜んで居る。
そのため、歩夢たち生存者の中に黒幕が居る可能性はなさそうだ。

《電流警棒》
モノっちー操作室のゴミ箱に入っていた物。
電気が流れる金属部に、水垢のような汚れが付いていた。

《生物室のロッカー》
縦3×横10の計30台からなる、死体を入れるためのロッカー。
ロッカーにはそれぞれ個別に青いランプが点いているが、9台はランプが点灯していなかった。

《西木野真姫の手記》
武器庫の奥の部屋に残されていた手帳。
折り目の付いたページが2か所あり、以下の内容が記されている。
『何よ、今度のプロジェクト』
『研究中の再生医療技術が、どうしてクローンの研究に転用されてるのよ!』
『人道的に大丈夫なのかしら、アレ』

『疲れた。評議委員会の人たちとお話して、なんとかプロジェクトを凍結させた』
『あんなもの倫理に問題大アリだし、私の立場も危うくなるもの』
『しばらく暇になるし、久しぶりに凛や花陽たちと遊びに行こうかしらね』

335 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:26:25 ID:kxPgDpz6
《希望継承計画》
虹ヶ咲学園評議委員会が取り組んでいた新プロジェクト。
才能の継承をテーマに、才能に関する記憶や必要な肉体の移植などを行おうとしていた。
人道的等幾つかの理由から計画自体は頓挫したが、技術自体は残されている。

《記憶喪失について》
希望継承計画で残された、記憶を移植する技術の応用なのではないか。
黒幕が歩夢たちの学生生活の記憶を奪った方法に関する推測。

《海底学園》
ノートPCに入っていた、計画書の構想メモ。
ある人物が、研究発表のために海底に学校の設備を模した建物を造る計画書が記されていた。

《本当の希望隔離計画》
ノートPCに入っていた、以下の内容が記された謎のメモ。
『彼女がクロである証拠を掴んだ』
『捕まえるのは簡単。でも事は穏便に済ませたい』
『希望継承計画の技術を使うしかない』
『希望を絶望から隔離するのが、最善手の筈』

《しずくの違和感》
しずくは自分の個室から、何かがなくなっているような気がした。
個室には特に私物が置いてあるわけではないのだが……?

《モノっちーの証言》
歩夢が生物室を訪れた頃には、既に穂乃果たちの死体は生物室に収められていた。

336 ◆8TImjtGSKs:2020/03/29(日) 21:27:08 ID:kxPgDpz6
今回はここまで。

337 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:06:31 ID:jo4AQBik

 学 級 裁 判 
  開   廷!

338 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:07:10 ID:jo4AQBik
モノっちー「今回は最後の学級裁判ということで、ルールがいつもと少し違います」

モノっちー「まずはそれを明示しておきましょう」

モノっちー「オマエらがやるべきことは、ボクの正体やこの学園の秘密、そして隠された謎を解き明かすこと」

モノっちー「そうやって真実を知った上で、この学園から出る【卒業】かここに残る【留年】かのどちらかに投票してもらいます」

モノっちー「全てを解き明かした上で全員が【卒業】を選べば……オマエらの勝ちー!」

モノっちー「解けない謎があったり、1人でも【留年】を選んだりしたら……ボクの勝ちー!」

モノっちー「敗者に待っているのは、ワックワクでドッキドキのオシオキでーーーす!」

339 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:07:54 ID:jo4AQBik
鞠莉「わざわざ投票もやらせるのね。謎を解くだけでいいんじゃないかしら?」

梨子「そうよ。ここまで来て【留年】を選ぶ人なんて居ないわよ」

歩夢(梨子ちゃんの言葉に、全員が賛同する)

モノっちー「前回の裁判が消化不良だったし、ボクとしては最後くらい投票できっちり締めて欲しいんだよネ」

モノっちー「まあ形式的なモノだと思って、そのくらいはご容赦くださいな」

ダイヤ「……いいでしょう。それで、どの謎から解を示せばよろしいのでしょうか?」

モノっちー「色々あるけど、まずはこの学園そのものの秘密から答えてもらいましょうか」

しずく「この学園の……ですか?」

モノっちー「うけけ……それじゃあ、議論を始めようか」

340 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:09:02 ID:jo4AQBik
【ノンストップ議論 開始!】
[|虹ヶ咲学園学園案内>
[|モノっちー操作室>
[|生物室のロッカー>
[|海底学園>

ダイヤ「学園自体の秘密……」

しずく「なんだか質問が漠然とし過ぎていませんか?」

モノっちー「高坂さんがオマエらにした話が嘘か本当か……争点はそこだよ」

璃奈「《外の世界が滅んでいる》って話のこと(・v・)?」

梨子「でも、あの話を嘘だとは言い切れないでしょ? この学校は【海の底に沈んでいた】んだし」

しずく「そうですよ。海面上昇でも起きなければ【虹ヶ咲学園が水没する】理由にはなりません」

しずく「お台場の海沿いの学園とはいえ【窓の外の景色】は普通ではなかったですし」

鞠莉「……」

歩夢(この学園の秘密……その手掛かりは、確かに残されていた筈だよね)

341 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:09:40 ID:jo4AQBik
[|虹ヶ咲学園学園案内>→【虹ヶ咲学園が水没する】

歩夢「それは違うよ!」

Break!

歩夢「そもそも……私たちが閉じ込められているここは、本当に虹ヶ咲学園だったのかな?」

しずく「えっ……?」

歩夢「学園長室で、妙な冊子を見つけたんだよ」

ダイヤ「妙な冊子、とは?」

歩夢「虹ヶ咲学園の学園案内……それ自体は、本当にただの学園案内なんだけど」

歩夢「そこに載っている設備紹介の写真は“どれもこの建物とは違う設備だった”んだ」

璃奈「プールや体育館なんかの広さが全然違ったし、ここにはない部屋もいっぱいあったよ(・v・)」

342 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:11:15 ID:jo4AQBik
歩夢「写真だと豪華な造りだった学園長室も、冊子が置いてあった部屋とはまるで違った」

歩夢「モノっちー。あのパンフレットに書いてあることは、嘘じゃないんだよね」

モノっちー「勿論ですとも。パンフレットは嘘偽りなく、虹ヶ咲学園が発行しているモノですよ」

歩夢「……だとしたら、考えられるのは1つしかないよ」

ダイヤ「ここが虹ヶ咲学園ではない“どこか別の建物だった”ということですか……」

梨子「じゃあ私たちは、知らない建物に監禁されているってことなの!?」

しずく「しかも……海の中の建造物である事実は変わりません。でなければ外の景色の説明がつきませんから」

璃奈「でもわざわざ学校の設備を作ったのはどうして? 普通、海の中に学校なんて建てないよね(・v・)?」

歩夢(海の中に学校が建てられた理由。それを示す手掛かりは……)

【コトダマ一覧より選択】

343 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:12:30 ID:jo4AQBik
→【海底学園】

歩夢「この建物は、ある人が研究発表として建築した物……だと思うんだ」

歩夢「それを示す構想メモが、ノートPCの中に入ってたんだよ」

ダイヤ「け、研究発表で学校を……?」

モノっちー「そもそも虹ヶ咲学園は、超高校級の才能を磨くための学校だからネ」

モノっちー「記憶を失っているオマエらは覚えてないだろうけど、卒業前にはそれぞれの才能を活かした研究発表があるんだ」

しずく「ちょっと待ってください! それだと、この学校を建てた人って……」

歩夢「虹ヶ咲学園の生徒……しかも、私たちの中に居る可能性が高いんだ」

梨子「えぇっ!?」

歩夢(そうだ。それを示す手掛かりだって、構想メモの中にあった筈……)

【怪しい人物を指名しろ!】

344 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:13:57 ID:jo4AQBik
→【小原鞠莉】

歩夢「鞠莉さん……ですよね。あのメモを書いたのって」

鞠莉「……」

歩夢「構想メモの中には、土地をどうするかを考えている部分がありました」

歩夢「“ウチの所有している島を使う”……在校生の中でこんなことが書けるのは《超高校級の令嬢》である鞠莉さんだけです」

璃奈「卒業生が建てた可能性はないの(・v・)?」

歩夢「メモによると、この海底学園には《超高校級のダイバー》である果南さんの研究発表の拠点にする目的もあったんだ」

歩夢「勿論、卒業生が果南さんを気にかけてって可能性もある。“後輩たちも自由に使えるように”って文章もあったしね。でも──」

鞠莉「主目的はクラスメイトのため、そう考えた方が自然……ってわけでしょう?」

鞠莉「そもそも、ここまで来てモノっちーがノーヒントで謎を吹っかけて来るとは思えない」

鞠莉「多分間違いないわ。この海底学園を建てたのは、私よ」

345 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:16:25 ID:jo4AQBik
梨子「さ、流石は小原家令嬢……」

ダイヤ「鞠莉さん……随分と、大掛かりなことをしたのですね」

鞠莉「返す言葉もないわ……何をやってるのかしら、私」

歩夢「これが……この建物の真相だよ。どうかな、モノっちー」

モノっちー「誰かさんが恥をかいたところで、正解正解〜」

モノっちー「オマエらの推理した通り、この建物は虹ヶ咲学園ではなく……」

モノっちー「小原さんが世間には内緒で、研究発表として建てた海底建築なのでした」

しずく「世間には……道理で、今に至るまで助けが来なかったわけです」

鞠莉「多分私のことだから、ママには内緒で建築班を動かしたんでしょうね」

鞠莉「しかも建物は海の底……そう簡単に辿り着ける場所じゃないわ」

346 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:16:59 ID:jo4AQBik
ダイヤ「そして、モノっちーはそんな建物を乗っ取って、我が物顔でコロシアイを強要したと」

モノっちー「まあネ」

鞠莉「強要だけじゃないわ。モノっちーは私たちの仲間を殺している」

梨子「オシオキで、何人も……」

鞠莉「いいえ。確かにオシオキもあるけれど、今はその話じゃないわ」

璃奈「じゃあ第2多目的室のこと? ほら、穂乃果さんが言ってた……(・v・)」

鞠莉「その件も後で問う必要があるだろうけれど……それでもないわ」

ダイヤ「……何が言いたいのです?」

しずく「裁判が始まる前、鞠莉さん、凄く何かを考えている様子でしたけど……それと何か関係が?」

鞠莉「恐らく、ね。まだ確証は持てないけれど……」

347 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:17:37 ID:jo4AQBik
歩夢「鞠莉さんが気にしていることって……“ある事件”についてなんじゃないかな」

璃奈「ある事件(・v・)?」

歩夢「実は……今回の捜査をしていくうちに、ある事件に関する新しい事実が分かったんだ」

歩夢「どうして鞠莉さんがその事件について気になっているのかは分からないけど……」

歩夢「その事実はもしかしたら、学級裁判の根幹を揺るがすものかも知れないんだ」

しずく「学級裁判の根幹を……?」

モノっちー「ふーん……教えてよ。新事実が分かったのは、どの事件なのかな?」

歩夢「答えてあげるよ。その事件は──」

【黒澤ルビィの事件】
【近江彼方の事件】
【渡辺曜?の事件】
【宮下愛の事件】
【松浦果南と中須かすみの事件】
【国木田花丸の事件】

正しい選択肢を選べ!

348 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:18:21 ID:jo4AQBik
→【近江彼方の事件】

歩夢「2番目の、彼方さんが死んだ事件だよ」

しずく「……っ」

ダイヤ「あの事件……いや、不運な事故と言っても差し支えありませんわね」

梨子「エマさんは何も悪くなかったのに……」

モノっちー「そうそう。中須さんが余計なイタズラをしたせいで、勝手に事故が起きたんだよネ」

モノっちー「しかも犯人であるエマさんはそれに気付いて、投票結果を捻じ曲げようと──」

歩夢「捻じ曲げられたのは、投票結果だけじゃなかったのかも知れない」

モノっちー「……うん?」

349 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:19:19 ID:jo4AQBik
歩夢「あの事件が、事故なんかじゃなかった可能性があるんだ」

歩夢「明確に殺意を持った人が行った、殺人だったのかも知れないんだよ」

璃奈「……えっ(?□!)!?」

モノっちー「だとしたらどうするのさ。事故じゃなかったとしたら、エマさんが意図的に感電させる仕掛けを作っていたとでも?」

モノっちー「大体、判決はもう出たんだよ? その事件に対して今更どうこう言うつもりなの?」

歩夢「その判決自体が間違っていたとしたら?」

鞠莉「あの事件のクロがエマじゃない……ってことね」

歩夢「もし本当に間違いだったなら、学級裁判の信頼は根本から揺らぐことになるよね」

ダイヤ「そうですわね。ほとんどの犯人が、潔く罪を認めていましたが……」

梨子「そ、それこそ、実は学級裁判が成り立ってない事件ばかりだったってことになるわ」

350 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:20:16 ID:jo4AQBik
モノっちー「なるほど? つまりオマエは、ボクの間違いを指摘して、ゲームマスターの失墜を狙っているワケだネ?」

歩夢「うん。やましいことがないなら、この話を聞き入れてくれるよね」

モノっちー「うけけ……いいよ。受けてやろうじゃないか」

モノっちー「過去の事件に隠された真相があったなんて展開、とっても面白いからネ」

歩夢「……」

歩夢(モノっちーは、妙に展開というものにこだわっている)

歩夢(何か……考えがあるの?)

歩夢(いや、今はそんなことを考えている時じゃない)

歩夢(あの結末が間違いだったということを証明して、コロシアイの黒幕を追い詰めるんだ!)

351 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:21:09 ID:jo4AQBik
【ノンストップ議論 開始!】
[|2人の15期生>
[|電流警棒>
[|生物室のロッカー>
[|しずくの違和感>

璃奈「彼方さんの死因は……感電死で合ってるよね(・v・)?」

鞠莉「一度は《毒殺》の線も上がったけれど、実際はそうじゃなかった」

梨子「事故が起きた時、現場に犯人は居なかったのよね」

モノっちー「停電に驚いてこぼしたスポーツドリンクと、不良品のケーブル」

モノっちー「そこに立っていた被害者は、犯人が【ブレーカーを上げた拍子に】感電」

モノっちー「超高校級の幸運が起こした、不運な事故なんだよネ!」

しずく「停電の仕掛けを作ったのは【かすみさん】で……現場に居たのは【果南さん】でしたよね」

モノっちー「エマさんが犯人じゃないなら、真犯人はその2人のどっちかだって言いたいのかな?」

ダイヤ「いえ、もしかしたら……」

歩夢(過去の裁判での結論を覆すかも知れない証拠が出て来たんだ。それを突き付けるしかない!)

352 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:21:58 ID:jo4AQBik
[|電流警棒>→【ブレーカーを上げた拍子に】

歩夢「それは違うよ!」

Break!

歩夢「確かに、彼方さんは感電死だったのかも知れない」

歩夢「あの時のモノっちーファイルには、死因が書いてなかったからね」

モノっちー「まあ、あの事件の謎の大半は死因にあったからネ」

歩夢「でも……感電死を起こすだけなら、ブレーカーは必要ないんだよ。電流警棒を使えばいいんだからね」

梨子「電流警棒……そんなものがあったの?」

ダイヤ「情報処理室の奥の部屋で見つかった物です。ゴミ箱に捨ててありました」

鞠莉「それって……彼方の本当の死因が、その電流警棒だったってことかしら」

353 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:22:43 ID:jo4AQBik
歩夢「うん。つまりあの事件の犯人は、停電を復旧させたエマちゃんじゃなくって……」

しずく「電流警棒を使った人って事ですか!?」

モノっちー「うけけ……それは飛躍しすぎじゃないかなあ」

璃奈「飛躍してるの(・v・)?」

モノっちー「そもそも、近江さんの死に電流警棒が関わっている証拠がないでしょ」

モノっちー「ここは学級裁判なんだからさ。論ずるなら証拠を出してもらわないと」

梨子「確か、彼方さんって火傷を何箇所かに負っていたのよね」

鞠莉「いえ。火傷じゃあ電流警棒が使われたという証拠にはならないわ」

鞠莉「仮にそうだとしても、彼方の死体を詳しく調べていた花丸はもう居ないんだから……」

モノっちー「うけけ……」

歩夢(いや。証拠は、電流警棒そのものに残されていた筈……)

【持ち手】
【スイッチ】
【電極】

正しい選択肢を選べ!

354 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:25:21 ID:jo4AQBik
→【電極】

歩夢「ダイヤさん、言ってましたよね。電流が通る金属部に水垢が付いていたと」

ダイヤ「ええ。ゆえに、水か濡れた物に触れたのは確かだろうと思ったのです」

ダイヤ「事件当夜、彼方さんの身体も……そうでしたよね」

モノっちー「……」

鞠莉「事件当夜、彼方はプールあがりだったことを果南が証言してるわ」

鞠莉「彼方に直接当てたかスポーツドリンクをこぼした床に当てたのかは分からないけど……十分、彼方を殺せるでしょうね」

モノっちー「だったら、死体が水槽に沈んでいた松浦さんの事件で使われ──」

鞠莉「果南の死に関わったのは銃とナイフよ」

モノっちー「……」

355 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:26:35 ID:jo4AQBik
璃奈「あの時のモノっちーファイルは死因や外傷も詳しく書いてた……電流警棒が出てくる場所はないよね(・v・)?」

梨子「オシオキにも、水や電気が使われた物はなかったわ」

歩夢「つまり……電流警棒が使われたのは、彼方さんの事件としか考えられないんだ」

歩夢「そして、その凶器が情報処理室の奥の部屋で見つかったってことは──」

モノっちー「それは違うんだよネ!」

反論!

モノっちー「さっきから何を言ってるんだよオマエらは」

モノっちー「そんな妄言が通るなんて……本当に思ってるの?」

356 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:27:31 ID:jo4AQBik
【反論ショーダウン 開始!】
[|電流警棒>
[|生物室のロッカー>
[|記憶喪失について>
[|モノっちーの証言>

モノっちー「犯人が近江さん殺害に電流警棒を使った……」

モノっちー「その前提が根本的に間違ってるんだよネ」

モノっちー「隠し部屋のブレーカーを上げたエマさんには……」

モノっちー「電流警棒を持って現場に行くことが出来なかったんだからさ」

─発展─
でも、その前提を大きく覆す方法があるんだ
   モノっちー、あなたが犯人だった場合だよ!

モノっちー「ボクが犯人? いやいや、それ以外の可能性だってあるでしょ」

モノっちー「もう1人犯人になれる人が居るじゃないか」

モノっちー「そう。被害者が死んだ時、現場に居た松浦さんになら……」

モノっちー「【電流警棒を使える】よネ?」

歩夢(……反論になっていなかった主張は、果南さんに罪を押し付けるための前フリだったんだね)

歩夢(でも……その主張も通さないよ!)

357 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:28:44 ID:jo4AQBik
[|電流警棒>→【電流警棒を使える】

歩夢「その言葉、斬らせてもらうよ!」

Break!

歩夢「さっきも言ったけど、あの電流警棒は“見つかった場所”も重要なんだ」

しずく「情報処理室の奥の部屋……でしたよね」

梨子「ちょっと待って!? そもそも情報処理室自体……」

鞠莉「穂乃果が事件を起こすまで、黒幕以外は入れない部屋だった」

鞠莉「それに、奥の部屋に至っては捜査中にようやく入れたんでしょう?」

ダイヤ「ええ。しかもモノっちーは、私と歩夢さんを騙し討ちにかけてあの部屋から追い出そうとしました」

ダイヤ「余程、あの手掛かりを見られたくなかったのでしょうね?」

モノっちー「……」

歩夢「つまり、彼方さんを殺した事件の真犯人は……」

【怪しい人物を指名しろ!】

358 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:29:54 ID:jo4AQBik
→【モノっちー】

歩夢「このコロシアイを計画したモノっちー……そして、それを動かしている黒幕だよ!」

モノっちー「……」

璃奈「それじゃあ、エマさんは……(>_<。)」

しずく「無実の罪でオシオキされたってことじゃないですか!?」

歩夢「その通りだよ……彼女は、誰も殺してなんかいなかったんだ」

歩夢「それなのに彼女は処刑にかけられた。黒幕に罪を押し付けられて殺されたんだ」

歩夢「しかもモノっちーは、そんな嘘まみれの真実を正解だと言った」

歩夢「そのせいで私たちも、そしてエマさん自身も。最後まで彼女が犯人だと思い込んでいたんだ」

歩夢「ねえモノっちー。あなたはこのコロシアイを公正なゲームのように楽しんでいたけど……」

歩夢「これの、どこが公正なゲームなの!? 丸っきりデタラメだよね!?」

359 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:30:51 ID:jo4AQBik
鞠莉「そうね。この推理が本当だとすれば、今までの裁判も怪しくなってくるわ」

鞠莉「本当は全部、違った判決だったんじゃないか……そう疑われても仕方ないわ」

梨子「そんなの、ゲームなんかじゃないわ。ただの殺し合いじゃない……!」

鞠莉「それどころか、全部モノっちーが殺していたりしてね。コロシアイゲームを根本から否定する問題よ」

歩夢「モノっちー……私は、あなたを絶対に許さない」

歩夢「人の命をもてあそんだことだって、許すことは出来ないけど」

歩夢「真実を捻じ曲げてコロシアイを強要したあなたを、絶対に許さない!」

モノっちー「……言わせておけば、ベラベラと」

モノっちー「ボクが犯人だって指摘するのは大いに結構」

モノっちー「ボクのゲームマスターとしての信用を落とすのも大いに結構」

モノっちー「でもオマエら……肝心なことを忘れてるよネ」

璃奈「肝心なこと(>_<。)?」

モノっちー「さあさあ、面白くなってきたよ。まだまだ議論を回そうじゃないか!」

360 ◆8TImjtGSKs:2020/05/18(月) 19:31:30 ID:jo4AQBik
【ノンストップ議論 開始!】
[|8人の生徒名簿>
[|黒幕について>
[|西木野真姫の手記>
[|記憶喪失について>

モノっちー「【ボクが犯人】だとしても、それだけじゃあボクを犯人扱いは出来ないよ」

しずく「ここまで証拠が挙がっているんですよ?」

モノっちー「分からないかなあ。ボクを犯人だと指摘するってことは……」

モノっちー「ボクの《正体を指摘》しないといけないんだよネ」

ダイヤ「あなたの、正体ですか……」

モノっちー「というか、オマエらが言う黒幕って【オマエらの中にいる】わけだしネ」

モノっちー「だって、生き残ってるのはオマエらだけなんだもの」

璃奈「私たちの中に、黒幕が……(>_<。)?」

しずく「だ、誰なんですか!?」

歩夢(……どこまで、モノっちーは卑怯な真似をするんだろう)

歩夢(もう、その程度の出まかせには騙されない……!)


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